光学的情報読取装置
【課題】上述した課題を解決するためになされたものであり、読取口を介して照明光を照射する照明手段と、マーカ光を照射するマーカ光照射手段とを併用することができ、且つ、読取口内において照明手段による照明光の照射とマーカ光の照射とが干渉しにくい光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】光学的情報読取装置1は、情報コードに対して照明光を照射する第一照明装置21と、情報コードからの反射光を取り込む読取口3と、読取口3内に取り込まれた反射光を結像レンズを介して受光する受光センサと、情報コードが付された読取対象に対してマーカ光を照射するマーカ光照射部50とを備えている。更に、第一照明装置21が、読取口3を介して照明光を照射するように構成され、マーカ光照射部50が、読取口3の周囲からマーカ光を照射するように構成されている。
【解決手段】光学的情報読取装置1は、情報コードに対して照明光を照射する第一照明装置21と、情報コードからの反射光を取り込む読取口3と、読取口3内に取り込まれた反射光を結像レンズを介して受光する受光センサと、情報コードが付された読取対象に対してマーカ光を照射するマーカ光照射部50とを備えている。更に、第一照明装置21が、読取口3を介して照明光を照射するように構成され、マーカ光照射部50が、読取口3の周囲からマーカ光を照射するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な分野において、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが広く用いられている。この種の情報コードは、プリンタによる印刷や、ダイレクトマーキングなどによって様々な対象物に付されており、バーコードリーダ等の光学的情報読取装置では、このような情報コードを良好に読み取り得る構成が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−5908公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記光学的情報読取装によって様々な対象物に付される情報コードを良好に読み取るためには、照明手段が重要となる。例えば、情報コードの表示面に光沢があるような場合、集光度の高い照明光を照射すると鏡面反射の影響により情報コードを明瞭に認識できなくなる虞があり、このような問題を避けるためには、読取口から均一性の高い照明光を照射しつつ情報コードを撮像する構成が望まれる。
【0005】
読取口から均一性の高い照明光を照射する構成としては、例えば図17のようなドーム照明900を用いる方法が考えられる。このドーム照明900では、ドーム状に構成されたドーム部材902の内部に複数の光源(図17では、光源903a、903bを代表的に図示)が設けられており、これら光源903a、903b等から照射されて内壁面904にて反射した間接光を読取口を介して外部に照射している。また、ドーム部材902の頂上部付近には、孔部906が形成されており、この孔部106の後方側に撮像装置907が設けられている。このようなドーム照明900によれば、読取口から均一性の高い間接光を照射できるため、光沢がある対象物等に情報コードが付されていても鏡面反射の影響を抑えて当該情報コードを良好に読み取ることができるようになる。
【0006】
しかしながら、上記のように読取口から均一性の高い照明光を照射する場合、マーカ光を照射する構成を併用しにくいという問題がある。例えば、従来のマーカ光照射手段は、撮像装置の近くに配置され、読取口を介してマーカ光を出射する構成が一般的であり、このようなマーカ光照射手段を上述の照明手段と併用すると当該照明手段による照明光の照明を阻害してしまうという問題があった。
【0007】
例えば、上述のドーム照明900の場合、図17のようにマーカ光照射部909を撮像装置907の近くに配置して読取口からマーカ光MKを照射しようとすると、孔部106をマーカ光MKを照射する部分まで拡大しなければならず、この拡大部分(図17の一点鎖線AR2の部分)で間接光を照射できなくなってしまうことになる。この孔部106の部分は、図18のように撮像画像において受光量の低い部分(輝度差が生じている部分)として表れ、図18のようにマーカ光照射領域まで孔部106を拡大してしまうと、このような拡大領域がない場合(図18(a)のZ1部分参照)と比較して、図18(b)のように受光量の低いZ2部分(輝度差が生じている部分)が大きくなり、情報コードの読み取りに悪影響を及ぼすことが懸念される。なお、図17ではドーム照明900の場合のみを例示しているが、読取口を介してマーカ光を照射する場合には、他の照明と併用する場合であっても同様の問題が懸念される。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、読取口を介して照明光を照射する照明手段と、マーカ光を照射するマーカ光照射手段とを併用することができ、且つ、読取口の内部側において照明手段による照明光の照射とマーカ光の照射とが干渉しにくい光学的情報読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、情報コードに対して照明光を照射する照明手段と、前記情報コードからの反射光を取り込む読取口と、前記読取口内に取り込まれた前記反射光を結像手段を介して受光する受光手段と、前記情報コードが付された読取対象に対してマーカ光を照射するマーカ光照射手段と、を備えた光学的情報読取装置であって、前記照明手段が、前記読取口を介して前記照明光を照射し、前記マーカ光照射手段が、前記読取口の周囲から前記マーカ光を照射することを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、前記レンズが、前記マーカ光源からの前記マーカ光を、少なくとも所定方向に拡がる拡散光に変換して出射することを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載の光学的情報読取装置において、前記レンズが、前記マーカ光源からの前記マーカ光を特定方向に拡散させ、前記特定方向と直交する方向に集光することで、線状の表示ラインを形成可能な前記拡散光を出射することを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、いずれか一のマーカ光照射手段からの一の拡散光と、他のマーカ光照射手段からの他の拡散光とが前記表示面において重ならず、前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときには、前記一のマーカ光照射手段からの前記一の拡散光と、前記他のマーカ光照射手段からの前記他の拡散光とが前記表示面において重なることを特徴としている。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4に記載の光学的情報読取装置において、前記一のマーカ光照射手段が、所定の面方向に沿って拡がる前記一の拡散光を出射し、前記他のマーカ光出射手段が、前記所定の面方向と交差する交差面方向に沿って拡がる前記他の拡散光を出射しており、前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときに、前記一のマーカ光照射手段からの前記一の拡散光と、前記他のマーカ光出射手段からの前記他の拡散光とが前記表示面において交差することを特徴としている。
【0014】
請求項6の発明は、請求項3に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、それら複数の前記マーカ光照射手段が、第一マーカ光照射手段及び第二マーカ光照射手段からなる第一対と、第三マーカ光照射手段及び第四マーカ光照射手段からなる第二対と、を含んでいる。
そして、前記第一マーカ光照射手段及び前記第二マーカ光照射手段はいずれも第一の面方向に沿って拡がる前記拡散光を出射する構成をなし、前記第三マーカ光照射手段及び前記第四マーカ光照射手段はいずれも前記第一の面方向と交差する第二の面方向に沿って拡がる前記拡散光を出射する構成をなしている。
更に、前記第一対は、前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときには、前記第一マーカ光照射手段からの第一拡散光と、前記第二マーカ光照射手段からの第二拡散光とが前記表示面において重なり、線状の第一表示ラインを形成可能に構成され、前記第二対は、前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときには、前記第三マーカ光照射手段からの第三拡散光と、前記第四マーカ光照射手段からの第四拡散光とが前記表示面において重なり、当該表示面において前記第一表示ラインと交わる線状の第二表示ラインを形成可能に構成されている。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、前記レンズが、前記マーカ光源からの前記マーカ光を平行光に変換して出射することを特徴としている。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1又は請求項7に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、前記レンズが、前記マーカ光源からの前記マーカ光を集光する構成をなし、且つ当該レンズから出射する前記マーカ光の向きが、前記結像手段の光軸に対して傾斜する構成で配置されていることを特徴としている。
【0017】
請求項9の発明は、請求項8に記載の光学的情報読取装置において、前記レンズにおける前記マーカ光の出射側の面が、前記マーカ光源からの前記マーカ光の出射方向に対して傾斜した傾斜面とされており、前記傾斜面において前記マーカ光を屈折させることで、当該レンズから出射する前記マーカ光の向きを、前記結像手段の光軸に対して傾斜させている。
【0018】
請求項10の発明は、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向に対し、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向が傾斜し、且つ、前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、前記第一マーカ光と前記第二マーカ光とが前記表示面において重ならず、前記読取口と前記情報コードとの距離が前記所定距離を超えるときには、前記第一マーカ光と前記第二マーカ光とが前記表示面において重なるように構成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項11の発明は、請求項1又は請求項7に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向と、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向とが、前記結像レンズの光軸に沿って略平行となるように構成されていることを特徴としている。
【0020】
請求項12の発明は、請求項7、8、11のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記レンズにおける前記マーカ光の出射側の面が、前記マーカ光源からの前記マーカ光の出射方向に対して略直交した直交面とされていることを特徴としている。
【0021】
請求項13の発明は、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記照明手段が、ドーム部材の内壁面から前記読取口側に間接光を照射するドーム照明であり、前記受光手段が、前記ドーム部材に形成された孔部を介して前記反射光を受光することを特徴としている。
【0022】
請求項14の発明は、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記照明手段が、照明光源から発せられた前記照明光をハーフミラーで反射させて前記読取口側に照射する同軸落射照明であり、前記受光手段が、前記読取口内に取り込まれ且つ前記ハーフミラーを透過した前記反射光を受光することを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明では、照明手段が読取口を介して照明光を照射するように構成されており、マーカ光照射手段が、読取口の周囲からマーカ光を照射するように構成されている。このようにすると、読取口を介して照明光を照射する照明手段と、マーカ光を照射するマーカ光照射手段とを併用することができる。また、読取口を介してマーカ光を照射せずに読取口の周囲からマーカ光を照射しているため、読取口の内部側においてマーカ光の照射経路と照明手段とを干渉させずに済み、読取口から照射される照明光において低輝度領域を極力低減することができる。
【0024】
請求項2の発明は、マーカ光照射手段がマーカ光源とレンズとを備えており、このレンズがマーカ光源からのマーカ光を、少なくとも所定方向に拡がる拡散光に変換して出射している。このようにすると、読取口の周囲から照射されるマーカ光の照射領域を広げることができ、マーカ光表示の視認性を一層高めることができる。
【0025】
請求項3の発明は、レンズが、マーカ光源からのマーカ光を特定方向に拡散させ、特定方向と直交する方向に集光することで、線状の表示ラインを形成可能な拡散光を出射している。このようにすると、情報コードの表示面にマーカ光をライン状に表示することができるため、ユーザが情報コードをより位置合わせしやすい構成となる。
【0026】
請求項4の発明では、マーカ光照射手段が複数設けられ、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、いずれか一のマーカ光照射手段からの一の拡散光と、他のマーカ光照射手段からの他の拡散光とが表示面において重ならず、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときには、一のマーカ光照射手段からの一の拡散光と、他のマーカ光照射手段からの他の拡散光とが表示面において重なるように構成されている。このように、情報コードの表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離を超えるとき)に2つの拡散光を繋げたマーカ表示を行うようにすると、情報コードの表示面が読取口からどの程度の距離にあるかをユーザが明確な基準に基づいて把握できるようになる。従って、ユーザが情報コードと読取口との距離を調整しやすくなり、ひいては、適切な距離調整に基づいて読み取り処理を良好に行うことができる。
【0027】
請求項5の発明は、一のマーカ光照射手段が、所定の面方向に沿って拡がる一の拡散光を出射し、他のマーカ光出射手段が、所定の面方向と交差する交差面方向に沿って拡がる他の拡散光を出射しており、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときに、一のマーカ光照射手段からの一の拡散光と、他のマーカ光出射手段からの他の拡散光とが表示面において交差するように構成されている。
このようにすると、拡散光同士の交差度合いを読取口と情報コード表示面との距離に応じて変化させることができ、且つ情報コード表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離を超えるとき)に、撮像範囲の中心位置に対して一定の位置関係にある特定位置(一の拡散光と他の拡散光との交差点)を表示することができる。従って、ユーザが情報コードと読取口との距離を調整しやすくなると共に、撮像範囲を把握しにくい遠方側において、情報コードをより適切な位置に配置しやすくなる。
【0028】
請求項6の発明では、そして、第一マーカ光照射手段及び第二マーカ光照射手段(第一対)はいずれも第一の面方向に沿って拡がる拡散光を出射する構成をなし、第三マーカ光照射手段及び第四マーカ光照射手段(第二対)はいずれも第一の面方向と交差する第二の面方向に沿って拡がる拡散光を出射する構成をなしている。そして、第一対は、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときには、第一マーカ光照射手段からの第一拡散光と、第二マーカ光照射手段からの第二拡散光とが表示面において重なり、線状の第一表示ラインを形成可能に構成され、第二対は、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときには、第三マーカ光照射手段からの第三拡散光と、第四マーカ光照射手段からの第四拡散光とが表示面において重なり、当該表示面において第一表示ラインと交わる線状の第二表示ラインを形成可能に構成されている。
このようにすると、第一表示ライン及び第二表示ラインの形成、交差の程度を、読取口と情報コード表示面との距離に応じて変化させることができ、且つ情報コード表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離を超えるとき)に、第一表示ラインと第二表示ラインとをクロスさせ、撮像範囲の中心位置に対して一定の位置関係にある特定位置をより明確に且つ分かりやすく表示することができる。
