光ネットワークシステム及び光ネットワーク終端装置
【課題】本発明は、低速の上りデータが高頻度でやり取りされる中で、省電力効果を維持しつつ、キューイング遅延を低減することを目的とする。
【解決手段】ONU2は、省電力状態においてOLT1への上りデータを蓄積したときに、OLT1がONU2に当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、OLT1への上りデータをOLT1への制御メッセージのペイロード領域に格納して、OLT1への制御メッセージを送信する。
【解決手段】ONU2は、省電力状態においてOLT1への上りデータを蓄積したときに、OLT1がONU2に当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、OLT1への上りデータをOLT1への制御メッセージのペイロード領域に格納して、OLT1への制御メッセージを送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ネットワークシステムにおけるスマートグリッド技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力網と通信網の融合により効率的なエネルギーマネジメントを行うスマートグリッド技術が注目を浴びている。スマートグリッドに利用される通信ネットワーク上では主にM2M(Machine to Machine)通信が行われる。M2M通信では少量のデータが高頻度でやり取りされる。特に、センサデータを収集するための低速上りトラヒックが常時発生するという特徴がある。センサデータは、例えば、Zigbee等の無線ネットワークを介してゲートウェイに転送され、さらにブロードバンドアクセスネットワークを介してサーバへと転送され、データベース化される。スマートグリッド技術におけるM2M通信について、例えば非特許文献1に記載されている。
【0003】
スマートグリッドにおける通信網として、IP(Internet Protocol)ベースの光アクセスネットワークを利用することが考えられる。光アクセスネットワークの1つとして、受動光ネットワーク(PON:Passive Optical Network)がある。図1に示すように、PONは、1つの光加入者線終端装置(OLT:Optical Line Terminal)1が複数の光ネットワーク終端装置(ONU:Optical Network Unit)2−1、2−2、・・・、2−nと、光ファイバ伝送路3および1対nのスプリッタ4(nは自然数)を介してポイントツーマルチポイントの通信を行うネットワークである。ギガビットクラスのPONの代表的な規格として、IEEE802.3にて標準化されたEPON(Ethernet(登録商標)PON)がある。また、IEEE802.3av検討グループにおいて、10ギガビットクラスの10G−EPONの標準化が行われた。10ギガビットクラスの10G−EPONについて、例えば非特許文献2に記載されている。
【0004】
図2にEPONにおけるONU2の機能ブロック図を示す。上り主信号は、UNI(User Network Interface)ポート21、キュー管理手段22、PON信号処理手段23を介してPON−IF(PON Interface)ポート24へと流れる。一方、下り主信号は、PON−IFポート24、PON信号処理手段23、キュー管理手段22を介してUNIポート21へと流れる。ONU2は、上り方向に対して複数のキューを備え、キュー監視手段25として各キュー内のデータ量を監視する手段を有している。また、ONU2は、PON信号処理手段23に、OLT1に対して各キュー内のデータ量を報告するMPCP(Multi−Point Control Protocol)部231と、OLT1と保守監視用の制御フレームをやり取りするOAM(Operations,Administration and Maintenance)部232を有している。
【0005】
図3にEPONにおけるOLT1の機能ブロック図を示す。下り主信号は、SNI(Service Node Interface)ポート11、キュー管理手段12、PON信号処理手段13を介してPON−IFポート14へと流れる。一方、上り主信号は、PON−IFポート14、PON信号処理手段13、キュー管理手段12を介してSNIポート11へと流れる。OLT1は、PON信号処理手段13に、各ONU2に対して各ONU2に備えられたキュー内のデータ量を報告させるMPCP部131と、各ONU2から受信した報告メッセージをもとに各ONU2内のキューのデータ量を監視し、各ONU2へ使用帯域を割り当てる帯域割当部132と、各ONU2と保守監視用の制御フレームをやり取りするOAM部133を有している。
【0006】
一方、ブロードバンドアクセスネットワークを構成するPONシステムにおいては、ONUの省電力化を図るための省電力メカニズムがITU−TおよびIEEE P1904.1で提案されている。PONの省電力メカニズムとしては、Power Shedding、Deep Sleep、Dozing、Cyclic Sleepの4方式がある。Power Sheddingは不要のUNIポートを休止させる方式である。Deep Sleepは流通トラヒックがない場合に送受信部を休止させる方式である。Dozingは上りトラヒックが存在しない場合に送信部を休止させる方式である。Cyclic Sleepは流通トラヒックがない場合に送受信部を休止させ、一定時間経過後に休止させていた送受信部を起動させてトラヒックの確認を行う方式である。ONUの省電力メカニズムについて、例えば非特許文献3、4に記載されている。
【0007】
図4から図6にONU2のPON信号処理手段23の機能構成を示す。
【0008】
Dozing方式の場合、ONU2のPON−IFポート24側の受信機能は常に起動状態であるが、送信機能は上りトラヒックが存在する場合以外は省電力状態となる。なお、Ts秒間の省電力状態の後、Ta秒間の起動状態に遷移し、OLT1に対して省電力状態の継続を通知してもよい。省電力状態においては、例えば、図4に示すように、光トランシーバの一部である送信PHY部(PMD(Physical Medium Dependent))234−1のみを休止させる。または、図5に示すように、送信PHY部(PMD)234−1に加えて、送信PHY部(PMD除く)235−1を休止させてもよい。あるいは、図6に示すように、送信PHY部(PMD)234−1、送信PHY部(PMD除く)235−1に加えて、送信MAC部236−1を休止させてもよい。
【0009】
Cyclic Sleep方式の場合、ONU2のPON−IFポート24側の送受信機能は上下トラヒックが存在しない場合に間欠的に起動状態となる。つまり、Ts秒間の省電力状態とTa秒間の起動状態を繰り返す。省電力状態においては、例えば、図4に示すように、光トランシーバの一部である送受信PHY部(PMD)234−1、234−2のみを休止させる。または、図5に示すように、送受信PHY部(PMD)234−1、234−2に加えて、送受信PHY部(PMD除く)235−1、235−2を休止させてもよい。あるいは、図6に示すように、送受信PHY部(PMD)234−1、234−2、送受信PHY部(PMD除く)235−1、235−2に加えて、送受信MAC部236−1、236−2を休止させてもよい。
【0010】
従来のDozing方式における第1の制御メッセージ交換例を図7に示す。ONU2が起動モードである場合には、上りキューに格納されているデータ量をOLT1へ通知し、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた上り帯域を利用して、データを送信する。ONU2のMPCP部231からReportメッセージを送信することでデータ量の通知を行う。またOLT1のMPCP部131からGateメッセージを送信することで、上り割当帯域の通知を行う。
【0011】
ONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1はONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0012】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューにデータが無ければ、ACKメッセージをOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。
【0013】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りトラヒックが発生した場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔でOLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。ONU2は、OLT1の帯域割当部132による上り帯域割当を待ち、Gateメッセージによる上り帯域割当通知の後に、上りデータを送信する。
【0014】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0015】
従来のDozing方式における第2の制御メッセージ交換例を図8に示す。ONU2が起動モードである場合には、上りキューに格納されているデータ量をOLT1へ通知し、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた上り帯域を利用して、データを送信する。ONU2のMPCP部231からReportメッセージを送信することでデータ量の通知を行う。またOLT1のMPCP部131からGateメッセージを送信することで、上り割当帯域の通知を行う。
【0016】
ONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1はONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、省電力状態へと遷移する。
【0017】
上りトラヒックが発生した場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、このReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。ONU2は、OLT1の帯域割当部132による上り帯域割当を待ち、Gateメッセージによる上り帯域割当通知の後に、上りデータを送信する。
【0018】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0019】
従来のCyclic Sleep方式における第1の制御メッセージ交換例を図9に示す。ONU2が起動モードである場合には、上りキューに格納されているデータ量をOLT1へ通知し、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた上り帯域を利用して、データを送信する。ONU2のMPCP部231からReportメッセージを送信することでデータ量の通知を行う。またOLT1のMPCP部131からGateメッセージを送信することで、上り割当帯域の通知を行う。
【0020】
OLT1の当該ONU2宛て下りキューにデータが無くなり、かつONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1は該ONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0021】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのGateメッセージ(省電力状態では、OLT1がGateメッセージを送信しても、ONU2はGateメッセージを受信できない。)およびSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューにデータが無ければ、ACKメッセージをOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。
