光ディスク装置
【課題】ディスクトレイ、トラバースユニット、光ヘッドを1つのモータで駆動し、トラバースユニット及び光ヘッドの駆動を切り替えるための切替部材を取り付けないようにし、ディスクトレイ、トラバースユニット及び光ヘッドへの駆動力の切り替えのタイミングを、精度良く切り替え、動作に必要な駆動力を低減する光ディスク装置。
【解決手段】ディスクトレイ、トラバースユニット、メインシャーシユニットを有しており、メインシャーシユニットに備えられたメインシャーシには、トラバースユニットが待機位置に移動している状態で、サブラック422の突出部424と係合する係止部311と、カムスライダー34の動作を規制するためのストッパ部材32とを有し、ストッパ部材32は円柱状の回転軸321と、突出部424が接触するレバー部322と、カムスライダー34と当接し、カムスライダー34の摺動を規制するためのロック部323とを有している。
【解決手段】ディスクトレイ、トラバースユニット、メインシャーシユニットを有しており、メインシャーシユニットに備えられたメインシャーシには、トラバースユニットが待機位置に移動している状態で、サブラック422の突出部424と係合する係止部311と、カムスライダー34の動作を規制するためのストッパ部材32とを有し、ストッパ部材32は円柱状の回転軸321と、突出部424が接触するレバー部322と、カムスライダー34と当接し、カムスライダー34の摺動を規制するためのロック部323とを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録された情報を読み出す又は光ディスクに情報を記録する光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、映像、音声又は情報の記録媒体として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクが多く用いられている。これら光ディスクを記録媒体として用いる光ディスク装置は該光ディスクの記録面に対し光ヘッドよりレーザ光を照射しデータの記録を行い、及び(又は)前記記録面で反射してきた光を検出することで、データの読出しを行っている。
【0003】
一般的な光ディスク装置では、外装ハウジングのフロントパネルに設けられたスリット状の出入り口より、駆動モータの駆動力が伝達されることで、光ディスクを載置できるトレイ(ディスクトレイ)が入ったり(ローディング)、出たり(アンローディング)するようになっている。
【0004】
前記光ディスク装置は、メインシャーシユニットと、前記メインシャーシユニットに回動可能に取り付けられるトラバースシャーシと、前記トラバースシャーシに往復直線運動可能に取り付けられた光ヘッドとを有している。前記トラバースシャーシは、前記光ディスクをチャッキングし、回転させるための光ディスク駆動機構を備えており、昇降することで前記ディスクトレイに載置されている光ディスクを、前記光ディスク駆動機構にてチャッキングすることができる。前記光ヘッドは摺動することで、前記チャッキングされた光ディスクの内周、外周に移動しつつレーザ光を照射することができる。
【0005】
一般的な光ディスク装置では、前記ディスクトレイのローディング/アンローディングのための駆動力、前記トラバースシャーシの昇降のための駆動力、前記光ヘッドの摺動のための駆動力を、1つの駆動モータからの駆動力をタイミングよく切り替えて供給している。
【0006】
アンローディング動作を元に説明すると、前記光ヘッドが前記光ディスクの内周側に移動する。前記トラバースシャーシが下降し、該トラバースシャーシに備えられている部材(例えば、光ヘッド等)が前記ディスクトレイのアンロードと干渉しないようにする。その後、前記ディスクトレイを移動させアンロードする。
【0007】
特開2005−174427号公報、特開2004−253130号公報に示す発明では、カムスライダー及びトリガープレートを用いて駆動力の切り替えを行っている。光ピックアップ(光ヘッド)が内周側に移動すると、前記トリガープレートが摺動する。前記トリガープレートが移動するときに前記カムスライダーを押しカムスライダーも移動する。前記カムスライダーはラックを備えており、ラックが駆動力を伝達している歯車と歯合し、該カムスライダーに駆動力が伝達される。
【0008】
前記カムスライダーが移動することで、該カムスライダーのカム溝と係合している、トラバースシャーシが下降するとともに、前記トラバースシャーシとは異なる部分でカムスライダーと係合しているディスクトレイが移動する。前記ディスクトレイにはラックが備えられており、前記カムスライダーの動きに連動して動くことで、前記ラックが歯車と歯合してディスクトレイがアンローディングされる。
【0009】
このとき、光ピックアップのスライダーラックに形成されているボスが、前記トリガープレートと係合しており、該光ピックアップの移動を制限している。ローディングは逆の動作で行われる。
【0010】
上述した3つの動作を1つのモータで行うため、前記駆動モータは前記トラバースシャーシに取り付けられるとともに、シャフトにはウォームギアが取り付けられている。
【特許文献1】特開2005−174427号公報
【特許文献2】特開2004−253130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記トリガープレートは前記トラバースシャーシに取り付けられるものであり、前記トリガープレートと前記トラバースシャーシとが同時に移動する場合がある。前記トリガープレートと前記トラバースシャーシとが同時に移動すると、前記光ピックアップや前記カムスライダーの動作タイミングが狂う可能性が高くなる。そのため、該トラバースシャーシの移動によって該トリガープレートの動作が妨げられないようにする必要があり、それだけ、該トラバースシャーシ、前記光ピックアップ及び前記カムスライダーの設計の自由度が低下する。
【0012】
また、前記トリガープレートには駆動力が伝達されておらず、前記光ピックアップ及び(又は)カムスライダーの移動に従動するので、該光ピックアップ及び(又は)該カムスライダーの動作の負担になり、動作の精度が悪くなる場合も考えられる。また、前記光ピックアップ及び前記カムスライダーには、前記トリガープレートと係合する部分を設け、十分な強度を与えなくてはならず、製造に手間と時間がかかる。
【0013】
さらに、前記トリガープレートを設けることは、光ディスク装置を構成する部品点数の増加につながるとともに、組み立ての手間、時間が多くかかり、それだけ、製造、組み立てコストが高くなる。
【0014】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ディスクトレイ、トラバースシャーシ、光ヘッドを1つのモータで駆動し、トラバースシャーシ及び光ヘッドの駆動を切り替えるための切替部材をとりつけないようにして、光ディスク装置の製造コストを低減することを目的とする。
【0015】
また本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ディスクトレイ、トラバースシャーシ、光ヘッドを1つのモータで駆動し、トラバースシャーシ及び光ヘッドの駆動を切り替えるための切替部材をとりつけなくても、ディスクトレイ、トラバースシャーシ及び光ヘッドへの駆動力の切り替えのタイミングを、精度良く切り替えることを目的とする。
【0016】
さらに本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、他の構成部材の動作に従動して駆動する部材省略することで、該従動部材を駆動していた構成部材の駆動の負荷を低減することができ、それだけ、動作に必要な駆動力を低減するとともに、長期間にわたって、不具合の発生しにくい光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため本発明は、メインシャーシと、前記メインシャーシに対して往復摺動し光ディスクを搬入及び排出するディスクトレイと、前記メインシャーシに昇降可能に支持されるトラバースシャーシと、前記トラバースシャーシに摺動可能に配置され前記光ディスクにレーザ光を照射しデータの記録又は再生を行う光ヘッドと、前記メインシャーシに固定され、前記ディスクトレイの摺動、前記光ヘッドの摺動及び前記トラバースシャーシの昇降のための駆動力を発生するための駆動モータとを有する光ディスク装置であって、前記ディスクトレイは、底面に前記駆動モータの駆動力を受けるためのトレイラックと、連動機構であるガイド溝とを備えており、前記光ヘッドは、前記光ディスクの内周又は外周へと往復摺動するものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるスライドラックを有し、該スライドラックは上面より突出するラックボスと、ラックと反対側の面より突出する突出部とを備えており、前記トラバースシャーシは、前面より一体的に突出する摺動ボスと、前記光ディスクを挟持するとともに回転させる光ディスク駆動機構と、前記駆動モータの出力軸に取り付けられたピニオンギアと歯合する第1大歯車、第1小歯車及び前記スライドラックと歯合する第1ピニオンギアが同軸に軸方向に並んで連結されており、該トラバースシャーシに軸支されている第1歯車と、該トラバースシャーシに軸支され第1歯車の小歯車と歯合する第2歯車とを有しており、前記メインシャーシは、該メインシャーシに軸支され、前記第2歯車と歯合するとともに前記トレイラックと歯合するギアトレイ、該メインシャーシに摺動可能に支持され前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラック、前記トラバースシャーシの摺動ボスと係合し段差が形成された溝を有するカム溝、前記ディスクトレイのガイド溝と係合する立設ボス及び前記スライドラックのラックボスと係合し、屈曲したトリガーガイドを具備し、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動するカムスライダーと、該メインシャーシに回動可能に軸支される回転軸、前記回転軸を円周方向に付勢する付勢部材、前記回転軸の軸方向に離れて配置され、異なる接線方向に伸びるレバー部及びロック部を有するストッパ部材と、底部より突出し前記突出部と係合する係止部とを有しており、前記トラバースシャーシは前記カムスライダーが摺動することで、前記光ディスク駆動機構が前記ディスクトレイにて搬入された光ディスクを挟着する挟着位置と、前記ディスクトレイが摺動するのに邪魔にならない待機位置との間で昇降するものであり、前記ストッパ部材は前記付勢部材により前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に回動するように付勢されており、前記ストッパ部材は前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に付勢されており、前記ロック部はカムスライダーの側面と当接し該カムスライダーの摺動を制限するロック位置と、前記光ヘッドが内周側に摺動するときに前記突出部にて前記レバー部が押され回動し、カムスライダーの底面と接触し前記カムスライダーの摺動の制限を解除するアンロック位置に移動するものであり、前記トラバースシャーシが挟着位置にあるときは、前記ストッパ部材はロック位置にあり、前記トラバースシャーシが待機位置に移動するとき、前記光ヘッドが前記光ディスクの内周側に移動することで、前記スライドラックの突出部が前記レバー部を押し前記ストッパ部材をアンロック位置に移動させるとともに、前記ラックボスが前記トリガーガイドと係合し摺動することでカムスライダーを駆動力が伝達されるように摺動させ、前記トラバースシャーシが下降することで前記突出部が前記係止部と係合し、前記光ヘッドの摺動を制限することを特徴とする。
【0018】
この構成によると、他の部材に従動だけする部材を用いることなく、「光ヘッドの摺動」、「トラバースシャーシの揺動」、「ディスクトレイの摺動」の切り替えを行うことができる。また、各動作で最適な駆動力を選択することができるので、エネルギ消費量を低減することができる。また、駆動モータ、駆動力伝達機構、各部材に備えられるラック、ボス、カムに必要以上の負荷がかかるのを抑制することができるので、長期間にわたり安定した動作を行うことができる。
【0019】
このことは、上記3種の動作を切り替えるために従動だけする部材を省いているので、従動だけする部材が駆動することによる動作のずれの発生を防止することができるので、それだけ、各動作を正確なタイミングで切り替えることができる。すなわち、光ヘッド、ディスクトレイ、トラバースシャーシの動作のときに、光ディスク装置を構成するほかの部材との接触を抑制することができ、部材の破損や磨耗等の不具合の発生を抑制することができる。
