説明

光トランシーバ

【課題】光トランシーバを構成する複数の光送受信器を個別に着脱して容易に交換、修理することができると供に、部品の無駄を省けるようになる光トランシーバを提供する。
【解決手段】光トランシーバ10を、光トランシーバ用本体部と、この光トランシーバ用本体部の内部に並列配置して収容された複数対の光送信器13および光受信器と、各光送信器13および光受信器を個別に保持する光送信器用基板15および光受信器用基板と、各光送信器用基板15および光受信器用基板を保持する光トランシーバ基板20と、各光送信器用基板15および光受信器用基板と光トランシーバ基板20とを着脱自在に接続するコネクタ18とを備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光トランシーバに係り、さらに詳しくは、内部に収容された光学部品(光送信器および光受信器)が故障した際に、当該光学部品の光送受信器を個別に交換し、容易に修理できる光トランシーバに関する。
【背景技術】
【0002】
本格的なブロードバンド、ユビキタス社会の到来をむかえ、基幹ネットワーク、加入者系ネットワークの情報トラフィック量は飛躍的に増加し、さまざまなアプリケーションに耐えうる大容量・高信頼の光通信システムが求められている。
光通信システムとしては様々な形態が開発されているが、いずれの光通信システムにおいても、基板に搭載された種々の光学部品が故障した際の対応が重要な課題となっている。
【0003】
上記光通信システムの一例として、データの送受信を行うモジュールそのものの付け替えを行う光モジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1で開示された光モジュールでは、基板上に発光素子や受光素子、送信LSI、受信LSI等が搭載されており、光モジュールの故障時には、その故障した光モジュール全体を交換するようになっている。
【0004】
また、光送受信素子の駆動条件データを光モジュール内に実装し、調整や交換を容易にしている光通信カードユニットが知られている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に開示された光通信カードユニットでは、カードの一端部にデータ入出力コネクタが設けられ、カードの基板にデータを記憶するメモリとデータの入出力を制御する制御部および光通信ユニットを設けた構成となっている。
【0005】
さらに、光通信システムとして用いられる光トランシーバも伝送速度の高速化が求められている。
この光トランシーバの伝送速度の高速化を実現する方法として、4波長の光信号を1本の光ファイバに束ねて伝送させる構成が検討されている。例えば、10Gbpsの4波長の光信号を1本の光ファイバを通して伝送させることで40Gbpsを実現している。この場合、伝送速度の高速化を実現する光トランシーバ内には、光信号を送信する光送信器と光信号を受信する光受信器とが各4個ずつ存在することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】再特WO2008−108399号公報
【特許文献2】特開平7−210644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に開示された光モジュールでは、モジュールが故障した場合、モジュールの発光素子と受光素子のうちの一方、例えば発光素子が故障している場合でも、モジュールそのものの付け替えを行うため、故障していない受光素子も交換することになる。その結果、部品の無駄が発生するという問題があった。
【0008】
また、前記特許文献2に開示された光通信カードユニットでは、光通信カードユニットが故障した場合、カードの発光素子と受光素子のうちの一方、例えば発光素子が故障している場合でも、カードそのものの付け替えを行うため、故障していない受光素子も交換することになる。その結果、特許文献2でも前記特許文献1の場合と同様に、部品の無駄が発生するという問題があった。
【0009】
さらに、前記4波長の光信号を1本の光ファイバに束ねて伝送させる構成の光トランシーバでは、光トランシーバ内の光送受信器のうち1つが故障した場合、光トランシーバ全体を交換する必要があり、部品の無駄が発生するという問題がある。
