光デバイスまたは光変調装置
【課題】印加電界に対して複雑な屈折率特性を有する結晶を用いて、高速な光変調器動作をさせる。
【解決手段】基板と、基板上に形成され、並走する第1光導波路および第2光導波路を有する誘電体膜と、誘電体膜上に形成され、第1光導波路および第2光導波路の間に配置された信号線と、第1光導波路に対する第2光導波路とは反対側の第1領域および第2光導波路に対する第1光導波路とは反対側の第2領域に配置された第1および第2バイアス電極とを有する伝送線路と、第1バイアス電極および第2バイアス電極に互いに異なる第1バイアス電圧および第2バイアス電圧を印加し、信号線に第1バイアス電圧および第2バイアス電圧の間の制御電圧を印加する駆動回路部と、を備える光デバイスを提供する。
【解決手段】基板と、基板上に形成され、並走する第1光導波路および第2光導波路を有する誘電体膜と、誘電体膜上に形成され、第1光導波路および第2光導波路の間に配置された信号線と、第1光導波路に対する第2光導波路とは反対側の第1領域および第2光導波路に対する第1光導波路とは反対側の第2領域に配置された第1および第2バイアス電極とを有する伝送線路と、第1バイアス電極および第2バイアス電極に互いに異なる第1バイアス電圧および第2バイアス電圧を印加し、信号線に第1バイアス電圧および第2バイアス電圧の間の制御電圧を印加する駆動回路部と、を備える光デバイスを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイスまたは光変調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印加する電界強度に対して屈折率の変化がLiNbO3(LN)とは異なる、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PbLaZrTiO系の複合酸化物、PLZTと略す)結晶等を用いたマッハツェンダ型光デバイスが知られていた(例えば、特許文献1参照)。このような光デバイスは、マッハツェンダ導波路の外側の2つの電極にバイアス電圧と制御電圧とを印加して、光変調器として動作させることが知られていた(例えば、非特許文献1参照)。
特許文献1 特開2006−58837号公報
非特許文献1 G.H. Jin, et al., "PLZT Film Waveguide Mach-Zehnder Electrooptic Modulator", Journal of Lightwave Technology, Vol. 18, No. 6, June 2000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような光デバイスは、マッハツェンダ導波路の外側の2つの電極に高速な制御信号を印加する方法がとられていたが、この場合は、複数のバイアスT、付加回路、および差動信号ドライバ等が必要になり、複雑な制御回路になっていた。また、この場合、マッハツェンダ導波路の内側の電極をGNDとして用いることになるので、高周波電界を印加して動作させると電極の面積が不十分になってGNDとして機能しないなど、電極の設計が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、基板と、基板上に形成され、並走する第1光導波路および第2光導波路を有する誘電体膜と、誘電体膜上に形成され、第1光導波路および第2光導波路の間に配置された信号線と、第1光導波路に対する第2光導波路とは反対側の第1領域および第2光導波路に対する第1光導波路とは反対側の第2領域に配置された第1および第2バイアス電極とを有する伝送線路と、第1バイアス電極および第2バイアス電極に互いに異なる第1バイアス電圧および第2バイアス電圧を印加し、信号線に第1バイアス電圧および第2バイアス電圧の間の制御電圧を印加する駆動回路部とを備える光デバイスを提供する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本実施形態に係る光デバイス部100の構成例を駆動回路部200と共に示す。
【図2】図1のA−A'断面を、駆動回路部200と共に示す。
【図3】本実施形態に係る誘電体膜20の印加電界に対する屈折率の変化の一例を示す。
【図4】本実施形態に係る駆動回路部200の駆動電圧VRFの一例を示す。
【図5】本実施形態に係る光デバイス部100の電極間電圧の一例を示す。
【図6】本実施形態に係る光デバイス部100の変形例を駆動回路部200と共に示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、本実施形態に係る光デバイス部100の構成例を駆動回路部200と共に示す。光デバイス部100は、印加電界強度に対する屈折率の変化がLiNbO3(LN)とは異なる強誘電体結晶で形成されるマッハツェンダ型光導波路と、信号線と信号線を挟む2つのバイアス印加電極を有するコプレーナ型電極とを備え、マッハツェンダ光導波路へ効率的に変調電界を印加して、入力された光を変調電界に応じて変調させて出力する。光デバイス部100は、第1光導波路110と、第2光導波路120と、信号線130と、第1バイアス電極132と、第2バイアス電極134と、第1光カプラ140と、第2光カプラ142とを備える。
【0009】
第1光導波路110および第2光導波路120は、誘電体材料の断面を凸状にしたリッジ型の構造をとり、入力される光を伝送する。第1光導波路110および第2光導波路120は、伝送する光の波長に応じた幅および高さで凸状に形成されてよい。
【0010】
信号線130は、第1光導波路110および第2光導波路120の間に配置される。信号線130は、一端が周波数信号源260に接続され、他端が終端抵抗250に接続され、一端から入力される周波数信号を他端へと伝送する。
【0011】
第1バイアス電極132は、信号線130と、第1光導波路110に対する第2光導波路120とは反対側の領域に配置される。第1バイアス電極132は、第1バイアス電圧が印加される。第2バイアス電極134は、信号線130と、第2光導波路120に対する第1光導波路110とは反対側の領域に配置される。第2バイアス電極134は、第2バイアス電圧が印加される。
【0012】
ここで、信号線130、第1バイアス電極132、および第2バイアス電極134は、コプレーナ伝送線路を形成する。即ち、信号線130の線幅、信号線130と第1バイアス電極132との間隔、および信号線130と第2バイアス電極134との間隔は、信号線130が伝送する信号周波数に応じて予め定められた値で形成される。これによって、信号線130は、数十GHzに至る高周波信号を伝送することができる。
【0013】
第1光カプラ140は、光デバイス部100への入力光を分岐して第1光導波路110および第2光導波路120へと導く。第2光カプラ142は、第1光導波路110および第2光導波路120からの光を合波する。第2光カプラ142は、合波した光を光デバイス部100の出力光として出力する。
【0014】
第1光カプラ140および第2光カプラ142は、2つの入力部のいずれの入力部から入力される光を1対1に分岐して2つの出力部からそれぞれ出力する、2入力2出力の3dB光カプラであってよい。これに代えて、第1光カプラ140は1入力2出力の光分岐カプラ、第2光カプラ142は2入力1出力の光合波カプラであってよい。第1光カプラ140および第2光カプラ142は、マルチモード干渉(MMI)カプラであってよい。
