光学シート、積層光学シート、照明装置、および表示装置
【課題】本発明は、薄型構造を有する積層光学シートを製造するための光学シート、積層光学シート、照明装置、および表示装置を提供する。
【解決手段】光学シート1は、周囲領域2の少なくとも一部の領域に、厚さ方向に窪んだ凹部3を備えている。凹部3には、粘着材を配置することが可能である。凹部3に粘着材を配置した後、複数の光学シート1を積層することにより、粘着材の層を形成させることなく、積層された光学シート1同士を接合することができる。これにより、薄型構造を有する積層光学シートを実現することができる。
【解決手段】光学シート1は、周囲領域2の少なくとも一部の領域に、厚さ方向に窪んだ凹部3を備えている。凹部3には、粘着材を配置することが可能である。凹部3に粘着材を配置した後、複数の光学シート1を積層することにより、粘着材の層を形成させることなく、積層された光学シート1同士を接合することができる。これにより、薄型構造を有する積層光学シートを実現することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学シート、積層光学シート、照明装置、および表示装置に関するものであり、特に、薄型構造を有する積層光学シートを製造するための光学シート、積層光学シート、照明装置、および表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶などを使用する自発光しない表示装置には照明装置が用いられている。上記照明装置には、通常、光源からの光を拡散させる光学シートや、正面方向に光を集光する光学シート等が備えられている。
【0003】
液晶表示装置等の光源を必要とする従来の表示装置について、図26を参照しながら具体的に説明する。
【0004】
液晶表示装置900は、樹脂フレーム909と、LED907と、LED用FPC908と、反射シート905と、導光板904と、プリズムシート上901と、プリズムシート下902と、拡散シート903とを備えた照明装置を有している。そして、該照明装置上に、液晶駆動用FPC910が接続された液晶パネル911が配置されている。さらに、液晶パネル911上に表ケース912が配置されている。
【0005】
液晶表示装置900では、LED907から入光された光は、導光板904を通り、反射シート905にて反射する。そして、導光板904より出た光は、拡散シート903、プリズムシート下902、およびプリズムシート上901を順に通る。プリズムシート上901を通過した光は、液晶パネル911を照らす。これにより、液晶パネル911上に、画像を表示することができる。
【0006】
液晶表示装置900において、拡散シート903、プリズムシート下902、およびプリズムシート上901は、この順に積層されている。また、拡散シート903とプリズムシート下902とは、粘着材913を介して接合されている。同様に、プリズムシート下902とプリズムシート上901とは、粘着材913を介して接合されている。
【0007】
このように、液晶表示装置900では、光学シートとして、複数の光学シートが積層された積層光学シートが用いられている。一般的に、液晶表示装置等の光源を必要とする表示装置では、光学シートとして、このような積層光学シートが用いられる。
【0008】
そのため、表示装置に利用可能な積層光学シートが多数開発されている。具体的には、例えば、特許文献1には、2枚以上の光学シートが積層され、これらの光学シート同士が周縁の1辺において熱接着フィルムにより接合されたディスプレイ用光学シートが開示されている。
【特許文献1】特開2007−155936号公報(平成19(2007)年6月21日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1のように、複数の光学シートが積層された積層光学シートでは、積層された光学シートは、それぞれ、粘着材等により接合されている。これにより、積層された光学シートは固定されている。
【0010】
しかしながら、このような構成では、粘着材の厚みの分だけ、積層光学シートの厚みが厚くなる。その結果、このような積層光学シートを備えた表示装置では、積層光学シートの厚みのために、薄型化が困難になるという問題がある。
【0011】
また、このような問題を解決する技術として、積層光学シートにおいて、積層された光学シートを互いに接合しない技術がある。しかし、このような技術では、光学シート間が接合されていないため、各光学シートが位置ずれするという問題がある。
【0012】
さらに、積層光学シートの厚みを薄くするために、積層光学シートを構成する光学シート自体の厚みを薄くする技術も開発されている。しかし、光学シート自体を薄くしすぎると、光学シートはカールしやすくなる。そのため、積層光学シートの製造時に光学シートが位置ずれするという問題がある。
【0013】
また、積層後、積層光学シートを表示装置のようなデバイスに組み込む際にも、組み込みにくく、積層光学シートが位置ずれしやすい等の不具合を生じることがある。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、薄型構造を有する積層光学シートを製造するための光学シート、積層光学シート、照明装置、および表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる光学シートは、上記課題を解決するために、周囲領域の少なくとも一部の領域に、厚さ方向に窪んだ凹部が設けられていることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、光学シートの周囲領域の少なくとも一部の領域には、光学シートの厚さ方向に窪んだ凹部が形成されている。
【0017】
そのため、上記凹部には、粘着材を、シート面から突出することなく配置することができる。したがって、上記凹部に粘着材を配置した後、複数の光学シートを積層することにより、粘着材の層を形成させることなく、複数の光学シートを互いに接合することができる。
【0018】
つまり、複数の光学シートが積層された積層体(換言すれば、積層光学シート)の厚みに、粘着材の厚みが加わることがない。それゆえ、上記構成の光学シートによれば、薄型構造を有する積層光学シートを製造することができる。
【0019】
本発明にかかる光学シートにおいて、上記凹部は、上記周囲領域の全域に設けられていることが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、上記凹部は、上記周囲領域の全域に設けられている。そのため、上記凹部が上記周囲領域の一部の領域に設けられている場合よりも、凹部の面積(体積)が大きくなる。したがって、上記凹部には、より多くの粘着材を配置することができる。それゆえ、上記凹部に粘着材を配置して、複数の光学シートを積層することにより、光学シート同士をより強固に接合することができる。
【0021】
本発明にかかる光学シートにおいて、上記凹部は、シート両面に設けられていることが好ましい。
【0022】
上記構成によれば、上記凹部は、シート両面に設けられている。そのため、光学シートの両面の凹部に、粘着材を配置することができる。それゆえ、光学シートの両面に、光学シートを、粘着材の層を形成させることなく、接合することができる。
【0023】
本発明にかかる光学シートにおいて、上記凹部がシート両面に設けられている場合、上記シート両面に設けられた凹部は、シート面に対して非対称に設けられていることが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、シート両面への凹部の形成により、光学シートの厚みが凹部が形成された領域で極端に薄くなることはない。それゆえ、光学シートの強度が低下することを防止することができる。
【0025】
さらに、上記構成によれば、上記光学シートを複数積層した際、隣接する光学シート間で、上記凹部同士が重なり合うことがない。したがって、上記凹部に粘着材を配置して積層すれば、光学シート同士を複数の粘着材によって接合することができる。それゆえ、上記構成によれば、積層された光学シート同士の接着力を向上させることができる。
【0026】
また、本発明にかかる光学シートにおいて、上記凹部がシート両面に設けられている場合、上記シート両面に設けられた凹部は、互いに、形状が異なることが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、光学シートの両面に設けられた凹部の形状が互いに異なる。上記凹部の形状は、該凹部に配置可能な粘着材の量、換言すれば、粘着力に影響を与える。したがって、上記構成によれば、光学シートの両面で、光学シートに対する粘着力を異なるようにすることができる。
【0028】
本発明にかかる光学シートにおいて、上記凹部がシート両面に設けられている場合、上記シート両面に設けられた凹部は、互いに、上記周囲領域の短手方向の長さが異なることが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、上記凹部は、シート両面で、上記周囲領域の短手方向の長さが異なる。それゆえ、該光学シートの取り扱い作業時に、該凹部が形成されている特定の領域に応力が集中することにより、凹部が形成された領域が折れたりすることを防止することができる。
【0030】
また、上記構成によれば、上記光学シートの製造時に、上記凹部を容易に形成(加工)することができる。
【0031】
本発明にかかる光学シートは、多角形の形状を有し、上記周囲領域は、上記多角形のいずれか一辺のみを含む領域であることが好ましい。
【0032】
上記構成によれば、上記周囲領域は、多角形の形状を有する光学シートの一辺のみを含んでいる。そのため、光学シート同士を粘着材によって接合して積層シートとしたり、デバイスと粘着材によって接合したりした場合に、温度環境の変化等により該光学シートが膨張および/または収縮して、該光学シートにうねり(撓み)が発生することを防止することができる。
【0033】
本発明にかかる光学シートは、プリズムシートまたは拡散シートであることが好ましい。
【0034】
液晶表示装置等の光源を必要とする表示装置においては、導光板等の光源からの光を拡散させる光学シートや、正面方向に光を集光する光学シート等が用いられる。このような光学シートとしては、プリズムシートや拡散シート、またはそれらの積層体(積層光学シート)が用いられる。
【0035】
したがって、上記構成によれば、液晶表示装置等の光源を必要とする表示装置に備える光学シートとして好適に用いることができる。
【0036】
本発明にかかる積層光学シートは、上記の本発明にかかる光学シートを少なくとも一部に含む複数の光学シートが積層された積層光学シートであって、上記凹部に粘着材が配置されていることを特徴としている。
【0037】
上記構成によれば、複数の光学シートが積層された積層光学シートにおいて、少なくとも一部に、本発明にかかる光学シートが含まれている。また、該光学シートの凹部には、粘着材が配置されている。
【0038】
したがって、該凹部に配置された粘着材により、本発明にかかる光学シートは、隣接する光学シートと接合されている。また、粘着材は、上記凹部内に配置されている。そのため、本発明にかかる光学シートと、隣接する光学シートとの間には、粘着材の層は形成されない。それゆえ、上記積層光学シートは薄型構造を有することができる。
【0039】
