説明

光情報記録媒体、記録装置及び記録方法、再生装置及び再生方法、並びに偽造防止システム、承認端末及び情報再生端末

【課題】記録容量を増大させ得、さらに主データ及び副データの双方が記録された光情報記録媒体、副データを記録することができる記録装置、主データの偽造を抑制し得る偽造防止システム、暗号情報を記録し得る承認端末等を提供する。
【解決手段】2光子吸収反応が生じるフォトクロミック材料等の記録材料を用い、記録光ビームL1aに応じて吸収変化領域RAを形成し、記録光ビームL1bに応じて屈折率変調領域RBを形成するという光情報記録媒体の特性を利用し、吸収変化領域RAと屈折率変調領域RBとを記録マークRMとして組み合わせることにより、主データと副データとの双方を記録マークRMとして、光情報記録媒体に記録する。さらに副データとして暗号情報を生成する暗号生成部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光情報記録媒体、記録装置及び記録方法、再生装置及び再生方法、並びに偽造防止システム、承認端末及び情報再生端末に関し、例えば光ビームの照射により情報を記録光情報記録媒体に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光情報記録媒体としては、円盤状の光ディスクを光情報記録媒体が広く普及しており、光ディスクとして、一般にCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等が用いられている。
【0003】
一般的に、これら従来型の光ディスクでは、凹凸を形成したりや反射率を変化させることにより、光ビームを反射させる信号記録面に記録マークとして記録情報としての主データを記録するようになされている。これらの光ディスク装置の中には、記録マークが形成される記録トラック上に反射率の異なる符号マークを重畳して形成することにより、暗号情報としての副データを記録するようになされたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
ところで光ディスクを記録又は再生する光ディスク装置では、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報を光ディスクに記録するようになされている。特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光ディスクに記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光ディスクのさらなる大容量化が求められている。
【0005】
そこで、光情報記録媒体を大容量化する手法の一つとして、2光子吸収によって記録マークを形成する材料を用い、ピークパワーの高いレーザ光源を用いて、光情報記録媒体の厚さ方向に、3次元的に情報を記録するようになされた光情報記録媒体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第354410号公報
【特許文献2】特開2005−37658公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献2に記載の光ディスク装置では、主データのみを記録又は再生する方法について提案されているものの、従来型の光ディスク装置のように副データを記録する方法や主データ及び副データの双方が記録された光情報記録媒体から主データを再生する方法については提案されていない。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、主データ及び副データの双方が記録された光情報記録媒体、副データを記録することができる記録装置及び記録方法、主データ及び副データの双方が記録された光情報記録媒体から主データを再生することができる再生装置及び再生方法、並びに上記光情報記録媒体における主データの偽造を抑制し得る偽造防止システム、暗号情報を記録し得る承認端末及び記録情報及び暗号情報の双方が記録された光情報記録媒体から記録情報を再生し得る情報再生端末を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の光情報記録媒体においては、周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域及び当該吸収変化領域から屈折率の変調された屈折率変調領域として主データが記録され、屈折率変調領域として主データとは異なる副データが記録された記録層を設けるようにした。
【0009】
これにより、光情報記録媒体では、主データに対して副データを重畳して記録することができる。
【0010】
また本発明の記録装置及び記録方法においては、重畳記録光を出射し、光情報記録媒体に記録され、重畳記録光に対する光吸収率が周囲から変化した吸収変化領域を検出し、吸収変化領域が表す主データとは異なる副データと検出部による検出結果に応じて、吸収変化領域の一部に対して重畳記録光を出射するよう、当該吸収変化領域に対し重畳記録光を照射するようにした。
【0011】
これにより、記録装置及び記録方法では、主データに対して副データを重畳して記録することができる。
【0012】
さらに本発明の再生装置及び再生方法においては、読出光を出射する光源と、周囲から光吸収率が変化した吸収変化領域及び当該吸収変化領域から屈折率が変調された屈折率変調領域が形成された光情報記録媒体に対して読出光を照射する光照射部と、吸収変化領域及び屈折率変調領域によって読出光が変調されてなる変調光を受光する受光部と、変調光に基づいて吸収変化領域及び屈折率変調領域の双方によって表される主データを再生する再生部とを設けるようにした。
【0013】
これにより再生装置及び再生方法においては、主データに対して副データが重畳して記録された光情報記録媒体から主データを再生することができる。
【0014】
さらに本発明の偽造防止システムでは、暗号情報を生成する暗号情報生成部と、光情報記録媒体において記録情報を表し周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域上に記録光を照射し、吸収変化領域から屈折率が変調されてなる屈折率変調領域を形成することにより、当該吸収変化領域上に暗号情報を重畳する暗号情報重畳部と、暗号情報に対応する鍵情報を生成する鍵情報生成部とを具える承認端末と、鍵情報を取得する鍵情報取得部と、暗号情報の重畳された光情報記録媒体において記録されている暗号情報が鍵情報と対応する場合には記録情報を再生する一方、暗号情報が鍵情報と対応しない場合には記録情報を再生しない再生部とを具える情報再生端末とを設けるようにした。
【0015】
これにより偽造防止システムでは、暗号情報と鍵情報とが一致する場合のみ記録情報を再生させることができ、光情報記録媒体の偽造の困難性を向上させて当該光情報記録媒体の偽造を抑制することができる。
【0016】
さらに本発明の承認端末では、暗号情報を生成する暗号情報生成部と、光情報記録媒体において記録情報を表し周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域上に記録光を照射し、吸収変化領域から屈折率が変調されてなる屈折率変調領域を形成することにより、当該吸収変化領域上に暗号情報を重畳する暗号情報重畳部と、暗号情報に対応する鍵情報を生成する鍵情報生成部とを設けるようにした。
【0017】
これにより承認端末では、記録情報に対して暗号情報を重畳して記録することができる。
【0018】
さらに本発明の情報再生端末では、光情報記録媒体において記録情報として記録され周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域上に記録光が照射され、吸収変化領域から屈折率が変調されてなる屈折率変調領域が形成されることにより重畳された暗号情報に対応する鍵情報を取得する鍵情報取得部と、暗号情報の重畳された光情報記録媒体において記録されている暗号情報が鍵情報と対応する場合には記録情報を再生する一方、暗号情報が鍵情報と対応しない場合には記録情報を再生しない再生部とを設けるようにした。
