説明

光断層画像化装置およびその動作制御方法

【目的】干渉信号が必ず得られるようにする。
【構成】4つの干渉信号生成装置21〜24には測定光L1が測定対象Sbに照射され,反射した反射光が分岐された反射光L21〜L24と,参照光L3が分岐され,参照ミラー43,53,63,73において反射された反射光L41〜L44と,が入射する。干渉信号生成装置21〜24に入射する参照光の4つの伝搬ルートの光学的距離は異なるが,干渉信号生成装置21〜24に入射する測定光の反射光L21〜L24の光学的距離とほぼ同じである。したがって,干渉信号生成装置21〜24のうちのいずれかから必ず干渉信号が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,光断層画像化装置およびその動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光断層画像化装置では,低可干渉光が測定光と参照光とに分けられる。測定光が測定対象に照射させられ,その反射光が干渉信号生成装置に入射する。参照光は,移動可能な参照ミラーに照射させられ,その反射光が干渉信号生成装置に入射する。干渉信号生成装置に入射した測定光の反射光と参照光の反射光とから干渉信号が生成され,生成された干渉信号から測定対象の光断層画像が生成される。測定光の反射光と参照光の反射光との光学的距離差が可干渉距離から外れてしまうと干渉信号が得られない。干渉信号が得られるように参照ミラーの位置が予め定められていても,測定光を照射する光プローブから測定対象までの距離は一定ではないので,測定光の反射光と参照光の反射光との光学的距離差が可干渉距離から外れてしまうと干渉信号が得られないことがある。
【0003】
このために,歩進状に参照面を動かすことにより探索を行うもの(特許文献1),プローブの長さを補正するために,参照長さを切り換えるもの(特許文献2),プローブの個体ばらつきを抑えるもの(特許文献3)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-105708号公報
【特許文献2】特開2007-206049号公報
【特許文献3】特開2010-104514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,特許文献1に記載の発明では,参照面をどの方向にどの位動かせば良いか分らないので,干渉信号が得られるまでに時間がかかり,リアルタイム性が悪い。また,特許文献2に記載の発明では,光プローブと測定対象との距離が変化した場合には,干渉信号が得られないことがある。
【0006】
この発明は,干渉信号を得,測定対象までの距離がわかるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による光断層画像化装置は,低可干渉光を測定光と参照光とに分割する測定光/参照光分割手段,上記測定光/参照光分割手段によって分割された測定光を測定対象に照射する測定光照射手段,上記測定光照射手段から測定対象に照射され,上記測定対象によって反射された測定光をn(nは2以上の整数)個の測定光光路に分岐させる測定光分岐手段,上記測定光/参照光分割手段によって分割された参照光をn個の参照光光路に分岐させる参照光分岐手段,上記参照光照射手段から照射された参照光を反射するn個の参照面,上記参照光分岐手段によってn個の参照光光路に分岐された参照光のそれぞれを,上記n個の参照面のそれぞれに照射するn個の参照光照射手段,上記n個の参照面によって反射された参照光と上記測定光分岐手段によってn個の測定光光路に分岐された測定光とをそれぞれ干渉させて干渉信号を生成するn個の干渉信号生成装置,上記干渉信号生成装置において生成された干渉信号にもとづいて上記測定光照射手段から測定対象までの距離を算出する距離算出手段,および上記干渉信号生成装置において生成された干渉信号にもとづいて測定対象の光断層画像を生成する光断層画像生成装置を備え,上記測定光/参照光分割手段から上記干渉信号生成装置までの測定光の光路長である第1の光学的距離と,上記測定光/参照光分割手段から上記干渉信号生成装置までの参照光の光路長であるn種の第2の光学的距離と,はほぼ等しいが,n種の第2の光学的距離のそれぞれは異なるものである。
【0008】
この発明は,上記光断層画像化装置に適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,測定光/参照光分割手段が,低可干渉光を測定光と参照光とに分割し,測定光照射手段が,上記測定光/参照光分割手段によって分割された測定光を測定対象に照射し,測定光分岐手段が,上記測定光照射手段から測定対象に照射され,上記測定対象によって反射された測定光をn(nは2以上の整数)個の測定光光路に分岐させ,参照光分岐手段が,上記測定光/参照光分割手段によって分割された参照光をn個の参照光光路に分岐させ,参照面が上記参照光照射手段から照射された参照光を反射し,n個の参照光照射手段が,上記参照光分岐手段によってn個の参照光光路に分岐された参照光のそれぞれを,上記n個の参照面のそれぞれに照射し,n個の干渉信号生成装置が,上記n個の参照面によって反射された参照光と上記測定光分岐手段によってn個の測定光光路に分岐された測定光とをそれぞれ干渉させて干渉信号を生成し,距離算出手段が,上記干渉信号生成装置において生成された干渉信号にもとづいて上記測定光照射手段から測定対象までの距離を算出し,光断層画像生成装置が,上記干渉信号生成装置において生成された干渉信号にもとづいて測定対象の光断層画像を生成し,上記測定光/参照光分割手段から上記干渉信号生成装置までの測定光の光路長である第1の光学的距離と,上記測定光/参照光分割手段から上記干渉信号生成装置までの参照光の光路長であるn種の第2の光学的距離と,はほぼ等しいが,n種の第2の光学的距離のそれぞれは異なるものである。
