説明

光学素子及び光源ユニット

【課題】色再現性が良好で、かつ色ムラの発生を防止することができる光学素子及び光源ユニットを提供する。
【解決手段】基板2上には柱状突起4が互いに交差する第一の方向(X軸方向)及び第二の方向(Y軸方向)へ四角格子状に配列され、柱状突起4は第一の方向から入射する第一の光Lrの波長に対応した間隔d1で第一の方向に配列され、柱状突起4は第二の方向から入射する第二の光Lgの波長に対応した間隔d2で第二の方向に配列され、第一の方向及び第二の方向の双方に交差する第三の方向に配列された柱状突起4の列L3の間隔d3が、第三の方向に直交する方向から入射する第三の光Lbの波長に対応していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光学素子及び光源ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォトニック結晶は、光の波長領域において周期的に屈折率が変化する構造体である。このフォトニック結晶を、例えば、発光ダイオードのような発光体の光の出射面に設けることで、発光体で発生した光の取出効率の向上を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、フォトニック結晶は、出射面において格子状に配置された複数の円柱状の柱状突起で構成されており、互いに屈折率が異なる2つの物質である柱状突起と空気層とが所定の間隔で規則的に配置された構造となっている。このため、出射面に対して臨界屈折角よりも大きい法線角度で出射面から出射する光を、周期的に形成された柱状突起と空気層とにより回折させ、出射方向を臨界屈折角よりも小さくすることが可能となる。これにより、フォトニック結晶に入射した光が、出射面において全反射される光の割合が小さくなり、光の取出効率が向上する。
【0003】
ところで、携帯電話機などの電子機器の表示部には、液晶表示装置が用いられている。
この液晶表示装置には、通常、表示の視認性を高めるためのバックライトユニットが設けられている。このバックライトユニットは、光源からの照明光を内部で導光させた後、液晶パネルに向けて出射させる導光板を備えている。
そこで、このような導光板において、照明光の取出効率を向上させるため、出射面に上述したフォトニック結晶を設けることが考えられる。
また、特に中・小型のバックライトでは、導光板の薄型化のために、導光板の光の出射面に垂直な側端面から光を入射させる、いわゆるエッジ方式が主に採用されている。
【特許文献1】特開2006−49855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の光学素子においても、以下の課題が残されている。光学素子に光を入射させる光源として主にLEDが用いられるが、白色LEDを用いた場合、白色光がRGBの各色の光の波長をバランスよく含んでいないため、色再現性が低下するという課題がある。また、上述のエッジ方式において色再現性を向上させるためにRGBの各色のLEDを光源として用いた場合、出射面から射出される各色の光に偏りが生じ、色ムラが発生するという課題がある。
【0005】
そこで、この発明は、色再現性が良好で、かつ色ムラの発生を防止することができる光学素子及び光源ユニットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の光学素子は、基板と、該基板の一面に設けられた複数の柱状突起とを有し、内部に光を導通させる光学素子であって、前記柱状突起は、互いに交差する第一の方向及び第二の方向に格子状に配列され、前記第一の方向においては、該第一の方向から入射する第一の光の波長に対応した間隔で配置され、前記第二の方向においては、該第二の方向から入射する第二の光の波長に対応した間隔で配置され、前記第一の方向及び前記第二の方向の双方に交差する第三の方向に配列された前記柱状突起の列が、前記第三の方向に直交する方向から入射する第三の光の波長に対応した間隔で配置されていることを特徴とする。
【0007】
このように構成することで、基板に各方向から入射した各光を、基板の一面から略同一の角度で出射させ、各光を効率よく合成することができる。そのため、基板の一面から各光を偏りなく均一に射出させ、基板から射出される合成光に含まれる波長のバランスを向上させることができる。したがって、色再現性が良好で、かつ色ムラの発生を防止された光学素子を提供することができる。
【0008】
また、本発明の光学素子は、前記第一の方向の前記柱状突起の間隔をd1、前記第二の方向の前記柱状突起の間隔をd2、前記第三の方向の前記柱状突起の列の間隔をd3とし、前記第一の光の波長をλ1、前記第二の光の波長をλ2、前記第三の光の波長をλ3とし、前記基板の一面に入射する、前記第一の光の入射角をα1、前記第二の光の入射角をα2、前記第三の光の入射角をα3とし、前記基板の一面から出射する、前記第一の光の出射角をβ1、前記第二の光の出射角をβ2、前記第三の光の出射角をβ3とし、前記基板の屈折率をn、空気の屈折率をaとし、N1、N2、N3を整数とした場合に、前記間隔d1、d2、d3は、それぞれ下記の式(1)、式(2)、式(3)の関係を満たし、前記波長λ1、λ2、λ3に対応して前記出射角β1、β2、β3を所定の値とするように調整されていることを特徴とする。
