説明

光学デバイス用安定装置

電子デバイス(10)の一部を形成する光デバイス(14)用安定装置(24)は、光デバイスが装着されるプラットフォーム(36)を備える。ジンバルマウント(40)は、プラットフォームが第1の軸を中心にして回動するようにプラットフォームを保持しつつ、更に第2の軸を中心に回動することで、光学デバイスを、第1の軸及び第2の軸の双方を中心にして回動させる。第1のアクチュエータ(68)は、第1の軸を中心とする光学デバイスの動きを管理するように制御され、第2のアクチュエータ(70)は、第2の軸を中心とする光学デバイスの動きを管理するように制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術は、一般に安定装置に関し、特に光学デバイスのユーザによる振動及び変動の影響に対して、光学デバイスを安定化させるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動電子デバイス及び/又は無線電子デバイスは、益々普及してきている。例えば移動電話、携帯メディアプレーヤ及び携帯ゲーム機は、現在、広い範囲で使用されている。また、ある特定の種類の電子デバイスと関連付けられる機能は、益々多様になってきている。例えば現在、多くの移動電話はカメラを含む。
【0003】
ユーザが電子デバイスを保持して写真を撮る場合、ユーザの動き(例えば、ユーザの手による揺れ)が「手ブレ」を招き、その結果、画像が劣化する。手ブレを補正する画像安定化技術が試みられてきたが、デジタルカメラを含む移動電話等の小型の携帯型のデバイスにおいてはあまり成果があがっていない。
【0004】
従来の画像安定化技術は、デジタル的な安定化及び光学機械的な安定化を含む2つの一般的なカテゴリに分類される。光学機械的な安定化は、光学系の部分を物理的に操作して画像を安定させるものであり、一般に、デジタル的な安定化よりも適切に機能すると考えられている。デジタル一眼レフカメラ及び一部のコンパクトデジタルカメラは、光学機械的な画像安定化を採用している。しかし、光学機械的な画像安定化は機械構成要素に依存しており、当該機械構成要素は、多くの移動電話に搭載されるデジタルカメラには大きすぎるため、実現不可能な選択肢といえる。特に従来の光学機械的な安定化技術では、手ブレを補正するために光路のレンズ又はレンズのグループを動かす。別の方法では、画像平面における手ブレを補正するために画像センサを動かす。上述したように、これらのシステムは、カメラ付き携帯電話には容易に適応できない。これは、カメラ付き携帯電話の画像構成要素の寸法が、専用カメラで見られる大きなカメラアセンブリと比較して非常に小さいためである。その結果、カメラ付き携帯電話の手ブレに適切に対処するレンズ又はセンサのうちの1つを動かすことは、精度的に達成が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来より、光学機械的な画像安定化は、カメラ付き携帯電話の選択肢と考えられてこなかったため、デジタル的な画像安定化が安定化性能の犠牲を招くにもかかわらず、カメラ付き携帯電話の製造業者は、デジタル的な画像安定化を選択してきた。実際、出願人の知る限りでは、光学機械的な画像安定化を採用するカメラ付き携帯電話は、現在市場に出回っていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
相対的に小型の光学デバイスに対する安定性を向上させるため、本明細書では、改良された安定装置について説明する。一実施形態において、安定装置は、光学デバイス全体を支持する光学デバイスプラットフォームを備える。カメラの場合、光学デバイスは、光学素子(例えば、レンズ)及び画像センサを含むカメラモジュールであってもよい。プラットフォームは、光学デバイスが少なくとも2つの軸に対して回動するような構成において、ジンバルマウントにより保持される。光学デバイスの動きは、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ又は形状記憶合金(SMA)アクチュエータ等のアクチュエータにより制御される。ジャイロセンサは、プラットフォームの動き、つまり光学デバイスの動きを検出するために使用される。ジャイロセンサからの出力信号は制御器に入力され、当該制御器では、当該出力信号がプラットフォーム及び光学デバイスの初期位置を示すゼロ値等の一定値を維持するように、アクチュエータを制御する。
【0007】
本発明の1つの態様によると、電子デバイスの一部を形成する光学デバイス用安定装置は、光学デバイスが装着されるプラットフォームと、プラットフォームが第1の軸を中心にして回動するようにプラットフォームを保持しつつ、更に、第2の軸を中心にして回動することで、光学デバイスを、第1の軸及び第2の軸の双方を中心にして回動させるジンバルマウントと、第1の軸を中心とする光学デバイスの動きを管理するように制御される第1のアクチュエータと、第2の軸を中心とする光学デバイスの動きを管理するように制御される第2のアクチュエータとを備える。
【0008】
一実施形態によると、安定装置は、プラットフォームに対して装着されるジャイロセンサを更に備え、ジャイロセンサは、第1の軸及び第2の軸を中心とする光学デバイスの動きを示す信号を出力する。
【0009】
一実施形態によると、安定装置は、ジャイロセンサの出力信号に従って第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを制御する制御器を更に備える。
【0010】
安定装置の一実施形態によると、制御器は、ジャイロセンサからの出力信号の変化を最小限にするように第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを制御する。
【0011】
安定装置の一実施形態によると、安定装置は、光学デバイス、プラットフォーム又はジンバルマウントのうちのいずれかの相対的な位置を示す入力を制御器に提供する位置センサを有していない。
【0012】
安定装置の一実施形態によると、ジンバルマウントは、電子デバイスのプリント回路基板に固定される取り付けブラケットにヒンジを介して連結される。
【0013】
安定装置の一実施形態によると、電子デバイスは移動電話である。
【0014】
安定装置の一実施形態によると、光学デバイスは、センサ及び少なくとも1つの集光レンズを含むカメラモジュールである。
【0015】
安定装置の一実施形態によると、光学デバイスは、電子デバイスのユーザにポインタとして使用される光ビームを生成する照明源である。
【0016】
安定装置の一実施形態によると、照明源はレーザダイオードである。
【0017】
安定装置の一実施形態によると、プラットフォーム上に装着される2つの光学デバイスが存在する。
