説明

光断層計測装置

【課題】演算負荷の軽減に伴う画像再構成精度の低下防止を図る光断層計測装置。
【解決手段】光断層計測システム10では、マウス12を含む検体ホルダ30の体長方向(x方向)に光軸が交差するように配置された光源ユニット40から検体ホルダ30の表面へ照射した励起光に応じて、マウス12の内部にある蛍光標識剤が発して検体ホルダ30から放出される蛍光を受光する装置であって、励起光を照射位置S又はSに照射したときの計測データD、Dに基づいて、励起光を計測面22A上の照射位置Sに照射したときの計測データDから、計測面22Aから外れた蛍光標識剤から発せられる蛍光成分を除去するように計測データDを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光トモグラフィー(Tomography)を適用して、生体を計測対象とした断層画像の再構成に用いられる光断層計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体組織は、近赤外線などの所定波長の光に対して透過性を有する。ここから、特許文献1、特許文献2では光を用いた生体内の観察を行うことが提案されている(光CT)。
【0003】
このような光CTにおいて、特許文献3では、光が測定対象物を透過するときに多重散乱するので、光の実際の測定対象物内の光路長と、測定対象物への入射位置・出射位置間の直線距離とは異なる点に着目し、時間分解計測を用いて光の実際の測定対象物内の光路長を得て定量化計測を行う手法を採用している。
【0004】
また、特許文献4では、検出光量に減衰特性が異なる透過直進光と多重散乱光とが含まれるため、被検体の厚みと透過光減衰量との関係からなる補正データに基づいて受光データを補正することにより、被検体の透過率分布を求めるように提案している。
【0005】
さらに、特許文献5は、透過光の散乱成分を除去し、必要な吸収成分の情報のみを抽出して解像度のよい光断層像を得るように提案している。
【0006】
一方、体内の病変部位や注目組織を蛍光標識して、蛍光標識の分布を病変の代用として観察する蛍光観察法が注目されている。病理学的な実験分野では、小動物などの生体を計測対象として蛍光標識剤の濃度分布を再構成した断層画像を生成する蛍光トモグラフィーの提案がある。
【0007】
病変部位を蛍光標識する方法としては、例えば、病変部位に特異的親和性をもつ物質に蛍光能を付加した蛍光標識剤を生体に投与する。この生体内での蛍光標識剤の濃度分布(以下、蛍光の濃度分布とする)を得るために、生体の表面の一点へ励起光を照射し、生体内で散乱吸収を繰り返しながら伝播し内部の蛍光物質を励起して発せられ体表から放出される蛍光の強度を生体の周囲の多点で検出する。これを、励起光の照射位置を変えながら繰り返し行うことにより得られる計測データの間には、生体内での蛍光標識剤の分布、光の散乱特性、及び光の吸収特性に応じた関係が成り立つ。この関係を用いて、計測データから蛍光の濃度分布を示す断層画像の再構成を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−173976号公報
【特許文献2】特開平11−337476号公報
【特許文献3】特開平5−261107号公報
【特許文献4】特開平11−230897号公報
【特許文献5】特開平2−240545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような断層画像の再構成は、3次元モデルで計算が行われるが、計測のための構成が複雑になると共に、演算負荷が大きくなる。これを解消する方法として、平面モデル(2次元モデル)として再構成する方法が考えられる。
【0010】
しかしながら、生体内では光が3次元的に散乱するため、隣接断層面上の蛍光体分布とのクロストークにより、再構成精度の信頼性が低下するという問題が生じる。
【0011】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、演算負荷の軽減に伴う画像再構成精度の低下防止を図る光断層計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の光断層計測装置は、計測対象とする生体の体長方向に光軸が交差するように配置された光源から前記計測対象へ励起光を照射する照射手段と、前記計測対象の体長方向に交差する計測面に光軸が沿うように配置され、前記励起光に応じて前記計測対象内の蛍光標識剤から発せられて計測対象の表面から放出される蛍光を受光する受光手段と、前記照射手段による前記計測対象への前記励起光の照射位置を、前記計測面上の基準位置、並びに前記体長方向に沿って前記基準位置を挟んだ第1及び第2の位置に変更する変更手段と、前記基準位置に前記励起光が照射されたときに前記受光手段により受光された前記蛍光の光量に応じた基準データ、前記第1の照射位置に前記励起光が照射されたときに前記受光手段により受光された前記蛍光の光量に応じた第1データ、及び、前記第2の照射位置に前記励起光が照射されたときに前記受光手段により受光された前記蛍光の光量に応じた第2データを取得する取得手段と、前記第1データ及び前記第2データに基づいて、前記計測面上から外れた前記蛍光標識剤から発せられる蛍光成分を除去するように前記基準データを補正する補正手段と、を含んでいる。
【0013】
この発明によれば、光軸が生体の体長方向と交差するように照射手段及び受光手段が配置され、変更手段が照射手段の照射位置を、基準位置、及び、体長方向に沿って基準位置を挟んだ第1の位置及び第2の位置に変更する。この、照射位置を前記第1の位置としたときに得られる光量に応じた第1データ、及び、照射位置を前記第2の位置としたときに得られる光量に応じた第2データに基づいて、前記計測面と異なる位置で発せられた蛍光成分を除去するように、照射位置を前記基準位置としたときに得られる光量に応じた基準データを補正する。
【0014】
このとき、基準データは計測面上から外れた前記蛍光標識剤が発した蛍光成分の影響を受けているので、計測面を挟んだ位置をそれぞれ照射位置とする第1データ及び第2データに基づいて、基準データから前記蛍光成分を除去するように、基準データを補正することで、画像再構成精度の低下防止を図ることができる。
【0015】
さらに、本発明の光断層計測装置は、前記変更手段が、前記第1及び第2の照射位置が、前記計測面を挟んで対称となるように前記励起光の照射位置を変更している。
【0016】
この発明によれば、変更手段は、照射位置が計測面を挟んで対称となる第1の位置及び第2の位置に変更する。これにより、本発明の装置構成をより簡便なものとすることができる。
【0017】
また、本発明の光断層計測装置は、前記照射手段が、前記基準位置へ前記励起光を照射する基準光源、前記第1の照射位置へ前記励起光を照射する第1の光源、及び、前記第2の照射位置へ前記励起光を照射する第2の光源を含み、前記変更手段が、前記基準光源、前記第1及び第2の光源を選択的に作動させている。
【0018】
