光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法
【課題】複数の光ファイバが一体化され、しかも、光ファイバ間を連結する連結部の幅寸法等を所望の寸法に設定できる光ファイバテープ心線の製造装置を提供する。
【解決手段】複数本の光ファイバ素線8を間隔を開けて整列させ、複数本の光ファイバ素線8間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部10と、コーティングダイス部10より送り出された複数本の光ファイバ素線8に紫外線エネルギーを照射して光ファイバ素線8間に硬化樹脂による連結部9aを作製し、光ファイバ送り出し方向Aの照射位置を可変できる紫外線照射部30と、紫外線照射部30により硬化された連結部9aの幅を測定するテープ幅測定部40と、テープ幅測定部40で測定結果より連結部9aの幅を算出し、連結部9aの測定幅に基づいて紫外線照射部30の照射位置を調整する制御部60とを備えた。
【解決手段】複数本の光ファイバ素線8を間隔を開けて整列させ、複数本の光ファイバ素線8間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部10と、コーティングダイス部10より送り出された複数本の光ファイバ素線8に紫外線エネルギーを照射して光ファイバ素線8間に硬化樹脂による連結部9aを作製し、光ファイバ送り出し方向Aの照射位置を可変できる紫外線照射部30と、紫外線照射部30により硬化された連結部9aの幅を測定するテープ幅測定部40と、テープ幅測定部40で測定結果より連結部9aの幅を算出し、連結部9aの測定幅に基づいて紫外線照射部30の照射位置を調整する制御部60とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本の光ファイバが一体化された光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法としては、特許文献1に開示されたものが提案されている。この光ファイバテープ心線の製造装置(製造方法)は、複数本の光ファイバ素線を間隔を開けて配置し、複数本の光ファイバ素線に対し、その光ファイバ素線間がくびれた形状になるように紫外線硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング部(光ファイバコーティング工程)と、光ファイバコーティング部(光ファイバコーティング工程)より送り出された直後に、光ファイバ素線間にパワーを集中させて未硬化樹脂を硬化させるスポット光照射部(スポット光照射工程)と、スポット光照射部(スポット光照射工程)の後に、複数本の光ファイバ素線の全体に未硬化樹脂を硬化させるフラット光照射部(フラット光照射工程)とを備えている。
【0003】
光ファイバ素線間に供給された未硬化樹脂は、スポット光照射工程とフラット光照射工程によって硬化され、この硬化樹脂が光ファイバ素線間の連結部とされる。これによって、複数の光ファイバ素線が一体化され、しかも、光ファイバ素線間が密接せずに所定の間隔を有する光ファイバテープ心線が作製される。
【0004】
又、この従来の製造装置及び製造方法によれば、光ファイバコーティング部で光ファイバ素線間がくびれた形状になるように供給された紫外線硬化樹脂は、硬化収縮する前にスポット光照射部で直ちにその表面側が少なくとも硬化される。従って、紫外線硬化樹脂の硬化収縮によって光ファイバ素線間の間隔が縮小するのを防止でき、これによって光ファイバ素線間が所定の間隔を有する光ファイバテープ心線を作製しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3952169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法では、光ファイバ素線間の連結部の幅寸法は、光ファイバコーティング部より送り出された際の寸法しか作製することはできない。従って、連結部の幅寸法を容易に所望の寸法に設定できない。
【0007】
また、従来の光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法には、光ファイバ素線間を連結する連結部の厚み寸法を所望の寸法に設定できるものは提案されていない。そのため、連結部の幅と厚みの少なくともいずれか一方を容易に調整できる光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法が要望されている。
【0008】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、複数の光ファイバが一体化され、しかも、光ファイバ間を連結する連結部の幅寸法と厚み寸法の少なくともいずれか一方を所望の寸法に設定できる光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製し、樹脂硬化エネルギーの光ファイバ送り出し方向の照射位置を可変できる樹脂硬化エネルギー照射手段と、前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定手段と、前記連結幅測定手段が測定した連結部の幅に基づいて前記樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置である。
【0010】
本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、前記コーティングダイス部で前記光ファイバ間に供給する未硬化樹脂の厚みを調整できる供給樹脂厚調整手段と、前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する樹脂硬化エネルギー照射手段と、前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定手段と、前記連結厚み測定手段が測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が供給する樹脂厚を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置である。
【0011】
本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、前記コーティングダイス部で前記光ファイバ間に供給する未硬化樹脂の厚みを調整できる供給樹脂厚調整手段と、前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製し、樹脂硬化エネルギーの光ファイバ送り出し方向の照射位置を可変できる樹脂硬化エネルギー照射手段と、前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定手段と、前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定手段と、前記連結幅測定手段が測定した連結部の幅に基づいて前記樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整し、且つ、前記連結厚み測定手段が測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が供給する樹脂厚を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置である。
【0012】
他の本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定工程と、連結幅測定工程で測定した連結部の幅に基づいて樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を可変するエネルギー照射位置制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法である。
【0013】
他の本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に供給樹脂厚調整手段を介して未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定工程と、連結厚み測定工程で測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が光ファイバ間に供給する供給樹脂厚を調整する供給樹脂厚制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法である。
【0014】
他の本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に供給樹脂厚調整手段を介して未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、硬化エネルギー照射工程により硬化された連結部の幅を測定する連結幅測定工程と、硬化エネルギー照射工程により硬化された連結部の厚みを測定する連結厚み測定工程と、連結幅測定工程で測定した連結部の幅に基づいて樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整するエネルギー照射位置制御工程と、連結厚み測定工程で測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が光ファイバ間に供給する供給樹脂厚を調整する供給樹脂厚制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法である。
【0015】
供給樹脂厚調整手段は、コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有するものより構成しても良い。
【0016】
供給樹脂厚調整手段は、コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する単一の厚み調整部材を有するものより構成しても良い。
【0017】
供給樹脂厚調整手段は、コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有し、一対の厚み調整部材はそれぞれ異なる光ファイバ間の連通穴の実質開口寸法を可変するものより構成しても良い。
【0018】
