光伝送装置、光伝送システム及び光伝送方法
【課題】光伝送装置において光信号の波長がずれたことを検出すること。
【解決手段】光伝送装置1において、抽出部2は、波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の光信号を抽出する。検出部3は、抽出部2により抽出された各々の光信号の波長を検出する。記憶部4は、検出部3により検出された各々の光信号の波長を記憶する。制御部5は、検出部3により検出された各々の光信号の波長及び記憶部4に記憶された各々の光信号の波長に基づいて各々の光信号の波長の変化の傾向を求める。制御部5は、検出部3により検出された各々の光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに、抽出部2及び検出部3の一方または両方に起因して波長が変化したと判断する。波長の変化が起こったときに光伝送装置1が自身に問題がないと判断した場合には、光伝送装置1は、光信号を送信する側の装置に原因があると判断する。
【解決手段】光伝送装置1において、抽出部2は、波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の光信号を抽出する。検出部3は、抽出部2により抽出された各々の光信号の波長を検出する。記憶部4は、検出部3により検出された各々の光信号の波長を記憶する。制御部5は、検出部3により検出された各々の光信号の波長及び記憶部4に記憶された各々の光信号の波長に基づいて各々の光信号の波長の変化の傾向を求める。制御部5は、検出部3により検出された各々の光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに、抽出部2及び検出部3の一方または両方に起因して波長が変化したと判断する。波長の変化が起こったときに光伝送装置1が自身に問題がないと判断した場合には、光伝送装置1は、光信号を送信する側の装置に原因があると判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、光伝送装置、光伝送システム及び光伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信分野において、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)技術がある。従来、波長分割多重システムでは、光チャンネルモニタ(OCM:Optical Channel Monitor)が用いられることがある。光チャンネルモニタは、波長多重された信号の各チャンネルの信号に対して波長や光パワーを監視するのに用いられている。例えば波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selectable Switch)などの波長制御デバイスは、光チャンネルモニタの監視情報に基づいてチャンネルごとの制御を行うことがある。また、波長がずれた場合のアラームの生成にも、光チャンネルモニタの監視情報が用いられることがある。従って、光チャンネルモニタには高い監視精度が要求される。波長の監視には例えば±0.05nm以下の精度が要求されることがある。また、光チャンネルモニタが±0.1nm程度の波長のずれを検出するとアラームを生成して発出するシステムがある。
【0003】
従来、波長多重部の出力部にアレイ導波路回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)や光フィルタなどを用いて、波長を識別できるモニタを備え、波長ずれなどの不具合を監視し、アラームを発出して、異常な光送信器の出力光を遮断する波長多重光送信器がある。また、波長多重光を増幅する増幅媒体の入力光パワー及び出力光パワーを測定し、伝送路の種類ごとの波長特性を示すデータベースのデータに基づいて、伝送路に接続された可変利得イコライザの通過波長特性を設定する波長多重光伝送システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−74098号公報
【特許文献2】特開2004−158652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光チャンネルモニタの内部には複数の光学部品が搭載されているため、時間の経過とともにそれら光学部品の取り付け位置がずれ、それが原因で光チャンネルモニタの内部で光軸がずれることがある。光学部品の取り付け位置にずれが生じる原因の一つとして、温度変化や応力の作用などの外的要因により光学部品に歪みが生じることが挙げられる。また、接着剤やネジ等で光学部品を固定したことにより光学部品に応力が生じることが挙げられる。また、異種材料同士の接続箇所での熱膨張係数差により応力が生じることが挙げられる。また、材料を加工したときに光学部品にストレスが残留したことが挙げられる。光学部品の位置や光軸がずれると、光チャンネルモニタが監視している光信号の波長が本来の波長からそのずれ分に応じた分だけずれてしまう。
【0006】
しかしながら、従来の光チャンネルモニタでは、波長のずれを検出した原因が、光学部品の位置や光軸のずれにあるのか、光チャンネルモニタへ入力する光の波長が実際にずれたことにあるのか、を区別することができない。そのため、光チャンネルモニタが波長のずれを検出したときに、実際には監視している光信号の波長がずれていないのに、アラームを発出してしまうことがある、という問題点がある。
【0007】
光信号の波長がずれたことを検出することができる光伝送装置、光伝送システム及び光伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
光伝送装置は、抽出部、検出部、記憶部及び制御部を備えている。抽出部は、波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の光信号を抽出する。検出部は、抽出部により抽出された各々の光信号の波長を検出する。記憶部は、検出部により検出された各々の光信号の波長を記憶する。制御部は、検出部により検出された各々の光信号の波長及び記憶部に記憶された各々の光信号の波長に基づいて各々の光信号の波長の変化の傾向を求める。制御部は、検出部により検出された各々の光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに、抽出部及び検出部の一方または両方に起因して波長が変化したと判断する。
【発明の効果】
【0009】
この光伝送装置、光伝送システム及び光伝送方法によれば、光信号の波長がずれたことを検出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1にかかる光伝送装置を示すブロック図である。
【図2】実施例1にかかる光伝送方法を示すフローチャートである。
【図3】実施例2にかかる光伝送装置を示すブロック図である。
【図4】波長の変化量の時間的な変化の一例を示す特性図である。
【図5】波長の変化量の時間的な変化の一例を示す特性図である。
【図6】波長の変化量の時間的な変化の一例を示す特性図である。
【図7】波長の変化量の時間的な変化の一例を示す特性図である。
【図8】波長モニタ値の格納タイミングを示す図である。
【図9】実施例2にかかる光伝送装置における補正データのテーブルの一例を示す図表である。
【図10】実施例2にかかる光伝送装置におけるアラーム発出に対する閾値の補正を説明する図である。
【図11】実施例2にかかる光伝送方法を示すフローチャートである。
【図12】実施例2にかかる光伝送装置の別の例を示すブロック図である。
【図13】実施例3にかかる光伝送装置を示すブロック図である。
【図14】実施例3にかかる光伝送装置における補正データのテーブルの一例を示す図表である。
【図15】実施例4にかかる光伝送装置を示すブロック図である。
【図16】実施例4にかかる光伝送装置における補正データのテーブルの一例を示す図表である。
【図17】実施例5にかかる光伝送システムを示すブロック図である。
【図18】実施例6にかかる光伝送システムを示すブロック図である。
【図19】実施例7にかかる光伝送システムを示すブロック図である。
【図20】実施例8にかかる光伝送システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この光伝送装置、光伝送システム及び光伝送方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。実施の形態は、波長の異なる複数の光信号が多重された光信号に含まれる各々の光信号の、現在及び過去の波長に基づいて各々の光信号の波長の変化の傾向を求め、その波長の変化の傾向に基づいて、光伝送装置自体及び光信号の送信側の装置のいずれに原因があって波長が変化したのか、を判断するものである。以下の各実施例の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
(実施例1)
・光伝送装置の説明
図1は、実施例1にかかる光伝送装置を示すブロック図である。図1に示すように、光伝送装置1は、抽出部2、検出部3、記憶部4及び制御部5を備えている。抽出部2は、波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の光信号を抽出する。検出部3は、抽出部2により抽出された各々の光信号の波長を検出する。記憶部4は、検出部3により検出された各々の光信号の波長を記憶する。制御部5は、検出部3により検出された各々の光信号の波長及び記憶部4に記憶された各々の光信号の波長に基づいて各々の光信号の波長の変化の傾向を求める。制御部5は、検出部3により検出された各々の光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであると判断したときに、抽出部2及び検出部3の一方または両方に起因して波長が変化したと判断する。
【0013】
抽出部2の入力ポートには光ファイバや光導波路などの光伝送路6が接続されている。検出部3と記憶部4とは、配線7により接続されている。検出部3と制御部5とは、配線8により接続されている。記憶部4と制御部5とは、配線9により接続されている。
【0014】
・光伝送方法の説明
図2は、実施例1にかかる光伝送方法を示すフローチャートである。図2に示すように、まず、光伝送装置1において、抽出部2は、光伝送路6から抽出部2に入力した、波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の光信号を抽出する(ステップS1)。次いで、検出部3は、抽出部2により抽出された各々の光信号の波長を検出する(ステップS2)。検出部3により検出された各々の光信号の波長は記憶部4に記憶される(ステップS3)。次いで、制御部5は、検出部3により検出された各々の光信号の波長及び記憶部4に記憶された過去の各々の光信号の波長に基づいて、各々の光信号の波長の変化の傾向を求める。傾向とは波長シフト量の単位時間当たりの変化を示す割合である。制御部5は、二つ以上の波長で変化の傾向がほぼ同じであるときに、抽出部2及び検出部3の一方または両方に起因して波長が変化したと判断する。すなわち、制御部5は、光伝送装置1自体に問題が生じて波長の変化が起こったと判断する(ステップS4)。
