説明

光ディスク装置

【課題】偏心量の大きな光ディスクであっても安定にトラッキング引き込みを行うことができる光ディスク装置を提供すること。
【解決手段】トラッククロス周波数測定回路16は、トラッキングエラー信号から光ピックアップ2がトラックを横切る頻度を示すトラッククロス周波数を測定する。マイコン14は、測定されたトラッククロス周波数に対しその測定タイミングの遅延分を補償した上でトラッククロス周波数が所定範囲内に到達するタイミングを予測し、予測したタイミングでトラッキング制御回路12に対してトラッキング引き込み動作を開始させる。例えば、測定されたトラッククロス周波数の値がピークとなる2つの位置P1,P2の中間位置Q1を予測したタイミングとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに情報を記録再生する光ディスク装置に係り、特に、光ディスクの偏心が大きく、また高倍速記録再生の場合でも安定にトラッキングサーボ引き込みを行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置では、光ディスク面に設けられたトラック溝にレーザ光を照射し、その反射光からトラッキングエラー信号(TE信号)を検出してトラッキングサーボ制御を行っている。その際、ピックアップを一旦ディスク上の所望の記録/再生位置近傍に移動(シーク動作)させた後トラッキングサーボ制御を開始するが、偏心量が大きいディスクでは、サーボ制御開始前においてピックアップが複数のトラックを横切って往復運動することになる。よって、トラッキングサーボ制御状態に安定に移行させるためには、トラック横切りの少なくなるタイミングにおいてトラッキング引き込みを行う必要がある。
【0003】
これに関連する技術として、特許文献1には、ディスクのトラック方向の移動速度とピックアップの移動速度との相対速度を検出し、その相対速度に応じてアクチュエータの駆動電圧を制御する技術が開示されている。具体的には、ピックアップがトラックを横切ることにより発生するゼロクロス信号時間間隔が所定値に達したら、その時間間隔の終点となるゼロクロス点付近で引き込みを行うことが述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−196849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
初めに、偏心の大きいディスクにおいて発生するトラッキング引き込み失敗のメカニズムについて、図6と図7を用いて説明する。
【0006】
図6は、従来のトラッキング引き込み動作を説明する図である。ディスクから得られたトラッキングエラー信号(TE信号)をもとに、エラーがゼロとなる点(トラック中心を横切る点、ゼロクロス点)を基準に2値化したトラックゼロクロス信号(TZC信号)を生成する。TZC信号の周波数は、ピックアップがトラックを横切る頻度を示すもので、トラッククロス周波数Fcrossと呼ぶ。あるいは、トラッククロス周波数Fcrossの逆数をトラッククロス周期Tと呼ぶ。ここに、T=1/(2・Fcross)である。偏心したディスクを回転させると周波数Fcrossあるいは周期Tが回転に同期して変化し、ディスク1回転当たり、Fcrossの最大点(あるいはTの最小点)が2回、Fcrossの最小点(あるいはTの最大点)が2回現れる。図では、周期Tの最大点をT2とし、その前後の周期をT1,T3で示す。
【0007】
トラッキング引き込み動作を安定に行うには、トラッククロス周波数Fcrossがトラッキングサーボ回路の帯域Fon以下となる期間に行わなければならない。言い換えれば、トラッククロス周期Tはトラッキングサーボ回路が追従するのに要する時間Ton=1/(2・Fon)以上でなければならない。ここで、Fonを引き込み可能周波数、Tonを引き込み可能周期と呼ぶ。しかしながら、Fcrossの値(Tの値)は、ディスク偏心量に比例(逆比例)するので、偏心の大きなディスクではFcrossがFon以下となる期間(TがTon以上となる期間)が狭くなり、引き込み動作が不安定になる。これは、偏心量が同じディスクであっても、ディスク回転数が高くなった場合には同様のことが言える。
【0008】
