説明

光受信装置および波長多重伝送システム

【課題】高速なWDM光の受信特性を劣化させる不要光を簡略な構成により効率的に低減することが可能な運用が容易で低コストの光受信装置を提供する。
【解決手段】本光受信装置1は、分波器12でWDM光を各波長の信号光に分波して、各々に対応した光受信モジュール13_1〜13nに与える。各光受信モジュールでは、信号光の劣化が機能部品22で補償されると共に、該機能部品22の光損失の補償が光増幅器21,23により行われ、該光増幅器23の出力光が周期フィルタ部24を介して受信器25に入力される。周期フィルタ部24は、WDM光に含まれる各信号光の波長間隔に対応した周期的な透過波長特性を有しており、光増幅器で発生する雑音光等を含む不要光のうち、WDM光の各信号光の中間の波長に対応した不要光が周期フィルタ部24で除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信において波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)光を各波長の信号光に分波して受信する光受信装置および波長多重伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムにおいて、伝送速度が40Gb/s以上の高速になると、伝送信号の光パルス幅は数ピコ秒と狭くなるために、光ファイバの僅かな波長分散(Chromatic Dispersion)や偏波モード分散(Polarization-Mode Dispersion)による波形歪みが伝送特性を著しく劣化させる。また、伝送ファイバの分散値は、温度や環境の変化に伴い時間的に変動し、その僅かな変化が伝送特性に影響することが知られている。
【0003】
図1は、波長分散補償または偏波モード分散補償技術を用いたWDM伝送システムにおける従来の光受信装置を示す図である。図1において、光受信装置100は、光プリアンプ101で一括増幅されたWDM光を分波器102で波長毎に分波し、該分波器102から出力される各波長の信号光CH1,CH2,…,CHnを各光受信モジュール103_1,103_2,…,103_nに与えて受信処理する。各光受信モジュール103_1〜103_n内の光路上には、可変分散補償器(Tunable Dispersion Compensator:TDC)や偏波モード分散補償器(Polarization-Mode Dispersion Compensator:PMDC)などの機能部品111をそれぞれ設け、該各機能部品111で受信光に対して好ましい分散補償を実施する。
【0004】
上記のようなTDCやPMDCなどの機能部品111を適用した場合、該機能部品111の光損失により受信光のパワーレベルが小さくなると、受信器112および識別再生器113におけるビット誤り率(Bit Error Rate:BER)は増加する。このBERの増加を抑えるため、各波長に対応した光受信モジュール103_1〜103_nには、上記機能部品111と共に、受信器112の前段に光増幅器114を適用して、機能部品111の光損失を補償する機能が必要になる。しかしながら、上記光増幅器114の適用により、該光増幅器114が信号光を増幅する際に発生する自然放出光(Amplified Spontaneous Emission:ASE)等の雑音光が要因となって受信光の波形を劣化させる可能性がある。
【0005】
また、上記受信光の波形劣化は、光増幅器114の雑音光の影響だけでなく、各信号光の高速化により各々の光スペクトルの幅が広がることでも発生し得る。具体的に説明すると、例えば図2に示すように、WDM光に含まれる各信号光のビットレートが10Gb/sから40Gb/sに高速化されると、該各信号光のスペクトル幅は約4倍に拡大する。このとき、WDM光のチャネル間隔が狭く設定されていると(図示の例では50GHz)、隣接するチャネルの光スペクトルの裾部分が重なり合い、チャネル間のクロストークが生じる可能性がある。
【0006】
つまり、WDM光に含まれる各信号光の変調速度の高速化に伴う光スペクトル幅の拡大により、各信号光の受信特性を劣化させる余分な光(上記光スペクトルの重なり合い成分)が相対的に増加する。
【0007】
ここで、上記光増幅器114で発生する雑音光による伝送特性劣化の問題に関して、多波長を一括増幅するWDM用光増幅器と、一波を増幅する単一波長用光増幅器との相違について説明する。WDM伝送システムにおいては、上記のような各波長に対応した受信器の前段に配置される単一波長用の光増幅器以外にも、WDM光が伝搬する光路上に多波長を一括増幅するWDM用の光増幅器(例えば、図1中の光プリアンプ101等)が多数適用されている。図3に示すように、該WDM用の光増幅器で発生するASE等の雑音光(図3の上段を参照)は、光受信装置100の分波器102を通るため、各々の信号光の帯域内に存在する雑音成分のみが分波器102を透過して各信号波長に対応した受信器112に送られ、帯域外に存在する雑音成分は分波器102で遮断される(図3の中段を参照)。このため、WDM用の光増幅器で発生する雑音光が各波長の信号光の受信特性に与える影響は比較的小さく、多くの場合無視することができる。
【0008】
これに対して、上記単一波長用の光増幅器114は、上記分波器102で分波された各波長の信号光が伝搬する光路上に設けられるため、該光増幅器114で広い波長帯域にわたって発生する雑音光がそのまま受信器112に入力されてしまう(図3の下段を参照)。このため、雑音光のトータルパワーに対する単一波長の信号光のパワーの割合が小さくなり、受信特性を劣化させる原因になる。
【0009】
上記のような単一波長用の光増幅器で発生する雑音光や、信号光の高速化に伴う光スペクトル幅の拡大によって発生する余分な光などの受信特性の劣化要因となり得る光(以下、「不要光」と呼ぶ)を低減させるための従来技術としては、例えば図4に示すように光増幅器114と受信器112の間の光路上に光フィルタ115を設け、受信する信号光の帯域以外の光を該光フィルタ115により除去する構成がある。この光フィルタ115については、透過波長特性が固定のパッシブ光フィルタを用いる場合と、可変のアクティブ光フィルタを用いる場合とが知られている(例えば、下記の特許文献1,2参照)。
【0010】
【特許文献1】特開平8−321805号公報
【特許文献2】特開2004−179799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記図4に示したような従来の光フィルタ115を用いた構成については、不要光の除去効果、並びに、光受信装置のコスト、サイズおよび運用性に関して次のような課題がある。
【0012】
まず、上記従来の構成において光フィルタ115にパッシブ光フィルタを使用した場合の課題について図5に示す光スペクトルの一例を参照しながら説明する。この図5の例では、光受信装置100で受信されるWDM光に含まれる複数の信号光が配置される波長帯域(以下、WDM光の信号帯域と呼ぶ)に対して、パッシブ光フィルタの透過帯域が略等しくなるように設定されており、単一波長用の光増幅器114の出力光がパッシブ光フィルタに与えられることにより、WDM光の信号帯域外にある不要光が除去される。
【0013】