【0015】
実施例1によれば、光伝送装置1は、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに、波長の変化が起こった原因が光伝送装置1自体にあると判断する。従って、波長の変化が起こったときに光伝送装置1が自身に問題がないと判断した場合には、光伝送装置1は、光信号を送信する側の装置に原因があるということを検出することができる。つまり、光伝送装置1は、光信号を送信する側の装置が原因で光信号の波長がずれたことを検出することができる。
【0016】
(実施例2)
実施例2は、光伝送装置を光チャンネルモニタに適用した例である。
【0017】
・光伝送装置の説明
図3は、実施例2にかかる光伝送装置を示すブロック図である。図3に示すように、光チャンネルモニタ11は、光ファイバ12、レンズ13,14、抽出部として例えば分光デバイス15、及び検出部として例えば受光素子16を備えている。波長の異なる複数の光信号が多重された光信号は、光伝送路17によって伝送される。光伝送路17によって伝送される光信号の一部は、カプラ18で分岐され、光伝送路19を介して光ファイバ12に入力する。光ファイバ12から出射した光信号は、光ファイバ12とともにコリメータを構成するレンズ13を通り、分光デバイス15で各波長成分に分光され、レンズ14を通って受光素子16で波長成分ごとに受光される。
【0018】
分光デバイス15の一例として、例えばグレーティングやアレイ導波路回折格子などが挙げられる。受光素子16の一例として、PD(PhotoDiode、フォトダイオード)アレイ、リニアセンサまたはラインセンサなどが挙げられる。受光素子16では、受光素子16上のある位置X1に入射する光の波長はλ1であり、別の位置X2に入射する光の波長はλ2であるというように、受光素子16上の位置と波長との関係が予め対応付けられている。受光素子16は、受光素子16上の各位置での受光した光のパワーを電気信号に変換してモニタパワーとして出力する。
【0019】
光チャンネルモニタ11は、コントロール回路21、DSP(Digital Signal Processor、デジタルシグナルプロセッサ)などのプロセッサ22及びRAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)23を備えている。コントロール回路21は受光素子16を制御する。例えばコントロール回路21は受光素子16のフォトダイオードに逆バイアスを印加する。プロセッサ22は、コントロール回路21を介して受光素子16のモニタパワーを受け取る。プロセッサ22はモニタパワーに基づいてチャンネルごとにスペクトラム形状を推定し、チャンネルごとに全入力パワー及び波長モニタ値として中心波長を演算する。RAM23は、プロセッサ22の演算結果を格納し、例えば図示しないホストへ演算結果を出力する。
【0020】
光チャンネルモニタ11は、制御部及び処理部として例えば監視制御/信号処理部24、及び記憶部として例えばメモリ25を備えている。監視制御/信号処理部24は、プロセッサ22から受け取った現在の波長モニタ値と、メモリ25に格納されている過去の波長モニタ値とに基づいて、チャンネルごとに波長の変化量を求め、波長が短くなる方向に変化しているのか長くなる方向に変化しているのかを求める。監視制御/信号処理部24は、チャンネル間で波長の変化量及び波長の変化の方向を比較する。
【0021】
監視制御/信号処理部24は、二つ以上のチャンネルで波長の変化量及び波長の変化の方向がほぼ同じである場合(図4参照)、波長の変化が起こった原因が光チャンネルモニタ11にあると判断する。図4は、波長の変化量(波長シフト量)の時間的な変化の一例を示す特性図である。図4に示す例では、λ1〜λ5の全波長について、波長の変化の傾向がほぼ同じになっている。従って、このような場合には、波長の変化が起こった原因が光チャンネルモニタ11にあることになる。
【0022】
光チャンネルモニタ11が原因で波長の変化が起こる例として、次のような場合がある。例えば、光ファイバ12、レンズ13,14、分光デバイス15及び受光素子16などの光学部品の取り付け位置や角度が、熱膨張係数差の影響や内部ストレスの緩和などによってずれることがある。これら光学部品の位置や角度がずれると、光ファイバ12からの光の出射角度や、分光デバイス15への光の入射角度及び分光デバイス15からの各波長成分の光の出射角度がずれ、最終的に受光素子16に対する各波長成分の光信号の入射位置が、予め設定されている位置からずれてしまう。そのため、受光素子16に入射する光信号の各波長が変化していなくても、プロセッサ22で求められた波長モニタ値にずれが生じることになる。
【0023】
監視制御/信号処理部24は、あるチャンネルの波長の変化量や波長の変化の方向が他のチャンネルのそれらと異なる場合(図5参照)、当該チャンネルで波長の変化が起こった原因は、そのチャンネルの送信側の装置にあると判断する。図5は、波長の変化量(波長シフト量)の時間的な変化の一例を示す特性図である。図5に示す例では、λ1の波長が変化しており、残りのλ2〜λ5の波長は殆ど変化していない。従って、このような場合には、λ1のチャンネルの送信側の装置に、波長がずれるような原因があることになる。
【0024】
あるチャンネルの波長の変化量や波長の変化の方向が他のチャンネルのそれらと異なる別の例として、図6や図7に示すように、あるチャンネルを除いて残りのチャンネルの波長が同じような傾向で変化している場合がある。図6及び図7は、波長の変化量(波長シフト量)の時間的な変化の一例を示す特性図である。図6や図7に示す例では、λ5のチャンネルを除いて残りのλ1〜λ4の波長が同じような傾向で変化している。これは、光チャンネルモニタ11が原因で全波長について変化が生じている状態と、λ5のチャンネルの送信側の装置が原因でλ5の波長が変化している状態とが同時に起こっている状態である。
【0025】
図6に示す例では、光チャンネルモニタ11によるλ5の波長の変化の方向と、λ5の送信側の装置によるλ5の波長の変化の方向とが逆方向なので、相殺されている。図7に示す例では、光チャンネルモニタ11によるλ5の波長の変化の方向と、λ5の送信側の装置によるλ5の波長の変化の方向とが同じ方向なので、加算されている。このような場合、監視制御/信号処理部24は、波長の変化の原因が光チャンネルモニタ11とλ5のチャンネルの送信側の装置との両方にあると判断することができる。
【0026】
また、監視制御/信号処理部24は、波長の変化が起こった原因が光チャンネルモニタ11にあると判断した場合、波長の変化量に基づいて各チャンネルの波長モニタ値を補正する。波長モニタ値の補正については後述する。あるいは、波長モニタ値を補正する代わりに、監視制御/信号処理部24は、波長の変化量に基づいて、送信側の装置が原因で波長が変化したときのアラームの発出に対する閾値を補正してもよい。アラーム発出に対する閾値の補正については後述する。
【0027】
メモリ25は監視制御/信号処理部24を介して各チャンネルの波長モニタ値を受け取り、定期的にチャンネルごとに波長モニタ値を格納する。メモリ25は不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリであってもよい。光チャンネルモニタ11において、各チャンネルの波長モニタ値の監視動作は数百msec〜数sec間隔で行われてもよい。図8に示すように、各チャンネルの波長モニタ値をメモリ25に格納する間隔tは数時間程度であってもよい。図8は、波長モニタ値の格納タイミングを示す図である。図8において、●は波長モニタ値の格納タイミングを表している。
【0028】
監視制御/信号処理部24は、メモリ25に波長モニタ値が格納されるたびに、波長の変化の原因が光チャンネルモニタ11にあるか否かという判断を行ってもよい。すなわち、監視制御/信号処理部24は、数時間程度に1回の割合で、波長の変化の原因が光チャンネルモニタ11にあるか否かという判断を行ってもよい。これは、光チャンネルモニタ11が原因である場合の波長の変化が、短時間では起こらないからである。
【0029】
・波長モニタ値の補正
図9は、波長モニタ値に対する補正データのテーブルの一例を示す図表である。この補正データのテーブル31は例えばメモリ25に格納されていてもよい。監視制御/信号処理部24は、メモリ25に格納された過去の波長モニタ値の変化傾向に基づいて、光チャンネルモニタ11が原因で波長モニタ値が変動した量(オフセット量、波長ズレ量)を求めてもよい。例えば、監視制御/信号処理部24は、過去数回の波長モニタ値の平均から大きく差が出たところを変化の分岐点とし、過去の波長モニタ値の平均値が安定している点と現在の波長モニタ値との差からオフセット量を求めてもよい。
【0030】
監視制御/信号処理部24は、プロセッサ22で求められた波長モニタ値に対してオフセット量に応じた分の電圧を一律減算または加算することによって、波長モニタ値を修正してもよい。例えば図9に示すテーブル31の例では、オフセット量が+0.20nmである場合、プロセッサ22で求められた波長モニタ値は本来の値よりも200mV高くなる。従って、監視制御/信号処理部24は、プロセッサ22で求められた波長モニタ値から一律200mVを減算してもよい。
【0031】
・アラーム発出に対する閾値の補正
図10は、アラーム発出に対する閾値の補正を説明する図である。図10において、−λ及び+λは、それぞれ波長の変化量がマイナス方向(短波長方向)及びプラス方向(長波長方向)に変化した場合のアラームの発出に対する閾値である。光チャンネルモニタ11では、波長モニタ値が−λまたは+λの閾値を超えると、アラームが発出される。図10に示すように、光チャンネルモニタ11が原因で波長モニタ値が変動し、その変動量(オフセット量)がΔλである場合、監視制御/信号処理部24は、アラーム発出に対する閾値を−λから−λ+Δλに補正し、+λから+λ+Δλに補正してもよい。
【0032】
例えば、監視制御/信号処理部24は、元のアラーム発出に対する閾値が±0.1nmであるときに、光チャンネルモニタ11が原因で波長モニタ値が+0.05nmずれた場合、オフセット量を+0.05nmとしてもよい。それによって、監視制御/信号処理部24は、新たなアラーム発出に対する閾値を−0.05nm及び+0.15nmとしてもよい。
【0033】
・光伝送方法の説明
図11は、実施例2にかかる光伝送方法を示すフローチャートである。図11に示すように、まず、監視制御/信号処理部24は、メモリ25から過去の波長モニタ値yを読み込む(ステップS11)。次いで、プロセッサ22は、受光素子16から各波長成分のモニタパワーを読み取り(ステップS12)、各波長成分の現在の波長モニタ値xを演算して求める(ステップS13)。その際の補正値dの初期値は0である。次いで、監視制御/信号処理部24は、波長成分ごとに現在の波長モニタ値xから過去の波長モニタ値yを引いた値を計算する(ステップS14)。次いで、監視制御/信号処理部24は、全ての波長成分についてx−yの値が許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0034】
