光学素子および映像表示装置
【課題】空間映像と2次元映像とを重ねて表示することができる光学素子および映像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の光学素子は、光入射面側に位置する像を光射出面側の空間における光射出面に対する面対称位置に結像させる結像素子と、光射出面に対して所定角度で入射した光を拡散させ、その他の角度から入射した光を透過させる異方性拡散材と、を備え、結像素子が、素子面に対して略垂直に入射した光を直進させるとともに、素子面に対して斜めに入射した光を素子面に対する面対称の位置に結像させ、異方性拡散材が、光射出面の少なくとも一部を構成していることを特徴とする。
【解決手段】本発明の光学素子は、光入射面側に位置する像を光射出面側の空間における光射出面に対する面対称位置に結像させる結像素子と、光射出面に対して所定角度で入射した光を拡散させ、その他の角度から入射した光を透過させる異方性拡散材と、を備え、結像素子が、素子面に対して略垂直に入射した光を直進させるとともに、素子面に対して斜めに入射した光を素子面に対する面対称の位置に結像させ、異方性拡散材が、光射出面の少なくとも一部を構成していることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子および映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、映像を空間に表示する映像表示装置が知られている。
特許文献1には、画像表示器において表示される画像をフレネルレンズにより結像し、フレネルレンズの画像表示器とは反対側の空間に、平面映像(空間像)を表示する映像表示装置が知られている。
特許文献2には、再帰性透過材を用いて空間像を表示する構成の装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−300987号公報
【特許文献2】特開2008−158114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の映像表示装置のように、装置前方の空間に実像として空間映像(空間像)を表示する方法の場合、観察者において空間像が観察される適視範囲は光軸上に存在する。そのため、観察者の視線の先に装置が存在することになり、観察者は装置と重なった空間像を観察することになる。そのため、空間像の背景として他の映像を表示して違和感を抑制したいが、観察者の視線の先に画像表示器が存在するため、空間像と他の映像とを重ねて表示することができない。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、空間映像と2次元映像とを重ねて表示することができる光学素子および映像表示装置を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光学素子は、光入射面側に位置する像を光射出面側の空間に結像させる結像素子と、前記光射出面の法線方向を含み、前記法線方向に対して所定の範囲の角度で入射した光を拡散させ、前記所定の範囲の角度より大きい角度から入射した光を透過させる異方性拡散材と、を備え、前記結像素子が、前記所定の範囲の角度で入射した光を直進させるとともに、前記所定の範囲の角度よりも大きい角度で入射した光を素子面に対する面対称の位置に結像させることを特徴とする。
【0007】
これによれば、光入射面に対して所定角度で入射した光を拡散させてその他の角度から入射した光を透過させる異方性拡散材がスクリーンとして機能することになる。これにより、光学素子上に映像を表示することが可能となる。また、結像素子により、光射出面側の空間にも別の像を形成することが可能となる。そのため、2次元映像と空間像とを重ねて表示することができるようになる。
【0008】
また、前記結像素子が、光を透過させる複数の矩形状の透過部を有し、前記透過部の4つの壁面のうち、少なくとも互いに直交する2つの壁面が反射面とされた再帰性透過材からなり、前記透過部の内部に前記異方性拡散材が配置されている構成としてもよい。
これによれば、結像素子の透過部の内部に異方性拡散材を配置することによって、光学素子を薄型化することができる。
【0009】
また、前記結像素子が、光を透過させる複数の矩形状の透過部を有し、前記透過部の4つの壁面のうち、少なくとも互いに直交する2つの壁面が反射面とされた再帰性透過材からなり、前記再帰性透過材と前記異方性拡散材とが厚さ方向で積層されている構成としてもよい。
【0010】
これによれば、再帰性透過材と結像素子との積層構造とすることにより、別々に用意しておくことが可能になるため製造が容易である。
【0011】
また、前記異方性拡散材は、前記所定の範囲の角度が、前記素子面の中央から外側に行くに従って大きくなるとともに、前記所定の範囲の角度が前記素子面の中心軸に対して対称になっている構成としてもよい。
【0012】
これによれば、異方性拡散材の中心だけでなく周辺においても所定の範囲の角度で光が入射することになるため、異方性拡散材の中心部分と周辺部分で拡散される光の量を均一にすることが可能となり、表示の明るさを均一にすることができる。