【0029】
請求項7の発明は、マーカ光照射手段がマーカ光源とレンズとを備えており、このレンズが、マーカ光源からのマーカ光を平行光に変換して出射している。このようにすると、情報コードの表示面においてより明瞭なマーカ光表示が可能となる。
【0030】
請求項8の発明は、マーカ光照射手段がマーカ光源とレンズとを備えており、このレンズが、レンズが、マーカ光源からのマーカ光を集光する構成をなし、且つ当該レンズから出射するマーカ光の向きが、結像手段の光軸に対して傾斜する構成で配置されている。このようにすると、読取口の周囲に配置されるマーカ光照射手段から、結像手段の光軸と傾斜した所定方向にマーカ光を照射することができる。
【0031】
請求項9の発明では、レンズにおけるマーカ光の出射側の面が、マーカ光源からのマーカ光の出射方向に対して傾斜した傾斜面とされており、傾斜面においてマーカ光を屈折させることで、当該レンズから出射するマーカ光の向きを、結像手段の光軸に対して傾斜させている。このようにすると、結像手段に対して傾斜した方向にマーカ光を出射する構成を、より簡易な構成で実現できる。
【0032】
請求項10の発明は、マーカ光照射手段が複数設けられ、いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向に対し、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向が傾斜し、且つ、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、第一マーカ光と第二マーカ光とが当該表示面において重ならず、読取口と情報コードとの距離が所定距離を超えるときには、第一マーカ光と第二マーカ光とが当該表示面において重なるように構成されている。このようにすると、情報コードの表示面が読取口からどの程度の距離にあるかをユーザが明確な基準に基づいて把握できるようになる。従って、ユーザが情報コードと読取口との距離を調整しやすくなり、ひいては、適切な距離調整に基づいて読み取り処理を良好に行うことができる。
【0033】
請求項11の発明は、マーカ光照射手段が、複数設けられ、いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向と、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向とが、前記結像レンズの光軸に沿って略平行となるように構成されている。このようにすると、結像レンズの光軸の両側の特定位置を2つのマーカ光によって表示することができるため、ユーザが撮像範囲の中心に対して情報コードを位置合わせしやすくなる。
【0034】
請求項12の発明は、レンズにおけるマーカ光の出射側の面が、マーカ光源からのマーカ光の出射方向に対して略直交した直交面とされている。このようにすると、レンズを透過するマーカ光を所定方向に直進させる出射面を簡易に実現できる。
【0035】
請求項13の発明は、照明手段が、ドーム部材の内壁面から読取口側に間接光を照射するドーム照明であり、受光手段が、ドーム部材に形成された孔部を介して反射光を受光するように構成されている。このようにすると読取口から均一性の高い間接光を照射することができるため、均一照明に適した情報コード(例えば光沢面に付された情報コード等)を読み取る場合に有利となる。
更に、マーカ光照射手段が読取口の周囲からマーカ光を出射しているため、ドーム部材を通過させてマーカ光を照射させずに済み、孔部を小さく抑えることができる。従って、撮像画像において孔部に起因する低輝度領域を小さくすることができ、ひいては情報コードの読み取り精度を効果的に高めることができる。
【0036】
請求項14の発明は、照明手段が、照明光源から発せられた照明光をハーフミラーで反射させて読取口側に照射する同軸落射照明であり、受光手段が、読取口内に取り込まれ且つハーフミラーを透過した反射光を受光するように構成されている。このようにすると読取口から均一性の高い光を照射することができるため、均一照明に適した情報コード(例えば光沢面に付された情報コード等)を読み取る場合に有利となる。
更に、マーカ光照射手段が読取口の周囲からマーカ光を出射しているため、読取口の内部側においてマーカ光照射手段によるマーカ光の照射経路と同軸落射照明の照射経路とが干渉せずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置を概略的に例示するブロック図である。
【図2】図2は、図1の光学的情報読取装置における照明部付近の構成を斜め前方から示す斜視図である。
【図3】図3は、図2から収容ケースを取り外した状態を斜め前方から示す斜視図である。
【図4】図4は、図3の構成を斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図5は、読取口を前方側から見た時の読取口と各光源との位置関係を示す説明図である。
【図6】図6は、図2の照明部付近を読取口の中心位置で切断して示す断面概略図である。
【図7】図7は、図6においてマーカ光照射部を省略し、マーカ光照射部の奥側の構成を示す説明図である。
【図8】図8は、図1の光学的情報読取装置において読取口の周囲からマーカ光が照射される様子を概略的に示す斜視図である。
【図9】図9(a)は、上下に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図であり、図9(b)は、左右に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図である。
【図10】図10(a)は、情報コードの表示面が読取口に近いときのマーカ光の表示例を示す説明図であり、図10(b)は、情報コードの表示面が読取口から遠いときのマーカ光の表示例を示す説明図である。
【図11】図11(a)は、マーカ光表示部の別例1を示す図であり、上下に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図である。また、図11(b)は、マーカ光表示部の別例2を示す図であり、上下に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図である。
【図12】図12は、図11(a)のマーカ光表示部を用いた場合のマーカ光の表示例を示す図であり、図12(a)は、情報コードの表示面が読取口に近いときのマーカ光の表示例を示す説明図であり、図12(b)は、情報コードの表示面が読取口から特定距離にあるときのマーカ光の表示例を示す説明図である。
【図13】図13は、マーカ光表示部の別例3を示す図であり、上下に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図である。
【図14】図14は、図13のマーカ光表示部を用いた場合のマーカ光の表示例を示す説明図である。
【図15】図15は、照明装置の別例1を概略的に説明する説明図である。
【図16】図16は、照明装置の別例2を概略的に説明する説明図である。
【図17】図17は、ドーム照明とマーカ光表示部とを併用した例を示す説明図である。
【図18】図18は、図17の構成の問題点を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1を参照して全体構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置を概略的に例示するブロック図である。
図1に示す光学的情報読取装置1は、一次元コードや二次元コード(例えば、バーコード、QRコード、データマトリックスコード、マキシコード等)を読み取る情報コードリーダとして構成されるものであり、読取対象物Rに付された情報コードCを読み取る機能を有している。なお、読取対象となる情報コードCとしては、例えば、紙、樹脂、金属等の部材に印刷やダイレクトマーキングなどによって付された情報コードや、携帯電話機等の表示部に表示された情報コードなど、様々な情報コードを対象とすることができる。
【0039】
この光学的情報読取装置1は、図示しないケースの内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、主に、第一照明装置21、第二照明装置22、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、トリガースイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0040】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに大きく分けられ、投光光学系は、第一照明装置21、第二照明装置22、マーカ光照射部50などよって構成されている。
第一照明装置21及び第二照明装置22は、いずれも情報コードCに向けて照明光を照射可能に構成されており、一方の第一照明装置21は、読取口3(図2)の内側から当該読取口3を介して第一照明光を出射しており、他方の第二照明装置22は、読取口3の周囲から第二照明光を出射している。なお、これら第一照明装置21、第二照明装置22の詳細な説明は後述する。
【0041】
マーカ光照射部50は、図示しない駆動回路(公知のレーザダイオード駆動回路やLED駆動回路等)によって駆動されるマーカ光源51(レーザダイオードやLED等)とレンズ52とによって構成されている(図6等参照:後述)。このマーカ光照射部50では、図1に示す制御回路40からの信号に応じてマーカ光源51が駆動されることで、レーザ光やLED光などからなるマーカ光が発生しており、このマーカ光がレンズ52を介して所定方向に出射されるようになっている。なお、マーカ光照射部50の詳細についても後述する。
【0042】
受光光学系は、結像レンズ27(結像レンズ27は、「結像手段」の一例に相当)や受光センサ28などによって構成されている。結像レンズ27は、外部から読取口3(図2)を介して入射する入射光を集光し、受光センサ28の受光面28aに情報コードCのコード像を結像させている。また、受光センサ28は、読取対象物Rや情報コードCに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるものであり、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光し得る位置でプリント配線板29(図3)に実装されている。なお、本実施形態では、受光センサ28が「受光手段」の一例に相当し、読取口内に取り込まれた反射光を結像レンズ27(結像手段)を介して受光するように機能する。
【0043】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、トリガースイッチ42、ブザー44、LED45、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。
【0044】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅され、その後、A/D変換回路33に入力されてアナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、ROM、RAMなどの公知の記憶媒体によって構成されたメモリ35に入力され、所定の格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0045】
制御回路40は、CPU、システムバス、入出力インタフェースなどを備えたマイコンとして構成されており、メモリ35とともに情報処理装置を構成し、光学的情報読取装置1内の各種情報処理を行う情報処理機能を有している、また、この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置が接続されており、本実施形態では、トリガースイッチ42、ブザー44、LED45、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0046】
(照明手段の構成)
次に、照明手段について図2〜図7を参照しつつ詳述する。
図2は、図1の光学的情報読取装置における照明部付近の構成を斜め前方から示す斜視図である。図3は、図2から収容ケースを取り外した状態を斜め前方から示す斜視図である。図4は、図1の光学的情報読取装置における照明部付近を斜め後方から見た斜視図である。図5は、読取口3を前方側から見た時の読取口3と各光源との位置関係を示す説明図である。なお、図5では、光学部品60や、集光レンズ70などは省略している。また、図6は、図2の照明部付近を読取口の中心位置(図5のA−Aの位置)で切断して示す断面概略図である。図7は、図6におけるマーカ光照射部50a、50cを省略し、それらマーカ光照射部50a、50cの奥側(第二照明装置22a、22h)の構成を示す説明図である。
【0047】
本実施形態に係る光学的情報読取装置1は、図示しない外装ケースに図1に示す回路部20が収容されており、その外装ケースの一端側が開放した構成をなしている。そして、その外装ケースの開放側には、図2のような部品が一部(光学部品60付近)をケース外に露出させた形態で取り付けられている。なお、本実施形態では、カメラユニット26の光軸L1(結像レンズの光軸)の方向を前後方向とし、読取口3側を前方側、カメラユニット26側を後方側として説明することとする。また、光軸L1と直交する所定方向(マーカ光照射部50a、50cの対向方向)を上下方向とし、この上下方向と直交する方向(マーカ光照射部50b、50dの対向方向)を左右方向として説明する。なお、本明細書全体を通し、前後方向をX軸方向、上下方向をY軸方向、左右方向をZ軸方向で示すこととする(図9等参照)。
【0048】
図3、図4に示すように、読取口3付近には、読取口3を介して外部に照明光(第一照明光)を照射する第一照明装置21と、読取口3の周囲から外部に照明光(第二照明光)を照射する複数の第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)とが設けられている。なお、本実施形態では、情報コードCからの反射光を装置内に取り込む開口部を読取口3としており、図3等に示す例では、後述する拡散部材83の前方側の開口端部が読取口3に相当している。
【0049】
図3、図6に示すように、第一照明装置21は、複数の光源81と、これら光源81の前方側に配置された拡散部材83とを備えており、複数の光源81からの光が収容ケース93の内部を通って拡散部材83を透過し、読取口3から前方に照射されるように構成されている。この第一照明装置21は、均一照明として機能しており、複数の光源81から前方側に出射された各照明光が拡散部材83内を透過するときに当該拡散部材83内で拡散し、読取口3内から前方側に照度ムラの少ない均一照明光(第一照明光)が照射されるようになっている。なお、拡散部材83は、当該拡散部材83を透過する光を拡散させる構成であればよく、本実施形態では、その一例として表面に細かな凹凸(例えばシボ加工などによって形成された凹凸)が形成されたものを採用しており、この凹凸によって透過光を拡散させることで均一照明光を発生させている。
【0050】
第一照明装置21を構成する複数の光源81は、例えばLED等の発光素子によって構成されており、拡散部材83の後方に配された基板80上において、例えば孔部86の周囲を環状に取り囲むように実装されている。また、拡散部材83は、中空状に構成されており、前方側の内径が大きく後方側につれて内径が次第に小さくなるように構成されている。この拡散部材83の後方には、結像レンズ27(図1)と受光センサ28(図1)を備えたカメラユニット26が配置されており、拡散部材83の後端部には、読取口3側とカメラユニット26側を連通する孔部86が形成されている。なお、図6の構成では、読取口3のほぼ中心位置及び孔部26のほぼ中心位置を光軸L1が通っており、読取口3内に取り込まれた反射光(情報コードCからの反射光)が孔部86を通って結像レンズ27に入射し、この結像レンズ27を介して受光センサ28で受光されるようになっている。なお、本実施形態では、第一照明装置21が「照明手段」の一例に相当している。
【0051】
複数の第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)は、図3、図5、図7に示すように、第一照明装置21による第一照明光の照射エリアの周囲を取り囲む構成で(具体的には、読取口3の周囲を取り囲む構成で)互いに間隔をあけて環状に配置されており、各第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)が読取口3の外側(より詳しくは読取口3の周囲における当該読取口3に近接した位置)から前方側に第二照明光を出射するように構成されている。各第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)はいずれも、図7で示す第二照明装置22(22a、22h)と同様に構成されており、第二照明光を発する光源67と、第二照明光を複数の方向に分岐させる光分岐部65とを備えている。なお、本実施形態では、各第二照明装置22a〜22m(図3、図7参照)の各光分岐部65a〜65m(図2)がそれぞれ、図5に示す光源67a〜67mの前方に配置されており、いずれの光分岐部65a〜65mも、環状に形成された光学部品60の一部として形成されている。そして、このように構成される光学部品60の各部分(各光分岐部65a〜65m)から、各光源67a〜67mにて発生する第二照明光がそれぞれ出射されるようになっている。
