説明

光学素子ホルダ

【課題】 構造の簡素化を図り、ミラーの方向を良好に調整できるミラーホルダを提供すること。
【解決手段】 ミラー11を、その方向を調整して保持するミラーホルダ10において、ミラーを支持するサポート部材14と、ベース部材12と、ベース部材とサポート部材との間に介在された中間部材13と、中間部材をベース部材に対しに揺動させるための第1支持軸74を構成する第1支持ねじ15と、サポート部材を中間部材に対し揺動させるための第2支持軸75を構成する第2支持ねじ16と、サポート部材及び中間部材をベース部材側に付勢する引っ張りコイルばね17と、サポート部材及び中間部材を第1支点軸回りに揺動してミラーの傾きを調整する第1調整ねじ18と、サポート部材を第2支持軸回りに揺動してミラーの傾きを調整する第2調整ねじ19とを有し、第1支持軸74と第2支持軸75とは直交し、且つミラーの表面76に一致して設定されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミラーなどの光学素子を、その方向調整して保持する光学素子ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー発振器などの光学装置においては、光学素子であるミラーの方向を調整可能に保持するミラーホルダが設置され、ミラーの方向を調整することで、レーザー出力の安定化が図られている。上述のミラーホルダには、図15に示すジンバル方式のミラーホルダ101と、図17に示すキネマティック方式のミラーホルダ102とがある。
【0003】
図15に示すミラーホルダ101は、固定部103に対し第1可動フレーム104を回転軸106回りに回転し、この第1可動フレーム104に対して第2可動フレーム105を回転軸107回りに回転することで、この第2可動フレーム105に支持されたミラー108の方向を調整するものである。尚、上記回転軸106と回転軸107とは、ミラー108の中心点109において直交して設けられる。
【0004】
上記第2可動フレーム105は、図16(B)に示すクランプねじ110を緩めることで、回転軸107回りに360度回転自在とされる。この第2可動フレーム105は、クランプねじ110を締め付けることで第2アーム111と一体となり、第1可動フレーム104に設置された微調整つまみ112の操作によって、回転軸107回りの方向(傾き)が微調整される。また、上記第1可動フレーム104は、図16(C)に示すクランプねじ113を緩めることで、固定部103に対し回転軸106回りに360度回転自在とされる。この第1可動フレーム104は、クランプねじ113を締め付けることで、当該第1可動フレーム104内に配設された第1アーム114が固定部103と一体となり、第1可動フレーム104に設置された微調整つまみ115の操作によって、回転軸106回りの方向(傾き)が微調整される。
【0005】
一方、図17に示すミラーホルダ102は、特許文献1に図18を用いて記載され、また特許文献2に記載されたものでもある。このミラーホルダ102は、固定部120に対して、ミラー121を支持する可動部122が、支点部123に対して水平及び垂直方向に所定の間隔を置いて配置された第1調整ねじ124及び第2調整ねじ125の操作によって、上記支持部123を支点として互いに直交する方向で方向調整(傾き調整)可能に構成されている。
【特許文献1】米国特許第6,304,393 B1号明細書
【特許文献2】特開2002−21835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、図15及び図16に示すミラーホルダ101では、回転軸106または107回りにミラー108の方向を微調整する場合に、ミラー108の中心点109が移動しないことから良好にミラー108の方向を調整することができるが、構造が複雑でコストが上昇してしまう。
【0007】
また、図17及び図18に示すミラーホルダ102では、構造が簡単ではあるものの、支点部123がミラー121から外れた位置にあるため、第1調整ねじ124または第2調整ねじ125のいずれを用いてミラー121の方向を調整する場合にも、ミラー121の中心点位置が移動してしまい、ミラー121の方向を必ずしも良好に調整しているとは言えない。
【0008】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、構造の簡素化を図りつつ、光学素子の方向を良好に調整できる光学素子ホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、光学素子を、その方向を調整して保持する光学素子ホルダにおいて、上記光学素子を支持するサポート部材と、取付部を備えたベース部材と、このベース部材と上記サポート部材との間に介在された中間部材と、上記ベース部材に設けられ、上記中間部材を上記ベース部材に対して揺動させるための第1支持軸を構成する複数本の第1支持部材と、上記中間部材に設けられ、上記サポート部材を上記中間部材に対して揺動させるための第2支持軸を構成する複数本の第2支持部材と、上記ベース部材と上記サポート部材との間に配設され、このサポート部材及び上記中間部材を上記ベース部材側に付勢する付勢部材と、上記ベース部材に螺装されて先端が上記中間部材に当接し、上記付勢部材と連係して、上記サポート部材及び上記中間部材を上記第1支持軸回りに揺動させ、上記サポート部材に支持された上記光学素子の傾きを調整可能とする第1調整ねじ部材と、上記中間部材に螺装されて先端が上記サポート部材に当接し、上記付勢部材と連係して、上記サポート部材を上記第2支持軸回りに揺動させ、当該サポート部材に支持された上記光学素子の傾きを調整可能とする第2調整ねじ部材とを有し、上記第1支持軸と上記第2支持軸とが直交し、これらの第1支持軸及び第2支持