【0018】
安定装置の一実施形態によると、光学デバイスは、カメラモジュール及び照明源である。
【0019】
安定装置の一実施形態によると、アクチュエータは電磁アクチュエータである。
【0020】
安定装置の一実施形態によると、第1のアクチュエータは、第1の軸を中心とする動きを制御するようにプラットフォームに対して装着される磁石及びコイルを備え、第2のアクチュエータは、第2の軸を中心とする動きを制御するようにジンバルマウントに対して装着される磁石及びコイルを備える。
【0021】
安定装置の一実施形態によると、アクチュエータは圧電アクチュエータである。
【0022】
安定装置の一実施形態によると、アクチュエータは形状記憶合金(SMA)アクチュエータである。
【0023】
安定装置の一実施形態によると、第1のアクチュエータは、第1の軸を中心とする動きを制御するようにジンバルマウントとプラットフォームとの間に連結されるSMA部材を備え、第2のアクチュエータは、第2の軸を中心とする動きを制御するようにジンバルマウントと固定点との間に連結されるSMA部材を備える。
【0024】
本発明の別の態様によると、移動電話は、ネットワークを介して着呼及び発呼する通話回路と、移動電話のユーザにより選択される対象に、光ビームを投影するレーザポインタとを備える。
【0025】
移動電話の一実施形態によると、レーザポインタに対する照明源は、安定装置に装着され、ユーザの手による揺れに起因する投影された光ビームの変動を軽減する。
【0026】
一実施形態によると、移動電話は、デジタル写真を撮影するカメラアセンブリを更に備える。
【0027】
以下の説明及び添付の図面を参照することにより、これらの特徴及び更なる特徴が明らかになるだろう。説明及び図面において、本発明の原理が採用されるいくつかの方法を示すものとして本発明の特定の実施形態を詳細に開示しているが、本発明の範囲はそれに限定されるものではないことは理解されよう。本発明は、添付の請求の範囲の範囲内に含まれる全ての変更、変形及び均等物を含む。
【0028】
一実施形態に関して説明及び/又は例示する特徴は、1つ以上の他の実施形態において同一の方法又は同様の方法で使用されてもよく、且つ/あるいは他の実施形態の特徴と組み合わせて又はその代わりに使用されてもよい。
【0029】
本明細書中で使用される場合の用語「備える」は、記載される特徴、数字、ステップ、又は構成要素の存在を特定するものとして解釈されるものであり、1つ以上の他の特徴、数字、ステップ、構成要素又はそれらの集合の存在又は追加を除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、カメラアセンブリ用の安定化カメラモジュールを含む例示的な電子デバイスを示す正面図である。
【図2】図2は、カメラアセンブリ用の安定化カメラモジュールを含む例示的な電子デバイスを示す背面図である。
【図3】図3は、光学デバイス用の例示的な安定装置を示す部分分解図である。
【図4】図4は、電磁アクチュエータを含む図3の安定装置を示す斜視図である。
【図5】図5は、圧電アクチュエータを備え、部分的に切り取られて示された回路基板に装着される図3の安定装置を示す側面図である。
【図6】図6は、形状記憶合金(SMA)アクチュエータを備え、部分的に切り取られて示された回路基板に装着される図3の安定装置を示す側面図である。
【図7】図7は、図6の安定装置を示す端面図である。
【図8】図8は、図6の安定装置の別の例示的な構成を示す端面図である。
【図9】図9は、図3の安定装置の例示的な制御回路構成を示す概略ブロック図である。
【図10】図10は、図1及び図2の電子デバイスを示す概略ブロック図である。
【図11】図11は、図1及び図2の電子デバイスが動作する通信システムを示す概略図である。
【図12】図12は、複数の光学デバイスが安定装置に装着される図3の安定装置を示す斜視図である。
【図13】図13は、安定化光源を含むレーザポインタを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、図面を参照して実施形態を説明する。図中、同一の図中符号は同一の要素を示すために使用される。図面は必ずしも縮尺通りではないことは理解されよう。
【0032】
添付の図面と組み合わせて、改良された安定装置の種々の実施形態を以下に説明する。安定装置は、例えばデジタルスチールカメラ、デジタルビデオカメラ、レーザポインタ等、安定化光学デバイスを改良する機械的な安定装置であってもよい。従って、安定装置は、光学機械的な安定装置と呼ばれる場合もある。安定装置は、移動電話において見られるデジタルカメラモジュール等の相対的に小型の光学デバイスを安定化させるのに最適である。
【0033】
開示される安定装置は、光学デバイス全体(例えば、デジタルカメラの場合はカメラモジュール又はレーザポインタの場合はレーザダイオード)を動かし、ブレを補正する。これは、レンズ又はセンサ等の個別のカメラ構成要素を動かす従来の方法とは異なる。移動電話及び他の小型アプリケーションにおいて、光学デバイス全体を低消費電力で動かすことができる。
【0034】
以下に説明するように、開示される安定装置は、位置センサに依存しない簡単な制御構成を採用する。例えば開示される構成において、ジャイロセンサは、光学デバイスの動きに直接対応する動き(及び対応する出力信号)を出力するように、光学デバイスに対して装着される。これにより、閉ループ制御システムが採用される。位置センサは、動き部分の厳密な位置を把握するために、従来の機械的な画像安定化システムにおいて使用されるものである。これらのセンサが出力する位置の値は、ジャイロセンサが出力する動きの値と比較される。このデータから、動きアクチュエータを制御する制御信号は、相対的に高度な処理技術を使用して計算される。
【0035】
一実施形態において、開示される安定装置は、光学デバイス全体を支持する光学デバイスプラットフォームを備える。カメラの場合、光学デバイスは、光学素子(例えば、レンズ)及び画像センサを含むカメラモジュールである。プラットフォームは、光学デバイスが少なくとも2つの軸に対して回動するように、ジンバルマウントにより保持される。動きは、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ又は形状記憶合金(SMA)アクチュエータ等のアクチュエータにより制御される。ジャイロセンサは、プラットフォームの動き、つまり光学デバイスの動きを検出するために使用される。ジャイロセンサからの出力信号は制御器に入力され、当該制御器では、当該出力信号が、プラットフォーム及び光学デバイスの初期位置を示すゼロ値等の一定値を維持するように、アクチュエータを制御する。