【0009】
この発明によると,低可干渉光が測定光と参照光とに分割される。測定光は,測定対象に照射され,測定対象から反射された測定光がn個の測定光光路に分岐させられる。n個の測定光光路に分岐させられた測定光のそれぞれが干渉信号生成装置に入射する。参照光は,n個の参照光光路に分岐させられ,n個の参照面のそれぞれに照射させられる。n個の参照面から反射された参照光のそれぞれが干渉信号生成装置に入射する。測定光/参照光分割手段から干渉信号生成装置までの測定光の光路長である第1の光学的距離と,測定光/参照光分割手段から干渉信号生成装置までの参照光の光路長である第2の光学的距離と,は,干渉信号生成装置において干渉信号が生成されるように,ほぼ等しくされているが,n個の第2の光学的距離のそれぞれは異なっている。
【0010】
n個の第2の光学的距離のそれぞれは異なっているので,干渉信号生成装置に入射するn組の測定光の反射光と参照光の反射光とのうちのいずれかの組から干渉信号を生成できる確率が高くなる。生成された干渉信号にもとづいて測定光照射手段から測定対象までの距離が算出される。測定対象までの距離が算出されるので,測定光(反射した測定光を含む)の光学的距離を正確に算出できる。n個の第2の光学的距離のうち,少なくとも一つが,正確に算出された,その光学的距離となるようにn個の参照面のうち,いずれかの参照面を動かすことができる。光断層画像を得るために必要な位置に,参照面を位置決めできる。
【0011】
上記n個の参照光光路にもとづくn種の第2の光学的距離のうちの少なくとも一つが,上記第1の光学的距離に上記距離算出手段によって算出された上記測定光照射手段から測定対象までの距離によって補正された補正済み第1の光学的距離と等しくなるように,上記n個の参照面のうち,いずれかの参照面を移動させる参照面移動手段をさらに備えてもよい。
【0012】
上記n個の参照光光路のそれぞれの光学的距離の差が上記低干渉光のコヒーレンス長以下であることが好ましい。
【0013】
上記測定光分岐手段によりn個の参照光光路に分岐された測定光の反射光の光量の割合および上記参照光分岐手段によりn個の参照光光路に分岐された参照光の光量の割合が等しいものでもよい。この場合,上記参照面移動手段は,上記n個の第2の光学的距離のうち,上記補正済み第1の光学的距離にもっとも近い光学的距離を与える参照面を移動させるものとなろう。
【0014】
上記n個の上記干渉信号生成装置のそれぞれに,上記n個の参照光照射手段から照射され上記n個の参照面から反射された参照光のそれぞれと上記測定光分岐手段によってn個の測定光光路に分岐された測定光のそれぞれとが入射するものでもよい。この場合,上記参照面移動手段は,n個の干渉信号生成装置のうち入射光量がもっとも多い干渉信号生成装置に参照光の反射光を入射させる参照面を移動させるものとなろう。
【0015】
上記参照面移動手段によって移動させられる参照面を除く参照面が固定されていてもよい。
【0016】
上記測定光照射手段は,フォーカス・レンズを備えていてもよい。この場合,上記距離算出手段によって算出された距離が焦点距離となるように上記フォーカス・レンズを移動する合焦制御手段をさらに備えてもよい。
【0017】
上記合焦制御手段による上記フォーカス・レンズの移動距離は,たとえば,上記低干渉光のコヒーレンス長×n以下である。
【0018】
上記測定光照射手段は,測定光の照射方向を偏向させる偏向器を備えてもよい。この場合,上記距離算出手段によって算出された距離が焦点距離となるように上記偏向器を移動させる偏向器移動手段をさらに備えてもよい。
【0019】
上記偏向器移動手段による上記偏向器の移動距離は,たとえば,上記低干渉光のコヒーレンス長×n以下である。
【0020】
体腔内に挿入される挿入部をさらに備えてもよい。この場合,上記参照光照射手段は,上記挿入部の先端部に配置されていることが好ましい。
【0021】
上記挿入部に内視鏡が含まれていてもよい。
【0022】
上記参照面移動手段は,たとえば,参照光の光軸方向に参照面を移動させるものである。
【0023】
上記光断層画像生成装置によって生成された光断層画像を,上記参照面移動手段にもとづいて移動する参照面の移動量を用いて補正する補正手段をさらに備えてもよい。
【0024】
上記参照面移動手段により移動させられた参照面によって反射された参照光が入射する上記干渉信号生成装置において生成される干渉信号のレベルよりも,その参照面以外の他の参照面によって反射された参照光が入射する上記干渉信号生成装置において生成される干渉信号のレベルが大きくなったことに応じて,上記他の参照面を移動させるように上記参照面移動手段を制御する参照面移動制御手段をさらに備えてもよい。この場合,上記光断層画像生成装置は,たとえば,上記参照面移動制御手段による制御にもとづいて上記干渉信号生成装置から得られる干渉信号から測定対象の光断層画像を生成するものである。そして,上記光断層画像生成装置によって生成された光断層画像を,上記参照面移動制御手段による制御にもとづいて移動される参照面の移動量を用いて補正する補正手段をさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】光断層画像化装置の構成を示している。
【図2】(A)から(D)は干渉信号生成装置の出力信号を示している。
