光ディスク装置
【課題】ディフェクト通過後の制御誤差を安定かつ短時間で低減し、信頼性の高いアクチュエータ制御を実現する。
【解決手段】第1のディジタルフィルタを含むフォーカス制御手段と、第2のディジタルフィルタを含むトラッキング制御手段と、フォーカスアクチュエータ駆動手段と、トラッキングアクチュエータ駆動手段と、光ディスク上のディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、前記フォーカス制御手段、前記トラッキング制御手段及び前記ディフェクト検出手段を制御するシステムコントローラとを有し、前記システムコントローラは前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、前記フォーカス制御手段または前記トラッキング制御手段の少なくともいずれか一方の入力と出力をホールドし、当該ホールド解除時にホールドした制御手段が有する前記ディジタルフィルタの遅延メモリに初期値を設定することを特徴とする光ディスク装置。
【解決手段】第1のディジタルフィルタを含むフォーカス制御手段と、第2のディジタルフィルタを含むトラッキング制御手段と、フォーカスアクチュエータ駆動手段と、トラッキングアクチュエータ駆動手段と、光ディスク上のディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、前記フォーカス制御手段、前記トラッキング制御手段及び前記ディフェクト検出手段を制御するシステムコントローラとを有し、前記システムコントローラは前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、前記フォーカス制御手段または前記トラッキング制御手段の少なくともいずれか一方の入力と出力をホールドし、当該ホールド解除時にホールドした制御手段が有する前記ディジタルフィルタの遅延メモリに初期値を設定することを特徴とする光ディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクにレーザ光を照射して情報の記録或いは再生を行う光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置におけるディフェクト検出に関する制御として、例えば特許文献1には、「ディフェクト検出回路により傷が検出された時には前記ディフェクト時間予測手段の予測に従い次に検出される傷の直前で前記サーボ回路をホールドするとともに、前記ディフェクト検出回路で傷が検出されている間は前記サーボ回路をホールドするホールド手段と、を備える」と記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−42354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光スポットがディスクの傷や埃といったディフェクト部分を通過する場合、トラッキング誤差信号あるいはフォーカス誤差信号などのサーボ誤差信号は光スポットとディスクの記録面あるいはトラックとの相対位置を適切に示さないことがあるため、このような誤差信号でフィードバック制御を行うと誤差が増大してしまう。上記特許文献1のようにディフェクト部分の通過中にサーボ回路をホールドすることで、ディフェクト部通過中に生じる光スポット位置の誤差を低減することができる。
【0005】
しかし、駆動回路に含まれるオフセットやディスクの歪のため光スポットの誤差は少なからず生じる場合がある。光ディスク装置のディフェクトに対する制御性能を向上させるためには、ディフェクト通過中の誤差を低減する方法のみならず、ディフェクト通過中に生じた誤差をディフェクト部分通過後に、より短時間で低減することが必要である。
【0006】
本発明はディフェクト通過後のトラッキング誤差あるいはフォーカス誤差などの制御誤差を安定かつ短時間で低減することで、信頼性の高いアクチュエータ制御を行うことが可能な光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を改善するために、本発明では一例として特許請求の範囲に記載の構成を用いる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光ディスク装置において、ディフェクトの影響を低減した信頼性の高いアクチュエータ制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施例1の光ディスク装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の速度検出手段の動作説明図
【図3】ホールド手段の構成を示す説明図
【図4】本実施例における位相補償用HPFの構成概略を示す説明図
【図5】本実施例の効果の一例を示す説明図
【図6】本実施例2の光ディスク装置の構成を示すブロック図
【図7】ディスク上のトラックとディフェクトの関係を示す説明図
【図8】ディフェクト通過時の制御誤差信号波形を示す説明図
【図9】本実施例3の光ディスク装置の構成を示すブロック図
【図10】本実施例3におけるシステムコントローラ動作フローを示す説明図
【図11】本実施例1の初期値入力動作の閾値と記録停止の閾値との関係を示す説明図
【図12】本実施例1の記録中と再生中の制御目標が異なる場合の光スポット軌跡を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は実施例1の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。図1において、1はディスク、2は光ピックアップユニット、3はレーザダイオード、4は対物レンズ、5はフォーカスアクチュエータ、6はトラッキングアクチュエータ、7はピックアップ送りモータ、8はディテクタ、9はフォーカス誤差信号生成手段、10はホールド手段、11は低域補償用LPF(Low-Pass Filter)、12は位相補償用HPF(High-Pass Filter)、13は加算器、14はホールド手段、15はフォーカスアクチュエータ駆動手段、16はトラッキング誤差信号生成手段、17はホールド手段、18は低域補償用LPF、19は位相補償用HPF、20は加算器、21はホールド手段、22はトラッキングアクチュエータ駆動手段、23は送りモータ制御手段、24は送りモータ駆動手段、25はディフェクト検出手段、26は位置/速度検出手段、27はシステムコントローラ、30はディスクを回転させるスピンドルモータ、31はスピンドルモータの回転速度に応じた信号を発生する周波数発生手段、32はスピンドルモータを所定速度で回転するように制御するモータ制御手段である。
【0012】
次に各ブロックの動作概要とブロック間の関係について説明する。図1において、レーザダイオード3はレーザ光を出力し、出力されたレーザ光は対物レンズ4を介してディスク1の記録再生層に集光する。記録再生層からの反射光は対物レンズ4を介してディテクタ8に受光される。フォーカスアクチュエータ5は対物レンズ4をディスク回転軸方向に移動し、トラッキングアクチュエータ6は対物レンズ4をディスク半径方向に移動する。また、送りモータ7は光ピックアップユニット2をディスク半径方向に移動する。ディテクタ8は反射光を電気信号に変換し、変換した信号をフォーカス誤差信号生成手段9とトラッキング誤差信号検出手段16に送る。
【0013】
フォーカス誤差信号生成手段9は送られた信号に基づいてフォーカス誤差信号を生成し、生成した信号をホールド手段10とディフェクト検出手段25と位置/速度検出手段26とシステムコントローラ27に送る。ホールド手段10はシステムコントローラの出力に基づいて、スルー出力かまたは入力信号の高域成分除去後のホールド信号のいずれかを低域補償用LPF11と位相補償用HPF12に送る。低域補償用LPF11と位相補償用HPF12はそれぞれ入力信号を変換し、変換した信号を加算器13に送る。加算器13は低域補償用LPF11と位相補償用HPF12から送られた信号を加算して、加算した信号をホールド手段14に送る。ホールド手段14はシステムコントローラの出力に基づいて、スルー出力かまたは入力信号の高域成分除去後のホールド信号のいずれかをフォーカスアクチュエータ駆動手段15に送る。フォーカスアクチュエータ駆動手段15は送られた信号に基づいてフォーカスアクチュエータ5を駆動する。
【0014】
トラッキング誤差信号生成手段16は送られた信号に基づいてトラッキング誤差信号を生成し、生成した信号をホールド手段17とディフェクト検出手段25と位置/速度検出手段26とシステムコントローラ27に送る。ホールド手段17はシステムコントローラの出力に基づいて、スルー出力かまたは入力信号の高域成分除去後のホールド信号のいずれかを低域補償用LPF18と位相補償用HPF19に送る。低域補償用LPF18と位相補償用HPF19はそれぞれ入力信号を変換し、変換した信号を加算器20に送る。加算器20は低域補償用LPF18と位相補償用HPF19から送られた信号を加算して、加算した信号をホールド手段21に送る。ホールド手段21はシステムコントローラの出力に基づいて、スルー出力かまたは入力信号の高域成分除去後のホールド信号のいずれかをトラッキングアクチュエータ駆動手段22と送りモータ制御手段23とに送る。トラッキングアクチュエータ駆動手段22は送られた信号に基づいてトラッキングアクチュエータ6を駆動する。
【0015】
また、送りモータ制御手段23はホールド手段21の出力に基づいて光ピックアップの送り用信号を生成し、生成した信号を送りモータ駆動手段24に送る。送りモータ駆動手段24は送られた信号に基づいて送りモータ7を駆動する。
【0016】