この発明によれば、照射手段は、照射位置を基準位置とする基準光源、照射位置を第1の位置とする第1の光源、照射位置を第2の位置とする第2の光源、の3つを有する。これにより、容易に照射位置を変更することができる。
【0019】
さらに、本発明の光断層計測装置は、前記光源を前記計測対象の体長方向に移動する移動手段を含み、前記変更手段が、前記移動手段により前記光源を移動して、前記基準位置、前記第1の照射位置及び前記第2の照射位置へ前記励起光を照射する。
【0020】
この発明によれば、移動手段は光源を体長方向に移動することで、照射手段の照射位置を基準位置、第1の位置及び第2の位置に変更する。これにより、1つの光源で照射位置を切り換えることができる。
【0021】
また、本発明の光断層計測装置は、前記前記光源から発せられる前記励起光の光軸を揺動する揺動手段を含み、前記変更手段が、前記揺動手段により前記励起光の光軸を、前記基準位置、前記第1の照射位置及び前記第2の照射位置へ向ける。
【0022】
この発明によれば、揺動手段は励起光の光軸を基準位置、第1の照射位置、第2の照射位置へ揺動させることで、照射位置を変更する。これにより、1つの光源で容易に照射位置を切り換えることができる。
【0023】
また、本発明の光断層計測装置は、前記補正手段により補正された前記基準データを前記受光手段による計測データとして、該計測データに基づいて前記計測対象内の蛍光の濃度分布を再構成する再構成手段を、さらに含んでいる。
【0024】
この発明によれば、補正手段が補正した基準データを計測データとして、計測対象内の蛍光の濃度分布を再構成する。これにより、計測面上から外れた蛍光標識剤の蛍光成分を除去した上で蛍光の濃度分布を再構成できる。
【0025】
さらに、本発明の光断層計測装置は、前記照射手段と前記受光手段とを一体で前記計測対象の体長方向に沿って移動することにより前記計測面を移動する計測位置移動手段を、さらに含んでいる。
【0026】
この発明によれば、計測位置移動手段が、計測対象に対して計測面を移動する。これにより、計測対象の任意の位置での濃度分布の再構成を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、演算負荷の軽減に伴う画像再構成精度の低下防止を図るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施の形態に係る光断層計測システムの要部の概略構成図である。
【図2】計測対象とするマウス及び検体ホルダの一例を示す概略斜視図である。
【図3】光計測装置にマウスを収容した検体ホルダを装填した状態を示す要部の概略構成図である。
【図4】光計測装置の要部の概略構成を示す斜視図である。
【図5】光計測装置の要部を枠体の軸方向と交差する一方から見た概略構成図である。
【図6】第1の実施の形態に係る光断層計測システムの制御部を示すブロック図である。
【図7】異方性散乱媒質のモデルの一例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態に係る計測ヘッド部及び検体ホルダの配置を示す要部の概略構成図である。
【図9】(A)〜(C)は計測面に対する励起光の照射位置を模式的に示す概略図であり、(A)は計測面上への励起光の照射を示し、(B)及び(C)は計測面と異なる位置への励起光の照射を示している。
【図10】(A)は補正係数kの設定に適用したファントムモデルの一例を示す概略図であり、(B)は(A)に基づいた演算により得られる計測データを示す線図である。
【図11】第1の実施の形態に係る計測データの取得の一例を示す流れ図である。
【図12】計測データを用いたデータ処理装置での処理の概略を示す流れ図である。
【図13】第2の実施の形態に係る計測ヘッド部及び検体ホルダの配置を示す要部の概略構成図である。
【図14】第2の実施の形態に係る光断層計測システムの制御部を示すブロック図である。
【図15】第2の実施の形態に係る計測データの取得の一例を示す流れ図である。
【図16】計測ヘッド部及び検体ホルダの配置の他の一例を示す要部の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0030】
〔第1の実施の形態〕
図1及び図6には、第1の実施の形態に係る光断層計測システム10の概略構成が示されている。光断層計測システム10は、本発明に係る光計測装置14及び、光計測装置14で得られる計測データに対して所定のデータ処理を行うデータ処理装置16を備えている。なお、光断層計測システム10は、光計測装置14の機能とデータ処理装置16の機能を一体化した構成であっても良い。
【0031】
この光断層計測システム10では、例えば、ヌードマウスなどの小動物等の生体を計測対象として、この計測対象に蛍光標識剤(蛍光物質)を投与し、投与した蛍光標識剤の体内における濃度分布を示す断層画像を再構成する。再構成された光断層画像は、例えば、モニタ18等に表示される。なお、以下では、計測対象をマウス12(図2、図3参照)として説明するが、光計測装置14は、これに限らず、任意の生体を計測対象とすることができる。
【0032】
計測対象とされるマウス12には、例えば予め腫瘍細胞などの病変細胞を注入して、腫瘍などの病変部位を生じさせる(発現させる)。マウス12に投与する蛍光標識剤は、例えば、病変部位などの特定部位に特異的に付着する抗体に蛍光物質を含ませたものが適用され、発現させたマウス12に蛍光標識剤を投与すると、この蛍光標識剤が血液循環によりマウス12の体内に分散された後、抗原抗体反応によって蛍光標識剤が病変部位に付着する。
【0033】
光断層計測システム10では、例えば、マウス12に投与した蛍光標識剤がマウス12の病変部位に付着するタイミングで、該マウス12を光計測装置14へ装填する。光計測装置14は、蛍光標識剤に対する励起光をマウス12へ照射し、マウス12の体内の蛍光標識剤から発せられる蛍光強度を計測する。データ処理装置16では、光計測装置14から出力される蛍光強度に応じた計測データに基づいてマウス12内の蛍光(蛍光標識剤)の濃度分布を演算する。
【0034】
図2及び図3に示されように、第1の実施の形態に適用した光計測装置14では、マウス12が検体ホルダ30に収容されて装填される。図2に示されるように、検体ホルダ30は、上型ブロック32と下型ブロック34とによって構成されている。検体ホルダ30は、この上型ブロック32と下型ブロック34とが重ね合わせられることにより、所定の外径の略円柱形状となる。
【0035】
上型ブロック32には、マウス12の背側の体型(外形形状や大きさ)に合わせた凹部32Aが形成され、下型ブロック34には、マウス12の腹側の体型に合わせた凹部34Aが形成されている。マウス12は、腹部側が下型ブロック34の凹部34A内に収容された状態で上型ブロック32が被せされることにより、体長方向が検体ホルダ30の軸方向に沿うように配置され、表皮が検体ホルダ30の内面に密接されて収容される。なお、検体ホルダ30では、例えば、下型ブロック34に形成した一対の係合突部36Aが、上型ブロック32に形成している係合凹部36Bに嵌め込まれることにより、上型ブロック32と下型ブロック34との間の位置決めがなされる。