このようなパッシブ光フィルタを使用した構成は、WDM光の各波長に対応した光受信モジュール103_1〜103_nについて共通のパッシブ光フィルタを適用できるという利点があるものの、不要光の除去が各々の受信波長に個別に対応させて行われてはおらず、WDM光の信号帯域内に存在する不要光が残ってしまうため、充分な受信特性の改善効果が得られ難いという欠点がある。個々の受信波長に対応した光のみが透過するようにパッシブ光フィルタを狭帯域化すれば受信特性の改善効果は大きくなるが、この場合、各光受信モジュール103_1〜103_nに適用する光フィルタ115を個別に設計する必要が生じ、各々における受信波長が固定化される。このため、例えば光路の切替え等による受信波長の変化に対応することが困難になり、光受信装置の運用面で問題となる。
【0014】
上記のようなパッシブ光フィルタの使用時における問題に対しては、可変の透過波長特性を有するアクティブ光フィルタの使用が有効である。図6は、アクティブ光フィルタを使用した場合の光スペクトルの一例を示している。このアクティブ光フィルタの透過帯域は、光受信装置100で受信されるWDM光の信号帯域を含む波長範囲で可変になっており、適用される光受信モジュールの受信波長に対して透過帯域の中心波長が一致するように制御される。しかしながら、上記のようなアクティブ光フィルタは、前述したパッシブ光フィルタと比べて高価であり、WDM光の波長数が多くなる程アクティブ光フィルタの設置数も増加するため、光受信装置全体のコストを大幅に上昇させてしまう。また、アクティブ光フィルタの透過帯域を最適化するための制御機構が必要であり、各光受信モジュールの構成が複雑化して光受信装置内での実装スペースの問題なども発生する。
【0015】
本発明は上記の点に着目してなされたもので、高速なWDM光の受信特性を劣化させる不要光を簡略な構成により効率的に低減することが可能な運用が容易で低コストの光受信装置およびWDM伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するため、本発明による光受信装置の一態様は、複数の信号光が波長多重された波長多重光を、前記複数の信号光にそれぞれ分波する分波器と、該分波器で分波された各波長の信号光を受信処理する複数の光受信モジュールと、を備える。この光受信装置における前記複数の光受信モジュールは、それぞれ、前記波長多重光の信号帯域内における透過率が該波長多重光に含まれる各信号光の波長間隔に対応して周期的に変化する透過波長特性を有し、該透過波長特性に従って、前記分波器より出力される前記信号光の波長に対応した光を透過する周期フィルタ部と、前記周期フィルタ部の透過光が入力され、該入力光を復調した電気信号を生成する受信器と、を具備している。
【発明の効果】
【0017】
上記のような光受信装置では、受信した波長多重光が分波器で各波長の信号光に分波され、各々に対応した光受信モジュールで信号光の受信処理がそれぞれ行われる。各光受信モジュールでは、分波器と受信器の間の光路上に、波長多重光に含まれる各信号光の波長間隔(チャネル間隔)に対応した周期的な透過波長特性を有する周期フィルタ部を設けたことにより、波長多重光の信号帯域内に分布する不要光のうちの各信号光の中間の波長に対応した不要光が除去され、残りの不要光および信号光が受信器に入力されるようになる。上記周期フィルタ部は、周期的に繰り返される透過帯域が波長多重光の各信号光に対応しているので、各波長の光受信モジュールに対して共通のものを適用でき、従来のアクティブ光フィルタを用いて透過帯域を可変制御する場合と同等の汎用性を備えている。よって、不要光の除去効果、装置コスト、サイズ(実装スペース)および運用性に関してバランスの優れた光受信装置を実現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図7は、本発明の第1実施形態による光受信装置の構成を示すブロック図である。
図7において、光受信装置1は、例えば、光プリアンプ11、分波器12および複数の光受信モジュール13_1〜13_nを備える。
【0019】
光プリアンプ11は、本光受信装置1を用いたWDM伝送システム(図示せず)の光伝送路に接続されており、該光伝送路を伝送されてきたWDM光が入力される。該WDM光は、波長の異なる複数の信号光(チャネル)CH1,CH2,…,CHnを含んでおり、各チャネルCH1〜CHnが光プリアンプ11によって所要のレベルまで一括増幅される。上記光プリアンプ11の構成は、公知のWDM用光増幅器の構成と同様である。なお、ここでは光受信装置1に入力されるWDM光の波長数(チャネル数)をnとしている。
【0020】
分波器12は、光プリアンプ11で一括増幅されたWDM光が入力ポートに与えられ、該WDM光を波長毎に分波する。該分波された各チャネルCH1〜CHnは、分波器12の対応する出力ポートからそれぞれ出力される。上記分波器12の各出力ポートには、光受信モジュール13_1〜13_nがそれぞれ接続される。
【0021】
各光受信モジュール13_1〜13_nは、例えば、縦続接続された前段光増幅部21および後段光増幅部23と、該2段構成の光増幅部21,23の段間に配置された機能部品22と、後段光増幅部23の出力端に接続する周期フィルタ部24と、該周期フィルタ部24の透過光が与えられる受信器25と、該受信器25の出力端に接続する識別再生器26と、をそれぞれ有する。
【0022】
前段および後段光増幅部21,23は、分波器12で分波された単一波長の信号光を所要のレベルまで増幅するものであり、例えば、エルビウム等の希土類が添加された光ファイバを増幅媒体として用いた希土類添加ファイバ増幅器や、半導体光増幅器、高非線形ファイバを増幅媒体とする集中ラマン増幅器などの公知の光増幅器を各段に適用することが可能である。
【0023】
機能部品22は、波長分散補償器または偏波モード分散補償器などを含んでおり、前段光増幅部21で増幅された信号光が与えられ、該信号光についての波長分散補償または偏波モード分散補償などを行うことにより、光伝送路で生じた信号劣化を補償する。この機能部品22には固有の光損失があり、該光損失は後段光増幅部23により補償される。後段光増幅部23からは所望のレベルで一定に制御された信号光が出力される。
【0024】
なお、ここでは光増幅部を2段構成として機能部品22の光損失の補償を行う一例を示したが、前段の光増幅部を省略した1段構成の光増幅器(上述した図4参照)により機能部品22の光損失を補償するようにしてもよい。また、特に図示しないが3段以上の多段増幅構成とすることも可能である。さらに、機能部品22の配置は上記の一例に限定されるものではなく、受信器25前段の光路上の任意の位置に機能部品22を配置することができる。
【0025】
周期フィルタ部24は、不要光が受信器25に入力しないように、受信器25の入力側の光路上に配置される。この周期フィルタ部24の配置は、後段光増幅部23の出力側(3段以上の多段増幅構成の場合は最終段の出力側)の光路上に配置されるのが好ましい。上記周期フィルタ部24は、本光受信装置1で受信されるWDM光に含まれる各信号光の波長間隔(チャネル間隔)に対応して透過率が周期的に変化する透過波長特性を備えている。この周期的な透過波長特性は、基本的に固定であり、透過率が極大になる各ピーク波長がWDM光の各チャネルの中心波長と略一致するように設計されている。また、各ピーク波長を中心とする透過帯域の半値全幅は、各チャネルの中心波長のシフト量を基に決定される波長幅よりも広く、かつ、WDM光のチャネル間隔よりも狭くなるように設計されている。
