説明

光学機器

【課題】ワイパー等により光学素子の除去を行う塵埃除去機構を有する光学機器において、その塵埃除去機構の品質を維持する。
【解決手段】被写体の光学像を電気信号に変換する撮像部10と、撮像部10の被写体側に配設された光学部材11と、光学部材11の表面に当接して塵埃を除去する塵埃除去手段30とを備えた撮像装置において、塵埃除去手段30の動作中に電池蓋170が開けられた場合、塵埃除去手段30を光学部材11の表面から退避させるようにした。これにより、塵埃除去動作中に電源が不用意にOFFされた場合でも、塵埃除去手段30が有するワイパー等に曲げクセが付いてしまうような状況を防止することができ、その品質を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の光学機器に関し、詳しくは、光学機器に組み込まれている固体撮像素子や光学フィルタやレンズ等、焦点面もしくは焦点面近傍に配設された光学部材の表面に付着した塵埃を除去する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラの撮影レンズの焦点面近傍に塵埃等が存在すると、その塵埃等の影が固体撮像素子に写り込んでしまうという問題があった。このような塵埃等は、レンズ交換時に外部から侵入したり、カメラ内部でのシャッタやミラーの動作に伴い、その構造部材である樹脂等が摩耗して微細な磨耗紛が発生したりすることが、その発生の原因と考えられている。
【0003】
また従来、このような塵埃等が固体撮像素子の保護用のカバーガラスとこのカバーガラスの前面に配設されている赤外カットフィルタやローパスフィルタ等の光学フィルタとの間に入り込んでしまった場合には、その除去をするためにカメラを分解する必要があった。そのため、固体撮像素子のカバーガラスと光学フィルタ等との間に塵埃等が入り込まないように密閉構造にすることは極めて有効なものであった。
【0004】
しかしながら、光学フィルタ等の固体撮像素子に対向側と反対の表面に塵埃等が付着した場合、それが焦点面の近傍である場合にはその塵埃が影となって固体撮像素子に写り込んでしまうという問題が依然として残っている。
【0005】
そこで、上記問題点を解決するために、固体撮像素子のカバーガラス表面をワイパーや植毛紙で清掃する技術が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2等を参照のこと)。
【0006】
特許文献1にあるようにカメラを構成すると、レンズを外さず、またカメラを分解することなく固体撮像素子のカバーガラス表面もしくは防塵構造の最外面(例えば光学フィルタ表面)に付着した塵埃を除去することができる。
【0007】
また特許文献2にあるようにカメラを構成すると、レンズ交換時に固体撮像素子のカバーガラス表面に付着した塵埃を除去することができる。
【0008】
しかし固体撮像素子のカバーガラス表面や防塵構造の最外面を駆動手段で駆動してワイパーや植毛紙で擦る場合、その動作中にカメラの電源がOFFされると、ワイパーや植毛紙が固体撮像素子のカバーガラス表面や防塵構造の最外面に当接したままの状態となる。この場合、そのままの状態で放置されると、ワイパーや植毛紙に曲げクセがついて、次回以降、払拭動作をする場合に、その曲げクセによって塵埃の除去能力が低下してしまうという不具合があった。
【0009】
また、ワイパーや植毛紙が固体撮像素子のカバーガラス表面や防塵構造の最外面に当接したままの状態では、その当接部に塵埃が溜まってしまっている。一方、カメラの電源がONに復帰して塵埃除去動作が再開すると、モータ等の駆動手段の起動時は通常の動作時に比べて大きな力がワイパーや植毛紙に掛かる。よって、ワイパーや植毛紙と固体撮像素子のカバーガラス表面や防塵構造の最外面との当接部に溜まった塵埃を、通常動作時よりも大きな力で払拭動作するので、固体撮像素子のカバーガラス表面や防塵構造の最外面を傷付ける可能性がある。
【0010】
なお、ワイパーでの払拭機構を有する機器の電源がOFFになった時の対策としては、特許文献3や特許文献4に開示がある。
【0011】
特許文献3では、車両のエンジンキーがOFFになると、作動子への通電がOFFになることでワイパーが車両のウインドウのガラス面から退避することによって、ワイパーの品質を維持することが開示されている。
【0012】
また特許文献4では、押え圧制御モータとガイド部材のガイド面を用いて、車側に応じた押え圧の制御を行ったり、車両のエンジンキーがOFFになったときにワイパーが車両のウインドウのガラス面から退避する構成にしたりしている。これにより、ワイパーの品質を維持するようにすることが開示されている。
【0013】
【特許文献1】特開2003−005254号公報(第8頁、図1及び図2)
【特許文献2】特開2005−005972号公報(第10頁、図2及び第11頁、図3)
【特許文献3】実開平06−001046号公報(第2頁、図2及び図3)
【特許文献4】実開平06−027388号公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献3に開示された技術をカメラに応用すると、カメラの電源がONのときには常にワイパーや植毛紙が清掃対象面に当接することになるので、ワイパーや植毛紙に曲げクセがつくという不具合は解消されない。また、特許文献4に開示された技術をカメラに応用したとしても、カメラの電源がONの時には常にワイパーや植毛紙が清掃対象面に当接することになるので、ワイパーや植毛紙に曲げクセがつくという不具合は解消されない。
【0015】
本発明は係る実情に鑑み、ワイパー等の塵埃除去機構を有する光学機器において、その塵埃除去機構の品質を維持すると共に、塵埃の除去動作中に電源がOFFになった場合でも塵埃除去機構や光学フィルタ等に悪影響を及ぼさない光学機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の光学機器は、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段の被写体側に配設された光学部材と、前記光学部材の表面に当接して塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記塵埃除去手段を前記光学部材の表面に当接した状態から光軸方向に退避させる退避機構と、操作手段の動作を検知する操作検知手段とを備え、前記操作検知手段の検出結果に応じて、前記塵埃除去手段を光軸方向に退避させるようにしたことを特徴とする。
また、本発明の光学機器は、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段の表面に当接して塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記塵埃除去手段を前記撮像手段の表面に当接した状態から光軸方向に退避させる退避機構と、操作手段の動作を検知する操作検知手段とを備え、前記操作検知手段の検出結果に応じて、前記塵埃除去手段を光軸方向に退避させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光学部材等の表面に当接して塵埃を除去する塵埃除去手段の品質を維持すると共に、塵埃の除去動作中に電源がOFFになった場合でも、塵埃除去手段及び撮像手段又は撮像手段の光学部材に悪影響を及ぼさない光学機器を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る光学機器であるレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ(以下、D−SLRと略す)について、図1から図7を参照しながら説明する。なおD−SLRは、カメラ本体(撮像装置)と、該カメラ本体に着脱可能に装着されるレンズ装置とを有している。
