説明

光トランスポート・ネットワークにおけるマッピング/デマッピング方法および装置

【課題】本発明の実施形態では、光トランスポート・ネットワークにおけるマッピング/デマッピング方法および装置を提供する。
【解決手段】マッピング方法は、下位光チャネル・データ・ユニット(LO・ODU)が占める上位光チャネル・ペイロード・ユニット(HO・OPU)のタイムスロットの量Mに応じて光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニット(ODTU)を構築するステップと、LO・ODUをMバイト単位のODTUのペイロードエリアにマッピングするステップと、オーバヘッド情報をODTUのペイロードエリアにカプセル化するステップと、LO・ODUがマッピングされてオーバヘッド情報がカプセル化されたODTUをHO・OPUに多重化するステップとを含む。それにより、LO・ODUからHO・OPUへのマッピングの高効率で普遍的な方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、特に、光トランスポート・ネットワークにおけるマッピング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の急速な発展に伴い、大容量サービスの管理と柔軟なスケージューリングといった利点を備える光トランスポート・ネットワーク(OTN)が、バックボーン・トランスポート・ネットワークの主要な技術となりつつある。OTNにおいて、クライアントデータは光チャネル・ペイロード・ユニット(OPU)にカプセル化され、オーバヘッド(OH)がOPUに追加されて、光チャネル・データ・ユニット(ODU)を構成し、OHとフォワード・エラー修正(FEC)をODUに追加して、光チャネル・トランスポート・ユニット(OTU)を構成し、最終的にOTUの形で送信される。
【0003】
データサービスの急速な発達とともに、より多くのクライアントが、クライアント側の物理インターフェースとしてイーサネット(登録商標)技術を採用している。近年、イーサネット(登録商標)サービスは継続して急速に成長しつづけることが予想されている。しかしながら、現在のOTN技術は、同期デジタルヒエラルキー(SDH)などの音声サービスに基づいて設計されており、イーサネット(登録商標)のようなデータサービスの発展傾向を十分にサポートすることはできないと思われる。したがって、徐々に、次世代のOTNネットワーク(NG・OTN)についての研究も行われつつある。NG・OTNは、新たなサービスの要求に合うように求められるとともに、現在のOTNをサポートすることが要求される。したがって、下位光チャネル・データ・ユニット(LO・ODU)を上位光チャネル・データ・ユニット(HO・ODU)にいかにマッピングするかが、この業界で検討の的になっている。LO・ODUは、現在のOTNに既存のODUk(k=0,1,2,2e,3,3e)とすることができ、本書ではLO・ODUk(k=0,1,2,2e,3,3e)で表す。HO・ODUは、高レートのデータ送信ユニットと考えられ、NG・OTNのカテゴリーに属し、LO・ODUをサポートするのに使用される。対応のOPUを、HO・OPUk(k=1,2,3,3e,4)で表す。
【0004】
従来の技術解決策では、標準のODUj(j=1,2)(20ppmビットトレランス)がOPUk(k=2,3)に非同期でマッピングされる。非同期方法では、ODUj信号がOPUkに−1/0/+1/+2の調整ポリシーでマッピングされる。非同期方法だと、ODUIとOPU2の最大ビット・エラー・トレランスは−113から+83ppm、ODUIとOPU3の最大ビット・エラー・トレランスは−96から+101ppm、ODU2とOPU3の最大ビット・エラー・トレランスは−95から+101ppmとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施する過程において、本発明者は従来技術には少なくとも以下の問題があることを見出した。
【0006】
従来技術の方法はLO・ODUをHO・ODUに、たとえば、ODU2e(100ppmビットトレランス)等にマッピングするのに適していない。今後、高いビットトレランスのODUfexがでて、従来技術の−1/0/+1/+2の調整ポリシーでは、LO・ODUからHO・ODUへのマッピングの要求を満たすことができなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、LO・ODUをHO・ODUに効率的に普遍的にマッピングするために、OTNにおけるマッピング/デマッピング方法および装置を提供する。
【0008】
本発明の実施形態は、
LO・ODUが占めるHO・OPUのタイムスロットの量Mに応じてODTUを構築するステップと、
Mバイト単位でODTUのペイロードエリアにLO・ODUをマッピングし、ODTUのペイロードエリアにオーバヘッド情報をカプセル化するステップと、
LO・ODUがマッピングされてオーバヘッド情報がカプセル化されたODTUを、HO・OPUに多重化するステップと、
を含むOTNにおけるマッピング方法を提供する。
【0009】
本発明の実施形態は、また、
HO・OPUを分析し、ODTUおよびODTUが占めるタイムスロットの量Mを決定するステップと、