【0036】
ここで、第1の実施の形態では、主としてマウス12の胴部(胸部から腰部)を計測部位としており、検体ホルダ30は、内面に少なくともマウス12の胴部の表皮が緊密に接した状態で保定する。また、検体ホルダ30では、例えば、マウス12の頭部側の端面が基準面38とされており、マウス12は、検体ホルダ30に収容されたときに、体型(大きさ)に応じて各臓器の基準面38に対する位置が定まるようにされている。
【0037】
図4及び図5に示されるように、光計測装置14には、図示しないケーシングにより遮光された内部に基台20が配置され、この基台20にベース板24が立設されている。ベース板24には、一方の面に計測ヘッド部22が設けられている。図1から図5に示されるように、計測ヘッド部22は、リング状に形成された枠体26を備え、この枠体26がベース板24に形成されている図示しない円孔と同軸となるように配置されている。
【0038】
図5に示されるように、ベース板24には、一方の面にロータリーアクチュエータ28が取り付けられ、このロータリーアクチュエータ28に枠体26が取り付けられている。ロータリーアクチュエータ28には、ベース板24の円孔に対応した図示しない空洞部が形成され、この空洞部が円孔に同軸となるようにベース板に取り付けられ、また、枠体26は、この空洞部と同軸となるようにロータリーアクチュエータ28に取り付けられている。
【0039】
ロータリーアクチュエータ28は、例えば、ステッピングモータ、パルスモータなどの図示しないモータの駆動力によって回転駆動される。これにより、光計測装置14では、枠体26がその軸心を軸に回動される。なお、ロータリーアクチュエータ28は、モータに限らずエアにより駆動されるなど任意の構成の駆動源を適用することができる。
【0040】
図4及び図5に示されるように、光計測装置14には、ベース板24を挟んでアーム44、46が対で設けられている。アーム44は、支柱48の先端部にブラケット50が取り付けられ、このブラケット50の先端が枠体26の開口を通してアーム46側へ向けられている。また、アーム46は、支柱52の先端部にブラケット54が取り付けられ、このブラケット54の先端が枠体26の開口を通してアーム44側へ向けられている。
【0041】
基台20上には、長尺のスライダ56及びスライドベース58が配置されている。スライダ56は、長手方向が枠体26の軸線方向(図4及び図5の紙面左右方向)に沿って配置され、ベース板24の下端部に形成された開口部24A(図4参照)に挿通されて基台20上に取り付けられている。スライドベース58は、長手方向がスライダ56の長手方向に沿うように配置され、スライダ56のブロック56Aに取り付けられている。また、スライドベース58には、長手方向の一端側にアーム44の支柱48が立設され、他端側にアーム46の支柱52が立設されている。
【0042】
スライダ56は、その内部に、ステッピングモータなどを駆動源とする送りねじ機構(図示省略)が設けられ、ステッピングモータが駆動されることによりブロック56Aが長手方向(図5の紙面左右方向)に沿って移動する。これにより、光計測装置14では、一対のアーム44、46が一体で、枠体26の軸線方向に移動される。なお、ここでは、アーム44、46を移動するが、これに限らず、枠体26(計測ヘッド部22)が移動する構成であっても良い。
【0043】
光計測装置14では、アーム44のブラケット50とアーム46のブラケット54との間に、検体ホルダ30が掛け渡されて装着される。このとき、検体ホルダ30は、軸線が枠体26の軸線に沿いかつ軸心と重なるように配置される。また、検体ホルダ30は、基準面38が、ブラケット50に設定している基準面50Aに突き当てられることにより位置決めされる。
【0044】
光計測装置14では、一対のアーム44のブラケット50が、ベース板24を挟んで枠体26と反対側となる位置へ移動した状態で、ブラケット44、46の間に検体ホルダ30が装着される。光計測装置14では、スライダ56の駆動により、検体ホルダ30が枠体26の軸心部を通過するように矢印A方向へ移動する。また、光計測装置14では、検体ホルダ30が矢印A方向と反対方向へ移動されて、装着された位置にもどされることにより、アーム44、46からの検体ホルダ30の取り出しが行われる。
【0045】
一方、図1及び図4に示されるように、計測ヘッド部22には、発光素子としてLEDや半導体レーザなどが設けられ、励起光とする所定波長の光ビームを発する光源ユニット40及び、それぞれがマウス12から発せられる蛍光を受光する受光素子を備えた複数の受光ユニット42が設けられている。
【0046】
図1に示されるように、光源ユニット40及び受光ユニット42は、それぞれの光軸が枠体26の軸心へ向けられ、枠体26の軸線方向と交差する平面(図3参照。以下、計測面22Aとする)上となるように配置されている。また、光源ユニット40及び受光ユニット42は、互いの光軸の間の角度が所定の角度θとなるように枠体26の軸心から放射状となるように配置されている。なお、第1の実施の形態では、一例として1基の光源ユニット40と、11基の受光ユニット42A、42B、42C、42D、42E、42F、42G、42H、42I、42J、42Kとを設け、互いの間の角度θが30°となるように配置している。
【0047】
光計測装置14は、アーム44、46に装着された検体ホルダ30が、枠体26の軸心部に配置されることにより、光源ユニット40から発するビーム状の励起光を検体ホルダ30の周面に照射する。また、光計測装置14では、励起光が照射されることにより、検体ホルダ30の外周面から放出される光(蛍光)を、受光ユニット42のそれぞれで検出する。
【0048】
このとき、光計測装置14では、ロータリーアクチュエータ28の駆動により計測ヘッド部22(光源ユニット40及び受光ユニット42)を、検体ホルダ30の周方向に回転し、励起光の照射位置及び蛍光の受光位置を変え、それぞれの位置で蛍光の計測を行う。また、光計測装置14では、スライダ56によって検体ホルダ30を枠体26の軸線方向に沿って移動し、検体ホルダ30の軸線方向に沿った所定の位置または所定の間隔で蛍光の計測を行う。
【0049】
これにより、光計測装置14では、マウス12の体長方向に沿った任意の位置で、マウス12の体内の蛍光標識剤から発せられ蛍光を計測し、計測された蛍光の強度に応じた計測データが得られる。
【0050】
なお、光計測装置14では、発光素子68が発する光の波長を、マウス12に投与される蛍光標識剤が蛍光を発する波長に合わせている。例えば、マウス12に投与する蛍光標識剤が、約730nmの波長の励起光が照射されることにより約770nmの蛍光を発するものであるとき、光計測装置14では、この波長(約770nm)の光が受光されるように受光ユニット42の光学特性(例えば、フィルタの帯域)が設定されている。
【0051】