【図3】光プローブの一例である。
【図4】光プローブの一例である。
【図5】光断層画像化装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】光断層画像化装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】光断層画像化装置の構成を示している。
【図8】光断層画像化装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】光断層画像化装置の処理手順を示すフローチャートである。
【実施例】
【0026】
図1は,この発明の実施例を示すもので,光断層画像化装置の構成を示している。
【0027】
光断層画像化装置の動作は,制御装置4によって統括される。制御装置4には,所定のデータ等を記憶するメモリ7が接続されている。
【0028】
光断層画像化装置には,波長を一定周期で掃引させながら赤外領域のレーザ光L0を射出する光源1が含まれている。この光源1からの射出光L0は,光ファイバF0に入射する。射出光L0は,光ファイバF0を伝搬し,光ファイバ・カプラなどの光分波器2によって測定光L1と参照光L3とに分けられる。たとえば,測定光L1:参照光L3=90:10となるように分けられる。
【0029】
光分波器2において分けられた測定光L1は光ファイバF1を伝搬し,サーキュレータ3を介して,光ファイバF2から光プローブ11に入射する。光プローブ11は,光断層画像化装置(内視鏡)の挿入部10の先端部に配置されているものである。挿入部10は体腔内などに挿入されるもので,体腔内の測定対象Sbに光プローブ11から測定光L1が照射される。図1においては測定対象Sbの深さ方向がZ軸とされている。光プローブ11には駆動装置12が内蔵されており,後述するように光プローブ11内のコリメート・レンズ(フォーカス・レンズ)などを移動させることができる。また,挿入部10には,CCD15が含まれている。測定対象Sbを表わす光線束は,撮像レンズ13によって集光させられ,かつプリズム14によってCCD15の受光面上において結像するように偏向させられる。CCD15から測定対象Sbを表わす映像信号が出力する。
【0030】
測定対象Sbに測定光L1を照射することにより,測定対象Sbから測定光L1が反射し,反射光(反射された測定光)L2となる。反射光L2は,光プローブ11,光ファイバF2,サーキュレータ3および光ファイバF3を介して光分波器20に入射する。光分波器20において,測定光L1の反射光L2が,それぞれの光量が等しくなるように第1の反射光(反射された測定光)L21,第2の反射光(反射された測定光)L22,第3の反射光(反射された測定光)L23および第4の反射光(反射された測定光)L24に分けられる(4つの測定光光路への分岐)。これらの第1の反射光L21,第2の反射光L22,第3の反射光L23および第4の反射光L24は,光ファイバF4,F5,F6およびF7を介して干渉信号生成装置21,22,23および24のそれぞれに入射する。
【0031】
光分波器2により分けられた参照光L3は,光分波器30(光分波器2と30とを一つにまとめてもよい。)によって,それぞれが等しい光量である第1の参照光L31,第2の参照光L32,第3の参照光L33および第4の参照光L34に分けられる(4つの参照光光路への分岐)。これらの第1の参照光L31,第2の参照光L32,第3の参照光L33および第4の参照光L34は,光ファイバF11,F12,F13およびF14,第1のサーキュレータ31,第2のサーキュレータ32,第3のサーキュレータ33および第4のサーキュレータ34ならびに光ファイバF15,F16,F17およびF18を介して,第1の参照光反射装置40,第2の参照光反射装置50,第3の参照光反射装置60および第4の参照光反射装置70にそれぞれ入射する。
【0032】
第1の参照光反射装置40に入射した第1の参照光L31は,コリメート・レンズ41を透過して基台44に配置されている参照ミラー43を照射する。参照ミラー43は駆動装置45によって光軸方向に移動自在なものである。第1の参照光L31は参照ミラー43によって反射し,第1の反射光(反射された参照光)L41となる。第1の反射光L41は,コリメート・レンズ41,光ファイバF15,サーキュレータ31および光ファイバF21を介して第1の干渉信号生成装置21に入射する。
【0033】
第2の参照光反射装置50に入射した第2の参照光L32も第1の参照光L31と同様に,コリメート・レンズ51を介して,駆動装置55によって移動自在なように基台54上に配置されている参照ミラー53を照射する。参照ミラー53の反射光(反射された参照光)L42が光ファイバF16,サーキュレータ32および光ファイバF22を介して第2の干渉信号生成装置22に入射する。同様に,第3の参照光反射装置60に入射した第3の参照光L33も,コリメート・レンズ61を介して,駆動装置65によって移動自在なように基台64上に配置されている参照ミラー63に照射する。参照ミラー63の反射光(反射された参照光)L43が光ファイバF17,サーキュレータ33および光ファイバF23を介して第3の干渉信号生成装置23に入射する。第4の参照光反射装置70に入射した第4の参照光(反射された参照光)L34も,コリメート・レンズ71を介して,駆動装置75によって移動自在なように基台74上に配置されている参照ミラー73に照射する。参照ミラー73の反射光L72が光ファイバF18,サーキュレータ34および光ファイバF24を介して第4の干渉信号生成装置24に入射する。
【0034】
