光回路チップ及び光回路チップの製造方法
【課題】従来の光回路チップには、光学特性異常を発生させないように、補強部材の貼り付け位置に制限があった。さらに、近年では、コスト低減のため、光回路チップは縮小化及び複合化されることが多い。縮小化及び複合化された光回路チップは光回路の配置が複雑であり、補強部材の貼り付け位置の制限が多いという課題があった。そこで、本発明は、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置及び入出力導波路の形状に柔軟に対応できる光回路チップ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る光回路チップは、光回路の配置及び入出力導波路の形状に応じた形状の補強部材が基板上に貼り付けられていることを特徴とする。
【解決手段】本発明に係る光回路チップは、光回路の配置及び入出力導波路の形状に応じた形状の補強部材が基板上に貼り付けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板端部の上面に補強部材が貼り付けられた光回路チップ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光回路が形成された基板の端部の上面に補強部材を貼り付け、端面の研磨に耐えられるよう機械的強度を向上させ、外部の光部品との接着面積を広げて接続信頼性を向上させることが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−127365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、補強部材を貼り付けた光回路チップは、偏波依存性ロス(PDL)の増加や中心波長ズレなどの光学特性変化を生じることがある。このような現象について鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは入出力導波路以外の光回路の上に貼り付けた補強部材で応力変化が生じ、光学特性変化が生じてしまうことを見出した。図1のような、光回路11としてアレイ導波路回折格子(AWG)11a及びマッハツェンダー干渉計(MZI)11bが搭載された光回路チップ101で説明する。光回路チップ101では、補強部材3がMZI11bの一部を覆うように貼り付けられている。補強部材3がMZI11bに接触することで応力変化が生じるため、MZI11bの位相がずれて中心波長が変化し、AWGの中心波長との間にずれが生じて図4(a)のような傾いた特性となる。
【0005】
また、入出力導波路の上に補強部材が配置される場合であっても光学特性異常が発生することがある。このような現象についても鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは入出力導波路のうち補強部材の縁に平行な部分(以下、「入出力導波路のうち補強部材の縁に平行な部分」を「平行導波路部」と略記する。)の上に貼り付けた補強部材の境界部分で光学特性変化が生じてしまうことを見出した。図2のような入出力導波路32を搭載する光回路チップ102で説明する。光回路チップ102では、補強部材3が入出力導波路32のうち補強部材3の縁に平行な平行導波路部32aを覆うように貼り付けられている。補強部材3が平行導波路部32aを覆う部分と覆わない部分との境界で図8のような光学特性異常が発生する。図8は、光の一方の偏波(例えばTE)を入力した場合の出力側の偏波消光比をチャンネル毎に示した図である。平行導波路部32aのポート数は64であるが、図2では作図の関係上ポート数を少なく記載している。補強部材3の縁は平行導波路部32aの31チャンネルの上を覆っている。そのため、31チャンネルの偏波消光比が劣化している。
【0006】
このような光学特性異常を発生させないようにするために、補強部材の貼り付け位置を考慮して光回路チップを設計するという新たな課題を生じた。さらに、近年では、コスト低減のため、光回路チップは縮小化及び複合化されることが多い。縮小化及び複合化された光回路チップは光回路の配置が複雑であり、補強部材の貼り付け位置の制限が多いという課題も生じた。
【0007】
そこで、係る課題を解決するため、本発明は、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置及び入出力導波路の形状に柔軟に対応できる光回路チップ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る光回路チップは、光回路の配置及び入出力導波路の形状に応じた形状の補強部材が基板上に貼り付けられていることを特徴とする。
【0009】
具体的には、本発明に係る光回路チップは、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップであって、前記補強部材は、前記光回路に非接触となる形状であることを特徴とする。
【0010】
光回路と補強部材とが非接触であるため、光回路チップの光学特性の異常を回避できる。本発明は、光回路の配置に応じて補強部材の形状を変えることで、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置に柔軟に対応できる光回路チップを提供することができる。
【0011】