【0013】
本発明の映像表示装置は、上記の光学素子と、前記光学素子の光入射面に対して斜め側方に配置された画像生成装置と、前記光入射面に向かって投射光を射出する投射装置と、を備え、前記画像生成装置は、前記光学素子に対して垂直になるように配置されていることを特徴とする。
【0014】
これによれば、光学素子の光入射面に対して所定角度で入射した投射装置からの投射光を拡散させて、その他の角度から入射した投射光を透過させる異方性拡散材がスクリーンとして機能することになる。これにより、光学素子上に映像を表示することが可能となる。また、結像素子により、光射出面側の空間に別の像を形成することが可能となる。そのため、2次元映像と空間像とを重ねて表示することができるようになる。
【0015】
また、前記光学素子の結像素子が異方性拡散材よりも前記投射装置側に配置されている構成としてもよい。
これによれば、投射装置から投射された投射光を異方性拡散材において効率よく拡散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態の光学素子を示す図。
【図2】第1実施形態の光学素子に用いる再帰性透過材を示す図。
【図3】第1実施形態の光学素子の構成を示す断面図。
【図4】(A)は、異方性拡散材の機能について説明するための図、(B)は再帰性透過材の機能について説明するための図。
【図5】第1実施形態の映像表示装置の構成および機能について説明するための図。
【図6】第2実施形態の光学素子の構成を示す断面図。
【図7】(A)は、異方性透過材よりも再帰性透過材の方がプロジェクター側に位置する場合の図、(B)は、再帰性透過材よりも異方性拡散材の方がプロジェクター側に位置する場合の図。
【図8】第2実施形態の映像表示装置の機能について説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の光学素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)は角部の拡大斜視図である。図2は、本実施形態の光学素子に用いる再帰性透過材を示す図であり、(A)は平面図、(B)は角部の拡大斜視図である。図3は、光学素子の構成を示す断面図である。
【0019】
本実施形態の光学素子1は、図1(A)、(B)に示すように再帰性透過材(結像素子)4および異方性拡散材3を備えて構成されるものである。
再帰性透過材4は、図2(A)、(B)に示すように、矩形状の板材7に、光を透過させるための複数の四角柱状の開口部8が設けられた構成を備える。素子面Sに垂直な方向から見た開口部8の平面形状は正方形である。なお、本明細書における「素子面」とは、再帰性透過材4を構成する板材7の主面(光を入射もしくは射出させる面)と定義する。板材7は2つの主面を有しているため、いずれか一方の面を素子面と定義すればよい。
複数の開口部8は、板材7の各辺に沿って互いに等ピッチとなるように配置されている。開口部8の4つの内壁面のうち互いに直交する2つの内壁面には、例えば金属反射膜が形成されており、これら2つの内壁面が反射面9となっている。これら2つの反射面9は、いわゆる2面コーナーリフレクターを構成している。
【0020】
本実施形態の再帰性透過材4においては、図2(A),(B)に示すように、平面視して正方形状の開口部8の各辺が板材7の各辺と平行に形成されており、全ての開口部8において、4つの内壁面のうちの同じ側に位置する2つの内壁面が反射面9となっている。
このような構成の再帰性透過材4は、光入射面1a側に位置する像を光射出面1b側の空間における光射出面1bに対する面対称位置に結像させる結像素子である。
【0021】
異方性拡散材3は、図3に示すように、再帰性透過材4の各開口部8内に充填されている。異方性拡散材3は、屈折率の異なる部分が厚み方向に対して傾斜して層状に分布してなるもので、この屈折率の異なる部分の傾斜方向に沿って拡散軸Pが存在する。この拡散軸Pは、素子面Sの中央から外側に行くに従って素子面Sの法線方向に対する傾斜角度θが連続的に大きくなるとともに(θ1<θ2<θ3)、その傾斜方向が中心軸に対して対称になっている。
【0022】
次に、異方性拡散材および再帰性透過材の機能について説明する。
図4(A)は、異方性拡散材の機能について説明するための図であり、図4(B)は再帰性透過材の機能について説明するための図である。
異方性拡散材3は、図4(A)に示すように、素子面Sの法線方向に対して光の入射角度θが大きい光を透過するとともに、入射角度θが小さい光(略垂直な光)を拡散する機能を有する。一方、再帰性透過材4は、図4(B)に示すように、素子面Sの法線方向に対して光の入射角度θが小さい光を透過させるとともに、入射角度θが大きい光を光射出面1b側の空間に集光する機能を有する。
【0023】
次に、上記構成の光学素子を備えた映像表示装置について述べる。
図5は、映像表示装置の構成および機能について説明するための図である。