【0019】
これにより情報再生端末では、記録情報に対して暗号情報が重畳して記録された光情報記録媒体から記録情報を再生することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、主データに対して副データを重畳して記録することができ、かくして主データ及び副データの双方が記録された光情報記録媒体、副データを記録することができる記録装置及び記録方法を実現し得る。
【0021】
また本発明によれば、主データに対して副データが重畳して記録された光情報記録媒体から主データを再生することができ、かくして主データ及び副データの双方が記録された光情報記録媒体から主データを再生することができる再生装置及び再生方法を実現し得る。
【0022】
さらに本発明によれば、暗号情報と鍵情報とが一致する場合のみ記録情報を再生させることができ、光情報記録媒体の偽造の困難性を向上させて当該光情報記録媒体の偽造を抑制することができ、かくして光情報記録媒体における記録情報の偽造を抑制し得る偽造防止システムを実現し得る。
【0023】
また本発明によれば、記録情報に対して暗号情報を重畳して記録することができ、かくして暗号情報を記録し得る承認端末を実現し得る。
【0024】
さらに本発明によれば、記録情報に対して暗号情報が重畳して記録された光情報記録媒体から記録情報を再生することができ、かくして記録情報及び暗号情報の双方が記録された光情報記録媒体から記録情報を再生し得る情報再生端末を実現し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0026】
(1)原理
一般的に対物レンズの開口数をNA、光ビームの波長をλとすると、光ビームが集光されるときのスポット径dは、以下の式によって表される。
【0027】
【数1】

【0028】
すなわち同一の対物レンズを用いる場合、開口数NAが一定となるためスポット径dは光ビームの波長λに比例することになる。
【0029】
図1に示すように、集光された光ビームの強度は焦点Fb付近で最も大きくなり、焦点Fbから離隔するほど小さくなる。例えば1光子吸収によって例えば屈折率が変調されてなる記録マークRMを形成する一般的な光情報記録媒体の場合には、1光子を吸収することにより光反応が生じるため、光強度に比例して光反応が生じる。このため光情報記録媒体では、記録光ビームL1における所定の強度以上となる領域に記録マークRMが形成される。なお図1ではスポット径dと同一サイズの記録マークRMが形成された場合を示している。
【0030】
これに対して2光子吸収の場合、同時に2光子を吸収したときにのみ反応が生じるため、光強度の2乗に比例して2光子吸収反応が生じる。このため本実施の形態による光情報記録媒体100では、図2に示すように、記録光ビームL1において光強度の非常に大きい焦点Fb近傍にのみ記録マークRMとしての屈折率変調領域RBが形成される。
【0031】
この屈折率変調領域RBは、記録光ビームL1のスポット径dと比して小さいサイズとなり、その直径daも小さくなる。このため光情報記録媒体100では、高密度で記録マークRMを形成させることにより記録容量の大容量化が可能となる。
【0032】
ところで2光子吸収材料の中には、2光子吸収反応によって化学変化を引き起こし、その光吸収特性を変化させる化合物(以下、これを光特性変化材料と呼ぶ)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】A. Toriumi and S. Kawata, Opt.Lett /Vol. 23, No.24, 1998, 1924-1926
【0033】
この光特性変化材料では、例えば図3(A)の発光波形WLに示すように、本来吸収しない波長の記録光ビームL1が大きな光強度で一定の照射時間に亘って照射されると、図3(B)に示すように、2光子吸収反応によって当該光特性変化材料の光吸収が変化し、記録光ビームL1によるスポットPよりも小さな吸収変化領域RAを形成する。この吸収変化領域RAでは、光特性変化材料の光吸収の変化により、当該記録光ビームL1を吸収して発熱を生じることになる。なお発光波形WLにおける矢印は、記録光ビームL1の照射の様子を示す上図の時点を表している。
【0034】
すなわち2光子特性変化材料は、図3(C)に示すように、そのまま記録光ビームL1が照射され続けることにより、記録光ビームL1を吸収して熱を発生し、熱反応による屈折率変調や空洞の形成により記録マークRMとしての屈折率変調領域RBを形成することができる。
【0035】
本発明では、図4(B)の発光波形WLに示すように、非常に大きな光強度でなる記録光ビームL1aを短時間に亘って照射することにより、2光子吸収反応によって吸収変化領域RA(図4(A))を形成する。
【0036】
この吸収変化領域RAでは、情報再生用の読出光ビームL2が照射されると、図4(C)に示すように、当該読出光ビームL2を吸収し、光情報記録媒体を通過した当該読出光ビームL2(以下、これを透過光ビームL3と呼ぶ)の光量を減少させることになる。
【0037】
そこで光再生装置は、光情報記録媒体に対して読出光ビームL2を照射すると共に、透過光ビームL3の光量変化に応じた再生信号SRFを生成し、当該再生信号SRFから吸収変化領域RAの有無を検出することにより、情報の再生を行うことができる。言い換えると光情報記録媒体は、記録マークRMとして吸収変化領域RAを形成することにより、情報を記録することが可能となる。
【0038】
また図5に示すように吸収変化領域RAでは、図5(B)の発光波形WLに示すように、比較的大きな光強度でなる記録光ビームL1bが所定の照射時間に亘って照射されることにより、熱反応によって屈折率変調領域RB(図5(A))に変化する。従って屈折率変調領域RBでは、情報再生用の読出光ビームL2が照射されると、周囲との屈折率の差異によって当該読出光ビームL2を反射し、透過光ビームL3の光量を減少させることになる。
【0039】
そこで光再生装置では、光情報記録媒体に対して読出光ビームL2を照射すると共に、透過光ビームL3の光量変化に応じた再生信号SRFを生成し、当該再生信号SRFから屈折率変調領域RBの有無を検出することにより、情報の再生を行うことができる。言い換えると光情報記録媒体は、記録マークRMとして屈折率変調領域RBを形成することにより、情報を記録することが可能となる。
【0040】
すなわち本発明では、例えば図6(A)及び(B)に示すように、予め主データを吸収変化領域RAとして光情報記録媒体に記録しておく。そして本発明では、図6(C)に示すように、この吸収変化領域RAの一部に屈折率変調領域RBを形成することにより、主データに重畳して副データを記録し得るようになされている。
【0041】
(2)偽造防止システムの構成
図7に示すように、本実施の形態による偽造防止システムは、例えば社内文書の保存などに使用されることが想定されている。すなわち偽造防止システムは、情報記録端末2により、主データとして光情報記録媒体100に記録すべき文書などの記録情報RIを記録する。これは文書作成者などが文書を光情報記録媒体100に記録することに該当する。
【0042】
そして偽造防止システムでは、承認端末3により、副データとして当該記録情報RIを承認したことを表す暗号情報CIを記録する。これは部長や役員などの文書承認者が文書を承認することに該当する。
【0043】
具体的に偽造防止システムでは、まず情報記録端末2によって光情報記録媒体100に記録情報RIを記録する。このとき情報記録端末2は、2光子吸収反応によって吸収変化領域RAを形成することにより、記録情報RIを光情報記録媒体100に記録する。なお光情報記録媒体100には、固有の識別番号が付加され当該識別番号が光情報記録媒体100に記録される。
