説明

光ディスク記録再生装置および光ディスク記録再生方法

【課題】通信を行う周波数が異なる電子機器間の情報のやりとりを容易に行うことができる。
【解決手段】光ディスク記録再生装置2は、非接触型ICカード3との通信を行うために設けられたアンテナ24と、後述するディスクトレイに載置された光ディスク4との通信を行うために設けられたアンテナコイル25と、アンテナ24に電波を供給して電波方式(Propagated Electromagnetic Field、または、Propagation Coupling)により非接触型ICカード3との間で非接触の通信を行い、かつ、アンテナコイル25に所定の磁界を発生させて電磁誘導方式(Inductive Coupling)により光ディスク4との間で非接触の通信を行うリーダ/ライタ制御部26とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク記録再生装置および光ディスク記録再生方法に関し、特に非接触通信ICとの通信機能を備える光ディスク記録再生装置および光ディスク記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量のデータを記録できる特徴を持つ記録媒体として、再生専用型記録媒体(ROM: Read Only Memory)や追記型記録媒体(Recordable)や書き換え型記録媒体(ReWritable)等の光ディスクの普及が進んでいる。
【0003】
一方、非接触通信により認証(認識)を行うRFID(Radio Frequency Identification)が知られている。RFIDに使用される非接触型ICカードは、ICチップとデータ読み取りおよび書き込み用端末装置との間で物理的な接触がないことを含めて通信の接続開始から接続終了までの処理時間が短く、また高度な暗号処理と相互認証による高いセキュリティ性を持つ等の特徴を有しており、電子マネー機能等の用途で普及が進んでいる。
【0004】
そして、これら光ディスクの特徴と非接触型ICチップの特徴とを兼ね備えたものとして、非接触型ICチップと光ディスクとが同一の基板に搭載された記録媒体が知られている。
【0005】
例えば、円盤状の光ディスクの中央部、すなわち、回転中心軸を挿入するための孔の外周縁部に非接触型ICチップが搭載された光ディスクが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、2枚の基板を貼り合せて形成される光ディスクにおいて、2枚の基板の凹部によって形成される間隙に、回路部およびコイル部を配置する光ディスクが開示されている。(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、光ディスクの反射膜と非接触型ICチップのアンテナコイルが同じ材料であって、蒸着やスパッタリング等の手段によって形成される光ディスクが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
また、光ディスクのリードイン部の内周側に非接触型ICチップおよびアンテナコイルを配置した場合、その内周部にある反射膜の影響で通信距離が短くなる現象、または、通信できなくなる現象を避けるために、その内周部にある反射膜に切欠きを設け、アンテナコイルでの電磁誘導へ影響を少なくした光ディスクが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
そしてさらに、このような非接触型ICチップと光ディスクとが同一の基板に搭載された記録媒体に対して、光ディスクの記録再生機能と非接触型ICチップとの通信機能を併せ持った光ディスク記録再生装置が知られており、例えば、内部のアンテナと外部のアンテナを備え、それらが並列に無線周波数回路に接続されることで両方のアンテナに接近した非接触型ICチップと通信可能な光ディスク記録再生装置が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
【0010】
ここで、非接触型ICチップを搭載した光ディスクおよび非接触型ICチップとの通信機能を備えた光ディスク記録再生装置では、光ディスクの再生中や記録中または再生の合間や記録の合間に、光ディスクに設けられている非接触型ICチップと通信できることが望ましい。これは、著作権保護情報等に用いられる光ディスクごとの個別情報や、非接触型ICチップ毎の個別情報を再生中や記録中、または、再生の合間や記録の合間に照合することができるからである。
【0011】
このような、非接触型ICを搭載した光ディスクによる著作権保護機能を用いることで、「未購入・購入済」等の著作権が許諾されているか否かを照合したり、金品の授受によって「未購入・購入済」を書き換えたりするような用途は、著作権に関する決済機能として知られ、広い意味での著作権保護機能として知られている。
【特許文献1】特開平8−161790号公報
【特許文献2】特開平9−245381号公報
【特許文献3】特開平11−353714号公報
【特許文献4】特開2001−319380号公報
【特許文献5】特開2001−297568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、非接触型ICチップを搭載した光ディスクに対して要求される機能は著作権保護機能に限られず、店頭での窃盗(万引き)防止等の商品管理としての機能もある。
一般的に、決済機能においては暗号化等の機能を用いた上で比較的近距離の通信で行い、商品管理機能においては対象物がゲートを通過したかどうかを比較的遠距離の通信で行うことが多い。このような通信距離が異なる場合においては、異なる周波数の通信周波数が用いられることが多い。
【0013】
例えば、日本において「スイカ(登録商標)」「おさいふケータイ(登録商標)」等のいわゆる電子マネーが普及しているが、これらは近距離通信を目的とし、例えば13.56MHzの周波数にて信号の送受信が行われている。一方、「ユビキタスID」「Auto−ID(登録商標)」等に代表されるいわゆる電子タグと呼ばれる商品管理や流通においては、電子マネーよりも遠距離な通信を目的とし、例えばUHF帯、2.45GHzの周波数にて信号の送受信が行われている。
【0014】
これは、指定された周波数で使用するように国際機関による取り決めや各国の法律や政令等によって決められているからである。