【0022】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りトラヒックが発生した場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔でOLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。ONU2は、OLT1の帯域割当部132による上り帯域割当を待ち、Gateメッセージによる上り帯域割当通知の後に、上りデータを送信する。
【0023】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0024】
従来のCyclic Sleep方式における第2の制御メッセージ交換例を図10に示す。ONU2が起動モードである場合には、上りキューに格納されているデータ量をOLT1へ通知し、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた上り帯域を利用して、データを送信する。ONU2のMPCP部231からReportメッセージを送信することでデータ量の通知を行う。またOLT1のMPCP部131からGateメッセージを送信することで、上り割当帯域の通知を行う。
【0025】
OLT1の当該ONU2宛て下りキューにデータが無くなり、かつONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1は該ONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0026】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのGateメッセージ(省電力状態では、OLT1がGateメッセージを送信しても、ONU2はGateメッセージを受信できない。)およびSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューにデータが無ければ、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。
【0027】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りトラヒックが発生した場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、Reportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔でOLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。ONU2は、OLT1の帯域割当部132による上り帯域割当を待ち、Gateメッセージによる上り帯域割当通知の後に、上りデータを送信する。
【0028】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】Young−Jin Kim, Marina Thottan, Vladimir Kolesnikov, Wonsuck Lee, “A secure decentralized data−centric information infrastructure for smart grid,” Communications Magazine, Vol. 48, No. 11, pp. 58−65, November 2010.
【非特許文献2】Tsutomu Tatsuta, Noriyuki Oota, Noriki Miki, Kiyomi Kumozaki, “Design Philosophy and performance of a GE−PON system for mass deployment,” Journal of Optical Networking, Vol. 6, No. 6, pp. 689−700, June 2007.
【非特許文献3】ITU−T Recommendation G Suppl. 45, “Supplement on GPON power conservation,” May 2009.
【非特許文献4】Ryogo Kubo, Jun−ichi Kani, Hirotaka Ujikawa, Takeshi Sakamoto, Yukihiro Fujimoto, Naoto Yoshimoto, Hisaya Hadama, “Study and demonstration of sleep and adaptive link rate control mechanisms for energy efficient 10G−EPON,” IEEE/OSA Journal of Optical Communications and Networking, Vol. 2, No. 9, pp. 716−729, September 2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
しかしながら、省電力モードのONUは、低速の上りデータが流入した場合、一度起動モードへ遷移し、OLTからの上り帯域割当を待機しなければならないため、ONUの起動時間が長くなり省電力効果が低減されてしまうという課題があった。また、低速のデータが高頻度でやり取りされることから、ONUは高頻度で省電力モードと起動モードの間の状態遷移を行う必要が発生し、省電力効果が低下するという課題があった。さらに、上り帯域割当を待機する期間、上りデータはONUのキュー内に格納され続けるため、キューイング遅延が増大してしまうという課題があった。
【0031】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、低速の上りデータが高頻度でやり取りされる中で、省電力効果を維持しつつ、キューイング遅延を低減することができる光ネットワークシステム及び光ネットワーク終端装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記目的を達成するために、ONUは、省電力状態においてOLTへの上りデータを蓄積したときに、OLTがONUに当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータをOLTへの制御メッセージのペイロード領域に格納して、OLTへの制御メッセージを送信することとした。
【0033】
具体的には、本発明は、1個の光加入者線終端装置及び複数の光ネットワーク終端装置が、光ファイバ伝送路を介してポイントツーマルチポイントの通信を行う光ネットワークシステムであって、前記光加入者線終端装置は、各光ネットワーク終端装置に上り帯域を割り当て、各光ネットワーク終端装置は、前記光加入者線終端装置への送信を行わない省電力状態及び前記光加入者線終端装置への送信を行う起動状態の間で状態を切り換え、省電力状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを蓄積したときに、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置への制御メッセージのペイロード領域に格納して、前記光加入者線終端装置への制御メッセージを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワークシステムである。
【0034】
また、本発明は、光加入者線終端装置への送信を行わない省電力状態及び前記光加入者線終端装置への送信を行う起動状態の間で状態を切り換える状態切換部と、前記光加入者線終端装置への上りデータを蓄積するデータ蓄積部と、省電力状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータが蓄積されたときに、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置への制御メッセージのペイロード領域に格納して、前記光加入者線終端装置への制御メッセージを前記光加入者線終端装置に送信するデータ送信部と、を備えることを特徴とする光ネットワーク終端装置である。
【0035】
この構成によれば、ONUは、省電力モード中の間欠的な起動状態において、上りデータを制御メッセージのペイロード領域に格納して、制御メッセージをOLTに送信するため、省電力モード及び起動モードの間の遷移を減らせる。さらに、ONUは、省電力状態において、すでに上り帯域を割り当てられているため、省電力状態の後の起動状態において、上り帯域の割り当てを待機しなくてもよく、上りデータを格納し続けなくてもよい。
【0036】
また、本発明は、各光ネットワーク終端装置が当該省電力状態において蓄積した前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより小さいときに、各光ネットワーク終端装置は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの全てを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワークシステムである。
【0037】
また、本発明は、当該省電力状態において蓄積された前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより小さいときに、前記データ送信部は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの全てを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワーク終端装置である。
【0038】
この構成によれば、ONUは、上りデータのサイズが小さいときには、1回の起動状態において、上りデータをOLTに送信することができる。ここで、ONUは、1回の起動状態において、1個又は複数個の制御メッセージを利用することができる。
【0039】
また、本発明は、各光ネットワーク終端装置が当該省電力状態において蓄積した前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより大きいときに、各光ネットワーク終端装置は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの一部を前記上り帯域の範囲内で前記光加入者線終端装置に送信し、当該起動状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの残りを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワークシステムである。
【0040】
また、本発明は、当該省電力状態において蓄積された前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより大きいときに、前記データ送信部は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの一部を前記上り帯域の範囲内で前記光加入者線終端装置に送信し、当該起動状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの残りを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワーク終端装置である。
【0041】
この構成によれば、ONUは、上りデータのサイズが大きいときには、複数回の起動状態において、上りデータをOLTに送信することができる。ここで、ONUは、各回の起動状態において、1個又は複数個の制御メッセージを利用することができる。
【0042】
また、本発明は、各光ネットワーク終端装置は、前記光加入者線終端装置への上りデータの送信優先度に基づいて、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワークシステムである。
【0043】
また、本発明は、前記データ送信部は、前記光加入者線終端装置への上りデータの送信優先度に基づいて、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワーク終端装置である。
【0044】
この構成によれば、優先度の高い上りデータが優先的に送信される。