Mバイト単位でODTUのペイロードエリアからLO・ODUをデマッピングするステップと、
を含むOTNにおけるデマッピング方法を提供する。
【0010】
本発明の実施形態が、さらに、
LO・ODUが占めるHO・OPUのタイムスロットの量Mに従い、ODTUを構築するように構成された構築ユニットと、
LO・ODUをMバイト単位でODTUのペイロードエリアにマッピングするよう構成されたマッピングユニットと、
オーバヘッド情報をODTUのペイロードエリアにカプセル化するように構成されたカプセル化ユニットと、
LO・ODUがマッピングされてオーバヘッド情報がカプセル化されたODTUをHO・OPUに多重化するように構成された多重化ユニット、
を備えるOTNにおけるマッピング装置を提供する。
【0011】
本発明の実施形態は、さらに、HO・OPUを分析して、ODTUおよびODTUが占めるタイムスロット量Mを求める分析ユニットと、Mバイト単位でODTUのペイロードエリアからLO・ODUをデマッピングするデマッピングユニットとを備えるOTNにおけるデマッピング装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態による技術的解決法により以下の効果が得られる。すなわち、LO・ODUをHO・OPUにマッピングするための普遍的かつ高効率な方法を提供することができる。
【0013】
本発明の実施形態による技術的解決法をより明確に説明するために、実施形態の説明に必要な図面について以下に簡単に説明する。以下に説明する図面は本発明の実施形態の一部に過ぎず、当業者なら創造力を働かせなくとも、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるOTNにおけるマッピング方法のフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態によるHO・OPUの8つの1.25Gタイムスロットへの分割を示す概略構造図である。
【図3】本発明の一実施形態によるマッピング方法を示す概略図である。
【図4】本発明の一実施形態による他のマッピング方法を示す概略図である。
【図5】本発明の一実施形態によるLO・ODUからHO・OPU2へのマッピングを示す概略図である。
【図6】本発明の一実施形態によるLO・ODUからHP・OPU2への他のマッピングを示す概略図である。
【図7】本発明の一実施形態によるLO・ODUからHP・OPU2への他のマッピングを示す概略図である。
【図8】本発明の一実施形態による「C8M−base+C8M−delta+C8−delta」の情報符号化を示す概略図である。
【図9】本発明の一実施形態によるOTNにおけるデマッピング方法のフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態によるOTNにおけるマッピング装置を示す。
【図11】本発明の他の実施形態によるOTNにおけるマッピング装置を示す。
【図12】本発明の一実施形態によるOTNにおけるデマッピング装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態による技術的解決方法を、実施形態を示す図とともに以下に明確に説明する。後述の実施形態は、全ての実施形態を示すのではなく、本発明の実施形態の一部に過ぎないことは明らかである。本発明の実施形態に基づき、当業者なら創造力を働かすことなく得られる他の実施形態も全て本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0016】
データ送信側では、図1に示すように、本発明の一実施形態によるOTNにおけるマッピング方法は、
LO・ODUが占めるHO・OPUのタイムスロットの量Mに従いODTUを構築するステップと、
LO・ODUをMバイト単位でODTUのペイロードエリアにマッピングし、オーバヘッド情報をODTUのペイロードエリアにカプセル化するステップと、
LO・ODUがマッピングされてオーバヘッド情報がカプセル化されたODTUをHO・OPUに多重化するステップとを含みこれにより、LO・ODUからHO・OPUへのマッピングするための高効率で普遍的な方法を提供する。
【0017】
本発明の実施形態を理解しやすくするために、具体的な応用を通じて実施形態の実施過程を以下に詳細に説明する。
【0018】
本発明の一実施形態によるOTNにおけるマッピング方法は以下のステップを備える。
【0019】
S1:LO・ODUが占めるHO・OPUのタイムスロットの量Mに従いODTUを構築する。
【0020】
このステップは以下を含む。
【0021】
S11:LO・ODUが占めるHO・OPUのタイムスロットの量Mを求める。
【0022】
具体的には、LO・ODUが占めるHO・OPUのタイムスロットの量Mを、LO・ODUのレートとHO・OPUの単一タイムスロットのレートに応じて定める。すなわち、M=(LO・ODUのレート/HO・OPUの単一タイムスロットのレート)端数切上げを行なう。たとえば、HO・OPU2を8個の1.25Gタイムスロットに分割し、図2に示すように、HO・OPU2の8個のフレームで大きなマルチフレームを形成する。あるLO・ODUのレートを6Gとすると、5個のタイムスロットを占めることになり、Mは5となる。5個のタイムスロットを、HO・OPUのタイムスロットの使用状況に応じて現在のLO・ODUに割り当てる。LO・ODUに割り当てられる5個のタイムスロットを本書では、タイムスロット2、3、5、7および8とする。
