説明

光学的情報読取装置

【課題】二度読み防止機能を好適に解除し得る光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】情報コードが複数の分割領域のいずれかに位置することに基づいて、撮像領域Pに対する当該情報コードのコード位置がコード位置ポイントPを用いて検出される。また、メモリ35に、デコード結果が前回デコード結果として上書きして記憶されるとともに、このデコード結果に対応するコード位置が基準位置ポイントPoとして上書きして記憶される。そして、前回デコード結果に一致しないと判定された情報コードについては、この情報コードのデコード結果が転送され、前回デコード結果に一致すると判定された情報コードについては、撮像領域Sの外縁に向かう方向のコード位置の変化の検出の後にコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoに等しくなる変化が検出されると、二度読み防止が解除されて、この情報コードのデコード結果が転送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二度読み防止機能を有する光学的情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学的情報読取装置には、同一のバーコードを読んでしまう二度読みを防止するために、二度読み防止機能が設けられており、この二度読み防止機能を有する光学的情報読取装置として、下記特許文献1に示すバーコードハンドスキャナが知られている。このバーコードハンドスキャナは、当該バーコードハンドスキャナの移動状態を検出するための加速度計を備えている。
【0003】
上記バーコードハンドスキャナは、バーコードの読み取りが行われてバーコードデータが得られると、バーコードが読まれる前から始まる加速度の変化が第1の所定値以上から第2の所定値以下に変化したかどうかを判定し、この加速度判定がYesとなった場合には、オペレータが同一商品の二度読みを意図して行うためにバーコードハンドスキャナを動かしているとして、得られたバーコードデータを上位装置に送出させる。また、上記加速度判定がNoとなり、得られたバーコードデータが直前に送出したデータと一致しない場合または一致しても規定時間に達している場合には、得られたバーコードデータを上位装置に送出させる。一方、上記加速度判定がNoとなり、得られたバーコードデータが直前に送出したデータと一致するとともに規定時間に達していない場合には、二度読み防止機能を発揮して、得られたバーコードデータが廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願平08−147403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に開示されるような構成では、装置本体の加速度を検知することで二度読み防止機能を解除することができるが、装置本体が固定される据え置き型のような使用条件では、読取対象のみが移動するため、装置本体の加速度を検出しても、二度読み防止機能を適切に解除できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、二度読み防止機能を好適に解除し得る光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報読取装置では、情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された撮像画像に含まれる情報コードをデコードするデコード手段と、前記デコード手段によるデコード結果を用いた所定の処理を実行するための制御手段と、を備える光学的情報読取装置であって、前記撮像画像の撮像領域は、複数の分割領域に区分けされており、前記情報コードが前記複数の分割領域のいずれかに位置することに基づいて、前記撮像領域に対する当該情報コードのコード位置を検出する位置検出手段と、前記制御手段により前記所定の処理が実行されるときのデコード結果が前回デコード結果として上書きして記憶されるとともに、このデコード結果に対応する前記コード位置が前回検出位置として上書きして記憶される記憶手段と、前記デコード手段によるデコード結果が、前記記憶手段に記憶される前記前回デコード結果に一致するか否かについて判定する判定手段と、前記記憶手段に記憶される前記前回検出位置を基準として前記位置検出手段により検出されたコード位置に向かうコード位置の変化を検出する位置変化検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記判定手段により前記前回デコード結果に一致しないと判定された情報コードについては、この情報コードのデコード結果を用いた前記所定の処理を実行し、前記判定手段により前記前回デコード結果に一致すると判定された情報コードについては、前記位置変化検出手段により前記撮像領域の外縁に向かう方向の前記コード位置の変化の検出の後にこの方向と異なる方向への当該コード位置の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた前記所定の処理を実行することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記複数の分割領域には、前記撮像領域の中心から当該撮像領域の外縁に向けて徐々に低くなる重み付けが分割領域ごとにそれぞれ付与されており、前記位置変化検出手段は、前記コード位置の変化として、前記前回検出位置に対応する分割領域の前記重み付けを基準として、前記位置検出手段により検出されたコード位置に対応する分割領域の前記重み付けが低くなる第1の変化と当該分割領域の前記重み付けが高くなる第2の変化とを検出可能に構成され、前記制御手段は、前記判定手段により前記前回デコード結果に一致すると判定される場合、この情報コードについては、前記位置変化検出手段により前記第1の変化が検出された後に前記第2の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた前記所定の処理を実行することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の光学的情報読取装置において、前記前回検出位置は、前記位置検出手段により検出される最も高くなる前記重み付けのコード位置に一致するように前記記憶手段に上書きして記憶されることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記複数の分割領域には、前記前回デコード結果が前記記憶手段に記憶されるごとに、この前回デコード結果に対応する前記前回検出位置を中心に前記撮像領域の外縁に向けて徐々に低くなる重み付けが分割領域ごとにそれぞれ付与され、前記位置変化検出手段は、前記コード位置の変化として、前記前回検出位置に対応する分割領域の前記重み付けを基準として、前記位置検出手段により検出されたコード位置に対応する分割領域の前記重み付けが低くなる第1の変化と当該分割領域の前記重み付けが高くなる第2の変化とを検出可能に構成され、前記制御手段は、前記判定手段により前記前回デコード結果に一致すると判定される場合、この情報コードについては、前記位置変化検出手段により前記第1の変化が検出された後に前記第2の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた前記所定の処理を実行することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記位置変化検出手段により前記第1の変化の検出が継続する場合の継続時間を計時する計時手段を備え、前記制御手段は、前記判定手段により前記前回デコード結果に一致すると判定される場合、この情報コードについては、前記計時手段により計時される前記継続時間が所定時間以上となりその後に前記位置変化検出手段により前記第2の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた前記所定の処理を実行することを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記位置変化検出手段は、前記前回検出位置に対応する分割領域の前記重み付けを基準として、前記位置検出手段により検出されたコード位置に対応する分割領域の前記重み付けが第1の差を超えて低くなる場合に前記第1の変化を検出することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項2〜4および6のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記位置変化検出手段は、前記前回検出位置に対応する分割領域の前記重み付けを基準として、前記位置検出手段により検出されたコード位置に対応する分割領域の前記重み付けが第2の差を超えて高くなる場合に前記第2の変化を検出することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項2〜6のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記重み付けは、数値化されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明では、位置検出手段により、情報コードが複数の分割領域のいずれかに位置することに基づいて、撮像画像に対する当該情報コードのコード位置が検出される。また、記憶手段に、制御手段により所定の処理が実行されるときのデコード結果が前回デコード結果として上書きして記憶されるとともに、このデコード結果に対応するコード位置が前回検出位置として上書きして記憶される。そして、判定手段により前回デコード結果に一致しないと判定された情報コードについては、この情報コードのデコード結果を用いた所定の処理が制御手段により実行され、判定手段により前回デコード結果に一致すると判定された情報コードについては、位置変化検出手段により撮像領域の外縁に向かう方向のコード位置の変化の検出の後にこの方向と異なる方向への当該コード位置の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた所定の処理が制御手段により実行される。
【0016】
これにより、デコード手段によるデコード結果が記憶手段に記憶される前回デコード結果に一致し、位置変化検出手段により撮像領域の外縁に向かう方向のコード位置の変化の検出の後にこの方向と異なる方向への当該コード位置の変化が検出される場合、すなわち、使用者が同じ情報コードを二度読みさせるためにその情報コードを撮像領域の視野内から外す方向に相対移動させた後に再び視野内方に相対移動させる場合には、二度読み防止機能が発揮されることなく、この情報コードのデコード結果を用いた所定の処理が制御手段により実行される。一方、デコード手段によるデコード結果が記憶手段に記憶される前回デコード結果に一致し、位置変化検出手段により撮像領域の外縁に向かう方向のコード位置の変化の検出の後にこの方向と異なる方向への当該コード位置の変化が検出されない場合には、二度読み防止機能が発揮されることとなり、この情報コードのデコード結果を用いた所定の処理が制御手段により実行されることもない。
【0017】
また、撮像画像の撮像領域が複数の分割領域に区分けされて、これら複数の分割領域のいずれかに情報コードが位置することに基づいて、撮像領域に対する当該情報コードのコード位置が検出されるので、複雑な演算処理を実施することなくコード位置を検出することができる。特に、撮像領域に対する情報コードの相対位置を検出するので、携帯型の光学的情報読取装置だけでなく据え置き型の光学的情報読取装置にも採用することができる。
したがって、携帯型または据え置き型の光学的情報読取装置において、二度読み防止機能を好適に解除することができる。
【0018】
請求項2の発明では、複数の分割領域には、撮像領域の中心から当該撮像領域の外縁に向けて徐々に低くなる重み付けが分割領域ごとにそれぞれ付与されている。そして、判定手段により前回デコード結果に一致すると判定された情報コードについては、位置変化検出手段により上記第1の変化が検出された後に上記第2の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた所定の処理が制御手段により実行される。
【0019】
このように、複数の分割領域のそれぞれに重み付けを付与して重み付けの変化でコード位置の変化を検出するため、コード位置の変化を検出するための演算処理を容易に実施することができる。特に、重み付けが撮像領域の中心を基準として付与されるので、重み付けを付与するための演算処理を容易に実施することができる。
【0020】
請求項3の発明では、前回検出位置は、位置検出手段により検出される最も高くなる重み付けのコード位置に一致するように記憶手段に上書きして記憶される。このように、前回検出位置は、最も高くなる重み付けのコード位置、すなわち、使用者が撮像領域の中心と意識しているコード位置に等しくなるように設定されるので、使用者の読取作業を考慮して前回検出位置が設定されることとなり、二度読み防止機能の解除に関する操作性を向上させることができる。
【0021】
請求項4の発明では、複数の分割領域には、前回デコード結果が記憶手段に記憶されるごとに、この前回デコード結果に対応する前回検出位置を中心に撮像領域の外縁に向けて徐々に低くなる重み付けが分割領域ごとにそれぞれ付与される。そして、判定手段により前回デコード結果に一致すると判定された情報コードについては、位置変化検出手段により上記第1の変化が検出された後に上記第2の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた所定の処理が制御手段により実行される。
【0022】
このように、複数の分割領域のそれぞれに重み付けを付与して重み付けの変化でコード位置の変化を検出するため、コード位置の変化を検出するための演算処理を容易に実施することができる。特に、重み付けが前回検出位置を基準としてその都度付与されるので、使用者の読取作業を考慮して重み付けが付与されることとなり、二度読み防止機能の解除に関する操作性を向上させることができる。
【0023】
請求項5の発明では、判定手段により前回デコード結果に一致すると判定される場合、この情報コードについては、計時手段により計時される継続時間が所定時間以上となりその後に位置変化検出手段により第2の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた所定の処理が制御手段により実行される。
【0024】
これにより、手振れ等により位置変化検出手段により検出される重み付けの変化が一時的に上記第1の変化から上記第2の変化に変わっただけでは、二度読み防止機能が解除されないため、上記所定時間を適切に設定することで、不要な二度読み防止機能の解除を防止することができる。
【0025】
請求項6の発明では、前回検出位置に対応する分割領域の重み付けを基準として、位置検出手段により検出されたコード位置に対応する分割領域の重み付けが第1の差を超えて低くなる場合に、上記第1の変化が位置変化検出手段により検出される。
【0026】
これにより、手振れ等により位置変化検出手段により検出される重み付けが、単に前回検出位置に対応する分割領域の重み付けよりも低くなっても、上記第1の差を超えて低くならない限り、二度読み防止機能が解除されないため、上記第1の差を適切に設定することで、不要な二度読み防止機能の解除を防止することができる。
【0027】
請求項7の発明では、前回検出位置に対応する分割領域の重み付けを基準として、位置検出手段により検出されたコード位置に対応する分割領域の重み付けが第2の差を超えて高くなる場合に、上記第2の変化が位置変化検出手段により検出される。
【0028】
これにより、第1の変化の検出後に、手振れ等により位置変化検出手段により検出される重み付けが、単に前回検出位置に対応する分割領域の重み付けよりも高くなっても、上記第2の差を超えて高くならない限り、二度読み防止機能が解除されないため、上記第2の差を適切に設定することで、不要な二度読み防止機能の解除を防止することができる。
【0029】
請求項8の発明では、重み付けは、数値化されているため、重み付けの付与や重み付けの変化を検出するための演算処理を容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1実施形態に係る光学的情報読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図2(A)は、複数の分割領域に区分けされた撮像領域を例示する説明図であり、図2(B)は、デコードされたバーコードのコード位置の変化を例示する説明図である。
【図3】第1実施形態において実施される読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【図4】図3の二度読み解除判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態においてデコードされた情報コードのコード位置ポイントの変化を例示するタイミングチャートである。
【図6】第1実施形態の変形例において複数の分割領域に区分けされた撮像領域を例示する説明図である。
【図7】第2実施形態における二度読み解除判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態においてデコードされた情報コードのコード位置ポイントの変化を例示するタイミングチャートである。
【図9】第3実施形態における二度読み解除判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】第3実施形態においてデコードされた情報コードのコード位置ポイントの変化を例示するタイミングチャートである。
【図11】第4実施形態における二度読み解除判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】第4実施形態においてデコードされた情報コードのコード位置ポイントの変化を例示するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置について図を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、光学的情報読取装置10は、物品に付されたバーコードなどの一次元コードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る装置として構成されている。この光学的情報読取装置10は、図示しないケースの内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、トリガースイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0033】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図1では、バーコードBが付された物品Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。
【0034】
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、バーコードB等に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。なお、受光センサ28は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」に相当し得るものである。
【0035】
結像レンズ27は、外部から読取口(図示略)を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光LfがバーコードBにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0036】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、トリガースイッチ42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。
【0037】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、生成されてメモリ35に入力されると、所定のコード画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0038】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、上述したコード画像情報格納領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理、解析処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0039】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンによって構成されており、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有すると共に、情報処理機能を備えており、メモリ35とともに情報処理装置を構成している。本実施形態では、制御回路40に対し、トリガースイッチ42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0040】
これにより、制御回路40は、例えば、トリガースイッチ42の監視や管理、バーコードBの読み取りに関する情報を報知するインジケータとして機能する発光部43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、当該光学的情報読取装置10の使用者に伝達し得る振動を発生可能なバイブレータ45の駆動制御、液晶表示器46の表示制御や外部装置とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。
【0041】
次に、本第1実施形態における光学的情報読取装置10の制御回路40にて実行される読取処理について図2〜図5を用いて説明する。図2(A)は、複数の分割領域に区分けされた撮像領域Sを例示する説明図であり、図2(B)は、デコードされたバーコードのコード位置の変化を例示する説明図である。図3は、第1実施形態において実施される読取処理の流れを例示するフローチャートである。図4は、図3の二度読み解除判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。図5は、デコードされた情報コードのコード位置ポイントの変化を例示するタイミングチャートである。
【0042】
本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、同一のバーコードを読み取ってしまう二度読みを防止する二度読み防止機能が採用されている。そして、制御回路40にて実行される読取処理では、上記二度読み防止機能を好適に解除するために、前回のデコード結果と同一のデコード結果が得られた場合には、撮像画像の撮像領域Sにおける情報コードの位置変化に応じて、このデコード結果を所定の演算部等に転送するか否かについての判断がなされる。
【0043】
具体的には、撮像画像の撮像領域Sを複数の分割領域に区分けし、この撮像領域Sの中心から外縁に向けて徐々に低くなる重み付けが、分割領域ごとにそれぞれ予め付与されている。本実施形態では、図2(A)に例示するように、重み付けとして、例えば、1〜4のいずれかの数値からなるポイント(以下、コード位置ポイントという)が、撮像領域Sの中心から当該撮像領域Sの外縁に向けて徐々に低くなるように、正方形状に形成される分割領域ごとに付与されている。そして、情報コードが撮像領域Sに占めるコード位置のコード位置ポイントを、その情報コードの中心が位置する分割領域に付与されたコード位置ポイントに等しくなるように設定することで、当該情報コードのコード位置がコード位置ポイントに応じて検出され、コード位置の変化がコード位置ポイントの差に応じて検出される。
【0044】
そして、デコードに成功した情報コードのコード位置ポイントを基準位置ポイント(後述する)として記憶し、前回のデコード結果と一致する情報コードのコード位置ポイントが上記基準位置ポイントに対して所定の変化をした場合に、使用者が同じ情報コードを二度読みさせるための操作をしているとして、上記二度読み防止機能を解除する。
【0045】
以下、上述した二度読み防止機能の解除判定がなされる読取処理について、図3に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
光学的情報読取装置10が電源オン状態になり情報コードを読み取り可能な読取状態になると、まず、ステップS101において、二度読み防止解除処理がなされ、後述するように設定される二度読み防止が解除された状態となる。
【0046】
次に、ステップS103にて撮像処理がなされ、撮像可能範囲内に情報コードが存在する場合には、この情報コードが含まれる撮像画像が撮像される。続いて、ステップS105にてデコード処理がなされ、ステップS103にて撮像された撮像画像に含まれる情報コードに対して公知のデコード処理がなされる。このデコード処理によりデコード結果が得られて読取成功した場合には、ステップS107にてYesと判定される。そして、二度読み防止が解除された状態であれば、ステップS109にてNoと判定されて、ステップS111にて二度読み防止設定処理がなされて、二度読み防止が設定される。なお、ステップS105を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「デコード手段」の一例に相当し得し得る。
【0047】
このように、デコードが成功したことから二度読み防止が設定されると、ステップS113において、前回デコード結果および基準ポイントを設定するための設定処理がなされる。この処理では、ステップS105にてデコードされたデコード結果が前回デコード結果として設定されてメモリ35に上書き状態で記憶され、このデコード結果に対応するコード位置ポイントが基準位置ポイントPoとして設定されてメモリ35に上書き状態で記憶される。なお、メモリ35は、特許請求の範囲に記載の「記憶手段」の一例に相当し得し、前回デコード結果および基準位置ポイントPoは、特許請求の範囲に記載の「前回デコード結果」および「前回検出位置」の一例に相当し得る。
【0048】
続いて、ステップS115にて後述するフラグFが0に設定されると、ステップS117にてデータ転送処理がなされて、上記ステップS105にて得られたデコード結果が有効なデータであるとして、所定の処理を実行する演算部や上位システム等に転送される。このようにデコード結果が転送されると、二度読み防止が設定された状態で、上記ステップS103からの処理が再びなされることとなる。
【0049】
そして、再びステップS103にて情報コードが含まれる撮像画像が撮像されて、ステップS105にてこの撮像画像に含まれる情報コードがデコードされ、このデコードが成功すると、ステップS107にてYesと判定される。この段階では、二度読み防止が設定された状態であるため、ステップS109にてYesと判定されて、ステップS119において、上記ステップS105にてデコードされたデコード結果とメモリ35に記憶される前回デコード結果とが一致するか否かについて判定される。
【0050】
ここで、上記ステップS105にてデコードされたデコード結果と、前回デコード結果とが一致しない場合には、ステップS119にてNoと判定されて、上述したステップS111以降の処理がなされる。これにより、上記ステップS105にてデコードされたデコード結果、すなわち、最新のデコード結果が前回デコード結果として設定されてメモリ35に上書き状態で記憶され、基準位置ポイントPoがこのデコード結果に対応するコード位置ポイントに等しくなるように設定されてメモリ35に上書き状態で記憶される。
【0051】
一方、上記ステップS105にてデコードされたデコード結果と前回デコード結果とが一致する場合には、ステップS119にてYesと判定されて、ステップS121にてポイント取得処理がなされ、上記ステップS105にてデコードされたデコード結果に対応するコード位置のコード位置ポイントPが取得される。なお、ステップS119を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「判定手段」の一例に相当し得し得る。
【0052】
このようにコード位置ポイントPが取得されると、ステップS200において、二度読み解除判定処理がなされる。このサブルーチンでは、まず、図4のステップS201において、フラグFが1に設定されているか否かについて判定され、フラグFが1に設定されていなければ、Noと判定される。次に、ステップS203において、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPがステップS113にて設定された基準位置ポイントPoよりも小さくなる(低くなる)第1の変化が検出されるか否かについて判定される。ここで、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPo以上である場合には、第1の変化が検出されないとしてステップS203にてNoと判定されて、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。
【0053】
一方、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPoよりも小さくなる場合、すなわち、撮像領域Sの外縁に向かう方向にコード位置が変化する場合には、第1の変化が検出されるとしてステップS203にてYesと判定されて、ステップS205にてフラグFがF=1に設定される。このフラグFは、コード位置の変化を示すためのフラグであり、デコードが成功した情報コードが撮像領域Sの外縁に向かう方向に相対移動することが検出される場合(第1の変化が検出される場合)に、F=1に設定される。
【0054】
ここで、フラグFがF=1に設定される場合について、図2(B)を用いて説明する。デコードが成功してデータ転送されたバーコードのコード位置が符号B1で示され、次に撮像されたときにこのバーコードが撮像領域Sの外縁に向かう方向に相対移動して、符号B2で示されるコード位置まで変化した場合を想定する。図2(B)に示す場合には、基準位置ポイントPoは「3」に設定され、コード位置ポイントPは「1」に設定されるので、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPoよりも小さくなるため、デコードが成功した情報コードが撮像領域Sの外縁に向かう方向に相対移動する第1の変化が検出されたとして、フラグFがF=1に設定されることとなる。
【0055】
そして、このようにフラグFがF=1に設定された状態で、再びステップS103からの処理がなされ、ステップS109,S119にてYesと判定されることで、ステップS121にて最新の撮像画像に対するコード位置ポイントPが取得されて、ステップS200にて二度読み解除判定処理がなされると、ステップS201にてYesと判定される。次に、ステップS207にて、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPoに等しくなる第2の変化が検出されるか否かについて判定され、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPoよりも小さい状態が維持される場合には、第2の変化が検出されないとしてステップS207にてNoと判定されて、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。
【0056】
一方、情報コードの相対移動に応じてコード位置ポイントPが高くなり基準位置ポイントPoに等しくなると、第2の変化が検出されるとしてステップS207にてYesと判定されて、ステップS209にて二度読み防止解除処理がなされる。このようにコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoに等しくなる場合には、撮像領域Sの外縁に向かう方向のコード位置の変化(第1の変化)の検出の後に、この方向と異なる方向、具体的には撮像領域Sの中央に向かう方向への当該コード位置の変化(第2の変化)が検出されたと判断できる。このようなコード位置の変化は、使用者が同じ情報コードを二度読みさせるために、情報コードを撮像領域Sの視野内から外す方向に相対移動させた後に再び視野内方に相対移動させたことが想定される。そこで、この場合には、ステップS209にて二度読み防止が解除される。なお、ステップS203,S207を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「位置変化検出手段」の一例に相当し得し得る。
【0057】
ここで、上述したコード位置ポイントPの変化を、図5に示すタイミングチャートを用いて説明する。
図5に例示するように、デコードが成功した情報コードのコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoとして「3」と設定され、このデコード結果が転送された後、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントが「1」となる場合(図5の時間t参照)、すなわち使用者によりこの情報コードが撮像領域Sの外縁に向かう方向に相対移動した場合には、ステップS205にてフラグFがF=1に設定される。そして、フラグFがF=1に設定された後にステップS121にて取得されたコード位置ポイントが「3」となる場合(図5の時間t参照)、すなわち使用者によりこの情報コードが撮像領域Sの中央に向かう方向へ相対移動した場合には、ステップS209にて二度読み防止が解除される。
【0058】
このようにステップS209にて二度読み防止が解除されて二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する場合には、新たに撮像された情報コードがデコード成功すると(S107でYes)、ステップS109にてNoと判定されて、このデコード結果について前回デコード結果と比較されることなく、ステップS111以降の処理がなされることとなる。なお、ステップS209にて二度読み防止が解除される場合には、その後に新たに撮像することなくステップS111以降の処理を実施することで、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPoに等しくなったときのデコード結果を、ステップS117にて転送してもよい。
【0059】
一方、ステップS105におけるデコードが失敗した場合(S107でNo)であって、二度読み防止が設定されている場合(S127でYes)、ステップS103にて撮像された撮像画像に情報コードが撮像されていないことからデコードが失敗していると、ステップS129にてNoと判定される。この場合には、使用者が二度読み防止を解除するために、情報コードが存在しない状態を撮像したと判断して、ステップS131にて二度読み防止が解除される。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、情報コードが複数の分割領域のいずれかに位置することに基づいて、撮像領域Pに対する当該情報コードのコード位置がコード位置ポイントPを用いて検出される。また、メモリ35に、デコード結果が前回デコード結果として上書きして記憶されるとともに、このデコード結果に対応するコード位置が基準位置ポイントPoとして上書きして記憶される。そして、前回デコード結果に一致しないと判定された情報コードについては、この情報コードのデコード結果が転送され、前回デコード結果に一致すると判定された情報コードについては、撮像領域Sの外縁に向かう方向のコード位置の変化(第1の変化)の検出の後にコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoに等しくなる変化(第2の変化)が検出されると、二度読み防止が解除されて、この情報コードのデコード結果が転送される。
【0061】
これにより、デコード結果がメモリ35に記憶される前回デコード結果に一致し、第1の変化の検出の後に第2の変化が検出される場合、すなわち、使用者が同じ情報コードを二度読みさせるためにその情報コードを撮像領域の視野内から外す方向に相対移動させた後に再び視野内方に相対移動させる場合には、二度読み防止機能が発揮されることなく、この情報コードのデコード結果が転送される。一方、デコード結果がメモリ35に記憶される前回デコード結果に一致し、第1の変化の検出およびこの第1の変化の検出後における第2の変化が検出されない場合には、二度読み防止機能が発揮されることとなり、この情報コードのデコード結果が転送されることもない。
【0062】
また、撮像画像の撮像領域Sが複数の分割領域に区分けされて、これら複数の分割領域のいずれかに情報コードが位置することに基づいて、撮像領域Sに対する当該情報コードのコード位置が検出されるので、複雑な演算処理を実施することなくコード位置を検出することができる。特に、撮像領域Sに対する情報コードの相対位置を検出するので、携帯型の光学的情報読取装置だけでなく据え置き型の光学的情報読取装置にも採用することができる。
したがって、携帯型または据え置き型の光学的情報読取装置において、二度読み防止機能を好適に解除することができる。
【0063】
また、撮像領域Sにおける複数の分割領域には、撮像領域Sの中心から当該撮像領域Sの外縁に向けて徐々に低くなる重み付けとして1〜4のいずれかの数値からなるポイントが分割領域ごとにそれぞれ付与されている。そして、前回デコード結果に一致すると判定された情報コードについては、上記第1の変化が検出された後に上記第2の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果が転送される。
【0064】
このように、複数の分割領域のそれぞれに重み付けを付与して、重み付けの変化でコード位置の変化を検出するため、コード位置の変化を検出するための演算処理を容易に実施することができる。特に、重み付けが撮像領域Sの中心を基準として付与されるので、重み付けを付与するための演算処理を容易に実施することができる。
【0065】
特に、重み付けは、コード位置ポイントPを用いて数値化されているため、重み付けの付与や重み付けの変化を検出するための演算処理を容易に実施することができる。
【0066】
また、上述のようにコード位置ポイントPを用いてコード位置の変化を検出するため、図2(B)に示すように、撮像領域S内に情報コードと区別しにくい模様等(図2(B)にて符号Xにて示す)が撮像される場合でも、この影響をうけることなく、二度読み防止機能を好適に解除することができる。
【0067】
図6は、第1実施形態の変形例において複数の分割領域に区分けされた撮像領域Sを例示する説明図である。
第1実施形態の変形例として、上述したステップS113において、複数の分割領域には、前回デコード結果がメモリ35に記憶されるごとに、この前回デコード結果に対応するコード位置を中心に撮像領域Sの外縁に向けて徐々に低くなる重み付けとしてコード位置ポイントPが分割領域ごとにそれぞれ都度付与されてもよい。
【0068】
例えば、図6に例示するように、前回デコード結果がメモリ35に記憶された情報コード(図6では符号B1にて示す)を中心に、コード位置ポイントPが、撮像領域Sの外縁に向けて徐々に低くなるように分割領域ごとにそれぞれ付与される。
【0069】
このように、複数の分割領域のそれぞれにコード位置ポイントP(重み付け)を付与してコード位置ポイントPの変化でコード位置の変化を検出しても、コード位置の変化を検出するための演算処理を容易に実施することができる。特に、コード位置ポイントPが前回デコード結果に対応するコード位置を基準としてその都度各分割領域に対してそれぞれ付与されるので、使用者の読取作業を考慮してコード位置ポイントP(重み付け)が付与されることとなり、二度読み防止機能の解除に関する操作性を向上させることができる。
【0070】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光学的情報読取装置10について図7および図8を参照して説明する。図7は、第2実施形態における二度読み解除判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。図8は、第2実施形態においてデコードされた情報コードのコード位置ポイントの変化を例示するタイミングチャートである。
【0071】
本第2実施形態に係る光学的情報読取装置10では、使用者の読取作業を考慮して基準位置ポイントPoを都度更新するために、上述した二度読み解除判定処理のサブルーチンについて図4に示すフローチャートに代えて図7に示すフローチャートに基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と主に異なる。したがって、上述した第1実施形態の光学的情報読取装置と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0072】
本第2実施形態の読取処理における特徴的部分は、上記第1実施形態と異なり、基準位置ポイントPoは、前回デコード結果がメモリ35に記憶された後も更新され、その後に検出される最も高いコード位置ポイントPに一致するように設定されることにある。
【0073】
以下、本第2実施形態における二度読み解除判定処理のサブルーチンについて、図7のフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態における読取処理と同様に、二度読み防止設定中でありデコードが成功した情報コードのデコード結果がメモリ35に記憶される前回デコード結果に一致する場合には(S109,S119でYes)、ステップS121にて最新の撮像画像に対するコード位置ポイントPが取得されて、ステップS200にて二度読み解除判定処理がなされる。本実施形態におけるサブルーチンでは、まず、図7のステップS201において、フラグFがF=1に設定されているか否かについて判定され、フラグFがF=1に設定されていない場合には、Noと判定される。
【0074】
次に、ステップS203において、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoよりも小さくなる(低くなる)第1の変化が検出されるか否かについて判定される。ここで、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPo以上である場合には、第1の変化が検出されないとしてステップS203にてNoと判定される。
【0075】
続いて、ステップS211にて、基準位置ポイント再設定処理がなされる。この処理では、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPに等しくなるように基準位置ポイントPoが再設定される。このように基準位置ポイントPoが再設定されると、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。そして、上記第1実施形態と同様に、ステップS103からの処理がなされて、ステップS121にて最新の撮像画像に対するコード位置ポイントPが取得されると、再び、ステップS200にて二度読み解除判定処理がなされる。
【0076】
そして、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoよりも小さくなる(低くなる)第1の変化が検出されるまで、ステップS211にて基準位置ポイントPoが再設定される処理が繰り返される。すなわち、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPo以上である場合にこのコード位置ポイントPに等しくなるように基準位置ポイントPoが再設定されるため、コード位置ポイントPが前回のコード位置ポイントPよりも低くなるまで(コード位置ポイントPの上昇が停止するまで)、基準位置ポイントPoが再設定される処理が繰り返されることとなる。
【0077】
そして、デコード結果転送後に、使用者により撮像領域Sの中央に向かう情報コードの相対移動が止まり、撮像領域Sの外縁に向かう方向にコード位置が変化すると、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoよりも小さくなるため、第1の変化が検出されたとしてステップS203にてYesと判定されて、ステップS205にて、フラグFがF=1に設定される。
【0078】
このようにフラグFがF=1に設定された状態で、再びステップS103からの処理がなされ、ステップS109,S119にてYesと判定されることで、ステップS121にて最新の撮像画像に対するコード位置ポイントPが取得されて、ステップS200にて二度読み解除判定処理がなされると、ステップS201にてYesと判定される。そして、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPoに等しくなる第2の変化が検出されると、ステップS207にてYesと判定されて、ステップS209にて二度読み防止が解除されて、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。
【0079】
ここで、上述したコード位置ポイントPの変化を、図8に示すタイミングチャートを用いて説明する。
図8に例示するように、デコード結果が転送された情報コードのコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoとして「3」と設定された後も、使用者により情報コードが撮像領域Sの中央に向かう方向へ相対移動することでステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが「4」になると(図8の時間t参照)、コード位置ポイントP(「4」)が基準位置ポイントPoとして設定される。
【0080】
そして、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントが「1」となる場合(図8の時間t参照)、すなわち使用者により撮像領域Sの中央に向かう情報コードの相対移動が止まりこの情報コードが撮像領域Sの外縁に向かう方向に相対移動した場合には、ステップS205にてフラグFがF=1に設定される。そして、フラグFがF=1に設定された後にステップS121にて取得されたコード位置ポイントが「4」となる場合(図8の時間t参照)、すなわち二度読みをする使用者によりこの情報コードが撮像領域Sの中央に向かう方向へ再び相対移動した場合には、ステップS209にて二度読み防止が解除される。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、前回デコード結果がメモリ35に記憶されると、基準位置ポイントPoは、その後に取得(検出)される最も高いコード位置ポイントPに一致するように設定される。
【0082】
このように、基準位置ポイントPoは、最も高くなるコード位置ポイントP、すなわち、使用者が撮像領域Sの中心と意識しているコード位置に等しくなるように設定されるので、使用者の読取作業を考慮して基準位置ポイントPoが設定されることとなり、二度読み防止機能の解除に関する操作性を向上させることができる。
【0083】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る光学的情報読取装置10について図9および図10を参照して説明する。図9は、第3実施形態における二度読み解除判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。図10は、第3実施形態においてデコードされた情報コードのコード位置ポイントの変化を例示するタイミングチャートである。
【0084】
本第3実施形態に係る光学的情報読取装置10では、一時的なコード位置ポイントの変化では二度読み防止機能を解除しないために、上述した読取処理に関して図4に示すフローチャートに代えて図9に示すフローチャートに基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と主に異なる。したがって、上述した第1実施形態の光学的情報読取装置と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0085】
本第3実施形態の読取処理における特徴的部分は、上記第1実施形態と異なり、前回デコード結果に一致すると判定される場合、この情報コードについては、上記第1の変化の検出が所定時間継続した後に上記第2の変化が検出されると、二度読み防止が解除されることにある。
【0086】
以下、本第3実施形態における二度読み解除判定処理のサブルーチンについて、図9のフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態における読取処理と同様に、二度読み防止設定中でありデコードが成功した情報コードのデコード結果がメモリ35に記憶される前回デコード結果に一致する場合には(S109,S119でYes)、ステップS121にて最新の撮像画像に対するコード位置ポイントPが取得されて、ステップS200にて二度読み解除判定処理がなされる。本実施形態におけるサブルーチンでは、まず、図9のステップS201において、フラグFがF=1に設定されているか否かについて判定され、フラグFがF=1に設定されていない場合には、Noと判定される。
【0087】
このとき、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoよりも小さくなる(低くなる)第1の変化が検出されると、ステップS203にてYesと判定されて、ステップS213にて計時処理がなされ、第1の変化が最初に検出されてからの継続時間Tの計時が開始される。そして、継続時間Tが所定時間To以上となるまで、ステップS215にてNoと判定されて、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。ここで、所定時間Toは、一時的なコード位置ポイントの変化では二度読み防止機能を解除しないために設定される時間であり、例えば1秒に設定されている。
【0088】
そして、第1の変化が継続して検出され(S203でYes)、この第1の変化が継続する経過時間Tが所定時間To以上となると、ステップS215にてYesと判定されて、ステップS205にてフラグFがF=1に設定されて、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。このようにフラグFがF=1に設定された状態で、再びステップS103からの処理がなされ、ステップS109,S119にてYesと判定されることで、ステップS121にて最新の撮像画像に対するコード位置ポイントPが取得されて、ステップS200にて二度読み解除判定処理がなされると、ステップS201にてYesと判定される。そして、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPoに等しくなる第2の変化が検出されると、ステップS207にてYesと判定されて、ステップS209にて二度読み防止が解除されて、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。
【0089】
一方、第1の変化が継続する経過時間Tが所定時間To以上となる前に、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPoより以上となると、ステップS217にて経過時間Tが0に設定され、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。
【0090】
ここで、上述したコード位置ポイントPの変化を、図10に示すタイミングチャートを用いて説明する。
図10に例示するように、デコード結果が転送された情報コードのコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoとして「3」と設定された後にステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoよりも小さくなる(低くなる)第1の変化が検出されても(図10の時間t参照)、この第1の変化の検出が継続しない場合には、第1の変化の検出後に第2の変化が検出されてもデコード結果が転送されることはない。
【0091】
そして、第1の変化が検出された後に(図10の時間t参照)、経過時間Tが所定時間To以上となり(図10の時間t参照)、この第1の変化の検出が所定時間継続する場合には(S215でYes)、ステップS205にてフラグFがF=1に設定される。そして、フラグFがF=1に設定された後にステップS121にて取得されたコード位置ポイントが「3」となる場合(図10の時間t参照)、すなわち二度読みをする使用者によりこの情報コードが撮像領域Sの中央に向かう方向へ再び相対移動した場合には、ステップS209にて二度読み防止が解除される。
【0092】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、第1の変化が最初に検出されてからの継続時間Tが所定時間To以上となりその後に第2の変化が検出されると、二度読み防止が解除されてデコード結果が転送される。
【0093】
これにより、手振れ等により検出されるコード位置ポイントP(重み付け)の変化が一時的に上記第1の変化から上記第2の変化に変わっただけでは、二度読み防止機能が解除されないため、上記所定時間Toを適切に設定することで、不要な二度読み防止機能の解除を防止することができる。
【0094】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る光学的情報読取装置10について図11および図12を参照して説明する。図11は、第4実施形態における二度読み解除判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。図12は、第4実施形態においてデコードされた情報コードのコード位置ポイントの変化を例示するタイミングチャートである。
【0095】
本第4実施形態に係る光学的情報読取装置10では、一時的なコード位置ポイントの変化では二度読み防止機能を解除しないために、上述した読取処理に関して図4に示すフローチャートに代えて図11に示すフローチャートに基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と主に異なる。したがって、上述した第1実施形態の光学的情報読取装置と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0096】
本第4実施形態の読取処理における特徴的部分は、上記第1実施形態と異なり、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが、ステップS113にて設定された基準位置ポイントPoに対して、後述する第1の差を超えて小さくなる場合に上記第1の変化が検出され、後述する第2の差を超えて大きくなる場合に上記第2の変化が検出されることにある。
【0097】
以下、本第4実施形態における二度読み解除判定処理のサブルーチンについて、図11のフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態における読取処理と同様に、二度読み防止設定中でありデコードが成功した情報コードのデコード結果がメモリ35に記憶される前回デコード結果に一致する場合には(S109,S119でYes)、ステップS121にて最新の撮像画像に対するコード位置ポイントPが取得されて、ステップS200にて二度読み解除判定処理がなされる。本実施形態におけるサブルーチンでは、まず、図11のステップS219において、閾値設定処理がなされる。この処理では、ステップS113にて設定された基準位置ポイントPoを基準に、第1の差だけ減算された第1閾値Pと、第2の差だけ減算された第2閾値Pとが設定される。本実施形態では、例えば、第1の差は、1を超え2未満となる値に設定され、第2の差は、0を超え1未満となる値に設定されている。
【0098】
このように第1閾値Pおよび第2閾値Pが設定されると、ステップS201において、フラグFがF=1に設定されているか否かについて判定され、フラグFがF=1に設定されていない場合には、Noと判定される。
【0099】
続いて、ステップS203aにて、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが第1閾値Pよりも小さくなる(低くなる)第1の変化が検出されるか否かについて判定される。ここで、コード位置ポイントPが第1閾値P以上である場合には、第1の変化が検出されないとしてステップS203にてNoと判定されて、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。
【0100】
一方、コード位置ポイントPが第1閾値Pよりも小さくなる場合には、第1の変化が検出されるとしてステップS203aにてYesと判定されて、ステップS205にてフラグFがF=1に設定されて、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。
【0101】
このようにフラグFがF=1に設定されていることからステップS201にてYesと判定されると、ステップS207aにて、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが第2閾値Pよりも大きくなる(高くなる)第2の変化が検出されるか否かについて判定される。ここで、コード位置ポイントPが第2閾値P以下である場合には、第2の変化が検出されないとしてステップS207aにてNoと判定されて、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。
【0102】
一方、コード位置ポイントPが第2閾値Pよりも大きくなる場合には、第2の変化が検出されるとしてステップS207aにてYesと判定されて、ステップS209にて二度読み防止が解除されて、二度読み解除判定処理のサブルーチンが終了する。
【0103】
ここで、上述したコード位置ポイントPの変化を、図12に示すタイミングチャートを用いて説明する。
図12に例示するように、デコード結果が転送された情報コードのコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoとして「3」と設定された後にステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoよりも小さくなっても(図12の時間t参照)、第1閾値Pよりも小さくならない場合には、上記第1の変化が検出されず二度読み防止が解除されることはない。
【0104】
そして、コード位置ポイントPが第1閾値Pよりも小さくなる第1の変化が検出された後(図12の時間t参照)、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが上昇しても(図12の時間t参照)、第2閾値Pよりも大きくならない場合には、上記第2の変化が検出されず二度読み防止が解除されることはない。そして、第1の変化の検出後に、コード位置ポイントPが第2閾値Pよりも大きくなり(図12の時間t参照)、第2の変化が検出されると(S207aでYes)、ステップS209にて二度読み防止が解除される。
【0105】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、ステップS113にて設定された基準位置ポイントPoを基準として、第1閾値Pが設定され、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが、第1閾値Pを超えて低くなる場合(基準位置ポイントPoを基準に上記第1の差を超えて低くなる場合)に、上記第1の変化が検出される。
【0106】
これにより、手振れ等によりステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが、単に基準位置ポイントPoよりも低くなっても、第1閾値P(上記第1の差)を超えて低くならない限り、二度読み防止機能が解除されないため、第1閾値P(上記第1の差)を適切に設定することで、不要な二度読み防止機能の解除を防止することができる。
【0107】
また、ステップS113にて設定された基準位置ポイントPoを基準として、第2閾値Pが設定され、ステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが、第2閾値Pを超えて高くなる場合(基準位置ポイントPoを基準に上記第2の差を超えて高くなる場合)に、上記第2の変化が検出される。
【0108】
これにより、第1の変化の検出後に、手振れ等によりステップS121にて取得されたコード位置ポイントPが、単に基準位置ポイントPoよりも高くなっても、第2閾値P(上記第2の差)を超えて高くならない限り、二度読み防止機能が解除されないため、第2閾値P(上記第2の差)を適切に設定することで、不要な二度読み防止機能の解除を防止することができる。
【0109】
なお、本実施形態では、ステップS219にて第1閾値Pおよび第2閾値Pの双方を設定したが、これに限らず、どちらか一方のみが設定されてもよい。例えば、第1閾値Pのみが設定される場合には、ステップS207aおける判定処理に代えて上述したステップS207における判定処理が実施される。また、第2閾値Pのみが設定される場合には、ステップS203aおける判定処理に代えて上述したステップS203における判定処理が実施される。
【0110】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)撮像領域Sの各分割領域には、重み付けとして1〜4のいずれかの数値からなるポイントが付与されることに限らず、最大値が5以上となる複数種類の数値からなるポイントが付与されてもよい。また、重み付けは、上述のように数値化されることに限らず、例えば、A〜Dを用いた4段階の重み付けや、複数段階の重み付けがなされてもよい。
【0111】
(2)撮像領域Sは、正方形状に形成される複数の分割領域から構成されることに限らず、例えば、長方形状に形成される複数の分割領域や複数種類の形状にて形成される複数の分割領域から構成されてもよい。
【0112】
(3)二度読み防止が解除された状態では、デコード結果を転送する処理がなされることに限らず、当該デコード結果を用いた所定の処理が制御回路40等により実行されてもよい。
【0113】
(4)ステップS207では、ステップS121にて取得されるコード位置ポイントPが基準位置ポイントPoに等しくなる場合に第2の変化を検出することに限らず、コード位置ポイントPが基準位置ポイントPo以上となる場合に第2の変化を検出してもよい。
【符号の説明】
【0114】
10…光学的情報読取装置
35…メモリ(記憶手段)
40…制御回路(制御手段,デコード手段,判定手段,位置変化検出手段)
P…コード位置ポイント
Po…基準位置ポイント
…第1閾値
…第2閾値
S…撮像領域
T…継続時間
To…所定時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像に含まれる情報コードをデコードするデコード手段と、
前記デコード手段によるデコード結果を用いた所定の処理を実行するための制御手段と、
を備える光学的情報読取装置であって、
前記撮像画像の撮像領域は、複数の分割領域に区分けされており、
前記情報コードが前記複数の分割領域のいずれかに位置することに基づいて、前記撮像領域に対する当該情報コードのコード位置を検出する位置検出手段と、
前記制御手段により前記所定の処理が実行されるときのデコード結果が前回デコード結果として上書きして記憶されるとともに、このデコード結果に対応する前記コード位置が前回検出位置として上書きして記憶される記憶手段と、
前記デコード手段によるデコード結果が、前記記憶手段に記憶される前記前回デコード結果に一致するか否かについて判定する判定手段と、
前記記憶手段に記憶される前記前回検出位置を基準として前記位置検出手段により検出されたコード位置に向かうコード位置の変化を検出する位置変化検出手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記判定手段により前記前回デコード結果に一致しないと判定された情報コードについては、この情報コードのデコード結果を用いた前記所定の処理を実行し、
前記判定手段により前記前回デコード結果に一致すると判定された情報コードについては、前記位置変化検出手段により前記撮像領域の外縁に向かう方向の前記コード位置の変化の検出の後にこの方向と異なる方向への当該コード位置の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた前記所定の処理を実行することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記複数の分割領域には、前記撮像領域の中心から当該撮像領域の外縁に向けて徐々に低くなる重み付けが分割領域ごとにそれぞれ付与されており、
前記位置変化検出手段は、前記コード位置の変化として、前記前回検出位置に対応する分割領域の前記重み付けを基準として、前記位置検出手段により検出されたコード位置に対応する分割領域の前記重み付けが低くなる第1の変化と当該分割領域の前記重み付けが高くなる第2の変化とを検出可能に構成され、
前記制御手段は、
前記判定手段により前記前回デコード結果に一致すると判定される場合、この情報コードについては、前記位置変化検出手段により前記第1の変化が検出された後に前記第2の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた前記所定の処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記前回検出位置は、前記位置検出手段により検出される最も高くなる前記重み付けのコード位置に一致するように前記記憶手段に上書きして記憶されることを特徴とする請求項2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記複数の分割領域には、前記前回デコード結果が前記記憶手段に記憶されるごとに、この前回デコード結果に対応する前記前回検出位置を中心に前記撮像領域の外縁に向けて徐々に低くなる重み付けが分割領域ごとにそれぞれ付与され、
前記位置変化検出手段は、前記コード位置の変化として、前記前回検出位置に対応する分割領域の前記重み付けを基準として、前記位置検出手段により検出されたコード位置に対応する分割領域の前記重み付けが低くなる第1の変化と当該分割領域の前記重み付けが高くなる第2の変化とを検出可能に構成され、
前記制御手段は、
前記判定手段により前記前回デコード結果に一致すると判定される場合、この情報コードについては、前記位置変化検出手段により前記第1の変化が検出された後に前記第2の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた前記所定の処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記位置変化検出手段により前記第1の変化の検出が継続する場合の継続時間を計時する計時手段を備え、
前記制御手段は、
前記判定手段により前記前回デコード結果に一致すると判定される場合、この情報コードについては、前記計時手段により計時される前記継続時間が所定時間以上となりその後に前記位置変化検出手段により前記第2の変化が検出されると、この情報コードのデコード結果を用いた前記所定の処理を実行することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記位置変化検出手段は、前記前回検出位置に対応する分割領域の前記重み付けを基準として、前記位置検出手段により検出されたコード位置に対応する分割領域の前記重み付けが第1の差を超えて低くなる場合に前記第1の変化を検出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】
前記位置変化検出手段は、前記前回検出位置に対応する分割領域の前記重み付けを基準として、前記位置検出手段により検出されたコード位置に対応する分割領域の前記重み付けが第2の差を超えて高くなる場合に前記第2の変化を検出することを特徴とする請求項2〜4および6のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項8】
前記重み付けは、数値化されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−190122(P2012−190122A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51387(P2011−51387)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】