【0044】
次いで偽造防止システムでは、承認端末3によって光情報記録媒体100に暗号情報CIを記録する。これにより記録情報RIの記録された光情報記録媒体100は、正式な記録情報RIが記録されたものと承認されることになる。
【0045】
このとき承認端末3は、熱反応によって吸収変化領域RAの一部を屈折率変調領域RBに変化させることにより、暗号情報CIを光情報記録媒体100に記録する。さらに承認端末3は、暗号情報CIに対応する鍵情報KIを生成する。この鍵情報KIは、光情報記録媒体100の識別番号と対応付けられた状態で、当該光情報記録媒体100とは別々に保存される。
【0046】
この暗号情報CIは、例えば承認端末3が暗号情報CIを記録するときの日時や当該承認端末3の識別番号IDなどに基づいて生成され、同一パターンのものが生成され得ないようになされている。すなわち同一の記録情報RIが記録された光情報記録媒体100であっても、異なる承認端末3a及び3bによってそれぞれ承認された場合には、異なる暗号情報CIが記録されることになる。
【0047】
そして図8に示すように、偽造防止システムでは、情報再生端末4により、光情報記録媒体100及び当該光情報記録媒体100に対応付けられた鍵情報KIを用いて記録された記録情報RIを再生する。
【0048】
このとき情報再生端末4は、光情報記録媒体100に記録された暗号情報CIと鍵情報KIとが対応するものである場合、記録情報RIを再生することができる。これに対して情報再生端末4は、光情報記録媒体100に記録された暗号情報CIと鍵情報KIとが対応しないものである場合、記録情報RIを再生することができないようになされている。
【0049】
すなわち偽造防止システムでは、鍵情報KIと暗号情報CIとが対応するか否かによって当該光情報記録媒体100が承認済みの正当なものであるか否かを判別し得るようになされている。
【0050】
これにより偽造防止システムでは、例えば光情報記録媒体100が偽造され、承認済みの光情報記録媒体100とすり替えられた場合に、当該偽造された光情報記録媒体100が承認されていないものであることを検出することができる。この結果偽造防止システムでは、光情報記録媒体100の偽造の困難性を向上させることができるため、当該光情報記録媒体100の偽造を抑制し得るようになされている。
【0051】
(3)光情報記録媒体の構成
図9(A)及び(B)に示すように、光情報記録媒体100は、全体として円板状でなり、中心部分にチャッキング用の孔部100Hが設けられている。光情報記録媒体100は、基板102及び103の間に記録層101を形成することにより、全体として情報を記録するメディアとして機能するようになされている。
【0052】
基板102及び103はガラスやポリカーボネイトなどの光学材料でなり、光を高い割合で透過させるようになされている。基板102及び103の厚さt2及びt3は、0.05[mm]〜1.2[mm]の範囲から適宜選択することができる。この厚さt2及びt3は、同一の厚さであっても異なっていても良い。
【0053】
記録層101は主成分となるバインダー樹脂に対し、記録光ビームL1aの2光子吸収による化学構造の変化によりその光吸収特性を変化させ、この結果記録光ビームL1bを吸収して発熱する特性を有する光特性変化材料が分散されてなる。
【0054】
具体的に光特性変化材料としては、一般的な2光子吸収材料や光に応じて化学構造を変化させるフォトクロミック材料などを用いることができる。具体的に2光子吸収材料としては、シアニン色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、スクアリウム色素、アゾ色素、及びフタロシアニン色素など種々の有機色素又は各種無機結晶などを用いることができる。
【0055】
またフォトクロミック材料としては、アゾベンゼン類、スピロピラン類、スピロオキサジン類又はジアリールエテン類などが好適に用いられ、例えば非特許文献2に記載の1,2-bis(2-methylbenzo[b]thiophen-3-yl)perfluorocyclopenteneなどが特に好適に用いられる。

【0056】
バインダー樹脂としては、光ビームに対する透過率の高い各種樹脂材料を用いることができる。例えば熱によって軟化する熱可塑性樹脂や、光による架橋又は重合反応によって硬化する光硬化型樹脂、熱による架橋または重合反応によって硬化する熱硬化型樹脂などを用いることができる。
【0057】
なお樹脂材料としては特に限定されないが、耐候性や光透過率などの観点から、PMMA(Polymethylmethacrylate)樹脂や、ポリカーボネイト樹脂などが用いられることが好ましい。またバインダー樹脂に対して各種添加剤が添加されても良い。
【0058】
記録層101は、光特性変化材料の発熱に応じて屈折率変調を生じるようになされている。この屈折率変調は、例えば化学変化による局所的な屈折率の変化や、含有する気化材料が気化することによる空洞の形成などが挙げられる。記録層101は、光特性変化材料が熱反応によってさらに化学変化することにより屈折率変調を生じさせても良く、バインダー樹脂又は当該バインダー樹脂に添加された添加剤が化学変化することにより屈折率変調を生じさせても良い。
【0059】
例えばバインダー樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合、加熱した熱可塑性樹脂に光特性変化材料を添加し、混練機で混練することによりバインダー樹脂に光特性変化材料を分散させる。
【0060】
そして光特性変化材料が分散されたバインダー樹脂を基板103上に展開し、冷却させることにより記録層101を作製した後、例えばUV接着剤を用いて基板102を記録層101に接着することにより光情報記録媒体100を作製することができる。
【0061】
また熱可塑性樹脂を有機溶剤などで希釈する場合(以下、この熱可塑性樹脂を溶剤希釈型樹脂と呼び、加熱により成型する熱可塑性樹脂と区別する)には、予め光特性変化材料を有機溶剤に溶解又は分散してから当該有機溶剤に溶剤希釈型樹脂を溶解させたり、有機溶剤で希釈した溶剤希釈型樹脂に光特性変化材料を添加して攪拌することによりバインダー樹脂に光特性変化材料を分散させる。
【0062】
そして光特性変化材料が分散されたバインダー樹脂を基板103上に展開し、加熱乾燥させることにより記録層101を作製した後、例えばUV接着剤を用いて基板102を記録層101に接着することにより光情報記録媒体100を作製することができる。
【0063】
さらにバインダー樹脂として熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いる場合、未硬化の樹脂材料に光特性変化材料を添加して攪拌することによりバインダー樹脂に光特性変化材料を分散させる。
【0064】
そして光特性変化材料が分散されたバインダー樹脂を基板103上に展開し、未硬化の記録層101に対して基板103が載置された状態で光硬化又は熱硬化させることにより光情報記録媒体100を作製することができる。
【0065】
光情報記録媒体100では、上述したように記録マークRMとして、2光子吸収反応による吸収変化領域RAと当該吸収変化領域RAにおける熱反応による屈折率変化領域RBの双方を形成するようになされている。
【0066】
記録層101は、光強度の非常に大きい記録光ビームL1(すなわち記録光ビームL1a)が当該記録層101内に照射されると、2光子吸収反応により光特性変化材料の化学構造を変化させ、当該記録光ビームL1と同一波長でなる光を吸収するを吸収する吸収変化領域RAを形成する。記録層101は、当該吸収変化領域RAに対してさらに光強度の比較的大きい記録光ビームL1(すなわち記録光ビームL1b)が照射されると、当該吸収変化領域RAにおける発熱に応じて屈折率変化領域RBを形成する。
【0067】