例えば、日本国においては、電波法および電波法施行規則により、微弱な電波であれば無線局の免許を必要としない、または、簡単な手続きで免許を取得することができる周波数帯として、125kHzまたは135kHz、13.56MHz、2.45GHzの3つの周波数帯が存在する。なお、2005年3月に日本国総務省から950MHz帯(UHF帯、950〜956MHz)が追加させる予定である旨の発表がされている。
【0015】
また、例えばアメリカ合衆国においては、FCC Part 15の規定により、複数の周波数帯が許容されているが、主なものとして13.56MHz、UHF帯(902〜928MHz)、2.45GHzの周波数が使われている。
【0016】
さらに、例えば欧州においては、ETSI(European Telecommunications Standards Institute)によって作成されたEN300330、EN300220、EN300440等の規定により、各国の国家法規が定められており、主なものとして13.56MHz、UHF帯(865〜868MHz)、2.45GHzの周波数が使われている。
【0017】
これら各周波数帯では、許容されている電波出力または規定された距離での電界強度、および、各周波数帯の電波の特性から、通信距離やアンテナの大きさ等の物理的な制約が生まれ、その結果、課金や物流や電子商品監視(EAS:Electronic Article Surveillance)や個体管理や生産の自動化等の用途に応じて産業上の使い分けが行われている。
【0018】
また、各周波数帯での通信距離等の物理的な制約から、非接触型ICカード(JIS用語では、外部端子なしICカード)の工業規格(国際規格)も、ISO/IEC 10536(JIS X6321)、ISO/IEC 14443(JIS X6322)、ISO/IEC 15693(JIS X6323)のように、周波数と通信距離と通信方式の組み合わせで規格が規定されている。
【0019】
以上の点を鑑みた場合、特許文献5では両方のアンテナに共通の周波数でしか通信できないために、複数の周波数に対応することができないという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、通信を行う周波数が異なる電子機器間の情報のやりとりを容易に行うことができる光ディスク記録再生装置および光ディスク記録再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明では上記課題を解決するために、非接触通信ICとの通信機能を備える光ディスク記録再生装置において、筐体と、筐体外部の前記非接触通信ICとの通信を行うために設けられた外部通信用アンテナと、筐体内部に挿入される光ディスクに設けられた前記非接触通信ICとの通信を行うために設けられた内部通信用アンテナと、第1の周波数を用いて、前記筐体外部の前記非接触通信ICとの情報通信を行い、かつ、第2の周波数を用いて、前記光ディスクの前記非接触通信ICとの情報通信を行う制御部と、を有することを特徴とする光ディスク記録再生装置が提供される。
【0021】
このような光ディスク記録再生装置によれば、制御部が、筐体の内部と外部とに対して、それぞれ異なる周波数帯の非接触通信IC(RFID)と情報通信を行う。
また、本発明では上記課題を解決するために、非接触通信ICとの通信を行う光ディスク記録再生方法において、光ディスク記録再生装置が、第1の周波数を用いて検出された非接触通信ICの情報を読み出すステップと、第2の周波数を用いて光ディスクの非接触通信ICの情報を読み出すステップと、前記検出された前記非接触通信ICの情報と前記光ディスクの前記非接触通信ICの情報とを比較するステップと、比較した前記情報が異なる場合、前記検出された前記非接触通信ICの情報と前記光ディスクの前記非接触通信ICの情報との整合を取るステップと、を有することを特徴とする光ディスク記録再生方法が提供される。
【0022】
このような光ディスク記録再生方法によれば、光ディスク記録再生装置により、第1の周波数を用いて検出された非接触通信ICの情報と第2の周波数を用いて読み出された光ディスクの非接触通信ICの情報とが比較され、これらの情報が異なる場合は情報の整合が取られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、制御部が、筐体の内部と外部とに対して、それぞれ異なる周波数帯の非接触通信ICと情報通信を行うことにより、通信を行う周波数が異なる機器間の情報のやりとりを容易かつ確実に行うことができるため、利便性が向上する。
【0024】
特に、第1の周波数を用いて検出された非接触通信ICの情報と、第2の周波数を用いて得られた光ディスクの非接触通信ICの情報とが異なる場合、その整合を取ることにより、1つの非接触通信IC内で、複数の情報を同時に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態のRFIDシステムを示す模式図である。
RFIDシステム1は、RFIDを用いた通信を行うためのICチップ(RFIDチップ)を備える光ディスク4を記録または再生する機能を有する光ディスク記録再生装置2と、光ディスク記録再生装置2の外部から光ディスク記録再生装置2の筐体20に接触させることなく光ディスク記録再生装置2との間で情報の送受信を行うことができる非接触型ICカード(非接触通信装置)3と、光ディスク記録再生装置2の内部に挿入することにより、光ディスク記録再生装置2との間で情報の送受信を行う光ディスク4とを有している。
【0026】
光ディスク記録再生装置2は、非接触型ICカード3との通信を行うために設けられた第1の周波数のためのアンテナであるアンテナ24と、後述するディスクトレイに載置された光ディスク4との通信を行うために設けられた第2の周波数のためのアンテナであるアンテナコイル25と、アンテナ24に電波を供給して電波方式(Propagated Electromagnetic Field、または、Propagation Coupling)により非接触型ICカード3との間で非接触の通信を行い、かつ、アンテナコイル25に所定の磁界を発生させて電磁誘導方式(Inductive Coupling)により光ディスク4との間で非接触の通信を行うリーダ/ライタ制御部26とを有している。
【0027】
第1の周波数のためのアンテナであるアンテナ24は、ダイポールアンテナであり、各導線の先端部は、それぞれ折れ線形状をなしている。なお、アンテナ24の形状は、図示のものに限定されず、直線偏波や円偏波の種々のアンテナを用いることができる。