【0019】
図1は本実施の形態に係るD−SLR100のカメラシステムの概略構成を示す図、図2はD−SLR100の撮像部10の概略構成を説明するための正面図及び断面図である。図3は光学部材である光学素子11の表面に付着した塵埃を除去する塵埃除去手段30の概略構成を説明するための側方断面図である。図4はD−SLR100のカメラシステムの電気的構成を示すブロック図、図5は塵埃除去手段30の動作を示すフローチャート、図6は塵埃除去手段30の動作を説明するための断面図である。また図7は、図5に示したフローチャートのサブフローチャートである。
【0020】
図1において、D−SLR100は、CCD或いはCMOSセンサ等の撮像素子を用いた単板式のデジタルカラーカメラであり、撮像素子を連続的又は単発的に駆動して動画像又は静止画像を表わす画像信号を得る。ここで、撮像素子は、露光した光を画素毎に電気信号に変換して受光量に応じた電荷を蓄積し、蓄積された電荷を読み出すタイプのエリアセンサである。
【0021】
D−SLR100において、101はD−SLR100に対して着脱可能なレンズ装置102を接続するマウント機構であって、このマウント機構101を介してレンズ装置102がD−SLR100に電気的、機械的に接続される。そして、焦点距離の異なるレンズ装置102をD−SLR100に装着することによって、様々な画角の撮影画面を得ることが可能である。
【0022】
レンズ装置102が備える撮影光学系103から複数枚のシャッタ羽根で構成されているフォーカルプレンシャッタ50を介して固体撮像装置15に至る光軸L1中には、赤外カットフィルタや光学素子11等を含む撮像部10が設けられる。光学素子11は固体撮像装置15上に物体像(光学像)の必要以上に高い空間周波数成分が伝達されないように撮影光学系103のカットオフ周波数を制限するものであり、水晶等の位相板が複数積層されてなる。
【0023】
固体撮像装置15から読み出された信号は、詳細は後述する所定の処理が施された後に、画像データとしてディスプレイユニット107上に表示される。ディスプレイユニット107はD−SLR100の背面に取り付けられており、使用者はディスプレイユニット107での表示を直接観察できるようになっている。ディスプレイユニット107を、有機EL空間変調素子や液晶空間変調素子、微粒子の電気泳動を利用した空間変調素子等で構成すれば、消費電力を小さくでき、かつディスプレイユニット107の薄型化を図ることができる。これにより、D−SLR100の省電力化及び小型化を図ることができる。
【0024】
固体撮像装置15は、具体的には、増幅型固体撮像素子の1つであるCMOSプロセスコンパチブルのセンサ(以降CMOSセンサと略す)である。CMOSセンサの特長の1つに、エリアセンサ部のMOSトランジスタと撮像装置駆動回路、AD変換回路、画像処理回路といった周辺回路を同一工程で形成できる点があり、マスク枚数、プロセス工程がCCDと比較して大幅に削減できる。また、任意の画素へのランダムアクセスが可能といった特長も有しており、ディスプレイ用に間引いた読み出しが容易であって、ディスプレイユニット107において高い表示レートでリアルタイム表示が行える。
【0025】
固体撮像装置15は、上述した特長を利用し、ディスプレイ画像出力動作(固体撮像装置15の受光領域のうち一部を間引いた領域での読み出し)及び高精彩画像出力動作(全受光領域での読み出し)を行う。
【0026】
111は可動型のハーフミラーであり、撮影光学系103からの光束のうち一部を反射させると共に、残りを透過させる。本実施の形態においては、ハーフミラー111の屈折率はおよそ1.5であり、厚さが0.5mmである。
【0027】
105は撮影光学系103によって形成される物体像の予定結像面に配置されたフォーカシングスクリーンであり、112はペンタプリズムである。
【0028】
109はフォーカシングスクリーン105上に結像された物体像を観察するためのファインダレンズであり、実際には3つのレンズ(図1の109−1、109−2、109−3)で構成されている。フォーカシングスクリーン105、ペンタプリズム112及びファインダレンズ109は、ファインダ光学系を構成する。なお、163はアイピースシャッタであり、セルフタイマー撮影時にファインダ光学系からの逆入光が固体撮像装置15に入射してゴーストとなるのを防ぐためのものである。
【0029】
ハーフミラー111の背後(像面側)には可動型のサブミラー122が設けられ、ハーフミラー111を透過した光束のうち光軸L1に近い光束を反射させて焦点検出ユニット121に導いている。サブミラー122は不図示のハーフミラー111の保持部材に設けられた回転軸を中心に回転し、ハーフミラー111の動きに連動して移動する。
【0030】
またハーフミラー111とサブミラー122から成る光路分割系は、2つの状態をとることができる。一つは、ファインダ光学系に光を導くための第1の光路分割状態であり、もう一つは、不図示の結像レンズからの光束をダイレクトに固体撮像装置15に導くために撮影光路から退避した第2の光路分割状態(図1中破線で示した位置:111'及び122')である。
【0031】
焦点検出ユニット121は、サブミラー122からの光束を受光して位相差検出方式による焦点検出を行う。焦点検出ユニット121において、164は焦点検出ユニット121の光束の取り込み窓となるコンデンサーレンズ、165は反射ミラー、166は再結像レンズ、167は焦点検出用センサである。
【0032】
撮影光学系103から射出し第1の光路分割の状態においてサブミラー122で反射した光束は、ミラーボックス下部のコンデンサーレンズ164に入射する。その後、反射ミラー165で偏向し、再結像レンズ166の作用によって焦点検出用センサ167上に物体の2次像を形成する。
【0033】
焦点検出用センサ167には少なくとも2つの画素列が備えられており、2つの画素列の出力信号波形間には、焦点検出視野上に撮影光学系103によって形成された物体像の結像状態に応じて、相対的に横シフトした状態が観測される。前ピン、後ピンでは出力信号波形のシフト方向が逆になり、相関演算等の手法を用いてこの位相差(シフト量)を方向を含めて検出するのが焦点検出の原理である。
【0034】
114は可動式の閃光発光ユニットであり、D−SLR100に収納される収納位置とD−SLR100から突出した発光位置との間で移動可能である。50は像面に入射する光量を調節するフォーカルプレンシャッタ、119はD−SLR100を起動させるためのメインスイッチである。なお、メインスイッチ119は、本発明でいう電源切り替え手段の一構成例に対応する。
【0035】
120は2段階で押圧操作されるレリーズボタンであり、半押し操作(SW1のON)で撮影準備動作(測光動作や焦点調節動作等)が開始され、全押し操作(SW2のON)で撮影動作が開始される。なお、撮影動作とは、固体撮像装置15から読み出された画像データの記録媒体への記録である。
【0036】