このとき光情報記録媒体100は、回転されながら記録光ビームL1a及びL1bが照射されることにより、螺旋状又は同心円状に記録マークRMがほぼ線上に配置されるトラックTRを形成する。
【0068】
またこのようにして形成された記録マークRMは、光情報記録媒体100(図9(B))の第1面100A等の各面とほぼ平行な平面状に配置され、当該記録マークRMによる複数のマーク層Yを形成する。
【0069】
一方、光情報記録媒体100は、情報の再生時には、例えば第1面100A側から目標位置PG(すなわち光ビームが照射されるべき位置)に対して読出光ビームL2が集光される。ここで焦点FMの位置(すなわち目標位置PG)に記録マークRM(吸収変化領域RA又は屈折率変調領域RBのいずれか)が形成されている場合、当該読出光ビームL2が記録マークRMによって吸収若しくは反射され、透過光ビームL3の光量が減少する。
【0070】
光情報記録媒体100は、透過光ビームL3の光量を検出させることにより、当該透過光ビームL3を基に記録マークRMの有無を検出させ得るようになされている。
【0071】
このように光情報記録媒体100は、2光子吸収反応が生じた部分に吸収変化領域RAを、2光子吸収反応と熱反応との両方が生じた部分に屈折率変調領域RBを形成する。これにより光情報記録媒体100は、吸収変化領域RAと屈折率変調領域RBとによって主データ及び副データの2種類の情報を記録し得るようになされている。
【0072】
(4)吸収変化領域の形成による主データの記録
図10に示すように、情報記録端末2はシステムコントローラ21を中心に構成されている。システムコントローラ21は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、各種プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークメモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とによって構成されている。
【0073】
システムコントローラ21は、光情報記録媒体100に主データを記録する場合、光記録装置23を制御することにより、当該光記録装置23に装填された光情報記録媒体100に主データとしての記録情報RIを記録するようになされている。
【0074】
システムコントローラ21は、図示しない操作部を介したユーザの操作入力に応じて、主データを記録する旨の記録要求が供給されると、ROMやハードディスクドライブでなるデータ保持部22から主データを表す記録情報RIを読出して光記録装置23の制御部51に供給する。
【0075】
またシステムコントローラ21は、CPU構成でなる制御部51を制御し、主データ記録処理を実行させる。具体的に制御部51は、光駆動制御部52を介してスピンドルモータ55を回転駆動させ、ターンテーブル(図示せず)に載置された光情報記録媒体100を所望の速度で回転させる。
【0076】
また制御部51は、駆動制御部52を介してスレッドモータ56を駆動させることにより、光ピックアップ57を移動軸G1及びG2に沿ってラジアル方向、すなわち光情報記録媒体100の内周側又は外周側へ向かう方向へ大きく移動させるようになされている。
【0077】
また制御部51は、光情報記録媒体100に対して情報を記録する際、データ保持部22から供給される主データとしての記録情報RIを信号処理部53に供給する。信号処理部53は、記録情報RIに対して所定の変調処理及び2値化処理などを施すことにより、記録クロックCaの周期に応じて立ち上がり及び立ち下がる記録データSwa(図11(A)及び(B))を生成し、駆動制御部52に供給する。なおこの記録クロックCaは、図示しないクロック生成器によって生成される。
【0078】
駆動制御部52は、当該記録データSwに基づいてレーザ駆動電流を生成し、これを光ピックアップ57における光源60に供給する。この結果光源60から情報に応じて変調された記録光ビームL1a(図11(C))が出射される。この記録光ビームL1aは、2光子吸収反応を生じさせる必要があるため、非常に大きな光強度で短時間に亘って出射される。
【0079】
制御部51は、光ピックアップ57を制御して当該光ピックアップ57から光情報記録媒体100の記録光ビームL1aが照射されるべき目標位置PGに対して記録光ビームL1aを照射させることにより、記録層101に吸収変化領域RA(図11(D))を形成し、記録情報RIを記録するようになされている。
【0080】
図12に示すように光ピックアップ57は、主データの記録処理の際、システムコントローラ21の制御に基づき、光源60から例えば波長405[nm]の記録光ビームL1aを出射させ、当該記録光ビームL1aをコリメータレンズ61により発散光から平行光に変換した上でビームスプリッタ62に入射させるようになされている。
【0081】
ビームスプリッタ62は、光ビームを所定の割合で反射又は透過させる反射透過面62Sを有している。反射透過面62Sは記録光ビームL1aが入射されると当該記録光ビームL1aを透過させ、対物レンズ63へ入射させる。対物レンズ63は、記録光ビームL1aを集光することにより、光情報記録媒体100内の目標位置PGに合焦させ、吸収変化領域RAを形成させるようになされている。
【0082】
このとき光情報記録媒体100では、記録光ビームL1aの焦点Fb近傍に、当該記録光ビームL1aのスポット径d(図2)と比して小さい直径daでなる吸収変化領域RAを形成する。
【0083】
このように光記録装置23は、光情報記録媒体100に対し、吸収変化領域RAとして主データを記録し得るようになされている。
【0084】
(5)屈折率変調領域の形成による副データの記録
図13に示すように、承認端末3はシステムコントローラ31を中心に構成されており、システムコントローラ21と同様、図示しないCPUと、ROMと、RAMとによって構成されている。なお図13では、情報記録端末2(図10)と対応する箇所に同一符号を附して示し、同一の処理については説明を省略する。
【0085】
システムコントローラ31は、光情報記録媒体100に副データを記録する場合、光記録装置33を制御することにより、当該光記録装置33に装填された光情報記録媒体100に副データとしての暗号情報CIを記録する。すなわちシステムコントローラ31は、記録層101から吸収変化領域RAを検出すると共に、当該吸収変化領域RAの一部を屈折率変調領域RBに変化させるようになされている。
【0086】
システムコントローラ31は、図示しない操作部を介したユーザの操作入力に応じて、副データを記録する旨の記録要求が供給されると、暗号生成部32によって副データとしての暗号情報CI及び当該暗号情報CIに対応する鍵情報KIを生成する。システムコントローラ31は、鍵情報KIを光情報記録媒体100の識別情報と共に、例えばネットワークを介して接続されたサーバ(図示せず)に送出する。この結果鍵情報KIと識別情報とが対応付けられた状態でサーバに保存されることになる。
【0087】
またシステムコントローラ31は、暗号生成部32によって生成した暗号情報CIを光記録装置33の制御部51に供給する。
【0088】
制御部51は暗号情報CIを信号処理部53に供給する。信号処理部53は、暗号情報CIに対して所定の変調処理及び2値化処理などを施すことにより、記録クロックCbの周期に応じて立ち上がり及び立ち下がる記録データSwb(図14(B)及び(C))を生成し、駆動制御部52に供給する。
【0089】
このとき信号処理部53は、例えば5周期分の記録クロックCbを1周期として記録データSwbが立ち上がり又は立ち下がるよう当該記録データSwbを生成する。
【0090】
駆動制御部52は、当該記録データSwbに基づいてレーザ駆動電流を生成し、これを光ピックアップ58における光源60に供給する。この結果光源60から情報に応じて変調された記録光ビームL1b(図14(D))が出射される。この記録光ビームL1bは、熱反応を生じさせるため、比較的大きな光強度で連続的に出射される。