【0015】
ここで、第1光導波路110、第2光導波路120、第1光カプラ140、および第2光カプラ142は、マッハツェンダ型光導波路を形成する。即ち、光デバイス部100は、入力光を第1光カプラ140で2つに分岐して第1光導波路110および第2光導波路120へと伝送させ、第2光カプラ142で合波して合波した光を出力する。ここで光デバイス部100は、駆動回路部200からコプレーナ伝送路に印加された信号に応じて、第1光導波路110および第2光導波路120に電界を印加して伝送する光の位相を変調し、第2光カプラ142で合波することで位相差に応じて強度変調された光を出力する。
【0016】
駆動回路部200は、第1バイアス電極132および第2バイアス電極134に互いに異なる第1バイアス電圧および第2バイアス電圧を印加し、信号線130に第1バイアス電圧および第2バイアス電圧の間の制御電圧を印加する。駆動回路部200は、基準電圧210と、第1電源部220と、第2電源部222と、第1インダクタ230と、第2インダクタ232と、第1コンデンサ240と、第2コンデンサ242と、終端抵抗250と、周波数信号源260を備える。
【0017】
基準電圧210は、予め定められた電圧を供給する。本実施例において、基準電圧210は、GND(0V)電圧である。
【0018】
第1電源部220は、第1バイアス電圧を、第1インダクタ230を介して第1バイアス電極132へ供給する。第1インダクタ230は、第1バイアス電圧を出力する第1電源部220と第1バイアス電極132との間に接続される。
【0019】
第1コンデンサ240は、基準電圧210と第1バイアス電極132との間に接続される。これによって、第1バイアス電極132は、直流成分をオープンとしつつ、駆動周波数成分を低抵抗で基準電圧であるGND電圧に接続する。
【0020】
第2電源部222は、第2バイアス電圧を、第2インダクタ232を介して第2バイアス電極134へ供給する。第2インダクタ232は、第2バイアス電圧を出力する第2電源部222と第2バイアス電極134との間に接続される。
【0021】
第2コンデンサ242は、基準電圧210と第2バイアス電極134との間に接続される。これによって、第2バイアス電極134は、直流成分をオープンとしつつ、駆動周波数成分を低抵抗で基準電圧であるGND電圧に接続する。
【0022】
終端抵抗250は、信号線130を終端する。一例として、信号線130は特性インピーダンスが50Ωの伝送線路であり、終端抵抗250の抵抗値は50Ωである。
【0023】
周波数信号源260は、信号線130に予め定められた周波数の周波数信号を制御信号として供給する。ここで、周波数信号源260は、数十GHzに至る周波数信号を供給してよい。
【0024】
以上のように、第1バイアス電極132および第2バイアス電極134は、第1バイアス電圧および第2バイアス電圧がそれぞれ供給されつつ、高周波数的にはGND電圧に接続され、信号線130は、一端が終端され他端から高周波信号が供給される。即ち、信号線130、第1バイアス電極132、および第2バイアス電極134は、周波数信号源260が供給する駆動周波数においてコプレーナ伝送路として機能する。
【0025】
図2は、図1のA−A'断面を、駆動回路部200と共に示す。ここで、本図において、図1に示された本実施形態に係る光デバイス部100および駆動回路部200の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。光デバイス部100は、基板10と、誘電体膜20と、絶縁膜30とを備える。
【0026】
基板10は、単結晶材料で形成される。例えば、基板10は、Al2O3(サファイア)基板またはMgO基板である。一例として、基板10は、サファイア基板の(1102)面が表面になるように切り出されて研磨された、R−cutサファイアと呼ばれる基板である。
【0027】
これに代えて、基板10は、何らかの層が基板上に積層されたものでよい。即ち基板10は、表面上に誘電体膜20を成膜するので、基板材料が誘電体膜20へ拡散することの防止および/または誘電体膜20と格子整合のするためのバッファ層が積層された基板でよい。
【0028】
誘電体膜20は、基板10上に形成され、並走する第1光導波路110および第2光導波路120を有する。また、誘電体膜20は、第1光導波路110および第2光導波路120とそれぞれ接続する第1光カプラ140および第2光カプラ142を有する。
【0029】
誘電体膜20は、強誘電体薄膜である。誘電体膜20は、エピタキシャル成長で形成されてよい。誘電体膜20は、例えば10μm以下の厚さの薄膜でよい。また、誘電体膜20は、850nm帯、1300nm帯、および1500nm帯といった光通信で用いられる波長の光を伝送する光導波路のコア材料を形成してよい。また、誘電体膜20は、伝送する光の波長に基づいて、膜厚が設計されてよい。
【0030】
誘電体膜20は、PZT薄膜、PLZT薄膜、またはBaTiO3薄膜といった強誘電体薄膜である。PLZT結晶、PZT結晶、およびBaTiO3結晶等は、結晶構造の一種であるペロブスカイト構造を有する強誘電体結晶であり、温度および材料組成によって正方晶、斜方晶、菱面体晶、または立方晶等の結晶構造に変化する。しかしながら、PLZT結晶等は、特定の基板上に薄膜として成長させると、基板材料の格子定数とバルクの単結晶基板の格子定数とが異なるので、薄膜に応力が印加されて結晶構造が変化する場合がある。
【0031】
例えば、誘電体膜20であるPLZT薄膜がサファイア(1102)基板上に形成された場合、PLZT薄膜は、 PLZT[110]方向に優先配向する。このように、誘電体膜20は、結晶配列方向を適切に選択した基板10上に適切な構造の結晶として形成されると、基板10の表面と並行に結晶が配向するので、自発分極の方向を基板10の面と並行にすることができる。これにより、光デバイス部100は、PLZT薄膜の分極容易軸に対して平行に電界を印加するデバイスに適した基板を提供できる。
【0032】
絶縁膜30は、誘電体膜20上に形成される。絶縁膜30は、SiO2またはSiNxを含む。絶縁膜30は、誘電体膜20より比誘電率が低い低誘電率膜でよい。ここで、基板10も、誘電体膜20より比誘電率が低くてよい。例えば、絶縁膜30および基板10の比誘電率はそれぞれ10以下、誘電体膜20の比誘電率は数百から数千程度である。
【0033】
これによって、比誘電率の高い誘電体膜20は、比誘電率および屈折率の低い基板10と絶縁膜30で挟まれる構造になるので、効率的な光の閉じ込め効果を有する第1光導波路110および第2光導波路120を形成することができる。また、光デバイス部100に変調信号を与えて変調器として用いる場合、基板10および絶縁膜30の厚みや材質を変えて実効誘電率を調整することで、変調信号の伝送速度と第1光導波路110および第2光導波路120を伝送する光波の伝送速度とを一致させる速度整合を実現させることができる。また、基板10と絶縁膜30は、変調信号を伝送させる伝送ラインの特性インピーダンスを、例えば50Ωといった予め定められた値にすることができる。
【0034】
