説明

光学式選別機

【課題】装置を大型化することなく、良品の回収率を向上できる光学式選別機の提供。
【解決手段】被選別物を貯留する貯留手段、該貯留手段から前記被選別物を移送する移送手段、を有する粒状物供給部と、前記移送手段の端部から所定の軌跡に沿って落下する被選別物を検出する光学検出手段、該光学検出手段による検出信号に基づいて前記被選別物の種別を判別する判別手段、該判別手段による判別結果に基づいて特定の種別に判別される被選別物を前記所定の落下軌跡から排除するエジェクター、前記所定の軌跡に沿って落下する被選別物の落下位置に設けられる第1排出路、前記所定の落下軌跡から排除される被選別物の落下位置に設けられる第2排出路、及び前記第1排出路及び前記第2排出路の間に形成される第3排出路を有する排出ホッパ、を備える光学選別部と、前記光学選別部における前記排出ホッパの第3排出路から排出される被選別物を前記粒状物供給部の貯留手段に搬送する搬送手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物を色彩等に基づいて選別する光学式選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米・麦類・豆類・ナッツ類等の穀粒、ペレット・ビーズ等の樹脂片、医薬品、鉱石類、シラス等の細かい物品、その他の粒状物からなる原料を良品と不良品に選別したり、原料に混入する異物等を排除したりする光学式選別機が知られている。
【0003】
この種の光学式選別機は、移送路の端部から所定の軌跡に沿って落下する粒状物に光を照射し、該粒状物からの反射光等を受光して前記原料に含まれる不良品や異物等を検出し、当該検出した不良品や異物等を排除することで前記粒状物の選別を行うものである。
【0004】
ところで、上記光学式選別機は、前記所定の軌跡に沿って落下する粒状物にエアを噴射する等して前記不良品や異物等を排除するが、当該不良品等の近くに存在する良品を巻き込んで排除してしまうものである。
【0005】
そこで、光学式選別機において、良品の回収率を向上させるため、二組の選別部を並設し、粒状物からなる原料を二段階で良品と不良品に選別する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
図6は、特許文献1に記載された光学式選別機における良品と不良品の選別手順の説明図を示す。
特許文献1に記載された光学式選別機において、1次タンク121aに供給される粒状物からなる原料は、1次選別部103aにおいて良品と不良品に選別される。前記1次選別部103aにおいて不良品に選別された粒状物は、通路104aを通して第1昇降機105aに送られ、該第1昇降機105aにより2次タンク121bに送られた後に、2次選別部103bにおいて良品と不良品に選別される。そして、2次選別部103bにおいて良品に選別された粒状物は、通路104bを通して第2昇降機105bに送られ、該第2昇降機105bにより前記1次タンク121aに送られて、再度、前記1次選別部103aにおいて良品と不良品に選別される。
【0007】
上記特許文献1に記載された光学式選別機によれば、1次選別部103aにおいて不良品を排除するためのエアに巻き込まれ、不良品に混入することとなった良品を回収することが可能となり、良品の回収率を向上させることができる。
【0008】
ところが、上記特許文献1に記載された光学式選別機は、選別部を二組設ける必要があるため、装置が大型化し、かつコストも上昇するという問題がある。
また、上記特許文献1に記載された光学式選別機は、前記2次タンク121bに送られる不良品に、当該不良品を排除するためのエアに巻き込まれた良品が多く混入するものであるが、2次選別部の処理能力には限界があり、前記良品を効率よく回収することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−107703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、装置を大型化することなく、良品の回収率を向上させることができる光学式選別機を提供することを目的とする。