【0009】
d1・(n・sinα1−a・sinβ1)=N1・λ1…(1)
d2・(n・sinα2−a・sinβ2)=N2・λ2…(2)
d3・(n・sinα3−a・sinβ3)=N3・λ3…(3)
【0010】
このように構成することで、基板の一面から所定の方向に各波長の光を射出させて合成することができる。これにより、従来、正面方向に光を射出させるために用いられていたプリズムシートが不要になる。したがって、従来よりも光学素子の部材を削減することができ、光学素子を薄型化することができるだけでなく、材料コストを削減し、環境負荷を低減することができる。
【0011】
また、本発明の光学素子は、前記間隔d1、d2、d3は、前記出射角β1、β2、β3のそれぞれを0°に近づけるように調整されていることを特徴とする。
【0012】
このように構成することで、導光板の一面から垂直に各波長の光を射出させて、各光を偏りなく均一に合成することができる。
【0013】
また、本発明の光学素子は、前記第一の方向は前記第二の方向に直交し、前記第三の方向は、4つの前記柱状突起が矩形配列された単位格子の対角線と平行であることを特徴とする。
【0014】
このように構成することで、柱状突起は垂直格子状に配列される。そして、上記の式(1)〜式(3)の関係を満たす場合には、各波長λ1、λ2、λ3の光を射出する各光源を、下記の式(4)を満たすように選定することで、各波長λ1、λ2、λ3に対応する間隔d1、d2、d3を容易に選定することができる。
【0015】
λ3=λ1・λ2/√(λ1+λ2)…(4)
【0016】
また、本発明の光学素子は、前記基板の一面に前記単位格子を複数備えた柱状突起ユニットが複数配置され、前記基板の一面内における位置により前記柱状突起ユニットの配置密度が異なることを特徴とする。
【0017】
このように構成することで、基板の一面内の位置によって輝度が異なる場合であっても、柱状突起ユニットの密度の増減により所望の方向に射出される光の量を調整し、基板の一面における輝度を均一にすることができる。
【0018】
また、本発明の光学素子は、前記柱状突起は、前記基板の一面に垂直な断面の輪郭形状が放物線状の形状であることを特徴とする。
【0019】
このように構成することで、柱状突起の基端側から先端側に向けて屈折率が緩やかにかつ比較的均一に変化していくいため、回折効率が向上する。
【0020】
また、本発明の光学素子は、前記柱状突起は、前記基板の一面に平行な断面の輪郭形状が楕円状の形状であることを特徴とする。
【0021】
このように構成することで、各方向から基板に入射する各光に対する柱状突起の回折効率を異ならせることができる。
【0022】
また、本発明の光学素子は、前記基板の前記柱状突起側に光拡散層が設けられていることを特徴とする。
【0023】
このように構成することで、各光の入射角が変動して出射角が基板の一面に垂直ではなくなった場合であっても、これらの光を拡散させて、基板の一面に垂直な方向に射出される光を増加させることができる。
【0024】
また、本発明の光学素子は、前記第一の光は赤色光であり、前記第二の光は緑色光であり、前記第三の光は青色光であることを特徴とする。
【0025】
このように構成することで、各色の光を合成させて、RGBの各色の光の波長をバランスよく含んだ色再現性の高い白色光を得ることができる。
【0026】
また、本発明の光源ユニットは、上記のいずれかの光源素子を備え、前記基板に前記第一の光を前記第一の方向から入射させる第一の光源と、前記基板に前記第二の光を前記第二の方向から入射させる第二の光源と、前記基板に前記第三の光を前記第三の方向に垂直な方向から入射させる第三の光源と、を有することを特徴とする。
【0027】
このように構成することで、各光源から射出された各光は、光学素子に入射して基板の一面から射出されて均一に合成される。したがって、色再現性が良好で、かつ色ムラの発生が防止された光源ユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
<第一実施形態>
次に、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0029】
(バックライトユニット、導光板)
図1は本実施形態のバックライトユニットの全体構成を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’線に沿う矢視断面図である。また、図2は、図1のバックライトユニットの導光板の一部を拡大して示すもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【0030】