123はD−SLR100の光学素子11の表面に付着した塵埃を除去するためにD−SLR100を被写体の撮像を行う撮像モードからクリーニングモードにするためのモード切り換えスイッチである。180はフォーカシングスクリーン105上に特定の情報を表示させるための光学ファインダ内情報表示ユニットである。
【0037】
また170は、D−SLR100への電力を供給する小型燃料電池(不図示)をD−SLR100本体内に出し入れするための電池蓋であって、不図示の検出手段によりその開閉動作が検出されている。なお、不図示の小型燃料電池は、電池蓋170を開けたD−SLR100の内部に設けたロック手段等により、電池蓋170を開けただけではD−SLR100内部から外れない構成になっている。
【0038】
次に図2を用いて撮像部10を説明する。撮像部10において、11は光学素子、12は光学素子11を保持する保持部材、13は光学素子11の被写体側の表面に当接した状態で光学素子11と保持部材12とを一体化させている支持板13である。15は固体撮像装置であり、固体撮像素子15bと、それを保護するためのカバー部材15aとで構成される。
【0039】
16は固体撮像装置15のカバー部材15aと光学素子11との間を密封するためのシール部材である。17はD−SLR100の動作を制御する制御回路を構成する電気素子が搭載されている基板であり、固体撮像装置15の接続端子15cが接続する。18は固体撮像装置15と一体化して固体撮像装置15を不図示のD−SLR100のシャーシに不図示のビスによって固定するための保持板である。
【0040】
30は光学素子11の表面に付着した塵埃を除去するための塵埃除去手段である。塵埃除去手段30は、左右に延伸する略長板形状の基板30−1と、基板30−1に不図示の接着層を介して設けられた繊維35(図3を参照のこと)とを備える。塵埃除去手段30は、繊維35を光学素子11の表面に当接させた状態で、図2(b)に示す位置30aから位置30bを通過して位置30cまで移動が可能になっており、これにより光学素子11の表面に付着した塵埃を払拭、除去することができる。塵埃除去手段30は光学素子11の入光面の略全域に対して移動可能になっているので、光学素子11の入光面の略全域に付着した塵埃の除去が可能である。
【0041】
塵埃除去手段30において、基板30−1は金属製であり、繊維35は少なくともその一部が導電性を有し、接着層は導電性の接着剤からなる。そして、塵埃除去手段30は、図2(a)に示したように、D−SLR100の筐体又は基板17上に設けられたGND端子に接続されることによって接地される。したがって、光学素子11の表面に付着した塵埃を除去するための払拭動作により、光学素子11が帯電するのを防ぐことができる。また、光学素子11は、その表面において塵埃を引き寄せることもなくなり、塵埃の付着も抑制される。
【0042】
20は開口20aが形成されたベース板であり、その表面(被写体側)には、開口20aを挟んで両側に塵埃除去手段30のガイド部材(ガイド軸37)及び駆動部材(リードスクリュー38及びモータ39)が配置される。すなわち、ベース板20の一方の側には、上下に延伸するガイド軸37が固定されており、このガイド軸37に塵埃除去手段30の一端に設けられたガイド部32aが挿通する。また、他方の側には、上下に延伸するリードスクリュー38が固定されており、このリードスクリュー38に塵埃除去手段30の他端に設けられたラック32bが挿通する。リードスクリュー38はモータ39の回転力により回転し、これにより塵埃除去手段30が往復移動して、開口20aを介して光学素子11の表面に付着した塵埃を払拭する。
【0043】
また、ベース板20の保持板18との対向面には、保持板18に設けられた永久磁石22に対向する形でコイル21が設けられている。また、保持板18に立設された軸24がベース板20の両側を貫通するとともに、これら軸24には付勢手段であるスプリング25が設けられている。ベース板20は、軸24にガイドされながら、スプリング25により光軸方向(図2(c)、矢印B方向)に付勢されている。
【0044】
コイル21への非通電状態では、ベース板20は、軸24にガイドされながら、スプリング25により、光軸方向であって光学素子11から離間する方向(図2(c)の矢印B方向)に付勢される。この状態で、塵埃除去手段30の繊維35は光学素子11の表面と当接していない。すなわち、D−SLR100の通常の撮影時や保管時には、塵埃除去手段30が光学素子11の表面に当接しないので、繊維35に曲げクセが付くような不具合が発生しない。
【0045】
それに対して、コイル21への通電状態では、コイル21の磁気作用によりコイル21は永久磁石22に吸引される。これにより、ベース板20は、スプリング25の付勢力に抗して光軸方向であって光学素子11に近接する方向(図2(c)の矢印Bと逆方向)に移動する。この状態では、塵埃除去手段30の繊維35は光学素子11の表面と当接することになる。すなわち、D−SLR100のクリーニングモード時には、塵埃除去手段30が光学素子11の表面に当接して、光学素子11の表面に付着した塵埃を払拭することができる。以上のような構成が、本発明でいう塵埃除去手段の退避機構の一構成例に対応する。
【0046】
なお、図2(a)に示したように、支持板13の左右の開口縁13aは、光学素子11の光学有効範囲Eの外側に配置される(開口幅がL2)。また、支持板13の上下の開口縁13bは、開口縁13aとの同一平面には設けられておらず、光学素子11の端面側(保持板18側)に配置される。これにより、塵埃除去手段30により光学素子11の表面全域を払拭することが可能となる。
【0047】
また、塵埃除去手段30により光学素子11の表面から除去された塵埃を捕獲するための不図示の吸着部(具体的には粘着テープ等)がD−SLR100の筐体に設けられている。
【0048】
次に図4は、本実施の形態に係るD−SLR100のカメラシステムの電気的構成を示すブロック図である。ここで以下の説明においては、図1で説明した部材と同じ部材について同一符号を用いる。以下、図1も参照しつつ説明をする。
【0049】
まず、物体像の撮像、記録に関する部分から説明する。カメラシステムは、撮像系、画像処理系、記録再生系及び制御系を有する。撮像系は、撮影光学系103及び固体撮像装置15を含む撮像部10を有し、画像処理系は、A/D変換器130、RGB画像処理回路131及びYC処理回路132を有する。また、記録再生系は、記録処理回路133及び再生処理回路134を有し、制御系は、カメラシステム制御回路(制御手段)135、操作検出回路136及び撮像装置駆動回路137を有する。
【0050】
また138は接続端子であり、外部のコンピュータ等に接続され、データの送受信を行うために規格化されたものである。上述した電気回路は、不図示の小型燃料電池からの電力供給を受けて駆動する。
【0051】
撮像系は、物体からの光を、撮影光学系103を介して固体撮像装置15の撮像面に結像させる光学処理系である。撮影光学系103内に設けられた絞り104の駆動を制御すると共に、必要に応じてフォーカルプレンシャッタ50の駆動をシャッタ制御回路145を介して行うことによって、適切な光量の物体光を固体撮像装置15で受光させることができる。
【0052】