また、本発明は、良品を効率よく回収することができる光学式選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の光学式選別機は、被選別物を貯留する貯留手段、該貯留手段から前記被選別物を移送する移送手段、を有する粒状物供給部と、前記移送手段の端部から所定の軌跡に沿って落下する被選別物を検出する光学検出手段、該光学検出手段による検出信号に基づいて前記被選別物の種別を判別する判別手段、該判別手段による判別結果に基づいて特定の種別に判別される被選別物を前記所定の落下軌跡から排除するエジェクター、前記所定の軌跡に沿って落下する被選別物の落下位置に設けられる第1排出路、前記所定の落下軌跡から排除される被選別物の落下位置に設けられる第2排出路、及び前記第1排出路及び前記第2排出路の間に形成される第3排出路を有する排出ホッパ、を備える光学選別部と、前記光学選別部における前記排出ホッパの第3排出路から排出される被選別物を前記粒状物供給部における貯留手段に搬送する搬送手段と、を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の光学式選別機は、前記貯留手段が、選別機外から供給される原料を貯留することが好ましい。
【0012】
本発明の光学式選別機は、前記粒状物供給部と、前記光学選別部と、前記搬送手段とをそれぞれ複数備え、第1の光学選別部における排出ホッパの第1排出路又は第2排出路から排出される被選別物を第2の粒状物供給部の貯留手段に搬送する搬送手段と、第2の光学選別部における排出ホッパの第1排出路又は第2排出路から排出される被選別物を第1の粒状物供給部の貯留手段に搬送する搬送手段と、を備え、前記第1の粒状物供給部の貯留手段が、選別機外から供給される原料を貯留することが好ましい。
ることが好ましい。
【0013】
本発明の光学式選別機は、前記排出ホッパにおける第1排出路と第3排出路を仕切る部材の頂部、及び第3排出路と第2排出路を仕切る部材の頂部に、被選別物の各排出路への侵入量を調整する角度調整板を設けることが好ましい。
【0014】
ここで、本発明において、前記第3排出路353から排出される粒状物を「中間品」と呼ぶこととする。
また、本発明における被選別部の種別には、例えば、原料の良品と不良品、原料とそれに混入する異物、複数種類の粒状物が原料に混在する場合にはそれら粒状物の種類等が含まれる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光学式選別機は、光学選別部における排出ホッパが、所定の軌跡に沿って落下する被選別物の落下位置に設けられる第1排出路と前記所定の落下軌跡から排除される被選別物の落下位置に設けられる第2排出路との間に形成される第3排出路を有するから、所定の落下軌跡から被選別物を排除する際に巻き込まれ、落下軌跡が僅かに変更される被選別物を前記排出ホッパの第3排出路から中間品として排出できる。
そして、本発明の光学式選別機は、前記排出ホッパの第3排出路から排出される被選別物を前記粒状物供給部における貯留手段に搬送する搬送手段を備えるから、前記被選別物を排除する際に巻き込まれた中間品を、再度、光学選別部において選別することが可能となる。
したがって、本発明の光学式選別機によれば、例えば、原料を良品と不良品に選別する場合、前記第1排出路又は第2排出路から排出される不良品に比べ、良品の混入率が著しく高い前記中間品を、再度、光学選別部において選別することが可能なため、従来に比べ、装置を大型化することなく、良品の回収率を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の光学式選別機は、前記粒状物供給部と、前記光学選別部と、前記搬送手段とをそれぞれ複数備え、第1の光学選別部における排出ホッパの第1排出路又は第2排出路から排出される被選別物を第2の粒状物供給部の貯留手段に搬送する搬送手段と、第2の光学選別部における排出ホッパの第1排出路又は第2排出路から排出される被選別物を第一の粒状物供給部の貯留手段に搬送する搬送手段と、を備えることとすれば、例えば、原料を良品と不良品に選別する場合において、図6に示す従来の光学式選別機に比べ、第2の粒状物供給部の貯留手段に搬送する不良品の量が減少する結果、第1の光学選別部における粒状物の供給量を増加させることができるため、良品を効率よく回収することができる。
