説明

光増幅部品、及び、それを用いた光ファイバ増幅器及びファイバレーザ装置

【課題】 放熱性に優れる光増幅部品、及び、それを用いた光ファイバ増幅器及びファイバレーザ装置を提供する。
【解決手段】 光増幅部品50は、活性元素が添加されるコア41と、励起光を伝播するクラッド42とを有する増幅用光ファイバ40と、励起光を伝播するコア31を有する励起ファイバとを備え、増幅用光ファイバ40は、クラッド42の中心軸が平面FS上に位置するように渦巻状に巻回された盤状の巻回部45を有し、巻回部45において、クラッド42の側面が、一方の盤面を形成するように平面状に露出され、励起ファイバ30は、コア31の中心軸が平面FS上に位置するように渦巻状に巻回され他盤状の巻回部35を有し、巻回部35において、コア31の側面が、一方の盤面を形成するように平面状に露出され、増幅用光ファイバ40のクラッド42の露出面46と、励起ファイバ30のコア31の露出面36とが、対向して接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱性に優れる光増幅部品、及び、それを用いた光ファイバ増幅器及びファイバレーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
増幅用光ファイバを用いたファイバレーザ装置は、集光性に優れ、パワー密度が高い小さなビームスポットが得られ、更に、非接触加工が可能であることから、レーザ加工分野、医療分野等、様々な分野において用いられている。特に加工分野や医療分野において用いられるファイバレーザ装置においては、高出力化がされている。
【0003】
ファイバレーザ装置に用いる増幅用光ファイバとしては、活性元素が添加されたコアと、コアの外周面を覆うクラッドとを備えている。そして、増幅用光ファイバのクラッドを伝播する励起光が活性元素に吸収されることで、活性元素が励起状態とされて、励起状態とされた活性元素の誘導放出により、コアを伝播する被増幅光が増幅されて出射されるというものである。クラッドに励起光を入射する方式としては、増幅用光ファイバの端面から励起光を入射するエンドポンプ方式と、増幅用光ファイバの側面から励起光を入射するサイドポンプ方式とが知られている。サイドポンプ方式は、増幅用光ファイバの長手方向に沿って、徐々に励起光を入射することが可能であり、局所的に励起光の強度が強くなることを防止できる等のメリットがある。
【0004】
下記特許文献1においては、このようなサイドポンプを用いて、増幅用光ファイバに励起光を入射する内容が記載されている。具体的には、増幅用光ファイバに励起ファイバが沿って設けられている。そして、増幅用光ファイバと励起ファイバとが沿っている部分が、ループを描くように幾重にも巻きつけられたり、折り曲げられたりして、束ねられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0174857号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献におけるサイドポンプ方式によれば、互いに沿わされた増幅用光ファイバと励起ファイバとが束ねられているため、放熱性が悪いという問題を有している。
【0007】
そこで、本発明は、放熱性に優れる光増幅部品、及び、それを用いた光ファイバ増幅器及びファイバレーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の光増幅部品は、活性元素が添加されるコアと、前記活性元素を励起する励起光を伝播するクラッドと、を有する増幅用光ファイバと、前記励起光を伝播するコアを有する励起ファイバと、を備え、前記増幅用光ファイバは、前記クラッドの中心軸が平面上に位置するように渦巻状に巻回された盤状の巻回部を有し、前記増幅用光ファイバの前記巻回部において、前記クラッドの側面が、一方の盤面を形成するように平面状に露出され、前記励起ファイバは、前記コアの中心軸が平面上に位置するように渦巻状に巻回された盤状の巻回部を有し、前記励起ファイバの前記巻回部において、前記コアの側面が、一方の盤面を形成するように平面状に露出され、前記増幅用光ファイバの前記クラッドの前記露出面と、前記励起ファイバの前記コアの前記露出面とが、対向して接続されることを特徴とするものである。
【0009】
このような光増幅部品においては、側面が平面状に露出した増幅用光ファイバのクラッドと、側面が平面上に露出した励起ファイバのコアとが接続されている。従って、増幅用光ファイバのクラッドに対して、側面から励起光を入射することができ、サイドポンプが実現できる。そして、増幅用光ファイバが、クラッドの中心軸が平面上に位置するように渦巻状に巻かれ、かつ、励起ファイバが、前記コアの中心軸が平面上に位置するように渦巻状に巻回され、それぞれの巻回部は、盤状(通常は円盤状)とされる。従って、特許文献1のように増幅用光ファイバ及び励起ファイバが束ねられる場合と比べて、光増幅部品の表面積を増やすことができ、放熱性に優れた構造とすることができる。
【0010】
さらに、前記増幅用光ファイバと前記励起ファイバとが、互いに非平行に巻回されていることが好ましい。
【0011】
この場合、励起ファイバに沿って進む励起光が、増幅用光ファイバに入射するときに、励起光の進行方向が乱れる。従って、増幅用光ファイバ内における励起光のスキューモードを抑制することができる。
【0012】
この場合においては、前記増幅用光ファイバと前記励起ファイバとが、互いに逆向きに巻回されていることとしても良い。
【0013】
こうすることにより、確実に増幅用光ファイバと励起ファイバとを非平行にすることができる。
【0014】
或いは、前記増幅用光ファイバと前記励起ファイバとが、互いに平行に巻回されていることが好ましい。
【0015】
増幅用光ファイバと励起ファイバとが平行に沿っていることで、励起ファイバの露出面と増幅用光ファイバの露出面とが接続される面積をより大きくすることができ、励起ファイバから増幅用光ファイバにより多くの励起光を入射することができる。
【0016】
また、前記増幅用光ファイバの前記クラッドは、前記活性元素が添加されるコアを囲みガラスから構成される内部クラッドと、前記内部クラッドを囲み前記内部クラッドと屈折率が同等の樹脂から成る外部クラッドと、から成り、前記外部クラッドの一部が平面状に露出されることが好ましい。
【0017】
樹脂は、容易に切削や研磨を行うことができるため、樹脂から成る外部クラッドを有することにより、切削や研磨等により容易に増幅用光ファイバのクラッドを平面状に露出させることができる。また、内部クラッドがガラスから構成されるため、励起光の損失を少なくすることができる。
【0018】
また、前記励起ファイバの前記コアは、ガラスから構成される内部コアと、前記内部コアを囲み前記内部コアと屈折率が同等の樹脂から成る外部コアと、から成り、前記外部コアの一部が平面状に露出されることが好ましい。
【0019】
励起ファイバにおいても、樹脂から成る外部コアを有することにより、切削や研磨等により容易にコアを平面状に露出させることができる。また、内部コアがガラスから構成されるため、励起光の損失を少なくすることができる。
【0020】
