説明

光導波路材料用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルム、及びその硬化物並びに光・電気混載基板

【課題】 既存のアルカリ現像設備で容易に精度良くパターン形成でき、耐衝撃性、耐熱性、密着性、電気絶縁性、クラック耐性等に優れることからソルダーレジストとしても利用可能であり、更に、構成樹脂の相溶性の悪さから生じる白濁・濁り等による光損失が少なく、均一な屈折率分布を有し、種々の光集積回路または光配線板に利用できる光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを提供する。
【解決手段】 (A)カルボキシル基含有樹脂、(B)反応性希釈剤、(C)光重合開始剤、及び(D)一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有する感光層を有しており、前記エポキシ樹脂(D)が、芳香環又は複素環を有し、エポキシ当量が240g/eq.以下であり、かつ重量平均分子量が3,000以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子材料を用いた光導波路材料用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムに関するものであり、詳しくは、既存のアルカリ現像設備で容易に精度良くパターン形成でき、耐衝撃性、耐熱性、密着性、電気絶縁性、クラック耐性等に優れることからソルダーレジストとしても利用可能であり、かつ光損失が少なく種々の光集積回路または光配線板に利用できる光導波路材料用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルム、及びその硬化物並びに光・電気混載基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、より高速処理が行えるコンピュータを作るために、CPUのクロック周波数は益々増大する傾向にあり、現在では1GHzオーダーを超えるものが出現するに至っている。この結果、コンピュータの中のプリント基板上の銅による電気配線には高周波電流が流れる部分が存在することになるので、ノイズの発生により誤動作が生じたり、また電磁波が発生して周囲に悪影響を与えることが問題となっている。
【0003】
このような問題を解決するために、プリント基板上の銅による電気配線の一部を光ファイバーまたは光導波路による光配線に置き換え、電気信号の代わりに光信号を利用することが行われている。
【0004】
高密度実装または小型化の観点からは、電気配線と光配線とが同一の基板上で積み重なっている光・電気混載基板を作ることが望ましいことから、たとえば、電気配線基板上に光ファイバーを絶縁膜にて固定させた基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、光配線として光ファイバーを用いる場合、その屈曲性の限界から、複雑な形状の光配線には対応しきれず、設計の自由度が低くなってしまい、高密度配線あるいは基板の小型化に対応できないという問題がある。
【0005】
このため、電気配線基板の上に光配線として、コア組成とクラッド組成の屈折率差を利用し、光を伝搬させる、いわゆる光導波路を用いた光・電気混載基板の構成がいくつか提案されている。これまで、安価な材料を用いて簡便な作製法が選択できる高分子導波路の検討が多数行われている。例えば、ポリスチレン等の透明性の優れた高分子材料をコアとし、コア材料より屈折率の低い高分子材料をクラッドとした光導波路材料が作製されている(例えば、特許文献2参照)が、耐熱性不足といった欠点が指摘されている。これに対し、耐熱性の高いポリイミド類を用いた低損失、高耐熱の光導波路材料が実現されている(例えば、特許文献3参照)。しかしこれらの方法は、クラッド層の表面にコア構造を形成する際、一枚毎にフォトレジストを用いたコアパターンの形成や反応性イオンエッチングによる凹凸加工が必要であり、低価格化や生産性に問題があった。
【0006】
また、半導体プロセスを用いる方法の適用や感光性高分子あるいはレジストを用いる方法を挙げることができる。特に感光性高分子を用いてコアを形成して導波路を作製する方法は、パターンフィルムを通して紫外線を照射し、パターン形成する方法等が行われ、その作製方法が簡便で低価格化に適している。
【0007】
このようなことから、エチレン性不飽和基含有カルボン酸樹脂を用いたアルカリ現像型の光導波路用樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)が、熱硬化性成分を必須としていないため、十分な耐熱性が得られず、更に耐衝撃性、耐溶剤性、耐薬品性に劣るという問題がある。また、カルボキシル基を有する重合体と重合性反応基を有する化合物及びカチオン重合開始剤を含む光導波路用放射線硬化性樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献5参照)が、カチオン重合性であるため、十分な密着性、電気絶縁性が得られないという問題がある。
【0008】
一方、光導波路作製方法については、液状組成物を用いたスピンコート法がよく用いられる。スピンコート法は、成膜性、塗膜の平滑性等の観点においては非常に優れているが、回転により多量の組成物が飛散するため、生産性といった観点からはあまり優れていない。そこで、感光性樹脂から形成されるドライフィルムを基材上に積層し、光照射後、所定場所を光硬化させ、未露光部を現像することによりコア層を形成して、伝送特性に優れる光導波路を製造する方法を提案されている(例えば特許文献6,7参照)。光導波路の製造方法によれば、従来の石英系導波路の製造方法と比較して、フィルムを基材に積層し所定量の光を照射した後に現像するだけで、低コストで、生産性に優れた光導波路を製造できるという利点を得ることができるが、得られた光導波路の耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、クラック耐性は必ずしも良いものではなかった。
【特許文献1】特開平3−29905号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平2−181103号公報(第5−6欄)
【特許文献3】特開平6−265738号公報(第3−5頁、第1図)
【特許文献4】特開2003−149475号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】特開2003−195079号公報(特許請求の範囲)
【特許文献6】特開平6−258537号公報(特許請求の範囲)