【0026】
図8は、周期フィルタ部24の透過波長特性の一例を示している。図8において、信号帯域内の太線は、ある単一波長の信号光のスペクトルを示している。この信号光の中心波長はITU等で規定された波長グリッドに対応しており、当該中心スペクトル成分が周期フィルタ部24の対応する透過帯域内となっている。一方、上記信号光の短波長側および長波長側の側波帯成分(前述の図2で説明した受信特性を劣化させる余分な光に相当)は、周期フィルタ部24の隣り合う透過帯域の谷間にあり、周期フィルタ部24によって除去されることになる。また、前段および後段光増幅部21,23で発生する雑音光は、ここでは特に図示していないが、WDM光の信号帯域全体および信号帯域外にわたって広範囲に分布しており、周期フィルタ部24の各透過帯域の谷間に位置する成分が周期フィルタ部24で除去されることになる。
【0027】
上記のような周期的な透過波長特性を有する光フィルタとしては、例えば、ファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating:FBG)、溶融カプラー若しくは平面光導波路回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)等の光の回折現象を利用した一般にインターリーバと呼ばれる光フィルタがある。具体的には、例えば特開2003−35830号公報にマッハツェンダ型のPLCを用いた構成が開示されており、これを応用してインターリーバを実現することが可能である。また、ファブリーペロー干渉計を用いた光フィルタでも上記のような周期的な透過波長特性を実現することができる。ファブリーペロー干渉計では、一対の平行な反射面間の距離に応じて透過率が周期的に変化し、当該周期で繰り返される透過帯域の幅は各反射面の反射率に応じて変わる。なお、周期フィルタ部24の透過波長特性の周期や各透過帯域の幅に関しては、後で具体例を挙げて詳しく説明することにする。
【0028】
受信器25は、周期フィルタ部24の透過した信号光を受信し、該信号光を復調した電気信号を生成して識別再生器26に出力する。識別再生器26は、受信器25の出力信号を用いて受信データを識別再生するための周知の処理を実行する。
【0029】
次に、第1実施形態の動作について説明する。
上記のような構成の光受信装置1では、光伝送路を伝搬したWDM光が光プリアンプ11で一括増幅された後、分波器12で各チャネルCH1〜CHnに分波されて各光受信モジュール13_1〜13_nにそれぞれ送られる。各光受信モジュール13_1〜13_nでは、分波器12から送られてくる各チャネル(単一波長の信号光)が前段光増幅部21に与えられ、該チャネルが所要のレベルまで増幅されて機能部品22に出力される。
【0030】
機能部品22では、前段光増幅部21からの出力光に対する波長分散補償または偏波モード分散補償などが行われることにより、伝送路で生じた信号光の劣化が補償される。このとき、機能部品22の光損失により信号光のパワーが低下するので、該光損失の補償が後段光増幅部23によって行わる。これにより、一定のパワーに調整された信号光が後段光増幅部23より出力される。該後段光増幅部23の出力光には、増幅された単一波長の信号光に加えて、前段および後段光増幅部21,23で発生するASE等の雑音光が含まれ、該雑音光はWDM光の信号帯域を包含した広範な波長範囲にわたって連続的に分布する(上述した図3下段を参照)。このため、後段光増幅部23の出力光は、雑音光のトータルパワーに対する単一波長の信号光のパワーの割合が小さくなっている。
【0031】
上記のような後段光増幅部23の出力光は、周期フィルタ部24に与えられることにより、該周期フィルタ部24の周期的に繰り返される透過帯域に対応した光成分が、周期フィルタ部24を透過して受信器25に送られ、各透過帯域の谷間の帯域(反射帯域)に対応した光成分が、それまで伝搬してきた方向とは反対の方向、または光路の外部に向かう方向に反射される。これにより、周期フィルタ部24の透過光は、当該光受信モジュールで受信処理される単一波長の信号光と、その他の信号光の各波長にそれぞれ対応した不要光とを含むことになる。一方、周期フィルタ部24の反射光は、WDM光に含まれる各信号光の中間の波長にそれぞれ対応した不要光を含むことになる。
【0032】
なお、WDM光の信号帯域外に分布する不要光については、周期フィルタ部24に用いられる具体的な光フィルタの種類に応じて、透過光または反射光に含まれるかが決まる。すなわち、信号帯域外で透過率が高くなる波長特性を持つ光フィルタが用いられる場合は、信号帯域外の不要光が周期フィルタ部24の透過光に含まれることになる。また、信号帯域外で透過率が低くなる波長特性を持つ光フィルタが用いられる場合は、信号帯域外の不要光が周期フィルタ部24の反射光に含まれることになる。さらに、信号帯域内と同様に信号帯域外でも透過率が周期的に変化する波長特性を持つ光フィルタが用いられる場合は、信号帯域外の不要光が周期フィルタ部24の透過光および反射光の双方に含まれることになる。
【0033】
図9は、周期フィルタ部24を透過する不要光のトータルパワーを説明するための概念図である。ただし、ここでは説明を分かり易くするために、WDM光のチャネル数を4とし、不要光のパワーはWDM光の信号帯域内で均一となる平坦な波長特性を持つものとしている。図9の上側は、横軸に波長、縦軸に光パワーをとり、周期フィルタ部24を透過する不要光のパワーの様子を実線で示している。また、図中の破線の位置は各チャネルの中心波長に対応しており、Δλはチャネル間隔を表し、Wは周期フィルタ部24の各透過帯域の半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)を表している。
【0034】
図9の上側に示したように、後段光増幅部23の出力光が周期フィルタ部24に与えられることにより、信号帯域内の不要光が櫛歯型に切り出されて受信器25に送られる。この周期フィルタ部24を透過する不要光のトータルパワー(積分値)は、図9の下側に示すように、WDM光の信号帯域全体が透過帯域となる従来のパッシブ光フィルタ(上述した図5中段を参照)を透過する不要光のトータルパワーと比べて半減するようになる。具体的には、信号帯域全体における不要光のトータルパワーに対して、周期フィルタ部24を透過する不要光のトータルパワーはW/Δλに減少する。よって、受信器25への入力光における不要光のトータルパワーに対する単一波長の信号光のパワーの割合は大きくなる。つまり、周期フィルタ部24の適用による不要光の除去効果は、信号帯域全体が透過帯域となる従来のパッシブ光フィルタを適用した場合よりも大きくなる。
【0035】
ここで、WDM光のチャネル配置に対応した周期フィルタ部24の透過波長特性の具体例を挙げておく。ただし、本発明がこれに限定されることを意味するものではない。
光受信装置1で受信するWDM光のチャネル間隔Δλが1.6nm(200GHz)であり、信号光源の出力波長の変動などによって生じる各チャネルの中心波長のシフト量が±0.1nm以下である場合を想定すると、周期フィルタ部24の周期的に繰り返される透過帯域の中心波長の間隔は1.6nmとなる。また、各透過帯域の半値全幅(3dB透過帯域幅)は、0.2nmより広く、かつ、1.6nmより狭い範囲とすることができる。この半値全幅の上限は、WDM光のチャネル間隔の半分以下とするのが好ましく、半値全幅を0.2nm〜0.8nmの範囲内とすることにより、受信器25への入力光における不要光トータルパワーを3dB以上低減することが可能になる。