【0036】
主に、移動電話用のデジタルカメラ(例えば、デジタルスチールカメラ及び/又はデジタルビデオカメラ)を安定化させることに関連して、安定装置について説明する。専用カメラ、レーザポインタ、リモコン、テレビゲームコントローラ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、メディアプレーヤ、ゲーム機及びコンピュータ等、他の動作状況において安定装置が使用されてもよいことは理解されよう。しかし、これらの例に限定されるものではない。同義語である「電子機器」及び「電子デバイス」には、携帯無線通信機器が含まれることは、更に留意されるべきである。以下において、「移動無線端末」と呼ばれる「携帯無線通信機器」なる用語には、例えば移動電話、ページャ、通信機、電子オーガナイザ、PDA、スマートフォン、携帯通信装置等の全ての機器が含まれるものとする。
【0037】
はじめに、図1及び図2に、電子デバイス10を示す。図示される電子デバイス10は、移動電話である。電子デバイス10は、デジタル静止画及び/又はデジタルビデオクリップを撮影するカメラアセンブリ12を備える。従って、電子デバイス10は移動電話である必要はなく、上述したような専用カメラ又は任意の他のデバイスであってもよい。
【0038】
更に図3に示すように、電子デバイス10は、光学デバイス14を備える。例示する実施形態において、光学デバイス14は、カメラアセンブリ12のカメラモジュール16である。カメラモジュール16は、カメラモジュール16の視野内に含まれるシーンの画像を取り込むセンサ18と、シーンをセンサ18に結像する1つ以上のレンズを有するレンズアセンブリ20と、カメラモジュール16に対する保護カバーの働きをするウィンドウ22とを備える。ウィンドウ22は、レンズ及び/又はフィルタとして機能してもよい。カメラモジュール16は、例えばフィルタ、プリズム、ミラー、結像機構及び/又は光学ズーム機構等、他の光学構成要素を備えていてもよい。
【0039】
詳細に説明するように、光学デバイス14(例えば、例示する実施形態のカメラモジュール16)は、安定装置24に装着される。安定装置は、光学デバイス用の機械的な安定装置又は安定化が要求される任意の他の種類のデバイスであってもよい。
【0040】
カメラアセンブリ12は、安定装置24に装着されるか又は安定装置24とは別個に電子デバイス10に保持される更なる構成要素を備えていてもよい。例えばカメラアセンブリ12は、カメラモジュール16の動作及びカメラアセンブリ12の他の動作を制御する電子制御器(不図示)を備えていてもよい。カメラアセンブリ12の他の構成要素には、例えばフラッシュ26、露出計28、電子ビューファインダ及び対話型ユーザインタフェースの一部として機能するディスプレイ30、ユーザ入力を確定するキーパッド32及び/又はボタン34、光学ビューファインダ(不図示)及び一般にカメラと関連付けられる任意の他の構成要素が含まれるものとする。
【0041】
続いて、図3及び図4に、ステージ又はプラットフォーム36に装着されるカメラモジュール16を示す。少なくとも2つの回転方向でカメラモジュール16の動きを示す信号を出力するジャイロセンサ38は、プラットフォーム36に装着される。例えば、カメラモジュール16はプラットフォーム36の上部に装着され、ジャイロセンサ38はプラットフォーム38の底部の凹部に装着される。あるいは、ジャイロセンサ38は、プラットフォームの任意の他の表面又はカメラモジュール16に装着される。
【0042】
プラットフォーム36は、ジンバルマウント40に回動して装着される。例えばジンバルマウント40は、凹部又は例示する実施形態で示されるように、プラットフォームが配置される貫通穴42を備える。従って、ジンバルマウント40は、プラットフォーム36の端部を少なくとも部分的に取り囲む。プラットフォーム36及びジンバルマウント40は正方形として示したが、円形形状等の別の形状であってもよい。プラットフォーム36とジンバルマウント40との間において回動連結を確立するために、ジンバルマウント40は、プラットフォーム36の各凹部46(あるいは他の種類の絞り又は穴)に嵌合するピン44(又は他の種類の回転止め)を備える。ピン44及び凹部46を逆にし、プラットフォーム36がピン44を有し且つジンバルマウント40が凹部46を有するようにしてもよい。
【0043】
ピン44及び凹部46は、プラットフォーム36、つまりカメラモジュール16が第1の動きを実行できるように整列される。第1の動きは、光学機械的な安定装置24の第1の軸48に対して傾斜させる動きである。第1の軸48は、ピン44及び凹部46を貫通して引かれた線により示される。つまり、矢印49で示されるように、第1の動きは、第1の軸48を中心とする回動又は回転として説明される。尚、例示する実施形態において、第1の軸48は、カメラモジュール16の中心線を通っているものとする。ただし、第1の軸48は、カメラモジュール16の中心線から外れていてもよい。
【0044】
ジンバルマウント40は、ヒンジ52を介して取付ブラケット50に連結される。取付ブラケット50は、プリント回路基板54等の電子デバイス10の構成要素に固定される。他の実施形態において、取付ブラケット50は、電子デバイス10の筐体56(図1及び図2)に連結される。例示する実施形態において、取付ブラケット50は、ねじ60によりプリント回路基板54に固定されるタブ58を備える。例えばリベットによる接合、接着剤による接合、はんだ付けによる接合等の他の結合技術が適用可能である。
【0045】
一実施形態において、ジンバルマウント40及び取付ブラケット50は、すべて高分子物質から形成されている。ジンバルマウント40と取付ブラケット50との間の狭い隙間には、ヒンジ52を形成する可撓性接合が生成される。ピン留めアセンブリ等の他の種類のヒンジ構造が採用されてもよい。
【0046】
プラットフォーム36及びカメラモジュール16が矢印62により示される第2の動きを実行できるように、ジンバルマウント40は取付ブラケット50に対して動く。第2の動きは、安定装置24の第2の軸64に対して傾斜させる動きである。第2の軸62は、ヒンジ52の回動点を貫通して引かれた線により示される。つまり、第2の動きは、第2の軸64を中心とする回動又は回転として示される。尚、例示する実施形態において、第2の軸64は、カメラモジュール16の中心線から外れているものとする。更に第2の軸64は、第1の軸48に対して横断するように示される。特に、例示する実施形態において、第2の軸64は、第1の軸48に対して垂直であるか又は第1の軸48と直交する。第1の軸48と第2の軸64とは、異なる高さを有していてもよい。
【0047】
