説明

光分解性プラスチック材料とその使用

【課題】環境条件下で従来より顕著な光分解性を示す光分解性プラスチックを提供する。
【解決手段】セルロースアセテートと、必要に応じた添加物とを含む光分解性プラスチックを提供する。この光分解性プラスチックの特に特徴的な部分は、分散された光触媒性の炭素修飾された二酸化チタンを含むところである。比較試験により、この光分解性プラスチックが、従来の二酸化チタンまたは他の修飾二酸化チタンを使用した製品と比較して、予想以上に高い光触媒分解性を示すことが分かった。この改良点は、本発明においてさらに成型された光分解性プラスチックの仕様において、明らかである。光分解性プラスチックは、例えばフィルタートウを提供するために加工することができる。これはフィルターロッドの製造に使用でき、フィルターロッドは、タバコのフィルターチップのためのフィルタープラグの製造に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースエステル及び任意で添加物を含む光分解性プラスチック材料、及びそれの使用に関する発明であり、特に、フィルタータバコのフィルタープラグの生産に使用されるフィルタートウに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
プラスチック材料は、耐用期間終了に到達するか、到達しそうになると、環境中への影響を出来る限り小さくするために、短時間で分解されることが好ましい。しかし、原理的に生物分解性とされるプラスチック材料であっても、分解に要する時間には外部要因が大きくかかわる。例えば、おなじ微生物を含む土壌中にある場合であっても、堆肥化状態にある場合の方が速やかに分解が行われる。生物分解に必要な微生物の生育条件が不十分な場合、生物分解にかかる時間は相当に長くなってしまう。これは、プラスチック材料が、全体的または部分的に、例えば、石板、アスファルト、砂、地面、または草等の上にある場合である。これらの条件のもとでは、他の、または追加の分解方法が必要である。このような場合、特に、光の作用下で分解する、光触媒分解が適している。これは、単独で物質を完全に分解するものであってもよいが、その他の分解を補佐するものであってもよい。
【0003】
二酸化チタンが、特にアナターゼの場合、有機材料を光触媒作用によって分解できることは、以前から知られている。アナターゼが紫外線領域のスペクトルの光を吸収することで、電子伝達によりラジカルが生じ、生じたラジカルの連鎖機構により分解が開始される。材料が分解されていくに従って、一般的にそれらの機能は低下していく。そのため、実質的には、まず二酸化チタンを含む材料を安定化させることから始められる。この作業については、US 2,206,278、 GB 780,749、及び US 3,961,975に記載されている。
【0004】
DE 24 36 260 Cには、天候及び/または光の影響下でのプラスチック材料組成物の分解を目的とした、微小な粒径の二酸化チタン顔料が開示されている。CA 1073581には、ポリオレフィンの光触媒分解のための二酸化チタンの使用について記載されている。
【0005】
1990年代、セルロースエステル及びそれから作られたフィルタートウにおいて、それらの使用後にプラスチック材料が残存してしまうことについて世間の注目が集まっていたことから、セルロースエステルおよびフィルタートウを環境中において分解するために、さらに多くの研究がなされた。
【0006】
艶消し処理のために、二酸化チタン顔料をセルロースエステルに添加する技術は、US-A-2,206,278に記載されており、従来からある技術である。
【0007】
WO-A-93/24685には、光触媒効果のある二酸化チタン顔料の添加によるセルロースエステルの分解が記載されている。従来使用されていた二酸化チタン顔料(光触媒効果を減じるコーティングがなされたもの)とコーティングを有さないアナターゼとの比較において、コーティングされていないアナターゼを含む酢酸セルロース組成物から作られた単一糸について、耐候性試験で引張強度が緩やかながらも加速度的に減少した。表面がBa/Ca硫酸塩またはリン酸塩で処理されたアナターゼ顔料も、光触媒効果をさらに増加させるために使用された。これらの顔料を有する場合、酢酸セルロースのアセトン溶液において、より多くの酢酸が溶出されていることが分かった。
【0008】
EP 716 117 A1には、アナターゼを含むセルロースエステル組成物が記載されている。酸化チタンの表面は、部分的にリン酸塩、他のリン酸化合物、多価アルコール、アミノ酸またはそれらの塩によって処理される。未処理、処理済みのそれぞれのアナターゼ顔料を含有する酢酸セルロース組成物繊維の引張強度の減少度合いを、フェードメーターで測定して比較した。その結果、処理済みの方で、明らかに倍増するわけではなかった。実施例で使用された酢酸セルロースは、2.14の置換度であり、比較例として使用されたセルロースエステルの置換度を著しく下回っていた。