映像表示装置100は、上記した光学素子1と、光学素子1の光入射面1aに対して斜め側方(斜め下方)に位置する表示装置(画像生成装置)5と、光入射面1aに向かって投射光を射出するプロジェクター(投射装置)6と、を備えて構成されている。
【0024】
表示装置5は、電子的に表示画像を生成するもので液晶表示装置やプラズマ表示装置などのFPDからなる。この表示装置5は、光学素子1の光入射面1aに対して表示面5aが垂直になるような姿勢で配置されている。
【0025】
プロジェクター6には、光学素子1の光入射面1aに対向してその下方に配置され、光学素子1の光軸(中心軸)と投射光の光軸とが一致している。なお、光学素子1の光軸とは、素子面Sの中心を通り、素子面Sに垂直な軸のことである。プロジェクター6には、ライトバルブや投射レンズなどが搭載されているとともに、パーソナルコンピューターなどの映像信号生成手段が接続されている(いずれも不図示)。映像信号生成手段から入力された映像信号に基づいて光学素子1に映像を投射する。そして、プロジェクター6内のライトバルブは図示しない光源によって照明され、投射レンズで拡大投射されて光学素子1上で結像する。
【0026】
表示装置5から射出した光は、光学素子1の光入射面1aの法線方向に対して大きい角度で入射するため、異方性拡散材3をそのまま透過する。そして、再帰性透過材4の反射面9において反射した光は光射出面1bから出射して、光学素子1の光軸方向で表示装置5とは反対側(光射出面1b側)の空間に集光する。再帰性透過材4は、レンズと同じような役割を果たすため、表示装置5の映像が光学素子1の光射出面1b側の空間に表示されることになる。
【0027】
プロジェクター6から投射された投射光のうち、中心側の光は光学素子1の素子面Sに対してその中央部分に垂直に入射するが、周辺の光ほど素子面Sに対して角度を持って入射することになる。そこで、本実施形態の光学素子1は、異方性拡散材3の拡散軸Pを周辺部に行くに従ってその中心軸(法線方向)に対する傾斜角度が大きくなるように構成している。これにより、等方的に拡がる投射光の全て(中心部分の光だけでなく周囲の光も全て)が異方性拡散材3の拡散軸Pに対して垂直に入射することになる。その結果、プロジェクター6から投射された投射光が効率よく拡散される。
【0028】
また、プロジェクター6からの投射光は光学素子1の拡散軸Pに対して略垂直に入射するため、再帰性透過材4をそのまま透過し、異方性拡散材3によって投射光が拡散される。異方性拡散材3はプロジェクター6からの投射光のみを拡散するため、光学素子1自体が透過型拡散スクリーンと同じような役割を果たすことになる。よって、光学素子1上に映像が表示されることになる。
このように、異方性拡散材3および再帰性透過材4の2つの材料を組み合わせることで構成される光学素子1を用いることで、空間像Zの後方にもう1つの映像を映し出すことができる。
【0029】
したがって、観察者は、光学素子1の斜め上方から素子面S上に映し出された映像を空間像Zと重ねて見ることができる。従来、プロジェクター6から投射される投射光の光路上にスクリーンとフレネルレンズとがこの順で一方向に配置されてなる映像表示装置では、光の直進性により、空間像の後方には映像表示装置が存在することになる。つまり、観測者の視線の先には映像表示装置が存在することになるため、空間像と他の映像とを重ねて表示することができなかった。しかし、本実施形態の映像表示装置によれば、異方性拡散材3と再帰性透過材4とによって構成された光学素子1を備えたことにより、スクリーンとしても機能するため、光学素子1上に映し出された2次元映像と空間像とを重ねた状態で見ることが可能である。
【0030】
これにより、空間像のバックに光学素子1上に映し出された2次元映像が見えるため、違和感を抑制するとともに奥行きのある表示とすることができる。さらに、複数の観察者に共通で観察することができる2次元映像と、適視範囲が限定されて、複数の観察者のうち一部の観察者にしか見えない空間像という特性を利用してプレゼンテーション等に使用することもできる。
また、再帰性透過材4の開口部8内に異方性拡散材3を充填する構成とすることによって、光学素子1において再帰性透過材4と異方性拡散材3との位置が面方向で一致する。このような構成により光学素子1の薄型化が可能となるので、映像表示装置100の全体的な小型化も図れる。
【0031】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の光学素子の構成について述べる。
図6は、第2実施形態の光学素子の構成を示す断面図である。図7(A)は、異方性透過材よりも再帰性透過材の方がプロジェクター側に位置する場合の図であり、図7(B)は、再帰性透過材よりも異方性拡散材の方がプロジェクター側に位置する場合の図である。
【0032】
図6に示すように、本実施形態における光学素子10は、板状の異方性拡散材13と再帰性透過材4とが厚さ方向で積層されている。