全ての波長成分についてx−yの値が許容範囲内である場合(ステップS15:Yes)、監視制御/信号処理部24はプロセッサ22へ各波長成分の現在の波長モニタ値xを出力する(ステップS18)。現在の波長モニタ値xは、RAM23を介して図示しないホストへ出力される。また、監視制御/信号処理部24は、所定時間おきに各波長成分の現在の波長モニタ値xをメモリ25に格納する(ステップS19)。そして、ステップS11に戻る。
【0035】
一方、全ての波長成分についてx−yの値が許容範囲内でない場合(ステップS15:No)、監視制御/信号処理部24は、x−yの値が許容範囲内でないチャンネルの数、すなわち波長がずれていると見なし得るチャンネルの数を調べ、その数に応じた処理を行う(ステップS16)。全てのチャンネルで波長がずれていると見なせる場合(ステップS16:全チャンネル)、ステップS14に戻り、監視制御/信号処理部24はステップS14以降の処理を行う。全てのチャンネルで波長がずれていると見なすことができない場合(ステップS16:全チャンネルでない)、監視制御/信号処理部24は、送信側の装置が原因で波長が変化していると判断してアラームを発出する(ステップS17)。そして、ステップS18へ進み、監視制御/信号処理部24はステップS18以降の処理を行う。
【0036】
なお、監視制御/信号処理部24については、上述した動作を実現するプログラムをプロセッサで実行することにより実現してもよい。あるいは、ハードウェアで監視制御/信号処理部24を実現してもよい。
【0037】
なお、図12に示すような構成としてもよい。図12は、光伝送装置の別の例を示すブロック図である。図12に示すように、光伝送装置41は、光チャンネルモニタのモジュール42、監視制御/信号処理部24、メモリ25及びホスト43を備えている。光チャンネルモニタのモジュール42は、図3に示す光チャンネルモニタ11の構成において監視制御/信号処理部24及びメモリ25を含まない構成となっている。
【0038】
実施例2によれば、実施例1と同様の効果が得られる。
【0039】
(実施例3)
実施例3は、光伝送装置を別のタイプの光チャンネルモニタに適用した例である。
【0040】
・光伝送装置の説明
図13は、実施例3にかかる光伝送装置を示すブロック図である。図13に示すように、実施例3の光チャンネルモニタ51では、カプラ18で分岐された光信号が、光伝送路19によってコリメータ52へ導かれる。コリメータ52から出射した光信号は、グレーティングやアレイ導波路回折格子などの分光デバイス15で各波長成分に分光される。各波長成分の光信号は、MEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems、メムス)ミラー53で反射される。コントロール回路21によってMEMSミラー53の角度を連続的に変化させることによって、MEMSミラー53で反射された各波長成分の光信号がコリメータ54を通ってフォトダイオード55で連続的に受光される。プロセッサ22は、時間ごとのモニタパワー、すなわち波長成分ごとのモニタパワーに基づいてチャンネルごとにスペクトラム形状を推定し、チャンネルごとに全入力パワー及び波長モニタ値として中心波長を演算する。その他の構成は実施例2と同様である。
【0041】
MEMSミラー53の角度は、コントロール回路21から出力される制御電圧値によって制御されている。この制御電圧値と、コリメータ54を通ってフォトダイオード55に入射する光信号の波長成分とが予め対応付けられている。従って、コントロール回路21から出力される制御電圧値やMEMSミラー53の角度が変化すると、フォトダイオード55に入射する光信号の波長成分が、期待される波長成分と異なってしまう。そのため、フォトダイオード55に入射する光信号の各波長が変化していなくても、プロセッサ22で求められた波長モニタ値にずれが生じることになる。また、実施例2と同様に、コリメータ52,54や分光デバイス15などの光学部品の取り付け位置や角度がずれた場合も、プロセッサ22で求められた波長モニタ値にずれが生じることになる。
【0042】
監視制御/信号処理部24は、波長の変化が起こった原因が光チャンネルモニタ51にあると判断した場合、実施例2と同様に波長モニタ値を補正してもよい。あるいは、波長モニタ値を補正する代わりに、監視制御/信号処理部24は、MEMSミラー53の角度を制御する制御電圧値を補正するようにしてもよい。
【0043】
・MEMSミラーの角度の補正
図14は、MEMSミラーの角度を制御する制御電圧値に対する補正データのテーブルの一例を示す図表である。この補正データのテーブル32は例えばメモリ25に格納されていてもよい。監視制御/信号処理部24は、MEMSミラー53の角度を制御する制御電圧値に対して、実施例2と同様にして求めたオフセット量(波長モニタ値の変動量)に応じた分の電圧を減算または加算してもよい。それによって、MEMSミラー53の制御状態が正しい状態に戻る。例えば図14に示すテーブル32の例では、MEMSミラー53の角度を制御する制御電圧値の変化量+100mVがMEMSミラー53の角度+0.2度に相当し、+0.10nmのオフセット量に相当している。従って、オフセット量が+0.20nmである場合、監視制御/信号処理部24は、MEMSミラー53の角度を制御する制御電圧値を現在の値から200mV低い電圧値に補正してもよい。
【0044】
実施例3によれば、実施例1と同様の効果が得られる。なお、実施例3においても図12に示すような構成としてもよい。
【0045】
(実施例4)
実施例4は、光伝送装置をさらに別のタイプの光チャンネルモニタに適用した例である。
【0046】
・光伝送装置の説明
図15は、実施例4にかかる光伝送装置を示すブロック図である。図15に示すように、実施例4の光チャンネルモニタ61では、カプラ18で分岐された光信号が、光伝送路19によってレンズ付きのファイバ62へ導かれる。レンズ付きのファイバ62から出射した光信号は、温度の制御によって透過波長が可変なチューナブルフィルタなどの分光デバイス63で各波長成分に分光される。コントロール回路21によって分光デバイス63の温度を制御することによって、分光デバイス63を透過した各波長成分の光信号がフォトダイオード55で受光される。プロセッサ22は、時間ごとのモニタパワー、すなわち波長成分ごとのモニタパワーに基づいてチャンネルごとにスペクトラム形状を推定し、チャンネルごとに全入力パワー及び波長モニタ値として中心波長を演算する。その他の構成は実施例2と同様である。
【0047】
分光デバイス63の透過波長は、分光デバイス63の温度や分光デバイス63への光信号の入射角度によって変化する。分光デバイス63の透過波長は、予め分光デバイス63の温度や回転角度と対応付けられている。従って、分光デバイス63の温度や回転角度が変化すると、分光デバイス63の透過波長が変化して、フォトダイオード55に入射する光信号の波長成分が、期待される波長成分と異なってしまう。そのため、フォトダイオード55に入射する光信号の各波長が変化していなくても、プロセッサ22で求められた波長モニタ値にずれが生じることになる。また、実施例2と同様に、レンズ付きのファイバ62などの光学部品の角度がずれた場合も、分光デバイス63への光信号の入射角度が変化するため、プロセッサ22で求められた波長モニタ値にずれが生じることになる。
【0048】
監視制御/信号処理部24は、波長の変化が起こった原因が光チャンネルモニタ61にあると判断した場合、実施例2と同様に波長モニタ値を補正してもよい。あるいは、波長モニタ値を補正する代わりに、監視制御/信号処理部24は、分光デバイス63の温度を制御する制御電圧値を補正するようにしてもよい。
【0049】
・分光デバイスの温度の補正
図16は、分光デバイスの温度を制御する制御電圧値に対する補正データのテーブルの一例を示す図表である。この補正データのテーブル33は例えばメモリ25に格納されていてもよい。監視制御/信号処理部24は、分光デバイス63の温度を制御する制御電圧値に対して、実施例2と同様にして求めたオフセット量(波長モニタ値の変動量)に応じた分の電圧を減算または加算してもよい。それによって、分光デバイス63の制御状態が正しい状態に戻る。例えば図16に示すテーブル33の例では、分光デバイス63の温度を制御する制御電圧値の変化量+100mVが分光デバイス63の温度+1.0℃に相当し、+0.10nmのオフセット量に相当している。従って、オフセット量が+0.20nmである場合、監視制御/信号処理部24は、分光デバイス63の温度を制御する制御電圧値を現在の値から200mV低い電圧値に補正してもよい。
【0050】
なお、MEMSミラーの角度を制御するタイプや分光デバイスの温度を制御するタイプではない、別のタイプの光チャンネルモニタの場合も同様である。すなわち、光チャンネルモニタのタイプに応じて、光チャンネルモニタを構成する光学部品などの部品の角度や位置を制御したり、波長の選択を制御したりするパラメータを、オフセット量に応じた分だけ補正すればよい。その補正に用いられる補正データのテーブルは、実施例2や実施例3や実施例4と同様に例えばメモリ25に格納されていてもよい。
【0051】
実施例4によれば、実施例1と同様の効果が得られる。なお、実施例4においても図12に示すような構成としてもよい。
【0052】
(実施例5)
実施例5は、光チャンネルモニタを備えた光伝送システムの例である。
【0053】
図17は、実施例5にかかる光伝送システムを示すブロック図である。図17に示すように、実施例5の光伝送システム71は、光伝送路72の途中にある波長選択スイッチ73から出力された光信号の一部をカプラ74で分岐させて光チャンネルモニタ75に入力させ、光チャンネルモニタ75で各波長の変動を監視するものである。光チャンネルモニタ75は、例えば上述した実施例2、実施例3もしくは実施例4のタイプのものであってもよいし、それ以外のタイプのものであってもよい。監視制御部76は、光チャンネルモニタ75から出力された各波長の波長モニタ値に基づいて波長選択スイッチ73のアッテネータを制御する。
【0054】
光チャンネルモニタ75が、光チャンネルモニタ75に入力する光信号のあるチャンネルで波長がずれていることを検出した場合、監視制御部76は、波長選択スイッチ73の、その波長がずれているチャンネルに対してアッテネータをオフにする。一方、光チャンネルモニタ75が、波長がずれた原因が光チャンネルモニタ75にあることを検出した場合、実施例2、実施例3または実施例4と同様に、光チャンネルモニタ75が光チャンネルモニタ75の内部で各波長の波長モニタ値を補正してもよい。または、光チャンネルモニタ75が、光チャンネルモニタ75を構成する光学部品などの部品の角度や位置を制御したり、波長の選択を制御したりするパラメータを補正してもよい。このように光チャンネルモニタ75が内部で補正を行うことによって、監視制御部76は波長選択スイッチ73に対して通常の制御を行うことができる。
【0055】