固体撮像装置15としては、正方画素が長辺方向に3700個、短辺方向に2800個並べられ、合計約1000万個の画素数を有する撮像素子が用いられている。そして、各画素にR(赤色)G(緑色)B(青色)のカラーフィルタが交互に配置され、4画素が一組となるいわゆるベイヤー配列を構成している。ベイヤー配列では、観察者が画像を見たときに強く感じやすいGの画素をRやBの画素よりも多く配置することで、総合的な画像性能を上げている。一般に、この方式の撮像素子を用いる画像処理では、輝度信号は主にGから生成し、色信号はR、G、Bから生成する。
【0053】
固体撮像装置15から読み出された信号は、A/D変換器130を介して画像処理系に供給される。この画像処理系での画像処理によって画像データが生成される。A/D変換器130は、固体撮像装置15の各画素から読み出された信号の振幅に応じて、例えば固体撮像装置15の出力信号を10ビットのデジタル信号に変換して出力する信号変換回路であり、以降の画像処理はデジタル処理にて実行される。
【0054】
画像処理系は、R、G、Bのデジタル信号から所望の形式の画像信号を得る信号処理回路であり、R、G、Bの色信号を輝度信号Y及び色差信号(R−Y)、(B−Y)にて表わされるYC信号等に変換する。
【0055】
RGB画像処理回路131は、A/D変換器130の出力信号を処理する信号処理回路であり、ホワイトバランス回路、ガンマ補正回路、補間演算による高解像度化を行う補間演算回路を有する。YC処理回路132は、輝度信号Y及び色差信号R−Y、B−Yを生成する信号処理回路である。このYC処理回路132は、高域輝度信号YHを生成する高域輝度信号発生回路、低域輝度信号YLを生成する低域輝度信号発生回路、及び色差信号R−Y、B−Yを生成する色差信号発生回路を有している。輝度信号Yは、高域輝度信号YHと低域輝度信号YLを合成することによって形成される。
【0056】
記録再生系は、不図示のメモリへの画像信号の出力と、ディスプレイユニット107への画像信号の出力とを行う処理系である。記録処理回路133はメモリへの画像信号の書き込み処理及び読み出し処理を行い、再生処理回路134はメモリから読み出した画像信号を再生して、ディスプレイユニット107に出力する。
【0057】
また記録処理回路133は、静止画データ及び動画データを表わすYC信号を所定の圧縮形式にて圧縮すると共に、圧縮されたデータを伸張させる不図示の圧縮伸張回路を内部に有する。圧縮伸張回路は、信号処理のためのフレームメモリ等を有しており、このフレームメモリに画像処理系からのYC信号をフレーム毎に蓄積し、複数のブロックのうち各ブロックから蓄積された信号を読み出して圧縮符号化する。圧縮符号化は、例えば、ブロック毎の画像信号を2次元直交変換、正規化及びハフマン符号化することにより行われる。
【0058】
再生処理回路134は、輝度信号Y及び色差信号R−Y、B−Yをマトリクス変換して、例えばRGB信号に変換する回路である。再生処理回路134によって変換された信号はディスプレイユニット107に出力され、可視画像として表示(再生)される。再生処理回路134及びディスプレイユニット107は、Bluetooth(登録商標)等の無線通信を介して接続されていてもよく、このように構成すれば、このカメラで撮像された画像を離れたところからモニタすることができる。
【0059】
一方、制御系における操作検出回路136は、メインスイッチ119、レリーズボタン120、モード切り換えスイッチ123や電池蓋170等(他のスイッチは不図示)の操作を検出して、この検出結果をカメラシステム制御回路135に出力する。なお、操作検出回路136は、本発明でいう操作検知手段の一構成例に対応する。
【0060】
カメラシステム制御回路135は、操作検出回路136からの検出信号を受けることで、検出結果に応じた動作を行う。またカメラシステム制御回路135は、撮像動作を行う際のタイミング信号を生成して、撮像装置駆動回路137に出力する。
【0061】
撮像装置駆動回路137は、カメラシステム制御回路135からの制御信号を受けることで固体撮像装置15を駆動させるための駆動信号を生成する。情報表示回路142は、カメラシステム制御回路135からの制御信号を受けて光学ファインダ内情報表示ユニット180の駆動を制御する。
【0062】
制御系は、D−SLR100に設けられた各種スイッチの操作に応じて撮像系、画像処理系及び記録再生系での駆動を制御する。例えば、レリーズボタン120の操作によってSW2がONとなった場合、制御系(カメラシステム制御回路135)は、固体撮像装置15の駆動、RGB画像処理回路131の動作、記録処理回路133の圧縮処理等を制御する。更に制御系は、情報表示回路142を介して光学ファインダ内情報表示ユニット180の駆動を制御することによって、光学ファインダ内での表示(表示セグメントの状態)を変更する。
【0063】
次に撮影光学系103の焦点調節動作に関して説明する。カメラシステム制御回路135はAF制御回路140と接続している。またレンズ装置102をD−SLR100に装着することで、カメラシステム制御回路135は、マウント接点100a、101aを介してレンズ装置102内のレンズシステム制御回路141と接続される。そして、AF制御回路140及びレンズシステム制御回路141と、カメラシステム制御回路135とは、特定の処理の際に必要となるデータを相互に通信する。
【0064】
焦点検出ユニット121(焦点検出用センサ167)は、撮影画面内の所定位置に設けられた焦点検出領域での検出信号をAF制御回路140に出力する。AF制御回路140は焦点検出ユニット121からの出力信号に基づいて焦点検出信号を生成し、撮影光学系103の焦点調節状態(デフォーカス量)を検出する。そして、AF制御回路140は検出したデフォーカス量を撮影光学系103の一部の要素であるフォーカスレンズの駆動量に変換し、フォーカスレンズの駆動量に関する情報を、カメラシステム制御回路135を介してレンズシステム制御回路141に送信する。
【0065】
ここで、移動する物体に対して焦点調節を行う場合、AF制御回路140はレリーズボタン120が全押し操作されてから実際の撮像制御が開始されるまでのタイムラグを勘案して、フォーカスレンズの適切な停止位置を予測する。そして、予測した停止位置へのフォーカスレンズの駆動量に関する情報をレンズシステム制御回路141に送信する。
一方、カメラシステム制御回路135が固体撮像装置15の出力信号に基づき物体の輝度が低く、十分な焦点検出精度が得られないと判定した場合は、閃光発光ユニット114又はD−SLR100に設けられた不図示の白色LEDや蛍光管を駆動し物体を照明する。
【0066】
レンズシステム制御回路141は、カメラシステム制御回路135からフォーカスレンズの駆動量に関する情報を受信すると、レンズ装置102内に配置されたAFモータ147の駆動を制御する。そして、不図示の駆動機構を介してフォーカスレンズを上記駆動量の分だけ光軸L1方向に移動させる。これにより、撮影光学系103が合焦状態となる。なお、ここでフォーカスレンズが液体レンズ等で構成されている場合には、界面形状を変化させることになる。
【0067】
またレンズシステム制御回路141は、カメラシステム制御回路135から露出値(絞り値)に関する情報を受信すると、レンズ装置102内の絞り駆動アクチュエータ143の駆動を制御する。そして、上記絞り値に応じた絞り開口径となるように絞り104を動作させる。
【0068】