信号線130と第1バイアス電極132および第2バイアス電極134とを有する伝送線路は、絶縁膜上に形成される。伝送線路は、金を含む金属で形成されてよい。伝送線路は、第1光導波路110および第2光導波路120に対して、基板10の表面と平行な方向の電界を印加する。例えば、信号線130および第1バイアス電極132は、図中のV1で示したように、第1光導波路110に電界を印加し、信号線130および第2バイアス電極134は、図中のV2で示したように、第2光導波路120に電界を印加する。
【0035】
図3は、本実施形態に係る誘電体膜20の印加電界に対する屈折率の変化の一例を示す。図中の横軸は、誘電体膜20へ印加する電圧に応じて生じる印加電界強度を示す。縦軸は、誘電体膜20の印加電界に対する屈折率の変化を示す。
【0036】
PLZT結晶、PZT結晶、およびBaTiO3結晶等によって形成される誘電体膜20は、印加電界に対して分極反転を生じるので、印加電界に対して直線的な屈折率変化を示すLN結晶等とは異なり、印加電界に対して例えばバタフライ形状の複雑な屈折率変化を示す。したがって、誘電体膜20は、制御信号として正弦波電圧を印加する場合に、オフセット電圧を加えないと、屈折率の変化は正弦波から歪んだ特性となる。ここで、自発分極を有し、印加電界に対して分極が反転する誘電体膜を強誘電体膜と呼ぶ。
【0037】
一方、正負の印加電界範囲において直線的な屈折率変化を示すLN結晶等は、マッハツェンダ型光導波路を形成して光変調器として用いる場合、G(グランド)、S(シグナル)、G(グランド)電極を備えるコプレーナ伝送線路を形成して変調動作させることが知られている。このようなLN光変調器は、マッハツェンダ型光導波路の並走する2本の光導波路間にS電極が配置されて制御信号が印加され、当該並走する2本の光導波路は、互いに逆方向の電界がそれぞれ印加される。即ち、並走する2本の光導波路を通過する光は、逆方向の位相変化を受けて光変調動作する。
【0038】
しかしながら、PLZT等の強誘電体は、図のように、印加電界強度の絶対値の変化に対して、正の印加電界範囲の屈折率の傾きと、負の印加電界範囲の屈折率の傾きとが、ほぼ一致するように変化する。このような強誘電体を用いた光デバイスは、LN光変調器と同様のGSG型のコプレーナ伝送線路を適用する場合、並走する2本の光導波路に同一方向の電界が印加される。即ち、並走する2本の光導波路内を通過する光は、同一方向の位相変化を受けて位相差が得られないので、PLZT等の強誘電体を用いた光デバイスは、光変調器または光スイッチとしての動作が不安定、または動作不能となっていた。
【0039】
これに対して、本実施例の駆動回路部200は、オフセット電圧であるバイアス電圧Vbを制御信号に加えて誘電体膜20に印加する。ここで、バイアス電圧Vbは、バイアス電圧Vbを中心として制御信号の振幅電圧だけ増減しても、誘電体膜20の屈折率変化がほぼ直線的に変化するように、予め定められてよい。一例として、制御信号の振幅電圧を20Vとすると、80〜120Vの範囲でほぼ直線的に変化する誘電体膜20の屈折率変化を用いるように、Vbは100Vと定められる。
【0040】
このように、バイアス電圧Vbを印加することによって、誘電体膜20は、印加された制御信号とほぼ相似な屈折率変化の特性を示すことができる。ここで、図中の例における誘電体膜20は、印加電界に対して負の傾きの屈折率変化を示すので、印加された正弦波の制御信号に対して位相が反転する。
【0041】
図4は、本実施形態に係る駆動回路部200の駆動電圧VRFの一例を示す。図中の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示す。ここで、第1バイアス電極132は、第1バイアス電圧として正極のバイアスが印加されるバイアス電極であり、第2バイアス電極134は、第2バイアス電圧として負極のバイアスが印加されるバイアス電極である。
【0042】
例えば、第1電源部220は、第1バイアス電圧としてVb+(=100V)を、第1バイアス電極132へ供給し、第2電源部222は、第2バイアス電圧としてVb−(=−100V)を、第2バイアス電極134へ供給する。また、周波数信号源260は、第1バイアス電圧Vb+および第2バイアス電圧Vb−の間の制御信号である振幅20Vの正弦波信号VRFを信号線130に印加する。
【0043】
したがって、第1光導波路110は、第1バイアス電圧Vb+が印加された第1バイアス電極132と、正弦波信号VRFが印加された信号線130との電極間電圧V1=Vb+−VRFが印加される。同様に、第2光導波路120は、第2バイアス電圧Vb−が印加された第2バイアス電極134と、正弦波信号VRFが印加された信号線130との電極間電圧V2=VRF−Vb−が印加される。
【0044】
図5は、本実施形態に係る光デバイス部100の電極間電圧の一例を示す。図中の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示す。電極間電圧V1=Vb+−VRFは、Vb+(=100V)を中心に、振幅20Vだけ増減する位相が180度反転した正弦波信号の波形となる。また、電極間電圧V2=VRF−Vb−は、−Vb−(=Vb+=100V)を中心に、振幅20Vだけ増減する正弦波信号の波形となる。
【0045】
即ち、駆動回路部200は、光デバイス部100の第1光導波路110および第2光導波路120に対して、逆位相の電界を印加することができる。このように、駆動回路部200は、第1光導波路110および第2光導波路120にpush−pull駆動することで、第1光導波路110または第2光導波路120の片側だけに電界を印加する片側駆動に比べて、2つの光導波路を伝わる光の位相差を約2倍にすることができる。
【0046】
このように、駆動回路部200は、1つの周波数信号源260からの制御信号を用いて、PLZT等で形成された第1光導波路110および第2光導波路120にpush−pull駆動させる電界を効率的に印加することができる。これによって、光デバイス部100および駆動回路部200は、複数のバイアスT、付加回路、および差動信号ドライバ等を用いずに光変調動作を実行することができる。
【0047】
以上の本実施形態に係る光デバイス部100および駆動回路部200によれば、印加電界強度に対して屈折率が複雑に変化するPLZT結晶等を用いたマッハツェンダ型光デバイスに対して、コプレーナ型電極を形成して高速な制御信号を伝送させつつ、制御信号に応じて2つの光導波路に逆位相の電界を印加することができる。これによって、光デバイス部100は、数十GHzの制御信号に追随する光変調器として動作することができる。
【0048】
以上の本実施形態において、光デバイス部100は、絶縁膜30を備え、変調信号の伝送速度と第1光導波路110および第2光導波路120を伝送する光波の伝送速度とを一致させて速度整合することを説明した。これに代えて、制御信号が数GHz程度以下等、速度整合が必要ない場合は、絶縁膜30は無くてもよい。この場合、信号線130と第1バイアス電極132および第2バイアス電極134とを有する伝送線路は、誘電体膜20上に形成される。
【0049】
図6は、本実施形態に係る光デバイス部100の変形例を駆動回路部200と共に示す。本図において、図1および図2に示された本実施形態に係る光デバイス部100および駆動回路部200の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。本変形例において、光デバイス部100は、接地電極610、612と、外部電極部620、622と、第3コンデンサ630と、第4コンデンサ632とを備える。
