説明

光ディスク装置

【課題】 新たな光ディスクの搬入に際して新旧2枚の光ディスクをユーザが把持せざるを得なくなるといった状況を改善し、同時に、光ディスク装置内における搬送の不具合等で生じる光ディスクの損傷をも確実に防止する。
【解決手段】 トレイ2を挟んだ光ディスクの上下方向の移動を許容する構成により、光ディスク装置1の筐体3内における新旧の光ディスク11,16の交換操作や退避操作を実現する。特に、トレイ2(前部トレイ8,後部トレイ9)やディスク保持機構4,5(ディスク保持部材10)で新旧の光ディスク11,16の縁部(外周部)のみを支えて光ディスク11,16を保持して搬送する構成を適用することで、光ディスク11,16の主要部(データの記憶等に供される中央部)に生じる傷付きや汚れ等を確実に防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースを筐体の内部に備え、新たな光ディスクの搬入に際し、使用済みの光ディスクをディスク回転駆動部から取り外して退避スペースに保留し、新たな光ディスクをディスク回転駆動部にセットしてから使用済みの光ディスクを筐体の外部に排出するようにした光ディスク装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
記録/再生を行った光ディスクを光ディスク装置内に存在させた状態で新たな光ディスクの搬入を許容し、光ディスク装置内で新旧の光ディスクの交換操作を行った後、使用済みの光ディスクつまり先に光ディスク装置内に入っていた光ディスクを排出するようにした光ディスク装置が、特許文献1および特許文献2として既に提案されている。
【0003】
何れも光ディスク装置内に新たな光ディスクを搬入する際に生じる新旧2枚の光ディスクの取り扱いの煩わしさを解消することを目的とした技術であり、これらの技術によれば、前もって光ディスク装置から使用済みの光ディスクを取り出しておくといった作業が不要となるので、これから光ディスク装置に搬入すべき光ディスクと光ディスク装置から排出された使用済みの光ディスクの2枚をユーザが同時に把持せざるを得なくなるといった状況が改善され、また、ユーザ側の取り扱いの不手際で生じる光ディスクの損傷、例えば、ディスク表面の傷付きや指紋あるいは埃の付着といった問題も軽減され得る。
【0004】
このうち、特許文献1に開示された光ディスク装置は、スロットローディング式の単一の搬送手段を利用して光ディスクの搬入および排出を行うものであり、また、特許文献2に開示された光ディスク装置は、スロットローディング式の搬送手段を上下方向に併設し、其の一方を光ディスクの搬入専用に使用し、もう一方を光ディスクの搬出専用に使用するようにしたものである。
【0005】
特許文献1や特許文献2に開示される光ディスク装置は、何れもスロットローディング式の搬送手段を適用することを前提として開発されたものであるが、スロットローディング式の搬送手段においては、光ディスクの搬入や排出に際して光ディスクに直に接して送りを掛ける搬送ローラやピンチローラ等の使用が必須となり、また、光ディスク自体は何物にも保護されない状態で搬送経路内を移動することになるので、搬送ローラやピンチローラとの接触あるいはローラに付着したゴミ等によってディスク表面に傷が付いたり、あるいは、ディスク表面が搬送経路の壁面等に接触して傷付くといった心配がないわけではない。
【0006】
理論上、この種の問題は、スロットローディング式の搬送手段に代えてトレイ式の搬送手段を適用することで或る程度は解消され得るが、光ディスクの搬入や排出に用いられるトレイの大きさは光ディスクの外径と同等あるいは其れ以上であるのが一般的であり、このトレイが邪魔となるため、光ディスク装置の筐体内で新旧の光ディスクの交換操作を行ったり、使用済みの光ディスクを筐体内の退避スペースに移動させるといった操作に困難が伴い、これまでのところ、トレイ式の搬送手段を適用して此の種の処理操作を実現した例はない。
【0007】
【特許文献1】特開平11−162068号公報(段落0006)
【特許文献2】特開2000−357356号公報(段落0003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、前記従来技術の不都合を改善し、新たな光ディスクの搬入に際し、使用済みの光ディスクをディスク回転駆動部から取り外して退避スペースに保留し、新たな光ディスクをディスク回転駆動部にセットしてから使用済みの光ディスクを筐体の外部に排出する機能を有する光ディスク装置をトレイ式の搬送手段を利用して構成すること、つまり、新旧2枚の光ディスクをユーザが同時に把持せざるを得なくなるといった状況を改善し、ユーザ側の取り扱いの不手際で生じる光ディスクの損傷、例えば、ディスク表面の傷付きや指紋あるいは埃の付着といった問題を解消することに加え、更に、光ディスク装置内における搬送の不具合で生じる光ディスクの損傷、例えば、搬送ローラやピンチローラとの接触やローラに付着したゴミ等によってディスク表面に傷が付いたり、あるいは、ディスク表面が搬送経路の壁面等に接触して傷付くといった不都合をも確実に防止することのできる光ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光ディスク装置は、使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースを筐体の内部に備え、新たな光ディスクの搬入に際し、使用済みの光ディスクをディスク回転駆動部から取り外して退避スペースに保留し、新たな光ディスクをディスク回転駆動部にセットしてから使用済みの光ディスクを筐体の外部に排出するようにした光ディスク装置であり、前記課題を達成するため、特に、
光ディスクを載置するトレイを前部トレイと後部トレイとに分割して構成し、前記前部トレイには、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部と当該切欠部から径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の前縁部を支える突出部を形成する一方、前記後部トレイには、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部と当該切欠部から径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の後縁部を支える突出部を形成し、
前記筐体内のディスク格納位置に引き込まれた前記トレイと干渉しない筐体内の左右位置に、少なくとも、光ディスク下面の側縁部を支える突出部を有して光ディスクの径方向外側から光ディスクに接近して光ディスクを左右両側で支える一対のディスク保持部材を備えた第一,第二のディスク保持機構を上下方向に重ねて併設すると共に、
前記前部トレイの突出部と前記後部トレイの突出部との間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに下回るディスク保持位置と前記前部トレイの突出部と前記後部トレイの突出部との間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに上回るディスク解放位置との間で前部トレイと後部トレイの相対位置を変化させるトレイ駆動手段と、
前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置を保持した状態で前記トレイを筐体内のディスク格納位置と筐体外のディスク交換位置との間でスライド移動させるトレイ搬送手段と、
前記一対のディスク保持部材の突出部が光ディスク下面の側縁部を支えるディスク保持位置と前記一対のディスク保持部材の突出部が光ディスク下面の側縁部から径方向外側に離脱するディスク解放位置との間で前記第一,第二のディスク保持機構における一対のディスク保持部材の位置を変化させる第一,第二のディスク保持部材駆動手段と、
前記第一のディスク保持機構の上下位置がトレイの上下位置に一致し且つ前記第二のディスク保持機構の上下位置がトレイ下方のディスク回転駆動部の上下位置に一致する初期位置と、前記第一のディスク保持機構の上下位置がトレイ下方のディスク回転駆動部の上下位置に一致する下降位置と、前記第一のディスク保持機構の上下位置がトレイ上方の退避スペースの上下位置に一致し且つ前記第二のディスク保持機構の上下位置がトレイの上下位置に一致する上昇位置との間で、前記第一,第二のディスク保持機構を一体的に上下移動させる保持機構昇降手段を前記筐体内に配備したことを特徴とする構成を有する。
【0010】
従って、トレイ駆動手段を作動させて前部トレイと後部トレイの相対位置をディスク保持位置に変化させた状態下では、前部トレイの突出部と後部トレイの突出部によって光ディスク下面の前縁部と後縁部とが支えられ、この種の状来型のトレイと同様にして光ディスクを保持することができる。筐体内のディスク格納位置と筐体外のディスク交換位置との間での光ディスクの搬送は、前部トレイと後部トレイによって構成されるトレイを一体的にスライド移動させるトレイ搬送手段によって従来と同様にして実現される。
また、トレイ下方のディスク回転駆動部にセットされている使用済みの光ディスクをトレイ上方の退避スペースに退避させる場合、あるいは、トレイ上に載置されている新たな光ディスクをトレイ下方のディスク回転駆動部にセットする場合には、トレイ駆動手段を作動させて前部トレイと後部トレイの相対位置をディスク解放位置に変化させ、前部トレイの突出部と後部トレイの突出部との間の離間距離を光ディスクの直径よりも大きくすることで、トレイを挟んだ光ディスクの上下方向の移動を許容する。光ディスクの上下方向の移動は、第一,第二のディスク保持部材駆動手段を作動させて第一,第二のディスク保持機構における一対のディスク保持部材の位置をディスク保持位置に変化させ、該一対のディスク保持部材の突出部で光ディスク下面の左右の側縁部を支えた状態で、保持機構昇降手段を作動させて第一,第二のディスク保持機構を一体的に上下移動させることにより実現される。
このようにして、トレイを挟んだ光ディスクの上下方向の移動を許容する構成により、光ディスク装置の筐体内での新旧の光ディスクの交換操作、および、使用済みの光ディスクを筐体内の退避スペースに移動させる操作を実現し、更に、トレイや第一,第二のディスク保持機構を利用した筐体内部での光ディスクの移送に際し、搬送ローラやピンチローラの使用を根絶すると共に、光ディスク下面の縁部のみを保持することで、光ディスクの主要部に生じる傷付きや汚れの付着等を確実に防止しようとするものである。
【0011】
また、前述のディスク保持部材には、光ディスク下面の側縁部を支える突出部に加え、光ディスク上面の側縁部を支える突出部を備えるようにしてもよい。
【0012】
ディスク回転駆動部のスピンドルが光ディスクの孔と弾性的に嵌合するクリックストップ機能等を備えた構造の場合、光ディスクに一定の力を加えてスピンドルの先端に孔の部分を押し付ける必要があるので、少なくとも、第二のディスク保持機構におけるディスク保持部材には、必ず、光ディスク上面の側縁部を支える突出部を設けるようにする。