またシャッタ制御回路145は、カメラシステム制御回路135からのシャッタ速度に関する情報を受信すると、フォーカルプレンシャッタ50の駆動源51の駆動を制御する。そして、上記シャッタ速度になるようにフォーカルプレンシャッタ50を動作させる。このフォーカルプレンシャッタ50と絞り104の動作により、適切な光量の物体光を像面側に向かわせることができる。
【0069】
またAF制御回路140において物体にピントが合ったことが検出されると、この情報はカメラシステム制御回路135に送信される。このとき、レリーズボタン120の全押し操作によってSW2がON状態になれば、上述したように撮像系、画像処理系及び記録再生系によって撮影動作が行われる。
【0070】
また33はモータ39の駆動を制御するモータ制御部である。また143はD−SLR100の外部もしくは内部の少なくとも一方の温度と湿度を検出する温湿度検出回路であり、不図示の温湿度検出計の検出結果により、D−SLR100の外部もしくは内部の少なくとも一方の温度と湿度を検出する。
【0071】
次に図5のフローチャート及び図6の塵埃除去手段30の動作説明図を用いて、クリーニングモード時における、塵埃除去手段30等の各部材の動作について説明する。
【0072】
ステップS100において、カメラシステム制御回路135は、D−SLR100のモード切り換えスイッチ123が操作されてクリーニングモード(CLNモード)にあるか否かの検出を行う。この時、モード切り換えスイッチ123の操作をカメラシステム制御回路135が検出してクリーニングモードに移行することが検知されたら、ステップS101へと進む(図6では図6(a)の状態)。
【0073】
ステップS101において、カメラシステム制御回路135は、電池蓋170が開いているか否かの確認を行う。これは、以下に説明する塵埃除去手段30の動作中に開いている電池蓋170から不図示の小型燃料電池が飛び出してD−SLR100への電力供給がストップすることを防止するためである。これにより、クリーニングモードで塵埃除去手段30が光学素子11の表面を払拭動作している最中に電力供給がストップすることで塵埃除去手段30が光学素子11の表面との当接状態を継続し、塵埃除去手段30の繊維35に曲げクセが付くことが防止される。よって、繊維35に曲げクセが付くようなことがなくなるので、安定した塵埃の除去動作を持続的に行えることになる。
【0074】
ステップS101で電池蓋170が開いていると操作検出回路136が検知した場合はステップS150に進んで、電池蓋170が開いている旨の警告表示をディスプレイユニット107に表示し、D−SLR100の使用者に電池蓋170を閉めるように促す。一方、ステップS101で電池蓋170が閉まっていることを操作検出回路136が検出した場合はステップS102へと進む。
【0075】
ステップS102において、カメラシステム制御回路135は、クリーニングモードに移行する前にD−SLR100が設定していたシャッタ速度、絞り値等の撮影条件を内部に備えた不図示のメモリ部に記憶してステップS103へと進む。
【0076】
ステップS103において、カメラシステム制御回路135は、不図示の温湿度検出手段によりD−SLR100の外部もしくは内部の少なくとも一方の温度と湿度を検出して、ステップS104に進む。
【0077】
ステップS104において、カメラシステム制御回路135は、ステップS103での温湿度検出結果からコイル21への印加電圧(吸引電圧と呼ぶ)を決定する。これにより、コイル21がベース板20を付勢手段25の付勢力に抗して吸引するときの電磁力が決定されることになる。
これはD−SLR100の外部もしくは内部の温湿度によって、塵埃除去手段30の繊維35のバネ定数が変化することにより、その繊維35が光学素子11の表面を清掃する際に当接しなくなったり、逆に当接し過ぎたりすることを防止するためである。
【0078】
例えばD−SLR100の外部もしくは内部の温湿度により塵埃除去手段30の繊維35のバネ定数が大きく、つまり繊維35が「硬く」なると、コイル21に印加する吸引電圧が繊維35が硬くなる前と同じ場合には、光学素子11の表面に当接しづらくなる。よって、吸引電圧を上げることによってコイル21が発生する電磁力を大きくして、確実に繊維35が光学素子11の表面に当接するようにする。これによって、塵埃除去手段30により光学素子11の表面に付着した塵埃を確実に除去することが可能になる。
【0079】
また、D−SLR100の外部もしくは内部の温湿度により塵埃除去手段30の繊維35のバネ定数が小さく、つまり繊維35が「柔らかく」なると、その繊維35が光学素子11の表面に当接し易くなる。この場合、塵埃除去手段30に設けた不図示の接着層が光学素子11の表面に当接する虞があり、接着層が当接すると、光学素子11の表面を汚す可能性が有る。よって、吸引電圧を繊維35が柔らかくなる前の電圧よりも下げることにより、繊維35が光学素子11の表面に当接する量、即ち塵埃除去手段30の移動量を調整することで、前記接着層による汚れが付着するのを防止することが可能になる。
【0080】
処理の説明に戻りステップS105において、カメラシステム制御回路135は、ステップS104で決定した吸引電圧をコイル21に印加する。これにより、ベース板20は付勢手段25の付勢力に抗して図2(c)で示した矢印Bとは逆の図6(b)中矢印C方向に移動し、ベース板20の移動に伴って、塵埃除去手段30の繊維35が光学素子11の表面に当接することになる(図6では図6(b)の状態)。
【0081】
次にステップS106において、カメラシステム制御回路135は、モータ制御部33によりモータ39の駆動を開始する。これにより塵埃除去手段30が位置30aから位置30b方向へ移動する。即ち、塵埃除去手段30に設けた繊維35により、光学素子11の表面に付着していた塵埃が払拭されて除去されることになる。
【0082】
またステップS106とほぼ同時に処理されるステップS107において、カメラシステム制御回路135は、モータ39が所定量駆動して塵埃除去手段30の位置30aから位置30bを介して位置30cへの移動が完了したか否かの検出を行う。塵埃除去手段30の駆動量の判断について具体的には、モータ39の駆動時間であったり、もしくは不図示の位置センサにて塵埃除去手段30が位置30cに来たかどうかの検出をしたりすることによって、所定量の駆動量を検出する。そして塵埃除去手段30の移動が完了していないときはステップS160へと進み、塵埃除去手段30の移動が完了している場合はステップS108へと進む。
【0083】
ステップS160においては、カメラシステム制御回路135が電池蓋170が開いていないか否かの確認を行う。これは、ステップS106での塵埃除去動作中にD−SLR100の使用者が不用意や何らかのはずみで電池蓋170を開けてしまうことで生じる弊害を回避するためである。詳細には、電池蓋170が開いてしまい、その後、D−SLR100内から不図示の小型燃料電池が飛び出してD−SLR100への電力供給がストップするのを防止するためである。一方、ステップS160で電池蓋170が開いていなければステップS106に戻って塵埃除去動作を継続する。詳細は後述するが、ステップS160で電池蓋170が開いていることが検出されると、「復旧」のサブルーチンへと移行する。
【0084】
ステップS108において、カメラシステム制御回路135は、モータ39の駆動を停止しステップS109へと進む。
【0085】