【特許文献7】特開2003−195080号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、既存のアルカリ現像設備で容易に精度良くパターン形成でき、耐衝撃性、耐熱性、密着性、電気絶縁性、クラック耐性等に優れることからソルダーレジストとしても利用可能であり、更に、構成樹脂の相溶性の悪さから生じる白濁・濁り等による光損失が少なく、均一な屈折率分布を有し、種々の光集積回路または光配線板に利用できる光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを提供することにある。更に、その硬化物からなる光導波路並びに光・電気混載基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の基本的な態様としては、(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)反応性希釈剤、(C)光重合開始剤、及び(D)一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有する感光層を有している光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムが、既存のアルカリ現像設備で容易にパターン形成でき、耐熱性、密着性、電気絶縁性等に優れることらソルダーレジストとしても利用可能であり、さらに樹脂組成を変えることにより硬化物の屈折率を自由に、かつ容易に制御でき、光導波路材料として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)反応性希釈剤、及び(C)光重合開始剤を含有していることにより、活性エネルギー線照射後、希アルカリ水溶液で現像することにより、容易に精度良くパターン形成でき、さらに(D)一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂で熱硬化反応することにより、優れた光学特性を有したまま、耐熱性、密着性、電気絶縁性等に優れた硬化物を提供することができる。
好適な態様においては、前記カルボキシル基含有樹脂(A)の酸価が、40〜250mgKOH/gであり、かつ重量平均分子量が、2,000〜50,000である線状ポリマーであることにより、アルカリ水溶液による現像性が安定化し、耐衝撃性、クラック耐性に優れた硬化物を提供できる。さらに前記カルボキシル基含有樹脂(A)が、エチレン性不飽和二重結合を有していることにより、耐現像性、感度が向上し、既存のアルカリ現像設備で容易に精度良くパターン形成でき、作業性も向上することができる。また、前記エポキシ樹脂(D)が、芳香環又は複素環を有し、エポキシ当量が240g/eq.以下であり、かつ重量平均分子量が3,000以下であることにより、前記カルボキシル基含有の線状ポリマー(A)と共に配合した時、分離・白濁すること無く透明性に優れ、かつ耐熱性、密着性、電気絶縁性等にも優れ、さらにこのように均一に配合された光硬化性・熱硬化性ドライフィルムからなる硬化物が、光透過性や均一な屈折率分布等を有することから、光学特性にも優れ、光導波路材料として有用な光硬化性・熱硬化性ドライフィルムとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
また、他の態様としては、上記光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化させて得られる硬化物が、弾性率、線膨張係数、ガラス転移温度の調整が容易なことを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに、上記光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムから形成されてなる光・電気混載基板型プリント配線板が提供される。即ち、上記光導波路材料用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、光導波路コア層及び/又は光導波路クラッド層、さらにソルダーレジスト層に適用した光・電気混載基板が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムは、既存の設備で容易に精度良くパターン形成でき、耐衝撃性、耐熱性、密着性、電気絶縁性、クラック耐性等に優れ、かつ光損失が少なく、均一な屈折率分布を有することから、低価格で光導波路クラッド層及び光導波路コア層が形成できる。また、目的とする光導波路の形状を精度良く、既存の製造プロセスで作製することが可能であり、生産性の向上が可能となる。
さらに、無機充填剤、特にナノ粒径の充填剤を用いることにより、従来使用されている充填剤と同等の特性向上効果を有し、更に光導波路材料としても光透過性等の光学特性を低下することが無く、弾性率、ガラス転移温度、線膨張係数といった物性を調節することも可能になる。すなわち、耐熱性、リフロー耐性、耐溶剤性、耐薬品性を有する光導波路、及びソルダーレジストに適用可能な組成物が提供でき、更には、光・電気混載基板を安価で、かつ生産性良く提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の光導波路材料用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムは、(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)反応性希釈剤、(C)光重合開始剤、及び(D)一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有しており、樹脂組成を変えることにより屈折率を自由に、かつ容易に制御できる。また、前記カルボキシル基含有樹脂(A)を用いることにより、未露光部を希アルカリ水溶液により除去することができ、更に、前記一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)を含有していることにより、熱硬化後、耐衝撃性、耐溶剤性、耐薬品性に極めて優れ、かつソルダーレジスト層としての特性を有した硬化物を与えることが可能となる。
以下、本発明に係る光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムの各構成成分について、詳細を説明する。
【0014】
本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムに用いられる前記カルボキシル基含有樹脂(A)としては、分子中にカルボキシル基を含有している公知慣用の樹脂を使用することができる。好適な態様としては、前記カルボキシル基含有樹脂(A)の酸価が40〜250mgKOH/gであり、重量平均分子量が2,000〜50,000である線状ポリマーが用いられる。更に、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー(A’)が、光硬化性や耐現像性の面からより好ましい。
具体的には、下記に列挙するような樹脂が挙げられる。
【0015】
(1)不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合によって得られるカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)、
(2)不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、部分的にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー(A’)、
(3)一分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した第二級の水酸基に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー(A’)、