図1(a)および図1(b)に示す本実施形態の光学ユニットは、例えば、液晶表示装置のバックライトユニット(光学ユニット)100であって、内部に光を導通させる導光板(光学素子)1と、導光板1に光を照射する複数の光源R,G,Bとを備えている。また、導光板1は、基板2と、基板2の表面(一面)2aの回折領域3に形成された複数の円柱状の柱状突起4とを有している。これらの柱状突起4は基板2の表面2aから略垂直に突出するように形成されている。基板2は、例えば、ポリカーボネート(PC)等、光源R,G,Bに使用する波長領域において透光性を有する材料により形成されている。また、光源R,G,Bは、例えば、LEDにより構成されている。
【0031】
図1(a)に示すように、本実施形態の導光板1は平面視で略矩形状であり、角の一つが面取りされた五角形の形状を有している。面取りされた部分の側面2bは、後述する柱状突起4の列L3(図2(a)参照)と平行に形成されている。
ここで、図1(a)に示すように基板2の表面2aに平行なXY平面を有するXYZ直交座標系を設定すると、基板2のY軸に平行な側面2yには、赤色光(第一の光)Lrを平面視でX軸方向に照射する赤色光源Rが配置されている。また、基板2のX軸に平行な側面2xには、緑色光(第二の光)Lgを平面視でY軸方向に照射する緑色光源Gが配置されている。また、基板2の面取りされた部分の側面2bには、青色光(第三の光)Lbを後述する柱状突起4の列L3と垂直な方向に照射する青色光源Bが配置されている。
【0032】
すなわち、基板2のY軸に平行な側面2yは赤色光Lrが入射する入射面となっており、導光板1のX軸に平行な側面2xは緑色光Lgが入射する入射面となっている。また、上述の面取りされた部分の側面2bは青色光Lbが入射する入射面となっている。そして、基板2の表面2aの柱状突起4が形成された回折領域3が、各色の光Lr,Lg,Lbの出射面となっている。
【0033】
また、基板2の表面2aには、図2(a)に示すように、複数の柱状突起4が、互いに直交するX軸方向(第一の方向)及びY軸方向(第二の方向)にそれぞれ等しい間隔d1,d2で四角格子状に配列されている。すなわち、柱状突起4は垂直格子状の配列となっている。換言すると、柱状突起4の配列は、Y軸方向に配列された柱状突起4の列L1が一定の間隔d1でX軸方向に配列され、X軸方向に配列された柱状突起4の列L2も一定の間隔d2でY軸方向に配列されている。
また、X軸方向及びY軸方向の双方に交差する方向、例えば、矩形配列された4つの柱状突起4からなる単位格子Uの対角線の方向(第三の方向)に配列された柱状突起4の列L3も、一定の間隔d3で配列されている。
【0034】
また、本実施形態では、X軸方向の柱状突起4の間隔d1、Y軸方向の柱状突起4の間隔d2、及び、柱状突起4の列L3の間隔d3は、それぞれ下記の式(1)、式(2)、式(3)の関係を満たしている。ここで、間隔d1,d2はそれぞれ柱状突起4の中心間隔であり、間隔d3は、列L3の中心線の間隔である。
【0035】
d1・(n・sinα1−a・sinβ1)=N1・λ1…(1)
d2・(n・sinα2−a・sinβ2)=N2・λ2…(2)
d3・(n・sinα3−a・sinβ3)=N3・λ3…(3)
【0036】
ここで、λ1は赤色光Lrの波長、λ2は緑色光Lgの波長、λ3は青色光Lbの波長である。また、図2(b)に示すように、α1は基板2の表面2aに入射する赤色光Lrの入射角、α2は基板2の表面2aに入射する緑色光Lgの入射角、α3は基板2の表面2aに入射する青色光Lbの入射角である。また、β1は基板2の表面2aから出射する赤色光Lrの出射角、β2は基板2の表面2aから出射する緑色光Lgの出射角、β3は基板2の表面2aから出射する青色光Lbの出射角である。また、nは基板2の屈折率、aは空気の屈折率、N1及びN2及びN3は整数である。
そして、間隔d1,d2,d3は、それぞれ、波長λ1,λ2,λ3に対応して出射角β1,β2,β3のそれぞれを0°に近づけるように調整されている。
【0037】
本実施形態では、各色の光Lr,Lg,Lbの波長λ1,λ2,λ3は、下記の式(4)を略満たすように選定されている。
【0038】
λ3=λ1・λ2/√(λ1+λ2)…(4)
【0039】
例えば、式(4)を略満たす波長λ1,λ2,λ3の組合せの例として、以下の(5)〜(7)の組合せが挙げられる。
【0040】
(λ1,λ2,λ3)=(400nm,520nm,620nm)…(5)
(λ1,λ2,λ3)=(410nm,530nm,650nm)…(6)
(λ1,λ2,λ3)=(420nm,550nm,650nm)…(7)
【0041】
本実施形態では、例えば、上記の(7)の組合せを採用している。
また、空気の屈折率aは1.0であり、導光板1はポリカーボネートにより形成されていることから、上記の波長領域における基板2の屈折率nは約1.59となっている。