また、前記増幅用光ファイバの前記巻回部、及び、前記励起ファイバの前記巻回部は、前記励起ファイバの前記コアと前記増幅用光ファイバの前記クラッドとが接続されている部分を除き、前記励起ファイバの前記コア、及び、前記増幅用光ファイバの前記クラッドよりも屈折率が低い低屈折率樹脂で覆われていることが好ましい。
【0021】
このような構成にすることで、励起ファイバのコアにおける露出面と、増幅用光ファイバのクラッドにおける露出面とが、完全に一致して接続されず、少なくとも一方の露出面の一部が他方の露出面と重ならない場合であっても、低屈折率樹脂により、励起光が、励起ファイバのコア、或いは、増幅用光ファイバのクラッドから放出されることを抑制することができる。
【0022】
また、前記励起ファイバの前記露出面と反対側、及び、前記増幅用光ファイバの前記露出面と反対側の少なくとも一方は、ヒートシンクに接続されることが好ましい。
【0023】
ヒートシンクを設けることにより、より放熱性を向上させることができる。また、上述のように励起ファイバ及び増幅用光ファイバが渦巻状に巻回されている巻回部は、全体として、盤状になる。従って、ヒートシンクの接続面を平面にすることができ、容易にヒートシンクを設けることができる。
【0024】
また、前記励起ファイバと同様の励起ファイバを第2励起ファイバとして更に備え、前記第2励起ファイバは、コアの中心軸が平面上に位置するように渦巻状に巻回された盤状の巻回部を有し、前記第2励起ファイバの前記巻回部において、前記コアの側面が、一方の盤面を形成するように平面状に露出され、前記増幅用光ファイバは、前記励起ファイバと接続される前記露出面と反対側の側面が、他方の盤面を形成するように平面状に露出され、前記増幅用光ファイバの前記クラッドにおける前記励起ファイバと接続される前記露出面と反対側の露出面と、前記第2励起ファイバの前記コアの露出面とが、対向して接続されることが好ましい。
【0025】
このように増幅用光ファイバを励起ファイバと第2励起ファイバとで挟んで、励起ファイバ、第2励起ファイバのそれぞれによりサイドポンプを実現することで、より強度の強い励起光を増幅用光ファイバに導入することができる。従って、レーザ出力をより強くすることができる。
【0026】
また、本発明の光ファイバ増幅器は、上記のいずれかに記載の光増幅部品と、前記励起ファイバの前記コアに入射される前記励起光を出射する励起光源と、を備えることを特徴とするものである。
【0027】
このような光ファイバ増幅器においては、光増幅部品が放熱性に優れるため、優れた信頼性を有することができる。
【0028】
また、本発明のファイバレーザ装置は、上記のいずれかに記載の光増幅部品と、前記増幅用光ファイバの前記コアに入射される種光を出射する種光源と、前記励起ファイバの前記コアに入射される前記励起光を出射する励起光源と、を備えることを特徴とするものである。
【0029】
或いは、本発明のファイバレーザ装置は、上記のいずれかに記載の光増幅部品と、前記励起ファイバの前記コアに入射される前記励起光を出射する励起光源と、前記増幅用光ファイバの一端側に設けられ、前記励起光により励起された前記活性元素が放出する光の少なくとも一部を反射するミラーと、前記増幅用光ファイバの他端側に設けられ、前記第1ミラーが反射する光を前記第1ミラーよりも低い反射率で反射する第2ミラーと、を備えることを特徴とするものである。
【0030】
これらのファイバレーザ装置においては、光増幅部品が放熱性に優れるため、優れた信頼性を有することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明によれば、放熱性に優れる光増幅部品、及び、それを用いた光ファイバ増幅器及びファイバレーザ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係るファイバレーザ装置を示す図である。
【図2】図1の励起ファイバの長手方向に垂直な断面における構造の様子を示す図である。
【図3】図1の増幅用光ファイバの長手方向に垂直な断面における構造の様子を示す図である。
【図4】図1の光増幅部品から励起ファイバ及び増幅用光ファイバを抽出して分解した図である。
【図5】図1の光増幅部品のV−V線における断面の構造の様子を示す図である。
【図6】励起ファイバの一部の拡大図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る励起ファイバの長手方向に垂直な断面における構造の様子を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る増幅用光ファイバの長手方向に垂直な断面における構造の様子を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る光増幅部品を図5と同じ視点で示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る光増幅部品を図5と同じ視点で示す図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る光増幅部品を図4と同様に示す図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係る光増幅部品を図5と同じ視点で示す図である。
【図13】本発明の第6実施形態に係るファイバレーザ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の光増幅部品、及び、これを用いた光ファイバ増幅器、ファイバレーザ装置の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るファイバレーザ装置1を示す図である。
【0035】
図1に示すように、ファイバレーザ装置1は、種光を出射する種光源10と、種光を増幅する光ファイバ増幅器5とを備え、光ファイバ増幅器5は、励起光を出射する励起光源20と、励起光源から出射される励起光を伝播する励起ファイバ30、及び、種光及び励起光が入射する増幅用光ファイバ40を備える光増幅部品50と、を主な構成として備える。つまり、ファイバレーザ装置1は、種光源10及び光ファイバ増幅器5によるMO−PA(Master Oscillator - Power Amplifier)型のファイバレーザ装置とされる。
【0036】
種光源10は、例えば、レーザダイオードから成るレーザ光源や、ファブリペロー型やファイバリング型のファイバレーザ装置から構成されている。この種光源10から出射される種光は、特に制限されるものではないが、例えば、後述のように増幅用光ファイバ40にイッテルビウム(Yb)が添加される場合、波長が1070nmのレーザ光とされる。また、種光源10は、コア、及び、コアを被覆するクラッドから構成される種光用ファイバ15に接続されており、種光源10から出射される種光は、種光用ファイバ15のコアを伝播する。種光用ファイバ15としては、例えば、シングルモードファイバが挙げられ、この場合、種光は種光用ファイバ15をシングルモード光として伝播する。
【0037】
励起光源20は、複数のレーザダイオード21から構成される。それぞれのレーザダイオード21から出射される励起光は、特に制限されるものではないが、例えば、後述のように増幅用光ファイバ40にYbが添加される場合、波長が915nmのレーザ光とされる。また、それぞれの励起光源20のレーザダイオード21は、励起ポート22に接続されており、レーザダイオード21から出射される励起光は、励起ポート22を伝播する。励起ポート22としては、例えば、マルチモードファイバを挙げることができ、この場合、励起光は励起ポート22をマルチモード光として伝播する。そして、それぞれの励起ポート22は、コンバイナ23において、励起ファイバ30に接続されている。