光分波器2によって分けられた測定光L1が測定対象Sbに照射され,その反射光L2(第1の反射光L21から第4の反射光L24)が第1から第4の干渉信号生成装置21〜24に入射するまでの光学的距離を第1の光学的距離(光分波器2から干渉信号生成装置21〜24までの測定光の光学的距離)とする。また,光分波器2によって分けられた参照光L3が第1の参照光L31から第4の参照光L34に分けられ,これらの第1の参照光L31から第4の参照光L34が参照ミラー43,53,63および73においてそれぞれ反射し,第1の反射光L41から第4の反射光L44が第1の干渉信号生成装置21から第4の干渉信号生成装置24に入射するまでの4種の光学的距離を第2の光学的距離(光分波器2から干渉信号生成装置21〜24までの参照光の光学的距離)とする。光断層画像化装置は,第1の光学的距離と第2の光学的距離とがほぼ等しくなるように構成されている。
【0035】
ここでは,光分波器2で分岐された参照光L3が分波器30において第1の参照光L31から第4の参照光L34に分けられるため,参照光の光学的距離は4種存在するが,ここでは,第1の参照光L31が第1の参照光反射装置40に入射し,第1の反射光L41がサーキュレータ31を介して第1の干渉信号生成装置21に入射する第1の参照光伝搬ルートの光学的距離,第2の参照光L32が第2の参照光反射装置50に入射し,第2の反射光L42がサーキュレータ32を介して第2の干渉信号生成装置22に入射する第2の参照光伝搬ルートの光学的距離,第3の参照光L33が第3の参照光反射装置60に入射し,第3の反射光L43がサーキュレータ33を介して第3の干渉信号生成装置23に入射する第3の伝搬参照光ルートの光学的距離,および第4の参照光L34が第4の参照光反射装置70に入射し,第4の反射光L44がサーキュレータ34を介して第4の干渉信号生成装置24に入射する第4の参照光伝搬ルートの光学的距離の4種の光学的距離をいずれも第2の光学的距離と称している。
【0036】
第1の参照光伝搬ルートの光学的距離,第2の参照光伝搬ルートの光学的距離,第3の参照光伝搬ルートの光学的距離および第4の参照光伝搬ルートの光学的距離のいずれも,第1の光学的距離とほぼ等しい。但し,第1の参照光伝搬ルートの光学的距離,第2の参照光伝搬ルートの光学的距離,第3の参照光伝搬ルートの光学的距離および第4の参照光伝搬ルートの光学的距離は,光源1のコヒーレント長以下の光学的距離差でそれぞれ異なっている。ここでは,第1の参照光伝搬ルート,第2の参照光伝搬ルート,第3の参照光伝搬ルートおよび第4の参照光伝搬ルートを構成する光ファイバの光路長を変えることにより,第1の参照光伝搬ルートの光学的距離,第2の参照光伝搬ルートの光学的距離,第3の参照光伝搬ルートの光学的距離および第4の参照光伝搬ルートの光学的距離を変えている。なお,必ずしも光ファイバの光路長を変えることによって第1の参照光伝搬ルートの光学的距離,第2の参照光伝搬ルートの光学的距離,第3の参照光伝搬ルートの光学的距離および第4の参照光伝搬ルートの光学的距離を変える必要はなく,光ファイバの光路長を同一として,光ファイバF15から参照ミラー43までの光学的距離,光ファイバF16から参照ミラー53までの光学的距離,光ファイバF17から参照ミラー63までの光学的距離および光ファイバF18から参照ミラー73までの光学的距離を変えてもよい。または,光ファイバの光路長および光ファイバから参照ミラーまでの光学的距離の双方を変えることにより,第1の参照光伝搬ルートの光学的距離,第2の参照光伝搬ルートの光学的距離,第3の参照光伝搬ルートの光学的距離および第4の参照光伝搬ルートの光学的距離を変えてもよい。
【0037】
第1の干渉信号生成装置21から第4の干渉信号生成装置24には,光学的距離差が少しずつ異なる測定光L1の反射光L21からL24と,参照光L3の反射光L41からL44との組がそれぞれ入射するから,いずれかの干渉信号生成装置21〜24には,可干渉距離にある光学的距離差をもつ測定光L1の反射光L21からL24と,参照光L3の反射光L41からL44との組が入射することとなる。つまり,干渉信号生成装置21−24のいずれかにおいて,測定光L1の反射光L21からL24と参照光L3の反射光L41からL44との干渉信号が生成できる。
【0038】
図2(A),図2(B),図2(C)および図2(D)は,干渉信号生成装置21,22,23および24の出力信号を示している。
【0039】
第1の干渉信号生成装置21に入射する第1の反射光L21とL41との光学的距離差,第3の干渉信号生成装置23に入射する第3の反射光L23とL43との光学的距離差および第4の干渉信号生成装置24に入射する第4の反射光L24とL44との光学的距離差はコヒーレント長より大きく,第2の干渉信号生成装置22に入射する第2の反射光L22とL42との光学的距離差はコヒーレント長よりも小さいものとした場合のものである。
【0040】
第1の干渉信号生成装置21に入射する第1の反射光L21とL41との光学的距離差,第3の干渉信号生成装置23に入射する第3の反射光L23とL43との光学的距離差および第4の干渉信号生成装置24に入射する第4の反射光L24とL44との光学的距離差はコヒーレント長より大きいから,図2(A),図2(C),および図2(D)に示すように,干渉信号は生成されない。これに対して,第2の干渉信号生成装置22に入射する第2の反射光L22とL42との光学的距離差はコヒーレント長よりも小さいので,図2(B)に示すように,干渉信号が生成される。このように,干渉信号生成装置21から24のうちのいずれかの干渉信号生成装置において干渉信号が生成されるようになる。