【0091】
制御部51は、光ピックアップ58を制御して当該光ピックアップ58から光情報記録媒体100の記録光ビームL1bが照射されるべき目標位置PGに対して記録光ビームL1bを照射させる。この結果制御部51は、記録層101に形成された吸収変化領域RAに当該記録光ビームL1bに応じた熱反応を生じさせて屈折率変調領域RBを形成し、副データを記録するようになされている。
【0092】
ここで記録データSwbは、5周期分の記録クロックCbを1周期としている。従って記録光ビームL1bは、5周期分の記録クロックCbすなわち吸収変化領域RAが形成されている可能性のある目標マーク位置5つごとに照射され、あるいは照射されないことになり、当該目標マーク位置5つごとに1ビットの情報を表すことになる。
【0093】
これにより光記録装置33は、5つの目標マーク位置において1つでも吸収変化領域RAが形成されていれば、当該吸収変化領域RAに重畳して副データを記録することができる。この結果光記録装置33は、目標マーク位置において吸収変化領域RAが形成されていないことにより、副データが記録されないような事態を防止することができ、副データを確実に記録することができる。
【0094】
図15に光ピックアップ58の構成を示している。なお図15では、光ピックアップ57(図12)と対応する箇所に同一符号を附し、同一処理については説明を省略する。
【0095】
光ピックアップ58は、副データの記録処理の際、制御部51の制御に基づき、光源60から例えば波長405[nm]の記録光ビームL1bを出射させ、光情報記録媒体100の目標位置PGに照射する。これにより光ピックアップ58は、暗号情報CIに応じて屈折率変調領域RBを形成させるようになされている。
【0096】
このとき光ピックアップ58は、光情報記録媒体100を透過した透過光ビームL3を、対物レンズ63と対向する位置に配置された集光レンズ64によって受光すると共に、当該透過光ビームL3を集光し、受光素子65に照射する。
【0097】
受光素子65は、光量に応じた検出信号を生成し、これを信号処理部59に供給する。信号処理部59は、検出信号から再生信号SRFを生成すると共に、図示しないPLL回路によって当該再生信号SRFから記録クロックCbを生成する。この記録クロックCbは、吸収変化領域RAが形成されているタイミング(すなわち目標マーク位置の間隔)を表すタイミング信号となる。
【0098】
すなわち光ピックアップ58は、実際に記録されている吸収変化領域RAの記録位置を検出し、当該記録位置に合わせて記録光ビームL1bを照射することにより、主データを表す吸収変化領域RAの一部(すなわち目標位置PG)に対して適切に記録光ビームL1bを照射することができる。この結果光ピックアップ58は、主データに対して適切に副データを重畳し得るようになされている。
【0099】
このように光記録装置33は、光情報記録媒体100に対し、屈折率変調領域RBとして副データを記録し得るようになされている。
【0100】
(6)情報の再生
図16に示すように、情報再生端末4はシステムコントローラ41を中心に構成されており、システムコントローラ21(図10)と同様、図示しないCPUと、ROMと、RAMとによって構成されている。なお図16では、情報記録端末2(図10)と対応する箇所に同一符号を附して示し、同一の処理については説明を省略する。
【0101】
ここで光情報記録媒体100では、主データが吸収変化領域RAとして記録されると共に、当該吸収変化領域RAの一部が屈折率変調領域RBに変化している。すなわち光情報記録媒体100では、吸収変化領域RAと屈折率変調領域RBとによって主データが記録されている。
【0102】
従って情報再生端末4は、吸収変化領域RAと屈折率変調領域RBのうち一方が記録されているか否かを検出することにより、主データを再生するようになされている。
【0103】
システムコントローラ31は、図示しない操作部を介したユーザの操作入力に応じて、副データを記録する旨の記録要求が供給されると、光情報記録媒体100の識別情報を基に例えばネットワークや外部記憶装置などを介して供給された鍵情報KIを暗号再生部42に送出する。暗号再生部42は、鍵情報KIに基づいて暗号情報CIを生成し、光記録装置43の制御部71に供給する。
【0104】
制御部(図11(B))71は暗号情報CIを信号処理部73に供給する。信号処理部73は、再生クロックCrの周期に応じて立ち上がり及び立ち下がる暗号データSc(図17(E))を生成する。
【0105】
また制御部71は、光情報記録媒体100から情報を再生する際、ほぼ一定値でなるレーザ駆動電流を生成し、これを光源60(図15)に供給する。この結果光源60から、ほぼ一定の出射光強度でなる読出光ビームL2(図17(C))が出射される。
【0106】
そして光ピックアップ77は、当該光情報記録媒体100を透過した透過光ビームL3を受光し、当該透過光ビームL3の受光量に応じた検出信号を信号処理部73に供給する。
【0107】
信号処理部73は、検出信号に基づいて透過光ビームL3の受光量を表す再生信号SRF(図17(D))を生成すると共に、当該再生信号SRFに対して所定の2値化処理及び復調処理などを施すことにより再生データを生成し、制御部51を介してシステムコントローラ41に供給する。
【0108】
このとき信号処理部73は、暗号データSc(図17(E))の立ち上がり及び立ち下がりに応じて再生信号SRFを2値化する際の再生閾値を第1の再生閾値及び第2の再生閾値のいずれかに切り替えるようになされている。
【0109】
すなわち信号処理部73は、例えば暗号データScが「Low」である場合、目標マーク位置に記録マークRMとして吸収変化領域RAが形成されているべきであるため、2値化閾値を第1の再生閾値に設定する。なおこの第1の再生閾値は、暗号データScが「Low」のときに2値化信号DRFの「High」レベルの期間と「Low」レベルの期間とがほぼ同一となるように決定される。
【0110】
これにより信号処理部73は、吸収変化領域RAが記録されているべき目標マーク位置において、実際に記録されている吸収変化領域RAの有無を適切に検出することができるため、主データを適切に再生させることができる。
【0111】
一方信号処理部73は、例えば暗号データScが「High」である場合、目標マーク位置に記録マークRMとして屈折率変調領域RBが形成されているべきであるため、2値化閾値を第2の再生閾値に設定する。なおこの第2の再生閾値は、暗号データScが「Low」のときに2値化信号DRFの「High」レベルの期間と「Low」レベルの期間とがほぼ同一となるように決定される。
【0112】
これにより信号処理部73は、屈折率変調領域RBが記録されているべき目標マーク位置において、実際に記録されている屈折率変調領域RBの有無を適切に検出することができるため、主データを適切に再生させることができる。
【0113】
すなわち情報再生端末4は、光情報記録媒体100に正規の暗号情報CIに基づく副データが記録されていた場合には、記録マークRMの有無を適切に検出して主データを適切に再生することができる。一方情報再生端末4は、光情報記録媒体100に正規の暗号情報CIに基づく副データが記録されていない場合には、記録マークRMの有無を適切に検出することができず、主データを再生することができないようになされている。
【0114】
また信号処理部73は、図示しないPLL回路によって当該再生信号SRFから再生クロックCrを生成する。この再生クロックCrは、記録マークRMが形成されているタイミング(すなわち目標マーク位置の間隔)を表すタイミング信号となる。
【0115】
このように情報再生端末4では、光情報記録媒体100に正規の暗号情報CIに基づく副データが記録されていた場合にのみ、光情報記録媒体100から情報を再生し得るようになされている。