【0050】
接地電極610は、信号線130と、第1光導波路110に対する第2光導波路120とは反対側の領域において、誘電体膜20と接してまたは絶縁膜30の内部に設けられ、予め定められた基準電圧に接続される。接地電極612は、信号線130と、第2光導波路120に対する第1光導波路110とは反対側の領域において、誘電体膜20と接してまたは絶縁膜30の内部に設けられ、予め定められた基準電圧に接続される。
【0051】
外部電極部620は、絶縁膜30上に形成され、接地電極610と電気的に接続される。外部電極部620は、駆動回路部200の基準電圧210に接続される。外部電極部622は、絶縁膜30上に形成され、接地電極612と電気的に接続される。外部電極部622は、駆動回路部200の基準電圧210に接続される。
【0052】
第3コンデンサ630は、接地電極610と第1バイアス電極132との間に接続される。第3コンデンサ630は、例えば、金属で形成された2枚の電極膜を絶縁膜30内に有し、当該電極膜内の絶縁物を誘電体としたコンデンサである。これに代えて、第3コンデンサ630は、金属で形成された1枚の電極膜を絶縁膜30内に有し、当該電極膜と接地電極610との間の絶縁物を誘電体としたコンデンサであってよい。
【0053】
第4コンデンサ632は、接地電極612と第2バイアス電極134との間に接続される。第4コンデンサ632は、例えば、金属で形成された2枚の電極膜を絶縁膜30内に有し、当該電極膜内の絶縁物を誘電体としたコンデンサである。これに代えて、第4コンデンサ632は、金属で形成された1枚の電極膜を絶縁膜30内に有し、当該電極膜と接地電極612との間の絶縁物を誘電体としたコンデンサであってよい。
【0054】
このように、本変形例の光デバイス部100は、絶縁膜30内に、絶縁膜30の一部の絶縁物を用いたコンデンサを形成する。これによって、駆動回路部200の第1コンデンサ240および第2コンデンサ242を省略することができる。
【0055】
以上の実施形態において、駆動回路部200は、周波数信号源260を備え、信号線130に予め定められた周波数の周波数信号を供給する例を説明した。これに代えて、駆動回路部200は、パルス信号源またはスイッチ回路等を備え、信号線130にパルス信号またはスイッチング制御信号を供給してもよい。これによって、光デバイス部100は、パルス信号またはスイッチング制御信号に応じて、入力された光を出力するか否かを切り換える光スイッチとして動作することができる。
【0056】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0057】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0058】
10 基板、20 誘電体膜、30 絶縁膜、100 光デバイス部、110 第1光導波路、120 第2光導波路、130 信号線、132 第1バイアス電極、134 第2バイアス電極、140 第1光カプラ、142 第2光カプラ、200 駆動回路部、210 基準電圧、220 第1電源部、222 第2電源部、230 第1インダクタ、232 第2インダクタ、240 第1コンデンサ、242 第2コンデンサ、250 終端抵抗、260 周波数信号源、610 接地電極、612 接地電極、620 外部電極部、622 外部電極部、630 第3コンデンサ、632 第4コンデンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイスまたは光変調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印加する電界強度に対して屈折率の変化がLiNbO3(LN)とは異なる、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PbLaZrTiO系の複合酸化物、PLZTと略す)結晶等を用いたマッハツェンダ型光デバイスが知られていた(例えば、特許文献1参照)。このような光デバイスは、マッハツェンダ導波路の外側の2つの電極にバイアス電圧と制御電圧とを印加して、光変調器として動作させることが知られていた(例えば、非特許文献1参照)。
特許文献1 特開2006−58837号公報
非特許文献1 G.H. Jin, et al., "PLZT Film Waveguide Mach-Zehnder Electrooptic Modulator", Journal of Lightwave Technology, Vol. 18, No. 6, June 2000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような光デバイスは、マッハツェンダ導波路の外側の2つの電極に高速な制御信号を印加する方法がとられていたが、この場合は、複数のバイアスT、付加回路、および差動信号ドライバ等が必要になり、複雑な制御回路になっていた。また、この場合、マッハツェンダ導波路の内側の電極をGNDとして用いることになるので、高周波電界を印加して動作させると電極の面積が不十分になってGNDとして機能しないなど、電極の設計が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、基板と、基板上に形成され、並走する第1光導波路および第2光導波路を有する誘電体膜と、誘電体膜上に形成され、第1光導波路および第2光導波路の間に配置された信号線と、第1光導波路に対する第2光導波路とは反対側の第1領域および第2光導波路に対する第1光導波路とは反対側の第2領域に配置された第1および第2バイアス電極とを有する伝送線路と、第1バイアス電極および第2バイアス電極に互いに異なる第1バイアス電圧および第2バイアス電圧を印加し、信号線に第1バイアス電圧および第2バイアス電圧の間の制御電圧を印加する駆動回路部とを備える光デバイスを提供する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本実施形態に係る光デバイス部100の構成例を駆動回路部200と共に示す。
【図2】図1のA−A'断面を、駆動回路部200と共に示す。
【図3】本実施形態に係る誘電体膜20の印加電界に対する屈折率の変化の一例を示す。
【図4】本実施形態に係る駆動回路部200の駆動電圧VRFの一例を示す。
【図5】本実施形態に係る光デバイス部100の電極間電圧の一例を示す。
【図6】本実施形態に係る光デバイス部100の変形例を駆動回路部200と共に示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、本実施形態に係る光デバイス部100の構成例を駆動回路部200と共に示す。光デバイス部100は、印加電界強度に対する屈折率の変化がLiNbO3(LN)とは異なる強誘電体結晶で形成されるマッハツェンダ型光導波路と、信号線と信号線を挟む2つのバイアス印加電極を有するコプレーナ型電極とを備え、マッハツェンダ光導波路へ効率的に変調電界を印加して、入力された光を変調電界に応じて変調させて出力する。光デバイス部100は、第1光導波路110と、第2光導波路120と、信号線130と、第1バイアス電極132と、第2バイアス電極134と、第1光カプラ140と、第2光カプラ142とを備える。