【発明の効果】
【0045】
本発明は、低速の上りデータが高頻度でやり取りされる中で、省電力効果を維持しつつ、キューイング遅延を低減することができる光ネットワークシステム及び光ネットワーク終端装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】PONの構成を示す図である。
【図2】ONUの構成を示す図である。
【図3】OLTの構成を示す図である。
【図4】PON信号処理手段の構成を示す図である。
【図5】PON信号処理手段の構成を示す図である。
【図6】PON信号処理手段の構成を示す図である。
【図7】従来技術の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図8】従来技術の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図9】従来技術の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図10】従来技術の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図11】実施形態1の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図12】実施形態2の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図13】実施形態3の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図14】実施形態4の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図15】実施形態5の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図16】実施形態6の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0048】
(実施形態1−4)
実施形態1−4の概要を説明する。ONUは、OLTへの送信を行わない省電力状態及びOLTへの送信を行う起動状態の間で状態を切り換える。そして、ONUは、省電力状態において、OLTへの上りデータを蓄積したときに、OLTがONUに当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータをOLTへの制御メッセージのペイロード領域に格納して、OLTへの制御メッセージをOLTに送信する。
【0049】
ここで、ONUが当該省電力状態において蓄積したOLTへの上りデータのサイズが、OLTがONUに当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより小さいときに、ONUは、当該省電力状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータの全てをOLTに送信する。なお、ONUは、1回の起動状態において、1個又は複数個の制御メッセージを利用することができる。
【0050】
(実施形態1)
Dozing方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合を考える。この場合の制御メッセージ交換例を図11に示す。
【0051】
ONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1はONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0052】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0053】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合、ACKメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、Reportメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。
【0054】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りキューに格納されたデータが、1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きくなった場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0055】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0056】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ1個分の帯域および/またはACKメッセージ1個分の固定帯域としてもよいし、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0057】
実施形態1は、図7に示した従来のDozing方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図8に示した従来のDozing方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0058】
(実施形態2)
Cyclic Sleep方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合を考える。この場合の制御メッセージ交換例を図12に示す。
【0059】
OLT1の当該ONU2宛て下りキューにデータが無くなり、かつONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1は該ONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0060】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのGateメッセージ(省電力状態では、OLT1がGateメッセージを送信しても、ONU2はGateメッセージを受信できない。)およびSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0061】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合、ACKメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、Reportメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。
【0062】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りキューに格納されたデータが、1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きくなった場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0063】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0064】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ1個分の帯域および/またはACKメッセージ1個分の固定帯域としてもよいし、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0065】
実施形態2は、図9に示した従来のCyclic Sleep方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図10に示した従来のCyclic Sleep方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0066】
(実施形態3)
Dozing方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズより大きい場合を考える。ONUは、複数の制御フレームに分割して、かつ同一割当周期で割り当てられた上り帯域を利用して上りデータを送信する。この場合の制御メッセージ交換例を図13に示す。
【0067】
ONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1はONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0068】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0069】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量以下である場合、複数の制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量以下である場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、複数の制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。例えば、制御メッセージとしては、拡張OAM(eOAM)メッセージを用いることができる。
【0070】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りキューに格納されたデータが、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きくなった場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0071】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0072】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0073】
実施形態3は、図7に示した従来のDozing方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図8に示した従来のDozing方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0074】
(実施形態4)
Cyclic Sleep方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズより大きい場合を考える。ONUは、複数の制御フレームに分割して、かつ同一割当周期で割り当てられた上り帯域を利用して上りデータを送信する。この場合の制御メッセージ交換例を図14に示す。
【0075】
OLT1の当該ONU2宛て下りキューにデータが無くなり、かつONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1は該ONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0076】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのGateメッセージ(省電力状態では、OLT1がGateメッセージを送信しても、ONU2はGateメッセージを受信できない。)およびSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0077】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量以下である場合、複数の制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量以下である場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、複数の制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。例えば、制御メッセージとしては、拡張OAM(eOAM)メッセージを用いることができる。