【0017】
さらに、本発明の光学式選別機は、前記排出ホッパにおける第1排出路と第3排出路を仕切る部材の頂部、及び第3排出路と第2排出路を仕切る部材の頂部に、被選別物の各排出路への侵入量を調整する角度調整板を設けることとすれば、例えば原料を良品と不良品に選別する場合において、第1排出路又は第2排出路から排出される良品の純度や、第3排出路から排出される中間品における不良品の混入率を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態の光学式選別機における内部構造の側断面図。
【図2】本発明の実施形態の光学式選別機における選別の様子を示す説明図。
【図3】本発明の実施形態の光学式選別機における選別手順の説明図。
【図4】本発明の他の実施形態の光学式選別機における選別手順の説明図。
【図5】本発明のさらに他の実施形態の光学式選別機における選別手順の説明図。
【図6】従来の光学式選別機における選別手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における光学式選別機の内部構造を簡略化した側断面図を示す。
本実施の形態における光学式選別機は、粒状物供給部2、光学選別部3、樋状通路4及び昇降機5を備える。
【0020】
本実施の形態における光学式選別機において、前記粒状物供給部2は、原料タンク21と、該原料タンク21に貯留する粒状物を供給する振動フィーダ22と、該振動フィーダ22から供給される粒状物を流下させる所定幅を有する傾斜状シュート23を備える。
【0021】
ここで、前記振動フィーダ22は、バイブレータ等を有する振動発生装置に載置され、該振動発生装置における周波数や振動を調整することで、前記傾斜状シュート23への粒状物の供給量を制御することができる。
【0022】
また、本実施の形態における光学式選別機において、前記光学選別部3は、粒状物の落下軌跡の前後に配設される一対の光学検出装置31a,31bと、該光学検出装置31a,31bの撮像信号に基づいて前記粒状物を良品と不良品に判別する判別装置33と、前記判別装置33の判別結果に基づいて前記不良品を排除し、前記粒状物を良品と不良品に選別するエジェクター34と、前記エジェクター34により良品と不良品に選別された粒状物を排出する排出ホッパ35を備える。
【0023】
前記光学検出装置31a,31bは、前記傾斜状シュート23の下端から幅方向に広がる状態で空中に放出される粒状物に対応できるものであって、CCD等のラインセンサやエリアセンサを内蔵し、NIR(近赤外線)、可視光又は紫外線等の波長域の光を受光可能とするCCDカメラ等の撮像手段311a,311bと、前記粒状物の所定の落下軌跡上における検出位置Oを照明する蛍光灯やハロゲンランプ、LED光源等の照明手段312a,312bと、バックグラウンド313a,313bを備える。
そして、当該光学検出装置31a,31bは、前記検出位置Oにおいて前記撮像手段311a,311bにより前記バックグラウンド313a,313bを背景として粒状物を撮像する。
【0024】
前記判別装置33は、粒状物を良品と不良品に区別するしきい値を設定するしきい値設定手段と、前記しきい値に基づいて粒状物を良品と不良品のいずれかに判別する判別手段を備える。ここで、前記しきい値は、前記撮像手段311a,311bにより撮像される粒状物の撮像信号における光量や色成分の信号レベルの値として設定することができる。
そして、当該判別装置33は、前記光学検出装置31a,31bから送られる粒状物の撮像信号に基づいて当該粒状物を良品と不良品のいずれかに判別する。
【0025】
前記エジェクター34は、前記光学検出装置31a,31bと同様に、前記傾斜状シュート23の下端から幅方向に広がる状態で空中に放出される粒状物に対応できるものであって、前記幅方向に形成される複数のノズル孔から選択的にエアを噴射することができるノズル341を備える。
そして、当該エジェクター34は、前記判別装置33から送られる不良品の排除信号に基づいて、所定のノズル孔から所定のタイミングでエアを噴射し、所定の落下軌跡から当該不良品を排除することで、粒状物を良品と不良品に選別する。
