説明

光学表示装置の製造システム及び製造方法、並びに、ロール原反セット及びその製造方法

【課題】吸収軸等の光学異方性が同じ方向の2つのロール原反を使用して、光学異方性が直交するように光学フィルムを光学表示ユニットの両表面に貼り合わせることができる光学表示装置の製造システム及び製造方法、並びに、ロール原反セット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】光学表示ユニットWの短辺に対応する幅の第1光学フィルムに、Wの長辺に対応する長さにを分割するための切り込み線を予め設ける。Wの長辺に対応する幅の第2光学フィルムに、Wの短辺に対応する長さにを分割するための切り込み線を予め設ける。第1貼合装置18が、光学表示ユニットWの長辺に対応する長さの第1光学フィルムの分割片を光学表示ユニットWの一方表面に貼り合せる。第2貼合装置28が、光学表示ユニットWの短辺に対応する長さの第2光学フィルムの分割片を光学表示ユニットWの他方表面に貼り合せる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板を含む光学フィルム等のように、光学異方性を有する光学フィルムを、長方形の光学表示ユニットの一方表面と他方表面とに貼り合わせるための光学表示装置の製造システム及び製造方法、並びに、ロール原反セット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置に実装される光学表示ユニットの製造方法を図8に概念的に示す。まず、光学フィルム製造メーカーでは、光学フィルムを有する帯状シート製品をロール原反として製造する(#1)。この具体的製造工程は公知の製造工程であり、説明は省略する。この帯状シート製品のロール原反として、例えば、液晶表示装置に用いられる偏光板原反、位相差板原反、偏光板と位相差板の積層フィルム原反等がある。次いで、長尺の原反から、貼り合わされる光学表示ユニットのサイズに合わせた形状からなる枚葉のシート製品を打ち抜く(#2)。次いで、打ち抜かれた枚葉のシート製品(光学フィルム)を外観検査する(#3)。この検査方法としては、例えば、目視による欠点検査、公知の欠点検査装置を用いた検査が挙げられる。欠点は、例えば、表面又は内部の汚れ、傷、異物をかみ込んだ打痕状のひねったような特殊状欠点(クニックと称されることがある)、気泡、異物等を意味している。次いで、完成品検査をする(#4)。完成品検査は、外観検査よりも良品判定の厳しい品質基準に従った検査である。次いで、枚葉のシート製品の4方の端面を端面加工する(#5)。これは、輸送中において、端面から粘着剤等がはみださないように防止するために行なわれる。次いで、クリーンルーム環境において、枚葉のシート製品をクリーン包装する(#6)。次いで、輸送のために包装(輸送梱包)する(#7)。以上のようにして枚葉のシート製品が製造され、パネル加工メーカーに輸送される。
【0003】
パネル加工メーカーでは、輸送されてきた枚葉のシート製品を梱包解体する(#11)。次いで、輸送中あるいは梱包解体時に生じた傷、汚れ等を検査するために外観検査をする(#12)。検査で良品判定された枚葉のシート製品は、次工程に搬送される。なお、この外観検査を省略する場合もある。枚葉のシート製品が貼り合わされる光学表示ユニット(例えば、液晶セルが封入されたガラス基板ユニット)は、予め製造され、光学表示ユニットは貼り合わせ工程の前に洗浄される(#13)。
【0004】
枚葉のシート製品と光学表示ユニットを貼り合わせる(#14)。枚葉のシート製品から粘着剤層を残して離型フィルムが剥離され、粘着剤層を貼り合わせ面として光学表示ユニットの一方の面に貼り合わせる。さらに、光学表示ユニットの他方の面にも同様に貼り合わせることができる。両面に貼り合わせる場合、光学表示ユニットのそれぞれの面には、同一構成の光学フィルムが貼り合わせるように構成されてもよく、異なる構成の光学フィルムが貼り合わされるように構成されていてもよい。次いで、光学フィルムが貼り合わせられた状態の光学表示装置の検査および欠点検査を行なう(#15)。この検査で良品判定された光学表示装置は、実装工程に搬送される(#16)。一方、不良品判定された光学表示装置は、リワーク処理が施される(#17)。リワーク処理で、光学表示ユニットから光学フィルムが剥離される。リワーク処理された光学表示ユニットは、新たに光学フィルムが貼り合わされる(#14)。
【0005】
以上の製造工程において、特に端面加工、枚葉のシート製品の包装、梱包解体等は、光学フィルム製造メーカーとパネル加工メーカーとが別々の場所に存在しているために必要な工程となっている。しかしながら、多工程による製造コストの上昇問題があり、また、多工程や輸送により生じる傷、埃、汚れ等の問題、それに伴う検査工程の必要性、さらに他種類の枚葉シート製品を在庫として保管・管理しなければならないという問題がある。
【0006】
これを解決する方法として、特開2007−140046号公報(特許文献1)が提案されている。この方法によれば、光学表示装置の部材である光学フィルムを有する帯状シート製品が巻き取られたロール原反から帯状シート製品を引き出して供給する供給手段と、供給手段によって引き出された帯状シート製品の欠陥を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいて帯状シート製品を切断し、個々のシート製品に加工する切断加工手段と、切断加工手段で切断加工されたシート製品を貼合わせ加工を行うために移送する移送手段と、移送手段によって移送されたシート製品と光学表示装置の部材である光学表示ユニットを貼合わせる貼合わせ加工手段とを具備し、これら各手段を連続した製造ライン工程上に配置したことを特徴とする。上記の構成においては、光学フィルムを有する帯状シート製品から直接、所望のサイズに切断加工して、この切断されたシート製品を光学表示ユニットに貼り合わせることができる。よって、従来であれば、帯状シート製品を打ち抜き、打ち抜き後のシート製品を厳重に梱包し、パネル加工メーカーに納品していたところを、ロールに巻き付けた帯状シート製品を直接梱包して納品することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−140046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の光学表示装置の製造システムでは、光学表示ユニットの一方の片面に光学フィルムを貼り合わせた後、他の片面に光学フィルムを貼り合わせる際の装置を別途備えるものが開示されていない。このため、同一の製造システムを用いて、他の片面に光学フィルムを貼り合わせる場合、貼り合わせ後の光学表示ユニットを装置へローディングする際に二度手間になるなど、製造効率を改善する余地があった。
【0009】
また、光学表示ユニットの一方表面と他方表面とに貼り合わせる偏光板は、一方表面と他方表面とで吸収軸の方向が異なる(垂直に交差)と共に、ロール幅方向に吸収軸を有するロール原反を製造するのは一般に困難であり、その一方で、通常の光学表示ユニットは長方形を有している。これらを考慮すると、帯状シート製品の供給手段から貼合わせ加工手段までの各手段を、特許文献1の製造システムに追加するのみでは、装置構成が十分とは言えないものであった。
【0010】
また、偏光板を一方表面と他方表面とに積層する場合に限らず、例えば位相差板を光学表示ユニットの一方表面と他方表面とに積層する場合にも、一方表面と他方表面とで遅相軸の方向を直交させなければならない場合があり、その場合でも偏光板を積層する場合と同様の問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、吸収軸等の光学異方性が同じ方向の2つのロール原反を使用して、光学異方性が直交するように光学フィルムを光学表示ユニットの一方表面と他方表面とに貼り合わせることができる光学表示装置の製造システム及び製造方法、並びに、ロール原反セット及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明の光学表示装置の製造システムは、光学異方性を有する光学フィルムを長方形の光学表示ユニットに貼り合せた光学表示装置の製造システムであって、前記光学表示ユニットの短辺に対応する幅の第1光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さに第1光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反を用いて、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さの第1光学フィルムの分割片を光学表示ユニットの一方表面に貼り合せる第1貼合装置と、前記光学表示ユニットの長辺に対応する幅の第2光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さに第2光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反を用いて、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さの第2光学フィルムの分割片を光学表示ユニットの他方表面に貼り合せる第2貼合装置とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の光学表示装置の製造システムによると、光学表示ユニットの短辺に対応する幅のロール原反と、長辺に対応する幅のロール原反とを用いることにより、各々から供給される光学フィルムを切り込み線ごとに分割するだけで、光学表示ユニットの短辺及び長辺に対応する光学フィルムの分割片を各々得ることができる。このため、前者を長辺に対応する長さで切り込み線ごとに分割し、後者を短辺に対応する長さで切り込み線ごとに分割し、光学表示ユニットの両方の表面に貼り合わせることによって、吸収軸等の光学異方性が同じ方向の2つのロール原反を使用して、光学異方性が直交するように光学フィルムを光学表示ユニットの一方表面と他方表面とに貼り合わせることができる。
【0014】