軸が、上記サポート部材に支持された上記光学素子の基準面に一致して設定されたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、互いに直交する上記第1支持軸と上記第2支持軸との交点が、サポート部材に支持された光学素子の基準面内に設けられたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記第1支持部材は、その先端に球面形状部分を備え、複数の当該第1支持部材における上記球面形状部分の中心を連ねた直線にて第1支持軸が構成され、また、上記第2支持部材は、その先端に球面形状部分を備え、複数の当該第2支持部材における上記球面形状部分の中心を連ねた直線にて第2支持軸が構成されることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記光学素子がミラーであり、上記基準面が上記ミラーの表面であることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、上記ベース部材と中間部材には、第1支持軸に直交する平面がそれぞれ形成され、これらの平面が第1固定プレートにて固定可能に構成され、更に、上記中間部材とサポート部材には、第2支持軸に直交する平面がそれぞれ形成され、これらの平面が第2固定プレートにて固定可能に構成されたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、上記第1調整ねじ部材がベース部材の上部に、第2調整ねじ部材が中間部材の上部に、それぞれ設けられたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、上記第1支点部材及び第2支点部材は支点ねじにて構成され、この支点ねじに螺合する雌ねじ部には、上記支点ねじの頭部が位置付けられる近傍に、ねじ溝が形成されない逃げ部が設けられたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、上記ベース部材には、サポート部材に支持された光学素子へ向かう光、または上記光学素子から導かれた光を通過させる切欠き部が設けられたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、上記ベース部材の取付部には、取り付け用の穴が2箇所以上設けられたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発明において、上記付勢部材は、第1支点部材の全ての先端及び第1調整ねじ部材の先端が中間部材に当接し、且つ第2支点部材の全ての先端及び第2調整ねじ部材の先端がサポート部材に当接し得るように、当該付勢部材の数、配設位置及び付勢力の強さが設定されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1乃至4または10に記載の発明によれば、サポート部材及び中間部材をベース部材に対して揺動させる第1支持軸と、サポート部材を中間部材に対して揺動させる第2支持軸とが直交し、これらの第1支持軸及び第2支持軸が、上記サポート部材に支持された光学素子の基準面に一致して設定されたことから、特に、第1支持軸と第2支持軸との交点が、上記サポート部材に支持された光学素子の基準面内に設けられた場合には、第1調整ねじ部材を用いて光学素子を、サポート部材及び中間部材を介し第1支持軸回りに傾き調整し、または、第2調整ねじ部材を用いて光学素子を、サポート部材を介し第2支持軸回りに傾き調整する場合にも、光学素子の基準面における中心位置が全く或いは殆んど移動しないので、光学素子の方向調整を良好に実施できる。
【0020】
また、サポート部材及び中間部材がベース部材に対して第1支持軸回りに揺動可能とされ、更に、サポート部材が中間部材に対して第2支持軸回りに揺動可能とされたことから、サポート部材及び中間部材がベース部材に対して360度回転可能で、サポート部材が中間部材に対して360度回転可能な構造に比べ、装置の構造を簡素化できる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、ベース部材と中間部材には、第1支持軸に直交する平面がそれぞれ形成され、これらの平面が第1固定プレートにて固定可能に構成され、更に、上記中間部材とサポート部材には、第2支持軸に直交する平面がそれぞれ形成され、これらの平面が第2固定プレートにて固定可能に構成されたことから、例えば、サポート部材及び中間部材を第1支持軸回りに傾き調整して、この中間部材をベース部材に第1固定プレートを用いて固定し、その後、サポート部材を第2支持軸回りに傾き調整して、このサポート部材を中間部材に第2固定プレートを用いて固定することができるので、サポート部材に支持された光学素子の傾き調整、つまり方向調整の後に、調整位置のロックを確実に実施できる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、第1調整ねじ部材がベース部材の上部に、第2調整ねじ部材が中間部材の上部にそれぞれ設けられたことから、これらの第1調整ねじ部材及び第2調整ねじ部材の操作を光学素子ホルダの上方から容易に実施できるので、操作性を向上させることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、支点ねじが螺合する雌ねじ部には、支点ねじの頭部が位置付けられる近傍に、ねじ溝が形成されない逃げ部が設けられたことから、支点ねじに頭部近傍までねじ山が形成されるが、この頭部近傍のねじ山が不完全な場合にも、この不完全なねじ山部分が雌ねじ部の逃げ部に位置付けられるので、支点ねじを、雌ねじ部が形成された部材に頭部が接触する位置まで確実に締め付けて取り付けることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、ベース部材には、サポート部材に支持された光学素子へ向かう光、または光学素子から導かれた光を通過させる切欠き部が設けられたことから、例えば、光学素子の傾きが最大角度近くに設定されて当該光学素子の方向が調整されたときでも、この光学素子はその機能を十分に果たすことができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、ベース部材の取付部には取り付け用の穴が2箇所以上設けられたことから、これら2箇所以上の取り付け用穴に取付ボルトなどを挿通することによって、光学素子ホルダを安定して取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る光学素子ホルダの一実施の形態であるミラーホルダを示し、(A)が正面図、(B)が右側面図、(C)が平面図、(D)が背面図である。図5は、図1(D)のV‐V線に沿う断面図である。図6は、図1(D)のVI‐VI線に沿う断面図である。図7は、図1(D)のVII‐VII線に沿う断面図である。図8は、図1(C)において一部を図1(D)のVIII‐VIII線において切断した箇所を示す一部切欠き平面図である。
【0027】
図1に示す光学素子ホルダとしてのミラーホルダ10は、光学素子としてのミラー11を、その方向を調整して保持するものであり、ベース部材12、中間部材13及びサポート部材14を有して構成される。これらのベース部材12、中間部材13及びサポート部材14が、第1支点部材としての2本の第1支点ねじ15、第2支点部材としての2本の第2支点ねじ16、付勢部材としての引っ張りコイルばね17、第1調整ねじ部材としての第1調整ねじ18、及び第2調整ねじ部材としての第2調整ねじ19を用いて、後述の如く作動的に結合される。
【0028】
ベース部材12とサポート部材14との間に中間部材13が介在される。これらのベース部材12、中間部材13及びサポート部材14は略四角形のプレート形状であり、例えばアルミニウム材にて構成される。また、第1支点ねじ15、第2支点ねじ16、第1調整ねじ18及び第2調整ねじ19はステンレス材にて構成される。
【0029】
ベース部材12は、図10に示すように、ベース本体20の下部に取付部21が一体成形して構成される。ベース本体20の中央位置には、光を通過させるための開口22が形成され、この開口22に連通して切欠き部23が形成される。この切欠き部23も、開口22と同様に、ミラーホルダ10に保持されたミラー11へ向かう光(入射光)、または上記ミラー11から導かれる光(ミラー11からの反射光またはミラー11を透過した透過光)を通過させるものである。
【0030】
上記ベース本体20の上部及び下部には、図5に示す如く第1支点ねじ15を螺装するためのねじ穴24が形成されている。このねじ穴24の内周には、図10(D)に示すように雌ねじ25が形成されるが、この雌ねじ25には、第1支点ねじ15の頭部26が位置付けられる近傍に、ねじ溝が形成されない逃げ部27が設けられる。第1支点ねじ15には頭部26近傍位置までねじ山が形成されているが、この頭部26近傍位置のねじ山は不完全な場合が多い。第1支点ねじ15がねじ穴24の雌ねじ部25に螺合されたとき、この第1支点ねじ15の頭部26近傍位置のねじ山部分がねじ穴24における雌ねじ部25の逃げ部27に位置付けられることで、第1支点ねじ15は、その頭部26がベース部材12のベース本体20に当接するまでねじ込まれて固定される。
【0031】
図10に示す上記ベース本体20における上部コーナ部には、図7の如く第1調整ねじ18を螺装するためのねじブッシュ28を螺合するねじ穴29が形成されている。また、ベース本体20には、開口22の周囲における複数の所定位置に、図8の如く引っ張りコイルばね17が貫通する貫通孔30が形成される。この貫通孔30を臨むベース本体20の背面側に、引っ張りコイルばね17を係止する係止ピン31(図8)を嵌合する嵌合溝32が形成されている。
【0032】
上記ベース本体20の正面側には、図1(B)の如く第2支点ねじ16の頭部33を収容可能な収容凹部34が、図10(B)に示すように形成される。また、ベース本体20の天面35には、図4の如く第1固定プレート36をビス固定するためのねじ穴37が形成されている。更に、ベース部材12の取付部21には、複数(例えば2個)の取付穴38が形成され、これらの取付穴38に図示しない取付ボルトが挿通されてねじ込まれることで、ベース部材12が、つまりミラーホルダ10が所定位置に据え付けられる。
【0033】
前記中間部材13は、図11に示すように、中央位置に光を通過させるための開口39が形成される。この開口39は、中間部材13とベース部材12との組みつけ状態で、ベース部材12の開口22と同軸になるよう設けられる。この開口39は、図11(A)の上下方向に長軸を有する楕円形状に形成される。また、中間部材13の上部及び下部は正面側へ突出し、この突出部40に、図7の如く第1支点ねじ15を配設ための凹陥部41が形成される。これらの凹陥部41の底部に、第1支点ねじ15の先端部が当接するすり鉢形状、つまり断面三角形状の窪み部42が、図11に示すように設けられる。
【0034】
上記中間部材13には、図11(A)における左および右位置に、図6の如く第2支点ねじ16を螺装するためのねじ穴43が形成されている。このねじ穴43の内周には、図11(E)に示すように雌ねじ部44が形成されるが、この雌ねじ部44には、第2支点ねじ16の頭部33が位置付けられる近傍に、ねじ溝が形成されない逃げ部45が設けられる。第2支点ねじ16にも、第1支点ねじ15と同様に、頭部33近傍位置までねじ山が形成され、この頭部33近傍位置のねじ山は不完全な場合が多い。この第2支点ねじ16がねじ穴43の雌ねじ部44に螺合されたときに、この第2支点ねじ16の頭部33近傍位置のねじ山部分がねじ穴43における雌ねじ部44の逃げ部45に位置付けられることで、第2支点ねじ16は、その頭部33が中間部材13に当接するまでねじ込まれて固定される。