【0041】
図1に戻って,干渉信号生成装置21−24から出力される信号は,制御装置4に入力する。
【0042】
制御装置4に入力した信号には,干渉信号が入力しているから,入力した干渉信号を用いて光プローブ11から測定対象Sbまでの距離が算出される。この算出は,干渉信号のピークを利用することにより実現できるが,上述のように公知の手法であるので説明を省略する。
【0043】
光プローブ11から測定対象Sbまでの距離が算出されると,上述した第1の光学的距離(補正済み第1の光学的距離)が正確に得られる。上述した第2の光学的距離が,補正済み第1の光学的距離と同じとなるように,干渉信号生成装置21から24のうち干渉信号を出力した干渉信号生成装置に入射する反射光を入射させる参照ミラーが移動される。たとえば,上述のように,第2の干渉信号生成装置22から干渉信号が出力されると,第2の参照光反射装置50に含まれる駆動装置55が制御装置4によって駆動させられ,第2の参照光ルートの光学的距離が補正済み第1の光学的距離と同じとなるように参照ミラー53が移動される。
【0044】
この後,光源1から波長掃引されたレーザ光が出射し,第2の干渉信号生成装置22から出力される干渉信号が光断層画像生成装置5に入力することにより,測定対象Sbの光断層画像が生成される。生成された光断層画像が表示装置6の表示画面に表示される。
【0045】
図3は,光プローブ11の構成を示している。
【0046】
第1のコリメート・レンズ81および第2のコリメート・レンズ82の光軸が測定対象Sbの表面にほぼ垂直となっている。測定対象Sbに光が照射される方向がZ軸方向である。
【0047】
光ファイバF2を伝搬してきた測定光L1は光ファイバF2から射出され,第1のコリメート・レンズ81によって平行光とされて第2のコリメート・レンズ82に導かれる。第2のコリメート・レンズ82に入射した平行光は,第2のコリメート・レンズ82において収束される。収束された測定光L1が測定対象Sbに照射される。
【0048】
光プローブ11には,駆動装置12が含まれている。この駆動装置12は,第2のコリメート・レンズ82を光軸方向(Z軸方向)に移動できるものである。第2のコリメート・レンズ82の移動可能距離は,光源1の出射光L0のコヒーレント長×4(上述のように4個に分岐されているので4であるがn個に分岐されていればn)である。第2のコリメート・レンズ82が光軸方向に移動させられることにより,第2のコリメート・レンズ82による焦点位置が光軸方向に移動する。たとえば,第2のコリメート・レンズ82の位置がZ1の位置であった場合には,第2のコリメート・レンズ82によって収束された光La1は,測定対象Sbの表面に集められる。第2のコリメート・レンズ82の位置がZ2であった場合には,第2のコリメート・レンズ82によって収束された光La2は,測定対象Sbの内部に集められる。後述するように,光プローブ11の先端から測定対象Sbの表面までの距離がわかると,その距離に第2のコリメート・レンズ82の収束光が集められるように,第2のコリメート・レンズ82が位置決めさせられる。また,駆動装置12は,偏向ミラー(図示略)などを制御することにより,第2のコリメート・レンズ82によって収束させられる光をX−Y平面に偏向させることもできる。これにより,測定対象Sbの所定範囲内の光断層画像が得られる。必要であれば駆動装置12は光プローブ11の外部に設けられる。
【0049】
図4は,光プローブ11Aの他の一例を示すものである。
【0050】
測定対象Sbの表面は,第1のコリメート・レンズ81および第2のコリメート・レンズ82の光軸と平行となっている。測定対象Sbの深さ方向がZ軸方向とされている。
【0051】
上述したように第2のコリメート・レンズ82によって平行光が収束させられる。収束させられた光はプリズム85によって測定対象Sbの方向に偏向させられる。駆動装置12Aは,プリズム85を第1のコリメート・レンズ81および第2のコリメート・レンズ83の光軸方向に移動自在なものである。プリズム85が位置Y1にあるときにはプリズム85によって偏向させられた光Lb1は,測定対象Sbの内部で集光する。プリズム85が位置Y1よりも第2のコリメート・レンズ82から遠い位置Y2に移動させられると,プリズム85によって偏向させられた光Lb2は,測定対象Sbの表面で集光する。プリズム85が位置Y2よりも第2のコリメート・レンズ82から遠い位置Y3に移動させられると,プリズム85によって偏向させられた光Lb3は,測定対象Sbの表面よりも手前で集光する。このように,プリズム85を移動させることによっても第2のコリメート・レンズ82の焦点面位置を制御できる。焦点面位置の移動可能距離も光源1の出射光L0のコヒーレント長×4である。図4に示すものにおいても,後述するように,プリズム85によって偏向させられる場合の光プローブ11の先端から測定対象Sbの表面までの距離がわかると,その距離に(測定対象Sbの表面に)第2のコリメート・レンズ82の収束光が集められるように,プリズム85が位置決めさせられる。
【0052】
図5および図6は,光断層画像化装置の処理手順を示すフローチャートである。
【0053】
上述のように,干渉信号生成装置21〜24に入射する4つの測定光の反射光L21〜L24のそれぞれと4つの参照光の反射光L41〜L44のそれぞれとの光学的距離が異なっているので,光源1から波長掃引された赤外のレーザ光が射出されると,干渉信号生成装置21〜24の少なくとも一つの干渉信号生成装置21〜24から干渉信号が検出される(ステップ90)。検出された干渉信号(複数の干渉信号が検出された場合には最大の干渉信号)にもとづいて,光プローブ11の先端から測定対象Sbの表面までの距離が算出される(ステップ91)。上述したように,干渉信号のピーク値にもとづいて,その距離が算出される。