また、本発明に係る光回路チップは、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップであって、前記補強部材は、前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となる形状であることを特徴とする。
【0012】
平行導波路部と補強部材とが非接触であるため、光回路チップの光学特性の異常を回避できる。本発明は、入出力導波路の形状に応じて補強部材の形状を変えることで、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、入出力導波路の形状に柔軟に対応できる光回路チップを提供することができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係る光回路チップの製造方法は、光回路の配置及び入出力導波路の形状に応じ、補強部材の形状及び貼り付け位置を調整して補強部材を基板上に貼り付けることを特徴とする。
【0014】
具体的には、本発明に係る光回路チップの製造方法は、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップの製造方法であって、前記補強部材と前記光回路とが非接触となるように前記補強部材を前記基板の上面に貼り付ける工程を有することを特徴とする。
【0015】
本発明は、光回路の配置に応じて補強部材の形状及び貼り付け位置を調整することで、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置に柔軟に対応できる光回路チップの製造方法を提供することができる。
【0016】
また、本発明に係る光回路チップの製造方法は、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップの製造方法であって、前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となるように前記補強部材を前記基板の上面に貼り付ける工程を有することを特徴とする。
【0017】
本発明は、入出力導波路の形状に応じて補強部材の形状及び貼り付け位置を調整することで、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、入出力導波路の形状に柔軟に対応できる光回路チップの製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光学特性異常を発生させないための補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置及び入出力導波路の形状に柔軟に対応できる光回路チップ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】補強部材を搭載した従来の光回路チップの上面図である。
【図2】補強部材を搭載した従来の光回路チップの上面図である。
【図3】本発明に係る光回路チップの概略図である。(a)は上面図である。(b)は側面図である。
【図4】補強部材の貼り付け位置の違いによる光回路チップの光学特性の違いを説明する模式図である。(a)は補強部材を光回路の一部を覆うように貼り付けた場合であり、(b)は 補強部材を光回路に接触しないように貼り付けた場合である。
【図5】本発明に係る光回路チップの概略図(上面図)である。
【図6】本発明に係る光回路チップの概略図である。(a)は上面図である。(b)及び(c)は側面図である。
【図7】本発明に係る光回路チップの概略図である。(a)は上面図である。(b)は側面図である。
【図8】補強部材を平行導波路部の一部を覆うように貼り付けた光回路チップの光学特性を示した図である。
【図9】本発明に係る光回路チップの概略図(上面図)である。
【図10】本発明に係る光回路チップの概略図である。(a)は上面図である。(b)及び(c)は側面図である。
【図11】本実施例の光回路チップの概略図(上面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
本実施形態の光回路チップは、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップであって、前記補強部材は、前記光回路に非接触となる形状であることを特徴とする。
【0022】
図3は、本実施形態の光回路チップ301の構成を示す図である。光回路チップ301は基板10、光回路11、入出力導波路12、入出力導波路22、補強部材3及び補強部材13を備える。図3(a)は上面図であり、図3(b)は側面図である。実際は基板の上面に光回路及び入出力導波路を有する層が形成されるが、本明細書では前記基板及び前記層を含め、基板10として説明する。
【0023】
基板10は、側面に光信号の入出力部19が形成されている。光回路11は、基板10の上面に形成される。光回路チップ301の場合、光回路11は、AWG11a及びMZI11bである。入出力導波路12及び入出力導波路22は、基板10の上面に形成され、光回路11と入出力部19とを接続する。補強部材13は、基板10の上面であり、入出力部19がある縁に入出力導波路12の一部を覆うように貼り付けられる。補強部材13は、光回路11に非接触となる形状である。補強部材3は従来の形状の補強部材でよい。
【0024】
本実施形態の光回路チップ301の製造方法は、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップの製造方法であって、前記補強部材と前記光回路とが非接触となるように前記補強部材を前記基板の上面に貼り付ける工程を有することを特徴とする。