【0078】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りキューに格納されたデータが、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きくなった場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0079】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0080】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0081】
実施形態4は、図9に示した従来のCyclic Sleep方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図10に示した従来のCyclic Sleep方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0082】
(実施形態5、6)
実施形態5、6の概要を説明する。ONUは、OLTへの送信を行わない省電力状態及びOLTへの送信を行う起動状態の間で状態を切り換える。そして、ONUは、省電力状態において、OLTへの上りデータを蓄積したときに、OLTがONUに当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータをOLTへの制御メッセージのペイロード領域に格納して、OLTへの制御メッセージをOLTに送信する。
【0083】
ここで、ONUが当該省電力状態において蓄積したOLTへの上りデータのサイズが、OLTがONUに当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより大きいときに、ONUは、当該省電力状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータの一部を当該上り帯域の範囲内でOLTに送信し、当該起動状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータの残りをOLTに送信する。なお、ONUは、各回の起動状態において、1個又は複数個の制御メッセージを利用することができる。
【0084】
(実施形態5)
Dozing方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズより大きい場合を考える。ONUは、複数の制御フレームに分割して、かつ複数の割当周期にわたって割り当てられた上り帯域を利用して上りデータを送信する。この場合の制御メッセージ交換例を図15に示す。
【0085】
ONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1はONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0086】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0087】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きい場合、制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納して一部のデータをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移した後、再び省電力状態が終了した際に、残りのデータを送信する。
【0088】
あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きい場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、複数のReportメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0089】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0090】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ1個分の帯域および/またはACKメッセージ1個分の固定帯域としてもよいし、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0091】
実施形態5は、図7に示した従来のDozing方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図8に示した従来のDozing方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0092】
(実施形態6)
Cyclic Sleep方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズより大きい場合を考える。ONUは、複数の制御フレームに分割して、かつ複数の割当周期にわたって割り当てられた上り帯域を利用して上りデータを送信する。この場合の制御メッセージ交換例を図16に示す。
【0093】
OLT1の当該ONU2宛て下りキューにデータが無くなり、かつONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1は該ONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0094】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのGateメッセージ(省電力状態では、OLT1がGateメッセージを送信しても、ONU2はGateメッセージを受信できない。)およびSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0095】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きい場合、制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納して一部のデータをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移した後、再び省電力状態が終了した際に、残りのデータを送信する。
【0096】
あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きい場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、複数のReportメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0097】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0098】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ1個分の帯域および/またはACKメッセージ1個分の固定帯域としてもよいし、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0099】
実施形態6は、図9に示した従来のCyclic Sleep方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図10に示した従来のCyclic Sleep方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0100】
(変形例)
実施形態1−6では、OLT1が集中的に接続されている全てのONU2の省電力モードを制御する場合について記述したが、ONU2が自律的に省電力モードの制御を行う場合についても本発明を適用できることは明らかである。また、実施形態1−6では、EPONおよび10G−EPONの場合について記述したが、他のPON、例えばITU−T勧告準拠のB−PON、G−PONおよびXG−PON、さらにはWDM−PONやCDM−PONにおける省電力モードにも本発明を適用できることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明に係る光ネットワークシステム及び光ネットワーク終端装置は、スマートグリッドにおける光通信網に適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1:OLT
2:ONU
3:光ファイバ伝送路
4:スプリッタ
11:SNIポート
12:キュー管理手段
13:PON信号処理手段
14:PON−IFポート
21:UNIポート
22:キュー管理手段
23:PON信号処理手段
24:PON−IFポート
25:キュー監視手段
131:MPCP部
132:帯域割当部
133:OAM部
231:MPCP部
232:OAM部
233:多重分離部
234、235:PHY部
236:MAC部
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ネットワークシステムにおけるスマートグリッド技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力網と通信網の融合により効率的なエネルギーマネジメントを行うスマートグリッド技術が注目を浴びている。スマートグリッドに利用される通信ネットワーク上では主にM2M(Machine to Machine)通信が行われる。M2M通信では少量のデータが高頻度でやり取りされる。特に、センサデータを収集するための低速上りトラヒックが常時発生するという特徴がある。センサデータは、例えば、Zigbee等の無線ネットワークを介してゲートウェイに転送され、さらにブロードバンドアクセスネットワークを介してサーバへと転送され、データベース化される。スマートグリッド技術におけるM2M通信について、例えば非特許文献1に記載されている。
【0003】
スマートグリッドにおける通信網として、IP(Internet Protocol)ベースの光アクセスネットワークを利用することが考えられる。光アクセスネットワークの1つとして、受動光ネットワーク(PON:Passive Optical Network)がある。図1に示すように、PONは、1つの光加入者線終端装置(OLT:Optical Line Terminal)1が複数の光ネットワーク終端装置(ONU:Optical Network Unit)2−1、2−2、・・・、2−nと、光ファイバ伝送路3および1対nのスプリッタ4(nは自然数)を介してポイントツーマルチポイントの通信を行うネットワークである。ギガビットクラスのPONの代表的な規格として、IEEE802.3にて標準化されたEPON(Ethernet(登録商標)PON)がある。また、IEEE802.3av検討グループにおいて、10ギガビットクラスの10G−EPONの標準化が行われた。10ギガビットクラスの10G−EPONについて、例えば非特許文献2に記載されている。
【0004】
図2にEPONにおけるONU2の機能ブロック図を示す。上り主信号は、UNI(User Network Interface)ポート21、キュー管理手段22、PON信号処理手段23を介してPON−IF(PON Interface)ポート24へと流れる。一方、下り主信号は、PON−IFポート24、PON信号処理手段23、キュー管理手段22を介してUNIポート21へと流れる。ONU2は、上り方向に対して複数のキューを備え、キュー監視手段25として各キュー内のデータ量を監視する手段を有している。また、ONU2は、PON信号処理手段23に、OLT1に対して各キュー内のデータ量を報告するMPCP(Multi−Point Control Protocol)部231と、OLT1と保守監視用の制御フレームをやり取りするOAM(Operations,Administration and Maintenance)部232を有している。
【0005】
