説明

光学施錠機構

【課題】光学施錠機構の提供。
【解決手段】本発明の光学施錠機構は、施錠ユニット及びセンサーと反射板を有する作動ユニットを備えた錠と、錠に対応する鍵とを含む。鍵は少なくとも導光部品を備える解錠ユニットを含み、作動ユニットと解錠ユニットに光波信号のコミュニケーションを行わせ、作動ユニットの感知と判断確認の後、作動ユニットによって施錠ユニットが解除される。これ故に、錠と鍵間の信号の解読及び遮断を起こし難くなり、複製及び老朽化の問題が比較的なく、効果的な盗難防止とコスト削減を実現する効果を果たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠及び鍵間の光波信号の解読及び遮断を起こし難く、複製及び老朽化の問題がなく、効果的な盗難防止と低コストを実現する光学施錠機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の伝統的な錠は錠ケース、錠ケース内に納めるシリンダー、シリンダーに連動するデッドボルトにより構成される。錠を開ける鍵の二辺には異なる深さの溝を設け、錠を開ける時は、鍵をシリンダーの鍵穴内に差し込み回転させ、シリンダーによってデッドボルトを圧縮させて錠を開ける。
【0003】
しかし、公知の錠及び鍵は金属材質によって製造され、尚且つ全ての機構を機械連動方式で錠内に設けている故、部品の過剰、組立て困難、コスト高等の欠点がある。また、錠の鍵は一般に扁平状で、このような形状の鍵やシリンダー、及び機械連動方式は市場で広く使用されている設計であるため、鍵は簡単に複製でき、人に解錠及び破壊され易く(鉄線或いはその他の扁平状の器具で錠を開くことができる)、錠には根本的に盗難防止効果はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、錠及び鍵間の光波信号の解読及び遮断を起こし難く、複製及び老朽化の問題がなく、効果的な盗難防止と低コストを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の目的を達成するために、本発明の光学施錠機構は、施錠ユニット及びセンサーと反射板を有する作動ユニットを備えた錠と、錠に対応する鍵とを含む。鍵は少なくとも導光部品を備える解錠ユニットを含み、作動ユニットと解錠ユニットに光波信号のコミュニケーションを行わせ、感知及び判断確認後、作動ユニットによって施錠ユニットが解除される。
【0006】
本発明の一実施例において、施錠ユニットは機械式施錠或いは電磁式施錠とする。
【0007】
本発明の一実施例において、錠には少なくとも一つの鍵穴を設け、作動ユニットは、鍵穴周囲に設け尚且つ施錠ユニットに連結するセンサーと、センサーに対応する反射板とを含む。
【0008】
本発明の一実施例において、錠には少なくとも一つの鍵穴を設け、作動ユニットは、鍵穴内に設ける発光ユニットと、施錠ユニットに連結するセンサーとを含む。
【0009】
本発明の一実施例において、発光ユニットは、発光体と、発光体に連結する電池とを含み、該発光体はLED(発光ダイオード)、Laser(レーザー)或いは発光素子の波長を判断に利用できるセンサーとしてもよく、電池は薄膜太陽電池或いはリチウム電池としてもよい。
【0010】
本発明の一実施例において、解錠ユニットは鍵の一端に設ける発光ユニットと、鍵の一端に設け尚且つ発光ユニットに連結するスイッチと、発光ユニットに対応する導光部品と、鍵の他の一端に設ける複数のエンコード用導光部品と、導光部品とエンコード用導光部品間に設けるエンコード用反射板を含む。
【0011】
本発明の一実施例において、発光ユニットは、発光体と、発光体に連結する電池とを含み、該発光体はLED(発光ダイオード)、Laser(レーザー)或いは発光素子の波長を判断に利用できるセンサーとしてもよく、電池は薄膜太陽電池或いはリチウム電池としてもよい。
【0012】
本発明の一実施例において、導光部品及びエンコード用導光部品は光ファイバーとしてもよい。
【0013】