【0028】
第2の周波数のためのアンテナであるアンテナコイル25は、ループ形状をなすコイルを、同心円状または螺旋状に1ターンあるいはそれ以上のターン数巻いたものである。アンテナコイル25のループの中心は、光ディスク4の回転軸、すなわち後述するスピンドル部の中心と略一致している。このアンテナコイル25は、ディスクトレイに載置された光ディスク4に対向するように設置されている。
【0029】
なお、以下ではリーダ/ライタ制御部26が電波方式によりアンテナ24から放射する電波の周波数は、2.45GHzとし、電磁誘導方式によりアンテナコイル25に流す電流の周波数は、13.56MHzとする。すなわち、光ディスク記録再生装置2が非接触型ICカード(非接触通信装置)3と通信するための第1の周波数の電磁波を2.45GHzの電磁波とし、光ディスク記録再生装置2が光ディスク4と通信するための第2の周波数の電磁波を13.56MHzの電磁波として例示する。
【0030】
非接触型ICカード3は、第1の周波数で通信可能な記憶デバイスを内蔵したICチップ(RFIDチップ)31と、ICチップ31に電気的に接続されたアンテナ32とを有している。ICチップ31には、例えば、コンテンツの取引内容に関する情報等が格納されており、リーダ/ライタ制御部26は、アンテナ24を介してICチップ31の情報を追加、削除および上書きすることができる。また、ICチップ31には、例えばICチップ31の固有情報や、コピープロテクトの情報等、様々な情報も記憶することができる。なお、記憶デバイスとしては特に限定されないが、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等が挙げられる。
【0031】
アンテナ32は、アンテナ24に対応する形状、すなわちダイポール状をなしている。
図2は、図1に示す光ディスク記録再生装置および光ディスクを示す側面断面図である。
【0032】
光ディスク記録再生装置2は、光ディスク4を載置するディスクトレイ21と、ディスクトレイ21上に載置された光ディスク4を回転させるスピンドル部22と、フォーカスやトラッキング等により光ディスク4に記録された情報の光学的な読み取り、または光ディスク4に情報を書き込みを行うための光ピックアップモジュール23と、光ピックアップモジュール23を光ディスク4の半径方向に移動させるスレッド(図示せず)とを有している。
【0033】
光ディスク4は、第2の周波数で通信可能なICチップ(RFIDチップ)41と、ICチップ41に電気的に接続されたループ状のアンテナコイル42とを有している。光ディスク4はディスク基板43に金属膜からなる記録層44がスパッタ処理により形成された構成となっており、この記録層44が光ピックアップモジュール23に対向するようにディスクトレイ21上に配置される。また、ICチップ41およびアンテナコイル42は、ディスク基板43の内側に設置されており、例えば同心円状または螺旋状に1ターンあるいはそれ以上のターン数で形成されている。なお、ICチップ41およびアンテナコイル42は、ディスク基板43上に設置されていてもよい。
【0034】
光ディスク4としては特に限定されないが、例えば、CD−ROM(Compact Disk- Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)またはブルーレイディスク(Blu-ray Disc)(登録商標)ドライブ等が挙げられる。また、ICチップ41には、例えば、光ディスク4の固有情報や、コンテンツの取引内容に関する情報やコピープロテクト等の情報、さらにはゲームの結果等、様々な情報が記憶可能である。
【0035】
スピンドル部22は、光ディスク4を固定するチャッキング部22aと、光ディスク4を回転させるスピンドルモータ22bとからなっている。チャッキング部22aは、例えば、磁石によって光ディスク4を固定する。
【0036】
光ディスク4に記録された情報の再生または光ディスク4への情報の記録の際には、処理ブロック500が用いられる。
処理ブロック500は、光学系アクチュエータ50と、サーボ回路部51と、RF処理部52と、データ処理部53と、制御部54とを有している。
【0037】
光学系アクチュエータ50は、前述した光ピックアップモジュール23を含み、フォーカス駆動用コイル、スキューサーボ用チルト機構駆動用コイル、トラッキング駆動用コイル、スレッド駆動用コイル等を有している。
【0038】
また、サーボ回路部51は、スピンドルモータ22bや光学系アクチュエータ50の動作を制御する。
RF処理部52は、光学系アクチュエータ50の光ピックアップモジュール23から出力される光ディスク4から読み出されたRF信号に対し波形整形等の処理を行う。または、光ディスク4に記録する記録信号を光学系アクチュエータ50の光ピックアップモジュール23に供給する。また、検出されたフォーカス情報やトラッキング情報等をサーボ回路部51にフィードバックする。
【0039】
データ処理部53は、再生信号または記録信号の信号処理を行う。
制御部54は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、データ処理部53との間でデータを送受信し、サーボ回路部51に対して制御信号を送出する。
【0040】
光ディスク4からの情報の読み出し時には、制御部54からの制御信号をもとに、サーボ回路部51は、スピンドルモータ22b、光学系アクチュエータ50を駆動する。サーボ回路部51の制御により、光学系アクチュエータ50の光ピックアップモジュール23は、光ディスク4の記録層44に記録された情報をRF信号として検出し、RF処理部52に送る。RF処理部52は、RF信号に対し波形整形等の処理を行う。また、検出されたフォーカス情報やトラッキング情報をサーボ回路部51にフィードバックする。サーボ回路部51は、これらの情報をもとにスピンドルモータ22bや、光学系アクチュエータ50を調整し制御部54の制御信号をもとに情報の読み出しを続ける。RF処理部52で処理されたRF信号は、データ処理部53に入力されて再生信号として処理される。
【0041】
一方、書き込みの際にも同様に、サーボ回路部51は、制御部54からの制御信号をもとにスピンドルモータ22bや光学系アクチュエータ50を駆動し、光ディスク4の所定の位置に、データ処理部53からの記録信号を、RF処理部52を介して記録させる。
【0042】