ディフェクト検出手段25はディテクタ8とフォーカス誤差信号生成手段9とトラッキング誤差信号生成手段16とから送られる信号に基づいてディフェクト信号を生成し、生成した信号を位置/速度検出手段26に送る。位置/速度検出手段26はディフェクト検出手段25とフォーカス誤差信号生成手段9とトラッキング誤差信号生成手段16とから送られる信号に基づいて光スポットがディフェクトを通過した直後の光スポットの位置および速度を算出し、算出した値とディフェクト信号をシステムコントローラ27に送る。システムコントローラ27はディフェクト信号に基づいてホールド手段10、ホールド手段14、ホールド手段17、ホールド手段21へホールド動作の制御信号を送る。またディフェクト通過後に各ホールド手段のホールド動作を解除するとともに、位置/速度検出手段26から送られた位置および速度情報に基づいて位相補償用HPF18と位相補償用HPF19の初期値を算出し、設定する。同時に低域補償用LPF11と低域補償用LPF18の初期値としてゼロを設定する。ここで、位相補償用HPF12および位相補償用HPF19は図4のようなIIR(Infinite Impulse Response)型のディジタルフィルタであり、初期値の設定とは図中の遅延メモリ207、遅延メモリ208に算出した値を入力することを示す。
【0017】
スピンドルモータ30はディスク1を駆動する。周波数発生手段31はスピンドルモータ30の回転速度情報を電気信号に変換し、変換した信号をモータ制御手段32に送る。モータ制御手段32は送られた信号に基づいてディスク1が所定の回転速度で回転するようにスピンドルモータ30を制御する。
【0018】
次に主要ブロックの詳細動作について説明する。ディフェクト検出手段25はディテクタ8から得られる再生信号の振幅、反射光の総和である和信号の信号レベル、ディスク上のウォブルされたトラックから再生されるwobble信号の振幅、さらにはフォーカス誤差信号生成手段9から得られるフォーカス誤差信号の変化率、トラッキング誤差信号生成手段16から得られるトラッキング誤差信号の変化率を用いてディスクのディフェクトを検出する。ディフェクト検出にフォーカス誤差信号変化率およびトラッキング誤差信号変化率を用いない場合のディフェクト信号はフォーカス、トラッキング共通の信号となり、両変化率を用いる場合にはフォーカスディフェクト信号とトラッキングディフェクト信号は各々独立した信号となる。本実施例ではフォーカスディフェクト信号は再生信号振幅と和信号レベルとwobble信号振幅とフォーカス誤差変化率とから検出し、トラッキングディフェクト信号は再生信号振幅と和信号レベルとwobble信号振幅とトラッキング誤差変化率とから検出している。
【0019】
位置/速度検出手段26はディフェクト検出手段25からフォーカスディフェクト信号およびトラッキングディフェクト信号が送られた場合にはフォーカス誤差信号生成手段9とトラッキング誤差信号生成手段16とから送られるフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号とに基づいて、ディフェクト信号の立ち上がり時のフォーカス誤差信号レベルFEsとトラッキング誤差信号レベルTEsを検出しディフェクト信号の立ち下がり時のフォーカス誤差信号レベルFEeとトラッキング誤差信号レベルTEeを検出し、さらにディフェクト期間Tdfctを計測する。図2にトラッキングの位置速度検出の一例を示す。ディフェクト検出手段25は和信号のレベルが閾値以下になったときにディフェクト信号をHiに設定し、閾値レベル以上に戻ったらディフェクト信号をLoにする。位置/速度検出手段26はディフェクト突入時の光スポットとトラックとの相対位置に対応するディフェクト信号の立ち上がり時のトラッキング誤差信号レベルTEs、ディフェクト通過後の光スポットとトラックとの相対位置に対応するディフェクト信号の立ち下がり時のトラッキング誤差信号レベルTEe、ディフェクト期間Tdfctとを計測し、ディフェクト通過後の光スポットとトラックとの相対速度Vtを
(数1)Vt = (TEe−TEs)/Tdfct
として算出する。同様にディフェクト突入時の光スポット焦点と記録再生層との相対位置に対応するディフェクト信号の立ち上がり時のフォーカス誤差信号レベルFEs、ディフェクト通過後の光スポット焦点と記録再生層との相対位置に対応するディフェクト信号の立ち下がり時のフォーカス誤差信号レベルFEe、ディフェクト期間Fdfctとを計測し、ディフェクト通過後の光スポット焦点と記録再生層との相対速度Vfを
(数2)Vf = (FEe−FEs)/Fdfct
として算出する。このように検出した各信号値とディフェクト期間を用いてディフェクト通過後のフォーカス制御目標と実際の光スポットとの位置誤差および光スポットの速度、トラッキング制御目標と実際の光スポットとの位置誤差および光スポットの速度を算出する。ここでディフェクト期間中の光スポットは一定速度で動くものと仮定している。これはディフェクト期間中のフォーカス駆動信号およびトラッキング駆動信号はゼロあるいは微小値でホールドされていることによる。この仮定によらない方法として、ディフェクト終了から所定期間のフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号の変化を検出することで速度を得ることが考えられる。但し、ディフェクト終了後から検出時間の遅れが発生する。
【0020】
システムコントローラ27はディフェクト検出手段25から位置/速度検出手段26を経由して送られるディフェクト検出信号に基づいて、ディフェクト期間中にホールド手段10、ホールド手段14、ホールド手段17、ホールド手段21がホールド動作を行うように指示する。各ホールド手段は例えば図3に示すディジタル回路で構成される。図3においてホールド手段はスイッチング手段101と102、所定の係数を乗算する乗算手段103,105、加算手段106、遅延メモリ104から構成される。また図中のSig_aは各ホールド手段の入力信号、Sig_bはシステムコントローラ27から送られる制御信号を示す。ディフェクトが検出されていない期間中はスイッチング手段101と102は図のように紙面上側の信号を選択しており、各ホールド手段は入力信号をそのまま出力とすると同時に、下段では乗算手段103、105、加算手段106および遅延メモリ104からなるディジタルフィルタでLPFを実現しており入力信号の低域成分を抽出している。ディフェクト検出信号が検出されるとシステムコントローラ27からの制御信号Sig_bによりスイッチング手段101と102は紙面下側の信号を選択する。これにより、入力信号LPF演算結果がホールドされる。このLPFはディスク回転数の低次成分を抽出するように設計されているため、ホールド手段14、ホールド手段21の出力がホールドされてもディスク面ぶれや偏心の低次成分を維持できるようになっている。
【0021】
さらにシステムコントローラ27は位置/速度検出手段26から送られた光スポットの位置、速度情報に基づいて位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の初期値を算出する。初期値を算出する方法は例えば極零相殺型の設計法がある。これにより、初期値から制御対象出力までの伝達関数の極を相殺するように設計するので応答を安定かつ速やかに制御目標へ収束させることが出来る。初期値を算出した後、位相補償用HPF12および位相補償用HPF19への初期値の設定と各ホールド手段のホールド解除とを同時に実行する。ここで、位相補償用HPF12および位相補償用HPF19は図4のようなIIR(Infinite Impulse Response)型のディジタルフィルタであり、初期値の設定とは図中の遅延メモリ207、遅延メモリ208に算出した値を入力することを示す。またシステムコントローラ27は同時に低域補償用LPF11および低域補償用LPF18の初期値設定をゼロに設定する。
【0022】
最後に本実施例の効果について説明する。従来の方式によれば、システムコントローラ27はディフェクト期間中に各ホールド手段をホールドし、ディフェクト終了時にホールドを解除しフィードバック制御ループを閉じる。この場合、位相補償用HPFはまずホールド値とホールド解除時の入力信号レベルとの相対ギャップに応答するので、必ずしも制御目標値に近づくように働くとは言えない。またホールド値がゼロ近傍であった場合でもフィードバック制御ループを閉じたときの位相補償用HPFの初期値は安定な応答を実現できるとは限らない。図5に初期値入力を行った場合と行わない場合のディフェクト通過後の位相補償用HPF出力を模式的に示す。本実施例のように、位相補償用HPF12および位相補償用HPF19への初期値入力を実施した場合は制御ループを安定化しているため制御目標への収束が早い。すなわち、初期値から制御対象出力までの伝達関数の極を相殺するように設計するので応答を安定かつ速やかに制御目標へ収束させることが出来る。
【0023】
本実施例では、システムコントローラ27は位相補償用HPF12および位相補償用HPF19への初期値入力をディフェクト発生時に常に行っているが、本発明はこれに限ったものではない。つまり、ディフェクト通過後に検出した誤差信号レベルあるいは誤差信号レベルと速度に基づいて、所定範囲外の位置あるいは速度の場合にのみ初期値入力を実行しても良い。このとき、システムコントローラ27は図11のようにサーボ外れによる記録動作の停止を決定する記録停止誤差範囲を有し、前記所定範囲は記録停止誤差範囲より小さい値とすると良い。
【0024】
本実施例では、ディフェクト前後の誤差信号レベルから位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の初期値をリアルタイムで算出したが本発明はこれに限ったものではない。つまり、予め位置と速度に対応した初期値をシステムコントローラ27内の図示しないメモリに記憶しておき、検出した位置と速度に基づいて適切な値をメモリから取り出して使用しても良い。この場合初期値の演算時間を省くことができ、初期値をより早く設定できるので誤差信号の応答性能が向上する。
【0025】
また、本実施例ではディフェクトを検出する閾値を一つにしているが、本発明はこれに限ったものではない。つまり、位置を検出する上でディフェクト終了時の誤差信号レベルはディフェクト開始時の誤差信号レベルはより高精度である必要がある。したがって、ディフェクト終了時の閾値を開始時より高く設定することでディフェクトの影響を受けていない適切な誤差信号レベルを検出することが可能となる。
【0026】
更には、ディフェクト開始時の誤差信号のディフェクトの影響を低減する場合には、メモリを用いて常に所定期間内の誤差信号を記憶し、ディフェクト発生時にはメモリに記憶した誤差信号を所定期間遡って使用することで、ディフェクトの影響を受けずに高精度に位置、速度を検出できる。
【0027】
