説明

光学レンズの製造方法

【課題】 高次収差を補正するように構成された光学レンズの製造方法である。一つの実施形態は、光学系における光学補正をカスタムメイド(オーダーメイド)で行う方法である。この方法は、光学系の光学収差データを測定するステップを含む。又この方法は、光学収差データに基づいてレンズの定義を計算するステップでもある。レンズの定義を計算するステップは、少なくとも1つの高次光学収差の補正を計算することである。この方法は、レンズの定義に基づいて補正レンズを製造することも含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の眼などの光学系の収差を補正するためのカスタムメイドの光学レンズの製造にかかわるシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願は2003年11月14日出願の米国仮出願第60/520,065号の利益を享受するものであり、参考としてその内容を組み込むものである。本出願はさらに、2004年2月20日出願の米国仮出願第60/546378号の利益を享受するものであり、参考としてその内容を取り入れている。
【0003】
人間の眼、すなわち角膜およびレンズは、眼の光学的能力を低下させて視力障害を引き起こす、様々な光学収差を示すことがある。患者にレンズを装着させることによる視力障害の補正は通常、焦点のぼけや乱視など、低次収差の矯正にのみ限定されている。従来、三次以上のゼルニケ多項式で記述可能な収差などの高次収差は、レンズを用いて矯正することができなかった。さらに、レンズ製造上の制約や費用の問題もあって、ピンぼけおよび乱視は通常、離散的な工程でのみ、ほぼ1/4(0.25)ジオプター(D)まで矯正される。残念ながら、1/4(0.25)ジオプターという解像力では、未だ視力矯正は不完全なのである。
【特許文献1】米国特許第6,721,043号
【特許文献2】米国特許第6,682,195号
【特許文献3】米国特許第6,511,180号
【特許文献4】米国特許第6,712,466号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のシステム、方法、および装置はそれぞれいくつかの局面を有しており、それらの局面のいずれも単独で、その望ましい属性を実現できるわけではない。特許請求の範囲で明示された本発明の範囲を限定することなく、本発明のより顕著な特徴をここで簡潔に説明する。この説明の内容を考察すれば、特に「特定の実施形態の詳細な説明」と題する節を読めば、本発明の特徴によって、いかにして、光学レンズおよびレンズブランクを製造する、簡便且つ経済的な方法を含む利点が得られるかが理解される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態は、光学系におけるカスタムメイドの光学矯正の方法である。この方法は、光学系の光学収差データを測定するステップを含んでいる。この方法はさらに、この光学収差データに基づいて、少なくとも1つの高次光学収差の補正を含むレンズの定義を求めるステップを含む。さらに、この方法はこのレンズの定義に基づいて矯正レンズを製造するステップを含んでいる。
【0006】
別の実施形態は、カスタムメイドのレンズを製造する方法である。この方法は、光学系の光学パラメータを測定するステップを含む。この光学パラメータは、測定された光学収差を含んでいる。この方法は、少なくとも1つの光学素子を有するレンズを成形するステップをさらに含んでいる。レンズの調製には、少なくとも1つの光学素子中に、測定された光学収差の一部分を矯正することを含んでいる。この部分には、少なくとも1つの低次収差をも含むことができる。レンズの調製は、レンズにおける少なくとも1つの残存する光学収差を補正することをさらに含むことができる。この少なくとも1つの残存する光学収差には、高次収差が含まれている。
【0007】
別の実施形態は、光学レンズを製造する方法である。この方法は、所定の厚さを有するスペーサを第1レンズに配するステップを含む。この方法は、硬化可能な材料を第1レンズに配するステップをさらに含む。この方法は、硬化可能な材料を脱泡して、閉じ込められたガスを除去するステップをさらに含む。この方法は、硬化可能な材料の一部を第2光学素子の中心から外れた位置に配置し、第2光学素子と第1光学素子を互いに合わせるステップをさらに含む。このように互いに合わせることは、スペーサの所定の厚さによって決まる厚さを有する層が、硬化可能な材料によって形成されるように、行うことができる。硬化可能な材料を少なくとも部分的に硬化して、半硬化材料を形成することができる。さらにこの硬化可能な材料が硬化されて、光学レンズを通過する光学経路における少なくとも1つの高次収差を補正する屈折率パターンを画定することができる。
【0008】
別の実施形態は、光学レンズを製造する方法である。この方法は、硬化可能な材料を計量分配して実質的に平板状のシートを形成させるものである。この方法は、硬化可能な材料を硬化して半硬化材料を形成させるものであり、当該の半硬化材料の屈折率は、選択的に変更することができる。この方法は、シートの少なくとも一部を第1光学素子に適用する。この方法は、第2光学素子を第1光学素子に重ね、硬化可能な材料を両方の素子の間に密閉するステップをさらに含んでいる。一実施形態においては、この方法はさらに、半硬化の材料を硬化して、光学レンズを通過する光学経路中の少なくとも1つの高次収差を補正する屈折率パターンを画定するステップを含んでいる。
【0009】
別の実施形態は、レンズブランクを製造する方法である。この方法は、第1光学素子と第2光学素子の間にキャビティ(空間)を形成するように、第1光学素子を第2光学素子から所定の距離をおいて互いに合わせるステップを含む。この方法は、キャビティに硬化可能な材料を充填し、硬化可能な材料を少なくとも部分的に硬化させて半硬化材料を形成させるものである。
【0010】
さらに別の実施形態は、光学レンズを製造する方法である。この方法は、実質的に平板状のゲルシートを形成するステップを含む。この方法は、実質的に平板状のゲルシートの少なくとも一部を金型の少なくとも1つの表面に施して、選択的に変更できる屈折率を有する第1材料層を形成するステップをさらに含む。この方法は、金型内に第2材料層を形成させるステップをさらに含む。一実施形態においては、この方法は、第1材料層を硬化させて屈折率パターンを画定するステップをさらに含む。この屈折率パターンは、光学レンズを通過する光学経路中の少なくとも1つの高次収差を補正することができる。
【0011】
別の実施形態は、光学レンズを製造する方法であり、この方法は、金型内に硬化可能な材料の第1層を形成させることである。この硬化可能な材料は、低い屈折率および高い屈折率を有する材料の混合物を含む。この方法は、硬化可能な材料の層を第1放射パターンに暴露して、光学レンズを通過する光学通路中で少なくとも1つの高次光学収差を補正する第1屈折率パターンをこの層において画定するステップをさらに含む。この方法は、硬化可能な材料の層を第2放射パターンに暴露して、光学レンズを通過する光学通路中における少なくとも1つの低次光学収差を補正する第2屈折率パターンをこの層において画定するステップをさらに含む。
【0012】
別の実施形態は、光学レンズを製造する方法であり、この方法は、金型に硬化可能な材料を充填するステップを含んでいる。少なくとも1つの光学収差を補正するための屈折率パターンが計算される。そこにおいて画定された屈折率パターンを有する第1層を形成するように、硬化可能な材料が二次元グレースケールパターンで照射される。未硬化材料が金型から除去され、次いで硬化可能な材料の第2層が金型に充填され、その硬化可能な材料の第2層が該金型内で硬化される。
【0013】
さらに別の実施形態は、光学レンズを製造する方法である。この方法は、屈折率パターンを画定するために、第1材料層を金型の少なくとも1つの表面に設置するステップを含む。この屈折率パターンは、光学レンズを通過する光学経路中における少なくとも1つの高次収差を補正する。この方法は、金型内に第2材料層を形成させるステップをさらに含む。一実施形態においては、この材料を幾重にも層を成して設置することは、材料層の厚さを変えることによって、異なった厚さのパターンを画定し、それが屈折率パターンを有することとなるのである。別の実施形態においては、第1材料層を設置するステップは、少なくとも2種の材料の混合物を設置することを含むものであり、この少なくとも2種の材料の混合物が、屈折率パターンを画定するように変化させられる。
【0014】
別の実施形態は、カスタムメイドのレンズを製造する方法である。この方法は、硬化可能なポリマーの層を光学素子に適用し、少なくとも1つの光学収差を補正する屈折パターンを画定できるように、層の厚さに変化をもたせるようにこの層を選択的に硬化させる。この方法は、この層を実質的に均一に硬化させるものである。
【0015】
別の実施形態においては、カスタムメイドのレンズを製造する方法であり、この方法は、硬化可能な材料の層を光学素子に適用することからなる。この方法はさらに、硬化可能な材料の層を光学素子に真空成形する方法を含む。この方法は、硬化可能な材料の層を少なくとも部分的に硬化させることもむんでいる。この方法は、硬化可能な材料の層を選択的に硬化して、レンズを通過する光学経路中における少なくとも1つの高次光学収差を補正する屈折パターンをこの層において画定することをさらに含んでいる。

【0016】
別の実施形態は、光学系におけるカスタムメイドで光学補正を行うシステムである。このシステムは、光学系の光学収差データを測定する手段と、この光学収差データに基づいて、少なくとも1つの高次光学収差の補正を行うレンズの定義を求める手段と、このレンズの定義に基づいて矯正レンズを製造する手段とを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を対象として具体的に説明している。しかし、本発明は、請求項で定義、包含されているように、多数の様々な方法で実施することができる。この説明においては、図面には部品のように符号数字で示して参照できるようにされている。
【0018】
眼鏡レンズは通常、測定された光学収差を補正するようにレンズブランクを研削し、一対の眼鏡フレームに適合するようにレンズブランクを縁取りすることで成形される。この矯正は通常、低次収差に限定されている。さらには、一般に0.25Dまでしか研削が実施されないという点で、この補正は通常、不完全である。
【0019】
患者の眼における波面収差を測定する装置を用いれば、患者の眼のはるかに正確な測定値を得ることができる。得られた測定値を用いて、最適なレンズの定義を計算することができる。一実施形態においては、このレンズの定義によって、レンズを通過する光学経路中における1以上の光学収差を補正する屈折率パターンを画定することができる。この屈折率パターンは、眼鏡レンズなどの光学レンズにおいて実装された場合、一般に可能とされているよりもさらに正確に患者の波面収差を補正する。このようにして、患者は自身が有するほぼ最高の光学的能力で見ることができるようになる。
【0020】
当然のことながら、本明細書で用いる、光学収差の「補正」という用語は、必ずしも光学収差が完全に解消されることを意味するわけではなく、むしろ一般的に、光学収差が低減、最小化、または最適化されることを意味するものと理解すべきである。さらに、場合によっては特定の高次収差が視力を向上させることが判明しているため、収差の「補正」が、特定の光学収差の追加または増加を意味することもあり得る。光学素子は、厚いまたは薄いレンズブランク(レンズ素材)、平面型レンズ、眼鏡レンズなどの矯正レンズ、コンタクトレンズ、光学コーティング、眼内レンズ、または、その他の光学素子の組み合わせを含め、その他の任意の光透過性部品を含んでいる。平面型光学素子、すなわち屈折力を有していない光学素子は、平坦であってもよいし、外見上の理由から、例えば標準的な眼鏡レンズを模倣した外観を有するように曲線を有していてもよい。
【0021】
図1は、カスタムメイドのレンズを製造する方法100を示すフローチャートである。最初のステップ110において、患者の眼が測定される。一実施形態においては、収差計(例えば波面センサーを含む)を用いて低次収差および/または高次収差など患者の視力パラメータが測定される。収差の測定には、シャックハートマン、回折格子、格子、ハートマンスクリーン、フィゾー干渉計、レイトレーシングシステム、シャーニング収差計、検影位相差システム、トワイマン−グリーン干渉計、タルボット干渉計などの波面センサーを用いることができる。より詳細な収差計の例は、ここでもその全体を本明細書に引用しているように、ビ−・プラット等(Platt,B.et
al)の「光可調性収差コンジュゲーター」と題する米国特許第6,721,043号に記載されている。収差計のその他の実施形態は、2002年2月13日出願の「波面センシングを用いて客観的な屈折率を求める装置および方法」と題する米国特許出願第10/076218号と、2001年12月10日出願の「波面測定用のシステムおよび方法」と題する米国特許出願第10/014037号で開示されている。これらの各出願が、その全体が参照により本明細書に引用されている。一実施形態においては、視力パラメータは、1以上の高次光学収差または低次光学収差を補正するように構成された検眼レンズまたは試験レンズを用いて患者の視力をテストすることで得られるデータを含んでいる。
【0022】
収差の測定だけでなく、患者の角膜頂点間距離、瞳孔の大きさ、瞳孔間距離、フレーム情報、凝視、x−y傾斜など、他の視力パラメータをも取得することができる。当該の測定値を取得する方法のさらなる詳細が、その全体を本明細書でも参照している、2004年1月27日発行の「特注眼鏡製造方法」と題する米国特許第6,682,195号に記載されている。
【0023】