また、光トランシーバ内の故障した光送受信器を取り外し、新しい光送受信器を実装した後に当該光送受信器の再調整を行うとしても、修理に多大な時間がかかるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、上述した各課題を解決するために、光トランシーバを構成する複数の光送受信器を個別に着脱して容易に交換、修理することができると供に、部品の無駄を省けるようになる光トランシーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本願発明の光トランシーバは、光トランシーバ用本体部と、この光トランシーバ用本体部の内部に並列配置して収容された複数対の光送信器および光受信器と、前記各光送信器および光受信器を個別に保持する光送信器用基板および光受信器用基板と、前記各光送信器用基板および光受信器用基板を保持する光トランシーバ基板と、前記各光送信器用基板および光受信器用基板と前記光トランシーバ基板とを着脱自在に接続するコネクタとを備えて構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の光トランシーバは以上のように構成されているので、光トランシーバを構成する複数の光送受信器のうちいずれかが故障した際に、コネクタを介して各光送信器用基板および光受信器用基板と光トランシーバ基板とを個別に取り外すことができるので、故障した光送受信器のみを容易に交換することができる。その結果、故障した光送受信器のみを交換すればよく、故障していない光送受信器を交換する必要がなくなるので、部品の無駄を省くことができる。
また、故障した光送受信器のみを交換すればよいので、修理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る光トランシーバの第1実施形態を示す全体平面図である。
【図2】光送信器および光送信器用基板と光トランシーバ用基板との関係を示し両基板が離れている状態を示す摸式図である。
【図3】図2におけるIII矢視図である。
【図4】前記実施形態の光トランシーバにおける光送信器の駆動部を示すブロック図である。
【図5】前記実施形態の光トランシーバにおける光受信器の駆動部を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る光トランシーバの第2実施形態における光送信器の駆動部を示すブロック図である。
【図7】前記実施形態の光トランシーバの第3実施形態における光送信器の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図1〜図5を参照して本発明に係る光トランシーバの第1実施形態を説明する。
【0015】
本実施形態の光トランシーバ10は、当該光トランシーバ10を構成する複数の光送受信器を個別に着脱可能にすることで光トランシーバ10の故障時の交換、修理を容易に行えるようにするものである。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の光トランシーバ10は、平面形状が長方形の光トランシーバ用本体部(以下、単に本体部という)11を備えて構成されている。
この本体部11の内部空間Sには、当該本体部11の長手方向に沿い、且つ幅方向に略等間隔で、光信号を送信する光送信器13および光信号を受信する光受信器14が4個づつ配置されている。つまり4対の光送信器13および光受信器14が並列状態で配置されている。
本実施形態では、光送信器13および光受信器14はそれぞれ一つ置き、つまり交互に配置されているが、必ずしも交互に配置する必要はないものである。
【0017】
これらの光送信器13には電気信号を光信号に変換するレーザダイオード26(図4参照)が内蔵されている。また、光受信器14には光信号を電気信号に変換するフォトダイオード27(図5参照)が内蔵されている。
なお、本体部11には図示しない蓋体が被せられるようになっている。
【0018】
これらの光送信器13および光受信器14は、それぞれ光送信器用基板15および光受信器用基板16に保持されるようになっている。
【0019】
また、光送信器用基板15および光受信器用基板16にはそれぞれコネクタ18,19が接続されている(図2,5参照)。
【0020】
さらに、コネクタ18,19は光トランシーバ基板20に着脱自在に接続されるようになっている。この光トランシーバ基板20は、図4に示すように略四角形に形成されており、本体部11の幅方向の略全域にわたって設けられている。
そして、光送信器13および光受信器14は本体部11の前方(図1において左方)側に、光トランシーバ基板20は本体部11の後方(図1において右方)側にそれぞれ配置されている。
【0021】