安定装置24は、バネ66により初期位置に戻される。添付の図面において、バネ66は概略的に示されている。一実施形態において、バネ66は、一方の端部がジンバルマウント40に取り付けられ、他方の端部が電子デバイス10の筐体56又はプリント回路基板54等の任意の他の部材に取り付けられるコイルバネである。別の実施形態において、バネ66又は更なるバネは、プラットフォーム36に取り付けられる。また、別の種類のバネ(例えば、板バネ)及び/又は動き緩衝装置が使用されてもよい。更に、ジンバルマウント40に対するプラットフォーム36の動きを制限するため且つ/あるいは取付ブラケット50又は任意の他の部材に対するジンバルマウント40の動きを制限するために制限係止部材が使用されてもよい。
【0048】
導線67は、カメラモジュール16をプリント回路基板54を介してカメラ制御回路に動作可能に連結する。例えば導線は、カメラモジュール16の集光及び/又は光学ズームを制御するために使用されるセンサ18及び任意の電気機械デバイスに電力及び制御信号を提供する。導線は、センサ18からの画像情報を含む信号を画像ファイルの一部として処理及び/又は格納する制御回路に出力する。図示されていないが、ジャイロセンサ38の出力信号が制御回路に入力されるように、別の導線が、ジャイロセンサ38と制御回路とを接続している。カメラモジュール16とプリント回路基板54との間の導線67及びジャイロセンサ38とプリント回路基板54との間の導線67は可撓性があり、プリント回路基板54に対するカメラモジュール16の動きを実行可能にしている。
【0049】
カメラモジュール16の動きは、第1のアクチュエータ68及び第2のアクチュエータ70により制御される。第1のアクチュエータ68は、第1の軸48を中心とする回動運動49を制御することでジンバルマウント40に対するプラットフォーム36の動きを制御する。第2のアクチュエータ70は、第2の軸64を中心とする回動運動62を制御することで取付ブラケット50に対するジンバルマウント40の動きを制御する。
【0050】
図4の実施形態において、第1のアクチュエータ68及び第2のアクチュエータ70は、電界アクチュエータである。第1のアクチュエータ68は、プラットフォーム36に装着される永久磁石74及び永久磁石74に隣接して配置されるワイヤコイル76(例えば、ボイスコイル)を備える。コイル76は、ジンバルマウント40の開口部77(図3)に保持される。一実施形態において、コイル76は、プリント回路基板54に連結されて制御信号を受信するリード線78を備える。当該リード線78は可撓性があり、これによりプリント回路基板54に対してジンバルマウント40は動作可能となっている。
【0051】
同様に、第2のアクチュエータ70は、ジンバルマウント40に装着される永久磁石80及び永久磁石82に隣接して配置されるワイヤコイル82を備える。コイル82はリード線70を備え、当該リード線70は、プリント回路基板54に連結されて制御信号を受信する。
【0052】
アクチュエータ68、70への制御信号は、それぞれ、コイル68、70に電流を流すことにより、対応する磁界が誘導されて発生する電圧信号である。誘導磁界は、カメラモジュール16の動きを制御するように、対応する磁石74、80に反発するか又はそれらを引き寄せる。対応するコイル68、70に対する磁石74、80の動きの方向は、制御信号の極性に基づいて制御される。また、動きの速度に対応する誘導磁界の強度は、制御信号の振幅により制御される。即ち、カメラモジュール16は、コイル68、70に印加される電流の強度及び極性に比例して傾斜する。
【0053】
図5は、更に、第1のアクチュエータ68及び第2のアクチュエータ70が、それぞれ、圧電アクチュエータ84及び86により実現される一実施形態を示している。圧電アクチュエータは、電磁アクチュエータよりも高速で正確であり、且つより低消費電力で動作する。しかし、現在のコスト及び製造の歩留まりに関しては、圧電アクチュエータは電磁アクチュエータよりも好ましくない。
【0054】
一般に、電流を圧電アクチュエータに印加することにより、機械的なストレスが生成され、当該機械的なストレスは所望の機械的な動きを実行するのに使用される。例示する実施形態において、第1の圧電アクチュエータ84は、ジンバルマウント40の開口部77(図3)に装着され、部材88(例えば、「チップ」)を楕円軌道で動かすように構成される。部材88は、部材88が動かされる時にプラットフォーム36も動くように、プラットフォーム36に接触するように構成される。一実施形態において、部材88は、第1の圧電アクチュエータ84及びプラットフォーム36の双方に取り付けられている。同様に、第2の圧電アクチュエータ86は、プリント回路基板54上に装着され、部材90(例えば、「チップ」)を楕円軌道で動かすように構成される。部材90は、部材90が動かされる時にジンバルマウント40も動くように、ジンバルマウント40に当接するように構成される。一実施形態において、部材90は、第1の圧電アクチュエータ86及びジンバルマウント40の双方に取り付けられる。理解されるように、安定装置24での使用に適した他の圧電作動アセンブリが使用可能である。
【0055】
図6は、更に、第2のアクチュエータ70の別の実施形態を示している。この実施形態において、第2のアクチュエータ70は、形状記憶合金(SMA)から製造される1つ以上の部材により実現される。例示する実施形態では、ワイヤ状の2つのSMA部材92及び94が示されている。ワイヤSMA部材は、一般に約80℃である適切な温度に加熱される場合に長さが縮む特性を示すため、「マッスルワイヤ」と呼ばれることが多い。適切なワイヤSMA部材は、Nitinol Devices and Components of Frmont、California、USA、並びに他の製造業者及びメーカにより販売されている。
【0056】
収縮するSMA部材92、94に電流を流すことにより、SMA部材92及び94は個別に収縮する。例えば、SMA部材92の一方の端部は制御端子96と呼ばれる電気端子に連結されており、SMA部材92の他方の端部は設置端子98に連結されている。例示する実施形態において、制御端子96は取付ブラケット50に装着されるポストであり、接地端子98はジンバルマウント40に装着されるポストである。制御端子96及び接地端子98は逆に配されていてもよい。端子96、98間に電圧差がある場合、電流がSMA部材92を流れてSMA部材92を加熱し、SMA部材92を収縮させる。SMA部材92が収縮すると、カメラモジュール16は第2の軸64を中心に上向きに傾斜する(図3)。同様に、SMA部材94の一方の端部は制御端子100と呼ばれる電気端子に連結されており、SMA部材92の他方の端部は接地端子102に連結されている。例示する実施形態において、制御端子100は取付ブラケット50に装着されるポストであり、接地端子102はジンバルマウント40に装着されるポストである。制御端子100及び接地端子102は逆に配されていてもよい。端子100、102間に電圧差がある場合、電流がSMA部材94を流れてSMA部材94を加熱し、SMA部材94を収縮させる。SMA部材94が収縮すると、カメラモジュール16は第2の軸64を中心に下向きに傾斜する(図3)。