【0038】
図2は、励起ファイバ30の長手方向に垂直な断面における構造の様子を示す図である。図2に示すように、励起ファイバ30は、コア31とコア31の外周面を囲むクラッド32とを有し、クラッド32の屈折率は、コア31の屈折率よりも低くされる。コア31は、例えば、特にドーパントが添加されていないガラスから成り、クラッド32は、例えば、紫外線硬化樹脂等から成る。また、励起ファイバ30のコア31の直径は、例えば、300μmとされ、クラッド32の外径は、例えば、400μmとされる。
【0039】
図3は、増幅用光ファイバ40の長手方向に垂直な断面の構造の様子を示す図である。図3に示すように、増幅用光ファイバ40は、コア41と、コア41を囲むクラッド42と、クラッド42を被覆する樹脂クラッド43とを有する。クラッド42の屈折率はコア41の屈折率よりも低く、更に、励起ファイバ30のコアと同等とされる。また、樹脂クラッド43の屈折率はクラッド42の屈折率よりもさらに低くされている。このような、コア41を構成する材料としては、例えば、屈折率を上昇させるゲルマニウム(Ge)等の元素、及び、励起光源20から出射される励起光により励起されるYb等の活性元素が添加されたガラスが挙げられる。このような活性元素としては、希土類元素が挙げられ、希土類元素としては、上記Ybの他にツリウム(Tm)、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、エルビウム(Er)等が挙げられる。さらに活性元素として、希土類元素の他に、ビスマス(Bi)、クロム(Cr)等を挙げることができる。また、クラッド42を構成する材料としては、例えば、励起ファイバ30のコア31と同様の材料を挙げることができる。なお、コア41の材料に屈折率を上昇させるGe等の元素が添加されない場合、クラッド42の材料としては、屈折率を低下させるフッ素(F)等が添加されたガラスを挙げることができる。この場合、上記の励起ファイバ30のコア31の材料も、フッ素(F)等が添加されたガラスとされれば良い。また、樹脂クラッド43を構成する材料としては、例えば、紫外線硬化樹脂が挙げられる。また、増幅用光ファイバ40のコア41の直径は、10μmとされ、クラッド42の外径は、励起ファイバ30のコアの外径と同様とされる。なお、樹脂クラッド43と、励起ファイバ30のクラッド32の外径は任意である。
【0040】
そして、増幅用光ファイバ40の一端は、上述の種光用ファイバ15と接続されて、種光用ファイバ15のコアと増幅用光ファイバのコア41とが、光学的に結合されている。一方、増幅用光ファイバ40の他端には、何も接続されておらず、出射端とされている。
【0041】
図4は、図1の光増幅部品50から励起ファイバ30及び増幅用光ファイバ40を抽出して分解した図であり、図5は、図1の光増幅部品50のV−V線における断面の構造の様子を示す図である。
【0042】
図4、図5に示すように、光増幅部品50は、上述の増幅用光ファイバ40と、励起ファイバ30と、一組のヒートシンク61,62を主な構成として備える。
【0043】
光増幅部品50において、増幅用光ファイバ40は、増幅用光ファイバ40同士が隙間なく隣り合い、クラッド42の中心軸が平面FS上に位置するようにして、渦巻状に巻回されて、盤状に形成されており、この渦巻状に巻回された部分が巻回部45とされる。同様に、光増幅部品50において、励起ファイバ30は、励起ファイバ30同士が隙間なく隣り合い、コア31の中心軸が平面FSと平行な平面FS上に位置するようにして、渦巻状に巻回されて、盤状に形成されており、この渦巻状に巻回された部分が巻回部35とされる。本実施形態においては、増幅用光ファイバ40、及び、励起ファイバ30は、それぞれの巻回部45,35において、円盤状に巻回されている。増幅用光ファイバ40及び励起ファイバ30の巻回部45,35において、増幅用光ファイバ40及び励起ファイバ30は、例えば、それぞれ10〜50回ほど巻回されている。なお、本実施形態においては、増幅用光ファイバ40と励起ファイバ30は、内側から外側に向けて、図4において実線の矢印で示すように共に同じ方向に巻回されており、更に、増幅用光ファイバ40及び励起ファイバ30は、共に同じピッチで同数巻回されている。つまり、光増幅部品50において、増幅用光ファイバ40と励起ファイバ30とが、互いに平行に巻回されている。
【0044】
また、図5に示すように、増幅用光ファイバ40は、巻回部45において、巻回部45の一方の盤面を形成するように、クラッド42の側面が平面FSと平行な平面状に露出され、平面状の露出面46が形成されている。具体的には、クラッド42が露出していない状態の増幅用光ファイバ40が渦巻状に巻回された状態において、樹脂クラッド43の一部、及び、クラッド42の一部が、平面FSと平行な面まで除去されている。同様に励起ファイバ30は、巻回部35において、巻回部35の一方の盤面を形成するように、コア31の側面が平面FSと平行な平面状に露出され、平面状の露出面36が形成されている。具体的には、特にコア31が露出していない状態の励起ファイバ30が渦巻状に巻回された状態において、クラッド32の一部、及び、コア31が、平面FSと平行な面まで除去されている。
【0045】
そして、増幅用光ファイバ40のクラッド42の露出面46と、励起ファイバ30のコア31の露出面36とが、互いに対向して接続されている。この接続には、増幅用光ファイバ40のクラッド42及び励起ファイバ30のコア31と同等の屈折率を有する接着剤が用いられる。本実施形態においては、増幅用光ファイバ40の露出面46と、励起ファイバ30の露出面36とが、接続された状態において、上述のように、増幅用光ファイバ40と励起ファイバ30とが、互いに平行に巻回された状態とされている。従って、図5に示すように、光増幅部品50においては、増幅用光ファイバ40の露出面46と、励起ファイバ30の露出面36とが、どの部分においても対向している。
【0046】
また、励起ファイバ30及び増幅用光ファイバ40は、励起ファイバ30のコア31と増幅用光ファイバ40のクラッド42とが接続されている部分を除き、低屈折率樹脂58で覆われている。この低屈折率樹脂58は、励起ファイバ30のコア31の屈折率、及び、増幅用光ファイバ40のクラッド42の屈折率よりも、低い屈折率とされる。このような低屈折率樹脂58としては、例えば、フッ素化アクリル樹脂を挙げることができる。なお、後述のように、低屈折率樹脂58が研磨される場合においては、低屈折率樹脂のショア硬度が20以上であることが好ましい。
【0047】
なお、励起ファイバ30は、巻回部35以外において、コア31が露出されておらず、増幅用光ファイバ30も、巻回部45以外において、クラッド42が露出されていない。図6は、励起ファイバ30の一部の拡大図である。図6に示すように、励起ファイバ30におけるコア31が露出されていない部分と、コア31が露出されている部分の境界には、スロープ37が形成されている。従って、励起ファイバ30は、コア31が露出されていない部分から、コア31が露出されている部分にかけて、コア31が徐々に露出されている。同様に増幅用光ファイバ40におけるクラッド42が露出されていない部分と、クラッド42が露出されている部分の境界には、励起ファイバ30のスロープ37と同様のスロープが形成されている。従って、増幅用光ファイバ40は、クラッド42が露出されていない部分から、クラッド42が露出されている部分にかけて、クラッド42が徐々に露出されている。