【0023】
言うまでもなく、他の方法を採用してMを求めたり、占めるタイムスロットを割り当てることもでき、それらは本発明の実施形態により限定されるものではなく、本発明の実施形態の保護範囲に含まれるものとする。
【0024】
S12:ODTUを構築する。
【0025】
ODTUには、M個のタイムスロットが含まれ、さらに、HO・OPUのJC・OH(Justification Control Overhead「スタッフ制御オーバヘッド」)位置に対応するスタッフ制御オーバヘッド(JC・OH)が含まれる。図2に示すように、ODTUは、8個のHO・OPUからなるマルチフレームにタイムスロット2、3、5、7および8を含み、さらに、それぞれのタイムスロットが対応するHO・OPUのフレームのJC・OH位置を含む。図2における斜線部分が対応ODTUを示す。
【0026】
S2:LO・ODUをMバイト単位でODTUのペイロードエリアにマッピングする。
【0027】
上記ステップは以下を備える。
【0028】
S21:Mバイト単位でマッピングする際にマップされるMバイトのLO・ODUの量を、マルチフレーム期間毎に送信されるLO・ODUの量Xに応じて求める。本書では、それをC8Mと表わす。本発明の他の実施形態では、マルチフレーム期間毎に送信されるLO・ODUの量Xに応じてクロック情報を求める。本書では、それをC8−deltaとする。上記二つの情報は「C8M+C8−delta」として表わす。
【0029】
ここにおいて、Xを求める方法は既存の方法であり、本発明の実施形態では説明を省略する。
【0030】
具体的には、本発明の実施形態は以下の方法を利用して「C8M+C8−delta」を求める。
【0031】
C8M,MAX=(LO・ODUレート*LO・ODU最大周波数偏差)/(M*TSレート*TS最小周波数偏差)*15232
【0032】
C8M,MIN=(LO・ODUレート*LO・ODU最小周波数偏差)/(M*TSレート*TS最大周波数偏差)*15232
【0033】
ここで、C8Mは、[C8M,MIN端数切り捨て,C8M,MAX端数切上げ]の範囲の整数である。C8−deltaはX−M*C8Mであり、クロック情報を示す。XはC8であり、C8は、[C8,MIN端数切り捨て,C8,MAX端数切上げ]の範囲の整数である。
【0034】
C8,MAX=(LO・ODUレート*LO・ODU最大周波数偏差)/(TSレート*TS最小周波数偏差)*15232
【0035】
C8,MIN=(LO・ODUレート*LO・ODU最小周波数偏差)/(TSレート*TS最大周波数偏差)*15232
【0036】
あるLO・ODUについて、そのX=76111であり、M=5タイムスロットを占めるとすると、C8M=(X/M)端数切捨て=15222,C8−delta=X−M*C8M=1.あるいは、C8M=(X/M)端数切捨て+1=15223,C8−delta=X−M*C8M=−4.マッピングされたデータ情報およびクロック情報は、情報「C8M+C8−delta」、すなわち、(15222,1)あるいは(15223,−4)を送信することにより完全に反映させることができる。受信側は、(15222,1)あるいは(15223,−4)に基づき、送信側が76111バイトのクライアントデータを一マルチフレーム期間で送信する必要があることを認識することができ、受信側でクライアントクロックを正確に見出すことができる。
【0037】
本発明はまた、他の方法で「C8M+C8−delta」を求めることができるが、それは、本発明の実施形態により限定されるものではなく、すべて実施形態の保護範囲に含まれるものとする。
【0038】
S22:MバイトのLO・ODUの量をMバイト単位でODTUのペイロードエリアにマッピングする。
【0039】
Mバイト単位でのマッピングは、全クライアントデータのMバイトのマッピング操作を一度実施することを意味する。上記例のように、MバイトのLO・ODUの量をMバイト単位でODTUのペイロードエリアにマッピングするのは、15222あるいは15223のLO・ODU5バイトをODTUのペイロードエリアにマッピングすることを意味し、LO・ODU5バイト毎にマッピング操作を行い、最終的に15222あるいは15223回マッピングを行う。
【0040】
具体的には、シグマ−デルタ・アルゴリズムあるいは他のGMP(Generic Mapping Procedure)のマッピング方法を使用して、LO・ODUをODTUのペイロードエリアにマッピングする。他のGMPマッピング方法は以下の特徴を有する。
1.ターゲットコンテナのレートとマッピングされた信号によるターゲットコンテナ内の注入量を自動的に求めることができる。
2.ターゲットコンテナのレートとマッピングされた信号による注入かつマッピングされた信号の分布位置を自動的に求めることができる。
3.ターゲットコンテナのオーバヘッドにおける注入かつマッピングされた信号を運ぶ位置情報を伝送する。
【0041】