【0025】
光回路チップ301の場合、補強部材13は、図3(b)のように部材の一部を厚み方向に削り、厚みが薄くなっている。補強部材13の一部を削った面を基板10側に向けて基板10に貼り付ける。補強部材13の一部を削った部分は薄くなっているため、補強部材13を基板10に貼り付けると薄くなった部分がブリッジ状になる。そこで、このブリッジ状になった部分が光回路11(光回路チップ301の場合、MZI11b)を跨ぐように、補強部材13を位置合わせして固定する。このように製造することで、補強部材13と光回路11とは非接触となり、光回路11は補強部材13による応力変化を受けないため、光回路チップ301の光学特性の異常は発生しない。
【0026】
補強部材がMZIに接触している光回路チップの特性と、図3の光回路チップ301の特性と、の比較を図4に示す。図4(a)は従来の補強部材をMZIの一部を覆うように貼り付けた場合の光回路チップの透過波長特性である。図4(b)は補強部材13をMZIに接触しないように貼り付けた場合の光回路チップの透過波長特性である。補強部材がMZIに接触することで応力変化が生じるため、MZIの位相がずれて中心波長が変化し、AWGの中心波長との間にずれが生じて図4(a)のような傾いた特性となる。一方、補強部材13の場合、MZIに非接触のためMZIの中心波長とAWGの中心波長とが一致し、図4(b)のような平坦な特性となる。
【0027】
図4で説明したように、光回路チップの光学特性の異常を回避する必要のため、補強部材3のような従来の形状では、補強部材の貼り付け位置や光回路の配置に制限が生ずる。一方、図3のような補強部材13を用いることで、貼り付け位置や光回路の配置の制限を緩和することができる。
【0028】
図5に光回路チップ302を示す。光回路チップ302と図3の光回路チップ301との違いは、補強部材13の代替として補強部材23を備えていることである。補強部材23は、部材の一部を幅方向に削り、幅が狭くなっている。補強部材23の幅が狭くなっている部分で光回路11(光回路チップ302の場合、MZI11b)との接触を回避するように、補強部材23を位置合わせして固定する。このように製造することで、補強部材23と光回路11とは非接触となり、光回路チップ302は図3の光回路チップ301と同様の効果を得ることができる。
【0029】
図6に光回路チップ303を示す。図6(a)は上面図であり、図6(b)及び図6(c)は側面図である。光回路チップ303は図3の光回路チップ301の光回路を2つ複合化して1チップ上に配置したものである。図6では、光回路の符号を省略している。光回路チップ303は、それぞれのMZIとの接触を回避するため、基板10の両端に補強部材13を貼り付けている。このように光回路が複雑化しても補強部材13を用いることで光回路との接触を回避でき、光回路チップ303は図3の光回路チップ301と同様の効果を得ることができる。なお、補強部材23を用いても同様の効果を得ることができる。
【0030】
従って、本実施形態の光回路チップは、光学特性異常を発生させないための補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置に柔軟に対応できる。光回路の配置の自由度が大きくなるため、光回路チップの縮小化及び複合化が容易になり、ウエハ上の光回路チップの集積率が向上して製造のコスト低減を図ることができる。
【0031】
(実施の形態2)
本実施形態の光回路チップは、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップであって、前記補強部材は、前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となる形状であることを特徴とする。
【0032】
図7は、本実施形態の光回路チップ304の構成を示す図である。光回路チップ304は基板10、光回路、入出力導波路12、入出力導波路32及び補強部材33を備える。光回路チップ304の場合、光回路はAWG11aである。入出力導波路32は、基板10の上面に形成され、光回路と入出力部19とを接続する。入出力導波路32と図3で説明した入出力導波路12との違いは、入出力導波路32に基板10の縁と平行となる導波路の部分がある点である。この部分が平行導波路部32aとなる。補強部材33は、基板10の上面であり、入出力部19がある縁に入出力導波路32の一部を覆うように貼り付けられる。補強部材33は、平行導波路部32aに非接触となる形状である。補強部材3は従来の形状の補強部材でよい。
【0033】
本実施形態の光回路チップ304の製造方法は、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップの製造方法であって、前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となるように前記補強部材を前記基板の上面に貼り付ける工程を有することを特徴とする。
【0034】
補強部材33は、図5で説明した補強部材13と同様に、一部を厚み方向に削り薄くし、基板10に貼り合せたときにブリッジ状となる。このブリッジ状になった部分が平行導波路部32aを跨ぐように、補強部材33を位置合わせして固定する。このように製造することで、補強部材33と平行導波路部32aとは非接触となり、補強部材が平行導波路部32aを覆う部分と覆わない部分との境界はなくなる。補強部材33を備えることで、図8で説明した特定のチャンネルの偏波消光比劣化は生じない。