【0054】
光プローブ11の先端から測定対象Sbの表面までの距離が算出されると,光分波器2で分岐させられた測定光L1が測定対象Sbで反射させられて4つの反射光L21,L22,L23またはL24として干渉信号生成装置21,22,23または24に入射するまでの第1の光学的距離の正確な値が算出できる。上述したように,光分波器2で分岐させられた測定光L1が測定対象Sbで反射させられて生成された測定光の反射光L21が第1の干渉信号生成装置21に入射するまでの光学的距離,同様に生成された測定光の反射光L22が第2の干渉信号生成装置22に入射するまでの光学的距離,測定光の反射光L23が第3の干渉信号生成装置23に入射するまでの光学的距離および測定光の反射光L24が第4の干渉信号生成装置24に入射するまでの光学的距離は同じ第1の光学的距離である。
【0055】
正確な第1の光学的距離が算出されると,上述のように4つの参照光伝搬ルート(光分波器2によって分岐させられた参照光L3から4つに分岐させられた参照光L31,L32,L33またはL34が,参照ミラー43,53,63または73によって反射させられて反射光L41,L42,L43またはL44として干渉信号生成装置21,22,23または24に入射する第1,第2,第3および第4の4つの参照光伝搬ルート)のうち,干渉信号が検出された干渉信号生成装置に入射する参照光伝搬ルートの第2の光学的距離が,算出された第1の光学的距離と等しくなるように参照ミラー43,53,63または73の位置が移動させられて調整される(ステップ93)。この調整をされた位置が参照光位置である。
【0056】
たとえば,図2(B)に示したように,第2の干渉信号生成装置22からのみ干渉信号が検出された場合には,第2の参照光伝搬ルートの光学的距離が第1の光学的距離にもっとも近いこととなる。このために,第2の参照光伝搬ルートの光学的距離が第1の光学的距離に等しくなるように,第2の干渉信号生成装置22に反射光L42を入射させる参照ミラー53の位置が調整される。第2の干渉信号生成装置22以外の干渉信号生成装置21,23または24からのみ干渉信号が検出された場合には,同様に,検出された干渉信号を生成した干渉信号生成装置21,23または24に反射光L41,L43またはL44を入射させる参照ミラー43,63または73の位置が調整される。
【0057】
つづいて,算出された光プローブ11から測定対象Sbまでの距離が焦点距離となるように(光が測定対象Sbの表面で集光されるように),光プローブ11内の第2のコリメート・レンズ82が位置決めされる(ステップ94)。光プローブ11の光学系の焦点距離が測定対象Sbまでの距離と一致させられるので,高画質の光断層画像が得られるようになる。図4に示したように,光プローブ11Aにプリズム85が含まれている場合には,プリズム85の位置を調整することにより,光プローブ11Aの光学系の焦点距離が測定対象Sbまでの距離と一致するようにしてもよい。
【0058】
つづいて,光源1から波長掃引された赤外のレーザ光が出射される(ステップ95)。
【0059】
参照ミラー43,53,63または73が移動させられると,移動させられた参照ミラーの移動方向および移動量を表わすデータがメモリ7に記憶される(ステップ96)。
【0060】
測定対象Sbの所定の範囲(XY平面走査)を測定光L1が照射するように光プローブ11が制御される。XY平面走査が終了していなければ(ステップ97でNO),干渉信号背製装置21〜24のうち,参照面に位置決めされた参照ミラー以外の他の参照ミラーからの反射光が入射する干渉信号生成装置の干渉信号のレベルが参照面に位置決めされた参照ミラーから干渉信号生成装置21〜24に入射した参照光にもとづく干渉信号のレベルより増加したかどうか,あるいは生成されていなかった干渉信号が生成されるようになり,新たに生成された干渉信号のレベルが位置決めされた参照ミラーから干渉信号生成装置21〜24に入射した参照光にもとづく干渉信号のレベルより増加したかどうかが判断される(ステップ98)。
【0061】
他の参照ミラーから入射する反射光が増えていなければ(ステップ98でNO),出射される測定光L1がXY平面走査をするように光プローブ11が制御させられる。他の参照ミラーから入射する反射光が増えていると(ステップ98でYES),測定対象Sbに対してXY平面走査が行われているときに生体の凹凸の部分を照射していると考えられる。つまり,XY平面走査にともなって第1の光学的距離が変化していることになる。この場合においても,干渉信号生成装置21〜24から得られる最大の干渉信号にもとづいて,上述のように光プローブ11の先端から測定対象Sbの表面までの距離が算出され,上述のように他の参照ミラーが移動させられる。移動方向および移動量が記憶される(ステップ99)。
【0062】
XY平面の走査が終了すると(ステップ97でYES),得られた干渉信号および記憶されている移動方向および移動量を用いて補正されながら測定対象Sbの光断層画像が生成される(ステップ101)。たとえば,参照ミラーの移動量がその移動方向に応じて光断層像の距離に加算または減算されて光断層画像の補正処理が行われる。生成された光断層画像が表示装置6の表示画面に表示される(ステップ102)。
【0063】
図7から図9は,他の実施例を示している。
【0064】