本発明の実施形態におけるGMPマッピング方法の特徴情報をさらに、二つのマッピング方法とともに説明する。しかし、それは二つのマッピング方法により限定されるものではない。
【0042】
マッピング方法1:シグマ−デルタ・アルゴリズムを通じてペイロードエリアに注入データとマッピング信号データを均等に分配する。注入かつマッピング信号の位置などの情報を、ターゲットコンテナのオーバヘッドにより運び、伝送する。マッピング後の効果を図3に示す。なお、Sは注入データ、Dはマッピング信号データであり、注入データおよびマッピング信号データがペイロードエリアに均等に分布されている。
【0043】
マッピング方法2:注入データをペイロードエリアの固定位置に集中的に位置付け、ペイロードエリアのどの部分が注入データのものであるか、ペイロードエリアのどの部分が注入量によるマッピング信号データのものであるか、注入量に応じて求める。注入かつマッピング信号の位置などの情報をターゲットコンテナのオーバヘッドにより運び、伝送する。マッピング後の効果を図4に示す。なお、Sは注入データ、Dはマッピング信号データである。
【0044】
S3:オーバヘッド情報をODTUのペイロードエリアにカプセル化する。
【0045】
本発明の一実施形態において、オーバヘッド情報は、MバイトのLO・ODUの量情報を含み、オーバヘッド情報をODTUのペイロードエリアにカプセル化するステップは以下を備える。
【0046】
MバイトのLO・ODUの量情報をODTUのオーバヘッドエリアにカプセル化する。
【0047】
具体的には、MバイトのLO・ODUの量情報をODTUのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップは、以下を備える。
MバイトのLO・ODUの量情報をODTUのオーバヘッドエリアに直接カプセル化する。「C8M」を使用することができる。
または、MバイトのLO・ODUの量情報をMバイトのLO・ODUの量情報の固定部分とMバイトのLO・ODUの量情報の可変部分に分割し、MバイトのLO・ODUの量情報の固定部分とMバイトのLO・ODUの量情報の可変部分をODTUのオーバヘッドエリアにカプセル化する。このオーバヘッド情報の形での伝送により同じ効果を得ることができる。具体的に、「C8M−base+C8M−delta」の形を使用することができる。なお、C8M−base+C8M−deltaはC8Mに等しく、ODTUのペイロードエリアにマッピングされたLO・ODUにおけるMバイトの量を示す。C8M−baseは固定部分におけるMバイトの量であり、C8M−deltaは可変部分におけるMバイトの量である。
または、MバイトのLO・ODUの量情報により、注入されるMバイトのLO・ODUの量情報を求め、ODTUのオーバヘッドエリアに注入されるMバイトのLO・ODUの量情報をカプセル化する。オーバヘッド情報の形での送信により同じ効果が得られる。具体的に、「S8M」の形を使用することができ、Sは注入データ、S8MはLO・ODUがODTUにマッピングされた後のODTUにおけるフィル(注入)バイト量を示し、S8M=15232−C8Mである。
【0048】
本発明の他の実施形態において、オーバヘッド情報には、MバイトのLO・ODUの量情報とクロック情報が含まれる。
【0049】
オーバヘッド情報はODTUのペイロードエリアにカプセル化されるが、それには以下が含まれる。
【0050】
MバイトのLO・ODUの量情報とクロック情報をODTUのオーバヘッドエリアにカプセル化する。
【0051】
具体的には、MバイトのLO・ODUの量情報とクロック情報をODTUのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップは、以下を含む。
【0052】
MバイトのLO・ODUの量情報とクロック情報とODTUのオーバヘッドエリアに直接カプセル化する。「C8M+C8−delta」の形を使用することができる。
【0053】
または、MバイトのLO・ODUの量情報をMバイトのLO・ODUの量情報の固定部分とMバイトのLO・ODUの量情報の可変部分に分割し、MバイトのLO・ODUの量情報の固定部分とMバイトのLO・ODUの量情報の可変部分をODTUのオーバヘッドエリアにカプセル化する。このオーバヘッド情報の形での伝送により同じ効果を得ることができる。具体的に、「C8M−base+C8M−delta+C8−delta」の形を使用することができる。なお、C8M−base+C8M−deltaはC8Mに等しく、ODTUのペイロードエリアにマッピングされたLO・ODUにおけるMバイトの量を示す。C8M−baseは固定部分におけるMバイトの量であり、C8M−deltaは可変部分におけるMバイトの量である。
【0054】
または、MバイトのLO・ODUの量情報により、注入されるMバイトのLO・ODUの量情報を求め、ODTUのオーバヘッドエリアに注入されるMバイトのLO・ODUの量情報をカプセル化する。オーバヘッド情報の形での伝送により同じ効果が得られる。具体的に、「S8M+S8−delta」の形を使用することができ、Sは注入データ、S8MがLO・ODUがODTUにマッピングされた後のODTUにおけるフィル(注入)バイト量を示し、S8M=15232−C8Mであり、S8−deltaがクロック情報を示す。
