光導波路を備えた回路モジュール及びその製造方法
【課題】光路が直線状に限定されない光導波路を備えた回路モジュールを提供する。
【解決手段】基板10の表面10aに設けられた光導波路102を備え、光導波路102は、基板10の表面10aに対して垂直でなくミラーとして設けられた側面12aと、基板10の表面10aと平行な平面内において側面12aに対して水平又は垂直でなく、基板10の表面10aに対して垂直であり、互いに対向するようにミラーが設けられた側面12c,12dとを有する溝12に形成される回路モジュールにより上記課題を解決できる。
【解決手段】基板10の表面10aに設けられた光導波路102を備え、光導波路102は、基板10の表面10aに対して垂直でなくミラーとして設けられた側面12aと、基板10の表面10aと平行な平面内において側面12aに対して水平又は垂直でなく、基板10の表面10aに対して垂直であり、互いに対向するようにミラーが設けられた側面12c,12dとを有する溝12に形成される回路モジュールにより上記課題を解決できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路を備えた回路モジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光導波路を回路基板上に形成し、電気信号を光信号に変換すると共に、光信号により信号処理を行う電気回路及び光回路をハイブリッド化させた回路モジュールが用いられるようになっている。
【0003】
特許文献1には、光導波路溝を有する下部クラッド層と、光導波路溝内に充填されたコア部材と、光導波路溝がコア部材で満たされた下部クラッド層の上面に貼り付けられた上部クラッド層とを備える光導波路が開示されている。光導波路溝では、端面が光導波路の光軸に対して傾斜しており、傾斜端面に反射膜が形成されている。
【0004】
特許文献2には、基板の凹部のみにコア材あるいはコア材とクラッド材を充填し、コアあるいはコアとクラッドを作製する工程と、別の基板にクラッド材を塗布し、クラッド付き基板を作製する工程と、該コアあるいはコアとクラッドを該クラッド付き基板に転写する工程と、さらにクラッドで覆う工程と、を備えた光導波路の形成方法が開示されている。
【0005】
特許文献3には、クラッド素材の表面に断面ほぼ角形の凸型を有するプレス型を押し付けて、クラッド素材の表面に断面ほぼ角形の直線溝を形成する工程と、直線溝におけるクラッド素材の表面に一対の傾斜面を有する凸型を有するプレス型を押し付けて、クラッド素材の表面に両端に一対の傾斜面を有する凹溝を形成する工程と、を備える光導波路の製造方法が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−57466号公報
【特許文献2】特開2003−240996号公報
【特許文献3】特開2004−61991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、光導波路が基板上に形成された直線状の溝に形成されている。このように光導波路の形状が直線形状に限定されているので、回路モジュールに搭載される光導波路及び電気回路のレイアウトの柔軟性を低下させる原因となっている。
【0008】
また、上記従来技術では、下部のクラッド層となる基板に溝を形成しているので基板材料が制限される問題がある。さらに、コア又はコアとクラッドをクラッド付き基板に転写する工程を必要としたり、溝の底部を形成するプレス工程とは別に溝の側面を形成するプレス工程を必要としたりするので、光導波路の製造の工程が複雑となり、製造コストが増加する原因となっている。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題を鑑み、製造工程を簡略化すると共に、光路が直線状に限定されない光導波路を備えた回路モジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基板表面にプレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成し、前記溝内に光導波路を形成する回路モジュールの製造方法であって、前記プレス型は、前記基板表面に対して垂直でない角度αを有する第1の傾斜面と、前記基板表面に対して平行な底面と、を有する凸部を備えることを特徴とする。
【0011】
このとき、前記プレス型の凸部は、前記基板表面と平行な平面内において前記第1の傾斜面に対して水平又は垂直でない角度θを有し、基板表面に対して略垂直な角度βである第2及び第3の側面を有することが好適である。
【0012】
これにより、基板表面上に設けられた光導波路を備えた回路モジュールであって、前記光導波路は、基板表面に対して垂直でない角度αを有するミラーが設けられた第1の側面と、基板表面と平行な平面内において前記第1の側面に対して水平又は垂直でない角度θを有し、基板表面に対して略垂直な角度βであり、互いに対向するようにミラーが設けられた第2及び第3の側面と、を有する溝に形成されることを特徴とする回路モジュールを実現することができる。
【0013】
本発明の回路モジュールの製造方法において、前記溝の凹部に少なくとも2以上の互いに異なる屈折率を有する誘電体を充填することが好適である。
【0014】
例えば、前記基板を熱成形可能な樹脂材料を主材料とし、前記溝の凹部に、前記樹脂材料とは異なる材料からなる誘電体を第1のクラッド層として形成し、前記第1のクラッド層の上部に前記第1のクラッド層とは異なる屈折率を有するコア層を形成し、前記コア層の上部に前記コア層とは異なる屈折率を有する第2のクラッド層を形成する。
【0015】
これにより、基板表面上に設けられた光導波路を備えた回路モジュールであって、前記基板は熱成形可能な樹脂材料を主材料としてなり、前記光導波路は、基板表面に対して垂直でなく、ミラーが設けられた第1の側面を有する溝に形成され、前記溝の凹部に、互いに異なる屈折率を有する少なくとも2以上の前記樹脂材料とは異なる誘電体がクラッド層、コア層、クラッド層の順に積層されている回路モジュールを実現することができる。
【0016】
また、前記溝を形成した後に前記基板表面に金属層を形成し、前記金属層をパターンニングすることによって電気配線を形成することが好適である。また、前記基板の表面に金属層を形成したのちに前記プレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成し、前記金属層をパターンニングすることによって電気配線を形成することも好適である。ここで、前記プレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成する際にアライメント用のマークを同時に形成し、前記電気配線を形成する際に、前記アライメント用のマークを用いて前記金属膜をパターンニングすることが好適である。そして、前記コア層を形成する際に、前記金属膜で形成したアライメント用のマークを用いてコア層をパターンニングしても良い。また、発光素子又は受光素子を前記基板に実装する際に、前記金属膜で形成したアライメント用のマークを用いて発光素子又は受光素子の発光部及び受光部をアライメントしても良い。
【0017】
これにより、本発明の回路モジュールでは、前記溝に設けられたミラーを構成する材料と同一の材料からなる電気配線層が形成される。また、アライメント用のマークを用いて電気配線と光導波路との相対位置を正確にアライメントすることができる。ここで、電気配線に対してセルフアライメントによって発光素子回路の配置を行うことで、前記光導波路が互いに光学的に分離された複数の光路を備える場合においても、前記第1の側面に設けられたミラーに光学的に結合された複数の発光素子を設ける場合に各発光素子を各光路に対して正確な相対位置に配置させることも可能である。同様に、電気配線に対してセルフアライメントによって受光素子回路の配置を行うことで、前記光導波路が互いに光学的に分離された複数の光路を備える場合においても、前記第1の側面に設けられたミラーに光学的に結合された複数の受光素子を設ける場合に各受光素子を各光路に対して正確な相対位置に配置させることも可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光路が直線状に限定されない光導波路を備えた回路モジュールを実現することができる。また、製造工程を簡略化し、製造コストを低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態における回路モジュール100は、図1の平面図並びに図2及び図3の断面図に示すように、光導波路102、電気配線回路104、発光素子回路106及び受光素子回路108を含んで構成される。図2は図1のA−Aラインに沿った断面図であり、図3は図1のB−Bラインに沿った断面図である。光導波路102、電気配線回路104は基板10の表面10a上に形成され、発光素子回路106及び受光素子回路108は光導波路102及び電気配線回路104に互いに一部が重なるように配置される。
