光学レンズ及び照明装置
【課題】直交する2軸方向で異なる狙いの配光分布に光を制御しつつ、眩しさを抑える。
【解決手段】レンズ領域19は、LED11の発光面11aから発せられる光を入射する入射面19aと、入射面19aに入射した光を出射する出射面19bとを有する。入射面19aには、複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成されている。このシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、母線が互いに略平行な第1円柱面19cを有する。一方、出射面19bには、一つのシリンダーレンズが形成されている。この一つのシリンダーレンズは、母線が第1円柱面19cの母線に対して略垂直な第2円柱面19dを有する。
【解決手段】レンズ領域19は、LED11の発光面11aから発せられる光を入射する入射面19aと、入射面19aに入射した光を出射する出射面19bとを有する。入射面19aには、複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成されている。このシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、母線が互いに略平行な第1円柱面19cを有する。一方、出射面19bには、一つのシリンダーレンズが形成されている。この一つのシリンダーレンズは、母線が第1円柱面19cの母線に対して略垂直な第2円柱面19dを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズ及び照明装置に関するものである。本発明は、特に、LED(発光ダイオード)光源の正面に透明なレンズを備え、狙いの配光に光を制御しつつ、光源の眩しさを軽減した照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蛍光灯や白熱電球等の従来光源に比べ、LEDは、近年その発光効率と光束の向上に伴って、ダウンライトやスポットライト、誘導灯等の屋内照明装置、また防犯灯や街路灯等の屋外照明装置の光源として用いられはじめている。特に防犯灯は、市街地に多数設置されるため、低消費電力であるLEDを使用すれば、環境に対する効果が非常に大きい。またLEDは長寿命なため、光源の交換サイクルを伸ばし各自治体の支出を抑制できることから、現在、蛍光灯からの急速な置き換えが進んでいる。
【0003】
図12は、道路に沿って設置された防犯灯の一例を示す図である。
【0004】
防犯灯は夜間の通行の安全を守るための照明装置で、図12のように道路に沿った電柱等に設置されている。道路や通行人を照らすため、防犯灯には路面上や顔の高さ辺りの必要照度が決められている。また、防犯灯には通常一台あたり数100〜数1000[lm(ルーメン)]の光束が必要であるのに対し、LED一灯あたりの光束は100[lm]程度でしかないため、一台の防犯灯に複数個のLEDが搭載される。現在、LEDは蛍光灯や白熱電球等に比べ、得られる光束に対する価格がまだまだ高いので、防犯灯に限らず多くの照明装置で、LEDの光源コストが装置全体のコストの約1/2も占めている。
【0005】
防犯灯では、設置コストを抑えるために、路面上や顔の高さ辺りの必要照度を満たしながら設置間隔を広げること、また装置コストを抑えるために、防犯灯一台あたりに搭載されるLEDの個数を少なくすることが求められる。このように、少ない数のLEDの光束を効率的に使用し、設置間隔を広げるには、道路進行方向には光を広げ、道路幅員方向には逆に光を絞り集めるといった直交する2軸で異なる配光が必要となってくる。
【0006】
狙いとする配光分布に光を制御するには、LEDの正面に透明なレンズを配置し、そしてLED一つずつに同形状のレンズ面を設け、LED、レンズ面ともに同数のアレイ状とするのが、効果的かつ簡便な手法である。さらに各レンズにおいて、LEDからの光の入射面もしくは出射面、あるいは双方の面を道路進行方向と道路幅員方向で異なる形状にすることで、直交する2軸方向で異なる配光とすることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−186657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LEDは小型で発光面積が小さいため高輝度である。つまり眩しい。
【0009】
前述したようにLEDの正面に透明なレンズを配置し、配光制御を行う場合、LED一つ分に対応するレンズ面は、通常入射面、出射面ともに不連続な箇所を持たない連続面である。このようなレンズの場合、LEDの発光面がレンズを通して直接見えるため眩しく、配光制御している分、レンズを見る方位によってはLEDそのものより眩しいことがある。
【0010】
眩しさを軽減するために、一般に行われるようにレンズの入射面や出射面を梨地面にしたり、拡散材を練り込んだ半透明な樹脂でレンズを製作したりすると、狙いの配光分布に光を制御できなくなる。そして、少ない数のLEDでは前述した必要照度を満足できなくなり、防犯灯の設置間隔を狭くする、あるいは搭載するLEDの個数を増やす等の補償が必要となり、コスト高になってしまう。
【0011】
本発明は、例えば、直交する2軸方向で異なる狙いの配光分布に光を制御しつつ、眩しさを抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の態様に係る光学レンズは、
少なくとも1つの光源から発せられる光を入射する入射面と光を出射する出射面とを有し、
前記少なくとも1つの光源の光源1つ分に対応する前記入射面と前記出射面とのうち、一方には、母線が互いに略平行な第1円柱面を有する複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成され、他方には、母線が前記第1円柱面の母線に対して略垂直な第2円柱面を有する一つのシリンダーレンズが形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一の態様によれば、光学レンズの入射面と出射面とのうち、一方には、母線が互いに略平行な第1円柱面を有する複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成され、他方には、母線が上記第1円柱面の母線に対して略垂直な第2円柱面を有する一つのシリンダーレンズが形成されているため、直交する2軸方向で異なる狙いの配光分布に光を制御しつつ、眩しさを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1に係る照明装置の分解斜視図。
【図2】実施の形態1に係る照明装置のレンズ領域と基板との部分拡大図。
【図3】実施の形態1に係る照明装置のレンズ領域のLED一つ分に対応するレンズ面の設計値を示す表。
【図4】比較例に係る照明装置のレンズ領域と基板との部分拡大図。
【図5】実施の形態1に係る照明装置のレンズ領域の輝度の分布を示す図。
【図6】比較例に係る照明装置のレンズ領域の輝度の分布を示す図。
【図7】実施の形態2に係る照明装置のレンズ領域と基板との部分拡大図。
【図8】実施の形態2に係る照明装置のレンズ領域のLED一つ分に対応するレンズ面の設計値を示す表。
【図9】実施の形態1に係る照明装置と実施の形態2に係る照明装置との道路進行方向の配光分布を示すグラフ。
【図10】実施の形態1に係る照明装置と実施の形態2に係る照明装置との道路幅員方向の配光分布を示すグラフ。
【図11】実施の形態2に係る照明装置のレンズ領域の輝度の分布を示す図。
【図12】道路に沿って設置された防犯灯の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明装置10の分解斜視図である。
【0017】