【0036】
また、WDM光のチャネル間隔Δλが0.8nm(100GHz)、各チャネルの中心波長のシフト量が±0.1nm以下の場合には、周期フィルタ部24の透過帯域の中心波長の間隔は0.8nmとなる。各透過帯域の半値全幅は0.2nmより広く、かつ、0.8nmより狭い範囲とすることができ、好ましくは0.2nm〜0.4nmとするのがよい。
【0037】
さらに、WDM光のチャネル間隔Δλが0.4nm(50GHz)、各チャネルの中心波長のシフト量が±0.05nm以下の場合には、周期フィルタ部24の透過帯域の中心波長の間隔は0.4nmとなる。各透過帯域の半値全幅は0.1nmより広く、かつ、0.4nmより狭い範囲とすることができ、好ましくは0.1nm〜0.2nmとするのがよい。
【0038】
なお、周期フィルタ部24による不要光の除去効果に関して、上述の図6を参照して説明したような単一波長の信号光に対応した透過帯域を持つアクティブ光フィルタを適用した場合と比べると、周期フィルタ部24の適用による効果は劣ることになる。しかしながら、周期フィルタ部24は、透過波長特性が基本的に固定なパッシブ光フィルタであり、アクティブ光フィルタよりも構造が簡略で低コストかつ複雑な制御機構も必要ない。また、周期フィルタ部24は、WDM光に含まれる各波長の信号光に対して共通のものを適用できるので、アクティブ光フィルタと同等の汎用性も備えている。つまり、周期フィルタ部24が適用された各光受信モジュール13_1〜13nは、光路の切替え等による受信波長の変化にも対応可能であり、フィルタ特性の制御を基本的に必要としない点を考慮するとアクティブ光フィルタよりも運用が容易である。
【0039】
したがって、上述したような周期フィルタ部24を適用した光受信装置1は、不要光の除去効果、並びに、光受信装置のコスト、サイズ(実装スペース)および運用性を総合的に判断すると、最もバランスのとれた構成となっている。
【0040】
次に、本発明による光受信装置の第2実施形態について説明する。
図10は、第2実施形態の光受信装置における各光受信モジュールの要部構成を示した図である。なお、光受信装置全体の構成は上述の図7に示した第1実施形態の場合と同様である。
【0041】
図10において、本実施形態の各光受信モジュール13_1〜13_nは、機能部品22と受信器25の間の光路上に、後段光増幅部23としてエルビウム添加ファイバ増幅器(Erbium Doped Fiber Amplifier:EDFA)がそれぞれ設けられている。このEDFAには、増幅媒体となるエルビウム添加ファイバ(EDF)31の信号出力端側に、ファイバブラッググレーティング(FBG)部31Aが形成されている。EDF31の信号入力端には合波器33が接続されている。この合波器33は、機能部品22から出力された後に分岐器36Aおよび光アイソレータ34Aを通過した信号光と、励起光源(LD)32から出力される励起光とを合波してEDF31に与えている。なお、前述した第1実施形態の場合と同様に、機能部品22は、受信器25前段の光路上の任意の位置に配置可能である。
【0042】
FBG部31Aは、本光受信装置で受信されるWDM光のチャネル間隔に対応した周期的な透過波長特性を有している。このFBG部31Aは、EDF31の信号出力端側の所定位置に紫外線を照射して形成される。具体的な形成方法としては、例えば、上記紫外線の光源として248nmのKr−Fエキシマレーザを用い、該光源から出力される紫外線をEDF31に一定時間照射する。そして、EDF31上での紫外線の照射位置を所望のグレーティング周期分だけずらして再び紫外光を一定時間照射する。この紫外線の照射処理を所定回数繰り返えして行うことによりEDF31上にFBG部31Aが形成される。なお、FBG部31Aの形成方法は上記の一例に限られるものではなく、所望のグレーティング周期に対応させて作成したマスクを使用し、EDF31に対し紫外光を一括露光してFBG部31Aを形成するなどの公知の方法を採用することが可能である。
【0043】
上記のようなFBG部31Aが形成されたEDF31の信号出力端には、光アイソレータ34Bを介してバンドパスフィルタ(BPF)35が接続されている。このBPF35は、WDM光の信号帯域全体が通過帯域となっており、遮断帯域に該当する信号帯域外の不要光を除去する。図11は、FBG部31AおよびBPF35の各透過波長特性を纏めて示したものである。BPF35を通過した光は、分岐器36Bを介して受信器25に送られる。このような構成では、上述した第1実施形態における周期フィルタ部24相当のフィルタ機能が、FBG部31AおよびBPF35の組合せにより実現される。
【0044】
また、上記EDFAは、励起光源32の駆動状態を制御する制御回路38も具備している。制御回路38は、分岐器36Aおよび光検出器(PD)37Aで検出される入力光パワーと、分岐器36Bおよび光検出器(PD)37Bで検出される出力光パワーとに基づいて、出力光パワーが所望のレベルとなるように、励起光源32からEDF31に供給される励起光のパワーをフィードバック制御する。
【0045】
図12は、上記EDF31を伝搬する信号光、励起光および雑音光のパワーの変化を例示している。EDF31の信号入力端側より与えられる励起光は、そのエネルギーがエルビウムイオンに吸収されることで、EDF31を信号出力端方向に伝搬するにつれてパワーが減少して行く。一方、信号光(単一波長の信号光)は、励起されたエルビウムイオンの誘導放出現象により、EDF31を伝搬するにつれてパワーが増加して行く。この信号光の増幅時に発生する雑音光(ASE)は、EDF31内を信号光の伝搬方向と同じ方向(前方向)および反対の方向(後方向)にそれぞれ進む。前方向に進む雑音光のパワーは、EDF31の信号出力端で最も大きくなり、後方向に進む雑音光のパワーは、EDF31の信号入力端で最も大きくなる。
【0046】
上記EDF31内を前方向に進む雑音光は、EDF31の信号出力端側に形成されたFBG部31Aに到達すると、WDM光の各チャネルに対応した成分および信号帯域外の成分がFBG部31Aを透過し、各チャネルの中間の成分はFBG部31Aで反射される。このとき、FBG部31Aの構成が、EDF31の長手方向に対してグレーティング面を所定角度傾斜させたブレーズトブラッググレーティング(Blazed Bragg Grating)、または長周期ファイバグレーティング(Long Period Fiber Grating)となっている場合、FBG部31Aでの反射光はEDF31の外部(クラッド)に放射されるため、信号光と同一方向に進むことはない。
【0047】
なお、ここではFBG部31Aでの反射光がEDF31の外部に放射されるブレーズトブラッググレーティングまたは長周期ファイバグレーティングの適用例を示したが、FBG部31Aのグレーティング面がEDF31の長手方向に対して略垂直に形成されており、該FBG部31Aでの反射光がEDF31内を信号光とは逆方向に進む構成であってもよい。この場合、EDF31内を逆方向に進んだ反射光は光アイソレータ34Aによって減衰される。このため、FBG部31Aでの反射光が機能部品22側に戻されて信号光の品質を劣化させるようなことは生じない。
【0048】