【0020】
前記駆動モータの駆動力を平歯車及びラックのみを用いており、換言すると、前記駆動モータの出力軸にウォームギアを取り付けないので、ウォームギアから平歯車に駆動力が伝達されるときの伝達ロスを低減することができる。また、前記駆動モータを前記メインシャーシに取り付けるので、該駆動モータの配置場所の自由度が高く、それだけ、駆動力を伝達するための平歯車の数を減らすことが可能である。
【0021】
上記目的を達成するため本発明は、メインシャーシと、前記メインシャーシに対して往復摺動し光ディスクを搬入及び排出するディスクトレイと、前記メインシャーシに昇降可能に支持されるトラバースシャーシと、前記トラバースシャーシに摺動可能に配置され前記光ディスクにレーザ光を照射しデータの記録又は再生を行う光ヘッドと、前記メインシャーシに固定され、駆動力を発生するための駆動モータとを有する光ディスク装置であって、前記光ヘッドは、前記光ディスクの内周又は外周へと往復摺動するものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるためのスライドラックを有し、該スライドラックは上面より突出するラックボスと、上面と直交する面より突出する突出部とが備えられており、前記トラバースシャーシは、該トラバースシャーシの前面より突出する摺動ボスを備え、前記メインシャーシは、駆動力を伝達するギアトレイと、前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラック、前記トラバースシャーシの摺動ボスと係合する段差を有するカム溝及び前記ラックのラックボスと係合するトリガーガイドを具備し、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動するカムスライダーと、回動可能に支持される回転軸、前記回転軸の軸方向に離れて配置され、異なる方向に伸びるレバー部及びロック部を有するストッパ部材と、底部より突出する係止部とを有しており、前記トラバースシャーシは前記カムスライダーが摺動することで、前記摺動ボスが前記カムスライダーのカム溝内を摺動し、前記光ディスク駆動機構が前記ディスクトレイにて搬入された光ディスクを挟着する挟着位置と、前記ディスクトレイが摺動するのに邪魔にならない待機位置との間で昇降するものであり、前記トラバースシャーシが待機位置に下降したときに前記光ヘッドの突出部は前記メインシャーシの係止部と係合し、前記ストッパ部材は前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に付勢されており、前記光ヘッドが内周側に摺動するときに前記突出部にて前記レバー部が押され回動するものであり、前記ロック部がカムスライダーの側面と当接し該カムスライダーの摺動を制限するロック位置と、前記カムスライダーの摺動制限を解除するアンロック位置に移動することを特徴とする。
【0022】
この構成によると、他の部材に従動だけする部材を用いることなく、「光ヘッドの摺動」、「トラバースシャーシの揺動」、「ディスクトレイの摺動」の切り替えを行うことができる。また、各動作で最適な駆動力を選択することができるので、エネルギ消費量を低減することができる。また、駆動モータ、駆動力伝達機構、各部材に備えられるラック、ボス、カムに必要以上の負荷がかかるのを抑制することができるので、長期間にわたり安定した動作を行うことができる。
【0023】
このことは、上記3種の動作を切り替えるために従動だけする部材を省いているので、従動だけする部材が駆動することによる動作のずれの発生を防止することができるので、それだけ、各動作を正確なタイミングで切り替えることができる。すなわち、光ヘッド、ディスクトレイ、トラバースシャーシの動作のときに、光ディスク装置を構成するほかの部材との接触を抑制することができ、部材の破損や磨耗等の不具合の発生を抑制することができる。
【0024】
前記駆動モータの駆動力を平歯車及びラックのみを用いており、換言すると、前記駆動モータの出力軸にウォームギアを取り付けないので、ウォームギアから平歯車に駆動力が伝達されるときの伝達ロスを低減することができる。また、前記駆動モータを前記メインシャーシに取り付けるので、該駆動モータの配置場所の自由度が高く、それだけ、駆動力を伝達するための平歯車の数を減らすことが可能である。
【0025】
上記構成において、前記ストッパ部材はばね部材を備えており、ばね部材によって付勢されているものであっても良く、ロック部材が前記カムスライダーに当接する方向に回転するように、重心を調整しているものであってもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、ディスクトレイ、トラバースシャーシ、光ヘッドを1つのモータで駆動し、トラバースシャーシ及び光ヘッドの駆動を切り替えるための切替部材をとりつけないようにして、光ディスク装置の製造コストを低減することができる。
【0027】
また本発明によると、ディスクトレイ、トラバースシャーシ、光ヘッドを1つのモータで駆動し、トラバースシャーシ及び光ヘッドの駆動を切り替えるための切替部材をとりつけなくても、ディスクトレイ、トラバースシャーシ及び光ヘッドへの駆動力の切り替えのタイミングを、精度良く切り替えることができる。
【0028】
さらに本発明によると、他の構成部材の動作に従動して駆動する部材省略することで、該従動部材を駆動していた構成部材の駆動の負荷を低減することができ、それだけ、動作に必要な駆動力を低減するとともに、長期間にわたって、不具合の発生しにくい光ディスク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1〜図6は本発明にかかる光ディスク装置を示している。図1は光ディスク装置の斜視図であり、図2は上方から見た光ディスク装置の概略構成図を示している。図3は光ディスク装置の内部を上方から見た概略構成図であり、図4は下方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。図5及び図6はそれぞれ図3に示す光ディスク装置の内部をフロントパネル側、側方から見た概略構成図である。なお、便宜上、図3〜図6においては、ディスクトレイ自体を省略し、後述のガイド溝11及びトレイラック12のみを図示している。
【0030】
光ディスク装置Aはローディングされた光ディスクにレーザ光を照射し、データの読出し及び(又は)書込みを行うものである。図1に示すように光ディスク装置Aはディスクトレイ1が、外装ハウジングOhのフロントパネルFpに設けられたスリット状の出入り口Stから、出入りできるように配置されている。図2に示すように光ディスク装置Aは、ディスクトレイ1と、トラバースユニット2と、メインシャーシユニット3とを有している。
【0031】
<ディスクトレイについて>
ディスクトレイ1が出入り口Stより光ディスク装置Aの外部に排出されている状態で光ディスクを載置し、ディスクトレイ1を挿入することで光ディスクを再生/記録可能な領域に挿入(ローディング)する。また、ディスクトレイ1を光ディスク装置Aより排出することで光ディスク装置A内部に挿入されている光ディスクを排出(アンローディング)する。
【0032】
図4に示すようにディスクトレイ1の下面に段階的に屈曲するガイド溝11と、後述のギアトレイ33から駆動力を伝達されるトレイラック12がディスクトレイ1の長手方向に設けられている。ガイド溝11はディスクトレイ1の摺動方向に延びる直線部111と、所定の位置で斜めに屈曲する斜行部112と、さらに摺動方向と直交する方向に屈曲する直交部113とを有している。
【0033】
なお、フロントパネルFpが設けられている方向をフロント側(「F」)、フロント側に対向する方向をリア側(「R」)と表現する。また、フロント側からリア側に延びる方向に対する垂直横行をサイド側(「S」)と表す。
【0034】
<トラバースユニットについて>
図3に示すようにトラバースユニット2は、トラバースシャーシ21に、光ヘッド4、光ディスク駆動機構5及び駆動力伝達機構6を取り付けたものである。トラバースシャーシ21は、メインシャーシ31のリア側の一端に取付ねじにてねじ止めされている。
【0035】
図2に示すように、トラバースシャーシ2はトラバースシャーシ21に設けられた取付孔に、該孔自体の周囲(円周)及び軸方向の両端側を覆い、且つ、メインシャーシ31に設けられたボスを挿入できる開口を有するフローティングゴム(ダンパー)210を嵌め込みにて介在させ、ボスが取付孔を貫通するように、トラバースシャーシ21を載置し、トラバースシャーシ21の取付孔とメインシャーシ31のボスとを、取付ねじで固定させている。
【0036】
取付ねじは、ねじ頭とメインシャーシ31の間が一定の間隔になるように、取付固定されている。この間隔を利用して、トラバースシャーシ21(トラバースユニット2)は取付ねじを支点として回転移動が可能となり、光ディスクからデータを読み出す又は光ディスクにデータを書き込む場合には、上昇して光ディスクを挟持する(チャッキングする:チャッキング位置)。また、光ディスクを排出する場合には、トラバースシャーシ21(トラバースユニット2)は下降し、光ディスクがディスクトレイ1に載置された状態(光ディスクと後述のターンテーブルが離れている状態:待機位置)にする。
【0037】
光ヘッド4は光ディスクにレーザ光を照射してデータを読出し又は記録するものであり、トラバースシャーシ21に設けられたガイド軸211に沿って摺動するように取り付けられている。光ディスクに対してレーザ光を照射する対物レンズ41を備えている。また、図示を省略しているが、レーザ光を出射するレーザ光源、光ディスクで反射したレーザ光を受光し電気信号に変換する受光素子等の光学部品が配置されている。
【0038】
なお、光ヘッド4には、後述の駆動モータ7の駆動力が伝達されるラック42が設けられている。ラック42は下部に光ヘッド4に一体的に形成されるメインラック421と、メインラック421と重なるように上部に配置されるサブラック422とを有している。つまり、ラック42はメインラック421とサブラック422が重なったダルブラックとなっている。
【0039】
メインラック421は後述する第1歯車61の第1ピニオンギア613と歯合している。第1ピニオンギア613からメインラック421に駆動力が伝達されることで光ヘッド4の摺動を行う。また、サブラック422はメインラック421に対してスライド可能に取り付けられている。メインラック421とサブラック422はコイルばねにて、各ラックのギア歯が平面視でずれるように付勢されている。メインラック421とサブラック422のギア歯が上述のとおりずれるように付勢されることで、第1ピニオンギア613のギア歯を挟み、第1ピニオンギア613とメインラッ421及びサブラック422とのギア歯の遊びによるバックラッシュを取り除くことができる。
【0040】
ラック42では、サブラック422のギア歯がメインラック421のギア歯よりも長く形成されている。サブラック422のギア歯はメインラック421のギア歯よりもリア側に長くなるように重ねて配置される。これにより、光ヘッド4の位置によっては、メインラック421とサブラック422とが第1ピニオンギア613と歯合している状態、サブラック422のみが第1ピニオンギア613と歯合している状態及びメインラック421、サブラック422いずれもが第1ピニオンギア613と歯合しない状態に切り替わる。
【0041】
また、サブラック422のフロント側の先端には、後述するカムスライダー34のトリガーガイド342と摺動可能に係合するラックボス423と、ラックボス423が形成されている先端側のギア歯の反対側には、後述のメインシャーシ31に取り付けられているストッパ部材32を押すとともに、トラバースユニット2が待機位置にあるときに、係止部311と係合するための突出部424とが形成されている。ラックボス423はディスクトレイ1方向に立設されるものである。
【0042】
光ヘッド4が光ディスクの内周側に摺動し、光ヘッド4の移動の限界部まで来ると、メインラック421と第1ピニオンギア613との歯合がはずれ、光ヘッド4の摺動は停止する。このとき、サブラック422はまだ第1ピニオンギア613と歯合しており、サブラック422は光ディスクの内周側にさらに摺動し、サブラック422に形成されているラックボス423がカムスライダー34のトリガーガイド342と係合する。
【0043】
光ディスク駆動機構5は光ディスクを支持するためのターンテーブル51と、ターンテーブル51を駆動するためのスピンドルモータ52と、メインシャーシユニット3に設けられたクランプ53とを有している。ターンテーブル51はトラバースユニット2が上昇することで、クランプ53と光ディスクを挟着(チャッキング)する。このとき、クランプ53には図示を省略した永久磁石が、ターンテーブル51には磁力を受ける図示を省略したヨークとを有しており、磁力にて互いに引き合って、光ディスクを強固に挟着している。スピンドルモータ52はチャッキングされた光ディスクを回転させるモータである。チャッキングのため(ディスク再生等のため)の、スピンドルモータ52が搭載されたトラバースユニット2の昇降動作については後述する。