一方、図6に示されるように、光計測装置14には、制御部60が設けられている。制御部60には、図示しないマイクロコンピュータを備えたコントローラ62が設けられている。
【0052】
制御部60には、ロータリーアクチュエータ28の図示しないモータを駆動する駆動回路64及び、スライダ56の図示しないモータを駆動する駆動回路66が設けられ、これらがコントローラ62に接続されている。これにより、光計測装置14では、コントローラ62により検体ホルダ30の移動及び、計測ヘッド部22の回動が制御される。
【0053】
また、光源ユニット40には、励起光を発する発光素子68が設けられ、受光ユニット42のそれぞれには蛍光を受光する受光素子72が設けられている。制御部60には、発光素子68を駆動する発光駆動回路70、受光素子72から出力される電気信号を増幅する増幅器(amp)74、増幅器74から出力される電気信号(アナログ信号)に対してA/D変換を行うA/D変換器76を備えている。
【0054】
これにより、制御部60では、光源ユニット40の発光素子68の発光を制御しながら、各受光ユニット42の受光素子72によって検出された計測データがデジタル信号として出力される。なお、光計測装置14には、図示しない表示パネルが設けられ、コントローラ62によって装置の作動状態等が表示される。
【0055】
データ処理装置16には、CPU78A、ROM78B、RAM78C、記憶手段とされるHDD78D、キーボード78E(図1参照)やマウスなどの入力デバイス78G、モニタ18等がバス78Fに接続された一般的構成のコンピュータが形成されている。
【0056】
また、データ処理装置16には、入出力インターフェイス(I/O IF)80Aが設けられており、この入出力インターフェイス80Aが、光計測装置14の制御部60に設けている入出力インターフェイス80Bに接続されている。これにより、データ処理装置16には、光計測装置14で計測された計測データが入力される。なお、光計測装置14とデータ処理装置16との接続は、USBインターフェイスなどの公知の任意の規格を適用することができる。
【0057】
データ処理装置16は、CPU78Aが、RAM78Cをワークメモリとして用い、ROM78B又はHDD78Dに記憶されたプログラムを実行することにより、光計測装置14の作動を制御し、マウス12から発せられる蛍光の強度を計測する。また、データ処理装置16は、光計測装置14において計測により得られた計測データを読み込み、この計測データに基づいて蛍光の強度分布を示す断層画像の再構築を行う。なお、光断層計測システム10では、データ処理装置16が光計測装置14の作動を制御する構成に限らず、光計測装置14が単独で動作して、計測データを出力する構成であっても良い。
【0058】
ここで、マウス12等の生体では、光に対して異方性散乱媒質となっている。異方性散乱媒質は、入射された光が光浸達長(等価散乱長)に達するまでは、前方散乱が支配的な領域となっているが、光浸達長を超えた領域では、光の偏向がランダムな多重散乱(等方散乱)が生じ、光の散乱が等方的となる(等方散乱領域)。この前方散乱が支配的な領域は数mm程度と狭いため、異方性散乱媒質同士が接している場合、一方の異方性散乱媒質と他方の異方性散乱媒質とを一体の異方性散乱媒質と見なすことができる。
【0059】
第1の実施の形態では、マウス12を収容した検体ホルダ30(上型ブロック32と下型ブロック34)内が実質的に等方散乱領域と見なされるように、検体ホルダ30を異方性散乱媒質となる材質を用いて形成している。このような検体ホルダ30の材質としては、ポリエチレン(PE)や、光の等価散乱係数μs’が1.05mm−1のポリアセタール樹脂(POM)などを用いることができる。なお、検体ホルダ30を形成する材質は、これに限らず、異方散乱媒質であれば任意の材質を適用することができる。
【0060】
マウス12が収容された検体ホルダ30内を実質的に等方散乱領域とみなすことができれば、マウス12の体内での光の散乱を等方散乱に近似することができる。
【0061】
高密度媒質内で光が散乱を受けながら伝播するときに、光強度の分布は、光子のエネルギーの流れを記述する基本的な方程式である光(光子)の輸送方程式で表されるが、光の散乱が等方散乱に近似されることにより、拡散方程式を用いて光強度の分布を表すことができる。データ処理装置16では、光計測装置14の計測結果(計測データ)を用いて拡散方程式の解を演算することにより光(蛍光)の濃度分布を取得する。また、データ処理装置16は、演算された濃度分布に基づいたマウス12の光断層画像(再構成された光断層画像)をモニタ18等に表示する。
【0062】
一方、図1及び図3に示されるように、光計測装置14では、検体ホルダ30の基準面38が、アーム44のブラケット50に設定されている基準面50Aに当接されることにより、検体ホルダ30内に収容されているマウス12の位置決めがなされる。図3に示されるように、光計測装置14では、この基準面50Aに基づいて設定している原点xsとし、この原点xsからマウス12の体長方向(検体ホルダ30の軸方向)に沿って検体ホルダ30を移動する。
【0063】
このとき、例えば、図3に示されるように、光計測装置14では、基準面50Aを原点xsとして、予め設定されている位置(マウス12の予め設定されている部位に対応する計測位置x)へ移動し、この位置から所定間隔Δx(例えば、Δx=3mm)毎に蛍光の計測を行なう。
【0064】
また、光計測装置14では、光源ユニット40を予め設定された原位置から所定の角度θずつ回転し(例えば、原位置θから回転位置θ、θ、・・・、θ12)、それぞれの回転位置θで、受光ユニット42A〜42Kの出力信号である計測データD(m)を読み込む。なお、mは、m=1〜11として、受光ユニット42A〜42Kを特定する変数としている。
【0065】
これにより、光計測装置14では、計測データD(x、θ、m)が得られる。このときに、計測位置xが同じであれば、その計測データD(x、θ、m)は、検体ホルダ30の移動方向に対して交差する同一平面(計測面22A)上のデータとなる。なお、計測位置xは、計測面22Aの移動位置でもあることから、移動位置xとも表記する。
【0066】
ところで、マウス12は異方性散乱媒質であるため、励起光はマウス12の体内に拡散しながら伝播する。これにより、励起光は計測面22A上の蛍光標識剤のみならず、その近傍の蛍光標識剤を励起してしまう。このために、各受光ユニット42は、計測面22Aの近傍の蛍光標識剤から発せられる蛍光を受光してしまう。
【0067】
図7は、異方性散乱媒質のモデルの一例を示している。このモデル100(検体ホルダ30に対応)は、略円柱状に形成され、内部には蛍光標識剤に換えて蛍光体102が設けられている(図7では一例として2つの蛍光体102A、102Bを示している)。ここで、蛍光体102A、102Bの間を計測面22Aとしたときに、この計測面22Aとなるモデル100の外周面上に励起光がスポット状に照射される(この位置を基準位置としての照射位置Sとする)。
【0068】