また、上記構成によれば、上記光学シート同士は接合されている。したがって、該積層光学シートを表示装置等の各種デバイスに組み込む際、積層された光学シートの一部がカールして、位置ずれしたり、作業性が低下したりすることを防止することができる。
【0040】
さらに、上記構成によれば、上記粘着材は、各光学シートの周囲領域に配置されている。つまり、粘着材が、積層光学シートにおける光の透過領域に配置されることはない。それゆえ、光の利用効率が低下することを防止することができる。
【0041】
本発明にかかる積層光学シートにおいて、上記粘着材の容積は、上記凹部の容積よりも小さいことが好ましい。
【0042】
上記構成によれば、粘着材は、上記凹部全体ではなく、上記凹部の一部の領域に配置されている。したがって、上記凹部に粘着材を配置して、光学シート同士を貼り合せる際、上記凹部から粘着材がはみ出し、光学シートの凹部以外の領域に粘着材が広がることがない。
【0043】
それゆえ、上記凹部からはみ出した粘着材により、上記積層光学シートの光の利用効率が低下したり、積層光学シートの光学特性が悪影響を受けたりすることを防止することができる。
【0044】
本発明にかかる照明装置は、本発明にかかる積層光学シートと、導光板と、を備え、上記積層光学シートは、上記導光板の出光面側に配置されていることを特徴としている。
【0045】
上記構成によれば、上記照明装置は、光学シートとして、本発明にかかる積層光学シートを備えている。本発明にかかる積層光学シートは、薄型構造を有する。それゆえ、上記構成によれば、照明装置の薄型化を図ることができる。
【0046】
本発明にかかる表示装置は、本発明にかかる照明装置をバックライトとして備えていることを特徴としている。
【0047】
上記構成によれば、上記表示装置は、照明装置として、本発明にかかる照明装置を備えている。本発明にかかる照明装置は、薄型構造を有する。それゆえ、上記構成によれば、表示装置の薄型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明にかかる光学シートは、以上のように、周囲領域の少なくとも一部の領域に、厚さ方向に窪んだ凹部が設けられているため、該凹部に粘着材を、シート面から突出することなく配置することができる。したがって、上記光学シートの凹部に粘着材を配置して積層することにより、粘着材の層を形成させることなく、積層された光学シート同士を接合することができる。それゆえ、薄型構造を有する積層光学シートを製造することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明の一実施形態について、図1〜図25に基づいて説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されない。
【0050】
本実施形態にかかる液晶表示装置40(表示装置)は、図24に示すように、液晶パネル11と、液晶駆動用FPC10と、コントローラ72と、照明装置30と、電源制御部73とを備えている。
【0051】
コントローラ72は、入力される映像データに基づいて、液晶駆動用FPC10および照明装置30を制御する。液晶駆動用FPC10は、コントローラ72の制御を受けて液晶パネル11を駆動する。
【0052】
照明装置30は、コントローラ72からの制御を受けて光照射を行う。この照明装置30の照射光は、図25の積層光学シート20を介して液晶パネル11に供給される。また、電源制御部73は、ユーザの電源ON/OFFに従って液晶表示装置40の電源系統を制御する。
【0053】
液晶表示装置40は、構造的には、図25に示すように、樹脂フレーム9に、照明装置30と配置し、照明装置30の上に、液晶駆動用FPC10が接続された液晶パネル11が配置されている。さらに、その上から、表ケース12によって液晶パネル11を押さえつける構成となっている。
【0054】
照明装置30は、図25に示すように、反射シート5と、LED7およびLED用FPC8が取り付けられた樹脂フレーム9と、導光板13と、積層光学シート20とを備えている。
【0055】
LED用FPC8は、コントローラ72からの制御を受けて、LED7を点灯させる。LED7からの光は、導光板13を経て、積層光学シート20に供給される。また、LED7からの光の一部は、反射シート5で反射された後、積層光学シート20に供給される。
【0056】
積層光学シート20に入射された光は、該積層光学シート20の光学特性に応じて、光を拡散させたり、正面方向に光を集光させたりする。こうして積層光学シート20を通過した光は、液晶パネル11に供給される。
【0057】
積層光学シート20は、図25に示すように、拡散シート1c(光学シート)、プリズムシート下1b(光学シート)、およびプリズムシート上1a(光学シート)が、順に積層された構造を有する。これにより、積層光学シート20は、所望の光学特性を発揮することができる。
【0058】
液晶表示装置40は、図23に示すように、裏ケース6上に、反射シート5、導光板13、拡散シート1c、プリズムシート下1b、プリズムシート上1a、並びにLED7およびLED用FPC8が設けられた樹脂フレーム9が順に重ねて配置された照明装置30上に、液晶駆動用FPC10が接続された液晶パネル11、および表ケース12を順に重ねて配置することにより製造することができる。
【0059】
積層光学シート20に関し、図25の構成に限定されるものではない。具体的には、複数の光学シートが積層されたものであればよい。
【0060】
また、積層光学シート20において積層される各光学シートの光学特性は特に限定されない。さらに、各光学シートそれぞれの光学特性は、全て同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0061】
すなわち、積層光学シート20において所望の光学特性(例えば、所望の輝度や仕様)が得られるように、任意の光学特性を有する光学シートを適宜組み合わせて積層すればよい。
【0062】
積層光学シート20に積層する光学シートとしては、具体的には、例えば、プリズムシート、および拡散シートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
また、図25では、下から、拡散シート1c、プリズムシート下1b、およびプリズムシート上1aの順に積層されているが、積層順や、積層する光学シートの枚数はこれに限定されない。
【0064】
具体的には、例えば、導光板13上に、拡散シート、プリズムシート、プリズムシート、および拡散シートが順に積層された構成とすることができる。
【0065】
積層光学シート20において、拡散シート1c、プリズムシート下1b、およびプリズムシート上1aは、互いに接合されている。
【0066】
ここで、プリズムシート上1a、プリズムシート下1b、および拡散シート1cの構造、並びに積層光学シート20における各光学シート同士の接合について、図1〜図23を参照しながら、詳細に説明する。
【0067】
なお、以下の説明では、プリズムシート上1a、プリズムシート下1b、および拡散シート1cを総称して、光学シート1と称する。
【0068】
プリズムシート上1a、プリズムシート下1b、および拡散シート1cには、図示しないが、プリズム面やシボ(凹凸)パターンが表面に形成されていてもよい。また、そのプリズム面やシボ(凹凸)パターンは、後述する光学シート1のいずれの面、換言すれば光学シート1の表裏のいずれに形成されていてもよい。
【0069】
光学シート1は、図1に示すように、四角形の光学シートであって、その一辺のみを含む周囲領域2の片面に、凹部3を備えている。
【0070】
このような構成によれば、図2に示すように、凹部3に粘着材4を配置することができる。これにより、光学シート1を積層したとき、粘着材4に積層された光学シート1同士を接合することができる。
【0071】
また、上記構成によれば、粘着材4は、凹部3に配置されているため、粘着材4の厚みにより、複数の光学シート1が積層された積層体(換言すれば、積層光学シート)の厚みが増加することがない。したがって、上記構成を備える光学シート1によれば、薄型構造を有する積層光学シート20を製造することができる。
【0072】
さらに、上記構成によれば、光学シート1同士を粘着材によって接合して積層シートとしたり、デバイスと粘着材によって接合したりした場合に、温度環境の変化等により該光学シート1が膨張および/または収縮して、該光学シート1にうねり(撓み)が発生することを防止することができる。したがって、光学シート1をプリズムシートや拡散シート等の表示装置の光学シートとして用いる場合、表示品位を損なうことがない。
【0073】
従来、表示パネルに光学シートを固定する場合、その構造上の問題から、光学シートの四辺をフレームと固定されている。その場合、うねり等を隠すために、偏光板にディフィーザー(散乱材)等を入れる必要がある。
【0074】
しかし、上記構成によれば、表示品位を損なう恐れのあるうねりの発生を防止できるため、そのようなディフィーザー等を不要とすることができる。
【0075】
なお、凹部3に粘着材4を配置する際、粘着材4の配置量(厚み)は特に限定されるものではないが、例えば、凹部3の窪みの深さが20μmである場合、凹部3に対して、粘着材4の厚みは30μmとなるように配置して積層することが好ましい。
【0076】
また、例えば、凹部3の窪みの深さが40μmである場合、凹部3に対して、粘着材4の厚みは50μmとなるように配置して積層することが好ましい。
【0077】
すなわち、凹部3の窪みの深さよりも少し高く、具体的には、例えば、10μm程度高くなるように、粘着材4を配置して積層することが好ましい。
【0078】
粘着材4の配置量をこの程度とすれば、光学シート1を積層したときに、粘着材4が押しつぶされ、凹部3から粘着材4がはみ出すことなく、かつ、確実に対向する光学シート同士を接合させることができる。
【0079】
ただし、粘着材4の配置量は上記の記載に限定されるものではなく、光学シート間の接着強度を強くする場合などは、粘着材4の配置量をさらに厚くしてもよい。また、光学シートの特性等によっては、粘着材4の配置量を薄くしてもよい。
【0080】
光学シート1と接合する対象は、光学シート1に限定されず、従来の光学シート(すなわち、凹部を有しない光学シート)であってもよい。
【0081】
また、光学シート1を、導光板を備える照明装置の光学シートとして用いる場合、凹部3が形成された面を導光板に対向させて、該導光板上に配置することにより、光学シート1と該導光板とを接合させることができる。これにより、照明装置のより一層の薄型化を図ることができる。
【0082】
さらに、光学シート1を備えた照明装置上に、液晶パネルを配置して表示装置とする場合には、凹部3が形成された面を、液晶パネルに対向させて、該液晶パネルと、光学シート1とを重ね合わせて接合させることができる。これにより、表示装置のより一層の薄型化を図ることができる。
【0083】
本実施形態では、光学シート1の形状は、四角形であるが、その形状はこれに限定されるものではない。具体的には、四角形以外の多角形であってもよいし、円や楕円であってもよい。また、多角形の場合、角が丸みを帯びた形状であってもよい。
【0084】
さらに、本実施形態では、周囲領域2は、四角形の光学シート1の一辺のみを含む領域であるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、周囲領域2は、光学シート1の形状の周囲全部または一部を含む領域であればよい。