また、第一,第二のディスク保持機構におけるディスク保持部材に光ディスク上面の側縁部を支える突出部を設けるようにすれば、光ディスクを水平に載置して使用することを前提とした光ディスク装置(前述の構成のもの)を縦置きの状態で使用することも可能となる。なお、光ディスク装置を縦置きとした場合の光ディスクの脱落を防止するためのトレイ構造に関しては既に公知であり、これを前部トレイと後部トレイとからなるトレイ構造に転用するのは容易である。
【0013】
より具体的には、前記トレイ駆動手段と前記トレイ搬送手段および前記第一,第二のディスク保持部材駆動手段と前記保持機構昇降手段を駆動制御する制御部と、光ディスクの差し替えを指令するためのディスク入れ替えスイッチと、前記トレイ上への新たな光ディスクの載置を検知するディスク検出センサを備えた構成とし、
前記制御部は、前記ディスク入れ替えスイッチからの指令を受けると、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記第一,第二のディスク保持部材をディスク解放位置に保持した第一,第二のディスク保持機構を初期位置から下降位置に移動させると共に、前記トレイ搬送手段を作動させて、前部トレイと後部トレイをディスク保持位置に保持したトレイをディスク格納位置からディスク交換位置に移動させてから、前記第一のディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記第一のディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク保持位置に変化させて該ディスク保持部材に使用済みの光ディスクを保持させ、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記第一,第二のディスク保持機構を上昇位置に移動させて使用済みの光ディスクをトレイ上方の退避スペースに保留するディスク保留シーケンスを実行する一方、
前記ディスク検出センサからのディスク検出信号を受けると、前記トレイ搬送手段を作動させて、前記トレイをディスク格納位置にスライド移動させ、更に、前記第二のディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記第二のディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク保持位置に変化させて該ディスク保持部材に前記トレイ上の光ディスクを保持させてから、前記トレイ駆動手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置をディスク解放位置に変化させ、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記第一,第二のディスク保持部材で使用済みの光ディスクと新たな光ディスクを保持した第一,第二のディスク保持機構を下降位置に移動させて新たな光ディスクをトレイ下方のディスク回転駆動部にセットしてから、前記第二のディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記第二のディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させ、且つ、前記トレイ駆動手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置をディスク保持位置に変化させて前記トレイ上に使用済みの光ディスクを保持してから、前記第一のディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させ、更に、前記トレイ搬送手段を作動させて、前部トレイと後部トレイをディスク保持位置に保持したトレイをディスク格納位置からディスク交換位置にスライド移動させるディスク排出シーケンスを実行するように構成されていることが望ましい。
【0014】
なお、ディスク検出センサに代えてディスク搬入スイッチを配備し、ディスク搬入スイッチの手動操作によってディスク排出シーケンスを開始させるようにしても構わない。
【0015】
更に、前記制御部は、ディスク排出シーケンスにおいて新たな光ディスクをトレイ下方のディスク回転駆動部にセットして前記第二のディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させた段階で、ディスク回転駆動部の作動を開始するように構成してもよい。
【0016】
新たな光ディスクがディスク回転駆動部にセットされた段階で直ちにディスク回転駆動部の作動が開始されるので、ユーザは、使用済みの光ディスクの排出を待つことなく、必要とあれば直ちに光ディスク装置を利用した読み込みや書き込み等の処理を開始することができる。
【0017】
また、前記と同様の課題を達成するため、使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースを兼ねる第一のトレイと新たな光ディスクを搬入するための第二のトレイを上下方向に併設し、
各トレイを前部トレイと後部トレイとに分割して構成し、前記前部トレイには、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部と当該切欠部から径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の前縁部を支える突出部を形成する一方、前記後部トレイには、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部と当該切欠部から径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の後縁部を支える突出部を形成し、
前記筐体内のディスク格納位置に引き込まれた前記各トレイと干渉しない筐体内の左右位置に、少なくとも、光ディスク下面の側縁部を支える突出部を有して光ディスクの径方向外側から光ディスクに接近して光ディスクを左右両側で支える一対のディスク保持部材を備えたディスク保持機構を設けると共に、
前記前部トレイの突出部と前記後部トレイの突出部との間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに下回るディスク保持位置と前記前部トレイの突出部と前記後部トレイの突出部との間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに上回るディスク解放位置との間で前記各トレイにおける前部トレイと後部トレイの相対位置を変化させる第一,第二のトレイ駆動手段と、
前記各トレイにおける前部トレイと前記後部トレイの相対位置を保持した状態で前記各トレイを筐体内のディスク格納位置と筐体外のディスク交換位置との間でスライド移動させる第一,第二のトレイ搬送手段と、
前記一対のディスク保持部材の突出部が光ディスク下面の側縁部を支えるディスク保持位置と前記一対のディスク保持部材の突出部が光ディスク下面の側縁部から径方向外側に離脱するディスク解放位置との間で前記ディスク保持機構における一対のディスク保持部材の位置を変化させるディスク保持部材駆動手段と、
前記ディスク保持機構の上下位置が第二のトレイ下方のディスク回転駆動部の上下位置に一致する初期位置と、前記ディスク保持機構の上下位置が前記第一のトレイの上下位置に一致する上昇位置と、前記ディスク保持機構の上下位置が前記第二のトレイの上下位置に一致する中間位置との間で、前記ディスク保持機構を上下移動させる保持機構昇降手段を前記筐体内に配備した構成を適用してもよい。
【0018】
前記と同様、第一,第二のトレイ駆動手段を作動させて前部トレイと後部トレイの相対位置をディスク保持位置に変化させた状態下では、前部トレイの突出部と後部トレイの突出部によって光ディスク下面の前縁部と後縁部とが支えられ、この種の状来型のトレイと同様にして光ディスクを保持することができる。筐体内のディスク格納位置と筐体外のディスク交換位置との間での光ディスクの搬送は、前部トレイと後部トレイによって構成される第一,第二のトレイをスライド移動させる第一,第二のトレイ搬送手段によって従来と同様にして実現される。但し、この構成においては、第一のトレイは使用済みの光ディスクの排出専用に使用され、該第一のトレイが使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースとしても機能する。また、第二のトレイは新たな光ディスクの搬入専用に使用される。
そして、第二のトレイ下方のディスク回転駆動部にセットされている使用済みの光ディスクを第一のトレイからなる退避スペースに退避させる場合、あるいは、第二のトレイ上に載置されている新たな光ディスクを第二のトレイ下方のディスク回転駆動部にセットする場合には、第一,第二のトレイ駆動手段を作動させて第一,第二のトレイにおける前部トレイと後部トレイの相対位置をディスク解放位置に変化させ、前部トレイの突出部と後部トレイの突出部との間の離間距離を光ディスクの直径よりも大きくすることで、第一,第二のトレイを挟んだ光ディスクの上下方向の移動(使用済みの光ディスクをディスク回転駆動部から第一のトレイに退避させる場合)、あるいは、第二のトレイを挟んだ光ディスクの上下方向の移動(第二のトレイ上に載置されている新たな光ディスクをディスク回転駆動部にセットする場合)を許容する。光ディスクの上下方向の移動は、ディスク保持部材駆動手段を作動させてディスク保持機構における一対のディスク保持部材の位置をディスク保持位置に変化させ、該一対のディスク保持部材の突出部で光ディスク下面の左右の側縁部を支えた状態で、保持機構昇降手段を作動させてディスク保持機構を上下移動させることで実現される。
前記と同様、第一,第二のトレイを挟んだ光ディスクの上下方向の移動を許容することによって光ディスク装置の筐体内での新旧の光ディスクの交換操作、および、使用済みの光ディスクを筐体内の退避スペース(第一のトレイ)に移動させる操作を実現し、更に、第一,第二のトレイやディスク保持機構を利用した筐体内部での光ディスクの移送に際し、搬送ローラやピンチローラの使用を根絶すると共に、光ディスク下面の縁部のみを保持することで、光ディスクの主要部に生じる傷つきや汚れの付着等を確実に防止しようとするものである。
【0019】
また、ディスク保持部材には、光ディスク下面の側縁部を支える突出部に加え、光ディスク上面の側縁部を支える突出部を備えるようにしてもよい。
【0020】
ディスク回転駆動部のスピンドルが光ディスクの孔と弾性的に嵌合するクリックストップ機能等を備えた構造の場合、光ディスクに一定の力を加えてスピンドルの先端に孔の部分を押し付ける必要があるので、ディスク保持部材には、必ず、光ディスク上面の側縁部を支える突出部を設けるようにする。