リーダ/ライタ制御部26は、所定のタイミングでICチップ41との通信を開始する旨の信号を受けると、アンテナコイル25に所定の電流を流し所定の電界強度の交流磁界を発生させる。これにより、光ディスク4のアンテナコイル42は、光ディスク4の回転軸に対して、光ピックアップモジュール23(光学系アクチュエータ50)の対向側で、アンテナコイル25と電磁誘導結合される。これにより、ICチップ41とリーダ/ライタ制御部26との間で通信が可能になり、ICチップ41の情報の読み出しまたは、ICチップ41への情報の記録が可能になる。
【0043】
図3は、リーダ/ライタ制御部の構成を示すブロック図である。
リーダ/ライタ制御部26は、アンテナ(第1の周波数のアンテナ)24に接続された第1の周波数のための無線通信回路部261と、アンテナコイル(第2のアンテナ)25に接続された第2の周波数のための無線通信回路部262と、無線通信回路部261および無線通信回路部262との間で通信の制御を行う通信制御部263と、通信制御部263に接続された通信手段264とを有している。
【0044】
第1の周波数のための無線通信回路部261は、通信制御部263から入力される信号を変調してアンテナ24に出力する変調回路261aと、アンテナ24に入力された信号を復調して通信制御部263に出力する復調回路261bとを有している。
【0045】
第2の周波数のための無線通信回路部262は、通信制御部263から入力される信号を変調してアンテナコイル25に出力する変調回路262aと、アンテナコイル25に入力された信号を復調して通信制御部263に出力する復調回路262bとを有している。
【0046】
通信制御部263は、CPU263aと記憶手段263bとを有している。
CPU263aは、復調回路261bおよび復調回路262bから入力される信号を処理し、必要に応じてその情報を記憶手段263bに記憶(格納)する。
【0047】
また、CPU263aは、通信手段264を介してPC(光ディスク記録再生装置2外部の電子機器)60に出力する。
次に、第1の周波数で通信可能なICチップ31および第2の周波数で通信可能なICチップ41の有する情報について説明する。
【0048】
図4および図5は、第1の実施の形態のコンテンツデータを示す図である。
第1の周波数で通信可能なICチップ31には、コンテンツデータ(メタデータ)311が格納されている。図4に示すように、コンテンツデータ311は、第1コンテンツ、第2コンテンツ、第3コンテンツを有している。各コンテンツは、固有のIDと、そのコンテンツを購入済み(決済済み)か未購入かを判断するためのフラグを有している。図4では、第1コンテンツはIDが12341111、フラグが購入済であり、第2コンテンツはIDが12341122、フラグが未購入であり、第3コンテンツはIDが12343333、フラグが購入済である。
【0049】
また、第2の周波数で通信可能なICチップ41には、コンテンツデータ(メタデータ)411が格納されている。図5に示すように、コンテンツデータ411は、第1コンテンツ、第2コンテンツを有している。図5では、第1コンテンツはIDが12341111、フラグが未購入であり、第2コンテンツはIDが12344567、フラグが購入済である。
【0050】
以下、図1〜図5を用いて第1の実施の形態の光ディスク記録再生装置2の動作(書き込み動作)について説明する。
なお、初期状態として、コンテンツデータ311は、図3に示すデータを有しており、コンテンツデータ411は、図4に示すデータを有しているものとする。
【0051】
図6は、第1の実施の形態の光ディスク記録再生装置の動作を説明するフローチャートである。
まず、光ディスクの再生中や記録中または再生の合間や記録の合間に、通信制御部263が、アンテナ24を用いてICチップ31(非接触型ICカード3)の検索を行うとともに、アンテナコイル25を用いてICチップ41(光ディスク4)の検索を行う(ステップS11)。
【0052】
ICチップ31およびICチップ41を検出しないときは(ステップS11のNo)、両ICの検索を継続する。
ICチップ31およびICチップ41を検出したときは(ステップS11のYes)、通信制御部263が、アンテナ24を介してICチップ31(筐体20外部のICチップ)のコンテンツデータ311を読み出す(ステップS12)。
【0053】
次に、通信制御部263が、アンテナコイル25を介してICチップ41(筐体20内部のICチップ)のコンテンツデータ411を読み出す(ステップS13)。
次に、通信制御部263が、コンテンツデータ311の内容とコンテンツデータ411の内容とを比較する(ステップS14)。
【0054】
図6では、コンテンツデータ311の第1コンテンツ(ID:12341111)が購入済となっているのに対し、コンテンツデータ411の第1コンテンツ(ID:12341111)は未購入となっている。そこで、通信制御部263が、アンテナコイル25を介してICチップ41の第1コンテンツのフラグに購入済を書き込む(購入済に書き換える)(ステップS15)。
【0055】
以上で第1の実施の形態のRFIDシステム1の動作を終了する。
なお、ステップS14にてコンテンツデータ311とコンテンツデータ411との内容が等しい場合には、そのまま書き込み動作を終了する。
【0056】
以上述べたように、RFIDシステム1によれば、光ディスク記録再生装置2が、必要に応じて適切な認証の上でICチップ31の間の通信とは異なる周波数でICチップ41と通信を行って、ICチップ31に記録された購入情報をICチップ41に上書きすることができる。これにより、例えば、商品管理情報が格納されたICチップ41に、商品購入後に決済情報を書き込むような用途にも利用することができるため、光ディスク4に容易かつ確実に決済機能と商品管理機能の両方に購入したことの記録を残すことができる。すなわち、光ディスク4を、決済機能と商品管理機能との両方に適用させることができる。このように、いわゆるユビキタスな機器間の通信が容易になり、ひいてはユーザ(流通業者、小売業者、光ディスクを購入した所有者等)の利便性が向上する。
【0057】
なお、本実施の形態では、コンテンツデータ(メタデータ)311の内容をコンテンツデータ(メタデータ)411に書き込んだが、これに限らず、コンテンツデータ(メタデータ)411の内容をコンテンツデータ(メタデータ)311に書き込んでもよい。
【0058】