【0044】
トラバースシャーシ21は、カムスライダー34のカム溝343に係合する摺動ボス212を有しており、カムスライダー34の移動に連動して、トラバースシャーシ21を昇降させるものである。
【0045】
駆動力伝達機構6は、第1歯車61、第2歯車62を有している。各歯車はトラバースシャーシ21に回動可能に軸支持されている。駆動力伝達機構6はメインシャーシユニット3(図6参照)に設けられる後述の駆動モータ7からの駆動力を、ディスクトレイ1の往復移動、光ヘッド4の往復移動及びカムスライダー34の移動のために伝達するものである。
【0046】
第1歯車61は、駆動モータ7の出力軸71(後述)に取り付けられたピニオンギア73(後述)より、駆動力が伝達される第1大歯車611と、下部(メインシャーシ31に近づく方向)に設けられ、第2歯車62と歯合する第1小歯車612と、さらに下部に光ヘッド4のラック42に駆動力を伝達する第1ピニオンギア613とを有している。すなわち、第1大歯車611が上方に、第1小歯車612が下方にさらに下方に第1ピニオンギア613が同一中心軸を有するように一体で形成されている。第2歯車62は、第1小歯車612からギアトレイ33に駆動力を伝達するための歯車であり、トラバースシャーシ21上に回動可能に軸支されている。
【0047】
<メインシャーシユニットについて>
メインシャーシユニット3は、図2及び図3に示すように、メインシャーシ31、ギアトレイ33、駆動モータ7及びカムスライダー34を有している。メインシャーシ31は、トラバースユニット2を収容する本体シャーシであり、駆動モータ7、カムスライダー34が配置されている。
【0048】
ギアトレイ33は、第2歯車62からの駆動力を、ディスクトレイ1のトレイラック12及びカムスライダー34の後述するカムスライダーラック344に伝達する歯車であり、メインシャーシ31に回動可能に軸支持される。ギアトレイ33は第2歯車62と歯合する第1ギアトレイ331と、第1ギアトレイ331と同一中心軸を有して一体に形成され、トレイラック12及びカムスライダーラック344と選択的に係合する第2ギアトレイ332とを有している。
【0049】
駆動モータ7の出力軸71にはエンコーダ72が設けられており、出力軸71に設けられたピニオンギア73の回転情報(回転数、回転角度、回転速度等)を得ることができる。
【0050】
カムスライダー34は、ディスクトレイ1の底面のガイド溝11に係合する立設ボス342(図3、5等参照)と、光ヘッド4のサブラック422に設けられたラックボス423と係合するトリガーガイド342と、トラバースシャーシ21の摺動ボス212と係合するカム溝343(図5参照)と、ギアトレイ33と歯合するカムスライダーラック344とを有している。
【0051】
カムスライダー34は、メインシャーシ31のフロント側に配置されており、ディスクトレイ1の移動方向に対して直交する方向(サイド方向)に摺動する。カムスライダー34のトリガーガイド342は斜めに形成された斜行部3421と、サイド方向に伸びるサイド部3422とを有している。トラバースユニット2が待機位置に移動するために光ヘッド4がフロント側に移動すると、サブラック422のラックボス423がトリガーガイド342に係合し、ラックボス423がトリガーガイド342を押して、カムスライダー34をサイド方向に移動させる。
【0052】
また、カム溝343は、カムスライダー34が配置された状態でトラバースシャーシ21の昇降運動の上下方向に配置される上側カム溝3431と下側カム溝3432とを有しており、上側カム溝3431と下側カム溝3432とを連結する傾斜カム溝3433とを有している。カム溝343には、トラバースシャーシ21の摺動ボス212が貫通しており、摺動ボス212が上側カム溝3431に位置するように移動すればトラバースシャーシ21(トラバースユニット2)が上昇し、下側カム溝3432に位置するように移動すればトラバースシャーシ21(トラバースユニット2)が下降する。
【0053】
図7(A)、(B)はスライドラックとカムスライダーとが係合するときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図であり、図8(A)、(B)はスライドラックとカムスライダーとが係合しカムスライダーが連動したときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図であり、図9(A)、(B)はカムスライダーがギアトレイと歯合したときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図である。メインシャーシ31には、トラバースユニット2が待機位置に移動している状態で、サブラック422に形成されている突出部424と係合する係止部311と、カムスライダー34の動作を規制するためのストッパ部材32とを有している。
【0054】
係止部311はメインシャーシ31の底部より突出しており、サイド方向に伸びる直方体形状を有している。光ヘッド4がフロント側に移動し、トラバースユニット2が待機位置にあるときに、サブラック422に形成されている突出部424が係止部311と係合することで、光ヘッド4の動きを規制している。トラバースユニット2がチャッキング位置に移動すると、係止部311と突出部424との係合がはずれ、光ヘッド4は移動可能になる。
【0055】
ストッパ部材32は円柱状の回転軸321と、サブラック422に形成されている突出部424と接触するレバー部322と、カムスライダー34と当接し、カムスライダー34の摺動を規制するためのロック部323とを有している。回転軸321、レバー部322及びロック部323はそれには限定されないが、一体に形成されており、図7(A)、(B)に示すように、回転軸321に軸方向に離れて配置されている。また、レバー部322及びロック部323は軸方向に見て異なる接線方向に伸びて形成されている。
【0056】
ストッパ部材32はメインシャーシ31に回動可能に配置される。このとき、回転の中心は回転軸321を中心に回転するものであり、回転軸321がサイド方向に伸びるように配置される。ストッパ部材32にはそれには限定されないがここでは、弾性ばね(不図示)が取り付けられており、ストッパ部材32はメインシャーシ31に配置されたとき、回転軸321の上側がフロント方向に回転するように付勢されている。
【0057】
<各部材の移動について>
ここで各部材(光ヘッド4、トラバースユニット2、ディスクトレイ1)の移動について、図1〜図13、特に図7〜図13を参照にしながら説明する。図10〜図13において「実線」は機械的固定(例えば、圧入やねじ止め等)を、「一点鎖線」はギア歯による歯合を意味している。また、「二重線」はカムによる係合を、「破線」は、遮断された関係を意味している。その移動工程や切り替え工程に寄与する部材については、ドットでハッチングしている。
【0058】
<光ヘッドの移動について(図10参照)>
本発明の光ディスク装置Aにおける光ヘッド4の移動について説明する。例えば、DVD等の光ディスクの再生等を終了し、光ディスクを光ディスク装置Aから取り出す(アンロード)場合、すなわち、ディスクトレイ1をオープンさせる場合を考える。トラバースユニット2が移動するとは、光ヘッド4は光ディスクに対して最も内周側(光ディスク装置のフロント側)に退避する。
【0059】
図7(A)、(B)に示すように、トラバースユニット2がチャッキング位置にあり、光ディスクが光ディスク駆動機構5にてチャッキングされているとき、ストッパ部材32のロック部323が最も高い位置に移動しており、ロック部323がカムスライダー34のカムスライダーラック344のサイド方向の端部345と当接して、カムスライダー34が移動するのを防いでいる。このように、カムスライダー34の動作を規制することでカムスライダーラック344がギアトレイ33と歯合し、カムスライダー34が不意に動くのを防ぎ、トラバースユニット2が動くのを防いでいる。
【0060】
ます、駆動モータ7がA1方向(正転方向)に回転し、その回転に伴い、ピニオンギア73もA1方向に回転する。そして、このピニオンギア73と歯合する第1大歯車611がB1方向に回転する。そうすると、第1大歯車611と連なっている(連設されている)第1ピニオンギア613もB1方向に回転し、この第1ピニオンギア613と歯合するラック42(メインラック421、サブラック422)がC1方向に移動する。ラック42の移動にあわせて、ラック42を備えている光ヘッド4もC1方向に移動する。
【0061】
ピニオンギア73と第1大歯車611、第1小歯車612と第2歯車62及び第2歯車62と第1ギアトレイ331とは常時歯合しており、第1ギアトレイ331には常に駆動モータ7からの駆動力が伝達され、ギアトレイ33はD1方向に回転している。このとき、カムスライダーラック344のサイド方向の端部345がストッパ部材32のロック部323と接触しており、カムスライダー34の動作が規制されている。このとき、カムスライダーラック344はギアトレイ33の第2ギアトレイ332と歯合しておらず、カムスライダー34は停止している。
【0062】
<光ディスクの駆動からトラバースユニットの移動の切り替えについて(図11参照)>
光ヘッド4が光ディスクの内周側(フロント側)の所定の位置に到達すると、ラック42のメインラック421と第1小歯車612との歯合は外れ、サブラック422と第1小歯車612とが歯合している状態になる。この状態でさらに駆動すると、サブラック422のみがフロント側に移動する。
【0063】
図8(A)、図8(B)に示すように、サブラックがさらにフロント側に移動すると、サブラック422に形成された突出部424がストッパ部材32のレバー部322を押し、ストッパ部材32をE1方向に回転させる。ストッパ部材32が回転することで、ロック部323が回転し、カムスライダー34のカムスライダーラック344の側面から外れる。これにより、カムスライダー34は移動することができる状態になる。
【0064】
ストッパ部材32が回転するのと略同時に、サブラック422に立設されたラックボス423がトリガーガイド342に係合され、サブラック422が移動することで、トリガーガイド342を押す。これにより、カムスライダー34が移動しカムスライダーラック344と第2ギアトレイ332が歯合し、ギアトレイ33の駆動力がカムスライダーラック344伝達され、カムスライダー34がF1方向移動する。
【0065】
カムスライダー34が移動することで、ラックボス423がトリガーガイド342の斜行部3421に押されてサブラック422はフロント側に移動し、サブラック422と第1ピニオンギア613との歯合が外れる。さらにカムスライダー34が移動すると、ラックボス423はサイド部3422に移動し、サブラック422のリア方向への移動を規制する。すなわち、メインラック421と第1ピニオンギア613との歯合が外れ、そのあとでサブラック422がさらに内周側に移動し、カムスライダー34が動作開始するとともに、サブラック422と第1ピニオンギア613との歯合が外れ、光ヘッド4は完全に停止する。
【0066】
<トラバースユニットの待機位置への移動(降下)について(図12参照)>
ギアトレイ33の第2ギアトレイ332とカムスライダーラック344とが歯合することで、駆動モータの駆動力が駆動力伝達機構6によりカムスライダーラック344に伝達される。これにより、カムスライダー34はギアトレイ33から遠ざかる方向(F1方向)に移動する。
【0067】
カムスライダー34のカム溝343にはトラバースシャーシ21の摺動ボス212が貫通しており、カムスライダー34の移動に連動して、摺動ボス212が上側カム溝3431、傾斜カム溝3433、下側カム溝3432の順で移動する。すると、摺動ボス212の移動に伴って、トラバースシャーシ21がG1方向へ降下する。その結果、トラバースシャーシ21、ひいてはトラバースユニット2が降下する。光ヘッド4のサブラック422はトラバースシャーシ21のフロント側端部より突出している。
【0068】
図9(A)、図9(B)に示すように、カムスライダー34がギアトレイ33より伝達された駆動力で移動し始めたとき、サブラック422に形成されたラックボス423はトリガーガイド342のサイド部3422に係合されている。カムスライダー34が移動し、トラバースユニット2が降下すると、ラックボス423とトリガーガイド342のサイド部3422との係合が離れる。このとき、サブラック422に形成されている突出部424が、メインシャーシ31の底面より突出する係止部311と係合して、サブラック422及び光ヘッド4のリア方向への移動を制限する。