図3にEPONにおけるOLT1の機能ブロック図を示す。下り主信号は、SNI(Service Node Interface)ポート11、キュー管理手段12、PON信号処理手段13を介してPON−IFポート14へと流れる。一方、上り主信号は、PON−IFポート14、PON信号処理手段13、キュー管理手段12を介してSNIポート11へと流れる。OLT1は、PON信号処理手段13に、各ONU2に対して各ONU2に備えられたキュー内のデータ量を報告させるMPCP部131と、各ONU2から受信した報告メッセージをもとに各ONU2内のキューのデータ量を監視し、各ONU2へ使用帯域を割り当てる帯域割当部132と、各ONU2と保守監視用の制御フレームをやり取りするOAM部133を有している。
【0006】
一方、ブロードバンドアクセスネットワークを構成するPONシステムにおいては、ONUの省電力化を図るための省電力メカニズムがITU−TおよびIEEE P1904.1で提案されている。PONの省電力メカニズムとしては、Power Shedding、Deep Sleep、Dozing、Cyclic Sleepの4方式がある。Power Sheddingは不要のUNIポートを休止させる方式である。Deep Sleepは流通トラヒックがない場合に送受信部を休止させる方式である。Dozingは上りトラヒックが存在しない場合に送信部を休止させる方式である。Cyclic Sleepは流通トラヒックがない場合に送受信部を休止させ、一定時間経過後に休止させていた送受信部を起動させてトラヒックの確認を行う方式である。ONUの省電力メカニズムについて、例えば非特許文献3、4に記載されている。
【0007】
図4から図6にONU2のPON信号処理手段23の機能構成を示す。
【0008】
Dozing方式の場合、ONU2のPON−IFポート24側の受信機能は常に起動状態であるが、送信機能は上りトラヒックが存在する場合以外は省電力状態となる。なお、Ts秒間の省電力状態の後、Ta秒間の起動状態に遷移し、OLT1に対して省電力状態の継続を通知してもよい。省電力状態においては、例えば、図4に示すように、光トランシーバの一部である送信PHY部(PMD(Physical Medium Dependent))234−1のみを休止させる。または、図5に示すように、送信PHY部(PMD)234−1に加えて、送信PHY部(PMD除く)235−1を休止させてもよい。あるいは、図6に示すように、送信PHY部(PMD)234−1、送信PHY部(PMD除く)235−1に加えて、送信MAC部236−1を休止させてもよい。
【0009】
Cyclic Sleep方式の場合、ONU2のPON−IFポート24側の送受信機能は上下トラヒックが存在しない場合に間欠的に起動状態となる。つまり、Ts秒間の省電力状態とTa秒間の起動状態を繰り返す。省電力状態においては、例えば、図4に示すように、光トランシーバの一部である送受信PHY部(PMD)234−1、234−2のみを休止させる。または、図5に示すように、送受信PHY部(PMD)234−1、234−2に加えて、送受信PHY部(PMD除く)235−1、235−2を休止させてもよい。あるいは、図6に示すように、送受信PHY部(PMD)234−1、234−2、送受信PHY部(PMD除く)235−1、235−2に加えて、送受信MAC部236−1、236−2を休止させてもよい。
【0010】
従来のDozing方式における第1の制御メッセージ交換例を図7に示す。ONU2が起動モードである場合には、上りキューに格納されているデータ量をOLT1へ通知し、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた上り帯域を利用して、データを送信する。ONU2のMPCP部231からReportメッセージを送信することでデータ量の通知を行う。またOLT1のMPCP部131からGateメッセージを送信することで、上り割当帯域の通知を行う。
【0011】
ONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1はONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0012】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューにデータが無ければ、ACKメッセージをOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。
【0013】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りトラヒックが発生した場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔でOLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。ONU2は、OLT1の帯域割当部132による上り帯域割当を待ち、Gateメッセージによる上り帯域割当通知の後に、上りデータを送信する。
【0014】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0015】
従来のDozing方式における第2の制御メッセージ交換例を図8に示す。ONU2が起動モードである場合には、上りキューに格納されているデータ量をOLT1へ通知し、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた上り帯域を利用して、データを送信する。ONU2のMPCP部231からReportメッセージを送信することでデータ量の通知を行う。またOLT1のMPCP部131からGateメッセージを送信することで、上り割当帯域の通知を行う。
【0016】
ONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1はONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、省電力状態へと遷移する。
【0017】
上りトラヒックが発生した場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、このReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。ONU2は、OLT1の帯域割当部132による上り帯域割当を待ち、Gateメッセージによる上り帯域割当通知の後に、上りデータを送信する。
【0018】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0019】
従来のCyclic Sleep方式における第1の制御メッセージ交換例を図9に示す。ONU2が起動モードである場合には、上りキューに格納されているデータ量をOLT1へ通知し、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた上り帯域を利用して、データを送信する。ONU2のMPCP部231からReportメッセージを送信することでデータ量の通知を行う。またOLT1のMPCP部131からGateメッセージを送信することで、上り割当帯域の通知を行う。
【0020】
OLT1の当該ONU2宛て下りキューにデータが無くなり、かつONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1は該ONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0021】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのGateメッセージ(省電力状態では、OLT1がGateメッセージを送信しても、ONU2はGateメッセージを受信できない。)およびSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューにデータが無ければ、ACKメッセージをOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。
【0022】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りトラヒックが発生した場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔でOLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。ONU2は、OLT1の帯域割当部132による上り帯域割当を待ち、Gateメッセージによる上り帯域割当通知の後に、上りデータを送信する。
【0023】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0024】
従来のCyclic Sleep方式における第2の制御メッセージ交換例を図10に示す。ONU2が起動モードである場合には、上りキューに格納されているデータ量をOLT1へ通知し、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた上り帯域を利用して、データを送信する。ONU2のMPCP部231からReportメッセージを送信することでデータ量の通知を行う。またOLT1のMPCP部131からGateメッセージを送信することで、上り割当帯域の通知を行う。
【0025】
OLT1の当該ONU2宛て下りキューにデータが無くなり、かつONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1は該ONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0026】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのGateメッセージ(省電力状態では、OLT1がGateメッセージを送信しても、ONU2はGateメッセージを受信できない。)およびSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューにデータが無ければ、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。
【0027】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りトラヒックが発生した場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、Reportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔でOLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。ONU2は、OLT1の帯域割当部132による上り帯域割当を待ち、Gateメッセージによる上り帯域割当通知の後に、上りデータを送信する。
【0028】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】Young−Jin Kim, Marina Thottan, Vladimir Kolesnikov, Wonsuck Lee, “A secure decentralized data−centric information infrastructure for smart grid,” Communications Magazine, Vol. 48, No. 11, pp. 58−65, November 2010.
【非特許文献2】Tsutomu Tatsuta, Noriyuki Oota, Noriki Miki, Kiyomi Kumozaki, “Design Philosophy and performance of a GE−PON system for mass deployment,” Journal of Optical Networking, Vol. 6, No. 6, pp. 689−700, June 2007.
【非特許文献3】ITU−T Recommendation G Suppl. 45, “Supplement on GPON power conservation,” May 2009.