【0035】
上記中間部材13には、図11に示すように、上部コーナー部においてベース部材12のねじ穴29に対応する位置に、図7の如く第1調整ねじ18の先端部が当接するための座46が埋設される。この座46は、焼き入れ処理されて硬度が高められたものが好ましい。また、中間部材13の上部コーナー部において座46と反対の位置に、図7の如く第2調整ねじ19を螺装するためのねじブッシュ47を螺合するねじ穴48が形成されている。
【0036】
上記中間部材13には、図11に示す開口39の周囲における複数の所定位置に、図8の如く引っ張りコイルばね18が貫通する貫通孔49が形成される。この貫通孔49は、中間部材13とベース部材12との組み付け状態で、ベース部材12の貫通孔30と同軸になる位置に設けられる。また、中間部材13の天面50には、図4及び図1(C)の如く第1固定プレート36をビス固定するためのねじ穴51が形成されている。更に、中間部材13には、一方の側面52に、図3及び図1(B)の如く第2固定プレート55をビス固定するためのねじ穴53が形成されている。
【0037】
前記サポート部材14は、図12に示すように、中央位置に、光を通過させるための開口54が形成される。この開口54は、ベース部材12及び中間部材13との組み付け状態で、これらの開口22及び39と同軸に設けられる。この開口54は、直径が中間部材13の開口39の短軸とほぼ等しい円形状に形成される。これらの開口54及び39内に、図6に示すように、ミラー11を装着するミラーケース56の筒部57が配置される。サポート部材14は、このミラーケース56を介してミラー11を支持する。
【0038】
ここで、上記ミラーケース56は、図13に示すように、筒部57の一端に取付フランジ58が一体成形されて構成され、取付フランジ58の適宜位置に、取り付け用のねじ穴59が形成される。筒部57には、内周面に段部60が形成される。ミラー11は、この段部60に係止され、中間リング61を介してねじリング62が螺装されることにより筒部57内に装着される。取付フランジ58のねじ穴59とサポート部材14に形成されたねじ穴63(図12)とに取付ビス64を螺合することによって、取付フランジ58がサポート部材14に固定されて、ミラーケース56がサポート部材14に取り付けられる。
【0039】
上記サポート部材14は、図12に示すように、上部及び下部に、図1(A)の如く中間部材13の突出部40を収容するための収容凹部65が形成される。また、図12に示すサポート部材14には、左右位置に、図6の如く中間部材13のねじ穴43に螺装された第2支点ねじ16の先端部が当接するすり鉢形状、つまり断面三角形状の窪み部66が、図12(D)に示すように形成されている。更に、上記サポート部材14には、上部コーナー部において中間部材13のねじ穴48に対応する位置に、図7の如く第2調整ねじ19の先端部が当接するための座67が埋設されている。この座67は、前記座46と同様に、焼き入れ処理されて硬度が高められたものが好ましい。
【0040】
図12に示すサポート部材14には、開口54の周囲における複数の所定位置に、図8の如く突っ張りコイルばね17が貫通する貫通孔68が形成される。この貫通孔68は、ベース部材12及び中間部材13との組み付け状態で、ベース部材12の貫通孔30及び中間部材13の貫通孔49と同軸となる位置に設けられる。これらの貫通孔68内には、図2及び図8の如く引っ張りコイルばね17を係止するための係止ピン69を、貫通孔68の直径方向に嵌入する嵌入穴70が形成されている。また、サポート部材14には、一方の側面71に、図3及び図1(B)の如く第2固定プレート55をビス固定するためのねじ穴72が形成されている。
【0041】
前記第1支点ねじ15は、図1(D)及び図5に示すように、ベース部材12のねじ穴24に螺合される。この第1支点ねじ15は、図9に示すように、先端に鋼球73が埋設されて球面形状部分を備え、この鋼球73が中間部材13の窪み部42に当接する。2本の第1支点ねじ15における鋼球73の中心Oを連ねた直線が第1支点軸74となり、この第1支点軸74を中心に中間部材13が、サポート部材14と共にベース部材12に対し揺動可能に構成される。この中間部材13の揺動方向を、図1(C)及び図7に矢印Aで示す。この第1支点軸74は、図9に示すように、サポート部材14に支持されたミラー11の基準面としての表面76に一致する位置に設定される。尚、第1支点ねじ15の先端部の鋼球73は、中間部材13の窪み部42にリング状に接触して線接触状態となる。
【0042】
前記第2支点ねじ16は、図1(D)及び図6に示すように、中間部材13のねじ穴43に螺合される。この第2支点ねじ16は、第1支点ねじ15と同様に、図9に示すように、先端に鋼球73が埋設されて球面形状部分を備え、この鋼球73がサポート部材14の窪み部66に当接する。2本の第2支点ねじ16における鋼球73の中心Oを連ねた直線が第2支点軸75となり、この第2支点軸75を中心にサポート部材14が中間部材13に対し揺動可能に構成される。このサポート部材14の揺動方向を図1(B)及び図5に矢印Bで示す。この第2支点軸75は、図9に示すように、第1支点軸74の場合と同様に、サポート部材14に支持されたミラー11の表面76に一致する位置に設定される。尚、第2支点ねじ16の先端の鋼球73は、サポート部材14の窪み部66にリング形状に接触して線接触状態となる。
【0043】