【0069】
<トラバースユニットの移動からディスクトレイの移動への切り替えについて(図13参照)>
カムスライダー34の立設ボス342はトラバースユニット2が待機位置へ移動するまでの間、ガイド溝11の直交部113と係合し、カムスライダー34のF1方向への移動にあわせて、直交部113内をF1方向へ移動する。トラバースユニット2が待機位置に移動したのと略同時に、立設ボス342はガイド溝11の直交部113と斜行部112との接続部へ到達する。トラバースユニット2が待機位置まで降下した後も、カムスライダー34は、下側カム溝3432の端部が摺動ボス212と接近又は接触するまで、F1方向にスライドする。
【0070】
カムスライダー34の移動によって、立設ボス342がガイド溝11の斜行部112を押す。斜行部112が押されると、ディスクトレイ1はH1方向(フロント方向)に移動する。ディスクトレイ1が立設ボス342に押されてH1方向に移動すると、トレイラック12も同時に移動し、ギアトレイ33の第2ギアトレイ332と歯合する。トレイラック12とギアトレイ33が歯合すると同時に、カムスライダー34のカムスライダーラック344と第2ギアトレイ332との歯合が外れる。
【0071】
<ディスクトレイの移動(トレイオープン)について(図13参照)>
トレイラック12とギアトレイ33とが歯合すると、ギアトレイ33のD1方向の回転に伴い、トレイラック12もH1方向に移動する。すなわち、ディスクトレイ1がフロント側へと移動し、フロントパネルFpのスリット状の出入り口Stからディスクトレイ1が排出される。このとき、カムスライダー34の立設ボス341はガイド溝11の直線部111と係合しており、カムスライダー34のサイド方向の移動を制限している。カムスライダー34の移動が制限されていることで、衝撃、振動等で誤ってカムスライダーラック344が第2ギアトレイ332と歯合し、トラバースユニット2が誤作動するのを防ぐことができるので、安全に光ディスクをアンロードすることが可能である。
【0072】
以上のように、ディスク装置Aでは1つの駆動モータ7の回転によって、光ヘッド4、トラバースユニット2、ディスクトレイ1を動作させることが可能になっている。なお、上記例では、光ヘッド4の内周への移動、トラバースユニット2の降下及びディスクトレイ1のオープンに係る一連の動作について説明したが、駆動モータ7をA1と逆方向(逆回転:図3参照)に回転させることで、各部分は上記B1〜H1方向とは逆方向に回転又は移動する。これにより、光ヘッド4の外周への移動、トラバースユニット2の上昇、ディスクトレイ1のクローズにかかる動作も可能となっている。
【0073】
上記構成において、ストッパ部材32にばねを取り付けたものを例に説明しているが、ばね以外の弾性力を発声するものを用いてもよい。また、ストッパ部材32を回動支持した状態で、ロック部323が上側になるように(たとえば、図7等に示すストッパ部32の場合、レバー部322を重く形成する)重心を調整してもよい。このように、重心を調整してストッパ部材を付勢することで、付勢するための部材を取り付けなくても良く、それだけ、部材を省略することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、DVD、CD等の光ディスクを記録媒体とする光ディスク装置において適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明にかかる光ディスク装置の斜視図である。
【図2】本発明にかかる光ディスク装置内部の概略平面図である。
【図3】図2に示す光ディスク装置からメインシャーシ、ディスクトレイを省略した概略構成図である。
【図4】下方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図5】フロントパネル側から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図6】側方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図7】図(A)、(B)はスライドラックとカムスライダーとが係合するときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図でである。
【図8】図(A)、(B)はスライドラックとカムスライダーとが係合しカムスライダーが連動したときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図である。
【図9】図9(A)、(B)はカムスライダーがギアトレイと歯合したときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図である
【図10】光ヘッドの移動を説明するブロック図である。
【図11】光ヘッドの移動からトラバースユニットの移動への切り替えについて説明するブロック図である。
【図12】トラバースユニットの移動について説明するブロック図である。
【図13】トラバースユニットの移動からディスクトレイの移動への切り替えについて説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0076】
A 光ディスク装置
1 ディスクトレイ
11 ガイド溝
12 トレイラック
2 トラバースユニット
21 トラバースシャーシ
211 ガイド軸
212 摺動ボス
3 メインシャーシユニット
31 メインシャーシ
311 係止部
32 ストッパ部材
321 回転軸
322 レバー部
323 ロック部
33 ギアトレイ
331 第1ギアトレイ
332 第2ギアトレイ
34 カムスライダー
341 立設ボス
342 トリガーガイド
343 カム溝
344 カムスライダー
4 光ヘッド
41 対物レンズ
42 ラック
421 メインラック
422 サブラック
423 ラックボス
424 突出部
5 光ディスク駆動機構
51 ターンテーブル
52 スピンドルモータ
53 クランプ
6 駆動力伝達機構
61 第1歯車
611 第1大歯車
612 第1小歯車
613 第1ピニオンギア
62 第2歯車
7 駆動モータ
71 出力軸
72 エンコーダ
73 ピニオンギア
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録された情報を読み出す又は光ディスクに情報を記録する光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、映像、音声又は情報の記録媒体として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクが多く用いられている。これら光ディスクを記録媒体として用いる光ディスク装置は該光ディスクの記録面に対し光ヘッドよりレーザ光を照射しデータの記録を行い、及び(又は)前記記録面で反射してきた光を検出することで、データの読出しを行っている。
【0003】
一般的な光ディスク装置では、外装ハウジングのフロントパネルに設けられたスリット状の出入り口より、駆動モータの駆動力が伝達されることで、光ディスクを載置できるトレイ(ディスクトレイ)が入ったり(ローディング)、出たり(アンローディング)するようになっている。
【0004】
前記光ディスク装置は、メインシャーシユニットと、前記メインシャーシユニットに回動可能に取り付けられるトラバースシャーシと、前記トラバースシャーシに往復直線運動可能に取り付けられた光ヘッドとを有している。前記トラバースシャーシは、前記光ディスクをチャッキングし、回転させるための光ディスク駆動機構を備えており、昇降することで前記ディスクトレイに載置されている光ディスクを、前記光ディスク駆動機構にてチャッキングすることができる。前記光ヘッドは摺動することで、前記チャッキングされた光ディスクの内周、外周に移動しつつレーザ光を照射することができる。
【0005】
一般的な光ディスク装置では、前記ディスクトレイのローディング/アンローディングのための駆動力、前記トラバースシャーシの昇降のための駆動力、前記光ヘッドの摺動のための駆動力を、1つの駆動モータからの駆動力をタイミングよく切り替えて供給している。
【0006】
アンローディング動作を元に説明すると、前記光ヘッドが前記光ディスクの内周側に移動する。前記トラバースシャーシが下降し、該トラバースシャーシに備えられている部材(例えば、光ヘッド等)が前記ディスクトレイのアンロードと干渉しないようにする。その後、前記ディスクトレイを移動させアンロードする。
【0007】
特開2005−174427号公報、特開2004−253130号公報に示す発明では、カムスライダー及びトリガープレートを用いて駆動力の切り替えを行っている。光ピックアップ(光ヘッド)が内周側に移動すると、前記トリガープレートが摺動する。前記トリガープレートが移動するときに前記カムスライダーを押しカムスライダーも移動する。前記カムスライダーはラックを備えており、ラックが駆動力を伝達している歯車と歯合し、該カムスライダーに駆動力が伝達される。
【0008】
前記カムスライダーが移動することで、該カムスライダーのカム溝と係合している、トラバースシャーシが下降するとともに、前記トラバースシャーシとは異なる部分でカムスライダーと係合しているディスクトレイが移動する。前記ディスクトレイにはラックが備えられており、前記カムスライダーの動きに連動して動くことで、前記ラックが歯車と歯合してディスクトレイがアンローディングされる。
【0009】
このとき、光ピックアップのスライダーラックに形成されているボスが、前記トリガープレートと係合しており、該光ピックアップの移動を制限している。ローディングは逆の動作で行われる。
【0010】
上述した3つの動作を1つのモータで行うため、前記駆動モータは前記トラバースシャーシに取り付けられるとともに、シャフトにはウォームギアが取り付けられている。
【特許文献1】特開2005−174427号公報
【特許文献2】特開2004−253130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記トリガープレートは前記トラバースシャーシに取り付けられるものであり、前記トリガープレートと前記トラバースシャーシとが同時に移動する場合がある。前記トリガープレートと前記トラバースシャーシとが同時に移動すると、前記光ピックアップや前記カムスライダーの動作タイミングが狂う可能性が高くなる。そのため、該トラバースシャーシの移動によって該トリガープレートの動作が妨げられないようにする必要があり、それだけ、該トラバースシャーシ、前記光ピックアップ及び前記カムスライダーの設計の自由度が低下する。
【0012】
また、前記トリガープレートには駆動力が伝達されておらず、前記光ピックアップ及び(又は)カムスライダーの移動に従動するので、該光ピックアップ及び(又は)該カムスライダーの動作の負担になり、動作の精度が悪くなる場合も考えられる。また、前記光ピックアップ及び前記カムスライダーには、前記トリガープレートと係合する部分を設け、十分な強度を与えなくてはならず、製造に手間と時間がかかる。
【0013】
さらに、前記トリガープレートを設けることは、光ディスク装置を構成する部品点数の増加につながるとともに、組み立ての手間、時間が多くかかり、それだけ、製造、組み立てコストが高くなる。
【0014】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ディスクトレイ、トラバースシャーシ、光ヘッドを1つのモータで駆動し、トラバースシャーシ及び光ヘッドの駆動を切り替えるための切替部材をとりつけないようにして、光ディスク装置の製造コストを低減することを目的とする。
【0015】
また本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ディスクトレイ、トラバースシャーシ、光ヘッドを1つのモータで駆動し、トラバースシャーシ及び光ヘッドの駆動を切り替えるための切替部材をとりつけなくても、ディスクトレイ、トラバースシャーシ及び光ヘッドへの駆動力の切り替えのタイミングを、精度良く切り替えることを目的とする。
【0016】