また、本発明の光学表示装置の製造システムは、偏光板を含む光学フィルムを長方形の光学表示ユニットに貼り合せた光学表示装置の製造システムであって、光学表示ユニットを供給する光学表示ユニットの供給装置と、前記光学表示ユニットの短辺に対応する幅の第1光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さに第1光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反から帯状シート製品を引き出して供給する第1光学フィルムの供給装置と、前記光学表示ユニットの供給装置から供給された光学表示ユニットの一方表面に、前記第1光学フィルムの供給装置から供給された第1光学フィルムの分割片を貼り合せる第1貼合装置と、第1光学フィルムの貼り合せ後の光学表示ユニットを搬送して供給する搬送供給装置と、前記光学表示ユニットの長辺に対応する幅の第2光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さに第2光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反から帯状シート製品を引き出して供給する第2光学フィルムの供給装置と、前記搬送供給装置から供給された光学表示ユニットの他方表面に、前記第2光学フィルムの供給装置から供給された第2光学フィルムの分割片を貼り合せる第2貼合装置とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の光学表示装置の製造システムによると、上記のような搬送供給装置、第2光学フィルムの供給装置、及び第2貼合装置を更に備えると共に、前記第1光学フィルムの供給装置および前記第2光学フィルムの供給装置を、前記光学表示ユニットの長辺と短辺とに対応させて、光学フィルムの分割片の幅と長さを各々変えて供給できるようにしてある。このため、偏光板の吸収軸が同じ方向のロール原反を使用して、連続した製造ライン上において光学フィルムを光学表示ユニットの一方表面と他方表面とに貼り合わせることができる。
【0016】
上記において、前記搬送供給装置は、前記第1貼合装置で貼り合せた後の光学表示ユニットを、前記第2貼合装置での貼り合せ方向に旋回させる旋回機構を有することが好ましい。このような旋回機構を有することによって、第1光学フィルムの供給装置〜第1貼合装置と、第2光学フィルムの供給装置〜第2貼合装置とを、垂直に配置する必要が無くなり、製造システムの省スペース化を図ることができる。また、旋回機構により第2貼合装置における貼り合わせ角度を適正化できる。つまり、光学フィルムのような可とう性の高いものを旋回させるよりも、より硬い光学表示ユニットを旋回させる方が、旋回の位置精度を高めることができる。
【0017】
また、前記第1光学フィルムの供給装置および前記第2光学フィルムの供給装置は、光学フィルムの欠点を有する分割片を排除する欠点部分の排除機構を有することが好ましい。このような排除機構を有することにより、光学フィルムの欠点部分を排除することができ、光学フィルムの歩留りを向上させることができる。
【0018】
更に、前記第1光学フィルムの供給装置および前記第2光学フィルムの供給装置は、光学フィルムに粘着剤層を介して形成された離型フィルムを搬送媒体として、第1貼合装置および第2貼合装置に第1光学フィルムおよび第2光学フィルムを各々供給する搬送機構を有することが好ましい。このような搬送機構を有することにより、簡易な搬送機構を用いて精度良く、第1光学フィルムおよび第2光学フィルムを第1貼合装置および第2貼合装置に各々供給することができる。
【0019】
一方、本発明の光学表示装置の製造方法は、光学異方性を有する光学フィルムを長方形の光学表示ユニットに貼り合せた光学表示装置の製造方法であって、前記光学表示ユニットの短辺に対応する幅の第1光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さに第1光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反を用いて、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さの第1光学フィルムの分割片を前記光学表示ユニットの一方表面に貼り合せる第1貼合工程と、前記光学表示ユニットの長辺に対応する幅の第2光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さに第2光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反を用いて、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さの第2光学フィルムの分割片を前記光学表示ユニットの他方表面に貼り合せる第2貼合工程とを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の光学表示装置の製造方法によると、光学表示ユニットの短辺に対応する幅のロール原反と、長辺に対応する幅のロール原反とを用いて、前者を長辺に対応する長さで切り込み線ごとに分割し、後者を短辺に対応する長さで切り込み線ごとに分割し、光学表示ユニットの両方の表面に貼り合わせる。このため、吸収軸等の光学異方性が同じ方向の2つのロール原反を使用して、光学異方性が直交するように光学フィルムを光学表示ユニットの一方表面と他方表面とに貼り合わせることができる。
【0021】
上記において、前記第1貼合工程で貼り合せた後の光学表示ユニットを、前記第2貼合工程での貼り合せ方向に旋回させる旋回工程を含むことが好ましい。このような旋回工程によって、第1光学フィルムの供給方向と、第2光学フィルムの供給方向とを、垂直に配置する必要が無くなり、製造システムの省スペース化を図ることができる。また、旋回工程を利用して、第2貼合工程における貼り合わせ角度を適正化できる。
【0022】
また、前記第1光学フィルムおよび前記第2光学フィルムを供給する際に、光学フィルムの欠点を有する分割片を排除する欠点部分の排除工程を含むことが好ましい。このような排除工程により、光学フィルムの欠点部分を排除することができ、光学フィルムの歩留りを向上させることができる。
【0023】
更に、前記第1光学フィルムおよび前記第2光学フィルムを供給する際に、光学フィルムに粘着剤層を介して形成された離型フィルムを搬送媒体として、第1貼合工程および第2貼合工程に第1光学フィルムおよび第2光学フィルムを各々搬送して供給することが好ましい。このような搬送方式により、簡易な搬送機構を用いて精度良く、第1光学フィルムおよび第2光学フィルムを第1貼合工程および第2貼合工程に各々搬送供給することができる。
【0024】
本発明のロール原反セットは、長方形状の光学表示ユニットの一方表面に貼り合せるための第1光学フィルムを有する第1ロール原反と、前記光学表示ユニットの他方表面に貼り合せるための第2光学フィルムを有する第2ロール原反とからなるロール原反セットであって、前記第1ロール原反は、吸収軸に平行な長手方向を有する第1偏光板を含む第1光学フィルムと、第1粘着剤層と、第1離型フィルムとがこの順で積層された第1帯状シート製品を含み、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さに第1光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられるとともに、前記第1偏光板の長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺に対応する幅でスリット加工された状態で巻き取られたものであり、前記第2ロール原反は、吸収軸に平行な長手方向を有する第2偏光板を含む第2光学フィルムと、第2粘着剤層と、第2離型フィルムとがこの順で積層された第2帯状シート製品を含み、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さに第2光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられるとともに、前記第2偏光板の長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの長辺に対応する幅でスリット加工された状態で巻き取られたものであることを特徴とする。
【0025】
本発明のロール原反セットによると、第1ロール原反が光学表示ユニットの短辺に対応する幅でスリット加工され、第2ロール原反が長辺に対応する幅でスリット加工されているため、これらをセットで用いることにより、各々から供給される光学フィルムを切り込み線ごとに分割するだけで、光学表示ユニットの短辺及び長辺に対応する光学フィルムの分割片を各々得ることができる。その際、両者のロール原反が長手方向に吸収軸を有するため、貼り合わせによる軸精度が良くなり、貼り合わせ後の光学表示装置の光学特性が良好になる。更に各々の光学フィルムは、一方の吸収軸が光学表示ユニットの長辺に平行となり、他方は短辺に平行となるため、各々を光学表示ユニットの一方表面と他方表面とに貼り合わせるだけで、それらの光学フィルムの吸収軸を直交させることができる。その結果、貼り合わせの軸精度が良好になる2つのロール原反を使用して、各々から供給される光学フィルムを切り込み線ごとに分割するだけで、各々の吸収軸が直交するように光学表示ユニットに貼り合わせることができるロール原反セットを提供することができる。
【0026】
貼り合せに用いる前記光学表示ユニットがVAモード又はIPSモードの液晶パネルであることが好ましい。殊に近年大型TV等で用いられるVAモード又はIPSモードの液晶パネルで光学表示ユニットが形成される場合には、第1光学フィルムと第2光学フィルムの偏光板の吸収軸は、互いに直交でありかつ矩形の液晶パネルの辺の方向と平行なので、吸収軸に平行にスリット加工した第1及び第2のロール原反を繰り出し、光学フィルムを切り込み線ごとに分割するだけでよく、生産速度を高くすることができる。
【0027】
本発明のロール原反の製造方法は、前記ロール原反セットに用いるロール原反の製造方法であって、吸収軸に平行な長手方向を有する偏光板を含む光学フィルムと、粘着剤層と、離型フィルムとがこの順で積層されたスリット前原反を、前記偏光板の長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅でスリット加工することにより得られた帯状シート製品を巻き取ってロール原反とする工程を有することを特徴とする。