図1に示すように、第1支点ねじ15が構成する第1支点軸74と、第2支点ねじ16が構成する第2支点軸75とは互いに直交し、その交点Pは、サポート部材14に支持されたミラー11の表面76の面内に設定される。特に、本実施の形態では、第1支点軸74と第2支点軸75との交点Pは、ミラー11の表面76の面内において、当該ミラー11の光軸が当該ミラー11の表面76を横切る当該ミラー11の中心点Qと一致する。従って、中間部材13及びサポート部材14がベース部材12に対し第1支点軸74回りに揺動する場合にも、更に、サポート部材14が中間部材13に対し第2支点軸75回りに揺動する場合にも、サポート部材14に支持されたミラー11は、その中心点Qが移動することがない。
【0044】
前記引っ張りコイルばね17は、図8に示すように、ベース部材12の貫通孔30、中間部材13の貫通孔49及びサポート部材14の貫通孔68を貫通して配置される。そして、この引っ張りコイルばね17は、図1(D)及び図2にも示すように、一端が係止ピン31を用いてベース部材12に支持され、他端が係止ピン69を介してサポート部材14に支持される。この引っ張りコイルばね17による引っ張り方向の付勢力によって、中間部材13及びサポート部材14がベース部材12の方向に付勢されて、ベース部材12、中間部材13及びサポート部材14が組み付けられる。
【0045】
前記第1調整ねじ18は、図7に示すように、ねじブッシュ28を介してベース部材12に螺装され、先端が中間部材13の座46に当接する。この第1調整ねじ18の先端には、第1支点ねじ15及び第2支点ねじ16と同様に鋼球83が埋設されており、この鋼球83が座46に点接触する。第1調整ねじ18が回転操作されることによって、引っ張りコイルばね17と連係して、つまり引っ張りコイルばね17の付勢力に抗しまたは付勢力の作用で、中間部材13及びサポート部材14は、ベース部材12に対し第1支点軸74回りに矢印A方向に揺動して、図1(A)に示すように、サポート部材14に支持されたミラー11の第1支点軸74回りの傾きを調整可能とする。
【0046】
前記第2調整ねじ19は、図7に示すように、ねじブッシュ47を介して中間部材13に螺装され、先端がサポート部材14の座67に当接する。この第2調整ねじ19の先端には、第1調整ねじ18と同様に鋼球83が埋設されて構成され、この鋼球83が座67に点接触する。第2調整ねじ19が回転操作されることによって、引っ張りコイルばね17と連係して、つまり引っ張りコイルばね17の付勢力に抗しまたは付勢力の作用で、サポート部材14は中間部材13に対し第2支点軸75回りに図1(B)に示す矢印B方向に揺動して、図1(A)に示すように、サポート部材14に支持されたミラー11の第2支点軸75回りの傾きを調整可能とする。
【0047】
図1(D)に示すように、第1調整ねじ18は、ベース部材12の上部における一方側(図1(D)の左側)のコーナ部に、また、第2調整ねじ19は、中間部材13の上部における他方側(図1(D)の右側)のコーナ部にそれぞれ配置される。これにより、第1調整ねじ18及び第2調整ねじ19の操作がミラーホルダ10の上方から容易に実施可能とされる。
【0048】
尚、第1調整ねじ18及び第2調整ねじ19は、図7に示す鋼球83を含めてステンレス材にて構成されるが、上記ねじブッシュ28及び47は真鍮またはほう金にて構成されて、第1調整ねじ18及び第2調整ねじ19の回転操作の感触が滑らかになるよう設けられる。
【0049】
図4に示すように、ベース部材12と中間部材13には、第1支点軸74(図1(A))に直交する天面35、50がそれぞれ形成され、これらの天面35及び50は同一平面位置に設けられる。これらの天面35と天面50に第1固定プレート36が、図1(C)に示すように、取付ビス77及び操作ビス78を用いて固定されて、中間部材13がベース部材12に一体化されてロックされる。例えば、取付ビス77はベース部材12のねじ穴37(図10(C))に螺合され、操作ビス78は中間部材13のねじ穴51(図11(D))に螺合される。
【0050】
上記第1固定プレート36は、図1(C)に示すように、例えば取付ビス77を用いてベース部材12の天面35に固定され、操作ビス78を緩めた状態で第1調整ねじ18が操作されて、中間部材13及びサポート部材14が第1支点軸74回りに矢印A方向に揺動され、この第1支点軸74回りのミラー11の傾きが調整された後、操作ビス78の締め付けによって中間部材13の天面50に固定される。従って、図4に示すように、第1固定プレート36には、操作ビス78が挿通される箇所に、第1支点軸74からねじ穴51へ向かって伸びる直線に対しほぼ垂直に延びる長孔79が形成されている。
【0051】
図3に示すように、中間部材13とサポート部材14には、第2支点軸75(図1(A))に直交する側面52、71がそれぞれ形成され、これらの側面52及び71は同一平面位置に設けられる。これらの側面52と側面71に第2固定プレート55が、図1(B)に示すように、取付ビス80及び操作ビス81を用いて固定されて、サポート部材14が中間部材13に一体化されてロックされる。例えば、取付ビス80は、サポート部材14のねじ穴72(図12(B))に螺合され、操作ビス81は、中間部材13のねじ穴53(図3)に螺合される。
【0052】
上記第2固定プレート55は、図1(B)に示すように、例えば取付ビス80を用いてサポート部材14の側面71に固定され、操作ビス81を緩めた状態で第2調整ねじ19が操作されて、サポート部材14が第2支点軸75回りに矢印B方向に揺動され、この第2支点軸75回りのミラー11の傾きが調整された後、操作ビス81の締め付けによって中間部材13の側面52に固定される。従って、図3に示すように、第2固定プレート55には、操作ビス81が挿通される箇所に、第2支点軸75からねじ穴53へ向かって伸びる直線に対しほぼ垂直に延びる長孔82が形成されている。
【0053】