FBG部31Aを透過した光(単一波長の信号光、WDM光の各チャネルに対応した不要光および信号帯域外の不要光)は、光アイソレータ34Bを通過した後にBPF35に与えられ、該BPF35において信号帯域外の不要光が除去される。BPF35を通過した、単一波長の信号光およびWDM光の各チャネルに対応した不要光は、分岐器36Bを介して受信器25に入力され受信処理される。
【0049】
上記のような第2実施形態の光受信装置によれば、各光受信モジュール13_1〜13_nの後段光増幅部23として用いられるEDFAの増幅媒体(EDF31)の信号出力端側に、WDM光の各チャネルに対応した周期性を持つFBG部31Aを形成するようにしたことで、各光受信モジュールの構成の簡略化および小型化が可能になる。また、FBG部31Aと共に、WDM光の信号帯域外の不要光を除去するBPF35を縦続接続したことにより、不要光の除去効果をさらに向上させることが可能になる。
【0050】
上記BPF35による不要光の除去効果の向上は、特に、WDM光の信号帯域がL−バンド(1570〜1600nm)の場合に有効である。すなわち、WDM光の信号帯域がC−バンド(1530〜1560nm)の場合、EDFAは大きい反転分布状態で動作するため、光増幅時に発生する雑音光の波長依存性が大きく、該雑音光のトータルパワーを考えると、信号帯域内の不要光パワーが支配的となる。よって、C−バンドの場合には、FBG部31Aによる信号帯域内の不要光の除去が効果的である。一方、WDM光の信号帯域がL−バンドの場合、EDFAは小さい反転分布状態で動作するため、光増幅時に発生する雑音光の波長依存性が小さく(波長特性の平坦性が高い)、雑音光のトータルパワーを考えると、信号帯域外の不要光パワーも無視できなくなる。よって、L−バンドの場合には、FBG部31Aによる信号帯域内の不要光の除去だけでなく、BPF35による信号帯域外の不要光の除去も併せて行うことが有効となる。
【0051】
なお、上記第2実施形態では、FBG部31Aの透過波長特性が信号帯域外の光を透過する特性である場合に、該FBG部31Aの後段にBPF35を付設して信号帯域外の不要光を除去する一例を示したが、FBG部31Aの透過波長特性が信号帯域外の光を反射する特性である場合には、BPF35を省略することが可能である。この場合のFBG部31Aの具体例を図13に示す。このFBG部31Aの具体例は、WDM光のチャネル数が40に対応しており、各チャネルCH1〜CH40を透過し各々の近傍の不要光N1〜N40を反射する複数のグレーティング要素を有し、これら各チャネルCH1〜CH40に対応した一連のグレーティング要素の前段に、チャネルCH1より短波側帯域の不要光を反射するグレーティング要素、および、チャネルCH40より長波側帯域の不要光を反射するグレーティング要素を設けている。このようなFBG部31Aでは、各チャネルCH1〜CH40の中間の不要光に加えて、WDM光の信号帯域外の不要光がEDF31の外部に放射される。
【0052】
また、上記第2実施形態では、後段光増幅部23として、EDF31に対し励起光が信号入力端から供給される前方励起型のEDFAを適用する構成例を示したが、本発明はこれに限らず、EDFに対し励起光が信号出力端から供給される後方励起型、または、EDFに対し励起光が信号入力端および信号出力端から供給される双方向励起型のEDFAを後段光増幅部23として適用することも可能である。後方励起型または双方向励起型を適用する場合、EDFの信号出力端側に形成されるFBG部の透過波長特性は、WDM光のチャネル間隔に対応した周期性を有すると同時に、励起光を透過可能な特性を持つようにすることが必要になる。具体的に、例えば図14に示すようにFBG部が信号帯域内と同様に信号帯域外でも透過率が周期的に変化する波長特性を有する場合を想定すると、励起光のスペクトル幅は、FBG部の1つの透過帯域の幅よりも広くなるのが一般的であり、このような励起光がそのままFBG部を通過すると励起光の供給パワーが低下してしまうことになる(図14の上段)。これを回避するためには、図示しない波長固定手段を利用して励起光スペクトルを狭帯域化し、FBG部の1つの透過帯域内に励起光スペクトルが収まるようにしておけばよい。
【0053】
次に、本発明による光受信装置の第3実施形態について説明する。
図15は、第3実施形態の光受信装置における各光受信モジュールの要部構成を示した図である。本実施形態の光受信装置は、上述の図10に示した第2実施形態における各光受信モジュールの構成について、FBG部31Aにより反射されてEDF31の外部に放射される不要光のパワーを検出するための不要光パワー検出部40を付設したものである。なお、各光受信モジュール内の上記不要光パワー検出部40以外の構成は第2実施形態の場合と同様であり、また、光受信装置全体の構成は上述の図7に示した第1実施形態の場合と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0054】
図16は、FBG部31Aの構成としてブレーズトブラッググレーティングが採用されている場合の不要光パワー検出部40の具体的な構成例を示している。この図16の例では、不要光パワー検出部40が受光部41および不要光パワー演算回路42から構成される。
【0055】
受光部41は、光受信装置で受信されるWDM光のチャネル数(ここでは40チャネルの例を示す)に対応した受光素子PD1〜PD40が一列に配列されている。各受光素子PD1〜PD40は、FBG部31Aの各グレーティング要素で反射されEDF31の外部に放射される各不要光N1〜N40の光路上に各々の受光面が位置しており、各不要光N1〜N40を光電変換して生成した電気信号を不要光パワー演算回路42に出力する。
【0056】
不要光パワー演算回路42は、受光部41の各受光素子PD1〜PD40からの出力信号に基づいて、FBG部31Aで除去される各チャネルCH1〜CH40近傍の不要光パワーを演算する。該演算結果は、例えば、受信したWDM光の信号対雑音比(OSNR)などを求めるための雑音光に関する情報として外部に通知される。また例えば、不要光パワー演算回路42が、不要光パワーの演算結果に基づいて、前段若しくは後段光増幅部21,23の動作異常、または本光受信装置が適用されるWDM伝送システムの異常を検知し、該異常発生を外部に伝えるためのアラームを発出するようにしてもよい。この異常発生の検知は、具体的には、不要光のトータルパワーの演算値が、正常動作時の不要光トータルパワーの値に応じて定めた閾値よりも大きくなることにより行うことが可能である。
【0057】
上記のような第3実施形態の光受信装置によれば、前述した第2実施形態の場合と同様な不要光の除去効果に加えて、受信光に含まれる不要光をリアルタイムでモニタする機能を簡易に実現することができる。これにより、WDM伝送システムの正常運用の維持管理を容易に行うことが可能になる。
【0058】