また、上述の各光源R,G,Bは、図2(b)に示すように、光源R,G,Bから照射した各色の光Lr,Lg,Lbが基板2の表面2aに対してそれぞれ約50°の入射角α1,α2,α3で入射するようにZ軸に対する角度が調整されて基板2の各側面2y,2x,2bに設置されている。
【0042】
そして、X軸方向の柱状突起4の中心の間隔d1は、上記の式(1)においてN1=1とし、赤色光Lrの出射角β1が略0°となるように、赤色光Lrの波長λ1に対応して、約337nmに設定されている。すなわち、X軸方向の柱状突起4の間隔d1は、波長λ1の約0.82倍となっている。
【0043】
また、Y軸方向の柱状突起4の中心の間隔d2は、上記の式(2)においてN2=1とし、緑色光Lgの出射角β2が略0°となるように、緑色光Lgの波長λ2に対応して、約520nmに設定されている。すなわち、Y軸方向の柱状突起4の間隔d2は、緑色光Lgの波長λ2の約0.82倍となっている。
【0044】
また、単位格子Uの対角線の方向に配列された柱状突起4の列L3の中心の間隔d3は、上記の式(3)においてN3=1とし、青色光Lbの出射角β3が略0°となるように、青色光Lbの波長λ3に対応して、約533nmに設定されている。すなわち、単位格子Uの対角線の方向に配列された柱状突起4の列L3の間隔d3は、青色光Lbの波長λ3の約0.82倍となっている。
【0045】
ここで、X軸方向の柱状突起4の間隔d1、Y軸方向の柱状突起4の間隔d2、及び、柱状突起4の列L3の間隔d3は、それぞれ各色の光Lr,Lg,Lbの波長λ1,λ2,λ3の約0.5倍以上かつ約10倍以下であることが望ましい。この範囲であれば、導光板1の特性が許容できる範囲を超えて劣化することがない。
【0046】
このように、柱状突起4はX軸方向から導光板1に入射する赤色光Lrの波長λ1に対応した間隔d1でX軸方向に配列されている。また、柱状突起4はY軸方向から導光板1に入射する緑色光Lgの波長λ2に対応した間隔d2でY軸方向に配列されている。また、X軸方向及びY軸方向の双方に交差する単位格子Uの対角線方向に配列された柱状突起4の列L3の間隔d3が、その対角線方向に直交する方向から入射する青色光Lbの波長λ3に対応している。
【0047】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図1(a)に示すように、赤色光源Rから赤色光Lrを照射して、基板2のY軸と平行な側面2yに平面視でX軸方向から入射させる。同時に、緑色光源Gから緑色光Lgを照射して、基板2のX軸に平行な側面2xに平面視でY軸方から入射させる。また、同時に、青色光源Bから青色光Lbを照射して、導光板1の基板2の面取りされた側面2bに平面視で柱状突起4の列L3と垂直な方向から入射させる。このとき、上述のように各光源R,G,BのZ軸に対する光Lr,Lg,Lbの照射角度が調整されているので、各光源R,G,Bから照射された各色の光Lr,Lg,Lbは、図2(b)に示すように、基板2の表面2aに対してそれぞれ主に約50°の入射角α1,α2,α3で入射する。
【0048】
ここで、上述のように、図2(a)に示す柱状突起4の間隔d1、d2、及び柱状突起4の列L3の間隔d3は、それぞれ上記の式(1)、式(2)、式(3)の関係を満たし、それぞれ各色の光Lr,Lg,Lbの波長λ1,λ2,λ3に対応して、図2に示す出射角β1,β2,β3がそれぞれ略0°になるように調整されている。そのため、基板2の表面2aに入射した各色の光Lr,Lg,Lbは、基板2の表面2aと略垂直な方向へ回折されて基板2から射出される。これにより、導光板1の各側面2x,2y,2bに平面視で異なる各方向から入射させた各色の光Lr,Lg,Lbを、基板2の表面2aから略垂直方向(Z軸方向)に射出させて合成することができる。
【0049】
これにより、従来、基板2の表面2aに垂直な正面方向に光を射出させるために用いられていたプリズムシートが不要になる。したがって、従来よりも導光板1及びバックライトユニット100の部材を削減することができ、導光板1及びバックライトユニット100を薄型化することができるだけでなく、材料コストを削減し、環境負荷を低減することができる。
【0050】
また、光源として赤色光源R、緑色光源G及び青色光源Bを用い、照明光として赤色光Lr、緑色光Lg及び青色光Lbを用いることで、基板2の表面2aから略垂直方向(Z軸方向)にRGBの各色の光Lr,Lg,Lbの波長λ1,λ2,λ3をバランスよく含んだ色再現性の高い白色の合成光を照射することができる。
【0051】