本実施形態における異方性拡散材13は、平面視において再帰性透過材4と同等の大きさを有する矩形状を呈する板材であり、所定の厚さを有している。異方性拡散材13は、素子面Sの法線方向に対する拡散軸Pの傾斜角度が、素子面Sの中央から外側に行くに従って大きくなるとともに(θ1<θ2<θ3)、その傾斜方向が中心軸に対して対称となるように構成されている。
【0033】
拡散軸Pの傾斜角度が異なる領域Rはそれぞれ複数の開口部8に対応しており、拡散軸Pの傾斜角度が異なる領域Rの境界と、再帰性透過材4の開口部8同士の境界とが平面視で一致している。これにより、開口部8内の反射面9において反射した光が拡散軸Pの傾斜角度に影響を受けることなく、入射角度に応じて所定の方向に反射される。
このような異方性拡散材13は、一面側に向かって拡散軸Pの傾斜角度が外側に向かって拡がるような構成となっており、他面側が再帰性透過材4と接している。
【0034】
本実施形態の光学素子10は、プロジェクター6側に再帰性透過材4を向けた状態で配置される。つまり、光入射面1a側に再帰性透過材4が位置し、光射出面1b側に異方性拡散材3が位置しており、再帰性透過材4が異方性拡散材3よりもプロジェクター6側に存在する。
【0035】
プロジェクター6から投射された投射光Lpは、図7(A)に示すように、光学素子10の光入射面1a側から入射して再帰性透過材4を透過し、異方性拡散材13で効率よく拡散されて出射する。これにより、光学素子1上に2次元映像が表示される。
一方、表示装置5から射出した光Lcは再帰性透過材4の反射面9において反射され、光射出面1b側の空間に集光される。このようにして光学素子10の表示装置5とは反対側の空間に空間像Zが表示される。
【0036】
本実施形態の光学素子10は、再帰性透過材4側をプロジェクター6に向けて配置してある。つまり、異方性拡散材13よりも再帰性透過材4の方が光入射面1a側に位置する構成となっている。
これに対して、図7(B)に示すように、再帰性透過材4よりも光入射面1a側に異方性拡散材13が位置する構成とした場合には、異方性拡散材13によって拡散された投射光Lpが再帰性透過材4で反射してしまい、異方性拡散材13によって映し出される映像が乱れてしまうという問題が生じることになる。
【0037】
そのため、本実施形態では、プロジェクター6からの投射光がまず最初に再帰性透過材4に入射するよう、再帰性透過材4側をプロジェクター6に向けて光学素子10を配置してある。これにより、図8に示すように、観察者は空間像Zとその後方に映し出された映像とを重ねて見ることができる。
【0038】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0039】
例えば、先の実施形態では、異方性拡散材3の開口部8の大きさが素子面S内において均一な寸法で設定されていたが、例えば、一方向に並ぶ開口部8の同方向における寸法が素子面Sの中央から外側に行くに従って大きくなるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1,10…光学素子、1a…光入射面、1b…光射出面、3,13…異方性拡散材、4…再帰性透過材、4…再帰性透過材(結像素子)、5…表示装置(画像生成装置)、6…プロジェクター(投射装置)、9…反射面、P…拡散軸、S…素子面、Z…空間像、100…映像表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子および映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、映像を空間に表示する映像表示装置が知られている。
特許文献1には、画像表示器において表示される画像をフレネルレンズにより結像し、フレネルレンズの画像表示器とは反対側の空間に、平面映像(空間像)を表示する映像表示装置が知られている。
特許文献2には、再帰性透過材を用いて空間像を表示する構成の装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−300987号公報
【特許文献2】特開2008−158114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の映像表示装置のように、装置前方の空間に実像として空間映像(空間像)を表示する方法の場合、観察者において空間像が観察される適視範囲は光軸上に存在する。そのため、観察者の視線の先に装置が存在することになり、観察者は装置と重なった空間像を観察することになる。そのため、空間像の背景として他の映像を表示して違和感を抑制したいが、観察者の視線の先に画像表示器が存在するため、空間像と他の映像とを重ねて表示することができない。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、空間映像と2次元映像とを重ねて表示することができる光学素子および映像表示装置を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光学素子は、光入射面側に位置する像を光射出面側の空間に結像させる結像素子と、前記光射出面の法線方向を含み、前記法線方向に対して所定の範囲の角度で入射した光を拡散させ、前記所定の範囲の角度より大きい角度から入射した光を透過させる異方性拡散材と、を備え、前記結像素子が、前記所定の範囲の角度で入射した光を直進させるとともに、前記所定の範囲の角度よりも大きい角度で入射した光を素子面に対する面対称の位置に結像させることを特徴とする。