なお、上記第3実施形態では、受光部41の各受光素子PD1〜PD40が、FBG部31Aの各グレーティング要素で反射される全ての不要光N1〜N40に対応させて配置される構成例を示したが、例えば、不要光パワー検出部40での検出結果を受信光のOSNRモニタに利用する場合には、単一波長用の光増幅器で発生する雑音光のパワーが最も大きくなる波長帯を選択し、FBG部31Aの各グレーティング要素で反射される各不要光N1〜N40のうちで、前記選択した波長帯に対応する不要光の光路上にのみ受光素子を配置するようにしてもよい。具体的な一例を挙げると、WDM光の信号帯域がC−バンドである場合、EDFAで発生する雑音光のパワーは1530nm付近で最も大きくなる。この場合、FBG部31Aによる反射光のうち、1530nm付近に波長配置されるチャネルCH1近傍の不要光の光路上にのみ受光素子を配置することになる。雑音光のパワーが最も大きくなる波長帯を選択的にモニタする理由は、WDM光の各チャネルを受信処理する際、OSNRが最も悪くなるチャネルの受信特性が問題になるためである。このような構成の適用は、不要光パワー検出部40の構成を簡略なものにできるので、光受信装置の小型化および低コスト化に有効である。
【0059】
また、上記第3実施形態では、FBG部31Aの構成としてブレーズトブラッググレーティングが採用され、FBG部31Aの反射光がEDF31の外部に放射される場合を示したが、不要光パワー検出部40を付設した構成は上記の場合に限定されない。例えば図17に示すように、周期フィルタ部24としてファブリーペロー干渉計を用いた光フィルタ等が採用され、該周期フィルタ部24で除去される不要光が信号光とは逆方向に戻される場合に、EDFA等を用いた後段光増幅部23の出力側に配置される光アイソレータ(図10の34B相当)に代えて、3つのポートを有する光サーキュレータ43を設けるようにする。光サーキュレータ43は、第1ポートにEDF31の信号出力端が接続され、第2ポートに周期フィルタ部24の入力端が接続され、第3ポートに受光器44が接続されている。受光器44の出力信号は、不要光パワー演算回路45に与えられる。
【0060】
上記図17の構成において、周期フィルタ部24で除去され信号光とは逆方向に伝搬する不要光は、光サーキュレータ43の第2ポートから第3ポートを通って受光器44に与えられる。受光器44では、光サーキュレータ43の第3ポートからの不要光が光電変換され、該電気信号が不要光パワー演算回路45に出力される。不要光パワー演算回路45では、第3実施形態の不要光パワー演算回路42と同様にして、受光器44からの出力信号を基にして、周期フィルタ部24で除去された不要光パワーが演算され、該演算結果の外部への通知やアラームの発出が行われる。
【0061】
次に、本発明による光受信装置の第4実施形態について説明する。
図18は、第4実施形態の光受信装置における各光受信モジュールの要部構成を示した図である。本実施形態の光受信装置は、上述の図10に示した第2実施形態における各光受信モジュールの構成について、後段光増幅部23(EDFA)の出力側の光検出器37Bで検出される出力光パワーに基づいて、FBG部31Aの周期的な透過波長特性の微調整(最適化)を行うための透過特性調整回路50を付設したものである。なお、各光受信モジュール内の上記透過特性調整回路50以外の構成は第2実施形態の場合と同様であり、また、光受信装置全体の構成は上述の図7に示した第1実施形態の場合と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0062】
透過特性調整回路50は、光検出器37Bで検出される出力光パワー、すなわち、FBG部31AおよびBPF35の組合せにより、WDM光の各チャネルの中間の不要光およびWDM光の信号帯域外の不要光が除去された光(受信器25への入力光)のパワーに相当するモニタ値を利用し、該モニタ値が最大になるように、FBG部31Aに対して応力を付加する、またはFBG部31Aの温度を調節する。
【0063】
FBG部31Aの透過波長特性は基本的に固定であるが、光ファイバ(EDF31)への応力の付加や温度の変化によってグレーティング間隔等が変わるため、透過波長特性の周期性を微調整することが可能である。受信器25への入力光のパワーは、受信処理するチャネル(単一波長の信号光)の中心波長と、FBG部31Aの該チャネルに対応した透過帯域の中心波長とが一致した場合に最も大きくなる。このため、透過特性調整回路50を設けてFBG部31Aの透過波長特性を最適化することにより、受信特性をより良好なものにできる。
【0064】
上記のような透過特性調整回路50によるFBG部31Aの透過波長特性の最適化は、FBG部31Aの各チャネルに対応した透過帯域の幅Wをより狭くして不要光の除去効果を高めた場合に特に有効である。すなわち、各透過帯域の幅Wが狭くなると、受信チャネルの中心波長が信号光源の波長変動等により少しシフトしただけでも、受信特性の劣化が顕著になる。このため、透過特性調整回路50によりFBG部31Aの透過波長特性を微調整して、受信チャネルの中心波長と透過帯域の中心波長を一致させることにより、不要光を効率的に除くことができるため、受信特性を効果的に改善することができるようになる。
【0065】
なお、上記第4実施形態では、光検出器37Bで検出される出力光パワーを基にFBG部31Aの透過波長特性を微調整する一例を示したが、例えば図19に示すように、受信器25等で行われる誤り証正(Forward Error Correction:FEC)処理における誤り訂正数をFECカウントモニタ51で計数し、所要時間内での誤り訂正数が最小になるようにFBG部31Aの最適化を行うようにしてもよい。また、第2実施形態における各光受信モジュールの構成についてFBG部31Aの透過波長特性の制御(微調整)を行う場合を示したが、例えば図20に示すように、第1実施形態の場合と同様な周期フィルタ部24の透過波長特性を、FECカウントモニタ51のモニタ結果に応じて透過特性調整回路50により最適化することも可能である。
【0066】
さらに、上述した各実施形態の応用例として、本発明の周期フィルタ部は、WDM伝送システムの光受信装置内だけでなく、図21に示すように伝送路60上に配置されているWDM用光増幅器61の出力部、またはWDM用光増幅器61の出力から分波器62の入力までの光路上に周期フィルタ部24を設けるようにしてもよい。これによりWDM用光増幅器61の出力光に含まれる不要光も効率的に取り除くことが可能になる。なお、図21には、ポイント・トゥ・ポイントのシステム構成を例示したが、光分岐挿入(OADM)ノードを含んだリング構成であっても構わない。
【0067】
以上の各実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 複数の信号光が波長多重された波長多重光を、前記複数の信号光にそれぞれ分波する分波器と、
前記複数の信号光をそれぞれ受信処理する複数の光受信モジュールと、を備え、
前記複数の光受信モジュールは、それぞれ、
前記波長多重光の信号帯域内における透過率が該波長多重光に含まれる各信号光の波長間隔に対応して周期的に変化する透過波長特性を有し、該透過波長特性に従って、前記分波器より出力される前記信号光の波長に対応した光を透過する周期フィルタ部と、
前記周期フィルタ部の透過光が入力され、該入力光を復調した電気信号を生成する受信器と、
を具備することを特徴とする光受信装置。
【0068】
(付記2) 付記1に記載の光受信装置であって、
前記複数の光受信モジュールは、それぞれ、
前記分波器から出力される前記信号光の劣化を補償する機能部品と、
前記信号光を増幅して前記機能部品における光損失を補償する光増幅器と、を有し、
前記周期フィルタ部は、前記透過波長特性に従って、前記光増幅器の出力光に含まれる不要光のうちの前記各信号光の波長に対応した成分を透過し、前記不要光のうちの前記各信号光の中間の波長に対応した成分を除去することを特徴とする光受信装置。