光チャンネルモニタ75が内部で補正を行った場合、光伝送システム71は光チャンネルモニタ75の内部で補正を行ったというログを残し、システムのオペレータに通知するようにしてもよい。そうすれば、システムのオペレータは、光チャンネルモニタ75の内部で補正が行われたことを知ることができる。また、システムのオペレータは、光伝送システム71の点検時に光チャンネルモニタ75を検査したり補修する必要があることを認識することができる。
【0056】
(実施例6)
実施例6は、光チャンネルモニタを備えた別の光伝送システムの例である。
【0057】
図18は、実施例6にかかる光伝送システムを示すブロック図である。図18に示すように、実施例6の光伝送システム81は、実施例5にかかる光伝送システムにおいて、波長選択スイッチ73に入力する光信号の一部をカプラ82で分岐させ、光チャンネルモニタ83で波長選択スイッチ73へ入力する光信号の各波長の変動を監視することによって、光チャンネルモニタ75,83の異常や故障を検出するものである。監視制御部76は、波長選択スイッチ73の前にある光チャンネルモニタ((A)とする)83から出力された各波長の波長モニタ値と、波長選択スイッチ73の後にある光チャンネルモニタ((B)とする)75から出力された各波長の波長モニタ値とを比較する。それによって、監視制御部76は、光チャンネルモニタ75,83へ入力する光信号の波長がずれているのか、波長がずれた原因が光チャンネルモニタ75,83にあるのか、ということを切り分けることができる。
【0058】
例えば、光チャンネルモニタ(A)83及び光チャンネルモニタ(B)75において、チャンネルnの波長モニタ値がλnであり、チャンネルmの波長モニタ値がλmであれば、監視制御部76は、両方の光チャンネルモニタ75,83がともに正常に動作していると判断することができる。光チャンネルモニタ(B)75において、チャンネルnの波長モニタ値がλn1であり、チャンネルmの波長モニタ値がλm1であれば、監視制御部76は、光チャンネルモニタ(B)75に異常や故障があると判断することができる。光チャンネルモニタ(A)83において、チャンネルnの波長モニタ値がλn2であり、チャンネルmの波長モニタ値がλm2であれば、監視制御部76は、光チャンネルモニタ(A)83に異常や故障があると判断することができる。
【0059】
(実施例7)
実施例7は、光チャンネルモニタを備えた別の光伝送システムの例である。図19は、実施例7にかかる光伝送システムを示すブロック図である。図19に示すように、実施例7の光伝送システム91は、前のノードAにある光チャンネルモニタ(A)83から出力された各波長の波長モニタ値と、後のノードBにある光チャンネルモニタ(B)75から出力された各波長の波長モニタ値とを比較して、実施例6と同様に光チャンネルモニタ75,83の異常や故障を検出するものである。
【0060】
ノードAにおいて、光チャンネルモニタ(A)83は、波長選択スイッチ92から出力され、カプラ82で分岐された光信号の各波長の波長モニタ値を出力する。信号処理部93は、各波長の波長モニタ値を含む監視制御信号(OSC:Optical Supervisor Channel)を生成し、監視制御信号送信部(OSC(Tx))94から出力する。波長分割多重部95は、カプラ82を通過した光信号及び監視制御信号を多重して光伝送路72へ出力する。
【0061】
ノードBにおいて、波長分割多重部96は、光伝送路72から入力する光信号を監視制御信号とデータ信号に分割する。信号処理部98は、監視制御信号受信部(OSC(Rx))97で受信した監視制御信号から各波長の波長モニタ値と、さらに後のノードへ送信する監視制御信号とを抽出する。データ信号は波長選択スイッチ73に入力する。光チャンネルモニタ(B)75は、波長選択スイッチ73から出力され、カプラ74で分岐された光信号の各波長の波長モニタ値を信号処理部98へ出力する。
【0062】
信号処理部98は、ノードAから送られてきた各波長の波長モニタ値と、ノードBの光チャンネルモニタ(B)75から出力された各波長の波長モニタ値とを比較する。それによって、信号処理部98は、実施例6と同様に、光チャンネルモニタ75,83へ入力する光信号の波長がずれているのか、波長がずれた原因が光チャンネルモニタ75,83にあるのか、ということを切り分けることができる。
【0063】
また、信号処理部98は、光チャンネルモニタ(B)75から出力された各波長の波長モニタ値を含む監視制御信号を生成し、監視制御信号送信部99から出力する。波長分割多重部100は、カプラ74を通過したデータ信号及び監視制御信号を多重して光伝送路101へ出力する。
【0064】
(実施例8)
実施例8は、光チャンネルモニタを備えた別の光伝送システムの例である。図20は、実施例8にかかる光伝送システムを示すブロック図である。図20に示すように、実施例8の光伝送システム111は、実施例7にかかる光伝送システムおいて、ノードAが光信号を送信する装置である例である。実施例8では、ノードAにおいて、信号処理部93は、各チャンネルの送信器112,113,114から波長情報を取得して各波長情報を含む監視制御信号を生成し、監視制御信号送信部94から出力する。波長分割多重部95は、各チャンネルの送信器112,113,114から出力され、合波器115で合波された光信号及び監視制御信号を多重して光伝送路72へ出力する。ノードBについては、実施例7と同様である。
【符号の説明】
【0065】
1 光伝送装置
2 抽出部
3 検出部
4 記憶部
5 制御部
24 監視制御/信号処理部
71,81,91,111 光伝送システム
【技術分野】
【0001】
本件は、光伝送装置、光伝送システム及び光伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信分野において、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)技術がある。従来、波長分割多重システムでは、光チャンネルモニタ(OCM:Optical Channel Monitor)が用いられることがある。光チャンネルモニタは、波長多重された信号の各チャンネルの信号に対して波長や光パワーを監視するのに用いられている。例えば波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selectable Switch)などの波長制御デバイスは、光チャンネルモニタの監視情報に基づいてチャンネルごとの制御を行うことがある。また、波長がずれた場合のアラームの生成にも、光チャンネルモニタの監視情報が用いられることがある。従って、光チャンネルモニタには高い監視精度が要求される。波長の監視には例えば±0.05nm以下の精度が要求されることがある。また、光チャンネルモニタが±0.1nm程度の波長のずれを検出するとアラームを生成して発出するシステムがある。
【0003】
従来、波長多重部の出力部にアレイ導波路回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)や光フィルタなどを用いて、波長を識別できるモニタを備え、波長ずれなどの不具合を監視し、アラームを発出して、異常な光送信器の出力光を遮断する波長多重光送信器がある。また、波長多重光を増幅する増幅媒体の入力光パワー及び出力光パワーを測定し、伝送路の種類ごとの波長特性を示すデータベースのデータに基づいて、伝送路に接続された可変利得イコライザの通過波長特性を設定する波長多重光伝送システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−74098号公報
【特許文献2】特開2004−158652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光チャンネルモニタの内部には複数の光学部品が搭載されているため、時間の経過とともにそれら光学部品の取り付け位置がずれ、それが原因で光チャンネルモニタの内部で光軸がずれることがある。光学部品の取り付け位置にずれが生じる原因の一つとして、温度変化や応力の作用などの外的要因により光学部品に歪みが生じることが挙げられる。また、接着剤やネジ等で光学部品を固定したことにより光学部品に応力が生じることが挙げられる。また、異種材料同士の接続箇所での熱膨張係数差により応力が生じることが挙げられる。また、材料を加工したときに光学部品にストレスが残留したことが挙げられる。光学部品の位置や光軸がずれると、光チャンネルモニタが監視している光信号の波長が本来の波長からそのずれ分に応じた分だけずれてしまう。
【0006】
しかしながら、従来の光チャンネルモニタでは、波長のずれを検出した原因が、光学部品の位置や光軸のずれにあるのか、光チャンネルモニタへ入力する光の波長が実際にずれたことにあるのか、を区別することができない。そのため、光チャンネルモニタが波長のずれを検出したときに、実際には監視している光信号の波長がずれていないのに、アラームを発出してしまうことがある、という問題点がある。
【0007】
光信号の波長がずれたことを検出することができる光伝送装置、光伝送システム及び光伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
光伝送装置は、抽出部、検出部、記憶部及び制御部を備えている。抽出部は、波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の光信号を抽出する。検出部は、抽出部により抽出された各々の光信号の波長を検出する。記憶部は、検出部により検出された各々の光信号の波長を記憶する。制御部は、検出部により検出された各々の光信号の波長及び記憶部に記憶された各々の光信号の波長に基づいて各々の光信号の波長の変化の傾向を求める。制御部は、検出部により検出された各々の光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに、抽出部及び検出部の一方または両方に起因して波長が変化したと判断する。
【発明の効果】
【0009】
この光伝送装置、光伝送システム及び光伝送方法によれば、光信号の波長がずれたことを検出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1にかかる光伝送装置を示すブロック図である。
【図2】実施例1にかかる光伝送方法を示すフローチャートである。
【図3】実施例2にかかる光伝送装置を示すブロック図である。
【図4】波長の変化量の時間的な変化の一例を示す特性図である。
【図5】波長の変化量の時間的な変化の一例を示す特性図である。
【図6】波長の変化量の時間的な変化の一例を示す特性図である。
【図7】波長の変化量の時間的な変化の一例を示す特性図である。
【図8】波長モニタ値の格納タイミングを示す図である。
【図9】実施例2にかかる光伝送装置における補正データのテーブルの一例を示す図表である。
【図10】実施例2にかかる光伝送装置におけるアラーム発出に対する閾値の補正を説明する図である。
【図11】実施例2にかかる光伝送方法を示すフローチャートである。
【図12】実施例2にかかる光伝送装置の別の例を示すブロック図である。
【図13】実施例3にかかる光伝送装置を示すブロック図である。
【図14】実施例3にかかる光伝送装置における補正データのテーブルの一例を示す図表である。
【図15】実施例4にかかる光伝送装置を示すブロック図である。