【非特許文献4】Ryogo Kubo, Jun−ichi Kani, Hirotaka Ujikawa, Takeshi Sakamoto, Yukihiro Fujimoto, Naoto Yoshimoto, Hisaya Hadama, “Study and demonstration of sleep and adaptive link rate control mechanisms for energy efficient 10G−EPON,” IEEE/OSA Journal of Optical Communications and Networking, Vol. 2, No. 9, pp. 716−729, September 2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
しかしながら、省電力モードのONUは、低速の上りデータが流入した場合、一度起動モードへ遷移し、OLTからの上り帯域割当を待機しなければならないため、ONUの起動時間が長くなり省電力効果が低減されてしまうという課題があった。また、低速のデータが高頻度でやり取りされることから、ONUは高頻度で省電力モードと起動モードの間の状態遷移を行う必要が発生し、省電力効果が低下するという課題があった。さらに、上り帯域割当を待機する期間、上りデータはONUのキュー内に格納され続けるため、キューイング遅延が増大してしまうという課題があった。
【0031】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、低速の上りデータが高頻度でやり取りされる中で、省電力効果を維持しつつ、キューイング遅延を低減することができる光ネットワークシステム及び光ネットワーク終端装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記目的を達成するために、ONUは、省電力状態においてOLTへの上りデータを蓄積したときに、OLTがONUに当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータをOLTへの制御メッセージのペイロード領域に格納して、OLTへの制御メッセージを送信することとした。
【0033】
具体的には、本発明は、1個の光加入者線終端装置及び複数の光ネットワーク終端装置が、光ファイバ伝送路を介してポイントツーマルチポイントの通信を行う光ネットワークシステムであって、前記光加入者線終端装置は、各光ネットワーク終端装置に上り帯域を割り当て、各光ネットワーク終端装置は、前記光加入者線終端装置への送信を行わない省電力状態及び前記光加入者線終端装置への送信を行う起動状態の間で状態を切り換え、省電力状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを蓄積したときに、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置への制御メッセージのペイロード領域に格納して、前記光加入者線終端装置への制御メッセージを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワークシステムである。
【0034】
また、本発明は、光加入者線終端装置への送信を行わない省電力状態及び前記光加入者線終端装置への送信を行う起動状態の間で状態を切り換える状態切換部と、前記光加入者線終端装置への上りデータを蓄積するデータ蓄積部と、省電力状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータが蓄積されたときに、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置への制御メッセージのペイロード領域に格納して、前記光加入者線終端装置への制御メッセージを前記光加入者線終端装置に送信するデータ送信部と、を備えることを特徴とする光ネットワーク終端装置である。
【0035】
この構成によれば、ONUは、省電力モード中の間欠的な起動状態において、上りデータを制御メッセージのペイロード領域に格納して、制御メッセージをOLTに送信するため、省電力モード及び起動モードの間の遷移を減らせる。さらに、ONUは、省電力状態において、すでに上り帯域を割り当てられているため、省電力状態の後の起動状態において、上り帯域の割り当てを待機しなくてもよく、上りデータを格納し続けなくてもよい。
【0036】
また、本発明は、各光ネットワーク終端装置が当該省電力状態において蓄積した前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより小さいときに、各光ネットワーク終端装置は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの全てを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワークシステムである。
【0037】
また、本発明は、当該省電力状態において蓄積された前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより小さいときに、前記データ送信部は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの全てを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワーク終端装置である。
【0038】
この構成によれば、ONUは、上りデータのサイズが小さいときには、1回の起動状態において、上りデータをOLTに送信することができる。ここで、ONUは、1回の起動状態において、1個又は複数個の制御メッセージを利用することができる。
【0039】
また、本発明は、各光ネットワーク終端装置が当該省電力状態において蓄積した前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより大きいときに、各光ネットワーク終端装置は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの一部を前記上り帯域の範囲内で前記光加入者線終端装置に送信し、当該起動状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの残りを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワークシステムである。
【0040】
また、本発明は、当該省電力状態において蓄積された前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより大きいときに、前記データ送信部は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの一部を前記上り帯域の範囲内で前記光加入者線終端装置に送信し、当該起動状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの残りを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワーク終端装置である。
【0041】
この構成によれば、ONUは、上りデータのサイズが大きいときには、複数回の起動状態において、上りデータをOLTに送信することができる。ここで、ONUは、各回の起動状態において、1個又は複数個の制御メッセージを利用することができる。
【0042】
また、本発明は、各光ネットワーク終端装置は、前記光加入者線終端装置への上りデータの送信優先度に基づいて、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワークシステムである。
【0043】
また、本発明は、前記データ送信部は、前記光加入者線終端装置への上りデータの送信優先度に基づいて、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワーク終端装置である。
【0044】
この構成によれば、優先度の高い上りデータが優先的に送信される。
【発明の効果】
【0045】
本発明は、低速の上りデータが高頻度でやり取りされる中で、省電力効果を維持しつつ、キューイング遅延を低減することができる光ネットワークシステム及び光ネットワーク終端装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】PONの構成を示す図である。
【図2】ONUの構成を示す図である。
【図3】OLTの構成を示す図である。
【図4】PON信号処理手段の構成を示す図である。
【図5】PON信号処理手段の構成を示す図である。
【図6】PON信号処理手段の構成を示す図である。
【図7】従来技術の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図8】従来技術の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図9】従来技術の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図10】従来技術の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図11】実施形態1の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図12】実施形態2の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図13】実施形態3の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図14】実施形態4の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図15】実施形態5の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【図16】実施形態6の制御メッセージ交換方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0048】
(実施形態1−4)
実施形態1−4の概要を説明する。ONUは、OLTへの送信を行わない省電力状態及びOLTへの送信を行う起動状態の間で状態を切り換える。そして、ONUは、省電力状態において、OLTへの上りデータを蓄積したときに、OLTがONUに当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータをOLTへの制御メッセージのペイロード領域に格納して、OLTへの制御メッセージをOLTに送信する。
【0049】
ここで、ONUが当該省電力状態において蓄積したOLTへの上りデータのサイズが、OLTがONUに当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより小さいときに、ONUは、当該省電力状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータの全てをOLTに送信する。なお、ONUは、1回の起動状態において、1個又は複数個の制御メッセージを利用することができる。
【0050】
(実施形態1)
Dozing方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合を考える。この場合の制御メッセージ交換例を図11に示す。
【0051】
ONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1はONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0052】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0053】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合、ACKメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、Reportメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。
【0054】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りキューに格納されたデータが、1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きくなった場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0055】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0056】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ1個分の帯域および/またはACKメッセージ1個分の固定帯域としてもよいし、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0057】
実施形態1は、図7に示した従来のDozing方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図8に示した従来のDozing方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0058】
(実施形態2)
Cyclic Sleep方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合を考える。この場合の制御メッセージ交換例を図12に示す。
【0059】