照明装置10は、LED11、基板12、コネクタ13、ケーブル14、電源15、筐体16、パッキン17、カバー18を備える。なお、本実施の形態では、照明装置10が防犯灯として使用されるものとするが、照明装置10は、街路灯その他の屋外照明器具として使用されてもよいし、建物内の廊下や通路等を照らす屋内用の照明器具として使用されてもよい。
【0018】
光源であるLED11は基板12上に、略直線状かつ等間隔に配列・実装されている。基板12は、アルミニウム等の金属、あるいはガラスエポキシ樹脂やセラミック等の板材からなり、その表面にはLED11を点灯駆動するための回路パターン(図示していない)がプリントされている。基板12は、コネクタ13、ケーブル14を介して、電源15より給電される。基板12と電源15はネジ止め等により、筐体16に固定される。筐体16はアルミニウムやマグネシウム等のダイキャスト製、もしくはプラスチック成形品である。LED11、基板12、コネクタ13、ケーブル14、電源15は、筐体16に収納されている。
【0019】
筐体16の正面、出光側には、防水用のパッキン17を挟んで、カバー18がネジ止め等により取り付けられる。カバー18はアクリルやポリカーボネート等の透明樹脂であり、射出成形により製作される。カバー18のうちLED11の正面に位置する部位に、レンズ領域19(光学レンズの一例)が設けられている。図1ではレンズ領域19を実際のレンズ形状で描画せず、網掛けにてその領域だけを示している。このレンズ領域19を、カバー18とは別の独立したレンズ部材として設けても構わないが、このように装置外郭のカバー18と一体に形成することで低コスト化が図れる。カバー18のレンズ領域19以外の部位は、外観向上のため梨地面とするのが好ましい。カバー18の清掃を考慮すると、梨地面とするのはカバー18の内側、筐体16側の面のみでよい。
【0020】
その他、筐体16には、電源15を覆う板金カバー(図示していない)や昼夜を判断する照度センサ(図示していない)が搭載される場合がある。
【0021】
なお、図12に示すように、道路に沿って設置される防犯灯の場合、カバー18の正面が鉛直(真下)方向を向くのではなく、20[deg(度)]前後の角度で傾けて道路中央線方向を向くように設置される。このため、図1と図12に示した「道路幅員方向」の矢印の方向は厳密には異なるが、本明細書においては略同じ方向とみなし、以降、他の図も含め、特に区別せず同じ「道路幅員方向」として扱う。
【0022】
図2は、レンズ領域19とLED11を実装した基板12との部分拡大図である。
【0023】
レンズ領域19は、LED11の発光面11aから発せられる光を入射する入射面19aと、入射面19aに入射した光を出射する出射面19bとを有する。入射面19aには、複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成されている。このシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、母線が互いに略平行な第1円柱面19cを有する。一方、出射面19bには、一つのシリンダーレンズが形成されている。この一つのシリンダーレンズは、母線が第1円柱面19cの母線に対して略垂直な第2円柱面19dを有する。前述したように、本実施の形態では、基板12上に複数のLED11が略直線状に配置されており、入射面19aのシリンダーレンズアレイは、これら複数のLED11各々に対して一つずつ形成されており、出射面19bの一つのシリンダーレンズは、これら複数のLED11全体に対して形成されている。入射面19aのシリンダーレンズアレイは、一つ一つのシリンダーレンズアレイの中心が一つ一つのLED11の光軸上に位置するように形成されている。出射面19bの一つのシリンダーレンズは、そのシリンダーレンズの中心軸が一つ一つのLED11の光軸と交差するように形成されている。また、本実施の形態では、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズが凹レンズ、出射面19bの一つのシリンダーレンズが凸レンズになっている。
【0024】
このように、レンズ領域19のうち入射面19a、つまりLED11側の面は、シリンダーレンズのアレイとなっている。道路進行方向にLED11が繰り返し配置されているためだけでなく、LED11一つ分に対応するレンズ面においても、細かくアレイを形成している。アレイでは、細いシリンダーレンズが道路進行方向に多数並んでいる。一つ一つのシリンダーレンズは道路進行方向に凹の曲率を有し、その母線は道路幅員方向に伸びている。一方、入射面19aに対向する出射面19bはアレイではなく、一つのシリンダーレンズで形成されている。出射面19b側のシリンダーレンズは、入射面19aのシリンダーレンズアレイに直交する方向に形成されており、即ち道路幅員方向に凸の曲率を有し、道路進行方向に母線が伸びている。
【0025】
本実施の形態では、LED11は道路進行方向に沿って基板12上に並んでいる。このため、入射面19aは、LED11一つ分に対応するシリンダーレンズアレイを道路進行方向に繰り返した形状になっており、出射面19bは、凸のシリンダーレンズを道路進行方向につないだ形状になっている。なお、本実施の形態では、LED11を道路進行方向に沿って並べているが、道路幅員方向に沿って並べてもよい。この場合、入射面19aは、LED11一つ分に対応するシリンダーレンズアレイを道路幅員方向につないだ形状になり、出射面19bは、凸のシリンダーレンズを道路幅員方向にLED11の個数分並べた形状になる。即ち、入射面19aでは、複数のLED11全体に対して一つのシリンダーレンズアレイが形成され、出射面19bでは、これら複数のLED11各々に対して一つずつシリンダーレンズが形成されることになる。また、LED11はm個×n列のようにマトリックス状に配置してもよい。この場合、レンズ領域19は、上記同様に、これらLED11の配列に応じた形状となる。
【0026】
前述したように、防犯灯では、道路進行方向には光を広げ、道路幅員方向には逆に光を絞り集めるといった直交する2軸方向で異なる配光分布が求められる。このような配光分布を生むため、本実施の形態では入射面19a側と出射面19b側で直交する方向のシリンダーレンズを用い、なおかつ入射面19aは凹のシリンダーレンズにして道路進行方向に光を広げる作用を持たせ、出射面19bは凸のシリンダーレンズにして道路幅員方向に光を絞り集める作用を持たせた。さらに、入射面19a側の凹のシリンダーレンズは一つ一つを細いシリンダーレンズとし、これを多数並べてアレイとした。
【0027】
LED11の発光面11aより発せられ入射面19aのシリンダーレンズアレイのうち一つのシリンダーレンズに入射した光は、凹の作用により、その発散角が広げられる。入射面19aの各シリンダーレンズは曲率半径や幅、深さが全て同じ値ではなく、照明装置10全体としての道路進行方向の配光分布が狙いの分布になるように、個々のシリンダーレンズで曲率半径や幅、深さが適正な値に選択されている。即ち、一つ一つのシリンダーレンズは光を拡散するのだが、アレイ全体としては配光が制御されるようになっている。
【0028】
前述したように、LED11の眩しさを軽減するためには、レンズ面を梨地面にする手法があるが、梨地面では入射してくる光線をランダムに散らしてしまう。これに対し、本実施の形態では、梨地面ほどの微小な凹凸ではないが、個々の形状が適切に設計された細かいシリンダーレンズアレイにより、微視的には光を拡散しつつ、巨視的には配光を制御している。概念としては、梨地面でLED11の眩しさを緩和するが、配光分布を完全拡散ではなく狙いの分布とするため、梨地面の微小な凹凸をそれぞれ然るべき形状にした、というものであり、実際には微小な凹凸一つずつを設計したり、製造したりするのは困難であるため、設計・製造可能なある程度のサイズを持ったシリンダーレンズのアレイとしていることになる。
【0029】