【0085】
具体的には、例えば、光学シート1が多角形である場合、周囲領域2は、該多角形の一辺のみを含むものであってもよいし、複数の辺を含むものであってもよい。
【0086】
また、光学シート1が円や楕円等の辺を有しない形状である場合、周囲領域2は、該形状の周囲の全部または一部を含む領域であればよい。
【0087】
凹部3は、光学シート1の厚さ方向に窪んだ窪み(換言すれば、光学シート1の厚さ方向に凹んだ凹み)である。
【0088】
凹部3の形状は特に限定されるものではなく、図2に示すように粘着材4を配置可能な形状であればよい。すなわち、図1において、凹部3の形状は、2角の角がとれた四角形であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、いかなる形状であってもよい。
【0089】
凹部3は、図1において、周囲領域2の一部の領域に設けられているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、図3に示すように、周囲領域2の全域に凹部3が設けられていてもよい。
【0090】
本発明では、特に、図3に示すように、周囲領域2の全域に凹部3が設けられていることが好ましい。換言すれば、光学シート1の厚さ方向に対し、辺全部に凹部3が設けられていることが好ましい。
【0091】
このような構成によれば、凹部3が周囲領域2の一部の領域に設けられている場合(図2を参照)と比較して、図4に示すように、凹部3に配置する粘着材4の量を増加させることができる。それゆえ、凹部3に粘着材4が配置された光学シート1を複数積層すれば、光学シート1同士をより強固に接合することができる。
【0092】
粘着材4は、図2に示すように、凹部3の一部の領域に配置することが好ましい。換言すれば、粘着材4の容積は、凹部3の容積よりも小さい。このような構成によれば、複数の光学シート1を積層した際、凹部3から粘着材4がはみ出し、光学シート1の凹部3以外の領域に広がることがない。すなわち、粘着材4が光学シート1の凹部3以外の領域に広がり、積層光学シートの光学特性が損なわれることを防止することができる。
【0093】
ただし、図2では、粘着材4は、凹部3の一部の領域に配置されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、粘着材4は、凹部3を完全に埋め込むように配置してもよい。つまり、粘着材4の容積と凹部3の容積とが等しくなるようにしてもよい。この場合、凹部3に粘着材4を配置した光学シート1を積層したときに、粘着材4が凹部3から極力はみ出さないようにすることが好ましい。
【0094】
光学シート1において、周囲領域2には、複数の凹部3が設けられていてもよい。周囲領域2に設ける凹部3の数は特に限定されない。
【0095】
また、周囲領域2において、複数の凹部3を配置する場合、凹部3の配置は特に限定されるものではない。具体的には、光学シート1の一方の面にのみ設けられていてもよいし、シート両面に設けられていてもよい。
【0096】
より具体的には、例えば、図5に示すように、凹部3は、周囲領域2の両面にそれぞれ1つずつ設けた構成とすることができる。
【0097】
凹部3が周囲領域2の両面に設けられている場合、周囲領域2の両面に設けられた凹部3の配置は、シート面に対して、非対称であることが好ましい。換言すれば、光学シート1において、凹部3を設けた部分が、表裏で位置が異なることが好ましい。
【0098】
このような構成によれば、複数の光学シート1を積層したとき、凹部3同士が対向する(重なり合う)ことがない。それゆえ、例えば、図6に示すように、凹部3に粘着材4を配置した光学シート1を複数積層すれば、光学シート1同士を2つの粘着材4によって接合することができる。つまり、上記構成によれば、光学シート1同士をより強固に接合することができる。
【0099】
また、凹部3が光学シート1のシート面に対して対称に設けられていると、凹部3が設けられた領域において、光学シート1の厚みが薄くなる。その結果、光学シート1の強度が低下する場合がある。
【0100】
しかし、上記構成によれば、シート両面への凹部3の形成により、光学シート1の厚みが、凹部3が形成された領域で極端に薄くなることを防止できる。つまり、光学シート1の強度の低下を抑制することができる。
【0101】
図5において、シート両面に設けられた2つの凹部はともに同一の形状であるが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、周囲領域2に、複数の凹部3を設ける場合、複数の凹部3の形状は特に限定されるものではなく、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0102】
具体的には、例えば、図7に示すように、シート両面に設けられた2つの凹部は、周囲領域2の長手方向の幅は同一で、周囲領域2の短手方向の幅が異なる構成とすることができる。
【0103】
なお、図7では、光学シート1の上面に設けられた凹部3のほうが、下面に設けられた凹部3よりも、周囲領域2の短手方向の幅が長い。換言すれば、凹部3を設けた部分の長さが、裏面に対し表面が長い。
【0104】
しかし、図9に示すように、光学シート1の上面に設けられた凹部3のほうが、下面に設けられた凹部3よりも、周囲領域2の短手方向の幅が短い構成とすることもできる。換言すれば、凹部3を設けた部分の長さが、表面に対し裏面が長い構成とすることもできる。
【0105】
上記のように、凹部3について、シートの表裏で長さを変えることにより、凹部3が薄く成り過ぎ、光学シート1の強度が低下することを回避することができる。より詳しく説明すると、凹部3の長さが、シートの表裏で同一であると、光学シート1の取り扱い作業時に、凹部3の特定の箇所に応力が集中する。そのため、その応力が集中する領域で、光学シート1が折れる場合がある。
【0106】
一方、図9に示すように、凹部3の長さがシートの表裏で異なると、光学シート1の取り扱い作業時に、凹部3の特定の箇所に応力が集中することがない(応力を分散させることができる)ため、光学シート1が折れたりすることを防止することができる。
【0107】
また、上記構成では、光学シート1の加工時に、両側から同じ位置でプレス等を行い、長さが同一の凹部3を形成(加工)する場合よりも、凹部3を容易に形成(加工)することができる。
【0108】
上記シート両面に設けられた2つの凹部において、周囲領域2の短手方向の幅の差は、特に限定されるものではないが、具体的には、加工精度を勘案して、0.5mm〜1mmとすることが好ましい。もちろん、光学シートの外形等に応じて、0.5mmより差が小さくてもよいし、1mmより差が大きくてもよい。
【0109】
また、凹部3のシート厚さ方向の深さ(換言すれば、凹み寸法)は、特に限定されるものではないが、シート両面に凹部3を設ける場合には、凹部3のそれぞれの凹み寸法は、光学シート1の厚さ全体の5分の1〜5分の2とすることが好ましい。
【0110】
具体的には、例えば、光学シート1の厚みが100μmである場合、各凹部3の凹み寸法は、20μm〜40μmとすることが好ましい。
【0111】
図5、図7および図9のいずれの構成においても、図6、図8、および図10に示すように、各凹部3に粘着材4を配置した後、複数の光学シート1を積層することにより、粘着材4を介して、各光学シート1同士を接合することができる。
【0112】
また、凹部3がシート両面に設けられている場合、図11に示すように、一方の面には、周囲領域2の全域に凹部3が設けられており、もう一方の面には、周囲領域2の一部の領域にのみ凹部3が設けられていてもよい。
【0113】
換言すれば、表面は少なくとも一部に凹部3を設け、裏面は辺全部に凹部3を設けた構成や、裏面は少なくとも一部に凹部3を設け、表面は辺全部に凹部3を設けた構成としてもよい。
【0114】
なお、図11では、シート両面に設けられた凹部3は、ともに、周囲領域2の短手方向の幅は同一であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0115】
具体的には、図13に示すように、周囲領域2の全域に設けられた凹部3よりも、周囲領域2の一部の領域にのみ設けられた凹部3のほうが、周囲領域2の短手方向の幅が短い構成とすることができる。
【0116】
また、逆に、図15に示すように、周囲領域2の全域に設けられた凹部3よりも、周囲領域2の一部の領域にのみ設けられた凹部3のほうが、周囲領域2の短手方向の幅が長い構成としてもよい。
【0117】
図11、図13および図15のいずれの構成においても、図12、図14、および図16に示すように、各凹部3に粘着材4を配置した後、複数の光学シート1を積層することにより、粘着材4を介して、各光学シート1同士を接合することができる。
【0118】
光学シート1において凹部3を形成する方法(換言すれば、光学シート1の製造方法)は特に限定されるものではなく、シート上に窪みを形成させることが可能なあらゆる方法を用いることができる。
【0119】
具体的には、例えば、図19に示すように、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100に対して、任意の形状の凹部3を形成させることが可能な型90をプレスすること(プレス加工)により、光学シート1を製造することができる。
【0120】
なお、図19では凹部3を形成する為、凹部3に相対する部分に予め凸部が設けられているが、凹部3以外の部分は、プレス加工前では、凹部3の高さまでフラットにしておき、プレス時に可動してもよい。すなわち、プレス時のステージの動きに連動して、凹部3以外の部分を上側にスライドさせてもよい。
【0121】
また、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100を吸引により仮固定したり、微粘着フィルム等を用いて仮固定したりしておいてもよい。
【0122】
これにより、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100が位置ずれして脱落したり、プレスし損なったりするリスクを軽減することができる。
【0123】
また、光学シート1は、図20に示すように、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100を外形加工する際に、凹部3を形成させる領域を、外形加工部材91で加圧して、凹部3が設けられた光学シート1を製造することができる。
【0124】
つまり、外形加工前は、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100において凹部3が形成される領域は、フラットである。そして、外形加工時に、加圧部分が任意に突出し、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100に凹部3が形成される。
【0125】
図20では、加圧部が外形加工時に可動する構造を採用しているが、予め凹凸を設けておいてもよい。すなわち、型が開いた状態では、平面であり、型が閉じ始めると凸部が徐々に突出し始め、型が完全に閉じた状態で設定した凸部となり、凹部3を形成し、型が開き始めると徐々に戻っていく構成としてもよい。
【0126】