【0020】
光導波路102は、発光素子回路106に含まれる発光素子から出力される光を受けて、光を伝播させて、受光素子回路108に含まれる受光素子まで伝送する。
【0021】
光導波路102は、熱成形可能な基板10の表面10aに形成された溝12内に形成される。溝12は、図2の断面図に示すように、基板10の表面に対して垂直でなく、基板10の表面に対して略45°の角度αをもった側面12aを有する。光導波路102は、図1に示すように、側面12aに対して対象位置に基板10の表面に対して垂直でなく、基板10の表面に対して略45°の角度αをもった側面12bを有する。側面12a,12bの表面にはそれぞれ金属層14a,14bが形成される。金属層14a,14bは、例えば、銅やアルミニウムを主材料とすることができる。金属層14a,14bは、発光素子回路106から表面10aの法線方向から入射された光を平面方向に反射して光導波路102に導くミラーと、光導波路102を平面方向に伝播してきた光を法線方向に反射して光導波路102から受光素子回路108へと出力するミラーとしての役割を果たす。
【0022】
また、溝12は、図1の平面図に示すように、基板10の表面と平行な平面内における平面形状において側面12a又は側面12bと水平(θ=0)又は垂直(θ=90°)でない角度θを有する側面12c,12dを有する。側面12c,12dは、互いに対向するように、例えば角度θが略45°となるように配設される。また、側面12c,12dは、図3の断面図に示すように、基板10の表面に対して略垂直の角度βを有する。側面12c,12dの表面にはそれぞれ金属層14c,14dが形成される。金属層14c,14dは、例えば、銅やアルミニウムを主材料とすることができる。金属層14c,14dは、金属層14aによって光導波路102内に導かれた光を平面方向に反射して光路を変更し、金属層14bからなるミラーへ伝播させるミラーとしての役割を果たす。
【0023】
このように水平(θ=0)又は垂直(θ=90°)でない角度θを有する側面12c,12dを光導波路102に設けることによって、光の伝播途中において光路を非直線状に変更することが可能となる。これによって、図4に示すように、様々な形状の光導波路を形成することが可能となり、回路モジュールに搭載される光導波路及び電気回路のレイアウトの柔軟性を高めることができる。
【0024】
このとき、後で説明するように、側面12a,12bと側面12c,12dとを同一のプレス型により一括して形成することにより、側面12a,12bと側面12c,12dとを相対的な位置関係(角度θ)を高い精度で配置することができる。
【0025】
なお、溝12が水平(θ=0)又は垂直(θ=90°)でない角度θを有する側面12c,12dを持つ屈曲形状とすることは本実施の形態における特徴の1つであるが、溝12を直線形状とすることもできる。
【0026】
また、溝12の凹部には、少なくとも2以上の互いに異なる屈折率を有する誘電体層16が充填される。具体的には、図2及び図3の断面図に示すように、所定の屈折率を有する誘電体層16bの周囲を取り囲むように誘電体層16bよりも屈折率が小さい誘電体層16a,16c,16dが設けられる。
【0027】
具体的には、少なくとも2以上の異なる屈折率を有する誘電体層16a,16b,16cが順に積層されて光導波路102の光路に沿って延伸された領域と、この領域を両脇から挟み込むように誘電体層16a,16d,16cが順に積層されて光導波路102の光路に沿って延伸された領域が設けられる。これらの誘電体層16a,16b,16cは、誘電体層16aと誘電体層16cとの屈折率(誘電率)が略等しく、誘電体層16bの屈折率(誘電率)が誘電体層16a,16cの屈折率(誘電率)よりも高くなるように設定される。また、誘電体層16dの屈折率(誘電率)は誘電体層16bの屈折率(誘電率)よりも低く、誘電体層16a,16cの屈折率(誘電率)と略等しくなるように設定される。これにより、誘電体層16bが、より屈折率の低い誘電体層16a,16c,16dに周囲を囲まれ、光導波路102の光路に沿って配設された構成となる。すなわち、誘電体層16a,16c,16dが光導波路102のクラッド層となり、誘電体層16bが光導波路102のコア層となる。
【0028】
コア層となる誘電体層16bは、図1の平面図に示すように、光導波路102内に導かれた光を金属層14bからなるミラーへ伝播させる経路に沿って延伸される。例えば、本実施の形態における光導波路102のように、光路をミラーによって水平方向に変更させる側面12c,12dを有する場合、変更された光路に沿ってコア層となる誘電体層16bを配設することが好適である。
【0029】
本実施の形態では、基板10をクラッド層とせず、基板10の表面10aに形成された溝12内に下部クラッド層、コア層、上部クラッド層を形成することによって、基板10に用いる材料の選択の幅を広げることができる。すなわち、基板10は溝12を形成する際に熱成形可能な材料であれば良く、光導波路102を伝播する光の波長領域においてクラッド層として使用できる屈折率をもたない材料とすることができる。
【0030】
なお、基板10に用いる材料の選択の幅を狭めることとなるが、基板10を下部クラッド層として利用して、溝12内にコア層と上部クラッド層を形成する構成としても良い。
【0031】
電気配線回路104は、回路モジュール100の電気信号の伝播を司る部分として機能する。例えば、回路モジュール100の外部との電気信号の入出力のための外部端子、発光素子回路106及び受光素子回路108の入出力及び電力の配線を含む。電気配線回路104は、パターンニングされた銅やアルミニウム等を用いて基板10の表面10a上に形成することができる。
【0032】
発光素子回路106は、電気信号を光に変換し、変換された光を光導波路102へ導入するために用いられる。発光素子回路106は、発光素子及び発光素子(LED、レーザ)のドライバ等を含んで構成され、入力された電気信号に応じた光信号を生成して出力する。
【0033】
発光素子回路106は、基板10とは異なるサブ基板上に形成され、基板10の表面10a上における所定の位置に配置される。電気配線回路104と発光素子回路106とはハンダ等によって電気的に接続される。図1のように、光導波路102に複数の光路を形成した場合には、それぞれ光路の対応する位置に複数の発光素子を光導波路の側面12aに沿って並べた構成とすることが好適である。これによって、複数の電気信号を同時に伝播又は処理することができる。
【0034】
受光素子回路108は、光導波路102を伝播してきた光信号を電気信号に変換し、電気配線回路104へ出力するために用いられる。受光素子回路108は、受光素子(フォトディテクタ)及びアンプ等を含んで構成され、光導波路102から出力された光信号を電気信号に変化する。
【0035】
受光素子回路108は、基板10とは異なるサブ基板上に形成され、基板10の表面10a上における所定の位置に配置される。電気配線回路104と受光素子回路108とはハンダ等によって電気的に接続される。ここで、図1のように、光導波路102に複数の光路を形成した場合には、それぞれ光路の対応する位置に複数の受光素子を光導波路の側面12bに沿って並べた構成とすることが好適である。これによって、複数の光信号を同時に処理することができる。
【0036】
回路モジュール100は、図5〜図13に示す製造工程に沿って作成することができる。以下では、簡略化のため断面図は左右対称として示している。以下では、熱成形可能な樹脂材料を主材料とした基板10を用いた製造工程について説明を行う。
【0037】
図5のステップS10では、基板10の表面10aに金属層14を形成する。金属層14は、ミラーと電気配線とに利用されるものであるので、光反射率が高く、電気伝導性の高い銅やアルミニウムを用いることが好適である。また、基板10の表面10a全体に同一材料の金属膜14を形成しても良いし、電気配線となる領域に銅の膜を形成し、ミラーとなる領域にアルミニウムの膜を形成することも好適である。
【0038】
図6のステップS12では、プレス型20を用いて基板10の表面10aをヒートプレスして溝12を形成する。このとき、図7に示すように、プレス型20は光導波路102の平面形状を有する凸部20aを備える。凸部20aは、表面10aに対して略45°の角度αを有する傾斜面22a,22bと、傾斜面22a,22bに対して水平面内において角度θを有し、表面10aに対して略90°の角度βを有する側面22c,22dと、を備える。傾斜面22a,22bは、溝12の側面12a,12bに対応する。側面22c,22dは、側面12c,12dに対応する。
【0039】
熱成形可能な温度にまで基板10を加熱したうえで、プレス型20を表面10aに平行に押し付けることによって、表面10aに凸部20aに対応する溝12を形成する。表面10aに形成された金属膜14は延伸性及び展性が高いので、溝12の形状に沿って金属膜14が表面を覆った構造に形成することができる。
【0040】
このとき、溝12と共にアライメント用のマーク30を形成しておくことが好適である。図7に示すように、プレス型20に、凸部20aと共にマーク用凸部20bを設けておくことによって、基板10の邪魔にならない領域にアライメント用のマーク30を形成することができる。
【0041】
なお、ステップS10及びS12の代わって、第1にプレス型20を用いて基板10の表面10aに溝12を形成し、第2に蒸着やめっき等の手法を用いて溝12が形成された表面10aに金属層14を形成しても良い。蒸着により金属層14を形成する場合、蒸着源からの距離又は蒸着源からの角度等を調整することによって溝12の垂直な側面12c,12dにも金属層14が形成されるようにすることが好適である。
【0042】
図8のステップS14では、金属層14をミラー及び電気配線としてパターンニングする。パターンニングには従来のフォトリソグラフィ技術やエッチング技術等を用いることができる。例えば、基板10の表面10a全体にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてミラーを形成する側面12a〜12d及び電気配線回路104の配線部分がフォトレジストで覆われるようにマスクを形成し、マスクを利用して不要部分の金属層14をエッチングする。これによって、側面12a〜12dにミラーとなる金属層14a〜14dと、電気配線回路104の配線となる金属層14eと、が残されるようにパターンニングを行うことができる。このとき、アライメント用のマーク30を用いて電気配線回路104のパターンニングを行うことが好適である。
【0043】
図9のステップS16では、溝12の内部に下部クラッド層となる誘電体層16aが形成される。既存のスクリーン印刷技術等を用いて溝12の底部に所定の厚さで誘電体材料を埋め込むことによって誘電体層16aが形成される。
【0044】
ここで、光感応性の誘電体材料を埋め込み、所定の波長の光を照射することによって屈折率を低下させて誘電体層16aとすることができる。光感応性の誘電体材料は、光を照射しないときには高い屈折率を有し、所定の条件の光を照射することによって屈折率が低下する材料とすることが好適である。このような光感応性の材料としてはポリシランが挙げられる。
【0045】
図10のステップS18では、溝12の内部に誘電体16aに重ね合わせて誘電体層16b,16dが形成される。誘電体層16bがコア層となり、誘電体層16dが中部クラッド層となる。
【0046】
まず、既存のスクリーン印刷技術等を用いて溝12内の誘電体層16a上に光感応性の誘電材料を埋め込む。光感応性の誘電体材料は、光を照射しないときには誘電体16aよりも高い屈折率を有し、所定の条件の光を照射することによって屈折率が誘電体層16aと同程度又はそれ以下に低下する材料とすることが好適である。例えば、誘電体層16aを形成する際に用いた光感応性の誘電体材料を用いることが好適である。既存のフォトリソグラフィ技術や光の遮蔽技術を用いて、コア層となる部分以外の領域に光を照射することによって誘電体材料の屈折率を低下させ、図11の平面図に示すように、コア層となる屈折率が高い誘電体層16b(ハッチングで示す)とクラッド層となる屈折率が低い誘電体層16dとを形成する。このとき、アライメント用のマーク30を用いてコア層となる領域のパターンニングを行うことが好適である。
【0047】
図12のステップS20では、溝12の内部に上部クラッド層となる誘電体層16cが形成される。既存のスクリーン印刷技術等を用いて溝12の内部の誘電体層16b,16dと重ね合わせて所定の厚さで誘電体材料を埋め込むことによって誘電体層16cが形成される。
【0048】
ここで、光感応性の誘電体材料を埋め込み、所定の波長の光を照射することによって屈折率を低下させて誘電体層16cとすることができる。例えば、誘電体層16aを形成する際に用いた光感応性の誘電体材料を用いることが好適である。
【0049】
図13のステップS22では、光学回路が基板10上に搭載される。発光素子回路106及び受光素子回路108が基板10の表面10a上における所定の位置に配置される。発光素子回路106は、回路に含まれる発光素子からコア層となる誘電体層16bからなる光路に対応する位置に光を入射できる位置に配置する。また、受光素子回路108は、回路に含まれる受光素子がコア層となる誘電体層16bからなる光路に対応する位置から光を受光できる位置に配置する。複数の発光素子又は受光素子のアレイからなる場合には、各素子がそれぞれ光路に対応するように配置する。
【0050】
発光素子回路106及び受光素子回路108を配置する際には、ハンダボール等を用いたハンダリフローによるセルフアライメント技術を用いることによって、発光素子回路106及び受光素子回路108の電気配線の端子と電気配線回路104の端子との位置とを自動的に位置合わせすることもできる。ステップS14において溝12と同時に形成したアライメント用マーク30を用いて電気配線回路104又はコア層をパターンニングした場合、電気配線回路104と光導波路102の光路との相対的な位置を正確にアライメントすることができる。また、アライメントマークと発光素子の発光部及び受光素子の受光部をそれぞれ認識して、より高い精度のアライメントをすることも可能である。従って、発光素子回路106及び受光素子回路108と電気配線回路104との相対的な位置をセルフアライメントにより正確に配置することによって、発光素子回路106及び受光素子回路108と光導波路102の光路も自動的に正確にアライメントすることができる。
【0051】
以上のように、光路が直線状に限定されない光導波路102を備えた回路モジュール100を実現することができる。光導波路の形状が直線形状に限定されないので、回路モジュール100のレイアウトの柔軟性が高くなる。
【0052】
また、基板10の材料は下部クラッド層となる誘電体材料に限定されないので、基板10とする材料の選択範囲が広くなる。また、コア又はコアとクラッドをクラッド付き基板に転写する工程を必要とせず、溝の底部を形成するプレス工程と別に溝の側面を形成するプレス工程を必要とせず、1つのプレス型のみを用いて光導波路を製造することができるので製造工程が簡略化され、製造コストを低減できる。
【0053】
なお、本実施の形態では、基板10の表面10aのみに光導波路102やその他の電気回路を形成したが、図14に示すように、基板10の裏面10bにも光導波路102やその他の電気回路を形成することも好適である。また、基板10を複数重ね合わせて、それぞれスルーホール等を介して電気的又は光学的に接続することによって集積化することも好適である。
【0054】
また、図15に示すように、複数の回路モジュール100の表面10aを互いに向き合わせて、光学的なジャンパー結合を行うことも可能である。
【0055】
<変形例1>
上記実施の形態では、基板10の表面10a上への金属層14の形成工程(ステップS10)とプレス工程(ステップS12)とを別々の工程で行っていた。本変形例1では、これらの工程を一括して行う製造方法について説明する。
【0056】
図16に示すように、熱成形可能な樹脂基材フィルム40を複数枚重ね合わせて金属箔42で挟み込む。この積層体を加熱すると共に、プレス型20を押し付けて加工する。これによって、図17に示すように、樹脂基材フィルム40を基板10として成形し、ヒートプレスにより金属箔42と基板とを圧着すると共に、プレス型20により所望の形状の溝12を形成することができる。
【0057】
樹脂基材フィルム40は、例えば、50μm〜200μm厚のフィルムを必要に応じて重ね合わせて使用することが好適である。金属箔42は、10μm〜100μm厚の銅箔又はアルミニウム箔を使用することが好適である。
【0058】
以降は、上記実施の形態のステップS14以降と同様に処理することによって回路モジュール100を形成することができる。
【0059】
<変形例2>
本変形例2では、シリコンウェハ等の基板上にワニス状の熱硬化性耐熱性樹脂を塗布して基板10とする製造方法について説明する。
【0060】
図18に示すように、シリコン基板50上にワニス状のポリイミド等の耐熱性樹脂52を塗布し、プリベークにより樹脂をb−stage状態の半硬化状態にする。次に、図19に示すように、この積層体を完全な硬化状態になる温度で加熱すると共に、プレス型20を押し付けて加工する。これによって、シリコン基板50と耐熱性樹脂52とが積層された基板10を形成すると共に、プレス型20の凸部20aの形状に沿った溝12を形成することができる。次に、図20に示すように、蒸着等により銅又はアルミニウム等の金属層14を表面に蒸着する。このとき、蒸着源からの距離又は蒸着源からの角度等を調整することによって溝12の垂直な側面12c,12dにも金属層14が形成されるようにすることが好適である。
【0061】
以降は、上記実施の形態のステップS14以降と同様に処理することによって回路モジュール100を形成することができる。
【0062】
なお、シリコン基板50の表面に集積回路を形成しておき、耐熱性樹脂52にスルーホール等を設けることによって、スルーホールを介して耐熱性樹脂52の表面に形成された電気回路や光導波路に電気的又は光学的に接続することも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態における回路モジュールの平面図である。
【図2】本発明の実施の形態における回路モジュールの断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における回路モジュールの断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における光導波路の形状の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるプレス型の形状の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における光導波路のコア層、クラッド層の配置の例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図14】両面に光導波路等が形成された回路モジュールの構成を示す断面図である。
【図15】光学的にジャンパーされた回路モジュールの構成を示す断面図である。
【図16】本発明の変形例1における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図17】本発明の変形例1における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図18】本発明の変形例2における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図19】本発明の変形例2における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図20】本発明の変形例2における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
10 基板、10a 表面、10b 裏面、12 溝、12a〜12d 側面、14(14a〜14d) 金属層、16(16a〜16d) 誘電体層、20 プレス型、20a 凸部、20b マーク用凸部、22a,22b 傾斜面、22c,22d 側面、30 アライメント用マーク、40 樹脂基材フィルム、42 金属箔、50 シリコン基板、52 耐熱性樹脂、100 回路モジュール、102 光導波路、104 電気配線回路、106 発光素子回路、108 受光素子回路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路を備えた回路モジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光導波路を回路基板上に形成し、電気信号を光信号に変換すると共に、光信号により信号処理を行う電気回路及び光回路をハイブリッド化させた回路モジュールが用いられるようになっている。
【0003】
特許文献1には、光導波路溝を有する下部クラッド層と、光導波路溝内に充填されたコア部材と、光導波路溝がコア部材で満たされた下部クラッド層の上面に貼り付けられた上部クラッド層とを備える光導波路が開示されている。光導波路溝では、端面が光導波路の光軸に対して傾斜しており、傾斜端面に反射膜が形成されている。
【0004】
特許文献2には、基板の凹部のみにコア材あるいはコア材とクラッド材を充填し、コアあるいはコアとクラッドを作製する工程と、別の基板にクラッド材を塗布し、クラッド付き基板を作製する工程と、該コアあるいはコアとクラッドを該クラッド付き基板に転写する工程と、さらにクラッドで覆う工程と、を備えた光導波路の形成方法が開示されている。
【0005】
特許文献3には、クラッド素材の表面に断面ほぼ角形の凸型を有するプレス型を押し付けて、クラッド素材の表面に断面ほぼ角形の直線溝を形成する工程と、直線溝におけるクラッド素材の表面に一対の傾斜面を有する凸型を有するプレス型を押し付けて、クラッド素材の表面に両端に一対の傾斜面を有する凹溝を形成する工程と、を備える光導波路の製造方法が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−57466号公報
【特許文献2】特開2003−240996号公報
【特許文献3】特開2004−61991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、光導波路が基板上に形成された直線状の溝に形成されている。このように光導波路の形状が直線形状に限定されているので、回路モジュールに搭載される光導波路及び電気回路のレイアウトの柔軟性を低下させる原因となっている。
【0008】
また、上記従来技術では、下部のクラッド層となる基板に溝を形成しているので基板材料が制限される問題がある。さらに、コア又はコアとクラッドをクラッド付き基板に転写する工程を必要としたり、溝の底部を形成するプレス工程とは別に溝の側面を形成するプレス工程を必要としたりするので、光導波路の製造の工程が複雑となり、製造コストが増加する原因となっている。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題を鑑み、製造工程を簡略化すると共に、光路が直線状に限定されない光導波路を備えた回路モジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基板表面にプレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成し、前記溝内に光導波路を形成する回路モジュールの製造方法であって、前記プレス型は、前記基板表面に対して垂直でない角度αを有する第1の傾斜面と、前記基板表面に対して平行な底面と、を有する凸部を備えることを特徴とする。
【0011】
このとき、前記プレス型の凸部は、前記基板表面と平行な平面内において前記第1の傾斜面に対して水平又は垂直でない角度θを有し、基板表面に対して略垂直な角度βである第2及び第3の側面を有することが好適である。
【0012】
これにより、基板表面上に設けられた光導波路を備えた回路モジュールであって、前記光導波路は、基板表面に対して垂直でない角度αを有するミラーが設けられた第1の側面と、基板表面と平行な平面内において前記第1の側面に対して水平又は垂直でない角度θを有し、基板表面に対して略垂直な角度βであり、互いに対向するようにミラーが設けられた第2及び第3の側面と、を有する溝に形成されることを特徴とする回路モジュールを実現することができる。
【0013】
本発明の回路モジュールの製造方法において、前記溝の凹部に少なくとも2以上の互いに異なる屈折率を有する誘電体を充填することが好適である。
【0014】
例えば、前記基板を熱成形可能な樹脂材料を主材料とし、前記溝の凹部に、前記樹脂材料とは異なる材料からなる誘電体を第1のクラッド層として形成し、前記第1のクラッド層の上部に前記第1のクラッド層とは異なる屈折率を有するコア層を形成し、前記コア層の上部に前記コア層とは異なる屈折率を有する第2のクラッド層を形成する。
【0015】
これにより、基板表面上に設けられた光導波路を備えた回路モジュールであって、前記基板は熱成形可能な樹脂材料を主材料としてなり、前記光導波路は、基板表面に対して垂直でなく、ミラーが設けられた第1の側面を有する溝に形成され、前記溝の凹部に、互いに異なる屈折率を有する少なくとも2以上の前記樹脂材料とは異なる誘電体がクラッド層、コア層、クラッド層の順に積層されている回路モジュールを実現することができる。
【0016】
また、前記溝を形成した後に前記基板表面に金属層を形成し、前記金属層をパターンニングすることによって電気配線を形成することが好適である。また、前記基板の表面に金属層を形成したのちに前記プレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成し、前記金属層をパターンニングすることによって電気配線を形成することも好適である。ここで、前記プレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成する際にアライメント用のマークを同時に形成し、前記電気配線を形成する際に、前記アライメント用のマークを用いて前記金属膜をパターンニングすることが好適である。そして、前記コア層を形成する際に、前記金属膜で形成したアライメント用のマークを用いてコア層をパターンニングしても良い。また、発光素子又は受光素子を前記基板に実装する際に、前記金属膜で形成したアライメント用のマークを用いて発光素子又は受光素子の発光部及び受光部をアライメントしても良い。
【0017】
これにより、本発明の回路モジュールでは、前記溝に設けられたミラーを構成する材料と同一の材料からなる電気配線層が形成される。また、アライメント用のマークを用いて電気配線と光導波路との相対位置を正確にアライメントすることができる。ここで、電気配線に対してセルフアライメントによって発光素子回路の配置を行うことで、前記光導波路が互いに光学的に分離された複数の光路を備える場合においても、前記第1の側面に設けられたミラーに光学的に結合された複数の発光素子を設ける場合に各発光素子を各光路に対して正確な相対位置に配置させることも可能である。同様に、電気配線に対してセルフアライメントによって受光素子回路の配置を行うことで、前記光導波路が互いに光学的に分離された複数の光路を備える場合においても、前記第1の側面に設けられたミラーに光学的に結合された複数の受光素子を設ける場合に各受光素子を各光路に対して正確な相対位置に配置させることも可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光路が直線状に限定されない光導波路を備えた回路モジュールを実現することができる。また、製造工程を簡略化し、製造コストを低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態における回路モジュール100は、図1の平面図並びに図2及び図3の断面図に示すように、光導波路102、電気配線回路104、発光素子回路106及び受光素子回路108を含んで構成される。図2は図1のA−Aラインに沿った断面図であり、図3は図1のB−Bラインに沿った断面図である。光導波路102、電気配線回路104は基板10の表面10a上に形成され、発光素子回路106及び受光素子回路108は光導波路102及び電気配線回路104に互いに一部が重なるように配置される。
【0020】
光導波路102は、発光素子回路106に含まれる発光素子から出力される光を受けて、光を伝播させて、受光素子回路108に含まれる受光素子まで伝送する。
【0021】
光導波路102は、熱成形可能な基板10の表面10aに形成された溝12内に形成される。溝12は、図2の断面図に示すように、基板10の表面に対して垂直でなく、基板10の表面に対して略45°の角度αをもった側面12aを有する。光導波路102は、図1に示すように、側面12aに対して対象位置に基板10の表面に対して垂直でなく、基板10の表面に対して略45°の角度αをもった側面12bを有する。側面12a,12bの表面にはそれぞれ金属層14a,14bが形成される。金属層14a,14bは、例えば、銅やアルミニウムを主材料とすることができる。金属層14a,14bは、発光素子回路106から表面10aの法線方向から入射された光を平面方向に反射して光導波路102に導くミラーと、光導波路102を平面方向に伝播してきた光を法線方向に反射して光導波路102から受光素子回路108へと出力するミラーとしての役割を果たす。
【0022】
また、溝12は、図1の平面図に示すように、基板10の表面と平行な平面内における平面形状において側面12a又は側面12bと水平(θ=0)又は垂直(θ=90°)でない角度θを有する側面12c,12dを有する。側面12c,12dは、互いに対向するように、例えば角度θが略45°となるように配設される。また、側面12c,12dは、図3の断面図に示すように、基板10の表面に対して略垂直の角度βを有する。側面12c,12dの表面にはそれぞれ金属層14c,14dが形成される。金属層14c,14dは、例えば、銅やアルミニウムを主材料とすることができる。金属層14c,14dは、金属層14aによって光導波路102内に導かれた光を平面方向に反射して光路を変更し、金属層14bからなるミラーへ伝播させるミラーとしての役割を果たす。
【0023】
このように水平(θ=0)又は垂直(θ=90°)でない角度θを有する側面12c,12dを光導波路102に設けることによって、光の伝播途中において光路を非直線状に変更することが可能となる。これによって、図4に示すように、様々な形状の光導波路を形成することが可能となり、回路モジュールに搭載される光導波路及び電気回路のレイアウトの柔軟性を高めることができる。
【0024】
このとき、後で説明するように、側面12a,12bと側面12c,12dとを同一のプレス型により一括して形成することにより、側面12a,12bと側面12c,12dとを相対的な位置関係(角度θ)を高い精度で配置することができる。
【0025】
なお、溝12が水平(θ=0)又は垂直(θ=90°)でない角度θを有する側面12c,12dを持つ屈曲形状とすることは本実施の形態における特徴の1つであるが、溝12を直線形状とすることもできる。
【0026】
また、溝12の凹部には、少なくとも2以上の互いに異なる屈折率を有する誘電体層16が充填される。具体的には、図2及び図3の断面図に示すように、所定の屈折率を有する誘電体層16bの周囲を取り囲むように誘電体層16bよりも屈折率が小さい誘電体層16a,16c,16dが設けられる。
【0027】
具体的には、少なくとも2以上の異なる屈折率を有する誘電体層16a,16b,16cが順に積層されて光導波路102の光路に沿って延伸された領域と、この領域を両脇から挟み込むように誘電体層16a,16d,16cが順に積層されて光導波路102の光路に沿って延伸された領域が設けられる。これらの誘電体層16a,16b,16cは、誘電体層16aと誘電体層16cとの屈折率(誘電率)が略等しく、誘電体層16bの屈折率(誘電率)が誘電体層16a,16cの屈折率(誘電率)よりも高くなるように設定される。また、誘電体層16dの屈折率(誘電率)は誘電体層16bの屈折率(誘電率)よりも低く、誘電体層16a,16cの屈折率(誘電率)と略等しくなるように設定される。これにより、誘電体層16bが、より屈折率の低い誘電体層16a,16c,16dに周囲を囲まれ、光導波路102の光路に沿って配設された構成となる。すなわち、誘電体層16a,16c,16dが光導波路102のクラッド層となり、誘電体層16bが光導波路102のコア層となる。
【0028】
コア層となる誘電体層16bは、図1の平面図に示すように、光導波路102内に導かれた光を金属層14bからなるミラーへ伝播させる経路に沿って延伸される。例えば、本実施の形態における光導波路102のように、光路をミラーによって水平方向に変更させる側面12c,12dを有する場合、変更された光路に沿ってコア層となる誘電体層16bを配設することが好適である。
【0029】
本実施の形態では、基板10をクラッド層とせず、基板10の表面10aに形成された溝12内に下部クラッド層、コア層、上部クラッド層を形成することによって、基板10に用いる材料の選択の幅を広げることができる。すなわち、基板10は溝12を形成する際に熱成形可能な材料であれば良く、光導波路102を伝播する光の波長領域においてクラッド層として使用できる屈折率をもたない材料とすることができる。
【0030】
なお、基板10に用いる材料の選択の幅を狭めることとなるが、基板10を下部クラッド層として利用して、溝12内にコア層と上部クラッド層を形成する構成としても良い。
【0031】
電気配線回路104は、回路モジュール100の電気信号の伝播を司る部分として機能する。例えば、回路モジュール100の外部との電気信号の入出力のための外部端子、発光素子回路106及び受光素子回路108の入出力及び電力の配線を含む。電気配線回路104は、パターンニングされた銅やアルミニウム等を用いて基板10の表面10a上に形成することができる。
【0032】
発光素子回路106は、電気信号を光に変換し、変換された光を光導波路102へ導入するために用いられる。発光素子回路106は、発光素子及び発光素子(LED、レーザ)のドライバ等を含んで構成され、入力された電気信号に応じた光信号を生成して出力する。
【0033】
発光素子回路106は、基板10とは異なるサブ基板上に形成され、基板10の表面10a上における所定の位置に配置される。電気配線回路104と発光素子回路106とはハンダ等によって電気的に接続される。図1のように、光導波路102に複数の光路を形成した場合には、それぞれ光路の対応する位置に複数の発光素子を光導波路の側面12aに沿って並べた構成とすることが好適である。これによって、複数の電気信号を同時に伝播又は処理することができる。
【0034】
受光素子回路108は、光導波路102を伝播してきた光信号を電気信号に変換し、電気配線回路104へ出力するために用いられる。受光素子回路108は、受光素子(フォトディテクタ)及びアンプ等を含んで構成され、光導波路102から出力された光信号を電気信号に変化する。
【0035】
受光素子回路108は、基板10とは異なるサブ基板上に形成され、基板10の表面10a上における所定の位置に配置される。電気配線回路104と受光素子回路108とはハンダ等によって電気的に接続される。ここで、図1のように、光導波路102に複数の光路を形成した場合には、それぞれ光路の対応する位置に複数の受光素子を光導波路の側面12bに沿って並べた構成とすることが好適である。これによって、複数の光信号を同時に処理することができる。
【0036】
回路モジュール100は、図5〜図13に示す製造工程に沿って作成することができる。以下では、簡略化のため断面図は左右対称として示している。以下では、熱成形可能な樹脂材料を主材料とした基板10を用いた製造工程について説明を行う。
【0037】
図5のステップS10では、基板10の表面10aに金属層14を形成する。金属層14は、ミラーと電気配線とに利用されるものであるので、光反射率が高く、電気伝導性の高い銅やアルミニウムを用いることが好適である。また、基板10の表面10a全体に同一材料の金属膜14を形成しても良いし、電気配線となる領域に銅の膜を形成し、ミラーとなる領域にアルミニウムの膜を形成することも好適である。
【0038】
図6のステップS12では、プレス型20を用いて基板10の表面10aをヒートプレスして溝12を形成する。このとき、図7に示すように、プレス型20は光導波路102の平面形状を有する凸部20aを備える。凸部20aは、表面10aに対して略45°の角度αを有する傾斜面22a,22bと、傾斜面22a,22bに対して水平面内において角度θを有し、表面10aに対して略90°の角度βを有する側面22c,22dと、を備える。傾斜面22a,22bは、溝12の側面12a,12bに対応する。側面22c,22dは、側面12c,12dに対応する。
【0039】
熱成形可能な温度にまで基板10を加熱したうえで、プレス型20を表面10aに平行に押し付けることによって、表面10aに凸部20aに対応する溝12を形成する。表面10aに形成された金属膜14は延伸性及び展性が高いので、溝12の形状に沿って金属膜14が表面を覆った構造に形成することができる。
【0040】
このとき、溝12と共にアライメント用のマーク30を形成しておくことが好適である。図7に示すように、プレス型20に、凸部20aと共にマーク用凸部20bを設けておくことによって、基板10の邪魔にならない領域にアライメント用のマーク30を形成することができる。
【0041】
なお、ステップS10及びS12の代わって、第1にプレス型20を用いて基板10の表面10aに溝12を形成し、第2に蒸着やめっき等の手法を用いて溝12が形成された表面10aに金属層14を形成しても良い。蒸着により金属層14を形成する場合、蒸着源からの距離又は蒸着源からの角度等を調整することによって溝12の垂直な側面12c,12dにも金属層14が形成されるようにすることが好適である。
【0042】
図8のステップS14では、金属層14をミラー及び電気配線としてパターンニングする。パターンニングには従来のフォトリソグラフィ技術やエッチング技術等を用いることができる。例えば、基板10の表面10a全体にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてミラーを形成する側面12a〜12d及び電気配線回路104の配線部分がフォトレジストで覆われるようにマスクを形成し、マスクを利用して不要部分の金属層14をエッチングする。これによって、側面12a〜12dにミラーとなる金属層14a〜14dと、電気配線回路104の配線となる金属層14eと、が残されるようにパターンニングを行うことができる。このとき、アライメント用のマーク30を用いて電気配線回路104のパターンニングを行うことが好適である。
【0043】
図9のステップS16では、溝12の内部に下部クラッド層となる誘電体層16aが形成される。既存のスクリーン印刷技術等を用いて溝12の底部に所定の厚さで誘電体材料を埋め込むことによって誘電体層16aが形成される。
【0044】
ここで、光感応性の誘電体材料を埋め込み、所定の波長の光を照射することによって屈折率を低下させて誘電体層16aとすることができる。光感応性の誘電体材料は、光を照射しないときには高い屈折率を有し、所定の条件の光を照射することによって屈折率が低下する材料とすることが好適である。このような光感応性の材料としてはポリシランが挙げられる。
【0045】
図10のステップS18では、溝12の内部に誘電体16aに重ね合わせて誘電体層16b,16dが形成される。誘電体層16bがコア層となり、誘電体層16dが中部クラッド層となる。
【0046】
まず、既存のスクリーン印刷技術等を用いて溝12内の誘電体層16a上に光感応性の誘電材料を埋め込む。光感応性の誘電体材料は、光を照射しないときには誘電体16aよりも高い屈折率を有し、所定の条件の光を照射することによって屈折率が誘電体層16aと同程度又はそれ以下に低下する材料とすることが好適である。例えば、誘電体層16aを形成する際に用いた光感応性の誘電体材料を用いることが好適である。既存のフォトリソグラフィ技術や光の遮蔽技術を用いて、コア層となる部分以外の領域に光を照射することによって誘電体材料の屈折率を低下させ、図11の平面図に示すように、コア層となる屈折率が高い誘電体層16b(ハッチングで示す)とクラッド層となる屈折率が低い誘電体層16dとを形成する。このとき、アライメント用のマーク30を用いてコア層となる領域のパターンニングを行うことが好適である。
【0047】
図12のステップS20では、溝12の内部に上部クラッド層となる誘電体層16cが形成される。既存のスクリーン印刷技術等を用いて溝12の内部の誘電体層16b,16dと重ね合わせて所定の厚さで誘電体材料を埋め込むことによって誘電体層16cが形成される。
【0048】
ここで、光感応性の誘電体材料を埋め込み、所定の波長の光を照射することによって屈折率を低下させて誘電体層16cとすることができる。例えば、誘電体層16aを形成する際に用いた光感応性の誘電体材料を用いることが好適である。
【0049】
図13のステップS22では、光学回路が基板10上に搭載される。発光素子回路106及び受光素子回路108が基板10の表面10a上における所定の位置に配置される。発光素子回路106は、回路に含まれる発光素子からコア層となる誘電体層16bからなる光路に対応する位置に光を入射できる位置に配置する。また、受光素子回路108は、回路に含まれる受光素子がコア層となる誘電体層16bからなる光路に対応する位置から光を受光できる位置に配置する。複数の発光素子又は受光素子のアレイからなる場合には、各素子がそれぞれ光路に対応するように配置する。
【0050】
発光素子回路106及び受光素子回路108を配置する際には、ハンダボール等を用いたハンダリフローによるセルフアライメント技術を用いることによって、発光素子回路106及び受光素子回路108の電気配線の端子と電気配線回路104の端子との位置とを自動的に位置合わせすることもできる。ステップS14において溝12と同時に形成したアライメント用マーク30を用いて電気配線回路104又はコア層をパターンニングした場合、電気配線回路104と光導波路102の光路との相対的な位置を正確にアライメントすることができる。また、アライメントマークと発光素子の発光部及び受光素子の受光部をそれぞれ認識して、より高い精度のアライメントをすることも可能である。従って、発光素子回路106及び受光素子回路108と電気配線回路104との相対的な位置をセルフアライメントにより正確に配置することによって、発光素子回路106及び受光素子回路108と光導波路102の光路も自動的に正確にアライメントすることができる。
【0051】
以上のように、光路が直線状に限定されない光導波路102を備えた回路モジュール100を実現することができる。光導波路の形状が直線形状に限定されないので、回路モジュール100のレイアウトの柔軟性が高くなる。
【0052】
また、基板10の材料は下部クラッド層となる誘電体材料に限定されないので、基板10とする材料の選択範囲が広くなる。また、コア又はコアとクラッドをクラッド付き基板に転写する工程を必要とせず、溝の底部を形成するプレス工程と別に溝の側面を形成するプレス工程を必要とせず、1つのプレス型のみを用いて光導波路を製造することができるので製造工程が簡略化され、製造コストを低減できる。
【0053】
なお、本実施の形態では、基板10の表面10aのみに光導波路102やその他の電気回路を形成したが、図14に示すように、基板10の裏面10bにも光導波路102やその他の電気回路を形成することも好適である。また、基板10を複数重ね合わせて、それぞれスルーホール等を介して電気的又は光学的に接続することによって集積化することも好適である。
【0054】
また、図15に示すように、複数の回路モジュール100の表面10aを互いに向き合わせて、光学的なジャンパー結合を行うことも可能である。
【0055】
<変形例1>
上記実施の形態では、基板10の表面10a上への金属層14の形成工程(ステップS10)とプレス工程(ステップS12)とを別々の工程で行っていた。本変形例1では、これらの工程を一括して行う製造方法について説明する。
【0056】
図16に示すように、熱成形可能な樹脂基材フィルム40を複数枚重ね合わせて金属箔42で挟み込む。この積層体を加熱すると共に、プレス型20を押し付けて加工する。これによって、図17に示すように、樹脂基材フィルム40を基板10として成形し、ヒートプレスにより金属箔42と基板とを圧着すると共に、プレス型20により所望の形状の溝12を形成することができる。
【0057】
樹脂基材フィルム40は、例えば、50μm〜200μm厚のフィルムを必要に応じて重ね合わせて使用することが好適である。金属箔42は、10μm〜100μm厚の銅箔又はアルミニウム箔を使用することが好適である。
【0058】
以降は、上記実施の形態のステップS14以降と同様に処理することによって回路モジュール100を形成することができる。
【0059】
<変形例2>
本変形例2では、シリコンウェハ等の基板上にワニス状の熱硬化性耐熱性樹脂を塗布して基板10とする製造方法について説明する。
【0060】
図18に示すように、シリコン基板50上にワニス状のポリイミド等の耐熱性樹脂52を塗布し、プリベークにより樹脂をb−stage状態の半硬化状態にする。次に、図19に示すように、この積層体を完全な硬化状態になる温度で加熱すると共に、プレス型20を押し付けて加工する。これによって、シリコン基板50と耐熱性樹脂52とが積層された基板10を形成すると共に、プレス型20の凸部20aの形状に沿った溝12を形成することができる。次に、図20に示すように、蒸着等により銅又はアルミニウム等の金属層14を表面に蒸着する。このとき、蒸着源からの距離又は蒸着源からの角度等を調整することによって溝12の垂直な側面12c,12dにも金属層14が形成されるようにすることが好適である。
【0061】
以降は、上記実施の形態のステップS14以降と同様に処理することによって回路モジュール100を形成することができる。
【0062】
なお、シリコン基板50の表面に集積回路を形成しておき、耐熱性樹脂52にスルーホール等を設けることによって、スルーホールを介して耐熱性樹脂52の表面に形成された電気回路や光導波路に電気的又は光学的に接続することも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態における回路モジュールの平面図である。
【図2】本発明の実施の形態における回路モジュールの断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における回路モジュールの断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における光導波路の形状の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるプレス型の形状の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における光導波路のコア層、クラッド層の配置の例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図14】両面に光導波路等が形成された回路モジュールの構成を示す断面図である。
【図15】光学的にジャンパーされた回路モジュールの構成を示す断面図である。
【図16】本発明の変形例1における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図17】本発明の変形例1における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図18】本発明の変形例2における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図19】本発明の変形例2における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【図20】本発明の変形例2における回路モジュールの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
10 基板、10a 表面、10b 裏面、12 溝、12a〜12d 側面、14(14a〜14d) 金属層、16(16a〜16d) 誘電体層、20 プレス型、20a 凸部、20b マーク用凸部、22a,22b 傾斜面、22c,22d 側面、30 アライメント用マーク、40 樹脂基材フィルム、42 金属箔、50 シリコン基板、52 耐熱性樹脂、100 回路モジュール、102 光導波路、104 電気配線回路、106 発光素子回路、108 受光素子回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面上に設けられた光導波路を備えた回路モジュールであって、
前記光導波路は、
基板表面に対して垂直でない角度αを有するミラーが設けられた第1の側面と、
基板表面と平行な平面内において前記第1の側面に対して水平又は垂直でない角度θを有し、基板表面に対して略垂直な角度βであり、互いに対向するようにミラーが設けられた第2及び第3の側面と、
を有する溝に形成されることを特徴とする回路モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の回路モジュールにおいて、
前記溝の凹部に少なくとも2以上の互いに異なる屈折率を有する誘電体が充填されていることを特徴とする回路モジュール。
【請求項3】
基板表面上に設けられた光導波路を備えた回路モジュールであって、
前記基板は熱成形可能な樹脂材料を主材料としてなり、
前記光導波路は、基板表面に対して垂直でない角度αを有するミラーが設けられた第1の側面を有する溝に形成され、
前記溝の凹部に、互いに異なる屈折率を有する少なくとも2以上の前記樹脂材料とは異なる誘電体がクラッド層、コア層、クラッド層の順に積層されていることを特徴とする回路モジュール。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の回路モジュールにおいて、
前記溝に設けられたミラーを構成する材料と同一の材料からなる電気配線層を前記基板表面上に有することを特徴とする回路モジュール。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の回路モジュールにおいて、
前記光導波路は、互いに光学的に分離された複数の光路を備えるものであり、
前記第1の側面に設けられたミラーに光学的に結合された複数の発光素子をさらに備えることを特徴とする回路モジュール。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の回路モジュールにおいて、
前記光導波路は、互いに光学的に分離された複数の光路を備えるものであり、
前記第1の側面に設けられたミラーに光学的に結合された複数の受光素子をさらに備えることを特徴とする回路モジュール。
【請求項7】
基板表面にプレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成し、前記溝内に光導波路を形成する回路モジュールの製造方法であって、
前記プレス型は、前記基板表面に対して垂直でない角度αを有する第1の傾斜面と、前記基板表面に対して平行な底面と、を有する凸部を備えることを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の回路モジュールの製造方法において、
前記プレス型の凸部は、前記基板表面と平行な平面内において前記第1の傾斜面に対して水平又は垂直でない角度θを有し、基板表面に対して略垂直な角度βである第2及び第3の側面を有することを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の回路モジュールの製造方法において、
前記溝の凹部に少なくとも2以上の互いに異なる屈折率を有する誘電体を充填することを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項10】
請求項7に記載の回路モジュールの製造方法において、
前記基板は熱成形可能な樹脂材料を主材料とし、
前記溝の凹部に、前記樹脂材料とは異なる材料からなる誘電体を第1のクラッド層として形成し、前記第1のクラッド層の上部に前記第1のクラッド層とは異なる屈折率を有するコア層を形成し、前記コア層の上部に前記コア層とは異なる屈折率を有する第2のクラッド層を形成することを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか1つに記載の回路モジュールの製造方法において、
前記溝を形成した後に前記基板表面に金属層を形成し、
前記金属層をパターンニングすることによって電気配線を形成することを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項12】
請求項7〜10のいずれか1つに記載の回路モジュールの製造方法において、
前記基板の表面に金属層を形成したのちに前記プレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成し、
前記金属層をパターンニングすることによって電気配線を形成することを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の回路モジュールの製造方法において、
前記プレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成する際にアライメント用のマークを同時に形成し、
前記電気配線を形成する際に、前記アライメント用のマークを用いて前記金属膜をパターンニングすることを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の回路モジュールの製造方法において、
前記コア層を形成する際に、前記金属膜で形成したアライメント用のマークを用いてコア層をパターンニングすることを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の回路モジュールの製造方法において、
発光素子又は受光素子を前記基板に実装する際に、
前記金属膜で形成したアライメント用のマークを用いて発光素子又は受光素子の発光部及び受光部をアライメントすることを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項1】
基板表面上に設けられた光導波路を備えた回路モジュールであって、
前記光導波路は、
基板表面に対して垂直でない角度αを有するミラーが設けられた第1の側面と、
基板表面と平行な平面内において前記第1の側面に対して水平又は垂直でない角度θを有し、基板表面に対して略垂直な角度βであり、互いに対向するようにミラーが設けられた第2及び第3の側面と、
を有する溝に形成されることを特徴とする回路モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の回路モジュールにおいて、
前記溝の凹部に少なくとも2以上の互いに異なる屈折率を有する誘電体が充填されていることを特徴とする回路モジュール。
【請求項3】
基板表面上に設けられた光導波路を備えた回路モジュールであって、
前記基板は熱成形可能な樹脂材料を主材料としてなり、
前記光導波路は、基板表面に対して垂直でない角度αを有するミラーが設けられた第1の側面を有する溝に形成され、
前記溝の凹部に、互いに異なる屈折率を有する少なくとも2以上の前記樹脂材料とは異なる誘電体がクラッド層、コア層、クラッド層の順に積層されていることを特徴とする回路モジュール。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の回路モジュールにおいて、
前記溝に設けられたミラーを構成する材料と同一の材料からなる電気配線層を前記基板表面上に有することを特徴とする回路モジュール。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の回路モジュールにおいて、
前記光導波路は、互いに光学的に分離された複数の光路を備えるものであり、
前記第1の側面に設けられたミラーに光学的に結合された複数の発光素子をさらに備えることを特徴とする回路モジュール。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の回路モジュールにおいて、
前記光導波路は、互いに光学的に分離された複数の光路を備えるものであり、
前記第1の側面に設けられたミラーに光学的に結合された複数の受光素子をさらに備えることを特徴とする回路モジュール。
【請求項7】
基板表面にプレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成し、前記溝内に光導波路を形成する回路モジュールの製造方法であって、
前記プレス型は、前記基板表面に対して垂直でない角度αを有する第1の傾斜面と、前記基板表面に対して平行な底面と、を有する凸部を備えることを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の回路モジュールの製造方法において、
前記プレス型の凸部は、前記基板表面と平行な平面内において前記第1の傾斜面に対して水平又は垂直でない角度θを有し、基板表面に対して略垂直な角度βである第2及び第3の側面を有することを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の回路モジュールの製造方法において、
前記溝の凹部に少なくとも2以上の互いに異なる屈折率を有する誘電体を充填することを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項10】
請求項7に記載の回路モジュールの製造方法において、
前記基板は熱成形可能な樹脂材料を主材料とし、
前記溝の凹部に、前記樹脂材料とは異なる材料からなる誘電体を第1のクラッド層として形成し、前記第1のクラッド層の上部に前記第1のクラッド層とは異なる屈折率を有するコア層を形成し、前記コア層の上部に前記コア層とは異なる屈折率を有する第2のクラッド層を形成することを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか1つに記載の回路モジュールの製造方法において、
前記溝を形成した後に前記基板表面に金属層を形成し、
前記金属層をパターンニングすることによって電気配線を形成することを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項12】
請求項7〜10のいずれか1つに記載の回路モジュールの製造方法において、
前記基板の表面に金属層を形成したのちに前記プレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成し、
前記金属層をパターンニングすることによって電気配線を形成することを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の回路モジュールの製造方法において、
前記プレス型を押し付けて前記基板表面に溝を形成する際にアライメント用のマークを同時に形成し、
前記電気配線を形成する際に、前記アライメント用のマークを用いて前記金属膜をパターンニングすることを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の回路モジュールの製造方法において、
前記コア層を形成する際に、前記金属膜で形成したアライメント用のマークを用いてコア層をパターンニングすることを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の回路モジュールの製造方法において、
発光素子又は受光素子を前記基板に実装する際に、
前記金属膜で形成したアライメント用のマークを用いて発光素子又は受光素子の発光部及び受光部をアライメントすることを特徴とする回路モジュールの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−208527(P2006−208527A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17831(P2005−17831)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]