【0057】
図7に、更に、第1のアクチュエータ68の別の実施形態を示す。第2のアクチュエータ70に対する図6の実施形態と同様に、第1のアクチュエータ68に対する図7の実施形態は、SMAから製造される1つ以上の部材により実現される。例示する実施形態では、ワイヤ状の2つのSMA部材104及び106が示されている。SMA部材104の一方の端部は制御端子106と呼ばれる電気端子に連結されており、SMA部材104の他方の端部は設置端子108に連結されている。例示する実施形態において、制御端子106はプラットフォーム36に装着されるポストであり、接地端子108はジンバルマウント40に装着されるポストである。制御端子106及び接地端子108は逆に配されていてもよい。端子106、108間に電圧差がある場合、電流がSMA部材104を流れてSMA部材104を加熱し、SMA部材104を収縮させる。SMA部材104が収縮すると、カメラモジュール16は第1の軸48を中心に上向きに傾斜する(図3)。同様に、SMA部材106の一方の端部は制御端子110と呼ばれる電気端子に連結されており、SMA部材106の他方の端部は接地端子112に連結されている。例示する実施形態において、制御端子110はプラットフォーム36に装着されるポストであり、接地端子112はジンバルマウント40に装着されるポストである。制御端子110及び接地端子112は逆に配されていてもよい。端子110、112間に電圧差がある場合、電流がSMA部材106を流れてSMA部材106を加熱し、SMA部材106を収縮させる。SMA部材106が収縮すると、カメラモジュール16は第1の軸48を中心に下向きに傾斜する(図3)。
【0058】
図8に更に示すように、SMA部材92、94、104及び106のうちの1つ以上はバネ114等の引張り部材により交換されうる。図8の実施形態では、コイルバネを表すように概略的に示されたバネ114によって、SMA部材94及びSMA部材106を交換した様子を示している。バネ114がSMA部材92及びSMA部材104を交互に交換するか又はSMA部材の任意の他の組合せにより交換されうることは理解されよう。バネ114の端部を保持するために使用される制御端子及び接地端子は、単にポストであってもよく、電気的に有効でなくてもよい。バネ114のバネ力は、バネ114と対にされるSMA部材92、94、104又は106のうちの1つの力と等しい。
【0059】
図9は、更に、安定装置24に対する制御回路構成を示している。制御器116は、ジャイロセンサ38から動き信号を受信する。一実施形態においては、2つの動き信号が含まれており、一方の信号は第1の軸48を中心とする動きを示し、他方の信号は第2の軸64を中心とする動きを示す。他の信号構成が使用されてもよいことが理解されるであろう。例えば、ジャイロセンサ38は3つの直交方向(例えば、X平面、Y平面及びZ平面における動き)の信号を出力し、制御器116は出力信号を解析して、第1の軸48を中心とする動き及び第2の軸64を中心とする動きを示す信号を取得してもよい。
【0060】
制御器116に入力される動き信号に応答して、制御器116では、第1のアクチュエータ68を制御するために使用される1つ又は複数の信号及び第2のアクチュエータ70を制御するために使用される1つ又は複数の信号を生成する。アクチュエータ68、70が電磁アクチュエータである場合、信号は、磁界を生成する適切な極性を有する電圧信号であり、当該信号は、ジャイロセンサ38により検出されるようなカメラモジュール16の動きに対処するために使用される。同様に、アクチュエータ68、70が圧電アクチュエータである場合、信号は電圧信号であり、当該信号により、部材88及び90の動きがジャイロセンサ38により検出されるカメラモジュール16の動きに対処している。アクチュエータ68、70が、各々が2つのSMA部材を含むSMAアクチュエータである場合、SMAアクチュエータ毎に2つの制御信号がある(SMA部材毎に1つの信号)。この信号は電圧信号であり、当該信号により、適当なSMA部材の収縮が、ジャイロセンサ38により検出されるカメラモジュール16の動きに対処する。
【0061】
上述したように、安定装置24の動きは、1つ以上の位置センサを使用することなく制御される。本実施形態では、ジャイロセンサ38は、ユーザの手の揺れに起因する動き等のカメラモジュール16の動き、並びにアクチュエータ68及び70の補正の動きを登録する。制御器116は、ジャイロセンサ38からの出力信号を可能な限り一定に保つように構成される。ジャイロセンサ38からの信号が一定の場合、カメラモジュール16は動きを全く示していないか又は殆ど示していないことになる。一実施形態において、ジャイロセンサ38及び制御器116は、制御器116がジャイロセンサ38からの信号をゼロ値、あるいは初期位置又は所望の位置を示す任意の他の値を維持するように構成される。理解されるように、システムは、ジャイロセンサ38により登録される動きを打ち消すように構成される。従って、安定装置24は、「自律している」(例えば、位置センサを使用せずに動作する)と考えられ、閉ループ制御システムとして実現される。
【0062】
一実施形態において、安定装置24の動き制御は、安定装置24により安定化される光学デバイス14が有効である場合にのみ起動される。例えば、光学デバイス14がカメラモジュール16である場合、安定装置24は、カメラアセンブリ12が使用可能である場合にカメラモジュール16を安定化させるように能動的に動作し、カメラアセンブリ12が使用不可である場合はカメラモジュール16を安定化させるように能動的に動作することはない。また、電子デバイス10の大きな動きは、加速度計(不図示)等を使用して検出される。電子デバイス10の大きな動きにより、電子デバイス10の位置が相対的に短時間に変化する。例えばこれは、ユーザが電子デバイス10を動かしてカメラアセンブリ12の視野を変化させることで構図を決めている場合又は電子デバイス10の粗い取り扱いの結果として起こる。電子デバイスが大きく動く間、安定装置24は、バッテリ電力を逆にするように停止される。あるいは、安定装置は、カメラアセンブリ12が起動されている場合は常に有効なままである。
【0063】