本発明の一実施例において、解錠ユニットは、鍵の一端に設ける光反射及び波長多重モジュールと、光反射及び波長多重モジュールの一端に対応させて設けた入光用導光部品と、光反射及び波長多重モジュールの一端に対応させて設けた出光用導光部品とを含む。
【0014】
本発明の一実施例において、入光用導光部品と出光用導光部品は光ファイバーとしてもよい。
【0015】
本発明の一実施例において、入光用導光部品と出光用導光部品間には強化部を設け、前記二つの導光部品間の物理性構造を強化する。
【0016】
本発明の一実施例において、光反射及び波長多重モジュールは、進入する光源を屈曲させて反射するプリズムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光学施錠機構は、錠と鍵間の光波信号の解読及び遮断を起こし難く、複製及び老朽化の問題がなく、効果的な盗難防止と低コストを実現する効果を備える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一実施例図である。
【図2】本発明の第二実施例図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には本発明の第一実施例図を示す。図に示すとおり、本発明の光学施錠機構は、少なくとも錠1と鍵2により構成される。
【0020】
前記錠1は施錠ユニット11、及び施錠ユニット11に連結する作動ユニット12を含む。施錠ユニット11は機械式錠と電磁式錠があり、錠1には少なくとも鍵穴13を設け、作動ユニット12は、鍵穴13周囲に設け施錠ユニット11に連結するセンサー121と、センサー121に対応する反射板122とを含み、反射板122には光源経路を変える効果を備える。
【0021】
鍵2は錠1に対応し、少なくとも解錠ユニット21を含む。該解錠ユニット21は鍵2の一端に設ける発光ユニット211と、鍵2の一端に設け尚且つ発光ユニット211に連結するスイッチ212と、発光ユニット211に対応する導光部品213と、鍵2の他の一端に設ける複数のエンコード用導光部品214と、導光部品213とエンコード用導光部品214間に設けるエンコード用反射板215を含む。その内、発光ユニット211は発光体2111と、発光体2111に連結する電池2112とを含み、該発光体2111はLED(発光ダイオード)、Laser(レーザー)或いは発光素子の波長を判断に利用できるセンサーとしてもよい。電池2112は薄膜太陽電池或いはリチウム電池としてもよく、該導光部品213及びエンコード用導光部品214は光ファイバーとしてもよく、導光部品213の構造は管体に制限されず、いずれの形状としてもよい。このように、前述の構造によって新規の光学施錠機構を構成する。
【0022】
本発明を使用時には、鍵2を錠1の鍵穴13内に差し込み、スイッチ212を押すと、発光ユニット211の電池2112が提供された発光体2111は発光し、光源を導光部品213からエンコード用反射板215に伝送し、並びに、エンコード用導光部品214によって異なる波長の光波が導き出される。この時、錠1の作動ユニット12はセンサー121と反射板122の組み合わせにより前記光波を受け取り、並びに、センサー121を用いて解錠ユニット21に対する感知と判断、確認を行った後、作動ユニット12が施錠ユニット11を解除し、錠を開く動作が完成する。施錠ユニット11を解除する方式は、鍵2を回して機械方式で施錠ユニット11を解除するか、或いは鍵2を用いてその他の電磁方式で施錠ユニット11を解除できる。
【0023】
また、鍵2の実物を鍵穴13に差し込まずに、例えば光の屈折及び反射、或いは明暗対比等によるシミュレーション方式で、鍵穴13内のセンサー121に対応させて施錠ユニット11の解除を行うことも可能である。並びに、センサー121は、異なる光波屈折或いは反射率を用い、異なる暗証番号の組み合わせてのコントロール(この組み合わせは0/1表示のスイッチとしてもよい)を行い、施錠ユニット11の解除メカニズムとする。
【0024】