【0116】
(7)動作及び効果
以上の構成において、光情報記録媒体100の記録層101では、周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域RA及び当該吸収変化領域RAから屈折率の変調された屈折率変調領域RBとして主データが記録されている。また記録層101では、屈折率変調領域RBとして主データとは異なる副データが記録されている。
【0117】
すなわち記録層101では、主データとして形成された吸収変化領域RAの一部に副データを表す屈折率変調領域RBが形成されている。これにより記録層101では、主データに対して副データを重畳して記録することができる。
【0118】
また記録層101では、情報記録光としての記録光ビームL1aの照射によって2光子吸収反応が生じることにより吸収変化領域RAが形成されている。また記録層101では、吸収変化領域RAに対して重畳記録光としての記録光ビームL1bが照射されることによって熱反応が生じたことにより屈折率変調領域RBが形成されている。
【0119】
これにより記録層101では、2つの異なる反応により吸収変化領域RA及び屈折率変調領域RBを形成することができるため、吸収変化領域RAを形成すべき場合に記録光ビームL1aの過照射によって屈折率変調領域RBを誤って形成してしまうような事態を未然に防止することができる。
【0120】
さらに記録層101は、副データとして暗号情報CIを記録することにより、当該暗号情報CIを用いて光情報記録媒体100の偽造防止システムを構築することができる。
【0121】
光記録装置33では、光情報記録媒体100に記録され、周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域RAを検出部としての信号処理部59によって検出し、重畳記録光として光源60によって出射した記録光ビームL1aを吸収変化領域RAに対して照射する。光記録装置33は、吸収変化領域RAが表す主データとは異なる副データ及び信号処理部59の検出結果に応じて、吸収変化領域RAの一部に対して重畳記録光を出射するよう光源60を制御する。
【0122】
これにより光記録装置33は、主データを表す吸収変化領域RAの一部に副データを表す屈折率変調領域RBを形成することができ、主データに対して副データを重畳して記録することができる。
【0123】
光再生装置43は、周囲から光吸収率が変化した吸収変化領域RA及び当該吸収変化領域RAから屈折率が変調された屈折率変調領域RBが形成された光情報記録媒体100に対して読出光としての読出光ビームL2を照射する。光再生装置43は、吸収変化領域RA及び屈折率変調領域RBによって読出光ビームL2が変調されてなる変調光としての透過光ビームL3を受光し、当該透過光ビームL3に基づいて吸収変化領域RA及び屈折率変調領域RBの双方によって表される主データを再生する。
【0124】
これにより光再生装置43は、光情報記録媒体100から主データを適切に再生することができる。
【0125】
また光再生装置43は、鍵情報KIから暗号情報CIを生成することにより屈折率変調領域RBが表す副データを取得し、取得した副データから吸収変化領域RA及び屈折率変調領域RBのいずれが記録されているかを予測部としての信号処理部73によって予測する。情報再生端末4は、検出信号から透過光ビームL3の和光量を表す再生信号SRFを生成し、信号処理部73の予測結果に応じて吸収変化領域RAの有無を判断する第1の再生閾値と、屈折率変調領域RBの有無を判断する第2の再生閾値とを切り替え、主データを表す2値化信号DRFを生成する。
【0126】
これにより光再生装置43は、吸収変化領域RA及び屈折率変調領域RBによって表される主データを適切に再生することができる。
【0127】
偽造防止システムにおいて、承認端末3は、暗号情報CIを生成し、光情報記録媒体100において記録情報RIを表す吸収変化領域RA上に記録光ビームL1bを照射する。承認端末3は、屈折率変調領域RBを形成することにより、当該吸収変化領域RA上に暗号情報CIを重畳すると共に、暗号情報CIに対応する鍵情報KIを生成する。
【0128】
偽造防止システムにおいて、情報再生端末4は、鍵情報CIを取得し、暗号情報CIの重畳された光情報記録媒体100において記録されている暗号情報CIが鍵情報KIと対応する場合には主データを再生する一方、暗号情報CIが鍵情報KIと対応しない場合には主データを再生しない。
【0129】
これにより偽造防止システムでは、鍵情報CIと光情報記録媒体100に記録された暗号情報CIとが一致した場合にのみ主データを再生させることができるため、主データの改ざんや光情報記録媒体100の偽造などを実行するために暗号情報CIを正しく記録させる必要が生じる。この結果偽造防止システムでは、主データの改ざんや光情報記録媒体100の偽造などを抑制することができる。
【0130】
以上の構成によれば、本発明では、記録光ビームL1aに応じて吸収変化領域RAを形成し、記録光ビームL1bに応じて屈折率変調領域RBを形成するという光情報記録媒体100の特性を利用する。
【0131】
これにより本発明では、吸収変化領域RAと屈折率変調領域RBとを記録マークRMとして組み合わせて主データと副データとを記録することができ、かくして主データ及び副データの双方が記録された光情報記録媒体、副データを記録することができる記録装置及び記録方法、主データ及び副データの双方が記録された光情報記録媒体から主データを再生することができる再生装置及び再生方法、並びに上記光情報記録媒体における主データの偽造を抑制し得る偽造防止システム、承認端末及び情報再生端末を実現できる。
【0132】
(8)他の実施の形態
なお上述した実施の形態においては、2光子吸収反応によって吸収変化領域RAの光吸収特性が変化するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば1光子吸収反応による光重合反応により吸収変化領域RAを形成するようにしても良い。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0133】
また上述した実施の形態においては、バインダー樹脂として各種樹脂材料が用いられるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば必要に応じて各種添加剤や例えばシアニン系、クマリン系、キノリン系色素などの増感色素などを加える等しても良い。
【0134】
さらに上述した実施の形態においては、副データとして暗号情報CIを記録するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、承認日時などその他種々の情報を副データとして記録しても良い。
【0135】
さらに上述した実施の形態においては、鍵情報KIに基づいて吸収変化領域RA又は屈折率変調領域RBのいずれが記録されているべきかを判別し、再生信号SRFが「High」であるか「Low」であるかの閾値を第1の再生閾値と第2の再生閾値とに切り替えるようにし場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば再生閾値ではなく、再生信号SRFを生成する際の増幅率を切り替えるようにしても良い。
【0136】
また本発明は、再生閾値を2段階に設定し、記録マーク無し、吸収変化領域RA又は屈折率変調領域RBのいずれであるかを判別するようにしても良い。この場合本発明では、屈折率変調領域RBに対応する再生信号を生成することにより、副データを再生することができる。このとき光再生装置では、副データと鍵情報KIとが対応するか否かを照会し、再生の許可又は不許可を決定するようにする。
【0137】