(4)不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、一分子中に水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー(A’)、
(5)二官能エポキシ樹脂に、ジカルボン酸又は二官能フェノール化合物を反応させて得られる二級水酸基含有の線状ポリマーに、さらに飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)、
(6)二官能オキセタン化合物に、ジカルボン酸又は二官能フェノール化合物を反応させて得られる二級水酸基含有の線状ポリマーに、さらに飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)、及び
(7)二官能オキセタン化合物に不飽和モノカルボン酸を反応させて得られるジオール化合物と四塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー (A’)などが挙げられるが、これらに限定されるものでは無い。
これら線状ポリマーの中で、主鎖に芳香環の無い上記(1)〜(4)の共重合系の線状ポリマーは、黄変等による光吸収を起こすことがなく、好適に用いることができる。
【0016】
上記のようなカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になり、また線状であるため、強靭な硬化物を得易くなる。
このようなカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)の酸価は、40〜250mgKOH/gの範囲であり、より好ましくは80〜120mgKOH/gの範囲である。カルボキシル基含有の線状ポリマーの酸価が40mgKOH/g未満であるとアルカリ現像が困難となり、一方、250mgKOH/gを超えると現像液による露光部の溶解が進むために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離してしまい、正常なレジストパターンの描画が困難となるので好ましくない。
また、このようなカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)の重量平均分子量は、2,000〜50,000、好ましくは、5,000〜20,000の範囲が望ましい。重量平均分子量が、2,000未満の場合、塗膜の指触乾燥性が低下し、硬化物の耐衝撃性が得られ難くなるので好ましくない。一方、重量平均分子量が、50,000を超えた場合、現像性が低下するので好ましくない。
上記カルボキシル基含有の線状ポリマー(A)の配合量は、全組成物中に、20〜60質量%、好ましくは30〜50質量%である。上記範囲より少ない場合、アルカリ可溶性成分が不足し、現像処理により目的とする導波路形状が得られ難くなったり、硬化物の強度が低下したりするので好ましくない。一方、上記範囲より多い場合、他の成分が不足し、感度が低下したり、硬化物特性が低下したりするので好ましくない。
【0017】
本発明において使用される反応性希釈剤(B)としては、光硬化して、上記カルボキシル基含有樹脂を希アルカリ水溶液に対して不溶化するために使用するものである。その代表的なものとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤が挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
【0018】
これらの反応性希釈剤(B)の配合量としては、前記カルボキシル基含有の線状ポリマー(A)100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、特に好ましくは5〜50質量部である。(B)成分が5質量部未満の場合、十分な硬化性が得られず、設計通りの導波路形状が得られなくなる。一方、100質量部を超えた場合、指触乾燥性が悪くなり、ドライフィルムを形成する際、不都合を生じる。
【0019】
本発明において使用される光重合開始剤(C)としては、光重合性組成物において一般的に使用されている光重合開始剤が使用できる。その代表的なものとしては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;又はキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィンオキサイド類などが挙げられ、これら公知慣用の光重合開始剤(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
これらの光重合開始剤(C)の配合量は、全組成物中に、0.1〜10質量%であり、好ましくは0.2〜5質量%である。前記配合量が組成物全体量の0.2質量%未満の場合、光硬化性が低下し、目的とする光導波路形状の形成が困難となるので好ましくない。一方、10質量%を超えた場合、光導波路の伝送損失に悪影響を及ぼす可能性を有し、更にコスト高の原因となるので好ましくない。
【0021】
本発明において使用されるエポキシ樹脂(D)としては、公知慣用のエポキシ樹脂が使用できるが、光導波路用として用いる場合、二官能エポキシ樹脂、又は芳香環又は複素環を有し、エポキシ当量が240g/eq.以下であり、かつ重量平均分子量が2,000以下であるエポキシ樹脂が、前記カルボキシル基含有の線状ポリマー(A)と配合した時、分離・白濁すること無く透明性に優れた光硬化性・熱硬化性ドライフィルム及び硬化物を与えることができる。特に、芳香環又は複素環を有し、エポキシ当量が240g/eq.以下であり、かつ重量平均分子量が3,000以下であるエポキシ樹脂は、耐熱性にも優れており、好ましく用いることができる。
【0022】
このような芳香環又は複素環を有し、エポキシ当量が240g/eq.以下であり、かつ重量平均分子量が3,000以下であるエポキシ樹脂(D)としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例:ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート152、エピコート154、ダウ・ケミカル社製のDEN−431、DEN−438、日本化薬社製のRE−306等)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例:日本化薬社製のEOCN−100、EOCN−102S等)、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂(例:日本化薬社製のEPPN−501H、EPPN−502H、ダウ・ケミカル社製のTACTIX742、ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート1032S50等)、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂(例:ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート1031S等)、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂(例:ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート157S70等)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例:三菱瓦斯化学社製のTETRAD−X、TETRAD−C等)、複素環含有エポキシ樹脂(例:ナガセ化成工業社製のデナコール EX−301等)などが挙げられる。
これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
これらエポキシ樹脂(D)は、熱硬化反応することにより光導波路塗膜の密着性、耐熱性、電気絶縁性を向上させる。エポキシ樹脂(D)の配合割合としては、前記カルボキシル基含有の線状ポリマー(A)のカルボキシル基1当量に対して、0.5〜2.0当量であり、好ましくは0.8〜1.6当量の割合である。エポキシ成分の配合割合が、前記カルボキシル基含有樹脂(A)のカルボキシル基1当量に対して、0.5当量未満の場合、硬化塗膜の架橋密度が低下し、はんだ耐熱性やリフロー耐性が低くなりやすい。一方、2.0当量を超えると乾燥塗膜の現像性が低下し、目的通りの導波路形状が得られなくなる。
【0024】
本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムは、硬化物の線膨張係数を調整したり、耐熱性等の塗膜特性を向上させるために、無機充填剤(E)を配合することができる。このような無機充填剤(E)としては、公知慣用の充填剤、例えば結晶性シリカ、溶融シリカ、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、沈降性硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、アスベスト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華、酸化チタン等の無機顔料などが挙げられる。
本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムは、ソルダーレジスト及び光導波路用材料として使用可能であるが、ソルダーレジストとして用いる場合、前記無機充填剤(E)の平均粒径は、一般的なソルダーレジストの膜厚から、20μm以下、より好ましくは10μm以下である。
一方、光導波路用材料に用いる場合、一般的に光導波路に用いられる波長が850nm,1300nm,1550nmであることから、無機充填剤(E)の平均粒径は、800nm以下、好ましくは400nm以下、より好ましくは100nm以下であり、かつ最大粒径が850nm以下であることが、光導波路の透過性が増し、光損失が少なくなるので好ましい。
【0025】
このように光導波路材料として用いられる微細な無機充填剤(E)としては、前記反応性希釈剤(B)にナノシリカを分散したHanse−Chemie社製のNANOCRYL(商品名) XP 0396、XP 0596、XP 0733、XP 0746、XP 0765、XP 0768、XP 0953、XP 0954、XP 1045(何れも製品グレード名)、XP21/1442、XP21/1500、XP21/1306、XP21/0778、XP21/0568、XP21/1192、XP21/1364、XP21/1425、XP21/0940、XP21/1465、XP21/0638、XP21/0568、XP21/1471、XP21/0930、XP21/0528、XP21/1468、XP21/0687、XP21/1515、XP21/1472、XP21/0942、XP21/1447、XP21/1481(何れも試作品グレード名)などが挙げられる。
また、同様に、前記エポキシ樹脂(D)にナノシリカを分散したものの具体例としては、Hanse−Chemie社製のNANOPOX(商品名) XP 0516、XP 0525、XP 0314(何れも製品グレード名)、XP22/0543、XP22/0531、XP22/0540(何れも試作品グレード名)などが挙げられる。
さらに、後述の有機溶剤にナノシリカを分散した日産化学工業社製のオルガノシリカゾル PMA−ST(商品名)などを使用することもできる。
このような前記反応性希釈剤(B)や前記エポキシ樹脂(D)に分散された無機充填剤(E)は、原料保管中に無機充填剤(E)が二次凝集することが少なく、樹脂組成物中に、均一にし分散させることができるので、好ましく用いることができる。
【0026】
これら無機充填剤成分の配合割合は、前記カルボキシル基含有の線状ポリマー(A)100質量部に対して、0〜200質量部が適当であり、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは20〜50質量部である。充填剤成分の配合割合が、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、200質量部を超えた場合、ドライフィルム化時の組成物の塗布性や流動性が得られなかったり、硬化物の平滑性が得られなくなるので好ましくない。
【0027】
また、本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムは、必要に応じて、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系等の消泡剤;シラン系、チタネート系、アルミナ系等のカップリング剤等の分散剤;三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)およびその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)とその誘導体、メラミンとその誘導体、グアナミンとその誘導体、アミンイミド(AI)、ポリアミンの塩等の潜在性硬化剤;アセチルアセナートZn、アセチルアセナートCr等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級スルホニウム塩、トリフェニルホスフィン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7およびその2−エチルヘキサン酸塩およびフェノール塩、イミダゾール、イミダゾリウム塩、トリエタノールアミンボレート等の熱硬化促進剤;オキサゾリン基含有ポリマーなどの高分子相溶化剤などの添加剤を配合することができる。これら添加剤は、単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムは、溶融ブレンドして、溶融状態で支持フィルムに塗布することも可能であるが、一般的に、前記カルボキシル基含有樹脂(A)、前記反応性希釈剤(B)、前記光重合開始剤(C)、及び前記エポキシ樹脂(D)を含有する成分を、又はさらに前記無機充填剤(E)を配合した成分を、有機溶剤(F)に溶解し液状化した後、支持フィルムに塗布・乾燥してドライフィルム化する。この時用いる有機溶剤(F)としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。特に、沸点が150℃以下の有機溶剤がドライフィルム化には好ましく使用できる。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