また、前記実施形態における錠1の作動ユニット12は、鍵穴13周囲縁に設け、尚且つ施錠ユニット11に連結するセンサー121を含み、反射板122の設置をせずに、鍵2のエンコード用導光部品214に生じた光源を直接センサー121内に導入だけで、センサー121の感知及び判断を通して、解錠する目的を果たす。
【0025】
図2には本発明の第二実施例図を示す。図に示すとおり、本発明は、前記第一実施例で開示した構造設計の他、第二実施例の構造形態としてもよい。二実施例の相違箇所は、施錠ユニット11aに少なくとも一つの鍵穴13aを設け、作動ユニット12aには鍵穴13a内に設ける発光ユニット123aと、施錠ユニット11aに連結するセンサー124aを含むことにある。その内、発光ユニット123aは発光体1231aと、発光体1231aに連結する電池1232aを含み、発光体1231aはLED(発光ダイオード)、Laser(レーザー)或いは発光素子の波長を判断に利用できるセンサーとしてもよく、該電池1232aは薄膜太陽電池或いはリチウム電池としてもよい。また、解錠ユニット21aには鍵2aの一端に設けた光反射及び波長多重モジュール216aと、光反射及び波長多重モジュール216aの一端に対応させて設けた入光用導光部品217aと、光反射及び波長多重モジュール216aの一端に対応させて設けた出光用導光部品218aとを含む。該入光用導光部品217aと出光用導光部品218aは光ファイバーとしてもよく、入光用導光部品217aと出光用導光部品218a間には強化部219aを設ける。その内、前記光反射及び波長多重モジュール216aは具体的にはプリズムであり、プリズムに進入する光源を屈曲させる機能を提供する。また、光反射及び波長多重モジュール216a或いは出光用導光部品218a或いは入光用導光部品217aはエンコード機能を備える。
【0026】
使用時には、鍵2aの入光用導光部品217a、出光用導光部品218a、及び強化部219aを同時に錠1aの鍵穴13a内に差し込むことにより、作動ユニット12aの発光ユニット123aは電池1232aを用いて発光体1231aを発光させ、光源が入光用導光部品217aに伝えられ、光波は光反射及び波長多重モジュール216aに導かれ、処理後は、更に光波は出光用導光部品218aから作動ユニット12aのセンサー124aに伝えられる。この時、センサー124aがこれらの光波を受け取り、センサー124aは解錠ユニット21aに対して、感知、判断確認を行った後、作動ユニット12aが施錠ユニット11aを解除し、解錠動作を完成させる。
【0027】
前述をまとめると、本発明の光学施錠機構は公知の諸々の欠点を効果的に改善し、錠と鍵間の信号の解読及び遮断を起こし難く、複製及び老朽化の問題がなく、効果的な盗難防止とコスト削減を実現する効果を備える。さらに、本発明の効果を更に進歩させ、更に実用化し、さらに消費者の使用における要望に符合し、確実に特許出願の要件を満たすものである故、ここに特許法に基づき出願を行う。
【0028】
前述は、単に本発明の好ましい実施例であり、これによって本発明の実施範囲を制限することはできない。よって、特許登録請求の範囲及び説明書の内容に基づいて行った同等効果を有する簡単な変化や修飾はすべて本発明の特許に含まれる範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0029】
1 錠
1a 錠
11 施錠ユニット
11a 施錠ユニット
12 作動ユニット
12a 作動ユニット
121 センサー
122 反射板
123a 発光ユニット
1231a 発光体
1232a 電池
124a センサー
13 鍵穴
13a 鍵穴
2 鍵
2a 鍵
21 解錠ユニット
21a 解錠ユニット
211 発光ユニット
2111 発光体
2112 電池
212 スイッチ
213 導光部品
214 エンコード用導光部品
215 エンコード用反射板
216a 光反射及び波長多重モジュール
217a 入光用導光部品
218a 出光用導光部品
219a 強化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠と錠に対応する鍵を含む光学施錠機構において、前記錠は、鍵穴と、錠の施錠と解錠をコントロールする施錠ユニットと、施錠ユニットに連結する作動ユニットとを含み、該作動ユニットは、