さらに本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、他の構成部材の動作に従動して駆動する部材省略することで、該従動部材を駆動していた構成部材の駆動の負荷を低減することができ、それだけ、動作に必要な駆動力を低減するとともに、長期間にわたって、不具合の発生しにくい光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため本発明は、メインシャーシと、前記メインシャーシに対して往復摺動し光ディスクを搬入及び排出するディスクトレイと、前記メインシャーシに昇降可能に支持されるトラバースシャーシと、前記トラバースシャーシに摺動可能に配置され前記光ディスクにレーザ光を照射しデータの記録又は再生を行う光ヘッドと、前記メインシャーシに固定され、前記ディスクトレイの摺動、前記光ヘッドの摺動及び前記トラバースシャーシの昇降のための駆動力を発生するための駆動モータとを有する光ディスク装置であって、前記ディスクトレイは、底面に前記駆動モータの駆動力を受けるためのトレイラックと、連動機構であるガイド溝とを備えており、前記光ヘッドは、前記光ディスクの内周又は外周へと往復摺動するものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるスライドラックを有し、該スライドラックは上面より突出するラックボスと、ラックと反対側の面より突出する突出部とを備えており、前記トラバースシャーシは、前面より一体的に突出する摺動ボスと、前記光ディスクを挟持するとともに回転させる光ディスク駆動機構と、前記駆動モータの出力軸に取り付けられたピニオンギアと歯合する第1大歯車、第1小歯車及び前記スライドラックと歯合する第1ピニオンギアが同軸に軸方向に並んで連結されており、該トラバースシャーシに軸支されている第1歯車と、該トラバースシャーシに軸支され第1歯車の小歯車と歯合する第2歯車とを有しており、前記メインシャーシは、該メインシャーシに軸支され、前記第2歯車と歯合するとともに前記トレイラックと歯合するギアトレイ、該メインシャーシに摺動可能に支持され前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラック、前記トラバースシャーシの摺動ボスと係合し段差が形成された溝を有するカム溝、前記ディスクトレイのガイド溝と係合する立設ボス及び前記スライドラックのラックボスと係合し、屈曲したトリガーガイドを具備し、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動するカムスライダーと、該メインシャーシに回動可能に軸支される回転軸、前記回転軸を円周方向に付勢する付勢部材、前記回転軸の軸方向に離れて配置され、異なる接線方向に伸びるレバー部及びロック部を有するストッパ部材と、底部より突出し前記突出部と係合する係止部とを有しており、前記トラバースシャーシは前記カムスライダーが摺動することで、前記光ディスク駆動機構が前記ディスクトレイにて搬入された光ディスクを挟着する挟着位置と、前記ディスクトレイが摺動するのに邪魔にならない待機位置との間で昇降するものであり、前記ストッパ部材は前記付勢部材により前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に回動するように付勢されており、前記ストッパ部材は前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に付勢されており、前記ロック部はカムスライダーの側面と当接し該カムスライダーの摺動を制限するロック位置と、前記光ヘッドが内周側に摺動するときに前記突出部にて前記レバー部が押され回動し、カムスライダーの底面と接触し前記カムスライダーの摺動の制限を解除するアンロック位置に移動するものであり、前記トラバースシャーシが挟着位置にあるときは、前記ストッパ部材はロック位置にあり、前記トラバースシャーシが待機位置に移動するとき、前記光ヘッドが前記光ディスクの内周側に移動することで、前記スライドラックの突出部が前記レバー部を押し前記ストッパ部材をアンロック位置に移動させるとともに、前記ラックボスが前記トリガーガイドと係合し摺動することでカムスライダーを駆動力が伝達されるように摺動させ、前記トラバースシャーシが下降することで前記突出部が前記係止部と係合し、前記光ヘッドの摺動を制限することを特徴とする。
【0018】
この構成によると、他の部材に従動だけする部材を用いることなく、「光ヘッドの摺動」、「トラバースシャーシの揺動」、「ディスクトレイの摺動」の切り替えを行うことができる。また、各動作で最適な駆動力を選択することができるので、エネルギ消費量を低減することができる。また、駆動モータ、駆動力伝達機構、各部材に備えられるラック、ボス、カムに必要以上の負荷がかかるのを抑制することができるので、長期間にわたり安定した動作を行うことができる。
【0019】
このことは、上記3種の動作を切り替えるために従動だけする部材を省いているので、従動だけする部材が駆動することによる動作のずれの発生を防止することができるので、それだけ、各動作を正確なタイミングで切り替えることができる。すなわち、光ヘッド、ディスクトレイ、トラバースシャーシの動作のときに、光ディスク装置を構成するほかの部材との接触を抑制することができ、部材の破損や磨耗等の不具合の発生を抑制することができる。
【0020】
前記駆動モータの駆動力を平歯車及びラックのみを用いており、換言すると、前記駆動モータの出力軸にウォームギアを取り付けないので、ウォームギアから平歯車に駆動力が伝達されるときの伝達ロスを低減することができる。また、前記駆動モータを前記メインシャーシに取り付けるので、該駆動モータの配置場所の自由度が高く、それだけ、駆動力を伝達するための平歯車の数を減らすことが可能である。
【0021】
上記目的を達成するため本発明は、メインシャーシと、前記メインシャーシに対して往復摺動し光ディスクを搬入及び排出するディスクトレイと、前記メインシャーシに昇降可能に支持されるトラバースシャーシと、前記トラバースシャーシに摺動可能に配置され前記光ディスクにレーザ光を照射しデータの記録又は再生を行う光ヘッドと、前記メインシャーシに固定され、駆動力を発生するための駆動モータとを有する光ディスク装置であって、前記光ヘッドは、前記光ディスクの内周又は外周へと往復摺動するものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるためのスライドラックを有し、該スライドラックは上面より突出するラックボスと、上面と直交する面より突出する突出部とが備えられており、前記トラバースシャーシは、該トラバースシャーシの前面より突出する摺動ボスを備え、前記メインシャーシは、駆動力を伝達するギアトレイと、前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラック、前記トラバースシャーシの摺動ボスと係合する段差を有するカム溝及び前記ラックのラックボスと係合するトリガーガイドを具備し、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動するカムスライダーと、回動可能に支持される回転軸、前記回転軸の軸方向に離れて配置され、異なる方向に伸びるレバー部及びロック部を有するストッパ部材と、底部より突出する係止部とを有しており、前記トラバースシャーシは前記カムスライダーが摺動することで、前記摺動ボスが前記カムスライダーのカム溝内を摺動し、前記光ディスク駆動機構が前記ディスクトレイにて搬入された光ディスクを挟着する挟着位置と、前記ディスクトレイが摺動するのに邪魔にならない待機位置との間で昇降するものであり、前記トラバースシャーシが待機位置に下降したときに前記光ヘッドの突出部は前記メインシャーシの係止部と係合し、前記ストッパ部材は前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に付勢されており、前記光ヘッドが内周側に摺動するときに前記突出部にて前記レバー部が押され回動するものであり、前記ロック部がカムスライダーの側面と当接し該カムスライダーの摺動を制限するロック位置と、前記カムスライダーの摺動制限を解除するアンロック位置に移動することを特徴とする。
【0022】
この構成によると、他の部材に従動だけする部材を用いることなく、「光ヘッドの摺動」、「トラバースシャーシの揺動」、「ディスクトレイの摺動」の切り替えを行うことができる。また、各動作で最適な駆動力を選択することができるので、エネルギ消費量を低減することができる。また、駆動モータ、駆動力伝達機構、各部材に備えられるラック、ボス、カムに必要以上の負荷がかかるのを抑制することができるので、長期間にわたり安定した動作を行うことができる。
【0023】
このことは、上記3種の動作を切り替えるために従動だけする部材を省いているので、従動だけする部材が駆動することによる動作のずれの発生を防止することができるので、それだけ、各動作を正確なタイミングで切り替えることができる。すなわち、光ヘッド、ディスクトレイ、トラバースシャーシの動作のときに、光ディスク装置を構成するほかの部材との接触を抑制することができ、部材の破損や磨耗等の不具合の発生を抑制することができる。
【0024】
前記駆動モータの駆動力を平歯車及びラックのみを用いており、換言すると、前記駆動モータの出力軸にウォームギアを取り付けないので、ウォームギアから平歯車に駆動力が伝達されるときの伝達ロスを低減することができる。また、前記駆動モータを前記メインシャーシに取り付けるので、該駆動モータの配置場所の自由度が高く、それだけ、駆動力を伝達するための平歯車の数を減らすことが可能である。
【0025】
上記構成において、前記ストッパ部材はばね部材を備えており、ばね部材によって付勢されているものであっても良く、ロック部材が前記カムスライダーに当接する方向に回転するように、重心を調整しているものであってもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、ディスクトレイ、トラバースシャーシ、光ヘッドを1つのモータで駆動し、トラバースシャーシ及び光ヘッドの駆動を切り替えるための切替部材をとりつけないようにして、光ディスク装置の製造コストを低減することができる。
【0027】
また本発明によると、ディスクトレイ、トラバースシャーシ、光ヘッドを1つのモータで駆動し、トラバースシャーシ及び光ヘッドの駆動を切り替えるための切替部材をとりつけなくても、ディスクトレイ、トラバースシャーシ及び光ヘッドへの駆動力の切り替えのタイミングを、精度良く切り替えることができる。
【0028】
さらに本発明によると、他の構成部材の動作に従動して駆動する部材省略することで、該従動部材を駆動していた構成部材の駆動の負荷を低減することができ、それだけ、動作に必要な駆動力を低減するとともに、長期間にわたって、不具合の発生しにくい光ディスク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1〜図6は本発明にかかる光ディスク装置を示している。図1は光ディスク装置の斜視図であり、図2は上方から見た光ディスク装置の概略構成図を示している。図3は光ディスク装置の内部を上方から見た概略構成図であり、図4は下方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。図5及び図6はそれぞれ図3に示す光ディスク装置の内部をフロントパネル側、側方から見た概略構成図である。なお、便宜上、図3〜図6においては、ディスクトレイ自体を省略し、後述のガイド溝11及びトレイラック12のみを図示している。
【0030】
光ディスク装置Aはローディングされた光ディスクにレーザ光を照射し、データの読出し及び(又は)書込みを行うものである。図1に示すように光ディスク装置Aはディスクトレイ1が、外装ハウジングOhのフロントパネルFpに設けられたスリット状の出入り口Stから、出入りできるように配置されている。図2に示すように光ディスク装置Aは、ディスクトレイ1と、トラバースユニット2と、メインシャーシユニット3とを有している。
【0031】
<ディスクトレイについて>
ディスクトレイ1が出入り口Stより光ディスク装置Aの外部に排出されている状態で光ディスクを載置し、ディスクトレイ1を挿入することで光ディスクを再生/記録可能な領域に挿入(ローディング)する。また、ディスクトレイ1を光ディスク装置Aより排出することで光ディスク装置A内部に挿入されている光ディスクを排出(アンローディング)する。
【0032】
図4に示すようにディスクトレイ1の下面に段階的に屈曲するガイド溝11と、後述のギアトレイ33から駆動力を伝達されるトレイラック12がディスクトレイ1の長手方向に設けられている。ガイド溝11はディスクトレイ1の摺動方向に延びる直線部111と、所定の位置で斜めに屈曲する斜行部112と、さらに摺動方向と直交する方向に屈曲する直交部113とを有している。
【0033】
なお、フロントパネルFpが設けられている方向をフロント側(「F」)、フロント側に対向する方向をリア側(「R」)と表現する。また、フロント側からリア側に延びる方向に対する垂直横行をサイド側(「S」)と表す。
【0034】
<トラバースユニットについて>