【0028】
本発明のロール原反の製造方法によると、光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅にスリット加工するため、これを切り込み線ごとに分割するだけで、光学表示ユニットの短辺と長辺に対応するサイズの光学フィルムを得ることができる。しかも、偏光板の吸収軸に平行な長手方向を有するスリット前原反を用いるため、その製造の際に、貼り合わせによる軸精度が良くなり、貼り合わせ後の光学表示装置の光学特性が良好になる。
【0029】
本発明のロール原反は、長方形状の光学表示ユニットの表面に貼り合せるための光学フィルムを有するロール原反であって、吸収軸に平行な長手方向を有する偏光板を含む光学フィルムと、粘着剤層と、離型フィルムとがこの順で積層された帯状シート製品を含み、前記光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応する長さに前記光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられるとともに、前記偏光板の長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅でスリット加工された状態で巻き取られたものであることを特徴とする。
【0030】
本発明のロール原反は、光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅にスリット加工された状態で巻き取られたものであるため、これを切り込み線ごとに分割するだけで、光学表示ユニットの短辺と長辺に対応するサイズの光学フィルムを得ることができる。しかも、偏光板の吸収軸に平行な長手方向にスリット加工するため、その製造の際に、貼り合わせによる軸精度が良くなり、貼り合わせ後の光学表示装置の光学特性が良好になる。
【0031】
本発明のロール原反の製造方法は、長方形状の光学表示ユニットの表面に貼り合せるための光学フィルムを有するロール原反の製造方法であって、吸収軸に平行な長手方向を有する偏光板を含む光学フィルムと、粘着剤層と、離型フィルムとがこの順で積層された帯状シート製品を含み、前記光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応する長さに前記光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられたスリット前原反を、前記偏光板の長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅でスリット加工する工程と、及び該スリット工程により得られた帯状シート製品を巻き取ってロール原反とする工程を有することを特徴とする。
【0032】
本発明のロール原反の製造方法によると、光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅にスリット加工するため、これを切り込み線ごとに分割するだけで、光学表示ユニットの短辺と長辺に対応するサイズの光学フィルムを得ることができる。しかも、偏光板の吸収軸に平行な長手方向を有するスリット前原反を用いるため、その製造の際に、貼り合わせによる軸精度が良くなり、貼り合わせ後の光学表示装置の光学特性が良好になる。
【0033】
本発明の光学表示装置の製造方法は、偏光板を含む光学フィルムと、前記光学フィルムを表面に貼り合せた長方形状の光学表示ユニットとを有する光学表示装置の製造方法であって、吸収軸に平行な長手方向を有する偏光板を含む光学フィルムと粘着剤層と離型フィルムとがこの順で積層され、前記光学フィルムを前記光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応する長さに分割するための切り込み線が予め設けられたスリット前原反を、その長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅でスリット加工することにより得られた帯状シート製品がロール状に巻回されたロール原反を準備する工程と、前記ロール原反から前記帯状シート製品を引き出して、前記光学フィルムの分割片を長方形の光学表示ユニットの表面に貼り合せる工程とを含むことを特徴とする。
【0034】
本発明の光学表示装置の製造方法によると、光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅にスリット加工されたロール原反を用いるため、これを切り込み線ごとに分割するだけで、光学表示ユニットの短辺と長辺に対応するサイズの光学フィルムを得ることができる。しかも、偏光板の吸収軸に平行な長手方向を有するスリット前原反を用いるため、その製造の際に、貼り合わせによる軸精度が良くなり、貼り合わせ後の光学表示装置の光学特性が良好になる。
【0035】
本発明の光学表示装置の製造システムは、偏光板を含む光学フィルムと、前記光学フィルムを表面に貼り合せた長方形状の光学表示ユニットとを有する光学表示装置の製造システムであって、吸収軸に平行な長手方向を有する偏光板を含む光学フィルムと粘着剤層と離型フィルムとがこの順で積層され、前記光学フィルムを前記光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応する長さに分割するための切り込み線が予め設けられたスリット前原反を、その長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅でスリット加工することにより得られた帯状シート製品がロール状に巻回されたロール原反から、前記帯状シート製品を引き出して、前記光学フィルムの分割片を長方形の光学表示ユニットの表面に貼り合せる貼合装置を備えたことを特徴とする。
【0036】
本発明の光学表示装置の製造システムによると、光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅にスリット加工されたロール原反を用いるため、これを切り込み線ごとに分割するだけで、光学表示ユニットの短辺と長辺に対応するサイズの光学フィルムを得ることができる。しかも、偏光板の吸収軸に平行な長手方向を有するスリット前原反を用いるため、その製造の際に、貼り合わせによる軸精度が良くなり、貼り合わせ後の光学表示装置の光学特性が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の製造システムによる工程を示すフローチャート
【図2】本発明の製造システムの一例を説明するための図
【図3】本発明の製造システムの一例を説明するための図
【図4】第1、第2光学フィルムの積層構造の一例について説明するための図
【図5】第1シート製品に形成された切り込み線の一例を示す第1ロール原反の斜視図
【図6】第1シート製品に形成された切り込み線の他の例を示す第1ロール原反の斜視図
【図7】光学表示ユニットを上下反転及び90°回転した状態となるように旋回する方法の具体例を示した模式図
【図8】従来の光学表示装置の製造方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について、光学表示装置の製造システムに用いる原材料、製造工程の流れ、製造システムの各部の構成の順で説明する。図1に、光学表示装置の製造方法のフローチャートの一例を示す。図2に、光学表示装置の製造システムの一例の構成図を示す。図3に、光学表示装置の製造システムの一例の平面配置図を示す。
【0039】
(光学表示ユニット)
本発明に用いられる光学表示ユニットは、文字や画像を表示するための一まとまりの部品をいう。上記光学表示ユニットは、例えば液晶セルや有機エレクトロルミネッセンスパネル等である。本発明は、長方形の外形を有する光学表示ユニットに有効であり、例えば、長辺/短辺が16/9であるものや、4/3であるものなどが用いられる。なお、光学表示ユニットとしては、予め、光学フィルム等の部材が積層一体化されたものであってもよい。
【0040】
(光学フィルム)
光学表示ユニットに貼り付けられる光学フィルムは、単層であっても複層であってもよい。上記光学フィルムは、少なくともその一層に光学異方性を有する。上記光学異方性とは、光学的性質が面内で異なることをいい、具体的には、吸収異方性、屈折率異方性、反射異方性等である。上記光学フィルムは、例えば、吸収軸を有する偏光板や、遅相軸を有する位相差フィルム、透過軸を有する輝度向上フィルム、又はこれらの積層体である。
【0041】
前記偏光板を含む光学フィルムとしては、偏光板、又は偏光板に位相差フィルム、輝度向上フィルム、それらフィルムの2以上の組み合わせを積層した光学フィルム等が例示される。
【0042】
本発明に用いられる帯状シート製品は、上記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅に加工された、幅方向よりも長手方向が十分に長いシートをいう。上記帯状シート製品の長さは、例えば幅の10倍以上である。上記帯状シート製品は、上記光学フィルムを含むものであれば特に制限はない。上記帯状シート製品は、好ましくは、偏光板を含む光学フィルム、粘着剤層、及び離型フィルムをこの順に有する。
【0043】
本発明に用いられるロール原反は、上記帯状シート製品をロール状に巻き回したものである。上記ロール原反は、通常、上記帯状シート製品をその一端からロール芯に巻き回して得られる。
【0044】
これら光学フィルムの表面には、保護用の透明フィルムが積層される場合がある。また、光学フィルムの一方表面には、例えば光学表示ユニットに貼り付けられるように、粘着剤層が形成されるのが好ましく、この粘着剤層を保護するための離型フィルムが設けられる。また、光学フィルムのその他方表面には、例えば粘着剤層を介して表面保護フィルムが設けられる。
【0045】
本発明は、光学異方性が同じ方向の2つのロール原反を使用する場合に有効であり、特に、光学フィルムを構成する偏光板の吸収軸が、同じ方向の2つのロール原反を使用する場合に有効である。偏光板の吸収軸の方向は、通常、ロール原反の長尺方向となる。また、位相差フィルムの場合、遅相軸がロール原反の長尺方向と一致するもの、垂直になるもの、一定角度の斜め方向になるもの等がある。
【0046】