【0048】
また、本実施形態においては、増幅用光ファイバ40の露出面46と反対側にヒートシンク61が設けられており、さらに励起ファイバ30の露出面36と反対側にヒートシンク62が設けられている。それぞれのヒートシンク61,62は、増幅用光ファイバ40側及び励起ファイバ30側の面が平面になっており、円盤状に巻回された増幅用光ファイバ40及び励起ファイバ30のそれぞれの巻回部45,35に接続し易くされている。また、励起ファイバ30と反対側、及び、増幅用光ファイバ40と反対側にフィン61a,62aが設けられており、表面積が増やされている。
【0049】
上記の様な構成のファイバレーザ装置1は次の様に動作する。
【0050】
まず、種光源10から所定の波長の種光が出射されると共に、励起光源20のそれぞれのレーザダイオード21から種光の波長とは異なる所定の波長の励起光が出射される。このとき種光の波長は、増幅用光ファイバ40のコア41に添加されるドーパントにより異なり、例えば、上述のようにコア41にYbが添加される場合、上述のように1070nmとされ、励起光の波長は、例えば、上述のように915nmとされる。種光源10から出射された種光は、種光用ファイバ15のコアを伝播して、増幅用光ファイバ40のコア41に入射し、コア41を伝播する。また、励起光源20から出射された励起光は、励起ポート22を伝播して、コンバイナ23において、励起ファイバ30のコア31に入射して、コア31を伝播する。そして、光増幅部品50において、励起光は、励起ファイバ30のコア31の露出面36から出射し、増幅用光ファイバ40のクラッド42の露出面46からクラッド42に入射する。このように励起光は、励起ファイバ30のコア31の側面から出射して、増幅用光ファイバ40のクラッドの側面から入射する。従って、励起ファイバ30から増幅用光ファイバ40に励起光が徐々に入射する。
【0051】
なお、上述のように、励起ファイバ30は、コア31が露出されていない部分から、コア31が露出されている部分にかけて、スロープ37によりコア31が徐々に露出されている。従って、励起ファイバ30におけるコア31が露出されていない部分からコア31が露出されている部分にかけて励起光が励起ファイバ30の外に放出されることが抑制されている。
【0052】
なお、上述のように、励起ファイバ30及び増幅用光ファイバ40は、励起ファイバ30のコア31と増幅用光ファイバ40のクラッド42とが接続されている部分を除き、低屈折率樹脂58で覆われているため、励起ファイバ30のコア31の露出面36から出射する励起光が、外部に放出されることが抑制されており、励起光は、効率良く、励起ファイバ30のコア31から、増幅用光ファイバ40のクラッド42に入射することができる。
【0053】
そして、増幅用光ファイバ40のクラッド42に入射した励起光は、クラッド42を主に伝播し、励起光が増幅用光ファイバ40のコア41を通過するときに、コア41に添加されている活性元素に吸収されて、活性元素を励起する。励起された活性元素は、種光による誘導放出を起こし、この誘導放出により種光が増幅されて、出射光として増幅用光ファイバ40の他端におけるコア41から出射される。
【0054】
このとき光増幅部品50における増幅用光ファイバ40や励起ファイバ30の巻回部45,35で熱が発生する場合においても、増幅用光ファイバ40及び励起ファイバ30が盤状に巻回されているため放熱の効率が良く、更に、本実施形態においては、それぞれの巻回部45,35にヒートシンク61,62が設けられているため、更に放熱の効率が良くされており、それぞれの巻回部45,35が冷却される。
【0055】
このような光増幅部品50は、次のように製造される。
【0056】
まず、増幅用光ファイバ40、及び、励起ファイバ30をそれぞれ必要な長さ準備する。
【0057】
そして、準備した増幅用光ファイバ40、及び、励起ファイバ30をそれぞれ巻回する。このとき、図示しないリール等の治具を用いて、増幅用光ファイバ40の中心軸が平面状に位置するようにして渦巻状に巻回して、盤状とする。同様に励起ファイバ30も図示しないリール等の治具を用いて、励起ファイバ30の中心軸が平面状に位置するようにして渦巻状に巻回して、盤状とする。
【0058】
次に、増幅用光ファイバ40が巻回された巻回部45を低屈折率樹脂58で覆う。例えば、低屈折率樹脂58が紫外線硬化樹脂であれば、紫外線硬化樹脂の前駆体である紫外線硬化性樹脂を巻回された増幅用光ファイバ40に塗布する。そして、増幅用光ファイバ40の巻回部45に紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させて、増幅用光ファイバ40の巻回部45が低屈折率樹脂58で覆われた状態にする。同様に、励起ファイバ30が巻回された巻回部35を低屈折率樹脂58で覆う。励起ファイバ30の巻回部35を低屈折率樹脂58で覆う方法は、増幅用光ファイバ40の巻回部45を低屈折率樹脂58で覆う方法と同様にすれば良い。
【0059】
次に低屈折率樹脂58で覆われた増幅用光ファイバ40の巻回部45を、巻回部45の一方の盤面を形成するように、増幅用光ファイバ40の中心軸が位置する平面と平行な面まで研磨する。具体的には、低屈折率樹脂58で覆われた巻回部45の渦巻状の面をラッピングマシーンの研磨部に押し付けて研磨する。そして、クラッド42が平面状に所望の面積だけ露出したところで、増幅用光ファイバ40をラッピングマシーンの研磨部から離す。そして、必要に応じて、クラッド42の露出面46を鏡面加工する。この加工には、例えば、CMP(Chemical-Mechanical Polishing)を用いれば良い。同様に低屈折率樹脂58で覆われた励起ファイバ30の巻回部35を、巻回部35の一方の盤面を形成するように、励行ファイバ30の中心軸が位置する平面と平行な面まで研磨する。励起ファイバ30の研磨は、増幅用光ファイバ40の研磨と同様に行えば良い。こうして、増幅用光ファイバ40のクラッド42、及び、励起ファイバ30のコア31が平面状に露出した状態となる。
【0060】
次に、増幅用光ファイバ40の巻回部45におけるクラッド42の露出面46と、励起ファイバ30の巻回部35におけるコア31の露出面36とを対向させて、図示しない接着剤で接着して、一体化する。
【0061】