さらに上述した実施の形態においては、2値化信号DRFにおける「High」レベルの期間と「Low」レベルの期間とがほぼ同一となるように第1及び第2の再生閾値を決定するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の方法で第1及び第2の再生閾値を決定することができる。例えば本発明は、予め記憶している第1及び第2の再生閾値を用いるようにしても良い。
【0138】
さらに上述した実施の形態においては、5bitの吸収変化領域RAごとに屈折率変調領域RBを形成又は形成しないようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば1bitの吸収変化領域RAごとに屈折率変調領域RBを形成又は形成しないようにしても良い。またこのbit数自体を暗号の一部として用いることにより、光情報記録媒体100の偽造の困難性を高めることができ、当該光情報記録媒体100の偽造を防止する効果を一段と高めることができる。
【0139】
さらに上述した実施の形態においては、光情報記録媒体100の基板102側の面から記録光ビームL1及び読出光ビームL2をそれぞれ照射するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば記録光ビームL1を基板103側の面から照射するようにする等、各光又は光ビームをそれぞれいずれの面、もしくは両面から照射するようにしても良い。なお記録光ビームを両面から照射する手法については、例えば特許文献3に記載されている。
【特許文献3】特開2008−71433公報
【0140】
さらに上述した実施の形態においては、光情報記録媒体100を通過した透過光ビームL3を受光するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば吸収変化領域RAが屈折率変調を伴うような場合には、記録マークRMによって反射されてなる戻り光ビームを受光するようにしても良い。
【0141】
さらに上述した実施の形態においては、対物レンズ63のサーボ制御について特に述べていないが、例えば特許文献3に記載のように、サーボ層104に対してサーボ制御用のサーボ光ビームを照射することによりサーボ制御を実行するようにできる。また記録層101内に予めサーボ制御用のサーボ用マークが形成されており、当該サーボ用マークを用いてサーボ制御が実行されるようにしても良い。この場合、光情報記録媒体100においてサーボ層104は不要となる。
【0142】
さらに上述した実施の形態においては、空洞でなる屈折率変調領域RBを形成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば化学変化によって屈折率を局所的に変化させることにより屈折率変調領域RBを形成するようにしても良い。
【0143】
さらに上述した実施の形態においては、光源60から出射される記録光ビームL1及び読出光ビームL2の波長を波長405[nm]とする以外にも、他の波長とするようにしても良く、要は記録層101内における目標位置PGの近傍に記録マークRMを適切に形成できれば良い。また記録光ビームL1a及びL1bの波長が相違していても良い。
【0144】
さらに上述した実施の形態においては、光情報記録媒体100を円盤状に形成し、当該光情報記録媒体100を回転させながら同心円状又はらせん状に並んで記録マークRMが形成されるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば光情報記録媒体を矩形板状や正方形板状に形成し、光情報記録媒体をステージ駆動するようにしても良い。また光情報記録媒体の位置を固定して対物レンズを変位させることも可能である。なお光情報記録媒体100として記録容量が250GBでなる2層BDの5倍以上の容量を得るためには、記録層101の厚みは100[μm]以上とすることが望ましい。
【0145】
さらに上述した実施の形態においては、1つの記録マークRMが1ビットの情報を表すようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば2T〜11Tでなる記録マークRMを形成するなど、その他種々のマーク長でなる記録マークRMを形成しても良い。この場合、例えば比較的マーク長の長い吸収変化領域RAの一部のみに屈折率変調領域を形成しても良い。
【0146】
さらに上述した実施の形態においては、情報記録端末2及び承認端末3が光情報記録媒体100から情報を記録のみ行い、情報再生端末4が光情報記録媒体100から情報の再生のみを行うようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、情報記録端末2、承認端末3及び情報再生端末4が光情報記録媒体100に対して情報の記録及び再生の両方を行っても良い。すなわち1つの端末が情報記録端末2又は承認端末3及び情報再生端末4の2つの機能を併せ持つようにしても良い。
【0147】
さらに上述した実施の形態においては、偽造防止システムを社内の文書保存システムとして利用するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば音楽や映像データの偽造防止システムなど、種々の偽造防止システムに利用しても良い。この場合、鍵情報KIを音楽データ等の販売元が保存し、インターネットなどのネットワークを介して正規ユーザにのみ配信するようにする。
【0148】
また偽造防止システムでは、必ずしも鍵情報を別途準備する必要はない。例えば主データの再生を許可する許可情報を副データとして記録することも可能である。
【0149】
さらに上述した実施の形態においては、記録層としての記録層101によって光情報記録媒体としての光情報記録媒体100を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる記録層によって光情報記録媒体を構成するようにしても良い。
【0150】
さらに上述した実施の形態においては、光源としての光源60と、光照射部としての対物レンズ63と、検出部及び光源制御部としての信号処理部53とによって記録装置としての光記録装置23を構成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる光源と、光照射部と、検出部と、光源制御部とによって本発明の記録装置を構成するようにしても良い。
【0151】
さらに上述した実施の形態においては、光源としての光源60と、光照射部としての対物レンズ63と、受光部としての受光素子65と、再生部としての信号処理部73とによって再生装置としての光再生装置43を構成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる光源と、光照射部と、受光部と、再生部とによって本発明の再生装置を構成するようにしても良い。
【0152】
さらに上述した実施の形態においては、暗号情報生成部及び鍵情報生成部としての暗号生成部32と、暗号情報重畳部としての光記録装置33とによって承認端末としての承認端末3を構成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる暗号情報生成部と、鍵情報生成部と、暗号情報重畳部とによって本発明の記録装置を構成するようにしても良い。
【0153】
さらに上述した実施の形態においては、鍵情報取得部としての暗号再生部42と、再生部としての光再生装置43とによって情報再生端末としての情報再生端末4を構成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる鍵情報取得部と、再生部とによって本発明の再生装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明は、例えば社内で使用される文書承認システムや公文書を保存する公文書保存システムなどに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】1光子吸収による記録マークの形成の説明に供する略線図である。