本体部11の短辺枠部11Aにおいて本体部11の一方の側面側寄りには光合波器21が設けられ、他方の側面側寄りには光分波器22が設けられている。
上記光合波器21は、4個の光送信器13から出る光信号を1本の光ファイバとして束ねて伝送するものである。
また、光分波器22は、光トランシーバ10に入ってきた光信号を受信すると共に、4個の光信号に分離してそれぞれを前記光受信器14に出力するものである。そして、このような構成とすることで、光トランシーバ10の伝送速度の高速化を実現している。
【0022】
本体部11において各光送信器13および光受信器14の前方かつ中央寄りで、光合波器21および光分波器22から所定寸法離れた位置には、本体部11の幅方向に所定間隔を空けて、上記光合波器21を経由して光信号を外部に送信する送信用コネクタ23と、光トランシーバ10に外部から入ってきた光信号を受信すると共に、受信した光信号を前記光分波器22に出力する受信用コネクタ24とが設けられている。
【0023】
以上のように、4個の光送信器13と光合波器21、および4個の光受信器14と光分波器22とは、それぞれファイバーを介して光信号で接続されている。また、上記光合波器21と送信用コネクタ23、および受信用コネクタ24とは、それぞれファイバーを介して光信号で接続されている。
【0024】
次に、図2に基づいて、複数の光送信器13のうち代表して1つの光送信器13と光トランシーバ基板20との接続状態を説明する。
光送信器13と光トランシーバ基板20とは、前述のように本体部11の内部空間S内に収容されている。
光送信器13は、フレキシブル配線12を介して光送信器用基板15に保持されるようになっている。この光送信器用基板15は、図4に示すように平面形状が四角形に形成されており、その上面にはメモリ25が設けられている。
メモリ25には、光送信器13の駆動条件としての、例えば当該光送信器13の温度ごとの駆動電流等の調整値が保存されている。
また、光受信器14は、図1に示すように、フレキシブル配線17を介して光受信器用基板16に保持されるようになっている。
【0025】
そのため、光送信器用基板15が光トランシーバ基板20に接続されると、光トランシーバ基板20に設けられた駆動部制御器40がメモリ25に記憶された情報を読み込み、光送信器13の駆動電流等の調整値を取り込むようになっている。
【0026】
図2に示すように、光トランシーバ基板20のコネクタ18側の一端面には接続口20Aが形成され、この接続口20Aに、コネクタ18が、矢印Aで示すように光トランシーバ10の前後方向に移動して挿脱可能となっている。
接続口20Aは、前記4対の光送信器13および光受信器14のそれぞれに接続された各コネクタ18,19と対応している。
【0027】
光送信器13は、図2,3に示すような光送信器支持部材30によって着脱自在に前記本体部11に固定されている。
すなわち、光送信器支持部材30はSUS等のバネ材で形成されており、水平面状の底面30Aと、この底面30Aの両端部から上方に立ち上がると共にその途中に形成された断面略半月形状の挟持部30Bと、この挟持部30Bの上部に形成された開口部30Cとを有する形状となっている。
【0028】
そして、上記挟持部30Bが、例えば丸型形状の光送信器13の最大径部を挟み込んで固定できるようになっている。
挟持部30Bの内径寸法は当該光送信器13の最大径部の外径寸法よりわずかに小さな寸法に形成されている。そのため、挟持部30Bに光送信器13の最大径部を押し込んだとき挟持部30Bでより強固に挟み込まれ、その結果、より確実に固定されることになる。
【0029】
また、光送信器支持部材30の上方開口部30C間の開口寸法は、上記光送信器支持部材30最大径部の外径寸法よりわずかに小さな寸法に形成されており、挟持部30Bの下端から底面30Aに至る部位間寸法は、上方開口部30C間の開口寸法と略同じ寸法となっている。
【0030】
従って、光送信器13を光送信器支持部材30に固定させる際は、光送信器13の最大径部を光送信器支持部材30の上方開口部30Cに位置決めすると共に押し込み、その上方開口部30Cを押し広げた後、光送信器13が光送信器支持部材30の絞られた下部に達するまで押し込めばよい。これにより、光送信器13は、その最大径部が光送信器支持部材30の挟持部30Bに強固に挟み込まれるので、確実に固定される。
光送信器13を光送信器支持部材30に取り付け、固定した後、フレキシブル配線12で支持されたコネクタ18を光トランシーバ基板20の接続口20Aに挿入して、光送信器用基板15と光トランシーバ基板20とを接続させる。