こうして、図4、5に示す光増幅部品50を得る。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の光増幅部品50によれば、クラッド42の側面が平面状に露出した露出面46を有する増幅用光ファイバ40と、コア31の側面が平面上に露出した露出面36を有する励起ファイバ30とが、それぞれの露出面46、36が対向して、接続されている。従って、励起ファイバ30のコア31の側面から、増幅用光ファイバ40のクラッド42の側面に励起光を入射することができ、サイドポンプを実現することができる。このため、励起ファイバ30から増幅用光ファイバ40に励起光が徐々に入射するので、増幅用光ファイバ40の一部に励起光が集中することが防止でき、効率良く光を増幅することができる。そして、増幅用光ファイバ40は、クラッド42の中心軸が平面FS上に位置するように渦巻状に巻かれ、かつ、励起ファイバ30は、コア31の中心軸が平面FS上に位置するように渦巻状に巻回されるため、それぞれの露出面36,46が接続された状態において、励起ファイバ30及び増幅用光ファイバ40が渦巻状に巻回されている巻回部35,45は、全体として円盤状になる。従って、光増幅部品50は、増幅用光ファイバ及び励起ファイバが束ねられる場合と比べて、表面積を増やすことができ、優れた放熱性が得られる。
【0063】
このように、本実施形態の光ファイバ増幅器5及びファイバレーザ装置1は、光増幅部品50が放熱性に優れるため、優れた信頼性を有することができる。
【0064】
また、上述のように、光増幅部品50において、増幅用光ファイバ40と励起ファイバ30とは、互いに平行にされている。従って、励起ファイバ30の露出面36と増幅用光ファイバ40の露出面46とが接続される面積をより大きくすることができ、励起ファイバ30から増幅用光ファイバ40により多くの励起光を入射することができる。
【0065】
さらに、増幅用光ファイバ40及び励起ファイバ30のそれぞれの巻回部45,35は、励起ファイバ30のコア31と増幅用光ファイバ40のクラッド42とが接続されている部分を除き、低屈折率樹脂58で覆われているため、励起光が、励起ファイバ30のコア31、或いは、増幅用光ファイバ40のクラッド42から放出されることを抑制することができる。
【0066】
また、上述のように励起ファイバ30及び増幅用光ファイバ40が渦巻状に巻回されている巻回部35,45は、全体として、円盤状になる。従って、ヒートシンク61,62の接続面を平面にすることができ、容易にヒートシンク61,62を設けることができる。
【0067】
なお、本実施形態において、増幅用光ファイバ40は、巻回部45において、クラッド42の側面が平面FSと平行な平面状に露出され、巻回部45の一方の盤面を形成するように、平面状の露出面46が形成されており、さらに、励起ファイバ30は、巻回部35において、コア31の側面が平面FSと平行な平面状に露出され、巻回部35の一方の盤面を形成するように、平面状の露出面36が形成されているとした。しかし本発明はこれに限らず、露出面46と平面FSとが平行でなくても良く、また、露出面46と平面FSとが平行でなくても良い。
【0068】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図7〜図9を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。図7は、本実施形態に係る励起ファイバ30aの長手方向に垂直な断面における構造の様子を示す図であり、図8は、本実施形態に係る増幅用光ファイバ40aの長手方向に垂直な断面における構造の様子を示す図であり、図9は、本実施形態の光増幅部品を図5と同じ視点で示す図である。
【0069】
本実施形態の光増幅部品は、第1実施形態の励起ファイバ30に代わり、励起ファイバ30aを用い、第1実施形態の増幅用光ファイバ40に代わり、増幅用光ファイバ40aを用いる点において、第1実施形態の光増幅部品と異なる。
【0070】
図7に示すように、本実施形態の励起ファイバ30aは、コア31が、内部コア31aと、内部コア31aを囲む外部コア31bとから成る点において、第1実施形態の励起ファイバ30と異なる。そして、励起ファイバ30aの内部コア31aは、ガラスから成る。このようなガラスとしては、第1実施形態のコア31と同様の材料を挙げることができる。また、外部コア31bは、内部コア31aと同等の屈折率を有する樹脂から成る。従って、光学的には、本実施形態の励起ファイバ30aと、第1実施形態の励起ファイバ30とは、同等である。このような外部コア31bの材料としては、シリコン系のUV硬化樹脂を挙げることができる。
【0071】
また、図8に示すように、本実施形態の増幅用光ファイバ40aは、クラッド42が、コア41を囲む内部クラッド42aと、内部クラッド42aを囲む外部クラッド42bとから成る点において、第1実施形態の増幅用光ファイバ40と異なる。そして、増幅用光ファイバ40の内部クラッド42aは、ガラスから成る。このようなガラスとしては、第1実施形態のクラッド42と同様の材料を挙げることができる。また、外部クラッド42bは、内部クラッド42aと同等の屈折率を有する樹脂から成る。従って、光学的には、本実施形態の増幅用光ファイバ40aと、第1実施形態の増幅用光ファイバ40とは、同等である。このため増幅用光ファイバ40aに入射する励起光は、内部クラッド42aと外部クラッド42bから成るクラッド42を主に伝播する。このような外部クラッド42bの材料としては、励起ファイバ30aの外部コア31bと同様の材料を挙げることができる。
【0072】
そして、増幅用光ファイバ40a及び励起ファイバ30aは、第1実施形態の増幅用光ファイバ40及び励起ファイバ30と同様に巻回されて、第1実施形態と同様にして、低屈折率樹脂58で覆われる。さらに、図9に示すように、増幅用光ファイバ40aは、巻回部45において、外部クラッド42bが、平面FSに平行な平面状に露出され、平面状の露出面46が形成されている。具体的には、クラッド42が露出していない状態の増幅用光ファイバ40が渦巻状に巻回された状態において、樹脂クラッド43の一部、及び、外部クラッド42bの一部が、内部クラッド42aが線状に露出する程度の平面(平面FSと平行な平面)まで除去されている。同様に、励起ファイバ30は、巻回部35において、外部コア31bが、平面FSに平行な平面状に露出され、平面状の露出面36が形成されている。具体的には、コア31が露出していない状態の励起ファイバ30が渦巻状に巻回された状態において、クラッド32の一部、及び、外部コア31bの一部が、内部コア31aが線状に露出する程度の平面(平面FSと平行な平面)まで除去されている。
【0073】
そして、第1実施形態の光増幅部品50と同様にして、増幅用光ファイバ40aの露出面46と、励起ファイバ30aの露出面36とが接続されている。
【0074】
本実施形態の光増幅部品50によれば、増幅用光ファイバ40aの外部クラッド42bを構成する樹脂や、励起ファイバ30aの外部コア31bを構成する樹脂は、ガラスと比べて切削や研磨により容易に除去することができる。従って、樹脂から成る外部クラッド42bや外部コア31bを有することにより、切削や研磨等により容易に増幅用光ファイバ40aや励起ファイバ30aのクラッド42やコア31を平面状に露出させることができる。また、内部クラッド42aや内部コア31aがガラスから構成されるため、励起光の損失を少なくすることができる。
【0075】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図10を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。図10は、本実施形態に係る光増幅部品を図5と同じ視点で示す図である。
【0076】
本実施形態の光増幅部品は、第1実施形態の励起ファイバ30に代わり、励起ファイバ30bを用いる点において、第1実施形態の光増幅部品と異なる。