また、本実施例ではシステムコントローラ27は各ホールド手段のホールド状態を解除することで低域補償用LPFと位相補償用HPFとを同時に動作させているが、本発明はこれに限ったものではない。つまり、低域補償用LPFと位相補償用HPFとを並列に配し、ホールド手段を低域補償用LPFの入力段と位相補償用HPFの入力段とに独立に設け、低域補償用LPF入力段のホールド手段のホールドを解除するタイミングをディフェクト信号の立下りから十分遅らせることで、ディフェクトに影響しない誤差信号を用いて低域補償用LPFを動作させることができる。または、低域補償用LPFと位相補償用HPFとを並列に配し、ホールド解除後も低域補償用LPFの入出力をゼロに上書きすることでも同様の効果を得ることができる。
【0028】
また、本実施例ではディフェクト検出手段25は和信号の信号レベルやwobble信号の振幅やフォーカス誤差信号の変化率やトラッキング誤差信号の変化率を用いてディスクのディフェクトを検出したが、本発明はこれに限ったものではない。つまり、DVD―RAMディスクのようにエンボスで形成されたPID(Physical ID)を有するディスクにおいては、ディフェクト検出手段25はディテクタ8から送られる信号に基いてディスクのPID部分を検出し、ディフェクトと同様に扱うことでPID通過後に発生する制御追従誤差を低減できる。さらにPID通過前後で制御目標が変わる場合には位置/速度検出手段26で検出した位置情報に制御目標の変化分を加算することで、PID通過後の制御追従誤差低減することができる。
【0029】
また、図12のように記録中と再生中とで光スポットの制御目標が変化する場合、制御目標切り替え時に補償器の初期値を設定することで制御目標切り替え後の制御追従誤差を低減することができる。このとき光スポットの位置は制御目標切り替え直前の誤差信号と制御目標の変化量との和とし、光スポットの速度は制御目標切り替え直前の誤差信号の時間変化量として初期値を算出すれば良い。
【0030】
以上のように、ディフェクト前後の誤差信号とディフェクト期間からディフェクト通過後の光スポットの位置および速度を検出し、検出した値に基づいて補償器の初期値を設定することでディフェクト通過後に発生する制御誤差を安定かつ速やかに低減し、装置の信頼性を向上させることが出来る。
【実施例2】
【0031】
上記実施例では、ディフェクト通過後に補償器に設定する初期値を光スポットの位置および速度から算出したが、ディフェクトを通過したときに補償器の出力あるいは内部演算の出力を記憶しておき、記憶した値に基づいて初期値を算出しても同様の効果を得ることができる。
【0032】
図6を用いて本発明の光ディスク装置の構成について説明する。図6における1から27、30から32のブロックは実施例1と同様のため省略する。図6において、28はメモリ手段である。
【0033】
次に実施例1と異なるシステムコントローラ27とメモリ手段28の動作について説明する。システムコントローラ27にはディフェクト検出手段25からディフェクト検出信号が送られ、フォーカス誤差信号生成手段9からはフォーカス誤差信号が送られ、トラッキング誤差信号生成手段16からはトラッキング誤差信号が送られる。加えて、システムコントローラ27にはモータ制御手段32からディスクの回転位相情報が送られる。またシステムコントローラ27は位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の遅延メモリの値を検出することができる。
【0034】
ディフェクト検出手段25はディフェクトを検出するとディフェクト信号をシステムコントローラ27に送る。システムコントローラ27は実施例1と同様にディフェクト期間中にホールド手段10、ホールド手段14、ホールド手段17、ホールド手段21がホールド動作を行うように指示する。次にシステムコントローラ27はディフェクトが終了した時点でフォーカス誤差信号生成手段9から送られたフォーカス誤差信号と、トラッキング誤差信号生成手段16から送られたトラッキング誤差信号の信号レベルを検出するとともに、ディフェクト終了から所定期間内の位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の遅延メモリの値をメモリ28に記憶する。このとき記憶した値はモータ制御手段32から得られるディスクの回転位相情報と関連付けて記憶する。先に検出したフォーカス誤差信号あるいはトラッキング誤差信号が所定レベル以上の場合はメモリ28に記録した位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の遅延メモリの値に基づいて位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の初期値を算出し、算出した値の設定と各ホールド手段のホールド解除とを同時に実行する。またシステムコントローラ27は同時に低域補償用LPF11および低域補償用LPF18の初期値設定をゼロに設定する。
【0035】
本実施例の動作は図7のようにディフェクトが複数トラックに亘って存在し、このエリアにて連続的にデータの記録する場合あるいは連続的にデータを再生する場合に特に有効である。図7においてa、b、c、dは光スポットが通過するトラックを示しており、図8は各トラックのディフェクト部分を通過した場合の誤差信号を模式的に示した図である。図8のようにディフェクトによって発生する制御誤差は近隣トラックで類似しており、かつディフェクト端を通過してから徐々に大きくなっていくのが一般的である。この特徴を鑑みてディフェクト後の誤差信号レベルが所定レベル以上となる以前の位相補償用HPFの遅延メモリ値を用いて初期値を算出、設定することで実施例1記載の位置と速度からの初期値の演算を省くことができる。
メモリ28に記憶する遅延メモリの値をディスクの回転位相情報と関連付けているので1回転に複数個のディフェクトが存在する場合でも適切なメモリ情報を使用することが出来る。
【0036】
本実施例では初期値はディフェクト通過後の所定サンプル後の値にゲインを掛けた値を用いているが、ディフェクト通過後の極大値にゲインを掛けた値を用いても同様の効果が得られる。
【0037】
また、ディフェクト検出時にメモリ28に記憶した情報がない場合は誤差信号のレベルに対応して予め設定された暫定初期値を用いる。
【0038】
本実施例ではメモリ28に記憶する遅延メモリの値をディスク回転位相情報と関連付けたが本発明はこれに限るものではない。更にディスクのアドレス情報を関連付けることで前記暫定初期値を使用する機会を減らすことが出来る。
【実施例3】
【0039】
上記実施例では、過去に記憶した遅延メモリの値から補償器の初期値を算出し、また過去に記憶した値がない場合は暫定初期値を補償器に設定したが、過去に遅延メモリの値を記憶していない場合は以下に述べるようにディフェクト通過後の光スポットの位置および速度から、フォーカス位置補正パルスあるいはトラック位置補正パルスを算出し、出力することでも、ディフェクト通過で発生した制御誤差を速やかに低減することができる。
【0040】
図9を用いて本発明の光ディスク装置の構成について説明する。図9における1から32のブロックは実施例1、実施例2と同様のため省略する。図9において、33は加算器、34も加算器である。
【0041】
次に実施例1、実施例2と異なる主要ブロックの動作について説明する。システムコントローラ27には位置/速度検出手段26からディフェクト通過後の光スポットの位置および速度情報とディフェクト信号が送られ、フォーカス誤差信号生成手段9とトラッキング誤差信号生成手段16とからフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号がそれぞれ送られる。またシステムコントローラ27にはモータ制御手段32からディスクの回転位相情報が送られる。またシステムコントローラ27は位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の遅延メモリの値を検出することができる。
【0042】
次に実施例1、実施例2と動作が異なるシステムコントローラ27の詳細動作について説明する。システムコントローラ27は実施例2と同様にディフェクト期間中にホールド手段10、ホールド手段14、ホールド手段17、ホールド手段21がホールド動作を行うように指示する。次にシステムコントローラ27はディフェクトが終了した時点でフォーカス誤差信号生成手段9から送られたフォーカス誤差信号と、トラッキング誤差信号生成手段16から送られたトラッキング誤差信号の信号レベルを検出するとともに、ディフェクト終了から所定期間内の位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の遅延メモリの値をメモリ28に記憶する。このとき記憶した値はモータ制御手段32から得られるディスクの回転位相情報と関連付けて記憶する。以上までは実施例2と同様の動作である。
【0043】
ディフェクトが終了時に検出したフォーカス誤差信号あるいはトラッキング誤差信号のレベルに従って以下のように動作する。信号レベルが所定範囲内の場合は各ホールド手段のホールド解除と低域補償用LPF11および低域補償用LPF18のゼロ設定を行い、位相補償用HPF12および位相補償用HPF19への初期値設定は行わない。信号レベルが所定範囲外の場合は、メモリ28内に現在通過したディフェクトによって得られた位相補償用HPFの遅延メモリ値情報があれば、実施例2と同様にこれらの値を用いて位相補償用HPF12あるいは位相補償用HPF19の初期値を算出し、算出した値の設定を各ホールド手段のホールド解除と同時に実行する。低域補償用LPF11および低域補償用LPF18のゼロ設定も同時に行う。
【0044】
一方、メモリ28内に遅延メモリ値情報がない場合、システムコントローラ27は位置/速度検出手段26から送られたディフェクト通過後の光スポットの位置および速度情報に基づいて、位置補正パルスを生成しフォーカス用位置補正パルスを加算器33に、トラック用位置補正パルスを加算器34送る。ここで生成する位置補正パルスは光スポットの位置を制御目標に移動し、移動後の速度がゼロになるように波高値および印加時間を算出する。位置補正パルスの出力が終了した後、各ホールド手段のホールド解除と低域補償用LPF11および低域補償用LPF18のゼロ設定を同時に行う。