ステップ120に移って、測定された収差を補正するために光学レンズにおける屈折パターンが計算される。この屈折パターンを光学素子において実現するには、例えば、光学素子の表面全体にわたる二次元屈折率パターンを画定するか、あるいは光学素子を含む材料層の厚さに変化をつけて、屈折率に変化をもたせ、それにより屈折パターンを画定すればよい。例えば、標準的な眼鏡レンズでは通常、レンズの表面全体にわたってレンズ素材の曲率に変化をつけること、またレンズ素材の厚さに変化をつけることで屈折パターンが画定される。レンズ素材の屈折率とともにレンズの曲率によって、標準的な眼鏡レンズの屈折パターンが画定される。当該の標準的なレンズは通常、1以上の低次光学収差を補正する。一実施形態においては、屈折パターンは、球、円筒、および軸に関して少なくとも一部は画定されている。この場合の例においては、レンズに適用するためにさらに、高次収差、および例えば研削誤差から生じる残存収差を補正するための屈折パターンを計算する。その他の実施形態においては、加工または硬化してその屈折率を変えることができる材料に適用するために、低次および高次のゼルニケ多項式に関して屈折パターンを計算することができる。
【0024】
一実施形態においては、視力パラメータを視力測定基準で用いて、レンズの定義が最適化される。レンズの定義には、波面マップ、屈折パターン、球、円筒、および軸に関する処方、または屈折パターン若しくは補正に対するその他の任意の関係事項を含んでいる。さらに、レンズの定義には、1つの光学上の中心、複数の光学上の中心、1つの補正ゾーン、複数の補正ゾーン、移行ゾーン、ブレンドゾーン、遊泳領域、溝、追加ゾーン、角膜頂点間距離、セグメント高さ、軸外凝視ゾーン、ロゴ、不可視マークなどを含んでいる。
【0025】
次にステップ130において、低次光学収差と高次光学収差の両方を補正するレンズが製造される。当該のレンズの一実施形態が、その全体を本明細書で参照している、2002年8月12日出願の「人間の眼の高次収差を補正する装置および方法」と題する米国特許出願第10/218049により詳細に開示されている。以下に詳細に説明するように、本レンズを製造する方法の実施形態は、計算された屈折率パターンを有するレンズを調製する様々な方法があり、例えば計算された屈折率パターンを有するように硬化された層を設置させること、レンズ表面を研削または自由曲面加工すること、鋳込み成形、およびこれらの組み合わせなどである。
【0026】
図2は、例えば人間の眼の波面収差に基づいて計算される屈折率パターンを受け入れることができる光学レンズブランクを製造する方法130の一実施形態を示すフローチャートである。この方法130は、感光性ゲル層が第1光学素子と第2光学素子の間に形成されるステップ210から始まる。一実施形態は、各一つの厚いおよび薄いレンズからなる。その他の実施形態は、2つの厚いレンズまたは2つの薄いレンズの場合もある。厚い光学レンズとは、一般に厚めのレンズであり、平面型レンズであってもよく、また補正力を備え得る光学素子を一般に意味する。厚いまたは薄いレンズの何れも光学素子の屈折力を変えるように輪郭形成することができるが、厚いレンズほど、より多様な範囲の輪郭形成が可能である。当該の輪郭形成は、研削・研磨、レーザー切断、または自由曲面加工を含むことができる。眼に入る光が最初に入射する、前方の光学素子は、一般に屈折力を備えない薄いレンズであることが望ましい。前方の光学素子の曲率半径が光学レンズブランクの屈折力を概ね決めることに注意されたい。各光学素子についての厚いまたは薄いレンズの選択は、最終光学素子の所望の補正力に基づいて行うことができる。例えば、より高い補正力のレンズが望ましい場合、2つの厚いレンズを使用することができる。特定のレンズにおいて最低次の補正のみ望まれる場合、2つの薄いレンズを使用することができる。
【0027】
感光性ゲル層を選択的に硬化して、その屈折率に変化をもたせることができる。例えば、点別に、段階的に、または連続的に硬化して、レンズを通過する光学経路中における1以上の光学収差を補正する二次元屈折パターンを画定することができる。本明細書で用いるように、このように硬化させることができる材料は、屈折率を選択的に変更できる性質を有するものと云うことができる。1以上の光学収差に対する補正を画定するために、層の屈折パターンを創出することができる。当然のことながら、本明細書では感光性ゲル層に関してこの方法およびその他の方法の一部の実施形態を説明しているが、その他の実施形態では、例えば屈折率に変化をもたせるように処理または硬化することができる、選択的に変更できる屈折率を有する任意の他の材料層を使用することができる。
【0028】
一実施形態においては、感光性ゲル層は、例えば最初は大きいシートとして形成されるポリマーゲルから成る。その全体を本明細書でも参照している、「安定化ポリマー材料および方法」と題する同時係属中の米国特許出願、および同日付に出願された「安定化ポリマー材料および方法」と題する代理人整理番号OPH.031Aにおいて、感光性ゲル層の実施形態が開示されている。好ましい実施形態は、その中にモノマー混合物が拡散されたマトリックスポリマーを含む組成物を用いて形成され、このマトリックスポリマーは、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリレート、チオール硬化エポキシポリマー、チオール硬化イソシアネートポリマー、およびこれらの混合物からなる群より選択される。このモノマー混合物は、チオールモノマーと、エンモノマーおよびインモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の第2モノマーとを含む。
【0029】
一実施形態においては、このマトリックスポリマーまたはゲルのシートが形成される。このシートの一部が2つの光学素子間に配置されて、1つのレンズブランクが形成される。1枚の大きいシートをまとめて形成し、各部分をダイスカットしたものを用いて多数のレンズブランクを形成することができる。2つの光学素子が固着されて1つのレンズブランクが形成される。第1光学素子および第2光学素子は平面型レンズであってもよいし、ある範囲の補正力を有してもよい。一実施形態においては、例えば0.25ジオプターまたは1ジオプターで区切られる範囲で、第1レンズおよび/または第2レンズにおいて一定範囲の補正力を有するようにレンズブランクが製造される。好ましい実施形態においては、光学素子の一方または両方が、1以上の低次収差を少なくとも部分的に補正するように例えば研削・研磨によって輪郭形成することができる厚いレンズである。当該の実施形態では、次にステップ215において、光学素子の外側表面の一方または両方を輪郭形成することができる。別の実施形態においては、レンズを張り合わせて固着させ、レンズブランクを形成する前に、レンズを輪郭形成することができる。これらのレンズは、従来型の研削・研磨法を用いて輪郭形成することができるし、シュナイダー・オプティックス社製エル・オー・エッチ、米国ペンシルバニア州、ガーバー、コバーン(Schneider
Optics, LOH, Gerber,Coburn)三軸旋盤を用いた自由曲面加工によって輪郭形成することもできるし、または光学収差を少なくとも部分的に補正するように形成することもできる。本明細書で用いる自由曲面加工という用語は、二点間表面仕上げまたは加工の任意の方法を意味する。
【0030】
次にステップ220において、方法100におけるステップ120で計算されるような屈折パターンまたは屈折率パターンが感光性ゲル層に形成される。このパターンは、人間の眼における光学収差を補正するように構成されている。一実施形態においては、感光性ゲルにおいて形成される屈折パターンは、例えばレンズブランクの薄いレンズによって、またはレンズブランクからの薄いレンズの表面仕上げによっては補正されない高次収差と低次収差を補正するように計算される。
【0031】
一実施形態においては、この屈折率パターンは、二次元グレースケールパターンを有する放射源、例えば紫外線源を用いて形成することができる。放射の二次元グレースケールパターンには、例えば光学素子の表面に向けられたときに二次元パターンにおける強度、例えばグレースケールが変動する任意の放射パターンが含まれる。一実施形態においては、光学素子における様々な点で受け取られる放射量を制御するために、放射はフォトマスクを介して当てられる。フォトマスクは、基本的に放射を通さない不透明な領域、基本的に放射を通す領域、および放射の一部を通す領域を含むことができる。レンズブランクが所定の時間、放射に暴露されて、感光性ポリマーが硬化および部分的に硬化され、その結果、レンズブランクに屈折率パターンが形成される。その他の実施形態では、ディジタル・ライト・プロジェクター(Digital
Light Projector(DLP))などのデジタル・マスクシステムを紫外線源とともに用いることができる。紫外線源としては、紫外線垂直キャビティ面発光レーザー(VSCEL)、第3高調波YAGレーザー、またはUV−LEDなどがある。
【0032】
ステップ230に移って、患者が使用できるように、一対のフレームに適合するようにブランクを縁取りして取り付けることができる。一実施形態においては、(例えばステップ210および230に従って)ステップ210をまとめて実施してレンズブランクの在庫を調製することも可能である。そうすれば、患者の眼の測定も行われる検眼士のオフィスなど異なる場所にも置いておけて好都合である。
【0033】
図3は、図2のステップ210においてのように、レンズブランクとレンズカバーの間に感光性ゲル層を形成する方法の別の実施形態を示すフローチャートである。最初のステップ310において、レンズブランクに通路を作る。レンズブランクは、CR−39、若しくはポリカーボネート、ソーラ社製(Sola)Finalite(TM)、三井化学株式会社製(Mitsui)MR−8モノマー、など、その他の適切な材料、または当技術分野で周知のその他の任意の材料から調製することができる。一実施形態においては、これらの通路は、ドリル加工または切り抜きによってレンズブランクに設けることができる。一般に、レンズブランクは、眼鏡フレームに嵌め込まれる最終レンズよりも大きい。このため、通路が形成された領域は最終レンズから取り除かれ、レンズの光学補正が妨げられることがない。別の実施形態においては、この通路は、例えば金型またはプレスにおいてレンズブランクと一緒に形成される。当然のことながら、本明細書では2つの方法について説明しているが、例えばレンズブランクとレンズカバーの間のキャビティへの充填をさらに迅速化または均一化できるように、もう一つ余分の通路をレンズブランクに形成することもできる。
【0034】
次にステップ320において、スペーサまたはガスケットによって決まる所定の距離だけレンズカバーとレンズブランクの間に間隔をあけて、レンズブランクがレンズカバーと互いに合わされる。一実施形態においては、スペーサは、レンズブランクとカバーの間に配置される固体材料である。但し、ブランクとカバーの間の所定の距離を保つことができる物であれば任意の方法を用いてよい。ステップ330に移って、レンズブランクとレンズカバーの周囲にシールが形成されて、両者の間に密閉されたキャビティが形成される。一実施形態においては、1〜100ミリの範囲の厚さを有する粘着スペーサがレンズブランクとカバーレンズの間に挟み込まれて、キャビティが形成され密閉される。一実施形態においては、粘着スペーサの厚さは約20ミリである。
【0035】
別の実施形態においては、レンズブランクとレンズカバーを合わせてその間にキャビティを作るステップは、テーピング方法であってもよい。キャビティは、例えばクランプまたはジグによって、キャビティの厚さを調節するように2つのレンズブランクを機械的に離して保持することで形成される。互いに合わされたレンズブランクおよびカバーの縁の周囲にテープまたは類似の材料が施され、変形可能な弾性テープまたはゴムガスケットで2つのレンズブランクの縁を覆い、クランプでこれらのレンズブランクを保持することで、密閉されたキャビティが形成される。さらに、一実施形態においては、ステップ310でレンズブランクを貫通する通路が形成されるのではなく、例えばテープまたはガスケットを介して注入器またはその他のディスペンサーを挿入することで、スペーサまたはテープを介する通路を形成させてもよい。
【0036】
ステップ340に進んで、硬化可能な材料の配合物、一実施形態においては例えばチオール−エンから成る感光性材料、または上記のような組成物が混合・ガス抜きされ、クリーンな環境下に注入器に移される。イー・エフ・ディー社製(EFD,Inc.)などの液体ディスペンサーまたは注入器などの機械式ディスペンサーを用いて、混合された配合物が通路の1つを通じてキャビティに注入され、その間、その通路はキャビティからの空気を逃がす役割を果たす。一部の実施形態においては、この材料は、通路を通してスペーサまたはシールへ計量分配される。一実施形態においては、当該の通路は、硬化可能な材料を計量分配するのに用いられるシリンジで作られていてもよい。次にステップ350において、配合物が注入されたレンズブランクは、高温(例えば約75℃)に保たれたオーブンの中に配置され、注入された材料が硬化されて感光膜が形成される。別の実施形態においては、注入される材料の硬化特性によっては、この硬化プロセスを室温で実施することができる。
【0037】
図4aの4A〜4Cは、図3の方法の実施形態を用いた各種製造ステップにおけるレンズ401の側面図を示している。特に、4Aは、図3の方法のステップ310、320、および330の完了後のレンズ401を示している。レンズカバー410は、裏面粘着式スペーサ414によってレンズブランク412から隔てられている。スペーサ414は、レンズアセンブリの縁を取り囲んでキャビティを形成するガスケットの役割を果たす。材料をキャビティ416に注入できるように、2つ以上の通路418がレンズブランク412に形成されている。
【0038】