【0009】
第1光導波路110および第2光導波路120は、誘電体材料の断面を凸状にしたリッジ型の構造をとり、入力される光を伝送する。第1光導波路110および第2光導波路120は、伝送する光の波長に応じた幅および高さで凸状に形成されてよい。
【0010】
信号線130は、第1光導波路110および第2光導波路120の間に配置される。信号線130は、一端が周波数信号源260に接続され、他端が終端抵抗250に接続され、一端から入力される周波数信号を他端へと伝送する。
【0011】
第1バイアス電極132は、信号線130と、第1光導波路110に対する第2光導波路120とは反対側の領域に配置される。第1バイアス電極132は、第1バイアス電圧が印加される。第2バイアス電極134は、信号線130と、第2光導波路120に対する第1光導波路110とは反対側の領域に配置される。第2バイアス電極134は、第2バイアス電圧が印加される。
【0012】
ここで、信号線130、第1バイアス電極132、および第2バイアス電極134は、コプレーナ伝送線路を形成する。即ち、信号線130の線幅、信号線130と第1バイアス電極132との間隔、および信号線130と第2バイアス電極134との間隔は、信号線130が伝送する信号周波数に応じて予め定められた値で形成される。これによって、信号線130は、数十GHzに至る高周波信号を伝送することができる。
【0013】
第1光カプラ140は、光デバイス部100への入力光を分岐して第1光導波路110および第2光導波路120へと導く。第2光カプラ142は、第1光導波路110および第2光導波路120からの光を合波する。第2光カプラ142は、合波した光を光デバイス部100の出力光として出力する。
【0014】
第1光カプラ140および第2光カプラ142は、2つの入力部のいずれの入力部から入力される光を1対1に分岐して2つの出力部からそれぞれ出力する、2入力2出力の3dB光カプラであってよい。これに代えて、第1光カプラ140は1入力2出力の光分岐カプラ、第2光カプラ142は2入力1出力の光合波カプラであってよい。第1光カプラ140および第2光カプラ142は、マルチモード干渉(MMI)カプラであってよい。
【0015】
ここで、第1光導波路110、第2光導波路120、第1光カプラ140、および第2光カプラ142は、マッハツェンダ型光導波路を形成する。即ち、光デバイス部100は、入力光を第1光カプラ140で2つに分岐して第1光導波路110および第2光導波路120へと伝送させ、第2光カプラ142で合波して合波した光を出力する。ここで光デバイス部100は、駆動回路部200からコプレーナ伝送路に印加された信号に応じて、第1光導波路110および第2光導波路120に電界を印加して伝送する光の位相を変調し、第2光カプラ142で合波することで位相差に応じて強度変調された光を出力する。
【0016】
駆動回路部200は、第1バイアス電極132および第2バイアス電極134に互いに異なる第1バイアス電圧および第2バイアス電圧を印加し、信号線130に第1バイアス電圧および第2バイアス電圧の間の制御電圧を印加する。駆動回路部200は、基準電圧210と、第1電源部220と、第2電源部222と、第1インダクタ230と、第2インダクタ232と、第1コンデンサ240と、第2コンデンサ242と、終端抵抗250と、周波数信号源260を備える。
【0017】
基準電圧210は、予め定められた電圧を供給する。本実施例において、基準電圧210は、GND(0V)電圧である。
【0018】
第1電源部220は、第1バイアス電圧を、第1インダクタ230を介して第1バイアス電極132へ供給する。第1インダクタ230は、第1バイアス電圧を出力する第1電源部220と第1バイアス電極132との間に接続される。
【0019】
第1コンデンサ240は、基準電圧210と第1バイアス電極132との間に接続される。これによって、第1バイアス電極132は、直流成分をオープンとしつつ、駆動周波数成分を低抵抗で基準電圧であるGND電圧に接続する。
【0020】
第2電源部222は、第2バイアス電圧を、第2インダクタ232を介して第2バイアス電極134へ供給する。第2インダクタ232は、第2バイアス電圧を出力する第2電源部222と第2バイアス電極134との間に接続される。
【0021】
第2コンデンサ242は、基準電圧210と第2バイアス電極134との間に接続される。これによって、第2バイアス電極134は、直流成分をオープンとしつつ、駆動周波数成分を低抵抗で基準電圧であるGND電圧に接続する。
【0022】
終端抵抗250は、信号線130を終端する。一例として、信号線130は特性インピーダンスが50Ωの伝送線路であり、終端抵抗250の抵抗値は50Ωである。
【0023】
周波数信号源260は、信号線130に予め定められた周波数の周波数信号を制御信号として供給する。ここで、周波数信号源260は、数十GHzに至る周波数信号を供給してよい。
【0024】
以上のように、第1バイアス電極132および第2バイアス電極134は、第1バイアス電圧および第2バイアス電圧がそれぞれ供給されつつ、高周波数的にはGND電圧に接続され、信号線130は、一端が終端され他端から高周波信号が供給される。即ち、信号線130、第1バイアス電極132、および第2バイアス電極134は、周波数信号源260が供給する駆動周波数においてコプレーナ伝送路として機能する。
【0025】
図2は、図1のA−A'断面を、駆動回路部200と共に示す。ここで、本図において、図1に示された本実施形態に係る光デバイス部100および駆動回路部200の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。光デバイス部100は、基板10と、誘電体膜20と、絶縁膜30とを備える。
【0026】
基板10は、単結晶材料で形成される。例えば、基板10は、Al2O3(サファイア)基板またはMgO基板である。一例として、基板10は、サファイア基板の(1102)面が表面になるように切り出されて研磨された、R−cutサファイアと呼ばれる基板である。
【0027】
これに代えて、基板10は、何らかの層が基板上に積層されたものでよい。即ち基板10は、表面上に誘電体膜20を成膜するので、基板材料が誘電体膜20へ拡散することの防止および/または誘電体膜20と格子整合のするためのバッファ層が積層された基板でよい。
【0028】
誘電体膜20は、基板10上に形成され、並走する第1光導波路110および第2光導波路120を有する。また、誘電体膜20は、第1光導波路110および第2光導波路120とそれぞれ接続する第1光カプラ140および第2光カプラ142を有する。
【0029】
誘電体膜20は、強誘電体薄膜である。誘電体膜20は、エピタキシャル成長で形成されてよい。誘電体膜20は、例えば10μm以下の厚さの薄膜でよい。また、誘電体膜20は、850nm帯、1300nm帯、および1500nm帯といった光通信で用いられる波長の光を伝送する光導波路のコア材料を形成してよい。また、誘電体膜20は、伝送する光の波長に基づいて、膜厚が設計されてよい。
【0030】
誘電体膜20は、PZT薄膜、PLZT薄膜、またはBaTiO3薄膜といった強誘電体薄膜である。PLZT結晶、PZT結晶、およびBaTiO3結晶等は、結晶構造の一種であるペロブスカイト構造を有する強誘電体結晶であり、温度および材料組成によって正方晶、斜方晶、菱面体晶、または立方晶等の結晶構造に変化する。しかしながら、PLZT結晶等は、特定の基板上に薄膜として成長させると、基板材料の格子定数とバルクの単結晶基板の格子定数とが異なるので、薄膜に応力が印加されて結晶構造が変化する場合がある。