図3に示すようにトラバースユニット2は、トラバースシャーシ21に、光ヘッド4、光ディスク駆動機構5及び駆動力伝達機構6を取り付けたものである。トラバースシャーシ21は、メインシャーシ31のリア側の一端に取付ねじにてねじ止めされている。
【0035】
図2に示すように、トラバースシャーシ2はトラバースシャーシ21に設けられた取付孔に、該孔自体の周囲(円周)及び軸方向の両端側を覆い、且つ、メインシャーシ31に設けられたボスを挿入できる開口を有するフローティングゴム(ダンパー)210を嵌め込みにて介在させ、ボスが取付孔を貫通するように、トラバースシャーシ21を載置し、トラバースシャーシ21の取付孔とメインシャーシ31のボスとを、取付ねじで固定させている。
【0036】
取付ねじは、ねじ頭とメインシャーシ31の間が一定の間隔になるように、取付固定されている。この間隔を利用して、トラバースシャーシ21(トラバースユニット2)は取付ねじを支点として回転移動が可能となり、光ディスクからデータを読み出す又は光ディスクにデータを書き込む場合には、上昇して光ディスクを挟持する(チャッキングする:チャッキング位置)。また、光ディスクを排出する場合には、トラバースシャーシ21(トラバースユニット2)は下降し、光ディスクがディスクトレイ1に載置された状態(光ディスクと後述のターンテーブルが離れている状態:待機位置)にする。
【0037】
光ヘッド4は光ディスクにレーザ光を照射してデータを読出し又は記録するものであり、トラバースシャーシ21に設けられたガイド軸211に沿って摺動するように取り付けられている。光ディスクに対してレーザ光を照射する対物レンズ41を備えている。また、図示を省略しているが、レーザ光を出射するレーザ光源、光ディスクで反射したレーザ光を受光し電気信号に変換する受光素子等の光学部品が配置されている。
【0038】
なお、光ヘッド4には、後述の駆動モータ7の駆動力が伝達されるラック42が設けられている。ラック42は下部に光ヘッド4に一体的に形成されるメインラック421と、メインラック421と重なるように上部に配置されるサブラック422とを有している。つまり、ラック42はメインラック421とサブラック422が重なったダルブラックとなっている。
【0039】
メインラック421は後述する第1歯車61の第1ピニオンギア613と歯合している。第1ピニオンギア613からメインラック421に駆動力が伝達されることで光ヘッド4の摺動を行う。また、サブラック422はメインラック421に対してスライド可能に取り付けられている。メインラック421とサブラック422はコイルばねにて、各ラックのギア歯が平面視でずれるように付勢されている。メインラック421とサブラック422のギア歯が上述のとおりずれるように付勢されることで、第1ピニオンギア613のギア歯を挟み、第1ピニオンギア613とメインラッ421及びサブラック422とのギア歯の遊びによるバックラッシュを取り除くことができる。
【0040】
ラック42では、サブラック422のギア歯がメインラック421のギア歯よりも長く形成されている。サブラック422のギア歯はメインラック421のギア歯よりもリア側に長くなるように重ねて配置される。これにより、光ヘッド4の位置によっては、メインラック421とサブラック422とが第1ピニオンギア613と歯合している状態、サブラック422のみが第1ピニオンギア613と歯合している状態及びメインラック421、サブラック422いずれもが第1ピニオンギア613と歯合しない状態に切り替わる。
【0041】
また、サブラック422のフロント側の先端には、後述するカムスライダー34のトリガーガイド342と摺動可能に係合するラックボス423と、ラックボス423が形成されている先端側のギア歯の反対側には、後述のメインシャーシ31に取り付けられているストッパ部材32を押すとともに、トラバースユニット2が待機位置にあるときに、係止部311と係合するための突出部424とが形成されている。ラックボス423はディスクトレイ1方向に立設されるものである。
【0042】
光ヘッド4が光ディスクの内周側に摺動し、光ヘッド4の移動の限界部まで来ると、メインラック421と第1ピニオンギア613との歯合がはずれ、光ヘッド4の摺動は停止する。このとき、サブラック422はまだ第1ピニオンギア613と歯合しており、サブラック422は光ディスクの内周側にさらに摺動し、サブラック422に形成されているラックボス423がカムスライダー34のトリガーガイド342と係合する。
【0043】
光ディスク駆動機構5は光ディスクを支持するためのターンテーブル51と、ターンテーブル51を駆動するためのスピンドルモータ52と、メインシャーシユニット3に設けられたクランプ53とを有している。ターンテーブル51はトラバースユニット2が上昇することで、クランプ53と光ディスクを挟着(チャッキング)する。このとき、クランプ53には図示を省略した永久磁石が、ターンテーブル51には磁力を受ける図示を省略したヨークとを有しており、磁力にて互いに引き合って、光ディスクを強固に挟着している。スピンドルモータ52はチャッキングされた光ディスクを回転させるモータである。チャッキングのため(ディスク再生等のため)の、スピンドルモータ52が搭載されたトラバースユニット2の昇降動作については後述する。
【0044】
トラバースシャーシ21は、カムスライダー34のカム溝343に係合する摺動ボス212を有しており、カムスライダー34の移動に連動して、トラバースシャーシ21を昇降させるものである。
【0045】
駆動力伝達機構6は、第1歯車61、第2歯車62を有している。各歯車はトラバースシャーシ21に回動可能に軸支持されている。駆動力伝達機構6はメインシャーシユニット3(図6参照)に設けられる後述の駆動モータ7からの駆動力を、ディスクトレイ1の往復移動、光ヘッド4の往復移動及びカムスライダー34の移動のために伝達するものである。
【0046】
第1歯車61は、駆動モータ7の出力軸71(後述)に取り付けられたピニオンギア73(後述)より、駆動力が伝達される第1大歯車611と、下部(メインシャーシ31に近づく方向)に設けられ、第2歯車62と歯合する第1小歯車612と、さらに下部に光ヘッド4のラック42に駆動力を伝達する第1ピニオンギア613とを有している。すなわち、第1大歯車611が上方に、第1小歯車612が下方にさらに下方に第1ピニオンギア613が同一中心軸を有するように一体で形成されている。第2歯車62は、第1小歯車612からギアトレイ33に駆動力を伝達するための歯車であり、トラバースシャーシ21上に回動可能に軸支されている。
【0047】
<メインシャーシユニットについて>
メインシャーシユニット3は、図2及び図3に示すように、メインシャーシ31、ギアトレイ33、駆動モータ7及びカムスライダー34を有している。メインシャーシ31は、トラバースユニット2を収容する本体シャーシであり、駆動モータ7、カムスライダー34が配置されている。
【0048】
ギアトレイ33は、第2歯車62からの駆動力を、ディスクトレイ1のトレイラック12及びカムスライダー34の後述するカムスライダーラック344に伝達する歯車であり、メインシャーシ31に回動可能に軸支持される。ギアトレイ33は第2歯車62と歯合する第1ギアトレイ331と、第1ギアトレイ331と同一中心軸を有して一体に形成され、トレイラック12及びカムスライダーラック344と選択的に係合する第2ギアトレイ332とを有している。
【0049】
駆動モータ7の出力軸71にはエンコーダ72が設けられており、出力軸71に設けられたピニオンギア73の回転情報(回転数、回転角度、回転速度等)を得ることができる。
【0050】
カムスライダー34は、ディスクトレイ1の底面のガイド溝11に係合する立設ボス342(図3、5等参照)と、光ヘッド4のサブラック422に設けられたラックボス423と係合するトリガーガイド342と、トラバースシャーシ21の摺動ボス212と係合するカム溝343(図5参照)と、ギアトレイ33と歯合するカムスライダーラック344とを有している。
【0051】
カムスライダー34は、メインシャーシ31のフロント側に配置されており、ディスクトレイ1の移動方向に対して直交する方向(サイド方向)に摺動する。カムスライダー34のトリガーガイド342は斜めに形成された斜行部3421と、サイド方向に伸びるサイド部3422とを有している。トラバースユニット2が待機位置に移動するために光ヘッド4がフロント側に移動すると、サブラック422のラックボス423がトリガーガイド342に係合し、ラックボス423がトリガーガイド342を押して、カムスライダー34をサイド方向に移動させる。
【0052】
また、カム溝343は、カムスライダー34が配置された状態でトラバースシャーシ21の昇降運動の上下方向に配置される上側カム溝3431と下側カム溝3432とを有しており、上側カム溝3431と下側カム溝3432とを連結する傾斜カム溝3433とを有している。カム溝343には、トラバースシャーシ21の摺動ボス212が貫通しており、摺動ボス212が上側カム溝3431に位置するように移動すればトラバースシャーシ21(トラバースユニット2)が上昇し、下側カム溝3432に位置するように移動すればトラバースシャーシ21(トラバースユニット2)が下降する。
【0053】
図7(A)、(B)はスライドラックとカムスライダーとが係合するときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図であり、図8(A)、(B)はスライドラックとカムスライダーとが係合しカムスライダーが連動したときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図であり、図9(A)、(B)はカムスライダーがギアトレイと歯合したときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図である。メインシャーシ31には、トラバースユニット2が待機位置に移動している状態で、サブラック422に形成されている突出部424と係合する係止部311と、カムスライダー34の動作を規制するためのストッパ部材32とを有している。
【0054】
係止部311はメインシャーシ31の底部より突出しており、サイド方向に伸びる直方体形状を有している。光ヘッド4がフロント側に移動し、トラバースユニット2が待機位置にあるときに、サブラック422に形成されている突出部424が係止部311と係合することで、光ヘッド4の動きを規制している。トラバースユニット2がチャッキング位置に移動すると、係止部311と突出部424との係合がはずれ、光ヘッド4は移動可能になる。
【0055】
ストッパ部材32は円柱状の回転軸321と、サブラック422に形成されている突出部424と接触するレバー部322と、カムスライダー34と当接し、カムスライダー34の摺動を規制するためのロック部323とを有している。回転軸321、レバー部322及びロック部323はそれには限定されないが、一体に形成されており、図7(A)、(B)に示すように、回転軸321に軸方向に離れて配置されている。また、レバー部322及びロック部323は軸方向に見て異なる接線方向に伸びて形成されている。
【0056】
ストッパ部材32はメインシャーシ31に回動可能に配置される。このとき、回転の中心は回転軸321を中心に回転するものであり、回転軸321がサイド方向に伸びるように配置される。ストッパ部材32にはそれには限定されないがここでは、弾性ばね(不図示)が取り付けられており、ストッパ部材32はメインシャーシ31に配置されたとき、回転軸321の上側がフロント方向に回転するように付勢されている。
【0057】
<各部材の移動について>
ここで各部材(光ヘッド4、トラバースユニット2、ディスクトレイ1)の移動について、図1〜図13、特に図7〜図13を参照にしながら説明する。図10〜図13において「実線」は機械的固定(例えば、圧入やねじ止め等)を、「一点鎖線」はギア歯による歯合を意味している。また、「二重線」はカムによる係合を、「破線」は、遮断された関係を意味している。その移動工程や切り替え工程に寄与する部材については、ドットでハッチングしている。
【0058】
<光ヘッドの移動について(図10参照)>
本発明の光ディスク装置Aにおける光ヘッド4の移動について説明する。例えば、DVD等の光ディスクの再生等を終了し、光ディスクを光ディスク装置Aから取り出す(アンロード)場合、すなわち、ディスクトレイ1をオープンさせる場合を考える。トラバースユニット2が移動するとは、光ヘッド4は光ディスクに対して最も内周側(光ディスク装置のフロント側)に退避する。
【0059】