【0026】
前記排出ホッパ35は、前記所定の落下軌跡に沿って落下する良品を排出する第1排出路351と、前記エジェクター34により排除され落下軌跡が変更されて落下する不良品を排出する第2排出路352を備える。
【0027】
また、前記排出ホッパ35は、前記第1排出路351と第2排出路352との間に第3排出路353を備える。
ここで、本発明において、前記第3排出路353から排出される粒状物を「中間品」と呼ぶこととする。
【0028】
さらに、本実施の形態における光学式選別機は、前記第3排出路353から排出される中間品を送る樋状通路4と、該樋状通路4を通して送られる中間品を、再度、前記原料タンク21へ送るバケットコンベア等からなる昇降機5を備える。
【0029】
本実施の形態における光学式選別機1において、前記粒状物供給部2の原料タンク21に供給される粒状物は、前記振動フィーダ22を介して前記傾斜状シュート23に送られ、該傾斜状シュート23を幅方向に広がる状態で連続状に自然流下した後、その下端から所定の落下軌跡に沿って空中に放出される。
【0030】
そして、前記空中に放出される粒状物は、前記光学選別部3において、前記一対の光学検出装置31a,31bにおける撮像手段311a,311bにより、前記落下軌跡上における検出位置Oにおいて撮像される。
【0031】
前記撮像手段311a,311bにより撮像された粒状物は、前記判別装置33において、撮像信号の信号レベルが前記しきい値と比較され、良品と不良品のいずれかに判別される。
【0032】
そして、前記粒状物は、前記判別装置33から送られる排除信号に基づいて、前記エジェクター34におけるエアの噴射により不良品が前記所定の落下軌跡から排除され、良品と不良品に選別されて、各別に第1排出路351及び第2排出路352から排出される。
【0033】
このとき、前記排除される不良品近くに存在する良品が、前記エアに巻き込まれ、僅かに落下軌跡が変更されることとなるが、本実施の形態における排出ホッパ35は、前記第1排出路351と第2排出路352の間に第3排出路353を備えるから、前記エアに巻き込まれた良品を多く含む粒状物が中間品として当該第3排出樋353から排出される。
【0034】
そして、前記第3排出樋353から排出される中間品は、前記樋状通路4を通して昇降機5に送られ、該昇降機5により原料タンク21に送られて、再度、前記光学選別部3において良品と不良品に選別される。
【0035】
図2は、本実施の形態の光学式選別機において、粒状物を良品と不良品に選別する場合の説明図を示す。
本実施の形態における光学式選別機において、傾斜状シュート23を流下し、その下端から空中に放出される粒状物は、光学選別部の判別装置において良品と不良品のいずれかに判別されるが、ここで良品と判別された粒状物は所定の落下軌跡に沿って第1排出路351に落下する。
一方、前記判別装置において不良品と判別された粒状物は、エジェクターのノズル341から噴射されるエアにより前記所定の落下軌跡から排除されるが、このとき、前記排除される不良品の前後左右に存在する良品の一部が巻き込まれ、該良品の落下軌跡が僅かに変更される。
【0036】
しかし、図2に示すように、本実施の形態における光学式選別機は、排出ホッパ35が第3排出路353を備えるため、前記エアに巻き込まれ僅かに落下軌跡が変更された良品の多くは、中間品として前記エアにより排除される不良品と区別して排出される。
【0037】
また、図2に示すように、本実施の形態における排出ホッパ35には、前記第1排出路351と第3排出路353を仕切る仕切り部材の頂部に第1調整板355、前記第2排出路352と第3排出路353を仕切る仕切り部材の頂部に第2調整板356が、それぞれ手動又は自動で角度を変更できるように設けられている。
当該各調整板355,356の角度は、良品や中間品における不良品の混入率を周知の計測器により自動計測することで、自動で調整することができる。
【0038】
そして、前記第1調整板355の角度を変更することで、第1排出路351に侵入する良品の純度を調整することができる。