図6の例で具体的に説明する。本例でのトラッキングサーボ回路の引き込み可能周波数Fon=5kHzとすれば、引き込み可能周期Ton=100μsecとなる。この例では、T>Tonとなる条件を満足するのはT2の期間のみである。その結果、T=T1の期間ではT1<Tonであるので引き込み動作は禁止される。T=T2の期間ではT2>Tonであるので引き込み可能と判定し、T2の期間の終点にて引き込み動作を開始する。ところが次のT=T3の期間ではT3<Tonであり、トラッキング引き込み条件を満足していないので引き込みに失敗する。
【0009】
図7は、引き込み失敗のメカニズムについてトラッククロス周波数Fcrossを用いて説明した図である。この図ではトラッククロス周波数Fcrossの時間変化を示すが、レーザスポットに対しトラックが外周方向に移動する場合を極性(+)、内周方向に移動する場合を極性(−)で区別している。引き込み可能な条件はFcrossが引き込み可能周波数Fon以下となること、すなわちFcrossの値が+Fonと−Fonに挟まれた領域Aに到達したら引き込みを開始すればよい。
【0010】
ここでFcrossの測定について説明する。Fcrossは、TZC信号のゼロクロス位置(立ち上がり及び立下りエッジ)の間隔(エッジ間隔)から測定されるものであるから、各ゼロクロス位置にて測定値を持つ離散的なデータとなる。またFcrossの測定は、測定対象であるゼロクロス区間が終了した時点で行われるものであるから、Fcrossの測定タイミングは、ゼロクロス区間の始端位置から遅延することになる。その結果、測定されるFcrossのデータは本来のFcrossの変化からずれたものとなり、以下、測定されたFcrossを「TZC周波数」として区別する。
【0011】
図7には、FcrossとTZC周波数とを示している。Fcrossは連続で滑らかな変化を示すが、TZC周波数は階段状波形となりFcrossから所定期間だけ遅延している。TZC周波数において黒丸印は測定点であり、次の側定点までその値が保持されている。Fcrossに対するTZC周波数の遅延は測定タイミングの遅れにより生じるものであるから、遅延量は各測定位置におけるゼロクロス間隔の大きさで決まる。つまり、Fcrossが±方向に大きい場合には、ゼロクロス間隔が小さいから遅延時間は小さいが、Fcrossがゼロ(0)に近づくに従いゼロクロス間隔が大きくなり遅延時間も増加する。
【0012】
このときの引き込み動作を説明する。FcrossがA’点に至ると引き込み可能範囲Aに到達するが、測定されるTZC周波数はまだFon以上を示し、引き込み動作は禁止される。次に、TZC周波数がB点に至るとTZC周波数<Fonとなったことを検出し、引き込み動作を開始する。ところが、B点ではFcrossがすでに引き込み可能範囲Aの外に移行しているため、引き込み動作に失敗することになる。
【0013】
このように、偏心の大きなディスクでは引き込み可能条件を満足する期間が極端に狭くなってしまい(例えば、1個のゼロクロス区間のみとなる)、従来の引き込みタイミング設定では安定した引き込み動作が困難となる。前記特許文献1の場合でも、引き込みを行った次の期間のゼロクロス信号時間間隔が引き込み可能条件を満足しない場合には、同様に引き込みに失敗することが予想される。
【0014】
本発明の目的は、偏心量の大きな光ディスクであっても安定にトラッキング引き込みを行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の光ディスク装置は、回転する光ディスクに光ビームを照射して情報信号を記録再生する光ピックアップと、光ディスクからの反射光を受光してトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号検出回路と、トラッキングエラー信号に基づき光ピックアップのトラッキングを制御するトラッキング制御回路と、トラッキングエラー信号から光ピックアップがトラックを横切る頻度を示すトラッククロス周波数を測定するトラッククロス周波数測定回路と、トラッククロス周波数に応じてトラッキング制御回路を制御するマイコンとを備え、マイコンは、トラッククロス周波数測定回路にて測定されたトラッククロス周波数について、トラッククロス周波数の測定タイミングの遅延分を補償した上でトラッククロス周波数が所定範囲内に到達するタイミングを予測し、予測したタイミングでトラッキング制御回路に対してトラッキング引き込み動作を開始させる。
【0016】