ところで、中間部材13及びサポート部材14をベース部材12方向へ付勢する前記引っ張りコイルばね17(図8)は、2本の第1支点ねじ15(図5)の先端の鋼球73が中間部材13の窪み部42に、第1調整ねじ18(図7)の先端の鋼球83が中間部材13の座46にそれぞれ当接し、更に、2本の第2支点ねじ16(図6)の先端の鋼球73がサポート部材14の窪み部66に、第2調整ねじ19(図7)の先端の鋼球83がサポート部材14の座67にそれぞれ当接し得るように、引っ張りコイルばね17の本数、配設位置及び付勢力の強さが設定されている。
【0054】
例えば、図14に示すように、第1支点軸74と第2支点軸75の交点Pの位置を原点(0,0)とし、第2支点軸75をX軸、第1支点軸74をY軸としたとき、右左の第2支点ねじ16の位置をそれぞれ1(L1X,0)、2(L2X,0)とし、3本の引っ張りコイルばね17の軸心位置をそれぞれ3(L3X,L3Y)、4(L4X,L4Y)、7(L7X,L7Y)とし、第2調整ねじ19の位置を5(L5X,L5Y)とし、第1調整ねじ18の位置を6(L6X,L6Y)とし、上下の第1支点ねじ15の位置をそれぞれ8(0,L8Y)、9(0,L9Y)とする。
【0055】
図12(A)の紙面に垂直で裏面へ向かう方向を正としたとき、サポート部材14において、右左の窪み部66へ第2支点ねじ16から作用する力はそれぞれF,Fとなり、貫通孔68内の係止ピン69へ引っ張りコイルばね17から作用する力はF、F、Fとなり、座67へ第2調整ねじ19から作用する力はFとなる。そこで、サポート部材14に作用する力の釣合式は式(1)となり、X軸(第2支点軸75)回りのモーメントの釣合式は式(2)となり、Y軸(第1支点軸74)回りのモーメントの釣合式は式(3)となる。
+F+F+F+F+F=0 ……(1)
5Y+F3Y+F4Y+F7Y=0 ……(2)
1X+F3X+F5X+F2X+F4X+F7X=0 ……(3)
【0056】
また、図11(A)の紙面に垂直で裏面へ向かう方向を正としたとき、中間部材13において、右左のねじ穴43に第2支点ねじ16を介して作用する力(反作用)は−F、−Fとなり、ねじ穴48に第2調整ねじ19を介して作用する力(反作用)は−Fとなり、座46に第1調整ねじ18から作用する力はFとなり、上下の窪み部42に第1支点ねじ15から作用する力はそれぞれF、Fとなる。そこで、中間部材13に作用する力の釣合式は式(4)となり、X軸(第2支点軸75)回りのモーメントの釣合式は式(5)となり、Y軸(第1支点軸74)回りのモーメントの釣合式は式(6)となる。
−F−F−F+F+F+F=0 ……(4)
−F5Y+F6Y+F8Y+F9Y=0 ……(5)
−F1X−F5X−F2X+F6X=0 ……(6)
【0057】
更に、図10(A)の紙面に垂直で裏面へ向かう方向を正としたとき、ベース部材12において、貫通孔30内の引っ張りコイルばね17から係止ピン31を介して作用する力(反作用)は−F、−F、−Fとなり、ねじ穴29に第1調整ねじ18を介して作用する力(反作用)は−Fとなり、上下のねじ穴24に第1支点ねじ15を介して作用する力(反作用)は−F、−Fとなる。そこで、このベース部材12に作用する力の釣合式は式(7)となり、X軸(第2支点軸75)回りのモーメントの釣合式は式(8)となり、Y軸(第1支点軸74)回りのモーメントの釣合式は式(9)となる。
−F−F−F−F−F−F=0 ……(7)
−F3Y−F4Y−F6Y−F8Y−F7Y−F9Y=0……(8)
−F3X−F4X−F6X−F7X=0 ……(9)
【0058】
上記力F、F、F、F、F及びFが正となって、第2支点ねじ16及び第2調整ねじ19の先端がサポート部材14に当接し、第1調整ねじ18及び第1支点ねじ15の先端が中間部材13に当接し得るようにパラメータ(力F1〜F9及び各位置1〜9)を決定する。
【0059】
例えば、引っ張りコイルばね17に関しF=F=F=−10N(引っ張りばね)とし、第2支点ねじ16の位置に関しL1X=20、L2X=−20とし、引っ張りコイルばね17の位置に関し(L3X,L3Y)=(20,10)、(L4X,L4Y)=(−20,10)、(L7X,L7Y)=(−20,−10)とし、第2調整ねじ19の位置に関し(L5X,L5Y)=(20,20)とし、第1調整ねじ18の位置に関し(L6X,L6Y)=(−20,20)とし、第1支点ねじ15の位置に関しL8Y=20,L9Y=−20とすると、F=5N、F=20N、F=5N、F=10N、F=(15/2)N、F=(25/2)Nとなる。
【0060】
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果(1)〜(7)を奏する。
(1)図1に示すサポート部材14及び中間部材13をベース部材12に対して揺動させる第1支点軸74と、サポート部材14を中間部材13に対して揺動させる第2支点軸75とが直交し、これらの第1支点軸74及び第2支点軸75が、サポート部材14に支持されたミラー15の表面76(図9)に一致して設けられたことから、特に、第1支点軸74と第2支点軸75との交点Pが、サポート部材14に支持されたミラー15の表面76内における中心点Qに設けられた場合には、第1調整ねじ18を用いてミラー11を、サポート部材14及び中間部材13を介し第1支点軸74回りに傾き調整し、または、第2調整ねじ19を用いてミラー11を、サポート部材14を介し第2支点軸75回りに傾き調整する場合にも、ミラー11の表面76における中心点Qが全く移動しないので、ミラー15の方向調整を良好に実施できる。
【0061】
(2)サポート部材14及び中間部材13がベース部材12に対し第1支点軸74回りに揺動可能とされ、更に、サポート部材14が中間部材13に対して第2支点軸75回りに揺動可能とされたことから、図15に示すジンバル方式のミラーホルダ101のように、第1可動フレーム104が固定部103に対して360度回転可能で、第2可動フレーム105が第1可動フレーム104に対して360度回転可能な構造に比べ、ミラーホルダ10の装置構造を簡素化でき、そのコストを低減できる。