これら有機溶剤の使用量は、前記感光層成分100質量部に対して、10〜200質量部の範囲内とすることが好ましい。有機溶剤を飛散させる温度条件は、50℃〜150℃、より好ましくは70℃〜130℃である。また、乾燥後に残存する溶剤量は、感光層成分100質量部に対して、30質量部未満、より好ましくは10質量部未満にすることが好ましい。
【0029】
本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムは、前述したような有機溶剤(F)に感光層成分を溶解し、塗布方法に適した粘度に調整し、適当な支持フィルム上に、乾燥後の感光層の厚さが10〜150μmであり、膜厚のバラツキが±10%以内となるようにフィルムコーター等で塗布した後、例えば約60〜140℃で乾燥し、一般には約120℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥させることにより、タックフリーの乾燥皮膜からなる感光層を有するドライフィルムが形成される。この時、乾燥後の膜厚のバラツキが±10%を超えた場合、平滑性が欠け、光損失等が大きくなるので好ましくない。
上記支持フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリ塩化ビニル等の15〜125μm程度のフィルム厚で、可撓性を有するフィルムが用いられる。
また、支持体に感光層成分を塗布する方法としては、例えば、ナイフコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、ロールコーター法、スプレーコーター法等が挙げられる。
さらに、感光層の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、感光層の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが望ましい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、PETフィルム、PPフィルム、PEフィルム、あるいはこれらにシリコーンをコーティング又は焼き付けしたフィルムなどの15〜100μm程度の膜厚を有するフィルムが用いられる。剥離可能となる条件としては、カバーフィルムを剥離するときに感光層と支持フィルムとの接着力よりも、感光層とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
【0030】
本発明の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを用いて、光導波路を形成するにあたり、下部クラッド層、上部クラッド層、およびコア層の各層を形成する工程の少なくとも一つの工程に、本発明の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを基材に転写した後、活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化させる工程を用いることができる。
このように本発明の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、下部クラッド層、上部クラッド層、およびコア層の少なくとも一つに用いる場合、各部の屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足するように、各成分の種類、配合量等を適宜選択することにより、異なる屈折率を有する硬化膜が得られる光硬化性・熱硬化性ドライフィルムとすることができる。本発明においては、コア部分だけに本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを用い、それ以外のクラッド部分を従来の光硬化性・熱硬化性インキ組成物によって作製したり、あるいは下部クラッド部分とコア部分をドライフィルム、さらには全層を本発明のドライフィルムを用いて光導波路を作製したりすることもできる。
【0031】
本発明の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを用いた光導波路は、以下に示すような工程を経て形成される。
即ち、下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層のいずれか、あるいはすべての層を形成するための光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを順次、基材上に転写し、露光・現像した後、熱硬化反応することにより形成することが好ましい。尚、下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層のいずれか2つ以上に本発明のドライフィルムを用いた場合、光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、基材上に転写し、露光・現像した後、すぐに次のドライフィルムを転写し、露光・現像した後、一括して熱硬化することもできる。
上記基材としては、基板の種類、形態は特に制限されるものではないが、例えば、シリコン基板、ガラス基板、ガラスエポキシ樹脂基板等を用いることができる。
【0032】
本発明の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを用いて、下部クラッド層を形成する場合、用意した基板の表面に、下部クラッド層を形成するため、支持フィルムが上になるようにカバーフィルムを除去しながら、常圧熱ロール圧着法、真空熱ロール圧着法、真空熱プレス圧着法等の圧着手法を用いて、適当な熱と圧力を加えながら、クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを基板上に転写し、クラッド用塗膜を形成する。その後、活性エネルギー線を照射することにより硬化させて、下部クラッド層を形成することができる。なお、下部クラッド層の形成工程では、塗膜の硬化したい部位に活性エネルギー線を照射し、未露光部位は希アルカリ溶液にて容易に現像することができる。また、下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムからなる下部クラッドは、熱硬化反応を行うことにより、強靱性、耐熱性、密着性を付与することができる。この熱硬化反応は、通常、100〜200℃、好ましくは150〜180℃で、例えば30分〜90分の加熱条件とすれば良い。
【0033】
ここで、本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを光硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプが適当である。その他、レーザー光源などもダイレクト・イメージング工法を利用して露光用活性光源として直接描画することができる。また、上記現像に用いられる希アルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用でき、特に、炭酸ナトリウムが好ましい。
【0034】