厚み調整部材は、光ファイバ間の複数の連通穴の一部について実質開口寸法を可変するよう構成しても良い。
【0019】
厚み調整部材は、コーティングダイス部の連通穴を実質的に塞ぐ箇所の先端面が光ファイバの並列方向に対し傾斜する傾斜面であっても良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光ファイバ間に供給された未硬化樹脂の幅寸法や厚み寸法を測定して樹脂硬化エネルギーの照射位置を調整したり、コーティングダイス部での未硬化樹脂の供給厚みを調整できるため、連結部の幅や厚みを自由に調整できる。従って、複数の光ファイバが一体化され、しかも、光ファイバ間を連結する連結部の幅寸法と厚み寸法の少なくともいずれか一方を所望の寸法に設定できる光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態を示し、光ファイバテープ心線の製造装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、光ファイバテープ心線の製造装置の要部斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、(a)は一対の厚み調整部材の間隔を広く設定した場合を示す正面図、(b)は一対の厚み調整部材の間隔を広く設定した場合に作製される光ファイバテープ心線の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、(a)は一対の厚み調整部材の間隔を狭く設定した場合を示す正面図、(b)は一対の厚み調整部材の間隔を狭く設定した場合に作製される光ファイバテープ心線の断面図である。
【図5】第1変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図6】第2変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図7】第3変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図8】第4変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図9】第5変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図10】第6変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図11】変形例の光ファイバコーティングダイス部を示し、(a)は光ファイバコーティングダイス部の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(実施形態)
図1〜図4は本発明の一実施形態を示し、図1は光ファイバテープ心線TLの製造装置1の概略構成図、図2は光ファイバテープ心線TLの製造装置1の要部斜視図、図3(a)は一対の厚み調整部材21の間隔を広く設定した場合を示す正面図、図3(b)は一対の厚み調整部材21の間隔を広く設定した場合に作製される光ファイバテープ心線TLの断面図、図4(a)は一対の厚み調整部材21の間隔を狭く設定した場合を示す正面図、図4(b)は一対の厚み調整部材21の間隔を狭く設定した場合に作製される光ファイバテープ心線TLの断面図である。
【0024】
図1に示すように、光ファイバテープ心線TLの製造装置1は、光ファイバである光ファイバ素線8をそれぞれ繰り出す4台の光ファイバ繰り出し部2と、4台の光ファイバ繰り出し部2より繰り出された4本の光ファイバ素線8を集線する集線用ローラ3と、集線用ローラ3で集線された4本の光ファイバ素線8をガイドするガイドローラ4と、ガイドローラ4でガイドされた4本の光ファイバ素線8が導かれるコーティングダイス部10と、供給樹脂厚調整手段である供給樹脂厚調整部20と、樹脂硬化エネルギー照射部である紫外線照射部30と、テープ幅測定部40と、外面凹凸測定部50と、供給樹脂厚調整部20及び紫外線照射部30を制御する制御部60と、4本の光ファイバ素線8より構成される光ファイバテープ心線TLを集線・整列させる集線用ローラ5と、集線用ローラ5で集線・整列された光ファイバテープ心線TLの張力を調整する張力調整用ローラ6と、光ファイバテープ心線TLを所定の張力で巻き取る巻取ローラ7とを備えている。
【0025】
コーティングダイス部10は、図2及び図3(a)に詳しく示すように、内部に未硬化の紫外線硬化樹脂が溜められた樹脂貯留室(図示せず)を有する。コーティングダイス部10のファイバ入口面10aとファイバ出口面10bには、樹脂貯留室(図示せず)に連通する4つの光ファイバ挿通穴(図示せず),11がそれぞれ開口されている。ファイバ入口面10a側の4つの光ファイバ挿通穴(図示せず)より樹脂貯留室(図示せず)を通って来た4本の光ファイバ素線8は、ファイバ出口面10bの光ファイバ挿通穴11より整列されて送り出される。ファイバ出口面10bの4つの光ファイバ挿通穴11は、隣り合うもの同士が所定の間隔で配置されている。光ファイバ挿通穴11の直径は、この実施形態では、光ファイバ素線8の直径より若干大きく設定されている。又、隣り合う光ファイバ挿通穴11同士の間は、連通穴12によってそれぞれ連通されている。この各連通穴12にも未硬化の紫外線硬化樹脂が流入する。
【0026】
従って、ファイバ出口面10bの各光ファイバ挿通穴11より送り出される4本の光ファイバ素線8は、その隣り合うもの同士の間に未硬化の紫外線硬化樹脂が供給されると共に各光ファイバ素線8の外周に薄く未硬化の紫外線硬化樹脂が供給される。そして、このように供給された紫外線硬化樹脂が硬化されることにより、硬化樹脂部9で一体化された光ファイバテープ心線TLが作製される。硬化樹脂部9は、各光ファイバ素線8間をそれぞれ連結する連結部9aと、各光ファイバ素線8の外周面を覆う樹脂外被層9bとから構成される。
【0027】
供給樹脂厚調整部20は、図3(a)、図4(a)に詳しく示すように、コーティングダイス部10のファイバ出口面10b側に設けられた上下一対の厚み調整部材21より構成されている。一対の厚み調整部材21は、櫛歯状の部材であり、3つの連通穴12の位置に対応する櫛歯遮蔽部21aをそれぞれ有する。一対の櫛歯遮蔽部21aは、図3(a)にてa,b矢印で示すように、互いに近づく近接方向(a方向)と互いに遠ざかる離間方向(b方向)にそれぞれ移動できる。近接方向に移動すると各連通穴12の実質的な上下方向の開口寸法が狭まり、離間方向に移動すると各連通穴12の実質的な上下方向の開口寸法が広がる。これによって、光ファイバ素線8間に供給される未硬化樹脂の厚みtを図3(b)に示すように厚くしたり、図4(b)に示すように薄くしたり自由に調整できる。上下一対の厚み調整部材21の移動は、制御部60によって制御される。
【0028】
紫外線照射部30は、コーティングダイス部10よりファイバ送り出し方向Aの下流位置で、4本の光ファイバ素線8の上下位置に配置されている。各紫外線照射部30は、4本の光ファイバ素線8の上下より、その幅全体に亘って紫外線を照射する。紫外線照射部30は、未硬化の紫外線硬化樹脂が硬化するに必要な紫外線エネルギーを照射する。又、紫外線照射部30は、図1の矢印で示すように、ファイバ送り出し方向Aの正逆方向に移動できる。紫外線照射部30の移動は、制御部60によって制御される。
【0029】
テープ幅測定部40は、紫外線照射部30よりファイバ送り出し方向Aの下流位置に配置されている。テープ幅測定部40は、4本の光ファイバ素線8より構成される光ファイバテープ心線TLの幅寸法Dを測定する。テープ幅測定部40は、例えば光ファイバテープ心線TLの幅方向に沿って多点位置で光を照射し、照射された光の不透過幅より光ファイバテープ心線TLの幅寸法Dを測定する。光ファイバテープ心線TLの幅寸法Dの測定データは、制御部60に送られる。制御部60は、光ファイバテープ心線TLの測定幅をD1、光ファイバ素線8の直径をd1、連結部9aの幅をd2とすると、4×d1+3×d2=D1の計算式より光ファイバ素線8間の連結部9aの幅d2を算出する。ここで、連結部9aの幅とは、隣り合う光ファイバ素線8の外周間の距離をいう。
【0030】
この実施形態では、光ファイバ素線8の全周に亘って薄く樹脂外被層9bが形成されるため、上記計算式より得られた幅データに樹脂外被層9bの厚み分を補正して連結部9の幅d2を算出する。従って、テープ幅測定部40と制御部60によって連結幅測定手段が構成されている。
【0031】
外面凹凸測定部50は、テープ幅測定部40よりファイバ送り出し方向Aの下流位置で、4本の光ファイバ素線8の上下位置に配置されている。各外面凹凸測定部50は、各光ファイバ素線8の外周位置と連結部9aの外周位置との高低差寸法を測定する。外面凹凸測定部50は、光ファイバ素線8の外周位置と連結部9aの外周位置に例えば光を照射し、その反射光より高低差寸法を測定する。この高低差の測定データは、制御部60に送られる。制御部60は、光ファイバ素線8の直径が既知であることから、高低差データより連結部9aの厚み寸法tを算出する。この場合にも、樹脂外被層9bの厚み分を補正して連結部9aの厚み寸法tを算出する。従って、外面凹凸測定部50と制御部60によって連結厚み測定手段が構成されている。
【0032】
制御部60は、上記したように連結部9aの幅寸法Dと厚み寸法tの演算を行うと共に、演算による連結部9aの幅寸法Dに基づいて紫外線照射部30の位置を調整する。又、演算による連結部9aの厚み寸法tに基づいて一対の厚み調整部材21間の幅を調整する。詳細には、紫外線照射部30の位置は、測定した連結部9aの幅寸法が目標幅より大きい場合にはコーティングダイス部10に遠ざける方向に、測定した連結部9aの幅寸法が目標幅より小さい場合にはコーティングダイス部10より近づける方向にそれぞれ移動し、測定した連結部9aの幅寸法が目標幅となる位置に制御する。供給樹脂厚調整部20による供給樹脂厚は、測定した連結部9aの厚み寸法が目標値より大きい場合には一対の厚み調整部材21の間隔を狭める方向に、測定した連結部9aの厚み寸法が目標値より小さい場合には一対の厚み調整部材21の間隔を広げる方向にそれぞれ移動し、測定した連結部9aの厚み寸法が目標値となるよう制御する。
【0033】