また、柱状突起4はX軸方向とY軸方向に垂直格子状に配列され、単位格子Uの対角線の方向がX軸とY軸の双方に交差する第三の方向とされている。これにより、各色の光Lr,Lg,Lbの波長λ1,λ2,λ3を上記の式(4)を満たすように選定することができ、上記の式(1)〜式(3)の関係を満たす柱状突起4の間隔d1、d2、及び柱状突起4の列L3の間隔d3を容易に決定することができる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態の導光板1によれば、基板2の各側面2x,2y,2bに各方向から入射した各光Lr,Lg,Lbを、基板2の表面2aから略垂直方向に出射させ、各色の光Lr,Lg,Lbを効率よく合成することができる。そのため、基板2の表面2aから各色の光Lr,Lg,Lbを偏りなく均一に射出させ、基板2から射出される合成光に含まれる波長λ1,λ2,λ3のバランスを向上させることができる。したがって、色再現性が良好で、かつ色ムラの発生が防止された導光板1を提供することができる。
【0053】
また、本実施形態のバックライトユニット100によれば、各光源R,G,Bから射出された各色の光Lr,Lg,Lbは、導光板1に入射して基板2の表面2aから射出されて均一に合成される。したがって、色再現性が良好で、かつ色ムラの発生が防止されたバックライトユニット100を提供することができる。
【0054】
また、本実施形態では、上述のように、柱状突起4の間隔d1、d2、及び柱状突起の対角線方向の列L3の間隔d3を、出射角β1,β2,β3がそれぞれ0°に近づくように調整したが、出射角β1,β2,β3がそれぞれ0°と等しくなるように調整してもよい。これにより、導光板1の表面2aからより垂直に各色の光Lr,Lg,Lbを射出させて、各色の光Lr,Lg,Lbを偏りなく均一に合成することができる。
【0055】
また、本実施形態では、図2(a)及び図2(b)に示すように、円柱状の形状の柱状突起4を用いたが、円柱状の柱状突起4の代わりに、図3(a)及び図3(b)に示すように、Z軸に平行な断面視で放物線状の輪郭形状を有する柱状突起4bを用いてもよい。これにより、柱状突起4bの基端側から先端側に向けて導光板1の屈折率が緩やかにかつ比較的均一に変化していくいため、導光板1の回折効率を向上させることができる。
【0056】
また、3(a)及び図3(b)に示すように、基板2の表面2aに平行な断面の輪郭形状が楕円状の柱状突起4bを用いることで、各方向から基板2に入射する各光に対する柱状突起4bの回折効率を異ならせ、導光板1の各方向に対する回折効率を調整することができる。
【0057】
(導光板の製造方法)
次に、本実施形態の導光板1の製造方法の一例について説明する。
まず、上述の柱状突起4の型を形成するために、シリコン等により形成された型基板(図示略)を用意し、型基板の一面に、フォトリソグラフィー法、エッチング法等により、図2(a)に示す柱状突起4に対応した複数の円柱状の凹部を形成する。このとき、図3(a)及び図3(b)に示すような垂直断面の輪郭形状が放物線状の柱状突起4bを形成する場合には、適宜グレーマスクを使用して、柱状突起4bの形状に対応した形状の凹部を形成する。
次に、型基板上の凹部に紫外線硬化樹脂を充填する。紫外線硬化樹脂としては、例えば、主に波長365nmで硬化するものを用いる。
【0058】
次に、型基板上に導光板1の基板2を配置し、基板2の各側面2x,2y,2bと型基板の凹部との位置関係が、上述の基板2の各側面2x,2y,2bと柱状突起4,4bとの位置関係を満たすように、基板2と型基板とをアライメントする。
次いで、基板2を透して型基板の凹部に充填された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させ、紫外線硬化樹脂と基板2を一体化させる。このとき、紫外線硬化樹脂と基板2との密着性を高めるために、シランカップリング剤を基板2の型基板側の表面に塗布しておいてもよい。
【0059】
そして、基板2を型基板から剥離させることで、上述の柱状突起4,4bを備えた導光板1が製造される。
このとき、型基板と紫外線硬化樹脂との離型性を高めるために、凹部の内側を含む型基板の表面にフッ素系容媒を使用してフッ素系の分子膜を形成してもよい。この場合、分子膜の膜厚は溶媒分子の大きさ程度であることが望ましい。
【0060】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、図1〜図3を援用し、図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。本実施形態では、導光板1Bの基板2の回折領域3の全域に柱状突起4が一様に配置されていない点で、上述の第一実施形態と異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0061】
図4(a)に示すように、本実施形態のバックライトユニット100Bは、基板2の表面2aの回折領域3に、複数の柱状突起ユニット40が配置された導光板1Bを備えている。
柱状突起ユニット40は、図4(b)に示すように、上述の第一実施形態と同様に配置された柱状突起4を、例えば、数百〜数千程度備えた矩形の領域である。ここで、柱状突起ユニット40の柱状突起4の数は、入射光に回折を生じさせる範囲であれば特に限定されない。