モデル100に照射された励起光は、モデル100内を散乱しながら伝播するため、計測面22Aから離れた蛍光体102A、102Bにも達する。これにより、この蛍光体102A、102Bから発せられる蛍光の一部は、モデル100内を散乱しながら伝播し、受光ユニット42に対向する射出位置Eから射出する。
【0069】
この結果、計測面22A上に蛍光体102A、102Bが存在しないにもかかわらず、受光ユニット42で蛍光が受光され、これに応じた計測データD(x、θ、m)が出力される。従って、計測データD(x、θ、m)は計測面22Aの近傍の蛍光体102A、102Bから発せられる蛍光成分をノイズとして含んでいる。
【0070】
図8に示されるように、第1の実施の形態に適用した光計測装置14は、アクチュエータ110を備えている。このアクチュエータ110は、計測ヘッド部22の枠体26に取り付けられ、このアクチュエータ110に光源ユニット40が取り付けられている。アクチュエータ110は、光源ユニット40を枠体26に対して、矢印x方向に沿って移動する。
【0071】
図6に示されるように、制御部60には、アクチュエータ110の図示しないモータを駆動する駆動回路112が設けられ、この駆動回路112がコントローラ62に接続されている。なお、アクチュエータ110は任意の駆動源を適用することができる。
【0072】
ここで、図8に示されるように、光計測装置14では、アクチュエータ110の作動により、光源ユニット40から発せられる励起光の照射位置Sを、検体ホルダ30の軸線方向、すなわち、マウス12の体長方向に沿って移動する。
【0073】
光計測装置14では、励起光の照射位置Sが計測面22A上となるように光源ユニット40を移動し、受光ユニット42のそれぞれで蛍光の計測を行う。また、光計測装置14では励起光の照射位置Sを矢印x方向の一方側及び他方側のそれぞれへ所定量Δxaだけずれるように光源ユニット40を移動し、それぞれの移動位置で蛍光の計測を行う。
【0074】
以下では、矢印x方向をx軸とし、計測面22A上の照射位置に対して、所定量Δxaだけx軸の一方側へ移動した照射位置を第1の位置としての照射位置S、x軸の他方へ移動した照射位置を第2の位置としての照射位置Sとして説明する。これにより、所定量Δxaだけ移動した照射位置S、Sは、照射位置Sを挟んで対称となるようにしているが、これに限らず、照射位置S、Sの間隔と、照射位置S、Sの間隔は異なるものであってもよい。
【0075】
また、光計測装置14で得られる計測データD(x、θ、m)は、照射位置Sに対するデータを基準データとしての計測データD(x、θ、m)、照射位置Sに対するデータを第1データとしての計測データD(x、θ、m)、照射位置Sに対するデータを第2データとしての計測データD(x、θ、m)、とする。これにより、光計測装置14では、移動位置x、回転位置θのそれぞれに受光ユニット42毎に計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)が得られるようにしている。
【0076】
ここで、図9(A)に示されるように、計測面22A上にある照射位置Sへ励起光が照射されると、モデル100内を励起光が散乱して蛍光体102A及び102Bを励起する。これにより、発せられた蛍光体102A及び102Bの蛍光が散乱し、射出位置Eから射出した蛍光を受光ユニット42が受光することにより、計測データD(x、θ、m)が得られる。
【0077】
また、図9(B)に示されるように、照射位置Sへ励起光が照射され、これにより発せられた蛍光体102A及び102Bの蛍光を受光ユニット42が受光することにより、計測データD(x、θ、m)が得られる。
【0078】
このとき、照射位置Sから蛍光体102Aまでの励起光の伝播距離が、図9(A)における照射位置Sから蛍光体102Aまでの励起光の伝播距離よりも短くなる。これにより、計測データD(x、θ、m)と比較して、計測データD(x、θ、m)に含まれる蛍光体102Aから発せられる蛍光成分が多くなる。
【0079】
さらに、図9(C)に示されるように、照射位置Sへ励起光が照射され、これにより発せられた蛍光体102A及び102Bの蛍光を受光ユニット42が受光することにより、計測データD(x、θ、m)が得られる。
【0080】
このとき、照射位置Sから蛍光体102Bまでの励起光の伝播距離が、図9(A)における照射位置Sから蛍光体102Bまでの励起光の伝播距離よりも短くなる。これにより、計測データD(x、θ、m)と比較して、計測データD(x、θ、m)に含まれる蛍光体102Bから発せられる蛍光成分が多くなる。
【0081】
光計測装置14は、計測対象をマウス12としたときに、照射位置を変えて、計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)を取得し、データ処理装置16へ出力する。
【0082】
データ処理装置16では、この計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)を用いて、計測面22Aに隣接した蛍光体102から発せられた蛍光成分を除いた計測データ(以下、計測データD’(x、θ、m)とする)を求める(計測データの補正)。また、データ処理装置16は計測データD’(x、θ、m)を用いて蛍光の濃度分布の再構成を行う。
【0083】
照射位置S及び照射位置Sを挟んで対称となる照射位置S、Sに励起光を照射して得られる計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)から、計測データD’(x、θ、m)を得るときには、例えば、以下の演算式(式(1))を用いることができる。
【0084】
D’(x、θ、m)=2D(x、θ、m)−k{D(x、θ、m)+D(x、θ、m)} ・・・(1)
このときのkは補正係数であり、この補正係数kを予め適切に設定することにより、ノイズとなる蛍光成分を除いた計測データが得られる。
【0085】
データ処理装置16は、補正された計測データD’(x、θ、m)に基づいて断層画像の再構成を行っている。なお、第1の実施の形態では、データ処理装置16において計測データの補正を行うものとして説明するが、これに限らず、光計測装置14の制御部60が補正を行うものであってもよい。
【0086】
第1の実施の形態では、マウス12の体内に投与する蛍光標識剤が発する蛍光に対する光学的特性値として吸収係数μa、等価散乱係数μs’が設定され、データ処理装置16に記憶されている。データ処理装置16は、予め設定された光学特性値及び計測データD’(x、θ、m)に基づいて、光拡散方程式を用いた順問題計算によって蛍光強度を演算する。また、データ処理装置16では、演算された蛍光強度と計測データD’(x、θ、m)から得られる蛍光強度の差分を評価する。
【0087】
さらに、データ処理装置16では、光拡散方程式の逆問題計算を行うことにより、上記評価結果から得られる差分を減少させるように蛍光強度から蛍光体の濃度分布に基づく吸収係数を更新し、更新された蛍光標識剤の濃度分布に基づく光学特性値を用いて蛍光強度の演算が行う。
【0088】