そして例えば、これらの一連のRFIDシステム1の動作が終了した後、光ディスク4の光学記録面(図示しない)に記録されている音声や静止画や動画などのコンテンツに関して、ICチップ41の各コンテンツデータ(メタデータ)に対応付けられている光学記録面の各コンテンツを決済情報や著作権情報に基づいて、再生すべきかどうか管理することができる。
【0059】
次に、RFIDシステムの第2の実施の形態について説明する。
以下、第2の実施の形態のRFIDシステムについて、前述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0060】
第2の実施の形態のRFIDシステムは、ICチップ31に格納されているコンテンツデータおよびICチップ41に格納されているコンテンツデータが異なる場合に、どちらのデータを採用するかを判断するためのデータを備えており、このデータを用いて書き込みを行う点が異なり、それ以外は第1の実施の形態と同様である。
【0061】
図7および図8は、第2の実施の形態のコンテンツデータを示す図である。
第2の実施の形態のICチップ31には、コンテンツデータ(メタデータ)311aが格納されている。図7に示すように、ICチップ31のコンテンツデータ311aの第1〜第3コンテンツは、固有のIDと、そのコンテンツを購入済か未購入かを判断するためのフラグに加えて、そのコンテンツの内容が新たに追加された日時またはコンテンツの内容が更新された日時に関する更新日(決済日)のデータを有している。図7では、第1コンテンツの更新日が2005/08/01であり、第2コンテンツの更新日が2005/01/01であり、第3のコンテンツの更新日が2005/04/01である。
【0062】
また、図8に示すように、第2の実施の形態のICチップ41のコンテンツデータ(メタデータ)411aの第1〜第2コンテンツも、固有のIDと、そのコンテンツを購入済か未購入かを判断するためのフラグに加えて、そのフラグが更新された更新日の情報を有している。図8では、第1コンテンツの更新日が2005/01/01であり、第2コンテンツの更新日が2005/04/01である。
【0063】
以下、第2の実施の形態の光ディスク記録再生装置の動作(書き込み動作)について説明する。
なお、初期状態として、コンテンツデータ311aは、図7に示すデータを有しており、コンテンツデータ411aは、図8に示すデータを有しているものとする。
【0064】
図9および図10は、第2の実施の形態のRFIDシステムの動作を説明するフローチャートである。
まず、第1の実施の形態のステップS11〜S13と同様にしてICチップ31のコンテンツデータ311aおよびICチップ41のコンテンツデータ411aを読み出す(ステップS21〜S23)。
【0065】
次に、通信制御部263が、コンテンツデータ311aの更新日とコンテンツデータ411aの更新日とを比較する(ステップS24)。具体的には通信制御部263が、ICチップ31の第1コンテンツの更新日とICチップ41の第1コンテンツの更新日とを比較し、ICチップ31の第3コンテンツの更新日とICチップ41の第2コンテンツの更新日とを比較する。
【0066】
次に、通信制御部263が、ステップS24の比較結果に基づいてICチップ31への書き込みを行う必要があるか否かを判断する(ステップS25)。
ICチップ31への書き込みを行う必要がない場合(ステップS25のNo)、ステップS27に移行する。
【0067】
一方、ICチップ31への書き込みを行う必要がある場合(ステップS25のYes)、書き込み処理を行う(ステップS26)。図9では、コンテンツデータ311aの第3コンテンツ(ID:12344567)が購入済となっているのに対し、コンテンツデータ411aの第2コンテンツ(ID:12344567)は未購入となっている。また、コンテンツデータ411aの第3コンテンツの更新日が2005/04/01となっているのに対し、コンテンツデータ311aの第2コンテンツの更新日が2005/01/01となっている。そこで通信制御部263が、より新しい情報としてICチップ41の情報を採用し、アンテナ24を介してICチップ31の第3コンテンツのフラグに購入済を書き込み、更新日の情報を更新する。
【0068】
次に、通信制御部263が、コンテンツデータ311aとコンテンツデータ411aとを比較し、ICチップ41への書き込みを行う必要があるか否かを判断する(ステップS27)。
【0069】
ICチップ41への書き込みを行う必要がない場合(ステップS27のNo)、動作を終了する。
一方、ICチップ41への書き込みを行う必要がある場合(ステップS27のYes)、書き込み処理を行う(ステップS28)。図9では、ICチップ31の第1コンテンツ(ID:12341111)が購入済となっているのに対し、ICチップ41の第1コンテンツ(ID:12341111)は未購入となっている。また、ICチップ31の第1コンテンツの更新日が2005/08/01となっているのに対し、ICチップ41の第1コンテンツの更新日が2005/01/01となっている。そこで通信制御部263が、より新しい情報としてコンテンツデータ311aの情報を採用し、アンテナ24を介してコンテンツデータ411aの第1コンテンツのフラグに購入済を書き込み、更新日の情報を更新する。
【0070】
以上で第2の実施の形態のRFIDシステムの動作を終了する。
この第2の実施の形態のRFIDシステムによれば、第1の実施の形態のRFIDシステム1と同様の効果が得られる。
【0071】
そして、第2の実施の形態のRFIDシステムによれば、さらに、コンテンツデータ(メタデータ)311aおよびコンテンツデータ(メタデータ)411aの内容が異なる場合に、どちらの情報を適用すればよいのかをより容易かつ確実に判断することができる。
【0072】
次に、RFIDシステムの第3の実施の形態について説明する。
以下、第3の実施の形態のRFIDシステム1aについて、前述した第2の実施の形態のRFIDシステムとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0073】
第3の実施の形態のRFIDシステム1aは、光ディスク記録再生装置と、非接触型ICカードおよび光ディスクとの通信方法が異なり、それ以外は第2の実施の形態と同様である。
【0074】
図11は、第3の実施の形態のRFIDシステムを示す模式図である。