図4aの4Bは、感光性材料がキャビティ416に注入されて層420が形成される図3のステップ340の完了時における、図4aのレンズ401を示している。図4aの4Cは、図3の方法のステップ350後のレンズ401を示している。熱または紫外線などその他の硬化方法が層420に適用されて、感光性ゲル422が形成される。
【0039】
図4bは、鋳込み成形手法を用いた、図3に示した方法に類似した、レンズを製造する方法の別の実施形態を図式的に示している。上記のように、低屈折率または高屈折率の配合物が2つの光学金型の間に計量分配される。一実施形態においては、この光学金型が、例えば一定の曲率をもった形状を画定することができ、この金型によって成形されるレンズ中にある低次に選択された処方を形成するのである。最初のブロック452に示すようにここから始めて、2つの光学金型の間に計量分配された配合物が選択的に照射されて、ブロック454に示したように、低次収差または高次収差が補正された領域453が生成される。一実施形態においては、金型内の配合物が二次元グレースケールパターンの放射で照射される。二次元グレースケールパターンの照射は、ほぼ均一な光線にフォトマスク、すなわち液晶表示画面などのフィルタを通過させることで発生させることができるし、発光ダイオードの二次元配列や紫外線源を備えるDLPなどから二次元パターンの光を生成させることで生成することもできる。次に、ブロック456に示したように、この配合物が第2の高屈折率または低屈折率の配合物に置き換えられる。次にブロック458に示したように、金型全体が2回目の照射を受けて、第2配合物が硬化される。一実施形態においては、第2配合物も二次元グレースケールパターンで照射されて、残存する低次収差または高次収差がすべて硬化される。ブロック460に移って、次にレンズが金型から取り出され、縁取りされ、フレームに取り付けられ、患者に提供される。一実施形態においては、ブロック452および458に示した照射は室温または加温下で実施される。
【0040】
別法として、この鋳込み成形方法は、高次収差を補正するために、低屈折率および高屈折率の2種以上の配合物を光学金型の1つに注意深く設置させるステップと、これに続いて、低次収差処方を補正するために曲率半径を提供し得る2つの光学金型間の空間に低屈折率または高屈折率の配合物を充填することで、低次収差を補正するステップからなる方法である。室温または加温下における熱重合または光重合によって、金型間の配合物の重合を起こさせる。次に、硬化された光学素子を金型から取り出し、縁取りし、フレームに取り付けて、患者に提供することができる。
【0041】
図4cは、図4bの実施形態に類似した方法の実施形態を示している。ブロック470に示したように、2種の配合物が2つの光学金型の間に計量分配される。これらの配合物は、低屈折率および高屈折率の配合物を含むことができる。一実施形態においては、高屈折率配合物は高速光重合を被るアクリレート成分を含むものであり、他方、低屈折率配合物は、アクリレート成分に比べ比較的遅い光重合を被るビニル成分またはアリル成分を含む。別法では、低屈折率配合物が、速く反応するアクリレート成分からなっていてもよく、高屈折率配合物が、遅く反応するビニル成分またはアリル成分からなっていてもよい。
【0042】
ブロック470に示したように、光学金型内の組成物の一方の側を空間変調された強い光に暴露して、高次収差を補正する屈折率を有する硬化部分を画定することができ、また、低収差を補正するために、金型の他方の側を空間変調された弱い光に同時に暴露することができる。弱いまたは強い変調光が、速く反応する配合物および遅く反応する配合物を異なる速度で架橋結合させる。ここで、速く硬化する配合物は、ほとんど硬化を被らない遅く硬化する配合物に比べ、大部分が選択的に硬化される。他方の配合物に対する一方の配合物の光重合の程度を制御する必要がある場合は、チオール成分およびエン成分(低屈折率または高屈折率)の逐次光重合を組み込んでもよい。一実施形態では、2種の配合物の一方の光重合の深さを制御するために重合フロントを容易にモニターできる、フロンタル重合法が用いられる。また、配合物中に存在する光開始剤、光開始剤‐添加剤(紫外線吸収剤または阻止剤)の量に基づいて、硬化の深さを制御することができる。硬化フロントを制御して、この配合物において必要とされる低次収差または高次収差の補正に対応する輪郭面を形成させることができる。ブロック472は、レンズ中に生じている輪郭形成された硬化量を示している。未硬化材料を金型から取り出して、硬化可能な材料の第2層に置き換えることができる。ブロック474に示したように、この第2材料をさらに硬化してレンズを生成させ、次いで、このレンズを金型から取り出す。
【0043】
硬化された2種の配合物間が物理的に分離しないようにするために、配合物中の成分の1つを、同じ成分になるように選択する。また、セグメント高さや追加ゾーンなどの位置を求める基準マークをレンズに刻む。ブロック474に示したように、完全に補正されたレンズを光学金型から取り出し、縁取りを施した後、これらのレンズをフレームに取り付け、眼鏡ラボで直ちに患者に提供する。上記の鋳込み成形プロセスの利点は、カスタムメイドのレンズの収差ゾーンが精密かつ正確に補正されることにある。その理由は、鋳込み成形プロセス中にレンズが調節されるからである。また、低次収差および高次収差の補正に対応する輪郭面もそのレンズについて精密に調節される。弱いおよび強い変調光を両側からレンズに向けることができる。ブロック480、482、および484は、ブロック470、472、474に示した方法の別の実施形態を示している。ブロック480に示した実施形態においては、弱い放射および強い放射の向きが、ブロック470に示した実施形態とは逆になっている。
【0044】
図5は、図2のステップ210を実施する方法500の一実施形態を示している。最初のステップ510において、厚いレンズブランクと薄いレンズブランクの間に配置するためのスペーサ材料が準備される。最初のステップ510において、一対の光学素子、例えばレンズブランクが洗浄される。各レンズブランクは、原料として、CR−39、ポリカーボネート、ソーラ社製「Finalite(TM)」、三井化学株式会社製MR−8モノマー、1.67、1.71、1.74などから調製される。或いは他の材料、当業者にとって明白であるその他の任意の適切な材料から調製したものでもよい。一実施形態においては、光学素子は1枚の厚いレンズブランク及び薄いレンズブランクからなっていてもよく、その他の実施形態においては、製造されるレンズの補正力に応じて、2つの厚いレンズブランクまたは2つの薄いレンズブランクから成っていてもよい。光学レンズの中に形成された汚染物が原因で収差が生じることがあるため、このプロセスで用いられる材料は非常に清潔に保つことが必要である。アルゴン、窒素、または空気など、好ましくはろ過されたガスを光学素子に吹き付けて、汚染物を除去することができる。次にステップ512において、スペーサ材料が薄いレンズに塗布される。一実施形態においては、スペーサ材料は、10ミリのセラミックテープを20ミリの間隔で、小さい矩形にカットされた2つの層を形成している。その他の実施形態では、粘着ガスケット材料を含め、異なる厚さのテープまたは別の種類のガスケットを使用することもできる。
【0045】
ステップ520に移って、レンズ充填材が混合される。この充填材は、本明細書に記載した任意の適切な感光性材料を含むことができる。ステップ522に移って、所定の量の充填材を計量し、薄い材料に塗する。
【0046】
他の汚染物だけでなく、充填材の中の気泡も最終レンズ製品に光学収差を引き起こすことがある。このため、次にステップ524において、充填剤から気泡を除去するために薄いレンズは真空室に配置する。ステップ526に移って、例えばアルゴンガスを用いて真空室を減圧し、ステップ530に移って、気泡が残っていないかどうか、充填材を検査する。一実施形態においては、充填材を手で慎重に押してエアポケットを表面まで移動させ、そこで気泡をつぶすことで、残った気泡を除去することができる。
【0047】
厚いレンズブランクを薄いレンズブランクの上に配置すると、最終レンズにエアポケットが生じる傾向がある。しかし、充填材の液滴を厚いレンズに配置することで、この傾向が大幅に低減されることを見出した。このため、ステップ532に移って、充填材の液滴を厚いレンズの中心をややはずれた位置に配置する。次にステップ534において、最終レンズが成形されるまで、厚いレンズ上の充填材を、薄いレンズ上の充填材の主要部の上にゆっくりと押し付ける。ステップ536に進んで、例えば熱を用いて充填材が硬化され、感光性ゲルに形成される。次に、図2の方法で用いられるような感光性ゲルを有するレンズブランクが形成されて、方法500が終了する。
【0048】
図6は、高次光学収差および低次光学収差を補正するように計算された屈折率パターンを有するように構成されるレンズを成形する方法600の一実施形態を示している。最初のステップ610において、金型の底面を耐擦傷性コーティングで被覆する。次にステップ612において、所定の屈折率を画定するために、ポリマーの一層を金型表面に設置する。レンズをプログラムするその他の実施形態については、図7aの7A〜7Eおよび図7bの7F〜7Jついて後述する。
【0049】
ステップ614に進んで、金型の嵌め合い部材が金型の底から所定の距離のところに位置決めされ、キャビティを画定する。このキャビティの形状は、1又はそれ以上の低次収差を補正するように計算することができる。次にステップ616において、適当なポリマー又は重合可能な原料をキャビティに充填する。用いられるポリマーないし重合原料としては、CR−39、ポリカーボネート、ソーラー社製「Finalite(TM)」、三井化学社製MR−8モノマー、1.67、1.71、1.74など、またはその他実質的に固形のレンズ本体を成形することが当技術分野で公知の任意の適切な材料が用いられる。ステップ618に移って、ポリマー材料を硬化させる。次に、レンズを金型から取り出して眼鏡フレームに嵌め込む。
【0050】
図7aの7A〜7Eは、方法600の一実施形態の様々なステップ中の金型を示す簡略図である。7Aは、いわゆる中心線702で中心が決められた金型の底710を示している。7A〜7Eに示した各層は、必ずしも正確な縮尺ではない。
【0051】
7Bは、方法600のステップ612の一実施形態を示している。ヘッド712が液滴714を噴霧して、ポリマー層716を形成する。ポリマー層716上のある位置におけるポリマー層の厚さによって、その位置におけるポリマー層の屈折率が決まる。は、所定の屈折パターンを画定できるように、多様な層の厚さを変えてヘッド712を置いていく。別の云い方をすると、付置されたポリマーの表面形状または先端から底までの高低差は所望の収差補正に対応している。
【0052】
7Cは、方法600のステップ614に関して説明したように、キャビティを形成するためにベース710の上に配置された嵌め合い部材720を示している。表面の光学的品質および均一性を維持するために、金型内に第2材料層を形成させる。7Dは、方法600のステップ616に関して説明したように、ポリマーが充填された後の金型を示している。7Eは、金型から取り出された後の完成した光学レンズ724を示している。この光学レンズは、一対の眼鏡フレームに嵌め込むことができる。
【0053】
図7bにおける7F〜7Jは、7A〜7Eに示した方法に類似した、レンズを製造する方法のステップを示している。但し、7A〜7Eに示した方法とは異なり、層は概ね均一な厚さを有しており、レンズの表面全体にわたって屈折率に変化をもたせるために多様な比率の材料から成っている。別の実施形態においては、レンズのプログラミング、例えば屈折パターンの画定は、低次収差に関して既に補正されているレンズ710に、様々な屈折率の2種以上の適合配合物を調節(コントロール)しながら付置する。これらの配合物を付置中または付置後に光重合されて、補正された低次収差および高次収差が確定される。付置によるレンズの例示的なプログラミングプロセスの例を挙げると次のようなステップからなっている。即ち、
(a)図7bにおける7Gに示したように、基材710から適切な距離をおいて第1スプレーヘッドおよび第2スプレーヘッド716を位置決めし、
(b)第1液滴を第1スプレーヘッドから基材上の事前に選ばれた位置に投射して第1付置液滴を形成させる。尚、この第1付置液滴が第1ポリマー組成物の第1量となり、
(c)第2液滴を第2スプレーヘッドから基材上の第1付置液滴に極めて接近している位置に投射して第2付置液滴を形成させる。尚、この第2付置液滴が第2ポリマー組成物の第2量となり、
(d)第1ポリマー組成物および第2ポリマー組成物を第1比率とする、第1ポリマーピクセルを基材上に形成させ、
(e)第1スプレーヘッドおよび第2スプレーヘッドの少なくとも一方を調節して、第1液滴および第2液滴の少なくとも一方とは異なる追加液滴を投射できるようにするステップと、
(f)基材に対する第1スプレーヘッドおよび第2スプレーヘッドの位置を調節するステップと、
(g)ステップ(a)〜(f)を繰り返して、第1ポリマーピクセルに隣接して第2ポリマーピクセルを形成させ、本第2ポリマーピクセルが第1ポリマー組成物および第2ポリマー組成物を第2比率で層を形成すようにする。これらのピクセルが一緒になって、7Gにおける層716を形成する。このプロセスは、2002年9月24日出願の「光学素子および光学素子を製造する方法」と題する、ライ等(Laiet
al)の米国特許出願第10/253956号にさらに詳しく記載されており、その全体を参考のため本明細書に引用している。7A〜7Eで説明した方法と同様に、表面の光学的品質および均一性を維持するために、金型内に第2材料層を形成させる。
【0054】