なお、前述したように、道路に沿って設置される防犯灯の場合、照明装置10は、地上に立設された電柱等の支柱に、所定の角度(例えば、20deg)で傾斜するように取り付けられる。したがって、本実施の形態では、照明装置10が、第1円柱面19cの母線方向においてレンズ領域19が所定の角度で傾斜するように取り付けられることになる。
【0030】
図3は、レンズ領域19の、LED11一つ分に対応するレンズ面の設計値を示す表である。
【0031】
図3では、レンズ領域19の、LED11一つ分に対応するレンズ面を構成する各シリンダーレンズの曲率半径や幅、凹(即ち、入射面19a側)であれば(凹の中央部の)深さ、凸(即ち、出射面19b側)であれば(凸の中央部の)高さの設計値を示している。図2に示したように、入射面19a側の各シリンダーレンズの中心位置は、道路進行方向にx軸をとり、LED11の発光面11aの中心(即ち、LED11の光軸との交点)をx=0として、xの値で表している。なお、本実施の形態において、LED11同士の間隔は20[mm(ミリメートル)]、LED11の発光面11aの大きさはφ(直径)4.3[mm]である。
【0032】
レンズを通して見るLED11の眩しさを緩和するためには、入射面19a側の各シリンダーレンズの幅が細ければ細いほどよく、図3のようにLED11の発光面11aの大きさより1/2以下の細さにするのが好ましい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、第1円柱面19cの幅がLED11の発光面11aの幅の1/2以下であることが望ましい。また、必ずしも必要ではないが、LED11の真正面x=0より離れ、xの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの幅を細くし、ピッチを狭くするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの幅が小さいことが望ましい。
【0033】
さらに、道路進行方向に光を広げた配光を少ない数のLED11で効率的に実現するには、xの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの曲率半径が略大きくなるようにするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの曲率半径が大きいことが望ましい。あるいはxの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの深さが略浅くなるようにするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの深さが小さいことが望ましい。
【0034】
図4は、比較例に係る照明装置のレンズ領域19’とLED11を実装した基板12との部分拡大図である。
【0035】
この比較例では、レンズ領域19’の形状のみが本実施の形態と異なる照明装置において、レンズ領域19’のLED11一つ分に対応するレンズ面が不連続な箇所を持たない、即ち連続面で構成されている。入射面19a’側は簡単のため、平面としている。出射面19b’側は、道路進行方向の断面(道路幅員方向からみた断面)が非球面のトロイダル面であり、図4のように鼓型をしている。道路進行方向の断面は、LED11の真正面、つまりレンズ中心近傍が凹で、中心より離れるに従って凸になっている。一方、道路幅員方向の断面(道路進行方向からみた断面)は、単純な凸(輪郭が円弧)である。レンズ領域19’は、この鼓型レンズを、LED11の並ぶ道路進行方向に沿って、LED11の個数分つないだ形状になっている。
【0036】
図5は、本実施の形態のレンズ領域19の輝度の分布を示す図である。図6は、比較例のレンズ領域19’の輝度の分布を示す図である。
【0037】
図2の本実施の形態のシリンダーレンズアレイも、図4の比較例のトロイダル非球面も、路面上や顔の高さ辺りの必要照度は満足している。図5及び図6では、照明装置としての眩しさを比較するために、カバー18、レンズ領域19,19’の正面方向を0[deg]とし、道路進行方向60[deg]の角度から見た場合の、レンズ領域19,19’の輝度の分布を示している。なお、LED11の一灯あたりの光束は100[lm]である。図5のうち最も眩しい輝点の輝度は220万[cd/m2(カンデラ毎平方メートル)]で、図6の方は520万[cd/m2]であった。このように、本実施の形態のシリンダーレンズアレイでは、不連続な箇所を持たない連続面によるレンズに比べ、大幅に眩しさが抑えられている。
【0038】
即ち、本実施の形態によれば、カバー18のレンズ領域19のうちLED11一つ分に対応するレンズ面を、入射面19aと出射面19bとで直交する方向のシリンダーレンズとし、入射面19a側を細いシリンダーレンズを多数並べたアレイにすることにより、狙いの配光分布、即ち直交する2軸方向で異なる配光に光を制御しつつ、眩しさを抑えることができる。
【0039】
また、本実施の形態に係る照明装置10のカバー18のレンズ領域19は、細かいシリンダーレンズアレイとしているので、カバー18全体では凹凸の起伏が緩やかであり、略均一な肉厚になっている。このため、カバー18を射出成形により製作する場合、ヒケやソリが発生しにくく、製造が容易である。
【0040】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0041】
本実施の形態は、実施の形態1に係る照明装置10においてレンズ領域19の形状を別の形状に換えたものである。
【0042】
図7は、本実施の形態に係る照明装置10のレンズ領域19とLED11を実装した基板12との部分拡大図である。
【0043】
実施の形態1では、レンズ領域19の入射面19aのシリンダーレンズアレイは凹の曲率を有していたが、本実施の形態では凸の曲率を有している。即ち、本実施の形態では、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズが凸レンズになっている。
【0044】
凹のシリンダーレンズアレイを射出成形により製作する場合、金型は凸形状になる。金型を出っ張らせる必要があるため、金型加工において除去量が多く、加工時間がかかり、コスト高になる。また、シリンダーレンズ同士が隣り合う境界部分の加工には、針のように先の尖った刃具が必要になる。尖った刃具は磨耗が激しい上、加工時間が多くかかる。さらに、例え尖った刃具を用いても、シリンダーレンズ同士の境界には幾らか凹の曲率が付き、成形品では凸となって、凹のシリンダーレンズアレイが多少崩れた形状になるおそれがある。このように、凹のシリンダーレンズアレイには製作上の難点が幾つかある。
【0045】
一方、本実施の形態の凸のシリンダーレンズアレイでは、金型形状は凹になり、これらの難点は解消されるので、金型を安価簡便に製作することができる。
【0046】
入射面19aが凸のシリンダーレンズの場合、直感的には、道路進行方向に光を広げる作用を持たせられず、必要な配光が得られないように思われるが、実際には、個々のシリンダーレンズの曲率半径や幅、高さを適切に設計することで、狙いの配光を得ることができる。それでいて、もちろん凹のシリンダーレンズアレイと同じく、LED11の眩しさを緩和する効果を得られる。
【0047】
図8は、レンズ領域19の、LED11一つ分に対応するレンズ面の設計値を示す表である。
【0048】
図8では、レンズ領域19の、LED11一つ分に対応するレンズ面を構成する各シリンダーレンズの曲率半径や幅、(凸の中央部の)高さの設計値を示している。図7に示したように、入射面19a側の各シリンダーレンズの中心位置は、道路進行方向にx軸をとり、LED11の発光面11aの中心(即ち、LED11の光軸との交点)をx=0として、xの値で表している。なお、実施の形態1と同様に、本実施の形態において、LED11同士の間隔は20[mm]、LED11の発光面11aの大きさはφ4.3[mm]である。
【0049】