【0007】
これによれば、光入射面に対して所定角度で入射した光を拡散させてその他の角度から入射した光を透過させる異方性拡散材がスクリーンとして機能することになる。これにより、光学素子上に映像を表示することが可能となる。また、結像素子により、光射出面側の空間にも別の像を形成することが可能となる。そのため、2次元映像と空間像とを重ねて表示することができるようになる。
【0008】
また、前記結像素子が、光を透過させる複数の矩形状の透過部を有し、前記透過部の4つの壁面のうち、少なくとも互いに直交する2つの壁面が反射面とされた再帰性透過材からなり、前記透過部の内部に前記異方性拡散材が配置されている構成としてもよい。
これによれば、結像素子の透過部の内部に異方性拡散材を配置することによって、光学素子を薄型化することができる。
【0009】
また、前記結像素子が、光を透過させる複数の矩形状の透過部を有し、前記透過部の4つの壁面のうち、少なくとも互いに直交する2つの壁面が反射面とされた再帰性透過材からなり、前記再帰性透過材と前記異方性拡散材とが厚さ方向で積層されている構成としてもよい。
【0010】
これによれば、再帰性透過材と結像素子との積層構造とすることにより、別々に用意しておくことが可能になるため製造が容易である。
【0011】
また、前記異方性拡散材は、前記所定の範囲の角度が、前記素子面の中央から外側に行くに従って大きくなるとともに、前記所定の範囲の角度が前記素子面の中心軸に対して対称になっている構成としてもよい。
【0012】
これによれば、異方性拡散材の中心だけでなく周辺においても所定の範囲の角度で光が入射することになるため、異方性拡散材の中心部分と周辺部分で拡散される光の量を均一にすることが可能となり、表示の明るさを均一にすることができる。
【0013】
本発明の映像表示装置は、上記の光学素子と、前記光学素子の光入射面に対して斜め側方に配置された画像生成装置と、前記光入射面に向かって投射光を射出する投射装置と、を備え、前記画像生成装置は、前記光学素子に対して垂直になるように配置されていることを特徴とする。
【0014】
これによれば、光学素子の光入射面に対して所定角度で入射した投射装置からの投射光を拡散させて、その他の角度から入射した投射光を透過させる異方性拡散材がスクリーンとして機能することになる。これにより、光学素子上に映像を表示することが可能となる。また、結像素子により、光射出面側の空間に別の像を形成することが可能となる。そのため、2次元映像と空間像とを重ねて表示することができるようになる。
【0015】
また、前記光学素子の結像素子が異方性拡散材よりも前記投射装置側に配置されている構成としてもよい。
これによれば、投射装置から投射された投射光を異方性拡散材において効率よく拡散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態の光学素子を示す図。
【図2】第1実施形態の光学素子に用いる再帰性透過材を示す図。
【図3】第1実施形態の光学素子の構成を示す断面図。
【図4】(A)は、異方性拡散材の機能について説明するための図、(B)は再帰性透過材の機能について説明するための図。
【図5】第1実施形態の映像表示装置の構成および機能について説明するための図。
【図6】第2実施形態の光学素子の構成を示す断面図。
【図7】(A)は、異方性透過材よりも再帰性透過材の方がプロジェクター側に位置する場合の図、(B)は、再帰性透過材よりも異方性拡散材の方がプロジェクター側に位置する場合の図。
【図8】第2実施形態の映像表示装置の機能について説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の光学素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)は角部の拡大斜視図である。図2は、本実施形態の光学素子に用いる再帰性透過材を示す図であり、(A)は平面図、(B)は角部の拡大斜視図である。図3は、光学素子の構成を示す断面図である。
【0019】
本実施形態の光学素子1は、図1(A)、(B)に示すように再帰性透過材(結像素子)4および異方性拡散材3を備えて構成されるものである。
再帰性透過材4は、図2(A)、(B)に示すように、矩形状の板材7に、光を透過させるための複数の四角柱状の開口部8が設けられた構成を備える。素子面Sに垂直な方向から見た開口部8の平面形状は正方形である。なお、本明細書における「素子面」とは、再帰性透過材4を構成する板材7の主面(光を入射もしくは射出させる面)と定義する。板材7は2つの主面を有しているため、いずれか一方の面を素子面と定義すればよい。