また、図20には図示しないが、光学シート1の表面にプリズムや凹凸シボパターンの加工を行う場合、プリズムや凹凸シボパターンの形成と同時に、凹部3を形成させることができる。つまり、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100の表面加工時に、併せて凹部3を形成させてもよい。
【0127】
もちろん、プリズムや凹凸シボパターンを先に形成させて、その後、凹部3を形成させてもよいし、凹部3を先に形成させて、その後、プリズムや凹凸シボパターンを形成させてもよい。
【0128】
複数の凹部3が設けられた光学シート1を製造する場合、上説したような方法を用いて、1つずつ凹部3を形成させてもよいし、同時に、複数の凹部3を形成させてもよい。
【0129】
1つずつ凹部3を形成させる場合、例えば、図21に示すように、既に1つの凹部3が設けられた光学シート1の該凹部3が設けられた面とは逆の面(裏面)に対して、任意の形状の凹部3を設けるための型90をプレスすること(プレス加工)により、両面に1つずつ凹部3が設けられた光学シート1を製造することができる。
【0130】
なお、この場合も、図21には図示しないが、上説したように、凹部以外の部分は、プレス加工前では、凹部の高さまでフラットにしておき、プレス時に可動してもよい。
【0131】
また、既に1つの凹部3が設けられた光学シート1を吸引により仮固定したり、微粘着フィルム等を用いて仮固定したりしておいてもよい。
【0132】
これにより、既に1つの凹部3が設けられた光学シート1が位置ずれして脱落したり、プレスし損なったりするリスクを軽減することができる。
【0133】
また、図22に示すように、上下の型が開いた状態では、平面であり、型が閉じ始めると凸部が徐々に突出し始め、上下の型が完全に閉じた状態で設定した凸部となり、凹部3を形成し、上下の型が開き始めると徐々に戻っていく構成とすることにより、凹部3を光学シート1の両面に形成させてもよい。
【0134】
以上、説示したように、光学シート1は、あらゆる方法を用いて製造することができる。
【0135】
図25では、積層光学シート20は、積層される複数の光学シート、すなわち、プリズムシート上1a、プリズムシート下1b、および拡散シート1cは、いずれも、上説した光学シート1であるが、本発明はこれに限定されない。
【0136】
具体的には、積層光学シート20は、積層される複数の光学シートにうち、少なくとも1つが、上説した光学シート1であればよい。すなわち、積層光学シート20を、プリズムシート上、プリズムシート下、および拡散シートから構成させる場合、これら3つの光学シートのうち、少なくとも1つが、上説した光学シート1の構造を有していればよい。
【0137】
凹部3を有しない従来の光学シートと、凹部3を有する光学シート1とを組み合わせて用いて積層光学シート20とする場合、粘着材4の層が形成されないように、凹部3を有しない従来の光学シートと、凹部3を有する光学シート1との積層順を決定する。このような構成は、本明細書に鑑みた当業者であれば、容易に理解できる。
【0138】
また、図25に示すように、液晶表示装置40において、積層光学シート20と、液晶パネル11とは接している。図25には、図示していないが、積層光学シート20と、液晶パネル11とは接合されていることが好ましい。
【0139】
従来、液晶表示装置等の表示装置において、粘着材等を用いることなく、光学シートの組み込みを行うと、光学シートを台紙から取り外した際にカールし、これにより、光学シートの組み込み時に位置ズレが発生するという問題が指摘されていた。
【0140】
しかし、本発明によれば、液晶表示装置40への積層光学シート20の組み込みの際、積層光学シート20は、液晶パネル11に接合されているため、上記問題の発生を防止することができる。
【0141】
具体的には、プリズムシート上1aの液晶パネル11と対向する面に凹部3が設けられており、凹部3には粘着材4が配置されていることが好ましい。これにより、積層光学シート20と、液晶パネル11とを、粘着材4を介して接合させることができる。
【0142】
また、上記構成によれば、粘着材4は、凹部3に配置されている。そのため、積層光学シート20と、液晶パネル11との間には、粘着材4の層が形成されない。
【0143】
特開平8−76120号公報(平成8(1996)年3月22日)等に開示されているように、従来、光学シートの全面に粘着材を設け、固着等により、光学シートと液晶パネルとが接合されている。このような構成では、粘着材の層による厚みの増加が表示装置の薄型化の妨げとなっていた。
【0144】
しかし、本発明によれば、粘着材4の層が形成されることはない。そのため、液晶表示装置40の薄型化をより一層図ることができる。
【0145】
さらに、本実施形態において、粘着材4は、液晶パネル11全面を覆うことはなく、液晶パネル11の周囲の一部の領域に接着するのみである。
【0146】
上記特開平8−76120号公報に開示されるような構成では、光学シートの全面に粘着材を設けるため、光学シートを通過する光源からの光の利用効率が低下するという問題がある。
【0147】
しかし、本発明によれば、粘着材4は、液晶パネル11の周囲の一部の領域にのみ接着している。そのため、積層光学シート20を通過するLED7からの光の利用効率が低下することを防止することができる。
【0148】
また、図25に示すように、照明装置30では、積層光学シート20と、導光板13とは、接している。図25には、図示していないが、積層光学シート20と、導光板13とは接合されていることが好ましい。
【0149】
具体的には、拡散シート1cの導光板13と対向する面に凹部3が設けられており、凹部3には粘着材4が配置されていることが好ましい。これにより、積層光学シート20と、液晶パネル11とを、粘着材4を介して接合させることができる。
【0150】
また、上記構成によれば、粘着材4は、凹部3に配置されている。そのため、積層光学シート20と、導光板13との間には、粘着材4の層が形成されない。それゆえ、照明装置30の薄型化をより一層図ることができる。
【0151】
さらに、このような構成の照明装置30を備えることにより、液晶表示装置40をより一層薄型化することができる。
【0152】
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0153】
以上のように、本発明では、光学シートの周囲領域の少なくとも一部の領域に、厚さ方向に窪んだ凹部を設けている。したがって、該凹部に粘着材を配置して、複数の光学シートを積層したとき、粘着材の層を形成させずに光学シート同士を接合し、薄型構造の積層光学シートを製造することができる。そのため、本発明は光学シートを製造する分野に用いることができるだけではなく、各種照明装置や、照明装置を備える表示装置等の光学シートを備えるあらゆるデバイスを製造する分野に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図2】図1の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図4】図3の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図6】図5の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図8】図7の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図10】図9の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図12】図11の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図14】図13の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図16】図15の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図18】図17の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図19】図9の光学シートをプレス加工により製造するときの一工程を示す斜視図である。
【図20】図9の光学シートを外形加工により製造するときの一工程を示す断面図である。
【図21】図15の光学シートをプレス加工により製造するときの一工程を示す斜視図である。
【図22】図22は、図17の光学シートを外形加工により製造するときの一工程を示す断面図である。
【図23】本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置の組立構造を示す斜視図である。
【図24】本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置のブロック図である。
【図25】本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置の断面図である。
【図26】従来の液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
【0155】
1 光学シート
1a プリズムシート上(光学シート)
1b プリズムシート下(光学シート)
1c 拡散シート(光学シート)
2 周囲領域
3 凹部
4 粘着材
13 導光板
20 積層光学シート
30 照明装置
40 液晶表示装置(表示装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学シート、積層光学シート、照明装置、および表示装置に関するものであり、特に、薄型構造を有する積層光学シートを製造するための光学シート、積層光学シート、照明装置、および表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶などを使用する自発光しない表示装置には照明装置が用いられている。上記照明装置には、通常、光源からの光を拡散させる光学シートや、正面方向に光を集光する光学シート等が備えられている。
【0003】
液晶表示装置等の光源を必要とする従来の表示装置について、図26を参照しながら具体的に説明する。
【0004】
液晶表示装置900は、樹脂フレーム909と、LED907と、LED用FPC908と、反射シート905と、導光板904と、プリズムシート上901と、プリズムシート下902と、拡散シート903とを備えた照明装置を有している。そして、該照明装置上に、液晶駆動用FPC910が接続された液晶パネル911が配置されている。さらに、液晶パネル911上に表ケース912が配置されている。
【0005】
液晶表示装置900では、LED907から入光された光は、導光板904を通り、反射シート905にて反射する。そして、導光板904より出た光は、拡散シート903、プリズムシート下902、およびプリズムシート上901を順に通る。プリズムシート上901を通過した光は、液晶パネル911を照らす。これにより、液晶パネル911上に、画像を表示することができる。
【0006】
液晶表示装置900において、拡散シート903、プリズムシート下902、およびプリズムシート上901は、この順に積層されている。また、拡散シート903とプリズムシート下902とは、粘着材913を介して接合されている。同様に、プリズムシート下902とプリズムシート上901とは、粘着材913を介して接合されている。