OLT1の当該ONU2宛て下りキューにデータが無くなり、かつONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1は該ONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0060】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのGateメッセージ(省電力状態では、OLT1がGateメッセージを送信しても、ONU2はGateメッセージを受信できない。)およびSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0061】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合、ACKメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズ以下である場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、Reportメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。
【0062】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りキューに格納されたデータが、1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きくなった場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0063】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0064】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ1個分の帯域および/またはACKメッセージ1個分の固定帯域としてもよいし、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0065】
実施形態2は、図9に示した従来のCyclic Sleep方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図10に示した従来のCyclic Sleep方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0066】
(実施形態3)
Dozing方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズより大きい場合を考える。ONUは、複数の制御フレームに分割して、かつ同一割当周期で割り当てられた上り帯域を利用して上りデータを送信する。この場合の制御メッセージ交換例を図13に示す。
【0067】
ONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1はONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0068】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0069】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量以下である場合、複数の制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量以下である場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、複数の制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。例えば、制御メッセージとしては、拡張OAM(eOAM)メッセージを用いることができる。
【0070】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りキューに格納されたデータが、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きくなった場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0071】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0072】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0073】
実施形態3は、図7に示した従来のDozing方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図8に示した従来のDozing方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0074】
(実施形態4)
Cyclic Sleep方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズより大きい場合を考える。ONUは、複数の制御フレームに分割して、かつ同一割当周期で割り当てられた上り帯域を利用して上りデータを送信する。この場合の制御メッセージ交換例を図14に示す。
【0075】
OLT1の当該ONU2宛て下りキューにデータが無くなり、かつONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1は該ONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0076】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのGateメッセージ(省電力状態では、OLT1がGateメッセージを送信しても、ONU2はGateメッセージを受信できない。)およびSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0077】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量以下である場合、複数の制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信し、再びTs1秒間の省電力状態へと遷移する。あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量以下である場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、複数の制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。例えば、制御メッセージとしては、拡張OAM(eOAM)メッセージを用いることができる。
【0078】
Ts2秒後(Ts2<Ts1)に上りキューに格納されたデータが、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きくなった場合には、ONU2は上りキュー内のデータ量をReportメッセージによりOLT1へ通知する。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0079】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0080】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0081】
実施形態4は、図9に示した従来のCyclic Sleep方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図10に示した従来のCyclic Sleep方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0082】
(実施形態5、6)
実施形態5、6の概要を説明する。ONUは、OLTへの送信を行わない省電力状態及びOLTへの送信を行う起動状態の間で状態を切り換える。そして、ONUは、省電力状態において、OLTへの上りデータを蓄積したときに、OLTがONUに当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータをOLTへの制御メッセージのペイロード領域に格納して、OLTへの制御メッセージをOLTに送信する。
【0083】
ここで、ONUが当該省電力状態において蓄積したOLTへの上りデータのサイズが、OLTがONUに当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより大きいときに、ONUは、当該省電力状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータの一部を当該上り帯域の範囲内でOLTに送信し、当該起動状態の後の起動状態において、OLTへの上りデータの残りをOLTに送信する。なお、ONUは、各回の起動状態において、1個又は複数個の制御メッセージを利用することができる。
【0084】
(実施形態5)
Dozing方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズより大きい場合を考える。ONUは、複数の制御フレームに分割して、かつ複数の割当周期にわたって割り当てられた上り帯域を利用して上りデータを送信する。この場合の制御メッセージ交換例を図15に示す。
【0085】
ONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1はONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0086】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0087】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きい場合、制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納して一部のデータをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移した後、再び省電力状態が終了した際に、残りのデータを送信する。
【0088】
あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きい場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、複数のReportメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0089】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0090】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ1個分の帯域および/またはACKメッセージ1個分の固定帯域としてもよいし、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0091】
実施形態5は、図7に示した従来のDozing方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図8に示した従来のDozing方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0092】
(実施形態6)
Cyclic Sleep方式を採用したONUにおいて、省電力モード期間中に流入した上りデータサイズが、1個の制御メッセージフレームのペイロードサイズより大きい場合を考える。ONUは、複数の制御フレームに分割して、かつ複数の割当周期にわたって割り当てられた上り帯域を利用して上りデータを送信する。この場合の制御メッセージ交換例を図16に示す。
【0093】
OLT1の当該ONU2宛て下りキューにデータが無くなり、かつONU2の上りキューにデータが無くなった場合、OLT1は該ONU2に対して省電力モードへの移行を許可するSleep Allowメッセージを送信する。ONU2は省電力モードへの移行が可能であると判断した場合、Sleep RequestメッセージをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移する。例えば、省電力期間Ts1は、10ミリ秒から100ミリ秒に設定する。
【0094】
Ts1秒経過後に、ONU2はTa1秒間の起動状態に遷移し、OLT1からのGateメッセージ(省電力状態では、OLT1がGateメッセージを送信しても、ONU2はGateメッセージを受信できない。)およびSleep Allowメッセージを受信する。例えば、起動時間Ta1はOLT1とONU2の時刻誤差を考慮して、数ミリ秒以下に設定することが望ましい。OLT1はSleep Allowメッセージを、例えば、Ta1+Ts1秒間の周期で送信する。
【0095】
ONU2は、Sleep Allowメッセージを受信した際、上りキューに格納されたデータが1個のACKメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きい場合、制御メッセージのペイロード領域に上りデータを格納して一部のデータをOLT1へ送信し、Ts1秒間の省電力状態へと遷移した後、再び省電力状態が終了した際に、残りのデータを送信する。
【0096】