データ処理装置16では、蛍光の強度の更新と評価を繰り返すことにより、例えば、演算された蛍光強度と計測データとが一致したと評価されると、そのときの蛍光標識剤の濃度分布に基づく光学特性値から光断層情報である蛍光の濃度分布(強度分布)を生成し、この光断層情報に基づいて光断層画像の再構成を行う。なお、光断層画像の再構成は、蛍光標識剤の蛍光強度を計測し、これにより得られる計測データD’(x、θ、m)に基づいて光輸送方程式ないし光拡散方程式に基づいた演算結果を用いる構成であれば任意の構成を適用することができる。
【0089】
以下に、第1の実施の形態に係る光断層計測システム10での処理を説明する。
【0090】
第1の実施の形態に係る光断層システム10のデータ処理装置16では、計測データの補正に用いる補正係数kが予め設定されており、この補正係数k及び計測データにD(x、θ、m)、D(x、θ、m)に基づいて計測データD(x、θ、m)を補正し、計測データD’(x、θ、m)を取得する。また、データ処理装置16は補正した計測データD’(x、θ、m)を用いて断層画像の再構成を行う。まず、補正係数kの設定の一例を説明する。
【0091】
(補正係数kの設定)
補正係数kの設定は、マウス12と同様の異方性散乱媒質のシミュレーションモデル100Aを用いたシミュレーションによって行う。
【0092】
図10(A)に示されるように、このシミュレーションモデル100Aでは予め設定されている位置に蛍光体102(102A、102B)を設けている。シミュレーションモデル100Aは、等価散乱係数μs’=1.0、吸収係数μa=0.05とし、蛍光体102A、102B及び蛍光体102A、102Bの間隔をシミュレーションモデル100Aの断面間隔の2倍としている。
【0093】
ここで、シミュレーションモデル100Aにおいて、励起光の照射位置を照射位置S、S、Sと変更し、照射位置S、S、Sにおける計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)を演算により求める。
【0094】
このときに、蛍光体102A、102Bの発する蛍光成分の影響を受けていない場合の計測データD’’(x、θ、m)(真値)、蛍光体102A、102Bの発する蛍光成分を含めた計測データD(x、θ、m)(補正なし)を算出する。
【0095】
図10(B)には、シミュレーションモデル100Aに対する演算結果を示している。なお、図10(B)では、D’(x、θ、m)を実線で示し、D(x、θ、m)を破線で示しており、D’(x、θ、m)の最大値を基準として正規化を行っている。
【0096】
ここで、上記(1)式を用いて計測データD(x、θ、m)の補正を行う場合、補正係数kは以下の(2)式によって与えられる。
【0097】
k={2D(x、θ、m)−D’’(x、θ、m)}/{D(x、θ、m)+D(x、θ、m)} ・・・(2)
なお、n、pは変数であり、nには任意のx方向の移動距離1〜15が、pには任意の回転角度1〜12が入る。
【0098】
補正した計測データを計測データD’(x、θ、m)としたとき、必要とする補正係数kは、計測データD(x、θ、m)を計測データD’’(x、θ、m)に近似させるものであり、例えば、少なくとも計測データD(x、θ、m)の何れか一つがD’’(x、θ、m)に重なるようにするものである。
【0099】
こkで、補正係数kの誤差を最小とするためには、{D(x、θ、m)+D(x、θ、m)}が大きいことが好ましい。
【0100】
(x、θ、m)+D(x、θ、m)=max{D(x、θ、m)+D(x、θ、m)}とする。すなわち、計測データD(x、θ、m)の全て(移動位置x(15)×回転位置θ(12)×受光ユニット42(11)=1980通り)のうちで{D(x、θ、m)+D(x、θ、m)}が最大値となる計測データとする。これにより、特定される(x、θ、m)に対する計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)を用いる。
【0101】
このようにして算出される補正係数kに基づいて計測データD(x、θ、m)を補正した計測データD’(x、θ、m)を図10(B)に二点鎖線で示しており、D’’(x、θ、m)に近似したD’(x、θ、m)が得られる。なお、データ処理装置16は、各受光ユニット42の補正係数kを格納する。また、補正係数kを求める上記(2)式は一例であり、これに限られるものではない。
【0102】
図11には、第1の実施の形態に係る光計測装置14における蛍光の計測処理の一例を示す。光計測装置14では、計測データD(x、θ、m)、計測データD(x、θ、m)、計測データD(x、θ、m)を取得する。
【0103】
このフローチャートは、マウス12を収容した検体ホルダ30が装填されることにより開始され、ステップ200では、スライダ56を作動することにより、マウス12の所定の移動位置x(図3の移動位置x〜x15まで順に計測するものとし、最初は移動位置xとする)に計測面22Aがくるように検体ホルダ30を移動する。次に、ステップ202では、計測ヘッド部22の枠体26を予め設定された回転位置θ(回転位置θ〜θ12まで順に計測するものとし、最初は回転位置θとする)に配置する。さらに、ステップ204では、アクチュエータ110を作動して照射位置Sに励起光が照射されるように光源ユニット40を移動する。
【0104】
次のステップ206では、光源ユニット40を作動して検体ホルダ30に向かって励起光を照射する。この後のステップ208では、励起光に応じて検体ホルダ30から放出される蛍光を受光ユニット42によって順に受光するように制御する(m〜m11まで順に計測するものとし、最初はmとする)。
【0105】
これにより、ステップ210では、制御された受光ユニット42で受光している光量に応じた計測データD(x、θ、m)を取得し、ステップ212では、取得した計測データD(x、θ、m)をデータ処理装置16へ出力する。
【0106】
次のステップ214では、全ての受光ユニット42の計測データD(x、θ、m)を出力したか否かを確認し、出力していない受光ユニット42があれば(m<11)、ステップ214で否定判定してステップ208へ移行し、次の受光ユニット42による計測データD(x、θ、m)の取得及び取得した当該データの出力を行う。
【0107】
また、全ての受光ユニット42から計測データD(x、θ、m)が出力されると、ステップ214で肯定判定してステップ216へ移行し、光源ユニット40の作動を一時停止する。
【0108】
次のステップ218では、アクチュエータ110を作動して照射位置Sに励起光が照射されるように光源ユニット40を移動する。
【0109】
次のステップ220、222において、光源ユニット40を作動して検体ホルダ30に向かって励起光を照射し、励起光に応じて検体ホルダ30から放出される蛍光を受光ユニット42によって順に受光するように制御する(m〜m11まで順に計測するものとし、最初はmとする)。
【0110】
これにより、ステップ224、226では、制御された受光ユニット42で受光している光量に応じた計測データD(x、θ、m)を取得し、取得した計測データD(x、θ、m)をデータ処理装置16へ出力する。
【0111】
次のステップ228では、全ての受光ユニット42の計測データD(x、θ、m)を出力したか否かを確認し、出力していない受光ユニット42があれば(m<11)、ステップ228で否定判定してステップ222へ移行し、次の受光ユニット42による計測データD(x、θ、m)の取得及び取得した当該データの出力を行う。
【0112】
また、全ての受光ユニット42から計測データD(x、θ、m)が出力されると、ステップ228で肯定判定してステップ230へ移行し、光源ユニット40の作動を一時停止する。
【0113】
次のステップ232では、アクチュエータ110を作動して照射位置Sに励起光が照射されるように光源ユニット40を移動する。
【0114】
次のステップ234、236において、光源ユニット40を作動して検体ホルダ30に向かって励起光を照射し、励起光に応じて検体ホルダ30から放出される蛍光を受光ユニット42によって順に受光するように制御する(m〜m11まで順に計測するものとし、最初はmとする)。
【0115】
これにより、ステップ238、240では、制御された受光ユニット42で受光している光量に応じた計測データD(x、θ、m)を取得し、取得した計測データD(x、θ、m)をデータ処理装置16へ出力する。
【0116】
次のステップ242では、全ての受光ユニット42の計測データD(x、θ、m)を出力したか否かを確認し、出力していない受光ユニット42があれば(m<11)、ステップ242で否定判定してステップ236へ移行し、次の受光ユニット42による計測データD(x、θ、m)の取得及び取得した当該データの出力を行う。
【0117】
また、全ての受光ユニット42から計測データD(x、θ、m)が出力されると、ステップ242で肯定判定してステップ244へ移行し、光源ユニット40の作動を一時停止する。
【0118】
このようにして、移動位置x、回転位置θ、各受光ユニット42で計測した計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)を出力すると、全ての回転位置θ(θ〜θ12)での計測が終了したか否かを確認し、終了していない場合(θ<12)、ステップ246で否定判定してステップ202へ移行し、次の回転位置θでの計測を開始する。また、全ての回転位置θでの計測が終了するとステップ246で肯定判定してステップ248へ移行する。
【0119】
このステップ248では、全ての移動位置x(x〜x15)での計測が終了したか否かを確認し、終了していない場合(x<15)、ステップ248で否定判定してステップ200へ移行し、次の移動位置xでの計測を開始する。
【0120】
また、全ての移動位置x(x〜x15)での計測が終了した場合、ステップ248で肯定判定して、計測処理を終了する。なお、計測処理が終了すると、光計測装置14では、スライダ56を作動させて検体ホルダ30を装填位置へ戻す。
【0121】
これにより、光計測装置14では、全移動位置x〜x15及びそれぞれの移動位置における全回転位置θ〜θ12において、各受光ユニット42により計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)がデータ処理装置16へ出力される。
【0122】
図12には、光計測装置14から出力された計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)に基づいた、データ処理装置16での蛍光の濃度分布の再構成処理の概略を示している。
【0123】
このフローチャートは、例えば、光計測装置14での計測処理を並行して実行され、最初のステップ250では、光計測装置14から出力される計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)を読み込み、ステップ252では、読み込んだ計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)をHDD78D等のメモリに格納する。
【0124】
また、ステップ254では、全ての計測位置x及び回転位置θにおける計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)が格納されたか否かを確認し、肯定判定されることにより、計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)の読み込み/格納を終了する。
【0125】
次のステップ256では、上記式(1)を用いて計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)の補正処理を行い、計測データD’(x、θ、m)を取得する。この後、所定のタイミング(再構成処理の指示)で、ステップ256が実行される。
【0126】
ここで、ステップ256では、格納している計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)及び予め設定されている補正係数kに基づいて、計測データD(x、θ、m)の補正を行い、これにより補正した計測データD’(x、θ、m)を取得する。このときに、前記式(1)を用いる。
【0127】
これにより、計測データD(x、θ、m)からノイズとなっている蛍光成分を除去した計測データD’(x、θ、m)が得られ、この後、ステップ258へ移行して、データ処理装置16は補正したD’(x、θ、m)に基づいて蛍光の濃度分布の再構成を行う。
【0128】
次のステップ258では、補正された計測データD’(x、θ、m)を用いて、マウス12の断層画像の再構成処理を行う。このとき、再構成処理としては公知の手法を適用することが可能である。
【0129】
このように、光断層計測システム10では、計測面22A上を除く蛍光標識剤が発せられる蛍光成分をノイズとして除去するので高精度で蛍光分布の再構成を行うことができる。
【0130】
〔第2の実施の形態〕
次に第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の形態は基本的構成が第1の実施の形態と同じであって、第2の実施の形態において第1の実施の形態と同等の構成には、同じ符号を付与してその説明を省略する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る光源ユニット40に換えて基準光源としての光源ユニット40A、第1の光源としての光源ユニット40B、第2の光源としての光源ユニット40Cが用いられる。
【0131】
図13に示すように、枠体26の一面には支軸26Aが設けられている。この支軸26Aは枠体26からx軸方向に突設されており、支軸26Aに光源ユニット40A、40B、40Cが取り付けられ、この光源ユニット40Aを挟んで取り付けられている。このとき、光源ユニット40Aは検体ホルダ30の周面の照射位置Sへ励起光を照射し、光源ユニット40Bは照射位置Sへ励起光を照射し、光源ユニット40Cは照射位置Sへ励起光を照射する。
