説明

光学活性なプロパギルアルコールの製造方法

【課題】 本発明の目的は、光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オ-ルおよび光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オ-ルエステル、特に光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ-ルおよび光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ-ルエステルの新規な製造法を提供することである。
【解決手段】 1−置換−2−プロピン−1−オールのラセミ体に、アスペルギルス属の微生物菌体または微生物培養液に由来する酵素を反応させることにより、光学活性な(-)-(1S)-置換−2−プロピン-1-オールアセテートを製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品合成に有用な光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールおよび1−置換−2−プロピン−1−オールエステル、特に1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールおよび1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールエステルを高い光学純度で製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロスタグランジン類は微量で種々の重要な薬理学的、生理学的作用を発揮することから夥しい数の誘導体合成がなされ、生物活性の検討がなされてきた。このようなプロスタグランジン誘導体の1つとしてオメガ鎖の13−14位に三重結合を有し、末端にシクロヘキシル基を有するプロスタグランジンE誘導体が知られている(特許文献1)。当該プロスタグランジンの製造は工程数も多く、医薬品として開発するためには安価な原料の供給が必要である。
【0003】
当該プロスタグランジン誘導体を製造する上での原料の1つとして1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールがある。この化合物の製造法としては、これまで有機化学合成または微生物反応を用いた製造法が知られている(特許文献2、3)。
【0004】
しかし、有機化学合成方法は高価な光学分割剤もしくは触媒等を使用する必要があることや生成物の光学純度が低いことなどの問題がある。また、極低温など特殊な反応条件が必要とされることがある。
【0005】
微生物を用いた製造法としては、例えば、キャンデイダ(Candida)属微生物やゲオトリカム(Geotrichum)属の菌体パウダーを用い、対応するケトン体から光学活性なアルコ−ルを得る還元反応が知られている(特許文献3、4)。しかし、それらの方法では使用菌体の生育ステージ、パウダーの調製法により長期に安定した活性の保持が困難である。また、基質に対する添加菌体量が多く、後処理工程が煩雑等の問題点がある。さらに、反応系にNADP+,NAD+,など補酵素の添加を要するなど工業的生産にコストがかかる欠点があった。
【0006】
一方、有機化合物合成に酵素反応を利用する方法も知られている。酵素反応による有機化合物合成の例としては、不飽和アルコールエステルを、パン酵母またはリパーゼ類を用いて加水分解することにより,光学活性体を得る方法が報告されている(特許文献5、6)が、目的物の化学収率および光学活性収率は不十分であり、酵素反応の基質は水溶液への溶解度が低く、後処理工程においても目的物の分離が煩雑である。
【0007】
また、アミノアシラーゼの固定化によるエステル交換反応(特許文献7)、および有機溶媒中でのアミノアシラーゼによるエステル交換反応(非特許文献1)が報告されているが、この手法が光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ-ルおよび光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ-ルエステルの合成に適用できるか否かは不明である。
【0008】
【特許文献1】特開平7−233144号公報
【特許文献2】US4608388
【特許文献3】特開平6−225777号公報
【特許文献4】特開平9−234088号公報
【特許文献5】特開平3−259094号公報
【特許文献6】特開2001−120297号公報
【特許文献7】特開2001−120298号公報
【非特許文献1】Synlett 1997 367-370
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールおよび1−置換−2−プロピン−1−オールエステル、特に1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールおよび光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールエステルの新規な製造法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を行った結果、特定の微生物由来の酵素を利用することにより、プロスタグランジン系化合物のω鎖原料として有用な光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オ-ルおよび光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オ-ルエステルの光学活性体を高純度で製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1)1−置換−2−プロピン−1−オールのラセミ体に、アスペルギルス属の微生物菌体または微生物培養液に由来する酵素を反応させることにより、光学活性な(-)-(1S)-置換−2−プロピン-1-オールエステルを製造する方法。