図8は、図6に関して説明した方法600に類似した金型プロセスを用いて光学レンズブランクを製造する方法800の一実施形態を示すフローチャートである。最初のステップ810において、耐擦傷性コーティングが金型の底部710に塗布される。次にステップ812において、感光性ゲルの層が形成される。一実施形態においては、ステップ210で説明したように、ここで多数のレンズ用に前述した感光性ポリマーゲルのシートのバルクを作っておくのもよい。ステップ814に移って、シートの一部を金型の底部710の上に配置する。
【0055】
ステップ816に進んで、金型の嵌め合わせ部材720が金型の底部710の上に配置されて、嵌め合わせ部材720とポリマーゲル層(7Cには示していないが、層716と同様に配置されている層)の間にキャビティを形成させる。次にステップ820において、レンズの支持体を形成する、該キャビティにCR−39などのポリマー722の一定量を充填する。次にステップ822において、この一定量のポリマー722が硬化されて、光学レンズブランクが製造される。該レンズブランクは、例えば上記のマスキング方法によってゲル層に形成された所定の屈折パターンを有している。このゲル層はさらに一括硬化して層の固さを高め、て物理的接触による損傷を防止する。硬化されたゲルを耐擦傷性コーティングまたはハードコーティングで被覆して、その機械的強度を高めてもよい
【0056】
別の類似の実施形態においては、シートの一部分を使って真空成型して、在庫用の光学素子レンズを成型しておくこともできる。この在庫用の光学素子は、当技術分野で公知の材料を含め、CR−39またはその他の類似材料などのポリマーから作ればよい。この在庫用光学素子は平面型光学素子であってもよいし、1以上の低次光学収差の補正をもたらしてもよい。一実施形態においては、この半硬化材料シートの一部分を、シートの成型に用いられたようなモノマーの少量と共に在庫用光学素子に加え、在庫用光学素子とシートの一部分の間に配置させる。かくして得たシートの一部分と光学素子の積層を柔軟型の金型の中に配置する。減圧にすることによって在庫用の光学素子を引っ張り、また柔軟型の金型に当てて外し、本シートに載せる。減圧が加えられている間、光または熱に暴露することでモノマーを硬化する。別の実施形態においては、モノマー材料が在庫光学素子と金型の間に注入される。減圧にすることによって、在庫光学素子と柔軟型の間で在庫光学素子の表面全体にわたって強制的にモノマーを薄い層とさせる。モノマーが少なくとも部分的に硬化されて、半硬化材料の層が形成される。製造されたレンズブランクを縁取りし、フレームに適用または取り付けることができる。レンズブランクをさらに硬化して、1又はそれ以上の高次光学収差を補正する屈折パターンを材料中に画定することができる。当該のプロセスの詳細は米国特許第6,319,433号に記載されており、本明細書に於いても、その全体を取り入れて参照する。
【0057】
別の実施形態においては、取り付けられたレンズまたはフレーム付きレンズを在庫光学素子の代わりに用いてもよい。このようにして、以前に製造されたレンズまたはフレーム付きレンズの上に半硬化材料の層が形成される。この層をさらに選択的に硬化して、1以上の高次収差を補正する屈折パターンを画定することができる。また、そのレンズに1又はそれ以上の低次収差を補正することもできる。例えば、0.25ジオプター未満という、在庫レンズでは補正されない小さい低次収差を、層の形で補正することができる。さらに、患者が持っている既存のフレーム付きレンズに高次補正を追加することもできる。例えば、改良されないレンズでは補正されない残存する低次収差または高次収差をすべて補正するように、既存のレンズまたは以前に得られたレンズを修正・改良することができる。
【0058】
図9は、レンズブランクを製造する別の方法900の実施形態のフローチャートである。ステップ910から始めて、上述の如く、感光性ゲルのシートまたは層が形成する。次にステップ912において、シートがダイスカットされて、一群の自立縁なしオプティカルフラットが得られる。
【0059】
ステップ914に移って、光学収差を補正するように計算された屈折パターンを、例えば本明細書に記載したマスキング方法を用いて、光硬化によってゲル内に形成させる。一実施形態においては、少なくとも一部の低次光学収差を補正するために、該オプティカルフラットを曲がったレンズ形状に型押しまたはフォーミングし、あるいは成形することができる。また、ゲルをさらに一括硬化して、その硬さを高める。
【0060】
次にステップ916において、1種以上のコーティングがこのオプティカルフラットに施されて、方法900が完了する。これらのコーティングには、傷のつきにくいコーティング材料を使用する。その他の実施形態においては、これらのコーティング材料には、レンズの硬さを高める材料を用いてもよい。かくして完成したレンズブランクを本明細書に記載したように用いて、低次光学収差および/または高次光学収差を補正するための完全な光学レンズとして使用することができる。
【0061】
上記の各方法の有利な点は、一箇所または複数の場所で実施することができることである。より詳細には、患者の屈折力を測定するプロセス、半仕上げのレンズブランクを研削するプロセス、低次収差および/または高次収差を補正するプロセス、およびレンズを保持するフレームを患者の視線方向に適合させるプロセスを、一箇所1又は複数の場所で実施することができる。このため、患者は検眼医を1回訪れるだけで、眼科処方が一括管理され、カスタムメイドされたレンズを、受け取ることができる。さらに、レンズの購入および/または検査料の支払いをも患者はその場で現金、その他の法定通貨、または信用取引で支払うことができるようになる。
【0062】
さらに別の実施形態においては、収差計で測定された患者の低次収差および/または高次収差を、フレームに予め取り付けられたままで平面型レンズに補正することができる。一実施形態においては、平面型レンズは平らなものであってもよいし、ファッションのように、例えば標準的なレンズを模倣した外観を有するように曲線を有していてもよい。平面型レンズは、屈折率が変化する材料または付設しやすいように担体材料のいずれから成っていてもよい。患者の屈折力の測定、フレーム付き平面型レンズの選択、低次収差および/または高次収差の補正、カスタムメイドレンズの提供という、方法100の全体をすべて1つの場所で実施することができる。低次収差および/または高次収差の補正は、所望の補正に対応する選択的な屈折率変更、所望の補正に対応する低屈折率および高屈折率の配合物の注意深い付置、または所望の補正に対応するように層の高さおよび厚さを変える、層の選択的な体積変化など、上記の任意のプログラミング方法を伴うことができる。さらに、現金、電信振替などの法定通貨、または信用取引を、カスタムメイドのレンズの製造にかかわるプロセスに含めることができる。
【0063】
図10は、眼を測定し、補正データを計算し、測定された機能障害を矯正するレンズを製造するための一例としてのシステム1000の構成要素を示すブロック図である。これらの各機能は、その構成要素システム、例えば眼測定システム1010、補正計算システム1020、製造システム1030、および請求・支払いシステム1040によって実施することができる。システム1000の各種実施形態は、これらの構成要素システムの様々な実施形態を含むことができる。一部の実施形態においては、構成要素システム1010、1020、1030、および1040のいくつかを組み合わせて統合システムを形成することができる。例えば一実施形態においては、測定システム1010を補正計算システム1020と統合することができる。別の実施形態においては、測定システム1010を製造システム1030と統合することができる。一実施形態においては、各構成要素を同じ場所に配置することができる。その他の実施形態においては、システム構成要素1010、1020、1030、および1040を別々の場所に配置することができる。測定システム1010は、検眼士のオフィスまたは消費者がアクセスできるその他のオフィスまたは店舗に配置することが望ましい場合も有る。製造システム1030は、光学ラボに配置するとよい。一実施形態においては、計算システム1020が測定システム1010と統合される。別の実施形態においては、さらに詳しく後述するように、計算システム1020は、1又はそれ以上の測定システム1010をサポートできるように、コンピュータネットワークまたはその他のデータ通信システムとは離れて、中心的な場所に配置するのがよい。
【0064】
眼測定システム1010の実施形態は、患者の眼の機能障害や収差などの視力パラメータを測定する、上記の各種波面センサーのいずれかを含んでいる。眼測定システム1010は、フォロプター、自動屈折器、または検眼レンズも含んでいる。眼の測定システム1010の実施形態は、低次収差および/または高次収差を代表とする眼測定データを調製するものである。
【0065】
補正計算システム1020は眼の測定データを受け取って、レンズの製造で使用されるレンズの定義を求める。補正計算システム1020の実施形態は、コンピュータハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせからなっている。
【0066】
一実施形態においては、該補正計算システム1020は、患者の眼の高次収差および/または低次収差を補正するための矯正を示す波面マップを創出する。レンズの定義には、波面マップ、屈折パターン、球、円筒、および軸に関する処方、または屈折パターン若しくは補正に対するその他の任意の関係を含んでいる。さらに、該レンズの定義には、1つの光中心、複数の光中心、1つの補正ゾーン、複数の補正ゾーン、移行ゾーン、ブレンドゾーン、スイム領域、溝、追加ゾーン、角膜頂点間距離、セグメント高さ、軸外凝視ゾーン、ロゴ、不可視マークなどを含んでいる。
【0067】
一実施形態においては、レンズの定義には、屈折パターンまたは補正を識別する1以上の番号または記号が含まれる。当該の識別子は、例えばバーコードを用いて電子的または物理的に伝送できる、容易に伝送され得る「処方」の役割を果す。
【0068】
一実施形態においては、補正計算システム1020は波面マップを、患者向けに最適化されたレンズを示す別の形式に変換する。波面マップ、または患者向けに最適化されたレンズを示すその他のデータは、患者の角膜頂点間距離、瞳孔の大きさ、瞳孔間距離、フレーム情報、凝視、セグメント高さ、前傾角、またはx−y傾斜などの特性に部分的には基づいている。
【0069】
該レンズの定義を計算するために、この補正計算システム1020は、患者の眼の複数の光学収差の結合したものをも創出させることができる。その他の実施形態においては、レンズの定義の計算は、測定された光学収差など患者の眼の測定値に基づいてレンズの定義を計算するための追加測定基準を参照して実施することができる。例えば2003年1月28日発行の米国特許第6,511,180号には測定された光学収差に基づいて補正を求めるための像質測定基準が開示されており、その全体を本願に於いても参考としている。その他の実施形態においては、その他の測定基準を用いてレンズの定義を計算してもよい。この測定基準は、患者の視力の自覚的な改善測度に関連するこれらの光学収差の補正を選択することで、レンズの定義を最適化することができる。別の実施形態においては、この測定基準は、補正すること、追加すること、または補正しないでおくことが望ましい光学収差を選択するために、被験者から得られた試験項目に付いてのデータを用いて訓練されたソフトウェアニューラルネットワークを含むことができる。当該の実施形態の詳細は、2004年2月20日出願の米国仮特許出願第60/546378号に記載されており、その全体を本願に於いて参照している。
【0070】
一実施形態においては、補正計算システム1020は色の好みに基づいて波面マップを計算することもできる。高次補正は、補正素子を通過する光の色に基づいて変化してもよい。この色の好みとは一般に、患者が高次補正を最適化することを望む波長を意味する。例えば、これにより、例えばゴルフ場のグリーン上でのように特定の活動にとって最も有用な波長において、使用者が補正を最適化できるようになる。一実施形態においては、色の選好は、850nmにおける収差計の測定値、および550nm(緑色)への変換、または他の色強調の場合は400nmから800nmの変換によって決まる。
【0071】
一実施形態においては、補正計算システム1020は、1以上のその他の患者の好みについてもレンズの定義を計算することもできる。患者の好みに、レンズにおけるスペクトル色相またはスペクトル色を含ませることができる。また、フォトクロミックな感光性変色をレンズの定義に含めるかどうかも、患者の好みに合わせることができる。さらに、補正計算システム1020は、紫外線コーティング選好や反射防止コーティング選好など、その他の機能に関してレンズの定義を計算することもできる。一実施形態においては、患者のフレームおよび視界に関して高次補正ゾーンをどのように装着することを患者が選好するかなど、患者の装着乃至道具建てに関する好みについてもレンズの定義が計算することもできる。
【0072】
この補正計算システムは、1以上の補正ゾーンを含めるようにレンズの定義を計算することができる。この計算には、補正ゾーンの数および大きさの計算を含ましめることができる。これらの各補正ゾーンは、高次収差、低次収差、高次収差と低次収差の両方、および前方後方の曲率半径を補正することができる。補正ゾーンは、光中心ゾーンまたは複数の光中心、例えばプログレッシブレンズまたは多焦点レンズを含むことができる。補正計算システム1020の一実施形態は、1以上の補正ゾーンとその他のレンズ部分の間のブレンドゾーンまたは移行ゾーンを計算することができる。移行ゾーンにより、一般にレンズの一部にすぎない補正ゾーンからレンズの他の部分へ、眼の凝視がスムーズに移行できる。移行ゾーンは、補正ゾーン間の移行ゾーンを含むこともできる。移行ゾーンは、2004年3月30日発行の「可変屈折率層を用いた眼鏡製造方法」と題する米国特許第6,712,466号に詳細に記載されており、その全体を本明細書では参考にする。
【0073】