【0055】
ODTUのオーバヘッドエリアのオーバヘッド情報のカプセル化には以下のステップが含まれる。
【0056】
ODTUにおける最後のタイムスロットあるいは最初のタイムスロットに対応するオーバヘッドにオーバヘッド情報をカプセル化する。
【0057】
オーバヘッド情報は、クロック情報と次のn個のマルチフレームにおけるODTUにマップされたMバイトのLO・ODUの量を示す、あるいはクロック情報と次のn個のフレームのODTUにマップされたMバイトのLO・ODUの量を示す。
【0058】
本発明の一実施形態において、「C8M+C8−delta」情報は、次のマルチフレームのODTUにマップされたLO・ODUにおけるMバイトの量とクロック情報の状態を示す。
【0059】
「C8M+C8−delta」情報がODTUにおける最初のタイムスロットに対応するJC・OHに、すなわち、現在のマルチフレームにおけるタイムスロット2に対応するHO・OPUの第2フレームのJC・OH位置にカプセル化された場合、マッピングプロセスが図5に示すようになる。「C8M+C8−delta」情報がODTUにおける最後のタイムスロットに対応するJC・OHに、すなわち、現在のマルチフレームにおけるタイムスロット8に対応するHO・OPUの第8フレームのJC・OH位置にカプセル化された場合、マッピングプロセスが図6に示すようになる。
【0060】
本発明の他の実施形態において、「C8M−base+C8M−delta+C8−delta」情報が、HO・OPUの次のフレームにおけるODTUにマップされたLO・ODUにおけるMバイトの量とクロック情報の状態を示す。
【0061】
実施形態において、図7に示すように、HO・OPU2を一例として、「C8M−base+C8M−delta+C8−delta」情報を現在のマルチフレームのタイムスロット2,3,5,7,8にそれぞれ対応するHO・OPU2の第2、3、5、7、8のフレームのJC・OHの位置にカプセル化する。HO・OPU2の第2、3、5、7、8のフレームにおける「C8M−base+C8M−delta+C8−delta」情報が、クロック情報と、HO・OPU2の次のフレームにおけるODTUのペイロードエリアにマップされたLO・ODUにおけるMバイトの量を示す。HO・OPU2の他のフレームにおけるODTUのペイロードエリアにマップされたLO・ODUにおけるMバイトの量がC8M−base、すなわち、次のマルチフレームのHO・OPUの第1フレームにおけるODTUペイロードエリアと現在のマルチフレームのHO・OPUの第3、4、6、8フレームにおけるODTUペイロードエリアにMバイト単位でLO・ODUのC8M−base+C8M−デルタをマッピングすることを示している。Mバイト単位のC8M−baseのLO・ODUのMバイトデータをHO・OPUの第2、5、7番目のフレームにおけるODTUペイロードエリアにマッピングする。
【0062】
本発明の実施形態において、「C8M−base+C8M−delta+C8−delta」情報を図8に示すように、以下のとおりカプセル化することもできる。しかしながら、これに限定されない。
【0063】
すなわち、C8M−baseが13ビットを占め、C8M−deltaが3ビットを占め、C8−deltaが8ビットを占め、FECが8ビットを占める。ここで、FECエラー修正機能を追加し、BCH(16,12)の符号化モードを使用して、1ビットのエラーを修正する効果を得ることができ、伝送の間、「C8M−base+C8M−delta+C8−delta」情報の信頼性を向上することができる。さらに、FECをCRCに置き換えて、受信側で受信した「C8M−base+C8M−delta+C8−delta」情報CRC認証を通じて正しいとする。
【0064】
S4:LO・ODUがマップされてオーバヘッド情報がカプセル化されたODTUをHO・OPUに多重化する。
【0065】
本発明の実施形態によるOTNにおけるマッピング方法は、相互接続の都合上異なる単位においてLO・ODUをHO・OPUにマッピングする方法と両立する、LO・ODUをHO・OPUにマッピングするための高効率で普遍的な方法を提供するのみならず、クロック情報からデータ情報を分離して高単位でマッピングし、バイト単位のクロック情報を運び、高い単位でのみマッピングされたことによる受信側でのクロックの低い品質の問題を解決することができる。
【0066】
同様に、データ受信側では、図9に示すように、本発明の実施形態は、HO・OPUを分析してODTUとODTUが占めるタイムスロットの量Mを定め、Mバイト単位のODTUのペイロードエリアからLO・ODUをデマッピングする、OTNにおけるデマッピング方法をさらに提供する。
【0067】
Mバイト単位でODTUのペイロードエリアからMバイトのLO・ODUをデマッピングする方法は、
ODTUのオーバヘッドからMバイトのLO・ODUの量の情報を得るステップと、
Mバイト単位でODTUのペイロードエリアからMバイトのLO・ODUの量をデマッピングするステップと、
を含む。
【0068】
Mバイト単位でODTUのペイロードエリアからMバイトのLO・ODUをデマッピングする方法はさらに、ODTUのオーバヘッドからクロック情報を得て、クロック情報に応じてクライアントサービスのクロックを回復するステップを含む。
