説明

光情報媒体用硬化性組成物及び光情報媒体

【課題】耐擦り傷性に優れた光透過層を形成するに好適であり、塗工作業性が良好な光情報媒体用硬化性組成物、耐擦り傷性に優れた光透過層を有する光情報媒体を提供する。
【解決手段】1分子中に5または6個の(メタ)アクリロイル基を有する珪素原子を含まない化合物(A)、1分子中に3または4個の(メタ)アクリロイル基を有する珪素原子を含まない化合物(B)、1分子中に1または2個の(メタ)アクリロイル基を有する珪素原子を含まない化合物(C)、光重合開始剤(D)、並びに、シリコーン化合物(E)を含有する光情報媒体用硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばブルーレイディスクとして用いられる再生専用光ディスク、記録型光ディスク等の光情報媒体に関する。また光情報媒体に使用する硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報記録媒体の分野では高密度化に関して様々な研究が進められている。光ディスクの分野においても、動画が記録できる0.6mm厚の基板を貼り合わせた構造のDVDが普及している。また、デジタルハイビジョン放送が広まるにつれ、さらなる大容量の光ディスクが必要とされている。そこで記録・再生側の基板(光透過層)を0.1mm厚とした高密度光ディスクシステムとして、ブルーレイディスクが実用化されている。この0.1mm厚の光透過層の形成方法として、例えば、液状の紫外線硬化型樹脂をスピンコートし、活性エネルギー線照射により硬化させる方法が知られている。
【0003】
また、光ディスクの読み取りおよび/または書き込みエラーを防ぐことを目的に、光透過層の最表層としてハードコート層を設ける方法が知られており、このハードコート層に使用する為の各種の硬化性組成物が知られている(特許文献1、2)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている硬化性組成物は、硬化物の耐擦り傷性に改善の余地がある。
【0005】
一方、特許文献2に開示されている硬化性組成物も、硬化物の耐擦り傷性に改善の余地があり、あるいは、高粘度であるがゆえに、塗工作業性の点で改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−46049号公報
【特許文献2】特開2008−266519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、耐擦り傷性に優れた光透過層を形成するに好適であるとともに、塗工作業性が良好な、光情報媒体用硬化性組成物を提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、耐擦り傷性に優れた光透過層を有する光情報媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第一の態様について、本発明は、
1分子中に5つ、あるいは、6つの(メタ)アクリロイル基を有する珪素原子を含まない化合物(A)、
1分子中に3つ、あるいは、4つの(メタ)アクリロイル基を有する珪素原子を含まない化合物(B)、
1分子中に1つ、あるいは、2つの(メタ)アクリロイル基を有する珪素原子を含まない化合物(C)、
光重合開始剤(D)、
並びに、
シリコーン化合物(E)
を含有する光情報媒体用硬化性組成物に関する。
【0010】
第二の態様について、光重合開始剤(D)が、α−アミノアルキルフェノン類の光重合開始剤(D−1)を含む、第一の態様に記載の光情報媒体用硬化性組成物に関する。
【0011】
第三の態様について、光重合開始剤(D)が、α−アミノアルキルフェノン類の光重合開始剤(D−1)以外の光重合開始剤(D−2)を含む、第二の態様に記載の光情報媒体用硬化性組成物に関する。
【0012】
第四の態様について、化合物(A)、(B)、及び(C)の合計量100質量部に対して光重合開始剤(D)を8質量部以上20質量部以下含む、第一〜第三の態様のいずれかに記載の光情報媒体用硬化性組成物に関する。
【0013】
第五の態様について、シリコーン化合物(E)が、1分子中に1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する、第一〜第四の態様のいずれかに記載の光情報媒体用硬化性組成物に関する。
【0014】
第六の態様について、第一〜第五の態様のいずれかに記載の光情報媒体用硬化性組成物の硬化物からなる層を有する光情報媒体に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、耐擦り傷性に優れた光透過層を形成するに好適であるとともに、塗工作業性が良好な、光情報媒体用硬化性組成物を提供できる。
【0016】
また本発明によれば、耐擦り傷性に優れた光透過層を有する光情報媒体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の光情報媒体用硬化性組成物は、以下に詳述する化合物(A)、(B)、(C)、(D)および(E)を含む。なお、化合物(A)を(A)成分とも呼ぶ(化合物(B)〜(E)についても同様)。この組成物は、活性エネルギー線硬化性組成物であることができる。
【0018】
[(A)成分]