次に、光ファイバテープ心線TLの製造装置1の動作を説明する。4台の光ファイバ繰り出し部2から繰り出された4本の光ファイバ素線8は、集線用ローラ3とガイドローラ4を経由してコーティングダイス部10に導かれる。コーティングダイス部10に導かれた4本の光ファイバ素線8は、各光ファイバ挿通穴11にガイドされることから隣り合うもの同士が所定の間隔で整列され、且つ、未硬化樹脂が各連通穴12等より吐出されることから光ファイバ素線8間に未硬化樹脂が供給されてコーティングダイス部10より送り出される(光ファイバコーティング工程)。
【0034】
コーティングダイス部10より送り出された4本の光ファイバ素線8は、紫外線照射部30より紫外線照射を受ける。すると、4本の光ファイバ素線8に供給された未硬化樹脂が硬化される(硬化エネルギー照射工程)。これにより、4本の光ファイバ素線8が硬化樹脂部9によって一体化され、光ファイバテープ心線TLが作製される。硬化樹脂部9は、各光ファイバ素線8間をそれぞれ連結する連結部9aと、各光ファイバ素線8の外周面を覆う樹脂外被層9bとから構成される。
【0035】
光ファイバテープ心線TLは、紫外線照射部30よりファイバ送り出し方向Aの下流でテープ幅測定部40及び外面凹凸測定部50を通過する。テープ幅測定部40で光ファイバテープ心線TLの幅Dが測定され、外面凹凸測定部50で光ファイバ心線TLの凹凸(光ファイバ素線8の表面と連結部9aの表面)の高低差が測定される。これら測定データは制御部60に送られる。
【0036】
制御部60は、テープ幅測定部40で測定した幅データDより連結部9aの幅d2を算出する(連結幅測定工程)。そして、制御部60は、測定した幅寸法d2が目標幅より大きい場合には紫外線照射部をコーティングダイス部に遠ざける方向に移動し、測定した連結部9aの幅寸法d2が目標幅より小さい場合には紫外線照射部30をコーティングダイス部10より近づける方向にそれぞれ移動し、最終的に測定した連結部9aの幅寸法d2が目標幅となる位置に制御する(エネルギー照射位置制御工程)。つまり、コーティングダイス部10より送り出された4本の光ファイバ素線8の間隔は、光ファイバ素線8間に供給された未硬化樹脂の表面張力等の影響によってコーティングダイス部10より遠ざかるにつれて狭くなるため、上記制御を行うことによって未硬化樹脂が所望幅となる位置で硬化させることができる。
【0037】
また、制御部60は、外面凹凸測定部50で測定した凹凸差データより連結部9aの厚み寸法tを算出する(連結厚み測定工程)。そして、測定した連結部9aの厚み寸法tが目標値より大きい場合には一対の厚み調整部材21の間隔を狭める方向に、測定した連結部9aの厚み寸法tが目標値より小さい場合には一対の厚み調整部材21の間隔を広げる方向にそれぞれ移動し、測定した連結部9aの厚み寸法が目標値となるよう制御する(供給樹脂厚制御工程)。これによって、所望の幅及び厚みの連結部9aを有する光ファイバテープ心線TLが作製される。
【0038】
この実施形態では、連結部9aの幅と厚みの双方について所望寸法のものを作製する場合を示したが、いずれか一方のみについて所望寸法のものを作製するようにしても良い。
【0039】
(実験例)
上記した光ファイバテープ心線TLの製造装置1で、二種類の紫外線硬化樹脂(A樹脂とB樹脂)を用いて連結部9aの幅Dが285μmで、連結部9aの厚みtが130μmの光ファイバテープ心線TLをそれぞれ作製する実験を行った。A樹脂とB樹脂は、硬化容易性、粘性等の物性が相違するものであるが、下記の表1に示すように、コーティングダイス部10に対する紫外線照射部30の位置、一対の厚み調整部材21間の距離を自動的に可変することによって連結部9aの幅及び厚みを同じとする光ファイバテープ心線TLを作製することができた。この実験結果より、使用する樹脂の種類に係わらず所望の幅及び厚みの連結部9aを有する光ファイバテープ心線TLを作製できることが確かめられた。
【0040】
【表1】
【0041】
(第1変形例の供給樹脂厚調整部)
図5(a)、(b)は第1変形例の供給樹脂厚調整部20Aを示す。図5(a)に示すように、第1変形例の供給樹脂厚調整部20Aは、前記実施形態と同様に、上下一対の厚み調整部材21Aを有する。各厚み調整部材21Aは、前記実施形態のものと異なり、3箇所の連通穴12の内の両側の連通穴12に対応する位置にのみ櫛歯遮蔽部21aを有する。
【0042】
この第1変形例の供給樹脂厚調整部20Aでは、3箇所の連結部9aの内の両側の連結部9aの厚みのみを調整できる。従って、図5(b)に示すように、中央の連結部9aの厚みは一定で、且つ、両側の連結部9aを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLaを作製できる。
【0043】
(第2変形例の供給樹脂厚調整部)
図6(a)、(b)は第2変形例の供給樹脂厚調整部20Bを示す。図6(a)に示すように、第2変形例の供給樹脂厚調整部20Bは、前記実施形態と異なり、上下一対ではなく、上方に配置された単一の厚み調整部材21Bのみを有する。単一の厚み調整部材21Bの構成は、前記実施形態のものと同様であり、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】
この第2変形例の供給樹脂厚調整部20Bでは、図6(b)に示すように、各光ファイバ素線8の上下中心位置より各連結部9aの位置が下方にシフトした位置で、且つ、各連結部9aを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLbを作製できる。
【0045】
(第3変形例の供給樹脂厚調整部)
図7(a)、(b)は第3変形例の供給樹脂厚調整部20Cを示す。図7(a)に示すように、第3変形例の供給樹脂厚調整部20Cは、前記実施形態と同様に、上下一対の厚み調整部材21Cを有する。しかし、上下の各厚み調整部材21Cの構成が相違する。上方位置の厚み調整部材21Cは、前記第1変形例のものと同一構成であり、下方位置の厚み調整部材21Cは、3箇所の連通穴12の内の中央の連通穴12に対応する位置にのみ櫛歯遮蔽部21aを有する。尚、図7(a)、(b)にあって、前記実施形態と同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0046】
この第3変形例の供給樹脂厚調整部20Bでは、図7(b)に示すように、各光ファイバ素線8の上下中心位置より両側の連結部9aの位置が下方に、中央の連結部9aの位置が上方にシフトした位置で、且つ、各連結部9aを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLcを作製できる。
【0047】
(第4変形例の供給樹脂厚調整部)
図8(a)、(b)は第4変形例の供給樹脂厚調整部20Dを示す。図8(a)に示すように、第4変形例の供給樹脂厚調整部20Dは、前記実施形態と同様に、上下一対の厚み調整部材21Dを有する。各厚み調整部材21Aは、3箇所に櫛歯遮蔽部21aを有するが、その櫛歯遮蔽部21aの先端面が光ファイバ素線8の並列方向に対し傾斜する傾斜面に形成されている。尚、図8(a)、(b)にあって、前記実施形態と同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0048】
この第4変形例の供給樹脂厚調整部20Dでは、図8(b)に示すように、3箇所の連結部9aがそれぞれテーパ状であり、その各連結部9aを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLdを作製できる。
【0049】
(第5変形例の供給樹脂厚調整部)
図9(a)、(b)は第5変形例の供給樹脂厚調整部20Eを示す。図9(a)に示すように、第5変形例の供給樹脂厚調整部20Eは、前記実施形態と同様に、上下一対の厚み調整部材21Eを有する。各厚み調整部材21Eは、3箇所に櫛歯遮蔽部21aを有するが、その両側の櫛歯遮蔽部21aの先端面が光ファイバ素線8の並列方向に対し傾斜する傾斜面に形成されている。中央の櫛歯遮蔽部21aの先端面は、傾斜面ではなく、光ファイバ素線8の並列方向に延びるストレート面に形成されている。尚、図9(a)、(b)にあって、前記実施形態と同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0050】
この第5変形例の供給樹脂厚調整部20Eでは、図9(b)に示すように、中央の連結部9aがストレート(同一肉厚)状で、両側の連結部9aがそれぞれテーパ(可変肉厚)状であり、その各連結部9aを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLeを作製できる。
【0051】
(第6変形例の供給樹脂厚調整部)
図10(a)、(b)は第6変形例の供給樹脂厚調整部20Fを示す。図10(a)に示すように、第6変形例の供給樹脂厚調整部20Fは、8本の光ファイバ素線8に対応するものであり、上下一対の厚み調整部材21Fを有する。各厚み調整部材21Fは、光ファイバ素線8の2本置きに対応する位置に櫛歯遮蔽部21aを有する。尚、図10(a)、(b)にあって、前記実施形態と同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0052】
この第6変形例の供給樹脂厚調整部20Fでは、図10(b)に示すように、光ファイバ素線8の2本置きに連結部9aが形成され、その3箇所の連結部9aの厚みを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLfを作製できる。
【0053】
(変形例のコーティングダイス部)
図11(a)、(b)は変形例のコーティングダイス部10Aを示し、図11(a)はコーティングダイス部10Aの正面図、図11(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線TLの断面図である。
【0054】
図11(a)に示すように、コーティングダイス部10Aのファイバ出口面10bには、前記実施形態と同様に、4つの光ファイバ挿通穴11が形成され、且つ、隣り合う光ファイバ挿通穴11同士が連通穴12によって連通されている。しかし、前記実施形態と異なり、各光ファイバ挿通穴11の直径がほぼ光ファイバ素線8の直径と同一に形成されている。従って、図11(b)に示すように、光ファイバ素線8の外周面には樹脂外被層が形成されず、硬化樹脂部9は連結部9aのみから構成される。尚、図11(a)、(b)にあって、前記実施形態と同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0055】