【0007】
このように、液晶表示装置900では、光学シートとして、複数の光学シートが積層された積層光学シートが用いられている。一般的に、液晶表示装置等の光源を必要とする表示装置では、光学シートとして、このような積層光学シートが用いられる。
【0008】
そのため、表示装置に利用可能な積層光学シートが多数開発されている。具体的には、例えば、特許文献1には、2枚以上の光学シートが積層され、これらの光学シート同士が周縁の1辺において熱接着フィルムにより接合されたディスプレイ用光学シートが開示されている。
【特許文献1】特開2007−155936号公報(平成19(2007)年6月21日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1のように、複数の光学シートが積層された積層光学シートでは、積層された光学シートは、それぞれ、粘着材等により接合されている。これにより、積層された光学シートは固定されている。
【0010】
しかしながら、このような構成では、粘着材の厚みの分だけ、積層光学シートの厚みが厚くなる。その結果、このような積層光学シートを備えた表示装置では、積層光学シートの厚みのために、薄型化が困難になるという問題がある。
【0011】
また、このような問題を解決する技術として、積層光学シートにおいて、積層された光学シートを互いに接合しない技術がある。しかし、このような技術では、光学シート間が接合されていないため、各光学シートが位置ずれするという問題がある。
【0012】
さらに、積層光学シートの厚みを薄くするために、積層光学シートを構成する光学シート自体の厚みを薄くする技術も開発されている。しかし、光学シート自体を薄くしすぎると、光学シートはカールしやすくなる。そのため、積層光学シートの製造時に光学シートが位置ずれするという問題がある。
【0013】
また、積層後、積層光学シートを表示装置のようなデバイスに組み込む際にも、組み込みにくく、積層光学シートが位置ずれしやすい等の不具合を生じることがある。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、薄型構造を有する積層光学シートを製造するための光学シート、積層光学シート、照明装置、および表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる光学シートは、上記課題を解決するために、周囲領域の少なくとも一部の領域に、厚さ方向に窪んだ凹部が設けられていることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、光学シートの周囲領域の少なくとも一部の領域には、光学シートの厚さ方向に窪んだ凹部が形成されている。
【0017】
そのため、上記凹部には、粘着材を、シート面から突出することなく配置することができる。したがって、上記凹部に粘着材を配置した後、複数の光学シートを積層することにより、粘着材の層を形成させることなく、複数の光学シートを互いに接合することができる。
【0018】
つまり、複数の光学シートが積層された積層体(換言すれば、積層光学シート)の厚みに、粘着材の厚みが加わることがない。それゆえ、上記構成の光学シートによれば、薄型構造を有する積層光学シートを製造することができる。
【0019】
本発明にかかる光学シートにおいて、上記凹部は、上記周囲領域の全域に設けられていることが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、上記凹部は、上記周囲領域の全域に設けられている。そのため、上記凹部が上記周囲領域の一部の領域に設けられている場合よりも、凹部の面積(体積)が大きくなる。したがって、上記凹部には、より多くの粘着材を配置することができる。それゆえ、上記凹部に粘着材を配置して、複数の光学シートを積層することにより、光学シート同士をより強固に接合することができる。
【0021】
本発明にかかる光学シートにおいて、上記凹部は、シート両面に設けられていることが好ましい。
【0022】
上記構成によれば、上記凹部は、シート両面に設けられている。そのため、光学シートの両面の凹部に、粘着材を配置することができる。それゆえ、光学シートの両面に、光学シートを、粘着材の層を形成させることなく、接合することができる。
【0023】
本発明にかかる光学シートにおいて、上記凹部がシート両面に設けられている場合、上記シート両面に設けられた凹部は、シート面に対して非対称に設けられていることが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、シート両面への凹部の形成により、光学シートの厚みが凹部が形成された領域で極端に薄くなることはない。それゆえ、光学シートの強度が低下することを防止することができる。
【0025】
さらに、上記構成によれば、上記光学シートを複数積層した際、隣接する光学シート間で、上記凹部同士が重なり合うことがない。したがって、上記凹部に粘着材を配置して積層すれば、光学シート同士を複数の粘着材によって接合することができる。それゆえ、上記構成によれば、積層された光学シート同士の接着力を向上させることができる。
【0026】
また、本発明にかかる光学シートにおいて、上記凹部がシート両面に設けられている場合、上記シート両面に設けられた凹部は、互いに、形状が異なることが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、光学シートの両面に設けられた凹部の形状が互いに異なる。上記凹部の形状は、該凹部に配置可能な粘着材の量、換言すれば、粘着力に影響を与える。したがって、上記構成によれば、光学シートの両面で、光学シートに対する粘着力を異なるようにすることができる。
【0028】
本発明にかかる光学シートにおいて、上記凹部がシート両面に設けられている場合、上記シート両面に設けられた凹部は、互いに、上記周囲領域の短手方向の長さが異なることが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、上記凹部は、シート両面で、上記周囲領域の短手方向の長さが異なる。それゆえ、該光学シートの取り扱い作業時に、該凹部が形成されている特定の領域に応力が集中することにより、凹部が形成された領域が折れたりすることを防止することができる。
【0030】
また、上記構成によれば、上記光学シートの製造時に、上記凹部を容易に形成(加工)することができる。
【0031】
本発明にかかる光学シートは、多角形の形状を有し、上記周囲領域は、上記多角形のいずれか一辺のみを含む領域であることが好ましい。
【0032】
上記構成によれば、上記周囲領域は、多角形の形状を有する光学シートの一辺のみを含んでいる。そのため、光学シート同士を粘着材によって接合して積層シートとしたり、デバイスと粘着材によって接合したりした場合に、温度環境の変化等により該光学シートが膨張および/または収縮して、該光学シートにうねり(撓み)が発生することを防止することができる。
【0033】
本発明にかかる光学シートは、プリズムシートまたは拡散シートであることが好ましい。
【0034】
液晶表示装置等の光源を必要とする表示装置においては、導光板等の光源からの光を拡散させる光学シートや、正面方向に光を集光する光学シート等が用いられる。このような光学シートとしては、プリズムシートや拡散シート、またはそれらの積層体(積層光学シート)が用いられる。
【0035】
したがって、上記構成によれば、液晶表示装置等の光源を必要とする表示装置に備える光学シートとして好適に用いることができる。
【0036】
本発明にかかる積層光学シートは、上記の本発明にかかる光学シートを少なくとも一部に含む複数の光学シートが積層された積層光学シートであって、上記凹部に粘着材が配置されていることを特徴としている。
【0037】
上記構成によれば、複数の光学シートが積層された積層光学シートにおいて、少なくとも一部に、本発明にかかる光学シートが含まれている。また、該光学シートの凹部には、粘着材が配置されている。
【0038】
したがって、該凹部に配置された粘着材により、本発明にかかる光学シートは、隣接する光学シートと接合されている。また、粘着材は、上記凹部内に配置されている。そのため、本発明にかかる光学シートと、隣接する光学シートとの間には、粘着材の層は形成されない。それゆえ、上記積層光学シートは薄型構造を有することができる。
【0039】
また、上記構成によれば、上記光学シート同士は接合されている。したがって、該積層光学シートを表示装置等の各種デバイスに組み込む際、積層された光学シートの一部がカールして、位置ずれしたり、作業性が低下したりすることを防止することができる。
【0040】
さらに、上記構成によれば、上記粘着材は、各光学シートの周囲領域に配置されている。つまり、粘着材が、積層光学シートにおける光の透過領域に配置されることはない。それゆえ、光の利用効率が低下することを防止することができる。
【0041】
本発明にかかる積層光学シートにおいて、上記粘着材の容積は、上記凹部の容積よりも小さいことが好ましい。
【0042】
上記構成によれば、粘着材は、上記凹部全体ではなく、上記凹部の一部の領域に配置されている。したがって、上記凹部に粘着材を配置して、光学シート同士を貼り合せる際、上記凹部から粘着材がはみ出し、光学シートの凹部以外の領域に粘着材が広がることがない。
【0043】
それゆえ、上記凹部からはみ出した粘着材により、上記積層光学シートの光の利用効率が低下したり、積層光学シートの光学特性が悪影響を受けたりすることを防止することができる。
【0044】
本発明にかかる照明装置は、本発明にかかる積層光学シートと、導光板と、を備え、上記積層光学シートは、上記導光板の出光面側に配置されていることを特徴としている。
【0045】
上記構成によれば、上記照明装置は、光学シートとして、本発明にかかる積層光学シートを備えている。本発明にかかる積層光学シートは、薄型構造を有する。それゆえ、上記構成によれば、照明装置の薄型化を図ることができる。
【0046】
本発明にかかる表示装置は、本発明にかかる照明装置をバックライトとして備えていることを特徴としている。
【0047】
上記構成によれば、上記表示装置は、照明装置として、本発明にかかる照明装置を備えている。本発明にかかる照明装置は、薄型構造を有する。それゆえ、上記構成によれば、表示装置の薄型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明にかかる光学シートは、以上のように、周囲領域の少なくとも一部の領域に、厚さ方向に窪んだ凹部が設けられているため、該凹部に粘着材を、シート面から突出することなく配置することができる。したがって、上記光学シートの凹部に粘着材を配置して積層することにより、粘着材の層を形成させることなく、積層された光学シート同士を接合することができる。それゆえ、薄型構造を有する積層光学シートを製造することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明の一実施形態について、図1〜図25に基づいて説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されない。
【0050】
本実施形態にかかる液晶表示装置40(表示装置)は、図24に示すように、液晶パネル11と、液晶駆動用FPC10と、コントローラ72と、照明装置30と、電源制御部73とを備えている。