【0062】
(3)ベース部材12と中間部材13には、第1支点軸74(図4)に直交する天面35、50がそれぞれ形成され、これらの天面35、50が第1固定プレート36にて固定可能に構成される。更に、中間部材13とサポート部材14には、第2支点軸75(図3)に直交する側面52、71がそれぞれ形成され、これらの側面52、71が第2固定プレート55にて固定可能に構成される。これらのことから、例えば、サポート部材14及び中間部材13を第1支点軸74回りに傾き調整して、この中間部材13をベース部材12に第1固定プレート36を用いて固定し、その後、サポート部材14を第2支点軸75回りに傾き調整して、このサポート部材14を中間部材13に第2固定プレート55を用いて固定することができるので、サポート部材14に支持されたミラー11の傾き調整、つまり方向調整の後に、調整位置のロックを確実に実施できる。
【0063】
(4)第1調整ねじ18(図1)がベース部材12の上部に、第2調整ねじ19が中間部材13の上部にそれぞれ設けられたことから、これらの第1調整ねじ18及び第2調整ねじ19の操作をミラーホルダ10の上方から容易に実施できるので、その操作性を向上させることができる。
【0064】
(5)第1支点ねじ15(図5)が螺合するベース部材12におけるねじ穴24の雌ねじ部25、第2支点ねじ16(図6)が螺合する中間部材13におけるねじ穴43の雌ねじ部44には、第1支点ねじ15の頭部26、第2支点ねじ16の頭部33がそれぞれ位置づけられる位置に、ねじ溝が形成されない逃げ部27、45が設けられたことから、第1支点ねじ15、第2支点ねじ16には、それぞれの頭部26、33近傍までねじ山が形成されるが、これらの頭部近傍のねじ山が不完全な場合にも、これらの不完全なねじ山部分が雌ねじ部25の逃げ部27、雌ねじ部44の逃げ部45のそれぞれに位置づけられるので、第1支点ねじ15を、その頭部26がベース部材12に位置する位置まで確実に締め付けて取り付けることができ、また、第2支点ねじ16を、その頭部33が中間部材13に接触する位置まで確実に締め付けて取り付けることができる。
【0065】
(6)ベース部材12(図1(D))には、サポート部材14に支持されたミラー11へ向かう光、またはミラー11から導かれた光を通過させる切欠き部23が設けられたことから、例えばミラー11の傾きが最大角度(例えば45度)近くに設定されて当該ミラー11の方向が調整されたときでも、このミラー11はその機能を十分に果たすことができる。
【0066】
(7)ベース部材12(図10)の取付部21には、取付孔38が2箇所を設けられたことから、これら2箇所の取付孔38に取付ボルト(不図示)などを挿通することによって、ミラーホルダ9を安定して据え付けることができる。
【0067】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、第1支点軸74と第2支点軸75との交点Pは、サポート部材14に支持されたミラー11の中心点Qと一致するものを述べたが、上記ミラー11の表面76内の任意の位置にあってもよい。また、上記実施の形態では、光学素子がミラー11の場合を述べたが、レンズや光学フィルタなどであってもよい。光学素子がレンズの場合には、当該レンズの肉厚の中心を通り光軸に垂直な面が基準面として設定される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係る光学素子ホルダの一実施の形態であるミラーホルダを示し、(A)が正面図、(B)が右側面図、(C)が平面図、(D)が背面図である。
【図2】図1(A)のミラーホルダにおいてミラーケース56を取り除いて示す正面図である。
【図3】図1(B)の操作ビス81を取り除いて示すミラーホルダの右側面図である。
【図4】図1(C)の操作ビス78を取り除いて示すミラーホルダの平面図である。
【図5】図1(D)のV‐V線に沿う断面図である。
【図6】図1(D)のVI‐VI線に沿う断面図である。
【図7】図1(D)のVII‐VII線に沿う断面図である。
【図8】図1(C)において一部を図1(D)のVIII‐VIII線において切断した箇所を示す一部切欠き平面図である。
【図9】図5及び図6における支点ねじ先端とミラーとの関係を示す側面図である。
【図10】図1のベース部材を示し、(A)が背面図、(B)が図10(A)の右側面図、(C)が図10(A)の平面図、(D)が図10(A)のD‐D線に沿う断面図である。
【図11】図1の中間部材を示し、(A)が背面図、(B)が図11(A)の左側面図、(C)が図11(A)の右側面図、(D)が図11(A)のD‐D線に沿う断面図、(E)が図11(A)のE‐E線に沿う断面図、(F)が図11(A)の正面図である。
【図12】図1のサポート部材を示し、(A)が背面図、(B)が図12(A)の左側面図、(C)が図12(A)の平面図であって、その一部に図12(A)のC‐C線において切断した箇所を含む図、(D)が図12(A)のD‐D線に沿う断面図、(E)が図12(A)の正面図である。
【図13】図1のミラーケースを示し、(A)が背面図、(B)が図13(A)のB‐B線に沿う断面図、(C)が図13(A)の正面図である。
【図14】図1(D)と同様なミラーホルダの背面図である。
【図15】従来におけるジンバル式のミラーホルダを示す斜視図である。
【図16】図15のミラーホルダを示し、(A)が縦断面図、(B)が図16(A)のB‐B線に沿う断面図、(C)が図16(A)のC‐C線に沿う断面図である。
【図17】従来におけるキネマティック式のミラーホルダを示す斜視図である。