【図16】実施例4にかかる光伝送装置における補正データのテーブルの一例を示す図表である。
【図17】実施例5にかかる光伝送システムを示すブロック図である。
【図18】実施例6にかかる光伝送システムを示すブロック図である。
【図19】実施例7にかかる光伝送システムを示すブロック図である。
【図20】実施例8にかかる光伝送システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この光伝送装置、光伝送システム及び光伝送方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。実施の形態は、波長の異なる複数の光信号が多重された光信号に含まれる各々の光信号の、現在及び過去の波長に基づいて各々の光信号の波長の変化の傾向を求め、その波長の変化の傾向に基づいて、光伝送装置自体及び光信号の送信側の装置のいずれに原因があって波長が変化したのか、を判断するものである。以下の各実施例の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
(実施例1)
・光伝送装置の説明
図1は、実施例1にかかる光伝送装置を示すブロック図である。図1に示すように、光伝送装置1は、抽出部2、検出部3、記憶部4及び制御部5を備えている。抽出部2は、波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の光信号を抽出する。検出部3は、抽出部2により抽出された各々の光信号の波長を検出する。記憶部4は、検出部3により検出された各々の光信号の波長を記憶する。制御部5は、検出部3により検出された各々の光信号の波長及び記憶部4に記憶された各々の光信号の波長に基づいて各々の光信号の波長の変化の傾向を求める。制御部5は、検出部3により検出された各々の光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであると判断したときに、抽出部2及び検出部3の一方または両方に起因して波長が変化したと判断する。
【0013】
抽出部2の入力ポートには光ファイバや光導波路などの光伝送路6が接続されている。検出部3と記憶部4とは、配線7により接続されている。検出部3と制御部5とは、配線8により接続されている。記憶部4と制御部5とは、配線9により接続されている。
【0014】
・光伝送方法の説明
図2は、実施例1にかかる光伝送方法を示すフローチャートである。図2に示すように、まず、光伝送装置1において、抽出部2は、光伝送路6から抽出部2に入力した、波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の光信号を抽出する(ステップS1)。次いで、検出部3は、抽出部2により抽出された各々の光信号の波長を検出する(ステップS2)。検出部3により検出された各々の光信号の波長は記憶部4に記憶される(ステップS3)。次いで、制御部5は、検出部3により検出された各々の光信号の波長及び記憶部4に記憶された過去の各々の光信号の波長に基づいて、各々の光信号の波長の変化の傾向を求める。傾向とは波長シフト量の単位時間当たりの変化を示す割合である。制御部5は、二つ以上の波長で変化の傾向がほぼ同じであるときに、抽出部2及び検出部3の一方または両方に起因して波長が変化したと判断する。すなわち、制御部5は、光伝送装置1自体に問題が生じて波長の変化が起こったと判断する(ステップS4)。
【0015】
実施例1によれば、光伝送装置1は、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに、波長の変化が起こった原因が光伝送装置1自体にあると判断する。従って、波長の変化が起こったときに光伝送装置1が自身に問題がないと判断した場合には、光伝送装置1は、光信号を送信する側の装置に原因があるということを検出することができる。つまり、光伝送装置1は、光信号を送信する側の装置が原因で光信号の波長がずれたことを検出することができる。
【0016】
(実施例2)
実施例2は、光伝送装置を光チャンネルモニタに適用した例である。
【0017】
・光伝送装置の説明
図3は、実施例2にかかる光伝送装置を示すブロック図である。図3に示すように、光チャンネルモニタ11は、光ファイバ12、レンズ13,14、抽出部として例えば分光デバイス15、及び検出部として例えば受光素子16を備えている。波長の異なる複数の光信号が多重された光信号は、光伝送路17によって伝送される。光伝送路17によって伝送される光信号の一部は、カプラ18で分岐され、光伝送路19を介して光ファイバ12に入力する。光ファイバ12から出射した光信号は、光ファイバ12とともにコリメータを構成するレンズ13を通り、分光デバイス15で各波長成分に分光され、レンズ14を通って受光素子16で波長成分ごとに受光される。
【0018】
分光デバイス15の一例として、例えばグレーティングやアレイ導波路回折格子などが挙げられる。受光素子16の一例として、PD(PhotoDiode、フォトダイオード)アレイ、リニアセンサまたはラインセンサなどが挙げられる。受光素子16では、受光素子16上のある位置X1に入射する光の波長はλ1であり、別の位置X2に入射する光の波長はλ2であるというように、受光素子16上の位置と波長との関係が予め対応付けられている。受光素子16は、受光素子16上の各位置での受光した光のパワーを電気信号に変換してモニタパワーとして出力する。
【0019】
光チャンネルモニタ11は、コントロール回路21、DSP(Digital Signal Processor、デジタルシグナルプロセッサ)などのプロセッサ22及びRAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)23を備えている。コントロール回路21は受光素子16を制御する。例えばコントロール回路21は受光素子16のフォトダイオードに逆バイアスを印加する。プロセッサ22は、コントロール回路21を介して受光素子16のモニタパワーを受け取る。プロセッサ22はモニタパワーに基づいてチャンネルごとにスペクトラム形状を推定し、チャンネルごとに全入力パワー及び波長モニタ値として中心波長を演算する。RAM23は、プロセッサ22の演算結果を格納し、例えば図示しないホストへ演算結果を出力する。
【0020】
光チャンネルモニタ11は、制御部及び処理部として例えば監視制御/信号処理部24、及び記憶部として例えばメモリ25を備えている。監視制御/信号処理部24は、プロセッサ22から受け取った現在の波長モニタ値と、メモリ25に格納されている過去の波長モニタ値とに基づいて、チャンネルごとに波長の変化量を求め、波長が短くなる方向に変化しているのか長くなる方向に変化しているのかを求める。監視制御/信号処理部24は、チャンネル間で波長の変化量及び波長の変化の方向を比較する。
【0021】
監視制御/信号処理部24は、二つ以上のチャンネルで波長の変化量及び波長の変化の方向がほぼ同じである場合(図4参照)、波長の変化が起こった原因が光チャンネルモニタ11にあると判断する。図4は、波長の変化量(波長シフト量)の時間的な変化の一例を示す特性図である。図4に示す例では、λ1〜λ5の全波長について、波長の変化の傾向がほぼ同じになっている。従って、このような場合には、波長の変化が起こった原因が光チャンネルモニタ11にあることになる。
【0022】
光チャンネルモニタ11が原因で波長の変化が起こる例として、次のような場合がある。例えば、光ファイバ12、レンズ13,14、分光デバイス15及び受光素子16などの光学部品の取り付け位置や角度が、熱膨張係数差の影響や内部ストレスの緩和などによってずれることがある。これら光学部品の位置や角度がずれると、光ファイバ12からの光の出射角度や、分光デバイス15への光の入射角度及び分光デバイス15からの各波長成分の光の出射角度がずれ、最終的に受光素子16に対する各波長成分の光信号の入射位置が、予め設定されている位置からずれてしまう。そのため、受光素子16に入射する光信号の各波長が変化していなくても、プロセッサ22で求められた波長モニタ値にずれが生じることになる。
【0023】
監視制御/信号処理部24は、あるチャンネルの波長の変化量や波長の変化の方向が他のチャンネルのそれらと異なる場合(図5参照)、当該チャンネルで波長の変化が起こった原因は、そのチャンネルの送信側の装置にあると判断する。図5は、波長の変化量(波長シフト量)の時間的な変化の一例を示す特性図である。図5に示す例では、λ1の波長が変化しており、残りのλ2〜λ5の波長は殆ど変化していない。従って、このような場合には、λ1のチャンネルの送信側の装置に、波長がずれるような原因があることになる。
【0024】
あるチャンネルの波長の変化量や波長の変化の方向が他のチャンネルのそれらと異なる別の例として、図6や図7に示すように、あるチャンネルを除いて残りのチャンネルの波長が同じような傾向で変化している場合がある。図6及び図7は、波長の変化量(波長シフト量)の時間的な変化の一例を示す特性図である。図6や図7に示す例では、λ5のチャンネルを除いて残りのλ1〜λ4の波長が同じような傾向で変化している。これは、光チャンネルモニタ11が原因で全波長について変化が生じている状態と、λ5のチャンネルの送信側の装置が原因でλ5の波長が変化している状態とが同時に起こっている状態である。
【0025】
図6に示す例では、光チャンネルモニタ11によるλ5の波長の変化の方向と、λ5の送信側の装置によるλ5の波長の変化の方向とが逆方向なので、相殺されている。図7に示す例では、光チャンネルモニタ11によるλ5の波長の変化の方向と、λ5の送信側の装置によるλ5の波長の変化の方向とが同じ方向なので、加算されている。このような場合、監視制御/信号処理部24は、波長の変化の原因が光チャンネルモニタ11とλ5のチャンネルの送信側の装置との両方にあると判断することができる。
【0026】
また、監視制御/信号処理部24は、波長の変化が起こった原因が光チャンネルモニタ11にあると判断した場合、波長の変化量に基づいて各チャンネルの波長モニタ値を補正する。波長モニタ値の補正については後述する。あるいは、波長モニタ値を補正する代わりに、監視制御/信号処理部24は、波長の変化量に基づいて、送信側の装置が原因で波長が変化したときのアラームの発出に対する閾値を補正してもよい。アラーム発出に対する閾値の補正については後述する。
【0027】
メモリ25は監視制御/信号処理部24を介して各チャンネルの波長モニタ値を受け取り、定期的にチャンネルごとに波長モニタ値を格納する。メモリ25は不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリであってもよい。光チャンネルモニタ11において、各チャンネルの波長モニタ値の監視動作は数百msec〜数sec間隔で行われてもよい。図8に示すように、各チャンネルの波長モニタ値をメモリ25に格納する間隔tは数時間程度であってもよい。図8は、波長モニタ値の格納タイミングを示す図である。図8において、●は波長モニタ値の格納タイミングを表している。
【0028】