複数の開口部8は、板材7の各辺に沿って互いに等ピッチとなるように配置されている。開口部8の4つの内壁面のうち互いに直交する2つの内壁面には、例えば金属反射膜が形成されており、これら2つの内壁面が反射面9となっている。これら2つの反射面9は、いわゆる2面コーナーリフレクターを構成している。
【0020】
本実施形態の再帰性透過材4においては、図2(A),(B)に示すように、平面視して正方形状の開口部8の各辺が板材7の各辺と平行に形成されており、全ての開口部8において、4つの内壁面のうちの同じ側に位置する2つの内壁面が反射面9となっている。
このような構成の再帰性透過材4は、光入射面1a側に位置する像を光射出面1b側の空間における光射出面1bに対する面対称位置に結像させる結像素子である。
【0021】
異方性拡散材3は、図3に示すように、再帰性透過材4の各開口部8内に充填されている。異方性拡散材3は、屈折率の異なる部分が厚み方向に対して傾斜して層状に分布してなるもので、この屈折率の異なる部分の傾斜方向に沿って拡散軸Pが存在する。この拡散軸Pは、素子面Sの中央から外側に行くに従って素子面Sの法線方向に対する傾斜角度θが連続的に大きくなるとともに(θ1<θ2<θ3)、その傾斜方向が中心軸に対して対称になっている。
【0022】
次に、異方性拡散材および再帰性透過材の機能について説明する。
図4(A)は、異方性拡散材の機能について説明するための図であり、図4(B)は再帰性透過材の機能について説明するための図である。
異方性拡散材3は、図4(A)に示すように、素子面Sの法線方向に対して光の入射角度θが大きい光を透過するとともに、入射角度θが小さい光(略垂直な光)を拡散する機能を有する。一方、再帰性透過材4は、図4(B)に示すように、素子面Sの法線方向に対して光の入射角度θが小さい光を透過させるとともに、入射角度θが大きい光を光射出面1b側の空間に集光する機能を有する。
【0023】
次に、上記構成の光学素子を備えた映像表示装置について述べる。
図5は、映像表示装置の構成および機能について説明するための図である。
映像表示装置100は、上記した光学素子1と、光学素子1の光入射面1aに対して斜め側方(斜め下方)に位置する表示装置(画像生成装置)5と、光入射面1aに向かって投射光を射出するプロジェクター(投射装置)6と、を備えて構成されている。
【0024】
表示装置5は、電子的に表示画像を生成するもので液晶表示装置やプラズマ表示装置などのFPDからなる。この表示装置5は、光学素子1の光入射面1aに対して表示面5aが垂直になるような姿勢で配置されている。
【0025】
プロジェクター6には、光学素子1の光入射面1aに対向してその下方に配置され、光学素子1の光軸(中心軸)と投射光の光軸とが一致している。なお、光学素子1の光軸とは、素子面Sの中心を通り、素子面Sに垂直な軸のことである。プロジェクター6には、ライトバルブや投射レンズなどが搭載されているとともに、パーソナルコンピューターなどの映像信号生成手段が接続されている(いずれも不図示)。映像信号生成手段から入力された映像信号に基づいて光学素子1に映像を投射する。そして、プロジェクター6内のライトバルブは図示しない光源によって照明され、投射レンズで拡大投射されて光学素子1上で結像する。
【0026】
表示装置5から射出した光は、光学素子1の光入射面1aの法線方向に対して大きい角度で入射するため、異方性拡散材3をそのまま透過する。そして、再帰性透過材4の反射面9において反射した光は光射出面1bから出射して、光学素子1の光軸方向で表示装置5とは反対側(光射出面1b側)の空間に集光する。再帰性透過材4は、レンズと同じような役割を果たすため、表示装置5の映像が光学素子1の光射出面1b側の空間に表示されることになる。
【0027】
プロジェクター6から投射された投射光のうち、中心側の光は光学素子1の素子面Sに対してその中央部分に垂直に入射するが、周辺の光ほど素子面Sに対して角度を持って入射することになる。そこで、本実施形態の光学素子1は、異方性拡散材3の拡散軸Pを周辺部に行くに従ってその中心軸(法線方向)に対する傾斜角度が大きくなるように構成している。これにより、等方的に拡がる投射光の全て(中心部分の光だけでなく周囲の光も全て)が異方性拡散材3の拡散軸Pに対して垂直に入射することになる。その結果、プロジェクター6から投射された投射光が効率よく拡散される。
【0028】
また、プロジェクター6からの投射光は光学素子1の拡散軸Pに対して略垂直に入射するため、再帰性透過材4をそのまま透過し、異方性拡散材3によって投射光が拡散される。異方性拡散材3はプロジェクター6からの投射光のみを拡散するため、光学素子1自体が透過型拡散スクリーンと同じような役割を果たすことになる。よって、光学素子1上に映像が表示されることになる。
このように、異方性拡散材3および再帰性透過材4の2つの材料を組み合わせることで構成される光学素子1を用いることで、空間像Zの後方にもう1つの映像を映し出すことができる。
【0029】