【図2】2光子吸収による記録マークの形成の説明に供する略線図である。
【図3】従来の記録マークの形成の説明に供する略線図である。
【図4】吸収変化領域の記録及び再生の説明に供する略線図である。
【図5】吸収変化領域の記録及び再生の説明に供する略線図である。
【図6】主データと副データの記録及び再生の説明に供する略線図である。
【図7】偽造防止システムの構成(1)の説明に供する略線図である。
【図8】偽造防止システムの構成(1)の説明に供する略線図である。
【図9】光情報記録媒体の構成を示す略線図である。
【図10】情報記録端末の構成を示す略線図である。
【図11】主データの記録の説明に供する略線図である。
【図12】光ピックアップの構成を示す略線図である。
【図13】承認端末の構成を示す略線図である。
【図14】副データの記録の説明に供する略線図である。
【図15】光ピックアップの構成を示す略線図である。
【図16】情報再生端末の構成を示す略線図である。
【図17】情報の再生の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
【0156】
2……情報記録端末、3……承認端末、4……情報再生端末、21、31、41……システムコントローラ、22……データ保持部、32……暗号生成部、42……暗号再生部、57、67、77……光ピックアップ、60……光源、53、59、73……信号処理部59……対物レンズ、100……光情報記録媒体、101……記録層、t1、t2、t3……厚さ、L1、L1a、L1b……記録光ビーム、L2……読出光ビーム、L3……透過光ビーム、RA……吸収変化領域、RB……屈折率変調領域、SRF……再生信号、DRF……2値化再生信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域及び当該吸収変化領域から屈折率の変調された屈折率変調領域として主データが記録され、上記屈折率変調領域として上記主データとは異なる副データが記録された記録層
を有する光情報記録媒体。
【請求項2】
上記吸収変化領域は、
情報記録光の照射によって2光子吸収反応が生じて形成されている
請求項1に記載の光情報記録媒体。
【請求項3】
上記屈折率変調領域は、
上記吸収変化領域に対して重畳記録光が照射されることによって熱反応が生じたことにより形成されている
請求項2に記載の光情報記録媒体。
【請求項4】
上記記録層は、
上記情報記録光の照射に応じた2光子吸収反応により光吸収特性を変化させ、上記重畳記録光の照射に応じて熱反応を生じさせる光吸収変化材料を含有する
請求項3に記載の光情報記録媒体。
【請求項5】
上記光吸収変化材料は、
光の照射に応じて可逆的に化学構造を変化させることにより、光吸収特性を変化させるフォトクロミック材料である
請求4に記載の光情報記録媒体。
【請求項6】
上記副データは、
暗号情報である
請求項1に記載の光情報記録媒体。
【請求項7】
重畳記録光を出射する光源と、
上記吸収変化領域に対し上記重畳記録光を照射する光照射部と、
光情報記録媒体に記録され、周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域を検出する検出部と、
上記吸収変化領域が表す主データとは異なる副データと上記検出部による検出結果に応じて、上記吸収変化領域の一部に対して上記重畳記録光を出射するよう上記光源を制御する光源制御部と
を有する記録装置。
【請求項8】
上記副データとして暗号情報を生成する暗号生成部
を有する請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
重畳記録光を出射する出射ステップと、
光情報記録媒体に記録され、上記重畳記録光に対する光吸収率が周囲から変化した吸収変化領域を検出する検出ステップと、
上記吸収変化領域が表す主データとは異なる副データと上記検出部による検出結果に応じて、上記吸収変化領域の一部に対して上記重畳記録光を出射するよう、当該吸収変化領域に対し上記重畳記録光を照射する光照射ステップと
を有する記録方法。
【請求項10】
読出光を出射する光源と、
周囲から光吸収率が変化した吸収変化領域及び当該吸収変化領域から屈折率が変調された屈折率変調領域が形成された光情報記録媒体に対して上記読出光を照射する光照射部と、
上記吸収変化領域及び屈折率変調領域によって上記読出光が変調されてなる変調光を受光する受光部と、
上記変調光に基づいて上記吸収変化領域及び上記屈折率変調領域の双方によって表される主データを再生する再生部と
を有する再生装置。
【請求項11】
上記屈折率変調領域が表す副データを取得する副データ取得部と、
上記取得した副データから上記吸収変化領域及び上記屈折率変調領域のいずれが記録されているかを予測する予測部と
を有し、
上記再生部は、
上記検出信号から上記変調光の和光量を表す再生信号を生成し、上記予測部の予測結果に応じて上記吸収変化領域の有無を判断する第1の再生閾値と、上記屈折率変調領域の有無を判断する第2の再生閾値とを切り替え、主データを表す2値化信号を生成する
請求項10に記載の再生装置。
【請求項12】
読出光を出射する出射ステップと、
周囲から光吸収率が変化した吸収変化領域及び当該吸収変化領域から屈折率が変調された屈折率変調領域が形成された光情報記録媒体に対して上記読出光を照射する光照射ステップと、
上記吸収変化領域及び屈折率変調領域によって上記読出光が変調されてなる変調光を受光する受光ステップと、
上記変調光に基づいて上記吸収変化領域及び上記屈折率変調領域の双方によって表される主データを再生する再生ステップと
を有する再生方法。
【請求項13】
暗号情報を生成する暗号情報生成部と、
光情報記録媒体において記録情報を表し周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域上に記録光を照射し、上記吸収変化領域から屈折率が変調されてなる屈折率変調領域を形成することにより、当該吸収変化領域上に暗号情報を重畳する暗号情報重畳部と、
上記暗号情報に対応する鍵情報を生成する鍵情報生成部と
を具える承認端末と、
上記鍵情報を取得する鍵情報取得部と、
上記暗号情報の重畳された光情報記録媒体において記録されている上記暗号情報が上記鍵情報と対応する場合には上記記録情報を再生する一方、上記暗号情報が上記鍵情報と対応しない場合には上記記録情報を再生しない再生部と
を具える情報再生端末と
を有する偽造防止システム。
【請求項14】
暗号情報を生成する暗号情報生成部と、
光情報記録媒体において記録情報を表し周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域上に記録光を照射し、上記吸収変化領域から屈折率が変調されてなる屈折率変調領域を形成することにより、当該吸収変化領域上に暗号情報を重畳する暗号情報重畳部と、
上記暗号情報に対応する鍵情報を生成する鍵情報生成部と
を有する承認端末。
【請求項15】
光情報記録媒体において記録情報として記録され周囲から光吸収率の変化した吸収変化領域上に記録光が照射され、上記吸収変化領域から屈折率が変調されてなる屈折率変調領域が形成されることにより重畳された暗号情報に対応する鍵情報を取得する鍵情報取得部と、
上記暗号情報の重畳された光情報記録媒体において記録されている上記暗号情報が上記鍵情報と対応する場合には上記記録情報を再生する一方、上記暗号情報が上記鍵情報と対応しない場合には上記記録情報を再生しない再生部と
を有する情報再生端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−113786(P2010−113786A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287817(P2008−287817)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】