【0069】
図10に示すように、本発明の実施形態は、
LO・ODUが占めるHO・OPUのタイムスロットのM量に応じてODTUを構築するように構成された構築ユニットと、
LO・ODUをMバイト単位でODTUのペイロードエリアにマッピングするように構成されたマッピングユニットと、
オーバヘッド情報をODTUのペイロードエリアにカプセル化するように構成されたカプセル化ユニットと、
LO・ODUがマッピングされてオーバヘッド情報がカプセル化されたODTUをHO・OPUに多重化するように構成された多重化ユニットと、
を備えるOTNにおけるマッピング装置をさらに提供するものである。
【0070】
図11に示すように、本発明の他の実施形態は、OTNにおけるマッピング装置を提供するものであり、その装置は、図10に示すように、構築ユニットと、マッピングユニットと、カプセル化ユニットと、多重化ユニットとを備える。
マッピング装置は、
Mバイト単位でマッピングされるときマッピングされるMバイトのLO・ODUの量を、マルチフレームの期間毎に送信されるLO・ODUの量Xに応じて決定するように構成された決定モジュールと、
MバイトのLO・ODUの量をMバイト単位におけるODTUのペイロードにマッピングするように構成されたマッピングモジュールと
を備え、
カプセル化ユニットは、MバイトのLO・ODUの量情報をODTUのオーバヘッドエリアにカプセル化するように構成されている。
【0071】
本発明の他の実施形態において、決定モジュールは、マルチフレーム期間毎に送信されるLO・ODUの量Xに応じてクロック情報を決定するようにさらに構成される。
【0072】
カプセル化ユニットは、さらに、クロック情報をODTUのオーバヘッドエリアにカプセル化するように構成される。
【0073】
図12に示すように、本発明の実施形態は、
以下を備えるOTNにおけるデマッピング装置を提供する。
HO・OPUを分析し、ODTUとODTUが占めるタイムスロットの量Mを求めるように構成された分析ユニットと、
Mバイト単位でODTUのペイロードエリアからLO・ODUをデマッピングするように構成されたデマッピングユニットと、
を備えるOTNにおけるデマッピング装置を提供する。
【0074】
上記装置の部品間での信号処理および実行についての詳細な説明は、本発明の方法についての実施形態と同じ概念に基づくものであるので、本発明の方法の実施形態を参照されることとして、ここでは説明を省く。
【0075】
上記説明は、本発明の例をいくつか挙げたに過ぎず、それによって、本発明の保護範囲は限定されない。本発明により開示された技術範囲において当業者が容易に着想することができる代替形態や修正形態も、本発明の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本発明の保護範囲は請求の範囲によって決まるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下位光チャネル・データ・ユニットが占める上位光チャネル・ペイロード・ユニットのタイムスロットの量Mに応じて光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットを構築するステップと、
前記下位光チャネル・データ・ユニットをMバイト単位で前記光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアにマッピングするステップと、
オーバヘッド情報を前記光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアにカプセル化するステップと、
前記下位光チャネル・データ・ユニットがマッピングされてオーバヘッド情報がカプセル化された前記光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットを前記上位光チャネル・ペイロード・ユニットに多重化するステップと、
を含む光トランスポート・ネットワークにおけるマッピング方法。
【請求項2】
前記下位光チャネル・データ・ユニットをMバイト単位で前記光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアにマッピングするステップが、
Mバイト単位でマッピングする際にマッピングされるMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量を、各マルチフレーム期間に送信される下位光チャネル・データ・ユニットの量Xに応じて決めるステップと、
前記Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量をMバイト単位で光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアにマッピングするステップと、
を備える請求項1に記載のマッピング方法。
【請求項3】
前記オーバヘッド情報がMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報を備え、