【0035】
従って、光回路チップ304は、光学特性異常を回避でき、補強部材の貼り付け位置や入出力導波路の配置の制限を緩和することができる。
【0036】
図9に光回路チップ305を示す。光回路チップ305と図7の光回路チップ304との違いは、補強部材33の代替として補強部材43を備えていることである。補強部材43は、部材の一部を幅方向に削り、幅が狭くなっている。補強部材43の幅が狭くなっている部分で入出力導波路32との接触を回避するように、補強部材43を位置合わせして固定する。このように製造することで、補強部材43と平行導波路部32aとは非接触となり、光回路チップ305は図7の光回路チップ304と同様の効果を得ることができる。
【0037】
図10に光回路チップ306を示す。図10(a)は上面図であり、図10(b)及び図10(c)は側面図である。光回路チップ306は図7の光回路チップ304の光回路を2つ複合化して1チップ上に配置したものである。図10では、光回路の符号を省略している。光回路チップ306は、それぞれの入出力導波路32との接触を回避するため、基板10の両端に補強部材33を貼り付けている。このように光回路が複雑化しても補強部材33を用いることで平行導波路部32aとの接触を回避でき、光回路チップ306は図7の光回路チップ304と同様の効果を得ることができる。なお、補強部材43を用いても同様の効果を得ることができる。
【0038】
従って、本実施形態の光回路チップは、実施の形態1で説明した光回路チップと同様の効果を得ることができる。
【0039】
(実施の形態3)
図11は、本実施形態の光回路チップ307の構成を示す図である。光回路チップ307は基板10、光回路11、入出力導波路12、入出力導波路22、補強部材3、補強部材53a及び補強部材53bを備える。光回路チップ307の場合、光回路11は、AWG11a及びMZI11bである。光回路チップ307と図3の光回路チップ301との違いは、補強部材13の代替として補強部材53a及び補強部材53bを備える点である。
【0040】
補強部材53a及び補強部材53bは、基板10に貼り合せたときに光回路11と接触しない程度に小さく形成する。補強部材53a及び補強部材53bが小型であるため、端面の研磨工程において、光回路チップ307の機械的強度を増す必要がある。具体的には、図11のように、端面の研磨工程前に補強部材53aと補強部材53bとの間に別途補強部材53cを貼り合せ、研磨工程後に補強部材53cを除去する。
【0041】
このように製造することで、研磨工程における機械的強度を確保しつつ、補強部材53a及び補強部材53bと光部品10とが非接触で光学特性の異常が発生しない光回路チップ307を製造することができる。
【0042】
また、図11に図示していないが、光回路チップ307が入出力導波路22ではなく図7で説明した入出力導波路32を備えている場合も、同様に補強部材を入出力導波路32に接触しない程度小さく形成する。同様に、研磨工程における機械的強度を確保しつつ、補強部材と平行導波路部とが非接触で光学特性の異常が発生しない光回路チップ307を製造することができる。
【符号の説明】
【0043】
101、102、301〜307:光回路チップ
10:基板
11:光回路
11a:アレイ導波路回折格子(AWG)
11b:マッハツェンダー干渉計(MZI)
12、22、32:入出力導波路
3、13、23、33、43、53a、53b、53c:補強部材
32a:平行導波路部
19:入出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板端部の上面に補強部材が貼り付けられた光回路チップ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光回路が形成された基板の端部の上面に補強部材を貼り付け、端面の研磨に耐えられるよう機械的強度を向上させ、外部の光部品との接着面積を広げて接続信頼性を向上させることが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−127365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、補強部材を貼り付けた光回路チップは、偏波依存性ロス(PDL)の増加や中心波長ズレなどの光学特性変化を生じることがある。このような現象について鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは入出力導波路以外の光回路の上に貼り付けた補強部材で応力変化が生じ、光学特性変化が生じてしまうことを見出した。図1のような、光回路11としてアレイ導波路回折格子(AWG)11a及びマッハツェンダー干渉計(MZI)11bが搭載された光回路チップ101で説明する。光回路チップ101では、補強部材3がMZI11bの一部を覆うように貼り付けられている。補強部材3がMZI11bに接触することで応力変化が生じるため、MZI11bの位相がずれて中心波長が変化し、AWGの中心波長との間にずれが生じて図4(a)のような傾いた特性となる。
【0005】