実施の形態1と同様、レンズを通して見るLED11の眩しさを緩和するためには、入射面19a側の各シリンダーレンズの幅が細ければ細いほどよく、図8のようにLED11の発光面11aの大きさより1/2以下の細さにするのが好ましい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、第1円柱面19cの幅がLED11の発光面11aの幅の1/2以下であることが望ましい。また、必ずしも必要ではないが、LED11の真正面x=0より離れ、xの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの幅を細くし、ピッチを狭くするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの幅が小さいことが望ましい。
【0050】
さらに、道路進行方向に光を広げた配光を少ない数のLED11で効率的に実現するには、xの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの曲率半径が略大きくなるようにするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの曲率半径が大きいことが望ましい。あるいはxの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの高さが略低くなるようにするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの高さが小さいことが望ましい。
【0051】
図9は、実施の形態1に係る照明装置10と本実施の形態に係る照明装置10との道路進行方向の配光分布を示すグラフである。図10は、実施の形態1に係る照明装置10と本実施の形態に係る照明装置10との道路幅員方向の配光分布を示すグラフである。
【0052】
図9及び図10では、実施の形態1と本実施の形態とにおける照明装置10で得られた配光分布を示すとともに、比較例として、LED11を実装した基板12そのものの配光分布も「LED単体」として示している。図9に示すように、道路進行方向では光を広げた配光が得られている。また、図10に示すように、道路幅員方向では逆に光を絞り集めた配光が得られている。図9及び図10から、実施の形態1と本実施の形態とで、同等の配光分布が得られていることが分かる。
【0053】
図11は、レンズ領域19の輝度の分布を示す図である。
【0054】
図11では、実施の形態1の図5同様、カバー18、レンズ領域19の正面方向を0[deg]とし、道路進行方向60[deg]の角度から見た場合の、レンズ領域19の輝度の分布を示している。なお、LED11の一灯あたりの光束は100[lm]である。図11のうち最も眩しい輝点の輝度は210万[cd/m2]で、実施の形態1における図5と同等であった。
【0055】
以上のことから、入射面19aは凹ではなく凸のシリンダーレンズアレイであっても、狙いの配光分布、即ち直交する2軸方向で異なる配光に光を制御しつつ、眩しさを抑えることができる。実施の形態1では凹のシリンダーレンズアレイ、本実施の形態では凸のシリンダーレンズアレイ、いずれでも同程度の配光、輝度を達成できることから、凹凸が混在したシリンダーレンズアレイでもよいことが分かる。また、本実施の形態では、入射面19aと出射面19bとの双方が凸のシリンダーレンズで構成されることより、レンズ領域19を裏返し、出射面19bをシリンダーレンズアレイ、入射面19aをアレイではなく、一つのシリンダーレンズとしても、配光・輝度を満足できることが分かる。即ち、出射面19bに、母線が互いに略平行な第1円柱面19cを有する複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成され、入射面19aに、母線が第1円柱面19cの母線に対して略垂直な第2円柱面19dを有する一つのシリンダーレンズが形成されていてもよい。但し、この場合、出射面19b側が道路進行方向の、入射面19a側が道路幅員方向の配光を制御するようにする。さらには、実施の形態1と本実施の形態で配光・輝度に大差ないことから、出射面19bが凸ではなく凹、あるいは凹凸混在のシリンダーレンズアレイであってもよいことが分かる。
【0056】
即ち、本実施の形態によれば、入射面19aのシリンダーレンズアレイが凸のシリンダーレンズアレイであっても、狙いの配光分布、即ち直交する2軸方向で異なる配光に光を制御しつつ、眩しさを抑えることができる。
【0057】
また、本実施の形態に係る照明装置10の入射面19aは凸のシリンダーレンズアレイとなっているので、カバー18の金型を安価簡便に製作することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 照明装置、11 LED、11a 発光面、12 基板、13 コネクタ、14 ケーブル、15 電源、16 筐体、17 パッキン、18 カバー、19,19’ レンズ領域、19a,19a’ 入射面、19b,19b’ 出射面、19c 第1円柱面、19d 第2円柱面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズ及び照明装置に関するものである。本発明は、特に、LED(発光ダイオード)光源の正面に透明なレンズを備え、狙いの配光に光を制御しつつ、光源の眩しさを軽減した照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蛍光灯や白熱電球等の従来光源に比べ、LEDは、近年その発光効率と光束の向上に伴って、ダウンライトやスポットライト、誘導灯等の屋内照明装置、また防犯灯や街路灯等の屋外照明装置の光源として用いられはじめている。特に防犯灯は、市街地に多数設置されるため、低消費電力であるLEDを使用すれば、環境に対する効果が非常に大きい。またLEDは長寿命なため、光源の交換サイクルを伸ばし各自治体の支出を抑制できることから、現在、蛍光灯からの急速な置き換えが進んでいる。
【0003】
図12は、道路に沿って設置された防犯灯の一例を示す図である。
【0004】
防犯灯は夜間の通行の安全を守るための照明装置で、図12のように道路に沿った電柱等に設置されている。道路や通行人を照らすため、防犯灯には路面上や顔の高さ辺りの必要照度が決められている。また、防犯灯には通常一台あたり数100〜数1000[lm(ルーメン)]の光束が必要であるのに対し、LED一灯あたりの光束は100[lm]程度でしかないため、一台の防犯灯に複数個のLEDが搭載される。現在、LEDは蛍光灯や白熱電球等に比べ、得られる光束に対する価格がまだまだ高いので、防犯灯に限らず多くの照明装置で、LEDの光源コストが装置全体のコストの約1/2も占めている。
【0005】
防犯灯では、設置コストを抑えるために、路面上や顔の高さ辺りの必要照度を満たしながら設置間隔を広げること、また装置コストを抑えるために、防犯灯一台あたりに搭載されるLEDの個数を少なくすることが求められる。このように、少ない数のLEDの光束を効率的に使用し、設置間隔を広げるには、道路進行方向には光を広げ、道路幅員方向には逆に光を絞り集めるといった直交する2軸で異なる配光が必要となってくる。
【0006】
狙いとする配光分布に光を制御するには、LEDの正面に透明なレンズを配置し、そしてLED一つずつに同形状のレンズ面を設け、LED、レンズ面ともに同数のアレイ状とするのが、効果的かつ簡便な手法である。さらに各レンズにおいて、LEDからの光の入射面もしくは出射面、あるいは双方の面を道路進行方向と道路幅員方向で異なる形状にすることで、直交する2軸方向で異なる配光とすることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−186657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LEDは小型で発光面積が小さいため高輝度である。つまり眩しい。
【0009】