(2)1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールのラセミ体に、アスペルギルス属の微生物菌体または微生物培養液に由来する酵素を反応させることにより、光学活性な(-)-(1S)-シクロヘキシル−2−プロピン-1-オールエステルを製造する方法。
(3)酵素がアスペルギルス・メレウス由来またはアスペルギルス・オリーゼ由来の酵素である1または2に記載の光学活性な(-)-(1S)-置換−2−プロピン−1−オールエステルを製造する方法。
(4)酵素がアシラーゼ、ラクターゼまたはデアミザイムである1〜3のいずれかに記載の光学活性な(-)-(1S)-置換−2−プロピン−1−オールエステルを製造する方法。
(5)1−置換−2−プロピン−1−オールのラセミ体に、アスペルギルス属の微生物菌体または微生物培養液に由来する酵素を反応させ、未反応物を分取することにより、光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールを製造する方法。
(6)1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールのラセミ体に、アスペルギルス属の微生物菌体または微生物培養液に由来する酵素を反応させ、未反応物を分取することにより、光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造する方法。
(7)酵素がアスペルギルス・メレウス由来またはアスペルギルス・オリーゼ由来の酵素である5または6に記載の光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールを製造する方法。
(8)酵素がアシラーゼ、ラクターゼまたはデアミザイムである5〜7のいずれかに記載の光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールを製造する方法。
である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により1−置換−2−プロピン−1−オ−ルから、医薬に有用な光学純度の高い(+)-(1R)-1−置換−2−プロピン−1−オール、および(-)-(1S)-置換−2−プロピン-1-オールエステルを製造することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のプロパルギルアルコールの1位に置換する置換基としては、アリールアルキルオキシ基で置換されたまたは無置換の炭素原子数1〜6のアルキル基、アリール基で置換されたまたは無置換の炭素原子数2〜6のアルケニル基、または炭素原子数3〜10のシクロアルキル基をあげることができる。
【0014】
ここで、アリールアルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、ブロモベンジルオキシ基、クロロベンジルオキシ基、ニトロベンジルオキシ基、ジニトロベンジルオキシ基、メトキシベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェニルプロピルオキシ基、フェニルペンチルオキシ基などをあげることができる。
【0015】
炭素原子数1〜6のアルキル基とは、炭素原子数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などをあげることができる。
【0016】
アリール基としては、フェニル基、ブロモフェニル基、クロロフェニル基、ニトロフェニル基、ジニトロフェニル基、メトキシフェニル基などをあげることができる。
【0017】
炭素原子数2〜6のアルケニル基とは炭素原子数2〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の任意の位置に1または2個以上の二重結合を有する基を意味し、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基、1,3-ブタジエニル基などをあげることができる。
【0018】
炭素原子数3〜10のシクロアルキル基とは炭素原子数3〜10の環状アルキル基であり、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロノニル基などをあげることができる。
【0019】
本発明において用いられる酵素はアシラーゼ、ラクターゼ、デアミザイムである。それらの酵素は、アスペルギルス(Aspergillus)属に属する微生物由来のものが好ましく、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)またはアスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)由来のものがさらに好ましく、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)由来のものが特に好ましい。これらの酵素は天野エンザイム株式会社、東京化成工業株式会社などで市販されており容易に入手することができる。
【0020】
次に、本発明の方法を詳しく説明する。本発明では酵素と1−置換−2−プロピン−1−オールのラセミ体を有機溶媒中で攪拌、振とうすることにより行う。
【0021】
反応温度としては20℃から50℃が好ましい。反応液としては有機溶媒を用いるが、好ましくは酢酸ビニルまたは酢酸ビニルとその他の有機溶媒の混液である。また反応を効率よく進めるために当該有機溶媒を燐酸緩衝液、トリス-塩酸緩衝液で飽和させることが好ましい。緩衝液の濃度、pHは使用する酵素の至適条件にあわせて設定すればよい。例えば、アシラーゼを使用したときの反応溶媒は、100mMカリウム-リン酸緩衝液pH7.5で飽和させた酢酸ビニル1.0ml、n−ヘキサン1.0mlであり、反応温度は37℃である。