また、これにより、光ディスクを水平に載置して使用することを前提とした光ディスク装置(前述の構成のもの)を縦置きの状態で使用することも可能となる。光ディスク装置を縦置きとした場合の光ディスクの脱落を防止するためのトレイ構造に関しては既に公知であり、これを前部トレイと後部トレイとからなるトレイ構造に転用するのは容易である。
【0021】
より具体的には、前記第一,第二のトレイ駆動手段と前記第一,第二のトレイ搬送手段および前記ディスク保持部材駆動手段と前記保持機構昇降手段を駆動制御する制御部と、光ディスクの差し替えを指令するためのディスク入れ替えスイッチと、前記第二のトレイ上への新たな光ディスクの載置を検知するディスク検出センサを備え、
前記制御部は、前記ディスク入れ替えスイッチからの指令を受けると、前記ディスク保持部材駆動手段を作動させて、ディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置からディスク保持位置に変化させて該ディスク保持部材に使用済みの光ディスクを保持させ、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイをディスク開放位置に保持した第二,第一のトレイを介して、前記ディスク保持機構を初期位置から上昇位置に移動させると共に、前記第一のトレイ駆動手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置をディスク解放位置からディスク保持位置に変化させて該第一のトレイ(筐体内の退避スペース)に使用済みの光ディスクを保持してから、前記第二のトレイ駆動手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置をディスク保持位置に変化させ、前記第二のトレイ搬送手段を作動させて、前記第二のトレイをディスク格納位置からディスク交換位置にスライド移動させるディスク保留シーケンスを実行する一方、
前記ディスク検出センサからのディスク検出信号を受けると、前記第二のトレイ搬送手段を作動させて、前記第二のトレイをディスク格納位置にスライド移動させ、更に、前記ディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記ディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させてから、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記ディスク保持機構を中間位置に移動させ、前記ディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記ディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク保持位置に変化させて該ディスク保持部材に前記第二のトレイ上の新たな光ディスクを保持させ、更に、前記第二のトレイ駆動手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置をディスク解放位置に変化させてから、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記ディスク保持部材で新たな光ディスクを保持したディスク保持機構を初期位置に移動させて新たな光ディスクを第二のトレイ下方のディスク回転駆動部にセットし、前記ディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記ディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させてから、前記第一のトレイ搬送手段を作動させて、前部トレイと後部トレイをディスク保持位置に保持した第一のトレイをディスク格納位置からディスク交換位置にスライド移動させるディスク排出シーケンスを実行するように構成されていることが望ましい。
【0022】
ディスク検出センサに代えてディスク搬入スイッチを配備し、ディスク搬入スイッチの手動操作によってディスク排出シーケンスを開始させるようにしても構わない。
【0023】
また、前記制御部は、ディスク排出シーケンスにおいて新たな光ディスクを第二のトレイ下方のディスク回転駆動部にセットして前記ディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させた段階で、ディスク回転駆動部の作動を開始するように構成してもよい。
【0024】
新たな光ディスクがディスク回転駆動部にセットされた段階で直ちにディスク回転駆動部の作動が開始されるので、ユーザは、使用済みの光ディスクの排出を待つことなく、必要とあれば直ちに光ディスク装置を利用した読み込みや書き込み等の処理を開始することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の光ディスク装置は、トレイを挟んで光ディスクの上下方向の移動を許容することで光ディスク装置の筐体内での新旧の光ディスクの交換操作、および、使用済みの光ディスクを筐体内の退避スペースに移動させる操作を実現することによって搬送ローラやピンチローラの使用を根絶し、しかも、光ディスク下面の縁部のみを保持することで光ディスクの搬送を行うようにしているので、新旧2枚の光ディスクをユーザが同時に把持せざるを得なくなることで生じるユーザ側の取り扱いの不手際による光ディスクの損傷に加え、光ディスク装置内における搬送の不具合で生じる光ディスクの損傷、例えば、搬送ローラやピンチローラとの接触やローラに付着したゴミ等によってディスク表面に傷が付いたり、あるいは、ディスク表面が搬送経路の壁面等に接触して傷付くといった不都合をも確実に解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して具体的に説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は1つのトレイを使用して光ディスクの搬入と搬出を行うようにした光ディスク装置の一例について構成要素のレイアウトの概略を示した透視図である。
【0028】
この光ディスク装置1は、図1に示されるように、光ディスクを載置するトレイ2と、筐体3内のディスク格納位置に引き込まれたトレイ2に干渉しない筐体3内の左右位置に上下方向に重ねて併設された第一のディスク保持機構4と第二のディスク保持機構5、および、第一,第二のディスク保持機構4,5を一体的に上下移動させるための保持機構昇降手段6と、光ディスクを回転駆動するためのディスク回転駆動部7を備える。
【0029】
図2にトレイ2の構成の概略および該トレイ2と第一,第二のディスク保持機構4,5との組み合わせの状態を示す。
【0030】
トレイ2は、図2に示されるように、前部トレイ8と後部トレイ9に分割して構成され、前部トレイ8には、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部8aと、この切欠部8aから径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の前縁部を支える突出部8bとが形成されている。また、後部トレイ9には、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部9aと、この切欠部9aから径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の後縁部を支える突出部9bが形成されている。
【0031】
図2では前部トレイ8の突出部8bと後部トレイ9の突出部9bとの間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに下回るディスク保持位置にあるときの状態を示しており、この状態では、図3に示されるようにして、光ディスク下面の前縁部と後縁部が突出部8b,9bによって支えられ、従来公知の一体型のトレイと同様にして光ディスクがトレイ2に保持されるようになっている。
【0032】
なお、ここでいう前縁部とは図1に示されるようにして光ディスク装置1を正置した際に手前側に位置する光ディスクの外周部のことであり、光ディスクを方向性の基準として光ディスク上の特定の位置を意味するものではない。後縁部や側縁部の表現に関しても同様の意味合いである。
【0033】
前部トレイ8と後部トレイ9との間の離間距離は、前部トレイ8と後部トレイ9の相対位置を変化させるトレイ駆動手段として機能する電磁ソレノイドSOL1によって調整され、前部トレイ8の突出部8bと後部トレイ9の突出部9bとの間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに下回る図2のようなディスク保持位置と、前部トレイ8の突出部8bと後部トレイ9の突出部9bとの間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに上回るディスク解放位置の何れか一方に、前部トレイ8および後部トレイ9が位置決めされるようになっている。
【0034】
図2では記載を省略するが、電磁ソレノイドSOL1は励磁状態で突出するプッシュ型のソレノイドであり、通電を解除した非励磁状態においては、前部トレイ8と後部トレイ9が接近した図2のような状態、つまり、トレイ2上に光ディスクを載置することが可能な状態となる。また、電磁ソレノイドSOL1を励磁状態とした場合には、前部トレイ8の突出部8bと後部トレイ9の突出部9bとの間の離間距離が光ディスクの直径よりも大きくなるので、光ディスクは、前部トレイ8の突出部8bと後部トレイ9の突出部9bとの間を抜けて図2の紙面垂直方向、つまり、図1の上下方向にトレイ2を挟んで移動することができる。
【0035】
前部トレイ8と後部トレイ9によって構成されるトレイ2を筐体3内のディスク格納位置と筐体3外のディスク交換位置との間でスライド移動させるトレイ搬送手段の構成に関しては公知であるので図面中での記載は省略し、その駆動源となるステッピングモータをモータM1として図6中に示す。
【0036】
この実施例では、トレイ駆動手段として機能する電磁ソレノイドSOL1は前部トレイ8および後部トレイ9と一体的に移動するようになっているので、前部トレイ8と後部トレイ9によって構成されるトレイ2を筐体3の内外にスライド移動させても、前部トレイ8と後部トレイ9との間の離間距離は変化しない。
【0037】
つまり、モータM1を駆動源として構成されるトレイ搬送手段は、前部トレイ8と後部トレイ9の相対位置を保持した状態でトレイ2を筐体3内のディスク格納位置と筐体3外のディスク交換位置との間でスライド移動させる手段である。
【0038】
第一のディスク保持機構4は、図2に示されるように、光ディスク下面の側縁部を支える突出部10aと光ディスク上面の側縁部を支える突出部10bを有して光ディスクを左右両側で支える一対のディスク保持部材10,10を備える。