ここに上記マイコンは、トラッククロス周波数が所定範囲内に到達するタイミングを予測する際、トラッククロス周波数測定回路にて測定されたトラッククロス周波数のデータをメモリに格納し、メモリに格納したデータを参照して、トラッククロス周波数の値がピークとなる2つの位置の中間位置を算出して予測タイミングとする。
【0017】
あるいは上記マイコンは、トラッククロス周波数が前記所定範囲内に到達するタイミングを予測する際、トラッククロス周波数測定回路にて測定されたトラッククロス周波数のデータをメモリに格納し、各データの測定位置を先行する隣接データの測定位置に置き換える補正を行い、補正後のトラッククロス周波数のデータを用いてタイミングを予測する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、偏心量の大きな光ディスクであってもトラッキング引き込みの失敗をなくし、アクセス時間を短縮する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による光ディスク装置の一実施例を示すブロック図。
【図2】引き込み動作の開始位置をTZC周波数のピーク点の中間位置から予測する方法を説明する図。
【図3】図2において、ディスクを複数の領域に分割し各分割領域を単位に予測する場合を示す図。
【図4】引き込み動作の開始位置をTZC周波数の測定値を補正して予測する方法を説明する図。
【図5】図4の予測方法で用いるTZC周波数の補正方法の例を示す図。
【図6】従来のトラッキング引き込み動作を説明する図。
【図7】引き込み失敗のメカニズムについてトラッククロス周波数を用いて説明した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明による光ディスク装置の一実施例を示すブロック図である。本実施例の装置は、DVD、BD(Blu−ray)等の光ディスク1をディスクモータ3にて回転し、半導体レーザで発生したレーザ光を光ピックアップ2から光ディスク1の記録面に照射し、情報(データ)を記録し、また戻り光から情報(データ)を再生する。スライドモータ5は光ピックアップ2をディスクの半径方向に移動させる。ディスクモータ4の回転とスライドモータ5の移動動作は、それぞれディスクモータ駆動回路4とスライドモータ駆動回路6にて駆動する。レーザ駆動回路7は光ピックアップ2内の半導体レーザの発光を制御し、記録信号生成回路8は記録データを変調してレーザ駆動回路7に供給する。RF信号増幅回路9は光ピックアップ2からの再生信号を増幅し、データ復調回路10はこれをデータ信号に復調する。
【0021】
トラッキングエラー信号検出回路11は、光ピックアップ2の再生信号からトラッキングエラー信号(TE信号)を生成する。トラッキング制御回路12は、TE信号をもとに、トラッキング駆動回路13を介して光ピックアップ2のアクチュエータを駆動し、トラッキングサーボ制御を行う。トラッキング制御回路12には、トラッククロス周波数測定回路(Fcross測定回路)16を有し、取得したTE信号を2値化してトラックゼロクロス信号(TZC信号)を生成するとともに、そのゼロクロス間隔からトラッククロス周波数(Fcross)を測定する。なお、図示していないが、再生信号からフォーカスエラー信号を生成し、これを基に光ピックアップ2のアクチュエータを駆動してフォーカスサーボ制御を行う。
【0022】
マイコン/DSP14は、装置全体の制御を司るとともにトラッキング制御回路12を制御する。すなわち、Fcross測定回路16にて測定したFcross周波数のデータをフラッシュメモリ15に一旦格納しておく。そして、格納した測定データを参照してトラッキングサーボ引き込み動作のタイミングを最適に決定し、安定に引き込み動作を行う。
【0023】
次に、本実施例におけるトラッキングサーボ引き込み方法について説明する。図7で説明したように、従来の引き込み失敗の原因は、Fcross測定回路16にて測定されるFcross周波数(これを、TZC周波数として区別する)が、本来のFcross周波数から遅延していることにある。この遅延はFcross周波数の測定原理に基づくものであり、回避できない。そこで本実施例では、測定したTZC周波数の値について測定タイミングの遅延を補償した上で、引き込みタイミングを決定するようにした。
【0024】