【0069】
(付記3) 付記2に記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、透過率が極大になる各ピーク波長が前記波長多重光に含まれる各信号光の中心波長と略一致すると共に、該各ピーク波長を中心とする透過帯域の半値全幅が、前記各信号光の中心波長のシフト量を基に決定される波長幅よりも広く、かつ、前記各信号光の波長間隔よりも狭い、周期的な透過波長特性を有することを特徴とする光受信装置。
【0070】
(付記4) 付記3に記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、前記各透過帯域の半値全幅が前記各信号光の波長間隔の半分以下であることを特徴とする光受信装置。
【0071】
(付記5) 付記1〜4のいずれか1つに記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、前記波長多重光の信号帯域外の不要光を除去可能な透過波長特性を有することを特徴とする光受信装置。
【0072】
(付記6) 付記5に記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、少なくとも前記波長多重光の信号帯域内について周期的な透過波長特性を有する第1光フィルタと、前記波長多重光の信号帯域全体が通過帯域で、かつ、信号帯域外が遮断帯域である第2光フィルタと、を縦続接続して構成されることを特徴とする光受信装置。
【0073】
(付記7) 付記2〜6のいずれか1つに記載の光受信装置であって、
前記光増幅器は、縦続接続された前段光増幅部および後段光増幅部を有し、
前記機能部品は、前記前段および後段光増幅手段の間の光路上に配置されることを特徴とする光受信装置。
【0074】
(付記8) 付記2〜7のいずれか1つに記載の光受信装置であって、
前記光増幅器は、前記機能部品から出力される信号光が一端より入力される希土類添加ファイバ、励起光源および該励起光源から出力される励起光を前記希土類添加ファイバに供給する合波器を有し、前記希土類添加ファイバを伝搬して増幅された信号光を前記希土類添加ファイバの他端より前記受信器に出力し、
前記周期フィルタ部は、前記希土類添加ファイバの信号出力端側に形成したファイバブラッググレーティングを含むことを特徴とする光受信装置。
【0075】
(付記9) 付記8に記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、前記希土類添加ファイバと前記受信器の間の光路上に、前記波長多重光の信号帯域全体が通過帯域で、かつ、信号帯域外が遮断帯域である光フィルタを具備したことを特徴とする光受信装置。
【0076】
(付記10) 付記2〜9のいずれか1つに記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部で除去された不要光のパワーを検出する不要光パワー検出部を備えたことを特徴とする光受信装置。
【0077】
(付記11) 付記10に記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、除去した不要光を、前記光増幅器からの出力光が入力される光路の外部に放射する構成であり、
前記不要光パワー検出部は、前記周期フィルタ部より放射される不要光の光路上に受光面が配置され、該受光面で受光した不要光を電気信号に変換して出力する受光部と、該受光部の出力信号に基づいて、前記周期フィルタ部で除去された不要光のパワーを演算する演算回路と、を有することを特徴とする光受信装置。
【0078】
(付記12) 付記11に記載の光受信装置であって、
前記受光部は、前記周期フィルタ部より放射される不要光のうち、前記光増幅器で発生する雑音光のパワーが最も大きくなる波長帯に対応した不要光のみを選択的に受光することを特徴とする光受信装置。
【0079】
(付記13) 付記10に記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、除去した不要光を、前記光増幅器からの出力光が入力される光路内で信号光とは逆方向に戻す構成であり、
前記不要光パワー検出部は、前記光増幅器および前記周期フィルタ部の間の光路上に挿入した光サーキュレータと、前記周期フィルタ部より逆方向に戻されてきた不要光を前記光サーキュレータで取り出し、該取り出した不要光を電気信号に変換して出力する受光器と、該受光器の出力信号に基づいて、前記周期フィルタ部で除去された不要光のパワーを演算する演算回路と、を有することを特徴とする光受信装置。
【0080】
(付記14) 付記1〜13のいずれか1つに記載の光受信装置であって、
前記受信器における信号光の受信状態に基づいて、前記周期フィルタ部の透過波長特性を調整する透過特性調整回路を備えたことを特徴とする光受信装置。
【0081】
(付記15) 付記14に記載の光受信装置であって、
前記透過特性調整回路は、前記受信器に入力される光のパワーをモニタし、当該モニタ値が最大になるように、前記周期フィルタ部の透過波長特性を調整することを特徴とする光受信装置。
【0082】
(付記16) 付記14に記載の光受信装置であって、
前記透過特性調整回路は、前記受信器における誤り訂正数をカウントし、当該カウント値が最小になるように、前記周期フィルタ部の透過波長特性を調整することを特徴とする光受信装置。
【0083】
(付記17) 付記14〜16のいずれか1つに記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部がファイバブラッググレーティングを用いた光フィルタを含むとき、
前記透過特性調整回路は、前記ファイバブラッググレーティングに付加する応力または温度を変化させることにより、前記ファイバブラッググレーティングの透過波長特性の周期性を調整することを特徴とする光受信装置。
【0084】
(付記18) 複数の信号光が波長多重された波長多重光を光増幅器を用いて増幅して伝送する波長多重伝送システムであって、
前記光増幅器の出力光が伝搬する光路上に配置され、前記波長多重光の信号帯域内における透過率が該波長多重光に含まれる各信号光の波長間隔に対応して周期的に変化する透過波長特性を有し、該透過波長特性に従って、前記光増幅器の出力光に含まれる前記信号光の波長に対応した光を透過する周期フィルタ部を備えたことを特徴とする波長多重伝送システム。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】従来のWDM伝送システムの光受信装置の構成例を示したブロック図である。
【図2】信号光の高速化による信号スペクトルの変化を説明するための図である。
【図3】受信器への入力光に含まれる雑音光について説明するための図である。
【図4】単一波長用の光増幅器で発生する雑音光を光フィルタを用いて除去するようにした従来の構成例を示す図である。
【図5】図4の構成例でパッシブ光フィルタを使用した場合の光スペクトルの一例を示す図である。
【図6】図4の構成例でアクティブ光フィルタを使用した場合の光スペクトルの一例を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態による光受信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】上記第1実施形態における周期フィルタ部の透過波長特性の一例を示す図である。