【0022】
使用する酵素の量は、酵素の力価および基質の量に応じて適宜決定すればよい。過剰量の酵素を使用し、短時間で反応を完結させるのが、副生成物を抑制するという点で望ましい。
【0023】
反応時間は、TLC分析あるいはHPLC分析などにより反応の進行状況を確かめながら設定すればよい。さらに生成物の光学純度を高めるために反応率を調節することが好ましい。これは反応後のエステル体の光学純度を高めたい場合と未反応のアルコールの光学純度を高めたい場合とでは、反応率の調節が異なり、前者の場合は反応率を50%以下に抑えたほうが好ましく、後者の場合は50%以上のほうが好ましい。
【0024】
例えば、100mMカリウム-リン酸緩衝液pH7.5で飽和させた酢酸ビニル4.0ml、n−ヘキサン4.0ml中、100mg〜1gの1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールのラセミ体に対し2倍量のアスペルギルス・メレウス由来のアシラーゼを添加し、37℃、96時間反応させると生成物は光学活性な(-)-(1S)-シクロヘキシル−2−プロピン-1-オールアセテートとなる。
【0025】
反応終了後は、濾過により酵素残渣を除去し、溶媒を留去後、必要に応じてカラムクロマトグラフィーなどで精製し、目的物を単離することができる。一方の異性体のみが必要な場合、有機化学的な手段、例えば光延反応などにより、不要な異性体のアルコール部分を保護、反転して、再び原料として再利用することができる。
【0026】
また、酵素反応を行う際に基質化合物のラセミ体例えば1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールのラセミ体と共にChem.Rev.2003、103、3247-3261に記載されるラセミ化触媒プロセスを適用することにより目的とする光学活性化合物例えば(-)-(1S)-シクロヘキシル−2−プロピン-1-オールアセテートを高純度で得ることができる。
【0027】
また、本発明で使用する酵素を1−置換−2−プロピン−1−オールのラセミ体と反応させて光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールエステルを得る一方、未反応物を分取する事により、その逆配置の光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールを製造することができる。
【0028】
分取方法は一般的な方法で行うことができ、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー、TLC、HPLCなどにより行うことができる。
【0029】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールおよび1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールアセテートの生成状況は、以下に示すTLC法、およびHPLC法により確認した。
TLCプレート;シリカゲル Si 60 (メルク社製、アート5715)
展開溶媒;n−ヘキサン/酢酸エチル=1/4
;アニスアルデヒド/濃硫酸/酢酸=1/2/100
Rf値 ;1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オール:0.37、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ−ルアセテート:0.55
【実施例1】
【0030】
アスペルギルス・メレウス由来のアシラーゼ50mgを共栓付き10ml容試験管に入れ、100mMカリウム-リン酸緩衝液pH7.5で飽和させた酢酸ビニル0.5〜1.0ml、n−ヘキサン0.5〜1.0ml、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ―ルを25mg添加し、20〜120時間、37℃、150rpmで振とうした。反応終了後、ウルトラフリーMC(ミリポア社製 径0.25mm)を用いた遠心濾過で酵素残渣を除いた。当該濾液の一部をとり、TLC分析を行った。1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールアセテートの生成状況は、以下に示すTLC法により確認した。
TLC プレート;シリカゲルSi60(メルク社製、アート5715)
展開溶媒;n−ヘキサン/酢酸エチル=1/4
発色 ;アニスアルデヒド/濃硫酸/酢酸=1/2/100
Rf値 ;1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オール 0.37、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ−ルアセテート 0.55
(+)−(1R)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの光学収率はHPLC法により確認した。
HPLC;DAISEL CHIRALCEL Column−OD、4.6mm ID×250mm L(ダイセル社製)
溶離液 ;n-ヘキサン/イソプロピルアルコール=95/5
流速 ;1.0ml/min
温度 ;25℃
検出 ;UV 210nm
保持時間;
(−)−(1S)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オール:11.7分
(+)−(1R)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オール:12.7分
光学純度の結果を表1に示した。
【実施例2】
【0031】