前記した第1変形例から第6変形例についても、硬化樹脂部9が連結部9aのみから構成される光ファイバテープ心線TLa〜TLfを作製しても良いことはもちろんである。
【0056】
(連結幅測定手段の変形例)
連結幅測定手段は、光ファイバテープ心線TLを上面又は下面から撮影する撮像部と、この撮像部が撮った画像より光ファイバ素線8間の隙間、つまり、連結部9aの幅寸法を測定する画像処理部とから構成しても良い。この変形例の構成によれば、複数の連結部9aのそれぞれの幅寸法を詳細に測定できる。
【0057】
(紫外線照射部の変形例)
紫外線照射部は、光ファイバ素線8間にパワーを集中させて当該箇所の未硬化樹脂の少なくとも表面層を硬化させるスポット光照射部と、スポット光照射部の後に、複数本の光ファイバ素線8の全体に未硬化樹脂を硬化させるフラット光照射部とから構成し、スポット光照射部を光ファイバ送り出し方向Aの正逆方向に移動可能に設けても良い。
【0058】
(その他)
前記実施形態等の光ファイバテープ心線の製造装置では、光ファイバ素線8同士の間を紫外線硬化樹脂を用いて接着しているが、エネルギーを照射することによって硬化する樹脂であれば良く、例えば熱硬化性樹脂であっても良い。この場合には、硬化エネルギー照射手段として熱源を用いることになる。
【符号の説明】
【0059】
TL,TLa〜TLf 光ファイバ心線
1 光ファイバ心線の製造装置
8 光ファイバ素線(光ファイバ)
9a 連結部
10,10A コーティングダイス部
12 連通穴
20,20A〜20F 供給樹脂厚調整部(供給樹脂厚調整手段)
21,21A〜21F 厚み調整部材
30 紫外線照射部(樹脂硬化エネルギー照射手段)
40 テープ幅測定部(連結幅測定手段)
50 外面凹凸測定部(連結厚み測定手段)
60 制御部(連結幅測定手段、連結厚み測定手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本の光ファイバが一体化された光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法としては、特許文献1に開示されたものが提案されている。この光ファイバテープ心線の製造装置(製造方法)は、複数本の光ファイバ素線を間隔を開けて配置し、複数本の光ファイバ素線に対し、その光ファイバ素線間がくびれた形状になるように紫外線硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング部(光ファイバコーティング工程)と、光ファイバコーティング部(光ファイバコーティング工程)より送り出された直後に、光ファイバ素線間にパワーを集中させて未硬化樹脂を硬化させるスポット光照射部(スポット光照射工程)と、スポット光照射部(スポット光照射工程)の後に、複数本の光ファイバ素線の全体に未硬化樹脂を硬化させるフラット光照射部(フラット光照射工程)とを備えている。
【0003】
光ファイバ素線間に供給された未硬化樹脂は、スポット光照射工程とフラット光照射工程によって硬化され、この硬化樹脂が光ファイバ素線間の連結部とされる。これによって、複数の光ファイバ素線が一体化され、しかも、光ファイバ素線間が密接せずに所定の間隔を有する光ファイバテープ心線が作製される。
【0004】
又、この従来の製造装置及び製造方法によれば、光ファイバコーティング部で光ファイバ素線間がくびれた形状になるように供給された紫外線硬化樹脂は、硬化収縮する前にスポット光照射部で直ちにその表面側が少なくとも硬化される。従って、紫外線硬化樹脂の硬化収縮によって光ファイバ素線間の間隔が縮小するのを防止でき、これによって光ファイバ素線間が所定の間隔を有する光ファイバテープ心線を作製しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3952169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法では、光ファイバ素線間の連結部の幅寸法は、光ファイバコーティング部より送り出された際の寸法しか作製することはできない。従って、連結部の幅寸法を容易に所望の寸法に設定できない。
【0007】
また、従来の光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法には、光ファイバ素線間を連結する連結部の厚み寸法を所望の寸法に設定できるものは提案されていない。そのため、連結部の幅と厚みの少なくともいずれか一方を容易に調整できる光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法が要望されている。
【0008】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、複数の光ファイバが一体化され、しかも、光ファイバ間を連結する連結部の幅寸法と厚み寸法の少なくともいずれか一方を所望の寸法に設定できる光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製し、樹脂硬化エネルギーの光ファイバ送り出し方向の照射位置を可変できる樹脂硬化エネルギー照射手段と、前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定手段と、前記連結幅測定手段が測定した連結部の幅に基づいて前記樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置である。
【0010】
本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、前記コーティングダイス部で前記光ファイバ間に供給する未硬化樹脂の厚みを調整できる供給樹脂厚調整手段と、前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する樹脂硬化エネルギー照射手段と、前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定手段と、前記連結厚み測定手段が測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が供給する樹脂厚を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置である。
【0011】
本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、前記コーティングダイス部で前記光ファイバ間に供給する未硬化樹脂の厚みを調整できる供給樹脂厚調整手段と、前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製し、樹脂硬化エネルギーの光ファイバ送り出し方向の照射位置を可変できる樹脂硬化エネルギー照射手段と、前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定手段と、前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定手段と、前記連結幅測定手段が測定した連結部の幅に基づいて前記樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整し、且つ、前記連結厚み測定手段が測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が供給する樹脂厚を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置である。
【0012】
他の本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定工程と、連結幅測定工程で測定した連結部の幅に基づいて樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を可変するエネルギー照射位置制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法である。
【0013】
他の本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に供給樹脂厚調整手段を介して未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定工程と、連結厚み測定工程で測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が光ファイバ間に供給する供給樹脂厚を調整する供給樹脂厚制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法である。
【0014】
他の本発明は、複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に供給樹脂厚調整手段を介して未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、硬化エネルギー照射工程により硬化された連結部の幅を測定する連結幅測定工程と、硬化エネルギー照射工程により硬化された連結部の厚みを測定する連結厚み測定工程と、連結幅測定工程で測定した連結部の幅に基づいて樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整するエネルギー照射位置制御工程と、連結厚み測定工程で測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が光ファイバ間に供給する供給樹脂厚を調整する供給樹脂厚制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法である。
【0015】
供給樹脂厚調整手段は、コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有するものより構成しても良い。
【0016】
供給樹脂厚調整手段は、コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する単一の厚み調整部材を有するものより構成しても良い。
【0017】
供給樹脂厚調整手段は、コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有し、一対の厚み調整部材はそれぞれ異なる光ファイバ間の連通穴の実質開口寸法を可変するものより構成しても良い。