【0031】
例えば、誘電体膜20であるPLZT薄膜がサファイア(1102)基板上に形成された場合、PLZT薄膜は、 PLZT[110]方向に優先配向する。このように、誘電体膜20は、結晶配列方向を適切に選択した基板10上に適切な構造の結晶として形成されると、基板10の表面と並行に結晶が配向するので、自発分極の方向を基板10の面と並行にすることができる。これにより、光デバイス部100は、PLZT薄膜の分極容易軸に対して平行に電界を印加するデバイスに適した基板を提供できる。
【0032】
絶縁膜30は、誘電体膜20上に形成される。絶縁膜30は、SiO2またはSiNxを含む。絶縁膜30は、誘電体膜20より比誘電率が低い低誘電率膜でよい。ここで、基板10も、誘電体膜20より比誘電率が低くてよい。例えば、絶縁膜30および基板10の比誘電率はそれぞれ10以下、誘電体膜20の比誘電率は数百から数千程度である。
【0033】
これによって、比誘電率の高い誘電体膜20は、比誘電率および屈折率の低い基板10と絶縁膜30で挟まれる構造になるので、効率的な光の閉じ込め効果を有する第1光導波路110および第2光導波路120を形成することができる。また、光デバイス部100に変調信号を与えて変調器として用いる場合、基板10および絶縁膜30の厚みや材質を変えて実効誘電率を調整することで、変調信号の伝送速度と第1光導波路110および第2光導波路120を伝送する光波の伝送速度とを一致させる速度整合を実現させることができる。また、基板10と絶縁膜30は、変調信号を伝送させる伝送ラインの特性インピーダンスを、例えば50Ωといった予め定められた値にすることができる。
【0034】
信号線130と第1バイアス電極132および第2バイアス電極134とを有する伝送線路は、絶縁膜上に形成される。伝送線路は、金を含む金属で形成されてよい。伝送線路は、第1光導波路110および第2光導波路120に対して、基板10の表面と平行な方向の電界を印加する。例えば、信号線130および第1バイアス電極132は、図中のV1で示したように、第1光導波路110に電界を印加し、信号線130および第2バイアス電極134は、図中のV2で示したように、第2光導波路120に電界を印加する。
【0035】
図3は、本実施形態に係る誘電体膜20の印加電界に対する屈折率の変化の一例を示す。図中の横軸は、誘電体膜20へ印加する電圧に応じて生じる印加電界強度を示す。縦軸は、誘電体膜20の印加電界に対する屈折率の変化を示す。
【0036】
PLZT結晶、PZT結晶、およびBaTiO3結晶等によって形成される誘電体膜20は、印加電界に対して分極反転を生じるので、印加電界に対して直線的な屈折率変化を示すLN結晶等とは異なり、印加電界に対して例えばバタフライ形状の複雑な屈折率変化を示す。したがって、誘電体膜20は、制御信号として正弦波電圧を印加する場合に、オフセット電圧を加えないと、屈折率の変化は正弦波から歪んだ特性となる。ここで、自発分極を有し、印加電界に対して分極が反転する誘電体膜を強誘電体膜と呼ぶ。
【0037】
一方、正負の印加電界範囲において直線的な屈折率変化を示すLN結晶等は、マッハツェンダ型光導波路を形成して光変調器として用いる場合、G(グランド)、S(シグナル)、G(グランド)電極を備えるコプレーナ伝送線路を形成して変調動作させることが知られている。このようなLN光変調器は、マッハツェンダ型光導波路の並走する2本の光導波路間にS電極が配置されて制御信号が印加され、当該並走する2本の光導波路は、互いに逆方向の電界がそれぞれ印加される。即ち、並走する2本の光導波路を通過する光は、逆方向の位相変化を受けて光変調動作する。
【0038】
しかしながら、PLZT等の強誘電体は、図のように、印加電界強度の絶対値の変化に対して、正の印加電界範囲の屈折率の傾きと、負の印加電界範囲の屈折率の傾きとが、ほぼ一致するように変化する。このような強誘電体を用いた光デバイスは、LN光変調器と同様のGSG型のコプレーナ伝送線路を適用する場合、並走する2本の光導波路に同一方向の電界が印加される。即ち、並走する2本の光導波路内を通過する光は、同一方向の位相変化を受けて位相差が得られないので、PLZT等の強誘電体を用いた光デバイスは、光変調器または光スイッチとしての動作が不安定、または動作不能となっていた。
【0039】
これに対して、本実施例の駆動回路部200は、オフセット電圧であるバイアス電圧Vbを制御信号に加えて誘電体膜20に印加する。ここで、バイアス電圧Vbは、バイアス電圧Vbを中心として制御信号の振幅電圧だけ増減しても、誘電体膜20の屈折率変化がほぼ直線的に変化するように、予め定められてよい。一例として、制御信号の振幅電圧を20Vとすると、80〜120Vの範囲でほぼ直線的に変化する誘電体膜20の屈折率変化を用いるように、Vbは100Vと定められる。
【0040】
このように、バイアス電圧Vbを印加することによって、誘電体膜20は、印加された制御信号とほぼ相似な屈折率変化の特性を示すことができる。ここで、図中の例における誘電体膜20は、印加電界に対して負の傾きの屈折率変化を示すので、印加された正弦波の制御信号に対して位相が反転する。
【0041】
図4は、本実施形態に係る駆動回路部200の駆動電圧VRFの一例を示す。図中の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示す。ここで、第1バイアス電極132は、第1バイアス電圧として正極のバイアスが印加されるバイアス電極であり、第2バイアス電極134は、第2バイアス電圧として負極のバイアスが印加されるバイアス電極である。
【0042】
例えば、第1電源部220は、第1バイアス電圧としてVb+(=100V)を、第1バイアス電極132へ供給し、第2電源部222は、第2バイアス電圧としてVb−(=−100V)を、第2バイアス電極134へ供給する。また、周波数信号源260は、第1バイアス電圧Vb+および第2バイアス電圧Vb−の間の制御信号である振幅20Vの正弦波信号VRFを信号線130に印加する。
【0043】
したがって、第1光導波路110は、第1バイアス電圧Vb+が印加された第1バイアス電極132と、正弦波信号VRFが印加された信号線130との電極間電圧V1=Vb+−VRFが印加される。同様に、第2光導波路120は、第2バイアス電圧Vb−が印加された第2バイアス電極134と、正弦波信号VRFが印加された信号線130との電極間電圧V2=VRF−Vb−が印加される。
【0044】
図5は、本実施形態に係る光デバイス部100の電極間電圧の一例を示す。図中の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示す。電極間電圧V1=Vb+−VRFは、Vb+(=100V)を中心に、振幅20Vだけ増減する位相が180度反転した正弦波信号の波形となる。また、電極間電圧V2=VRF−Vb−は、−Vb−(=Vb+=100V)を中心に、振幅20Vだけ増減する正弦波信号の波形となる。
【0045】