図7は,光断層画像化装置の構成を示している。図7において,図1に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
図1に示す光断層画像化装置では,参照光反射装置40,50,60および70に含まれている参照ミラー43,53,63および73が移動自在であったが,図7に示す光断層画像化装置では,参照光反射装置40A,50Aおよび60Aに含まれている参照光ミラー43,53および63は移動できずに固定されている。但し,参照光反射装置70Aに含まれている参照光ミラー73は比較的長い距離(光源1の出射光L0のコヒーレント長×4),移動自在である。
【0066】
光分波器2によって分割された参照光L3は,光分波器30Aによって4つの参照光L31,L32,L33およびL34に分岐させられる。たとえば,L31:L32:L33:L34=10:10:10:70の割合で分岐させることで,1つの参照光路の光量だけ光量比を高くする。光量比が高い参照光は参照ミラーが移動可能である参照ミラー73に導光される。
【0067】
上述のように,干渉信号生成装置21〜24の中から検出された干渉信号から,測定対象Sbまでの距離が算出され,正確な第1の光学的距離が得られる。そのような第1の光学的距離と等しい第2の光学的距離となるように,参照光反射装置70Aに含まれている参照光ミラー73が移動させられる。
【0068】
図8および図9は,図7に示す光断層画像化装置の処理手順を示すフローチャートである。これらの図において,図5または図6に示す処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0069】
干渉信号生成装置21〜24の中から検出された干渉信号から(ステップ90),測定対象Sbまでの距離が算出され(ステップ91),正確な第1の光学的距離が得られる。そのような第1の光学的距離と等しい第2の光学的距離となるように,参照光位置が算出され(ステップ92),その参照光位置に参照光反射装置70Aに含まれている参照光ミラー73が移動させられる(ステップ93A)。
【0070】
XY平面走査が終了しなければ(ステップ97でNO),ステップ95からの処理が繰り返される。XY平面走査が終了すると(ステップ97でYES),光断層画像の生成,表示が行われる(ステップ101,102)。画像生成に寄与する光量比率が高くなっているため,干渉信号の振幅が高くなり,SN比の高い光断層画像が得られる。
【0071】
上述の実施例において,光プローブ11をX方向またはY方向に動かしている時を除く時に参照ミラー43などの移動を行うことが好ましい。また,光プローブ11に含まれている第2のコリメート・レンズ82の最大移動距離は参照ミラー43等の最大移動距離と同程度が好ましい。
【0072】
上述の実施例においては測定光の反射光,参照光をそれぞれ4つに分岐し,4つの干渉信号生成装置21〜24に入射させているが,4つに限らず,n(2以上の正の整数)個以上に分岐させてn個の干渉信号生成装置を利用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
2 光分波器(測定光/参照光分割手段)
4 制御装置(距離算出手段)
5 光断層画像生成装置
11,11A 光プローブ(測定光照射手段)
20 光分波器(反射光分岐手段)
30 光分波器(参照光分岐手段)
40,40A,50,50A,60,60A,70,70A 参照光反射装置(参照光照射手段)
21,22,23,24 干渉信号生成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低可干渉光を測定光と参照光とに分割する測定光/参照光分割手段,
上記測定光/参照光分割手段によって分割された測定光を測定対象に照射する測定光照射手段,
上記測定光照射手段から測定対象に照射され,上記測定対象によって反射された測定光をn(nは2以上の整数)個の測定光光路に分岐させる測定光分岐手段,
上記測定光/参照光分割手段によって分割された参照光をn個の参照光光路に分岐させる参照光分岐手段,
上記参照光照射手段から照射された参照光を反射するn個の参照面,
上記参照光分岐手段によってn個の参照光光路に分岐された参照光のそれぞれを,上記n個の参照面のそれぞれに照射するn個の参照光照射手段,
上記n個の参照面によって反射された参照光と上記測定光分岐手段によってn個の測定光光路に分岐された測定光とをそれぞれ干渉させて干渉信号を生成するn個の干渉信号生成装置,
上記干渉信号生成装置において生成された干渉信号にもとづいて上記測定光照射手段から測定対象までの距離を算出する距離算出手段,および
上記干渉信号生成装置において生成された干渉信号にもとづいて測定対象の光断層画像を生成する光断層画像生成装置,
を備え,
上記測定光/参照光分割手段から上記干渉信号生成装置までの測定光の光路長である第1の光学的距離と,上記測定光/参照光分割手段から上記干渉信号生成装置までの参照光の光路長であるn種の第2の光学的距離と,はほぼ等しいが,n種の第2の光学的距離のそれぞれは異なるものである,
光断層画像化装置。
【請求項2】
上記n個の参照光光路にもとづくn種の第2の光学的距離のうちの少なくとも一つが,上記第1の光学的距離に上記距離算出手段によって算出された上記測定光照射手段から測定対象までの距離によって補正された補正済み第1の光学的距離と等しくなるように,上記n個の参照面のうち,いずれかの参照面を移動させる参照面移動手段,
をさらに備えた請求項1に記載の光断層画像化装置。
【請求項3】
上記n個の参照光光路のそれぞれの光学的距離の差が上記低干渉光のコヒーレンス長以下である,