【0018】
厚み調整部材は、光ファイバ間の複数の連通穴の一部について実質開口寸法を可変するよう構成しても良い。
【0019】
厚み調整部材は、コーティングダイス部の連通穴を実質的に塞ぐ箇所の先端面が光ファイバの並列方向に対し傾斜する傾斜面であっても良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光ファイバ間に供給された未硬化樹脂の幅寸法や厚み寸法を測定して樹脂硬化エネルギーの照射位置を調整したり、コーティングダイス部での未硬化樹脂の供給厚みを調整できるため、連結部の幅や厚みを自由に調整できる。従って、複数の光ファイバが一体化され、しかも、光ファイバ間を連結する連結部の幅寸法と厚み寸法の少なくともいずれか一方を所望の寸法に設定できる光ファイバテープ心線の製造装置及び製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態を示し、光ファイバテープ心線の製造装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、光ファイバテープ心線の製造装置の要部斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、(a)は一対の厚み調整部材の間隔を広く設定した場合を示す正面図、(b)は一対の厚み調整部材の間隔を広く設定した場合に作製される光ファイバテープ心線の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、(a)は一対の厚み調整部材の間隔を狭く設定した場合を示す正面図、(b)は一対の厚み調整部材の間隔を狭く設定した場合に作製される光ファイバテープ心線の断面図である。
【図5】第1変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図6】第2変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図7】第3変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図8】第4変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図9】第5変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図10】第6変形例の供給樹脂厚調整手段を示し、(a)は供給樹脂厚調整手段の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【図11】変形例の光ファイバコーティングダイス部を示し、(a)は光ファイバコーティングダイス部の正面図、(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(実施形態)
図1〜図4は本発明の一実施形態を示し、図1は光ファイバテープ心線TLの製造装置1の概略構成図、図2は光ファイバテープ心線TLの製造装置1の要部斜視図、図3(a)は一対の厚み調整部材21の間隔を広く設定した場合を示す正面図、図3(b)は一対の厚み調整部材21の間隔を広く設定した場合に作製される光ファイバテープ心線TLの断面図、図4(a)は一対の厚み調整部材21の間隔を狭く設定した場合を示す正面図、図4(b)は一対の厚み調整部材21の間隔を狭く設定した場合に作製される光ファイバテープ心線TLの断面図である。
【0024】
図1に示すように、光ファイバテープ心線TLの製造装置1は、光ファイバである光ファイバ素線8をそれぞれ繰り出す4台の光ファイバ繰り出し部2と、4台の光ファイバ繰り出し部2より繰り出された4本の光ファイバ素線8を集線する集線用ローラ3と、集線用ローラ3で集線された4本の光ファイバ素線8をガイドするガイドローラ4と、ガイドローラ4でガイドされた4本の光ファイバ素線8が導かれるコーティングダイス部10と、供給樹脂厚調整手段である供給樹脂厚調整部20と、樹脂硬化エネルギー照射部である紫外線照射部30と、テープ幅測定部40と、外面凹凸測定部50と、供給樹脂厚調整部20及び紫外線照射部30を制御する制御部60と、4本の光ファイバ素線8より構成される光ファイバテープ心線TLを集線・整列させる集線用ローラ5と、集線用ローラ5で集線・整列された光ファイバテープ心線TLの張力を調整する張力調整用ローラ6と、光ファイバテープ心線TLを所定の張力で巻き取る巻取ローラ7とを備えている。
【0025】
コーティングダイス部10は、図2及び図3(a)に詳しく示すように、内部に未硬化の紫外線硬化樹脂が溜められた樹脂貯留室(図示せず)を有する。コーティングダイス部10のファイバ入口面10aとファイバ出口面10bには、樹脂貯留室(図示せず)に連通する4つの光ファイバ挿通穴(図示せず),11がそれぞれ開口されている。ファイバ入口面10a側の4つの光ファイバ挿通穴(図示せず)より樹脂貯留室(図示せず)を通って来た4本の光ファイバ素線8は、ファイバ出口面10bの光ファイバ挿通穴11より整列されて送り出される。ファイバ出口面10bの4つの光ファイバ挿通穴11は、隣り合うもの同士が所定の間隔で配置されている。光ファイバ挿通穴11の直径は、この実施形態では、光ファイバ素線8の直径より若干大きく設定されている。又、隣り合う光ファイバ挿通穴11同士の間は、連通穴12によってそれぞれ連通されている。この各連通穴12にも未硬化の紫外線硬化樹脂が流入する。
【0026】
従って、ファイバ出口面10bの各光ファイバ挿通穴11より送り出される4本の光ファイバ素線8は、その隣り合うもの同士の間に未硬化の紫外線硬化樹脂が供給されると共に各光ファイバ素線8の外周に薄く未硬化の紫外線硬化樹脂が供給される。そして、このように供給された紫外線硬化樹脂が硬化されることにより、硬化樹脂部9で一体化された光ファイバテープ心線TLが作製される。硬化樹脂部9は、各光ファイバ素線8間をそれぞれ連結する連結部9aと、各光ファイバ素線8の外周面を覆う樹脂外被層9bとから構成される。
【0027】
供給樹脂厚調整部20は、図3(a)、図4(a)に詳しく示すように、コーティングダイス部10のファイバ出口面10b側に設けられた上下一対の厚み調整部材21より構成されている。一対の厚み調整部材21は、櫛歯状の部材であり、3つの連通穴12の位置に対応する櫛歯遮蔽部21aをそれぞれ有する。一対の櫛歯遮蔽部21aは、図3(a)にてa,b矢印で示すように、互いに近づく近接方向(a方向)と互いに遠ざかる離間方向(b方向)にそれぞれ移動できる。近接方向に移動すると各連通穴12の実質的な上下方向の開口寸法が狭まり、離間方向に移動すると各連通穴12の実質的な上下方向の開口寸法が広がる。これによって、光ファイバ素線8間に供給される未硬化樹脂の厚みtを図3(b)に示すように厚くしたり、図4(b)に示すように薄くしたり自由に調整できる。上下一対の厚み調整部材21の移動は、制御部60によって制御される。
【0028】
紫外線照射部30は、コーティングダイス部10よりファイバ送り出し方向Aの下流位置で、4本の光ファイバ素線8の上下位置に配置されている。各紫外線照射部30は、4本の光ファイバ素線8の上下より、その幅全体に亘って紫外線を照射する。紫外線照射部30は、未硬化の紫外線硬化樹脂が硬化するに必要な紫外線エネルギーを照射する。又、紫外線照射部30は、図1の矢印で示すように、ファイバ送り出し方向Aの正逆方向に移動できる。紫外線照射部30の移動は、制御部60によって制御される。
【0029】
テープ幅測定部40は、紫外線照射部30よりファイバ送り出し方向Aの下流位置に配置されている。テープ幅測定部40は、4本の光ファイバ素線8より構成される光ファイバテープ心線TLの幅寸法Dを測定する。テープ幅測定部40は、例えば光ファイバテープ心線TLの幅方向に沿って多点位置で光を照射し、照射された光の不透過幅より光ファイバテープ心線TLの幅寸法Dを測定する。光ファイバテープ心線TLの幅寸法Dの測定データは、制御部60に送られる。制御部60は、光ファイバテープ心線TLの測定幅をD1、光ファイバ素線8の直径をd1、連結部9aの幅をd2とすると、4×d1+3×d2=D1の計算式より光ファイバ素線8間の連結部9aの幅d2を算出する。ここで、連結部9aの幅とは、隣り合う光ファイバ素線8の外周間の距離をいう。
【0030】
この実施形態では、光ファイバ素線8の全周に亘って薄く樹脂外被層9bが形成されるため、上記計算式より得られた幅データに樹脂外被層9bの厚み分を補正して連結部9の幅d2を算出する。従って、テープ幅測定部40と制御部60によって連結幅測定手段が構成されている。
【0031】
外面凹凸測定部50は、テープ幅測定部40よりファイバ送り出し方向Aの下流位置で、4本の光ファイバ素線8の上下位置に配置されている。各外面凹凸測定部50は、各光ファイバ素線8の外周位置と連結部9aの外周位置との高低差寸法を測定する。外面凹凸測定部50は、光ファイバ素線8の外周位置と連結部9aの外周位置に例えば光を照射し、その反射光より高低差寸法を測定する。この高低差の測定データは、制御部60に送られる。制御部60は、光ファイバ素線8の直径が既知であることから、高低差データより連結部9aの厚み寸法tを算出する。この場合にも、樹脂外被層9bの厚み分を補正して連結部9aの厚み寸法tを算出する。従って、外面凹凸測定部50と制御部60によって連結厚み測定手段が構成されている。
【0032】
制御部60は、上記したように連結部9aの幅寸法Dと厚み寸法tの演算を行うと共に、演算による連結部9aの幅寸法Dに基づいて紫外線照射部30の位置を調整する。又、演算による連結部9aの厚み寸法tに基づいて一対の厚み調整部材21間の幅を調整する。詳細には、紫外線照射部30の位置は、測定した連結部9aの幅寸法が目標幅より大きい場合にはコーティングダイス部10に遠ざける方向に、測定した連結部9aの幅寸法が目標幅より小さい場合にはコーティングダイス部10より近づける方向にそれぞれ移動し、測定した連結部9aの幅寸法が目標幅となる位置に制御する。供給樹脂厚調整部20による供給樹脂厚は、測定した連結部9aの厚み寸法が目標値より大きい場合には一対の厚み調整部材21の間隔を狭める方向に、測定した連結部9aの厚み寸法が目標値より小さい場合には一対の厚み調整部材21の間隔を広げる方向にそれぞれ移動し、測定した連結部9aの厚み寸法が目標値となるよう制御する。