【0031】
光送信器13を光送信器支持部材30から取り外すには、光送信器13の最大径部以外の部位を握っておいて上方に引き抜くだけで取り外すことができる。
上述のように、光送信器支持部材30がバネ材で形成され、上方開口部30Cを有する形状なので、取り外しが容易である。
【0032】
また、前記光トランシーバ基板20は、前記本体部11の底面11Aに座板35を介してネジ止め等により取り付けられている。
【0033】
次に、本実施形態の光トランシーバ10の駆動部の構成および作用を説明する。
図4には、光トランシーバ10の駆動部の構成が示されている。
前記光送信器用基板15には前述のようにメモリ25が実装されており、また、前記光送信器13には、前述のようにレーザダイオード26が内蔵されている。
これに対して、光トランシーバ基板20には、レーザダイオード駆動部40と、このレーザダイオード駆動部40を制御する駆動部制御器41とが設けられている。
【0034】
メモリ25と駆動部制御器41とは電気的に接続されており、また、レーザダイオード26とレーザダイオード駆動部40とは電気的に接続されている。
従って、光送信器用基板25が光トランシーバ基板20に接続されると、光トランシーバ基板20上にある駆動部制御器41によりメモリ25が読み込まれ、光送信器13の調整値等が取り込まれる。そして、入力された音声電気信号を含む情報に基づいてレーザダイオード駆動部40が駆動部制御器41により制御されながら光送信器13が最適に駆動される。
【0035】
なお、図4では、光送信器用基板25と光トランシーバ基板20とは前記コネクタ18を介して接続されている状態である。
【0036】
次に、光トランシーバ10が故障した場合の光送信器13等の交換について説明する。
ここで、光トランシーバ10の故障は、前記レーザダイオード駆動部40にアラーム表示されるようになっている。この場合、光トランシーバ10における各4個の光送信器13および光受信器14のうちどの光送信器13等が故障しているかが分かるようになっている。
【0037】
光トランシーバ10における例えば光送信器13の故障がアラーム表示された場合、使用者は、まず本体部11の蓋を取り外し、当該光送信器13および光送信器用基板25に接続されているコネクタ18を光トランシーバ基板20のコネクタ接続口20Aから抜き出す。
【0038】
次いで、光送信器13の最大径部以外の部位を掴んで、その光送信器13を上方に引き上げることで光送信器支持部材30から抜き取って取り外す。
【0039】
その後、予め準備され、光送信器13およびメモリ25と同様の仕様に設定されている新しい光送信器13およびメモリ25を光送信器支持部材30に装着し、当該光送信器13に設けられているコネクタ18を光トランシーバ基板20のコネクタ接続口20Aに接続して新しい光送信器13の交換を終了する。
最後に、本体部11の蓋体を取り付け、光トランシーバ10を再度使用可能状態とする。
【0040】
次に、図5に基づいて、前記各光受信器14の駆動部の構成について説明する。
光受信器14には、前述のように、前記光分波器22から出力された光信号を受けると共にその光信号を電気信号に変換して読み取るフォトダイオード27が内蔵されている。
【0041】
光受信器14は、図2に示すフレキシブル配線12と同様のフレキシブル配線を介して光受信器用基板16に保持されている。この光受信器用基板16にはコネクタ19が接続され、光受信器用基板16は、上記コネクタ19により着脱自在に前記光トランシーバ基板20と接続可能とされている。
【0042】
光受信器用基板16にはメモリ28が搭載されており、このメモリ28には光受信器16の駆動条件、例えば温度ごとの駆動電流等の調整値が保存されている。
また、光トランシーバ基板20には、メモリ28に記憶されている情報を読み取ると共に、フォトダイオード27の電圧の制御等簡単な制御を行う制御器42が搭載されている。そして、この制御器42から、音声電気信号等が出力されるようになっている。
なお、光受信器14も、前記光送信器支持部材30と同様の構成の図示しない光送信器支持部材によって本体11に着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0043】
以上のような構成の光トランシーバ10によれば、次のような効果が得られる。