【0009】
US-A-5,491,024及びUS-A-5,647,383には、セルロースエステルへの超微粒子二酸化チタンの添加について記載されている。従来の二酸化チタン顔料と比較して、各繊維の耐候性試験において、引張強度が緩やかながらも加速度的に減少していた。
【0010】
多様に修飾された二酸化チタンのデータによると、セルロースエステル組成物の分解速度の顕著な増加がみられる、というものではなく、決定的な改善はみられなかった。分解の間の材料の質量低下は、一般的に、機械的強度の低下(N.-S. Hon, J. Polym. Sci. 15, 1977, 725-744.に開示されている)より実質的に緩やかであることからも、改善が十分でないのは明らかである。Sakthivel and Kisch, Angew. Chem., Ind. Ed. 42 (2003), 4908には、炭素をドープして容積を増した二酸化チタンが記載されている。これによれば、紫外線領域とは別に、可視光領域での明確な吸収が決めされている。WO 2005/108505には、表面に炭素がドープされ、可視光領域の光を吸収するTiO2が記載されている。光触媒活動の増加により、材料表面上の有機汚染物及び不純物が分解されることになる。このように、炭素修飾または炭素ドープ(または脱ドープ)された二酸化チタンは、すでに従来技術から当業者の知るところである。
【0011】
下記に概説された従来技術は、いずれも所望の改善につながるものではない。WO-A-95/29209によれば、二酸化チタン粒子の表面処理が、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び/または有機化合物によって行われている。これは、二酸化チタン粒子の凝集を防ぐためである。US-A-4,022,632によれば、二酸化チタン粒子は、特別な塩で処理される。WO 2007/141342 Aは、1以上の有機層を備えた二酸化チタン粒子を提案している。有機層としては、例えば、ポリグリコール、カルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩、高いアルコール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、またはネオペンチルグリコールを使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記に概説された従来技術より進展させて、本発明は、セルロースエステルと、環境条件下で光分解性を顕著に増加させることを特徴とする選択的な添加物とを有する、光分解性プラスチック材料を提供することを目的とする。
【0013】
さらに、本発明は、特にタバコフィルター用のフィルタープラグを生産するためのフィルタートウにおいて、成型体として使用されるのに好適な光分解性プラスチック材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、冒頭に記載したタイプの光分解性プラスチック材料は、光触媒活性カーボンで修飾された二酸化チタンを、特に細かく分散された状態で含む。
【0015】
本発明の特に有利な構成は、従属の請求項2〜18に開示されている。
【0016】
本発明は、セルロースエステルの選択において、特に大きな制限を受けるものではない。特に、酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、酢酸セルロースプロピオネート及び/または酢酸セルロースブチレートが好ましい。本発明は、本発明にしたがって調製されたセルロースエステルの平均置換度(DS)に関しても、特に制限を受けるものではない。平均置換度(DS)は、特に酢酸セルロースを使用する場合には、1.5〜3.0、特に2.2〜2.7であることが好ましい。セルロースエステル、特に酢酸セルロースが、設定された目標を有利に達成するのに、平均重合度について最適化されていることが好ましい。セルロースエステル中の平均重合度は、150〜500、特に180〜280であるのが好ましい。
【0017】
予想を超えて、炭素修飾された二酸化チタン、特に炭素ドープされた二酸化チタンを添加した場合、これまでにはない早さで環境中でのセルロースエステル組成物中の光触媒による分解が進むことが分かった。光分解性プラスチック材料の質量の時間による減少は、下記の例によって示されるように、測定変数として選択される。そのため、本発明の核心は、炭素修飾二酸化チタンの、炭素修飾が表面のみか、全体積にいたるか、の選択である。
【0018】