【0045】
図10に本実施例のシステムコントローラ27の動作シーケンスを示す。ディフェクト検出を待って(301)、ディフェクトを検出したらホールド手段をホールド設定(302)にして、ディフェクト終了を待ち(303)、ディフェクト終了を検出したら誤差信号レベルを検出し(304)、検出した信号を閾値と比較し(305)、閾値より小さい場合は所定の間遅延メモリの値を取得しメモリに保存し(306)、閾値より大きい場合は遅延メモリデータの有無を検出し(307)、データがない場合は位置補正パルスを出力し(308)、データがある場合は位相補償HPFに初期値を設定する(309)。
【0046】
本実施例では位置補正パルス終了後にフィードバックループを閉じているが本発明はこれに限ったものではない。つまり、位置補正パルス出力と同時に各ホールド手段のホールドを解除することで、位置補正パルスをフィードバック制御信号と加算して出力しても良い。また、ホールド手段14およびホールド手段21を低域補償用LPFと位相補償用HPFの後段に独立に配し、位置補正パルス出力と同時に位相補償用HPF後段のホールド手段のホールドを解除し、位置補正パルス出力終了後に低域補償用LPF後段のホールド手段のホールドを解除しても良い。
【0047】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1・・・ディスク、2・・・光ピックアップユニット、3・・・レーザダイオード、4・・・対物レンズ、5・・・フォーカスアクチュエータ、6・・・トラッキングアクチュエータ、7・・・ピックアップ送りモータ、8・・・ディテクタ、9・・・フォーカス誤差信号生成手段、10・・・ホールド手段、11・・・低域補償用LPF、12・・・位相補償用HPF、13・・・加算器、14・・・ホールド手段、15・・・フォーカスアクチュエータ駆動手段、16・・・トラッキング誤差信号生成手段、17・・・ホールド手段、18・・・低域補償用LPF、19・・・位相補償用HPF、20・・・加算器、21・・・ホールド手段、22・・・トラッキングアクチュエータ駆動手段、23・・・送りモータ制御手段、24・・・送りモータ駆動手段、25・・・ディフェクト検出手段、26・・・位置/速度検出手段、27・・・システムコントローラ、30・・・スピンドルモータ、31・・・スピンドルモータの周波数発生手段、32・・・モータ制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクにレーザ光を照射して情報の記録或いは再生を行う光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置におけるディフェクト検出に関する制御として、例えば特許文献1には、「ディフェクト検出回路により傷が検出された時には前記ディフェクト時間予測手段の予測に従い次に検出される傷の直前で前記サーボ回路をホールドするとともに、前記ディフェクト検出回路で傷が検出されている間は前記サーボ回路をホールドするホールド手段と、を備える」と記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−42354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光スポットがディスクの傷や埃といったディフェクト部分を通過する場合、トラッキング誤差信号あるいはフォーカス誤差信号などのサーボ誤差信号は光スポットとディスクの記録面あるいはトラックとの相対位置を適切に示さないことがあるため、このような誤差信号でフィードバック制御を行うと誤差が増大してしまう。上記特許文献1のようにディフェクト部分の通過中にサーボ回路をホールドすることで、ディフェクト部通過中に生じる光スポット位置の誤差を低減することができる。
【0005】
しかし、駆動回路に含まれるオフセットやディスクの歪のため光スポットの誤差は少なからず生じる場合がある。光ディスク装置のディフェクトに対する制御性能を向上させるためには、ディフェクト通過中の誤差を低減する方法のみならず、ディフェクト通過中に生じた誤差をディフェクト部分通過後に、より短時間で低減することが必要である。
【0006】
本発明はディフェクト通過後のトラッキング誤差あるいはフォーカス誤差などの制御誤差を安定かつ短時間で低減することで、信頼性の高いアクチュエータ制御を行うことが可能な光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を改善するために、本発明では一例として特許請求の範囲に記載の構成を用いる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光ディスク装置において、ディフェクトの影響を低減した信頼性の高いアクチュエータ制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施例1の光ディスク装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の速度検出手段の動作説明図
【図3】ホールド手段の構成を示す説明図
【図4】本実施例における位相補償用HPFの構成概略を示す説明図
【図5】本実施例の効果の一例を示す説明図
【図6】本実施例2の光ディスク装置の構成を示すブロック図
【図7】ディスク上のトラックとディフェクトの関係を示す説明図
【図8】ディフェクト通過時の制御誤差信号波形を示す説明図
【図9】本実施例3の光ディスク装置の構成を示すブロック図
【図10】本実施例3におけるシステムコントローラ動作フローを示す説明図
【図11】本実施例1の初期値入力動作の閾値と記録停止の閾値との関係を示す説明図
【図12】本実施例1の記録中と再生中の制御目標が異なる場合の光スポット軌跡を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は実施例1の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。図1において、1はディスク、2は光ピックアップユニット、3はレーザダイオード、4は対物レンズ、5はフォーカスアクチュエータ、6はトラッキングアクチュエータ、7はピックアップ送りモータ、8はディテクタ、9はフォーカス誤差信号生成手段、10はホールド手段、11は低域補償用LPF(Low-Pass Filter)、12は位相補償用HPF(High-Pass Filter)、13は加算器、14はホールド手段、15はフォーカスアクチュエータ駆動手段、16はトラッキング誤差信号生成手段、17はホールド手段、18は低域補償用LPF、19は位相補償用HPF、20は加算器、21はホールド手段、22はトラッキングアクチュエータ駆動手段、23は送りモータ制御手段、24は送りモータ駆動手段、25はディフェクト検出手段、26は位置/速度検出手段、27はシステムコントローラ、30はディスクを回転させるスピンドルモータ、31はスピンドルモータの回転速度に応じた信号を発生する周波数発生手段、32はスピンドルモータを所定速度で回転するように制御するモータ制御手段である。
【0012】
次に各ブロックの動作概要とブロック間の関係について説明する。図1において、レーザダイオード3はレーザ光を出力し、出力されたレーザ光は対物レンズ4を介してディスク1の記録再生層に集光する。記録再生層からの反射光は対物レンズ4を介してディテクタ8に受光される。フォーカスアクチュエータ5は対物レンズ4をディスク回転軸方向に移動し、トラッキングアクチュエータ6は対物レンズ4をディスク半径方向に移動する。また、送りモータ7は光ピックアップユニット2をディスク半径方向に移動する。ディテクタ8は反射光を電気信号に変換し、変換した信号をフォーカス誤差信号生成手段9とトラッキング誤差信号検出手段16に送る。
【0013】
フォーカス誤差信号生成手段9は送られた信号に基づいてフォーカス誤差信号を生成し、生成した信号をホールド手段10とディフェクト検出手段25と位置/速度検出手段26とシステムコントローラ27に送る。ホールド手段10はシステムコントローラの出力に基づいて、スルー出力かまたは入力信号の高域成分除去後のホールド信号のいずれかを低域補償用LPF11と位相補償用HPF12に送る。低域補償用LPF11と位相補償用HPF12はそれぞれ入力信号を変換し、変換した信号を加算器13に送る。加算器13は低域補償用LPF11と位相補償用HPF12から送られた信号を加算して、加算した信号をホールド手段14に送る。ホールド手段14はシステムコントローラの出力に基づいて、スルー出力かまたは入力信号の高域成分除去後のホールド信号のいずれかをフォーカスアクチュエータ駆動手段15に送る。フォーカスアクチュエータ駆動手段15は送られた信号に基づいてフォーカスアクチュエータ5を駆動する。
【0014】
トラッキング誤差信号生成手段16は送られた信号に基づいてトラッキング誤差信号を生成し、生成した信号をホールド手段17とディフェクト検出手段25と位置/速度検出手段26とシステムコントローラ27に送る。ホールド手段17はシステムコントローラの出力に基づいて、スルー出力かまたは入力信号の高域成分除去後のホールド信号のいずれかを低域補償用LPF18と位相補償用HPF19に送る。低域補償用LPF18と位相補償用HPF19はそれぞれ入力信号を変換し、変換した信号を加算器20に送る。加算器20は低域補償用LPF18と位相補償用HPF19から送られた信号を加算して、加算した信号をホールド手段21に送る。ホールド手段21はシステムコントローラの出力に基づいて、スルー出力かまたは入力信号の高域成分除去後のホールド信号のいずれかをトラッキングアクチュエータ駆動手段22と送りモータ制御手段23とに送る。トラッキングアクチュエータ駆動手段22は送られた信号に基づいてトラッキングアクチュエータ6を駆動する。
【0015】
また、送りモータ制御手段23はホールド手段21の出力に基づいて光ピックアップの送り用信号を生成し、生成した信号を送りモータ駆動手段24に送る。送りモータ駆動手段24は送られた信号に基づいて送りモータ7を駆動する。
【0016】