【図18】図17と同様なミラーホルダの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
10 ミラーホルダ(光学素子ホルダ)
11 ミラー(光学素子)
12 ベース部材
13 中間部材
14 サポート部材
15 第1支点ねじ(第1支点部材)
16 第2支点ねじ(第2支点部材)
17 引っ張りコイルばね(付勢部材)
18 第1調整ねじ(第1調整ねじ部材)
19 第2調整ねじ(第2調整ねじ部材)
21 取付部
23 切欠き部
25 雌ねじ部
27 逃げ部
35 天面(平面)
36 第1固定プレート
38 取付穴
44 雌ねじ部
45 逃げ部
50 天面(平面)
52 側面(平面)
55 第2固定プレート
73 鋼球
74 第1支点軸
75 第2支点軸
76 表面(基準面)
77 取付ビス
78 操作ビス
80 取付ビス
81 操作ビス
P 第1支点軸と第2支点軸との交点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を、その方向を調整して保持する光学素子ホルダにおいて、
上記光学素子を支持するサポート部材と、
取付部を備えたベース部材と、
このベース部材と上記サポート部材との間に介在された中間部材と、
上記ベース部材に設けられ、上記中間部材を上記ベース部材に対して揺動させるための第1支持軸を構成する複数本の第1支持部材と、
上記中間部材に設けられ、上記サポート部材を上記中間部材に対して揺動させるための第2支持軸を構成する複数本の第2支持部材と、
上記ベース部材と上記サポート部材との間に配設され、このサポート部材及び上記中間部材を上記ベース部材側に付勢する付勢部材と、
上記ベース部材に螺装されて先端が上記中間部材に当接し、上記付勢部材と連係して、上記サポート部材及び上記中間部材を上記第1支持軸回りに揺動させ、上記サポート部材に支持された上記光学素子の傾きを調整可能とする第1調整ねじ部材と、
上記中間部材に螺装されて先端が上記サポート部材に当接し、上記付勢部材と連係して、上記サポート部材を上記第2支持軸回りに揺動させ、当該サポート部材に支持された上記光学素子の傾きを調整可能とする第2調整ねじ部材とを有し、
上記第1支持軸と上記第2支持軸とが直交し、これらの第1支持軸及び第2支持軸が、上記サポート部材に支持された上記光学素子の基準面に一致して設定されたことを特徴とする光学素子ホルダ。
【請求項2】
互いに直交する上記第1支持軸と上記第2支持軸との交点が、サポート部材に支持された光学素子の基準面内に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の光学素子ホルダ。
【請求項3】
上記第1支持部材は、その先端に球面形状部分を備え、複数の当該第1支持部材における上記球面形状部分の中心を連ねた直線にて第1支持軸が構成され、また、上記第2支持部材は、その先端に球面形状部分を備え、複数の当該第2支持部材における上記球面形状部分の中心を連ねた直線にて第2支持軸が構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子ホルダ。
【請求項4】
上記光学素子がミラーであり、上記基準面が上記ミラーの表面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光学素子ホルダ。
【請求項5】
上記ベース部材と中間部材には、第1支持軸に直交する平面がそれぞれ形成され、これらの平面が第1固定プレートにて固定可能に構成され、更に、上記中間部材とサポート部材には、第2支持軸に直交する平面がそれぞれ形成され、これらの平面が第2固定プレートにて固定可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光学素子ホルダ。
【請求項6】
上記第1調整ねじ部材がベース部材の上部に、第2調整ねじ部材が中間部材の上部に、それぞれ設けられたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光学素子ホルダ。
【請求項7】
上記第1支点部材及び第2支点部材は支点ねじにて構成され、この支点ねじに螺合する雌ねじ部には、上記支点ねじの頭部が位置付けられる近傍に、ねじ溝が形成されない逃げ部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光学素子ホルダ。
【請求項8】
上記ベース部材には、サポート部材に支持された光学素子へ向かう光、または上記光学素子から導かれた光を通過させる切欠き部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光学素子ホルダ。
【請求項9】
上記ベース部材の取付部には、取り付け用の穴が2箇所以上設けられたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光学素子ホルダ。
【請求項10】
上記付勢部材は、第1支点部材の全ての先端及び第1調整ねじ部材の先端が中間部材に当接し、且つ第2支点部材の全ての先端及び第2調整ねじ部材の先端がサポート部材に当接し得るように、当該付勢部材の数、配設位置及び付勢力の強さが設定されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の光学素子ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−171350(P2006−171350A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363613(P2004−363613)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(592253736)シグマ光機株式会社 (46)
【Fターム(参考)】