即ち、駆動回路部200は、光デバイス部100の第1光導波路110および第2光導波路120に対して、逆位相の電界を印加することができる。このように、駆動回路部200は、第1光導波路110および第2光導波路120にpush−pull駆動することで、第1光導波路110または第2光導波路120の片側だけに電界を印加する片側駆動に比べて、2つの光導波路を伝わる光の位相差を約2倍にすることができる。
【0046】
このように、駆動回路部200は、1つの周波数信号源260からの制御信号を用いて、PLZT等で形成された第1光導波路110および第2光導波路120にpush−pull駆動させる電界を効率的に印加することができる。これによって、光デバイス部100および駆動回路部200は、複数のバイアスT、付加回路、および差動信号ドライバ等を用いずに光変調動作を実行することができる。
【0047】
以上の本実施形態に係る光デバイス部100および駆動回路部200によれば、印加電界強度に対して屈折率が複雑に変化するPLZT結晶等を用いたマッハツェンダ型光デバイスに対して、コプレーナ型電極を形成して高速な制御信号を伝送させつつ、制御信号に応じて2つの光導波路に逆位相の電界を印加することができる。これによって、光デバイス部100は、数十GHzの制御信号に追随する光変調器として動作することができる。
【0048】
以上の本実施形態において、光デバイス部100は、絶縁膜30を備え、変調信号の伝送速度と第1光導波路110および第2光導波路120を伝送する光波の伝送速度とを一致させて速度整合することを説明した。これに代えて、制御信号が数GHz程度以下等、速度整合が必要ない場合は、絶縁膜30は無くてもよい。この場合、信号線130と第1バイアス電極132および第2バイアス電極134とを有する伝送線路は、誘電体膜20上に形成される。
【0049】
図6は、本実施形態に係る光デバイス部100の変形例を駆動回路部200と共に示す。本図において、図1および図2に示された本実施形態に係る光デバイス部100および駆動回路部200の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。本変形例において、光デバイス部100は、接地電極610、612と、外部電極部620、622と、第3コンデンサ630と、第4コンデンサ632とを備える。
【0050】
接地電極610は、信号線130と、第1光導波路110に対する第2光導波路120とは反対側の領域において、誘電体膜20と接してまたは絶縁膜30の内部に設けられ、予め定められた基準電圧に接続される。接地電極612は、信号線130と、第2光導波路120に対する第1光導波路110とは反対側の領域において、誘電体膜20と接してまたは絶縁膜30の内部に設けられ、予め定められた基準電圧に接続される。
【0051】
外部電極部620は、絶縁膜30上に形成され、接地電極610と電気的に接続される。外部電極部620は、駆動回路部200の基準電圧210に接続される。外部電極部622は、絶縁膜30上に形成され、接地電極612と電気的に接続される。外部電極部622は、駆動回路部200の基準電圧210に接続される。
【0052】
第3コンデンサ630は、接地電極610と第1バイアス電極132との間に接続される。第3コンデンサ630は、例えば、金属で形成された2枚の電極膜を絶縁膜30内に有し、当該電極膜内の絶縁物を誘電体としたコンデンサである。これに代えて、第3コンデンサ630は、金属で形成された1枚の電極膜を絶縁膜30内に有し、当該電極膜と接地電極610との間の絶縁物を誘電体としたコンデンサであってよい。
【0053】
第4コンデンサ632は、接地電極612と第2バイアス電極134との間に接続される。第4コンデンサ632は、例えば、金属で形成された2枚の電極膜を絶縁膜30内に有し、当該電極膜内の絶縁物を誘電体としたコンデンサである。これに代えて、第4コンデンサ632は、金属で形成された1枚の電極膜を絶縁膜30内に有し、当該電極膜と接地電極612との間の絶縁物を誘電体としたコンデンサであってよい。
【0054】
このように、本変形例の光デバイス部100は、絶縁膜30内に、絶縁膜30の一部の絶縁物を用いたコンデンサを形成する。これによって、駆動回路部200の第1コンデンサ240および第2コンデンサ242を省略することができる。
【0055】
以上の実施形態において、駆動回路部200は、周波数信号源260を備え、信号線130に予め定められた周波数の周波数信号を供給する例を説明した。これに代えて、駆動回路部200は、パルス信号源またはスイッチ回路等を備え、信号線130にパルス信号またはスイッチング制御信号を供給してもよい。これによって、光デバイス部100は、パルス信号またはスイッチング制御信号に応じて、入力された光を出力するか否かを切り換える光スイッチとして動作することができる。
【0056】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0057】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0058】
10 基板、20 誘電体膜、30 絶縁膜、100 光デバイス部、110 第1光導波路、120 第2光導波路、130 信号線、132 第1バイアス電極、134 第2バイアス電極、140 第1光カプラ、142 第2光カプラ、200 駆動回路部、210 基準電圧、220 第1電源部、222 第2電源部、230 第1インダクタ、232 第2インダクタ、240 第1コンデンサ、242 第2コンデンサ、250 終端抵抗、260 周波数信号源、610 接地電極、612 接地電極、620 外部電極部、622 外部電極部、630 第3コンデンサ、632 第4コンデンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成され、並走する第1光導波路および第2光導波路を有する誘電体膜と、
前記誘電体膜上に形成され、前記第1光導波路および前記第2光導波路の間に配置された信号線と、前記第1光導波路に対する前記第2光導波路とは反対側の第1領域および前記第2光導波路に対する前記第1光導波路とは反対側の第2領域に配置された第1および第2バイアス電極とを有する伝送線路と、
前記第1バイアス電極および前記第2バイアス電極に互いに異なる第1バイアス電圧および第2バイアス電圧を印加し、前記信号線に前記第1バイアス電圧および前記第2バイアス電圧の間の制御電圧を印加する駆動回路部と、
を備える光デバイス。
【請求項2】
前記誘電体膜上に形成される絶縁膜を更に備え、
前記伝送線路は、前記絶縁膜上に形成される請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記信号線、前記第1バイアス電極、および前記第2バイアス電極は、コプレーナ伝送線路を形成する請求項2に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記誘電体膜は、
入力光を分岐して前記第1光導波路および前記第2光導波路へと導く第1光カプラと、
前記第1光導波路および前記第2光導波路からの光を合波する第2光カプラと、
を更に有し、
前記第1光導波路、前記第2光導波路、前記第1光カプラ、および前記第2光カプラは、マッハツェンダ型光導波路を形成する請求項2または3に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記駆動回路部は、予め定められた基準電圧と前記第1バイアス電極および前記第2バイアス電極との間に接続される第1、第2コンデンサを有する請求項2から4のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記駆動回路部は、