本発明の硬化性組成物に使用する(A)成分は、1分子中に5つ、あるいは、6つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物であって、珪素原子を含まない化合物である。この(A)成分は、硬化物に良好な耐擦り傷性を付与する。
【0019】
(A)成分の具体例としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及び、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を併用して使用できる。
【0020】
これらの中でも、硬化物の機械物性向上の点で、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0021】
硬化性組成物中の(A)成分の配合量は、樹脂成分合計量基準で、20質量%以上30質量%未満が好ましい。これら各範囲は、硬化物の機械物性の点で意義が有る。
【0022】
ここで樹脂成分とは、
必須成分である(A)成分、(B)成分および(C)成分;
(A)成分、(B)成分、(C)成分および(E)成分以外の重合性成分(任意成分。後に詳述する「その他の重合性成分」。);並びに
樹脂(任意成分。後に詳述する。)
を意味する。すなわち、樹脂成分とは、樹脂と(E)成分以外の重合性成分の総称である。また、樹脂成分合計基準の配合量とは、前記の樹脂成分の合計量を100質量%とし、これを基準に算出したものである。
【0023】
[(B)成分]
本発明の硬化性組成物に使用する(B)成分は、1分子中に3つ、あるいは、4つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物であって、珪素原子を含まない化合物である。この(B)成分は、組成物の液粘度を調節し、硬化物に良好な耐擦り傷性を付与する。
【0024】
(B)成分の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を併用して使用できる。
【0025】
これらの中でも、硬化物の機械物性の点で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0026】
硬化性組成物中の(B)成分の配合量は、樹脂成分合計量基準で、20質量%以上35質量%未満が好ましい。これら各範囲は、組成物の液粘度を低くし、基材への塗布作業性を良好とする点で意義が有る。
【0027】
[(C)成分]
本発明の硬化性組成物に使用する(C)成分は、1分子中に1つ、あるいは、2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物であって、珪素原子を含まない化合物である。この(C)成分は、組成物の液粘度を調節する。
【0028】
(C)成分の具体例としては、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(付加数:n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,13−トリデカンジオールジ(メタ)アクリレートおよび1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−イソブチル−2−メチルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を併用して使用できる。
【0029】
これらの中でも、組成物の硬化性の点で、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0030】
硬化性組成物中の(C)成分の配合量は、樹脂成分合計量基準で、35質量%以上60質量%未満が好ましい。これら各範囲は、硬化物の機械物性の点で意義が有る。
【0031】
[(D)成分]
本発明の硬化性組成物に使用する(D)成分は、光重合開始剤である。この(D)成分は、組成物を活性エネルギー照射により硬化させる成分である。
【0032】
硬化性が良好になる点で、(D)成分としてα−アミノアルキルフェノン類を用いることが好ましい。α−アミノアルキルフェノン類の光重合開始剤((D−1)成分)として、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンが特に好ましい。
【0033】
(D)成分として、α−アミノアルキルフェノン類の光重合開始剤(D−1)以外の光重合開始剤((D−2)成分)を用いることもできる。(D1)成分に加えて(D−2)成分を用いることが、硬化性の観点から好ましい。
【0034】
(D−2)成分の具体例としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンが挙げられる。
【0035】
(D−2)成分の中でも、硬化物の難黄変性の点から、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オンが好ましい。
【0036】
(D)成分は1種を単独で、または2種以上を併用して使用できる。
【0037】
硬化性組成物中の(D)成分の配合量は、樹脂成分合計100質量部に対して、組成物の硬化性および防汚性の点から5質量部以上が好ましく、8質量部以上がより好ましい。また、組成物の硬化物の難黄変性および光透過層の膜厚安定性の点から、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
【0038】
[(E)成分]
本発明の硬化性組成物に使用する(E)成分は、シリコーン化合物である。この(E)成分は、硬化物に防汚性を付与する成分である。
