説明

光ファイバリボン及び低オリゴマー含有量を有するリボンマトリックス材料

低オリゴマー含有量を有する光ファイバリボン(10)用マトリックス材料(34)及びこのような組成物から調製された母材を有する光ファイバリボンが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバリボン(光ファイバテープ芯線ともいう)マトリックス材料用の組成物及びこのような組成物から調製されたマトリックス(母材)を含む光ファイバリボンに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年7月17日に出願された米国特許仮出願第61/226,334号の権益主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
光ファイバは、しばしば既存の銅線に取って代わって通信分野において、ますます重要な役割を果たしている。この技術動向は、ローカルエリアネットワーク(即ち、ファイバ・トゥ・ホーム(fiber-to-home:FTTH)使用のため)に著しい影響をもたらし、このような影響とは、光ファイバ使用の激増である。ローカルファイバネットワークがデータ、音声及び映像信号の形態の情報をますます多量に住宅ユーザ及び商業ユーザに送り出すよう確立されているので加入者回線電話及びケーブルTVサービスの使用におけるそれ以上の増加が見込まれる。さらに、内部データ、音声及び映像通信のための家庭及び営利事業環境における光ファイバの使用は、増大することが見込まれる。
【0004】
光ファイバは、光ファイバリボンと呼ばれている製品を形成するよう互いに束ねられる場合が多い。リボンは、光ファイバを並列構造で固定するようポリマーマトリックス材料中に納められ又は封入された光ファイバを有する。光ファイバリボンのマトリックス部分は、ポリマーマトリックス材料の1つ又は2つ以上の層を有する場合があり、各光ファイバは、典型的には、軟質の内側ポリマー被覆及び硬質の保護外側ポリマー被覆を含む二層被覆システムを有する。リボンの形成に先立って、光ファイバは又、リボン内の光ファイバ識別目的でマーキングインキの薄い着色層で(即ち、ポリマー基材内に)被覆される場合がある。
【0005】
マトリックス材料の最も基本的な機能は、個々の光ファイバ又はリボンサブユニットを平面状アレイの状態に固定することにあるので、マトリックス材料は又、リボンの取り扱い特性に寄与する。光ファイバリボンの2つの重要な取り扱い属性は、ピール(剥離又は引き剥がし)及びブレークアウト(分離又は引きちぎり)性能である。ピールは、光ファイバリボンの中間分岐領域における光ファイバからのマトリックス材料の除去である。例えば、着色マーキングインキ層のどれをも除去しないでマトリックス層を光ファイバからきれいにピールすることができるようにすることが望ましい。さらに、マトリックス層は、光ファイバを切り離さず、しかも残滓を光ファイバに付着して残すことなく、無傷のユニットとして除去可能であることが必要である。ブレークアウトは、リボンの端部のところで生じ、リボン中の個々の光ファイバへの接近を可能にするために用いられる。ピールの場合と同様、ブレークアウトの際、光ファイバを切り離さず、しかも残滓を光ファイバに付着して残すことなく、マトリックス材料を除去できることが望ましい。
【0006】
一般に、マトリックス材料は、マトリックスがブレークアウト及びピール中、容易に切れて離れることがないほど十分強靱でなければならない。グリア(Greer)(即ち、米国特許第6,334,016号明細書)は、マトリックス材料が光ファイバリボンから除去されたときに容易には切れて離れることがないようマトリックス材料が十分な靱性を示さなければならないことを教示している。グリアは、マトリックス材料が典型的にはアクリル化ウレタンオリゴマーを含むことを更に教示している。これは、ウレタン結合と関連した水素結合が靱性の向上に寄与するからである。シャスタック(Shustack)(即ち、米国特許第6,455,607号明細書)も又、アクリル化ウレタンオリゴマーを有するマトリックス材料を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,334,016号明細書
【特許文献2】米国特許第6,455,607号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ウレタンアクリレートオリゴマーは、UV硬化可能なアクリレート調合物の最もコスト高のコンポーネントである。マトリックス調合物におけるオリゴマーの使用の減少又は不使用と関連したコストの節約が望ましいが、結果的として得られるマトリックス材料は、リボンマトリックス材料の所要の良好なブレークアウト、ピール及び他の性能特性を維持しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、光ファイバリボンは、モノマー成分をリボンマトリックス材料の主要構成要素として用いて例えば高価なウレタンアクリレートオリゴマーのようなオリゴマーの使用を実質的に減少させ又はなくして向上したピール及びブレークアウト性能を示す。
【0010】
一態様によれば、内側及び外側マトリックス材料は、実質的にビスフェノールAジアクリレートモノマーで構成されている。
【0011】
上記の概要説明と以下の詳細な説明の両方は、本発明の実施形態を提供し、特許請求の範囲に記載されている本発明の性質及び特性を理解するための概観又は枠組を提供するようになっている。
【0012】
次に、例示の実施形態を示す図を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態としての光ファイバリボンの断面図である。
【図2】マトリックスピールが行なわれている光ファイバリボンを示す図である。
【図3】光ファイバブレークアウトが行なわれている光ファイバリボンを示す図である。