Aspergillus属由来の酵素であるアシラーゼ、ラクターゼF、デアミザイム(Deamizyme)を用いて実施例1と同様にして、(−)−(1S)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ−ルアセテートおよび(+)−(1R)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ−ルを得た。光学純度の結果を表1に示した。
【0032】
比較例
種々の酵素を用いて、実施例1と同様にして1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ−ルアセテートを得た。光学純度の結果を表1に示した。
【0033】
表中、光学純度(e.e.%)は(+)−(1R)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの値である。
【0034】
【表1】

【実施例3】
【0035】
表1に示したAspergillus melleus由来アシラーゼ(天野エンザイム)250mgと原料1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オール250mgを1M カリウム−リン酸緩衝液 pH7.5で飽和させた酢酸ビニル10ml、n−ヘキサン10mlに懸濁し、50ml容共栓付き三角フラスコ中、37℃で攪拌した。反応液の一部を経時的に採取し、遠心フィルター(ミリポア社製)で濾過後、減圧下濃縮乾固した。標品をn−ヘキサンと酢酸エチルの混液に溶解し、(−)−(1S)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オ−ルアセテートを以下の条件で単離精製した。
カラム ;メルク社製 LiChroprep Si60 (40−60μm)、Art.10400 サイズA(240−10)
溶離液 ;n-ヘキサン/酢酸エチル=20/1
精製後、以下に示すHPLC分析により生成物の光学純度測定を行った。
カラム ;ダイセル社製 CHIRALPAK ASH、4.6mm ID×250mmL
溶離液 ;n-ヘキサン/2−プロパノール=100/1
流速 ;1.0ml/min
温度 ;25℃
検出 ;UV 220nm
保持時間;(−)−(1S)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールアセテート:5.97分
(+)−(1R)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールアセテート:7.48分
【0036】
経時的に採取した各標品中の(−)−(1S)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールアセテートの単離収率(%)および光学純度を表2に示した。
【0037】
【表2】

【実施例4】
【0038】
対応するラセミ体のプロパルギルアルコールを用いて、実施例1と同様にして表に示した化合物を得た。得られた化合物の構造式と光学収率を以下の表に示した。
【0039】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明により高い光学純度で光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールエステルを得ることが可能になったので、医薬品原料などの製造に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1−置換−2−プロピン−1−オールのラセミ体に、アスペルギルス属の微生物菌体または微生物培養液に由来する酵素を反応させることにより、光学活性な(-)-(1S)-置換−2−プロピン-1-オールエステルを製造する方法。
【請求項2】
1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールのラセミ体に、アスペルギルス属の微生物菌体または微生物培養液に由来する酵素を反応させることにより、光学活性な(-)-(1S)-シクロヘキシル−2−プロピン-1-オールエステルを製造する方法。
【請求項3】
酵素がアスペルギルス・メレウス由来またはアスペルギルス・オリーゼ由来の酵素である請求項1または2に記載の光学活性な(-)-(1S)-置換−2−プロピン−1−オールエステルを製造する方法。
【請求項4】
酵素がアシラーゼ、ラクターゼまたはデアミザイムである請求項1〜3のいずれかに記載の光学活性な(-)-(1S)-置換−2−プロピン−1−オールエステルを製造する方法。
【請求項5】
1−置換−2−プロピン−1−オールのラセミ体に、アスペルギルス属の微生物菌体または微生物培養液に由来する酵素を反応させ、未反応物を分取することにより、光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールを製造する方法。
【請求項6】
1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールのラセミ体に、アスペルギルス属の微生物菌体または微生物培養液に由来する酵素を反応させ、未反応物を分取することにより、光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造する方法。
【請求項7】
酵素がアスペルギルス・メレウス由来またはアスペルギルス・オリーゼ由来の酵素である請求項5または6に記載の光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールを製造する方法。
【請求項8】
酵素がアシラーゼ、ラクターゼまたはデアミザイムである請求項5〜7のいずれかに記載の光学活性な1−置換−2−プロピン−1−オールを製造する方法。

【公開番号】特開2006−197929(P2006−197929A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368943(P2005−368943)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【Fターム(参考)】