(製造フローチャート)
本発明の光学表示装置の製造方法は、光学異方性を有する光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合せた光学表示装置の製造方法であり、好ましくは、偏光板を含む光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合せた光学表示装置の製造方法である。
【0047】
本発明の製造方法は、第1貼合工程と第2貼合工程とを含む。前記製造方法は、好ましくは前記第1貼合工程と前記第2貼合工程との間に搬送供給工程をさらに含む。前記第1貼合工程と前記第2貼合工程は、いずれの工程を先に行ってもよく、両工程を同時に行ってもよい。
【0048】
第1貼合工程は、前記光学表示ユニットの短辺に対応する幅の第1光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さに第1光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反を用いて、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さの第1光学フィルムの分割片を前記光学表示ユニットの一方表面に貼り合せるものである。
【0049】
第2貼合工程は、前記光学表示ユニットの長辺に対応する幅の第2光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さに第2光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反を用いて、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さの第2光学フィルムの分割片を前記光学表示ユニットの他方表面に貼り合せるものである。
【0050】
本発明の光学表示装置の製造方法は、より具体的には、例えば第1光学フィルムを有する帯状シート製品が巻き取られたロール原反から帯状シート製品を引き出して供給しながら、前記光学表示ユニットの一方表面に第1光学フィルムの分割片を貼り合せる第1貼合工程と、第2光学フィルムを有する帯状シート製品が巻き取られたロール原反から帯状シート製品を引き出して供給しながら、前記光学表示ユニットの他方表面に第2光学フィルムの分割片を貼り合せる第2貼合工程とを含む。
【0051】
第1貼合工程は、例えば、以下で述べる(2)搬送工程〜(3)第1光学フィルム貼合工程によって実施され、第2貼合工程は、例えば、以下で述べる(6)搬送工程〜(7)第2光学フィルム貼合工程によって実施される。
【0052】
(1)第1ロール原反準備工程(図1、S1)。第1帯状シート製品を第1ロール原反として準備する。第1ロール原反の幅は、光学表示ユニットの貼り合わせサイズに依存している。具体的には、光学表示ユニットの長辺又は短辺の一方に対応させて、第1ロール原反の幅が決定され、他方に対応させて、第2ロール原反の幅が決定される。このため、第1ロール原反と第2ロール原反とは、異なる幅を有しており、スリット前ロール原反からスリット加工により、予め所定の幅にスリットされたものが使用される。
【0053】
スリット加工は、スリット前ロール原反を巻き戻しながら行い、その方法としては、レーザ切断装置、回転丸刃等の刃物を用いる方法などが挙げられる。ロール原反を製造する際には、スリット前ロール原反を長尺方向にスリットした後、得られた帯状シート製品をロール状に巻回することが好ましい。スリット前ロール原反の一端部又は両端部をロール状態のまま切断することにより、光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応する幅のロール原反を製造する方法も考えられるが、このような方法では、スリット前ロール原反を巻きずれが発生した状態(ロール端面が平坦でない状態)で切断することになり、製造されたロール原反における光学フィルムの軸方向が不均一になる。これに対して、上記のようにスリット工程後に巻回工程を行うことにより、製造されたロール原反における光学フィルムの軸方向が均一になるため、光学表示ユニットに対する光学フィルムの貼り合せにおける軸精度を向上することができる。上記スリットの対象は、スリット前ロール原反のようなロール状のものに限らず、ロール状でない長尺原反(例えば、製造後に巻き取る前の長尺原反)であってもよい。光学フィルムが偏光板を含む場合には、長尺原反の長手方向に平行に吸収軸が延びることが好ましく、その場合には、長尺原反を吸収軸に平行にスリットした後、得られた帯状シート製品をロール状に巻回することが好ましい。
【0054】
本発明において、「光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応させる」とは、光学表示ユニットの長辺又は短辺の長さに対応する光学フィルムの貼り合わせの長さ(露出部分を除いた長さ)を指し、光学表示ユニットの長辺又は短辺の長さと光学フィルムの幅とが同じである必要はない。
【0055】
本実施形態では、第1ロール原反と第2ロール原反とのいずれもが、それを構成する偏光板の吸収軸に平行に長尺原反をスリット加工することにより得られた帯状シート製品を巻回してなり、それぞれ帯状シート製品の長手方向に吸収軸を有する。このため、貼り合わせによる軸精度が良くなり、貼り合わせ後の光学表示装置の光学特性が良好になる。殊に近年大型TV等で用いられるVAモード又はIPSモードの液晶パネルで光学表示ユニットが形成される場合には、第1光学フィルムと第2光学フィルムの偏光板の吸収軸を直交させればよいので、長尺原反が吸収軸に平行にスリット加工されることにより得られた帯状シート製品を第1ロール原反及び第2ロール原反からそれぞれ繰り出し、第1光学フィルム及び第2光学フィルムの分割片をそれぞれ光学表示ユニットの表面に貼り合せるだけでよく、生産速度を高くすることができる。
【0056】
貼り合わせ時の軸精度が光学特性に及ぼす影響は、具体的には次のような透過光強度とコントラスト比(CR)によって評価することができる。即ち、偏光板(日東電工社製CAT1463DU)の吸収軸に平行に長尺原反をスリット加工することにより得られた帯状シート製品と、偏光板の吸収軸に対して角度を振って長尺原反をスリット加工することにより得られた帯状シート製品から、それぞれ、スリット方向と平行な1辺を有するように正方形(50mm×50mm)のサンプルを取り出し、日立ハイテク社製分光光度計U−4100を用いて2枚のサンプルを積層したときの透過率を測定した。その結果を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
表1の結果が示すように、吸収軸同士の角度が90°の実施例1と比べて、90°から吸収軸同士の角度がズレた比較例では、角度が90°から少しズレるだけで光漏れ(透過光強度)が顕著になり、コントラスト比(CR)も大きく低下することが分かる。
【0059】
図4に示すように、例えば、第1シート製品F1の積層構造は、第1光学フィルムF11と、第1離型フィルムF12と、表面保護フィルムF13とを有する。第1光学フィルムF11は、第1偏光子F11aと、その一方面に接着剤層(不図示)を介した第1フィルムF11bと、その他方面に接着剤層(不図示)を介した第2フィルムF11cとで構成されている。
【0060】
第1、第2フィルムF11b、F11cは、例えば、偏光子保護フィルム(例えばトリアセチルセルロースフィルム、PETフィルム等)である。第2フィルムF11cは、第1粘着剤層F14を介して光学表示ユニット面側に貼り合わされる。第1フィルムF11bには、表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等が挙げられる。第1離型フィルムF12は、第2フィルムF11cと第1粘着剤層F14を介して設けられている。また、表面保護フィルムF13は、第1フィルムF11bと粘着剤層F15を介して設けられている。第1、第2フィルムF11b、F11cの具体的構成は後述する。以下において、偏光子と偏光子保護フィルムとの積層構造を偏光板と称することがある。
【0061】
以下の各工程は、工場内において隔離された隔離構造内において行なわれ、清浄度が維持されているのが好ましい。特に光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合わせる貼合工程において清浄度が維持されていることが好ましい。
【0062】
本実施形態において、第1シート製品F1には、光学表示ユニットの長辺に対応する長さに第1光学フィルムF11を分割するための切り込み線が予め設けられている。この切り込み線は、第1シート製品F1の幅方向に延びており、例えば第1シート製品F1における第1離型フィルムF12以外の層が切断されることにより形成されている。ただし、第1シート製品F1における第1離型フィルムF12以外の層が完全に切断された構成に限らず、切り込み線ごとに第1光学フィルムF11を分割することができるような構成であれば、例えば第1粘着剤層F14などの少なくとも1つの層が完全に切断されていないような構成であってもよいし、ミシン目などの他の態様によって切り込み線が形成されたような構成であってもよい。
【0063】
図5は、第1シート製品F1に形成された切り込み線の一例を示す第1ロール原反の斜視図である。この例において、第1シート製品F1には、光学表示ユニットの長辺に対応する一定間隔で切り込み線が形成されている。したがって、切り込み線ごとに第1光学フィルムF11を分割することにより、光学表示ユニットに対応するサイズの第1光学フィルムF11の分割片を得て、光学表示ユニットに貼り合せることができる。
【0064】
図6は、第1シート製品F1に形成された切り込み線の他の例を示す第1ロール原反の斜視図である。この例において、第1シート製品F1には、光学表示ユニットの長辺に対応する間隔で切り込み線が形成された部分と、光学表示ユニットの長辺に対応する間隔とは異なる間隔で切り込み線が形成された部分とがある。光学表示ユニットの長辺に対応する間隔で切り込み線が形成された部分については、その切り込み線で第1光学フィルムF11を分割することにより、光学表示ユニットに対応するサイズの第1光学フィルムF11の分割片を得て、光学表示ユニットに貼り合せることができる。
【0065】