【0039】
(E)成分の具体例としては、ポリジメチルシロキサンを挙げることができる。例えば、東レ・ダウコーニング(株)製のL−77、L−720、L−722、L―7001、L−7002、L―7602、L−7604、L−7605、L―7607N、Y―7006、FZ―2104、FZ−2110、FZ―2161、FZ―2162、FZ―2163、FZ―2164、FZ―2165、FZ―2166およびFZ―2171、ペインタッド29、32、54、57、8142、8417、8388A、8353および8336、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK−302、306、307、320、325、330、331、333、337、344、377、378等(いずれも商品名)が挙げられる。1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するシリコーン化合物としては、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK−UV−3500、BYK−UV−3530及びBYK−UV−3570、degussa製のTEGO rad2100、TEGO rad2200N、TEGO rad2250(いずれも商品名)等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を併用して使用できる。
【0040】
(E)成分として、1分子中に1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するシリコーン化合物が経時で接触角が低下しないため、特に好ましい。
【0041】
硬化性組成物中の(E)成分の配合量は、樹脂成分合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、さらに0.1〜7質量部が好ましい。これら各範囲は、防汚性発現の点で意義が有る。
【0042】
[(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の樹脂成分]
本発明の硬化性組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(E)成分以外の重合性成分(以下、「その他の重合性成分」と称す)を含んでもよい。その他の重合性成分としては、ラジカル重合性化合物などが挙げられる。その他の重合性成分の具体例としては、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル類の化合物、1分子中に7つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物などを挙げることができる。また、本発明の硬化性組成物には、樹脂を含んでもよい。ここで樹脂とは、ビニル系単量体の単体、または混合物を(共)重合して得られる高分子量体を意味する。このような樹脂の具体例としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。硬化性組成物において、(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の樹脂成分は任意成分であるが、含む場合の配合量は、樹脂成分合計量基準で10質量%以下が好ましい。
【0043】
[他の成分(添加剤)]
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、(A)〜(E)成分に加えて、他の成分(添加剤)を適宜配合できる。他の成分の具体例としては、熱重合開始剤、酸化防止剤、光安定剤、光増感剤、熱可塑性樹脂、前記(E)成分以外のスリップ剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等の添加剤が挙げられる。他の成分(添加剤)の配合量は特に限定されないが、硬化性の観点から、樹脂成分合計100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
【0044】
以上の各成分を配合した本発明の硬化性組成物は、光情報媒体の製造に使用するものである。具体的には、光情報媒体を構成する層の最表面(典型的には光透過層)を、この組成物を硬化して形成することができる。
【0045】
硬化性組成物中にダストやゲル物等の異物が存在すると、その硬化物からなる層を有する光情報媒体において読み取りまたは書き込みエラーが生じる場合がある。したがって、予め異物を除去する為に、ろ過フィルターを用いて硬化性組成物をろ過することが好ましい。例えば、好ましくは5μm以上、より好ましくは1μm以上の異物を除去できるろ過フィルターを使用すると良い。ろ過フィルターの素材としては、例えば、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロンが挙げられる。
【0046】
また、光情報媒体の光透過層等の層に気泡が存在すると、これが読み取りまたは書き込みエラーの原因となる場合がある。したがって、予め硬化性組成物を脱気することが好ましい。例えば、真空、超音波振動若しくは遠心回転条件下、またはその組み合わせの条件下において脱気を行えば良い。
【0047】