ディフェクト検出手段25はディテクタ8とフォーカス誤差信号生成手段9とトラッキング誤差信号生成手段16とから送られる信号に基づいてディフェクト信号を生成し、生成した信号を位置/速度検出手段26に送る。位置/速度検出手段26はディフェクト検出手段25とフォーカス誤差信号生成手段9とトラッキング誤差信号生成手段16とから送られる信号に基づいて光スポットがディフェクトを通過した直後の光スポットの位置および速度を算出し、算出した値とディフェクト信号をシステムコントローラ27に送る。システムコントローラ27はディフェクト信号に基づいてホールド手段10、ホールド手段14、ホールド手段17、ホールド手段21へホールド動作の制御信号を送る。またディフェクト通過後に各ホールド手段のホールド動作を解除するとともに、位置/速度検出手段26から送られた位置および速度情報に基づいて位相補償用HPF18と位相補償用HPF19の初期値を算出し、設定する。同時に低域補償用LPF11と低域補償用LPF18の初期値としてゼロを設定する。ここで、位相補償用HPF12および位相補償用HPF19は図4のようなIIR(Infinite Impulse Response)型のディジタルフィルタであり、初期値の設定とは図中の遅延メモリ207、遅延メモリ208に算出した値を入力することを示す。
【0017】
スピンドルモータ30はディスク1を駆動する。周波数発生手段31はスピンドルモータ30の回転速度情報を電気信号に変換し、変換した信号をモータ制御手段32に送る。モータ制御手段32は送られた信号に基づいてディスク1が所定の回転速度で回転するようにスピンドルモータ30を制御する。
【0018】
次に主要ブロックの詳細動作について説明する。ディフェクト検出手段25はディテクタ8から得られる再生信号の振幅、反射光の総和である和信号の信号レベル、ディスク上のウォブルされたトラックから再生されるwobble信号の振幅、さらにはフォーカス誤差信号生成手段9から得られるフォーカス誤差信号の変化率、トラッキング誤差信号生成手段16から得られるトラッキング誤差信号の変化率を用いてディスクのディフェクトを検出する。ディフェクト検出にフォーカス誤差信号変化率およびトラッキング誤差信号変化率を用いない場合のディフェクト信号はフォーカス、トラッキング共通の信号となり、両変化率を用いる場合にはフォーカスディフェクト信号とトラッキングディフェクト信号は各々独立した信号となる。本実施例ではフォーカスディフェクト信号は再生信号振幅と和信号レベルとwobble信号振幅とフォーカス誤差変化率とから検出し、トラッキングディフェクト信号は再生信号振幅と和信号レベルとwobble信号振幅とトラッキング誤差変化率とから検出している。
【0019】
位置/速度検出手段26はディフェクト検出手段25からフォーカスディフェクト信号およびトラッキングディフェクト信号が送られた場合にはフォーカス誤差信号生成手段9とトラッキング誤差信号生成手段16とから送られるフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号とに基づいて、ディフェクト信号の立ち上がり時のフォーカス誤差信号レベルFEsとトラッキング誤差信号レベルTEsを検出しディフェクト信号の立ち下がり時のフォーカス誤差信号レベルFEeとトラッキング誤差信号レベルTEeを検出し、さらにディフェクト期間Tdfctを計測する。図2にトラッキングの位置速度検出の一例を示す。ディフェクト検出手段25は和信号のレベルが閾値以下になったときにディフェクト信号をHiに設定し、閾値レベル以上に戻ったらディフェクト信号をLoにする。位置/速度検出手段26はディフェクト突入時の光スポットとトラックとの相対位置に対応するディフェクト信号の立ち上がり時のトラッキング誤差信号レベルTEs、ディフェクト通過後の光スポットとトラックとの相対位置に対応するディフェクト信号の立ち下がり時のトラッキング誤差信号レベルTEe、ディフェクト期間Tdfctとを計測し、ディフェクト通過後の光スポットとトラックとの相対速度Vtを
(数1)Vt = (TEe−TEs)/Tdfct
として算出する。同様にディフェクト突入時の光スポット焦点と記録再生層との相対位置に対応するディフェクト信号の立ち上がり時のフォーカス誤差信号レベルFEs、ディフェクト通過後の光スポット焦点と記録再生層との相対位置に対応するディフェクト信号の立ち下がり時のフォーカス誤差信号レベルFEe、ディフェクト期間Fdfctとを計測し、ディフェクト通過後の光スポット焦点と記録再生層との相対速度Vfを
(数2)Vf = (FEe−FEs)/Fdfct
として算出する。このように検出した各信号値とディフェクト期間を用いてディフェクト通過後のフォーカス制御目標と実際の光スポットとの位置誤差および光スポットの速度、トラッキング制御目標と実際の光スポットとの位置誤差および光スポットの速度を算出する。ここでディフェクト期間中の光スポットは一定速度で動くものと仮定している。これはディフェクト期間中のフォーカス駆動信号およびトラッキング駆動信号はゼロあるいは微小値でホールドされていることによる。この仮定によらない方法として、ディフェクト終了から所定期間のフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号の変化を検出することで速度を得ることが考えられる。但し、ディフェクト終了後から検出時間の遅れが発生する。
【0020】
システムコントローラ27はディフェクト検出手段25から位置/速度検出手段26を経由して送られるディフェクト検出信号に基づいて、ディフェクト期間中にホールド手段10、ホールド手段14、ホールド手段17、ホールド手段21がホールド動作を行うように指示する。各ホールド手段は例えば図3に示すディジタル回路で構成される。図3においてホールド手段はスイッチング手段101と102、所定の係数を乗算する乗算手段103,105、加算手段106、遅延メモリ104から構成される。また図中のSig_aは各ホールド手段の入力信号、Sig_bはシステムコントローラ27から送られる制御信号を示す。ディフェクトが検出されていない期間中はスイッチング手段101と102は図のように紙面上側の信号を選択しており、各ホールド手段は入力信号をそのまま出力とすると同時に、下段では乗算手段103、105、加算手段106および遅延メモリ104からなるディジタルフィルタでLPFを実現しており入力信号の低域成分を抽出している。ディフェクト検出信号が検出されるとシステムコントローラ27からの制御信号Sig_bによりスイッチング手段101と102は紙面下側の信号を選択する。これにより、入力信号LPF演算結果がホールドされる。このLPFはディスク回転数の低次成分を抽出するように設計されているため、ホールド手段14、ホールド手段21の出力がホールドされてもディスク面ぶれや偏心の低次成分を維持できるようになっている。
【0021】
さらにシステムコントローラ27は位置/速度検出手段26から送られた光スポットの位置、速度情報に基づいて位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の初期値を算出する。初期値を算出する方法は例えば極零相殺型の設計法がある。これにより、初期値から制御対象出力までの伝達関数の極を相殺するように設計するので応答を安定かつ速やかに制御目標へ収束させることが出来る。初期値を算出した後、位相補償用HPF12および位相補償用HPF19への初期値の設定と各ホールド手段のホールド解除とを同時に実行する。ここで、位相補償用HPF12および位相補償用HPF19は図4のようなIIR(Infinite Impulse Response)型のディジタルフィルタであり、初期値の設定とは図中の遅延メモリ207、遅延メモリ208に算出した値を入力することを示す。またシステムコントローラ27は同時に低域補償用LPF11および低域補償用LPF18の初期値設定をゼロに設定する。
【0022】
最後に本実施例の効果について説明する。従来の方式によれば、システムコントローラ27はディフェクト期間中に各ホールド手段をホールドし、ディフェクト終了時にホールドを解除しフィードバック制御ループを閉じる。この場合、位相補償用HPFはまずホールド値とホールド解除時の入力信号レベルとの相対ギャップに応答するので、必ずしも制御目標値に近づくように働くとは言えない。またホールド値がゼロ近傍であった場合でもフィードバック制御ループを閉じたときの位相補償用HPFの初期値は安定な応答を実現できるとは限らない。図5に初期値入力を行った場合と行わない場合のディフェクト通過後の位相補償用HPF出力を模式的に示す。本実施例のように、位相補償用HPF12および位相補償用HPF19への初期値入力を実施した場合は制御ループを安定化しているため制御目標への収束が早い。すなわち、初期値から制御対象出力までの伝達関数の極を相殺するように設計するので応答を安定かつ速やかに制御目標へ収束させることが出来る。
【0023】
本実施例では、システムコントローラ27は位相補償用HPF12および位相補償用HPF19への初期値入力をディフェクト発生時に常に行っているが、本発明はこれに限ったものではない。つまり、ディフェクト通過後に検出した誤差信号レベルあるいは誤差信号レベルと速度に基づいて、所定範囲外の位置あるいは速度の場合にのみ初期値入力を実行しても良い。このとき、システムコントローラ27は図11のようにサーボ外れによる記録動作の停止を決定する記録停止誤差範囲を有し、前記所定範囲は記録停止誤差範囲より小さい値とすると良い。
【0024】
本実施例では、ディフェクト前後の誤差信号レベルから位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の初期値をリアルタイムで算出したが本発明はこれに限ったものではない。つまり、予め位置と速度に対応した初期値をシステムコントローラ27内の図示しないメモリに記憶しておき、検出した位置と速度に基づいて適切な値をメモリから取り出して使用しても良い。この場合初期値の演算時間を省くことができ、初期値をより早く設定できるので誤差信号の応答性能が向上する。
【0025】
また、本実施例ではディフェクトを検出する閾値を一つにしているが、本発明はこれに限ったものではない。つまり、位置を検出する上でディフェクト終了時の誤差信号レベルはディフェクト開始時の誤差信号レベルはより高精度である必要がある。したがって、ディフェクト終了時の閾値を開始時より高く設定することでディフェクトの影響を受けていない適切な誤差信号レベルを検出することが可能となる。