【0051】
コントローラ72は、入力される映像データに基づいて、液晶駆動用FPC10および照明装置30を制御する。液晶駆動用FPC10は、コントローラ72の制御を受けて液晶パネル11を駆動する。
【0052】
照明装置30は、コントローラ72からの制御を受けて光照射を行う。この照明装置30の照射光は、図25の積層光学シート20を介して液晶パネル11に供給される。また、電源制御部73は、ユーザの電源ON/OFFに従って液晶表示装置40の電源系統を制御する。
【0053】
液晶表示装置40は、構造的には、図25に示すように、樹脂フレーム9に、照明装置30と配置し、照明装置30の上に、液晶駆動用FPC10が接続された液晶パネル11が配置されている。さらに、その上から、表ケース12によって液晶パネル11を押さえつける構成となっている。
【0054】
照明装置30は、図25に示すように、反射シート5と、LED7およびLED用FPC8が取り付けられた樹脂フレーム9と、導光板13と、積層光学シート20とを備えている。
【0055】
LED用FPC8は、コントローラ72からの制御を受けて、LED7を点灯させる。LED7からの光は、導光板13を経て、積層光学シート20に供給される。また、LED7からの光の一部は、反射シート5で反射された後、積層光学シート20に供給される。
【0056】
積層光学シート20に入射された光は、該積層光学シート20の光学特性に応じて、光を拡散させたり、正面方向に光を集光させたりする。こうして積層光学シート20を通過した光は、液晶パネル11に供給される。
【0057】
積層光学シート20は、図25に示すように、拡散シート1c(光学シート)、プリズムシート下1b(光学シート)、およびプリズムシート上1a(光学シート)が、順に積層された構造を有する。これにより、積層光学シート20は、所望の光学特性を発揮することができる。
【0058】
液晶表示装置40は、図23に示すように、裏ケース6上に、反射シート5、導光板13、拡散シート1c、プリズムシート下1b、プリズムシート上1a、並びにLED7およびLED用FPC8が設けられた樹脂フレーム9が順に重ねて配置された照明装置30上に、液晶駆動用FPC10が接続された液晶パネル11、および表ケース12を順に重ねて配置することにより製造することができる。
【0059】
積層光学シート20に関し、図25の構成に限定されるものではない。具体的には、複数の光学シートが積層されたものであればよい。
【0060】
また、積層光学シート20において積層される各光学シートの光学特性は特に限定されない。さらに、各光学シートそれぞれの光学特性は、全て同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0061】
すなわち、積層光学シート20において所望の光学特性(例えば、所望の輝度や仕様)が得られるように、任意の光学特性を有する光学シートを適宜組み合わせて積層すればよい。
【0062】
積層光学シート20に積層する光学シートとしては、具体的には、例えば、プリズムシート、および拡散シートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
また、図25では、下から、拡散シート1c、プリズムシート下1b、およびプリズムシート上1aの順に積層されているが、積層順や、積層する光学シートの枚数はこれに限定されない。
【0064】
具体的には、例えば、導光板13上に、拡散シート、プリズムシート、プリズムシート、および拡散シートが順に積層された構成とすることができる。
【0065】
積層光学シート20において、拡散シート1c、プリズムシート下1b、およびプリズムシート上1aは、互いに接合されている。
【0066】
ここで、プリズムシート上1a、プリズムシート下1b、および拡散シート1cの構造、並びに積層光学シート20における各光学シート同士の接合について、図1〜図23を参照しながら、詳細に説明する。
【0067】
なお、以下の説明では、プリズムシート上1a、プリズムシート下1b、および拡散シート1cを総称して、光学シート1と称する。
【0068】
プリズムシート上1a、プリズムシート下1b、および拡散シート1cには、図示しないが、プリズム面やシボ(凹凸)パターンが表面に形成されていてもよい。また、そのプリズム面やシボ(凹凸)パターンは、後述する光学シート1のいずれの面、換言すれば光学シート1の表裏のいずれに形成されていてもよい。
【0069】
光学シート1は、図1に示すように、四角形の光学シートであって、その一辺のみを含む周囲領域2の片面に、凹部3を備えている。
【0070】
このような構成によれば、図2に示すように、凹部3に粘着材4を配置することができる。これにより、光学シート1を積層したとき、粘着材4に積層された光学シート1同士を接合することができる。
【0071】
また、上記構成によれば、粘着材4は、凹部3に配置されているため、粘着材4の厚みにより、複数の光学シート1が積層された積層体(換言すれば、積層光学シート)の厚みが増加することがない。したがって、上記構成を備える光学シート1によれば、薄型構造を有する積層光学シート20を製造することができる。
【0072】
さらに、上記構成によれば、光学シート1同士を粘着材によって接合して積層シートとしたり、デバイスと粘着材によって接合したりした場合に、温度環境の変化等により該光学シート1が膨張および/または収縮して、該光学シート1にうねり(撓み)が発生することを防止することができる。したがって、光学シート1をプリズムシートや拡散シート等の表示装置の光学シートとして用いる場合、表示品位を損なうことがない。
【0073】
従来、表示パネルに光学シートを固定する場合、その構造上の問題から、光学シートの四辺をフレームと固定されている。その場合、うねり等を隠すために、偏光板にディフィーザー(散乱材)等を入れる必要がある。
【0074】
しかし、上記構成によれば、表示品位を損なう恐れのあるうねりの発生を防止できるため、そのようなディフィーザー等を不要とすることができる。
【0075】
なお、凹部3に粘着材4を配置する際、粘着材4の配置量(厚み)は特に限定されるものではないが、例えば、凹部3の窪みの深さが20μmである場合、凹部3に対して、粘着材4の厚みは30μmとなるように配置して積層することが好ましい。
【0076】
また、例えば、凹部3の窪みの深さが40μmである場合、凹部3に対して、粘着材4の厚みは50μmとなるように配置して積層することが好ましい。
【0077】
すなわち、凹部3の窪みの深さよりも少し高く、具体的には、例えば、10μm程度高くなるように、粘着材4を配置して積層することが好ましい。
【0078】
粘着材4の配置量をこの程度とすれば、光学シート1を積層したときに、粘着材4が押しつぶされ、凹部3から粘着材4がはみ出すことなく、かつ、確実に対向する光学シート同士を接合させることができる。
【0079】
ただし、粘着材4の配置量は上記の記載に限定されるものではなく、光学シート間の接着強度を強くする場合などは、粘着材4の配置量をさらに厚くしてもよい。また、光学シートの特性等によっては、粘着材4の配置量を薄くしてもよい。
【0080】
光学シート1と接合する対象は、光学シート1に限定されず、従来の光学シート(すなわち、凹部を有しない光学シート)であってもよい。
【0081】
また、光学シート1を、導光板を備える照明装置の光学シートとして用いる場合、凹部3が形成された面を導光板に対向させて、該導光板上に配置することにより、光学シート1と該導光板とを接合させることができる。これにより、照明装置のより一層の薄型化を図ることができる。
【0082】
さらに、光学シート1を備えた照明装置上に、液晶パネルを配置して表示装置とする場合には、凹部3が形成された面を、液晶パネルに対向させて、該液晶パネルと、光学シート1とを重ね合わせて接合させることができる。これにより、表示装置のより一層の薄型化を図ることができる。
【0083】
本実施形態では、光学シート1の形状は、四角形であるが、その形状はこれに限定されるものではない。具体的には、四角形以外の多角形であってもよいし、円や楕円であってもよい。また、多角形の場合、角が丸みを帯びた形状であってもよい。
【0084】
さらに、本実施形態では、周囲領域2は、四角形の光学シート1の一辺のみを含む領域であるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、周囲領域2は、光学シート1の形状の周囲全部または一部を含む領域であればよい。
【0085】
具体的には、例えば、光学シート1が多角形である場合、周囲領域2は、該多角形の一辺のみを含むものであってもよいし、複数の辺を含むものであってもよい。
【0086】
また、光学シート1が円や楕円等の辺を有しない形状である場合、周囲領域2は、該形状の周囲の全部または一部を含む領域であればよい。
【0087】
凹部3は、光学シート1の厚さ方向に窪んだ窪み(換言すれば、光学シート1の厚さ方向に凹んだ凹み)である。
【0088】
凹部3の形状は特に限定されるものではなく、図2に示すように粘着材4を配置可能な形状であればよい。すなわち、図1において、凹部3の形状は、2角の角がとれた四角形であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、いかなる形状であってもよい。
【0089】
凹部3は、図1において、周囲領域2の一部の領域に設けられているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、図3に示すように、周囲領域2の全域に凹部3が設けられていてもよい。
【0090】
本発明では、特に、図3に示すように、周囲領域2の全域に凹部3が設けられていることが好ましい。換言すれば、光学シート1の厚さ方向に対し、辺全部に凹部3が設けられていることが好ましい。
【0091】
このような構成によれば、凹部3が周囲領域2の一部の領域に設けられている場合(図2を参照)と比較して、図4に示すように、凹部3に配置する粘着材4の量を増加させることができる。それゆえ、凹部3に粘着材4が配置された光学シート1を複数積層すれば、光学シート1同士をより強固に接合することができる。
【0092】
粘着材4は、図2に示すように、凹部3の一部の領域に配置することが好ましい。換言すれば、粘着材4の容積は、凹部3の容積よりも小さい。このような構成によれば、複数の光学シート1を積層した際、凹部3から粘着材4がはみ出し、光学シート1の凹部3以外の領域に広がることがない。すなわち、粘着材4が光学シート1の凹部3以外の領域に広がり、積層光学シートの光学特性が損なわれることを防止することができる。
【0093】
ただし、図2では、粘着材4は、凹部3の一部の領域に配置されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、粘着材4は、凹部3を完全に埋め込むように配置してもよい。つまり、粘着材4の容積と凹部3の容積とが等しくなるようにしてもよい。この場合、凹部3に粘着材4を配置した光学シート1を積層したときに、粘着材4が凹部3から極力はみ出さないようにすることが好ましい。
【0094】
光学シート1において、周囲領域2には、複数の凹部3が設けられていてもよい。周囲領域2に設ける凹部3の数は特に限定されない。
【0095】