この硬化性組成物を、例えば、支持基体上に形成された情報記録層の上に塗布し、その塗膜を硬化させることにより、情報記録層上に本発明の硬化性組成物の硬化物からなる層(以下、「硬化物層」と称す)を形成できる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ブラシコート法等の公知の方法を用いることができる。塗膜の厚さに関しては、その硬化物層が後述の厚さになるように塗布することが好ましい。この塗膜は、活性エネルギー線の照射により硬化できる。活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、X線、紫外線、可視光線が挙げられる。活性エネルギー線を照射する際の雰囲気は、空気中または窒素、アルゴン等の不活性ガス中の何れでも良い。ただし、製造コストの点から空気中での照射が好ましい。
【0048】
硬化性組成物の硬化反応に関して、その反応率は90%以上が好ましく、93%以上がより好ましく、95%以上が特に好ましい。これらの範囲は、層中に残存する未反応の(メタ)アクリレート類や光重合開始剤等の成分が高温高湿条件下で経時的に揮発することを抑制し、硬化物層の層厚変化を防止する点で意義が有る。高い反応率にする為の活性エネルギー線の照射条件は、例えば、活性エネルギー線として紫外線を使用した場合、積算光量を500mJ/cm2以上、好ましくは1,000mJ/cm2以上、より好ましくは2,000mJ/cm2以上とすることである。硬化性組成物の反応率を測定する方法としては、例えば、赤外分光法により(メタ)アクリロイル基の残存量を測定する方法が挙げられる。
【0049】
この硬化物層は、例えば、光情報媒体の光入射側に形成される光透過層である。光透過層は光情報媒体の表面保護層であり、かつ情報記録層へ照射される光を透過する層である。光透過層は1層でも2層以上でもよく、例えば、高密度光ディスクシステムでは、情報記録層の光入射側に形成される記録面保護層と光入射側の最表面に形成されるハードコート層との2層とすることができる。ハードコート層の層厚は、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜20μm、特に好ましくは1.5〜10μmである。これら範囲の各下限値は、光情報媒体の表面保護の点で意義が有る。また各上限値は、光情報媒体の反り抑制の点で意義が有る。
【0050】
これらの硬化物層を形成する際に、硬化性組成物の粘度を適宜調整することもできる。粘度は、例えばE型粘度計を用いて測定することができる。例えば、5μm厚の光透過層を形成する場合は、硬化性組成物の25℃における粘度は100mPa・s以下が好ましく、5〜80mPa・sがより好ましい。粘度は、例えば(B)成分や(C)成分の配合量により調節することができる。
【0051】
光情報媒体は、例えば、支持基体上に情報記録層を有し、この情報記録層上に光透過層を有する構造を具備する。この光透過層を通して記録光または再生光が入射し、情報記録層に情報が記録され、情報記録層の情報が読み出される。
【0052】
光情報媒体の情報記録層を構成する材料は特に限定されず、読み取り専用型媒体、相変化型記録媒体、ピット形成タイプ記録媒体、光磁気記録媒体等に適用可能な材料を必要に応じて使用すれば良い。例えば、Au、Ag、Ag・Pd・Cu合金、Ag・In・Te・Sb合金、Ag・In・Te・Sb・Ge合金、Sb・Te合金、Tb・Fe・Co合金、色素を使用できる。また、情報記録層の少なくとも一方の面に、情報記録層の保護やレーザー光の反射率を変化させる等の光学的効果を目的として、SiN、ZnS、SiO2等の誘電体層を設けても良い。
【0053】
光情報媒体の支持基体としては、例えば、金属、ガラス、セラミックス、紙、木材、プラスチック等の材料やこれらの複合材料を使用できる。特に、従来の光ディスク製造プロセスを利用できる点から、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が好適である。
【0054】
上述の構成により、耐擦り傷性に優れた光透過層を形成するに好適であるとともに、塗工作業性が良好な、光情報媒体用硬化性組成物を提供することができる。さらには、光情報媒体の光透過層には、指紋等の汚れが付着しにくく、また、汚れが付着した場合でも容易に除去することが可能な防汚性や、経時安定性が求められることがあることから、さらに防汚性に優れた光透過層を形成するに好適な光情報媒体用硬化性組成物を提供することも可能となる。
【0055】
また、上述の構成により、耐擦り傷性に優れた光透過層を有する光情報媒体を提供することができる。さらには、防汚性や経時安定性に優れた光透過層を有する光情報媒体を提供することも可能となる。
【実施例】
【0056】
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。以下の記載中「部」は「質量部」を意味する。実施例の評価項目およびその評価方法を以下に示す。
【0057】
(1)粘度(単位:mPa・s):
硬化性組成物の粘度を、E型粘度計(商品名:TVE−20、東機産業(株)製)を用いて25℃で測定した。判定は、塗工作業性が良好となる100mPa・s以下を基準に行った。
「○」:100mPa・s以下。
「×」:100mPa・sを上回る。
【0058】
(2)耐擦り傷性:
まず、ポリカーボネート樹脂(飽和吸水率0.15質量%)を射出成型して光ディスク状の透明鏡面基板(直径12cm、板厚1.1mm)を得た。次いで、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下で、透明鏡面基板上に硬化性組成物をスピンコーターを用いて塗布した。次いで、塗布面の上方より、UVランプ(商品名:Dバルブランプ、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製)を用いて、積算光量1000mJ/cm2のエネルギー量で紫外線を照射し、塗膜を硬化させて、平均層厚がほぼ3μmの硬化物層を有する評価用光ディスクを得た。なお、紫外線の積算光量は、紫外線光量計(商品名:UV−350、オーク(株)製にて測定)を用いて測定した。JIS K−7204に準拠し、摩耗輪CS−10F、荷重500g、回転数100サイクルの条件で評価用光ディスクの光透過層に耐擦り傷テストを行った後、評価用光ディスクを中性洗剤で洗浄し、JIS K−7105に準拠するヘイズメーター(商品名:ヘイズメーターHM−65W、村上色彩技術研究所社製)で曇価を測定した。判定は、光透過層が充分な硬度を持つ曇価が10以下を基準に行った。
「○」:曇価が10以下。
「×」:曇価が10を上回る。
【0059】
(3)水接触角
前記「(2)耐擦り傷性」の評価法に記載の方法に従って作製した評価用光ディスクについて、光透過層の表面に、23℃、相対湿度50%の環境下において、純水1.0μLを1滴滴下し、接触角計(商品名:DropMaster500、協和界面科学社製)で初期接触角(°)を測定した。
【0060】
上述のようにして水接触角を測定した評価用光ディスクを、80℃、相対湿度85%の環境下に100時間放置後、23℃、相対湿度50%の環境下に48時間静置し、前述のようにして加速試験後接触角を測定し、初期接触角と加速試験後接触角の差を算出した。判定は、接触角の差が3°以上を基準に行った。
「○」:初期接触角と加速試験後接触角の差が3°未満。
「×」:初期接触角と加速試験後接触角の差が3°以上。
【0061】
(4)トリオレイン接触角
前記「(2)耐擦り傷性」の評価法に記載の方法に従って作製した評価用光ディスクについて、光透過層の表面に、23℃、相対湿度50%の環境下において、トリオレイン1.0μLを1滴滴下し、接触角計で初期接触角(°)を測定した。
【0062】
上述のようにしてトリオレイン接触角を測定した評価用光ディスクを、80℃、相対湿度85%の環境下に100時間放置後、23℃、相対湿度50%の環境下に48時間静置し、前述のようにして加速試験後接触角を測定し、初期接触角と加速試験後接触角の差を算出した。判定は、接触角の差が3°以上を基準に行った。
「○」:初期接触角と加速試験後接触角の差が3°未満。
「×」:初期接触角と加速試験後接触角の差が3°以上。
【0063】
(5)耐マジック付着性
前記「(2)耐擦り傷性」の評価法に記載の方法に従って作製した評価用光ディスクについて、光透過層に油性マジックマーカー(ゼブラ製、商品名「マッキー極細(黒)」の細)で線を描いた後、30秒後の油性マジックマーカーのインクを観察した。判定は、インクがはじいているかを基準に行った。
「○」:はじいている。
「×」:はじいていない。
【0064】
また、UVランプによる紫外線照射に替えて、キセノンフラッシュ照射装置(商品名:クセノンフラッシュ照射装置FUV−201WJ02、ウシオ電機社製)を用いて、電圧2880Vで、10ショットのショット数で照射する以外は、前記「(2)耐擦り傷性」の評価法に記載の方法に従って作製した評価用光ディスクについても、同様の試験を行った。
【0065】
(6)耐マジック拭き取り性
前記「(2)耐擦り傷性」の評価法に記載の方法に従って作製した評価用光ディスクについて、光透過層に油性マジックマーカー(ゼブラ製、商品名「マッキー極細(黒)」の細)で線を描いた後、10秒後、インクをBEMCOT M−3 II(旭化成せん
い社製)で拭き取った。拭き取ることができた場合、繰り返し試験を行った。判定は、インクを拭き取ることができた回数を基準に行った。
「◎」:2回以上拭き取ることができる。
「○」:1回拭き取ることができる。
「×」:拭き取ることができない。
【0066】
また、UVランプによる紫外線照射に替えて、キセノンフラッシュ照射装置を用いて、電圧2880Vで、10ショットのショット数で照射する以外は、前記「(2)耐擦り傷性」の評価法に記載の方法に従って作製した評価用光ディスクについても、同様の試験を行った。
【0067】
[実施例1]
(1)硬化性組成物の調製:
(A)成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを20部、
(B)成分としてペンタエリスリトールトリアクリレートを25部、
(C)成分としてテトラエチレングリコールジアクリレートを35部、および、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを20部、
(D−1)成分として2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンを8部、
(E)成分としてビックケミー・ジャパン(株)製BYK−UV−3570(商品名、分子鎖末端アクリロイル基数4のポリジメチルシロキサン70%、PO変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート30%)を1.4部、
を混合溶解し、ろ過精度1μmのフィルターでろ過し、1.3×104Paで脱気して、硬化性組成物を得た。
【0068】
(2)評価用光ディスクの作製:
上記(1)で調製した硬化性組成物を用い、前記「(2)耐擦り傷性」の評価法に記載の方法に従って、平均層厚がほぼ3μmの硬化物層を有する評価用光ディスクを作製した。得られた硬化性組成物および評価用光ディスクの評価結果を表1に示す。
【0069】
[実施例2〜12および比較例1〜4]
各例において、表1もしくは表2に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして評価用光ディスクを作製し、評価した。評価結果を表1もしくは表2に示す。
【0070】
実施例では、粘度が100mPa・s以下であるので塗工作業性に優れており、曇価が10以下であるので耐擦り傷性に優れていた。さらに、(D)成分としてα−アミノアルキルフェノン類の光重合開始剤(D−1)を用いた実施例では、硬化性が向上するのでキセノンフラッシュで硬化させた場合でも防汚性の指標である耐マジック付着性および耐マジック拭き取り性に優れていた。また、(E)成分として1分子中に1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するシリコーン化合物を用いた実施例では、加速試験前後の水接触角の差およびトリオレイン接触角の差が少なく経時安定性に優れていた。
【0071】
(B)成分を含まない比較例1では、粘度が100mPa・sを超えていたので、塗工作業性が劣っていた。(A)成分を含まない比較例2では、曇価が10を超えていたので、耐擦り傷性が劣っていた。(C)成分を含まない比較例3では、粘度が100mPa・sを超えていたので、塗工作業性が劣っていた。(B)成分を含まない比較例4では、曇価が10を超えたていたので、耐擦り傷性が劣っていた。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
各表中の略号は、以下の化合物を示す。
・「DPHA」:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・「PETA」:ペンタエリスリトールトリアクリレート
・「TMPTA」:トリメチロールプロパントリアクリレート
・「TEGDA」:テトラエチレングリコールジアクリレート
・「HDDA」:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
・「2HPA」:2−ヒドロキシプロピルアクリレート
・「THFA」:テトラヒドロフルフリルアクリレート
・「Irg.907」:2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン
・「Irg.379」:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
・「HCPK」:1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン
・「Irg.127」:2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン
・UV3570:ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−UV−3570(商品名、分子鎖末端アクリロイル基数4のポリジメチルシロキサン70%、PO変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート30%)
・BYK378:ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−378(商品名、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1分子中に5つ、あるいは、6つの(メタ)アクリロイル基を有する珪素原子を含まない化合物(A)、
1分子中に3つ、あるいは、4つの(メタ)アクリロイル基を有する珪素原子を含まない化合物(B)、
1分子中に1つ、あるいは、2つの(メタ)アクリロイル基を有する珪素原子を含まない化合物(C)、
光重合開始剤(D)、
並びに、
シリコーン化合物(E)
を含有する光情報媒体用硬化性組成物。
【請求項2】
光重合開始剤(D)が、α−アミノアルキルフェノン類の光重合開始剤(D−1)を含む、請求項1に記載の光情報媒体用硬化性組成物。
【請求項3】
光重合開始剤(D)が、α−アミノアルキルフェノン類の光重合開始剤(D−1)以外の光重合開始剤(D−2)を含む、請求項2に記載の光情報媒体用硬化性組成物。
【請求項4】
シリコーン化合物(E)成分以外の重合性成分及び樹脂の合計量100質量部に対して光重合開始剤(D)を8質量部以上20質量部以下含む、請求項1〜3のいずれかに記載の光情報媒体用硬化性組成物。
【請求項5】
シリコーン化合物(E)が、1分子中に1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の光情報媒体用硬化性組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項記載の光情報媒体用硬化性組成物の硬化物からなる層を有する光情報媒体。

【公開番号】特開2012−248246(P2012−248246A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117971(P2011−117971)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】