また、入出力導波路の上に補強部材が配置される場合であっても光学特性異常が発生することがある。このような現象についても鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは入出力導波路のうち補強部材の縁に平行な部分(以下、「入出力導波路のうち補強部材の縁に平行な部分」を「平行導波路部」と略記する。)の上に貼り付けた補強部材の境界部分で光学特性変化が生じてしまうことを見出した。図2のような入出力導波路32を搭載する光回路チップ102で説明する。光回路チップ102では、補強部材3が入出力導波路32のうち補強部材3の縁に平行な平行導波路部32aを覆うように貼り付けられている。補強部材3が平行導波路部32aを覆う部分と覆わない部分との境界で図8のような光学特性異常が発生する。図8は、光の一方の偏波(例えばTE)を入力した場合の出力側の偏波消光比をチャンネル毎に示した図である。平行導波路部32aのポート数は64であるが、図2では作図の関係上ポート数を少なく記載している。補強部材3の縁は平行導波路部32aの31チャンネルの上を覆っている。そのため、31チャンネルの偏波消光比が劣化している。
【0006】
このような光学特性異常を発生させないようにするために、補強部材の貼り付け位置を考慮して光回路チップを設計するという新たな課題を生じた。さらに、近年では、コスト低減のため、光回路チップは縮小化及び複合化されることが多い。縮小化及び複合化された光回路チップは光回路の配置が複雑であり、補強部材の貼り付け位置の制限が多いという課題も生じた。
【0007】
そこで、係る課題を解決するため、本発明は、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置及び入出力導波路の形状に柔軟に対応できる光回路チップ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る光回路チップは、光回路の配置及び入出力導波路の形状に応じた形状の補強部材が基板上に貼り付けられていることを特徴とする。
【0009】
具体的には、本発明に係る光回路チップは、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップであって、前記補強部材は、前記光回路に非接触となる形状であることを特徴とする。
【0010】
光回路と補強部材とが非接触であるため、光回路チップの光学特性の異常を回避できる。本発明は、光回路の配置に応じて補強部材の形状を変えることで、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置に柔軟に対応できる光回路チップを提供することができる。
【0011】
また、本発明に係る光回路チップは、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップであって、前記補強部材は、前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となる形状であることを特徴とする。
【0012】
平行導波路部と補強部材とが非接触であるため、光回路チップの光学特性の異常を回避できる。本発明は、入出力導波路の形状に応じて補強部材の形状を変えることで、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、入出力導波路の形状に柔軟に対応できる光回路チップを提供することができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係る光回路チップの製造方法は、光回路の配置及び入出力導波路の形状に応じ、補強部材の形状及び貼り付け位置を調整して補強部材を基板上に貼り付けることを特徴とする。
【0014】
具体的には、本発明に係る光回路チップの製造方法は、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップの製造方法であって、前記補強部材と前記光回路とが非接触となるように前記補強部材を前記基板の上面に貼り付ける工程を有することを特徴とする。
【0015】
本発明は、光回路の配置に応じて補強部材の形状及び貼り付け位置を調整することで、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置に柔軟に対応できる光回路チップの製造方法を提供することができる。
【0016】
また、本発明に係る光回路チップの製造方法は、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップの製造方法であって、前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となるように前記補強部材を前記基板の上面に貼り付ける工程を有することを特徴とする。
【0017】
本発明は、入出力導波路の形状に応じて補強部材の形状及び貼り付け位置を調整することで、補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、入出力導波路の形状に柔軟に対応できる光回路チップの製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光学特性異常を発生させないための補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置及び入出力導波路の形状に柔軟に対応できる光回路チップ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】補強部材を搭載した従来の光回路チップの上面図である。
【図2】補強部材を搭載した従来の光回路チップの上面図である。
【図3】本発明に係る光回路チップの概略図である。(a)は上面図である。(b)は側面図である。