炭素修飾二酸化チタンは、その表面が炭素ドープされていることが好ましい。
【0019】
半導体二酸化チタンのバンドギャップは炭素ドープによって減少し、ドープされていない二酸化チタンと比較して、価電子帯の電子を励起して光触媒性を活性化するのに、長い波長の光も利用できる。
【0020】
炭素ドープ二酸化チタンの微結晶サイズは、5〜150nm、特に7〜25nmとすることが好ましい。個々の場合において、最適な粒径に調整するために、公知の市販の粗粒炭素修飾二酸化チタンを粉砕することが好ましい、あるいは、粉砕する必要がある。便宜上、炭素修飾二酸化チタンは、3.0〜5.0g/cm3、特に3.5〜4.2g/cm3の密度(ISO787,Part10)を有するのが好ましい。炭素修飾酸化チタンの比表面積の最適化は、セルロースエステル含有プラスチック材料の分解において、有利な効果を奏する。炭素ドープ二酸化チタンのBET比表面積は、100m2/g超、特に250m2/g超であることが好ましい。本発明による炭素修飾二酸化チタンを光分解性プラスチック材料に加えることによって、純粋な二酸化チタンと比して、炭素修飾二酸化チタンがλ≧400nmの領域において大幅に光を吸収する場合に、特に有利な効果を奏する。
【0021】
さらにプラスチック材料の光分解性を高めるためには、炭素修飾チタンの組成を0.1〜5重量%、特に0.3〜1.5重量%に調整することが好ましい。
【0022】
炭素修飾二酸化チタンにおける炭素含有量は、特に制限されない。炭素修飾二酸化チタンは、0.5〜5重量%、特に0.3〜1.5重量%の炭素を含んでいることが好ましい。
【0023】
本発明では、光分解性プラスチック材料は、実質的にセルロースエステルにのみ基づくものではない。タバコのフィルター材料の繊維に、例えば可塑剤の様な公知の添加材を含有させて使用してもよい。
【0024】
一方で、特にタバコ産業に関連する使用において、上記に加え、炭素修飾されていない二酸化チタン、特にアナターゼを、微細分散中に含有させてもよい。本発明の思想に可能な限り従い、プラスチック材料の分解に炭素修飾二酸化チタンの特別な光触媒の効果を発揮させるため、光分解性プラスチックのセルロースエステル含有量は、60重量%以上、特に90重量%以上であることが好ましい。
【0025】
本発明におけるプラスチック材料の特に優れた光分解性は、下記実施例に示すように、光分解性プラスチック材料が、繊維、包装材として使用されるフィルム、特に深く延伸されたフィルム、射出成型体、厚肉の成型体、顆粒、ミクロビーズ、ビーズ及び容器の形態にされた成型体とした場合にみられる。これらの繊維をさらにフィルタートウに加工することは特に好ましく、それを用いてフィルタータバコ用に用いられるフィルターロッドとフィルタープラグとが生産される。このタイプのフィルタープラグは、本発明に従う設計ではないフィルタープラグと比して、環境中で、光の作用によって著しく早く分解することが分かっている。
【0026】
本発明の特に有利な点は、本発明による生産物は、下記の実施例に示すように、比較例と比して、光触媒分解に際して期待以上の優位性を示すことである。したがって、フィルタープラグでの36週の分解率(水溶性物質除去後の〜6重量%の重量減少)は、例えば、試験例5(比較例3、コーティングされていないアナターゼ)と比して3倍超の高い値であった。本発明による生産物の優位性は、二酸化チタンを一切含んでいない比較例と比較した場合により顕著となる。実質的な優位性は、SiO2/Al23で被覆したアナターゼを比較例として使用した場合においても、同様に明らかとなる。
【0027】
本発明によって達成される優れた光分解性は、図1、図2にも示されている。図1は、実施例2における、16週間の屋外試験後の試験例1のSEM画像(100倍に拡大)を示している。一方、図2は、実施例4における、16週間の屋外試験後の繊維をSEM画像(1000倍に拡大)で示している。本発明の光分解性プラスチックザウ量に波、粗い裂け目や切断された繊維が見られ、良好な分析結果が示されている。この結果は、比較に用いた実施例4には当てはまらない。実施例4においては、むしろ、繊維の表面はなめらかとなっているといえる。
【0028】
本発明に係る光分解性プラスチック材料を製造する方法は、特に限定されるものではない。プラスチック材料を融解し、関連する成分を混入した、個々の組成物を混合することもできる。繊維は、湿式紡糸法により製造することもできるが、乾式紡糸法で製造することがより好ましい。乾式紡糸法の場合、セルロースエステルは、公知の方法で、例えばアセトンに溶解されるのが好ましい。乾燥経路における公知の紡糸工程において、炭素修飾された二酸化チタンのような構成成分が添加される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施例2における屋外試験16週間後の繊維(SEM 100倍拡大図)