一実施形態においては、補正計算システム1020は、補正計算システム1020の機能を遂行するソフトウェアを実行するサーバーコンピュータを含む。このサーバーは、ネットワークを介してシステム1000の他の構成要素と通信することができる。このネットワークは、当業者にとって明白であるような任意の通信技術を利用したローカルエリアネットワークまたは広域ネットワークである。一実施形態においては、このネットワークはインターネットであってもよい。一実施形態においては、補正計算システム1020は、システム1000の他の構成要素と同じ場所に配置される。その他の実施形態においては、補正計算システム1020を、システム1000の他の構成要素とは異なる場所に配置しながら、ネットワークによってシステム1000の他の構成要素に接続することができる。例示的な一実施形態においては、補正計算システム1020の1例としては、1以上のシステム1000をサポートするように構成され、この場合、補正計算システム1020は請求モジュールを含むことができる。この請求モジュールは、補正計算システム1020の使用に基づいて、例えばレンズの定義が計算またはダウンロードされるたびに請求することができる。
【0074】
製造システム1030は、補正計算システム1020からの補正データを用いて、患者にカスタムメイドのレンズを製造する。製造システム1030は、レンズの定義をレンズに転写するプログラム装置を含んでいる。このプログラム装置は、上記の放射源およびフォトマスクを含んでいてもよい。又、このプログラム装置は、1種以上の材料を調節しながら付置するように構成された付置装置を含ませることもできる。
【0075】
一実施形態においては、製造システム1030は低次収差および高次収差を同時に補正する。例えば、感光性材料を硬化してその屈折率を変え、低次収差および高次収差の両方を補正するように、例えば放射源およびフォトマスクを用いてレンズブランクがプログラムされる。
【0076】
別の実施形態においては、製造システム1030は実質的にすべての低次収差を補正し、次に高次収差を補正する。当該の実施形態においては、ある形状をレンズブランクに成形または研削する際にすべての、または実質的にすべての低次収差が補正されているようなブランクが選択される。高次収差、および一実施形態においては残存するすべての低次収差が、例えばプログラム装置を用いて補正される。プログラム装置とは、光学素子における屈折パターンを定義するに当たって、本明細書で開示されている1以上の方法を実施するための任意の装置を意味する。
【0077】
一実施形態においては、製造システム1030は高次収差を補正し、次に低次収差を補正する。例えば、方法600の実施形態を用いて、高次収差を補正する所定の屈折率を有する層を付置させることができる。その後で、金型を用いて、低次収差を補正するように計算された鋳造形状を有する完全なレンズが成形される。
【0078】
別の実施形態においては、製造システム1030は高次収差を補正し、次に低次収差を補正する。例えば、本明細書に記載したように、方法600の実施形態を用いて、高次収差を補正する所定の多様な厚さを有する層を付置させることができる。その後で、金型を用いて、低次収差を補正するように計算された鋳造形状を有する完全なレンズが成形される。
【0079】
該製造システムは、低次収差の補正を追跡し、少なくとも1つの高次収差または残存する低次収差若しくは高次収差をプログラミングする。製造システムは左右のレンズを追跡し、これらの各レンズで必要とされる補正を追跡する。製造システムは、レンズ番号、低次研削、研磨、プログラミング、縁取り、コーティング、フレームなどを追跡する。
【0080】
支払いシステム1040は、患者がレンズ料金、検査料、および/またはその他の料金を現金、クレジット、またはその他の任意の支払い形式で支払うことができるようにする、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでいる。支払いシステム1040の実施形態は、コンピュータハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせであり得る。当該の実施形態は、レジ、スマートカードリーダー、またはクレジットカードリーダーを含むことができる。
【0081】
一実施形態においては、眼測定システム1010と各構成要素システム1020、1030、および1040が一箇所に配置される。一箇所とは、オフィス、店舗、または光学ラボなどの場所を意味する。したがって、患者は、その場所を1回訪問するだけで、処方箋を取得し、カスタムメイドされたレンズを受け取ることができる。別の実施形態においては、構成要素システム1010、1020、および1030を一箇所、2箇所、3箇所、またはそれ以上の箇所に配置することもできる。システム1000の各構成要素は、当技術分野で公知の任意の媒体およびプロトコルを用いて通信することができる。例えば、一実施形態においては、システム100の構成要素はイントラネットやインターネットなどのネットワークを用いて通信することができる。その他の実施形態においては、これらの構成要素はデータを有体物形式で提供すること、例えば印刷することができる。例えば、補正計算システム1020は、レンズを説明したりレンズの定義を識別するバーコードを印刷することができる。その他の実施形態においては、これらの構成要素は、コンピュータのリムーバブルディスク、スマートカード、またはその他の物理電子媒体を介してデータを送受信することができる。当該の印刷された媒体および電子媒体は、物理的配送またはファクシミリ伝送によって交換することができる。各要素を別々の場所に配置することで、各システムを最適な規模に保つことができ、さらに、例えば店舗といった販売場所など、測定システムが配置される場所間で、計算システムや製造システムなどの高価な設備を共有できるようになる。
【0082】
図11は、図10に示したようなシステム1000の実施形態を用いて眼鏡を製造する方法1100の一実施形態である。この方法1100は、例えば測定システム1010によって患者の眼が測定されるステップ1110から始まる。次にステップ1120において、患者がフレームスタイルを選択する。このフレームスタイル選択は、例えば補正計算システム1020および製造システム1030によって受信される。ステップ1130に移って、レンズを含む眼鏡フレームが、眼の測定値およびフレームスタイル選択に基づいて使用可能なフレームの在庫から選択される。フレーム在庫のレンズには、さらなる硬化、例えば点別硬化によって選択的に変えることができる屈折率を有するポリマー層など、プログラム可能な要素が含まれる。このレンズは又、コーティング、例えば反射防止コーティング、耐擦傷性コーティング、または着色コーティングを有することもできる。一実施形態においては、計算システム1020が、所定の光学補正を有するレンズを含むフレームを選択する。その際、眼の測定値に基づいて選択してもよい。別の実施形態においては、フレームは平面型レンズを有している。補正システム1020は、在庫データに基づいてこの選択を実施することができる。一実施形態においては、製造システム1030が在庫データを保持し、その在庫データを補正システム1020に伝達する。ステップ1140に移って、眼の測定値に基づいて補正が計算される。一実施形態においては、この補正が、受信したフレーム選択に基づいて訂正される。一実施形態においては、補正計算システム1020がこの計算を実施する。この計算は、選択されたフレームのレンズの所定の補正とともに必要とされる残りの補正に関して実施してもよい。一実施形態においては、この補正が、選択されたフレームによって生じた残りのエラーを補正できるように、フレームを測定することができる。計算された補正は、低次収差、残存する低次収差、高次収差に対する補正、または本明細書で開示された任意の種類の補正を含むことができる。次にステップ1150において、本明細書で開示されたようなプログラム装置を用いて、計算された補正が、選択されたフレームに適用される。例えば、一実施形態においては、硬化可能な材料の薄い層が紫外線源によって選択的に硬化され、計算された補正に対応する屈折パターンが画定される。そして、フレームを患者に渡して、支払いを受け取ることができる。
【0083】
図12は、カスタムメイドのフレーム付きレンズを製造する方法1200の一実施形態である。最初のステップ1210において、患者の視力パラメータが、例えば測定システム1010を用いて測定される。その他の例としては、視力パラメータは、1以上のコンピュータネットワーク、印刷された処方箋、または視力パラメータに関連するバーコードを通じて受け取られる。次にステップ1220において、一対のレンズが装填された眼鏡フレームなどのフレーム付きレンズが得られる。フレームに装填されたレンズは、患者から入手することもできるし、フレームつきのレンズの在庫から入手することもできる。一実施形態においては、患者はフレーム付きレンズ、例えば既存の眼鏡を差し出す。一実施形態においては、ステップ1210で、フレーム付き眼鏡を用いて患者の視力が測定される。ステップ1230に移って、例えば計算システム1020によって、視力パラメータに基づいて補正が計算される。一実施形態においては、この補正はフレーム付きレンズに基づいていてもよい。ステップ1240に進んで、製造システム1030が、計算された補正を用いてレンズをプログラムする。一実施形態においては、表面輪郭を画定している材料層がフレーム付きレンズの表面に塗布されて、計算された補正に対応するレンズの一方または両方における屈折パターンが画定される。計算された補正は、低次収差、残存する低次収差、高次収差、残存する高次収差、または両方の組み合わせに対する補正を含ませることができる。この実施形態は、図7aの7Bに関連して説明した実施形態に類似している。但し、この実施形態では、層が金型ではなくフレーム付きレンズに塗布される。別の実施形態においては、様々な材料の混合物を有する材料層がフレーム付きレンズに塗布されて、計算された補正に対応する屈折パターンが画定される。この実施形態は、図7bの7Gに関連して説明した実施形態に類似している。但し、この実施形態では、層が金型ではなくフレーム付きレンズに塗布される。別の実施形態は、図9を参照して説明したように、感光性ゲルの層を配するステップと、補正をプログラムするステップを含ませることができる。
【0084】
別の実施形態は、補正を提供するか、あるいは1以上の高次収差を導入する光学素子である。ある実施形態においては、1以上の高次収差の増分値を補正または導入することができる。この収差は、球面収差、トレフォイル、またはコマを含むことができることが望ましい。一実施形態においては、この光学素子はフォロプターで使用するように構成されている。眼鏡製造業者またはその他の使用者は、この光学素子を患者の光学通路に配置することができる。次に、患者は、補正によって患者の視力が向上するかどうかに関する主観的判断を下すことができる。別の実施形態においては、この光学素子はフレーム付きレンズを含む。当該のフレーム付き高次収差補正レンズは、様々な補正力において1以上の高次収差を補正する光学素子とともに保管することができる。患者は、読書用眼鏡など、フレームの在庫からフレームおよび補正を選択することができる。このように、患者は、例えば特定の使用または仕事で使用するための当該のレンズを容易に入手することができる。
【0085】
別の実施形態は、硬化時における差動体積変化によって、計算された補正に対応する屈折パターンが画定されるように、硬化される材料層を配するステップである。当該の一実施形態については、図13を参照して説明する。
【0086】
例えば強い光を用いて適切に硬化すれば、予見可能な形でポリマー収縮が大幅に低減される。得られた層が低次光学収差と高次光学収差の両方を補正する屈折パターンを示す層が生成されるように、このような大量の材料の層を選択的に硬化することができる。図13は、多様な厚さを有する層を有するレンズを製造する方法1300の別の実施形態を図式的に示している。最初のブロック1310において、レンズ組立体が光学素子1302および体積収縮率が高いモノマー層1304から調製される。一実施形態においては、体積変化率が高いモノマー層1304を有する光学素子1302は、フレーム付きレンズまたは取り付けられたレンズ中にあってもよい。一実施形態においては、例えば低次収差を補正するために、例えば研削・研磨によって光学素子1302を輪郭形成することができる。或いは又、モノマー層1304の体積変化によって低次収差を補正することもできる。次に、ブロック1320に示したように、層1304が二次元グレースケールパターンの強い放射に暴露される。この放射パターンは、例えば光源およびフォトマスクを用いて創出させることができる。層1304全体にわたって屈折率に変化をもたせるように、このパターンの強い放射によって層1304の可変収縮を起こさせる。このモノマー組成物は、本明細書で開示されたような材料を含むことができる。さらに、層1304に適した組成物、並びに放射の適切な波長、期間、および強度の選択は、当技術分野で公知のものでよい。1以上の高次収差または低次収差を補正する層1304を形成するために、二次元グレースケールパターンを選択することができる。更には、1つの光中心、複数の光中心、1つの補正ゾーン、複数の補正ゾーン、移行ゾーン、ブレンドゾーン、スイム領域、溝、追加ゾーン、角膜頂点間距離、セグメント高さ、ロゴ、不可視マークを含め、本明細書に記載したような他の特徴を組み込むように、放射パターンをさらに計算することができる。ブロック1330に移って、層1304を、ほぼ均一な弱い放射に暴露する。この放射の強度、波長、および期間は、ポリマーの硬化を完了するために当技術分野で公知のものを選択すればよい。体積変化によって、低次収差を補正することもできる。ブロック1340は、硬化されたレンズを示している。該硬化されたレンズに、ハードコーティング、紫外線遮断コーティング、反射防止コーティング、耐擦傷性コーティングなどの光学コーティングをさらに施してもよい。