【図4】補強部材の貼り付け位置の違いによる光回路チップの光学特性の違いを説明する模式図である。(a)は補強部材を光回路の一部を覆うように貼り付けた場合であり、(b)は 補強部材を光回路に接触しないように貼り付けた場合である。
【図5】本発明に係る光回路チップの概略図(上面図)である。
【図6】本発明に係る光回路チップの概略図である。(a)は上面図である。(b)及び(c)は側面図である。
【図7】本発明に係る光回路チップの概略図である。(a)は上面図である。(b)は側面図である。
【図8】補強部材を平行導波路部の一部を覆うように貼り付けた光回路チップの光学特性を示した図である。
【図9】本発明に係る光回路チップの概略図(上面図)である。
【図10】本発明に係る光回路チップの概略図である。(a)は上面図である。(b)及び(c)は側面図である。
【図11】本実施例の光回路チップの概略図(上面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
本実施形態の光回路チップは、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップであって、前記補強部材は、前記光回路に非接触となる形状であることを特徴とする。
【0022】
図3は、本実施形態の光回路チップ301の構成を示す図である。光回路チップ301は基板10、光回路11、入出力導波路12、入出力導波路22、補強部材3及び補強部材13を備える。図3(a)は上面図であり、図3(b)は側面図である。実際は基板の上面に光回路及び入出力導波路を有する層が形成されるが、本明細書では前記基板及び前記層を含め、基板10として説明する。
【0023】
基板10は、側面に光信号の入出力部19が形成されている。光回路11は、基板10の上面に形成される。光回路チップ301の場合、光回路11は、AWG11a及びMZI11bである。入出力導波路12及び入出力導波路22は、基板10の上面に形成され、光回路11と入出力部19とを接続する。補強部材13は、基板10の上面であり、入出力部19がある縁に入出力導波路12の一部を覆うように貼り付けられる。補強部材13は、光回路11に非接触となる形状である。補強部材3は従来の形状の補強部材でよい。
【0024】
本実施形態の光回路チップ301の製造方法は、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップの製造方法であって、前記補強部材と前記光回路とが非接触となるように前記補強部材を前記基板の上面に貼り付ける工程を有することを特徴とする。
【0025】
光回路チップ301の場合、補強部材13は、図3(b)のように部材の一部を厚み方向に削り、厚みが薄くなっている。補強部材13の一部を削った面を基板10側に向けて基板10に貼り付ける。補強部材13の一部を削った部分は薄くなっているため、補強部材13を基板10に貼り付けると薄くなった部分がブリッジ状になる。そこで、このブリッジ状になった部分が光回路11(光回路チップ301の場合、MZI11b)を跨ぐように、補強部材13を位置合わせして固定する。このように製造することで、補強部材13と光回路11とは非接触となり、光回路11は補強部材13による応力変化を受けないため、光回路チップ301の光学特性の異常は発生しない。
【0026】
補強部材がMZIに接触している光回路チップの特性と、図3の光回路チップ301の特性と、の比較を図4に示す。図4(a)は従来の補強部材をMZIの一部を覆うように貼り付けた場合の光回路チップの透過波長特性である。図4(b)は補強部材13をMZIに接触しないように貼り付けた場合の光回路チップの透過波長特性である。補強部材がMZIに接触することで応力変化が生じるため、MZIの位相がずれて中心波長が変化し、AWGの中心波長との間にずれが生じて図4(a)のような傾いた特性となる。一方、補強部材13の場合、MZIに非接触のためMZIの中心波長とAWGの中心波長とが一致し、図4(b)のような平坦な特性となる。
【0027】
図4で説明したように、光回路チップの光学特性の異常を回避する必要のため、補強部材3のような従来の形状では、補強部材の貼り付け位置や光回路の配置に制限が生ずる。一方、図3のような補強部材13を用いることで、貼り付け位置や光回路の配置の制限を緩和することができる。
【0028】
図5に光回路チップ302を示す。光回路チップ302と図3の光回路チップ301との違いは、補強部材13の代替として補強部材23を備えていることである。補強部材23は、部材の一部を幅方向に削り、幅が狭くなっている。補強部材23の幅が狭くなっている部分で光回路11(光回路チップ302の場合、MZI11b)との接触を回避するように、補強部材23を位置合わせして固定する。このように製造することで、補強部材23と光回路11とは非接触となり、光回路チップ302は図3の光回路チップ301と同様の効果を得ることができる。
【0029】
図6に光回路チップ303を示す。図6(a)は上面図であり、図6(b)及び図6(c)は側面図である。光回路チップ303は図3の光回路チップ301の光回路を2つ複合化して1チップ上に配置したものである。図6では、光回路の符号を省略している。光回路チップ303は、それぞれのMZIとの接触を回避するため、基板10の両端に補強部材13を貼り付けている。このように光回路が複雑化しても補強部材13を用いることで光回路との接触を回避でき、光回路チップ303は図3の光回路チップ301と同様の効果を得ることができる。なお、補強部材23を用いても同様の効果を得ることができる。