また、周囲領域2において、複数の凹部3を配置する場合、凹部3の配置は特に限定されるものではない。具体的には、光学シート1の一方の面にのみ設けられていてもよいし、シート両面に設けられていてもよい。
【0096】
より具体的には、例えば、図5に示すように、凹部3は、周囲領域2の両面にそれぞれ1つずつ設けた構成とすることができる。
【0097】
凹部3が周囲領域2の両面に設けられている場合、周囲領域2の両面に設けられた凹部3の配置は、シート面に対して、非対称であることが好ましい。換言すれば、光学シート1において、凹部3を設けた部分が、表裏で位置が異なることが好ましい。
【0098】
このような構成によれば、複数の光学シート1を積層したとき、凹部3同士が対向する(重なり合う)ことがない。それゆえ、例えば、図6に示すように、凹部3に粘着材4を配置した光学シート1を複数積層すれば、光学シート1同士を2つの粘着材4によって接合することができる。つまり、上記構成によれば、光学シート1同士をより強固に接合することができる。
【0099】
また、凹部3が光学シート1のシート面に対して対称に設けられていると、凹部3が設けられた領域において、光学シート1の厚みが薄くなる。その結果、光学シート1の強度が低下する場合がある。
【0100】
しかし、上記構成によれば、シート両面への凹部3の形成により、光学シート1の厚みが、凹部3が形成された領域で極端に薄くなることを防止できる。つまり、光学シート1の強度の低下を抑制することができる。
【0101】
図5において、シート両面に設けられた2つの凹部はともに同一の形状であるが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、周囲領域2に、複数の凹部3を設ける場合、複数の凹部3の形状は特に限定されるものではなく、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0102】
具体的には、例えば、図7に示すように、シート両面に設けられた2つの凹部は、周囲領域2の長手方向の幅は同一で、周囲領域2の短手方向の幅が異なる構成とすることができる。
【0103】
なお、図7では、光学シート1の上面に設けられた凹部3のほうが、下面に設けられた凹部3よりも、周囲領域2の短手方向の幅が長い。換言すれば、凹部3を設けた部分の長さが、裏面に対し表面が長い。
【0104】
しかし、図9に示すように、光学シート1の上面に設けられた凹部3のほうが、下面に設けられた凹部3よりも、周囲領域2の短手方向の幅が短い構成とすることもできる。換言すれば、凹部3を設けた部分の長さが、表面に対し裏面が長い構成とすることもできる。
【0105】
上記のように、凹部3について、シートの表裏で長さを変えることにより、凹部3が薄く成り過ぎ、光学シート1の強度が低下することを回避することができる。より詳しく説明すると、凹部3の長さが、シートの表裏で同一であると、光学シート1の取り扱い作業時に、凹部3の特定の箇所に応力が集中する。そのため、その応力が集中する領域で、光学シート1が折れる場合がある。
【0106】
一方、図9に示すように、凹部3の長さがシートの表裏で異なると、光学シート1の取り扱い作業時に、凹部3の特定の箇所に応力が集中することがない(応力を分散させることができる)ため、光学シート1が折れたりすることを防止することができる。
【0107】
また、上記構成では、光学シート1の加工時に、両側から同じ位置でプレス等を行い、長さが同一の凹部3を形成(加工)する場合よりも、凹部3を容易に形成(加工)することができる。
【0108】
上記シート両面に設けられた2つの凹部において、周囲領域2の短手方向の幅の差は、特に限定されるものではないが、具体的には、加工精度を勘案して、0.5mm〜1mmとすることが好ましい。もちろん、光学シートの外形等に応じて、0.5mmより差が小さくてもよいし、1mmより差が大きくてもよい。
【0109】
また、凹部3のシート厚さ方向の深さ(換言すれば、凹み寸法)は、特に限定されるものではないが、シート両面に凹部3を設ける場合には、凹部3のそれぞれの凹み寸法は、光学シート1の厚さ全体の5分の1〜5分の2とすることが好ましい。
【0110】
具体的には、例えば、光学シート1の厚みが100μmである場合、各凹部3の凹み寸法は、20μm〜40μmとすることが好ましい。
【0111】
図5、図7および図9のいずれの構成においても、図6、図8、および図10に示すように、各凹部3に粘着材4を配置した後、複数の光学シート1を積層することにより、粘着材4を介して、各光学シート1同士を接合することができる。
【0112】
また、凹部3がシート両面に設けられている場合、図11に示すように、一方の面には、周囲領域2の全域に凹部3が設けられており、もう一方の面には、周囲領域2の一部の領域にのみ凹部3が設けられていてもよい。
【0113】
換言すれば、表面は少なくとも一部に凹部3を設け、裏面は辺全部に凹部3を設けた構成や、裏面は少なくとも一部に凹部3を設け、表面は辺全部に凹部3を設けた構成としてもよい。
【0114】
なお、図11では、シート両面に設けられた凹部3は、ともに、周囲領域2の短手方向の幅は同一であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0115】
具体的には、図13に示すように、周囲領域2の全域に設けられた凹部3よりも、周囲領域2の一部の領域にのみ設けられた凹部3のほうが、周囲領域2の短手方向の幅が短い構成とすることができる。
【0116】
また、逆に、図15に示すように、周囲領域2の全域に設けられた凹部3よりも、周囲領域2の一部の領域にのみ設けられた凹部3のほうが、周囲領域2の短手方向の幅が長い構成としてもよい。
【0117】
図11、図13および図15のいずれの構成においても、図12、図14、および図16に示すように、各凹部3に粘着材4を配置した後、複数の光学シート1を積層することにより、粘着材4を介して、各光学シート1同士を接合することができる。
【0118】
光学シート1において凹部3を形成する方法(換言すれば、光学シート1の製造方法)は特に限定されるものではなく、シート上に窪みを形成させることが可能なあらゆる方法を用いることができる。
【0119】
具体的には、例えば、図19に示すように、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100に対して、任意の形状の凹部3を形成させることが可能な型90をプレスすること(プレス加工)により、光学シート1を製造することができる。
【0120】
なお、図19では凹部3を形成する為、凹部3に相対する部分に予め凸部が設けられているが、凹部3以外の部分は、プレス加工前では、凹部3の高さまでフラットにしておき、プレス時に可動してもよい。すなわち、プレス時のステージの動きに連動して、凹部3以外の部分を上側にスライドさせてもよい。
【0121】
また、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100を吸引により仮固定したり、微粘着フィルム等を用いて仮固定したりしておいてもよい。
【0122】
これにより、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100が位置ずれして脱落したり、プレスし損なったりするリスクを軽減することができる。
【0123】
また、光学シート1は、図20に示すように、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100を外形加工する際に、凹部3を形成させる領域を、外形加工部材91で加圧して、凹部3が設けられた光学シート1を製造することができる。
【0124】
つまり、外形加工前は、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100において凹部3が形成される領域は、フラットである。そして、外形加工時に、加圧部分が任意に突出し、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100に凹部3が形成される。
【0125】
図20では、加圧部が外形加工時に可動する構造を採用しているが、予め凹凸を設けておいてもよい。すなわち、型が開いた状態では、平面であり、型が閉じ始めると凸部が徐々に突出し始め、型が完全に閉じた状態で設定した凸部となり、凹部3を形成し、型が開き始めると徐々に戻っていく構成としてもよい。
【0126】
また、図20には図示しないが、光学シート1の表面にプリズムや凹凸シボパターンの加工を行う場合、プリズムや凹凸シボパターンの形成と同時に、凹部3を形成させることができる。つまり、外形加工にて打ち抜かれた光学シート100の表面加工時に、併せて凹部3を形成させてもよい。
【0127】
もちろん、プリズムや凹凸シボパターンを先に形成させて、その後、凹部3を形成させてもよいし、凹部3を先に形成させて、その後、プリズムや凹凸シボパターンを形成させてもよい。
【0128】
複数の凹部3が設けられた光学シート1を製造する場合、上説したような方法を用いて、1つずつ凹部3を形成させてもよいし、同時に、複数の凹部3を形成させてもよい。
【0129】
1つずつ凹部3を形成させる場合、例えば、図21に示すように、既に1つの凹部3が設けられた光学シート1の該凹部3が設けられた面とは逆の面(裏面)に対して、任意の形状の凹部3を設けるための型90をプレスすること(プレス加工)により、両面に1つずつ凹部3が設けられた光学シート1を製造することができる。
【0130】
なお、この場合も、図21には図示しないが、上説したように、凹部以外の部分は、プレス加工前では、凹部の高さまでフラットにしておき、プレス時に可動してもよい。
【0131】
また、既に1つの凹部3が設けられた光学シート1を吸引により仮固定したり、微粘着フィルム等を用いて仮固定したりしておいてもよい。
【0132】
これにより、既に1つの凹部3が設けられた光学シート1が位置ずれして脱落したり、プレスし損なったりするリスクを軽減することができる。
【0133】
また、図22に示すように、上下の型が開いた状態では、平面であり、型が閉じ始めると凸部が徐々に突出し始め、上下の型が完全に閉じた状態で設定した凸部となり、凹部3を形成し、上下の型が開き始めると徐々に戻っていく構成とすることにより、凹部3を光学シート1の両面に形成させてもよい。
【0134】
以上、説示したように、光学シート1は、あらゆる方法を用いて製造することができる。
【0135】
図25では、積層光学シート20は、積層される複数の光学シート、すなわち、プリズムシート上1a、プリズムシート下1b、および拡散シート1cは、いずれも、上説した光学シート1であるが、本発明はこれに限定されない。
【0136】
具体的には、積層光学シート20は、積層される複数の光学シートにうち、少なくとも1つが、上説した光学シート1であればよい。すなわち、積層光学シート20を、プリズムシート上、プリズムシート下、および拡散シートから構成させる場合、これら3つの光学シートのうち、少なくとも1つが、上説した光学シート1の構造を有していればよい。
【0137】
凹部3を有しない従来の光学シートと、凹部3を有する光学シート1とを組み合わせて用いて積層光学シート20とする場合、粘着材4の層が形成されないように、凹部3を有しない従来の光学シートと、凹部3を有する光学シート1との積層順を決定する。このような構成は、本明細書に鑑みた当業者であれば、容易に理解できる。