前述したようにLEDの正面に透明なレンズを配置し、配光制御を行う場合、LED一つ分に対応するレンズ面は、通常入射面、出射面ともに不連続な箇所を持たない連続面である。このようなレンズの場合、LEDの発光面がレンズを通して直接見えるため眩しく、配光制御している分、レンズを見る方位によってはLEDそのものより眩しいことがある。
【0010】
眩しさを軽減するために、一般に行われるようにレンズの入射面や出射面を梨地面にしたり、拡散材を練り込んだ半透明な樹脂でレンズを製作したりすると、狙いの配光分布に光を制御できなくなる。そして、少ない数のLEDでは前述した必要照度を満足できなくなり、防犯灯の設置間隔を狭くする、あるいは搭載するLEDの個数を増やす等の補償が必要となり、コスト高になってしまう。
【0011】
本発明は、例えば、直交する2軸方向で異なる狙いの配光分布に光を制御しつつ、眩しさを抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の態様に係る光学レンズは、
少なくとも1つの光源から発せられる光を入射する入射面と光を出射する出射面とを有し、
前記少なくとも1つの光源の光源1つ分に対応する前記入射面と前記出射面とのうち、一方には、母線が互いに略平行な第1円柱面を有する複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成され、他方には、母線が前記第1円柱面の母線に対して略垂直な第2円柱面を有する一つのシリンダーレンズが形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一の態様によれば、光学レンズの入射面と出射面とのうち、一方には、母線が互いに略平行な第1円柱面を有する複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成され、他方には、母線が上記第1円柱面の母線に対して略垂直な第2円柱面を有する一つのシリンダーレンズが形成されているため、直交する2軸方向で異なる狙いの配光分布に光を制御しつつ、眩しさを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1に係る照明装置の分解斜視図。
【図2】実施の形態1に係る照明装置のレンズ領域と基板との部分拡大図。
【図3】実施の形態1に係る照明装置のレンズ領域のLED一つ分に対応するレンズ面の設計値を示す表。
【図4】比較例に係る照明装置のレンズ領域と基板との部分拡大図。
【図5】実施の形態1に係る照明装置のレンズ領域の輝度の分布を示す図。
【図6】比較例に係る照明装置のレンズ領域の輝度の分布を示す図。
【図7】実施の形態2に係る照明装置のレンズ領域と基板との部分拡大図。
【図8】実施の形態2に係る照明装置のレンズ領域のLED一つ分に対応するレンズ面の設計値を示す表。
【図9】実施の形態1に係る照明装置と実施の形態2に係る照明装置との道路進行方向の配光分布を示すグラフ。
【図10】実施の形態1に係る照明装置と実施の形態2に係る照明装置との道路幅員方向の配光分布を示すグラフ。
【図11】実施の形態2に係る照明装置のレンズ領域の輝度の分布を示す図。
【図12】道路に沿って設置された防犯灯の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明装置10の分解斜視図である。
【0017】
照明装置10は、LED11、基板12、コネクタ13、ケーブル14、電源15、筐体16、パッキン17、カバー18を備える。なお、本実施の形態では、照明装置10が防犯灯として使用されるものとするが、照明装置10は、街路灯その他の屋外照明器具として使用されてもよいし、建物内の廊下や通路等を照らす屋内用の照明器具として使用されてもよい。
【0018】
光源であるLED11は基板12上に、略直線状かつ等間隔に配列・実装されている。基板12は、アルミニウム等の金属、あるいはガラスエポキシ樹脂やセラミック等の板材からなり、その表面にはLED11を点灯駆動するための回路パターン(図示していない)がプリントされている。基板12は、コネクタ13、ケーブル14を介して、電源15より給電される。基板12と電源15はネジ止め等により、筐体16に固定される。筐体16はアルミニウムやマグネシウム等のダイキャスト製、もしくはプラスチック成形品である。LED11、基板12、コネクタ13、ケーブル14、電源15は、筐体16に収納されている。
【0019】
筐体16の正面、出光側には、防水用のパッキン17を挟んで、カバー18がネジ止め等により取り付けられる。カバー18はアクリルやポリカーボネート等の透明樹脂であり、射出成形により製作される。カバー18のうちLED11の正面に位置する部位に、レンズ領域19(光学レンズの一例)が設けられている。図1ではレンズ領域19を実際のレンズ形状で描画せず、網掛けにてその領域だけを示している。このレンズ領域19を、カバー18とは別の独立したレンズ部材として設けても構わないが、このように装置外郭のカバー18と一体に形成することで低コスト化が図れる。カバー18のレンズ領域19以外の部位は、外観向上のため梨地面とするのが好ましい。カバー18の清掃を考慮すると、梨地面とするのはカバー18の内側、筐体16側の面のみでよい。
【0020】
その他、筐体16には、電源15を覆う板金カバー(図示していない)や昼夜を判断する照度センサ(図示していない)が搭載される場合がある。
【0021】
なお、図12に示すように、道路に沿って設置される防犯灯の場合、カバー18の正面が鉛直(真下)方向を向くのではなく、20[deg(度)]前後の角度で傾けて道路中央線方向を向くように設置される。このため、図1と図12に示した「道路幅員方向」の矢印の方向は厳密には異なるが、本明細書においては略同じ方向とみなし、以降、他の図も含め、特に区別せず同じ「道路幅員方向」として扱う。
【0022】
図2は、レンズ領域19とLED11を実装した基板12との部分拡大図である。
【0023】
レンズ領域19は、LED11の発光面11aから発せられる光を入射する入射面19aと、入射面19aに入射した光を出射する出射面19bとを有する。入射面19aには、複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成されている。このシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、母線が互いに略平行な第1円柱面19cを有する。一方、出射面19bには、一つのシリンダーレンズが形成されている。この一つのシリンダーレンズは、母線が第1円柱面19cの母線に対して略垂直な第2円柱面19dを有する。前述したように、本実施の形態では、基板12上に複数のLED11が略直線状に配置されており、入射面19aのシリンダーレンズアレイは、これら複数のLED11各々に対して一つずつ形成されており、出射面19bの一つのシリンダーレンズは、これら複数のLED11全体に対して形成されている。入射面19aのシリンダーレンズアレイは、一つ一つのシリンダーレンズアレイの中心が一つ一つのLED11の光軸上に位置するように形成されている。出射面19bの一つのシリンダーレンズは、そのシリンダーレンズの中心軸が一つ一つのLED11の光軸と交差するように形成されている。また、本実施の形態では、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズが凹レンズ、出射面19bの一つのシリンダーレンズが凸レンズになっている。
【0024】
このように、レンズ領域19のうち入射面19a、つまりLED11側の面は、シリンダーレンズのアレイとなっている。道路進行方向にLED11が繰り返し配置されているためだけでなく、LED11一つ分に対応するレンズ面においても、細かくアレイを形成している。アレイでは、細いシリンダーレンズが道路進行方向に多数並んでいる。一つ一つのシリンダーレンズは道路進行方向に凹の曲率を有し、その母線は道路幅員方向に伸びている。一方、入射面19aに対向する出射面19bはアレイではなく、一つのシリンダーレンズで形成されている。出射面19b側のシリンダーレンズは、入射面19aのシリンダーレンズアレイに直交する方向に形成されており、即ち道路幅員方向に凸の曲率を有し、道路進行方向に母線が伸びている。