但し、光ディスク上面の側縁部を支える突出部10bは、光ディスク装置1を縦置き等の状態で使用することを想定して設けたものであり、光ディスク装置1を専ら正置して使用する場合には、必ずしも必要なものではない。
【0039】
第一のディスク保持機構4における左右のディスク保持部材10,10の間の離間距離は、左右のディスク保持部材10,10の相対位置を変化させる第一のディスク保持部材駆動手段として機能する電磁ソレノイドSOL2によって調整され、左右のディスク保持部材10,10の突出部10a(10b),10a(10b)が光ディスクの径方向外側から接近して光ディスクの側縁部を支える図2のようなディスク保持位置と、左右のディスク保持部材10,10の突出部10a(10b),10a(10b)が光ディスクの側縁部から径方向外側に離脱するディスク解放位置の何れか一方に、左右のディスク保持部材10,10が位置決めされるようになっている。
【0040】
図2では記載を省略するが、電磁ソレノイドSOL2は励磁状態で短縮するプル型のソレノイドであり、通電を解除した非励磁状態においては、左右のディスク保持部材10,10が離間した状態となり、光ディスクは、左右のディスク保持部材10,10の突出部10a(10b),10a(10b)の間を抜けて図2の紙面垂直方向、つまり、図1の上下方向に相対的に移動することができる。
また、電磁ソレノイドSOL2を励磁した状態では、図2に示されるようにして左右のディスク保持部材10,10が接近し、図5に示されるように、光ディスクの左右両側が突出部10a(10b),10a(10b)によって上下方向から支えられるので、光ディスクは、左右のディスク保持部材10,10を介して、第一のディスク保持機構4に実質的に固定されることになる。
【0041】
第二のディスク保持機構5の構成は、図4に示される通り、実質的に、前述した第一のディスク保持機構4と同等であり、第二のディスク保持機構5における左右のディスク保持部材10,10の間の離間距離は、第二のディスク保持部材駆動手段として機能する電磁ソレノイドSOL2’によって調整される。
但し、第二のディスク保持機構5のディスク保持部材10において光ディスク上面の側縁部を支える突出部10bは、トレイ2の下方に位置するディスク回転駆動部7のスピンドルが光ディスクの孔と弾性的に嵌合するクリックストップ機能を備えていることを前提にして設けたものであるから、ディスク回転駆動部7のスピンドルの先端に真空引き等の他の手段で光ディスクをセットするような構成、つまり、光ディスクをディスク回転駆動部7のスピンドルに押し付けてセットする必要がない構成を適用する場合であって、且つ、光ディスク装置1を縦置き等の状態で使用することを想定していない場合に限って省略することが可能である。
【0042】
第一,第二のディスク保持機構4,5を一体的に上下移動させるための保持機構昇降手段は、ボールナット&スクリューあるいはラック&ピニオン等からなる直動式の送り機構とガイドロッドおよびステッピングモータ等の駆動源によって構成されるが、この種の機械要素に関しては既に公知であるので、図面中での記載は省略し、その駆動源となるステッピングモータをモータM2として図6中に示すにとどめる。
【0043】
図7(a)は、光ディスク11をディスク回転駆動部7にセットしてデータの読み込みや書き込み等の処理を行う際の光ディスク装置1の状態について側方から示した透視図である。図7(a)では、第一のディスク保持機構4の上下位置がトレイ2の上下位置に一致し且つ第二のディスク保持機構5の上下位置がトレイ2下方のディスク回転駆動部7の上下位置に一致した初期位置について示しているが、モータM2を駆動制御して保持機構昇降手段を操作することにより、第一のディスク保持機構4の上下位置がトレイ2下方のディスク回転駆動部7の上下位置に一致する図7(b)のような下降位置と、第一のディスク保持機構4の上下位置がトレイ2上方の退避スペースSの上下位置に一致し且つ第二のディスク保持機構5の上下位置がトレイ2の上下位置に一致する図7(c)のような上昇位置との間で、第一,第二のディスク保持機構4,5を一体的に上下移動させることができる。
【0044】
この実施例では図7(a)の状態を光ディスク装置1の初期状態と定義しており、この状態で、トレイ2を構成する前部トレイ8と後部トレイ9が接近した状態(SOL1がOFF)となり、第一のディスク保持機構4のディスク保持部材10,10が離間した状態(SOL2がOFF)となると共に、第二のディスク保持機構5のディスク保持部材10,10が離間した状態(SOL2’がOFF)となる。
【0045】
図7(a)中の符号SW1は光ディスクの差し替えを指令するためのディスク入れ替えスイッチであり、また、符号S1はトレイ2上への新たな光ディスクの載置を検知するディスク検出センサである。
【0046】
トレイ駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL1,トレイ搬送手段の主要部として機能するモータM1,第一のディスク保持部材駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL2,第二のディスク保持部材駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL2’,保持機構昇降手段の主要部として機能するモータM2を駆動制御する制御部12の構成の概略を図6のブロック図に示す。
【0047】
制御部12はCPU13とROM14および不揮発性メモリ15を備え、ROM14には、使用済みの光ディスク11をトレイ2上方の退避スペースSに保留する際に必要とされるディスク保留シーケンスを実行するための駆動制御プログラムや、新たな光ディスク16の搬入および使用済みの光ディスク11の排出に際して必要とされるディスク排出シーケンスを実行するために必要とされる駆動制御プログラム等が予め格納され、また、不揮発性メモリ15には、トレイ搬送手段の主要部として機能するモータM1や保持機構昇降手段の主要部として機能するモータM2の駆動制御に必要とされる各種のパラメータ等が予め格納されている。
【0048】
ディスク入れ替えスイッチSW1を手動操作することで生成されるディスク入れ替え信号やディスク検出センサS1がトレイ2上への新たな光ディスクの載置を検知することで生成されるディスク検出信号は、CPU13の入出力回路17を介してCPU13に入力される。
【0049】
また、トレイ駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL1,トレイ搬送手段の主要部として機能するモータM1,第一のディスク保持部材駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL2,第二のディスク保持部材駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL2’,保持機構昇降手段の主要部として機能するモータM2は各々のドライバと入出力回路17を介してCPU13によって駆動制御される。
【0050】
公知手段であるディスク回転駆動部7とリードライト部18(トレーサーヘッドおよび其のアクチュエータ等)も従来と同様にしてCPU13により駆動制御されるようになっている。
【0051】
次に、図7(a)〜図7(f)を参照して新たな光ディスク16を光ディスク装置1に搬入する際の各部の動作について具体的に説明する。
【0052】
まず、光ディスク装置1が図7(a)に示されるような初期状態にあるときにユーザがディスク入れ替えスイッチSW1を操作すると、CPU13が入出力回路17を介してディスク入れ替え信号を検出し、ROM14に格納されている駆動制御プログラムに基づいてディスク保留シーケンスを開始する。
【0053】
CPU13は、まず、保持機構昇降手段の主要部を構成するモータM2を駆動制御して第一,第二のディスク保持機構4,5を図7(a)に示されるような初期位置から図7(b)に示されるような下降位置に移動させる。第一,第二のディスク保持機構4,5の下降量、つまり、初期位置から下降位置までの移動量は、パルスモータからなるモータM2の回転量として不揮発性メモリ15にパラメータ設定されているので、CPU13は、モータM2に出力する駆動指令パルスをカウントしながらモータM2を駆動制御し、出力パルス数が設定値に達した段階で駆動指令パルスの出力を停止するだけでよい。
【0054】
この際、第一,第二のディスク保持機構4,5の各ディスク保持部材10,10は前述したディスク解放位置に保持されているので(初期状態のまま)、ディスク保持部材10,10の突出部10a,10bが、現時点でディスク回転駆動部7にセットされている使用済みの光デスク11に干渉することはない。
【0055】
次いで、CPU13は、トレイ搬送手段の主要部を構成するモータM1を駆動制御してトレイ2を図7(a)に示されるようなディスク格納位置から図7(b)に示されるようなディスク交換位置にスライド移動させる。モータM1の駆動制御は前記と同様に駆動指令パルスのカウントによって実現することができる。あるいは、トレイ2が移動限度に達したことをリミットスイッチ等によって検知してモータM1の駆動を停止したり、または、トレイ2が移動限度に達してモータM1の駆動電流が増大したことを検知してモータM1の駆動を停止するようにしてもよい(何れも公知技術である)。
【0056】
トレイ2の前部トレイ8と後部トレイ9はディスク保持位置に保持されているので(初期状態のまま)、ユーザは、必要に応じて新たな光ディスク16をトレイ2上に載置することが可能である。
【0057】
次いで、CPU13は、第一のディスク保持部材駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL2を作動させ、第一のディスク保持機構4のディスク保持部材10,10の位置をディスク解放位置からディスク保持位置に変化させて、該ディスク保持部材10,10によって使用済みの光ディスク11を保持させる。
【0058】
そして、CPU13は、保持機構昇降手段の主要部を構成するモータM2を駆動制御して第一,第二のディスク保持機構4,5を図7(b)に示されるような下降位置から図7(c)に示されるような上昇位置に移動させて、使用済みの光ディスク11をトレイ2上方の退避スペースSに保留する。モータM2の駆動制御に関しては、既に述べた通り、駆動指令パルスとパラメータ設定値の関係に基づいて行われる。
【0059】
以上で、ディスク保留シーケンスは終了し、図7(c)に示されるようにして使用済みの光ディスク11がトレイ2上方の退避スペースSに保留され、また、トレイ2上に新たな光ディスク16を載置することが可能な状態となる。
【0060】
次いで、図7(c)の状態において、ユーザが新たな光ディスク16をトレイ2上に載置すると、ディスク検出センサS1が作動する。そして、CPU13が入出力回路17を介してディスク検出信号を検出し、ROM14に格納されている駆動制御プログラムに基づいてディスク排出シーケンスを開始する。ディスク検出センサS1に代わるディスク搬入スイッチを別途に配備し、ディスク搬入スイッチの手動操作によってディスク排出シーケンスを開始させるようにすることも可能である。