したがって、観察者は、光学素子1の斜め上方から素子面S上に映し出された映像を空間像Zと重ねて見ることができる。従来、プロジェクター6から投射される投射光の光路上にスクリーンとフレネルレンズとがこの順で一方向に配置されてなる映像表示装置では、光の直進性により、空間像の後方には映像表示装置が存在することになる。つまり、観測者の視線の先には映像表示装置が存在することになるため、空間像と他の映像とを重ねて表示することができなかった。しかし、本実施形態の映像表示装置によれば、異方性拡散材3と再帰性透過材4とによって構成された光学素子1を備えたことにより、スクリーンとしても機能するため、光学素子1上に映し出された2次元映像と空間像とを重ねた状態で見ることが可能である。
【0030】
これにより、空間像のバックに光学素子1上に映し出された2次元映像が見えるため、違和感を抑制するとともに奥行きのある表示とすることができる。さらに、複数の観察者に共通で観察することができる2次元映像と、適視範囲が限定されて、複数の観察者のうち一部の観察者にしか見えない空間像という特性を利用してプレゼンテーション等に使用することもできる。
また、再帰性透過材4の開口部8内に異方性拡散材3を充填する構成とすることによって、光学素子1において再帰性透過材4と異方性拡散材3との位置が面方向で一致する。このような構成により光学素子1の薄型化が可能となるので、映像表示装置100の全体的な小型化も図れる。
【0031】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の光学素子の構成について述べる。
図6は、第2実施形態の光学素子の構成を示す断面図である。図7(A)は、異方性透過材よりも再帰性透過材の方がプロジェクター側に位置する場合の図であり、図7(B)は、再帰性透過材よりも異方性拡散材の方がプロジェクター側に位置する場合の図である。
【0032】
図6に示すように、本実施形態における光学素子10は、板状の異方性拡散材13と再帰性透過材4とが厚さ方向で積層されている。
本実施形態における異方性拡散材13は、平面視において再帰性透過材4と同等の大きさを有する矩形状を呈する板材であり、所定の厚さを有している。異方性拡散材13は、素子面Sの法線方向に対する拡散軸Pの傾斜角度が、素子面Sの中央から外側に行くに従って大きくなるとともに(θ1<θ2<θ3)、その傾斜方向が中心軸に対して対称となるように構成されている。
【0033】
拡散軸Pの傾斜角度が異なる領域Rはそれぞれ複数の開口部8に対応しており、拡散軸Pの傾斜角度が異なる領域Rの境界と、再帰性透過材4の開口部8同士の境界とが平面視で一致している。これにより、開口部8内の反射面9において反射した光が拡散軸Pの傾斜角度に影響を受けることなく、入射角度に応じて所定の方向に反射される。
このような異方性拡散材13は、一面側に向かって拡散軸Pの傾斜角度が外側に向かって拡がるような構成となっており、他面側が再帰性透過材4と接している。
【0034】
本実施形態の光学素子10は、プロジェクター6側に再帰性透過材4を向けた状態で配置される。つまり、光入射面1a側に再帰性透過材4が位置し、光射出面1b側に異方性拡散材3が位置しており、再帰性透過材4が異方性拡散材3よりもプロジェクター6側に存在する。
【0035】
プロジェクター6から投射された投射光Lpは、図7(A)に示すように、光学素子10の光入射面1a側から入射して再帰性透過材4を透過し、異方性拡散材13で効率よく拡散されて出射する。これにより、光学素子1上に2次元映像が表示される。
一方、表示装置5から射出した光Lcは再帰性透過材4の反射面9において反射され、光射出面1b側の空間に集光される。このようにして光学素子10の表示装置5とは反対側の空間に空間像Zが表示される。
【0036】
本実施形態の光学素子10は、再帰性透過材4側をプロジェクター6に向けて配置してある。つまり、異方性拡散材13よりも再帰性透過材4の方が光入射面1a側に位置する構成となっている。
これに対して、図7(B)に示すように、再帰性透過材4よりも光入射面1a側に異方性拡散材13が位置する構成とした場合には、異方性拡散材13によって拡散された投射光Lpが再帰性透過材4で反射してしまい、異方性拡散材13によって映し出される映像が乱れてしまうという問題が生じることになる。
【0037】
そのため、本実施形態では、プロジェクター6からの投射光がまず最初に再帰性透過材4に入射するよう、再帰性透過材4側をプロジェクター6に向けて光学素子10を配置してある。これにより、図8に示すように、観察者は空間像Zとその後方に映し出された映像とを重ねて見ることができる。
【0038】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0039】