図7(A)、(B)に示すように、トラバースユニット2がチャッキング位置にあり、光ディスクが光ディスク駆動機構5にてチャッキングされているとき、ストッパ部材32のロック部323が最も高い位置に移動しており、ロック部323がカムスライダー34のカムスライダーラック344のサイド方向の端部345と当接して、カムスライダー34が移動するのを防いでいる。このように、カムスライダー34の動作を規制することでカムスライダーラック344がギアトレイ33と歯合し、カムスライダー34が不意に動くのを防ぎ、トラバースユニット2が動くのを防いでいる。
【0060】
ます、駆動モータ7がA1方向(正転方向)に回転し、その回転に伴い、ピニオンギア73もA1方向に回転する。そして、このピニオンギア73と歯合する第1大歯車611がB1方向に回転する。そうすると、第1大歯車611と連なっている(連設されている)第1ピニオンギア613もB1方向に回転し、この第1ピニオンギア613と歯合するラック42(メインラック421、サブラック422)がC1方向に移動する。ラック42の移動にあわせて、ラック42を備えている光ヘッド4もC1方向に移動する。
【0061】
ピニオンギア73と第1大歯車611、第1小歯車612と第2歯車62及び第2歯車62と第1ギアトレイ331とは常時歯合しており、第1ギアトレイ331には常に駆動モータ7からの駆動力が伝達され、ギアトレイ33はD1方向に回転している。このとき、カムスライダーラック344のサイド方向の端部345がストッパ部材32のロック部323と接触しており、カムスライダー34の動作が規制されている。このとき、カムスライダーラック344はギアトレイ33の第2ギアトレイ332と歯合しておらず、カムスライダー34は停止している。
【0062】
<光ディスクの駆動からトラバースユニットの移動の切り替えについて(図11参照)>
光ヘッド4が光ディスクの内周側(フロント側)の所定の位置に到達すると、ラック42のメインラック421と第1小歯車612との歯合は外れ、サブラック422と第1小歯車612とが歯合している状態になる。この状態でさらに駆動すると、サブラック422のみがフロント側に移動する。
【0063】
図8(A)、図8(B)に示すように、サブラックがさらにフロント側に移動すると、サブラック422に形成された突出部424がストッパ部材32のレバー部322を押し、ストッパ部材32をE1方向に回転させる。ストッパ部材32が回転することで、ロック部323が回転し、カムスライダー34のカムスライダーラック344の側面から外れる。これにより、カムスライダー34は移動することができる状態になる。
【0064】
ストッパ部材32が回転するのと略同時に、サブラック422に立設されたラックボス423がトリガーガイド342に係合され、サブラック422が移動することで、トリガーガイド342を押す。これにより、カムスライダー34が移動しカムスライダーラック344と第2ギアトレイ332が歯合し、ギアトレイ33の駆動力がカムスライダーラック344伝達され、カムスライダー34がF1方向移動する。
【0065】
カムスライダー34が移動することで、ラックボス423がトリガーガイド342の斜行部3421に押されてサブラック422はフロント側に移動し、サブラック422と第1ピニオンギア613との歯合が外れる。さらにカムスライダー34が移動すると、ラックボス423はサイド部3422に移動し、サブラック422のリア方向への移動を規制する。すなわち、メインラック421と第1ピニオンギア613との歯合が外れ、そのあとでサブラック422がさらに内周側に移動し、カムスライダー34が動作開始するとともに、サブラック422と第1ピニオンギア613との歯合が外れ、光ヘッド4は完全に停止する。
【0066】
<トラバースユニットの待機位置への移動(降下)について(図12参照)>
ギアトレイ33の第2ギアトレイ332とカムスライダーラック344とが歯合することで、駆動モータの駆動力が駆動力伝達機構6によりカムスライダーラック344に伝達される。これにより、カムスライダー34はギアトレイ33から遠ざかる方向(F1方向)に移動する。
【0067】
カムスライダー34のカム溝343にはトラバースシャーシ21の摺動ボス212が貫通しており、カムスライダー34の移動に連動して、摺動ボス212が上側カム溝3431、傾斜カム溝3433、下側カム溝3432の順で移動する。すると、摺動ボス212の移動に伴って、トラバースシャーシ21がG1方向へ降下する。その結果、トラバースシャーシ21、ひいてはトラバースユニット2が降下する。光ヘッド4のサブラック422はトラバースシャーシ21のフロント側端部より突出している。
【0068】
図9(A)、図9(B)に示すように、カムスライダー34がギアトレイ33より伝達された駆動力で移動し始めたとき、サブラック422に形成されたラックボス423はトリガーガイド342のサイド部3422に係合されている。カムスライダー34が移動し、トラバースユニット2が降下すると、ラックボス423とトリガーガイド342のサイド部3422との係合が離れる。このとき、サブラック422に形成されている突出部424が、メインシャーシ31の底面より突出する係止部311と係合して、サブラック422及び光ヘッド4のリア方向への移動を制限する。
【0069】
<トラバースユニットの移動からディスクトレイの移動への切り替えについて(図13参照)>
カムスライダー34の立設ボス342はトラバースユニット2が待機位置へ移動するまでの間、ガイド溝11の直交部113と係合し、カムスライダー34のF1方向への移動にあわせて、直交部113内をF1方向へ移動する。トラバースユニット2が待機位置に移動したのと略同時に、立設ボス342はガイド溝11の直交部113と斜行部112との接続部へ到達する。トラバースユニット2が待機位置まで降下した後も、カムスライダー34は、下側カム溝3432の端部が摺動ボス212と接近又は接触するまで、F1方向にスライドする。
【0070】
カムスライダー34の移動によって、立設ボス342がガイド溝11の斜行部112を押す。斜行部112が押されると、ディスクトレイ1はH1方向(フロント方向)に移動する。ディスクトレイ1が立設ボス342に押されてH1方向に移動すると、トレイラック12も同時に移動し、ギアトレイ33の第2ギアトレイ332と歯合する。トレイラック12とギアトレイ33が歯合すると同時に、カムスライダー34のカムスライダーラック344と第2ギアトレイ332との歯合が外れる。
【0071】
<ディスクトレイの移動(トレイオープン)について(図13参照)>
トレイラック12とギアトレイ33とが歯合すると、ギアトレイ33のD1方向の回転に伴い、トレイラック12もH1方向に移動する。すなわち、ディスクトレイ1がフロント側へと移動し、フロントパネルFpのスリット状の出入り口Stからディスクトレイ1が排出される。このとき、カムスライダー34の立設ボス341はガイド溝11の直線部111と係合しており、カムスライダー34のサイド方向の移動を制限している。カムスライダー34の移動が制限されていることで、衝撃、振動等で誤ってカムスライダーラック344が第2ギアトレイ332と歯合し、トラバースユニット2が誤作動するのを防ぐことができるので、安全に光ディスクをアンロードすることが可能である。
【0072】
以上のように、ディスク装置Aでは1つの駆動モータ7の回転によって、光ヘッド4、トラバースユニット2、ディスクトレイ1を動作させることが可能になっている。なお、上記例では、光ヘッド4の内周への移動、トラバースユニット2の降下及びディスクトレイ1のオープンに係る一連の動作について説明したが、駆動モータ7をA1と逆方向(逆回転:図3参照)に回転させることで、各部分は上記B1〜H1方向とは逆方向に回転又は移動する。これにより、光ヘッド4の外周への移動、トラバースユニット2の上昇、ディスクトレイ1のクローズにかかる動作も可能となっている。
【0073】
上記構成において、ストッパ部材32にばねを取り付けたものを例に説明しているが、ばね以外の弾性力を発声するものを用いてもよい。また、ストッパ部材32を回動支持した状態で、ロック部323が上側になるように(たとえば、図7等に示すストッパ部32の場合、レバー部322を重く形成する)重心を調整してもよい。このように、重心を調整してストッパ部材を付勢することで、付勢するための部材を取り付けなくても良く、それだけ、部材を省略することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、DVD、CD等の光ディスクを記録媒体とする光ディスク装置において適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明にかかる光ディスク装置の斜視図である。
【図2】本発明にかかる光ディスク装置内部の概略平面図である。
【図3】図2に示す光ディスク装置からメインシャーシ、ディスクトレイを省略した概略構成図である。
【図4】下方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図5】フロントパネル側から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図6】側方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図7】図(A)、(B)はスライドラックとカムスライダーとが係合するときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図でである。
【図8】図(A)、(B)はスライドラックとカムスライダーとが係合しカムスライダーが連動したときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図である。
【図9】図9(A)、(B)はカムスライダーがギアトレイと歯合したときの概略拡大平面図及び概略拡大側面図である
【図10】光ヘッドの移動を説明するブロック図である。
【図11】光ヘッドの移動からトラバースユニットの移動への切り替えについて説明するブロック図である。
【図12】トラバースユニットの移動について説明するブロック図である。
【図13】トラバースユニットの移動からディスクトレイの移動への切り替えについて説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0076】
A 光ディスク装置
1 ディスクトレイ
11 ガイド溝
12 トレイラック
2 トラバースユニット
21 トラバースシャーシ
211 ガイド軸
212 摺動ボス
3 メインシャーシユニット
31 メインシャーシ
311 係止部
32 ストッパ部材
321 回転軸
322 レバー部
323 ロック部
33 ギアトレイ
331 第1ギアトレイ
332 第2ギアトレイ
34 カムスライダー
341 立設ボス
342 トリガーガイド
343 カム溝
344 カムスライダー
4 光ヘッド
41 対物レンズ
42 ラック
421 メインラック
422 サブラック
423 ラックボス
424 突出部
5 光ディスク駆動機構
51 ターンテーブル
52 スピンドルモータ
53 クランプ
6 駆動力伝達機構
61 第1歯車
611 第1大歯車
612 第1小歯車
613 第1ピニオンギア
62 第2歯車
7 駆動モータ
71 出力軸
72 エンコーダ
73 ピニオンギア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインシャーシと、
前記メインシャーシに対して往復摺動し光ディスクを搬入及び排出するディスクトレイと、
前記メインシャーシに昇降可能に支持されるトラバースシャーシと、
前記トラバースシャーシに摺動可能に配置され前記光ディスクにレーザ光を照射しデータの記録又は再生を行う光ヘッドと、
前記メインシャーシに固定され、前記ディスクトレイの摺動、前記光ヘッドの摺動及び前記トラバースシャーシの昇降のための駆動力を発生するための駆動モータとを有する光ディスク装置であって、
前記ディスクトレイは、底面に前記駆動モータの駆動力を受けるためのトレイラックと、連動機構であるガイド溝とを備えており、
前記光ヘッドは、前記光ディスクの内周又は外周へと往復摺動するものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるスライドラックを有し、該スライドラックは上面より突出するラックボスと、ラックと反対側の面より突出する突出部とを備えており、
前記トラバースシャーシは、前面より一体的に突出する摺動ボスと、前記光ディスクを挟持するとともに回転させる光ディスク駆動機構と、前記駆動モータの出力軸に取り付けられたピニオンギアと歯合する第1大歯車、第1小歯車及び前記スライドラックと歯合する第1ピニオンギアが同軸に軸方向に並んで連結されており、該トラバースシャーシに軸支されている第1歯車と、該トラバースシャーシに軸支され第1歯車の小歯車と歯合する第2歯車とを有しており、