ステップS109において、カメラシステム制御回路135は、内部で備える不図示のタイマ部にて、所定秒時のカウントを行う。このとき、光学素子11の表面から除去した塵埃は重力により光学素子11の表面から落下して不図示の吸着部に捕獲される。よって、光学素子11の表面から除去した塵埃は、D−SLR100のボディ内で漂うようなことがなくなるので、光学素子11の表面に再付着する虞がなくなる。
【0086】
ステップS109で所定秒時のカウントをした後はステップS110において、カメラシステム制御回路135がモータ制御部33によりステップS106とは逆方向にモータ39を駆動する。これにより、塵埃除去手段30は位置30cから位置30bを介して位置30aへと戻る。
【0087】
次にステップS111において、カメラシステム制御回路135は、モータ39が所定量駆動して塵埃除去手段30の位置30cから位置30bを介して位置30aへの移動動作が完了したか否かの検出を行う。駆動量の判断は、前述同様に、モータ39の駆動時間であったり、もしくは不図示の位置センサにて塵埃除去手段30が位置30aに来たかどうかの検出をしたりすることで、所定量の駆動量を検出する。そして塵埃除去手段30の移動が完了していないときはステップS170へと進み、塵埃除去手段30が位置30aに移動したことが確認されるとステップS112へと進む。
【0088】
ステップS170においては、カメラシステム制御回路135がステップS160と同様に、電池蓋170が開いているか否かの確認を行う。これは、ステップS111において塵埃除去手段30の位置30aへの移動中にD−SLR100の使用者が不用意や何らかのはずみで電池蓋170を開けてしまうことで生じる弊害を回避するためである。詳細には、電池蓋170が開いてしまい、その後、D−SLR100から不図示の小型燃料電池がD−SLR100内から飛び出してD−SLR100への電力供給がストップした場合の対策を行うためである。一方、ステップS170で電池蓋170が開いていなければステップS110に戻って塵埃除去手段30の移動動作を継続する。なお、ステップS170で電池蓋170が開いていることが検出されると、詳細は後述する「復旧」のサブルーチンへと移行する。
【0089】
次にステップS112において、カメラシステム制御回路135は、モータ制御部33によりモータ39の駆動を停止し、ステップS113へと進む。
【0090】
ステップS113において、カメラシステム制御回路135は、コイル21への吸引電圧の印加をOFFする。これにより、塵埃除去手段30の繊維35は、光学素子11の表面との当接状態を解除する(図6(a)の状態に戻る)。
【0091】
次にステップS114において、カメラシステム制御回路135は、ステップS112でのモータ39の駆動及びステップS113でのコイル21への吸引電圧の印加が停止されるのを待って、クリーニングモードを解除する。更にはそれと同時に、ステップS115においてディスプレイユニット107にクリーニングモードが解除された(もしくはクリーニング動作が完了した)旨のメッセージを表示する。そして、ステップS116において、カメラシステム制御回路135は、ステップS102で記憶した撮影条件等にD−SLR100を復帰して、一連のシーケンスを終了する。
【0092】
ここで、図7を用いて上述したサブルーチン「復旧」の詳細な説明を行う。
【0093】
ステップS161において、カメラシステム制御回路135は、モータ制御部33によりモータ39の駆動を停止する。これは、塵埃除去手段30の移動中に開いている電池蓋170から何らかのはずみで不図示の小型燃料電池が飛び出してD−SLR100への電力供給がストップした後の弊害を回避するためである。詳細には、下記で説明する復旧動作を、塵埃除去手段30の繊維35が光学素子11の表面との当接を解除した状態で実施するためである。また、下記で説明する復旧動作中である、モータ39の駆動再開時に塵埃除去手段30に大きな力が掛かり、光学素子11の光学有効範囲内で光学素子11の表面に傷を付けてしまうことを防止するためである。このようにすることで、以下の復旧動作は光学素子11の表面の光学有効範囲外で行われることになるので、光学素子11の表面の光学有効範囲内に傷が付くことはない。以下、詳細を説明する。
【0094】
ステップS162において、カメラシステム制御回路135は、コイル21への吸引電圧の印加をOFFにして、ステップS162へと進む。これにより、塵埃除去手段30の繊維35は、光学素子11の表面との当接状態を解除する(図6(a)の状態に戻る)。よって、塵埃除去手段30の繊維35が光学素子11の表面に当接した状態を継続し、塵埃除去手段30の繊維35に曲げクセが付くことが防止される。つまり、繊維35に曲げクセが付くようなことがなくなり、安定した塵埃の除去動作を持続的行えることになる。
【0095】
次にステップS163において、カメラシステム制御回路135は、操作検出回路136により電池蓋170がD−SLR100の使用者によって閉められたか否かの確認を行う。電池蓋170が閉められたことを操作検出回路136が検出した場合はステップS164へと進み、電池蓋170が閉められたことが検出できない場合はステップS180に進む。なお、ステップS180において、カメラシステム制御回路135は、電池蓋170が開いている旨の警告表示をディスプレイユニット107に表示し、D−SLR100の使用者に電池蓋170を閉めるように促してステップS163に戻る。
【0096】
ステップS164において、カメラシステム制御回路135は、本サブルーチン「復旧」に進む以前のモータ39の回転方向を確認する。モータ39の回転方向が正回転方向、つまり、ステップS160の検出結果によってこのサブルーチン「復旧」に進んできた場合にはステップS165へと進む。またモータ39の回転方向が逆回転方向、つまりステップS170の検出結果によってこのサブルーチン「復旧」に進んできた場合にはステップS171へと進む。
【0097】
ステップS165においては、カメラシステム制御回路135は、ステップS106とは逆方向にモータ39を駆動する。これにより、塵埃除去手段30は初期位置である位置30aへと戻る。
【0098】
次にテップS166においては、カメラシステム制御回路135は、モータ39が所定量駆動して塵埃除去手段30が位置30aへの移動を完了したかどうかの検出を行う。具体的には、モータ39の駆動時間であったり、もしくは不図示の位置センサにて塵埃除去手段30が位置30aに来たか否かの検出をしたりすることによって、所定量の駆動量を検出する。塵埃除去手段30が位置30aに移動したことが確認されるとステップS167へと進む。
【0099】
ステップS167において、カメラシステム制御回路135は、モータ39の駆動を停止する。つまり、塵埃除去手段30は位置30aにおいて、塵埃除去手段30の繊維35は光学素子11の表面との当接が解除された状態になっている。
【0100】
次にステップS168において、カメラシステム制御回路135は、ステップS104で決定された吸引電圧でコイル21への電圧印加を行う。これにより、塵埃除去手段30の繊維35は、光学素子11の表面に当接することになる。そしてステップS168での動作が完了すると、ステップS106に戻って、カメラシステム制御回路135は、光学素子11の表面に付着した塵埃の除去動作を再開する。これにより、塵埃除去動作中に電池蓋170が開いても、初期位置30aから塵埃の除去動作を再度行うことが可能になる。
【0101】