請求項1または2に記載の光断層画像化装置。
【請求項4】
上記測定光分岐手段によりn個の参照光光路に分岐された測定光の反射光の光量の割合および上記参照光分岐手段によりn個の参照光光路に分岐された参照光の光量の割合が等しいものであり,
上記参照面移動手段は,
上記n個の第2の光学的距離のうち,上記補正済み第1の光学的距離にもっとも近い光学的距離を与える参照面を移動させるものである,
請求項2または3に記載の光断層画像化装置。
【請求項5】
上記n個の上記干渉信号生成装置のそれぞれに,上記n個の参照光照射手段から照射され上記n個の参照面から反射された参照光のそれぞれと上記測定光分岐手段によってn個の測定光光路に分岐された測定光のそれぞれとが入射するものであり,
上記参照面移動手段は,
n個の干渉信号生成装置のうち入射光量がもっとも多い干渉信号生成装置に参照光の反射光を入射させる参照面を移動させるものである,
請求項2または3に記載の光断層画像化装置。
【請求項6】
上記参照面移動手段によって移動させられる参照面を除く参照面が固定されている,
請求項5に記載の光断層画像化装置。
【請求項7】
上記測定光照射手段は,フォーカス・レンズを備えており,
上記距離算出手段によって算出された距離が焦点距離となるように上記フォーカス・レンズを移動する合焦制御手段,
をさらに備えた請求項1から6のうち,いずれか一項に記載の光断層画像化装置。
【請求項8】
上記合焦制御手段による上記フォーカス・レンズの移動距離が上記低干渉光のコヒーレンス長×n以下である,
請求項7に記載の光断層画像化装置。
【請求項9】
上記測定光照射手段は,測定光の照射方向を偏向させる偏向器を備え,
上記距離算出手段によって算出された距離が焦点距離となるように上記偏向器を移動させる偏向器移動手段,
をさらに備えた請求項1から8のうち,いずれか一項に記載の光断層画像化装置。
【請求項10】
上記偏向器移動手段による上記偏向器の移動距離が上記低干渉光のコヒーレンス長×n以下である,
請求項9に記載の光断層画像化装置。
【請求項11】
体腔内に挿入される挿入部をさらに備え,
上記参照光照射手段は,上記挿入部の先端部に配置されている,
請求項1から10のうち,いずれか一項に記載の光断層画像化装置。
【請求項12】
上記挿入部に内視鏡が含まれている,
請求項11に記載の光断層画像化装置。
【請求項13】
上記参照面移動手段は,
参照光の光軸方向に参照面を移動させるものである,
請求項1から12のうち,いずれか一項に記載の光断層画像化装置。
【請求項14】
上記光断層画像生成装置によって生成された光断層画像を,上記参照面移動手段にもとづいて移動する参照面の移動量を用いて補正する補正手段,
をさらに備えた請求項2から13のうち,いずれか一項に記載の光断層画像化装置。
【請求項15】
上記参照面移動手段により移動させられた参照面によって反射された参照光が入射する上記干渉信号生成装置において生成される干渉信号のレベルよりも,その参照面以外の他の参照面によって反射された参照光が入射する上記干渉信号生成装置において生成される干渉信号のレベルが大きくなったことに応じて,上記他の参照面を移動させるように上記参照面移動手段を制御する参照面移動制御手段をさらに備え,
上記光断層画像生成装置は,上記参照面移動制御手段による制御にもとづいて上記干渉信号生成装置から得られる干渉信号から測定対象の光断層画像を生成するものであり,
上記光断層画像生成装置によって生成された光断層画像を,上記参照面移動制御手段による制御にもとづいて移動される参照面の移動量を用いて補正する補正手段,
をさらに備えた請求項4から13のうち,いずれか一項に記載の光断層画像化装置。
【請求項16】
測定光/参照光分割手段が,低可干渉光を測定光と参照光とに分割し,
測定光照射手段が,上記測定光/参照光分割手段によって分割された測定光を測定対象に照射し,
測定光分岐手段が,上記測定光照射手段から測定対象に照射され,上記測定対象によって反射された測定光をn(nは2以上の整数)個の測定光光路に分岐させ,
参照光分岐手段が,上記測定光/参照光分割手段によって分割された参照光をn個の参照光光路に分岐させ,
参照面が上記参照光照射手段から照射された参照光を反射し,
n個の参照光照射手段が,上記参照光分岐手段によってn個の参照光光路に分岐された参照光のそれぞれを,上記n個の参照面のそれぞれに照射し,
n個の干渉信号生成装置が,上記n個の参照面によって反射された参照光と上記測定光分岐手段によってn個の測定光光路に分岐された測定光とをそれぞれ干渉させて干渉信号を生成し,
距離算出手段が,上記干渉信号生成装置において生成された干渉信号にもとづいて上記測定光照射手段から測定対象までの距離を算出し,
光断層画像生成装置が,上記干渉信号生成装置において生成された干渉信号にもとづいて測定対象の光断層画像を生成し,
上記測定光/参照光分割手段から上記干渉信号生成装置までの測定光の光路長である第1の光学的距離と,上記測定光/参照光分割手段から上記干渉信号生成装置までの参照光の光路長であるn種の第2の光学的距離と,はほぼ等しいが,n種の第2の光学的距離のそれぞれは異なるものである,
光断層画像化装置の動作制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−32957(P2013−32957A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168867(P2011−168867)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】