一方、光学表示ユニットの長辺に対応する間隔とは異なる間隔で切り込み線が形成された部分については、光学表示ユニットに貼り合せることなく排除することができる。例えば、予め第1シート製品F1を検査することにより欠点を検出し、光学表示ユニットに貼り合わせられる領域内に欠点を含まないように、欠点を避けて切り込み線を形成する方式(「スキップカット」と称する。)を採用した場合には、欠点を含む分割片(前記光学表示ユニットの長辺に対応する間隔とは異なる間隔で切り込み線が形成された部分)については、後述する第1排除装置19によって光学表示ユニットに貼り合せることなく排除することにより、光学フィルムの歩留まりを向上することができる。つまり、本発明では、光学フィルムを供給する際に、光学フィルムの欠点を有する分割片を排除する欠点部分の排除工程を含むことが好ましい。
【0066】
前記欠点検査の方法としては、第1シート製品F1の両面に対し、透過光、反射光による画像撮影・画像処理する方法、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光板の偏光軸とクロスニコルとなるように配置(0度クロスと称することがある)して画像撮影・画像処理する方法、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光板の偏光軸と所定角度(例えば、0度より大きく10度以内の範囲)になるように配置(x度クロスと称することがある)して画像撮影・画像処理する方法が挙げられる。なお、画像処理のアルゴリズムは公知の方法を適用でき、例えば二値化処理による濃淡判定によって欠点を検出することができる。
【0067】
透過光による画像撮影・画像処理方法では、第1シート製品F1内部の異物が検出できる。反射光による画像撮影・画像処理方法では、第1シート製品F1表面の付着異物が検出できる。0度クロスによる画像撮影・画像処理方法では、主に、表面異物、汚れ、内部の異物等が輝点として検出できる。x度クロスによる画像撮影・画像処理方法では、主に、クニックを検出することができる。
【0068】
第1シート製品F1には、切断手段を用いて、第1離型フィルムF12を切断せずに、表面保護フィルムF13、粘着剤層F15、第1光学フィルムF11および第1粘着剤層F14を切断することにより、切り込み線が形成される。その結果、第1離型フィルムF12を第1光学フィルムF11の搬送媒体として使用することができる。つまり、本発明では、第1光学フィルムF11に第1粘着剤層F14を介して形成された第1離型フィルムF12を搬送媒体として、第1貼合工程および第2貼合工程に第1光学フィルムF11および第2光学フィルムF21を各々搬送して供給することが好ましい。第1離型フィルムF12を除く第1シート製品F1は、任意の切断手段により切断され得る。好ましくは、切断手段を前記第1シート製品F1の幅方向に水平移動させて、第1離型フィルムF12を除く第1シート製品F1を切断する。前記切断手段は、特に制限はないが、好ましくはレーザ又は刃物(例えば丸刃)である。このような方法によれば、従来のように刃物を押し当てて(切断手段を上下移動させて)切断する方法に比べて、切断された第1離型フィルムF12を除く第1シート製品F1の端面が滑らかになるため、端面加工が不要になる。
【0069】
(2)搬送工程(図1、S2)。準備され設置された第1ロール原反から第1シート製品F1を繰り出し、下流側に搬送する。第1シート製品F1を搬送する第1搬送装置12は、例えば、ニップローラ対、テンションローラ、回転駆動装置、アキュムレート装置、センサー装置、制御装置等で構成されている。
【0070】
(3)第1光学フィルム貼合工程(図1、S3)。第1剥離装置17を用いて第1離型フィルムF12を除去しながら、第1貼合装置18を用いて当該第1離型フィルムF12が除去された第1光学フィルムF11を第1粘着剤層F14を介して光学表示ユニットWに貼り合せる。このとき、切り込み線ごとに第1光学フィルムF11を分割することにより、光学表示ユニットWに対応するサイズの第1光学フィルムF11の分割片を得て、光学表示ユニットWに貼り合せる。貼り合せに際し、後述するように、第1光学フィルムF11と光学表示ユニットWをロール対で挟んで圧着する。
【0071】
(4−1)洗浄工程(図1、S4−1)。光学表示ユニットWは、研磨洗浄、水洗浄等によって、その表面が洗浄される。洗浄された光学表示ユニットWは、検査装置まで搬送される。
【0072】
(4−2)検査工程(図1、S4−2)。洗浄後の光学表示ユニットWは、検査装置によって、その表面が検査される。検査後の光学表示ユニットWは、第1貼合装置18まで搬送される。
【0073】
これら、第1ロール原反準備工程、搬送工程、第1光学フィルム貼合工程、洗浄工程、検査工程のそれぞれの工程は連続した製造ラインで実行されることが好ましい。以上の一連の製造工程において、光学表示ユニットWの一方面に第1光学フィルムF11が貼り合わされる。以下では、その他面に第2光学フィルムF21を貼り合わる製造工程について説明する。
【0074】
(5)第2ロール原反準備工程(図1、S11)。第2帯状シート製品F2を第2ロール原反として準備する。図4の示すように、第2シート製品F2の積層構造は、第1シート製品と同様の構成であるが、これに限定されない。第2シート製品F2は、第2光学フィルムF21と、第2離型フィルムF22と、表面保護フィルムF23とを有する。第2光学フィルムF21は、第2偏光子21aと、その一方面に接着剤層(不図示)を介した第3フィルムF21bと、その他方面に接着剤層(不図示)を介した第4フィルムF21cとで構成されている。
【0075】
第3、第4フィルムF21b、F21cは、例えば、偏光子保護フィルム(例えばトリアセチルセルロースフィルム。PETフィルム等)である。第4フィルムF21cは、第2粘着剤層F24を介して光学表示ユニットW面側に貼り合わされる。第3フィルムF21bには、表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等が挙げられる。第2離型フィルムF22は、第4フィルムF21cと第2粘着剤層F24を介して設けられている。また、表面保護フィルムF23は、第3フィルムF21bと粘着剤層F25を介して設けられている。
【0076】
本実施形態において、第2シート製品F2には、光学表示ユニットの短辺に対応する長さに第2光学フィルムF21を分割するための切り込み線が予め設けられている。この切り込み線は、第2シート製品F2の幅方向に延びており、例えば第2シート製品F2における第2離型フィルムF22以外の層が切断されることにより形成されている。ただし、第2シート製品F2における第2離型フィルムF22以外の層が完全に切断された構成に限らず、切り込み線ごとに第2光学フィルムF21を分割することができるような構成であれば、例えば第2粘着剤層F24などの少なくとも1つの層が完全に切断されていないような構成であってもよいし、例えばミシン目などの他の態様によって切り込み線が形成されたような構成であってもよい。
【0077】
第2シート製品F2には、図5及び図6を用いて説明したような第1シート製品F1と同様の態様により、切り込み線を形成することができる。また、第2シート製品F2に切り込み線を形成するための切断手段としては、上述のような第1シート製品F1に切り込み線を形成するための切断手段と同様の構成を用いることができる。
【0078】
(6)搬送工程(図1、S12)。準備され設置された第2ロール原反から第2シート製品F2を繰り出し、下流側に搬送する。第2シート製品を搬送する第2搬送装置22は、例えば、ニップローラ対、テンションローラ、回転駆動装置、アキュムレート装置、センサー装置、制御装置等で構成されている。
【0079】
(7)第2光学フィルム貼合工程(図1、S13)。次いで、第2剥離装置27を用いて第2離型フィルムF22を除去しながら、第2貼合装置28を用いて当該第2離型フィルムF22が除去された第2光学フィルムF21を、第2粘着剤層F24を介して、光学表示ユニットWの第1光学フィルムF11が貼り合わされている面と異なる面に貼り合せる。このとき、切り込み線ごとに第2光学フィルムF21を分割することにより、光学表示ユニットWに対応するサイズの第2光学フィルムF21の分割片を得て、光学表示ユニットWに貼り合せる。なお、第2光学フィルムF21を光学表示ユニットWに貼り合せる前に、搬送機構の搬送方向切り替え機構によって光学表示ユニットWを90度回転させ、第1光学フィルムF11と第2光学フィルムF21をクロスニコルの関係にする場合がある。
【0080】
(8)搬送供給工程(図1、S5)。本発明の製造方法は、好ましくは、前記第1光学フィルム貼合工程と前記第2光学フィルム貼合工程との間に搬送供給工程をさらに含み、前記搬送供給工程が、前記第1貼合装置及び前記第2貼合装置のいずれか一方の貼合装置の貼り合せ方向から、他方の貼合装置の貼り合せ方向へ、前記光学表示ユニットを旋回させる旋回工程を含む。前記搬送供給工程は、前記旋回工程に加えて前記光学表示ユニットを表裏反転させる表裏反転工程をさらに含んでいてもよい。本発明では、第1貼合工程で貼り合せた後の光学表示ユニットWを、第2貼合工程での貼り合せ方向に旋回させる旋回工程を含むことが好ましい。本発明では、旋回後の光学表示ユニットWに貼り合わされた第1光学フィルムF11の長辺の方向と、貼り合わされる第2光学フィルムF21の長辺の方向とが、0±5°、好ましくは0±1°になるような角度で旋回工程を行うことが好ましい。例えば、供給される第1光学フィルムF11のライン方向と、供給される第2光学フィルムF21のライン方向とが平行(直線上も含む)である場合、旋回工程における旋回角度は、85〜95°が好ましい。貼り合せに際しては、後述するように、第2光学フィルムF21と光学表示ユニットWをロールで挟んで圧着する。
【0081】
(9)光学表示装置の検査工程(図1、S14)。検査装置は、光学表示ユニットWの両面に光学フィルムが貼着された光学表示装置を検査する。検査方法としては、光学表示装置の両面に対し、反射光による画像撮影・画像処理する方法が例示される。また他の方法として、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に設置する方法も例示される。なお、画像処理のアルゴリズムは公知の方法を適用でき、例えば二値化処理による濃淡判定によって欠点を検出することができる。