また、前記第2調整板356の角度を変更することで、第3排出路353に侵入する中間品における不良品の混入率を調整することができる。
【0039】
なお、前記第2調整板356の角度は、当該光学式選別機の稼働中において、前記中間品における不良品の混入率が、原料における不良品の混入率以下となるよう設定することが望ましい。
また、当該光学式選別機の稼働を終了する場合、前記第2調整板356により第3排出路の上部開口を塞ぐことで、選別機中の粒状物の残留を防止できる。
【0040】
図3は、本実施の形態の光学式選別機において、良品と不良品を選別する手順の説明図を示す。
本実施の形態の光学式選別機において、原料タンク21に供給される粒状物は、光学選別部3において良品と不良品に選別される。その際、前記光学選別部3において良品を多く含む中間品が発生するが、当該中間品は樋状通路4を通して昇降機5に送られ、該昇降機5により原料タンク21に送られて、再度、前記光学選別部3において良品と不良品に選別される。
【0041】
したがって、本実施の形態における光学式選別機は、従来に比べ、装置を大型化することなく良品の回収率を向上させることができる。
【0042】
<本発明の他の実施の形態>
図4は、本発明の他の実施の形態における光学式選別機において、良品と不良品を選別する手順の説明図を示す。
本実施の形態における光学式選別機は、二組の粒状物供給部及び光学選別部を並設し、原料となる粒状物を二段階で良品と不良品に選別するものである。
本実施の形態における光学式選別機は、図1に示すものと同じ構造の粒状物供給部、光学選別部、樋状通路及び昇降機を備える。
【0043】
本実施の形態における光学式選別機において、まず、1次タンク21aに供給される粒状物は、1次選別部3aにおいて良品と不良品に選別される。1次選別部3aにおいて不良品に選別された粒状物は、2次タンク21bに送られた後に、2次選別部3bにおいて良品と不良品に選別される。そして、2次選別部3bにおいて良品に選別された粒状物は、前記1次タンク21aに送られ、再度、1次選別部3aにおいて良品と不良品に選別される。
【0044】
一方、本実施の形態における光学式選別機において、前記1次選別部3aで発生する中間品は、前記1次タンク21aに送られ、再度、1次選別部3aにおいて良品と不良品に選別される。
また、前記2次選別部3bで発生する中間品は、前記2次タンク21bに送られ、再度、2次選別部3bにおいて良品と不良品に選別される。
【0045】
したがって、本実施の形態における光学式選別機は、図6に示す従来の光学式選別機と比べ、2次タンク21bに送る不良品の量が減少する結果、1次選別部3aへの粒状物の供給量を増加させることができ、良品を効率よく回収することができる。
【0046】
なお、本実施の形態における光学式選別機は、一台の光学式選別機に二組の粒状物供給部及び光学選別部を並設するものであるが、独立した二台の光学式選別機を連結し、原料となる粒状物を二段階で良品と不良品に選別するものとしてもよい。
【0047】
<本発明のさらに他の実施の形態>
図5は、本発明のさらに他の実施の形態における光学式選別機において、良品と不良品を選別する手順の説明図を示す。
本実施の形態における光学式選別機は、三組の粒状物供給部及び光学選別部を並設し、又は独立した三台の光学式選別機を連結し、原料となる粒状物を三段階で良品と不良品に選別するものである。
本実施の形態における光学式選別機も、粒状物供給部、光学選別部、樋状通路及び昇降機の構造は、図1に示すものと同様である。
【0048】
本発明の光学式選別機は、四組以上の粒状物供給部及び光学選別部を並設し、又は四台以上の独立した光学式選別機を連結し、原料となる粒状物を四段階以上で良品と不良品に選別するものとすることもできる。
<その他の実施の形態>
【0049】
上記各実施の形態において、光学式選別機は、不良品をエジェクターにより排除するものとして説明したが、良品を排除することとしてもよい。また、原料となる粒状物を複数段階で良品と不良品に選別する場合、各段階において原料への混入割合が少ない方を排除することとすれ選別効率が向上する。
【0050】