監視制御/信号処理部24は、メモリ25に波長モニタ値が格納されるたびに、波長の変化の原因が光チャンネルモニタ11にあるか否かという判断を行ってもよい。すなわち、監視制御/信号処理部24は、数時間程度に1回の割合で、波長の変化の原因が光チャンネルモニタ11にあるか否かという判断を行ってもよい。これは、光チャンネルモニタ11が原因である場合の波長の変化が、短時間では起こらないからである。
【0029】
・波長モニタ値の補正
図9は、波長モニタ値に対する補正データのテーブルの一例を示す図表である。この補正データのテーブル31は例えばメモリ25に格納されていてもよい。監視制御/信号処理部24は、メモリ25に格納された過去の波長モニタ値の変化傾向に基づいて、光チャンネルモニタ11が原因で波長モニタ値が変動した量(オフセット量、波長ズレ量)を求めてもよい。例えば、監視制御/信号処理部24は、過去数回の波長モニタ値の平均から大きく差が出たところを変化の分岐点とし、過去の波長モニタ値の平均値が安定している点と現在の波長モニタ値との差からオフセット量を求めてもよい。
【0030】
監視制御/信号処理部24は、プロセッサ22で求められた波長モニタ値に対してオフセット量に応じた分の電圧を一律減算または加算することによって、波長モニタ値を修正してもよい。例えば図9に示すテーブル31の例では、オフセット量が+0.20nmである場合、プロセッサ22で求められた波長モニタ値は本来の値よりも200mV高くなる。従って、監視制御/信号処理部24は、プロセッサ22で求められた波長モニタ値から一律200mVを減算してもよい。
【0031】
・アラーム発出に対する閾値の補正
図10は、アラーム発出に対する閾値の補正を説明する図である。図10において、−λ及び+λは、それぞれ波長の変化量がマイナス方向(短波長方向)及びプラス方向(長波長方向)に変化した場合のアラームの発出に対する閾値である。光チャンネルモニタ11では、波長モニタ値が−λまたは+λの閾値を超えると、アラームが発出される。図10に示すように、光チャンネルモニタ11が原因で波長モニタ値が変動し、その変動量(オフセット量)がΔλである場合、監視制御/信号処理部24は、アラーム発出に対する閾値を−λから−λ+Δλに補正し、+λから+λ+Δλに補正してもよい。
【0032】
例えば、監視制御/信号処理部24は、元のアラーム発出に対する閾値が±0.1nmであるときに、光チャンネルモニタ11が原因で波長モニタ値が+0.05nmずれた場合、オフセット量を+0.05nmとしてもよい。それによって、監視制御/信号処理部24は、新たなアラーム発出に対する閾値を−0.05nm及び+0.15nmとしてもよい。
【0033】
・光伝送方法の説明
図11は、実施例2にかかる光伝送方法を示すフローチャートである。図11に示すように、まず、監視制御/信号処理部24は、メモリ25から過去の波長モニタ値yを読み込む(ステップS11)。次いで、プロセッサ22は、受光素子16から各波長成分のモニタパワーを読み取り(ステップS12)、各波長成分の現在の波長モニタ値xを演算して求める(ステップS13)。その際の補正値dの初期値は0である。次いで、監視制御/信号処理部24は、波長成分ごとに現在の波長モニタ値xから過去の波長モニタ値yを引いた値を計算する(ステップS14)。次いで、監視制御/信号処理部24は、全ての波長成分についてx−yの値が許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0034】
全ての波長成分についてx−yの値が許容範囲内である場合(ステップS15:Yes)、監視制御/信号処理部24はプロセッサ22へ各波長成分の現在の波長モニタ値xを出力する(ステップS18)。現在の波長モニタ値xは、RAM23を介して図示しないホストへ出力される。また、監視制御/信号処理部24は、所定時間おきに各波長成分の現在の波長モニタ値xをメモリ25に格納する(ステップS19)。そして、ステップS11に戻る。
【0035】
一方、全ての波長成分についてx−yの値が許容範囲内でない場合(ステップS15:No)、監視制御/信号処理部24は、x−yの値が許容範囲内でないチャンネルの数、すなわち波長がずれていると見なし得るチャンネルの数を調べ、その数に応じた処理を行う(ステップS16)。全てのチャンネルで波長がずれていると見なせる場合(ステップS16:全チャンネル)、ステップS14に戻り、監視制御/信号処理部24はステップS14以降の処理を行う。全てのチャンネルで波長がずれていると見なすことができない場合(ステップS16:全チャンネルでない)、監視制御/信号処理部24は、送信側の装置が原因で波長が変化していると判断してアラームを発出する(ステップS17)。そして、ステップS18へ進み、監視制御/信号処理部24はステップS18以降の処理を行う。
【0036】
なお、監視制御/信号処理部24については、上述した動作を実現するプログラムをプロセッサで実行することにより実現してもよい。あるいは、ハードウェアで監視制御/信号処理部24を実現してもよい。
【0037】
なお、図12に示すような構成としてもよい。図12は、光伝送装置の別の例を示すブロック図である。図12に示すように、光伝送装置41は、光チャンネルモニタのモジュール42、監視制御/信号処理部24、メモリ25及びホスト43を備えている。光チャンネルモニタのモジュール42は、図3に示す光チャンネルモニタ11の構成において監視制御/信号処理部24及びメモリ25を含まない構成となっている。
【0038】
実施例2によれば、実施例1と同様の効果が得られる。
【0039】
(実施例3)
実施例3は、光伝送装置を別のタイプの光チャンネルモニタに適用した例である。
【0040】
・光伝送装置の説明
図13は、実施例3にかかる光伝送装置を示すブロック図である。図13に示すように、実施例3の光チャンネルモニタ51では、カプラ18で分岐された光信号が、光伝送路19によってコリメータ52へ導かれる。コリメータ52から出射した光信号は、グレーティングやアレイ導波路回折格子などの分光デバイス15で各波長成分に分光される。各波長成分の光信号は、MEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems、メムス)ミラー53で反射される。コントロール回路21によってMEMSミラー53の角度を連続的に変化させることによって、MEMSミラー53で反射された各波長成分の光信号がコリメータ54を通ってフォトダイオード55で連続的に受光される。プロセッサ22は、時間ごとのモニタパワー、すなわち波長成分ごとのモニタパワーに基づいてチャンネルごとにスペクトラム形状を推定し、チャンネルごとに全入力パワー及び波長モニタ値として中心波長を演算する。その他の構成は実施例2と同様である。
【0041】
MEMSミラー53の角度は、コントロール回路21から出力される制御電圧値によって制御されている。この制御電圧値と、コリメータ54を通ってフォトダイオード55に入射する光信号の波長成分とが予め対応付けられている。従って、コントロール回路21から出力される制御電圧値やMEMSミラー53の角度が変化すると、フォトダイオード55に入射する光信号の波長成分が、期待される波長成分と異なってしまう。そのため、フォトダイオード55に入射する光信号の各波長が変化していなくても、プロセッサ22で求められた波長モニタ値にずれが生じることになる。また、実施例2と同様に、コリメータ52,54や分光デバイス15などの光学部品の取り付け位置や角度がずれた場合も、プロセッサ22で求められた波長モニタ値にずれが生じることになる。
【0042】
監視制御/信号処理部24は、波長の変化が起こった原因が光チャンネルモニタ51にあると判断した場合、実施例2と同様に波長モニタ値を補正してもよい。あるいは、波長モニタ値を補正する代わりに、監視制御/信号処理部24は、MEMSミラー53の角度を制御する制御電圧値を補正するようにしてもよい。
【0043】
・MEMSミラーの角度の補正
図14は、MEMSミラーの角度を制御する制御電圧値に対する補正データのテーブルの一例を示す図表である。この補正データのテーブル32は例えばメモリ25に格納されていてもよい。監視制御/信号処理部24は、MEMSミラー53の角度を制御する制御電圧値に対して、実施例2と同様にして求めたオフセット量(波長モニタ値の変動量)に応じた分の電圧を減算または加算してもよい。それによって、MEMSミラー53の制御状態が正しい状態に戻る。例えば図14に示すテーブル32の例では、MEMSミラー53の角度を制御する制御電圧値の変化量+100mVがMEMSミラー53の角度+0.2度に相当し、+0.10nmのオフセット量に相当している。従って、オフセット量が+0.20nmである場合、監視制御/信号処理部24は、MEMSミラー53の角度を制御する制御電圧値を現在の値から200mV低い電圧値に補正してもよい。
【0044】
実施例3によれば、実施例1と同様の効果が得られる。なお、実施例3においても図12に示すような構成としてもよい。
【0045】
(実施例4)
実施例4は、光伝送装置をさらに別のタイプの光チャンネルモニタに適用した例である。
【0046】
・光伝送装置の説明
図15は、実施例4にかかる光伝送装置を示すブロック図である。図15に示すように、実施例4の光チャンネルモニタ61では、カプラ18で分岐された光信号が、光伝送路19によってレンズ付きのファイバ62へ導かれる。レンズ付きのファイバ62から出射した光信号は、温度の制御によって透過波長が可変なチューナブルフィルタなどの分光デバイス63で各波長成分に分光される。コントロール回路21によって分光デバイス63の温度を制御することによって、分光デバイス63を透過した各波長成分の光信号がフォトダイオード55で受光される。プロセッサ22は、時間ごとのモニタパワー、すなわち波長成分ごとのモニタパワーに基づいてチャンネルごとにスペクトラム形状を推定し、チャンネルごとに全入力パワー及び波長モニタ値として中心波長を演算する。その他の構成は実施例2と同様である。
【0047】
分光デバイス63の透過波長は、分光デバイス63の温度や分光デバイス63への光信号の入射角度によって変化する。分光デバイス63の透過波長は、予め分光デバイス63の温度や回転角度と対応付けられている。従って、分光デバイス63の温度や回転角度が変化すると、分光デバイス63の透過波長が変化して、フォトダイオード55に入射する光信号の波長成分が、期待される波長成分と異なってしまう。そのため、フォトダイオード55に入射する光信号の各波長が変化していなくても、プロセッサ22で求められた波長モニタ値にずれが生じることになる。また、実施例2と同様に、レンズ付きのファイバ62などの光学部品の角度がずれた場合も、分光デバイス63への光信号の入射角度が変化するため、プロセッサ22で求められた波長モニタ値にずれが生じることになる。
【0048】
監視制御/信号処理部24は、波長の変化が起こった原因が光チャンネルモニタ61にあると判断した場合、実施例2と同様に波長モニタ値を補正してもよい。あるいは、波長モニタ値を補正する代わりに、監視制御/信号処理部24は、分光デバイス63の温度を制御する制御電圧値を補正するようにしてもよい。
【0049】
・分光デバイスの温度の補正