【0082】
(10)検査装置で得られた欠点の情報に基づいて、光学表示装置の良品判定がなされる。良品判定された光学表示装置は、次の実装工程に搬送される。不良品判定された場合、リワーク処理が施され、新たに光学フィルムが貼られ、次いで検査され、良品判定の場合、実装工程に移行し、不良品判定の場合、再度リワーク処理に移行するかあるいは廃棄処分される。
【0083】
以上の一連の製造工程において、第1光学フィルムF11の貼合工程と第2光学フィルムF21貼合工程とを連続した製造ラインで実行することによって、光学表示装置を好適に製造することができる。
【0084】
(製造システムの全体の構成)
次に、本発明の製造システムの全体の構成について説明する。本発明の製造システムは、光学異方性を有する光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合せた光学表示装置の製造システムであり、好ましくは、偏光板を含む光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合せた光学表示装置の製造システムである。本発明の製造システムは、第1貼合工程を行う第1貼合装置と、第2貼合工程を行う第2貼合装置とを備えている。
【0085】
本実施形態では、図3に示すように、光学表示ユニットWの供給装置M1と、第1光学フィルムF11の供給装置M2と、第1光学フィルムF11を貼り合せる第1貼合装置M3と、貼り合せ後の光学表示ユニットWを搬送して供給する搬送供給装置M4と、第2光学フィルムF21の供給装置M5と、第2光学フィルムF21を貼り合せる第2貼合装置M6とを備えている例を示す。
【0086】
本実施形態では、図3に示すように、第1光学フィルムF11の供給装置M2と、第1貼合装置M3と、搬送供給装置M4と、第2光学フィルムF21の供給装置M5と、第2貼合装置M6とが、直線状に配置されると共に、第1貼合装置M3の光学表示ユニットWの流れ方向に対して、垂直な方向から光学表示ユニットWが供給されるように、供給装置M1が配置されている例を示す。
【0087】
(製造システムの各部の構成)
以下に、本発明の製造システムの各部の構成の一例について説明する。
【0088】
本発明の製造システムは、光学表示ユニットWを供給する光学表示ユニットWの供給装置M1を備えている。
【0089】
本発明の製造システムは、第1光学フィルムF11を有する第1シート製品F1が巻き取られたロール原反から第1シート製品F1を引き出して供給する第1光学フィルムの供給装置M2を備えている。本実施形態では、第1光学フィルムの供給装置M2が、第1搬送装置12を備える例を示す。
【0090】
第1シート製品F1の第1ロール原反は、自由回転あるいは一定の回転速度で回転するようにモータ等と連動されたローラ架台装置に設置される。制御装置1によって回転速度が設定され、駆動制御される。
【0091】
第1搬送装置12は、第1シート製品F1を下流側に搬送する搬送機構である。第1搬送装置12は制御装置1によって制御されている。
【0092】
本発明の製造システムは、光学表示ユニットWの供給装置M1から供給された光学表示ユニットWの一方表面に、第1光学フィルムの供給装置M2から供給された第1光学フィルムF11を貼り合せる第1貼合装置18(M3)を備えている。本実施形態では、第1貼合装置18(M3)が、押さえローラ、案内ローラによって構成されると共に、第1剥離装置17、第1排除装置19を更に備える例を示す。この第1排除装置19は、光学フィルムの欠点を有する分割片を排除する欠点部分の排除機構を構成するが、このような排除機構は、省略することも可能である。
【0093】
第1貼合装置18は、第1剥離装置17によって第1離型フィルムF12が剥離された第1シート製品F1(第1光学フィルムF11)を、第1粘着剤層F14を介して光学表示ユニットWに貼り合せる。第1シート製品F1の搬送経路は、光学表示ユニットWの搬送経路の上方である。
【0094】
貼り合せる場合には、押さえローラ、案内ローラによって、第1光学フィルムF11を光学表示ユニットW面に圧接しながら貼り合わせる。押さえローラ、案内ローラの押さえ圧力、駆動動作は、制御装置1によって制御される。
【0095】
第1剥離装置17の剥離機構としては、第1離型フィルムF12を反転移送することにより、第1離型フィルムF12を剥離すると共に、第1離型フィルムF12を剥離した後の第1シート製品F1(第1光学フィルムF11)を光学表示ユニットW面に送り出すように構成される。剥離された離型フィルムF12はロールに巻き取られる。ロールの巻取り制御は、制御装置1によって制御される。
【0096】
つまり、本発明における第1光学フィルムの供給装置M2は、第1光学フィルムF11に第1粘着剤層F14を介して形成された第1離型フィルムF12を搬送媒体として、第1貼合装置M3に第1光学フィルムF11を供給する搬送機構を有する。
【0097】
貼合せ機構としては、貼合せ位置に設けられた、押さえロ一ラとそれに対向して配置される案内ローラとから構成されている。案内ローラは、モータにより回転駆動するゴムローラで構成され、昇降可能に配備されている。また、その直上方にはモータにより回転駆動する金属ローラからなる押さえローラが昇降可能に配備されている。光学表示ユニットWを貼合せ位置に送り込む際には押さえローラはその上面より高い位置まで上昇されてローラ間隔を開けるようになっている。なお、案内ローラおよび押さえローラは、いずれもゴムローラであってもよいし金属ローラであってもよい。光学表示ユニットWは、上述したように各種洗浄装置によって洗浄され、搬送機構によって搬送される構成である。搬送機構の搬送制御も制御装置1の制御による。
【0098】
欠点を含む第1シート製品F1を排除する第1排除装置19について説明する。欠点を含む第1シート製品F1が貼り合わせ位置に搬送されてくると、案内ローラが垂直下方に移動する。次いで、除去用フィルムが掛け渡されたローラが案内ローラの定位置に移動する。押さえローラを垂直下方に移動させて、欠点を含む第1シート製品F1を除去用フィルムに押さえつけて、第1シート製品F1を除去用フィルムに貼り付け、除去用フィルムとともに欠点を含む第1シート製品F1をローラに巻き取る。除去用フィルムは、第1シート製品F1の第1粘着剤層F14の粘着力を利用して、欠点を含む第1シート製品F1を貼着することができるが、除去用フィルムとして粘着テープを使用することも可能である。
【0099】
上記のようにして第1光学フィルムF11が貼り合せられた光学表示ユニットWは、下流側に搬送され、第2光学フィルムF21(第2シート製品F2)が貼り合わされる。以下において、同様の装置構成については、その説明を簡単に説明する。
【0100】
本発明の製造システムは、好ましくは、前記第1貼合装置と前記第2貼合装置との間に搬送供給装置M4をさらに含む。前記搬送供給装置M4は、前記第1貼合装置及び前記第2貼合装置のいずれか一方の貼合装置から他方の貼合装置へ、前記光学表示ユニットを搬送供給する装置である。前記搬送供給装置は、好ましくは前記第1貼合装置及び前記第2貼合装置のいずれか一方の貼合装置の貼り合せ方向から、他方の貼合装置の貼り合せ方向へ、前記光学表示ユニットを旋回させる旋回機構20を含む。前記搬送供給装置は、前記旋回機構20に加えて前記光学表示ユニットを表裏反転させる表裏反転機構をさらに含んでいてもよい。
【0101】
例えば、第2光学フィルムF21を第1光学フィルムF11と90°の関係(クロスニコルの関係)に貼り合わせる場合は、光学表示ユニットWを搬送機構の搬送方向切り替え機構(旋回機構20)によって、90°回転させてから第2光学フィルムF21が貼り合わされる。以下で説明する第2シート製品F2の貼り合わせ方法においては、第2シート製品F2を反転させた状態で(第2離型フィルムF22が上面となるようにして)各工程を処理し、第2光学フィルムF21を光学表示ユニットWの下側から貼り合わせるように構成される。
【0102】
本発明の製造システムは、第2光学フィルムF21を有する第2シート製品F2が巻き取られたロール原反から第2シート製品F2を引き出して供給する第2光学フィルムの供給装置M5を備えている。本実施形態では、第2光学フィルムの供給装置M5が、第2搬送装置22を備える例を示す。
【0103】
第2シート製品F2の第2ロール原反は、自由回転あるいは一定の回転速度で回転するようにモータ等と連動されたローラ架台装置に設置される。制御装置1によって回転速度が設定され、駆動制御される。
【0104】
第2搬送装置22は、第2シート製品F2を下流側に搬送する搬送機構である。第2搬送装置22は制御装置1によって制御されている。
【0105】
本発明の製造システムは、搬送供給装置M4から供給された光学表示ユニットWの他方表面に、第2光学フィルムの供給装置M5から供給された第2光学フィルムF21を貼り合せる第2貼合装置28(M6)を備えている。本実施形態では、第2貼合装置28(M6)が、押さえローラ、案内ローラによって構成されると共に、第2剥離装置27、第2排除装置29を更に備える例を示す。この第2排除装置29は、光学フィルムの欠点を有する分割片を排除する欠点部分の排除機構を構成するが、このような排除機構は、省略することも可能である。
【0106】
第2貼合装置28は、第2剥離装置27によって第2離型フィルムF22が剥離された第2シート製品F2(第2光学フィルムF21)を、第2粘着剤層F24を介して光学表示ユニットWに貼り合せる。貼り合せる場合には、押さえローラ、案内ローラによって、第2光学フィルムF21を光学表示ユニットW面に圧接しながら貼り合わせる。押さえローラ、案内ローラの押さえ圧力、駆動動作は、制御装置1によって制御される。
【0107】
第2剥離装置27の剥離機構としては、第2離型フィルムF22を反転移送することにより、第2離型フィルムF22を剥離すると共に、第2離型フィルムF22を剥離した後の第2シート製品F2(第2光学フィルム)を光学表示ユニットW面に送り出すように構成される。剥離された離型フィルムF22はロールに巻き取られる。ロールの巻取り制御は、制御装置1によって制御される。
【0108】