【0052】
複数の第二照明装置22はいずれも、LED等として構成される光源67から前方側に照明光(第二照明光)が出射されるようになっており、その光源67の前方側には、光源67からの照明光(第二照明光)を透過させる集光レンズ70が配置されている。この集光レンズ70は、光軸が前後方向となるように構成されており、光源67から入射する照明光(第二照明光)を集光して前方の光学部品60に入射させている。この光学部品60は、集光レンズ70を透過した照明光(第二照明光)を内部に取り込んで透過させ、その透過光(第二照明光)を前端部に形成された光分岐部65によって分岐させている。なお、図2では、各第二照明装置22a〜22m(図3、図7等参照)に設けられた各光分岐部65を、それぞれ符号65a〜65mで示しており、いずれの光分岐部65(65a〜65m)も図7で示す光分岐部65(65a、65h)と同様に構成されている。各光分岐部65(65a〜65m)は、図7に示すように、各光源67から出射されて光学部品60に入射した各照明光(各第二照明光)の一部(光学部品60に入射した照明光が第三の外面63aで内部反射した内部反射光)を読取口3側の第一の外面61aで屈折させてローアングル光Laとして出射させている。また、各光源67から出射されて光学部品60に入射した各照明光(各第二照明光)の一部(光学部品60に入射した照明光が直接第一の外面61aに入射する光)を、ローアングル光Laが照射されるエリアよりも読取口3から離れたエリアに向けて出射している(照明光Lh)。更に、各光源67から出射されて光学部品60に入射した各照明光(各第二照明光)の一部(光学部品60に入射した照明光が直接第二の外面62aに入射する光)を、ローアングル光Laが照射されるエリアよりも読取口3から離れたエリアに向けて出射している(照明光Lj)。
【0053】
(マーカ光照射部)
次に、マーカ光照射部50について、主に図6、図8〜図10を参照して説明する。
図8は、図1の光学的情報読取装置において読取口の周囲からマーカ光が照射される様子を概略的に示す斜視図である。図9(a)は、上下に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図であり、図9(b)は、左右に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図である。図10(a)は、情報コードの表示面が読取口の近いときのマーカ光の表示例を示す説明図であり、図10(b)は、情報コードの表示面が読取口から遠いときのマーカ光の表示例を示す説明図である。なお、図10は、情報コードの表示面を後方側から見た図(カメラユニット26側から光軸L1方向前方側を見た図)であり、このように見たときの読取口3や各マーカ光表示部50a〜50dの位置を、それぞれ二点鎖線3'、50a'〜50d'にて仮想的に示している。
【0054】
本実施形態の光学的情報読取装置1では、図3に示すように、情報コードCが付された読取対象に対してマーカ光を照射する複数のマーカ光照射部50(マーカ光照射部50a〜50d)が設けられている。各マーカ光照射部50a〜50dは、図8のように、読取口3の周囲からマーカ光を照射する構成をなしており、いずれのマーカ光照射部50も、図6に示すように、マーカ光を発するマーカ光源51(レーザダイオード、LED等)と、マーカ光源51からの光を変換するレンズ52とを備えた構成をなしている。
【0055】
複数のマーカ光照射部50a〜50dは、図3、図9(a)(b)に示すように、第一マーカ光照射部50a(第一マーカ光照射手段)及び第二マーカ光照射部50c(第二マーカ光照射手段)からなる上下の対(第一対)と、第三マーカ光照射部50b(第三マーカ光照射手段)及び第四マーカ光照射部50d(第四マーカ光照射手段)からなる左右の対(第二対)とによって構成されており、図8、図9(a)(b)に示すように、各マーカ光照射部50a〜50dの各レンズ52a〜52dがそれぞれ、各マーカ光源51a〜51dからの各マーカ光を、特定方向に拡散させ、特定方向と直交する方向に集光することで、線状の表示ラインを形成可能な拡散光からなるマーカ光MK1〜MK4を出射している。
【0056】
図6、図9(a)に示すように、第一マーカ光照射部50a及び第二マーカ光照射部50cはそれぞれ、第一の面方向(前後方向及び上下方向と平行な平面方向:図9(a)のXY平面と平行な平面方向)に沿って拡がる拡散光からなるマーカ光MK1、MK3を出射するように構成されている。また、図9(b)に示すように、これら第一マーカ光照射部50a及び第二マーカ光照射部50cの各レンズ52a、52cがそれぞれ、マーカ光源52a、52cからの各マーカ光を当該第一の面方向と直交する方向(即ち、左右方向:図9(b)のZ方向)に集光している。このような構成により、図10(a)(b)のように、第一マーカ光照射部50a及び第二マーカ光照射部50cから出射される各拡散光(マーカ光MK1、MK3)が、情報コードCの表示面上において、上下方向の線状の表示ラインMK1'、MK3'を形成(表示)するようになっている。なお、図9(a)では、図5のA−A位置において矢印方向に見たときの各マーカ光MK1、MK3、MK4を概略的に示しており、隠れるマーカ光(第三マーカ光照射部50bから照射されるマーカ光MK2)については、側方から見たときの当該マーカ光MK2の照射経路を二点鎖線にて概念的に示している。また、図9(b)では、図5のB−B位置において矢印方向に見たときの各マーカ光MK2、MK3、MK4を概略的に示しており、隠れるマーカ光(第一マーカ光照射部50aから照射されるマーカ光MK1)については、上方から見たときの当該マーカ光MK1の照射経路を二点鎖線にて概念的に示している。
【0057】
また、図9(b)に示すように、第三マーカ光照射部50b及び第四マーカ光照射部50dはそれぞれ、第二の面方向(前後方向及び左右方向と平行な平面方向:図9(b)のXZ平面と平行な平面方向)に沿って拡がる拡散光からなるマーカ光MK2、MK4を出射するように構成されている。また、図9(a)に示すように、これら第三マーカ光照射部50b及び第四マーカ光照射部50dの各レンズ52b、52dがそれぞれ、マーカ光源52b、52dからの各マーカ光を当該第二の面方向と直交する方向(即ち、上下方向:図9(a)のY方向)に集光している。このような構成により、図10(a)(b)のように、第三マーカ光照射部50b及び第四マーカ光照射部50dから出射される各拡散光(マーカ光MK2、MK4)が、情報コードCの表示面上において、左右方向の線状の表示ラインMK2'、MK4'を形成(表示)するようになっている。
【0058】
上記構成では、図9の位置F3に情報コードCの表示面が配されるときのように、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときには、図10(b)のように、第一マーカ光照射部50aからの第一拡散光(マーカ光MK1)と、第二マーカ光照射部50cからの第二拡散光(マーカ光MK3)とが当該表示面において重なり、線状の第一表示ラインを形成(表示)するようになっている。なお、図10(b)では、表示ラインMK1'と表示ラインMK3'とからなる上下の表示ラインが「第一表示ライン」の一例に相当している。
【0059】
また、図9の位置F3のように、読取口3と情報コードの表示面との距離が所定距離A1を超えるときには、図10(b)のように、第三マーカ光照射部50bからの第三拡散光(マーカ光MK2)と、第四マーカ光照射部50dからの第四拡散光(マーカ光MK4)とが当該表示面において重なり、当該表示面において上述の第一表示ラインと交わる線状の第二表示ラインを形成可能に構成されている。なお、図10(b)では、表示ラインMK2'と表示ラインMK4'とからなる左右の表示ラインが「第二表示ライン」の一例に相当している。
【0060】
このように、本実施形態に係る光学的情報読取装置1では、第一表示ライン(表示ラインMK1'、MK3'が繋がったライン)と第二表示ライン(表示ラインMK2'、MK4'が繋がったラインとの交点P1が、撮像範囲の中心をなす光軸L1上に位置するようになっており、この交点P1位置を基準として情報コードCを光軸L1(撮像範囲の中心)付近に配置しやすくなっている。
【0061】
なお、この構成では、例えば、第一マーカ光照射部50aが「一のマーカ光照射手段」の一例に相当し、所定の面方向(XY平面方向:図9(a))に沿って拡がる一の拡散光(マーカ光MK1)を出射するように機能する。また、この場合、例えば、第三マーカ光照射部50bが、「他のマーカ光出射手段」の一例に相当し、前記所定の面方向と交差する交差面方向(XZ平面と直交するXZ平面方向:図9(b))に沿って拡がる他の拡散光(マーカ光MK2)を出射するように機能する。そして、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときに、「一のマーカ光照射手段」に相当する第一マーカ光照射部50aからの一の拡散光(マーカ光MK1)と、「他のマーカ光出射手段」に相当する第三マーカ光照射部50bからの他の拡散光(マーカ光MK2)とが表示面において交差するようになっている。
【0062】
一方、図9の位置F2に情報コードCの表示面が配されるときのように、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1以下のときには、図10(a)のように、第一マーカ光照射部50aからの第一拡散光(マーカ光MK1)と、第二マーカ光照射部50cからの第二拡散光(マーカ光MK3)とが当該表示面において重ならず、縦方向の線状の各表示ラインMK1'、MK3'が上下に分断されて形成(表示)されるようになっている。また、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1以下のときには、第三マーカ光照射部50bからの第三拡散光(マーカ光MK2)と、第四マーカ光照射部50dからの第四拡散光(マーカ光MK4)とについても当該表示面において重ならず、図10(a)のように横方向の線状の各表示ラインMK2'、MK4'が左右に分断されて形成(表示)されるようになっている。
【0063】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る光学的情報読取装置1では、第一照明装置21(照明手段)が読取口3を介して照明光を照射するように構成されており、各マーカ光照射部50が、読取口3の周囲からマーカ光を照射するように構成されている。このようにすると、読取口3を介して照明光を照射する照明手段(第一照明装置21)と、マーカ光を照射するマーカ光照射部50(マーカ光照射手段)とを併用することができる。また、読取口3を介してマーカ光を照射せずに読取口3の周囲からマーカ光を照射しているため、読取口3の内部側においてマーカ光の照射経路と第一照明装置21(照明手段)とを干渉させずに済み、読取口3から照射される照明光において低輝度領域を極力低減することができる。
【0064】
また、各マーカ光照射部50がマーカ光源51とレンズ52とを備えており、このレンズ52がマーカ光源51からのマーカ光を、少なくとも所定方向に拡がる拡散光に変換して出射している。このようにすると、読取口3の周囲から照射されるマーカ光の照射領域を広げることができ、マーカ光表示の視認性を一層高めることができる。
特に、本実施形態では、各マーカ光が拡散する前記所定方向において、より中心側(光軸L1側)の方が広く拡散するようになっているため、光軸L1側に効率的にマーカ光を照射できる。
【0065】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置1では、各レンズ52が、マーカ光源51からのマーカ光を特定方向に拡散させ、特定方向と直交する方向に集光することで、線状の表示ラインを形成可能な拡散光を出射している。このようにすると、情報コードCの表示面にマーカ光をライン状に表示することができるため、ユーザが情報コードCをより位置合わせしやすい構成となる。
【0066】
更に、本実施形態に係る光学的情報読取装置1では、マーカ光照射手段50が複数設けられ、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1以内のときには、いずれか「一のマーカ光照射手段」(例えば、マーカ光照射部50a)からの一の拡散光と、「他のマーカ光照射手段」(例えば、マーカ光照射部50b)からの他の拡散光とが当該表示面において重ならず、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときには、「一のマーカ光照射手段」からの一の拡散光と、「他のマーカ光照射手段から」の他の拡散光とが表示面において重なるように構成されている。このように、情報コードCの表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離A1を超えるとき)に2つの拡散光を繋げたマーカ表示を行うようにすると、情報コードCの表示面が読取口3からどの程度の距離にあるかをユーザが明確な基準に基づいて把握できるようになる。従って、ユーザが情報コードCと読取口3との距離を調整しやすくなり、ひいては、適切な距離調整に基づいて読み取り処理を良好に行うことができる。
【0067】
また、「一のマーカ光照射手段」(例えば、マーカ光照射部50a)が、所定の面方向(例えばXY平面方向)に沿って拡がる一の拡散光(例えばマーカ光MK1)を出射し、「他のマーカ光出射手段」(例えば、マーカ光照射部50b)が、所定の面方向と交差する交差面方向(例えば、XZ平面方向)に沿って拡がる他の拡散光(例えばマーカ光MK2)を出射しており、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときに、「一のマーカ光照射手段」からの一の拡散光と、「他のマーカ光出射手段」からの他の拡散光とが当該表示面において交差するように構成されている。
このようにすると、拡散光同士の交差度合いを読取口3と情報コード表示面との距離に応じて変化させることができ、且つ情報コード表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離A1を超えるとき)に、撮像範囲の中心位置(光軸L1の位置)に対して一定の位置関係にある特定位置(一の拡散光と他の拡散光との交差点P1)を表示することができる。従って、ユーザが情報コードCと読取口3との距離を調整しやすくなると共に、撮像範囲を把握しにくい遠方側において、情報コードCをより適切な位置に配置しやすくなる。
【0068】
より詳しくは、第一マーカ光照射部50a及び第二マーカ光照射部50c(第一対)がいずれも第一の面方向(XY平面方向)に沿って拡がる拡散光を出射する構成をなし、第三マーカ光照射部50b及び第四マーカ光照射部50d(第二対)がいずれも第一の面方向と交差する第二の面方向(XZ平面方向)に沿って拡がる拡散光を出射する構成をなしている。そして、第一マーカ光照射部50a及び第二マーカ光照射部50cからなる上下対(第一対)は、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときには、第一マーカ光照射部50aからのマーカ光MK1(第一拡散光)と、第二マーカ光照射部50cからのマーカ光MK3(第二拡散光)とが当該表示面において重なり、線状の第一表示ラインを形成可能に構成されている(図10(b)参照)。また、第三マーカ光照射部50b及び第四マーカ光照射部50dからなる左右対(第二対)は、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときには、第三マーカ光照射部50bからのマーカ光MK2(第三拡散光)と、第四マーカ光照射部50dからのマーカ光MK4(第四拡散光)とが表示面において重なり、当該表示面において第一表示ラインと交わる線状の第二表示ラインを形成可能に構成されている(図10(b)参照)。
このようにすると、第一表示ライン及び第二表示ラインの形成、交差の程度を、読取3口と情報コード表示面との距離に応じて変化させることができ、且つ情報コード表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離A1を超えるとき)に、第一表示ラインと第二表示ラインとをクロスさせ、撮像範囲の中心位置(即ち、光軸L1の位置)に対して一定の位置関係にある特定位置をより明確に且つ分かりやすく表示することができる。
【0069】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0070】