第3の実施の形態の非接触型ICカード3aは、13.56MHzで例示される電磁誘導方式により通信を行うものであり、第1の周波数で通信可能なICチップ(RFIDチップ)31aとICチップ31aに電気的に接続されたアンテナコイル32aとを有している。
【0075】
ICチップ31aとしては特に限定されないが、例えばFelica(フェリカ、登録商標)チップやMifare(マイフェア、登録商標)チップ等が挙げられる。
第1の周波数のためのアンテナコイル32aは、同心円状または螺旋状に1ターンあるいはそれ以上のターン数で形成されている。
【0076】
ここで第3の実施の形態では、光ディスク記録再生装置2aが非接触型ICカード(非接触通信装置)3aと通信するための第1の周波数の電磁波を13.56MHzの電磁波とし、通信方式をISO/IEC 14443(JIS X6322)として例示する。
【0077】
また、第3の実施の形態の光ディスク4aは、2.45GHzで例示される電波方式による通信を行うものであり、第2の周波数で通信可能なICチップ(RFIDチップ)41aとICチップ41aに接続されたアンテナ42aとを有している。
【0078】
ICチップ41aとしては特に限定されないが、例えばミューチップ(登録商標)等が挙げられる。
ここで第3の実施の形態では、光ディスク記録再生装置2aが光ディスク4aと通信するための第2の周波数の電磁波を2.45GHzの電磁波とし、通信方式をISO/IEC 18000−4として例示する。
【0079】
第2の周波数のためのアンテナ42aは、ダイポールアンテナであり、各導線の先端部は、それぞれ折れ線形状をなしている。
また、第3の実施の形態の光ディスク記録再生装置2aは、リーダ/ライタ制御部26に接続されるアンテナとして、非接触型ICカード3aとの通信を行うためにアンテナコイル32aに対応して設けられたアンテナコイル24aと、ディスクトレイ21に載置された光ディスク4aとの通信を行うためにアンテナ42aに対応して設けられたアンテナ25aとを有している。
【0080】
この第3の実施の形態のRFIDシステム1aによれば、第2の実施の形態のRFIDシステムと同様の効果が得られる。
なお、前述した第1〜第3の実施の形態では、非接触通信ICを備える装置としてカード型の非接触型ICカード3、3aを用いたが、形状はこれに限らず、例えば、ラベル型、円筒型等を用いることができる。
【0081】
次に、RFIDシステムの第4の実施の形態について説明する。
以下、第4の実施の形態のRFIDシステムについて、前述した第3の実施の形態のRFIDシステム1aとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0082】
図12は、第4の実施の形態のRFIDシステムを示す模式図である。
第4の実施の形態のRFIDシステム1bは、非接触通信装置の装置構成が異なり、それ以外は第3の実施の形態と同様である。
【0083】
第4の実施の形態のRFIDシステム1bは、非接触型ICカード3aの代わりにリーダ/ライタ制御部26と同機能を有するリーダ/ライタ制御部26aを備える非接触通信装置3bを有している。
【0084】
このとき、光ディスク記録再生装置2のリーダ/ライタ制御部26と非接触通信装置3bのリーダ/ライタ制御部26aとの間で行われる通信方式としては、ISO/IEC 18092(NFCIP−1)を用いることが望ましい。
【0085】
ISO/IEC 18092の通信方式は、周波数が13.56MHzである電磁波を用いた電磁誘導方式により通信を行うものである。同じ13.56MHzの周波数を使う例えばISO/IEC 14443(JIS X6322)の通信方式では、非接触型ICカードはPICCと呼称され、非接触型ICリーダライタはPCDと呼称されており、その機能は非対称なものである。したがって、ISO/IEC 14443においてはPICCである非接触型ICカード3aの代わりに、ISO/IEC 14443においてはPCDであるリーダ/ライタ制御部26と同機能を有するリーダ/ライタ制御部26aを有したとしても、リーダ/ライタ制御部26とリーダ/ライタ制御部26aとの間で通信はできない。
【0086】
そこで、第4の実施の形態のRFIDシステム1bの通信方式としては、その機能が対称的であるISO/IEC 18092(NFCIP−1)を用いて、リーダ/ライタ制御部26がイニシエータ(Initiator)の役割によってターゲット(Target)となるリーダ/ライタ制御部26aを呼び出す、または、リーダ/ライタ制御部26aがイニシエータ(Initiator)の役割によってターゲット(Target)となるリーダライタ制御部26を呼び出すことで通信を開始する。
【0087】
次に、第4の実施の形態のRFIDシステムの動作(書き込み動作)について説明する。
図13は、第4の実施の形態のRFIDシステムの動作の流れを示す図である。
【0088】
まず、非接触通信装置3bが、接続要求を待機している光ディスク記録再生装置2aの通信範囲内に接近すると、光ディスク記録再生装置2aに対して接続要求を出力する(ステップS51)。
【0089】
次に、光ディスク記録再生装置2aが、非接触通信装置3bの接続要求に応答する(ステップS52)。
ここで例えば、ステップS51およびステップS52の通信手順は、非接触通信装置3bをイニシエータ(Initiator)とし、光ディスク記録再生装置2aをターゲット(Target)としたISO/IEC 18092(NFCIP−1)における活性化手順(Activation Protocol)を用いることができる。
【0090】
そして、光ディスク記録再生装置2aが、光ディスク4aのICチップ41aを検索する(ステップS53)。
ICチップ41aは、光ディスク記録再生装置2aからの電波を受け取ると、応答信号を出力する(ステップS54)。
【0091】
ここで例えば、ステップS53およびステップS54の通信手順は、光ディスク記録再生装置2aをリーダ(Reader)とし、光ディスク4aのICチップ41aをタグ(Tag)としたISO 18000−4におけるタグ検出とアンチコリジョン手順を用いることができる。
【0092】
次に、非接触通信装置3bが、光ディスク記録再生装置2aに対して読み出し要求を出力する(ステップS55)。ここでは、ID:12341111を備えるコンテンツ(IC41aの第1コンテンツ)の読み出し要求を出力する。
【0093】
次に、光ディスク記録再生装置2aが、光ディスク4aに対して読み出し信号を出力する(ステップS56)。