【0087】
また当然のことながら、特に明記しない限り、実施形態によっては、本明細書に記載した任意の方法のステップは、任意の順序で実施すること、追加すること、結合すること、または一斉に省略することができる(例えば、それらの方法の実施にすべてのステップが必要であるとは限らない)。また、上記の方法は、球面レンズ、非球面レンズ、単焦点レンズ、二焦点レンズ、多焦点レンズ、プログレッシブ付加レンズ、非トーリックレンズ、眼内レンズ、またはその他の特殊レンズの製造に用いることができる。
【0088】
当然のことながら、本明細書では、眼鏡によるカスタムメイドの視力を提供することに関するある種の実施態様について説明しているが、その他の実施態様としては、光学機器などその他の光学系におけるカスタムメイドの光学補正を提供することを含ませることができる。例えば、カメラ、望遠鏡、双眼鏡、または顕微鏡などの光学機器が、カスタムメイド(オーダーメイド)の光学素子である。このカスタムメイドの光学素子を、設定可能な接眼レンズの一部として、光学機器の要素として、または接眼レンズに追加する形で含めることができる。カスタムメイドされた光学素子は、ファインダーまたは照準経路、カメラ、望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡、または類似の光学装置の主要光学通路を含め、光学機器における光学通路を補正するように構成することができる。カスタムメイドの光学素子は、本明細書に記載したような光学素子のカスタムメイドされた補正を提供するように構成される。一実施形態においては、このカスタムメイドされた光学素子は、使用者の少なくとも一方の眼の1以上の光学収差およびその他の視力パラメータを含むレンズの定義を実施するように構成される。別の実施形態においては、カスタマイズされた光学素子は、光学機器における1以上の光学収差を補正するように構成される。さらに別の実施形態においては、このカスタムメイドの光学素子は、光学機器の光学収差を補正することと、使用者の少なくとも一方の眼に関するレンズの定義を含めることの両方を実行するように構成される。一実施形態においては、上記のような材料層が、接眼レンズなどのレンズに塗布され、硬化(必要に応じて)されて、レンズ上のレンズの定義などの補正が画定される。一実施形態においては、カスタムメイドの素子は、使用者の一方の眼で使用するためのカスムメイドのレンズの定義を含むように構成される。別の実施形態においては、使用者の両方の眼に関して双眼鏡をカスタマイズすることができる。
【0089】
上記の詳細な説明において、様々な実施形態に適用される本発明の新規な特徴を示し、説明し、指摘してきたが、本発明の精神から逸脱することなく、示した装置またはプロセスの形態および詳細の様々な省略、置換、および変更を当業者が実施できることは明らかである。当然のことながら、一部の特徴を他の特徴から分離して使用または実施できるため、本明細書に示した特徴および利点のすべてを提供するわけではない形態で本発明を具体化することもできる。本発明の範囲は、前述の説明ではなく特許請求の範囲によって示される。請求項に相当する意味および範囲に均等な変更はすべて、請求項の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】眼鏡レンズを製造するプロセスを示すフローチャートである。
【図2】図1のプロセスの一環として光学収差を補正するレンズを製造する方法の実施形態を示すフローチャートである。
【図3】図1に示したような、レンズを製造する方法の一環としてレンズブランクを製造する方法の別の実施形態を示すフローチャートである。
【図4a】図3に示した方法の1つのステップにおけるレンズブランクを示している。
【図4b】図3に示した方法に類似した、レンズを製造する方法の別の実施形態を図式的に示している。
【図4c】低屈折率の配合物と高屈折率の配合物の混合物をこれら2つの金型の間に計量分配することで光学素子を製造する、図4dの実施形態に類似した方法の実施形態を示している。
【図5】図1のプロセスの一環として光学レンズを製造する方法の別の実施形態を示すフローチャートである。
【図6】図1に示した方法に類似しているが、金型を使用する、光学収差を補正するレンズを製造する方法の実施形態を示すフローチャートである。
【図7a】図6に示した方法などにおける、レンズを製造するステップを図式的に示している。
【図7b】図7aにおいて示した方法に類似した、レンズを製造する方法のステップを図式的に示している。但し、図7aにおける7A〜7Eに示した方法とは異なり、層は概ね均一な厚さを有しており、レンズの表面全体にわたって屈折率に変化をもたせるために多様な比率の材料から成っている。
【図8】図6に示した方法に類似した、ポリマー材料の自立膜状のゲルを用いてレンズブランクを製造する方法の実施形態を示すフローチャートである。
【図9】ポリマー材料の自立膜状のゲルを用いて、レンズブランクを、例えば図1の方法の実施形態で使用するためのレンズブランクに製造する方法の実施形態を示すフローチャートである。
【図10】例えば図1の方法の一実施形態を用いて眼鏡レンズを製造するシステムの一実施形態を示す簡易ブロック図である。
【図11】図10に示したようなシステムの実施形態を用いて眼鏡を製造する方法の一実施形態である。
【図12】カスタムメイドのフレーム付きレンズを製造する方法の一実施形態である。
【図13】多様な厚さを有する層を有するレンズを製造する方法の別の実施形態を図式的に示したものである。
【符号の説明】
【0091】
100 方法
110 ステップ
120 ステップ
130 ステップ、方法
210 ステップ
215 ステップ
220 ステップ
230 ステップ
310 ステップ
320 ステップ
330 ステップ
340 ステップ
350 ステップ
401 レンズ
410 レンズカバー
412 レンズブランク
414 裏面粘着式スペーサ、スペーサ
416 キャビティ
418 通路
420 層
422 感光性ゲル
452 ブロック
453 低次収差または高次収差が補正される領域
454 ブロック
456 ブロック
458 ブロック
460 ブロック
470 ブロック
472 ブロック
474 ブロック
480 ブロック
482 ブロック
484 ブロック
500 方法
510 ステップ
512 ステップ
520 ステップ
522 ステップ
524 ステップ
526 ステップ
530 ステップ
532 ステップ
534 ステップ
536 ステップ
600 方法
610 ステップ
612 ステップ
614 ステップ
616 ステップ
618 ステップ
702 中心線
710 金型ベース、ベース、基材
712 ヘッド
714 噴霧
716 ポリマー層、層
720 嵌め合わせ部材
722 多量のポリマー
724 光学レンズ
800 方法
810 ステップ
812 ステップ
814 ステップ
816 ステップ
820 ステップ
822 ステップ
900 方法
910 ステップ
912 ステップ
914 ステップ
916 ステップ
1000 システム
1010 眼測定システム、構成要素システム、測定システム、システム構成要素
1020 補正計算システム、構成要素システム、システム構成要素、計算システム
1030 製造システム、構成要素システム、システム構成要素
1040 請求・支払いシステム、構成要素システム、システム構成要素、支払いシステム
1100 方法
1110 ステップ
1120 ステップ
1130 ステップ
1140 ステップ
1150 ステップ
1200 方法
1210 ステップ
1220 ステップ
1230 ステップ
1240 ステップ
1300 方法
1302 光学素子
1304 モノマー層、層
1310 ブロック
1320 ブロック
1330 ブロック
1340 ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系の光学収差データを測定し、前記光学収差データに基づいて、少なくとも1つの高次光学収差の補正を含むレンズの定義を求め、前記レンズの定義に基づいて補正レンズを製造することを特徴とする、光学系におけるカスタムメイドの光学補正を行う方法。
【請求項2】
前記光学系における光学収差データを測定することが、人間の少なくとも一方の眼の光学パラメータを測定することを特徴とする、請求項1に記載の光学系におけるカスタムメイドの光学補正を行う方法。
【請求項3】
前記補正レンズを製造することが、カメラ、望遠鏡、双眼鏡、または顕微鏡の少なくとも1つの光学通路において使用するために構成されたレンズを製造することを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項4】
前記補正レンズを製造することが、カメラ、望遠鏡、双眼鏡、または顕微鏡の少なくとも1つの光学経路において使用するために構成された接眼レンズを製造することを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項5】
前記補正レンズを製造することが、少なくとも1つの低次収差を調節するために製造するものであることを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項6】
前記レンズの定義を求めることが、低次収差、高次収差、高次補正ゾーン、移行ゾーン、スイムゾーン、溝、またはブレンドゾーンの少なくとも1つを求めることを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項7】
前記レンズの定義を求めることが、患者の角膜頂点間距離、瞳孔の大きさ、瞳孔間距離、凝視、x‐y傾斜の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて実施されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項8】
該補正レンズは、少なくとも1つの高次収差を調節するために製造されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項9】
補正レンズの製造を、レンズ内で感光性成分を硬化させることによって行うことを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項10】
補正レンズの製造を、前記レンズの定義によって決まる屈折パターンを達成するために、それぞれ異なる屈折率を有する1種以上のモノマーを大量に付置させることを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項11】
補正レンズの製造を、前記レンズの定義によって決まる屈折パターンを画定するために、多様な厚さを有する少なくとも1つのモノマー層を付置させることを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項12】
補正レンズの製造が、光学素子の感光性ゲル部分の屈折パターンを画定することであるを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項13】
補正レンズの製造が、その中に屈折パターンを画定するために、光学素子の感光性ゲル部分を放射パターンに暴露することを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項14】
補正レンズの製造が、鋳込み成形プロセスである、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項15】
補正レンズの製造が、前記光学素子の少なくとも1つの表面の輪郭を形成することである、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項16】
該輪郭形成が、前記表面を研削することである、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項17】
前記輪郭形成が、前記表面を研磨することである、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項18】
前記輪郭形成が、前記表面を自由形状成形することである、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項19】
前記輪郭形成が、前記表面をレーザーアブレーション加工することを特徴とする、請求項1に記載の光学補正を行う方法。
【請求項20】
カスタムメイドのレンズを製造する方法であって、その方法は、光学系の光学パラメータを測定するステップであって、該光学パラメータは測定された光学収差であることを特徴とするものであり、且つ、少なくとも1つの光学素子を有するレンズを成形するステップであって、該レンズを成形するステップは、前記少なくとも1つの光学素子における前記測定された光学収差の一部分を補正するものであって、該一部分は少なくとも1つの低次収差からなっており、且つ、該レンズにおける少なくとも1つの残存する光学収差を補正するものであって、該残存する光学収差は高次収差であること、を特徴とする方法。
【請求項21】
前記レンズを成形するステップは、前記少なくとも1つの残存する光学収差を測定することを特徴とする、請求項20に記載のカスタムメイドのレンズを製造する方法。
【請求項22】
該光学系の光学パラメータを測定するステップは、人間の眼の視力パラメータを測定することを特徴とする、請求項20に記載のカスタムメイドのレンズを製造する方法。
【請求項23】
該視力パラメータが、前記患者の角膜頂点間距離、瞳孔の大きさ、瞳孔間距離、フレーム情報、凝視、x‐y傾斜の少なくとも1つからなるものであることを特徴とする、請求項20に記載のカスタムメイドのレンズを製造する方法。
【請求項24】
該光学系の光学パラメータを測定するステップは、光学機器の光学パラメータを測定することを特徴とする、請求項20に記載のカスタムメイドのレンズを製造する方法。
