説明

光学装置

【課題】 光ファイバの伝搬特性を高速で制御することができる光学装置を提供する。
【解決手段】 コアをクラッドが包囲する光ファイバの、長さ方向の一部分において該クラッドが除去されている。光ファイバのクラッドが除去された部分を包囲するように、コレクテリックブルー相を発現する液晶材料が配置されている。電極が、液晶材料内の液晶分子を配向させる電界を印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバの伝搬特性を制御する光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバのクラッドの一部を除去して光をオンオフする光スイッチが知られている(特許文献1)。この光スイッチでは、露出したコアの周囲に、光学媒質として作用するオン側スイッチ体及びオフ側スイッチ体のいずれか一方を選択的に配置する。オン側スイッチ体の屈折率はコアの屈折率よりも低く、オフ側スイッチ体の屈折率はコアの屈折率よりも高い。オン側スイッチ体には4フッ化エチレン等の液体が用いられ、オフ側スイッチ体には強磁性微粒子が用いられる。磁石で強磁性微粒子を移動させることにより、オンオフが切り替えられる。
【0003】
クラッドとして作用する基板内に、断面が四角形の一対のコアを近接して埋設した光導波路を光スイッチとして動作させる技術が知られてる(特許文献2)。一対のコアの間の基板が除去されて、この部分に液晶材料が充填される。液晶材料の配向を制御することによって、スイッチングが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭59−66203号公報
【特許文献2】特開2003−222915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
強磁性微粒子を移動させる光スイッチでは、スイッチング速度が強磁性微粒子の移動時間によって制限される。このため、スイッチング速度を高めることが困難である。基板内にコアを埋設する構造では、基板内に埋設したコアと、光ファイバのコアとを接続しなければならない。
【0006】
本発明の目的は、光ファイバの伝搬特性を高速で制御することができる光学装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によると、
コアをクラッドが包囲し、長さ方向の一部分において該クラッドが除去されている光ファイバと、
前記光ファイバのクラッドが除去された部分を包囲するように配置され、コレクテリックブルー相を発現する液晶材料と、
前記液晶材料内の液晶分子を配向させる電界を印加する電極と
を有する光学装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
コレステリックブルー相が発現した状態と、電極によって電界が印加された状態とで、液晶材料の光学的性質が異なる。これにより、光ファイバの伝搬特性が変化する。光学媒質を機械的に移動させる場合に比べて、応答速度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(1A)は、実施例1による光学装置の平断面図であり、(1B)は、(1A)の一点鎖線1B−1Bにおける断面図である。
【図2】(2A)は、電圧無印加時における液晶材料及びコアの断面の模式図であり、(2B)は、電圧印加時における液晶材料及びコアの断面の模式図である。
【図3−1】(3A)及び(3Ba)は、実施例1による光学装置の製造途中段階における平面図であり、(3Bb)は、(3Ba)の一点鎖線3Bb−3Bbにおける断面図である。
【図3−2】(3Ca)及び(3Da)は、実施例1による光学装置の製造途中段階における平面図であり、(3Cb)及び(3Db)は、それぞれ(3Ca)の一点鎖線3Cb−3Cbにおける断面図及び(3Da)の一点鎖線3Db−3Dbにおける断面図である。
【図3−3】(3E)及び(3F)は、実施例1による光学装置の製造途中段階における断面図である。
【図4】(4A)は、実施例2による光学装置の平断面図であり、(4B)は、(4A)の一点鎖線4B−4Bにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aに、実施例1による光学装置の平断面図を示す。図1Bに、図1Aの一点鎖線1B−1Bにおける断面図を示す。図1Bの一点鎖線1A−1Aにおける断面図が図1Aに相当する。
【0011】
コア21をクラッド22で被覆した光ファイバ20の長さ方向の一部の領域23において、クラッド22が除去されてコア21が露出している。例えば、コア21の直径は10μmであり、クラッド22を含む光ファイバ20の直径は30μmである。なお、クラッドの外径が125μm程度の一般的な光ファイバを用いてもよい。クラッドが除去された領域23のコア21の側方の空間に、液晶材料18が充填されている。液晶材料18は、相互に平行に配置された第1の基板10と第2の基板12とに挟まれている。第1の基板10及び第2の基板12には、例えば厚さ0.7mmのガラス基板が用いられる。なお、ガラス基板に代えてプラスチック基板を用いてもよい。
【0012】
第1の基板10と第2の基板12との間に配置されたシール部材15が、液晶材料18が充填されている空間を封止する。シール部材15は、クラッド22の端部と、液晶材料18が充填された空間との間のコア21の側面に接する。シール部材15の屈折率は、コア21の屈折率よりも低い。このため、シール部材15は、光ファイバ20のクラッドとして作用する。
【0013】
第1の基板10及び第2の基板12の内側の表面に、それぞれ第1の電極11及び第2の電極13が形成されている。第1の電極11及び第2の電極13には、例えば、厚さ150nmのインジウム錫酸化物(ITO)膜が用いられる。第1の電極11及び第2の電極13は、シール部材15で塞がれた空間から、光ファイバ20の軸方向と直交する方向に導出されている。第1の電極11が導出される向き(図1Aにおいて下向き)は、第2の電極13が導出される向きと反対向きである。すなわち、光ファイバ20の一方の側(図1Aにおいて光ファイバ20の下側)で、第1の電極11とシール部材15とが重なり、他方の側(図1Aにおいて光ファイバ20の上側)で、第2の電極13とシール部材15とが重なる。シール部材15、第1の電極11、及び第2の電極13の3つの部材が重なると、その重なった部分が劣化の原因になる。実施例1では、この3つの部材が重なる領域が存在しないため、劣化を抑制することができる。
【0014】
駆動電源25がスイッチ26を介して第1の電極11と第2の電極13とに交流の駆動電圧を印加する。
【0015】
液晶材料18は、例えば、正の誘電率異方性及び屈折率異方性を持ち、電圧無印加時に、動作温度範囲内でコレステリックブルー相(以下、単に「ブルー相」という。)を発現する。液晶材料18として、高分子ネットワームを含み、高分子安定化ブルー相を発現するものを用いることが好ましい。高分子安定化ブルー相については、後に詳しく説明する。
【0016】
ブルー相は、らせんピッチの比較的短いキラルネマチック相と等方相との間に現れる液晶相であり、光学的に等方性を示す。ブルー相には、低温側よりブルー相I、ブルー相II、ブルー相IIIと呼ばれる3種類が存在することが知られている。ブルー相Iは体心立方の対称性を有し、ブルー相IIは単純立方の対称性を有し、ブルー相IIIは等方性の対称性を有する。液晶材料18の常光線屈折率をn、異常光線屈折率をnとする。ブルー相は光学的に等方性であり、その屈折率は(2n+n)/3になる。
【0017】
図2Aに、電圧無印加時における液晶材料18及びコア21の断面を模式的に示す。液晶材料18はブルー相を示す。ブルー相の屈折率(2n+n)/3は、コア21の屈折率よりも低い。このため、液晶材料18がクラッドとして作用する。従って、クラッド22が除去された領域23の一方の側のコア21に沿って伝搬する光は、クラッド22が除去された領域23をそのまま伝搬し、他方の側のコア21まで到達する。電圧無印加時の状態を「透過状態」ということとする。
【0018】
図2Bに、電圧印加時における液晶材料18及びコア21の断面を模式的に示す。液晶材料18が配向してホメオトロピック配向状態になる。ホメオトロピック配向状態の液晶材料18は常光線屈折率nと、異常光線屈折率nとを持つ屈折率異方性を示す。異常光線屈折率nはコア21の屈折率よりも高い。このため、コア21に沿って伝搬する光のうち異常光線屈折率nの影響を受ける成分は、コア21から液晶材料18内に漏れる。このため、光ファイバ20内を伝搬する光は、クラッド22が除去された領域23内で減衰する。電圧印加時の状態を「減衰状態」ということとする。
【0019】
このように、第1の電極11と第2の電極13との間に電圧を印加することにより、光ファイバ20の伝搬特性を変化させることができる。透過状態と減衰状態との切り替えは、液晶分子の配向状態が変化する速さで行われる。このため、光学媒質を機械的に移動させる場合に比べて、高速で切り替えを行うことができる。
【0020】
光通信システムにおいて、クラッドが除去された領域23を光スイッチとして動作させることが可能である。また、比較的低速の光変調器として動作させることも可能である。光ファイバ20を照明光の伝送に用いる場合には、クラッドが除去された領域23を調光器として動作させることが可能である。クラッドが除去された領域23内で光ファイバ20から漏れた光を回収することにより、光分岐部として機能させることも可能である。
【0021】
図3A〜図3Fを参照して、実施例1による光学装置の製造方法について説明する。
【0022】
図3Aに示すように、第1の基板10の表面の一部に第1の電極11を形成し、第2の基板12の表面の一部に第2の電極13を形成する。ITOからなる第1の電極11及び第2の電極13のパターニングは、周知のフォトリソグラフィ技術を用いて行うことができる。ITOのエッチングには、例えば王水系の混酸や第二塩化鉄を用いることができる。電極を形成した後、第1の基板10及び第2の基板12を洗浄する。洗浄工程では、例えば、アルカリ洗剤を用いたブラシ洗浄、純水洗浄、エアーブロー、紫外線照射、赤外線乾燥をこの順番に行う。なお、高圧スプレー洗浄やプラズマ洗浄を用いてもよい。
【0023】
図3Baに示すように、第1の基板10の表面に、シール部材15を形成する。図3Bbに、図3Baの一点鎖線3Bb−3Bbにおける断面図を示す。シール部材15には、例えば紫外線硬化型のシール剤が用いられる。図1Bに示したように、光ファイバ20が第1の基板10と第2の基板12との間隔を調節する機能を持つため、シール剤にギャップコントロール剤を添加する必要はない。シール剤の塗布には、例えばスクリーン印刷法、ディスペンサ法等を用いることができる。
【0024】
シール部材15は、図3Baに示したように、液晶材料が配置される領域を取り囲むように配置される。コアと重なる部分にシール部材15を配置すると、光ファイバを搭載するときに、シール部材15が面内に広がってしまう。シール部材15の広がりを防止するために、光ファイバのコアと重なる部分には、シール部材15が配置されない溝15Aが設けられている。なお、シール部材15の全体の塗布量を少なくして、コアと重なる部分にもシール部材15を配置してもよい。塗布量を少なくすることにより、光ファイバの搭載時におけるシール部材15の面内の広がりが抑制される。
【0025】
図3Caに示すように、シール部材15で囲まれた領域の第1の基板10の上に、液晶材料18を滴下する。液晶材料18の滴下には、ディスペンサ法を用いることができる。以下、液晶材料18の調整方法について説明する。
【0026】
ネマチック液晶組成物JC1041−XX(チッソ株式会社製)と4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル(メルク株式会社製)とを等モルの割合で混合する。JC1041-XXの屈折率異方性Δnは0.142であり、常光線屈折率nは1.507である。4−シアノ−4’−ペンチルビフェニルの屈折率異方性Δnは0.184であり、常光線屈折率nは1.534である。この混合液晶組成物に、カイラル剤としてZLI-4572(メルク株式会社製)を、5.6モル%になるように添加する。
【0027】
一官能性の光重合性モノマーと二官能性の光重合性モノマーとを70:30のモル比になるように混合して混合モノマーを調整する。一官能性のモノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)を用い、二官能性のモノマーとして、RM257(メルク株式会社製)を用いることができる。光重合開始剤2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPAP)を、混合モノマーに対して5モル%になるように添加する。
【0028】
この混合モノマーを、カイラル剤を含む混合液晶組成物に対して8モル%になるように添加して液晶材料18を調整する。液晶組成物、カイラル剤、光重合性モノマー、光重合開始剤として、例示したもの以外の材料を用いることも可能である。ただし、光重合性モノマーは、一官能性のモノマーと二官能性のモノマーとの両方を含むことが好ましい。
【0029】
図3Daに示すように、光ファイバ20の一部のクラッド22を除去する。図3Dbに、図3Daの一点鎖線3Db−3Dbにおける断面図を示す。クラッド22の除去には、例えばフッ酸、または緩衝フッ酸を用いることができる。第1の基板10に、この光ファイバ20を搭載する。コア21の露出した部分がシール部材15の溝15A内に収納され、液晶材料18を貫通する。クラッド22の端面が、シール部材15の外側の側面に接する。例えば、コア21の屈折率は1.6であり、クラッド22の屈折率は1.57である。
【0030】
図3Eに示すように、第1の基板10の上に、第2の基板12を重ねる。このとき、シール部材15が押しつぶされて面内方向にやや広がる。さらに、露出したコア21の下及び上の空間にもシール部材15が回り込み、液晶材料18が閉じ込められた空間が密閉状態になる。光ファイバ20が第1の基板10と第2の基板12との間隔を調整する役割を果たす。第1の基板10に第2の基板12を重ねる工程は、真空中で行ってもよい。第1の基板10、第2の基板12、液晶材料18等を加熱して、液晶材料18にブルー相を発現させる。
【0031】
図3Fに示すように、液晶材料18がブルー相を発現した状態で365nmの波長域の紫外線を照射する。紫外線照射により、液晶材料18中の光重合性モノマーが重合するとともに、シール部材15が硬化される。紫外線強度は例えば30mW/cmとする。紫外線の照射工程においては、例えば1秒間の照射期間と10秒間の無照射期間とを交互に10回繰り返した後、3分間の連続照射を行う。紫外線の強度は、上記範囲に限られない。ただし、紫外線の強度を弱くすると、照射時間を長くする必要がある。
【0032】
光重合性モノマーが重合することによって、液晶材料18内に高分子ネットワークが形成される。高分子ネットワークが形成されると、液晶材料18がブルー相を発現する温度範囲が広がる。実施例1においては、液晶材料18は、−5℃〜60℃の広い温度範囲でブルー相を発現するようになる。ブルー相を発現する温度範囲は、使用する材料や混合比、重合条件等によって拡大することができる。高分子ネットワークを含み、ブルー相の発現温度範囲が拡大されたブルー相は、「高分子安定化ブルー相」という。
【0033】
ブルー相が発現した状態の液晶材料18の屈折率は1.574であり、コア21の屈折率1.6よりも低い。このため、液晶材料18がクラッドとして作用する。ホメオトロピック配向状態の液晶材料18の常光線屈折率n及び異常光線屈折率nは、それぞれ1.521及び1.683である。異常光線屈折率nがコア21の屈折率よりも高いため、異常光線屈折率nの影響を受ける光は、コア21に閉じ込められず、液晶材料18内に漏れる。
【0034】
室温の条件下で、200Vの駆動電圧を印加したときに、ブルー相からホメオトロピック配向状態に変化するまでの応答時間は約30μsであり、ホメオトロピック配向状態からブルー相に変化するまでの応答時間は約15μsであった。この応答時間は、露出したコア21の周囲に配置した光学媒質を機械的に移動させる時間に比べて短い。このため、透過状態と減衰状態とを高速に切り替えることができる。
【0035】
実施例1では、液晶材料18の充填に滴下注入法(ODF法)を用いたが、真空注入法を用いてもよい。真空注入法を用いる場合には、注入口を設けたシール部材15を、液晶材料の充填前に硬化させる。硬化後に、注入口からシール部材15の内側に液晶材料18を注入し、最後に注入口及びコアが貫通している部分をシール剤で塞げばよい。真空注入法を適用する場合には、シール部材15として熱硬化性のシール剤を用いることができる。
【0036】
液晶材料18は、実施例1で例示したものに限られない。液晶材料18として、コア21の屈折率よりも低い屈折率を有するコレクテリックブルー相を発現する他の液晶材料を用いることができる。電圧印加時に屈折率異方性を発現したときには、少なくとも1つの屈折率の成分が、コア21の屈折率よりも大きくなることが好ましい。コア21の屈折率よりも大きくなることにより、コア21に沿って伝搬する光が、コア21の外に漏れ出すようになる。
【0037】
実施例1による光学装置の構造は密閉型であるため、装置が設置される環境の影響を受けにくい。例えば、埃等の影響を受けにくいため、屋内一般に採用することができる。
【0038】
実施例1では、液晶材料18を一対の平板で挟んだ例を示したが、液晶材料18を閉じ込める構造は、例示したものに限られない。例えば、露出したコアの周囲を取り囲む四角柱状、円筒状等の筒内に液晶材料18を充填してもよい。また、六面体の1つの面が開放された筐体内に液晶材料18及び露出したコアを配置した後、開放された1つの面を蓋で塞いでもよい。
【0039】
図4Aに、実施例2による光学装置の平断面図を示す。図4Bに、図4Aの一点鎖線4B−4Bにおける断面図を示す。図4Bの一点鎖線4A−4Aにおける断面図が図4Aに相当する。以下、図1A及び図1Bに示した実施例1による光学装置との相違点に着目して説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0040】
実施例1では、シール部材15がコア21の露出した部分に接触していたが、実施例2では、シール部材15がクラッド22に接触している。このため、コア21の露出した部分の長さ方向の全域に亘って、コア21の周囲に液晶材料18が配置される。この構成では、シール部材15は光ファイバ20内の光の伝搬に影響を与えない。このため、シール部材15の選択の自由度が高まる。
【0041】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【符号の説明】
【0042】
10 第1の基板
11 第1の電極
12 第2の基板
13 第2の電極
15 シール部材
18 液晶材料
20 光ファイバ
21 コア
22 クラッド
23 クラッドが除去された領域
25 駆動電源
26 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアをクラッドが包囲し、長さ方向の一部分において該クラッドが除去されている光ファイバと、
前記光ファイバのクラッドが除去された部分を包囲するように配置され、コレクテリックブルー相を発現する液晶材料と、
前記液晶材料内の液晶分子を配向させる電界を印加する電極と
を有する光学装置。
【請求項2】
コレステリックブルー相を発現した前記液晶材料の屈折率が、前記光ファイバのコアの屈折率よりも低く、前記液晶材料に電界を印加して屈折率に異方性を発現させたときの前記液晶材料の、最も高い屈折率の成分が、前記コアの屈折率よりも高い請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記液晶材料の屈折率異方性が正であり、該液晶材料の常光線屈折率をnとし、異常光線屈折率をnとしたとき、nが前記光ファイバのコアの屈折率よりも高く、(n+2n)/3が前記光ファイバのコアの屈折率よりも低い請求項1または2に記載の光学装置。
【請求項4】
さらに、
前記光ファイバのクラッドが除去された部分の両側に配置されて前記液晶材料を挟む一対の基板と、
前記基板の間に配置され、前記液晶材料が配置された空間を封止するシール部材と
を有し、前記電極は、前記一対の基板の各々の内側の面に形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−164341(P2011−164341A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26639(P2010−26639)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】