鍵穴周囲に設け尚且つ施錠ユニットに連結するセンサーを含み、前記錠に対応する鍵は、錠の鍵穴内に差し込み、解錠ユニットを含み、該解錠ユニットは鍵の一端に設ける発光ユニットを含み、
発光ユニットには発光ユニットのオン及びオフをコントロールするスイッチを連結し、鍵は発光ユニットの他の一端方向に向けて導光部品及びエンコード用導光部品を連結し、
該導光部品上には光源経路を変え、尚且つエンコード用導光部品の伝える光源をセンサーに導き入れる反射板を設けることを特徴とする光学施錠機構。
【請求項2】
前記センサーの相対面箇所上にはセンサーに相互に対立する反射板を設け、鍵内の反射板によって反射される光源をセンサーに導き入れることを特徴とする請求項1に記載の光学施錠機構。
【請求項3】
前記発光ユニットは発光体と、発光体に連結する電池を含み、電池はスイッチと電気的に接続することを特徴とする請求項1に記載の光学施錠機構。
【請求項4】
前記発光体はLED(発光ダイオード)或いはLaser(レーザー)或いはセンサーに判断を行わせる波長を提供する発光部品であることを特徴とする請求項3に記載の光学施錠機構。
【請求項5】
前記電池は薄膜太陽電池或いはリチウム電池であることを特徴とする請求項3に記載の光学施錠機構。
【請求項6】
前記施錠ユニットは機械式施錠或いは電磁式施錠とすることを特徴とする請求項1に記載の光学施錠機構。
【請求項7】
前記導光部品及びエンコード用導光部品は光ファイバーであることを特徴とする請求項3に記載の光学施錠機構。
【請求項8】
錠と錠に対応する鍵を含む光学施錠機構において、前記錠は、鍵穴と、錠の施錠と解錠をコントロールする施錠ユニットと、施錠ユニットに連結するセンサーと、鍵穴内に設置する発光ユニットを含み、
前記錠に対応する鍵は、錠の鍵穴内に差し込み、解錠ユニットを含み、該解錠ユニットは鍵の一端に設置する光反射及び波長多重モジュールを含み、
前記光反射及び波長多重モジュール上の他の一端方向に向かう発光ユニットの光源を受け取る入光用導光部品と、錠のセンサーと相互に対立する出光用導光部品をそれぞれ連結し、
光反射及び波長多重モジュール、入光用導光部品、出光用導光部品によって光回路を形成することを特徴とする光学施錠機構。
【請求項9】
前記発光ユニットは発光体と発光体に連結する電池を含むことを特徴とする請求項8に記載の光学施錠機構。
【請求項10】
前記発光体は、LED(発光ダイオード)、Laser(レーザー)或いは発光素子の波長を判断に利用できるセンサーであり、電池は薄膜太陽電池或いはリチウム電池であることを特徴とする請求項9に記載の光学施錠機構。
【請求項11】
入光用導光部品及び出光用導光部品は光ファイバーであることを特徴とする請求項8に記載の光学施錠機構。
【請求項12】
前記光反射及び波長多重モジュールは、光源を屈曲させるプリズムであることを特徴とする請求項8に記載の光学施錠機構。
【請求項13】
前記入光用導光部品と出光用導光部品間には強化部を設けることを特徴とする請求項8に記載の光学施錠機構。
【請求項14】
前記光反射及び波長多重モジュール、或いは入光用導光部品、或いは出光用導光部品にはエンコード機能を備えることを特徴とする請求項8に記載の光学施錠機構。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−251421(P2012−251421A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−124768(P2012−124768)
【出願日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【出願人】(512143316)佛山正能光電有限公司 (2)
【出願人】(512143327)正能光電股▲ふん▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】