【請求項25】
該光学機器が、顕微鏡、望遠鏡、双眼鏡、またはカメラの少なくとも1であることを特徴とする、請求項20に記載のカスタムメイドのレンズを製造する方法。
【請求項26】
別の少なくとも1つの残存する光学収差が低次収差であることを特徴とする、光学収差を補正するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載のカスタムメイドのレンズを製造する方法。
【請求項27】
前記測定された光学収差の前記部分を補正するステップは、前記少なくとも1つの光学素子の少なくとも1つの表面の輪郭を形成することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
当該の輪郭形成ステップは前記表面を研削することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記輪郭形成ステップは前記表面を研磨することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記輪郭形成ステップは前記表面を自由形状成形することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記輪郭形成ステップは前記表面をレーザーアブレーション加工することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
測定された光学収差の一部分を補正するステップは、少なくとも1つの低次収差を補正することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも1つの残存する光学収差を補正するステップは、少なくとも1つの高次収差を補正することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの残存する光学収差を補正するステップは、少なくとも1つの低次収差を補正することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの残存する光学収差を補正するステップは、前記測定された光学収差の少なくとも一部分を補正することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも1つの残存する光学収差を補正するステップは、低次収差を補正するために光学素子間に挟み込まれた材料における屈折率を変更することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも1つの残存する光学収差を補正するステップは、高次収差を補正するために光学素子間に挟み込まれた材料における屈折率を変更することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つの残存する光学収差を補正するステップは、低次収差を補正するために、前記少なくとも1つの光学素子上に1種以上の配合物を慎重に制御(コントロール)しながら付置すること及び前記配合物を硬化することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項39】
1種以上の配合物を慎重に制御(コントロール)しながら付置するステップは、屈折パターンを画定するために、多様な厚さを有する層を慎重に制御(コントロール)しながら付置することを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
屈折パターンを前記層の表面高さの変更によって画定することを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも1つの残存する光学収差を補正するステップは、高次収差を補正するために、前記少なくとも1つの光学素子への2種以上の配合物を慎重に制御(コントロール)しながら付置するすること及び前記配合物を硬化することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項42】
前記レンズを成形するステップは、眼科用レンズを成形することである、請求項20に記載の方法。
【請求項43】
前記レンズを成形するステップは、球面レンズ、非球面レンズ、単焦点レンズ、二焦点レンズ、多焦点レンズ、プログレッシブ付加レンズ、非トーリックレンズ、またはコンタクトレンズの内の少なくとも1つを成形することである、請求項20に記載の方法。
【請求項44】
所定の厚さを有するスペーサを第1光学素子に配するステップと、
硬化可能な材料を前記第1光学素子に配するステップと、該硬化可能な材料を脱泡するステップと、該硬化可能な材料の一部を第2光学素子の中心から外れた位置に配置するステップと、並びに、該硬化可能な材料が、前記スペーサの前記所定の厚さによって決まる厚さを有する層を形成するように、該第2光学素子と該第1光学素子を互いに嵌め合わせるステップからなることを特徴とする、光学レンズの製造方法。
【請求項45】
前記充填材を脱泡するステップは、前記充填材を真空室の中に配置することを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1光学素子と前記第2光学素子の少なくとも一方が、厚い光学素子であることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記第1光学素子と前記第2光学素子の少なくとも一方が、薄い光学素子あることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記第1光学素子と前記第2光学素子の少なくとも一方がレンズであることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記第1光学素子と前記第2光学素子の少なくとも一方の表面の輪郭を形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記輪郭形成ステップは前記表面を研削することであることを特徴とする、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記輪郭形成ステップは前記表面を研磨することであることを特徴とする、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記輪郭形成ステップは前記表面を自由形状成形することであることを特徴とする、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記硬化可能な材料を少なくとも部分的に硬化して半硬化材料を形成させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項54】
前記半硬化材料が、前記光学素子中の屈折率パターンを画定するために、さらに選択的に硬化されるように構成されていることを特徴とする、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記硬化可能な材料を少なくとも部分的に硬化するステップは、ゲルを形成することである、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記光学レンズを通過する光学通路における少なくとも1つの高次収差を補正する屈折率パターンを画定するために、前記硬化可能な材料をさらに硬化するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記硬化可能な材料をさらに硬化するステップは、前記硬化可能な材料を放射パターンに暴露することを特徴とする、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記硬化可能な材料を配するステップは、その中に拡散されたモノマー混合物を有するマトリックスポリマーを付置させるステップであって、前記マトリックスポリマーがポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリレート、チオール硬化エポキシポリマー、チオール硬化イソシアネートポリマー、およびこれらの混合物からなる群より選択されたものであり、
且つ、前記モノマー混合物が、チオールモノマーと、エンモノマーおよびインモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の第2モノマーであることを特徴とするとを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項59】
硬化可能な材料を計量分配して実質的に平板状のシートを形成するステップと、半硬化材料を形成するステップであって、前記半硬化材料の屈折率は選択的に変更することができるように半硬化材料を形成させるべく、前記硬化可能な材料を硬化するステップと、シートの少なくとも一部を第1光学素子に配するステップと、第2光学素子を前記第1光学素子に配するステップと、並びに、その間に前記硬化可能な材料を密閉するステップからなることを特徴とする、光学レンズの製造方法。
【請求項60】
前記光学レンズを通過する光学通路中の少なくとも1つの高次収差を補正する屈折率パターンを画定するために前記半硬化材料を硬化するステップをさらに含むことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記半硬化材料を硬化するステップは、前記半硬化材料を放射パターンに暴露することである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記第1光学素子がレンズである、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記第2光学素子がレンズである、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
第1光学素子と第2光学素子の間にキャビティを形成するために、前記第1光学素子を前記第2光学素子から所定の距離をおいて互いに嵌め合わせるステップと、前記キャビティに硬化可能な材料を充填するステップと、並びに、前記硬化可能な材料を少なくとも部分的に硬化して半硬化材料を形成せしめるステップからなることを特徴とする、レンズブランクの製造方法。
【請求項65】
前記の互いに嵌め合わせるステップが、前記所定の距離をおいて前記第1光学素子と前記第2光学素子をクランプで保持すること特徴とする、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記光学素子における屈折率パターンを画定するために、前記半硬化材料がさらに選択的に硬化されるように構成されている、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記の互いに合わせるステップは、前記キャビティを密閉するために、前記第1光学素子および前記第2光学素子の周囲にテープを配することを特徴とする、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記充填するステップは、前記テープを介する通路を形成するステップと、前記通路を通して前記硬化可能な材料を計量分配するステップトからなることを特徴とする、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記第1光学素子に少なくとも1つの通路を形成するステップであって、前記キャビティを充填するステップは、少なくとも1つの通路を通して前記硬化可能な材料を計量分配することである、請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記の互いに合わせるステップは、前記第1光学素子と前記第2光学素子の間にスペーサを挟むことを特徴とする、請求項64に記載の方法。
【請求項71】
前記スペーサに少なくとも1つの通路を形成するステップをさらに含み、前記キャビティを充填するステップは、少なくとも1つの通路を通じて前記硬化可能な材料を計量分配することを特徴とする、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記スペーサが粘着スペーサである、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記第1光学素子に少なくとも1つの通路を形成させ、前記キャビティを充填するステップは、該少なくとも1つの通路を通じて前記硬化可能な材料を注入することを特徴とする、請求項64に記載の方法。
【請求項74】
前記少なくとも部分的に硬化するステップは、熱硬化を実施することである、請求項64に記載の方法。
【請求項75】
前記少なくとも部分的に硬化するステップは、常温で硬化することである、請求項64に記載の方法。
【請求項76】
前記少なくとも部分的に硬化するステップは、前記硬化可能な材料を放射線に暴露することである、請求項64に記載の方法。
【請求項77】
前記硬化可能な材料が感光性材料である、請求項64に記載の方法。
【請求項78】
前記硬化可能な材料は、その中に拡散されたモノマー混合物を有するマトリックスポリマーであり、該マトリックスポリマーは、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリレート、チオール硬化エポキシポリマー、チオール硬化イソシアネートポリマー、およびこれらの混合物からなる群より選択されたものであり、且つ、前記モノマー混合物が、チオールモノマーと、エンモノマーおよびインモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の第2モノマーとからなるものである、請求項64に記載の方法。
【請求項79】
前記第1光学素子と前記第2光学素子の少なくとも一方の表面の輪郭を形成するステップをさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項80】