【図4】従来型調合物と比較した本発明の実施形態としてのマトリックス材料のブレークアウト及びピール性能をまとめたグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、光ファイバリボン及び光ファイバリボンの良好なマトリックスブレークアウト及びピール性能を維持しながらこのような光ファイバリボンを比較的安価に製造する方法に関する。光ファイバリボンマトリックス組成物のオリゴマー含有量を実質的に減少させ、又は無くすことによって費用を相当に節約できるので、本発明の実施形態の組成物の主要な構成要素は、モノマー成分である。これは、多量の構成要素としてウレタンアクリレートオリゴマー成分を含むと共に少量の構成要素としてモノマー成分を含む大抵の従来型マトリックス組成物とは対照的である。大抵の従来型被覆及び/又はマトリックス組成物では、オリゴマー成分は、重合が起こるバックボーンとして機能し、モノマー成分は、組成物の粘度を調節する希釈剤として、そして硬化中、架橋剤として(特定のモノマー成分が有する場合のある官能基の数に応じて)機能する。
【0015】
本明細書において特定成分の「重量パーセント」という表現は、バルク組成物中に導入され、他の添加剤を含まない量を意味している。本発明の組成物を作るためにバルク組成物中に導入される他の添加物の量をpph(part per hundred)で表すことができる。例えば、オリゴマー、モノマー及び光重合開始剤は、これら成分の全重量パーセントが100パーセントに等しくなるようなバルク組成物を形成するために組み合わされる。このバルク組成物には、バルク組成物の100重量パーセントを超える添加剤の量、例えば1.0pphが導入される。
【0016】
適当な多官能価のエチレン的に不飽和のモノマーとしては、アルコキシ化ビスフェノールAジアクリレート、例えばエトキシ化が2以上、好ましくは2〜約30のエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(例えば、ペンシルベニア州ウエストチェスタ所在のサートマー・カンパニー・インコーポレイテッド(Sartomer Company, Inc.)から入手できるSR349及びSR601並びにペンシルベニア州アンブラ所在のコグニス・コーポレイション(Cognis Corp.)から入手できるPhotomer 4025及びPhotomer 4028)及びプロポキシ化が2以上、好ましくは2〜約30のプロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート、アルコキシ化が行なわれ又は行なわれていないメチルオルプロパンポリアクリレート、例えばエトキシ化が3以上、好ましくは3〜約30のエトキシ化トリメチルオルプロパントリアクリレート(例えば、コグニス・コーポレイションのPhotomer 4149、サートマー・カンパニー・インコーポレイテッドのSR499)、プロポキシ化が3以上、好ましくは3〜30のプロポキシ化トリメチルオルプロパントリアクリレート(例えば、コグニス・コーポレイションのPhotomer 4072及びサートマーのSR492)及びジトリメチルオルプロパンポリテトラアクリレート(例えば、コグニス・コーポレイションのPhotomer 4355)、アルコキシ化グリセリルトリアクリレート、例えばプロポキシ化が3以上のプロポキシ化グリセロールトリアクリレート(例えば、コグニス・コーポレイションのPhotomer 4096及びサートマーのSR9020)、アルコキシ化が行なわれ又は行なわれていないエリトリトールポリアクリレート、例えばペンタエリトールテトラアクリレート(例えば、ペンシルベニア州ウエストチェスタ所在のサートマー・カンパニー・インコーポレイテッドから入手できるSR295)、エトキシ化ペンタエリトリトールテトラアクリレート(例えば、サートマー・カンパニー・インコーポレイテッドのSR494)及びジペンタエリトリトールペンタアクリレート(例えば、コグニス・コーポレイションのPhotomer 4399及びサートマー・カンパニー・インコーポレイテッドのSR399)、適当な官能イソシアヌレートをアクリル酸又はアクリルオリクロリドと反応させることにより生じたイソシアヌレートポリアクリレート、例えばトリ‐(2‐ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(例えば、サートマー・カンパニー・インコーポレイテッドのSR368)及びトリ‐(2‐ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート、アルコキシ化が行なわれ又は行なわれていないアルコールポリアクリレート、例えばトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(例えば、サートマー・カンパニー・インコーポレイテッドのCD406)及びエトキシ化が2以上、好ましくは約2〜30のエトキシ化ポリエチレングリコールジアクリレート、アクリレートをビスフェノールAジグリシジルエーテル(4アップ)等に添加することにより生じたエポキシアクリレート(例えば、コグニス・コーポレイションのPhotomer 3016)及び単リング及び多リング環状芳香族又は非芳香族ポリアクリレート、例えばジシクロペンタジエンジアクリレート及びジシクロペンタンジアクリレートが挙げられるが、これらには限定されない。
【0017】
また、或る特定の量の一官能価のエチレン的に不飽和のモノマーを用いることが望ましい場合があり、このようなモノマーは、硬化生成物が水を吸収し、他の被覆材料にくっつき又は応力下で挙動する度合いに影響を及ぼすよう導入されるのが良い。例示の一官能価エチレン的不飽和モノマーとしては、ヒドロキシアルキルアクリレート、例えば2‐ヒドロキシエチル‐アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル‐アクリレート及び2‐ヒドロキシブチル‐アクリレート、長鎖及び短鎖アルキルアクリレート、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、イソブチルアクリレート、t‐ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクタデシルアクリレート及びステアリルアクリレート、アミノアルキルアクリレート、例えばジメチルアミノエチルアクレート、ジエチルアミノエチルアクリレート及び7‐アミノ‐3,7‐ジメチルオクチルアクリレート、アルコキシアルキルアクリレート、例えばブトキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート(例えば、サートマー・カンパニー・インコーポレイテッドのSR339)及びエトキシエトキシエチルアクリレート、短リング及び多リング環状芳香族又は非芳香族アクリレート、例えばシクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、ボミルアクリレート、イソボルニルアクリレート(例えば、サートマー・カンパニー・インコーポレイテッドのSR423)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、サートマー・カンパニー・インコーポレイテッドのSR285)、カプロラクトンアクリレート(例えば、サートマー・カンパニー・インコーポレイテッドのSR495)及びアクリルオリルモルフォリン、アルコールを主成分とするアクリレート、例えばポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート及び種々のアルコキシ化アルキルフェノールアクリレート、例えばエトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート(例えば、コグニス・コーポレイションのPhotomer 4003)、アクリルアミド、例えばジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N′‐ジメチル‐アミノプロピルアクリルアミド、N,N‐ジメチルアクリルアミド、N,N‐ジエチルアクリルアミド及びt‐オクチルアクリルアミド、ビニル系化合物、例えばN‐ビニルピロリドン及びN‐ビニルカプロラクタム、酸エステル、例えばマレイン酸エステル、フマル酸エステルが挙げられるが、これらには限定されない。上述の長鎖及び短鎖アルキルアクリレートに関し、短鎖アルキルアクリレートは、6個以下の炭素を持つアルキル基であり、長鎖アルキルアクリレートは、7個以上の炭素を持つアルキル基である。
【0018】
最も適当なモノマーは、市販のものであるか或いは当該技術分野において知られている反応方式を用いて容易に合成されるものかのいずれかである。例えば、上述の一官能価モノマーの大部分は、適当なアルコール又はアミドをアクリル酸又はアクリルオリルクロリドと反応させることにより合成できる。
【0019】
好ましくは、組成物にはオリゴマー成分が含まれておらず、モノマー成分は、2種類又は3種類以上のモノマーの組み合わせである。オリゴマーという用語は、脂肪族及び芳香族ウレタン(メト)アクリレートオリゴマー、ウレア(メト)アクリレートオリゴマー、ポリエステル及びポリエステル(メト)アクリレートオリゴマー、アクリル化アクリルオリゴマー、ポリブタジエン(メト)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メト)アクリレートオリゴマー及びメラミン(メト)アクリレートオリゴマーを含む化合物の等級として定義される。
【0020】
適当なオリゴマーは、用いられた場合、一官能価オリゴマーか多官能価オリゴマーかのいずれかであるのが良い。ただし、多官能価オリゴマーが好ましい。オリゴマー成分は、一官能価オリゴマーと多官能価オリゴマーの組み合わせであっても良い。
【0021】
二官能価オリゴマーは、好ましくは、以下の化学式(I)で表される構造を有する。
〔化1〕
1―R1‐[ジイソシアネート‐R2‐ジイソシアネート]m‐R1―F1 (I)
上式において、F1は、単独で、反応性官能基、例えば、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、N‐ビニルアミド、スチレン、ビニルエーテル、ビニルエステル又は当該技術分野において知られている他の官能基であり、R1は、単独で、―C2‐12O―、―(C2‐4―O)n―、―C2‐12O―(C2‐4―O)n―、―C2‐12O―(CO―C2‐5O)n―又は―C2‐12O―(CO―C2‐5NH)n―を含み、この場合、nは、1から30まで、好ましくは1から10までの整数であり、R2は、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア又はこれらの組み合わせであり、mは、1から10まで、好ましくは1から5までの整数である。化学式Iの構造中、ジイソシアネート基は、ジイソシアネートとR2及び/又はR1の結合に続いて生じる反応生成物である。「単独で」という用語は、本明細書においては、各F1が別のF1とは異なる場合があることを示すために用いられており、同じことは、各R1についても当てはまる。
【0022】
他の多官能価オリゴマーは、好ましくは、以下に記載する化学式(II)、化学式(III)又は化学式(IV)による構造を有する。
〔化2〕
マルチイソシアネート‐(2―R1―F2x (II)
〔化3〕
ポリオール‐[(ジイソシアネート‐R2‐ジイソシアネート)m‐R1―F2x (III)
又は、
〔化4〕
マルチイソシアネート‐(R1―F2x (IV)
上式において、F2は、単独で、1つから3個の官能基、例えばアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、N‐ビニルアミド、スチレン、ビニルエーテル、ビニルエステル又は当該技術分野において知られている他の官能基を示し、R1は、単独で、―C2‐12O―、―(C2‐4―O)n―、―C2‐12O―(C2‐4―O)n―、―C2‐12O―(CO―C2‐5O)n―又は―C2‐12O―(CO―C2‐5NH)n―を含み、この場合、nは、1から10まで、好ましくは1から5までの整数であり、R2は、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア又はこれらの組み合わせであり、xは、1から10まで、好ましくは2から5までの整数であり、mは、1から10まで、好ましくは1から5までの整数である。化学式IIの構造中、多イソシアネート基は、多イソシアネートとR2の結合に続いて生じる反応生成物である。化学式IIIの構造中、ジイソシアネート基は、ジイソシアネートとR2及び/又はR1の結合に続いて生じる反応生成物である。
【0023】
ウレタンオリゴマーは、脂肪族又は芳香族ジイソシアネートを二価ポリエーテル又はポリエステル、最も典型的にはポリオキシアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコールと反応させることにより従来通り得られる。このようなオリゴマーは、典型的には、約4個〜約10個のウレタン基を有し、高分子量、例えば2000〜8000のものであるのが良い。しかしながら、分子量が500〜2000の低分子量オリゴマーも又使用できる。コーディー等(Coady et al.)に付与された米国特許第4,608,409号明細書及びビショップ等(Bishop et al.)に付与された米国特許第4,609,718号明細書は、このような合成法を詳細に記載しており、これら米国特許を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする。
【0024】
耐湿性オリゴマーを用いることが望ましい場合、このような耐湿性オリゴマーを極性ポリエステル又はポリエーテルグリコールが主として飽和及び主として非極性脂肪酸ジオールに有利なように回避することを除き同様な仕方で合成可能である。これらジオールは、例えば、約2〜250個の炭素原子のアルカン又はアルキレンジオールを含み、好ましくは、これらジオールには実質的にエーテル又はエステル基がない。
【0025】
周知のように、合成中、ジアミン及び又はポリアミンをジオール又はポリオールに代えて用いるだけで、上述の方法により調製されたオリゴマー中にポリウレア成分を混入することができる。ポリウレア成分が本発明の被覆系中に少ない割合で存在することは、被覆性能にとって有害であるとは考えられない。ただし、合成に用いられるジアミン又はポリアミンが被覆系の耐湿性を損なうのを回避するよう十分に非極性であり且つ飽和されていることを唯一の条件とする。
【0026】
周知のように、マトリックス成分は、光ファイバをリボン中に固定するためのその塗布後、組成物の重合(即ち、硬化)を生じさせるのに適した重合開始剤を更に含むのが良い。本発明の組成物に用いるのに適した重合開始剤としては、熱開始剤、化学開始剤、電子ビーム開始剤、マイクロ波開始剤、化学線開始剤及び光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤が特に好ましい。大抵のアクリレート系被覆調合物に関し、従来型光重合開始剤、例えば公知のケトン化合物光開始及び/又はホスフィンオキシド添加剤が好ましい。本発明の組成物に用いられる場合、光重合開始剤は、迅速な紫外線硬化を可能にするのに十分な量存在する。好ましくは、これは、約0.5〜約10重量パーセント、より好ましくは約1.5〜7.5重量パーセント、最も好ましくは約3重量パーセントの重合開始剤を含む。
【0027】
光重合開始剤は、放射線効果を促進するうえで少量ではあるが有効な量で用いられる場合、マトリックス組成物の時期尚早なゲル化を生じさせないで適度の硬化速度を提供しなければならない。望ましい硬化速度は、マトリックス組成物の実質的な硬化(即ち、約90%以上、より好ましくは95%以上)を生じさせるのに十分な任意の速度である。
【0028】
適当な光重合開始剤としては、2,4,6‐トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(例えば、ルシリン(Lucirin)TPO)、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えば、ニューヨーク州タリータウン所在のシバ・スペシャリティ・ケミカル(Ciba Specialty Chemical)社から入手できるIrgacure 184)、(2,6‐ジエトキシベンゾイル)‐2,4,4‐トリメチルペンチルホスフィンオキシド(例えば、シバ・スペシャリティ・ケミカル社の市販の組成物であるIrgacure 1800、Irgacure 1850及びIrgacure 1700)、2,2‐ジメトキシル‐2‐フェニルアセトフェノン(例えば、シバ・スペシャリティ・ケミカル社のIrgacure 651、ビス(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(例えば、シバ・スペシャリティ・ケミカル社のIrgacure 819)、(2,4,6‐トリエチルベンゾイル(ジフェニルホスフィンオキシド(例えば、シバ・スペシャリティ・ケミカル社の市販の組成物であるDarocur 4265)、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン(例えば、シバ・スペシャリティ・ケミカル社の市販の組成物であるDarocur 4265)及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。他の光重合開始剤は、絶えず開発されており、マトリックス組成物に用いられている。任意の適当な光重合開始剤を本発明の組成物中に導入することができる。
【0029】
上述の成分に加えて、本発明のマトリックス組成物は、オプションとして、添加剤又は添加剤の組み合わせを含むのが良い。適当な添加剤としては、酸化防止剤、触媒、潤滑剤、低分子量非架橋樹脂、定着剤及び安定剤が挙げられるが、これらには限定されない。定着剤の中には、重合プロセスを制御し、それにより組成物から生じる重合生成物の物理的特性(例えば、弾性率、ガラス転移温度)に影響を及ぼすよう働くものがある。添加剤の中には、組成物の重合生成物の健全性に影響を及ぼす(例えば、解重合又は酸化崩壊を生じないよう保護する)ものもある。
【0030】
好ましい酸化防止剤は、チオジエチレンビス(3,5‐ジ‐t‐ブチル)‐4‐ヒドロキシヒドロシンナマート(例えば、シバ・スペシャリティ・ケミカル社から入手できるIrganox 1035)である。
【0031】
好ましい定着剤は、アクリル化酸定着剤、例えばEbecryl 170(ジョージア州シルナ所在のユーシービー・ラドキュア(UCB Radcure)社から入手できる)である。
【0032】
マトリックス材料に用いられる他の適当な材料並びにこれら材料の選択に関する考察は、当該技術分野においては周知であり、チャピン(Chapin)に付与された米国特許第4,962,992号明細書及び同第5,104,433号明細書に記載されており、これら米国特許を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする。マトリックスの1つ又は2つ以上の特性を促進する種々の添加剤も又存在するのが良く、このような添加剤としては、本発明の組成物に混入される上述の添加剤が挙げられる。
【0033】
図1は、本発明のマトリックス材料を有する光ファイバリボン10の断面図である。光ファイバリボン10は、リボンマトリックス又は母材30で包囲されると共にこの中に封入された複数本の実質的に整列した光ファイバ15〜26を有する。光ファイバ15〜26の各々は、1つ又は2つ以上の被覆(図示せず)を備えたガラスファイバを含む。リボンマトリックス30は、単一層マトリックスか二重層マトリックス(内側及び外側マトリックス材料で形成される)かのいずれかであるのが良い。図示の実施形態では、マトリックス30は、内側マトリックス34及び外側マトリックス38から成る。内側マトリックスは、光ファイバ20を包囲すると共にこれらに接触し、外側マトリックス38は、内側マトリックス34の外面を包囲すると共にこれに接触する。光ファイバ15〜26の各々は、個々の光ファイバ15〜26の識別を可能にするインキ層(図示せず)を有するのが良い。図1に示された例示の光ファイバリボン10は、各々が二重層被覆を備えた12本の光ファイバ15〜26を有する。光ファイバは各々、着色インキ被覆を更に有し、12本の光ファイバは、例えば青色15、橙色16、緑色17、茶色18、スレート色19、白色20、赤色21、黒色22、黄色23、紫色24、薔薇色25及び水色26の12色シーケンスで提供されている。色のどのような組み合わせであっても本発明に用いるのに適している。
【0034】
本実施形態によれば、マトリックス30は、UV硬化可能なリボンマトリックス材料から成る。一実施形態では、内側マトリックス34の組成は、約3重量パーセント以下の量で存在する凝集オリゴマー成分及び約80重量パーセント以上の総量で存在する1種類又は複数種類のモノマー成分を含む。オリゴマー成分は、例えば、各々が他のオリゴマー成分と凝集状態で又は個々に3重量パーセント未満の量で存在するウレタンアクリレート成分又はポリエステルアクリレート成分であるのが良い。モノマー成分は、80重量パーセント以上の総量で存在するのが良いが、好ましくは、約85〜約100重量パーセント、より好ましくは約90〜約99重量パーセント、最も好ましくは約95〜約99重量パーセントの総量で存在する。硬化後、内側マトリックス34組成物の硬化生成物のヤング率は、少なくとも約750MPaである。好ましくは、内側マトリックス34組成物の硬化生成物は、ヤング率が約900〜約1500MPaであることを特徴としている。
【0035】
一実施形態では、外側マトリックス38の組成は、約3重量パーセント以下の量で存在する凝集オリゴマー成分及び約80重量パーセント以上の総量で存在する1種類又は複数種類のモノマー成分を含む。オリゴマー成分は、例えば、各々が他のオリゴマー成分と凝集状態で又は個々に3重量パーセント未満の量で存在するウレタンアクリレート成分又はポリエステルアクリレート成分であるのが良い。モノマー成分は、80重量パーセント以上の総量で存在するのが良いが、好ましくは、約85〜約100重量パーセント、より好ましくは約90〜約99重量パーセント、最も好ましくは約95〜約99重量パーセントの総量で存在する。硬化後、外側マトリックス38組成物の硬化生成物のヤング率は、少なくとも約250MPaである。好ましくは、外側マトリックス38組成物の硬化生成物は、ヤング率が約350〜約750MPaであることを特徴としている。
【0036】
本実施形態によれば、凝集オリゴマー成分の重量パーセントは、2重量パーセント以下又は1重量パーセント以下であるのが良く、或いは、オリゴマー成分は、マトリックス組成物の一方又は両方から実質的になくしても良い。例えば、一実施形態によれば、内側マトリックス組成物か外側マトリックス組成物かのいずれかにはウレタンアクリレート成分が存在しない。
【0037】
マトリックス34は、「内側マトリックス」として記載されているが、周囲外側マトリックス38なしでマトリックス34を用いても良い。このような実施形態では、マトリックス材料は、リボン全体を通じて一様な組成を有する。好ましくは、単一層マトリックス材料は、上述の内側マトリックス組成の特性を有する。
【0038】
上述の組成中、マトリックス調合物のモノマー成分は、単一のモノマーを含んでも良く、或いは、2つ又は3つ以上のモノマーの組み合わせであっても良い。必要要件ではないが、モノマー成分は、硬化後の物理的性質を所望の範囲に調節することができるよう2種類又は3種類以上のモノマーの組み合わせであることが好ましい。本発明の組成物中に導入されるモノマー成分は、エチレン的に不飽和状態のモノマーを含むのが良い。
【0039】
図2は、マトリックスピールが行なわれている光ファイバリボン10を示している。マトリックスピール試験を用いてマトリックスピール品質を評価して定量化することができる。ピールを試験する一手順は、次の通りであり、即ち、1.ほぼ12インチ(30.48cm)のリボン10のサンプルを用いて、リボンの頂端部、即ち、左側の青色光ファイバ15をリボン端から約1インチ(2.54cm)のところで親指と人差し指で保持し、リボン端部を一方の方向に90°ねじり、次に他方の方向に90°ねじり、マトリックス材料30は、光ファイバ15〜26からちぎれてばらの状態になるはずであり、2.リボンの一方の側のマトリックス層30を掴んで引き下げ、それによりマトリックス30を光ファイバ15〜26から除去する。表1に詳細に記載された尺度に従ってピールを評価する。
【0040】
表1‐ピール評価尺度

【0041】
図3は、12心ブレークアウトプロセスにおいて最初の又は第1の光ファイバについて光ファイバブレークアウトが行なわれている光ファイバリボン10を示している。以下の手順を用いて12心リボンに関するブレークアウト品質を評価して定量化することができ、即ち、1.ほぼ18インチ(45.72cm)のリボン10のサンプルを用いて、リボン10の頂端部、即ち、左側の青色光ファイバ15をリボン10の端から約1〜2インチ(約2.54〜5.08cm)のところで親指と人差し指で保持し、リボン端部を一方の方向に90°ねじり、次に他方の方向に90°ねじり、マトリックス材料30は、光ファイバ15〜26からちぎれてばらの状態になるはずであり、2.水色光ファイバ26を除去し、マトリックス30を水色光ファイバ26から除去し、3.片手で残りの11本の光ファイバ15〜25を掴み、もう片方の手でマトリックス30を保持し、11本の光ファイバ15〜25を一度に全て除去する。光ファイバ15〜26を全て除去すると、損傷があるかどうかについてマトリックス30を吟味し、表2に詳細に示されている評価尺度に従って12心ブレークアウト性能を評価する。
【0042】
表2‐12心ブレークアウト評価尺度

【0043】
次の手順を用いて12心リボンに関する単心ブレークアウト品質を評価すると共に定量化することができ、即ち、1.ほぼ18インチ(45.72cm)のリボン10のサンプルを用いて、リボン10の頂端部、即ち、左側の青色光ファイバ15をリボン10の端から約1〜2インチ(約2.54〜5.08cm)のところで親指と人差し指で保持し、リボン端部を一方の方向に90°ねじり、次に他方の方向に90°ねじる。マトリックス材料30は、光ファイバ15〜26からちぎれてばらの状態になるはずである。2.水色光ファイバ26を除去し、マトリックス30を水色光ファイバ26から除去し、そして、残りの光ファイバ15〜25を一度に1本ずつ除去する。表3に詳細に記載されている評価尺度に従ってリボンの全体的単心ブレークアウトを評価する。
【0044】
表3‐単心ブレークアウト評価尺度

【0045】
実施例
本実施形態の一態様によれば、全体が図1に示されている光ファイバリボンは、有利なピール及びブレークアウト特性を備えたマトリックス材料で構成されている。内側マトリックス34材料及び外側マトリックス38材料の成分の重量パーセントが以下の表4及び表5にまとめられている。
【0046】
表4‐マトリックス成分に関する重量百分率

【0047】
表5‐マトリックス成分に関する重量百分率

【0048】
表4にまとめて示されている例示のマトリックス調合物では、内側マトリックス成分に関する凝集モノマー成分は、内側マトリックス材料の約97重量パーセントを占める。外側マトリックス材料の凝集モノマー成分も又、内側マトリックス材料の約97重量パーセントを占める。
【0049】
Photomer 3016は、コグニス・コーポレイションから入手できる高粘度ビスフェノールAを主成分とするエポキシジアクリレートモノマーである。Photomer 4028は、コグニス・コーポレイションから入手できるエトキシ化4、ビスフェノールAジアクリレートモノマーである。SR602は、サートマー社から入手できるエトキシ化10ビスフェノールAジアクリレートモノマーである。CD9038は、サートマー社から入手できるエトキシ化30ビスフェノールAジアクリレートモノマーである。V‐Cap/RCは、アイエスピー・コーポレイション(ISP Corporation)から入手できるn‐ビニルカプロラクタムである。Lucirin TPOは、ビーエーエスエフ・コーポレイション(BASF Corporation)から入手できる2,4,6‐トリメチルジフェニルホスフィンオキシドである。Irgacure 184は、シバ社から入手できる1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。Irganox 1035は、シバ社から入手できる3,5‐ビス(1,1‐ジメチルエチル)‐4‐ヒドロキシ‐チオジ‐2,1‐エタンジイルエステルである。Irganox 1076は、シバ社から入手できる3,5‐ビス(1,1‐ジメチルエチル)‐4‐ヒドロキシ‐オクタデシルエステルである。TegoRad 2250は、デグッサ(Degussa)社から入手できるシリコーンポリエステルアクリレートである。
【0050】
表4に記載された内側及び外側マトリックス成分を用いたマトリックス30で構成された光ファイバリボン10は、好都合なピール及びブレークアウト性能を有していた。ピール及びブレークアウト性能は、表4にまとめられている。従来型コントロールリボンも又、比較目的で試験した。コントロールリボンは、ウレタンアクリレートオリゴマーを主成分とする市販のマトリックス材料を用いて作られたものであった。図4に示されたデータは、リボン製造のためのコーニング・ケーブル・システムズの標準プロセスに従って作られた12心リボンから得られた。コントロールリボンは、CCSで現在使用されている比較マトリックス材料を用いて作られたものであった。これらマトリックス材料は、デーエスエム・デソテック(DSM Desotech)社から販売されている。内側マトリックス層は、950‐706であり、外側マトリックス層は、9D9‐518である。本発明のリボンは、表4に記載されたRP11内側マトリックス調合物及びRS81外側マトリックス調合物を用いて作られたものであった。次に、これらリボンに対してピール及びブレークアウト試験を行なったが、これらに関する手順を以下に詳細に記載する。各試験に関し、コントロールリボンに関する試験データは、右側に示されており、本発明の調合物に関する試験データは、右側に示されている。本発明の実施形態のリボンは、著しいコスト減少が図られた上でコンポーネントロールリボンよりも良好なピール及びブレークアウト評価結果を得た。理論に束縛されるものではないが、ブレークアウト及びピール性能の向上は、ビスフェノールAを主成分とするモノマーの使用に起因した本発明のマトリックス材料の靱性の向上によるものであると考えられる。硬質ビスフェノールA群は、撓み機構を介して靱性の向上をもたらすと考えられ、撓み機構の存在が靱性を向上させることが判明した熱架橋エポキシ網状構造に関する報告と一致している。
【0051】
本発明の実施形態としてのマトリックス材料は、上述の特定の組成には限定されない。例えば、内側マトリックス材料は、物理的性質を内側マトリックス材料に望ましい範囲にあるようにするよう調節するために外側マトリックスと同一の成分であるが、種々の比率を用いて誘導することができる。同様に、外側マトリックス材料は、物理的性質を内側マトリックス材料に望ましい範囲にあるようにするよう調節するために内側マトリックスと同一の成分であるが、種々の比率を用いて誘導することができる。
【0052】
上記の説明は、例示としてのみここに与えられた種々の実施形態に関している。マトリックス材料を好ましい実施形態及びその実施例と関連して説明したが、実質的に同一の機能を実行すると共に/或いは実質的に同一の結果を達成することができる。このような均等範囲に属する実施形態及び実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバリボンであって、
複数本の光ファイバと、
80重量パーセント以上の総量で存在する少なくとも1種類のモノマー成分及び30重量パーセント以下の総量で存在するオリゴマー成分を含むリボンマトリックスとを有する、光ファイバリボン。
【請求項2】
前記リボンマトリックスは、
前記光ファイバを包囲すると共に封入した内側マトリックスを有し、前記内側マトリックスは、80重量パーセント以上の総量で存在する少なくとも1種類のモノマー成分を含む内側マトリックス組成物の硬化生成物であり、前記内側マトリックス組成物の凝集オリゴマー成分は、3重量パーセント以下であり、
前記内側マトリックスを封入すると共に包囲した外側マトリックスを有する、請求項1記載の光ファイバリボン。
【請求項3】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、85重量パーセント以上の総量で存在し、前記凝集オリゴマー成分は、2重量パーセント以下である、請求項1又は2記載の光ファイバリボン。
【請求項4】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、90重量パーセント以上の総量で存在し、前記凝集オリゴマー成分は、1重量パーセント以下である、請求項1又は2記載の光ファイバリボン。
【請求項5】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、95重量パーセント以上の総量で存在する、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項6】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、97重量パーセント以上の総量で存在する、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項7】
前記内側マトリックスのヤング率は、少なくとも750MPaである、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項8】
前記内側マトリックスには実質的にオリゴマーが含まれていない、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項9】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、ビスフェノールAを主成分とするジアクリレートモノマーを含む、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項10】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、少なくとも50重量パーセントの量で存在するエトキシ化(10)ビスフェノール‐Aジアクリレートモノマーを含む、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項11】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、50〜65重量パーセントの量で存在するエトキシ化(10)ビスフェノール‐Aジアクリレートモノマーを含む、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項12】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、30〜40重量パーセントの量で存在するエポキシジアクリレートモノマーを含む、請求項1〜11のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項13】
前記リボンマトリックスは、
前記光ファイバを包囲すると共に封入した内側マトリックスを有し、
前記内側マトリックスを包囲すると共に封入した外側マトリックスを有し、前記外側マトリックスは、80重量パーセント以上の総量で存在する少なくとも1種類のモノマー成分を含む外側マトリックス組成物の硬化生成物であり、前記外側マトリックス組成物の凝集オリゴマー成分は、3重量パーセント以下である、請求項1記載の光ファイバリボン。
【請求項14】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、85重量パーセント以上の総量で存在し、前記凝集オリゴマー成分は、2重量パーセント以下である、請求項13記載の光ファイバリボン。
【請求項15】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、90重量パーセント以上の総量で存在し、前記凝集オリゴマー成分は、1重量パーセント以下である、請求項13記載の光ファイバリボン。
【請求項16】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、95重量パーセント以上の総量で存在する、請求項13〜15のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項17】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、97重量パーセント以上の総量で存在する、請求項13〜15のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項18】