次に、本発明の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを用いて、コア層を形成する場合、上記下部クラッド層上に、コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを前記手法と同様にして、下部クラッド層上に転写し、コア用塗膜を形成する。その後、コア用塗膜の上面に対して、所定のラインパターンを有するフォトマスクを介して活性エネルギー線照射を行うことが好ましい。これにより、活性エネルギー線照射された箇所のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現像除去することにより、下部クラッド層上に、パターニングされた硬化膜よりなるコア層を形成することができる。その後、下部クラッド同様に熱硬化反応を行うことにより、強靱性、耐熱性、密着性を付与することができる。
【0035】
続いて、本発明の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを用いて、上部クラッド層を形成する場合、上記コア層が形成された下部クラッド層の表面に、支持フィルムが上になるようにカバーフィルムを除去しながら、前記手法と同様に転写し、上部クラッド用塗膜を形成する。この上部クラッド用塗膜に対し、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、上部クラッド層を形成することができる。その後、活性エネルギー線照射によって得られる上部クラッド層を熱硬化反応させることにより、更に優れた特性を付与することができる。
【0036】
さらに、本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、ソルダーレジストや中間絶縁層として用いることもでき、上記のようにして形成された光導波路と共に、電子回路にも用いられた光・電気混載基板を製造することもできる。
【実施例】
【0037】
次に本発明の実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。なお、以下において「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り全て「質量部」及び「質量%」を表す。
【0038】
〈合成例1〉
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた2リットル容セパラブルフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル900g、およびt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート[日本油脂(株)製パーブチルO]21.4gを仕込み、90℃に昇温後、メタクリル酸309.9g、メタクリル酸メチル116.4g、ラクトン変性2−ヒドロキシエチルメタクリレート[ダイセル化学工業(株)製プラクセルFM1]109.8gをビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)を作製した。パーオキシジカーボネート[日本油脂(株)製パーロイルTCP]21.4gと共にジエチレングリコールジメチルエーテル中に3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成することによってカルボキシル基を有するビニル共重合体溶液を得た。反応は窒素雰囲気下で行った。
次に上記ビニル共重合体溶液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート
[ダイセル化学(株)製サイクロマーA200]363.9g、ジメチルベンジルアミン3.6g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.80gを加え、100℃に昇温し、撹拌することによってエポキシの開環付加反応を行った。16時間後、固形分酸価=108.9mgKOH/g、重量平均分子量=25,000(スチレン換算)のカルボキシル基含有の感光性線状ポリマーを、53.8wt%(不揮発分)含む溶液を得た。以下、この反応溶液をA−1ワニスと称す。
【0039】
〈合成例2〉
温度計、撹拌器、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−680、大日本インキ化学工業社製、エポキシ当量=210)210gとカルビトールアセテート96.4gを量り取り、加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1gと、反応触媒としてトリフェニルホスフィン2.0gを加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸72gを徐々に滴下し、酸価が3.0mgKOH/g以下になるまで、約16時間反応させた。この反応生成物を、80〜90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物76.1gを加え、赤外吸光分析により、酸無水物の吸収ピーク(1780cm−1)が無くなるまで、約6時間反応させた。この反応液に、出光石油化学社製の芳香族系溶剤イプゾール#150 96.4gを加え、希釈した後、取り出した。このようにして得られたカルボキシル基含有の感光性ポリマー溶液は、不揮発分=65wt%、固形物の酸価78mgKOH/gであった。以下、この反応溶液をA−2ワニスと称す。
【0040】
〈実施例1〉
上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−1、P−2)の作製
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりクラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚20μmの下部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−1)、及び乾燥膜厚70μmの上部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−2)を作製した。

A−1ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
DEN−431(ダウ・ケミカル社製の
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(Mw=970)) 60.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
【0041】
〈実施例2〉
コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)の作製
市販のスチレン−アクリル酸樹脂であるジョンソンポリマー社製のジョンクリル 67(商品名、固形分酸価=213mgKOH/g、重量平均分子量=12,500)をカルビトールアセテートに、不揮発分=70%となるように溶かしたワニス(以下、A−3ワニスと称す。)を用いて、下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚50μmのコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)を作製した。