【0062】
柱状突起ユニット40は、図4(a)に示すように、基板2の表面2aの回折領域3内の位置によって密度を異ならせて配置されている。具体的には、各光源R,G,Bに近いほど柱状突起ユニット40の配置密度は低く、各光源R,G,Bから遠くなるほど柱状突起ユニット40の配置密度は高くなっている。
【0063】
一般に、基板2の回折領域3においては、各光源R,G,Bに近いほど光源R,G,Bからの光Lr,Lg,Lbが多く回折されるため、各光源R,G,Bに近いほど輝度が高く、各光源R,G,Bから遠くなるほど輝度が低下する傾向がある。しかし、本実施形態によれば、基板2の表面2a垂直方向(Z軸方向)に回折されて射出される光Lr,Lg,Lbの量を柱状突起ユニット40の密度によって調整し、回折領域3内における輝度を均一にすることができる。
【0064】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について、図1〜図4を援用し、図5を用いて説明する。本実施形態では、各光源R,G,Bの回折領域3を挟んで反対側に、各光源R,G,Bからの光Lr,Lg,Lbを各光源R,G,B方向に反射させるミラーMr,Mg,Mbが配置されている点で、上述の第一、第二実施形態と異なっている。その他の点は第一、第二実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0065】
図5に示すように、本実施形態のバックライトユニット100Cは、平面形状が八角形の導光板1Cを備えている。導光板1Cの基板2CのY軸に平行な側面2yには、第一実施形態と同様に赤色光源Rが設けられ、基板2Cの回折領域3を挟んで反対側の側面2y’には、赤色光Lrを反射する赤色光反射ミラーMrが設けられている。赤色光反射ミラーMrは、反射された赤色光Lr’が平面視でX軸方向に反射されるように角度が調整されて設置されている。
【0066】
同様に、回折領域3を挟んで緑色光源Gの反対側には、緑色光Lgを平面視でY軸方向に反射する緑色光反射ミラーMgが設けられ、回折領域3を挟んで青色光源Bの反対側には、青色光Lbを柱状突起4の列L3と垂直な方向に反射する青色光反射ミラーMbが設けられている。
【0067】
本実施形態によれば、各光源R,G,Bから照射され、回折領域3においてZ軸方向に回折されずに回折領域3を通過した光Lr,Lg,Lbを、各反射ミラーMr,Mg,Mbによって反対方向に反射させて、再度、回折領域3に入射させることができる。したがって、回折領域3においてZ軸方向に回折される光Lr,Lg,Lbを増加させ、輝度を向上させることができる。
なお、本実施形態の変形例として、各反射ミラーMr,Mg,Mbの代わりに各光源R,G,Bを配置して、回折領域3の両側から光Lr,Lg,Lbを照射するようにしてもよい。これにより、各反射ミラーMr,Mg,Mbを設置する場合と同様の効果を得ることができる。
【0068】
(液晶表示装置)
次に、上述の実施形態において説明したバックライトユニット100を備えた液晶表示装置について説明する。
図6は、液晶表示装置を示す概略断面図である。この液晶表示装置50は、素子基板51と、素子基板51に対向配置された対向基板52と、素子基板51及び対向基板52の間に配置された液晶層53と、素子基板51の外側(液晶層53の反対側)に配置されたバックライトユニット100とを備えている。そして、液晶表示装置50は、素子基板51と対向基板52とをシール材55で貼り合わせており、このシール材55によって液晶層53が素子基板51と対向基板52との間で封止されている。
【0069】
素子基板51は、平面視で略矩形状であってガラス基板を基体としており、このガラス基板上に種々の金属膜や絶縁膜、半導体層、不純物層などが形成されている。そして、素子基板51には、フォトリソグラフィー技術やインクジェット法などの手法を用いてガラス基板上に形成された画素電極、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)及び蓄積コンデンサなどを含む画素部分と、画素に電気信号などを供給する配線部分とを備えている。さらに、素子基板51の内側の面(液晶層53側の面)には、液晶層53を構成する液晶分子の配向を制御する配向膜が形成されている。
【0070】
対向基板52は、素子基板51と同様に、平面視で略矩形状であってガラス基板を基体としており、このガラス基板上にブラックマトリックスやカラーフィルタ層、保護膜及び電極などが形成されている。また、対向基板52の内側の面には、配向膜が形成されている。この配向膜は、液晶分子の配向方向が素子基板51に形成された配向膜による配向方向と直交するように形成されている。
【0071】
反射板57は、導光板1の外側(基板2の表面2aから離間する側)に配置されており、導光板1を透過した光Lr,Lg,Lbを導光板1に向けて反射する構成となっている。