具体的には、ディスク装着後のセットアップ工程の中で、対象ディスクからTZC周波数を測定し、測定したデータ(ディスク1回転分)を一旦メモリ15に格納しておく。そして記録/再生工程のシーク動作時に、メモリ15に格納しているTZC周波数のデータを参照して、本来のFcross周波数が引き込み可能周波数Fon以下となるタイミング(あるいはゼロ(0)となるタイミング)を予測し、予測したタイミングで引き込み動作を開始するものである。以下、2つの予測法について説明する。
【0025】
<予測法1>TZC周波数のピーク点の中間位置から予測。
図2は、引き込み動作の開始位置をTZC周波数のピーク点の中間位置から予測する方法を説明する図である。ここでは、メモリ15に格納されているTZC周波数の測定値を時間軸上に表記している。TZC周波数の値が(+)または(−)のピークとなる点P1,P2,P3の位置を求め、隣接するピーク点の中間点Qを算出する。この場合、P1とP2の中間位置Q1、P2とP3の中間位置Q2が算出される。そしてこの中間位置Q1またはQ2を予測タイミングとして引き込みを開始する。この方法では、TZC周波数のピーク点のデータを用いているが、ピーク近傍のTZC周波数はFcrossからの遅延が小さいので、TZC周波数≒Fcross周波数とみなせる。また、ディスクの偏心量は回転角に関しほぼsin波状に変化するので、TZC周波数のピーク点の中間位置ではFcrossがほぼゼロ(0)となることが期待できる。よって、直接Fcrossの値を用いなくても、最適な引き込みタイミングを決定することができる。
【0026】
図3は、図2の予測方法を実現する具体例であり、ディスクを回転方向に複数の領域に分割し、分割した領域を単位に予測する場合である。ここではディスクを16個の領域に分割し、各分割領域にFG_index(i=0,1,2,・・・,15)を付与している。各分割領域内で測定されたTZC周波数の値をメモリ15に記憶しておく。その際、1つの領域内に複数の測定値が存在する場合には、その中の最大値または平均値をその領域の代表値とする。図3では、各領域でのTZC周波数の値(代表値)を中心からの距離として表記している。
【0027】
TZC周波数の値がピークを示す領域は2箇所存在し、この例では、i=3とi=10の領域である。よって、それらの中間位置となるi=7またはi=15の領域においてFcrossがゼロになると予測する。これらの予測した領域(i=7またはi=15)にて引き込み動作を開始する。領域分割法によればメモリ15に格納するデータ数を低減することができる。
【0028】
<予測法2>TZC周波数の測定値を補正して予測。
図4は、引き込み動作の開始位置をTZC周波数の測定値を補正して予測する方法を説明する図である。この方法は、メモリ15に格納されているTZC周波数の測定値に対し、測定タイミングの遅れ分を補償するように補正をかける。すなわち、TZC周波数の測定はゼロクロス区間の終端位置にて行われたものであるから、その測定がその区間の始端位置にて行われたごとく補正する。そして、補正後のTZC周波数の値を用いてTZC周波数<Fonとなるタイミングを予測し引き込み動作を開始させる。
【0029】
図4では、各測定位置におけるTZC周波数の測定値と補正値を示している。この場合の補正は、TZC周波数の測定値(黒丸印)をゼロクロス1区間だけ先行する位置にシフトさせてTZC周波数の補正値(白丸印)とする。例えば、B点の測定値はC点の補正値となる。その結果、TZC周波数の補正値はほぼFcrossの曲線と一致させることができる。補正後のTZC周波数を用いた場合、C点にてTZC周波数<FonとなることからC点を引き込み動作開始タイミングとする。この場合C点では、Fcross<Fonの条件も同時に満足しているので、引き込み動作は安定に実行される。
【0030】
図5は、図4の予測方法で用いるTZC周波数の補正方法の例を示す図である。メモリ15には各測定位置(ゼロクロス位置)でのTZC周波数の値が格納されており、測定位置n=1,2,3・・・におけるTZC周波数の測定値をF1,F2,F3・・・とする。TZC周波数の補正では、各測定位置でのTZC周波数の測定値を、先行する隣接測定位置でのTZC周波数の補正値として置き換える。その結果、測定位置n=1,2,3での補正値は、F2,F3,F4となる。このような補正処理は、シフトレジスタにより容易に実現できる。補正後のTZC周波数の値をメモリ15に格納しておけば、シーク動作に迅速に移行することができる。