A−3ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
DEN−431(ダウ・ケミカル社製の
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(Mw=970)) 60.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
【0042】
〈実施例3〉
コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−4)の調整
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚50μmのコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−4)を作製した。

A−3ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
EPPN−201(日本化薬社製の
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(Mw=3,930)) 50.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
【0043】
〈実施例4〉
コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5)の調整
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚50μmのコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5)を作製した。

A−2ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
EPPN−201(日本化薬社製の
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(Mw=3,930)) 50.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
【0044】
〈比較例1〉
上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−6、P−7)の調整
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりクラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚20μmの下部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−6)、及び乾燥膜厚70μmの上部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−7)を作製した。

A−1ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
【0045】
〈比較例2〉
コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−8)の調整
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚50μmのコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−8)を作製した。

A−2ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
【0046】
〈応用実施例1〉
基板上に、下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−1)を支持フィルムが上になるように、常圧熱ロール圧着機を用いて、適当な熱と圧力を加えながら、ドライフィルムを基板上に転写した。その後、この下部クラッド層を活性エネルギー線照射することにより硬化させた後、150℃、60分熱硬化反応を行った。次に、この下部クラッド層上に、コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)を前述手法と同様にして、常圧熱ロール圧着機を用いて下部クラッド層上に転写し、コア用塗膜を形成した。その後、コア用塗膜の上面から所定のラインパターンを有するフォトマスクを介して活性エネルギー線照射を行い、活性エネルギー線照射後、1.0wt%NaCOのアルカリ水溶液にて60秒現像を行った。その後、下部クラッド層と同様に150℃、60分熱硬化反応を行うことにより、下部クラッド層上部にコア層を形成した。次に、コア部分が形成された下部クラッド層上に、支持フィルムが上になるように前記手法と同様に転写し、常圧熱ロール圧着機を用いて上クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−2)を形成した。この上クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムに対し、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、上部クラッド層を形成した後、150℃、60分熱硬化反応を行い、下部クラッド層、コア層、上部クラッド層から形成される光導波路を作製した。このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
【0047】
〈応用実施例2〉
実施例1においてコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)の代わりに、コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−4)を使用した以外は同様にしてマルチモード型光導波路を作製した。
このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
【0048】
〈応用実施例3〉
実施例1においてコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)の代わりに、コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5)を使用したこと以外は同様にしてマルチモード型光導波路を作製した。
このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
【0049】
〈応用比較例1〉
実施例1においてコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)の代わりに、コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−8)を使用し、また、下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−1)の代わりに下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−6)を使用し、さらに、上クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−2)の代わりに上クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−7)を使用したこと以外は同様にしてマルチモード型光導波路を作製した。
このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
【0050】
性能評価:
(a)はんだ耐熱性
得られたマルチモード型光導波路について、JIS C 6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒間浸漬し、その後セロハンテ−プ(商品名)をその硬化塗膜の上に指で擦って貼り付けてから引き剥がす、いわゆるピ−リング試験を行い、その1回の試験を1サイクルとして、これを同じ個所で3サイクルまで行った。硬化塗膜の剥離の程度を目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表1に示した。
○:テープピーリング試験後、剥離等がないもの。
×:テープピーリング試験後、剥離を生じるもの
【0051】
(b)リフロー耐性
得られたマルチモード型光導波路について、温度260℃のリフロー炉を通過させることにより、剥がれ、膨れが無いかを目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表1に示した。
○:リフロー炉を通過後、塗膜に剥がれ、膨れが無い。
×:リフロー炉を通過後、塗膜に剥がれ、膨れを生じるもの。
【0052】
(c)耐薬品性
得られたマルチモード型光導波路について、10vol%の塩酸水溶液に30分間浸漬した後、硬化塗膜の状態を目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表1に示した。
○:全く変化が認められないもの。
△:ほんの僅か変化しているもの。
×:顕著に変化しているもの。
【0053】
(d)耐溶剤性
得られたマルチモード型光導波路について、プロピレングリコールモノメチルエーテルに30分間浸漬した後、硬化塗膜の状態を目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表1に示した。
○:全く変化が認められないもの。
△:ほんの僅か変化しているもの。
×:顕著に変化しているもの。
【0054】
(e)コア形状の精度
得られたマルチモード型光導波路を切り出しそれぞれの長さでのコア形状の違いについて観察した。その結果を表1に示した。
○:ほぼ変化が認められないもの。
△:±3μm以上の相違が確認されるもの。
×:顕著に変化しているもの。
【0055】
(f)クラック耐性
得られたマルチモード型光導波路基板を、サーマルショック試験器に入れ、−45℃,15分と125℃,15分のヒートサイクル試験を、300サイクル行い、試験終了後の基板の顕微鏡で観察し、クラックの発生の有無を調べ、その結果を表1に示した。
○:クラック等の異常なし。
△:一部にクラック発生。
×:全体に、クラック発生。











【0056】
【表1】

【0057】
表1から明らかなように、応用実施例1のように相溶性の良い組成物で形成したドライフィルムを用いて作製した光導波路は、優れた光伝送損失を示した。しかし、相溶性の悪い応用実施例2は、光伝送損失0.9dB/cmと高い値を示した。また、全ての実施例において、はんだ耐熱性、リフロー耐性、耐薬品性、耐溶剤性は良好な結果であったが、熱硬化成分を含有していない応用比較例1は、はんだ耐性性、リフロー耐性、耐薬品性に劣っていた。なお、コア形状の精度はドライフィルムにより形成したものは全て優れた形状を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)反応性希釈剤、(C)光重合開始剤、及び(D)一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有する感光層を有していることを特徴とする光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
【請求項2】
前記カルボキシル基含有樹脂(A)の酸価が、40〜250mgKOH/gであり、かつ重量平均分子量が、2,000〜50,000である線状ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
【請求項3】
前記カルボキシル基含有樹脂(A)が、さらに(A’)分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有の感光性線状ポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
【請求項4】
前記エポキシ樹脂(D)が、芳香環又は複素環を有し、エポキシ当量が240g/eq.以下であり、かつ重量平均分子量が3,000以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
【請求項5】
前記感光層に、さらに、(E)無機充填剤を含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムが、前記カルボキシル基含有樹脂(A)、前記反応性希釈剤(B)、前記光重合開始剤(C)、及び前記エポキシ樹脂(D)を含有する成分を、又はさらに前記無機充填剤(E)を配合した成分を、(F)有機溶剤に溶解し液状化した後、支持フィルム上に塗布・乾燥して得られる乾燥皮膜からなる感光層を有していることを特徴とする光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
【請求項7】
更に、上記感光層の上に、カバーフィルムが形成されていることを特徴とする請求項6 に記載の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
【請求項8】
前記感光層の膜厚が、10〜150μmであり、膜厚のバラツキが±10%以内であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化させて得られる硬化物。
【請求項10】
下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層から構成される光導波路において、下部クラッド層、コア層、及び上部クラッド層の少なくとも一つが、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムから形成されてなることを特徴とする光導波路。
【請求項11】
前記請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムから形成されてなる光・電気混載基板。

【公開番号】特開2006−71880(P2006−71880A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−254074(P2004−254074)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(591021305)太陽インキ製造株式会社 (327)
【Fターム(参考)】