前記内側マトリックスのヤング率は、少なくとも250MPaである、請求項13〜17のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項19】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、少なくとも25重量パーセントの量で存在するエトキシ化(4)ビスフェノール‐Aジアクリレートモノマーを含む、請求項13〜18のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項20】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、25〜35重量パーセントの量で存在するエトキシ化(4)ビスフェノール‐Aジアクリレートモノマーを含む、請求項13〜18のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項21】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、少なくとも25重量パーセントの量で存在するエトキシ化(30)ビスフェノール‐Aジアクリレートモノマーを含む、請求項13〜20のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項22】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、25〜35重量パーセントの量で存在するエトキシ化(30)ビスフェノール‐Aジアクリレートモノマーを含む、請求項13〜20のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項23】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、少なくとも20重量パーセントの量で存在するエポキシジアクリレートモノマーを含む、請求項13〜22のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項24】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、20〜35重量パーセントの量で存在するエポキシジアクリレートモノマーを含む、請求項13〜22のうちいずれか一に記載の光ファイバリボン。
【請求項25】
光ファイバリボンであって、
複数本の光ファイバと、
リボンマトリックスとを有し、前記リボンマトリックスは、
前記光ファイバを包囲すると共に封入した内側マトリックスを有し、前記内側マトリックスは、実質的にオリゴマー成分が含まれていない内側マトリックス組成物の硬化生成物であり、
前記内側マトリックスを包囲した外側マトリックスを有し、前記外側マトリックスは、実質的にオリゴマー成分が含まれていない外側マトリックス組成物の硬化生成物である、光ファイバリボン。
【請求項26】
光ファイバリボンマトリックス組成物であって、
80重量パーセント以上の総量で存在する少なくとも1種類のモノマー成分を含み、
前記光ファイバリボンマトリックス組成物の凝集オリゴマー成分は、3重量パーセント以下である、組成物。
【請求項27】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、85重量パーセント以上の総量で存在し、前記凝集オリゴマー成分は、2重量パーセント以下である、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、90重量パーセント以上の総量で存在し、前記凝集オリゴマー成分は、1重量パーセント以下である、請求項26記載の組成物。
【請求項29】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、95重量パーセント以上の総量で存在する、請求項26記載の組成物。
【請求項30】
前記少なくとも1種類のモノマー成分は、97重量パーセント以上の総量で存在する、請求項26記載の組成物。
【請求項31】
マトリックス組成物であって、
50〜65重量パーセントの量で存在するエトキシ化(10)ビスフェノール‐Aジアクリレートモノマーと、
30〜40重量パーセントの量で存在するエポキシジアクリレートモノマーとを含む、組成物。
【請求項32】
0.5〜10重量パーセントの量で存在する光重合開始剤を更に含む、請求項31記載の組成物。
【請求項33】
前記組成物には、実質的に、ウレタンアクリレートオリゴマー成分が含まれていない、請求項31又は32記載の組成物。
【請求項34】
マトリックス組成物であって、
25〜35重量パーセントの量で存在するエポキシジアクリレートモノマーと、
25〜35重量パーセントの量で存在するエトキシ化4ビスフェノールAジアクリレートモノマーと、
25〜35重量パーセントの量で存在するエトキシ化(30)ビスフェノールAジアクリレートモノマーとを含む、組成物。
【請求項35】
0.5〜10重量パーセントの量で存在する光重合開始剤を更に含む、請求項34記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物には、実質的に、ウレタンアクリレートオリゴマー成分が含まれていない、請求項34又は35記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−533771(P2012−533771A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520654(P2012−520654)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040314
【国際公開番号】WO2011/008523
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(509300522)コーニング ケーブル システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (23)
【Fターム(参考)】