図16は、分光デバイスの温度を制御する制御電圧値に対する補正データのテーブルの一例を示す図表である。この補正データのテーブル33は例えばメモリ25に格納されていてもよい。監視制御/信号処理部24は、分光デバイス63の温度を制御する制御電圧値に対して、実施例2と同様にして求めたオフセット量(波長モニタ値の変動量)に応じた分の電圧を減算または加算してもよい。それによって、分光デバイス63の制御状態が正しい状態に戻る。例えば図16に示すテーブル33の例では、分光デバイス63の温度を制御する制御電圧値の変化量+100mVが分光デバイス63の温度+1.0℃に相当し、+0.10nmのオフセット量に相当している。従って、オフセット量が+0.20nmである場合、監視制御/信号処理部24は、分光デバイス63の温度を制御する制御電圧値を現在の値から200mV低い電圧値に補正してもよい。
【0050】
なお、MEMSミラーの角度を制御するタイプや分光デバイスの温度を制御するタイプではない、別のタイプの光チャンネルモニタの場合も同様である。すなわち、光チャンネルモニタのタイプに応じて、光チャンネルモニタを構成する光学部品などの部品の角度や位置を制御したり、波長の選択を制御したりするパラメータを、オフセット量に応じた分だけ補正すればよい。その補正に用いられる補正データのテーブルは、実施例2や実施例3や実施例4と同様に例えばメモリ25に格納されていてもよい。
【0051】
実施例4によれば、実施例1と同様の効果が得られる。なお、実施例4においても図12に示すような構成としてもよい。
【0052】
(実施例5)
実施例5は、光チャンネルモニタを備えた光伝送システムの例である。
【0053】
図17は、実施例5にかかる光伝送システムを示すブロック図である。図17に示すように、実施例5の光伝送システム71は、光伝送路72の途中にある波長選択スイッチ73から出力された光信号の一部をカプラ74で分岐させて光チャンネルモニタ75に入力させ、光チャンネルモニタ75で各波長の変動を監視するものである。光チャンネルモニタ75は、例えば上述した実施例2、実施例3もしくは実施例4のタイプのものであってもよいし、それ以外のタイプのものであってもよい。監視制御部76は、光チャンネルモニタ75から出力された各波長の波長モニタ値に基づいて波長選択スイッチ73のアッテネータを制御する。
【0054】
光チャンネルモニタ75が、光チャンネルモニタ75に入力する光信号のあるチャンネルで波長がずれていることを検出した場合、監視制御部76は、波長選択スイッチ73の、その波長がずれているチャンネルに対してアッテネータをオフにする。一方、光チャンネルモニタ75が、波長がずれた原因が光チャンネルモニタ75にあることを検出した場合、実施例2、実施例3または実施例4と同様に、光チャンネルモニタ75が光チャンネルモニタ75の内部で各波長の波長モニタ値を補正してもよい。または、光チャンネルモニタ75が、光チャンネルモニタ75を構成する光学部品などの部品の角度や位置を制御したり、波長の選択を制御したりするパラメータを補正してもよい。このように光チャンネルモニタ75が内部で補正を行うことによって、監視制御部76は波長選択スイッチ73に対して通常の制御を行うことができる。
【0055】
光チャンネルモニタ75が内部で補正を行った場合、光伝送システム71は光チャンネルモニタ75の内部で補正を行ったというログを残し、システムのオペレータに通知するようにしてもよい。そうすれば、システムのオペレータは、光チャンネルモニタ75の内部で補正が行われたことを知ることができる。また、システムのオペレータは、光伝送システム71の点検時に光チャンネルモニタ75を検査したり補修する必要があることを認識することができる。
【0056】
(実施例6)
実施例6は、光チャンネルモニタを備えた別の光伝送システムの例である。
【0057】
図18は、実施例6にかかる光伝送システムを示すブロック図である。図18に示すように、実施例6の光伝送システム81は、実施例5にかかる光伝送システムにおいて、波長選択スイッチ73に入力する光信号の一部をカプラ82で分岐させ、光チャンネルモニタ83で波長選択スイッチ73へ入力する光信号の各波長の変動を監視することによって、光チャンネルモニタ75,83の異常や故障を検出するものである。監視制御部76は、波長選択スイッチ73の前にある光チャンネルモニタ((A)とする)83から出力された各波長の波長モニタ値と、波長選択スイッチ73の後にある光チャンネルモニタ((B)とする)75から出力された各波長の波長モニタ値とを比較する。それによって、監視制御部76は、光チャンネルモニタ75,83へ入力する光信号の波長がずれているのか、波長がずれた原因が光チャンネルモニタ75,83にあるのか、ということを切り分けることができる。
【0058】
例えば、光チャンネルモニタ(A)83及び光チャンネルモニタ(B)75において、チャンネルnの波長モニタ値がλnであり、チャンネルmの波長モニタ値がλmであれば、監視制御部76は、両方の光チャンネルモニタ75,83がともに正常に動作していると判断することができる。光チャンネルモニタ(B)75において、チャンネルnの波長モニタ値がλn1であり、チャンネルmの波長モニタ値がλm1であれば、監視制御部76は、光チャンネルモニタ(B)75に異常や故障があると判断することができる。光チャンネルモニタ(A)83において、チャンネルnの波長モニタ値がλn2であり、チャンネルmの波長モニタ値がλm2であれば、監視制御部76は、光チャンネルモニタ(A)83に異常や故障があると判断することができる。
【0059】
(実施例7)
実施例7は、光チャンネルモニタを備えた別の光伝送システムの例である。図19は、実施例7にかかる光伝送システムを示すブロック図である。図19に示すように、実施例7の光伝送システム91は、前のノードAにある光チャンネルモニタ(A)83から出力された各波長の波長モニタ値と、後のノードBにある光チャンネルモニタ(B)75から出力された各波長の波長モニタ値とを比較して、実施例6と同様に光チャンネルモニタ75,83の異常や故障を検出するものである。
【0060】
ノードAにおいて、光チャンネルモニタ(A)83は、波長選択スイッチ92から出力され、カプラ82で分岐された光信号の各波長の波長モニタ値を出力する。信号処理部93は、各波長の波長モニタ値を含む監視制御信号(OSC:Optical Supervisor Channel)を生成し、監視制御信号送信部(OSC(Tx))94から出力する。波長分割多重部95は、カプラ82を通過した光信号及び監視制御信号を多重して光伝送路72へ出力する。
【0061】
ノードBにおいて、波長分割多重部96は、光伝送路72から入力する光信号を監視制御信号とデータ信号に分割する。信号処理部98は、監視制御信号受信部(OSC(Rx))97で受信した監視制御信号から各波長の波長モニタ値と、さらに後のノードへ送信する監視制御信号とを抽出する。データ信号は波長選択スイッチ73に入力する。光チャンネルモニタ(B)75は、波長選択スイッチ73から出力され、カプラ74で分岐された光信号の各波長の波長モニタ値を信号処理部98へ出力する。
【0062】
信号処理部98は、ノードAから送られてきた各波長の波長モニタ値と、ノードBの光チャンネルモニタ(B)75から出力された各波長の波長モニタ値とを比較する。それによって、信号処理部98は、実施例6と同様に、光チャンネルモニタ75,83へ入力する光信号の波長がずれているのか、波長がずれた原因が光チャンネルモニタ75,83にあるのか、ということを切り分けることができる。
【0063】
また、信号処理部98は、光チャンネルモニタ(B)75から出力された各波長の波長モニタ値を含む監視制御信号を生成し、監視制御信号送信部99から出力する。波長分割多重部100は、カプラ74を通過したデータ信号及び監視制御信号を多重して光伝送路101へ出力する。
【0064】
(実施例8)
実施例8は、光チャンネルモニタを備えた別の光伝送システムの例である。図20は、実施例8にかかる光伝送システムを示すブロック図である。図20に示すように、実施例8の光伝送システム111は、実施例7にかかる光伝送システムおいて、ノードAが光信号を送信する装置である例である。実施例8では、ノードAにおいて、信号処理部93は、各チャンネルの送信器112,113,114から波長情報を取得して各波長情報を含む監視制御信号を生成し、監視制御信号送信部94から出力する。波長分割多重部95は、各チャンネルの送信器112,113,114から出力され、合波器115で合波された光信号及び監視制御信号を多重して光伝送路72へ出力する。ノードBについては、実施例7と同様である。
【符号の説明】
【0065】
1 光伝送装置
2 抽出部
3 検出部
4 記憶部
5 制御部
24 監視制御/信号処理部
71,81,91,111 光伝送システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の前記光信号を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された各々の前記光信号の波長を検出する検出部と、
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長を記憶する記憶部と、
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長及び前記記憶部に記憶された各々の前記光信号の波長に基づいて各々の前記光信号の波長の変化の傾向を求める制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して波長が変化したと判断することを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであり、かつ該変化の傾向が同じ前記二つ以上の波長での変化の傾向と異なる傾向で変化している波長が一つ以上ある場合に、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して波長が変化しているとともに、多重される前の一つ以上の前記光信号で波長が変化したと判断することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項3】
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長及び前記記憶部に記憶された各々の前記光信号の波長に基づいて、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して変化した波長の変化量を求め、該変化量に基づいて、前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長の値を補正する処理部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送装置。
【請求項4】