【0077】
本実施形態の励起ファイバ30bは、第1実施形態の励起ファイバ30よりも小さな直径とされ、励起ファイバ30b同士が隙間なく隣り合い、コアの中心軸が平面FSと平行な平面FS上に位置するようにして、渦巻状に巻回されている。なお、本実施形態においては、励起ファイバ30bが巻回される方向は、第1実施形態と同様に、増幅用光ファイバ40が巻回される方向と同様とされる。さらに、励起ファイバ30bは、第1実施形態と同様に、巻回部において、コアの側面が平面FSと平行な平面状に露出され、平面状の露出面36が形成されている。そして、増幅用光ファイバ40のクラッドの露出面46と、励起ファイバ30bのコアの露出面36とが、互いに対向して、接続されている。
【0078】
なお、第1実施形態においては、増幅用光ファイバ40及び励起ファイバ30が、共に同じピッチで同数巻回されて、増幅用光ファイバ40と励起ファイバ30とが、互いに平行とされたが、本実施形態においては、励起ファイバ30bの直径が、小さいため、増幅用光ファイバと、同じピッチではなく、更に異なる回数巻回されている。従って、本実施形態においては、増幅用光ファイバ40と励起ファイバ30bとが、互いに非平行とされる。
【0079】
このような光増幅部品においては、励起ファイバ30のコアの露出面36が増幅用光ファイバ40のクラッドの露出面46と接続されない部分が生じる場合があり、増幅用光ファイバ40のクラッドの露出面46が励起ファイバ30のコアの露出面36と接続されない部分が生じる場合がある。しかし、図10に示すように、励起ファイバ30b及び増幅用光ファイバ40は、励起ファイバ30bのコアと増幅用光ファイバ40のクラッドとが接続されている部分を除き、低屈折率樹脂58で覆われているため、増幅用光ファイバ40のクラッドの露出面46と対向せずに露出した励起ファイバ30のコアの露出面36、及び、励起ファイバ30のコアの露出面36と対向せずに露出した増幅用光ファイバ40のクラッドの露出面46から、励起光が放出されることが抑制されている。
【0080】
本実施形態の光増幅部品によれば、増幅用光ファイバ40と励起ファイバ30bとが非平行とされるため、励起ファイバ30bに沿って進む励起光が、増幅用光ファイバ40に入射するときに、励起光の進行方向が乱れる。従って、増幅用光ファイバ40内における励起光のスキューモードを抑制することができる。
【0081】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図11を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。図11は、本実施形態に係る光増幅部品を図4と同様に示す図である。
【0082】
図11に示すように本実施形態の光増幅部品においては、励起ファイバ30と増幅用光ファイバ40とが逆方向に巻回される点において、第1実施形態の光増幅部品50と異なる。具体的には、本実施形態の増幅用光ファイバ40と励起ファイバ30とは、内側から外側に向けて、図11の実践の矢印で示す方向に巻かれ、この方向が逆回りになるものである。
【0083】
本実施形態の光増幅部品によれば、確実に増幅用光ファイバ40と励起ファイバ30とを非平行にすることができ、第3実施形態の光増幅部品と同様に、励起ファイバ30に沿って進む励起光が、増幅用光ファイバ40に入射するときに、励起光の進行方向が乱れる。従って、増幅用光ファイバ40内における励起光のスキューモードを抑制することができる。
【0084】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図12を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。図12は、本実施形態に係る光増幅部品を図5と同じ視点で示す図である。
【0085】
図12に示すように、本実施形態の光増幅部品は、第1実施形態の励起ファイバ30と同様の励起ファイバを第2励起ファイバ30cとして備え、第2励起ファイバ30cは、増幅用光ファイバ40及び励起ファイバ30と、同じ方向に同じピッチで同数巻回されて、盤状に形成される巻回部を有している。すなわち、第2励起ファイバ30cは、コアの中心軸が平面FSPc上に位置するように巻回されている。さらに、第2励起ファイバ30cは、巻回部において、コアの側面が、第2励起ファイバ30cの巻回部の一方の盤面を形成するように、第2励起ファイバ30cのコアの中心軸が位置する平面FSPcと平行な平面状に露出され、平面状の露出面36cが形成されている。
【0086】
また、本実施形態の増幅用光ファイバ40のクラッド42は、励起ファイバ30と接続される露出面46と反対側の側面が、他方の盤面を形成するようにクラッド42の中心軸が位置する平面FSと平行な平面状に露出され、露出面46cが形成されている。
【0087】
そして、増幅用光ファイバ40のクラッド42における励起ファイバ30と接続される露出面46と反対側の露出面46cと、第2励起ファイバ30cのコアの露出面36cとが、対向して接続されている。
【0088】
また、第2励起ファイバ30cの増幅用光ファイバ40側と反対側には、第1実施形態において、増幅用光ファイバ40に接続されていたヒートシンク61が設けられている。
【0089】
本実施形態の光増幅部品によれば、増幅用光ファイバ40を励起ファイバ30及び第2励起ファイバ30cで挟んで、励起ファイバ30、第2励起ファイバ30cのそれぞれによりサイドポンプを実現することができる。従って、より強度の強い励起光を増幅用光ファイバ40に導入することができ、種光の増幅率をより高くすることができる。
【0090】
なお、本実施形態において、増幅用光ファイバ40は、巻回部45において、励起ファイバ30と接続される露出面46と反対側の側面が、平面FSと平行な平面状に露出され、巻回部45の他方の盤面を形成するように、平面状の露出面46cが形成されており、さらに、第2励起ファイバ30cは、巻回部において、コアの側面が平面FSPcと平行な平面状に露出され、巻回部の一方の盤面を形成するように、平面状の露出面36cが形成されているとした。しかし本発明はこれに限らず、露出面46cと平面FSとが平行でなくても良く、また、露出面36cと平面FSとが平行でなくても良い。
【0091】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図13を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。図13は、本実施形態に係るファイバレーザ装置2を示す図である。
【0092】
図13に示すように、本実施形態のファイバレーザ装置2は、第1実施形態における光ファイバ増幅器5と同様の光ファイバ増幅器5と、増幅用光ファイバ40の一方の端部に結合する第1共振用ファイバ16と、増幅用光ファイバ40の他方の端部に結合する第2共振用ファイバ18と、第1共振用ファイバ16に設けられる第1ミラーとしての第1FBG(Fiber Bragg Grating)71と、第2共振用ファイバ18に設けられる第2ミラーとしての第2FBG72と、を主な構成として備える。
【0093】