【0033】
次に、光ファイバテープ心線TLの製造装置1の動作を説明する。4台の光ファイバ繰り出し部2から繰り出された4本の光ファイバ素線8は、集線用ローラ3とガイドローラ4を経由してコーティングダイス部10に導かれる。コーティングダイス部10に導かれた4本の光ファイバ素線8は、各光ファイバ挿通穴11にガイドされることから隣り合うもの同士が所定の間隔で整列され、且つ、未硬化樹脂が各連通穴12等より吐出されることから光ファイバ素線8間に未硬化樹脂が供給されてコーティングダイス部10より送り出される(光ファイバコーティング工程)。
【0034】
コーティングダイス部10より送り出された4本の光ファイバ素線8は、紫外線照射部30より紫外線照射を受ける。すると、4本の光ファイバ素線8に供給された未硬化樹脂が硬化される(硬化エネルギー照射工程)。これにより、4本の光ファイバ素線8が硬化樹脂部9によって一体化され、光ファイバテープ心線TLが作製される。硬化樹脂部9は、各光ファイバ素線8間をそれぞれ連結する連結部9aと、各光ファイバ素線8の外周面を覆う樹脂外被層9bとから構成される。
【0035】
光ファイバテープ心線TLは、紫外線照射部30よりファイバ送り出し方向Aの下流でテープ幅測定部40及び外面凹凸測定部50を通過する。テープ幅測定部40で光ファイバテープ心線TLの幅Dが測定され、外面凹凸測定部50で光ファイバ心線TLの凹凸(光ファイバ素線8の表面と連結部9aの表面)の高低差が測定される。これら測定データは制御部60に送られる。
【0036】
制御部60は、テープ幅測定部40で測定した幅データDより連結部9aの幅d2を算出する(連結幅測定工程)。そして、制御部60は、測定した幅寸法d2が目標幅より大きい場合には紫外線照射部をコーティングダイス部に遠ざける方向に移動し、測定した連結部9aの幅寸法d2が目標幅より小さい場合には紫外線照射部30をコーティングダイス部10より近づける方向にそれぞれ移動し、最終的に測定した連結部9aの幅寸法d2が目標幅となる位置に制御する(エネルギー照射位置制御工程)。つまり、コーティングダイス部10より送り出された4本の光ファイバ素線8の間隔は、光ファイバ素線8間に供給された未硬化樹脂の表面張力等の影響によってコーティングダイス部10より遠ざかるにつれて狭くなるため、上記制御を行うことによって未硬化樹脂が所望幅となる位置で硬化させることができる。
【0037】
また、制御部60は、外面凹凸測定部50で測定した凹凸差データより連結部9aの厚み寸法tを算出する(連結厚み測定工程)。そして、測定した連結部9aの厚み寸法tが目標値より大きい場合には一対の厚み調整部材21の間隔を狭める方向に、測定した連結部9aの厚み寸法tが目標値より小さい場合には一対の厚み調整部材21の間隔を広げる方向にそれぞれ移動し、測定した連結部9aの厚み寸法が目標値となるよう制御する(供給樹脂厚制御工程)。これによって、所望の幅及び厚みの連結部9aを有する光ファイバテープ心線TLが作製される。
【0038】
この実施形態では、連結部9aの幅と厚みの双方について所望寸法のものを作製する場合を示したが、いずれか一方のみについて所望寸法のものを作製するようにしても良い。
【0039】
(実験例)
上記した光ファイバテープ心線TLの製造装置1で、二種類の紫外線硬化樹脂(A樹脂とB樹脂)を用いて連結部9aの幅Dが285μmで、連結部9aの厚みtが130μmの光ファイバテープ心線TLをそれぞれ作製する実験を行った。A樹脂とB樹脂は、硬化容易性、粘性等の物性が相違するものであるが、下記の表1に示すように、コーティングダイス部10に対する紫外線照射部30の位置、一対の厚み調整部材21間の距離を自動的に可変することによって連結部9aの幅及び厚みを同じとする光ファイバテープ心線TLを作製することができた。この実験結果より、使用する樹脂の種類に係わらず所望の幅及び厚みの連結部9aを有する光ファイバテープ心線TLを作製できることが確かめられた。
【0040】
【表1】
【0041】
(第1変形例の供給樹脂厚調整部)
図5(a)、(b)は第1変形例の供給樹脂厚調整部20Aを示す。図5(a)に示すように、第1変形例の供給樹脂厚調整部20Aは、前記実施形態と同様に、上下一対の厚み調整部材21Aを有する。各厚み調整部材21Aは、前記実施形態のものと異なり、3箇所の連通穴12の内の両側の連通穴12に対応する位置にのみ櫛歯遮蔽部21aを有する。
【0042】
この第1変形例の供給樹脂厚調整部20Aでは、3箇所の連結部9aの内の両側の連結部9aの厚みのみを調整できる。従って、図5(b)に示すように、中央の連結部9aの厚みは一定で、且つ、両側の連結部9aを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLaを作製できる。
【0043】
(第2変形例の供給樹脂厚調整部)
図6(a)、(b)は第2変形例の供給樹脂厚調整部20Bを示す。図6(a)に示すように、第2変形例の供給樹脂厚調整部20Bは、前記実施形態と異なり、上下一対ではなく、上方に配置された単一の厚み調整部材21Bのみを有する。単一の厚み調整部材21Bの構成は、前記実施形態のものと同様であり、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】
この第2変形例の供給樹脂厚調整部20Bでは、図6(b)に示すように、各光ファイバ素線8の上下中心位置より各連結部9aの位置が下方にシフトした位置で、且つ、各連結部9aを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLbを作製できる。
【0045】
(第3変形例の供給樹脂厚調整部)
図7(a)、(b)は第3変形例の供給樹脂厚調整部20Cを示す。図7(a)に示すように、第3変形例の供給樹脂厚調整部20Cは、前記実施形態と同様に、上下一対の厚み調整部材21Cを有する。しかし、上下の各厚み調整部材21Cの構成が相違する。上方位置の厚み調整部材21Cは、前記第1変形例のものと同一構成であり、下方位置の厚み調整部材21Cは、3箇所の連通穴12の内の中央の連通穴12に対応する位置にのみ櫛歯遮蔽部21aを有する。尚、図7(a)、(b)にあって、前記実施形態と同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0046】
この第3変形例の供給樹脂厚調整部20Bでは、図7(b)に示すように、各光ファイバ素線8の上下中心位置より両側の連結部9aの位置が下方に、中央の連結部9aの位置が上方にシフトした位置で、且つ、各連結部9aを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLcを作製できる。
【0047】
(第4変形例の供給樹脂厚調整部)
図8(a)、(b)は第4変形例の供給樹脂厚調整部20Dを示す。図8(a)に示すように、第4変形例の供給樹脂厚調整部20Dは、前記実施形態と同様に、上下一対の厚み調整部材21Dを有する。各厚み調整部材21Aは、3箇所に櫛歯遮蔽部21aを有するが、その櫛歯遮蔽部21aの先端面が光ファイバ素線8の並列方向に対し傾斜する傾斜面に形成されている。尚、図8(a)、(b)にあって、前記実施形態と同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0048】
この第4変形例の供給樹脂厚調整部20Dでは、図8(b)に示すように、3箇所の連結部9aがそれぞれテーパ状であり、その各連結部9aを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLdを作製できる。
【0049】
(第5変形例の供給樹脂厚調整部)
図9(a)、(b)は第5変形例の供給樹脂厚調整部20Eを示す。図9(a)に示すように、第5変形例の供給樹脂厚調整部20Eは、前記実施形態と同様に、上下一対の厚み調整部材21Eを有する。各厚み調整部材21Eは、3箇所に櫛歯遮蔽部21aを有するが、その両側の櫛歯遮蔽部21aの先端面が光ファイバ素線8の並列方向に対し傾斜する傾斜面に形成されている。中央の櫛歯遮蔽部21aの先端面は、傾斜面ではなく、光ファイバ素線8の並列方向に延びるストレート面に形成されている。尚、図9(a)、(b)にあって、前記実施形態と同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0050】
この第5変形例の供給樹脂厚調整部20Eでは、図9(b)に示すように、中央の連結部9aがストレート(同一肉厚)状で、両側の連結部9aがそれぞれテーパ(可変肉厚)状であり、その各連結部9aを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLeを作製できる。
【0051】
(第6変形例の供給樹脂厚調整部)
図10(a)、(b)は第6変形例の供給樹脂厚調整部20Fを示す。図10(a)に示すように、第6変形例の供給樹脂厚調整部20Fは、8本の光ファイバ素線8に対応するものであり、上下一対の厚み調整部材21Fを有する。各厚み調整部材21Fは、光ファイバ素線8の2本置きに対応する位置に櫛歯遮蔽部21aを有する。尚、図10(a)、(b)にあって、前記実施形態と同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0052】
この第6変形例の供給樹脂厚調整部20Fでは、図10(b)に示すように、光ファイバ素線8の2本置きに連結部9aが形成され、その3箇所の連結部9aの厚みを所望の厚みに調整した光ファイバテープ心線TLfを作製できる。
【0053】
(変形例のコーティングダイス部)
図11(a)、(b)は変形例のコーティングダイス部10Aを示し、図11(a)はコーティングダイス部10Aの正面図、図11(b)は当該変形例によって作製される光ファイバ心線TLの断面図である。
【0054】
図11(a)に示すように、コーティングダイス部10Aのファイバ出口面10bには、前記実施形態と同様に、4つの光ファイバ挿通穴11が形成され、且つ、隣り合う光ファイバ挿通穴11同士が連通穴12によって連通されている。しかし、前記実施形態と異なり、各光ファイバ挿通穴11の直径がほぼ光ファイバ素線8の直径と同一に形成されている。従って、図11(b)に示すように、光ファイバ素線8の外周面には樹脂外被層が形成されず、硬化樹脂部9は連結部9aのみから構成される。尚、図11(a)、(b)にあって、前記実施形態と同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0055】