前記オーバヘッド情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップが、Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップを含む請求項2に記載のマッピング方法。
【請求項4】
マルチフレーム期間毎に送信される下位光チャネル・データ・ユニットの量Xに応じてクロック情報を決定するステップをさらに含み、
前記オーバヘッド情報がMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報とクロック情報を備え、
前記オーバヘッド情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップが、Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報とクロック情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップを含む請求項2に記載のマッピング方法。
【請求項5】
前記Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップが、
Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報を直接光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップ、
Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報を、Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報の固定部分とMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報の可変部分に分割し、Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報の固定部分とMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報の可変部分を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップ、又は、
Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報に応じて注入されるMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報を求めて、注入されるMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップ、
を備える請求項3又は4に記載のマッピング方法。
【請求項6】
前記オーバヘッド情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するステップが、オーバヘッド情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットにおける最初のタイムスロットあるいは最後のタイムスロットに対応するオーバヘッドにカプセル化するステップを含む請求項1、3、4及び5のいずれか一項に記載のマッピング方法。
【請求項7】
前記オーバヘッド情報が、次のnマルチフレームにおいて光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットにマッピングされるMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量およびクロック情報、または次のnフレームにおいて光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットにマッピングされるMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量およびクロック情報を示し、nが自然数である請求項1、3、4、5及び6のいずれか一項に記載のマッピング方法。
【請求項8】
前記下位光チャネル・データ・ユニットを光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアにマッピングするステップが、シグマ−デルタ・アルゴリズムまたは他のジェネリック・マッピング・プロシージャ・マッピング方法を利用して実現され、前記他のジェネリック・マッピング・プロシージャ・マッピング方法が、ターゲットコンテナのレートおよびマッピングされた信号による注入量を自動的に求めることができ、ターゲットコンテナのレートとマッピングされた信号によるターゲットコンテナにおける注入およびマッピング信号の分布位置を自動的に求めることができ、そしてターゲットコンテナのオーバヘッドにおいて注入/マッピング信号を運ぶ位置情報を伝送するという特徴を備える請求項1又は2に記載のマッピング方法。
【請求項9】
上位光チャネル・ペイロード・ユニットを分析して、光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットと該光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットが占めるタイムスロットの量Mを求めるステップと、