【0061】
CPU13は、まず、トレイ搬送手段の主要部を構成するモータM1を駆動制御してトレイ2を図7(c)に示されるようなディスク交換位置から図7(d)に示されるようなディスク格納位置にスライド移動させる。この段階では、第二のディスク保持機構5のディスク保持部材10,10の位置はディスク解放位置となっているので、トレイ2によって搬送される新たな光ディスク16の外周部が第二のディスク保持機構5と干渉することはない。
【0062】
次いで、CPU13は、第二のディスク保持部材駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL2’を作動させて第二のディスク保持機構5のディスク保持部材10,10の位置をディスク保持位置に変化させることで、該ディスク保持部材10,10にトレイ2上の光ディスク16を保持させ、この状態を保持したまま、トレイ駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL1を作動させて、前部トレイ8と後部トレイ9の相対位置をディスク解放位置に変化させ、光ディスク16をトレイ2から第二のディスク保持機構5に引き渡す。
この段階で、図7(d)に示される通り、使用済みの光ディスク11が第一のディスク保持機構4に保持され、また、新たな光ディスク16が第二のディスク保持機構5に保持された状態となる。
【0063】
次いで、CPU13は、保持機構昇降手段の主要部を構成するモータM2を駆動制御して第一,第二のディスク保持機構4,5を図7(d)に示されるような上昇位置から図7(e)に示されるような初期位置に移動させ、第二のディスク保持機構5が保持している新たな光ディスク16をトレイ2下方のディスク回転駆動部7にセットする。
【0064】
この際、トレイ2を構成する前部トレイ8と後部トレイ9はディスク解放位置に保持されているので、第二のディスク保持機構5によって搬送される新たな光ディスク16の外周部がトレイ2に干渉することはない。
【0065】
次いで、CPU13は、第二のディスク保持部材駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL2’を作動させて第二のディスク保持機構5のディスク保持部材10,10の位置をディスク解放位置に変化させることにより、第二のディスク保持機構5が保持していた新たな光ディスク16をディスク回転駆動部7に完全に引き渡す。
【0066】
この実施例では、このようにして新たな光ディスク16がディスク回転駆動部7に完全に引き渡された段階で図7(e)に示されるようにしてディスク回転駆動部7の作動を開始させるようにしているので、ユーザは、使用済みの光ディスク11の排出を待つことなく、必要とあれば直ちに光ディスク装置1を利用して新たな光ディスク16に対してデータの読み込みや書き込み等の処理を開始することができる。光ディスク16の使用に際して最初に必要とされる処理、例えば、CDやDVD等の種別に関わる識別処理や、フォーマットが一致しない場合のイニシャライズ処理等に関しても、この時点で実行するものとする。
【0067】
次いで、CPU13は、トレイ駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL1を作動させて前部トレイ8と後部トレイ9の相対位置をディスク保持位置に変化させることにより、これまで第一のディスク保持機構4で保持されていた使用済みの光ディスク11をトレイ2に保持させ、第一のディスク保持部材駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL2を作動させて第一のディスク保持機構4のディスク保持部材10,10の位置をディスク解放位置に変化させることにより、使用済みの光ディスク11を第一のディスク保持機構4からトレイ2に完全に引き渡す。
【0068】
次いで、CPU13は、トレイ搬送手段の主要部を構成するモータM1を駆動制御し、前部トレイ8と後部トレイ9をディスク保持位置に位置させて使用済みの光ディスク11を保持しているトレイ2を図7(e)に示されるようなディスク格納位置から図7(f)に示されるようなディスク交換位置にスライド移動させてディスク排出シーケンスを終了する。
【0069】
この際、第一のディスク保持機構4のディスク保持部材10,10はディスク解放位置に保持されているので、トレイ2で搬送される使用済みの光ディスク11の左右両側が第一のディスク保持機構4のディスク保持部材10,10の突出部10a,10bに干渉することはない。
【0070】
ディスク交換位置に移動したトレイ2からの光ディスク11の取り出しはユーザの手によって行い、その後、空になったトレイ2を押し込んで図7(a)に示されるようなディスク格納位置に戻す。
【0071】
この段階では既に第一のディスク保持機構4のディスク保持部材10,10と第二のディスク保持機構5のディスク保持部材10,10がディスク解放位置に保持され、また、トレイ2を構成する前部トレイ8と後部トレイ9はディスク保持位置に保持され、第一,第二のディスク保持機構4,5は上下方向の初期位置に位置しているので、空のトレイ2を押し込む操作が完了した時点で、光ディスク装置1の各部は図7(a)に示されるような初期状態に完全に復帰したことになる。
【実施例2】
【0072】
図8は2つのトレイを使用して光ディスクの搬入と搬出を行うと共に一方のトレイを使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースとして利用するようにした光ディスク装置の一例について構成要素のレイアウトの概略を側方から示した透視図である。
【0073】
この光ディスク装置19は、使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースを兼ねる第一のトレイ20と新たな光ディスクを搬入するための第二のトレイ21を上下方向に重合して備え、このうち、第一のトレイ20が使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースとして機能する。
【0074】
第一,第二のトレイ20,21の構造は前述の実施例1で説明したトレイ2と同様である。
【0075】
すなわち、第一,第二のトレイ20,21は、その各々が、例えば図2に示されるようにして前部トレイ8と後部トレイ9に分割して構成されており、前部トレイ8には、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部8aと、この切欠部8aから径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の前縁部を支える突出部8bとが形成され、また、後部トレイ9には、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部9aと、この切欠部9aから径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の後縁部を支える突出部9bが形成されている。
【0076】
第一のトレイ20における前部トレイ8と後部トレイ9との間の離間距離は第一のトレイ駆動手段として機能する電磁ソレノイドSOL1a(図9参照)によって調整され、また、第二のトレイ21における前部トレイ8と後部トレイ9との間の離間距離は第二のトレイ駆動手段として機能する電磁ソレノイドSOL1b(図9参照)によって調整される。
【0077】
そして、第一のトレイ20は、第一のトレイ搬送手段の主要部を構成するモータM1a(図9参照)によってディスク格納位置とディスク交換位置との間でスライド移動させられ、また、第二のトレイ21は、第二のトレイ搬送手段の主要部を構成するモータM1b(図9参照)によってディスク格納位置とディスク交換位置との間でスライド移動させられるようになっている。
【0078】
また、筐体内3のディスク格納位置に引き込まれた第一,第二のトレイ20,21と干渉しない筐体3内の左右位置には、一対のディスク保持部材10,10を備えたディスク保持機構22が設けられている。
【0079】
ディスク保持機構22の構造は前述の実施例1で説明した第一のディスク保持機構4あるいは第二のディスク保持機構5と同様である。
【0080】
すなわち、ディスク保持機構22は、例えば図2に示されるようにして、光ディスク下面の側縁部を支える突出部10aと光ディスク上面の側縁部を支える突出部10bを有して光ディスクを左右両側で支える一対のディスク保持部材10,10を備える。
この場合、光ディスク上面の側縁部を支える突出部10bは、第二のトレイ21の下方に位置するディスク回転駆動部7のスピンドルが光ディスクの孔と弾性的に嵌合するクリックストップ機能を備えていることを前提にして設けたものであるから、ディスク回転駆動部7のスピンドルの先端に真空引き等の他の手段で光ディスクをセットするような構成、つまり、光ディスクをディスク回転駆動部7のスピンドルに押し付けてセットする必要がない構成を適用する場合であって、且つ、光ディスク装置19を縦置き等の状態で使用することを想定していない場合に限って突出部10bを省略することが可能である。
【0081】
左右のディスク保持部材10,10の間の離間距離は、左右のディスク保持部材10,10の相対位置を変化させるディスク保持部材駆動手段として機能する電磁ソレノイドSOL2”(図9参照)によって調整され、左右のディスク保持部材10,10の突出部10a(10b),10a(10b)が光ディスクの径方向外側から接近して光ディスクの側縁部を支えるディスク保持位置と、左右のディスク保持部材10,10の突出部10a(10b),10a(10b)が光ディスクの側縁部から径方向外側に離脱するディスク解放位置の何れか一方に、左右のディスク保持部材10,10が位置決めされるようになっている。
【0082】
ディスク保持機構22を上下移動させるための保持機構昇降手段は、ボールナット&スクリューあるいはラック&ピニオン等からなる直動式の送り機構とガイドロッドおよびステッピングモータ等の駆動源によって構成される。その駆動源となるステッピングモータをモータM2として図9中に示す。
【0083】
図10(a)は、光ディスク11をディスク回転駆動部7にセットしてデータの読み込みや書き込み等の処理を行う際の光ディスク装置19の状態について側方から示した透視図である。図10(a)では、ディスク保持機構22の上下位置が第二のトレイ21下方のディスク回転駆動部7の上下位置に一致した初期位置について示しているが、モータM2を駆動制御して保持機構昇降手段を操作することにより、ディスク保持機構22の上下位置が第一のトレイ20(退避スペース)の上下位置に一致する図10(b)のような上昇位置と、ディスク保持機構22の上下位置が第二のトレイ21の上下位置に一致する図10(d)のような中間位置との間で、ディスク保持機構22を上下移動させることができる。
【0084】
この実施例では図10(a)の状態を光ディスク装置19の初期状態と定義しており、この状態で、第一のトレイ20を構成する前部トレイ8と後部トレイ9が離間した状態(プル型のSOL1aがOFF)となり、また、第二のトレイ21を構成する前部トレイ8と後部トレイ9が離間した状態(プル型のSOL1bがOFF)となると共に、ディスク保持機構22のディスク保持部材10,10が離間した状態(プル型のSOL2”がOFF)となる。
【0085】
図10(a)中の符号SW1は光ディスクの差し替えを指令するためのディスク入れ替えスイッチ、また、符号SW2は光ディスク装置21を初期状態に復帰させるためのリセットスイッチであり、符号S1は第二のトレイ21への新たな光ディスクの載置を検知するディスク検出センサである。
【0086】
第一のトレイ駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL1a,第二のトレイ駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL1b,第一のトレイ搬送手段の主要部として機能するモータM1a,第二のトレイ搬送手段の主要部として機能するモータM1b,ディスク保持部材駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL2”,保持機構昇降手段の主要部として機能するモータM2を駆動制御する制御部23の構成の概略を図9のブロック図に示す。
【0087】
制御部23はCPU24とROM25および不揮発性メモリ26を備え、ROM25には、使用済みの光ディスク11を第一のトレイ20(退避スペース)に保留する際に必要とされるディスク保留シーケンスを実行するための駆動制御プログラムや、新たな光ディスク16の搬入および使用済みの光ディスク11の排出に際して必要とされるディスク排出シーケンスを実行するために必要とされる駆動制御プログラム等が予め格納され、また、不揮発性メモリ26には、第一,第二のトレイ搬送手段の主要部として機能するモータM1a,M1bや保持機構昇降手段の主要部として機能するモータM2の駆動制御に必要とされる各種のパラメータ等が予め格納されている。
【0088】
ディスク入れ替えスイッチSW1を手動操作することで生成されるディスク入れ替え信号と、リセットスイッチSW2を手動操作することで生成されるリセット信号、および、ディスク検出センサS1が第二のトレイ21上への新たな光ディスクの載置を検知することで生成されるディスク検出信号は、CPU24の入出力回路27を介してCPU24に入力される。
【0089】
また、第一のトレイ駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL1a,第二のトレイ駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL1b,第一のトレイ搬送手段の主要部として機能するモータM1a,第二のトレイ搬送手段の主要部として機能するモータM1b,ディスク保持部材駆動手段の主要部として機能する電磁ソレノイドSOL2”,保持機構昇降手段の主要部として機能するモータM2は各々のドライバと入出力回路27を介してCPU24によって駆動制御される。
【0090】
公知手段であるディスク回転駆動部7とリードライト部18(トレーサーヘッドおよび其のアクチュエータ等)も従来と同様にしてCPU24により駆動制御される。
【0091】
次に、図10(a)〜図10(f)を参照して新たな光ディスク16を光ディスク装置19に搬入する際の各部の動作について具体的に説明する。
【0092】
まず、光ディスク装置19が図10(a)に示されるような初期状態にあるときにユーザがディスク入れ替えスイッチSW1を操作すると、CPU24が入出力回路27を介してディスク入れ替え信号を検出し、ROM25に格納されている駆動制御プログラムに基づいてディスク保留シーケンスを開始する。
【0093】
CPU24は、まず、ディスク保持部材駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL2”を作動させて、ディスク保持機構22のディスク保持部材10,10の位置をディスク解放位置からディスク保持位置に変化させて該ディスク保持部材10,10によって使用済みの光ディスク11を保持させ、保持機構昇降手段の主要部を構成するモータM2を駆動制御して、前部トレイ8と後部トレイ9をディスク開放位置(初期状態のまま)に保持した第二,第一のトレイ21,20を介して、ディスク保持機構22を図10(a)に示されるような初期位置から図10(b)に示されるような上昇位置(退避スペース)に移動させる。ディスク保持機構22の上昇量、つまり、初期位置から上昇位置までの移動量は、パルスモータからなるモータM2の回転量として不揮発性メモリ26にパラメータ設定されているので、CPU24は、モータM2に出力する駆動指令パルスをカウントしながらモータM2を駆動制御し、出力パルス数が設定値に達した段階で駆動指令パルスの出力を停止するだけでよい。
【0094】
この際、第一,第二のトレイ20,21の前部トレイ8と後部トレイ9はディスク解放位置に保持されているので(初期状態のまま)、ディスク保持機構22によって搬送される使用済みの光ディスク11が第一,第二のトレイ20,21に干渉することはない。
【0095】
次いで、CPU24は、第一のトレイ駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL1aを作動させて、第一のトレイ20における前部トレイ8と後部トレイ9の相対位置をディスク解放位置からディスク保持位置に変化させて第一のトレイ21に使用済みの光ディスク11を保持してから、第二のトレイ駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL1bを作動させて、第二のトレイ21における前部トレイ7と後部トレイ8の相対位置をディスク保持位置に変化させ、第二のトレイ搬送手段の主要部を構成するモータM1bを駆動制御して、第二のトレイ21を図10(a)に示されるようなディスク格納位置から図10(b)に示されるようなディスク交換位置にスライド移動させる。モータM1bの駆動制御は前記と同様に駆動指令パルスのカウントによって達成される。あるいは、第二のトレイ21が移動限度に達したことをリミットスイッチ等によって検知してモータM1bの駆動を停止したり、または、第二のトレイ21が移動限度に達してモータM1bの駆動電流が増大したことを検知してモータM1bの駆動を停止するようにしてもよい(何れも公知技術である)。
【0096】
この段階では既に第二のトレイ21における前部トレイ8と後部トレイ9がディスク保持位置に位置決めされているので、ユーザは、必要に応じて新たな光ディスク16を第二のトレイ21上に載置することが可能である。
【0097】
以上で、ディスク保留シーケンスは終了し、図10(c)に示されるようにして使用済みの光ディスク11が第一のトレイ20上(退避スペース)に保留され、また、第二のトレイ21上に新たな光ディスク16を載置することが可能な状態となる。
【0098】
次いで、図10(c)の状態において、ユーザが新たな光ディスク16を第二のトレイ21上に載置すると、ディスク検出センサS1が作動する。そして、CPU24が入出力回路27を介してディスク検出信号を検出し、ROM25に格納されている駆動制御プログラムに基づいてディスク排出シーケンスを開始する。ディスク検出センサS1に代わるディスク搬入スイッチを別途に配備し、ディスク搬入スイッチの手動操作によってディスク排出シーケンスを開始させるようにすることも可能である。
【0099】
CPU24は、まず、第二のトレイ搬送手段の主要部を構成するモータM1bを駆動制御して第二のトレイ21を図10(c)に示されるようなディスク交換位置から図10(d)に示されるようなディスク格納位置にスライド移動させ、更に、ディスク保持部材駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL2”を作動させてディスク保持機構22のディスク保持部材10,10の位置をディスク解放位置に変化させてから、保持機構昇降手段の主要部を構成するモータM2を駆動制御して、ディスク保持機構22を図10(c)に示されるような上昇位置から図10(d)に示されるような中間位置に移動させる。この段階で、使用済みの光ディスク11はディスク保持機構22から完全に離れ、退避スペースである第一のトレイ20上に保持される。
【0100】
次いで、CPU24は、ディスク保持部材駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL2”を作動させてディスク保持機構22のディスク保持部材10,10の位置をディスク保持位置に変化させ、ディスク保持部材10,10によって第二のトレイ21上の新たな光ディスク16を保持させる。
【0101】
そして、CPU24は、第二のトレイ駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL1bを作動させて、第二のトレイ21における前部トレイ8と後部トレイ9の相対位置をディスク解放位置に変化させて新たな光ディスク16と第二のトレイ21との干渉を解消してから、保持機構昇降手段の主要部を構成するモータM2を駆動制御し、ディスク保持部材10,10によって新たな光ディスク16を保持したディスク保持機構22を、図10(d)に示されるような中間位置から図10(e)に示されるような初期位置に移動させて、新たな光ディスク16を第二のトレイ21下方のディスク回転駆動部7にセットする。
【0102】
次いで、CPU24は、ディスク保持部材駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL2”を作動させてディスク保持機構22のディスク保持部材10,10の位置をディスク解放位置に変化させ、ディスク保持機構22が保持していた新たな光ディスク16をディスク回転駆動部7に完全に引き渡す。
【0103】
この実施例では、このようにして新たな光ディスク16がディスク回転駆動部7に完全に引き渡された段階で図10(e)に示されるようにしてディスク回転駆動部7の作動を開始させるようにしているので、ユーザは、使用済みの光ディスク11の排出を待つことなく、必要とあれば直ちに光ディスク装置19を利用して新たな光ディスク16に対してデータの読み込みや書き込み等の処理を開始することができる。光ディスク16の使用に際して最初に必要とされる処理、例えば、CDやDVD等の種別に関わる識別処理や、フォーマットが一致しない場合のイニシャライズ処理等に関しても、この時点で実行するものとする。
【0104】