ICチップ41aは、光ディスク記録再生装置2aからの電波を受け取ると、第1コンテンツを含む応答信号を出力する(ステップS57)。
【0094】
そして、光ディスク記録再生装置2aが、非接触通信装置3bの読み出し要求に応答して第1コンテンツを出力する(ステップS58)。
ここで例えば、ステップS55およびステップS58の通信手順は、非接触通信装置3bをイニシエータ(Initiator)とし、光ディスク記録再生装置2aをターゲット(Target)としたISO/IEC 18092(NFCIP−1)におけるデータ交換手順(Data Exchange Protocol)を用いることができる。また、ステップS56およびステップS57の通信手順は、光ディスク記録再生装置2aをリーダ(Reader)とし、光ディスク4aのICチップ41aをタグ(Tag)としたISO 18000−4におけるデータ読み出しコマンドを用いることができる。
【0095】
次に、非接触通信装置3bが、第1コンテンツを確認し、書き換え要求を出力する(ステップS59)。ここでは、ID:12341111のフラグを購入済に書き換え、更新日を2005/08/01に書き換える要求を出力する(ステップS59)。
【0096】
次に、光ディスク記録再生装置2aが、ステップS59の書き換え要求に応じてステップS56およびステップS57で読み出した第1コンテンツとの比較を行い、光ディスク記録再生装置2a内部の一時保存情報を書き換える(ステップS60)。
【0097】
次に、光ディスク記録再生装置2aが、書き換えた第1コンテンツをICチップ41aのコンテンツデータ411aに上書きする(ステップS61)。
次に、ICチップ41aが、上書きに対する応答信号を出力する(ステップS62)。
【0098】
次に、光ディスク記録再生装置2aが、非接触通信装置3bに書き換え要求に応答する(ステップS63)。
ここで例えば、ステップS59およびステップS63の通信手順は、非接触通信装置3bをイニシエータ(Initiator)とし、光ディスク記録再生装置2aをターゲット(Target)としたISO/IEC 18092(NFCIP−1)におけるデータ交換手順(Data Exchange Protocol)を用いることができる。また、ステップS61およびステップS62の通信手順は、光ディスク記録再生装置2aをリーダ(Reader)とし、光ディスク4aのICチップ41aをタグ(Tag)としたISO 18000−4におけるデータ書き換えコマンドを用いることができる。
【0099】
以上で第4の実施の形態のRFIDシステム1bの動作を終了する。そして例えば、これらの一連のRFIDシステム1bの動作が終了した後、光ディスク4aの光学記録面(図示しない)に記録されている音声や静止画や動画などのコンテンツに関して、ICチップ41aの各コンテンツデータ(メタデータ)に対応付けられている光学記録面の各コンテンツを決済情報や著作権情報に基づいて、再生すべきかどうか管理することができる。
【0100】
この第4の実施の形態のRFIDシステム1bによれば、第3の実施の形態のRFIDシステム1aと同様の効果が得られる。
そして、第4の実施の形態のRFIDシステム1bによれば、さらに、非接触通信装置3bを光ディスク記録再生装置2aと通信させることで、あたかも周波数の異なる通信方式で動作している非接触型IC41aを備える光ディスク4aと直接通信しているかのように動作させることができる。すなわち、本発明による光ディスク再生装置2aを介在させることで、すでに非接触通信装置3bにコンテンツ管理機能や課金機能や決済機能などに関する通信機能が備わっている場合には、非接触通信装置3bの動作には何ら変更を加えることなく、周波数の異なる通信方式での通信機能を備えた光ディスク4aと通信を行うことができる。
【0101】
なお、第4の実施の形態のRFIDシステム1bに用いる光ディスク記録再生装置2aおよび非接触通信装置3bとしては特に限定されないが、例えば上述のようにISO/IEC 18092(NFCIP−1)で規定されるNFC(Near Field Communication)規格に適応する装置であるのが好ましい。また、非接触通信装置3bとしては特に限定されないが、例えば携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)、デジタルカメラ等が挙げられる。
【0102】
光ディスク記録再生装置2aおよび非接触通信装置3bにNFC規格を適用させた場合、非接触通信装置3bは、FeliCa(登録商標)およびMifare(登録商標)のリーダにもなるほか、カードSAM(Secure Application Module)を装備することで非接触通信装置3b自身が非接触型ICカードとしての役割をも果たすことができる。
【0103】
また、第4の実施の形態のRFIDシステム1bに用いる光ディスク記録再生装置2aおよび光ディスク4aのICチップ41aとしては特に限定されないが、例えば上述のようにISO 18000−4規格に適応するICチップであるのが好ましい。また、光ディスク4aとしては特に限定されないが、例えばCD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD±RW、HD−DVDディスク、ブルーレイディスク(登録商標)等が挙げられる。また、ICチップ41aとしては特に限定されないが、例えばミューチップ(登録商標)やEPCグローバル(EPC Global)が標準化を行っている規格に準拠したチップ等が挙げられる。
【0104】
なお、前述した各実施の形態の説明では、RFID(非接触型IC)の通信周波数として電磁誘導方式では、13.56MHzを適用し、電波方式では2.45GHzを適用したが、これに限らず、電波方式としては、例えばUHF帯(日本:950〜956MHz(予定)、米国:902〜928MHz、欧州:865〜868MHz)等を用いることもできる。また、それらの通信周波数における通信方法として、電磁誘導方法と電波方法との組み合わせを用いたが、これに限らず電磁結合方法や静電結合方法等、他の通信方法との組合せを用いてもよい。
【0105】
以上、本発明の光ディスク記録再生装置および光ディスク記録再生方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0106】
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、前述した各実施の形態では、記録・再生機能を有する光ディスク記録再生装置について説明したが、本発明は、再生機能だけを有する光ディスク再生装置にも適用することができる。