前記した第1変形例から第6変形例についても、硬化樹脂部9が連結部9aのみから構成される光ファイバテープ心線TLa〜TLfを作製しても良いことはもちろんである。
【0056】
(連結幅測定手段の変形例)
連結幅測定手段は、光ファイバテープ心線TLを上面又は下面から撮影する撮像部と、この撮像部が撮った画像より光ファイバ素線8間の隙間、つまり、連結部9aの幅寸法を測定する画像処理部とから構成しても良い。この変形例の構成によれば、複数の連結部9aのそれぞれの幅寸法を詳細に測定できる。
【0057】
(紫外線照射部の変形例)
紫外線照射部は、光ファイバ素線8間にパワーを集中させて当該箇所の未硬化樹脂の少なくとも表面層を硬化させるスポット光照射部と、スポット光照射部の後に、複数本の光ファイバ素線8の全体に未硬化樹脂を硬化させるフラット光照射部とから構成し、スポット光照射部を光ファイバ送り出し方向Aの正逆方向に移動可能に設けても良い。
【0058】
(その他)
前記実施形態等の光ファイバテープ心線の製造装置では、光ファイバ素線8同士の間を紫外線硬化樹脂を用いて接着しているが、エネルギーを照射することによって硬化する樹脂であれば良く、例えば熱硬化性樹脂であっても良い。この場合には、硬化エネルギー照射手段として熱源を用いることになる。
【符号の説明】
【0059】
TL,TLa〜TLf 光ファイバ心線
1 光ファイバ心線の製造装置
8 光ファイバ素線(光ファイバ)
9a 連結部
10,10A コーティングダイス部
12 連通穴
20,20A〜20F 供給樹脂厚調整部(供給樹脂厚調整手段)
21,21A〜21F 厚み調整部材
30 紫外線照射部(樹脂硬化エネルギー照射手段)
40 テープ幅測定部(連結幅測定手段)
50 外面凹凸測定部(連結厚み測定手段)
60 制御部(連結幅測定手段、連結厚み測定手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、
前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製し、樹脂硬化エネルギーの光ファイバ送り出し方向の照射位置を可変できる樹脂硬化エネルギー照射手段と、
前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定手段と、
前記連結幅測定手段が測定した連結部の幅に基づいて前記樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項2】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、
前記コーティングダイス部で前記光ファイバ間に供給する未硬化樹脂の厚みを調整できる供給樹脂厚調整手段と、
前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する樹脂硬化エネルギー照射手段と、
前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定手段と、
前記連結厚み測定手段が測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が供給する樹脂厚を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項3】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、
前記コーティングダイス部で前記光ファイバ間に供給する未硬化樹脂の厚みを調整できる供給樹脂厚調整手段と、
前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製し、樹脂硬化エネルギーの光ファイバ送り出し方向の照射位置を可変できる樹脂硬化エネルギー照射手段と、
前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定手段と、
前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定手段と、
前記連結幅測定手段が測定した連結部の幅に基づいて前記樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整し、且つ、前記連結厚み測定手段が測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が供給する樹脂厚を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載の光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する単一の厚み調整部材を有することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載の光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有し、前記一対の厚み調整部材はそれぞれ異なる前記光ファイバ間の連通穴の実質開口寸法を可変することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項7】
請求項4〜請求項6のいずれかに記載の光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記厚み調整部材は、前記光ファイバ間の複数の連通穴の一部について実質開口寸法を可変することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項8】
請求項4〜請求項6のいずれかに記載の光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記厚み調整部材は、前記コーティングダイス部の連通穴を実質的に塞ぐ箇所の先端面が前記光ファイバの並列方向に対し傾斜する傾斜面であることを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項9】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、
この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、
硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定工程と、
連結幅測定工程で測定した連結部の幅に基づいて樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を可変するエネルギー照射位置制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項10】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に供給樹脂厚調整手段を介して未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、
この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、
硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定工程と、
連結厚み測定工程で測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が光ファイバ間に供給する供給樹脂厚を調整する供給樹脂厚制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項11】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に供給樹脂厚調整手段を介して未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、
この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、
硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定工程と、
硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定工程と、
連結幅測定工程で測定した連結部の幅に基づいて樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整するエネルギー照射位置制御工程と、
連結厚み測定工程で測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が光ファイバ間に供給する供給樹脂厚を調整する供給樹脂厚制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載の光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有し、前記一対の厚み調整部材間の距離を可変することによって供給樹脂厚を調整することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項13】
請求項10又は請求項11に記載の光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する単一の厚み調整部材を有し、前記厚み調整部材の位置を可変することによって供給樹脂厚を調整することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項14】
請求項10又は請求項11に記載の光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有し、前記一対の厚み調整部材はそれぞれ異なる前記光ファイバ間の連通穴の実質開口寸法を可変することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項15】
請求項12〜請求項14のいずれかに記載の光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記厚み調整部材は、前記光ファイバ間の複数の連通穴の一部について実質開口寸法を可変することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項16】