(1)光トランシーバ10を構成する複数の光送受信器13,14のうちいずれかが故障した際に、コネクタ18,19を介して各光送信器用基板15および光受信器用基板16と光トランシーバ基板20とを個別に取り外すことができるので、例えば故障した光送受信器13,14のみを容易に交換することができる。その結果、光トランシーバ10の修理が容易となる。
【0044】
(2)また、故障した光送受信器13,14のみを交換すればよいので、故障していない光送受信器13,14を交換する必要がなくなり、これにより、部品の無駄を省くことができる。
【0045】
(3)光送信器13を着脱自在に固定する光送信器支持部材30はバネ材で形成され、上部の開口部30Cと光送信器13を挟み込む挟持部30Bとを有する形状とされており、挟持部30Bの内径寸法が当該光送信器13の最大径部の外径寸法よりわずかに小さな寸法に形成されているので、光送信器13を強固に挟み込むことができ、その結果、より確実に固定することができる。
【0046】
(4)光送信器支持部材30がバネ材で形成され、上部の開口部30Cを有しているので、光送信器13を光送信器支持部材30から取り外すには、光送信器13の最大径部以外の部位を握っておいて上方に抜き取るだけで取り外すことができる。その結果、光送信器13の取り外しが容易である。
【0047】
次に、図6に基づいて本発明の光トランシーバの第2実施形態を説明する。
【0048】
図6に示す本第2実施形態の光トランシーバ50において、前記第1実施形態の光トランシーバ10と同一構成部材には同一符号を付すと共に異なる部材のみ説明する。
本第2実施形態の光トランシーバ50では、前記レーザダイオード駆動部40と駆動部制御器41とを、前記光送信器用基板15に設けたものである。この光送信器用基板15には前記メモリ25は設けられていない。
【0049】
以上のような構成の第2実施形態の光トランシーバ10においても、前述した(1)〜(5)と略同様の効果が得られる。
【0050】
次に、図7に基づいて本発明の光トランシーバの第3実施形態を説明する。
図6に示す本第3実施形態の光トランシーバ60において、前記第1、第2実施形態の光トランシーバ60と同一構成部材には同一符号を付すと共に異なる部材のみを説明する。
本第3実施形態の光トランシーバ60では、前記レーザダイオード駆動部40と駆動部制御器41とを、前記光送信器13に設けたものである。
【0051】
以上のような構成の第3実施形態の光トランシーバ10においても、前述した(1)〜(5)と略同様の効果が得られる。
【0052】
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0053】
例えば、前記各実施形態では、光トランシーバ10が、それぞれ4個の光送信器13および光受信器14を配置した構成としたが、これに限らない。光送信器13および光受信器14を4個以上、例えば5個、あるいは4個以下、例えば3個配置するような構成としてもよい。要は、複数個の光送信器13および光受信器14を個別に着脱できるようになっていればよい。
【0054】
(付記1)
光トランシーバ用本体部と、
この光トランシーバ用本体部の内部に並列配置して収容された複数対の光送信器および光受信器と、
前記各光送信器および光受信器を個別に保持する光送信器用基板および光受信器用基板と、
前記各光送信器用基板および光受信器用基板を保持する光トランシーバ基板と、
前記各光送信器用基板および光受信器用基板と前記光トランシーバ基板とを着脱自在に接続するコネクタとを備えて構成したことを特徴とする光トランシーバ。
【0055】
(付記2)
付記1に記載の光トランシーバにおいて、
前記各光送信器にレーザ光を出力するレーザダイオードを装備し、前記各光送信器用基板に前記各光送信器の駆動条件を記憶するメモリを設け、前記光トランシーバ基板に前記レーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動部と、このレーザダイオード駆動部の駆動を制御する駆動部制御器とを設けたことを特徴とする光トランシーバ。
【0056】
(付記3)
付記1または付記2に記載の光トランシーバにおいて、
前記各光送信器をそれぞれ着脱自在に固定する光送信器支持部材を前記本体部の底面部に設けたことを特徴とする光トランシーバ。
【0057】
(付記4)
付記1に記載の光トランシーバにおいて、
前記各光送信器にレーザダイオードを設け、前記各光送信器用基板に前記レーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動部と、このレーザダイオード駆動部の駆動を制御する駆動部制御器とを設けたことを特徴とする光トランシーバ。