上記実施形態では、各レンズ52から拡散光を照射する例を示したが、図11(a)のように、各レンズ152から平行光のマーカ光を照射する構成であってもよい。図11(a)では、各マーカ光照射部150が、マーカ光を発するマーカ光源151と、マーカ光源151からの光を変換するレンズ152とを備えており、各レンズ152が、マーカ光源151からのマーカ光を平行光に変換して出射するように構成されている。なお、図11(a)では、第1実施形態の各マーカ光照射部50a、50cの位置に、それぞれマーカ光照射部150a、150cを配置した例を示しているが、第1実施形態の各マーカ光照射部50b、50dの位置に、マーカ光照射部150a、150cの対(上下対)と同様の対(左右対)をそれぞれ配置してもよい。
この図11(a)の例では、各レンズ152a、152cにおけるマーカ光の出射側の面が、各マーカ光源151a、151cからのマーカ光の出射方向に対して傾斜した傾斜面とされており、これら傾斜面においてマーカ光を屈折させることで、各レンズ152a、152cから出射するマーカ光の向きを、結像レンズ27の光軸L1に対して傾斜させている。
また、図11(a)の例では、各マーカ光照射部150a、150cがXY平面と平行な同一平面上に配されると共に、XY平面に沿って各マーカ光MK1、MK3を出射している。そして、マーカ光照射部150a(一のマーカ光照射手段)からの第一マーカ光MK1の照射方向に対し、マーカ光照射部150c(他のマーカ光照射手段)からの第二マーカ光MK3の照射方向が傾斜しており、且つ、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1以内のときには(例えば、表示面が位置F2のとき)、第一マーカ光MK1と第二マーカ光MK3とが当該表示面において重ならず(図12(a)のMK1'とMK3'の表示を参照)、読取口3と情報コードCとの距離が所定距離A1を超えた特定距離のとき(例えば、表示面が位置F3のとき)、第一マーカ光MK1と第二マーカ光MK3とが当該表示面において重なるように構成されている(図12(b)のMK5'の表示を参照)。なお、図11(a)、図12に示す例では、マーカ光照射部150a、150cからなる上下対と同様の構成をなすマーカ光照射部の左右対(図示略)が第1実施形態のマーカ光表示部50b、50dの位置にそれぞれ配置され、これらがマーカ光照射部150a、150cの対と同様の表示を行っているが(図12のマーカ表示MK2'、MK4'を参照)、いずれか一方の対を省略して二点表示としてもよい。なお、図11(a)は、図11(a)で示される上下対のマーカ光表示部150a、150b及び図示しない上記左右対のマーカ光表示を用いた場合の、情報コード表示面におけるマーカ光の表示例を示す図であり、当該情報コード表示面の上方に配置される読取口3及び上下対のマーカ光表示部150a、150cのレンズ152a、152cの位置については、二点鎖線3’、152a’、152c’にて仮想的に示している。また、左右対のマーカ光表示部(図示略)の各レンズの位置については、二点鎖線152b’、152d’にて仮想的に示している。なお、図11(a)の光学的情報読取装置は、マーカ光照射部の構成以外は第1実施形態と同様である。
【0071】
また、図11(b)のように構成し、各レンズ252から平行光のマーカ光を照射してもよい。図11(b)でも、各マーカ光照射部250が、マーカ光を発するマーカ光源251と、マーカ光源251からの光を変換するレンズ252とを備え、各レンズ252が、マーカ光源251からのマーカ光を平行光に変換して出射している。この図11(b)の構成でも、第1実施形態の各マーカ光照射部50a、50cの位置に、それぞれマーカ光照射部250a、250cが配置されており、第1実施形態の各マーカ光照射部50b、50dの位置に、マーカ光照射部250a、250cと同様の対(左右対)を配置することができる。
この図11(b)の例では、各レンズ252a、252cが、各マーカ光源251a、251cからのマーカ光を集光する構成をなし、且つ当該各レンズ252a、252bから出射するマーカ光の向きが、結像レンズ27の光軸L1に対して傾斜するように構成されている。また、この例では、各レンズ252a、252bにおけるマーカ光の出射側の面がそれぞれ、各マーカ光源251a、251bからのマーカ光の出射方向に対して略直交した直交面とされている。
また、この図11(b)の例でも、各マーカ光照射部250a、250cがXY平面と平行な同一平面上に配され、このXY平面に沿って各マーカ光MK1、MK3を出射している。そして、マーカ光照射部250a(一のマーカ光照射手段)からの第一マーカ光MK1の照射方向に対し、マーカ光照射部250c(他のマーカ光照射手段)からの第二マーカ光MK3の照射方向が傾斜しており、且つ、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1以内のとき(例えば、表示面が位置F2のとき)には、第一マーカ光MK1と第二マーカ光MK3とが当該表示面において重ならず(図12(a)と同様の表示であるため図12(a)を参照)、読取口3と情報コードCとの距離が所定距離A1を超える特定距離のとき(例えば、表示面が位置F3のとき)には、第一マーカ光MK1と第二マーカ光MK3とが当該表示面において重なるように構成されている(図12(b)と同様の表示であるため図12(b)を参照)。また、この図11(b)の例でも、マーカ光照射部250a、250cからなる上下対と同様の構成をなすマーカ光照射部の左右対(図示略)が第1実施形態のマーカ光表示部50b、50dの位置にそれぞれ配置され、これらがマーカ光照射部250a、250cからなる上下対と同様の表示を行っているが(図12のマーカ表示MK2'、MK4'と同様の表示)、いずれか一方の対を省略して二点表示としてもよい。また、図11(b)の光学的情報読取装置は、マーカ光照射部の構成以外は第1実施形態と同様である。
【0072】
また、第1実施形態のマーカ光照射部に代えて図13のようなマーカ光照射部350を用いてもよい。この例では、複数のマーカ光照射部350が設けられると共に、一方のマーカ光表示部350a(一のマーカ光照射手段)からの第一マーカ光MK1の照射方向と、他方のマーカ光表示部MK3(他のマーカ光照射手段)からの第二マーカ光MK3の照射方向とが、結像レンズ27の光軸L1に沿って略平行となるように構成されている。なお、この図12の例でも、各レンズ352a、352cにおけるマーカ光の出射側の面がそれぞれ、各マーカ光源351a、351cからのマーカ光の出射方向に対して略直交した直交面とされている。この構成では、読取口3から情報コードCまでの距離が変化しても、光軸L1の位置を挟んだ上下両側に一定間隔の二点(図14のマーカ表示MK1'、MK3'を参照)を表示することができる。
図13では、第1実施形態の各マーカ光照射部50a、50cの位置に、それぞれマーカ光照射部350a、350cを配置した例を示したが、第1実施形態の各マーカ光照射部50b、50dの位置に、マーカ光照射部350a、350cと同様の対(左右対)を配置することができ、このようにすれば、図14のように、光軸L1の位置を挟んだ左右両側に一定間隔の二点(図14のマーカ表示MK2'、MK4'を参照)を表示することができる。
【0073】
上記実施形態では、「照明手段」の一例として第一照明装置21を例示したが、図15のような第一照明装置100を用いてもよい。この第一照明装置100は、いわゆるドーム照明として構成されており、ドーム状に構成されたドーム部材102の内部に複数の光源(図15では、光源103a、103bを代表的に図示)が設けられており、これら光源103a、103b等から照射されて内壁面104にて反射した間接光を読取口3を介して外部に照射している。ドーム部材102の頂上部付近には、孔部106が形成されており、この孔部106の後方側に第1実施形態と同様のカメラユニット26が設けられ、孔部106を介して反射光を受光している。このようにすると読取口3から均一性の高い間接光を照射することができるため、均一照明に適した情報コードC(例えば光沢面に付された情報コードC等)を読み取る場合に有利となる。更に、第1実施形態と同様に、各マーカ光照射部50が読取口3の周囲からマーカ光を出射しているため、図17のようにドーム部材102を通過させてマーカ光を照射させずに済み、孔部106を小さく抑えることができる。従って、撮像画像において孔部106に起因する低輝度領域を小さくすることができ、ひいては情報コードCの読み取り精度を効果的に高めることができる。なお、図15の構成は、第一照明装置100以外は第1実施形態と同様である。
【0074】
上記実施形態では、「照明手段」の一例として第一照明装置21を例示したが、図16のような第一照明装置200を用いてもよい。この第一照明装置200は、いわゆる同軸落射照明として構成されており、複数のLEDなどからなる照明光源202から発せられ拡散板203にて拡散された照明光をハーフミラー204で反射させて読取口3側に照射している。一方、読取口3内に取り込まれ反射光(情報コードCからの反射光)は、ハーフミラー204を透過してカメラユニット26内の受光センサ28に受光されるようになっている。このようにすると読取口3から均一性の高い光を照射することができるため、均一照明に適した情報コード(例えば光沢面に付された情報コード等)を読み取る場合に有利となる。更に、第1実施形態と同様、各マーカ光照射部50が読取口3の周囲からマーカ光を出射しているため、読取口3の内部側においてマーカ光照射手段によるマーカ光の照射経路と同軸落射照明の照射経路とが干渉せずに済む。なお、図16の構成は、第一照明装置200以外は第1実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0075】
1…光学的情報読取装置
3…読取口
21,100,200…第一照明装置(照明手段)
27…結像レンズ(結像手段)
28…受光センサ(受光手段)
50、150、250、350…マーカ光照射部(マーカ光照射手段)
50a…第一マーカ光照射部(第一マーカ光照射手段)
50b…第二マーカ光照射部(第二マーカ光照射手段)
50c…第三マーカ光照射部(第三マーカ光照射手段)
50d…第四マーカ光照射部(第四マーカ光照射手段)
51、151、251、351…マーカ光源
52、152、252、352…レンズ
102…ドーム部材
104…内壁面
106…孔部
202…照明光源
204…ハーフミラー
C…情報コード
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な分野において、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが広く用いられている。この種の情報コードは、プリンタによる印刷や、ダイレクトマーキングなどによって様々な対象物に付されており、バーコードリーダ等の光学的情報読取装置では、このような情報コードを良好に読み取り得る構成が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−5908公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記光学的情報読取装によって様々な対象物に付される情報コードを良好に読み取るためには、照明手段が重要となる。例えば、情報コードの表示面に光沢があるような場合、集光度の高い照明光を照射すると鏡面反射の影響により情報コードを明瞭に認識できなくなる虞があり、このような問題を避けるためには、読取口から均一性の高い照明光を照射しつつ情報コードを撮像する構成が望まれる。
【0005】
読取口から均一性の高い照明光を照射する構成としては、例えば図17のようなドーム照明900を用いる方法が考えられる。このドーム照明900では、ドーム状に構成されたドーム部材902の内部に複数の光源(図17では、光源903a、903bを代表的に図示)が設けられており、これら光源903a、903b等から照射されて内壁面904にて反射した間接光を読取口を介して外部に照射している。また、ドーム部材902の頂上部付近には、孔部906が形成されており、この孔部106の後方側に撮像装置907が設けられている。このようなドーム照明900によれば、読取口から均一性の高い間接光を照射できるため、光沢がある対象物等に情報コードが付されていても鏡面反射の影響を抑えて当該情報コードを良好に読み取ることができるようになる。
【0006】
しかしながら、上記のように読取口から均一性の高い照明光を照射する場合、マーカ光を照射する構成を併用しにくいという問題がある。例えば、従来のマーカ光照射手段は、撮像装置の近くに配置され、読取口を介してマーカ光を出射する構成が一般的であり、このようなマーカ光照射手段を上述の照明手段と併用すると当該照明手段による照明光の照明を阻害してしまうという問題があった。
【0007】
例えば、上述のドーム照明900の場合、図17のようにマーカ光照射部909を撮像装置907の近くに配置して読取口からマーカ光MKを照射しようとすると、孔部106をマーカ光MKを照射する部分まで拡大しなければならず、この拡大部分(図17の一点鎖線AR2の部分)で間接光を照射できなくなってしまうことになる。この孔部106の部分は、図18のように撮像画像において受光量の低い部分(輝度差が生じている部分)として表れ、図18のようにマーカ光照射領域まで孔部106を拡大してしまうと、このような拡大領域がない場合(図18(a)のZ1部分参照)と比較して、図18(b)のように受光量の低いZ2部分(輝度差が生じている部分)が大きくなり、情報コードの読み取りに悪影響を及ぼすことが懸念される。なお、図17ではドーム照明900の場合のみを例示しているが、読取口を介してマーカ光を照射する場合には、他の照明と併用する場合であっても同様の問題が懸念される。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、読取口を介して照明光を照射する照明手段と、マーカ光を照射するマーカ光照射手段とを併用することができ、且つ、読取口の内部側において照明手段による照明光の照射とマーカ光の照射とが干渉しにくい光学的情報読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、情報コードに対して照明光を照射する照明手段と、前記情報コードからの反射光を取り込む読取口と、前記読取口内に取り込まれた前記反射光を結像手段を介して受光する受光手段と、前記情報コードが付された読取対象に対してマーカ光を照射するマーカ光照射手段と、を備えた光学的情報読取装置であって、前記照明手段が、前記読取口を介して前記照明光を照射し、前記マーカ光照射手段が、前記読取口の周囲から前記マーカ光を照射することを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、前記レンズが、前記マーカ光源からの前記マーカ光を、少なくとも所定方向に拡がる拡散光に変換して出射することを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載の光学的情報読取装置において、前記レンズが、前記マーカ光源からの前記マーカ光を特定方向に拡散させ、前記特定方向と直交する方向に集光することで、線状の表示ラインを形成可能な前記拡散光を出射することを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、いずれか一のマーカ光照射手段からの一の拡散光と、他のマーカ光照射手段からの他の拡散光とが前記表示面において重ならず、前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときには、前記一のマーカ光照射手段からの前記一の拡散光と、前記他のマーカ光照射手段からの前記他の拡散光とが前記表示面において重なることを特徴としている。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4に記載の光学的情報読取装置において、前記一のマーカ光照射手段が、所定の面方向に沿って拡がる前記一の拡散光を出射し、前記他のマーカ光出射手段が、前記所定の面方向と交差する交差面方向に沿って拡がる前記他の拡散光を出射しており、前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときに、前記一のマーカ光照射手段からの前記一の拡散光と、前記他のマーカ光出射手段からの前記他の拡散光とが前記表示面において交差することを特徴としている。
【0014】
請求項6の発明は、請求項3に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、それら複数の前記マーカ光照射手段が、第一マーカ光照射手段及び第二マーカ光照射手段からなる第一対と、第三マーカ光照射手段及び第四マーカ光照射手段からなる第二対と、を含んでいる。
そして、前記第一マーカ光照射手段及び前記第二マーカ光照射手段はいずれも第一の面方向に沿って拡がる前記拡散光を出射する構成をなし、前記第三マーカ光照射手段及び前記第四マーカ光照射手段はいずれも前記第一の面方向と交差する第二の面方向に沿って拡がる前記拡散光を出射する構成をなしている。