第1共振用ファイバ16は、コア及びクラッドを有し、例えば、第1実施形態における種光用ファイバ15と同じ構成とされる。そして、第1共振用ファイバ16のコアと増幅用光ファイバ40のコア41とが結合するように、第1共振用ファイバ16と増幅用光ファイバ40とが接続されている。また、第1共振用ファイバ16のコアには、第1FBG71が設けられており、第1FBG71は、増幅用光ファイバ40のコア41と結合している。第1FBG71は、増幅用光ファイバ40のコア41に添加されている活性元素が励起状態とされた場合に放出する自然放出光の一部の波長と同じ波長の光を反射し、反射率が、例えば100%とされる。
【0094】
第2共振用ファイバ18は、コア及びクラッドを有し、例えば、第1共振用ファイバ16と同様の構成とされる。第2共振用ファイバ18は、増幅用光ファイバ40と接続され、増幅用光ファイバ40のコア41と第2共振用ファイバ18のコアとが結合している。また、第2共振用ファイバ18のコアには、第2FBG72が設けられており、第2FBG72は、増幅用光ファイバ40のコア41と結合している。第2FBG72は、第1FBG71が反射する光と同じ波長の光を第1FBG71よりも低い反射率で反射する。第2FBGの反射率は、例えば30%とされる。
【0095】
このようなファイバレーザ装置2においては、まず、励起光源20のそれぞれのレーザダイオード21から励起光が出射される。それぞれのレーザダイオード21から出射される励起光は、上述のように、例えば、波長が915nmとされる。そして、それぞれのレーザダイオード21から出射された励起光は、それぞれの励起ポート22を介して励起ファイバ30のコアを伝播し、第1実施形態の光増幅部品50と同様にして、増幅用光ファイバ40のクラッド42に入射する。増幅用光ファイバ40のクラッドに入射した励起光は、クラッド42を主に伝播する。そして、コア41を通過するときにコア41に添加されている活性元素に吸収されて、活性元素を励起状態にする。
【0096】
こうして励起光により励起状態とされた活性元素から自然放出光が放出され、この自然放出光を元にして第1FBG71と第2FBG72との間で光の共振が起こる。共振する光は、第1FBG71及び第2FBG72の反射波長と同じ波長であり、この共振する光が、被増幅光として増幅用光ファイバ40において励起された活性元素の誘導放出により増幅される。そして、増幅された光の一部が、第2FBG72を透過して、出射光として出射する。なお、第1FBG71を透過する光は、終端部材17において熱に変換される。
【0097】
本実施形態のファイバレーザ装置2によれば、光増幅部品50が放熱性に優れるため、優れた信頼性を有することができる。
【0098】
以上、本発明について、第1〜第6実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0099】
例えば、増幅用光ファイバ40や励起ファイバ30、30a、30b、及び、第2励起ファイバ30cは、隙間をあけて巻回されても良い。
【0100】
また、第1、第2実施形態において、意図的に増幅用光ファイバ40と励起ファイバ30をずらすことで、非平行としても良い。さらに、第2実施形態においては、第3実施形態のように、励起ファイバ30aの直径と増幅用光ファイバ40aの直径とを異なるようにしても良く、第4実施形態のように、励起ファイバ30aと増幅用光ファイバ40aとを異なる方向に巻回しても良い。さらに第1実施形態の励起ファイバ30及び増幅用光ファイバ40と、第2実施形態の励起ファイバ30a及び増幅用光ファイバ40aとを適宜組み合わせても良い。
【0101】
また、第6実施形態において、第2実施形態〜第5実施形態の光増幅部品を用いても良い。
【0102】
また、ヒートシンク61、62は、必ずしも必要でなく、少なくとも一方のヒートシンクが無くても良い。
【0103】
また、上記実施形態においては、増幅用光ファイバ40及び励起ファイバ30が円盤状に巻かれていたが、略四角形を描くようにして、盤状に巻かれても良い。
【実施例】
【0104】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
【0105】
(実施例1)
第2実施形態の光増幅部品と同様の光増幅部品を作製した。ただし、ヒートシンクは板状のアルミニウムとした。
【0106】
まず、イッテルビウム(Yb)が添加されたコアと、特にドーパントが添加されていない石英から成る内部クラッドとから成る増幅用光ファイバの半製体を作製した。コアの直径を10μmとし、内部クラッドの直径を300μmとした。そして、内部クラッドの外周面に厚さ30μmのシリコーン樹脂でコーティングして、外部クラッドとした。この内部クラッド、及び、外部クラッドの屈折率は、共に1.458とした。さらに、外部クラッドの外周面を内部クラッド及び外部クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する樹脂クラッドで被覆して、増幅用光ファイバとした。樹脂クラッドには、屈折率が1.380の樹脂を用いて、樹脂クラッドの厚さを50μmとした。
【0107】
次に、増幅用光ファイバの内部クラッドと同様の材料で、同様の直径を有する内部コアと、増幅用光ファイバの外部クラッドと同様の材料で、同様の外径を有する外部コアと、増幅用光ファイバの樹脂クラッドと同様の材料で、同様の外径を有するクラッドとから成る励起ファイバを作製した。
【0108】
次に、増幅用光ファイバを、長さ30mに渡って、円盤状に巻回した。このとき、最小径200mmとなるようにして、増幅用光ファイバ同士が接するようにして巻回した。同様に、励起ファイバを、30mに渡って、円盤状に巻回した。このとき最小径200mmとなるようにして、励起ファイバ同士が接するようにして巻回した。増幅用光ファイバ及び励起ファイバのそれぞれの巻回においては、増幅用光ファイバ及び励起ファイバが、それぞれアルミ板と石英板とで挟まれる状態として、巻回をした。
【0109】
次に、巻回した状態の増幅用光ファイバ及び励起ファイバのそれぞれの巻回部を屈折率が1.380でショア硬度が25の低屈折率樹脂としてのフッ素化アクリル系樹脂で覆い、フッ素化アクリル系樹脂を硬化した。具体的には、紫外線硬化性のフッ化アクリル系樹脂を用いて、増幅用光ファイバを挟んでいるアルミ板と石英板との間、及び、励起ファイバを挟んでいるアルミ板と石英板との間に、この樹脂を含浸させて、石英板側から紫外線を照射し、樹脂を硬化させた。その後、石英板のみを剥がし、アルミ板は、そのままヒートシンクとした。
【0110】
次に、増幅用光ファイバの石英板を剥がした面を研磨し、内部クラッドが僅かに露出する程度まで、低屈折率樹脂、樹脂クラッド、外部クラッドを除去して、外部クラッドが平面状に露出する状態とした。このとき、外部クラッドの露出面の幅は200μmであった。同様に励起ファイバの石英板を剥がした面を研磨し、内部コアが僅かに露出する程度まで、低屈折率樹脂、クラッド、外部コアを除去して、外部コアが平面状に露出する状態とした。このとき、外部コアの露出面の幅は200μmであった。
【0111】
そして、増幅用光ファイバのクラッドの露出面と、励起ファイバのコアの露出面が一致するように、屈折率が1.458の樹脂で接続した。
【0112】
こうして光増幅部品とした。
【0113】
次に、増幅用光ファイバの両端にFBGを設け、一方のFBGは、略100%の信号光の反射率を有し、他方のFBGは略10%の信号光の反射率を有するようにした。