上記各実施の形態の光学式選別機は、粒状物供給部2が傾斜状シュート23を備え、該傾斜状シュート23の下端部から空中に放出される粒状物を、検出位置Oにおいて光学検出装置31a,31bにおける撮像手段311a,311bにより撮像するものであったが、水平配置するコンベア端部から空中に放出される粒状物を撮像するものであってもよい。
【0051】
上記各実施の形態の光学式選別機は、エジェクターとしてエアを噴射するノズルを用い、粒状物を所定の落下軌跡から非接触で排除するものであったが、エジェクターとして例えばソレノイド等を駆動手段とする板バネ等の機械的手段を用い、粒状物を排除するものとしてもよい。なお、その場合、板バネの駆動量や駆動速度を調整することで、不良品等を適切に排除することができる。
【0052】
上記各実施の形態の光学式選別機において、前記第3排出路353から排出される中間品は、樋状通路4に代えて水平コンベアや振動コンベア等の各種コンベアにより前記昇降機5に送ることとしてもよい。また、ニューマパイプを配置し、前記中間品を前記原料タンク21へ直接ニューマ搬送することとしてもよい。
【0053】
上記各実施の形態の光学式選別機は、原料の粒状物を良品と不良品に選別するものであったが、原料に異物が混入する場合には、該原料と異物と選別したり、原料に二種類以上の粒状物が混在する場合には、該粒状物を一の種類とその他の種類に選別したりすることもできる。
【0054】
本発明の光学式選別機は、上記実施の形態に限らず、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の光学式選別機は、装置を大型化することなく良品の回収率を向上させることができるものであり、極めて有用なものである。
【符号の説明】
【0056】
1 光学式選別機
2 粒状物供給部
21 原料タンク
22 振動フィーダ
23 シュート
3 光学選別部
31a,31b 光学検出装置
311a,311b 撮像手段
312a,312b 照明手段
313a,313b バックグラウンド
33 判別装置
34 エジェクター
35 排出ホッパ
351 第1排出路
352 第2排出路
353 第3排出路
355 第1調整板
356 第2調整板
4 樋状通路
5 昇降機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被選別物を貯留する貯留手段、該貯留手段から前記被選別物を移送する移送手段、を有する粒状物供給部と、
前記移送手段の端部から所定の軌跡に沿って落下する被選別物を検出する光学検出手段、該光学検出手段による検出信号に基づいて前記被選別物の種別を判別する判別手段、該判別手段による判別結果に基づいて特定の種別に判別される被選別物を前記所定の落下軌跡から排除するエジェクター、前記所定の軌跡に沿って落下する被選別物の落下位置に設けられる第1排出路、前記所定の落下軌跡から排除される被選別物の落下位置に設けられる第2排出路、及び前記第1排出路及び前記第2排出路の間に形成される第3排出路を有する排出ホッパ、を備える光学選別部と、
前記光学選別部における前記排出ホッパの第3排出路から排出される被選別物を前記粒状物供給部における貯留手段に搬送する搬送手段と、
を備えることを特徴とする光学式選別機。
【請求項2】
前記貯留手段は、選別機外から供給される原料を貯留する請求項1記載の光学式選別機。
【請求項3】
前記粒状物供給部と、前記光学選別部と、前記搬送手段とをそれぞれ複数備え、
第1の光学選別部における排出ホッパの第1排出路又は第2排出路から排出される被選別物を第2の粒状物供給部の貯留手段に搬送する搬送手段と、
第2の光学選別部における排出ホッパの第1排出路又は第2排出路から排出される被選別物を第1の粒状物供給部の貯留手段に搬送する搬送手段と、を備え、
前記第1の粒状物供給部の貯留手段は、選別機外から供給される原料を貯留する請求項1記載の光学式選別機。
【請求項4】
前記排出ホッパにおける第1排出路と第3排出路を仕切る部材の頂部、及び第3排出路と第2排出路を仕切る部材の頂部に、被選別物の各排出路への侵入量を調整する角度調整板を設ける請求項1乃至3のいずれか一項記載の光学式選別機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate