説明

光学的情報読取装置

【課題】ケーブルの端部付近でケースを容易に開閉しうる構成を、部品点数を抑えて実現でき、且つケースとケーブルとを組み付ける部分及びその付近をより強化しうる構成を提供する。
【解決手段】光学的情報読取装置1では、剛性の高い把持部3bに固定される固定部材70によって把持部3bに対するケーブル90の組み付け、及び把持部3bに対する端部ピース50の組み付けを保持している。また、端部ピース50が把持部3bの先端側に配置されており、ケーブル延出側からケース2が落下した際にはこの端部ピース50によって落下時の衝撃を受けることができるようになっている。更に、係合孔56a,56bと係合爪10a,10bとの係合により端部ピース50が把持部3bの先端側に固定され、係合片76a,76bを把持部3bの先端側に係合させることで固定部材70が把持部3bに固定されており、ネジレス化が図られている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バーコード等の情報コードを読み取る光学的情報読取装置は、ケース内にケーブルが挿通された構成のものが広く提供されている。例えば、特許文献1にはいわゆるペンタイプ型のバーコードスキャナに関する技術が開示されており、この技術では、ケーブル(3)を挿通したケーブル押え部材(2)をスキャナケース(1)の端部に挿入し、クリック係合爪(2a)を係合部(1a)にクリック式に係合させ、同時に周り止め凸部(2b)がスキャナケース(1)の凹部(1b)に係合するようになっている。これにより、ケーブル押え部材(2)の抜け防止及び回り止めが行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−20156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したようにケースからケーブルを延出させる構造を用いる場合、メンテナンス時や組み立て時などにユーザがケーブル端部(即ち、ケーブルをケース内のコネクタ等に接続する部分)に容易にアクセスできるようにするため、ケーブル端部付近においてケースが開閉可能となっていることが望ましい。しかしながら、特許文献1の構成では、ケーブル(3)をケース(1)に固定する部分がケーブルブッシュ(13)で覆われ、ケーブル(3)の固定位置がケース内の奥深くになっており、ケーブルブッシュ(13)を開閉させるための構造も何ら開示されていないため、ケーブル端部付近に容易にアクセスしうるものであるとは言えない。
【0005】
一方、ケーブルの端部付近においてケースを開閉可能とする構造としては、ケースの端部を開口状に構すると共に、この開口部に対して蓋状のボトムピースをねじ等によって開閉可能に取り付け、このボトムピースにケーブルを挿し通すように固定するような構造が考えられる。しかしながら、この構造の場合、ボトムピースを組み付ける際にはねじ締め作業が必要となり、ボトムピースを取り外す際にはねじの取り外し作業が必要となるため、ボトムピースの組み付け作業や取り外し作業に時間がかかってしまうという問題がある。また、ケースやボトムピースとは別部材としてネジやナットなどが必要となるため、部品点数の増大を招くという問題もある。
【0006】
このような問題に対し、ネジやナットなどを省略してネジレス化を図ることも考えられるが、ネジレス化を図る場合、ケーブルをケースに強固に固定し、且つケースの端部側(ケーブルが延出する側)を強化しうる構成を如何に実現するかが問題となる。例えば、ユーザがケースを把持して情報コードの読み取り動作を行うときには、ケースを様々な方向に動かすことが想定され、その際にはケース側でケーブルを引っ張るような荷重が加わるため、このような引っ張り荷重が生じるときでもケーブル端部の電気的接続部分(コネクタ等)に力が加わりにくくなるようにケーブルがケースに強固に固定されていることが望ましい。また、使用時にはケースを誤って落下させてしまうことも想定され、その際、ケーブルが延出する側から落下してしまうこともありうるため、ケースとケーブルとを組み付ける部分及びその付近において、このような衝撃に対する耐久性が求められる。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ケースからケーブルを延出させ、ケーブルの端部をケースに組み付ける構造の光学的情報読取装置において、ケーブルの端部付近でケースを容易に開閉しうる構成を、部品点数を抑えて実現でき、且つケースとケーブルとを組み付ける部分及びその付近をより強化しうる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る光学的情報読取装置は、所定方向に延びる把持部を備えると共に、前記把持部の先端側に孔部が形成され、前記孔部の周囲に係合部が形成されたケースと、
貫通孔を備えると共に、前記貫通孔の開口の周囲に被係合部が形成され、前記被係合部が前記係合部と係合することにより前記把持部の先端側に固定される端部ピースと、
筒状に形成された筒状部と、前記筒状部の一端側に設けられた係合片とを備え、前記筒状部が前記端部ピースの前記貫通孔内に挿し通された状態で前記係合片が前記把持部の先端側に係合するように前記把持部に固定される固定部材と、
前記固定部材の前記筒状部内に挿し通されると共に前記把持部の前記孔部内に挿し通され、端部側が前記把持部内に組み付けられるケーブルと、
を備え、
前記把持部に固定される前記固定部材が、前記把持部に対する前記ケーブルの組み付け、及び前記把持部に対する前記端部ピースの組み付けを保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、剛性の高い把持部に対して固定部材を固定しているため、固定部材をケースに安定的に取り付けることができる。そして、このように安定的に固定される固定部材によって把持部に対するケーブルの組み付け、及び把持部に対する端部ピースの組み付けを保持しているため、ケースに対してケーブルを強固に固定することができ、且つ端部ピースを把持部に安定的に保持することができる。また、把持部の先端側に、把持部とは別部材として構成される端部ピースが配置され、ケーブル延出側からケースが落下した際にはこの端部ピースによって落下時の衝撃を受けることができるようになっているため、端部ピースによって把持部側への衝撃の伝播を緩和することができる。
また、被係合部と係合部との係合により端部ピースが把持部の先端側に固定されているため、端部ピースの固定に関してネジレス化が図られ、筒状部の一端側に設けられた係合片を把持部の先端側に係合させることで固定部材が把持部に固定されているため、固定部材の固定に関してもネジレス化が図られている。従って、ケーブルの端部付近でケースを容易に開閉しうる構成を、部品点数を抑えて実現できる。
【0010】
請求項2の発明では、係合部が、把持部の先端側から延出する係合爪によって構成され、被係合部は、係合爪が挿入される係合孔によって構成されている。そして、係合爪が係合孔に挿入されたときに、係合爪に形成された突起部が係合孔の周縁部に係止するように構成され、その係止状態から係合爪が貫通孔側に傾倒することで係止状態が解除されるようになっており、固定部材は、把持部に組み付けられたときに係合爪が貫通孔側へ傾倒しないように規制するようになっている。
この構成では、係合爪が係合孔に挿入され、且つ突起部が係合孔の周縁部に係止するような係合構造であるため、端部ピースをより安定的に把持部に係合させることができる。また、固定部材が固定されているときには、係合爪が貫通孔側へ傾倒しないように規制され、突起部と係合孔の周縁部との係止状態が解除されないように維持されるため、固定部材を取り外さない限り、係合爪と係合孔とがより確実に係合し続け、端部ピースが把持部に安定的に保持されることになる。
【0011】
請求項3の発明では、ケースにおいて、把持部の一部をなす第1ケース体と、第1ケース体に組み付けられると共に把持部の他部をなす第2ケース体とが設けられており、第1ケース体における把持部の先端側を構成する部分と、第2ケース体における把持部の先端側を構成する部分とによって孔部が構成されている。
更に、孔部の周囲には、第1ケース体の一端側から延出するように形成された第1ピンと、第2ケース体の一端側から延出するように形成された第2ピンとが設けられ、端部ピースにおける貫通孔の周囲には、第1ピンが挿入される第1挿入孔と第2ピンが挿入される第2挿入孔とが形成されている。
そして、第1ピンが第1挿入孔に挿入され、第2ピンが第2挿入孔に挿入されることで、把持部の先端側において第1ケース体と第2ケース体とが結合状態で保持されるようになっている。
この構成では、分割されたケース構造を採用しているため、ケース内に電子部品を収容し、組み付ける作業をより行いやすくなる。また、第1ケース体側の第1ピンが第1挿入孔に挿入され、第2ケース体側の第2ピンが第2挿入孔に挿入されることで把持部の先端側において第1ケース体と第2ケース体とが結合状態で保持されるようになっているため、端部ピースを利用して両ケースの端部側(孔部側)を強固に結合することができる。
【0012】
請求項4の発明では、端部ピースがケースよりも柔軟な材料によって構成されている。
このように、把持部の先端側に配置される端部ピースをケースよりも柔軟な材料によって構成すれば、ケーブル延出側からケースが落下した際に、端部ピースによって落下時の衝撃をより吸収することができ、把持部側への衝撃の伝播をより一層緩和することができる。
【0013】
請求項5の発明において、固定部材は、把持部の先端側の外壁部と端部ピースとを貫通孔の孔方向に挟み込むように把持部に固定されるようになっている。
この構成によれば、端部ピースを把持部に対してより強固に密着させることができ、貫通孔の孔方向(軸方向)における連結の安定化を図ることができる。
【0014】
請求項6の発明において、ケーブルの端部側には、当該ケーブルの軸半径方向に張り出すフランジ部と、フランジ部の外周部から外側にそれぞれ張り出す第1突起及び第2突起が形成され、孔部を介して、フランジ部、第1突起、及び第2突起が把持部内に出し入れ可能とされており、
孔部には、フランジ部が当該孔部内に出し入れされる際に第1突起が通過する第1切欠部と第2突起が通過する第2切欠部とが形成されており、
第1突起の方が第2突起よりも周方向の幅が大きくなっており、第2切欠部の周方向の幅が第1突起の周方向の幅よりも小さくなっている。
このようにすると、第1突起を第1切欠部を通し、第2突起を第2切欠部を通すような向きで孔部に対してケーブルを挿入する必要があり、第1突起を第2切欠部に通そうとする向きではケーブルを挿入できないため、ケーブルが所望の向きで挿入されやすくなり、誤った向きで挿入されようとした場合にはフランジ部の挿入前に把握することができる。
【0015】
請求項7の発明において、ケーブルの端部側には、当該ケーブルの軸半径方向に張り出すフランジ部と、フランジ部の外周部から外側にそれぞれ張り出す第1突起及び第2突起が形成され、貫通孔を介して、フランジ部、第1突起、及び第2突起が把持部内に出し入れ可能とされており、貫通孔には、フランジ部が当該貫通孔内に出し入れされる際に第1突起が通過する一の切欠部と第2突起が通過する他の切欠部とが形成されている。そして、第1突起の方が第2突起よりも周方向の幅が大きくなっており、他の切欠部の周方向の幅が第1突起の周方向の幅よりも小さくなっている。
このようにすると、第1突起については一の切欠部を通し、第2突起については他の切欠部を通すような向きで貫通孔に対してケーブルを挿入する必要があり、第1突起を他の切欠部に通そうとする向きではケーブルを挿入できないため、ケーブルが所望の向きで挿入されやすくなり、誤った向きで挿入されようとした場合にはフランジ部の挿入前に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1の光学的情報読取装置を図1とは異なる方向から見た斜視図である。
【図3】図3は、図1の光学的情報読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【図4】図4は、図1の光学的情報読取装置の正面図である。
【図5】図5は、図1の光学的情報読取装置の側面図である。
【図6】図6は、図1の光学的情報読取装置の裏面図である。
【図7】図7は、図4のA−A断面で切断した構成を概略的に示す断面図である。
【図8】図8は、図1の光学的情報読取装置を分解した分解斜視図である。
【図9】図9は、図1の光学的情報読取装置を分解した分解側面図である。
【図10】図10は、図1の光学的情報読取装置を分解した各構成の断面図である。
【図11】図11は、図1の光学的情報読取装置に用いるケースおよび端部ピースの各斜視図である。
【図12】図12は、図1の光学的情報読取装置に用いるケースの正面図である。
【図13】図13は、図1の光学的情報読取装置に用いるケースの裏面図である。
【図14】図14(A)は、図1の光学的情報読取装置に用いる端部ピースの平面図であり、図14(B)は、その正面図であり、図14(C)は、その側面図であり、図14(D)は、その裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1〜図3等を参照して本実施形態に係る情報コード読取装置の全体構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置の斜視図である。図2は、図1の光学的情報読取装置を図1とは異なる方向から見た斜視図である。図3は、図1の光学的情報読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【0018】
本実施形態に係る情報コード読取装置1は、一次元コード、二次元コード等の情報コードを読み取るコードリーダとして構成されるものであり、図1、図2のような外観をなし、ケース2の内部に各種電子部品が収容されている。図1、図2に示す情報コード読取装置1は、いわゆるガンタイプとして構成されており、端部に読取口3cが形成されてなる本体部3aの下側の壁部から把持部3bが長手状に延びており、把持部3bの上端部付近に押圧操作可能な操作スイッチ42(トリガスイッチ)が配置され、把持部3bの下端部付近にはケーブル90が組み付けられた構造となっている。
【0019】
情報コード読取装置1の電気的構成は図3のようになっており、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示装置46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、図示しない電源回路等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図7に示す基板20に実装あるいはケース2の内部に内装されている。
【0020】
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、例えば、ケース2に形成された読取口3を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読取対象物Rとしては、例えば、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、このような読取対象物Rに情報コード(図3ではQRコードQ)が印刷、ダイレクトマーキングなどによって形成されている。なお、以下の説明では、情報コードとしてQRコードQを例示して説明するが、データマトリックコードやマキシコードなどの他の二次元コードに置き換えてもよい。
【0021】
受光センサ23は、読取対象物RやQRコードQに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光し得るように配置されている。
【0022】
フィルタ25は、反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタであり、ケース2に形成された読取口3cと結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が受光センサ23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケース2に形成された読取口3cに入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aにQRコードQのコード画像を結像するように構成されている。
【0023】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像されたQRコードQの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0024】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されて所定ゲインで増幅され、その後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0025】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM、不揮発性メモリ等がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0026】
制御回路40は、情報コード読取装置1全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるものであり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48には、情報コード読取装置1の上位システムに相当するホストコンピュータHSTなどを接続できるようになっている。
【0027】
(特徴的構成)
次に、本実施形態の主な特徴部分について説明する。
図4は、図1の光学的情報読取装置の正面図である。図5は、図1の光学的情報読取装置の側面図である。図6は、図1の光学的情報読取装置の裏面図である。図7は、図4のA−A断面で切断した構成を概略的に示す断面図である。なお、本明細書では、把持部3bの長手方向を上下方向としており、把持部3bの先端側を下方、把持部3bの基端側(本体部3a側)を上方としている。また、上下方向と直交する方向を前後方向とし、把持部3bにおいて操作スイッチ42が設けられる側を前方側、その裏側を後方側としている。また、これら上下方向及び前後方向と直交する方向を左右方向(幅方向)としている。
【0028】
光学的情報読取装置1は、図4〜図7に示すように、ケース2に形成された把持部3bの先端部からケーブル90がケース外に延出した構成をなしている。このケーブル90は、外部から電力を供給するための電源ケーブルとして構成されるものであってもよく、外部装置との通信を行うための通信ケーブルとして構成されるものであってもよい。或いは、電力供給と通信の両方を行うためのケーブルであってもよい。
【0029】
ここで、光学的情報読取装置1の要部をなす各構成について詳述する。
図8は、図1の光学的情報読取装置を分解した分解斜視図である。図9は、図1の光学的情報読取装置を分解した分解側面図である。図10は、図1の光学的情報読取装置を分解した各構成の断面図である。図11は、図1の光学的情報読取装置に用いるケースおよび端部ピースの各斜視図である。図12は、図1の光学的情報読取装置に用いるケースの正面図である。図13は、図1の光学的情報読取装置に用いるケースの裏面図である。図14(A)は、図1の光学的情報読取装置に用いる端部ピースの平面図であり、図14(B)は、その正面図であり、図14(C)は、その側面図であり、図14(D)は、その裏面図である。
【0030】
光学的情報読取装置1は、図8、図9、図10に示すように、主として、ケース2と、端部ピース50と、ケーブル90と、固定部材70とによって構成され、図4〜図7のようにこれらが一体的に組み付けられた構成をなしている。
【0031】
ケース2は、光学的情報読取装置1の大部分の外郭をなすものであり、図11〜図13に示すように上下方向に延びる長手状に構成されている。このケース2は、例えば硬質の樹脂部材によって構成されており、操作スイッチ42の上方側に配置される本体部3a(ケース本体部)と、この本体部3aから下方側に延出する長手状の把持部3bとを備えている。
【0032】
把持部3bは、基板20の一部やケーブル90を接続するコネクタなどを収容するものであり、図11〜図13のような構成をなしている。この把持部3bは、先端側の外壁部3d(下端部)に孔部4が形成されており、さらにこの外壁部3dにおいて、孔部4の周囲には、前後に対をなして設けられる係合爪10a,10bが形成されている。これら係合爪10a,10bは、把持部3bの先端側の外壁部3dから下方側に延出するように板状に構成されており、係合爪10aの先端部には前方側に凸となる突起部10cが形成されている。また、係合爪10bの先端部には後方側に凸となる突起部10dが形成されている。各係合爪10a,10bは、弾性変形可能に構成されており、先端側が前後に撓み変形しうる構成となっている。各係合爪10a,10bは、各係合孔56a,56bとスナップフィット構造で結合するように構成されている。
【0033】
また、ケース2は、第1ケース体2aと第2ケース体2bとが互いに組み付けられた構成をなしており、第1ケース体2aが把持部3bの一部(前側部分)をなし、第2ケース体2bが把持部3bの他部(後側部分)をなしている。そして、第1ケース体2aにおける把持部3bの先端側を構成する部分と、第2ケース体2bにおける把持部3bの先端側を構成する部分とによって孔部4が構成されている。
【0034】
また、先端側の外壁部3d(下端部)において孔部4の周囲には、第1ケース体2aの一端側から延出するように形成された第1ピン11a,11bと、第2ケース体2の一端側から延出するように形成された第2ピン12a,12bとが設けられている(特に、図11、図13参照)。第1ピン11a,11bは、係合爪10aの左右に対をなして形成され、第2ピン12a,12bは、係合爪10bの左右に対をなして形成されており、これら第1ピン11a,11b及び第2ピン12a,12bは、いずれも係合爪10a,10bよりも厚く構成され、いずれも係合爪10a,10bよりも剛性が大きくなっており、係合爪10a,10bよりも撓み変形し難い構成となっている。
【0035】
端部ピース50は、例えばケース2よりも軟質の材料(ゴム、エラストマーなどの柔軟材料等)によって構成されており、図14(A)〜(D)のような構成をなしている。この端部ピース50は、全体として略板状に構成されると共に厚さ方向に貫通する貫通孔55が形成されており、上面側の壁部において貫通孔55の開口の周囲には、上述した係合爪10a,10bがそれぞれ挿入される係合孔56a,56bが形成されている。そして、係合孔56a,56bに対して係合爪10a,10bが挿入されて互いに係合することにより把持部3bの先端側に固定されるようになっている。
【0036】
また、図14(A)等に示すように、端部ピース50の上面側の壁部において貫通孔55の周囲には、第1ピン11a,11bが挿入される第1挿入孔51a,51bと第2ピン12a,12bが挿入される第2挿入孔52a,52bとが形成されている。第1挿入孔51a,51bは、例えば第1ピン11a,11bが嵌入ないし圧入されて嵌り合う程度の大きさとされており、第2挿入孔52a,52bは、例えば第2ピン12a,12bが嵌入ないし圧入されて嵌り合う程度の大きさとされている。
【0037】
固定部材70は、例えば端部ピース50よりも硬質の材料によって構成されており、図8〜図10のような構成をなしている。この固定部材70は、筒状に形成された筒状部75と、筒状部75の一端側(上端側)に設けられた一対の係合片76a,76bとを備えている。この固定部材70は、図7のように、筒状部75が端部ピース50の貫通孔55内に挿し通された状態で係合片76a,76bが把持部3bの先端側の外壁部3dに係合(より具体的には、係合片76a,76bがそれぞれ外壁部3dの内面側から当該外壁部3dを下方側に押すように係合)するように把持部3bに固定されるようになっている。また、固定部材70は、上方側において外周面が円筒面状に構成された第1円筒部79が形成されており、この第1円筒部79の下端部には当該第1円筒部79の外周面の径よりも外形が大きいフランジ状部分77が形成され、フランジ状部分77が第1円筒部79よりも半径方向外側にフランジ状に張り出している。そして、このフランジ状部分77が端部ピース50における貫通孔55の周縁部を上方に押すように配置されている。
【0038】
ケーブル90は、固定部材70の筒状部75内に挿し通されると共に把持部3bの孔部4内に挿し通され、端部側が把持部3b内に組み付けられるようになっている。このケーブル90は、図8〜図10等に示すような構成をなしており、ケース2の内部に組み付けられる端部側において、当該ケーブル90の軸半径方向に張り出すようにフランジ部93が形成され、フランジ部93の外周部から外側にそれぞれ張り出す第1突起91及び第2突起92が形成されている。なお、図7、図8等ではケーブル90の端部90a付近を簡略的に示し、詳細な構成(コネクタ構成等)は省略しているが、ケース内に電気的に接続しうる構成であれば様々な構成を採用することができる。また、フランジ部93から所定距離隔てた下方側には、フランジ部93よりも張り出し量が小さい第2フランジ部95が形成されている。そして、フランジ部93が固定部材70の上端部によって上方側に押し付けられるように固定され、第2フランジ部95は、固定部材70の筒内に嵌合すると共に、この固定部材70の筒内に形成された段差部によって上方側に押し付けられるように固定されている。
【0039】
このように構成される各部品(ケース2、端部ピース50、ケーブル90、固定部材70等)はネジレス構造で組み付けられている。まず、上述したようにケース2の下端部に対して端部ピース50が組みつけられており、このような組み付け状態の構造体に対し、ケーブル90が挿し込まれている。具体的には、端部ピース50の貫通孔55内及び把持部3bの孔部4内に挿し通されるようにケーブル90が組み付けられており、その上で、ケーブル90の外側且つ貫通孔55の内側に配置されるように固定部材70が把持部3bに対して組み付けられている。
【0040】
そして、このように剛性の高い把持部3bに固定される固定部材70によって、把持部3bに対するケーブル90の組み付け、及び把持部3bに対する端部ピース50の組み付けを保持している。具体的には、固定部材70の係合片76a、76bが孔部4の周縁部と係合することにより把持部3bからの抜け止めが図られ、この固定部材70によってケーブル90のフランジ部93を上方側に押し付けるようにケーブル90を保持している。
【0041】
また、図7のように、係合爪10a,10bが係合孔56a,56bに挿入されたときには、係合爪10a,10bに形成された突起部10c、10dが係合孔56a,56bの周縁部に係止するようになっており、これら係合爪10a,10bは、固定部材70が組み付けられていないときには、その係止状態から係合爪10a,10bが貫通孔55側に傾倒することで係止状態が解除されるようになっている。そして、係合爪10a,10bが係合孔56a,56bに挿入され状態で、固定部材70が把持部3bに組み付けられたときには、この固定部材70の存在により、係合爪10a,10bが貫通孔55側へ傾倒しないように規制するようになっている。
【0042】
また、第1ピン11a,11bが第1挿入孔51a,51bに挿入され、第2ピン12a,12bが第2挿入孔52a,52bに挿入されることで、同一部材(端部ピース50)に対して第1ケース体2a及び第2ケース体2bの端部側が隣接状態で組み付けられることになり、把持部3bの先端側において第1ケース体2aと第2ケース体2とbが結合状態で保持されるようになっている。更に、固定部材70は、上述の係合片76a,76bとフランジ状部分77とによって、把持部3bの先端側の外壁部3dと端部ピース50とを貫通孔55の孔方向に挟み込むように把持部3bに固定されるようになっている。具体的には、係合片76a、76bが外壁部3dの上方側を支持し、固定部材70に形成されたフランジ状部分77が端部ピース50の貫通孔55の周縁部を下方側から支持しており、これにより把持部3bの先端部と端部ピース50とを上下に強固に密着させている。
【0043】
また、本実施形態の構成では、孔部4を介して、フランジ部93、第1突起91、及び第2突起92が把持部3b内に出し入れ可能とされている。具体的には、図11、図13等に示すように、孔部4において、フランジ部93が当該孔部4内に出し入れされる際に第1突起91が通過する第1切欠部4aと第2突起92が通過する第2切欠部4bとが形成されており、更に、図8等に示すように、貫通孔55には、フランジ部93が当該貫通孔55内に出し入れされる際に第1突起91が通過する切欠部57a(一の切欠部)と第2突起92が通過する切欠部57b(他の切欠部)とが形成されている。そして、固定部材70を把持部3に組み付けるときには、把持部3に対して端部ピース50が組み付けられた状態(図7から固定部材70、ケーブル90を除いた状態)で、第1突起91を切欠部57a及び第1切欠部4aを通すように且つ第2突起92を切欠部57b及び第2切欠部4bを通すように挿入させて把持部3内で保持しする(図7から固定部材70を除いた状態)そして、各係合片76a、76bのいずれか一方を切欠部57a及び第1切欠部4aを通し、いずれか他方を切欠部57b及び第2切欠部4bを通すように挿入させ、各係合片76a、76bが把持部3の内部に入り込んだ状態で固定部材70を所定方向に回すことで図7等のような状態に固定されることになる。
【0044】
なお、本実施形態では、第1突起91の方が第2突起92よりも周方向の幅が大きくなっており、第2切欠部4bの周方向の幅が第1突起91の周方向の幅よりも小さくなっている。そして、第1突起91の方が第2突起92よりも周方向の幅が大きくなっており、切欠部57b(他の切欠部)の周方向の幅が第1突起91の周方向の幅よりも小さくなっている。
【0045】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る光学的情報読取装置1では、剛性の高い把持部3bに対して固定部材70を固定しているため、固定部材70をケース2に安定的に取り付けることができる。そして、このように安定的に固定される固定部材70によって把持部3bに対するケーブル90の組み付け、及び把持部3bに対する端部ピース50の組み付けを保持しているため、ケース2に対してケーブル90を強固に固定することができ、且つ端部ピース50を把持部3bに安定的に保持することができる。また、把持部3bの先端側に、把持部3bとは別部材として構成される端部ピース50が配置され、ケーブル90延出側からケース2が落下した際にはこの端部ピース50によって落下時の衝撃を受けることができるようになっているため、端部ピース50によって把持部3b側への衝撃の伝播を緩和することができる。
【0046】
また、係合孔56a,56bと係合爪10a,10bとの係合により端部ピース50が把持部3bの先端側に固定されているため、端部ピース50の固定に関してネジレス化が図られ、筒状部75の一端側に設けられた係合片76a,76bを把持部3bの先端側に係合させることで固定部材70が把持部3bに固定されているため、固定部材70の固定に関してもネジレス化が図られている。従って、ケーブル90の端部付近でケース2を容易に開閉しうる構成を、部品点数を抑えて実現できる。
【0047】
また、本実施形態では、把持部3bの先端側から延出する係合爪10a,10bによって係合部が構成され、係合爪10a,10bが挿入される係合孔56a,56bによって被係合部が構成されている。そして、係合爪10a,10bが係合孔56a,56bに挿入されたときに、係合爪10a,10bに形成された突起部10c,10dがそれぞれ係合孔56a,56bの周縁部に係止するように構成され、その係止状態から係合爪10a,10bが貫通孔55側に傾倒することで係止状態が解除されるようになっている。そして、固定部材70は、把持部3bに組み付けられたときに係合爪10a,10bが貫通孔55側へ傾倒しないように規制するようになっている。
【0048】
この構成では、係合爪10a,10bが係合孔56a,56bに挿入され、且つ突起部10c,10dが係合孔56a,56bの周縁部に係止するような係合構造であるため、端部ピース50をより安定的に把持部3bに係合させることができる。また、固定部材70が固定されているときには、係合爪10a,10bが貫通孔55側へ傾倒しないように規制され、突起部10c,10dと係合孔56a,56bの周縁部との係止状態が解除されないように維持されるため、固定部材70を取り外さない限り、係合爪10a,10bと係合孔56a,56bとがより確実に係合し続け、端部ピース50が把持部3bに安定的に保持されることになる。
【0049】
また、本実施形態で用いられるケース2は、把持部3bの一部をなす第1ケース体2aと、把持部3bの他部をなす第2ケース体2bとが互いに組み付けられた構成となっており、第1ケース体2aにおける把持部3bの先端側を構成する部分と、第2ケース体2bにおける把持部3bの先端側を構成する部分とによって孔部4が構成されている。
更に、孔部4の周囲には、第1ケース2の一端側から延出するように形成された第1ピン11a,11bと、第2ケース体2の一端側から延出するように形成された第2ピン12a,12bとが設けられ、端部ピース50における貫通孔55の周囲には、第1ピン11a,11bが挿入される第1挿入孔51a,51bと第2ピン12a,12bが挿入される第2挿入孔52a,52bとが形成されている。
そして、第1ピン11a,11bが第1挿入孔51a,51bに挿入され、第2ピン12a,12bが第2挿入孔52a,52bに挿入されることで、把持部3bの先端側において第1ケース体2aと第2ケース体2とが結合状態で保持されるようになっている。
【0050】
この構成では、分割されたケース構造を採用しているため、ケース2内に電子部品を収容し、組み付ける作業をより行いやすくなる。また、第1ケース体側の第1ピン11a,11bが第1挿入孔51a,51bに挿入され、第2ケース体2側の第2ピン12a,12bが第2挿入孔52a,52bに挿入されることで把持部3bの先端側において第1ケース体2aと第2ケース体2とが結合状態で保持されるようになっているため、端部ピース50を利用して両ケース2の端部側(孔部4側)を強固に結合することができる。
【0051】
また、本実施形態では、端部ピース50がケース2よりも柔軟な材料によって構成されている。
このように、把持部3bの先端側に配置される端部ピース50をケース2よりも柔軟な材料によって構成すれば、ケーブル90延出側からケース2が落下した際に、端部ピース50によって落下時の衝撃をより吸収することができ、把持部3b側への衝撃の伝播をより一層緩和することができる。
【0052】
また、固定部材70は、把持部3bの先端側の外壁部と端部ピース50とを貫通孔55の孔方向に挟み込むように把持部3bに固定されるようになっている。
この構成によれば、端部ピース50を把持部3bに対してより強固に密着させることができ、貫通孔55の孔方向(軸方向)における連結の安定化を図ることができる。
【0053】
また、ケーブル90の端部側には、当該ケーブル90の軸半径方向に張り出すフランジ部93と、フランジ部93の外周部から外側にそれぞれ張り出す第1突起91及び第2突起92が形成され、孔部4を介して、フランジ部93、第1突起91、及び第2突起92が把持部3b内に出し入れ可能とされており、
孔部4には、フランジ部93が当該孔部4内に出し入れされる際に第1突起91が通過する第1切欠部4aと第2突起92が通過する第2切欠部4bとが形成されており、
第1突起91の方が第2突起92よりも周方向の幅が大きくなっており、第2切欠部4bの周方向の幅が第1突起91の周方向の幅よりも小さくなっている。
【0054】
このようにすると、第1突起91を第1切欠部4aを通し、第2突起92を第2切欠部4bを通すような向きで孔部4に対してケーブル90を挿入する必要があり、第1突起91を第2切欠部4bに通そうとする向きではケーブル90を挿入できないため、ケーブル90が所望の向きで挿入されやすくなり、誤った向きで挿入されようとした場合にはフランジ部93の挿入前に把握することができる。
【0055】
また、貫通孔55には、フランジ部93が当該貫通孔55内に出し入れされる際に第1突起91が通過する切欠部57a(一の切欠部)と第2突起92が通過する切欠部57b(他の切欠部)とが形成されている。そして、第1突起91の方が第2突起92よりも周方向の幅が大きくなっており、切欠部57b(他の切欠部)の周方向の幅が第1突起91の周方向の幅よりも小さくなっている。
このようにすると、第1突起91については切欠部57a(一の切欠部)を通し、第2突起92については切欠部57b(他の切欠部)を通すような向きで貫通孔55に対してケーブル90を挿入する必要があり、第1突起91を切欠部57b(他の切欠部)に通そうとする向きではケーブル90を挿入できないため、ケーブル90が所望の向きで挿入されやすくなり、誤った向きで挿入されようとした場合にはフランジ部93の挿入前に把握することができる。
【0056】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0057】
上記実施形態では、第1ケース体2aの一部と第2ケース体2bの一部とによって把持部3bが構成されていたが、単一のケース体によって把持部の外郭が構成されていてもよい。
【0058】
上記実施形態では、係合爪10a,10bによって係合部が構成され、係合孔56a,56bによって被係合部が形成されていたが、互いに係合し得る構造であれば係合部及び被係合部は他の構成であってもよい。例えば、係合部を係合孔によって構成し、被係合部を係合爪によって構成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…光学的情報読取装置
2…ケース
2a…第1ケース体
2b…第2ケース体
3…把持部
4…孔部
4a…第1切欠部
4b…第2切欠部
10a,10b…係合爪(係合部)
10c、10d…突起部
11a,11b…第1ピン
12a,12b…第2ピン
50…端部ピース
51a,51b…第1挿入孔
52a,52b…第2挿入孔
55…貫通孔
56a,56b…係合孔(被係合部)
57a…切欠部(一の切欠部)
57b…切欠部(他の切欠部)
70…固定部材
75…筒状部
76a,76b…係合片
90…ケーブル
91…第1突起
92…第2突起
93…フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に延びる把持部を備えると共に、前記把持部の先端側に孔部が形成され、前記孔部の周囲に係合部が形成されたケースと、
貫通孔を備えると共に、前記貫通孔の開口の周囲に被係合部が形成され、前記被係合部が前記係合部と係合することにより前記把持部の先端側に固定される端部ピースと、
筒状に形成された筒状部と、前記筒状部の一端側に設けられた係合片とを備え、前記筒状部が前記端部ピースの前記貫通孔内に挿し通された状態で前記係合片が前記把持部の先端側に係合するように前記把持部に固定される固定部材と、
前記固定部材の前記筒状部内に挿し通されると共に前記把持部の前記孔部内に挿し通され、端部側が前記把持部内に組み付けられるケーブルと、
を備え、
前記把持部に固定される前記固定部材が、前記把持部に対する前記ケーブルの組み付け、及び前記把持部に対する前記端部ピースの組み付けを保持することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記係合部は、前記把持部の先端側から延出する係合爪からなり、
前記被係合部は、前記係合爪が挿入される係合孔からなり、
前記係合爪が前記係合孔に挿入されたときに、前記係合爪に形成された突起部が前記係合孔の周縁部に係止するように構成され、その係止状態から前記係合爪が前記貫通孔側に傾倒することで係止状態が解除されるようになっており、
前記固定部材は、前記把持部に組み付けられたときに前記係合爪が前記貫通孔側へ傾倒しないように規制することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記ケースは、前記把持部の一部をなす第1ケース体と、前記第1ケース体に組み付けられると共に前記把持部の他部をなす第2ケース体とを有し、
前記第1ケース体における前記把持部の先端側を構成する部分と、前記第2ケース体における前記把持部の先端側を構成する部分とによって前記孔部が構成され、
前記孔部の周囲には、前記第1ケース体の一端側から延出するように形成された第1ピンと、前記第2ケース体の一端側から延出するように形成された第2ピンとが設けられ、
前記端部ピースにおける前記貫通孔の周囲には、前記第1ピンが挿入される第1挿入孔と前記第2ピンが挿入される第2挿入孔とが形成されており、
前記第1ピンが前記第1挿入孔に挿入され、前記第2ピンが前記第2挿入孔に挿入されることで、前記把持部の先端側において前記第1ケース体と前記第2ケース体とが結合状態で保持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記端部ピースは、前記ケースよりも柔軟な材料によって構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記固定部材は、前記把持部の先端側の外壁部と前記端部ピースとを前記貫通孔の孔方向に挟み込むように前記把持部に固定されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記ケーブルの端部側には、当該ケーブルの軸半径方向に張り出すフランジ部と、前記フランジ部の外周部から外側にそれぞれ張り出す第1突起及び第2突起が形成され、前記孔部を介して、前記フランジ部、前記第1突起、及び前記第2突起が前記把持部内に出し入れ可能とされており、
前記孔部には、前記フランジ部が当該孔部内に出し入れされる際に前記第1突起が通過する第1切欠部と前記第2突起が通過する第2切欠部とが形成されており、
前記第1突起の方が前記第2突起よりも周方向の幅が大きくなっており、前記第2切欠部の周方向の幅が前記第1突起の周方向の幅よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】
前記ケーブルの端部側には、当該ケーブルの軸半径方向に張り出すフランジ部と、前記フランジ部の外周部から外側にそれぞれ張り出す第1突起及び第2突起が形成され、前記貫通孔を介して、前記フランジ部、前記第1突起、及び前記第2突起が前記把持部内に出し入れ可能とされており、
前記貫通孔には、前記フランジ部が当該貫通孔内に出し入れされる際に前記第1突起が通過する一の切欠部と前記第2突起が通過する他の切欠部とが形成されており、
前記第1突起の方が前記第2突起よりも周方向の幅が大きくなっており、前記他の切欠部の周方向の幅が前記第1突起の周方向の幅よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−20435(P2013−20435A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153045(P2011−153045)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】