また、バックライトユニット100は、液晶表示装置50と、反射板57との間に導光板1が配置され、回折領域3と液晶表示装置50の画像表示領域が平面的に重なるように配置されている。
【0072】
以上のような構成の液晶表示装置50では、色再現性が良好で、かつ色ムラの発生が防止されたバックライトユニット100を備えているので、液晶表示装置50の表示性能を向上させることができる。
【0073】
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述の実施形態では、柱状突起の配列を垂直格子状の配列として説明したが、柱状突起が互いに交差する第一の方向及び第二の方向へ四角格子状に配列されたものであれば、柱状突起の配列は垂直格子状でなくてもよい。
また、導光板の平面形状は、上述の実施形態で説明した形状に限定されない。
【0074】
また、柱状突起の先端側に光を拡散させる光拡散フィルム(光拡散層)を配置してもよい。これにより、各光の入射角が変動して出射角が基板の一面に垂直ではなくなった場合であっても、これらの光を拡散させて、基板の一面に垂直な方向に射出される光を増加させることができる。したがって、各色の光を基板の一面で均一に合成することができ、基板の一面内での位置の違いによる色ムラの発生を防止することができる。
【0075】
また、上述の第二実施形態では、回折領域内の柱状突起ユニットの配置密度を異ならせることにより、回折領域内の輝度が均一になるように調整したが、輝度の調整は柱状突起の直径を変化させたり、柱状突起の高さを変化させたり、柱状突起の形状を変化させたりすることにより行っても良い。
また、柱状突起は熱硬化樹脂により形成してもよい。
【0076】
また、導光板を構成する樹脂材料としては、上述の実施形態で説明したポリカーボネート(PC)以外にも、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例えばナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)などのポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系などの各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂など、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイなどが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体などとして)用いることができる。
なお、導光板は、使用する波長領域において透光性を示せば、樹脂材料に限らず、他の材料で構成されてもよい。
【0077】
また、光学素子の透過率は、使用する光の波長領域において、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。これにより、導光板に入射した光の取出効率の向上を図る。
【0078】
また、光学素子の屈折率は、1.4以上1.7以下であることが好ましい。これにより、導光板に入射した光の利用効率をさらに向上させることができると共に、出射する光に高い指向性を持たせることができる。また、導光板の周辺環境の気温や湿度などによりフォトニック結晶としての機能が十分に発揮されないことを防止できる。
【0079】
そして、上述の実施形態では、本発明の光学素子を導光板に適用する例について説明したが、本実施形態の光学素子を導光板以外に適用できることは言うまでもない。また、上述の実施形態では、エッジ方式について説明したが、本発明の光学素子は、例えば、有機ELや半導体レーザー等の光源上に直接配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第一実施形態におけるバックライトユニットの構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’線に沿う矢視断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態における柱状突起の配列を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態における柱状突起の変形例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は柱状突起の斜視図である。
【図4】本発明の第二実施形態におけるバックライトユニットの構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は柱状突起ユニットの拡大平面図である。
【図5】本発明の第三実施形態におけるバックライトユニットの構成を示す平面図である。
【図6】本発明の実施形態における液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0081】