【図2】実施例4における屋外試験16週間後の繊維(SEM 100倍拡大図)
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に実施例を示すことで、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0031】
〔試験例1〕
(一般的な製造方法)
二酸化チタン懸濁液の調製
懸濁液を安定させるために3%の酢酸セルロースが加えられた、15%二酸化チタン−アセトン懸濁液を、8.5kg/時処理量のビーズミル(WAB dynomill multilab, 粉砕容量1.4L)によって粉砕し、D50=1.2μmの粒径とする。
【0032】
下記の表1に示すように、3つの異なるタイプの二酸化チタンを使用する。
【0033】
【表1】

【0034】
紡糸液の調製
アセトン:水の比が96:4の溶媒混合液74重量部に対し、置換度2.45の酢酸セルロース26重量部を溶解する。二酸化チタンを添加する場合には、1.73重量%の酸化チタン懸濁液をこの溶液に加える。こうして調製された紡糸液を均質化し、次いで濾過する。
【0035】
糸の製造
3.0デニールの繊維が、乾式紡糸法によって、紡糸液から調製される。
【0036】
フィルターロッドの製造
成型された酢酸セルロース糸を、スタッファーボックス圧着機により圧着し、乾燥させ、帯状に結合させる。こうして製造されたフィルタートウの仕様は、3Y35000である。
この仕様の詳細は、下記の通りである。
フィラメント繊度:3.3dtex
総繊度:38,500dtex
繊維の断面形状:Y型
フィルタートウは、フィルターロッド機で処理され、長さ126mm及び径7.8mmのフィルターロッドに形成される。ここで得られるトリアセチンの量は、総重量の6%である。
【0037】
840本の繊維からなる糸を、約3.5ラ1.3cmの大きさで、約0.3gの重さになるように編み込むことで、試験サンプルを製造する。
【0038】
このように製造された試験サンプルは、個々の繊維、または従来の200本未満の繊維よりなる糸(引用特許明細書を参照のこと)と比較して、材料の厚みが厚く、加えて、材料の積層がみられる。これらの特徴により、光の透過がより困難であり、屋外試験における分解も困難となる。
【0039】
試験サンプル2:
フィルターロッド(実施例1の方法により製造)の紙を除去し、残されたフィルターロッドを21mmの長さに切断してフィルタープラグとし、試験サンプルとする。
【0040】
〔試験例2〕(実施例)
二酸化チタン(タイプA)を試験例1記載の方法で紡糸液に加える。二酸化化チタン:酢酸セルロースの比は1:99とする。
【0041】
〔試験例3〕(比較例1)
二酸化チタンを加えない以外は、試験例1と同様である。
【0042】
〔試験例4〕(比較例2)
タイプAではなく、タイプBの二酸化チタンを添加する以外は、試験例2と同様である。
【0043】
〔試験例5〕(比較例3)
タイプAではなく、タイプCの二酸化チタンを添加する以外は、試験例2と同様である。
【0044】
〔試験例6〕(屋外試験の実施及び試験の方法)
【0045】
試験サンプル1:
840本の繊維より成る糸を編み込んで、約3.5ラ1.3cmの大きさで、約0.3gの重さになるようにサンプルを作成する。このように作成された試験サンプルは、繊維1本ごとや、200本未満の繊維から作成された公知の糸(引用特許明細書を参照)と比較して、材料の厚みが厚く、また、重なりあった形状となる。これらにより、光の透過がより困難となり、屋外試験における分解も困難となる。
【0046】
試験サンプル2:
試験例1によって製造されたフィルターロッドの紙を除去し、残されたフィルターロッドを21mmの長さに切断してフィルタープラグを製造し、試験サンプルとする。
【0047】
試験の実施:
試験サンプルは、屋外のケージに設置される。ケージは、85%の開口を有する金網と、コンクリートで形成された基礎スラブを有する。ケージは、金網の影響を受けず、太陽光が遮られず、他の気象の影響も及ぶように屋外に設置される。サンプルを識別するために、ケージは個々のチャンバーに分かれている。場所による影響をなくすために、同種の試験サンプルを、それぞれ複数のケージに分けて設置する。
【0048】
試験サンプルを4週ごとに取り出し、付着している物質を取り除き、20℃で湿度60%の状態で24時間静置してから、重量を測定する。屋外試験はドイツのフライブルグで行われた。表2に、おもに夏季の条件において実施された試験サンプル1の結果を示す。表3は、おもに冬季の条件において実施された試験サンプル2の結果を示す。
【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
注記:
水溶性成分を除いているため、試験開始段階より、質量が6〜7%減少している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光分解性プラスチックが、内部に分散された、光触媒活性を有する炭素修飾された二酸化チタンを有することを特徴とする、セルロースエステルと任意の添加物を有する光分解性プラスチック材料。
【請求項2】
前記セルロースエステルが、酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、酢酸セルロースプロピオネート及び/または酢酸セルロースブチレートであることを特徴とする請求項1記載の光分解性ブラスチック材料。
【請求項3】
前記セルロースエステル、特に酢酸セルロースが、1.5〜3.0、特に2.2〜2.7の平均置換度(DS)であることを特徴とする請求項1または2に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項4】
前記セルロースエステル、特に酢酸セルロースが、150〜500、特に180〜280の平均重合度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項5】
炭素修飾されていない二酸化チタン、特にアナターゼを微細分散された状態でさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項6】
前記炭素修飾された二酸化チタンは、表面が炭素ドープされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項7】
前記炭素修飾された二酸化チタンの結晶サイズが、5〜150nm、特に7〜25nmであることを特徴する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項8】
前記炭素修飾された二酸化チタンの密度(ISO787,Part10)が、3.0〜5.0g/cm3、特に3.5〜4.2g/cm3であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項9】
前記炭素修飾された二酸化チタンの比表面積(BET)が100m2/g超、特に250m2/g超であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項10】
前記炭素修飾された二酸化チタンが、λ≧400nmの領域において、純粋な二酸化チタンに比して多くの光を吸収することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項11】
前記光分解性プラスチック材料が、0.1〜5重量%、特に0.3〜1.5重量%の炭素ドープされた二酸化チタンを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項12】
前記炭素修飾された二酸化チタンが、0.05〜5重量%、特に0.3〜1.5重量%の炭素を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項13】
セルロースエステルを60重量%以上、特に90重量%以上有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項14】
繊維、包装材として使用されるフィルム、特に深く延伸されたフィルム、射出成型体、厚肉の成型体、顆粒、ミクロビーズ、ビーズ及び容器の形態にされた成型体としての請求項1〜13のいずれか1項に記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項15】
前記繊維がフィルタートウを形成することを特徴とする請求項14記載の光分解性プラスチック材料。
【請求項16】
前記フィルタートウが、タバコフィルターのフィルタープラグの製造に使用されることを特徴とする、請求項15記載の光分解性プラスチック材料の利用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−530631(P2011−530631A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522439(P2011−522439)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005888
【国際公開番号】WO2010/017989
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(500017874)ローディア アセトウ ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】