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長及び前記記憶部に記憶された各々の前記光信号の波長に基づいて、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して変化した波長の変化量を求め、該変化量に基づいて、多重される前の前記光信号で波長が変化したときに発出されるアラームの閾値を補正する処理部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方を制御するパラメータと波長の変化量との関係を記憶し、
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長及び前記記憶部に記憶された各々の前記光信号の波長に基づいて、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して変化した波長の変化量を求め、該変化量及び前記パラメータと波長の変化量との関係に基づいて、前記パラメータを補正する処理部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送装置。
【請求項6】
波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の前記光信号を抽出し、抽出された各々の前記光信号の波長を検出する第1の光伝送装置と、
波長の異なる複数の光信号が多重された前記光信号から各々の前記光信号を抽出し、抽出された各々の前記光信号の波長を検出する第2の光伝送装置と、
前記第1の光伝送装置で検出された各々の前記光信号の波長に基づいて前記第1の光伝送装置における各々の前記光信号の経時的な波長の変化の傾向を求めるとともに、前記第2の光伝送装置で検出された各々の前記光信号に基づいて前記第2の光伝送装置における各々の前記光信号の経時的な波長の変化の傾向を求める制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の光伝送装置で検出された各々の前記光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに前記第1の光伝送装置に起因して波長が変化したと判断し、前記第2の光伝送装置で検出された各々の前記光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに前記第2の光伝送装置に起因して波長が変化したと判断することを特徴とする光伝送システム。
【請求項7】
前記第1の光伝送装置を有する第1のノードと前記第2の光伝送装置及び前記制御部を有する第2のノードとが光ファイバで接続されており、
前記第1の光伝送装置で検出された各々の前記光信号の波長の情報を、前記第1のノードから前記第2のノードへ送信される制御信号に含めて前記光ファイバを介して前記第2のノードへ伝達することを特徴とする請求項6に記載の光伝送システム。
【請求項8】
波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の前記光信号を抽出する抽出部により各々の前記光信号を抽出し、
前記抽出部により抽出された各々の前記光信号の波長を検出する検出部により各々の前記光信号の波長を検出し、
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長を記憶し、
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長及び記憶された過去の各々の前記光信号の波長に基づいて各々の前記光信号の波長の変化の傾向を求め、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して波長が変化したと判断することを特徴とする光伝送方法。
【請求項9】
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであり、かつ該変化の傾向が同じ前記二つ以上の波長での変化の傾向と異なる傾向で変化している波長が一つ以上ある場合に、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して波長が変化しているとともに、多重される前の一つ以上の前記光信号で波長が変化したと判断することを特徴とする請求項8に記載の光伝送方法。
【請求項1】
波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の前記光信号を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された各々の前記光信号の波長を検出する検出部と、
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長を記憶する記憶部と、
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長及び前記記憶部に記憶された各々の前記光信号の波長に基づいて各々の前記光信号の波長の変化の傾向を求める制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して波長が変化したと判断することを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであり、かつ該変化の傾向が同じ前記二つ以上の波長での変化の傾向と異なる傾向で変化している波長が一つ以上ある場合に、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して波長が変化しているとともに、多重される前の一つ以上の前記光信号で波長が変化したと判断することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項3】
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長及び前記記憶部に記憶された各々の前記光信号の波長に基づいて、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して変化した波長の変化量を求め、該変化量に基づいて、前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長の値を補正する処理部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送装置。
【請求項4】
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長及び前記記憶部に記憶された各々の前記光信号の波長に基づいて、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して変化した波長の変化量を求め、該変化量に基づいて、多重される前の前記光信号で波長が変化したときに発出されるアラームの閾値を補正する処理部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方を制御するパラメータと波長の変化量との関係を記憶し、
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長及び前記記憶部に記憶された各々の前記光信号の波長に基づいて、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して変化した波長の変化量を求め、該変化量及び前記パラメータと波長の変化量との関係に基づいて、前記パラメータを補正する処理部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送装置。
【請求項6】
波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の前記光信号を抽出し、抽出された各々の前記光信号の波長を検出する第1の光伝送装置と、
波長の異なる複数の光信号が多重された前記光信号から各々の前記光信号を抽出し、抽出された各々の前記光信号の波長を検出する第2の光伝送装置と、
前記第1の光伝送装置で検出された各々の前記光信号の波長に基づいて前記第1の光伝送装置における各々の前記光信号の経時的な波長の変化の傾向を求めるとともに、前記第2の光伝送装置で検出された各々の前記光信号に基づいて前記第2の光伝送装置における各々の前記光信号の経時的な波長の変化の傾向を求める制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の光伝送装置で検出された各々の前記光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに前記第1の光伝送装置に起因して波長が変化したと判断し、前記第2の光伝送装置で検出された各々の前記光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに前記第2の光伝送装置に起因して波長が変化したと判断することを特徴とする光伝送システム。
【請求項7】
前記第1の光伝送装置を有する第1のノードと前記第2の光伝送装置及び前記制御部を有する第2のノードとが光ファイバで接続されており、
前記第1の光伝送装置で検出された各々の前記光信号の波長の情報を、前記第1のノードから前記第2のノードへ送信される制御信号に含めて前記光ファイバを介して前記第2のノードへ伝達することを特徴とする請求項6に記載の光伝送システム。
【請求項8】
波長の異なる複数の光信号が多重された光信号から各々の前記光信号を抽出する抽出部により各々の前記光信号を抽出し、
前記抽出部により抽出された各々の前記光信号の波長を検出する検出部により各々の前記光信号の波長を検出し、
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長を記憶し、
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長及び記憶された過去の各々の前記光信号の波長に基づいて各々の前記光信号の波長の変化の傾向を求め、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであるときに、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して波長が変化したと判断することを特徴とする光伝送方法。
【請求項9】
前記検出部により検出された各々の前記光信号の波長のうち、二つ以上の波長で変化の傾向が同じであり、かつ該変化の傾向が同じ前記二つ以上の波長での変化の傾向と異なる傾向で変化している波長が一つ以上ある場合に、前記抽出部及び前記検出部の一方または両方に起因して波長が変化しているとともに、多重される前の一つ以上の前記光信号で波長が変化したと判断することを特徴とする請求項8に記載の光伝送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−105222(P2012−105222A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254281(P2010−254281)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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