1,1B,1C 導光板(光学素子)、2,2C 基板、2a 表面(一面)、2b,2x,2y 側面、3 回折領域、4,4b 柱状突起、40 柱状突起ユニット、50 液晶表示装置、51 素子基板、52 対向基板、53 液晶層、55 シール材、57 反射板、100,100B,100C バックライトユニット(光源ユニット)、α1,α2,α3 入射角、β1,β2,β3 出射角、λ1,λ2,λ3 波長、d1,d2,d3 間隔、a,n 屈折率、B 青色光源(第三の光源)、G 緑色光源(第二の光源)、L1,L2,L3 列、Lb 青色光(第三の光)、Lg 緑色光(第二の光)、Lr 赤色光(第一の光)、Mb,Mg,Mr ミラー、N1,N2,N3 整数、R 赤色光源(第一の光源)、U 単位格子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、該基板の一面に設けられた複数の柱状突起とを有し、内部に光を導通させる光学素子であって、
前記柱状突起は、互いに交差する第一の方向及び第二の方向に格子状に配列され、前記第一の方向においては、該第一の方向から入射する第一の光の波長に対応した間隔で配置され、前記第二の方向においては、該第二の方向から入射する第二の光の波長に対応した間隔で配置され、
前記第一の方向及び前記第二の方向の双方に交差する第三の方向に配列された前記柱状突起の列が、前記第三の方向に直交する方向から入射する第三の光の波長に対応した間隔で配置されていることを特徴とする光学素子。
【請求項2】
前記第一の方向の前記柱状突起の間隔をd1、前記第二の方向の前記柱状突起の間隔をd2、前記第三の方向の前記柱状突起の列の間隔をd3とし、
前記第一の光の波長をλ1、前記第二の光の波長をλ2、前記第三の光の波長をλ3とし、
前記基板の一面に入射する、前記第一の光の入射角をα1、前記第二の光の入射角をα2、前記第三の光の入射角をα3とし、
前記基板の一面から出射する、前記第一の光の出射角をβ1、前記第二の光の出射角をβ2、前記第三の光の出射角をβ3とし、
前記基板の屈折率をn、空気の屈折率をaとし、
N1、N2、N3を整数とした場合に、
前記間隔d1、d2、d3は、それぞれ下記の式(1)、式(2)、式(3)の関係を満たし、前記波長λ1、λ2、λ3に対応して前記出射角β1、β2、β3を所定の値とするように調整されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
d1・(n・sinα1−a・sinβ1)=N1・λ1…(1)
d2・(n・sinα2−a・sinβ2)=N2・λ2…(2)
d3・(n・sinα3−a・sinβ3)=N3・λ3…(3)
【請求項3】
前記間隔d1、d2、d3は、前記出射角β1、β2、β3のそれぞれを0°に近づけるように調整されていることを特徴とする請求項2記載の光学素子。
【請求項4】
前記第一の方向は前記第二の方向に直交し、
前記第三の方向は、4つの前記柱状突起が矩形配列された単位格子の対角線と平行であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項5】
前記基板の一面に前記単位格子を複数備えた柱状突起ユニットが複数配置され、前記基板の一面内における位置により前記柱状突起ユニットの配置密度が異なることを特徴とする請求項4記載の光学素子。
【請求項6】
前記柱状突起は、前記基板の一面に垂直な断面の輪郭形状が放物線状の形状であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項7】
前記柱状突起は、前記基板の一面に平行な断面の輪郭形状が楕円状の形状であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項8】
前記基板の前記柱状突起側に光拡散層が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項9】
前記第一の光は赤色光であり、前記第二の光は緑色光であり、前記第三の光は青色光であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の光学素子を備え、
前記基板に前記第一の光を前記第一の方向から入射させる第一の光源と、
前記基板に前記第二の光を前記第二の方向から入射させる第二の光源と、
前記基板に前記第三の光を前記第三の方向に垂直な方向から入射させる第三の光源と、
を有することを特徴とする光源ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−175239(P2009−175239A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11465(P2008−11465)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】