【0030】
従って、本実施形態の光回路チップは、光学特性異常を発生させないための補強部材の貼り付け位置の制限を緩和し、複雑な光回路配置に柔軟に対応できる。光回路の配置の自由度が大きくなるため、光回路チップの縮小化及び複合化が容易になり、ウエハ上の光回路チップの集積率が向上して製造のコスト低減を図ることができる。
【0031】
(実施の形態2)
本実施形態の光回路チップは、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップであって、前記補強部材は、前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となる形状であることを特徴とする。
【0032】
図7は、本実施形態の光回路チップ304の構成を示す図である。光回路チップ304は基板10、光回路、入出力導波路12、入出力導波路32及び補強部材33を備える。光回路チップ304の場合、光回路はAWG11aである。入出力導波路32は、基板10の上面に形成され、光回路と入出力部19とを接続する。入出力導波路32と図3で説明した入出力導波路12との違いは、入出力導波路32に基板10の縁と平行となる導波路の部分がある点である。この部分が平行導波路部32aとなる。補強部材33は、基板10の上面であり、入出力部19がある縁に入出力導波路32の一部を覆うように貼り付けられる。補強部材33は、平行導波路部32aに非接触となる形状である。補強部材3は従来の形状の補強部材でよい。
【0033】
本実施形態の光回路チップ304の製造方法は、上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、を備える光回路チップの製造方法であって、前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となるように前記補強部材を前記基板の上面に貼り付ける工程を有することを特徴とする。
【0034】
補強部材33は、図5で説明した補強部材13と同様に、一部を厚み方向に削り薄くし、基板10に貼り合せたときにブリッジ状となる。このブリッジ状になった部分が平行導波路部32aを跨ぐように、補強部材33を位置合わせして固定する。このように製造することで、補強部材33と平行導波路部32aとは非接触となり、補強部材が平行導波路部32aを覆う部分と覆わない部分との境界はなくなる。補強部材33を備えることで、図8で説明した特定のチャンネルの偏波消光比劣化は生じない。
【0035】
従って、光回路チップ304は、光学特性異常を回避でき、補強部材の貼り付け位置や入出力導波路の配置の制限を緩和することができる。
【0036】
図9に光回路チップ305を示す。光回路チップ305と図7の光回路チップ304との違いは、補強部材33の代替として補強部材43を備えていることである。補強部材43は、部材の一部を幅方向に削り、幅が狭くなっている。補強部材43の幅が狭くなっている部分で入出力導波路32との接触を回避するように、補強部材43を位置合わせして固定する。このように製造することで、補強部材43と平行導波路部32aとは非接触となり、光回路チップ305は図7の光回路チップ304と同様の効果を得ることができる。
【0037】
図10に光回路チップ306を示す。図10(a)は上面図であり、図10(b)及び図10(c)は側面図である。光回路チップ306は図7の光回路チップ304の光回路を2つ複合化して1チップ上に配置したものである。図10では、光回路の符号を省略している。光回路チップ306は、それぞれの入出力導波路32との接触を回避するため、基板10の両端に補強部材33を貼り付けている。このように光回路が複雑化しても補強部材33を用いることで平行導波路部32aとの接触を回避でき、光回路チップ306は図7の光回路チップ304と同様の効果を得ることができる。なお、補強部材43を用いても同様の効果を得ることができる。
【0038】
従って、本実施形態の光回路チップは、実施の形態1で説明した光回路チップと同様の効果を得ることができる。
【0039】
(実施の形態3)
図11は、本実施形態の光回路チップ307の構成を示す図である。光回路チップ307は基板10、光回路11、入出力導波路12、入出力導波路22、補強部材3、補強部材53a及び補強部材53bを備える。光回路チップ307の場合、光回路11は、AWG11a及びMZI11bである。光回路チップ307と図3の光回路チップ301との違いは、補強部材13の代替として補強部材53a及び補強部材53bを備える点である。
【0040】
補強部材53a及び補強部材53bは、基板10に貼り合せたときに光回路11と接触しない程度に小さく形成する。補強部材53a及び補強部材53bが小型であるため、端面の研磨工程において、光回路チップ307の機械的強度を増す必要がある。具体的には、図11のように、端面の研磨工程前に補強部材53aと補強部材53bとの間に別途補強部材53cを貼り合せ、研磨工程後に補強部材53cを除去する。
【0041】
このように製造することで、研磨工程における機械的強度を確保しつつ、補強部材53a及び補強部材53bと光部品10とが非接触で光学特性の異常が発生しない光回路チップ307を製造することができる。
【0042】