制御器116は、ファームウェアにおける専用回路構成要素、プロセッサにより実行されるソフトウェアにおける専用回路構成要素、あるいは回路構成要素、ファームウェア及び/又はソフトウェアの組合せによって実現される。一実現例において、制御器116は、例えば更なるカメラタスクの動作(例えば、露出設定の制御、センサ18からの画像データ管理等)、電子デバイス10の動作(例えば移動電話の場合、通話及び他の移動電話機能の管理)等、更なるタスクを実行する制御器と組み合わされる。
【0064】
上述したように、図1及び図2に例示された電子デバイス10は、移動電話である。図10を更に参照しながら、移動電話として実現される場合の電子デバイス10の特徴を説明する。電子デバイス10は「ストレート」の筐体を有するものとして示されているが、「フリップ」型の筐体(例えば、「折りたたみ」型筐体)又はスライドタイプ型の筐体(例えば、「スライド型」筐体)等の他の種類の筐体が利用されてもよいことは理解されよう。
【0065】
上述したように、電子デバイス10はディスプレイ30を備える。ディスプレイ30は、例えば動作状態、時刻、電話番号、連絡先情報、種々のメニュー等の情報をユーザに表示し、ユーザが電子デバイス10の種々の特徴を利用できるように構成されている。更にディスプレイ30は、電子デバイス10により受信される内容及び/又は電子デバイス10のメモリ118(図10)から検索される内容を視覚的に表示するために使用されてもよい。ディスプレイ30は、写真、移動テレビコンテンツ及びゲームに関連するビデオ等の画像、ビデオ及び他のグラフィックスをユーザに提示するために使用されてもよい。
【0066】
キーパッド32及び/又はボタン34は、種々のユーザ入力動作を受け付ける。例えばキーパッド32には、電話番号、電話リスト、連絡先情報、ノート、テキスト等の英数字の情報のエントリを可能にする英数字キーが含まれる。またキーパッド32及び/又はボタン34には、発呼又は着呼するための「通話」キー及び終話又は電話を「切る」ための「終話」キー等の特殊なファンクションキーが含まれる。特殊なファンクションキーには更にメニューナビゲーションが含まれていてもよく、ディスプレイ30上に表示されるメニューを介してナビゲートを容易にするキーが選択されてもよい。例えば、ポインティングデバイス及び/又はナビゲーションキーは、ユーザから指向的な入力を確定するために表示されてもよい。特殊なファンクションキーには、再生の開始、停止及び一時停止、トラックのスキップ又は繰り返し等のための音声映像コンテンツ再生キーが含まれる。移動電話に関連する他のキーは、音量キー、オーディオミュートキー、オン/オフ電源キー、ウェブブラウザ起動キー、カメラキー等を含んでいてもよい。更にキー又はキーに類する機能は、ディスプレイ30に関連するタッチスクリーンとして具体化されてもよい。また、ディスプレイ30、並びにキーパッド32及び/又はボタン34は、互いに関連して使用され、ソフトキーとしての機能を実現してもよい。
【0067】
電子デバイス10は、電子デバイス10が、一般に別の移動電話又は固定電話である着呼/発呼デバイスと通話を確立し且つ/あるいは信号を授受できるようにする通話回路を備える。しかし、着呼/発呼デバイスは別の電話である必要はなく、例えばインターネットウェブサーバ、コンテンツ提供サーバ等の任意の他のデバイスであってもよい。通話は任意の適切な形式であってもよい。例えば通話は、セルラ回線交換網又はセルラネットワークのパケット交換機能を介して確立されるvoice over internet Protocol(VoIP)通話を介して、或いはWiFi(例えば、IEEE 802.11規格に基づくネットワーク)、WiMax(例えば、IEEE 802.16規格に基づくネットワーク)等の別のパケット交換ネットワークを介して確立される従来の通話であってもよい。別の例には、セルラネットワーク又は別のネットワークを介して確立されるビデオ対応通話が含まれる。
【0068】
電子デバイス10は、例えばテキストメッセージ、インスタントメッセージ、電子メールメッセージ、マルチメディアメッセージ、画像ファイル、ビデオファイル、オーディオファイル、呼出し音、ストリーミングオーディオ、ストリーミングビデオ、データ出力(ポッドキャスト及びreally simple syndication(RSS)データ供給を含む)等のデータを送信、受信及び/又は処理するように構成されていてもよい。尚、テキストメッセージは、一般に、simple message serviceの略である「SMS」と呼ばれることがある。SMSは、テキストメッセージ交換の一般的な規格である。同様に、マルチメディアメッセージは、一般に、multimedia message serviceの略である「MMS」と呼ばれることがある。MMSは、マルチメディアメッセージ交換の一般的な規格である。処理データには、メモリ118へのデータの格納、データとのユーザ対話を可能にするアプリケーションの実行、データと関連付けられるビデオ及び/又は画像コンテンツの表示、データと関連付けられるオーディオ音声の出力等が含まれる。
【0069】
電子デバイス10は、電子デバイス10の機能及び動作を全体的に制御するよう構成された主制御回路120を備える。制御器116は、制御回路120と組み合わされるか又は制御回路120とは別に実現される。制御回路120は、中央処理デバイス(CPU)、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ等の処理デバイス122を備える。処理デバイス122は、電子デバイス10の動作を実行するために、制御回路120及び/又はメモリ118等の別個のメモリ内に格納されるコードを実行する。
【0070】
メモリ118は、データ格納の役割の中でも特に、カメラアセンブリ12により取り込まれる画像を格納するために使用される。あるいは、画像は、別個のメモリに格納されてもよい。メモリ118は、例えば1つ以上のバッファ、フラッシュメモリ、ハードドライブ、リムーバブルメディア、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の適切なデバイスであってもよい。一般的な構成において、メモリ118は、長期データ格納用の不揮発性メモリ(例えば、NAND又はNORアーキテクチャフラッシュメモリ)及び制御回路120用のシステムメモリとして機能する揮発性メモリを含んでいてもよい。例えば揮発性メモリは、同期ダイナミックアクセスメモリ(SDRAM)により実現されるRAMであってもよい。メモリ118は、データバスを介して制御回路120とデータを交換してもよい。メモリ118と制御回路120との間に付属の制御線及びアドレスバスが更に存在していてもよい。
【0071】
処理デバイス122は、電子デバイス10の種々の機能を実現するコードを実行する。種々の論理的な機能を動作及び実行するように電子デバイス10をプログラムする方法は、コンピュータプログラミング、特に移動電話又は他の電子デバイスのアプリケーションプログラミングの当業者には明らかであろう。
【0072】
また、図1、図2及び図10に示すように、電子デバイス10は、無線回路126に接続されたアンテナ124を備える。無線回路126は、アンテナ124を介して信号を送受信する無線周波数送受信装置を備える。無線回路126は、移動通信システムにおいて動作するように構成されており、データ及び/又は音声映像コンテンツを送受信するために使用される。移動無線ネットワーク及び/又は放送網と対話する受信部の種類には、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM)、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域CDMA(WCDMA)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、WiFi、WiMax、デジタルビデオ放送−ハンドヘルド(DVB−H)、総合デジタル放送サービス(ISDB)等、並びにそれらの規格のアドバンスドバージョンが含まれるがそれらに限定されるものではない。アンテナ124及び無線回路126は、1つ又は2つ以上の無線トランシーバを示すことは理解されよう。
【0073】
電子デバイス10は、無線回路126により送信され且つ無線回路126から受信されるオーディオ信号を処理する音声信号処理回路128を更に備える。音声処理回路128にはスピーカ130及びマイク132が接続され、これにより、ユーザは、従来のように電子デバイス10を介して聴いたり話したりすることができる。無線回路126及び音声処理回路128は、全体の動作を実行するためにそれぞれ制御回路120に接続されている。オーディオデータは、ユーザに対して再生されるために制御回路120から音声信号処理回路128に送られる。オーディオデータは、例えば、メモリ118により格納され且つ制御回路120により検索されるオーディオファイルからのオーディオデータ又は移動無線サービスからのストリーミングオーディオデータの形式等で受信されるオーディオデータを含んでいてもよい。音声処理回路128は、任意の適当なバッファ、復号器、増幅器等を備える。
【0074】
ディスプレイ30は、ビデオデータをディスプレイ30の駆動に使用されるビデオ信号に変換するビデオ処理回路134を介して制御回路120に接続されている。ビデオ処理回路134は、任意の適当なバッファ、復号器、ビデオデータプロセッサ等を備える。ビデオデータは、制御回路120により生成されるか、メモリ118に格納されたビデオファイルから検索されるか、無線回路128により受信される入力ビデオデータストリームから取得されるか又は任意の他の適切な方法により取得される。
【0075】
電子デバイス10は、1つ以上の入出力インタフェース136を更に備える。入出力インタフェース136は、通常の移動電話入出力インタフェースの形式であってもよく、1つ以上の電気コネクタを含んでいてもよい。一般的に、入出力インタフェース136は、電子デバイス10と充電器とを接続し、電子デバイス10内の電源ユニット(PSU)138のバッテリを充電するために使用される。更に又はあるいは、入出力インタフェース136は、電子デバイス10を電子デバイス10との有線インタフェースを有するヘッドホンアセンブリ(例えば、パーソナルハンズフリー(PHF)デバイス)に接続するように使用されてもよい。また、入出力インタフェース136は、データ交換用データケーブルを介して電子デバイス10をパーソナルコンピュータ又は他のデバイスに接続するように使用されてもよい。電子デバイス10は、車両電源アダプタ又は電気コンセント電源アダプタに接続される際に入出力インタフェース136を介して動作電力を受信する。外部の電源がない場合にはPSU138が電力を供給して電子デバイス10を動作させるようにしてもよい。
【0076】
電子デバイス10は、制御回路120及びメモリ118等、電子デバイス10の種々の構成要素をクロック制御するシステムクロック140を更に備える。
【0077】
電子デバイス10は、例えば全地球測位システム(GPS)受信部、ガリレオ衛星システム受信部等の位置データ受信部144を更に備えていてもよい。位置データ受信部144は、電子デバイス10の場所の判定を行う。
【0078】
電子デバイス10は、アクセサリ、別の移動無線端末、コンピュータ又は別のデバイスとの通信を確立する赤外線トランシーバ及び/又はRFインタフェース(例えば、Bluetoothインタフェース)等のローカル無線インタフェース146を更に備える。例えばローカル無線インタフェース146は、ヘッドホンアセンブリが対応する無線インタフェースを有する実施形態において、電子デバイス10とヘッドホンアセンブリ(例えば、PHFデバイス)とを動作可能に接続してもよい。
【0079】
更に図11に示すように、電子デバイス10は、通信システム148の一部として動作するように構成されてもよい。システム148には、電子デバイス10による発呼及び着呼を管理し、電子デバイス10にデータを送信し、任意の他のサポート機能を実行する1つの(又は複数の)サーバ152を有する通信ネットワーク150が含まれていてもよい。サーバ152は、送信媒体を介して電子デバイス10と通信する。送信媒体は、例えば通信タワー(例えば、セルタワー)、別の移動電話、無線アクセスポイント、衛星等を含む任意の適当なデバイス又はアセンブリであってもよい。ネットワークの一部には、無線送信路が含まれていてもよい。ネットワーク150は、複数の電子デバイス10及び他の種類のエンドユーザデバイスの通信活動をサポートしてもよい。理解されるように、サーバ152は、サーバ機能を実行するために使用される通常のコンピュータシステムとして構成されていてもよく、サーバ152の機能を具体化する論理命令を含むソフトウェアを実行するように構成されるプロセッサと、そのようなソフトウェアを格納するメモリとを含んでいてもよい。
【0080】
続いて、図12に、電子デバイス10のブレに対して光学デバイス14の各々を安定化させるように、複数の光学デバイス14がプラットフォーム36上に装着される、安定装置24の一部を示す。例示する実施形態において、光学デバイス14は、上述のようなカメラモジュール16及びレーザダイオード154を備える。レーザダイオード154は、レーザポインタ156として使用される光ビームを投影するのに使用される。レーザポインタは、一般に、対象にスポットライトを当てて対象を強調するプレゼンテーションを行う間、話者によって使用される。一般に、対象は、聴衆が見られるように画面又は他の表面に投影されたプレゼンテーションの一部である。