一方、ステップS164でモータ39の回転方向が逆回転方向、つまりステップS170の検出結果によって、このサブルーチン「復旧」に進んできた場合について、以下で説明する。
【0102】
ステップS171において、カメラシステム制御回路135は、ステップS110とはとは逆方向にモータ39を駆動する。これにより、塵埃除去手段30は塵埃除去動作が完了した位置30cへと戻る。
【0103】
次にステップS172において、カメラシステム制御回路135は、モータ39が所定量駆動して塵埃除去手段30が位置30cへの移動を完了したか否かの検出を行う。具体的には、モータ39の駆動時間であったり、もしくは不図示の位置センサにて塵埃除去手段30が位置30cに来たか否かの検出をしたりすることによって、所定量の駆動量を検出する。塵埃除去手段30が位置30cに移動したことが確認されるとステップS173へと進む。
【0104】
ステップS173において、カメラシステム制御回路135は、モータ39の駆動を停止する。つまり、塵埃除去手段30は位置30cにおいて、その繊維35が光学素子11の表面との当接が解除された状態になっている。
【0105】
次にステップS174において、カメラシステム制御回路135は、ステップS104にて決定された吸引電圧でコイル21への電圧印加を行う。これにより、塵埃除去手段30の繊維35が光学素子11の表面に当接することになる。そして、ステップS174での動作が完了すると、ステップS110に戻って、塵埃除去手段30の初期位置30aへの復帰動作を再開する。これにより、塵埃除去手段30の初期位置への復帰動作中に電池蓋170が開いても、塵埃除去動作の完了位置30cから復帰動作を再度行うことが可能になる。
【0106】
以上の構成では、塵埃除去手段30は塵埃除去動作中でなければ光学素子11に当接することがなく、また塵埃除去動作中においても、電源がOFFになる可能性がある場合には、光学素子11との当接を解除する。これにより、塵埃除去手段30は、光学素子11との当接状態が継続することで、その繊維35に曲げクセが付いてしまうような状況を回避することができる。即ち、以上の構成によれば、塵埃除去手段30の品質を維持すると共に、塵埃の塵埃除去動作中に何らかの理由で電源がOFFになった場合でも、塵埃除去手段30及び光学素子11等に悪影響を及ぼさない光学機器を実現することができる。
【0107】
なお、以上の実施の形態では、塵埃除去手段30による光学素子11の表面に付着した塵埃の除去動作完了後、塵埃除去手段30を位置30cから初期位置30aに戻すときに塵埃除去手段30の繊維35と光学素子11の表面とを当接状態のままとした。しかし、本発明はこの構成に限定されるものではない。
例えば、図5に示したフローのステップS110の直前にコイル21への吸引電圧の印加を停止して塵埃除去手段30の繊維35と光学素子11の表面との当接状態を解除し、その後、塵埃除去手段30を初期位置30aに戻す移動動作を行ってもよい。このような態様であっても、第1の実施の形態で述べたような効果が得られることは言うまでもない。
【0108】
また、以上の実施の形態では、電池蓋170が開いた場合について述べているが、これに限定することはなく、例えば、メインスイッチ119の操作の検知結果に応じて、動作するように構成してもよい。具体的には、クリーニングモードで塵埃除去手段30が移動中にメインスイッチ119が操作されてD−SLR100の電源がOFFになると、コイル21への吸引電圧の印加もOFFになるようにする。これにより、第1の実施の形態で述べたように塵埃除去手段30の繊維35は光学素子11の表面との当接状態を解除する。そして、その後、D−SLR100のメインスイッチ119を操作してD−SLR100の電源がONになった直後に、図7に示した復旧サブフローを実行すれば、第1の実施の形態でのべたような効果と同等の効果を得られることは言うまでもない。
【0109】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で用いる図において、第1の実施の形態と同一の機能を有しているものには同一番号を付し、その説明を省略する。
【0110】
図8は、本実施の形態に係るD−SLR100の撮像部10の概略構成を説明するための断面図である。図8(a)はコイル21に吸引電圧が印加されていないときの状態、図8(b)はコイル21に吸引電圧が印加されたときの状態を示している。
【0111】
図8において、61は不図示の電池蓋170の開閉操作部材とは別に設けられた、開きロック部材である。開きロック部材61には、D−SLR100の不図示の筐体に設けられた案内軸62に摺動可能な案内孔61a、後述のロックレバー63に設けられた駆動ピン63bと当接する凸部61b及び電池蓋170の係合爪170aと係合する爪部61cが設けられている。
【0112】
なお開きロック部材61は、引張バネ等の付勢手段65(一端は開きロック部材61に固定、他端はD−SLR100の不図示の筐体等に固定)により同図中の矢印E方向に付勢されている。これにより、開きロック部材61の凸部61bとロックレバー63の駆動ピン63bとが常に当接状態にあるように構成されている。
【0113】
ロックレバー63はD−SLR100の不図示の筐体に設けられた回転軸64を回転中心にして回転可能に保持されており、不図示の付勢手段によって図8(a)中の矢印D方向に付勢されている。なお、ロックレバー63はD−SLR100の不図示の筐体に設けられたストッパーピン67によりその回転が規制されている。また、ロックレバー63の付勢力は、付勢手段65の付勢力よりも大きく設定されており、図8(a)において、即ち通常の状態においては、ロックレバー63がストッパーピン67に当接された状態で保持される。
【0114】
またロックレバー63には、ベース板20に設けられた凸部20bと当接するピン63aと、前述の開きロック部材61の凸部61bと当接する駆動ピン63bが一体的に設けられている。
【0115】
以上のような構成において、図8(a)の状態から光学素子11の表面に付着した塵埃を除去するためにコイル21に吸引電圧を印加すると、ベース板20は第1の実施の形態と同様に、図8(b)に示す矢印C方向に移動する。
【0116】
すると、このベース板20の移動に伴って、ベース板20に設けられた凸部20bがロックレバー63の付勢力に抗してロックレバー63を図8(a)中の矢印Dとは反対方向に回転させる。このロックレバー63の回転動作により、開きロック部材61は案内軸62に案内孔61aがガイドされながら付勢手段65の付勢力により図8(a)中の矢印E方向に移動する。これにより、開きロック部材61の爪部61cが電池蓋170の係合爪170aと係合状態になるので、電池蓋170を開くことができなくなる(即ち、施錠する)。このようなロック機構を設けることで、塵埃除去手段30による光学素子11の表面に付着した塵埃の塵埃除去動作中は、電池蓋170が開く虞がなくなるので、第1の実施の形態と同様に、電池蓋170が開くことによる不具合を確実に防止することが可能になる。
【0117】
一方、塵埃除去手段30による光学素子11の表面に付着した塵埃の除去動作が完了してコイル21への吸引電圧の印加がOFFした場合は、第1の実施の形態で述べたように、ベース板20が付勢手段25の付勢力によって図2(c)中の矢印B方向に移動する。このベース板20の移動動作に伴って、ロックレバー63が不図示の付勢手段の付勢力により図8(a)中の矢印D方向に回転する。そのため、開きロック部材61が付勢手段65の付勢力に抗して案内軸62に案内孔61aをガイドされながら、図8(a)中の矢印E方向と逆方向に移動する。これにより、開きロック部材61の爪部61cが電池蓋170の係合爪170aとの係合が解除されるので、クリーニングモード終了後はD−SLR100の使用者の意図したときに電池蓋170を開くことができるようになる。