【0025】
本実施の形態では、LED11は道路進行方向に沿って基板12上に並んでいる。このため、入射面19aは、LED11一つ分に対応するシリンダーレンズアレイを道路進行方向に繰り返した形状になっており、出射面19bは、凸のシリンダーレンズを道路進行方向につないだ形状になっている。なお、本実施の形態では、LED11を道路進行方向に沿って並べているが、道路幅員方向に沿って並べてもよい。この場合、入射面19aは、LED11一つ分に対応するシリンダーレンズアレイを道路幅員方向につないだ形状になり、出射面19bは、凸のシリンダーレンズを道路幅員方向にLED11の個数分並べた形状になる。即ち、入射面19aでは、複数のLED11全体に対して一つのシリンダーレンズアレイが形成され、出射面19bでは、これら複数のLED11各々に対して一つずつシリンダーレンズが形成されることになる。また、LED11はm個×n列のようにマトリックス状に配置してもよい。この場合、レンズ領域19は、上記同様に、これらLED11の配列に応じた形状となる。
【0026】
前述したように、防犯灯では、道路進行方向には光を広げ、道路幅員方向には逆に光を絞り集めるといった直交する2軸方向で異なる配光分布が求められる。このような配光分布を生むため、本実施の形態では入射面19a側と出射面19b側で直交する方向のシリンダーレンズを用い、なおかつ入射面19aは凹のシリンダーレンズにして道路進行方向に光を広げる作用を持たせ、出射面19bは凸のシリンダーレンズにして道路幅員方向に光を絞り集める作用を持たせた。さらに、入射面19a側の凹のシリンダーレンズは一つ一つを細いシリンダーレンズとし、これを多数並べてアレイとした。
【0027】
LED11の発光面11aより発せられ入射面19aのシリンダーレンズアレイのうち一つのシリンダーレンズに入射した光は、凹の作用により、その発散角が広げられる。入射面19aの各シリンダーレンズは曲率半径や幅、深さが全て同じ値ではなく、照明装置10全体としての道路進行方向の配光分布が狙いの分布になるように、個々のシリンダーレンズで曲率半径や幅、深さが適正な値に選択されている。即ち、一つ一つのシリンダーレンズは光を拡散するのだが、アレイ全体としては配光が制御されるようになっている。
【0028】
前述したように、LED11の眩しさを軽減するためには、レンズ面を梨地面にする手法があるが、梨地面では入射してくる光線をランダムに散らしてしまう。これに対し、本実施の形態では、梨地面ほどの微小な凹凸ではないが、個々の形状が適切に設計された細かいシリンダーレンズアレイにより、微視的には光を拡散しつつ、巨視的には配光を制御している。概念としては、梨地面でLED11の眩しさを緩和するが、配光分布を完全拡散ではなく狙いの分布とするため、梨地面の微小な凹凸をそれぞれ然るべき形状にした、というものであり、実際には微小な凹凸一つずつを設計したり、製造したりするのは困難であるため、設計・製造可能なある程度のサイズを持ったシリンダーレンズのアレイとしていることになる。
【0029】
なお、前述したように、道路に沿って設置される防犯灯の場合、照明装置10は、地上に立設された電柱等の支柱に、所定の角度(例えば、20deg)で傾斜するように取り付けられる。したがって、本実施の形態では、照明装置10が、第1円柱面19cの母線方向においてレンズ領域19が所定の角度で傾斜するように取り付けられることになる。
【0030】
図3は、レンズ領域19の、LED11一つ分に対応するレンズ面の設計値を示す表である。
【0031】
図3では、レンズ領域19の、LED11一つ分に対応するレンズ面を構成する各シリンダーレンズの曲率半径や幅、凹(即ち、入射面19a側)であれば(凹の中央部の)深さ、凸(即ち、出射面19b側)であれば(凸の中央部の)高さの設計値を示している。図2に示したように、入射面19a側の各シリンダーレンズの中心位置は、道路進行方向にx軸をとり、LED11の発光面11aの中心(即ち、LED11の光軸との交点)をx=0として、xの値で表している。なお、本実施の形態において、LED11同士の間隔は20[mm(ミリメートル)]、LED11の発光面11aの大きさはφ(直径)4.3[mm]である。
【0032】
レンズを通して見るLED11の眩しさを緩和するためには、入射面19a側の各シリンダーレンズの幅が細ければ細いほどよく、図3のようにLED11の発光面11aの大きさより1/2以下の細さにするのが好ましい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、第1円柱面19cの幅がLED11の発光面11aの幅の1/2以下であることが望ましい。また、必ずしも必要ではないが、LED11の真正面x=0より離れ、xの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの幅を細くし、ピッチを狭くするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの幅が小さいことが望ましい。
【0033】
さらに、道路進行方向に光を広げた配光を少ない数のLED11で効率的に実現するには、xの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの曲率半径が略大きくなるようにするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの曲率半径が大きいことが望ましい。あるいはxの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの深さが略浅くなるようにするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの深さが小さいことが望ましい。
【0034】
図4は、比較例に係る照明装置のレンズ領域19’とLED11を実装した基板12との部分拡大図である。
【0035】
この比較例では、レンズ領域19’の形状のみが本実施の形態と異なる照明装置において、レンズ領域19’のLED11一つ分に対応するレンズ面が不連続な箇所を持たない、即ち連続面で構成されている。入射面19a’側は簡単のため、平面としている。出射面19b’側は、道路進行方向の断面(道路幅員方向からみた断面)が非球面のトロイダル面であり、図4のように鼓型をしている。道路進行方向の断面は、LED11の真正面、つまりレンズ中心近傍が凹で、中心より離れるに従って凸になっている。一方、道路幅員方向の断面(道路進行方向からみた断面)は、単純な凸(輪郭が円弧)である。レンズ領域19’は、この鼓型レンズを、LED11の並ぶ道路進行方向に沿って、LED11の個数分つないだ形状になっている。
【0036】
図5は、本実施の形態のレンズ領域19の輝度の分布を示す図である。図6は、比較例のレンズ領域19’の輝度の分布を示す図である。
【0037】
図2の本実施の形態のシリンダーレンズアレイも、図4の比較例のトロイダル非球面も、路面上や顔の高さ辺りの必要照度は満足している。図5及び図6では、照明装置としての眩しさを比較するために、カバー18、レンズ領域19,19’の正面方向を0[deg]とし、道路進行方向60[deg]の角度から見た場合の、レンズ領域19,19’の輝度の分布を示している。なお、LED11の一灯あたりの光束は100[lm]である。図5のうち最も眩しい輝点の輝度は220万[cd/m2(カンデラ毎平方メートル)]で、図6の方は520万[cd/m2]であった。このように、本実施の形態のシリンダーレンズアレイでは、不連続な箇所を持たない連続面によるレンズに比べ、大幅に眩しさが抑えられている。