【0026】
更には、ディフェクト開始時の誤差信号のディフェクトの影響を低減する場合には、メモリを用いて常に所定期間内の誤差信号を記憶し、ディフェクト発生時にはメモリに記憶した誤差信号を所定期間遡って使用することで、ディフェクトの影響を受けずに高精度に位置、速度を検出できる。
【0027】
また、本実施例ではシステムコントローラ27は各ホールド手段のホールド状態を解除することで低域補償用LPFと位相補償用HPFとを同時に動作させているが、本発明はこれに限ったものではない。つまり、低域補償用LPFと位相補償用HPFとを並列に配し、ホールド手段を低域補償用LPFの入力段と位相補償用HPFの入力段とに独立に設け、低域補償用LPF入力段のホールド手段のホールドを解除するタイミングをディフェクト信号の立下りから十分遅らせることで、ディフェクトに影響しない誤差信号を用いて低域補償用LPFを動作させることができる。または、低域補償用LPFと位相補償用HPFとを並列に配し、ホールド解除後も低域補償用LPFの入出力をゼロに上書きすることでも同様の効果を得ることができる。
【0028】
また、本実施例ではディフェクト検出手段25は和信号の信号レベルやwobble信号の振幅やフォーカス誤差信号の変化率やトラッキング誤差信号の変化率を用いてディスクのディフェクトを検出したが、本発明はこれに限ったものではない。つまり、DVD―RAMディスクのようにエンボスで形成されたPID(Physical ID)を有するディスクにおいては、ディフェクト検出手段25はディテクタ8から送られる信号に基いてディスクのPID部分を検出し、ディフェクトと同様に扱うことでPID通過後に発生する制御追従誤差を低減できる。さらにPID通過前後で制御目標が変わる場合には位置/速度検出手段26で検出した位置情報に制御目標の変化分を加算することで、PID通過後の制御追従誤差低減することができる。
【0029】
また、図12のように記録中と再生中とで光スポットの制御目標が変化する場合、制御目標切り替え時に補償器の初期値を設定することで制御目標切り替え後の制御追従誤差を低減することができる。このとき光スポットの位置は制御目標切り替え直前の誤差信号と制御目標の変化量との和とし、光スポットの速度は制御目標切り替え直前の誤差信号の時間変化量として初期値を算出すれば良い。
【0030】
以上のように、ディフェクト前後の誤差信号とディフェクト期間からディフェクト通過後の光スポットの位置および速度を検出し、検出した値に基づいて補償器の初期値を設定することでディフェクト通過後に発生する制御誤差を安定かつ速やかに低減し、装置の信頼性を向上させることが出来る。
【実施例2】
【0031】
上記実施例では、ディフェクト通過後に補償器に設定する初期値を光スポットの位置および速度から算出したが、ディフェクトを通過したときに補償器の出力あるいは内部演算の出力を記憶しておき、記憶した値に基づいて初期値を算出しても同様の効果を得ることができる。
【0032】
図6を用いて本発明の光ディスク装置の構成について説明する。図6における1から27、30から32のブロックは実施例1と同様のため省略する。図6において、28はメモリ手段である。
【0033】
次に実施例1と異なるシステムコントローラ27とメモリ手段28の動作について説明する。システムコントローラ27にはディフェクト検出手段25からディフェクト検出信号が送られ、フォーカス誤差信号生成手段9からはフォーカス誤差信号が送られ、トラッキング誤差信号生成手段16からはトラッキング誤差信号が送られる。加えて、システムコントローラ27にはモータ制御手段32からディスクの回転位相情報が送られる。またシステムコントローラ27は位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の遅延メモリの値を検出することができる。
【0034】
ディフェクト検出手段25はディフェクトを検出するとディフェクト信号をシステムコントローラ27に送る。システムコントローラ27は実施例1と同様にディフェクト期間中にホールド手段10、ホールド手段14、ホールド手段17、ホールド手段21がホールド動作を行うように指示する。次にシステムコントローラ27はディフェクトが終了した時点でフォーカス誤差信号生成手段9から送られたフォーカス誤差信号と、トラッキング誤差信号生成手段16から送られたトラッキング誤差信号の信号レベルを検出するとともに、ディフェクト終了から所定期間内の位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の遅延メモリの値をメモリ28に記憶する。このとき記憶した値はモータ制御手段32から得られるディスクの回転位相情報と関連付けて記憶する。先に検出したフォーカス誤差信号あるいはトラッキング誤差信号が所定レベル以上の場合はメモリ28に記録した位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の遅延メモリの値に基づいて位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の初期値を算出し、算出した値の設定と各ホールド手段のホールド解除とを同時に実行する。またシステムコントローラ27は同時に低域補償用LPF11および低域補償用LPF18の初期値設定をゼロに設定する。
【0035】
本実施例の動作は図7のようにディフェクトが複数トラックに亘って存在し、このエリアにて連続的にデータの記録する場合あるいは連続的にデータを再生する場合に特に有効である。図7においてa、b、c、dは光スポットが通過するトラックを示しており、図8は各トラックのディフェクト部分を通過した場合の誤差信号を模式的に示した図である。図8のようにディフェクトによって発生する制御誤差は近隣トラックで類似しており、かつディフェクト端を通過してから徐々に大きくなっていくのが一般的である。この特徴を鑑みてディフェクト後の誤差信号レベルが所定レベル以上となる以前の位相補償用HPFの遅延メモリ値を用いて初期値を算出、設定することで実施例1記載の位置と速度からの初期値の演算を省くことができる。
メモリ28に記憶する遅延メモリの値をディスクの回転位相情報と関連付けているので1回転に複数個のディフェクトが存在する場合でも適切なメモリ情報を使用することが出来る。
【0036】
本実施例では初期値はディフェクト通過後の所定サンプル後の値にゲインを掛けた値を用いているが、ディフェクト通過後の極大値にゲインを掛けた値を用いても同様の効果が得られる。
【0037】
また、ディフェクト検出時にメモリ28に記憶した情報がない場合は誤差信号のレベルに対応して予め設定された暫定初期値を用いる。
【0038】
本実施例ではメモリ28に記憶する遅延メモリの値をディスク回転位相情報と関連付けたが本発明はこれに限るものではない。更にディスクのアドレス情報を関連付けることで前記暫定初期値を使用する機会を減らすことが出来る。
【実施例3】
【0039】
上記実施例では、過去に記憶した遅延メモリの値から補償器の初期値を算出し、また過去に記憶した値がない場合は暫定初期値を補償器に設定したが、過去に遅延メモリの値を記憶していない場合は以下に述べるようにディフェクト通過後の光スポットの位置および速度から、フォーカス位置補正パルスあるいはトラック位置補正パルスを算出し、出力することでも、ディフェクト通過で発生した制御誤差を速やかに低減することができる。
【0040】
図9を用いて本発明の光ディスク装置の構成について説明する。図9における1から32のブロックは実施例1、実施例2と同様のため省略する。図9において、33は加算器、34も加算器である。
【0041】
次に実施例1、実施例2と異なる主要ブロックの動作について説明する。システムコントローラ27には位置/速度検出手段26からディフェクト通過後の光スポットの位置および速度情報とディフェクト信号が送られ、フォーカス誤差信号生成手段9とトラッキング誤差信号生成手段16とからフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号がそれぞれ送られる。またシステムコントローラ27にはモータ制御手段32からディスクの回転位相情報が送られる。またシステムコントローラ27は位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の遅延メモリの値を検出することができる。
【0042】
次に実施例1、実施例2と動作が異なるシステムコントローラ27の詳細動作について説明する。システムコントローラ27は実施例2と同様にディフェクト期間中にホールド手段10、ホールド手段14、ホールド手段17、ホールド手段21がホールド動作を行うように指示する。次にシステムコントローラ27はディフェクトが終了した時点でフォーカス誤差信号生成手段9から送られたフォーカス誤差信号と、トラッキング誤差信号生成手段16から送られたトラッキング誤差信号の信号レベルを検出するとともに、ディフェクト終了から所定期間内の位相補償用HPF12および位相補償用HPF19の遅延メモリの値をメモリ28に記憶する。このとき記憶した値はモータ制御手段32から得られるディスクの回転位相情報と関連付けて記憶する。以上までは実施例2と同様の動作である。
【0043】
ディフェクトが終了時に検出したフォーカス誤差信号あるいはトラッキング誤差信号のレベルに従って以下のように動作する。信号レベルが所定範囲内の場合は各ホールド手段のホールド解除と低域補償用LPF11および低域補償用LPF18のゼロ設定を行い、位相補償用HPF12および位相補償用HPF19への初期値設定は行わない。信号レベルが所定範囲外の場合は、メモリ28内に現在通過したディフェクトによって得られた位相補償用HPFの遅延メモリ値情報があれば、実施例2と同様にこれらの値を用いて位相補償用HPF12あるいは位相補償用HPF19の初期値を算出し、算出した値の設定を各ホールド手段のホールド解除と同時に実行する。低域補償用LPF11および低域補償用LPF18のゼロ設定も同時に行う。
【0044】