次いで、CPU24は、第一のトレイ搬送手段の主要部を構成するモータM1aを駆動制御して、使用済みの光ディスク11を保持している第一のトレイ20を図10(e)に示されるようなディスク格納位置から図10(f)に示されるようなディスク交換位置にスライド移動させてディスク排出シーケンスを終了する。
【0105】
ディスク交換位置に移動した第一のトレイ20からの光ディスク11の取り出しはユーザの手によって行う。
【0106】
その後、光ディスク11を取り出したユーザがリセットスイッチSW2を操作すると、CPU24がリセット信号を検出し、第一のトレイ搬送手段の主要部を構成するモータM1aを駆動制御して第一のトレイ20を図10(f)に示されるようなディスク交換位置から図10(a)に示されるようなディスク格納位置にスライド移動させ、更に、第一のトレイ駆動手段の主要部を構成する電磁ソレノイドSOL1aを作動させて第一のトレイ20における前部トレイ8と後部トレイ9の相対位置をディスク解放位置に変化させる。
【0107】
この段階では既にディスク保持機構22のディスク保持部材10,10がディスク解放位置に保持され、第二のトレイ21を構成する前部トレイ8と後部トレイ9はディスク保持位置に保持され、ディスク保持機構22は上下方向の初期位置に位置しているので、第一のトレイ20における前部トレイ8と後部トレイ9の相対位置がディスク解放位置に変化した時点で、光ディスク装置19の各部は図10(a)に示されるような初期状態に完全に復帰したことになる。
【0108】
以上に述べた通り、1つのトレイ2を使用して光ディスクの搬入と搬出を行うようにした実施例1の光ディスク装置1、および、2つのトレイ20,21を使用して光ディスクの搬入と搬出を行うようにした実施例2の光ディスク装置19の何れにおいても、トレイ2,20,21を挟んで新旧の光ディスク11,16を上下方向に移動させて光ディスク装置1,19の筐体3内において新旧の光ディスク11,16の交換操作を行うことができ、また、使用済みの光ディスク16を筐体3内の上部に位置する退避スペースSまたは退避スペースとして機能するトレイ20に保留した状態で新たな光ディスク16を取り込むことができる。これにより、光ディスクの差し替えに際して新旧2枚の光ディスクをユーザが同時に把持せざるを得なくなることで生じるユーザ側の取り扱いの不手際による光ディスクの損傷が未然に防止される。
【0109】
更に、前述の実施例1および実施例2の構成では、スロットローディング式の光ディスク装置のような搬送ローラやピンチローラ等のように新旧の光ディスク11,16に直接的に接触あるいは摺接して送りを掛ける手段を一切使用していないので、光ディスク装置内における搬送の不具合で生じる光ディスクの損傷、例えば、搬送ローラやピンチローラとの接触やローラに付着したゴミ等によってディスク表面に傷が付いたり、あるいは、ディスク表面が搬送経路の壁面等に接触して傷付くといった不都合を効果的に防止することができる。
【0110】
しかも、筐体3内で新旧の光ディスク11,16の搬送や取り回しに使用されるトレイ2,20,21(前部トレイ8,後部トレイ9)やディスク保持機構4,5,22(ディスク保持部材10)は、新旧の光ディスク11,16の縁部(外周部)のみを支えて光ディスク11,16を保持する構成であるから、特に、光ディスク11,16の主要部(データの記憶等に供される中央部)に生じる傷付きや汚れの付着等は、殆ど確実に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】1つのトレイを使用して光ディスクの搬入と搬出を行うようにした光ディスク装置の一例について概略を示した透視図である(実施例1)。
【図2】トレイの構成の概略について示した平面図である(実施例1)。
【図3】前部トレイおよび後部トレイの突出部と光ディスクとの係合状態を示した概念図である(実施例1)。
【図4】第一,第二のディスク保持機構の併設状態を示した概念図である(実施例1)。
【図5】左右のディスク保持部材の突出部と光ディスクとの係合状態を示した概念図である(実施例1)。
【図6】制御部の構成の概略を示したブロック図である(実施例1)。
【図7】光ディスク装置の各部の動作について具体的に示した概念図で、図7(a)は初期状態について、図7(b)はトレイをディスク格納位置からディスク交換位置にスライド移動させた状態について、図7(c)は使用済みの光ディスクを退避させた状態について、図7(d)は新たな光ディスクを搬入した直後の状態について、図7(e)は新たな光ディスクをディスク回転駆動部にセットした状態について、図7(f)は使用済みの光ディスクを排出した状態について示している(実施例1)。
【図8】2つのトレイを使用して光ディスクの搬入と搬出を行うと共に一方のトレイを使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースとして利用するようにした光ディスク装置の一例について概略を示した透視図である(実施例2)。
【図9】制御部の構成の概略を示したブロック図である(実施例2)。
【図10】光ディスク装置の各部の動作について具体的に示した概念図で、図10(a)は初期状態について、図10(b)は使用済みの光ディスクを第一のトレイに退避させて第二のトレイをディスク格納位置からディスク交換位置にスライド移動させた状態について、図10(c)は新たな光ディスクの搬入が可能となったときの状態について、図10(d)は新たな光ディスクを搬入した直後の状態について、図10(e)は新たな光ディスクをディスク回転駆動部にセットした状態について、図10(f)は使用済みの光ディスクを排出した状態について示している(実施例2)。
【符号の説明】
【0112】
1 光ディスク装置
2 トレイ
3 筐体
4 第一のディスク保持機構
5 第二のディスク保持機構
6 保持機構昇降手段
7 ディスク回転駆動部
8 前部トレイ
8a 円弧状の切欠部
8b 突出部
9 後部トレイ
9a 円弧状の切欠部
9b 突出部
10 ディスク保持部材
10a 突出部
10b 突出部
11 光ディスク(使用済みの光ディスク)
12 制御部
13 CPU
14 ROM
15 不揮発性メモリ
16 光ディスク(新たな光ディスク)
17 入出力回路
18 リードライト部
19 光ディスク装置
20 第一のトレイ
21 第二のトレイ
22 ディスク保持機構
23 制御部
24 CPU
25 ROM
26 不揮発性メモリ
27 入出力回路
S 退避スペース
SOL1 プッシュ型の電磁ソレノイド(トレイ駆動手段)
SOL2 プル型の電磁ソレノイド(第一のディスク保持部材駆動手段)
SOL2’ プル型の電磁ソレノイド(第二のディスク保持部材駆動手段)
M1 モータ(トレイ搬送手段)
M2 モータ(保持機構昇降手段)
SW1 ディスク入れ替えスイッチ
SW2 リセットスイッチ
S1 ディスク検出センサ
SOL1a プル型の電磁ソレノイド(第一のトレイ駆動手段)
SOL1b プル型の電磁ソレノイド(第二のトレイ駆動手段)
SOL2” プル型の電磁ソレノイド(ディスク保持部材駆動手段)
M1a モータ(第一のトレイ搬送手段)
M1b モータ(第二のトレイ搬送手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースを筐体の内部に備え、新たな光ディスクの搬入に際し、使用済みの光ディスクをディスク回転駆動部から取り外して退避スペースに保留し、新たな光ディスクをディスク回転駆動部にセットしてから使用済みの光ディスクを筐体の外部に排出するようにした光ディスク装置において、
光ディスクを載置するトレイを前部トレイと後部トレイとに分割して構成し、前記前部トレイには、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部と当該切欠部から径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の前縁部を支える突出部を形成する一方、前記後部トレイには、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部と当該切欠部から径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の後縁部を支える突出部を形成し、
前記筐体内のディスク格納位置に引き込まれた前記トレイと干渉しない筐体内の左右位置に、少なくとも、光ディスク下面の側縁部を支える突出部を有して光ディスクの径方向外側から光ディスクに接近して光ディスクを左右両側で支える一対のディスク保持部材を備えた第一,第二のディスク保持機構を上下方向に重ねて併設すると共に、
前記前部トレイの突出部と前記後部トレイの突出部との間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに下回るディスク保持位置と前記前部トレイの突出部と前記後部トレイの突出部との間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに上回るディスク解放位置との間で前部トレイと後部トレイの相対位置を変化させるトレイ駆動手段と、
前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置を保持した状態で前記トレイを筐体内のディスク格納位置と筐体外のディスク交換位置との間でスライド移動させるトレイ搬送手段と、
前記一対のディスク保持部材の突出部が光ディスク下面の側縁部を支えるディスク保持位置と前記一対のディスク保持部材の突出部が光ディスク下面の側縁部から径方向外側に離脱するディスク解放位置との間で前記第一,第二のディスク保持機構における一対のディスク保持部材の位置を変化させる第一,第二のディスク保持部材駆動手段と、
前記第一のディスク保持機構の上下位置がトレイの上下位置に一致し且つ前記第二のディスク保持機構の上下位置がトレイ下方のディスク回転駆動部の上下位置に一致する初期位置と、前記第一のディスク保持機構の上下位置がトレイ下方のディスク回転駆動部の上下位置に一致する下降位置と、前記第一のディスク保持機構の上下位置がトレイ上方の退避スペースの上下位置に一致し且つ前記第二のディスク保持機構の上下位置がトレイの上下位置に一致する上昇位置との間で、前記第一,第二のディスク保持機構を一体的に上下移動させる保持機構昇降手段を前記筐体内に配備したことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記ディスク保持部材が、光ディスク上面の側縁部を支える突出部を備えたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記トレイ駆動手段と前記トレイ搬送手段および前記第一,第二のディスク保持部材駆動手段と前記保持機構昇降手段を駆動制御する制御部と、光ディスクの差し替えを指令するためのディスク入れ替えスイッチと、前記トレイ上への新たな光ディスクの載置を検知するディスク検出センサを備え、