Mバイト単位で光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアから下位光チャネル・データ・ユニットをデマッピングするステップと、
を備える光トランスポート・ネットワークにおけるデマッピング方法。
【請求項10】
前記Mバイト単位で光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアから下位光チャネル・データ・ユニットをデマッピングするステップが、
光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドからMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報を得るステップと、
Mバイト単位の光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアからMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量をデマッピングするステップと、
を備える請求項9に記載のデマッピング方法。
【請求項11】
前記Mバイト単位で光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアから下位光チャネル・データ・ユニットをデマッピングするステップが、
光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドからクロック情報を得るステップをさらに備える請求項10に記載のデマッピング方法。
【請求項12】
下位光チャネル・データ・ユニットが占める上位光チャネル・ペイロード・ユニットのタイムスロットの量Mに応じて光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットを構築するように構成された構築ユニットと、
下位光チャネル・データ・ユニットをMバイト単位で光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアにマッピングするよう構成されたマッピングユニットと、
オーバヘッド情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアにカプセル化するように構成されたカプセル化ユニットと、
下位光チャネル・データ・ユニットがマッピングされてオーバヘッド情報がカプセル化された光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットを上位光チャネル・ペイロード・ユニットに多重化するように構成された多重化ユニットと、
を備える光トランスポート・ネットワークにおけるマッピング装置。
【請求項13】
前記マッピングユニットが、
Mバイト単位でマッピングする際にマッピングされるMバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量を、各マルチフレーム期間に送信されるの量Xに応じて決めるように構成された決定モジュールと、
Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量をMバイト単位の光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアにマッピングするように構成されたマッピングモジュールと、
を備え、
前記カプセル化ユニットが、Mバイトの下位光チャネル・データ・ユニットの量情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するように構成されている請求項12に記載のマッピング装置。
【請求項14】
前記決定モジュールがさらに、各マルチフレーム期間に送信される下位光チャネル・データ・ユニットの量Xに応じてクロック情報を決定するように構成されており、
カプセル化ユニットがさらに、クロック情報を光チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのオーバヘッドエリアにカプセル化するように構成されている請求項13に記載のマッピング装置。
【請求項15】
上位光チャネル・ペイロード・ユニットを分析して、チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットと該チャネル・データ・トリビュタリ・ユニットが占めるタイムスロットの量Mを求めるように構成された分析ユニットと、
Mバイト単位のチャネル・データ・トリビュタリ・ユニットのペイロードエリアから下位光チャネル・データ・ユニットをデマッピングするように構成されたデマッピングユニットと、
を備える光トランスポート・ネットワークにおけるデマッピング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−213271(P2010−213271A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48838(P2010−48838)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(502385872)華為技術有限公司 (139)
【Fターム(参考)】