つまり、本発明における第2光学フィルムの供給装置M5は、第2光学フィルムF21に第2粘着剤層F24を介して形成された第2離型フィルムF22を搬送媒体として、第2貼合装置M6に第2光学フィルムF21を供給する搬送機構を有する。
【0109】
貼合せ機構としては、貼合せ位置に設けられた、押さえローラとそれに対向して配置される案内ローラとから構成されている。案内ローラは、モータにより回転駆動するゴムローラで構成され昇降可能に配備されている。また、その直下方にはモータにより回転駆動する金属ローラからなる押さえローラが昇降可能に配備されている。光学表示ユニットWを貼合せ位置に送り込む際に、押さえローラは、下方位置まで移動されてローラ間隔を開けるようになっている。なお、案内ローラおよび押さえローラは、いずれもゴムローラであってもよいし金属ローラであってもよい。
【0110】
欠点を含む第2シート製品F2を排除する第2排除装置29について説明する。欠点を含む第2シート製品F2が貼り合わせ位置に搬送されてくると、案内ローラが垂直上方に移動する。次いで、除去用フィルムが掛け渡されたローラが案内ローラの定位置に移動する。押さえローラを垂直上方に移動させて、欠点を含む第2シート製品F2を除去用フィルムに押さえつけて、第2シート製品F2を除去用フィルムに貼り付け、除去用フィルムとともに欠点を含む第2シート製品F2をローラに巻き取る。
【0111】
第1、第2シート製品が光学表示ユニットWに貼り合わせされることにより形成された光学表示装置は、検査装置に搬送される。検査装置は、搬送されてきた光学表示装置の両面に対し検査を実行する。光源が、ハーフミラーによって、光学表示装置の上面に垂直に照射し、その反射光像をCCDカメラによって画像データとして撮像する。また、別の光源が、所定角度で光学表示装置表面を照射し、その反射光像をCCDカメラによって画像データとして撮像する。光学表示装置の反対面の検査も光源およびCCDカメラを用いて同様に実行される。これら画像データから欠点が画像処理解析され、良品判定される。
【0112】
それぞれの装置の動作タイミングは、例えば、所定の位置にセンサーを配置して検知する方法で算出され、または、搬送装置や搬送機構の回転部材をロータリーエンコーダ等で検出するようにして算出される。制御装置1は、ソフトウエアプログラムとCPU、メモリ等のハードウエア資源との協同作用によって実現されてもよく、この場合プログラムソフトウエア、処理手順、各種設定等はメモリが予め記憶されている。また、専用回路やファームウエア等で構成できる。
【0113】
本発明の製造方法により得られる光学表示装置は、上記光学表示ユニットの両面に光学フィルムが貼り付けられたものである。上記光学表示装置は、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置に適用することができる。
【0114】
液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セル(光学表示ユニットに相当する。)と光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN(Twisted Nematic)型やSTN(Super Twisted Nematic)型、π型などの任意なタイプのものを用いることができ、特にVA(Virtical Alignment)モード又はIPS(In-Plane-Switching)モードの液晶セルである場合に本発明は有効である。
【0115】
液晶セルの片側又は両側に光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0116】
液晶表示装置は、光学フィルムを液晶セルの片側または両側に配置してなる透過型や反射型、あるいは透過・反射両用型の従来に準じた適宜な構造を有するものとして形成することができる。従って、液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用いたものであってもよい。
【0117】
また液晶セルの両側に偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じ物であってもよいし、異なるものであっても良い。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層または2層以上配置することができる。
【0118】
(旋回を用いた貼合方法の別実施形態)
上記実施形態では、第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21の一方を光学表示ユニットWに対して上方から貼り合せ、他方を光学表示ユニットWに対して下方から貼り合せる場合を示しているが、光学表示ユニットWに対して上方又は下方の一方側から第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21をいずれも貼り合せるような構成であってもよい。この場合には、上方又は下方から光学表示ユニットWの一方表面に第1光学フィルムF11を貼り合せた後、当該光学表示ユニットWを上下反転及び回転した状態となるように旋回し、他方表面に第1光学フィルムF11を貼り合せればよい。例えば、上下反転及び90°回転した状態となるように旋回することにより、第1光学フィルムF11と第2光学フィルムF21をクロスニコルの関係に貼り合せることができる。
【0119】
図7は、光学表示ユニットWを上下反転及び90°回転した状態となるように旋回する方法の具体例を示した模式図である。図7(a)及び(b)は、90°の関係になるように光学表示ユニットWを上下反転させる方法であり、(a)には、光学表示ユニットWの角部を通る水平な回転軸A1を中心に光学表示ユニットWが上下反転される例が示され、(b)には、光学表示ユニットWの中心を通る水平な回転軸A2を中心に光学表示ユニットWが上下反転される例が示されている。図7(c)は、上下反転と回転を2段階で行うことにより90°の関係にする方法であり、上下反転及び回転のいずれを先に行ってもよい。図7(d)は、上下反転させながら90°の関係に回転させる方法であり、旋回機構20が、光学表示ユニットWを水平な面内で回転させる機構と、光学表示ユニットWを水平な回転軸A3を中心に上下反転させる機構とを備えている。
【0120】
なお、「90°回転した状態」及び「90°の関係」とは、旋回後の光学表示ユニットWの長辺が旋回前の短辺に平行になり、旋回後の光学表示ユニットWの短辺が旋回前の長辺に平行になる状態又は関係を意味している。ただし、光学表示ユニットWを旋回する方法は、図7の態様に限らず、他の各種態様にて光学表示ユニットWを上下反転及び90°回転した状態となるように旋回することができる。
【0121】
上記実施形態では、第1貼合装置18で貼り合せた後の光学表示ユニットWを、第2貼合装置28での貼り合せ方向に旋回させるようになっているが、上述の通り、第1光学フィルムF11よりも先に第2光学フィルムF21を光学表示ユニットWに貼り合せるようにしてもよく、この場合には、第2貼合装置28で貼り合せた後の光学表示ユニットWを、第1貼合装置18での貼り合せ方向に旋回させるようになっていてもよい。
【0122】
(製造システムの別実施形態)
本発明の製造システムの各装置の配置は、何れでも良く、例えば光学表示ユニットWの供給装置M1と、第1光学フィルムF11の供給装置M2と、第1貼合装置M3とが、直線状に配置されると共に、第2光学フィルムF21の供給装置M5と第2貼合装置M6とが、これに平行に配置され、第1貼合装置M3と第2貼合装置M6との間に、搬送供給装置M4が設けられるように配置してもよい。
【0123】
なお、本発明において、光学表示ユニットWの旋回機構を設けない場合、第1光学フィルムF11の供給装置M2と、第1貼合装置M3とが、第2光学フィルムF21の供給装置M5と第2貼合装置M6とに対して、垂直に配置されることが好ましい。
【符号の説明】
【0124】
F1 第1シート製品
F2 第2シート製品
F11 第1光学フィルム
F11a 第1偏光子
F11b 第1フィルム
F11c 第2フィルム
F12 第1離型フィルム
F13 表面保護フィルム
F14 第1粘着剤層
F21 第2光学フィルム
F21a 第2偏光子
F21b 第3フィルム
F21c 第4フィルム
F22 第2離型フィルム
F23 表面保護フィルム
F24 第2粘着剤層
M1 光学表示ユニットの供給装置
M2 第1光学フィルムの供給装置
M3 第1貼合装置
M4 搬送供給装置
M5 第2光学フィルムの供給装置
M6 第2貼合装置
1 制御装置
12 第1搬送装置
17 第1剥離装置
18 第1貼合装置
19 第1排除装置
20 旋回機構
22 第2搬送装置
27 第2剥離装置
28 第2貼合装置
29 第2排除装置
W 光学表示ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学異方性を有する光学フィルムを長方形の光学表示ユニットに貼り合せた光学表示装置の製造システムであって、
前記光学表示ユニットの短辺に対応する幅の第1光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さに第1光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反を用いて、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さの第1光学フィルムの分割片を光学表示ユニットの一方表面に貼り合せる第1貼合装置と、
前記光学表示ユニットの長辺に対応する幅の第2光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さに第2光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反を用いて、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さの第2光学フィルムの分割片を光学表示ユニットの他方表面に貼り合せる第2貼合装置とを備える光学表示装置の製造システム。
【請求項2】
偏光板を含む光学フィルムを長方形の光学表示ユニットに貼り合せた光学表示装置の製造システムであって、
光学表示ユニットを供給する光学表示ユニットの供給装置と、