前記輪郭形成ステップは前記表面を研削することを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記輪郭形成ステップは前記表面を研磨することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記輪郭形成ステップは前記表面を自由形状成形することを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記輪郭形成ステップは前記表面をレーザーアブレーション加工することを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
実質的に平板状のゲルシートを形成するステップと、前記実質的に平板状のゲルシートの少なくとも一部を金型の少なくとも1つの表面に施して、選択的に変更できる屈折率を有する第1材料層を形成させるステップと、並びに、前記金型内に第2材料層を形成させるステップからなることを特徴とする、光学レンズの製造方法。
【請求項85】
前記第1材料層を硬化して、前記光学レンズを通過する光学通路中の少なくとも1つの高次収差を補正する屈折率パターンを画定するステップをさらに含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記第1材料層を硬化するステップは、前記材料を放射パターンに暴露することを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記硬化可能な材料は、
その中に拡散されたモノマー混合物を有するマトリックスポリマーを含むものであり、前記マトリックスポリマーがポリエステル、ポリスチレン、ポリアクレート、チオール硬化エポキシポリマー、チオール硬化イソシアネートポリマー、およびこれらの混合物からなる群より選択され、
前記モノマー混合物は、チオールモノマーと、エンモノマーおよびインモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の第2モノマーとからなるものである、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
前記金型に光学コーティングを塗布するステップをさらに含む、請求項84に記載の方法。
【請求項89】
前記光学コーティングは、耐擦傷性材料の層を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
低屈折率および高屈折率を有する材料の混合物からなる硬化可能な材料の第1層を金型内に形成させるステップと、前記光学レンズを通過する光学通路中の少なくとも1つの高次光学収差を補正する第1屈折率パターンを前記層中に画定するために、前記硬化可能な材料の層を第1放射パターンに暴露するステップと、並びに、前記光学レンズを経た光学経路における少なくとも1つの低次光学収差を補正する第2屈折率パターンを前記層中に画定するために、前記硬化可能な材料の層を第2放射パターンに暴露するステップからなることを特徴とする、光学レンズの製造方法。
【請求項91】
前記硬化可能な材料の層を前記第1放射パターンおよび前記第2放射パターンに暴露するステップは、前記硬化可能な材料の層を第1および第2の二次元グレースケールパターンの照射に暴露することである、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記硬化可能な材料の層を前記第1放射パターンおよび前記第2放射パターンに暴露するステップはフロンタル重合である、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記硬化可能な材料の層を前記第1放射パターンに暴露するステップは、前記層を空間変調された強い光に暴露することである、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
前記硬化可能な材料の層を前記第2放射パターンに暴露するステップは、前記層を空間変調された弱い光に暴露することである、請求項90に記載の方法。
【請求項95】
前記硬化可能な材料の層を前記第1放射パターンに暴露するステップは、前記層を空間変調された強い光に暴露することからなるものであり、前記硬化可能な材料の層を前記第2放射パターンに暴露するステップは、前記層を空間変調された弱い光に暴露することからなるものである、請求項90に記載の方法。
【請求項96】
前記高屈折率材料がアクリレート成分を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項97】
前記高屈折率材料が、ビニル成分およびアリル成分からなる群より選択される少なくとも1種の材料を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項98】
前記低屈折率材料がアクリレート成分を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項99】
前記低屈折率材料が、ビニル成分およびアリル成分からなる群より選択される少なくとも1種の材料を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項100】
前記硬化可能な材料は、その中に拡散されたモノマー混合物を有するマトリックスポリマーを含むものであり、該マトリックスポリマーがポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリレート、チオール硬化エポキシポリマー、チオール硬化イソシアネートポリマー、およびこれらの混合物からなる群より選択され、前記モノマー混合物が、チオールモノマーと、エンモノマーおよびインモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の第2モノマーとからなるものである、請求項90に記載の方法。
【請求項101】
前記金型に光学コーティングを塗布するステップをさらに含む、請求項90に記載の方法。
【請求項102】
前記光学コーティングが耐擦傷性材料の層を含む、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
金型に硬化可能な材料を充填し、少なくとも1つの光学収差を補正するために屈折率パターンを確定し、該屈折率パターンが画定された第1層を形成するために、該硬化可能な材料を二次元グレースケールパターンで照射し、前記金型から未硬化材料を除去し、該金型に硬化可能な材料の第2層を充填し、且つ、前記金型内において該硬化可能な材料の第2層を硬化することを特徴とする、光学レンズを製造する方法。
【請求項104】
前記第1材料層が、前記屈折率パターンを画定する多様な厚さを有している、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
耐擦傷性層を形成するステップをさらに含む、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
少なくとも1つの残存する光学収差を補正するための第2屈折パターンを求めるステップをさらに含み、前記第2層を硬化するステップは、前記第2層における前記第2屈折率パターンを画定するために、前記硬化可能な材料の第2層を二次元グレースケールパターンで照射することを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
前記光学レンズを通過する光学通路中の少なくとも1つの高次収差を補正する屈折率パターンを画定するために、金型の少なくとも1つの表面に第1材料層を付置するステップと、
前記金型内において第2材料層を形成させるステップトからなることを特徴とする、光学レンズを製造する方法。
【請求項108】
前記材料層を付置させるステップは、多様な厚さを有する前記材料層を付置して、多様な厚さを有するパターンを画定することを含むものであり、前記多様な厚さを有するパターンが前記屈折率パターンを含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記第1材料層を堆積させるステップは、少なくとも2種の材料の混合物を付置させることを含むものであり、前記少なくとも2種の材料の前記混合物が、前記屈折率パターンを画定するように変更される、請求項107に記載の方法。
【請求項110】
前記金型に光学コーティングを塗布するステップをさらに含む、請求項107に記載の方法。
【請求項111】
前記光学コーティングが耐擦傷性材料の層を含む、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
硬化可能なポリマーの層を光学素子に配し、
少なくとも1つの光学収差を補正する屈折パターンを画定するために、前記層の厚さに変化をもたせるように前記層を選択的に硬化することを特徴とする、カスタムメイドのレンズを製造する方法。
【請求項113】
前記層を実質的に均一に硬化することを特徴とする、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記屈折パターンが少なくとも1つの高次収差を補正することである、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
前記屈折パターンが少なくとも1つの低次収差を補正することである、請求項112に記載の方法。
【請求項116】
前記屈折パターンが少なくとも1つの低次収差および少なくとも1つの高次収差を補正することである、請求項112に記載の方法。
【請求項117】
前記選択的に硬化するステップは、前記層を二次元グレースケールパターンの放射に暴露することである、請求項112に記載の方法。
【請求項118】
前記放射が強い放射である、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記実質的に均一に硬化するステップは、前記層を実質的に均一な放射に暴露することである、請求項113に記載の方法。
【請求項120】
前記放射が弱い放射である、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記硬化可能な材料の層を配するステップは、前記硬化可能な材料の層を真空成形することである、請求項119に記載の方法。
【請求項122】
前記光学素子は、フレーム付きレンズを備えている、請求項119に記載の方法。
【請求項123】
硬化可能な材料の層を光学素子に配するステップと、前記硬化可能な材料の層を前記光学素子に真空成形するステップと、及び前記硬化可能な材料の層を少なくとも部分的に硬化するステップと、並びに、前記レンズを通過する光学通路中の少なくとも1つの高次光学収差を補正する屈折パターンを前記層において画定するために、該硬化可能な材料の層を選択的に硬化するステップからなることを特徴とする、カスタムメイドのレンズを製造する方法。
【請求項124】
前記硬化可能な材料の層を選択的に硬化するステップは、前記層を二次元グレースケールパターンの放射に暴露することである、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記硬化可能な材料の層を配するステップは、半硬化材料の層を形成することと、硬化可能な材料を前記光学素子に配することと、前記半硬化材料の層の少なくとも一部を前記光学素子に配することを含むものであり、該硬化可能な材料を前記半硬化材料の層と前記光学素子の間で実質的に均一に分布させることからなる、請求項123に記載の方法。
【請求項126】
前記光学素子は、フレーム付きレンズを備えている、請求項123に記載の方法。
【請求項127】
前記フレーム付きレンズを前記フレームから取り出すステップをさらに含む、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
半硬化材料の層を光学素子に配するステップと、該半硬化材料の層を前記光学素子に真空成形するステップと、前記レンズを通過する光学通路中の少なくとも1つの高次光学収差を補正する屈折パターンを前記層中で画定するために、硬化可能な材料の層を選択的に硬化するステップからなることを特徴とする、カスタムメイドのレンズを製造する方法。
【請求項129】
前記半硬化材料の層を配するステップは、プライマー層を配することである、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記半硬化材料の層を配するステップは、粘着半硬化材料を配することである、請求項128に記載の方法。
【請求項131】
光学系の光学収差データを測定する手段と、該光学収差データに基づいて、少なくとも1つの高次光学収差を補正するレンズの定義を求める手段と、及び、該レンズの定義に基づいて補正レンズを製造する手段とからなることを特徴とする、光学系における光学補正をカスタムメイドで行うシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図4c】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2008−512705(P2008−512705A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530501(P2007−530501)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/032028
【国際公開番号】WO2006/029281
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(506265989)オフソニックス,インク (6)
【氏名又は名称原語表記】Ophthonix,Inc..
【Fターム(参考)】