【0038】
即ち、本実施の形態によれば、カバー18のレンズ領域19のうちLED11一つ分に対応するレンズ面を、入射面19aと出射面19bとで直交する方向のシリンダーレンズとし、入射面19a側を細いシリンダーレンズを多数並べたアレイにすることにより、狙いの配光分布、即ち直交する2軸方向で異なる配光に光を制御しつつ、眩しさを抑えることができる。
【0039】
また、本実施の形態に係る照明装置10のカバー18のレンズ領域19は、細かいシリンダーレンズアレイとしているので、カバー18全体では凹凸の起伏が緩やかであり、略均一な肉厚になっている。このため、カバー18を射出成形により製作する場合、ヒケやソリが発生しにくく、製造が容易である。
【0040】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0041】
本実施の形態は、実施の形態1に係る照明装置10においてレンズ領域19の形状を別の形状に換えたものである。
【0042】
図7は、本実施の形態に係る照明装置10のレンズ領域19とLED11を実装した基板12との部分拡大図である。
【0043】
実施の形態1では、レンズ領域19の入射面19aのシリンダーレンズアレイは凹の曲率を有していたが、本実施の形態では凸の曲率を有している。即ち、本実施の形態では、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズが凸レンズになっている。
【0044】
凹のシリンダーレンズアレイを射出成形により製作する場合、金型は凸形状になる。金型を出っ張らせる必要があるため、金型加工において除去量が多く、加工時間がかかり、コスト高になる。また、シリンダーレンズ同士が隣り合う境界部分の加工には、針のように先の尖った刃具が必要になる。尖った刃具は磨耗が激しい上、加工時間が多くかかる。さらに、例え尖った刃具を用いても、シリンダーレンズ同士の境界には幾らか凹の曲率が付き、成形品では凸となって、凹のシリンダーレンズアレイが多少崩れた形状になるおそれがある。このように、凹のシリンダーレンズアレイには製作上の難点が幾つかある。
【0045】
一方、本実施の形態の凸のシリンダーレンズアレイでは、金型形状は凹になり、これらの難点は解消されるので、金型を安価簡便に製作することができる。
【0046】
入射面19aが凸のシリンダーレンズの場合、直感的には、道路進行方向に光を広げる作用を持たせられず、必要な配光が得られないように思われるが、実際には、個々のシリンダーレンズの曲率半径や幅、高さを適切に設計することで、狙いの配光を得ることができる。それでいて、もちろん凹のシリンダーレンズアレイと同じく、LED11の眩しさを緩和する効果を得られる。
【0047】
図8は、レンズ領域19の、LED11一つ分に対応するレンズ面の設計値を示す表である。
【0048】
図8では、レンズ領域19の、LED11一つ分に対応するレンズ面を構成する各シリンダーレンズの曲率半径や幅、(凸の中央部の)高さの設計値を示している。図7に示したように、入射面19a側の各シリンダーレンズの中心位置は、道路進行方向にx軸をとり、LED11の発光面11aの中心(即ち、LED11の光軸との交点)をx=0として、xの値で表している。なお、実施の形態1と同様に、本実施の形態において、LED11同士の間隔は20[mm]、LED11の発光面11aの大きさはφ4.3[mm]である。
【0049】
実施の形態1と同様、レンズを通して見るLED11の眩しさを緩和するためには、入射面19a側の各シリンダーレンズの幅が細ければ細いほどよく、図8のようにLED11の発光面11aの大きさより1/2以下の細さにするのが好ましい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、第1円柱面19cの幅がLED11の発光面11aの幅の1/2以下であることが望ましい。また、必ずしも必要ではないが、LED11の真正面x=0より離れ、xの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの幅を細くし、ピッチを狭くするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの幅が小さいことが望ましい。
【0050】
さらに、道路進行方向に光を広げた配光を少ない数のLED11で効率的に実現するには、xの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの曲率半径が略大きくなるようにするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの曲率半径が大きいことが望ましい。あるいはxの絶対値が大きくなるに従い、シリンダーレンズの高さが略低くなるようにするのがよい。即ち、入射面19aのシリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、LED11の発光面11aの中心から遠いシリンダーレンズほど第1円柱面19cの高さが小さいことが望ましい。
【0051】
図9は、実施の形態1に係る照明装置10と本実施の形態に係る照明装置10との道路進行方向の配光分布を示すグラフである。図10は、実施の形態1に係る照明装置10と本実施の形態に係る照明装置10との道路幅員方向の配光分布を示すグラフである。
【0052】
図9及び図10では、実施の形態1と本実施の形態とにおける照明装置10で得られた配光分布を示すとともに、比較例として、LED11を実装した基板12そのものの配光分布も「LED単体」として示している。図9に示すように、道路進行方向では光を広げた配光が得られている。また、図10に示すように、道路幅員方向では逆に光を絞り集めた配光が得られている。図9及び図10から、実施の形態1と本実施の形態とで、同等の配光分布が得られていることが分かる。
【0053】
図11は、レンズ領域19の輝度の分布を示す図である。
【0054】
図11では、実施の形態1の図5同様、カバー18、レンズ領域19の正面方向を0[deg]とし、道路進行方向60[deg]の角度から見た場合の、レンズ領域19の輝度の分布を示している。なお、LED11の一灯あたりの光束は100[lm]である。図11のうち最も眩しい輝点の輝度は210万[cd/m2]で、実施の形態1における図5と同等であった。
【0055】
以上のことから、入射面19aは凹ではなく凸のシリンダーレンズアレイであっても、狙いの配光分布、即ち直交する2軸方向で異なる配光に光を制御しつつ、眩しさを抑えることができる。実施の形態1では凹のシリンダーレンズアレイ、本実施の形態では凸のシリンダーレンズアレイ、いずれでも同程度の配光、輝度を達成できることから、凹凸が混在したシリンダーレンズアレイでもよいことが分かる。また、本実施の形態では、入射面19aと出射面19bとの双方が凸のシリンダーレンズで構成されることより、レンズ領域19を裏返し、出射面19bをシリンダーレンズアレイ、入射面19aをアレイではなく、一つのシリンダーレンズとしても、配光・輝度を満足できることが分かる。即ち、出射面19bに、母線が互いに略平行な第1円柱面19cを有する複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成され、入射面19aに、母線が第1円柱面19cの母線に対して略垂直な第2円柱面19dを有する一つのシリンダーレンズが形成されていてもよい。但し、この場合、出射面19b側が道路進行方向の、入射面19a側が道路幅員方向の配光を制御するようにする。さらには、実施の形態1と本実施の形態で配光・輝度に大差ないことから、出射面19bが凸ではなく凹、あるいは凹凸混在のシリンダーレンズアレイであってもよいことが分かる。
【0056】
即ち、本実施の形態によれば、入射面19aのシリンダーレンズアレイが凸のシリンダーレンズアレイであっても、狙いの配光分布、即ち直交する2軸方向で異なる配光に光を制御しつつ、眩しさを抑えることができる。