【0114】
また、励起ファイバの両端に1×19ポートのポンプコンバイナを接続して、コア径が105μmでガラスクラッド径が125μmのファイバから成る19本の励起ポートのコアと、励起ファイバのコアとを結合させた。
【0115】
そして、それぞれの励起ポートのコアに波長が915nmで強度が8Wの励起光を入射した。従って、励起ファイバに入射する励起光は、約300Wとなる。このとき共振が生じて、出射光は波長が1080nmで強度が190Wであった。60%を超える高い増幅率とすることができた。
【0116】
このとき、光増幅部品の温度は、47℃と低い温度であった。従って、本発明の光増幅部品は、放熱性に優れることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上説明したように、本発明によれば、放熱性に優れる光増幅部品、及び、それを用いた光ファイバ増幅器及びファイバレーザ装置が提供される。
【符号の説明】
【0118】
1,2・・・ファイバレーザ装置
5・・・光ファイバ増幅器
10・・・種光源
15・・・種光用ファイバ
16・・・第1共振用ファイバ
18・・・第2共振用ファイバ
20・・・励起光源
21・・・レーザダイオード
22・・・励起ポート
23・・・コンバイナ
30,30a,30b,30c・・・励起ファイバ
31・・・コア
31a・・・内部コア
31b・・・外部コア
32・・・クラッド
35・・・巻回部
36,36c・・・露出面
40,40a・・・増幅用光ファイバ
41・・・コア
42・・・クラッド
42a・・・内部クラッド
42b・・・外部クラッド
43・・・樹脂クラッド
45・・・巻回部
46,46c・・・露出面
50・・・光増幅部品
58・・・低屈折率樹脂
61,62・・・ヒートシンク
71・・・第1FBG(第1ミラー)
71・・・第2FBG(第2ミラー)
FS,FS,FSPc・・・平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性元素が添加されるコアと、前記活性元素を励起する励起光を伝播するクラッドと、を有する増幅用光ファイバと、
前記励起光を伝播するコアを有する励起ファイバと、
を備え、
前記増幅用光ファイバは、前記クラッドの中心軸が平面上に位置するように渦巻状に巻回された盤状の巻回部を有し、前記増幅用光ファイバの前記巻回部において、前記クラッドの側面が、一方の盤面を形成するように平面状に露出され、
前記励起ファイバは、前記コアの中心軸が平面上に位置するように渦巻状に巻回された盤状の巻回部を有し、前記励起ファイバの前記巻回部において、前記コアの側面が、一方の盤面を形成するように平面状に露出され、
前記増幅用光ファイバの前記クラッドの前記露出面と、前記励起ファイバの前記コアの前記露出面とが、対向して接続される
ことを特徴とする光増幅部品。
【請求項2】
前記増幅用光ファイバと前記励起ファイバとが、互いに非平行に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の光増幅部品。
【請求項3】
前記増幅用光ファイバと前記励起ファイバとが、互いに逆向きに巻回されていることを特徴とする請求項2に記載の光増幅部品。
【請求項4】
前記増幅用光ファイバと前記励起ファイバとが、互いに平行に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の光増幅部品。
【請求項5】
前記増幅用光ファイバの前記クラッドは、前記活性元素が添加されるコアを囲み、ガラスから構成される内部クラッドと、前記内部クラッドを囲み、前記内部クラッドと屈折率が同等の樹脂から成る外部クラッドと、から成り、
前記外部クラッドの一部が平面状に露出されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光増幅部品。
【請求項6】
前記励起ファイバの前記コアは、ガラスから構成される内部コアと、前記内部コアを囲み前記内部コアと屈折率が同等の樹脂から成る外部コアと、から成り、
前記外部コアの一部が平面状に露出されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光増幅部品。
【請求項7】
前記増幅用光ファイバの前記巻回部、及び、前記励起ファイバの前記巻回部は、前記励起ファイバの前記コアと前記増幅用光ファイバの前記クラッドとが接続されている部分を除き、前記励起ファイバの前記コア、及び、前記増幅用光ファイバの前記クラッドよりも屈折率が低い低屈折率樹脂で覆われていることを特徴とする請求項1〜6に記載の光増幅部品。
【請求項8】
前記励起ファイバの前記露出面と反対側、及び、前記増幅用光ファイバの前記露出面と反対側の少なくとも一方は、ヒートシンクに接続される
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項の記載の光増幅部品。
【請求項9】
前記励起ファイバと同様の励起ファイバを第2励起ファイバとして更に備え、
前記第2励起ファイバは、コアの中心軸が平面上に位置するように渦巻状に巻回された盤状の巻回部を有し、前記第2励起ファイバの前記巻回部において、前記コアの側面が、一方の盤面を形成するように平面状に露出され、
前記増幅用光ファイバは、前記励起ファイバと接続される前記露出面と反対側の側面が、他方の盤面を形成するように平面状に露出され、
前記増幅用光ファイバの前記クラッドにおける前記励起ファイバと接続される前記露出面と反対側の露出面と、前記第2励起ファイバの前記コアの露出面とが、対向して接続される
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光増幅部品。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の光増幅部品と、
前記励起ファイバの前記コアに入射される前記励起光を出射する励起光源と、
を備えることを特徴とする光ファイバ増幅器
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の光増幅部品と、
前記増幅用光ファイバの前記コアに入射される種光を出射する種光源と、
前記励起ファイバの前記コアに入射される前記励起光を出射する励起光源と、
を備えることを特徴とするファイバレーザ装置。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の光増幅部品と、
前記励起ファイバの前記コアに入射される前記励起光を出射する励起光源と、
前記増幅用光ファイバの一端側に設けられ、前記励起光により励起された前記活性元素が放出する光の少なくとも一部を反射するミラーと、
前記増幅用光ファイバの他端側に設けられ、前記第1ミラーが反射する光を前記第1ミラーよりも低い反射率で反射する第2ミラーと、
を備えることを特徴とするファイバレーザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−212763(P2012−212763A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77245(P2011−77245)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】