更に、前記第一対は、前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときには、前記第一マーカ光照射手段からの第一拡散光と、前記第二マーカ光照射手段からの第二拡散光とが前記表示面において重なり、線状の第一表示ラインを形成可能に構成され、前記第二対は、前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときには、前記第三マーカ光照射手段からの第三拡散光と、前記第四マーカ光照射手段からの第四拡散光とが前記表示面において重なり、当該表示面において前記第一表示ラインと交わる線状の第二表示ラインを形成可能に構成されている。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、前記レンズが、前記マーカ光源からの前記マーカ光を平行光に変換して出射することを特徴としている。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1又は請求項7に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、前記レンズが、前記マーカ光源からの前記マーカ光を集光する構成をなし、且つ当該レンズから出射する前記マーカ光の向きが、前記結像手段の光軸に対して傾斜する構成で配置されていることを特徴としている。
【0017】
請求項9の発明は、請求項8に記載の光学的情報読取装置において、前記レンズにおける前記マーカ光の出射側の面が、前記マーカ光源からの前記マーカ光の出射方向に対して傾斜した傾斜面とされており、前記傾斜面において前記マーカ光を屈折させることで、当該レンズから出射する前記マーカ光の向きを、前記結像手段の光軸に対して傾斜させている。
【0018】
請求項10の発明は、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向に対し、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向が傾斜し、且つ、前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、前記第一マーカ光と前記第二マーカ光とが前記表示面において重ならず、前記読取口と前記情報コードとの距離が前記所定距離を超えるときには、前記第一マーカ光と前記第二マーカ光とが前記表示面において重なるように構成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項11の発明は、請求項1又は請求項7に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向と、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向とが、前記結像レンズの光軸に沿って略平行となるように構成されていることを特徴としている。
【0020】
請求項12の発明は、請求項7、8、11のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記レンズにおける前記マーカ光の出射側の面が、前記マーカ光源からの前記マーカ光の出射方向に対して略直交した直交面とされていることを特徴としている。
【0021】
請求項13の発明は、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記照明手段が、ドーム部材の内壁面から前記読取口側に間接光を照射するドーム照明であり、前記受光手段が、前記ドーム部材に形成された孔部を介して前記反射光を受光することを特徴としている。
【0022】
請求項14の発明は、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記照明手段が、照明光源から発せられた前記照明光をハーフミラーで反射させて前記読取口側に照射する同軸落射照明であり、前記受光手段が、前記読取口内に取り込まれ且つ前記ハーフミラーを透過した前記反射光を受光することを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明では、照明手段が読取口を介して照明光を照射するように構成されており、マーカ光照射手段が、読取口の周囲からマーカ光を照射するように構成されている。このようにすると、読取口を介して照明光を照射する照明手段と、マーカ光を照射するマーカ光照射手段とを併用することができる。また、読取口を介してマーカ光を照射せずに読取口の周囲からマーカ光を照射しているため、読取口の内部側においてマーカ光の照射経路と照明手段とを干渉させずに済み、読取口から照射される照明光において低輝度領域を極力低減することができる。
【0024】
請求項2の発明は、マーカ光照射手段がマーカ光源とレンズとを備えており、このレンズがマーカ光源からのマーカ光を、少なくとも所定方向に拡がる拡散光に変換して出射している。このようにすると、読取口の周囲から照射されるマーカ光の照射領域を広げることができ、マーカ光表示の視認性を一層高めることができる。
【0025】
請求項3の発明は、レンズが、マーカ光源からのマーカ光を特定方向に拡散させ、特定方向と直交する方向に集光することで、線状の表示ラインを形成可能な拡散光を出射している。このようにすると、情報コードの表示面にマーカ光をライン状に表示することができるため、ユーザが情報コードをより位置合わせしやすい構成となる。
【0026】
請求項4の発明では、マーカ光照射手段が複数設けられ、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、いずれか一のマーカ光照射手段からの一の拡散光と、他のマーカ光照射手段からの他の拡散光とが表示面において重ならず、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときには、一のマーカ光照射手段からの一の拡散光と、他のマーカ光照射手段からの他の拡散光とが表示面において重なるように構成されている。このように、情報コードの表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離を超えるとき)に2つの拡散光を繋げたマーカ表示を行うようにすると、情報コードの表示面が読取口からどの程度の距離にあるかをユーザが明確な基準に基づいて把握できるようになる。従って、ユーザが情報コードと読取口との距離を調整しやすくなり、ひいては、適切な距離調整に基づいて読み取り処理を良好に行うことができる。
【0027】
請求項5の発明は、一のマーカ光照射手段が、所定の面方向に沿って拡がる一の拡散光を出射し、他のマーカ光出射手段が、所定の面方向と交差する交差面方向に沿って拡がる他の拡散光を出射しており、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときに、一のマーカ光照射手段からの一の拡散光と、他のマーカ光出射手段からの他の拡散光とが表示面において交差するように構成されている。
このようにすると、拡散光同士の交差度合いを読取口と情報コード表示面との距離に応じて変化させることができ、且つ情報コード表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離を超えるとき)に、撮像範囲の中心位置に対して一定の位置関係にある特定位置(一の拡散光と他の拡散光との交差点)を表示することができる。従って、ユーザが情報コードと読取口との距離を調整しやすくなると共に、撮像範囲を把握しにくい遠方側において、情報コードをより適切な位置に配置しやすくなる。
【0028】
請求項6の発明では、そして、第一マーカ光照射手段及び第二マーカ光照射手段(第一対)はいずれも第一の面方向に沿って拡がる拡散光を出射する構成をなし、第三マーカ光照射手段及び第四マーカ光照射手段(第二対)はいずれも第一の面方向と交差する第二の面方向に沿って拡がる拡散光を出射する構成をなしている。そして、第一対は、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときには、第一マーカ光照射手段からの第一拡散光と、第二マーカ光照射手段からの第二拡散光とが表示面において重なり、線状の第一表示ラインを形成可能に構成され、第二対は、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときには、第三マーカ光照射手段からの第三拡散光と、第四マーカ光照射手段からの第四拡散光とが表示面において重なり、当該表示面において第一表示ラインと交わる線状の第二表示ラインを形成可能に構成されている。
このようにすると、第一表示ライン及び第二表示ラインの形成、交差の程度を、読取口と情報コード表示面との距離に応じて変化させることができ、且つ情報コード表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離を超えるとき)に、第一表示ラインと第二表示ラインとをクロスさせ、撮像範囲の中心位置に対して一定の位置関係にある特定位置をより明確に且つ分かりやすく表示することができる。
【0029】
請求項7の発明は、マーカ光照射手段がマーカ光源とレンズとを備えており、このレンズが、マーカ光源からのマーカ光を平行光に変換して出射している。このようにすると、情報コードの表示面においてより明瞭なマーカ光表示が可能となる。
【0030】
請求項8の発明は、マーカ光照射手段がマーカ光源とレンズとを備えており、このレンズが、レンズが、マーカ光源からのマーカ光を集光する構成をなし、且つ当該レンズから出射するマーカ光の向きが、結像手段の光軸に対して傾斜する構成で配置されている。このようにすると、読取口の周囲に配置されるマーカ光照射手段から、結像手段の光軸と傾斜した所定方向にマーカ光を照射することができる。
【0031】
請求項9の発明では、レンズにおけるマーカ光の出射側の面が、マーカ光源からのマーカ光の出射方向に対して傾斜した傾斜面とされており、傾斜面においてマーカ光を屈折させることで、当該レンズから出射するマーカ光の向きを、結像手段の光軸に対して傾斜させている。このようにすると、結像手段に対して傾斜した方向にマーカ光を出射する構成を、より簡易な構成で実現できる。
【0032】
請求項10の発明は、マーカ光照射手段が複数設けられ、いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向に対し、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向が傾斜し、且つ、読取口と情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、第一マーカ光と第二マーカ光とが当該表示面において重ならず、読取口と情報コードとの距離が所定距離を超えるときには、第一マーカ光と第二マーカ光とが当該表示面において重なるように構成されている。このようにすると、情報コードの表示面が読取口からどの程度の距離にあるかをユーザが明確な基準に基づいて把握できるようになる。従って、ユーザが情報コードと読取口との距離を調整しやすくなり、ひいては、適切な距離調整に基づいて読み取り処理を良好に行うことができる。
【0033】
請求項11の発明は、マーカ光照射手段が、複数設けられ、いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向と、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向とが、前記結像レンズの光軸に沿って略平行となるように構成されている。このようにすると、結像レンズの光軸の両側の特定位置を2つのマーカ光によって表示することができるため、ユーザが撮像範囲の中心に対して情報コードを位置合わせしやすくなる。
【0034】
請求項12の発明は、レンズにおけるマーカ光の出射側の面が、マーカ光源からのマーカ光の出射方向に対して略直交した直交面とされている。このようにすると、レンズを透過するマーカ光を所定方向に直進させる出射面を簡易に実現できる。
【0035】
請求項13の発明は、照明手段が、ドーム部材の内壁面から読取口側に間接光を照射するドーム照明であり、受光手段が、ドーム部材に形成された孔部を介して反射光を受光するように構成されている。このようにすると読取口から均一性の高い間接光を照射することができるため、均一照明に適した情報コード(例えば光沢面に付された情報コード等)を読み取る場合に有利となる。
更に、マーカ光照射手段が読取口の周囲からマーカ光を出射しているため、ドーム部材を通過させてマーカ光を照射させずに済み、孔部を小さく抑えることができる。従って、撮像画像において孔部に起因する低輝度領域を小さくすることができ、ひいては情報コードの読み取り精度を効果的に高めることができる。
【0036】
請求項14の発明は、照明手段が、照明光源から発せられた照明光をハーフミラーで反射させて読取口側に照射する同軸落射照明であり、受光手段が、読取口内に取り込まれ且つハーフミラーを透過した反射光を受光するように構成されている。このようにすると読取口から均一性の高い光を照射することができるため、均一照明に適した情報コード(例えば光沢面に付された情報コード等)を読み取る場合に有利となる。
更に、マーカ光照射手段が読取口の周囲からマーカ光を出射しているため、読取口の内部側においてマーカ光照射手段によるマーカ光の照射経路と同軸落射照明の照射経路とが干渉せずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置を概略的に例示するブロック図である。
【図2】図2は、図1の光学的情報読取装置における照明部付近の構成を斜め前方から示す斜視図である。
【図3】図3は、図2から収容ケースを取り外した状態を斜め前方から示す斜視図である。
【図4】図4は、図3の構成を斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図5は、読取口を前方側から見た時の読取口と各光源との位置関係を示す説明図である。
【図6】図6は、図2の照明部付近を読取口の中心位置で切断して示す断面概略図である。
【図7】図7は、図6においてマーカ光照射部を省略し、マーカ光照射部の奥側の構成を示す説明図である。
【図8】図8は、図1の光学的情報読取装置において読取口の周囲からマーカ光が照射される様子を概略的に示す斜視図である。
【図9】図9(a)は、上下に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図であり、図9(b)は、左右に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図である。
【図10】図10(a)は、情報コードの表示面が読取口に近いときのマーカ光の表示例を示す説明図であり、図10(b)は、情報コードの表示面が読取口から遠いときのマーカ光の表示例を示す説明図である。
【図11】図11(a)は、マーカ光表示部の別例1を示す図であり、上下に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図である。また、図11(b)は、マーカ光表示部の別例2を示す図であり、上下に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図である。
【図12】図12は、図11(a)のマーカ光表示部を用いた場合のマーカ光の表示例を示す図であり、図12(a)は、情報コードの表示面が読取口に近いときのマーカ光の表示例を示す説明図であり、図12(b)は、情報コードの表示面が読取口から特定距離にあるときのマーカ光の表示例を示す説明図である。
【図13】図13は、マーカ光表示部の別例3を示す図であり、上下に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図である。
【図14】図14は、図13のマーカ光表示部を用いた場合のマーカ光の表示例を示す説明図である。
【図15】図15は、照明装置の別例1を概略的に説明する説明図である。
【図16】図16は、照明装置の別例2を概略的に説明する説明図である。
【図17】図17は、ドーム照明とマーカ光表示部とを併用した例を示す説明図である。
【図18】図18は、図17の構成の問題点を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1を参照して全体構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置を概略的に例示するブロック図である。
図1に示す光学的情報読取装置1は、一次元コードや二次元コード(例えば、バーコード、QRコード、データマトリックスコード、マキシコード等)を読み取る情報コードリーダとして構成されるものであり、読取対象物Rに付された情報コードCを読み取る機能を有している。なお、読取対象となる情報コードCとしては、例えば、紙、樹脂、金属等の部材に印刷やダイレクトマーキングなどによって付された情報コードや、携帯電話機等の表示部に表示された情報コードなど、様々な情報コードを対象とすることができる。
【0039】