前記メインシャーシは、該メインシャーシに軸支され、前記第2歯車と歯合するとともに前記トレイラックと歯合するギアトレイ、該メインシャーシに摺動可能に支持され前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラック、前記トラバースシャーシの摺動ボスと係合し段差が形成された溝を有するカム溝、前記ディスクトレイのガイド溝と係合する立設ボス及び前記スライドラックのラックボスと係合し、屈曲したトリガーガイドを具備し、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動するカムスライダーと、該メインシャーシに回動可能に軸支される回転軸、前記回転軸を円周方向に付勢する付勢部材、前記回転軸の軸方向に離れて配置され、異なる接線方向に伸びるレバー部及びロック部を有するストッパ部材と、底部より突出し前記突出部と係合する係止部とを有しており、
前記トラバースシャーシは前記カムスライダーが摺動することで、前記光ディスク駆動機構が前記ディスクトレイにて搬入された光ディスクを挟着する挟着位置と、前記ディスクトレイが摺動するのに邪魔にならない待機位置との間で昇降するものであり、
前記ストッパ部材は前記付勢部材により前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に回動するように付勢されており、前記ストッパ部材は前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に付勢されており、前記ロック部はカムスライダーの側面と当接し該カムスライダーの摺動を制限するロック位置と、前記光ヘッドが内周側に摺動するときに前記突出部にて前記レバー部が押され回動し、カムスライダーの底面と接触し前記カムスライダーの摺動の制限を解除するアンロック位置に移動するものであり、
前記トラバースシャーシが挟着位置にあるときは、前記ストッパ部材はロック位置にあり、前記トラバースシャーシが待機位置に移動するとき、前記光ヘッドが前記光ディスクの内周側に移動することで、前記スライドラックの突出部が前記レバー部を押し前記ストッパ部材をアンロック位置に移動させるとともに、前記ラックボスが前記トリガーガイドと係合し摺動することでカムスライダーを駆動力が伝達されるように摺動させ、前記トラバースシャーシが下降することで前記突出部が前記係止部と係合し、前記光ヘッドの摺動を制限することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
メインシャーシと、
前記メインシャーシに対して往復摺動し光ディスクを搬入及び排出するディスクトレイと、
前記メインシャーシに昇降可能に支持されるトラバースシャーシと、
前記トラバースシャーシに摺動可能に配置され前記光ディスクにレーザ光を照射しデータの記録又は再生を行う光ヘッドと、
前記メインシャーシに固定され、駆動力を発生するための駆動モータとを有する光ディスク装置であって、
前記光ヘッドは、前記光ディスクの内周又は外周へと往復摺動するものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるためのスライドラックを有し、該スライドラックは上面より突出するラックボスと、上面と直交する面より突出する突出部とが備えられており、
前記トラバースシャーシは、該トラバースシャーシの前面より突出する摺動ボスを備え、
前記メインシャーシは、駆動力を伝達するギアトレイと、前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラック、前記トラバースシャーシの摺動ボスと係合する段差を有するカム溝及び前記ラックのラックボスと係合するトリガーガイドを具備し、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動するカムスライダーと、回動可能に支持される回転軸、前記回転軸の軸方向に離れて配置され、異なる方向に伸びるレバー部及びロック部を有するストッパ部材と、底部より突出する係止部とを有しており、
前記トラバースシャーシは前記カムスライダーが摺動することで、前記摺動ボスが前記カムスライダーのカム溝内を摺動し、前記光ディスク駆動機構が前記ディスクトレイにて搬入された光ディスクを挟着する挟着位置と、前記ディスクトレイが摺動するのに邪魔にならない待機位置との間で昇降するものであり、前記トラバースシャーシが待機位置に下降したときに前記光ヘッドの突出部は前記メインシャーシの係止部と係合し、
前記ストッパ部材は前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に付勢されており、前記光ヘッドが内周側に摺動するときに前記突出部にて前記レバー部が押され回動するものであり、前記ロック部がカムスライダーの側面と当接し該カムスライダーの摺動を制限するロック位置と、前記カムスライダーの摺動制限を解除するアンロック位置に移動することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
前記ストッパ部材はばね部材を備えており、ばね部材によって負勢されていることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記ストッパ部材はロック部材が前記カムスライダーに当接する方向に回転するように、重心を調整していることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項1】
メインシャーシと、
前記メインシャーシに対して往復摺動し光ディスクを搬入及び排出するディスクトレイと、
前記メインシャーシに昇降可能に支持されるトラバースシャーシと、
前記トラバースシャーシに摺動可能に配置され前記光ディスクにレーザ光を照射しデータの記録又は再生を行う光ヘッドと、
前記メインシャーシに固定され、前記ディスクトレイの摺動、前記光ヘッドの摺動及び前記トラバースシャーシの昇降のための駆動力を発生するための駆動モータとを有する光ディスク装置であって、
前記ディスクトレイは、底面に前記駆動モータの駆動力を受けるためのトレイラックと、連動機構であるガイド溝とを備えており、
前記光ヘッドは、前記光ディスクの内周又は外周へと往復摺動するものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるスライドラックを有し、該スライドラックは上面より突出するラックボスと、ラックと反対側の面より突出する突出部とを備えており、
前記トラバースシャーシは、前面より一体的に突出する摺動ボスと、前記光ディスクを挟持するとともに回転させる光ディスク駆動機構と、前記駆動モータの出力軸に取り付けられたピニオンギアと歯合する第1大歯車、第1小歯車及び前記スライドラックと歯合する第1ピニオンギアが同軸に軸方向に並んで連結されており、該トラバースシャーシに軸支されている第1歯車と、該トラバースシャーシに軸支され第1歯車の小歯車と歯合する第2歯車とを有しており、
前記メインシャーシは、該メインシャーシに軸支され、前記第2歯車と歯合するとともに前記トレイラックと歯合するギアトレイ、該メインシャーシに摺動可能に支持され前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラック、前記トラバースシャーシの摺動ボスと係合し段差が形成された溝を有するカム溝、前記ディスクトレイのガイド溝と係合する立設ボス及び前記スライドラックのラックボスと係合し、屈曲したトリガーガイドを具備し、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動するカムスライダーと、該メインシャーシに回動可能に軸支される回転軸、前記回転軸を円周方向に付勢する付勢部材、前記回転軸の軸方向に離れて配置され、異なる接線方向に伸びるレバー部及びロック部を有するストッパ部材と、底部より突出し前記突出部と係合する係止部とを有しており、
前記トラバースシャーシは前記カムスライダーが摺動することで、前記光ディスク駆動機構が前記ディスクトレイにて搬入された光ディスクを挟着する挟着位置と、前記ディスクトレイが摺動するのに邪魔にならない待機位置との間で昇降するものであり、
前記ストッパ部材は前記付勢部材により前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に回動するように付勢されており、前記ストッパ部材は前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に付勢されており、前記ロック部はカムスライダーの側面と当接し該カムスライダーの摺動を制限するロック位置と、前記光ヘッドが内周側に摺動するときに前記突出部にて前記レバー部が押され回動し、カムスライダーの底面と接触し前記カムスライダーの摺動の制限を解除するアンロック位置に移動するものであり、
前記トラバースシャーシが挟着位置にあるときは、前記ストッパ部材はロック位置にあり、前記トラバースシャーシが待機位置に移動するとき、前記光ヘッドが前記光ディスクの内周側に移動することで、前記スライドラックの突出部が前記レバー部を押し前記ストッパ部材をアンロック位置に移動させるとともに、前記ラックボスが前記トリガーガイドと係合し摺動することでカムスライダーを駆動力が伝達されるように摺動させ、前記トラバースシャーシが下降することで前記突出部が前記係止部と係合し、前記光ヘッドの摺動を制限することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
メインシャーシと、
前記メインシャーシに対して往復摺動し光ディスクを搬入及び排出するディスクトレイと、
前記メインシャーシに昇降可能に支持されるトラバースシャーシと、
前記トラバースシャーシに摺動可能に配置され前記光ディスクにレーザ光を照射しデータの記録又は再生を行う光ヘッドと、
前記メインシャーシに固定され、駆動力を発生するための駆動モータとを有する光ディスク装置であって、
前記光ヘッドは、前記光ディスクの内周又は外周へと往復摺動するものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるためのスライドラックを有し、該スライドラックは上面より突出するラックボスと、上面と直交する面より突出する突出部とが備えられており、
前記トラバースシャーシは、該トラバースシャーシの前面より突出する摺動ボスを備え、
前記メインシャーシは、駆動力を伝達するギアトレイと、前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラック、前記トラバースシャーシの摺動ボスと係合する段差を有するカム溝及び前記ラックのラックボスと係合するトリガーガイドを具備し、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動するカムスライダーと、回動可能に支持される回転軸、前記回転軸の軸方向に離れて配置され、異なる方向に伸びるレバー部及びロック部を有するストッパ部材と、底部より突出する係止部とを有しており、
前記トラバースシャーシは前記カムスライダーが摺動することで、前記摺動ボスが前記カムスライダーのカム溝内を摺動し、前記光ディスク駆動機構が前記ディスクトレイにて搬入された光ディスクを挟着する挟着位置と、前記ディスクトレイが摺動するのに邪魔にならない待機位置との間で昇降するものであり、前記トラバースシャーシが待機位置に下降したときに前記光ヘッドの突出部は前記メインシャーシの係止部と係合し、
前記ストッパ部材は前記ロック部が前記カムスライダーに当接する方向に付勢されており、前記光ヘッドが内周側に摺動するときに前記突出部にて前記レバー部が押され回動するものであり、前記ロック部がカムスライダーの側面と当接し該カムスライダーの摺動を制限するロック位置と、前記カムスライダーの摺動制限を解除するアンロック位置に移動することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
前記ストッパ部材はばね部材を備えており、ばね部材によって負勢されていることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記ストッパ部材はロック部材が前記カムスライダーに当接する方向に回転するように、重心を調整していることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−141361(P2007−141361A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−333724(P2005−333724)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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