【0118】
以上の構成によれば、光学素子11の表面に付着した塵埃を、その表面を傷付けること無く除去可能な光学機器を実現することができ、また塵埃除去機構の品質を維持することができる。即ち、塵埃の除去動作中に電池蓋170の開動作が防止されるので、電池蓋170が開くことにより塵埃除去手段30や光学素子11等に及ぼす悪影響を防止した光学機器を実現することができる。
【0119】
なお、以上の第1及び第2の実施の形態においては、光学素子11の表面に付着した塵埃の除去方法について説明してきたが、これに限定されることはなく、本発明はこれと異なる構成においても適用できる。例えばフォーカルプレンシャッタ50と固体撮像装置15のカバーガラス15aとが近接しているようなデジタルカラーカメラの場合は(図9を参照のこと)、フォーカルプレンシャッタ50と固体撮像装置15との間に塵埃除去手段30を配設する。これによって、以上で説明した実施の形態と同様に、固体撮像装置15のカバーガラス15aの表面に付着した塵埃を、その表面を傷付けること無く除去可能である。また、塵埃除去手段30の品質を維持し、塵埃の除去動作中に何らかの理由で電源がOFFになった場合でも、塵埃除去手段30及び固体撮像装置15のカバーガラス15aの表面に悪影響を及ぼさない光学機器を実現することが可能である。
【0120】
また、以上の第1及び第2の実施の形態においては、塵埃除去手段30の光学素子11の表面からの接離動作を、付勢手段25、コイル21及び永久磁石22を用い、コイル21への通電による磁気作用を利用して構成したが、この他の態様であっても構わない。例えば形状記憶合金を用いたり、PZTアクチュエータ或いはプランジャ等を利用したりして構成するようにしても構わない。
【0121】
なお、本発明を実現するために、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(プログラム)を記録した記憶媒体を用いても良い。この場合には記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって本発明の目的が達成される。
【0122】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0123】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0124】
また、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う場合も含まれることは言うまでもない。
【0125】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。この場合には、書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカラーカメラのカメラシステムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカラーカメラの撮像部の概略構成を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカラーカメラにおいて塵埃を除去する塵埃除去手段の要部の構成を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカラーカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカラーカメラにおいて塵埃を除去する塵埃除去手段の動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカラーカメラにおいて塵埃を除去する塵埃除去手段の動作を説明する図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカラーカメラにおいて塵埃を除去する塵埃除去手段の動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカラーカメラにおいて塵埃を除去する塵埃除去手段の構成を説明する図である。
【図9】本発明を他のデジタルカラーカメラにおいて実施した場合の構成例を説明する図である。
【符号の説明】
【0127】
10 撮像部
11 光学素子
15 固体撮像装置
18 保持板
20 ベース板
21 コイル
30 塵埃除去手段
30−1 基板
35 繊維
100 レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ(D−SLR)
119 メインスイッチ
170 電池蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記撮像手段の被写体側に配設された光学部材と、
前記光学部材の表面に当接して塵埃を除去する塵埃除去手段と、
前記塵埃除去手段を前記光学部材の表面に当接した状態から光軸方向に退避させる退避機構と、
操作手段の動作を検知する操作検知手段とを備え、
前記操作検知手段の検出結果に応じて、前記塵埃除去手段を光軸方向に退避させるようにしたことを特徴とする光学機器。
【請求項2】
前記塵埃除去手段を塵埃除去動作中にのみ前記光学部材の表面に当接させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項3】
被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記撮像手段の表面に当接して塵埃を除去する塵埃除去手段と、
前記塵埃除去手段を前記撮像手段の表面に当接した状態から光軸方向に退避させる退避機構と、
操作手段の動作を検知する操作検知手段とを備え、
前記操作検知手段の検出結果に応じて、前記塵埃除去手段を光軸方向に退避させるようにしたことを特徴とする光学機器。
【請求項4】
前記塵埃除去手段を塵埃除去動作中にのみ前記撮像手段の表面に当接させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の光学機器。
【請求項5】
前記操作手段は電池蓋であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学機器。
【請求項6】
前記操作手段は電源切り替え手段であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学機器。
【請求項7】
温度及び湿度の少なくとも一方を検出する温湿度検出手段を備え、
前記温湿度検出手段の検出結果に応じて、前記塵埃除去手段の光軸方向における移動量を調整するようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−188838(P2009−188838A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28030(P2008−28030)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】