この光学的情報読取装置1は、図示しないケースの内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、主に、第一照明装置21、第二照明装置22、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、トリガースイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0040】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに大きく分けられ、投光光学系は、第一照明装置21、第二照明装置22、マーカ光照射部50などよって構成されている。
第一照明装置21及び第二照明装置22は、いずれも情報コードCに向けて照明光を照射可能に構成されており、一方の第一照明装置21は、読取口3(図2)の内側から当該読取口3を介して第一照明光を出射しており、他方の第二照明装置22は、読取口3の周囲から第二照明光を出射している。なお、これら第一照明装置21、第二照明装置22の詳細な説明は後述する。
【0041】
マーカ光照射部50は、図示しない駆動回路(公知のレーザダイオード駆動回路やLED駆動回路等)によって駆動されるマーカ光源51(レーザダイオードやLED等)とレンズ52とによって構成されている(図6等参照:後述)。このマーカ光照射部50では、図1に示す制御回路40からの信号に応じてマーカ光源51が駆動されることで、レーザ光やLED光などからなるマーカ光が発生しており、このマーカ光がレンズ52を介して所定方向に出射されるようになっている。なお、マーカ光照射部50の詳細についても後述する。
【0042】
受光光学系は、結像レンズ27(結像レンズ27は、「結像手段」の一例に相当)や受光センサ28などによって構成されている。結像レンズ27は、外部から読取口3(図2)を介して入射する入射光を集光し、受光センサ28の受光面28aに情報コードCのコード像を結像させている。また、受光センサ28は、読取対象物Rや情報コードCに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるものであり、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光し得る位置でプリント配線板29(図3)に実装されている。なお、本実施形態では、受光センサ28が「受光手段」の一例に相当し、読取口内に取り込まれた反射光を結像レンズ27(結像手段)を介して受光するように機能する。
【0043】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、トリガースイッチ42、ブザー44、LED45、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。
【0044】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅され、その後、A/D変換回路33に入力されてアナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、ROM、RAMなどの公知の記憶媒体によって構成されたメモリ35に入力され、所定の格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0045】
制御回路40は、CPU、システムバス、入出力インタフェースなどを備えたマイコンとして構成されており、メモリ35とともに情報処理装置を構成し、光学的情報読取装置1内の各種情報処理を行う情報処理機能を有している、また、この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置が接続されており、本実施形態では、トリガースイッチ42、ブザー44、LED45、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0046】
(照明手段の構成)
次に、照明手段について図2〜図7を参照しつつ詳述する。
図2は、図1の光学的情報読取装置における照明部付近の構成を斜め前方から示す斜視図である。図3は、図2から収容ケースを取り外した状態を斜め前方から示す斜視図である。図4は、図1の光学的情報読取装置における照明部付近を斜め後方から見た斜視図である。図5は、読取口3を前方側から見た時の読取口3と各光源との位置関係を示す説明図である。なお、図5では、光学部品60や、集光レンズ70などは省略している。また、図6は、図2の照明部付近を読取口の中心位置(図5のA−Aの位置)で切断して示す断面概略図である。図7は、図6におけるマーカ光照射部50a、50cを省略し、それらマーカ光照射部50a、50cの奥側(第二照明装置22a、22h)の構成を示す説明図である。
【0047】
本実施形態に係る光学的情報読取装置1は、図示しない外装ケースに図1に示す回路部20が収容されており、その外装ケースの一端側が開放した構成をなしている。そして、その外装ケースの開放側には、図2のような部品が一部(光学部品60付近)をケース外に露出させた形態で取り付けられている。なお、本実施形態では、カメラユニット26の光軸L1(結像レンズの光軸)の方向を前後方向とし、読取口3側を前方側、カメラユニット26側を後方側として説明することとする。また、光軸L1と直交する所定方向(マーカ光照射部50a、50cの対向方向)を上下方向とし、この上下方向と直交する方向(マーカ光照射部50b、50dの対向方向)を左右方向として説明する。なお、本明細書全体を通し、前後方向をX軸方向、上下方向をY軸方向、左右方向をZ軸方向で示すこととする(図9等参照)。
【0048】
図3、図4に示すように、読取口3付近には、読取口3を介して外部に照明光(第一照明光)を照射する第一照明装置21と、読取口3の周囲から外部に照明光(第二照明光)を照射する複数の第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)とが設けられている。なお、本実施形態では、情報コードCからの反射光を装置内に取り込む開口部を読取口3としており、図3等に示す例では、後述する拡散部材83の前方側の開口端部が読取口3に相当している。
【0049】
図3、図6に示すように、第一照明装置21は、複数の光源81と、これら光源81の前方側に配置された拡散部材83とを備えており、複数の光源81からの光が収容ケース93の内部を通って拡散部材83を透過し、読取口3から前方に照射されるように構成されている。この第一照明装置21は、均一照明として機能しており、複数の光源81から前方側に出射された各照明光が拡散部材83内を透過するときに当該拡散部材83内で拡散し、読取口3内から前方側に照度ムラの少ない均一照明光(第一照明光)が照射されるようになっている。なお、拡散部材83は、当該拡散部材83を透過する光を拡散させる構成であればよく、本実施形態では、その一例として表面に細かな凹凸(例えばシボ加工などによって形成された凹凸)が形成されたものを採用しており、この凹凸によって透過光を拡散させることで均一照明光を発生させている。
【0050】
第一照明装置21を構成する複数の光源81は、例えばLED等の発光素子によって構成されており、拡散部材83の後方に配された基板80上において、例えば孔部86の周囲を環状に取り囲むように実装されている。また、拡散部材83は、中空状に構成されており、前方側の内径が大きく後方側につれて内径が次第に小さくなるように構成されている。この拡散部材83の後方には、結像レンズ27(図1)と受光センサ28(図1)を備えたカメラユニット26が配置されており、拡散部材83の後端部には、読取口3側とカメラユニット26側を連通する孔部86が形成されている。なお、図6の構成では、読取口3のほぼ中心位置及び孔部26のほぼ中心位置を光軸L1が通っており、読取口3内に取り込まれた反射光(情報コードCからの反射光)が孔部86を通って結像レンズ27に入射し、この結像レンズ27を介して受光センサ28で受光されるようになっている。なお、本実施形態では、第一照明装置21が「照明手段」の一例に相当している。
【0051】
複数の第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)は、図3、図5、図7に示すように、第一照明装置21による第一照明光の照射エリアの周囲を取り囲む構成で(具体的には、読取口3の周囲を取り囲む構成で)互いに間隔をあけて環状に配置されており、各第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)が読取口3の外側(より詳しくは読取口3の周囲における当該読取口3に近接した位置)から前方側に第二照明光を出射するように構成されている。各第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)はいずれも、図7で示す第二照明装置22(22a、22h)と同様に構成されており、第二照明光を発する光源67と、第二照明光を複数の方向に分岐させる光分岐部65とを備えている。なお、本実施形態では、各第二照明装置22a〜22m(図3、図7参照)の各光分岐部65a〜65m(図2)がそれぞれ、図5に示す光源67a〜67mの前方に配置されており、いずれの光分岐部65a〜65mも、環状に形成された光学部品60の一部として形成されている。そして、このように構成される光学部品60の各部分(各光分岐部65a〜65m)から、各光源67a〜67mにて発生する第二照明光がそれぞれ出射されるようになっている。
【0052】
複数の第二照明装置22はいずれも、LED等として構成される光源67から前方側に照明光(第二照明光)が出射されるようになっており、その光源67の前方側には、光源67からの照明光(第二照明光)を透過させる集光レンズ70が配置されている。この集光レンズ70は、光軸が前後方向となるように構成されており、光源67から入射する照明光(第二照明光)を集光して前方の光学部品60に入射させている。この光学部品60は、集光レンズ70を透過した照明光(第二照明光)を内部に取り込んで透過させ、その透過光(第二照明光)を前端部に形成された光分岐部65によって分岐させている。なお、図2では、各第二照明装置22a〜22m(図3、図7等参照)に設けられた各光分岐部65を、それぞれ符号65a〜65mで示しており、いずれの光分岐部65(65a〜65m)も図7で示す光分岐部65(65a、65h)と同様に構成されている。各光分岐部65(65a〜65m)は、図7に示すように、各光源67から出射されて光学部品60に入射した各照明光(各第二照明光)の一部(光学部品60に入射した照明光が第三の外面63aで内部反射した内部反射光)を読取口3側の第一の外面61aで屈折させてローアングル光Laとして出射させている。また、各光源67から出射されて光学部品60に入射した各照明光(各第二照明光)の一部(光学部品60に入射した照明光が直接第一の外面61aに入射する光)を、ローアングル光Laが照射されるエリアよりも読取口3から離れたエリアに向けて出射している(照明光Lh)。更に、各光源67から出射されて光学部品60に入射した各照明光(各第二照明光)の一部(光学部品60に入射した照明光が直接第二の外面62aに入射する光)を、ローアングル光Laが照射されるエリアよりも読取口3から離れたエリアに向けて出射している(照明光Lj)。
【0053】
(マーカ光照射部)
次に、マーカ光照射部50について、主に図6、図8〜図10を参照して説明する。
図8は、図1の光学的情報読取装置において読取口の周囲からマーカ光が照射される様子を概略的に示す斜視図である。図9(a)は、上下に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図であり、図9(b)は、左右に配置されるマーカ光照射部からマーカ光が照射される様子を説明する説明図である。図10(a)は、情報コードの表示面が読取口の近いときのマーカ光の表示例を示す説明図であり、図10(b)は、情報コードの表示面が読取口から遠いときのマーカ光の表示例を示す説明図である。なお、図10は、情報コードの表示面を後方側から見た図(カメラユニット26側から光軸L1方向前方側を見た図)であり、このように見たときの読取口3や各マーカ光表示部50a〜50dの位置を、それぞれ二点鎖線3'、50a'〜50d'にて仮想的に示している。
【0054】
本実施形態の光学的情報読取装置1では、図3に示すように、情報コードCが付された読取対象に対してマーカ光を照射する複数のマーカ光照射部50(マーカ光照射部50a〜50d)が設けられている。各マーカ光照射部50a〜50dは、図8のように、読取口3の周囲からマーカ光を照射する構成をなしており、いずれのマーカ光照射部50も、図6に示すように、マーカ光を発するマーカ光源51(レーザダイオード、LED等)と、マーカ光源51からの光を変換するレンズ52とを備えた構成をなしている。
【0055】
複数のマーカ光照射部50a〜50dは、図3、図9(a)(b)に示すように、第一マーカ光照射部50a(第一マーカ光照射手段)及び第二マーカ光照射部50c(第二マーカ光照射手段)からなる上下の対(第一対)と、第三マーカ光照射部50b(第三マーカ光照射手段)及び第四マーカ光照射部50d(第四マーカ光照射手段)からなる左右の対(第二対)とによって構成されており、図8、図9(a)(b)に示すように、各マーカ光照射部50a〜50dの各レンズ52a〜52dがそれぞれ、各マーカ光源51a〜51dからの各マーカ光を、特定方向に拡散させ、特定方向と直交する方向に集光することで、線状の表示ラインを形成可能な拡散光からなるマーカ光MK1〜MK4を出射している。
【0056】
図6、図9(a)に示すように、第一マーカ光照射部50a及び第二マーカ光照射部50cはそれぞれ、第一の面方向(前後方向及び上下方向と平行な平面方向:図9(a)のXY平面と平行な平面方向)に沿って拡がる拡散光からなるマーカ光MK1、MK3を出射するように構成されている。また、図9(b)に示すように、これら第一マーカ光照射部50a及び第二マーカ光照射部50cの各レンズ52a、52cがそれぞれ、マーカ光源52a、52cからの各マーカ光を当該第一の面方向と直交する方向(即ち、左右方向:図9(b)のZ方向)に集光している。このような構成により、図10(a)(b)のように、第一マーカ光照射部50a及び第二マーカ光照射部50cから出射される各拡散光(マーカ光MK1、MK3)が、情報コードCの表示面上において、上下方向の線状の表示ラインMK1'、MK3'を形成(表示)するようになっている。なお、図9(a)では、図5のA−A位置において矢印方向に見たときの各マーカ光MK1、MK3、MK4を概略的に示しており、隠れるマーカ光(第三マーカ光照射部50bから照射されるマーカ光MK2)については、側方から見たときの当該マーカ光MK2の照射経路を二点鎖線にて概念的に示している。また、図9(b)では、図5のB−B位置において矢印方向に見たときの各マーカ光MK2、MK3、MK4を概略的に示しており、隠れるマーカ光(第一マーカ光照射部50aから照射されるマーカ光MK1)については、上方から見たときの当該マーカ光MK1の照射経路を二点鎖線にて概念的に示している。
【0057】
また、図9(b)に示すように、第三マーカ光照射部50b及び第四マーカ光照射部50dはそれぞれ、第二の面方向(前後方向及び左右方向と平行な平面方向:図9(b)のXZ平面と平行な平面方向)に沿って拡がる拡散光からなるマーカ光MK2、MK4を出射するように構成されている。また、図9(a)に示すように、これら第三マーカ光照射部50b及び第四マーカ光照射部50dの各レンズ52b、52dがそれぞれ、マーカ光源52b、52dからの各マーカ光を当該第二の面方向と直交する方向(即ち、上下方向:図9(a)のY方向)に集光している。このような構成により、図10(a)(b)のように、第三マーカ光照射部50b及び第四マーカ光照射部50dから出射される各拡散光(マーカ光MK2、MK4)が、情報コードCの表示面上において、左右方向の線状の表示ラインMK2'、MK4'を形成(表示)するようになっている。
【0058】
上記構成では、図9の位置F3に情報コードCの表示面が配されるときのように、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときには、図10(b)のように、第一マーカ光照射部50aからの第一拡散光(マーカ光MK1)と、第二マーカ光照射部50cからの第二拡散光(マーカ光MK3)とが当該表示面において重なり、線状の第一表示ラインを形成(表示)するようになっている。なお、図10(b)では、表示ラインMK1'と表示ラインMK3'とからなる上下の表示ラインが「第一表示ライン」の一例に相当している。
【0059】
また、図9の位置F3のように、読取口3と情報コードの表示面との距離が所定距離A1を超えるときには、図10(b)のように、第三マーカ光照射部50bからの第三拡散光(マーカ光MK2)と、第四マーカ光照射部50dからの第四拡散光(マーカ光MK4)とが当該表示面において重なり、当該表示面において上述の第一表示ラインと交わる線状の第二表示ラインを形成可能に構成されている。なお、図10(b)では、表示ラインMK2'と表示ラインMK4'とからなる左右の表示ラインが「第二表示ライン」の一例に相当している。
【0060】