例えば、先の実施形態では、異方性拡散材3の開口部8の大きさが素子面S内において均一な寸法で設定されていたが、例えば、一方向に並ぶ開口部8の同方向における寸法が素子面Sの中央から外側に行くに従って大きくなるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1,10…光学素子、1a…光入射面、1b…光射出面、3,13…異方性拡散材、4…再帰性透過材、4…再帰性透過材(結像素子)、5…表示装置(画像生成装置)、6…プロジェクター(投射装置)、9…反射面、P…拡散軸、S…素子面、Z…空間像、100…映像表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光入射面側に位置する像を光射出面側の空間に結像させる結像素子と、
前記光射出面の法線方向を含み、前記法線方向に対して所定の範囲の角度で入射した光を拡散させ、前記所定の範囲の角度よりも大きい角度から入射した光を透過させる異方性拡散材と、を備え、
前記結像素子が、前記所定の範囲の角度で入射した光を直進させるとともに、前記所定の範囲の角度よりも大きい角度で入射した光を当該結像素子の素子面に対する面対称の位置に結像させる
ことを特徴とする光学素子。
【請求項2】
前記結像素子が、光を透過させる複数の矩形状の透過部を有し、前記透過部の4つの壁面のうち、少なくとも互いに直交する2つの壁面が反射面とされた再帰性透過材からなり、
前記透過部の内部に前記異方性拡散材が配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記結像素子が、光を透過させる複数の矩形状の透過部を有し、前記透過部の4つの壁面のうち、少なくとも互いに直交する2つの壁面が反射面とされた再帰性透過材からなり、
前記再帰性透過材と前記異方性拡散材とが厚さ方向で積層されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
【請求項4】
前記異方性拡散材は、前記所定の範囲の角度が、前記素子面の中央から外側に行くに従って大きくなるとともに、前記所定の範囲の角度が前記素子面の中心軸に対して対称になっている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の光学素子と、
前記光学素子の光入射面に対して斜め側方に配置された画像生成装置と、
前記光入射面に向かって投射光を射出する投射装置と、を備え、
前記画像生成装置は、前記光学素子に対して垂直になるように配置されている
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項6】
前記光学素子の結像素子が異方性拡散材よりも前記投射装置側に配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項1】
光入射面側に位置する像を光射出面側の空間に結像させる結像素子と、
前記光射出面の法線方向を含み、前記法線方向に対して所定の範囲の角度で入射した光を拡散させ、前記所定の範囲の角度よりも大きい角度から入射した光を透過させる異方性拡散材と、を備え、
前記結像素子が、前記所定の範囲の角度で入射した光を直進させるとともに、前記所定の範囲の角度よりも大きい角度で入射した光を当該結像素子の素子面に対する面対称の位置に結像させる
ことを特徴とする光学素子。
【請求項2】
前記結像素子が、光を透過させる複数の矩形状の透過部を有し、前記透過部の4つの壁面のうち、少なくとも互いに直交する2つの壁面が反射面とされた再帰性透過材からなり、
前記透過部の内部に前記異方性拡散材が配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記結像素子が、光を透過させる複数の矩形状の透過部を有し、前記透過部の4つの壁面のうち、少なくとも互いに直交する2つの壁面が反射面とされた再帰性透過材からなり、
前記再帰性透過材と前記異方性拡散材とが厚さ方向で積層されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
【請求項4】
前記異方性拡散材は、前記所定の範囲の角度が、前記素子面の中央から外側に行くに従って大きくなるとともに、前記所定の範囲の角度が前記素子面の中心軸に対して対称になっている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の光学素子と、
前記光学素子の光入射面に対して斜め側方に配置された画像生成装置と、
前記光入射面に向かって投射光を射出する投射装置と、を備え、
前記画像生成装置は、前記光学素子に対して垂直になるように配置されている
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項6】
前記光学素子の結像素子が異方性拡散材よりも前記投射装置側に配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2013−88694(P2013−88694A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230408(P2011−230408)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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