一方、メモリ28内に遅延メモリ値情報がない場合、システムコントローラ27は位置/速度検出手段26から送られたディフェクト通過後の光スポットの位置および速度情報に基づいて、位置補正パルスを生成しフォーカス用位置補正パルスを加算器33に、トラック用位置補正パルスを加算器34送る。ここで生成する位置補正パルスは光スポットの位置を制御目標に移動し、移動後の速度がゼロになるように波高値および印加時間を算出する。位置補正パルスの出力が終了した後、各ホールド手段のホールド解除と低域補償用LPF11および低域補償用LPF18のゼロ設定を同時に行う。
【0045】
図10に本実施例のシステムコントローラ27の動作シーケンスを示す。ディフェクト検出を待って(301)、ディフェクトを検出したらホールド手段をホールド設定(302)にして、ディフェクト終了を待ち(303)、ディフェクト終了を検出したら誤差信号レベルを検出し(304)、検出した信号を閾値と比較し(305)、閾値より小さい場合は所定の間遅延メモリの値を取得しメモリに保存し(306)、閾値より大きい場合は遅延メモリデータの有無を検出し(307)、データがない場合は位置補正パルスを出力し(308)、データがある場合は位相補償HPFに初期値を設定する(309)。
【0046】
本実施例では位置補正パルス終了後にフィードバックループを閉じているが本発明はこれに限ったものではない。つまり、位置補正パルス出力と同時に各ホールド手段のホールドを解除することで、位置補正パルスをフィードバック制御信号と加算して出力しても良い。また、ホールド手段14およびホールド手段21を低域補償用LPFと位相補償用HPFの後段に独立に配し、位置補正パルス出力と同時に位相補償用HPF後段のホールド手段のホールドを解除し、位置補正パルス出力終了後に低域補償用LPF後段のホールド手段のホールドを解除しても良い。
【0047】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1・・・ディスク、2・・・光ピックアップユニット、3・・・レーザダイオード、4・・・対物レンズ、5・・・フォーカスアクチュエータ、6・・・トラッキングアクチュエータ、7・・・ピックアップ送りモータ、8・・・ディテクタ、9・・・フォーカス誤差信号生成手段、10・・・ホールド手段、11・・・低域補償用LPF、12・・・位相補償用HPF、13・・・加算器、14・・・ホールド手段、15・・・フォーカスアクチュエータ駆動手段、16・・・トラッキング誤差信号生成手段、17・・・ホールド手段、18・・・低域補償用LPF、19・・・位相補償用HPF、20・・・加算器、21・・・ホールド手段、22・・・トラッキングアクチュエータ駆動手段、23・・・送りモータ制御手段、24・・・送りモータ駆動手段、25・・・ディフェクト検出手段、26・・・位置/速度検出手段、27・・・システムコントローラ、30・・・スピンドルモータ、31・・・スピンドルモータの周波数発生手段、32・・・モータ制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクにレーザ光を照射して情報の記録或いは再生を行う光ディスク装置であって、
光ディスクに対しレーザ光を集光して光スポットを形成する対物レンズと、
該対物レンズをディスク回転軸方向に駆動するフォーカスアクチュエータと、
該対物レンズをディスク半径方向に駆動するトラッキングアクチュエータと、
前記光スポットの前記光ディスクからの反射光を電気信号に変換するディテクタと、
前記ディテクタからの出力に基づいてフォーカス誤差信号を生成するフォーカス誤差信号生成手段と、
前記ディテクタからの出力に基づいてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、
前記フォーカス誤差信号生成手段の出力に基づいて前記光スポットを所定の記録再生面に位置づけるための制御信号を生成する第1のディジタルフィルタを含むフォーカス制御手段と、
前記トラッキング誤差信号生成手段の出力に基づいて前記光スポットを所定トラックに位置づけるための制御信号を生成する第2のディジタルフィルタを含むトラッキング制御手段と、
前記フォーカス制御手段の出力に基づいて、前記フォーカスアクチュエータを駆動するフォーカスアクチュエータ駆動手段と、
前記トラッキング制御手段の出力に基づいて、前記トラッキングアクチュエータを駆動するトラッキングアクチュエータ駆動手段と、
光ディスク上のディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、
前記フォーカス制御手段、前記トラッキング制御手段及び前記ディフェクト検出手段を制御するシステムコントローラとを有し、
前記システムコントローラは前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、前記フォーカス制御手段または前記トラッキング制御手段の少なくともいずれか一方の入力と出力をホールドし、当該ホールド解除時にホールドした制御手段が有する前記ディジタルフィルタの遅延メモリに初期値を設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記フォーカス制御手段と前記トラッキング制御手段の少なくともいずれか一方は、前記ディフェクト検出手段の出力と前記誤差信号生成手段の出力に基づいて、ディフェクト通過後の光スポットの位置と移動速度を算出する位置速度検出手段を有し、
前記システムコントローラは、前記位置速度検出手段の出力に基づいて前記遅延メモリに設定する初期値を算出することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記第1のディジタルフィルタと前記第2のディジタルフィルタの少なくともいずれか一方は、位相補償器と低域補償器とを有し、
前記システムコントローラは、前記位相補償器の遅延メモリの値を変更することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記システムコントローラは、前記誤差信号生成手段の出力に基づいて、誤差信号レベルが所定範囲外のときに遅延メモリの値を変更し、誤差信号レベルが所定範囲内のときには遅延メモリの値を変更しないことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記システムコントローラは、前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、ディフェクト通過後所定期間の前記ディジタルフィルタの遅延メモリの値を記憶し、
前記誤差信号生成手段の出力に基づいて、誤差信号が所定範囲外のときに前記記憶した値に基づいて遅延メモリの値を変更することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記システムコントローラは、記録中に制御目標との誤差が増大した場合に記録動作を停止する記録停止誤差範囲を有し、前記遅延メモリ値の変更実施を決める誤差信号の範囲は前記記録停止誤差範囲より小さい値とすることを特徴とする請求項5記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記第1のディジタルフィルタまたは前記第2のディジタルフィルタの少なくともいずれか一方は、位相補償器と低域補償器とを有し、
前記システムコントローラは、前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、ホールド解除時に前記位相補償器の遅延メモリの値をゼロにすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記フォーカス制御手段または前記トラッキング制御手段の少なくともいずれか一方は、前記ディジタルフィルタ内に位相補償器と低域補償器を有し、且つ、前記ディジタルフィルタの後段にローパスフィルタを有し、
前記システムコントローラは、前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、ディフェクト検出中は前記ディジタルフィルタの入力と前記ローパスフィルタの出力をホールドし、ディフェクト終了後のホールド解除時に前記低域補償器の遅延メモリの値をゼロにすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項9】
光ディスクにレーザ光を照射して情報の記録或いは再生を行う光ディスク装置であって、
光ディスクに対しレーザ光を集光して光スポットを形成する対物レンズと、
該対物レンズをディスク回転軸方向に駆動するフォーカスアクチュエータと、
該対物レンズをディスク半径方向に駆動するトラッキングアクチュエータと、
前記光スポットの前記光ディスクからの反射光を電気信号に変換するディテクタと、
前記ディテクタからの出力に基づいてフォーカス誤差信号を生成するフォーカス誤差信号生成手段と、
前記ディテクタからの出力に基づいてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、
前記フォーカス誤差信号生成手段の出力に基づいて前記光スポットを所定の記録再生面に位置づけるための制御信号を生成する第1のディジタルフィルタを含むフォーカス制御手段と、
前記トラッキング誤差信号生成手段の出力に基づいて前記光スポットを所定トラックに位置づけるための制御信号を生成する第2のディジタルフィルタを含むトラッキング制御手段と、
前記フォーカス制御手段の出力に基づいて、前記フォーカスアクチュエータを駆動するフォーカスアクチュエータ駆動手段と、
前記トラッキング制御手段の出力に基づいて、前記トラッキングアクチュエータを駆動するトラッキングアクチュエータ駆動手段と、
光ディスク上のディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、
該ディフェクト検出手段の出力と前記誤差信号生成手段の出力とに基づいて、ディフェクト通過後の光スポットの位置と移動速度を算出する位置速度検出手段と、
前記フォーカス制御手段、前記トラッキング制御手段、前記ディフェクト検出手段及び前記位置速度検出手段を制御するシステムコントローラとを有し、