前記光学表示ユニットの短辺に対応する幅の第1光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さに第1光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反から帯状シート製品を引き出して供給する第1光学フィルムの供給装置と、
前記光学表示ユニットの供給装置から供給された光学表示ユニットの一方表面に、前記第1光学フィルムの供給装置から供給された第1光学フィルムの分割片を貼り合せる第1貼合装置と、
第1光学フィルムの貼り合せ後の光学表示ユニットを搬送して供給する搬送供給装置と、
前記光学表示ユニットの長辺に対応する幅の第2光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さに第2光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反から帯状シート製品を引き出して供給する第2光学フィルムの供給装置と、
前記搬送供給装置から供給された光学表示ユニットの他方表面に、前記第2光学フィルムの供給装置から供給された第2光学フィルムの分割片を貼り合せる第2貼合装置とを備える光学表示装置の製造システム。
【請求項3】
前記搬送供給装置は、前記第1貼合装置で貼り合せた後の光学表示ユニットを、前記第2貼合装置での貼り合せ方向に旋回させる旋回機構を有する請求項2に記載の光学表示装置の製造システム。
【請求項4】
前記第1光学フィルムの供給装置および前記第2光学フィルムの供給装置は、光学フィルムの欠点を有する分割片を排除する欠点部分の排除機構を有する請求項2又は3に記載の光学表示装置の製造システム。
【請求項5】
前記第1光学フィルムの供給装置および前記第2光学フィルムの供給装置は、光学フィルムに粘着剤層を介して形成された離型フィルムを搬送媒体として、第1貼合装置および第2貼合装置に第1光学フィルムおよび第2光学フィルムを各々供給する搬送機構を有する請求項2又は3に記載の光学表示装置の製造システム。
【請求項6】
光学異方性を有する光学フィルムを長方形の光学表示ユニットに貼り合せた光学表示装置の製造方法であって、
前記光学表示ユニットの短辺に対応する幅の第1光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さに第1光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反を用いて、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さの第1光学フィルムの分割片を光学表示ユニットの一方表面に貼り合せる第1貼合工程と、
前記光学表示ユニットの長辺に対応する幅の第2光学フィルムを有し、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さに第2光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられた帯状シート製品が巻き取られたロール原反を用いて、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さの第2光学フィルムの分割片を光学表示ユニットの他方表面に貼り合せる第2貼合工程とを含む光学表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1貼合工程で貼り合せた後の光学表示ユニットを、前記第2貼合工程での貼り合せ方向に旋回させる旋回工程を含む請求項6に記載の光学表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1光学フィルムおよび前記第2光学フィルムを供給する際に、光学フィルムの欠点を有する分割片を排除する欠点部分の排除工程を含む請求項6又は7に記載の光学表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1光学フィルムおよび前記第2光学フィルムを供給する際に、光学フィルムに粘着剤層を介して形成された離型フィルムを搬送媒体として、第1貼合工程および第2貼合工程に第1光学フィルムおよび第2光学フィルムを各々搬送して供給する請求項6又は7に記載の光学表示装置の製造方法。
【請求項10】
長方形状の光学表示ユニットの一方表面に貼り合せるための第1光学フィルムを有する第1ロール原反と、前記光学表示ユニットの他方表面に貼り合せるための第2光学フィルムを有する第2ロール原反とからなるロール原反セットであって、
前記第1ロール原反は、吸収軸に平行な長手方向を有する第1偏光板を含む第1光学フィルムと、第1粘着剤層と、第1離型フィルムとがこの順で積層された第1帯状シート製品を含み、前記光学表示ユニットの長辺に対応する長さに第1光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられるとともに、前記第1偏光板の長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺に対応する幅でスリット加工された状態で巻き取られたものであり、
前記第2ロール原反は、吸収軸に平行な長手方向を有する第2偏光板を含む第2光学フィルムと、第2粘着剤層と、第2離型フィルムとがこの順で積層された第2帯状シート製品を含み、前記光学表示ユニットの短辺に対応する長さに第2光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられるとともに、前記第2偏光板の長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの長辺に対応する幅でスリット加工された状態で巻き取られたものであるロール原反セット。
【請求項11】
貼り合せに用いる前記光学表示ユニットがVAモード又はIPSモードの液晶パネルである請求項10に記載のロール原反セット。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のロール原反セットに用いるロール原反の製造方法であって、
吸収軸に平行な長手方向を有する偏光板を含む光学フィルムと、粘着剤層と、離型フィルムとがこの順で積層されたスリット前原反を、前記偏光板の長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅でスリット加工することにより得られた帯状シート製品を巻き取ってロール原反とする工程を有するロール原反の製造方法。
【請求項13】
長方形状の光学表示ユニットの表面に貼り合せるための光学フィルムを有するロール原反であって、
吸収軸に平行な長手方向を有する偏光板を含む光学フィルムと、粘着剤層と、離型フィルムとがこの順で積層された帯状シート製品を含み、前記光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応する長さに前記光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられるとともに、前記偏光板の長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅でスリット加工された状態で巻き取られたものであることを特徴とするロール原反。
【請求項14】
長方形状の光学表示ユニットの表面に貼り合せるための光学フィルムを有するロール原反の製造方法であって、
吸収軸に平行な長手方向を有する偏光板を含む光学フィルムと、粘着剤層と、離型フィルムとがこの順で積層された帯状シート製品を含み、前記光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応する長さに前記光学フィルムを分割するための切り込み線が予め設けられたスリット前原反を、前記偏光板の長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅でスリット加工する工程と、及び該スリット工程により得られた帯状シート製品を巻き取ってロール原反とする工程を有することを特徴とするロール原反の製造方法。
【請求項15】
偏光板を含む光学フィルムと、前記光学フィルムを表面に貼り合せた長方形状の光学表示ユニットとを有する光学表示装置の製造方法であって、
吸収軸に平行な長手方向を有する偏光板を含む光学フィルムと粘着剤層と離型フィルムとがこの順で積層され、前記光学フィルムを前記光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応する長さに分割するための切り込み線が予め設けられたスリット前原反を、その長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅でスリット加工することにより得られた帯状シート製品がロール状に巻回されたロール原反を準備する工程と、
前記ロール原反から前記帯状シート製品を引き出して、前記光学フィルムの分割片を長方形の光学表示ユニットの表面に貼り合せる工程とを含む光学表示装置の製造方法。
【請求項16】
偏光板を含む光学フィルムと、前記光学フィルムを表面に貼り合せた長方形状の光学表示ユニットとを有する光学表示装置の製造システムであって、
吸収軸に平行な長手方向を有する偏光板を含む光学フィルムと粘着剤層と離型フィルムとがこの順で積層され、前記光学フィルムを前記光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応する長さに分割するための切り込み線が予め設けられたスリット前原反を、その長手方向に平行に、且つ前記光学表示ユニットの短辺又は長辺に対応する幅でスリット加工することにより得られた帯状シート製品がロール状に巻回されたロール原反から、前記帯状シート製品を引き出して、前記光学フィルムの分割片を長方形の光学表示ユニットの表面に貼り合せる貼合装置を備えた光学表示装置の製造システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−286830(P2010−286830A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110044(P2010−110044)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】