また、図11に図示していないが、光回路チップ307が入出力導波路22ではなく図7で説明した入出力導波路32を備えている場合も、同様に補強部材を入出力導波路32に接触しない程度小さく形成する。同様に、研磨工程における機械的強度を確保しつつ、補強部材と平行導波路部とが非接触で光学特性の異常が発生しない光回路チップ307を製造することができる。
【符号の説明】
【0043】
101、102、301〜307:光回路チップ
10:基板
11:光回路
11a:アレイ導波路回折格子(AWG)
11b:マッハツェンダー干渉計(MZI)
12、22、32:入出力導波路
3、13、23、33、43、53a、53b、53c:補強部材
32a:平行導波路部
19:入出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、
前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、
を備える光回路チップであって、
前記補強部材は、前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となる形状であることを特徴とする光回路チップ。
【請求項2】
前記補強部材は、一部に厚み方向に薄いブリッジ部を有し、前記ブリッジ部が前記入出力導波路のうちの前記平行な部分を跨ぐことを特徴とする請求項1に記載の光回路チップ。
【請求項3】
前記補強部材は、幅方向に幅が狭い部分を有し、前記幅が狭い部分で前記入出力導波路のうちの前記平行の部分との接触を回避することを特徴とする請求項1に記載の光回路チップ。
【請求項4】
上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、
前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、
を備える光回路チップの製造方法であって、
前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となるように前記補強部材を前記基板の上面に貼り付ける工程を有することを特徴とする光回路チップの製造方法。
【請求項5】
前記貼り付ける工程は、
前記補強部材が一部に厚み方向に薄いブリッジ部を有しており、前記ブリッジ部が前記入出力導波路のうちの前記平行な部分を跨ぐように前記補強部材を前記基板の貼り付けることを特徴とする請求項4に記載の光回路チップの製造方法。
【請求項6】
前記貼り付ける工程は、
前記補強部材が幅方向に幅が狭い部分を有しており、前記幅が狭い部分で前記入出力導波路のうちの前記平行の部分との接触を回避するように前記補強部材を前記基板の貼り付けることを特徴とする請求項4に記載の光回路チップの製造方法。
【請求項1】
上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、
前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、
を備える光回路チップであって、
前記補強部材は、前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となる形状であることを特徴とする光回路チップ。
【請求項2】
前記補強部材は、一部に厚み方向に薄いブリッジ部を有し、前記ブリッジ部が前記入出力導波路のうちの前記平行な部分を跨ぐことを特徴とする請求項1に記載の光回路チップ。
【請求項3】
前記補強部材は、幅方向に幅が狭い部分を有し、前記幅が狭い部分で前記入出力導波路のうちの前記平行の部分との接触を回避することを特徴とする請求項1に記載の光回路チップ。
【請求項4】
上面に光回路及び前記光回路と接続する入出力導波路が形成される基板と、
前記入出力導波路の一部を覆うように前記基板の縁の上に貼り付けられる補強部材と、
を備える光回路チップの製造方法であって、
前記補強部材の縁と前記入出力導波路のうち前記補強部材の縁に平行な部分とが非接触となるように前記補強部材を前記基板の上面に貼り付ける工程を有することを特徴とする光回路チップの製造方法。
【請求項5】
前記貼り付ける工程は、
前記補強部材が一部に厚み方向に薄いブリッジ部を有しており、前記ブリッジ部が前記入出力導波路のうちの前記平行な部分を跨ぐように前記補強部材を前記基板の貼り付けることを特徴とする請求項4に記載の光回路チップの製造方法。
【請求項6】
前記貼り付ける工程は、
前記補強部材が幅方向に幅が狭い部分を有しており、前記幅が狭い部分で前記入出力導波路のうちの前記平行の部分との接触を回避するように前記補強部材を前記基板の貼り付けることを特徴とする請求項4に記載の光回路チップの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−118444(P2011−118444A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65306(P2011−65306)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【分割の表示】特願2007−212080(P2007−212080)の分割
【原出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【分割の表示】特願2007−212080(P2007−212080)の分割
【原出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】
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