前記制御部は、前記ディスク入れ替えスイッチからの指令を受けると、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記第一,第二のディスク保持部材をディスク解放位置に保持した第一,第二のディスク保持機構を初期位置から下降位置に移動させると共に、前記トレイ搬送手段を作動させて、前部トレイと後部トレイをディスク保持位置に保持したトレイをディスク格納位置からディスク交換位置にスライド移動させてから、前記第一のディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記第一のディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク保持位置に変化させて該ディスク保持部材に使用済みの光ディスクを保持させ、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記第一,第二のディスク保持機構を上昇位置に移動させて使用済みの光ディスクをトレイ上方の退避スペースに保留するディスク保留シーケンスを実行する一方、
前記ディスク検出センサからのディスク検出信号を受けると、前記トレイ搬送手段を作動させて、前記トレイをディスク格納位置にスライド移動させ、更に、前記第二のディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記第二のディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク保持位置に変化させて該ディスク保持部材に前記トレイ上の光ディスクを保持させてから、前記トレイ駆動手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置をディスク解放位置に変化させ、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記第一,第二のディスク保持部材で使用済みの光ディスクと新たな光ディスクを保持した第一,第二のディスク保持機構を下降位置に移動させて新たな光ディスクをトレイ下方のディスク回転駆動部にセットしてから、前記第二のディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記第二のディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させ、且つ、前記トレイ駆動手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置をディスク保持位置に変化させて前記トレイ上に使用済みの光ディスクを保持してから、前記第一のディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させ、更に、前記トレイ搬送手段を作動させて、前部トレイと後部トレイをディスク保持位置に保持したトレイをディスク格納位置からディスク交換位置にスライド移動させるディスク排出シーケンスを実行するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記制御部は、ディスク排出シーケンスにおいて新たな光ディスクをトレイ下方のディスク回転駆動部にセットして前記第二のディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させた段階で、ディスク回転駆動部の作動を開始するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の光ディスク装置。
【請求項5】
使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースを筐体の内部に備え、新たな光ディスクの搬入に際し、使用済みの光ディスクをディスク回転駆動部から取り外して退避スペースに保留し、新たな光ディスクをディスク回転駆動部にセットしてから使用済みの光ディスクを筐体の外部に排出するようにした光ディスク装置において、
使用済みの光ディスクを退避させるための退避スペースを兼ねる第一のトレイと新たな光ディスクを搬入するための第二のトレイを上下方向に併設し、
各トレイを前部トレイと後部トレイとに分割して構成し、前記前部トレイには、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部と当該切欠部から径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の前縁部を支える突出部を形成する一方、前記後部トレイには、光ディスクの外径以上の大きさの円弧状の切欠部と当該切欠部から径方向内側に僅かに突出して光ディスク下面の後縁部を支える突出部を形成し、
前記筐体内のディスク格納位置に引き込まれた前記各トレイと干渉しない筐体内の左右位置に、少なくとも、光ディスク下面の側縁部を支える突出部を有して光ディスクの径方向外側から光ディスクに接近して光ディスクを左右両側で支える一対のディスク保持部材を備えたディスク保持機構を設けると共に、
前記前部トレイの突出部と前記後部トレイの突出部との間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに下回るディスク保持位置と前記前部トレイの突出部と前記後部トレイの突出部との間の離間距離が光ディスクの直径を僅かに上回るディスク解放位置との間で前記各トレイにおける前部トレイと後部トレイの相対位置を変化させる第一,第二のトレイ駆動手段と、
前記各トレイにおける前部トレイと前記後部トレイの相対位置を保持した状態で前記各トレイを筐体内のディスク格納位置と筐体外のディスク交換位置との間でスライド移動させる第一,第二のトレイ搬送手段と、
前記一対のディスク保持部材の突出部が光ディスク下面の側縁部を支えるディスク保持位置と前記一対のディスク保持部材の突出部が光ディスク下面の側縁部から径方向外側に離脱するディスク解放位置との間で前記ディスク保持機構における一対のディスク保持部材の位置を変化させるディスク保持部材駆動手段と、
前記ディスク保持機構の上下位置が第二のトレイ下方のディスク回転駆動部の上下位置に一致する初期位置と、前記ディスク保持機構の上下位置が前記第一のトレイの上下位置に一致する上昇位置と、前記ディスク保持機構の上下位置が前記第二のトレイの上下位置に一致する中間位置との間で、前記ディスク保持機構を上下移動させる保持機構昇降手段を前記筐体内に配備したことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項6】
前記ディスク保持部材が、光ディスク上面の側縁部を支える突出部を備えたことを特徴とする請求項5記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記第一,第二のトレイ駆動手段と前記第一,第二のトレイ搬送手段および前記ディスク保持部材駆動手段と前記保持機構昇降手段を駆動制御する制御部と、光ディスクの差し替えを指令するためのディスク入れ替えスイッチと、前記第二のトレイ上への新たな光ディスクの載置を検知するディスク検出センサを備え、
前記制御部は、前記ディスク入れ替えスイッチからの指令を受けると、前記ディスク保持部材駆動手段を作動させて、ディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置からディスク保持位置に変化させて該ディスク保持部材に使用済みの光ディスクを保持させ、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイをディスク開放位置に保持した第二,第一のトレイを介して、前記ディスク保持機構を初期位置から上昇位置に移動させると共に、前記第一のトレイ駆動手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置をディスク解放位置からディスク保持位置に変化させて該第一のトレイに使用済みの光ディスクを保持してから、前記第二のトレイ駆動手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置をディスク保持位置に変化させ、前記第二のトレイ搬送手段を作動させて、前記第二のトレイをディスク格納位置からディスク交換位置にスライド移動させるディスク保留シーケンスを実行する一方、
前記ディスク検出センサからのディスク検出信号を受けると、前記第二のトレイ搬送手段を作動させて、前記第二のトレイをディスク格納位置にスライド移動させ、更に、前記ディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記ディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させてから、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記ディスク保持機構を中間位置に移動させ、前記ディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記ディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク保持位置に変化させて該ディスク保持部材に前記第二のトレイ上の新たな光ディスクを保持させ、更に、前記第二のトレイ駆動手段を作動させて、前記前部トレイと前記後部トレイの相対位置をディスク解放位置に変化させてから、前記保持機構昇降手段を作動させて、前記ディスク保持部材で新たな光ディスクを保持したディスク保持機構を初期位置に移動させて新たな光ディスクを第二のトレイ下方のディスク回転駆動部にセットし、前記ディスク保持部材駆動手段を作動させて、前記ディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させてから、前記第一のトレイ搬送手段を作動させて、前部トレイと後部トレイをディスク保持位置に保持した第一のトレイをディスク格納位置からディスク交換位置にスライド移動させるディスク排出シーケンスを実行するように構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記制御部は、ディスク排出シーケンスにおいて新たな光ディスクを第二のトレイ下方のディスク回転駆動部にセットして前記ディスク保持機構のディスク保持部材の位置をディスク解放位置に変化させた段階で、ディスク回転駆動部の作動を開始するように構成されていることを特徴とする請求項7記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−141343(P2007−141343A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332992(P2005−332992)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】