【0138】
また、図25に示すように、液晶表示装置40において、積層光学シート20と、液晶パネル11とは接している。図25には、図示していないが、積層光学シート20と、液晶パネル11とは接合されていることが好ましい。
【0139】
従来、液晶表示装置等の表示装置において、粘着材等を用いることなく、光学シートの組み込みを行うと、光学シートを台紙から取り外した際にカールし、これにより、光学シートの組み込み時に位置ズレが発生するという問題が指摘されていた。
【0140】
しかし、本発明によれば、液晶表示装置40への積層光学シート20の組み込みの際、積層光学シート20は、液晶パネル11に接合されているため、上記問題の発生を防止することができる。
【0141】
具体的には、プリズムシート上1aの液晶パネル11と対向する面に凹部3が設けられており、凹部3には粘着材4が配置されていることが好ましい。これにより、積層光学シート20と、液晶パネル11とを、粘着材4を介して接合させることができる。
【0142】
また、上記構成によれば、粘着材4は、凹部3に配置されている。そのため、積層光学シート20と、液晶パネル11との間には、粘着材4の層が形成されない。
【0143】
特開平8−76120号公報(平成8(1996)年3月22日)等に開示されているように、従来、光学シートの全面に粘着材を設け、固着等により、光学シートと液晶パネルとが接合されている。このような構成では、粘着材の層による厚みの増加が表示装置の薄型化の妨げとなっていた。
【0144】
しかし、本発明によれば、粘着材4の層が形成されることはない。そのため、液晶表示装置40の薄型化をより一層図ることができる。
【0145】
さらに、本実施形態において、粘着材4は、液晶パネル11全面を覆うことはなく、液晶パネル11の周囲の一部の領域に接着するのみである。
【0146】
上記特開平8−76120号公報に開示されるような構成では、光学シートの全面に粘着材を設けるため、光学シートを通過する光源からの光の利用効率が低下するという問題がある。
【0147】
しかし、本発明によれば、粘着材4は、液晶パネル11の周囲の一部の領域にのみ接着している。そのため、積層光学シート20を通過するLED7からの光の利用効率が低下することを防止することができる。
【0148】
また、図25に示すように、照明装置30では、積層光学シート20と、導光板13とは、接している。図25には、図示していないが、積層光学シート20と、導光板13とは接合されていることが好ましい。
【0149】
具体的には、拡散シート1cの導光板13と対向する面に凹部3が設けられており、凹部3には粘着材4が配置されていることが好ましい。これにより、積層光学シート20と、液晶パネル11とを、粘着材4を介して接合させることができる。
【0150】
また、上記構成によれば、粘着材4は、凹部3に配置されている。そのため、積層光学シート20と、導光板13との間には、粘着材4の層が形成されない。それゆえ、照明装置30の薄型化をより一層図ることができる。
【0151】
さらに、このような構成の照明装置30を備えることにより、液晶表示装置40をより一層薄型化することができる。
【0152】
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0153】
以上のように、本発明では、光学シートの周囲領域の少なくとも一部の領域に、厚さ方向に窪んだ凹部を設けている。したがって、該凹部に粘着材を配置して、複数の光学シートを積層したとき、粘着材の層を形成させずに光学シート同士を接合し、薄型構造の積層光学シートを製造することができる。そのため、本発明は光学シートを製造する分野に用いることができるだけではなく、各種照明装置や、照明装置を備える表示装置等の光学シートを備えるあらゆるデバイスを製造する分野に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図2】図1の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図4】図3の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図6】図5の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図8】図7の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図10】図9の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図12】図11の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図14】図13の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図16】図15の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の一実施形態にかかる光学シートの斜視図である。
【図18】図17の光学シートの凹部に粘着材を配置した状態を示す斜視図である。
【図19】図9の光学シートをプレス加工により製造するときの一工程を示す斜視図である。
【図20】図9の光学シートを外形加工により製造するときの一工程を示す断面図である。
【図21】図15の光学シートをプレス加工により製造するときの一工程を示す斜視図である。
【図22】図22は、図17の光学シートを外形加工により製造するときの一工程を示す断面図である。
【図23】本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置の組立構造を示す斜視図である。
【図24】本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置のブロック図である。
【図25】本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置の断面図である。
【図26】従来の液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
【0155】
1 光学シート
1a プリズムシート上(光学シート)
1b プリズムシート下(光学シート)
1c 拡散シート(光学シート)
2 周囲領域
3 凹部
4 粘着材
13 導光板
20 積層光学シート
30 照明装置
40 液晶表示装置(表示装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲領域の少なくとも一部の領域に、厚さ方向に窪んだ凹部が設けられていることを特徴とする光学シート。
【請求項2】
上記凹部は、上記周囲領域の全域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
【請求項3】
上記凹部は、シート両面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学シート。
【請求項4】
上記シート両面に設けられた凹部は、シート面に対して非対称に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の光学シート。
【請求項5】
上記シート両面に設けられた凹部は、互いに、形状が異なることを特徴とする請求項3または4に記載の光学シート。
【請求項6】
上記シート両面に設けられた凹部は、互いに、上記周囲領域の短手方向の長さが異なることを特徴とする請求項5に記載の光学シート。
【請求項7】
上記光学シートは、多角形の形状を有し、
上記周囲領域は、上記多角形のいずれか一辺のみを含む領域であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項8】
上記光学シートは、プリズムシートまたは拡散シートであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学シートを少なくとも一部に含む複数の光学シートが積層された積層光学シートであって、
上記凹部に粘着材が配置されていることを特徴とする積層光学シート。
【請求項10】
上記粘着材の容積は、上記凹部の溶液よりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の積層光学シート。
【請求項11】
請求項9または10に記載の積層光学シートと、
導光板と、を備え、
上記積層光学シートは、上記導光板の出光面側に配置されていることを特徴とする照明装置。
【請求項12】
請求項11に記載の照明装置をバックライトとして備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項1】
周囲領域の少なくとも一部の領域に、厚さ方向に窪んだ凹部が設けられていることを特徴とする光学シート。
【請求項2】
上記凹部は、上記周囲領域の全域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
【請求項3】
上記凹部は、シート両面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学シート。
【請求項4】
上記シート両面に設けられた凹部は、シート面に対して非対称に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の光学シート。
【請求項5】
上記シート両面に設けられた凹部は、互いに、形状が異なることを特徴とする請求項3または4に記載の光学シート。
【請求項6】
上記シート両面に設けられた凹部は、互いに、上記周囲領域の短手方向の長さが異なることを特徴とする請求項5に記載の光学シート。
【請求項7】
上記光学シートは、多角形の形状を有し、
上記周囲領域は、上記多角形のいずれか一辺のみを含む領域であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項8】
上記光学シートは、プリズムシートまたは拡散シートであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学シートを少なくとも一部に含む複数の光学シートが積層された積層光学シートであって、
上記凹部に粘着材が配置されていることを特徴とする積層光学シート。
【請求項10】
上記粘着材の容積は、上記凹部の溶液よりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の積層光学シート。
【請求項11】
請求項9または10に記載の積層光学シートと、
導光板と、を備え、
上記積層光学シートは、上記導光板の出光面側に配置されていることを特徴とする照明装置。
【請求項12】
請求項11に記載の照明装置をバックライトとして備えていることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2009−139589(P2009−139589A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−315187(P2007−315187)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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