前記第1バイアス電圧を出力する第1電源部と前記第1バイアス電極との間に接続される第1インダクタと、
前記第2バイアス電圧を出力する第2電源部と前記第2バイアス電極との間に接続される第2インダクタと、
を有する請求項2から5のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項7】
前記第1バイアス電極は、前記第1バイアス電圧として正極のバイアスが印加されるバイアス電極であり、
前記第2バイアス電極は、前記第2バイアス電圧として負極のバイアスが印加されるバイアス電極である請求項2から6のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項8】
前記基板は、単結晶の絶縁材料で形成される請求項2から7のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項9】
前記基板は、サファイア基板またはMgO基板である請求項8に記載の光デバイス。
【請求項10】
前記誘電体膜は、強誘電体薄膜である請求項2から9のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項11】
前記強誘電体薄膜は、ペロブスカイト結晶構造を有するPZT薄膜、PLZT薄膜、またはBaTiO3薄膜である請求項10に記載の光デバイス。
【請求項12】
前記絶縁膜は、SiO2またはSiNxを含む請求項2から11のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項13】
前記第1領域および前記第2領域において、前記誘電体膜と接してまたは前記絶縁膜の内部に設けられ、予め定められた基準電圧に接続される接地電極と、
前記第1領域の前記接地電極と前記第1バイアス電極との間に接続される第3コンデンサと、
前記第2領域の前記接地電極と前記第2バイアス電極との間に接続される第4コンデンサと、
を更に備える請求項2から12のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の光デバイスと、
前記信号線に予め定められた周波数の周波数信号を供給する周波数信号源と、
を備える光変調装置。
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成され、並走する第1光導波路および第2光導波路を有する誘電体膜と、
前記誘電体膜上に形成され、前記第1光導波路および前記第2光導波路の間に配置された信号線と、前記第1光導波路に対する前記第2光導波路とは反対側の第1領域および前記第2光導波路に対する前記第1光導波路とは反対側の第2領域に配置された第1および第2バイアス電極とを有する伝送線路と、
前記第1バイアス電極および前記第2バイアス電極に互いに異なる第1バイアス電圧および第2バイアス電圧を印加し、前記信号線に前記第1バイアス電圧および前記第2バイアス電圧の間の制御電圧を印加する駆動回路部と、
を備える光デバイス。
【請求項2】
前記誘電体膜上に形成される絶縁膜を更に備え、
前記伝送線路は、前記絶縁膜上に形成される請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記信号線、前記第1バイアス電極、および前記第2バイアス電極は、コプレーナ伝送線路を形成する請求項2に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記誘電体膜は、
入力光を分岐して前記第1光導波路および前記第2光導波路へと導く第1光カプラと、
前記第1光導波路および前記第2光導波路からの光を合波する第2光カプラと、
を更に有し、
前記第1光導波路、前記第2光導波路、前記第1光カプラ、および前記第2光カプラは、マッハツェンダ型光導波路を形成する請求項2または3に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記駆動回路部は、予め定められた基準電圧と前記第1バイアス電極および前記第2バイアス電極との間に接続される第1、第2コンデンサを有する請求項2から4のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記駆動回路部は、
前記第1バイアス電圧を出力する第1電源部と前記第1バイアス電極との間に接続される第1インダクタと、
前記第2バイアス電圧を出力する第2電源部と前記第2バイアス電極との間に接続される第2インダクタと、
を有する請求項2から5のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項7】
前記第1バイアス電極は、前記第1バイアス電圧として正極のバイアスが印加されるバイアス電極であり、
前記第2バイアス電極は、前記第2バイアス電圧として負極のバイアスが印加されるバイアス電極である請求項2から6のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項8】
前記基板は、単結晶の絶縁材料で形成される請求項2から7のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項9】
前記基板は、サファイア基板またはMgO基板である請求項8に記載の光デバイス。
【請求項10】
前記誘電体膜は、強誘電体薄膜である請求項2から9のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項11】
前記強誘電体薄膜は、ペロブスカイト結晶構造を有するPZT薄膜、PLZT薄膜、またはBaTiO3薄膜である請求項10に記載の光デバイス。
【請求項12】
前記絶縁膜は、SiO2またはSiNxを含む請求項2から11のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項13】
前記第1領域および前記第2領域において、前記誘電体膜と接してまたは前記絶縁膜の内部に設けられ、予め定められた基準電圧に接続される接地電極と、
前記第1領域の前記接地電極と前記第1バイアス電極との間に接続される第3コンデンサと、
前記第2領域の前記接地電極と前記第2バイアス電極との間に接続される第4コンデンサと、
を更に備える請求項2から12のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の光デバイスと、
前記信号線に予め定められた周波数の周波数信号を供給する周波数信号源と、
を備える光変調装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2013−7910(P2013−7910A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140861(P2011−140861)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】
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