【0081】
カメラモジュール16を安定化させることで画質が改善されるのと同様に、レーザダイオード154を安定化させることで、スポットライトの動きは減少する。多くの話者が体験しているように、わずかな手ブレであっても、結果としてスポットライトの動きのブレ又は揺れが生じる。スポットライトのこの種の動き(「ダンシング」と呼ばれることが多い)は、聴衆の気を散らし、話者の緊張によりブレが生じる場合には話者の緊張が聴衆に伝わることとなる。
【0082】
レーザダイオード154を使用して投影されるスポットライトの予期せぬ動きは、光の投影中に安定装置24を動作することで削除又は軽減される。安定化した光スポットにより、話者のプレゼンテーションの品質及び話者の自信は向上する。また、カメラモジュール16及びレーザダイオード154の双方を安定装置24上に配置することで、電子デバイス10を製造するための更なるコストは殆どかからないか又は全くかからない。
【0083】
一実施形態において、レーザポインタ156を移動電話に組み入れることが開示される。このように、レーザポインタ156は、話者が複数のデバイスを携行する必要なく簡単に自由に使用できる。また、光生成構成要素(例えば、レーザダイオード154)及び/又は投影光学系(存在する場合)を安定装置24上に装着することにより、レーザポインタ156からの光を安定化させることができる。安定装置24に装着されたカメラモジュール16及びレーザダイオード154の双方を図12に示すが、カメラモジュール16が省略されてもよいことは理解されよう。節電のため、安定装置24は、レーザポインタ156が停止される場合に停止されてもよい。
【0084】
図13は、更に、例示的な専用レーザポインタ156を示している。レーザポインタ156は、光ビーム158を投影するレーザダイオード154を備える。レーザダイオード154は、上述の方法で安定装置24に装着される。この構成において、レーザポインタ156により投影される光ビーム158は安定化され、光ビーム158を表面に投影することで生成されるスポットライトの望ましくない動きを軽減又は削除する。
【0085】
ある特定の実施形態を図示し且つ説明したが、本明細書を読み且つ理解することにより、他の当業者が添付の請求の範囲の範囲内で均等物及び変形を考案できることは理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイス(10)の一部を形成する光学デバイス(14)用安定装置(24)であって、
前記光学デバイスが装着されるプラットフォーム(36)と、
前記プラットフォームが第1の軸を中心にして回動するように前記プラットフォームを保持しつつ、更に、第2の軸を中心にして回動することで、前記光学デバイスを、前記第1の軸及び第2の軸の双方を中心にして回動させるジンバルマウント(40)と、
前記第1の軸を中心とする前記光学デバイスの動きを管理するように制御される第1のアクチュエータ(68)と、
前記第2の軸を中心とする前記光学デバイスの動きを管理するように制御される第2のアクチュエータ(70)と
を備えることを特徴とする安定装置。
【請求項2】
前記プラットフォームに対して装着されるジャイロセンサ(38)を更に備え、前記ジャイロセンサは、前記第1の軸及び前記第2の軸を中心とする前記光学デバイスの動きを示す信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の安定装置。
【請求項3】
前記ジャイロセンサの前記出力信号に従って前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータを制御する制御器(116)を更に備え、前記制御器は、前記ジャイロセンサからの前記出力信号の変化を最小限にするように前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータを制御することを特徴とする請求項2に記載の安定装置。
【請求項4】
前記電子デバイスは移動電話であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の安定装置。
【請求項5】
前記光学デバイスは、センサ及び少なくとも1つの集光レンズを含むカメラモジュールであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の安定装置。
【請求項6】
前記光学デバイスは、前記電子デバイスのユーザにポインタとして使用される光ビームを生成することを特徴とする照明源である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の安定装置。
【請求項7】
前記プラットフォーム上に装着される2つの光学デバイスを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の安定装置。
【請求項8】
前記光学デバイスは、カメラモジュール及び照明源であることを特徴とする請求項7に記載の安定装置。
【請求項9】
前記第及び第2のアクチュエータは、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ又は形状記憶(SMA)アクチュエータのうちの1つであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の安定装置。
【請求項10】
移動電話(10)であって、ネットワーク(150)を介して着呼及び発呼する通話回路(126)と、
前記移動電話のユーザにより選択される対象に、光ビーム(158)を投影するレーザポインタ(156)と
を備えることを特徴とする移動電話(10)。
【請求項11】
前記レーザポインタに対する照明源(156)は、ユーザの手ブレに起因する前記投影された光ビームの動きを軽減させるために、安定装置(24)に装着されていることを特徴とする請求項10に記載の移動電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−538307(P2010−538307A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521493(P2010−521493)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【国際出願番号】PCT/IB2008/000608
【国際公開番号】WO2009/027775
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.Bluetooth
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】