あるいは、ONU2は、上りキューに格納されたデータが1個のReportメッセージフレームのペイロードサイズより大きく、OLT1の帯域割当部132より割り当てられた帯域で送信可能なデータ量より大きい場合、Sleep Allowメッセージの受信を待たずに、起動状態に遷移したうえで、定期的にGateメッセージにより割り当てられている上り帯域を利用して、複数のReportメッセージのペイロード領域に上りデータを格納してOLT1へ送信してもよい。ただし、ACKメッセージおよびReportメッセージを送信するための上り帯域は、ONU2の省電力状態及び起動状態のいずれに関わらず、Sleep Allow送信周期よりも短い間隔で、OLT1より送信されているGateメッセージにより定期的に割り当てられている。
【0097】
なお、Sleep Allowメッセージ、Sleep Requestメッセージ、ACKメッセージの送受信には、OLT1及びONU2のMPCP部131、231の機能を利用したMPCPメッセージを用いてもよいし、OLT1及びONU2のOAM部133、232の機能を利用したOAMメッセージ(拡張OAM)メッセージを用いてもよいし、それ以外の任意の制御メッセージを用いてもよい。
【0098】
ONU2は、特定の優先度を有するデータをONU2自身が判別し、優先的に制御フレームのペイロードに格納して省電力モード期間にOLT1へ送信し、その他のデータに関しては起動後に送信してもよい。また、OLT1は、省電力モードのONU2に対して割り当てる上り帯域を、Reportメッセージ1個分の帯域および/またはACKメッセージ1個分の固定帯域としてもよいし、Reportメッセージ複数個分の帯域および/またはACKメッセージ複数個分の固定帯域としてもよいし、キューに格納されたデータ量の統計情報に基づいて動的に決定してもよい。例えば、過去一定時間の上りデータ量がしきい値を超えた場合にはONU2を起動モードへ遷移させ、しきい値以下であった場合には上りデータ量分のペイロードを有する制御フレームを1個または複数個送信可能な帯域を省電力モードのONU2に対して割り当てる。
【0099】
実施形態6は、図9に示した従来のCyclic Sleep方式における第1の制御メッセージ交換例に本発明を適用する場合について説明したが、図10に示した従来のCyclic Sleep方式における第2の制御メッセージ交換例にも本発明を適用可能であることは明らかである。
【0100】
(変形例)
実施形態1−6では、OLT1が集中的に接続されている全てのONU2の省電力モードを制御する場合について記述したが、ONU2が自律的に省電力モードの制御を行う場合についても本発明を適用できることは明らかである。また、実施形態1−6では、EPONおよび10G−EPONの場合について記述したが、他のPON、例えばITU−T勧告準拠のB−PON、G−PONおよびXG−PON、さらにはWDM−PONやCDM−PONにおける省電力モードにも本発明を適用できることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明に係る光ネットワークシステム及び光ネットワーク終端装置は、スマートグリッドにおける光通信網に適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1:OLT
2:ONU
3:光ファイバ伝送路
4:スプリッタ
11:SNIポート
12:キュー管理手段
13:PON信号処理手段
14:PON−IFポート
21:UNIポート
22:キュー管理手段
23:PON信号処理手段
24:PON−IFポート
25:キュー監視手段
131:MPCP部
132:帯域割当部
133:OAM部
231:MPCP部
232:OAM部
233:多重分離部
234、235:PHY部
236:MAC部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個の光加入者線終端装置及び複数の光ネットワーク終端装置が、光ファイバ伝送路を介してポイントツーマルチポイントの通信を行う光ネットワークシステムであって、
前記光加入者線終端装置は、各光ネットワーク終端装置に上り帯域を割り当て、
各光ネットワーク終端装置は、前記光加入者線終端装置への送信を行わない省電力状態及び前記光加入者線終端装置への送信を行う起動状態の間で状態を切り換え、省電力状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを蓄積したときに、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置への制御メッセージのペイロード領域に格納して、前記光加入者線終端装置への制御メッセージを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワークシステム。
【請求項2】
各光ネットワーク終端装置が当該省電力状態において蓄積した前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより小さいときに、各光ネットワーク終端装置は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの全てを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の光ネットワークシステム。
【請求項3】
各光ネットワーク終端装置が当該省電力状態において蓄積した前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより大きいときに、各光ネットワーク終端装置は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの一部を前記上り帯域の範囲内で前記光加入者線終端装置に送信し、当該起動状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの残りを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の光ネットワークシステム。
【請求項4】
各光ネットワーク終端装置は、前記光加入者線終端装置への上りデータの送信優先度に基づいて、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の光ネットワークシステム。
【請求項5】
光加入者線終端装置への送信を行わない省電力状態及び前記光加入者線終端装置への送信を行う起動状態の間で状態を切り換える状態切換部と、
前記光加入者線終端装置への上りデータを蓄積するデータ蓄積部と、
省電力状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータが蓄積されたときに、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置への制御メッセージのペイロード領域に格納して、前記光加入者線終端装置への制御メッセージを前記光加入者線終端装置に送信するデータ送信部と、
を備えることを特徴とする光ネットワーク終端装置。
【請求項6】
当該省電力状態において蓄積された前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより小さいときに、前記データ送信部は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの全てを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項5に記載の光ネットワーク終端装置。
【請求項7】
当該省電力状態において蓄積された前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより大きいときに、前記データ送信部は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの一部を前記上り帯域の範囲内で前記光加入者線終端装置に送信し、当該起動状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの残りを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項5に記載の光ネットワーク終端装置。
【請求項8】
前記データ送信部は、前記光加入者線終端装置への上りデータの送信優先度に基づいて、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項5から7のいずれかに記載の光ネットワーク終端装置。
【請求項1】
1個の光加入者線終端装置及び複数の光ネットワーク終端装置が、光ファイバ伝送路を介してポイントツーマルチポイントの通信を行う光ネットワークシステムであって、
前記光加入者線終端装置は、各光ネットワーク終端装置に上り帯域を割り当て、
各光ネットワーク終端装置は、前記光加入者線終端装置への送信を行わない省電力状態及び前記光加入者線終端装置への送信を行う起動状態の間で状態を切り換え、省電力状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを蓄積したときに、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置への制御メッセージのペイロード領域に格納して、前記光加入者線終端装置への制御メッセージを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする光ネットワークシステム。
【請求項2】
各光ネットワーク終端装置が当該省電力状態において蓄積した前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより小さいときに、各光ネットワーク終端装置は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの全てを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の光ネットワークシステム。
【請求項3】
各光ネットワーク終端装置が当該省電力状態において蓄積した前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が各光ネットワーク終端装置に当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより大きいときに、各光ネットワーク終端装置は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの一部を前記上り帯域の範囲内で前記光加入者線終端装置に送信し、当該起動状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの残りを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の光ネットワークシステム。
【請求項4】
各光ネットワーク終端装置は、前記光加入者線終端装置への上りデータの送信優先度に基づいて、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の光ネットワークシステム。
【請求項5】
光加入者線終端装置への送信を行わない省電力状態及び前記光加入者線終端装置への送信を行う起動状態の間で状態を切り換える状態切換部と、
前記光加入者線終端装置への上りデータを蓄積するデータ蓄積部と、
省電力状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータが蓄積されたときに、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域に基づいて、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置への制御メッセージのペイロード領域に格納して、前記光加入者線終端装置への制御メッセージを前記光加入者線終端装置に送信するデータ送信部と、
を備えることを特徴とする光ネットワーク終端装置。
【請求項6】
当該省電力状態において蓄積された前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより小さいときに、前記データ送信部は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの全てを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項5に記載の光ネットワーク終端装置。
【請求項7】
当該省電力状態において蓄積された前記光加入者線終端装置への上りデータのサイズが、前記光加入者線終端装置が当該省電力状態において割り当てた上り帯域で送信可能なデータのサイズより大きいときに、前記データ送信部は、当該省電力状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの一部を前記上り帯域の範囲内で前記光加入者線終端装置に送信し、当該起動状態の後の起動状態において、前記光加入者線終端装置への上りデータの残りを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項5に記載の光ネットワーク終端装置。
【請求項8】
前記データ送信部は、前記光加入者線終端装置への上りデータの送信優先度に基づいて、前記光加入者線終端装置への上りデータを前記光加入者線終端装置に送信することを特徴とする、請求項5から7のいずれかに記載の光ネットワーク終端装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−244212(P2012−244212A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109072(P2011−109072)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】
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