【0107】
なお、前述した各実施の形態では、光ディスク4aの光学記録面(図示しない)に記録されている音声や静止画や動画などのコンテンツを再生する場合について説明したが、CD−RやCD−RWやDVD±RやDVD±RWなどのように光ディスク4aの光学記録面(図示しない)に音声や静止画や動画などのコンテンツを記録する場合にも、そのコンテンツに対応付けられているコンテンツデータ(メタデータ)を非接触型ICカード3または非接触型ICカード3aまたは光ディスク4または光ディスク4aの中のそれぞれの非接触ICに書き込む動作や、非接触通信装置3bのメモリに書き込む動作を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】第1の実施の形態のRFIDシステムを示す模式図である。
【図2】図1に示す光ディスク記録再生装置および光ディスクを示す側面断面図である。
【図3】リーダ/ライタ制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態のコンテンツデータを示す図である。
【図5】第1の実施の形態のコンテンツデータを示す図である。
【図6】第1の実施の形態の光ディスク記録再生装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態のコンテンツデータを示す図である。
【図8】第2の実施の形態のコンテンツデータを示す図である。
【図9】第2の実施の形態のRFIDシステムの動作を説明するフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態のRFIDシステムの動作を説明するフローチャートである。
【図11】第3の実施の形態のRFIDシステムを示す模式図である。
【図12】第4の実施の形態のRFIDシステムを示す模式図である。
【図13】第4の実施の形態のRFIDシステムの動作の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0109】
1、1a、1b……RFIDシステム、2、2a……光ディスク記録再生装置、3、3a……非接触型ICカード(非接触通信装置)、3b……非接触通信装置、4……光ディスク、24、25a、32、42a……アンテナ、24a、25、32a、42……アンテナコイル、26、26a……リーダ/ライタ制御部、31、31a……ICチップ(RFIDチップ)、311、311a……コンテンツデータ、41、41a……ICチップ(RFIDチップ)、411、411a……コンテンツデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触通信ICとの通信機能を備える光ディスク記録再生装置において、
筐体と、
筐体外部の前記非接触通信ICとの通信を行うために設けられた外部通信用アンテナと、
筐体内部に挿入される光ディスクに設けられた前記非接触通信ICとの通信を行うために設けられた内部通信用アンテナと、
第1の周波数を用いて、前記筐体外部の前記非接触通信ICとの情報通信を行い、かつ、第2の周波数を用いて、前記光ディスクの前記非接触通信ICとの情報通信を行う制御部と、
を有することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記筐体外部の前記非接触通信ICから読み取った情報を前記光ディスクの前記非接触通信ICに書き込む、または前記光ディスクの前記非接触通信ICから読み取った情報を前記筐体外部の前記非接触通信ICに書き込むことを特徴とする請求項1記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記書き込みを前記光ディスクの再生中または記録中に行うことを特徴とする請求項2記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項4】
前記情報通信は、決済に関する情報の通信であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項5】
前記決済に関する情報は、決済日の情報を有することを特徴とする請求項4記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項6】
前記第1の周波数および前記第2の周波数のうちの一方は電磁誘導により通信可能な周波数であり、他方は電波により通信可能な周波数であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項7】
前記筐体外部の前記非接触通信ICは、前記非接触通信ICに対して情報を読み出しおよび書き込み可能な機能を備える通信装置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項8】
非接触通信ICとの通信を行う光ディスク記録再生方法において、
光ディスク記録再生装置が、
第1の周波数を用いて検出された非接触通信ICの情報を読み出すステップと、
第2の周波数を用いて光ディスクの非接触通信ICの情報を読み出すステップと、
前記検出された前記非接触通信ICの情報と前記光ディスクの前記非接触通信ICの情報とを比較するステップと、
比較した前記情報が異なる場合、前記検出された前記非接触通信ICの情報と前記光ディスクの前記非接触通信ICの情報との整合を取るステップと、
を有することを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項9】
前記第1の周波数を用いて検出される前記非接触通信ICは、前記非接触通信ICに対して情報を読み出しおよび書き込み可能な機能を備える通信装置に設けられており、
前記光ディスク記録再生装置は、前記非接触通信ICの通信要求を待機し、前記通信要求に応じて前記非接触通信ICの情報を読み出すことを特徴とする請求項8記載の光ディスク記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−183788(P2007−183788A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1270(P2006−1270)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】