請求項12〜請求項15のいずれかに記載の光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記厚み調整部材は、前記コーティングダイス部の連通穴を実質的に塞ぐ箇所の先端面が前記光ファイバの並列方向に対し傾斜する傾斜面であることを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項1】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、
前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製し、樹脂硬化エネルギーの光ファイバ送り出し方向の照射位置を可変できる樹脂硬化エネルギー照射手段と、
前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定手段と、
前記連結幅測定手段が測定した連結部の幅に基づいて前記樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項2】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、
前記コーティングダイス部で前記光ファイバ間に供給する未硬化樹脂の厚みを調整できる供給樹脂厚調整手段と、
前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する樹脂硬化エネルギー照射手段と、
前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定手段と、
前記連結厚み測定手段が測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が供給する樹脂厚を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項3】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出すコーティングダイス部と、
前記コーティングダイス部で前記光ファイバ間に供給する未硬化樹脂の厚みを調整できる供給樹脂厚調整手段と、
前記コーティングダイス部より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギーを照射して前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製し、樹脂硬化エネルギーの光ファイバ送り出し方向の照射位置を可変できる樹脂硬化エネルギー照射手段と、
前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定手段と、
前記樹脂硬化エネルギー照射手段によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定手段と、
前記連結幅測定手段が測定した連結部の幅に基づいて前記樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整し、且つ、前記連結厚み測定手段が測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が供給する樹脂厚を調整する制御部とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載の光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する単一の厚み調整部材を有することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載の光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有し、前記一対の厚み調整部材はそれぞれ異なる前記光ファイバ間の連通穴の実質開口寸法を可変することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項7】
請求項4〜請求項6のいずれかに記載の光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記厚み調整部材は、前記光ファイバ間の複数の連通穴の一部について実質開口寸法を可変することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項8】
請求項4〜請求項6のいずれかに記載の光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記厚み調整部材は、前記コーティングダイス部の連通穴を実質的に塞ぐ箇所の先端面が前記光ファイバの並列方向に対し傾斜する傾斜面であることを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項9】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、
この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、
硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定工程と、
連結幅測定工程で測定した連結部の幅に基づいて樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を可変するエネルギー照射位置制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項10】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に供給樹脂厚調整手段を介して未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、
この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、
硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定工程と、
連結厚み測定工程で測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が光ファイバ間に供給する供給樹脂厚を調整する供給樹脂厚制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項11】
複数本の光ファイバ間の少なくとも一箇所以上を間隔を開けて整列させ、複数本の前記光ファイバ間に供給樹脂厚調整手段を介して未硬化樹脂を供給して送り出す光ファイバコーティング工程と、
この光ファイバコーティング工程より送り出された複数本の前記光ファイバに樹脂硬化エネルギー照射手段によって樹脂硬化エネルギーを照射し、前記光ファイバ間に硬化樹脂による連結部を作製する硬化エネルギー照射工程と、
硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の幅を測定する連結幅測定工程と、
硬化エネルギー照射工程によって硬化された前記連結部の厚みを測定する連結厚み測定工程と、
連結幅測定工程で測定した連結部の幅に基づいて樹脂硬化エネルギー照射手段の照射位置を調整するエネルギー照射位置制御工程と、
連結厚み測定工程で測定した連結部の厚みに基づいて前記供給樹脂厚調整手段が光ファイバ間に供給する供給樹脂厚を調整する供給樹脂厚制御工程とを備えたことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載の光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有し、前記一対の厚み調整部材間の距離を可変することによって供給樹脂厚を調整することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項13】
請求項10又は請求項11に記載の光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する単一の厚み調整部材を有し、前記厚み調整部材の位置を可変することによって供給樹脂厚を調整することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項14】
請求項10又は請求項11に記載の光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記供給樹脂厚調整手段は、前記コーティングダイス部の連通穴の実質開口寸法を可変する一対の厚み調整部材を有し、前記一対の厚み調整部材はそれぞれ異なる前記光ファイバ間の連通穴の実質開口寸法を可変することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項15】
請求項12〜請求項14のいずれかに記載の光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記厚み調整部材は、前記光ファイバ間の複数の連通穴の一部について実質開口寸法を可変することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項16】
請求項12〜請求項15のいずれかに記載の光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記厚み調整部材は、前記コーティングダイス部の連通穴を実質的に塞ぐ箇所の先端面が前記光ファイバの並列方向に対し傾斜する傾斜面であることを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−150183(P2011−150183A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12187(P2010−12187)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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