【図9】上記第1実施形態において周期フィルタ部を透過する不要光のトータルパワーを説明するための概念図である。
【図10】本発明の第2実施形態による光受信装置における各光受信モジュールの要部構成を示す図である。
【図11】上記第2実施形態におけるFBG部およびBPFの各透過波長特性を示す図である。
【図12】上記第2実施形態においてEDFを伝搬する信号光、励起光および雑音光のパワーの変化を例示した図である。
【図13】上記第2実施形態に関連した他のFBG部の具体例を示す図である。
【図14】上記第2実施形態に関連し、後方励起または双方向励起に対応した応用例を示す図である。
【図15】本発明の第3実施形態による光受信装置における各光受信モジュールの要部構成を示す図である。
【図16】上記第3実施形態における不要光パワー検出部の構成例を示す図である。
【図17】上記第3実施形態に関連した他の光受信モジュールの要部構成を示す図である。
【図18】本発明の第4実施形態による光受信装置における各光受信モジュールの要部構成を示す図である。
【図19】上記第4実施形態に関連した他の光受信モジュールの要部構成を示す図である。
【図20】上記第4実施形態に関連した別の光受信モジュールの要部構成を示す図である。
【図21】周期フィルタ部を設けたWDM伝送システムの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1…光受信装置
11…光プリアンプ
12,62…分波器
13_1〜13_n…光受信モジュール
21…前段光増幅部
22…機能部品
23…後段光増幅部
24…周期フィルタ部
25…受信器
26…識別再生器
31…エルビウム添加ファイバ(EDF)
31A…ファイバブラッググレーティング(FBG)部
32…励起光源(LD)
33…合波器
34A,34B…光アイソレータ
35…バンドパスフィルタ(BPF)
36A,36B…分岐器
37A,37B…光検出器(PD)
38…制御回路
40…不要光パワー検出部
41…受光部(PD)
42,45…不要光パワー演算回路
43…光サーキュレータ
44…受光器
50…透過特性調整回路
51…FECカウントモニタ
60…伝送路
61…WDM用光増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の信号光が波長多重された波長多重光を、前記複数の信号光にそれぞれ分波する分波器と、
前記複数の信号光をそれぞれ受信処理する複数の光受信モジュールと、を備え、
前記複数の光受信モジュールは、それぞれ、
前記波長多重光の信号帯域内における透過率が該波長多重光に含まれる各信号光の波長間隔に対応して周期的に変化する透過波長特性を有し、該透過波長特性に従って、前記分波器より出力される前記信号光の波長に対応した光を透過する周期フィルタ部と、
前記周期フィルタ部の透過光が入力され、該入力光を復調した電気信号を生成する受信器と、
を具備することを特徴とする光受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光受信装置であって、
前記複数の光受信モジュールは、それぞれ、
前記分波器から出力される前記信号光の劣化を補償する機能部品と、
前記信号光を増幅して前記機能部品における光損失を補償する光増幅器と、を有し、
前記周期フィルタ部は、前記透過波長特性に従って、前記光増幅器の出力光に含まれる不要光のうちの前記各信号光の波長に対応した成分を透過し、前記不要光のうちの前記各信号光の中間の波長に対応した成分を除去することを特徴とする光受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、透過率が極大になる各ピーク波長が前記波長多重光に含まれる各信号光の中心波長と略一致すると共に、該各ピーク波長を中心とする透過帯域の半値全幅が、前記各信号光の中心波長のシフト量を基に決定される波長幅よりも広く、かつ、前記各信号光の波長間隔よりも狭い、周期的な透過波長特性を有することを特徴とする光受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、前記各透過帯域の半値全幅が前記各信号光の波長間隔の半分以下であることを特徴とする光受信装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、前記波長多重光の信号帯域外の不要光を除去可能な透過波長特性を有することを特徴とする光受信装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1つに記載の光受信装置であって、
前記光増幅器は、前記機能部品から出力される信号光が一端より入力される希土類添加ファイバ、励起光源および該励起光源から出力される励起光を前記希土類添加ファイバに供給する合波器を有し、前記希土類添加ファイバを伝搬して増幅された信号光を前記希土類添加ファイバの他端より前記受信器に出力し、
前記周期フィルタ部は、前記希土類添加ファイバの信号出力端側に形成したファイバブラッググレーティングを含むことを特徴とする光受信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、前記希土類添加ファイバと前記受信器の間の光路上に、前記波長多重光の信号帯域全体が通過帯域で、かつ、信号帯域外が遮断帯域である光フィルタを具備したことを特徴とする光受信装置。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか1つに記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部で除去された不要光のパワーを検出する不要光パワー検出部を備えたことを特徴とする光受信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光受信装置であって、
前記周期フィルタ部は、除去した不要光を、前記光増幅器からの出力光が入力される光路の外部に放射する構成であり、
前記不要光パワー検出部は、前記周期フィルタ部より放射される不要光の光路上に受光面が配置され、該受光面で受光した不要光を電気信号に変換して出力する受光部と、該受光部の出力信号に基づいて、前記周期フィルタ部で除去された不要光のパワーを演算する演算回路と、を有することを特徴とする光受信装置。
【請求項10】
複数の信号光が波長多重された波長多重光を光増幅器を用いて増幅して伝送する波長多重伝送システムであって、
前記光増幅器の出力光が伝搬する光路上に配置され、前記波長多重光の信号帯域内における透過率が該波長多重光に含まれる各信号光の波長間隔に対応して周期的に変化する透過波長特性を有し、該透過波長特性に従って、前記光増幅器の出力光に含まれる前記信号光の波長に対応した光を透過する周期フィルタ部を備えたことを特徴とする波長多重伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−157785(P2010−157785A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333383(P2008−333383)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】