このように、本実施形態に係る光学的情報読取装置1では、第一表示ライン(表示ラインMK1'、MK3'が繋がったライン)と第二表示ライン(表示ラインMK2'、MK4'が繋がったラインとの交点P1が、撮像範囲の中心をなす光軸L1上に位置するようになっており、この交点P1位置を基準として情報コードCを光軸L1(撮像範囲の中心)付近に配置しやすくなっている。
【0061】
なお、この構成では、例えば、第一マーカ光照射部50aが「一のマーカ光照射手段」の一例に相当し、所定の面方向(XY平面方向:図9(a))に沿って拡がる一の拡散光(マーカ光MK1)を出射するように機能する。また、この場合、例えば、第三マーカ光照射部50bが、「他のマーカ光出射手段」の一例に相当し、前記所定の面方向と交差する交差面方向(XZ平面と直交するXZ平面方向:図9(b))に沿って拡がる他の拡散光(マーカ光MK2)を出射するように機能する。そして、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときに、「一のマーカ光照射手段」に相当する第一マーカ光照射部50aからの一の拡散光(マーカ光MK1)と、「他のマーカ光出射手段」に相当する第三マーカ光照射部50bからの他の拡散光(マーカ光MK2)とが表示面において交差するようになっている。
【0062】
一方、図9の位置F2に情報コードCの表示面が配されるときのように、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1以下のときには、図10(a)のように、第一マーカ光照射部50aからの第一拡散光(マーカ光MK1)と、第二マーカ光照射部50cからの第二拡散光(マーカ光MK3)とが当該表示面において重ならず、縦方向の線状の各表示ラインMK1'、MK3'が上下に分断されて形成(表示)されるようになっている。また、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1以下のときには、第三マーカ光照射部50bからの第三拡散光(マーカ光MK2)と、第四マーカ光照射部50dからの第四拡散光(マーカ光MK4)とについても当該表示面において重ならず、図10(a)のように横方向の線状の各表示ラインMK2'、MK4'が左右に分断されて形成(表示)されるようになっている。
【0063】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る光学的情報読取装置1では、第一照明装置21(照明手段)が読取口3を介して照明光を照射するように構成されており、各マーカ光照射部50が、読取口3の周囲からマーカ光を照射するように構成されている。このようにすると、読取口3を介して照明光を照射する照明手段(第一照明装置21)と、マーカ光を照射するマーカ光照射部50(マーカ光照射手段)とを併用することができる。また、読取口3を介してマーカ光を照射せずに読取口3の周囲からマーカ光を照射しているため、読取口3の内部側においてマーカ光の照射経路と第一照明装置21(照明手段)とを干渉させずに済み、読取口3から照射される照明光において低輝度領域を極力低減することができる。
【0064】
また、各マーカ光照射部50がマーカ光源51とレンズ52とを備えており、このレンズ52がマーカ光源51からのマーカ光を、少なくとも所定方向に拡がる拡散光に変換して出射している。このようにすると、読取口3の周囲から照射されるマーカ光の照射領域を広げることができ、マーカ光表示の視認性を一層高めることができる。
特に、本実施形態では、各マーカ光が拡散する前記所定方向において、より中心側(光軸L1側)の方が広く拡散するようになっているため、光軸L1側に効率的にマーカ光を照射できる。
【0065】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置1では、各レンズ52が、マーカ光源51からのマーカ光を特定方向に拡散させ、特定方向と直交する方向に集光することで、線状の表示ラインを形成可能な拡散光を出射している。このようにすると、情報コードCの表示面にマーカ光をライン状に表示することができるため、ユーザが情報コードCをより位置合わせしやすい構成となる。
【0066】
更に、本実施形態に係る光学的情報読取装置1では、マーカ光照射手段50が複数設けられ、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1以内のときには、いずれか「一のマーカ光照射手段」(例えば、マーカ光照射部50a)からの一の拡散光と、「他のマーカ光照射手段」(例えば、マーカ光照射部50b)からの他の拡散光とが当該表示面において重ならず、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときには、「一のマーカ光照射手段」からの一の拡散光と、「他のマーカ光照射手段から」の他の拡散光とが表示面において重なるように構成されている。このように、情報コードCの表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離A1を超えるとき)に2つの拡散光を繋げたマーカ表示を行うようにすると、情報コードCの表示面が読取口3からどの程度の距離にあるかをユーザが明確な基準に基づいて把握できるようになる。従って、ユーザが情報コードCと読取口3との距離を調整しやすくなり、ひいては、適切な距離調整に基づいて読み取り処理を良好に行うことができる。
【0067】
また、「一のマーカ光照射手段」(例えば、マーカ光照射部50a)が、所定の面方向(例えばXY平面方向)に沿って拡がる一の拡散光(例えばマーカ光MK1)を出射し、「他のマーカ光出射手段」(例えば、マーカ光照射部50b)が、所定の面方向と交差する交差面方向(例えば、XZ平面方向)に沿って拡がる他の拡散光(例えばマーカ光MK2)を出射しており、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときに、「一のマーカ光照射手段」からの一の拡散光と、「他のマーカ光出射手段」からの他の拡散光とが当該表示面において交差するように構成されている。
このようにすると、拡散光同士の交差度合いを読取口3と情報コード表示面との距離に応じて変化させることができ、且つ情報コード表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離A1を超えるとき)に、撮像範囲の中心位置(光軸L1の位置)に対して一定の位置関係にある特定位置(一の拡散光と他の拡散光との交差点P1)を表示することができる。従って、ユーザが情報コードCと読取口3との距離を調整しやすくなると共に、撮像範囲を把握しにくい遠方側において、情報コードCをより適切な位置に配置しやすくなる。
【0068】
より詳しくは、第一マーカ光照射部50a及び第二マーカ光照射部50c(第一対)がいずれも第一の面方向(XY平面方向)に沿って拡がる拡散光を出射する構成をなし、第三マーカ光照射部50b及び第四マーカ光照射部50d(第二対)がいずれも第一の面方向と交差する第二の面方向(XZ平面方向)に沿って拡がる拡散光を出射する構成をなしている。そして、第一マーカ光照射部50a及び第二マーカ光照射部50cからなる上下対(第一対)は、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときには、第一マーカ光照射部50aからのマーカ光MK1(第一拡散光)と、第二マーカ光照射部50cからのマーカ光MK3(第二拡散光)とが当該表示面において重なり、線状の第一表示ラインを形成可能に構成されている(図10(b)参照)。また、第三マーカ光照射部50b及び第四マーカ光照射部50dからなる左右対(第二対)は、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1を超えるときには、第三マーカ光照射部50bからのマーカ光MK2(第三拡散光)と、第四マーカ光照射部50dからのマーカ光MK4(第四拡散光)とが表示面において重なり、当該表示面において第一表示ラインと交わる線状の第二表示ラインを形成可能に構成されている(図10(b)参照)。
このようにすると、第一表示ライン及び第二表示ラインの形成、交差の程度を、読取3口と情報コード表示面との距離に応じて変化させることができ、且つ情報コード表示面がある程度遠い距離にあるとき(所定距離A1を超えるとき)に、第一表示ラインと第二表示ラインとをクロスさせ、撮像範囲の中心位置(即ち、光軸L1の位置)に対して一定の位置関係にある特定位置をより明確に且つ分かりやすく表示することができる。
【0069】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0070】
上記実施形態では、各レンズ52から拡散光を照射する例を示したが、図11(a)のように、各レンズ152から平行光のマーカ光を照射する構成であってもよい。図11(a)では、各マーカ光照射部150が、マーカ光を発するマーカ光源151と、マーカ光源151からの光を変換するレンズ152とを備えており、各レンズ152が、マーカ光源151からのマーカ光を平行光に変換して出射するように構成されている。なお、図11(a)では、第1実施形態の各マーカ光照射部50a、50cの位置に、それぞれマーカ光照射部150a、150cを配置した例を示しているが、第1実施形態の各マーカ光照射部50b、50dの位置に、マーカ光照射部150a、150cの対(上下対)と同様の対(左右対)をそれぞれ配置してもよい。
この図11(a)の例では、各レンズ152a、152cにおけるマーカ光の出射側の面が、各マーカ光源151a、151cからのマーカ光の出射方向に対して傾斜した傾斜面とされており、これら傾斜面においてマーカ光を屈折させることで、各レンズ152a、152cから出射するマーカ光の向きを、結像レンズ27の光軸L1に対して傾斜させている。
また、図11(a)の例では、各マーカ光照射部150a、150cがXY平面と平行な同一平面上に配されると共に、XY平面に沿って各マーカ光MK1、MK3を出射している。そして、マーカ光照射部150a(一のマーカ光照射手段)からの第一マーカ光MK1の照射方向に対し、マーカ光照射部150c(他のマーカ光照射手段)からの第二マーカ光MK3の照射方向が傾斜しており、且つ、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1以内のときには(例えば、表示面が位置F2のとき)、第一マーカ光MK1と第二マーカ光MK3とが当該表示面において重ならず(図12(a)のMK1'とMK3'の表示を参照)、読取口3と情報コードCとの距離が所定距離A1を超えた特定距離のとき(例えば、表示面が位置F3のとき)、第一マーカ光MK1と第二マーカ光MK3とが当該表示面において重なるように構成されている(図12(b)のMK5'の表示を参照)。なお、図11(a)、図12に示す例では、マーカ光照射部150a、150cからなる上下対と同様の構成をなすマーカ光照射部の左右対(図示略)が第1実施形態のマーカ光表示部50b、50dの位置にそれぞれ配置され、これらがマーカ光照射部150a、150cの対と同様の表示を行っているが(図12のマーカ表示MK2'、MK4'を参照)、いずれか一方の対を省略して二点表示としてもよい。なお、図11(a)は、図11(a)で示される上下対のマーカ光表示部150a、150b及び図示しない上記左右対のマーカ光表示を用いた場合の、情報コード表示面におけるマーカ光の表示例を示す図であり、当該情報コード表示面の上方に配置される読取口3及び上下対のマーカ光表示部150a、150cのレンズ152a、152cの位置については、二点鎖線3’、152a’、152c’にて仮想的に示している。また、左右対のマーカ光表示部(図示略)の各レンズの位置については、二点鎖線152b’、152d’にて仮想的に示している。なお、図11(a)の光学的情報読取装置は、マーカ光照射部の構成以外は第1実施形態と同様である。
【0071】
また、図11(b)のように構成し、各レンズ252から平行光のマーカ光を照射してもよい。図11(b)でも、各マーカ光照射部250が、マーカ光を発するマーカ光源251と、マーカ光源251からの光を変換するレンズ252とを備え、各レンズ252が、マーカ光源251からのマーカ光を平行光に変換して出射している。この図11(b)の構成でも、第1実施形態の各マーカ光照射部50a、50cの位置に、それぞれマーカ光照射部250a、250cが配置されており、第1実施形態の各マーカ光照射部50b、50dの位置に、マーカ光照射部250a、250cと同様の対(左右対)を配置することができる。
この図11(b)の例では、各レンズ252a、252cが、各マーカ光源251a、251cからのマーカ光を集光する構成をなし、且つ当該各レンズ252a、252bから出射するマーカ光の向きが、結像レンズ27の光軸L1に対して傾斜するように構成されている。また、この例では、各レンズ252a、252bにおけるマーカ光の出射側の面がそれぞれ、各マーカ光源251a、251bからのマーカ光の出射方向に対して略直交した直交面とされている。
また、この図11(b)の例でも、各マーカ光照射部250a、250cがXY平面と平行な同一平面上に配され、このXY平面に沿って各マーカ光MK1、MK3を出射している。そして、マーカ光照射部250a(一のマーカ光照射手段)からの第一マーカ光MK1の照射方向に対し、マーカ光照射部250c(他のマーカ光照射手段)からの第二マーカ光MK3の照射方向が傾斜しており、且つ、読取口3と情報コードCの表示面との距離が所定距離A1以内のとき(例えば、表示面が位置F2のとき)には、第一マーカ光MK1と第二マーカ光MK3とが当該表示面において重ならず(図12(a)と同様の表示であるため図12(a)を参照)、読取口3と情報コードCとの距離が所定距離A1を超える特定距離のとき(例えば、表示面が位置F3のとき)には、第一マーカ光MK1と第二マーカ光MK3とが当該表示面において重なるように構成されている(図12(b)と同様の表示であるため図12(b)を参照)。また、この図11(b)の例でも、マーカ光照射部250a、250cからなる上下対と同様の構成をなすマーカ光照射部の左右対(図示略)が第1実施形態のマーカ光表示部50b、50dの位置にそれぞれ配置され、これらがマーカ光照射部250a、250cからなる上下対と同様の表示を行っているが(図12のマーカ表示MK2'、MK4'と同様の表示)、いずれか一方の対を省略して二点表示としてもよい。また、図11(b)の光学的情報読取装置は、マーカ光照射部の構成以外は第1実施形態と同様である。
【0072】
また、第1実施形態のマーカ光照射部に代えて図13のようなマーカ光照射部350を用いてもよい。この例では、複数のマーカ光照射部350が設けられると共に、一方のマーカ光表示部350a(一のマーカ光照射手段)からの第一マーカ光MK1の照射方向と、他方のマーカ光表示部MK3(他のマーカ光照射手段)からの第二マーカ光MK3の照射方向とが、結像レンズ27の光軸L1に沿って略平行となるように構成されている。なお、この図12の例でも、各レンズ352a、352cにおけるマーカ光の出射側の面がそれぞれ、各マーカ光源351a、351cからのマーカ光の出射方向に対して略直交した直交面とされている。この構成では、読取口3から情報コードCまでの距離が変化しても、光軸L1の位置を挟んだ上下両側に一定間隔の二点(図14のマーカ表示MK1'、MK3'を参照)を表示することができる。
図13では、第1実施形態の各マーカ光照射部50a、50cの位置に、それぞれマーカ光照射部350a、350cを配置した例を示したが、第1実施形態の各マーカ光照射部50b、50dの位置に、マーカ光照射部350a、350cと同様の対(左右対)を配置することができ、このようにすれば、図14のように、光軸L1の位置を挟んだ左右両側に一定間隔の二点(図14のマーカ表示MK2'、MK4'を参照)を表示することができる。
【0073】
上記実施形態では、「照明手段」の一例として第一照明装置21を例示したが、図15のような第一照明装置100を用いてもよい。この第一照明装置100は、いわゆるドーム照明として構成されており、ドーム状に構成されたドーム部材102の内部に複数の光源(図15では、光源103a、103bを代表的に図示)が設けられており、これら光源103a、103b等から照射されて内壁面104にて反射した間接光を読取口3を介して外部に照射している。ドーム部材102の頂上部付近には、孔部106が形成されており、この孔部106の後方側に第1実施形態と同様のカメラユニット26が設けられ、孔部106を介して反射光を受光している。このようにすると読取口3から均一性の高い間接光を照射することができるため、均一照明に適した情報コードC(例えば光沢面に付された情報コードC等)を読み取る場合に有利となる。更に、第1実施形態と同様に、各マーカ光照射部50が読取口3の周囲からマーカ光を出射しているため、図17のようにドーム部材102を通過させてマーカ光を照射させずに済み、孔部106を小さく抑えることができる。従って、撮像画像において孔部106に起因する低輝度領域を小さくすることができ、ひいては情報コードCの読み取り精度を効果的に高めることができる。なお、図15の構成は、第一照明装置100以外は第1実施形態と同様である。
【0074】