【0057】
また、本実施の形態に係る照明装置10の入射面19aは凸のシリンダーレンズアレイとなっているので、カバー18の金型を安価簡便に製作することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 照明装置、11 LED、11a 発光面、12 基板、13 コネクタ、14 ケーブル、15 電源、16 筐体、17 パッキン、18 カバー、19,19’ レンズ領域、19a,19a’ 入射面、19b,19b’ 出射面、19c 第1円柱面、19d 第2円柱面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光源から発せられる光を入射する入射面と光を出射する出射面とを有する光学レンズにおいて、
前記少なくとも1つの光源の光源1つ分に対応する前記入射面と前記出射面とのうち、一方には、母線が互いに略平行な第1円柱面を有する複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成され、他方には、母線が前記第1円柱面の母線に対して略垂直な第2円柱面を有する一つのシリンダーレンズが形成されていることを特徴とする光学レンズ。
【請求項2】
請求項1の光学レンズと、
前記入射面に対して光を発する発光面を有する前記少なくとも1つの光源と
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記シリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、前記第1円柱面の幅が前記発光面の幅の1/2以下であることを特徴とする請求項2の照明装置。
【請求項4】
前記シリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、前記発光面の中心から遠いシリンダーレンズほど前記第1円柱面の幅が小さいことを特徴とする請求項2又は3の照明装置。
【請求項5】
前記シリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、前記発光面の中心から遠いシリンダーレンズほど前記第1円柱面の曲率半径が大きいことを特徴とする請求項2から4のいずれかの照明装置。
【請求項6】
前記シリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、凹レンズであり、前記発光面の中心から遠いシリンダーレンズほど前記第1円柱面の深さが小さいことを特徴とする請求項2から5のいずれかの照明装置。
【請求項7】
前記シリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、凸レンズであり、前記発光面の中心から遠いシリンダーレンズほど前記第1円柱面の高さが小さいことを特徴とする請求項2から5のいずれかの照明装置。
【請求項8】
前記照明装置は、
前記少なくとも1つの光源として、略直線状に配置された複数のLEDを備え、
前記シリンダーレンズアレイは、前記複数のLED各々に対して一つずつ形成されており、前記一つのシリンダーレンズは、前記複数のLED全体に対して形成されていることを特徴とする請求項2から7のいずれかの照明装置。
【請求項9】
前記照明装置は、
前記少なくとも1つの光源として、略直線状に配置された複数のLEDを備え、
前記シリンダーレンズアレイは、前記複数のLED全体に対して形成されており、前記一つのシリンダーレンズは、前記複数のLED各々に対して一つずつ形成されていることを特徴とする請求項2から7のいずれかの照明装置。
【請求項10】
前記照明装置は、さらに、
前記少なくとも1つの光源を収納する筐体と、
前記光学レンズと一体に形成され、前記筐体に取り付けられるカバーと
を備えることを特徴とする請求項2から9のいずれかの照明装置。
【請求項11】
前記照明装置は、地上に立設された支柱に、前記第1円柱面の母線方向において前記光学レンズが所定の角度で傾斜するように取り付けられることを特徴とする請求項2から10のいずれかの照明装置。
【請求項1】
少なくとも1つの光源から発せられる光を入射する入射面と光を出射する出射面とを有する光学レンズにおいて、
前記少なくとも1つの光源の光源1つ分に対応する前記入射面と前記出射面とのうち、一方には、母線が互いに略平行な第1円柱面を有する複数のシリンダーレンズからなるシリンダーレンズアレイが形成され、他方には、母線が前記第1円柱面の母線に対して略垂直な第2円柱面を有する一つのシリンダーレンズが形成されていることを特徴とする光学レンズ。
【請求項2】
請求項1の光学レンズと、
前記入射面に対して光を発する発光面を有する前記少なくとも1つの光源と
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記シリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、前記第1円柱面の幅が前記発光面の幅の1/2以下であることを特徴とする請求項2の照明装置。
【請求項4】
前記シリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、前記発光面の中心から遠いシリンダーレンズほど前記第1円柱面の幅が小さいことを特徴とする請求項2又は3の照明装置。
【請求項5】
前記シリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、前記発光面の中心から遠いシリンダーレンズほど前記第1円柱面の曲率半径が大きいことを特徴とする請求項2から4のいずれかの照明装置。
【請求項6】
前記シリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、凹レンズであり、前記発光面の中心から遠いシリンダーレンズほど前記第1円柱面の深さが小さいことを特徴とする請求項2から5のいずれかの照明装置。
【請求項7】
前記シリンダーレンズアレイの各シリンダーレンズは、凸レンズであり、前記発光面の中心から遠いシリンダーレンズほど前記第1円柱面の高さが小さいことを特徴とする請求項2から5のいずれかの照明装置。
【請求項8】
前記照明装置は、
前記少なくとも1つの光源として、略直線状に配置された複数のLEDを備え、
前記シリンダーレンズアレイは、前記複数のLED各々に対して一つずつ形成されており、前記一つのシリンダーレンズは、前記複数のLED全体に対して形成されていることを特徴とする請求項2から7のいずれかの照明装置。
【請求項9】
前記照明装置は、
前記少なくとも1つの光源として、略直線状に配置された複数のLEDを備え、
前記シリンダーレンズアレイは、前記複数のLED全体に対して形成されており、前記一つのシリンダーレンズは、前記複数のLED各々に対して一つずつ形成されていることを特徴とする請求項2から7のいずれかの照明装置。
【請求項10】
前記照明装置は、さらに、
前記少なくとも1つの光源を収納する筐体と、
前記光学レンズと一体に形成され、前記筐体に取り付けられるカバーと
を備えることを特徴とする請求項2から9のいずれかの照明装置。
【請求項11】
前記照明装置は、地上に立設された支柱に、前記第1円柱面の母線方向において前記光学レンズが所定の角度で傾斜するように取り付けられることを特徴とする請求項2から10のいずれかの照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−150296(P2012−150296A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9274(P2011−9274)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】
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