前記システムコントローラは前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、前記フォーカス制御手段と前記トラッキング制御手段の少なくともいずれか一方の入力と出力をホールドし、当該ホールド解除時に位置速度検出手段の出力に基づいて位置補正パルスを生成、出力することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項10】
前記システムコントローラは、
前記誤差信号生成手段の出力に基づいて算出した誤差が所定範囲外の場合に前記位置補正パルスを出力することを特徴とする請求項9記載の光ディスク装置。
【請求項11】
前記システムコントローラは、記録中に制御目標との誤差が増大した場合に記録動作を停止する記録停止誤差範囲を有し、前記位置補正パルスを出力する誤差の範囲は前記記録停止誤差範囲より小さい値とすることを特徴とする請求項9記載の光ディスク装置。
【請求項12】
前記システムコントローラは、算出した位置補正パルスをフィードバック信号に加算して出力することを特徴とする請求項9記載の光ディスク装置。
【請求項13】
前記位置速度検出手段は、前記ディフェクト検出手段の出力と前記誤差信号生成手段の出力とに基づいて、ディフェクト通過後の誤差信号の信号レベルと変化率から光スポットの誤差と速度を算出することを特徴とする請求項2又は9に記載の光ディスク装置。
【請求項1】
光ディスクにレーザ光を照射して情報の記録或いは再生を行う光ディスク装置であって、
光ディスクに対しレーザ光を集光して光スポットを形成する対物レンズと、
該対物レンズをディスク回転軸方向に駆動するフォーカスアクチュエータと、
該対物レンズをディスク半径方向に駆動するトラッキングアクチュエータと、
前記光スポットの前記光ディスクからの反射光を電気信号に変換するディテクタと、
前記ディテクタからの出力に基づいてフォーカス誤差信号を生成するフォーカス誤差信号生成手段と、
前記ディテクタからの出力に基づいてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、
前記フォーカス誤差信号生成手段の出力に基づいて前記光スポットを所定の記録再生面に位置づけるための制御信号を生成する第1のディジタルフィルタを含むフォーカス制御手段と、
前記トラッキング誤差信号生成手段の出力に基づいて前記光スポットを所定トラックに位置づけるための制御信号を生成する第2のディジタルフィルタを含むトラッキング制御手段と、
前記フォーカス制御手段の出力に基づいて、前記フォーカスアクチュエータを駆動するフォーカスアクチュエータ駆動手段と、
前記トラッキング制御手段の出力に基づいて、前記トラッキングアクチュエータを駆動するトラッキングアクチュエータ駆動手段と、
光ディスク上のディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、
前記フォーカス制御手段、前記トラッキング制御手段及び前記ディフェクト検出手段を制御するシステムコントローラとを有し、
前記システムコントローラは前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、前記フォーカス制御手段または前記トラッキング制御手段の少なくともいずれか一方の入力と出力をホールドし、当該ホールド解除時にホールドした制御手段が有する前記ディジタルフィルタの遅延メモリに初期値を設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記フォーカス制御手段と前記トラッキング制御手段の少なくともいずれか一方は、前記ディフェクト検出手段の出力と前記誤差信号生成手段の出力に基づいて、ディフェクト通過後の光スポットの位置と移動速度を算出する位置速度検出手段を有し、
前記システムコントローラは、前記位置速度検出手段の出力に基づいて前記遅延メモリに設定する初期値を算出することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記第1のディジタルフィルタと前記第2のディジタルフィルタの少なくともいずれか一方は、位相補償器と低域補償器とを有し、
前記システムコントローラは、前記位相補償器の遅延メモリの値を変更することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記システムコントローラは、前記誤差信号生成手段の出力に基づいて、誤差信号レベルが所定範囲外のときに遅延メモリの値を変更し、誤差信号レベルが所定範囲内のときには遅延メモリの値を変更しないことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記システムコントローラは、前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、ディフェクト通過後所定期間の前記ディジタルフィルタの遅延メモリの値を記憶し、
前記誤差信号生成手段の出力に基づいて、誤差信号が所定範囲外のときに前記記憶した値に基づいて遅延メモリの値を変更することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記システムコントローラは、記録中に制御目標との誤差が増大した場合に記録動作を停止する記録停止誤差範囲を有し、前記遅延メモリ値の変更実施を決める誤差信号の範囲は前記記録停止誤差範囲より小さい値とすることを特徴とする請求項5記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記第1のディジタルフィルタまたは前記第2のディジタルフィルタの少なくともいずれか一方は、位相補償器と低域補償器とを有し、
前記システムコントローラは、前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、ホールド解除時に前記位相補償器の遅延メモリの値をゼロにすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記フォーカス制御手段または前記トラッキング制御手段の少なくともいずれか一方は、前記ディジタルフィルタ内に位相補償器と低域補償器を有し、且つ、前記ディジタルフィルタの後段にローパスフィルタを有し、
前記システムコントローラは、前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、ディフェクト検出中は前記ディジタルフィルタの入力と前記ローパスフィルタの出力をホールドし、ディフェクト終了後のホールド解除時に前記低域補償器の遅延メモリの値をゼロにすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項9】
光ディスクにレーザ光を照射して情報の記録或いは再生を行う光ディスク装置であって、
光ディスクに対しレーザ光を集光して光スポットを形成する対物レンズと、
該対物レンズをディスク回転軸方向に駆動するフォーカスアクチュエータと、
該対物レンズをディスク半径方向に駆動するトラッキングアクチュエータと、
前記光スポットの前記光ディスクからの反射光を電気信号に変換するディテクタと、
前記ディテクタからの出力に基づいてフォーカス誤差信号を生成するフォーカス誤差信号生成手段と、
前記ディテクタからの出力に基づいてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、
前記フォーカス誤差信号生成手段の出力に基づいて前記光スポットを所定の記録再生面に位置づけるための制御信号を生成する第1のディジタルフィルタを含むフォーカス制御手段と、
前記トラッキング誤差信号生成手段の出力に基づいて前記光スポットを所定トラックに位置づけるための制御信号を生成する第2のディジタルフィルタを含むトラッキング制御手段と、
前記フォーカス制御手段の出力に基づいて、前記フォーカスアクチュエータを駆動するフォーカスアクチュエータ駆動手段と、
前記トラッキング制御手段の出力に基づいて、前記トラッキングアクチュエータを駆動するトラッキングアクチュエータ駆動手段と、
光ディスク上のディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、
該ディフェクト検出手段の出力と前記誤差信号生成手段の出力とに基づいて、ディフェクト通過後の光スポットの位置と移動速度を算出する位置速度検出手段と、
前記フォーカス制御手段、前記トラッキング制御手段、前記ディフェクト検出手段及び前記位置速度検出手段を制御するシステムコントローラとを有し、
前記システムコントローラは前記ディフェクト検出手段の出力に基づいて、前記フォーカス制御手段と前記トラッキング制御手段の少なくともいずれか一方の入力と出力をホールドし、当該ホールド解除時に位置速度検出手段の出力に基づいて位置補正パルスを生成、出力することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項10】
前記システムコントローラは、
前記誤差信号生成手段の出力に基づいて算出した誤差が所定範囲外の場合に前記位置補正パルスを出力することを特徴とする請求項9記載の光ディスク装置。
【請求項11】
前記システムコントローラは、記録中に制御目標との誤差が増大した場合に記録動作を停止する記録停止誤差範囲を有し、前記位置補正パルスを出力する誤差の範囲は前記記録停止誤差範囲より小さい値とすることを特徴とする請求項9記載の光ディスク装置。
【請求項12】
前記システムコントローラは、算出した位置補正パルスをフィードバック信号に加算して出力することを特徴とする請求項9記載の光ディスク装置。
【請求項13】
前記位置速度検出手段は、前記ディフェクト検出手段の出力と前記誤差信号生成手段の出力とに基づいて、ディフェクト通過後の誤差信号の信号レベルと変化率から光スポットの誤差と速度を算出することを特徴とする請求項2又は9に記載の光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−58285(P2013−58285A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196674(P2011−196674)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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