【0058】
(付記5)
光トランシーバ用本体部と、
この本体部の内部に並列配置して収容された複数対の光送信器および光受信器と、
前記各光送信器および光受信器を個別に保持する光トランシーバ基板と、
前記各光送信器用基板および光受信器用基板と前記光トランシーバ基板とを着脱自在に接続するコネクタとを備え、
前記各光送信器のそれぞれに、レーザ光を発信するレーザダイオードと、このレーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動部と、このレーザダイオード駆動部の駆動を制御する駆動部制御器とを装備したことを特徴とする光トランシーバ。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本願発明は、複数個の光送受信器を備えた光トランシーバにおいていずれかの光送受信器が故障した場合にその修理を行う際に利用できる。
【符号の説明】
【0060】
10 光トランシーバ(第1実施形態)
11 光トランシーバ用本体部
13 光送信器
14 光受信器
15 光送信器用基板
16 光受信器用基板
18 コネクタ
19 コネクタ
20 光トランシーバ基板
20A 接続口
21 光合波器
22 光分波器
23 光送信用コネクタ
24 光受信用コネクタ
25 メモリ
26 レーザダイオード
30 光送信器支持部材
30B 挟持部
40 レーザダイオード駆動部
41 駆動部制御器
50 光トランシーバ(第2実施形態)
60 光トランシーバ(第3実施形態)
S 内部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光トランシーバ用本体部と、
この光トランシーバ用本体部の内部に並列配置して収容された複数対の光送信器および光受信器と、
前記各光送信器および光受信器を個別に保持する光送信器用基板および光受信器用基板と、
前記各光送信器用基板および光受信器用基板を保持する光トランシーバ基板と、
前記各光送信器用基板および光受信器用基板と前記光トランシーバ基板とを着脱自在に接続するコネクタとを備えて構成したことを特徴とする光トランシーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の光トランシーバにおいて、
前記各光送信器にレーザ光を出力するレーザダイオードを装備し、前記各光送信器用基板に前記各光送信器の駆動条件を記憶するメモリを設け、前記光トランシーバ基板に前記レーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動部と、このレーザダイオード駆動部の駆動を制御する駆動部制御器とを設けたことを特徴とする光トランシーバ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光トランシーバにおいて、
前記各光送信器をそれぞれ着脱自在に固定する光送信器支持部材を前記本体部の底面部に設けたことを特徴とする光トランシーバ。
【請求項4】
請求項1に記載の光トランシーバにおいて、
前記各光送信器にレーザダイオードを設け、前記各光送信器用基板に前記レーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動部と、このレーザダイオード駆動部の駆動を制御する駆動部制御器とを設けたことを特徴とする光トランシーバ。
【請求項5】
光トランシーバ用本体部と、
この本体部の内部に並列配置して収容された複数対の光送信器および光受信器と、
前記各光送信器および光受信器を個別に保持する光トランシーバ基板と、
前記各光送信器用基板および光受信器用基板と前記光トランシーバ基板とを着脱自在に接続するコネクタとを備え、
前記各光送信器のそれぞれに、レーザ光を発信するレーザダイオードと、このレーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動部と、このレーザダイオード駆動部の駆動を制御する駆動部制御器とを装備したことを特徴とする光トランシーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−123266(P2012−123266A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274863(P2010−274863)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】