上記実施形態では、「照明手段」の一例として第一照明装置21を例示したが、図16のような第一照明装置200を用いてもよい。この第一照明装置200は、いわゆる同軸落射照明として構成されており、複数のLEDなどからなる照明光源202から発せられ拡散板203にて拡散された照明光をハーフミラー204で反射させて読取口3側に照射している。一方、読取口3内に取り込まれ反射光(情報コードCからの反射光)は、ハーフミラー204を透過してカメラユニット26内の受光センサ28に受光されるようになっている。このようにすると読取口3から均一性の高い光を照射することができるため、均一照明に適した情報コード(例えば光沢面に付された情報コード等)を読み取る場合に有利となる。更に、第1実施形態と同様、各マーカ光照射部50が読取口3の周囲からマーカ光を出射しているため、読取口3の内部側においてマーカ光照射手段によるマーカ光の照射経路と同軸落射照明の照射経路とが干渉せずに済む。なお、図16の構成は、第一照明装置200以外は第1実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0075】
1…光学的情報読取装置
3…読取口
21,100,200…第一照明装置(照明手段)
27…結像レンズ(結像手段)
28…受光センサ(受光手段)
50、150、250、350…マーカ光照射部(マーカ光照射手段)
50a…第一マーカ光照射部(第一マーカ光照射手段)
50b…第二マーカ光照射部(第二マーカ光照射手段)
50c…第三マーカ光照射部(第三マーカ光照射手段)
50d…第四マーカ光照射部(第四マーカ光照射手段)
51、151、251、351…マーカ光源
52、152、252、352…レンズ
102…ドーム部材
104…内壁面
106…孔部
202…照明光源
204…ハーフミラー
C…情報コード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードに対して照明光を照射する照明手段と、
前記情報コードからの反射光を取り込む読取口と、
前記読取口内に取り込まれた前記反射光を結像手段を介して受光する受光手段と、
前記情報コードが付された読取対象に対してマーカ光を照射するマーカ光照射手段と、
を備えた光学的情報読取装置であって、
前記照明手段が、前記読取口を介して前記照明光を照射し、
前記マーカ光照射手段が、前記読取口の周囲から前記マーカ光を照射することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記マーカ光照射手段は、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、
前記レンズは、前記マーカ光源からの前記マーカ光を、少なくとも所定方向に拡がる拡散光に変換して出射することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記レンズは、前記マーカ光源からの前記マーカ光を特定方向に拡散させ、前記特定方向と直交する方向に集光することで、線状の表示ラインを形成可能な前記拡散光を出射することを特徴とする請求項2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、
前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、いずれか一のマーカ光照射手段からの一の拡散光と、他のマーカ光照射手段からの他の拡散光とが前記表示面において重ならず、
前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときには、前記一のマーカ光照射手段からの前記一の拡散光と、前記他のマーカ光照射手段からの前記他の拡散光とが前記表示面において重なることを特徴とする請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記一のマーカ光照射手段は、所定の面方向に沿って拡がる前記一の拡散光を出射し、
前記他のマーカ光出射手段は、前記所定の面方向と交差する交差面方向に沿って拡がる前記他の拡散光を出射し、
前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときに、前記一のマーカ光照射手段からの前記一の拡散光と、前記他のマーカ光出射手段からの前記他の拡散光とが前記表示面において交差することを特徴とする請求項4に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、
それら複数の前記マーカ光照射手段は、第一マーカ光照射手段及び第二マーカ光照射手段からなる第一対と、第三マーカ光照射手段及び第四マーカ光照射手段からなる第二対と、を含んでおり、
前記第一マーカ光照射手段及び前記第二マーカ光照射手段はいずれも第一の面方向に沿って拡がる前記拡散光を出射する構成をなし、
前記第三マーカ光照射手段及び前記第四マーカ光照射手段はいずれも前記第一の面方向と交差する第二の面方向に沿って拡がる前記拡散光を出射する構成をなしており、
前記第一対は、前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときには、前記第一マーカ光照射手段からの第一拡散光と、前記第二マーカ光照射手段からの第二拡散光とが前記表示面において重なり、線状の第一表示ラインを形成可能に構成され、
前記第二対は、前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときには、前記第三マーカ光照射手段からの第三拡散光と、前記第四マーカ光照射手段からの第四拡散光とが前記表示面において重なり、当該表示面において前記第一表示ラインと交わる線状の第二表示ラインを形成可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】
前記マーカ光照射手段は、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、
前記レンズは、前記マーカ光源からの前記マーカ光を平行光に変換して出射することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項8】
前記マーカ光照射手段は、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、
前記レンズは、前記マーカ光源からの前記マーカ光を集光する構成をなし、且つ当該レンズから出射する前記マーカ光の向きが、前記結像手段の光軸に対して傾斜する構成で配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の光学的情報読取装置。
【請求項9】
前記レンズは、前記マーカ光の出射側の面が、前記マーカ光源からの前記マーカ光の出射方向に対して傾斜した傾斜面とされており、前記傾斜面において前記マーカ光を屈折させることで、当該レンズから出射する前記マーカ光の向きを、前記結像手段の光軸に対して傾斜させていることを特徴とする請求項8に記載の光学的情報読取装置。
【請求項10】
前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、
いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向に対し、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向が傾斜し、
且つ、前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、前記第一マーカ光と前記第二マーカ光とが前記表示面において重ならず、
前記読取口と前記情報コードとの距離が前記所定距離を超えるときには、前記第一マーカ光と前記第二マーカ光とが前記表示面において重なるように構成されていることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項11】
前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、
いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向と、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向とが、前記結像レンズの光軸に沿って略平行となるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項7のに記載の光学的情報読取装置。
【請求項12】
前記レンズは、前記マーカ光の出射側の面が、前記マーカ光源からの前記マーカ光の出射方向に対して略直交した直交面とされていることを特徴とする請求項7、8、11のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項13】
前記照明手段は、ドーム部材の内壁面から前記読取口側に間接光を照射するドーム照明であり、
前記受光手段は、前記ドーム部材に形成された孔部を介して前記反射光を受光することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項14】
前記照明手段は、照明光源から発せられた前記照明光をハーフミラーで反射させて前記読取口側に照射する同軸落射照明であり、
前記受光手段は、前記読取口内に取り込まれ且つ前記ハーフミラーを透過した前記反射光を受光することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項1】
情報コードに対して照明光を照射する照明手段と、
前記情報コードからの反射光を取り込む読取口と、
前記読取口内に取り込まれた前記反射光を結像手段を介して受光する受光手段と、
前記情報コードが付された読取対象に対してマーカ光を照射するマーカ光照射手段と、
を備えた光学的情報読取装置であって、
前記照明手段が、前記読取口を介して前記照明光を照射し、
前記マーカ光照射手段が、前記読取口の周囲から前記マーカ光を照射することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記マーカ光照射手段は、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、
前記レンズは、前記マーカ光源からの前記マーカ光を、少なくとも所定方向に拡がる拡散光に変換して出射することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記レンズは、前記マーカ光源からの前記マーカ光を特定方向に拡散させ、前記特定方向と直交する方向に集光することで、線状の表示ラインを形成可能な前記拡散光を出射することを特徴とする請求項2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、
前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、いずれか一のマーカ光照射手段からの一の拡散光と、他のマーカ光照射手段からの他の拡散光とが前記表示面において重ならず、
前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときには、前記一のマーカ光照射手段からの前記一の拡散光と、前記他のマーカ光照射手段からの前記他の拡散光とが前記表示面において重なることを特徴とする請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記一のマーカ光照射手段は、所定の面方向に沿って拡がる前記一の拡散光を出射し、
前記他のマーカ光出射手段は、前記所定の面方向と交差する交差面方向に沿って拡がる前記他の拡散光を出射し、
前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときに、前記一のマーカ光照射手段からの前記一の拡散光と、前記他のマーカ光出射手段からの前記他の拡散光とが前記表示面において交差することを特徴とする請求項4に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、
それら複数の前記マーカ光照射手段は、第一マーカ光照射手段及び第二マーカ光照射手段からなる第一対と、第三マーカ光照射手段及び第四マーカ光照射手段からなる第二対と、を含んでおり、
前記第一マーカ光照射手段及び前記第二マーカ光照射手段はいずれも第一の面方向に沿って拡がる前記拡散光を出射する構成をなし、
前記第三マーカ光照射手段及び前記第四マーカ光照射手段はいずれも前記第一の面方向と交差する第二の面方向に沿って拡がる前記拡散光を出射する構成をなしており、
前記第一対は、前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離を超えるときには、前記第一マーカ光照射手段からの第一拡散光と、前記第二マーカ光照射手段からの第二拡散光とが前記表示面において重なり、線状の第一表示ラインを形成可能に構成され、
前記第二対は、前記読取口と前記情報コードの前記表示面との距離が前記所定距離を超えるときには、前記第三マーカ光照射手段からの第三拡散光と、前記第四マーカ光照射手段からの第四拡散光とが前記表示面において重なり、当該表示面において前記第一表示ラインと交わる線状の第二表示ラインを形成可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】
前記マーカ光照射手段は、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、
前記レンズは、前記マーカ光源からの前記マーカ光を平行光に変換して出射することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項8】
前記マーカ光照射手段は、前記マーカ光を発するマーカ光源と、前記マーカ光源からの光を変換するレンズとを備え、
前記レンズは、前記マーカ光源からの前記マーカ光を集光する構成をなし、且つ当該レンズから出射する前記マーカ光の向きが、前記結像手段の光軸に対して傾斜する構成で配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の光学的情報読取装置。
【請求項9】
前記レンズは、前記マーカ光の出射側の面が、前記マーカ光源からの前記マーカ光の出射方向に対して傾斜した傾斜面とされており、前記傾斜面において前記マーカ光を屈折させることで、当該レンズから出射する前記マーカ光の向きを、前記結像手段の光軸に対して傾斜させていることを特徴とする請求項8に記載の光学的情報読取装置。
【請求項10】
前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、
いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向に対し、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向が傾斜し、
且つ、前記読取口と前記情報コードの表示面との距離が所定距離以内のときには、前記第一マーカ光と前記第二マーカ光とが前記表示面において重ならず、
前記読取口と前記情報コードとの距離が前記所定距離を超えるときには、前記第一マーカ光と前記第二マーカ光とが前記表示面において重なるように構成されていることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項11】
前記マーカ光照射手段が、複数設けられ、
いずれか一のマーカ光照射手段からの第一マーカ光の照射方向と、他のマーカ光照射手段からの第二マーカ光の照射方向とが、前記結像レンズの光軸に沿って略平行となるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項7のに記載の光学的情報読取装置。
【請求項12】
前記レンズは、前記マーカ光の出射側の面が、前記マーカ光源からの前記マーカ光の出射方向に対して略直交した直交面とされていることを特徴とする請求項7、8、11のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項13】
前記照明手段は、ドーム部材の内壁面から前記読取口側に間接光を照射するドーム照明であり、
前記受光手段は、前記ドーム部材に形成された孔部を介して前記反射光を受光することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項14】
前記照明手段は、照明光源から発せられた前記照明光をハーフミラーで反射させて前記読取口側に照射する同軸落射照明であり、
前記受光手段は、前記読取口内に取り込まれ且つ前記ハーフミラーを透過した前記反射光を受光することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−60101(P2011−60101A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210587(P2009−210587)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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