【0031】
以上の実施例では、TZC信号から得られるFcross周波数が+極性と−極性を有する場合、すなわちピックアップがトラックを横切る方向が外周方向か内周方向かを区別できる場合を想定した。しかし、情報を記録していない未記録ディスクのような場合には、横切る方向を区別できず、Fcross周波数の極性は片側だけとなる。そのようなディスクに対しても、上記した予測法1、2を適用することができる。
【0032】
このように本実施例によれば、TZC周波数の測定タイミングの遅延を補償した上で引き込み動作のタイミングを決定するようにしたので、偏心量の大きな光ディスクであってもトラッキング引き込みの失敗がなくなり、アクセス時間を短縮する効果がある。
【符号の説明】
【0033】
1…光ディスク、
2…光ピックアップ、
3…ディスクモータ、
4…ディスクモータ駆動回路、
5…スライドモータ、
6…スライドモータ駆動回路、
7…レーザ駆動回路、
8…記録信号生成回路、
9…RF信号増幅回路、
10…データ復調回路、
11…トラッキングエラー信号検出回路、
12…トラッキング制御回路、
13…トラッキング駆動回路、
14…マイコン/DSP、
15…フラッシュメモリ、
16…トラッククロス周波数測定回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクへ情報を記録再生する光ディスク装置において、
回転する上記光ディスクに光ビームを照射して情報信号を記録再生する光ピックアップと、
上記光ディスクからの反射光を受光してトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号検出回路と、
上記トラッキングエラー信号に基づき上記光ピックアップのトラッキングを制御するトラッキング制御回路と、
上記トラッキングエラー信号から上記光ピックアップがトラックを横切る頻度を示すトラッククロス周波数を測定するトラッククロス周波数測定回路と、
上記トラッククロス周波数に応じて上記トラッキング制御回路を制御するマイコンとを備え、
該マイコンは、上記トラッククロス周波数測定回路にて測定されたトラッククロス周波数について、該トラッククロス周波数の測定タイミングの遅延分を補償した上で該トラッククロス周波数が所定範囲内に到達するタイミングを予測し、該予測したタイミングで上記トラッキング制御回路に対してトラッキング引き込み動作を開始させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ディスク装置において、
前記マイコンは、前記トラッククロス周波数が前記所定範囲内に到達するタイミングを予測する際、前記トラッククロス周波数測定回路にて測定されたトラッククロス周波数のデータをメモリに格納し、該メモリに格納したデータを参照して、トラッククロス周波数の値がピークとなる2つの位置の中間位置を算出して前記予測タイミングとすることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
請求項2記載の光ディスク装置において、
前記マイコンは前記光ディスクを回転方向に複数の領域に分割し、前記メモリには分割した各領域における前記トラッククロス周波数の代表値を格納し、該代表値がピークとなる2つの領域の中間に位置する領域を算出することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項4】
請求項1記載の光ディスク装置において、
前記マイコンは、前記トラッククロス周波数が前記所定範囲内に到達するタイミングを予測する際、前記トラッククロス周波数測定回路にて測定されたトラッククロス周波数のデータをメモリに格納し、各データの測定位置を先行する隣接データの測定位置に置き換える補正を行い、該補正後のトラッククロス周波数のデータを用いてタイミングを予測することを特徴とする光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−233196(P2011−233196A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102012(P2010−102012)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】