【0132】
図14に示されるように、光源ユニット40A、40B、40Cには、発光素子68が設けられており、制御部60には、光源ユニット40Aの発光素子68を駆動する発光駆動回路70A、光源ユニット40Bの発光素子68を駆動する発光駆動回路70B、及び光源ユニット40Cの発光素子68を駆動する発光駆動回路70Cを備えている。発光駆動回路70A、70B、70Cは、コントローラ62に接続されている。これにより、光計測装置14Aでは、コントローラ62により光源ユニット40A、40B、40Cの発光が制御される。
【0133】
すなわち、光計測装置14Aには、照射位置S、S、Sのそれぞれに対応して光源ユニット40A、40B、40Cを設けた構成となっている。なお、第2の実施の形態では、照射位置S、S、Sに対応して個別に光源ユニット40A、40B、40Cを設けているが、これに限らず、それぞれが照射位置S、S、Sへ励起光を照射する複数の発光素子68が設けられた一つの光源を用いてもよい。以上により、第2の実施の形態では、光源ユニット40A、40B、40Cを用いることにより、励起光の照射位置を変えて、蛍光の計測を行う。
【0134】
次の第2の実施の形態に係る光計測装置14Aの作用を説明する。
図15には、第2の実施の形態に係る光計測装置14Aにおける蛍光の計測処理の一例を示す。なお、本フローチャートにおいて、第1の実施の形態における蛍光の計測処理(図11)と同一のステップには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0135】
このフローチャートは、マウス12を収容した検体ホルダ30が装填されることにより開始され、ステップ200では、スライダ56を作動することにより、マウス12の所定の移動位置x(図3の移動位置x〜x15まで順に計測するものとし、最初は移動位置xとする)に計測面22Aがくるように検体ホルダ30を移動する。次に、ステップ202では、計測ヘッド部22の枠体26を予め設定された回転位置θ(回転位置θ〜θ12まで順に計測するものとし、最初は回転位置θとする)に配置する。
【0136】
さらに、ステップ300では、照射位置Sに励起光が照射されるように光源ユニット40Aを作動して検体ホルダ30に向かって励起光を照射する。
【0137】
次のステップ222、224、226では、励起光に応じて検体ホルダ30から放出される蛍光を受光ユニット42によって順に受光するように制御し(m〜m11まで順に計測するものとし、最初はmとする)、制御された受光ユニット42で受光している光量に応じた計測データD(x、θ、m)を取得して、この計測データD(x、θ、m)をデータ処理装置16へ出力する。
【0138】
次のステップ228では、全ての受光ユニット42の計測データD(x、θ、m)を出力したか否かを確認し、出力していない受光ユニット42があれば(m<11)、ステップ228で否定判定してステップ222へ移行し、次の受光ユニット42による計測データD(x、θ、m)の取得及び取得した当該データの出力を行う。一方、全ての受光ユニット42から計測データD(x、θ、m)が出力されると、ステップ228で肯定判定してステップ302へ移行し、光源ユニット40Aの作動を停止する。
【0139】
次のステップ304では、照射位置Sに励起光が照射されるように光源ユニット40Bを作動して検体ホルダ30に向かって励起光を照射する。
【0140】
この後、ステップ236、238、240、242を繰り返し、全ての受光ユニット42から計測データD(x、θ、m)が出力されると、ステップ242で肯定判定してステップ306へ移行し、光源ユニット40Bの作動を停止する。
【0141】
次のステップ308では、照射位置Sに励起光が照射されるように光源ユニット40Cを作動して検体ホルダ30に向かって励起光を照射する。
【0142】
この後、ステップ208、210、212、214を繰り返し、全ての受光ユニット42から計測データD(x、θ、m)が出力されると、ステップ214で肯定判定してステップ310へ移行し、光源ユニット40Cの作動を停止する。
【0143】
このようにして、移動位置x、回転位置θ、各受光ユニット42で計測した計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)を出力すると、全ての回転位置θ(θ〜θ12)での計測が終了したか否かを確認し、終了していない場合(θ<12)、ステップ246で否定判定してステップ202へ移行し、次の回転位置θでの計測を開始する。また、全ての回転位置θでの計測が終了するとステップ246で肯定判定してステップ248へ移行する。
【0144】
このステップ248では、全ての移動位置x(x〜x15)での計測が終了したか否かを確認し、終了していない場合(x<15)、ステップ248で否定判定してステップ200へ移行し、次の移動位置xでの計測を開始する。
【0145】
また、全ての移動位置x(x〜x15)での計測が終了した場合、ステップ248で肯定判定して、計測処理を終了する。なお、計測処理が終了すると、光計測装置14では、スライダ56を作動させて検体ホルダ30を装填位置へ戻す。
【0146】
〔光源ユニットの別の形態〕
なお、上記第1の実施の形態では励起光の照射位置を照射位置S、S、Sへ変更するのにアクチュエータ110を用いて光源ユニット40をx方向に並行移動させ、第2の実施の形態では3つの光源ユニット40A、40B、40Cを備えて切り換えるようにしたが、励起光の照射位置を変更する構成はこれらに限るものではない。
【0147】
例えば、図16にはその一例を示しており、照射位置に応じて光軸を傾斜するように光源ユニット40を揺動する等の構成を適用することができる。枠体26の一方の面には第1の実施の形態におけるアクチュエータ110に換えてアクチュエータ110Aが取り付けられている。このアクチュエータ110Aに光源ユニット40Dが支持されている。アクチュエータ110Aは、光源ユニット40Dが発する励起光の光軸を矢印x方向へ異動するように光源ユニット40Dを揺動する。これにより、光源ユニット40Dから発せられる励起光の照射位置を照射位置S、S、Sのそれぞれに変更可能としている。
【0148】
このように構成した場合においても、計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)を得ることができ、この計測データD(x、θ、m)、D(x、θ、m)、D(x、θ、m)に基づいて蛍光の濃度分布の再構成を行うことができる。
【0149】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。
【0150】
例えば、マウス12(検体ホルダ30)の前方散乱領域が狭いため、励起光の各照射位置へ垂直に励起光を照射していなくても特段の問題は生じない。
【0151】
なお、生体内では光が3次元的に散乱するため、隣接断層面上の蛍光体分布とのクロストークにより、再構成精度の信頼性が低下するという問題を解決する一つの方法として時間分解計測法がある。時間的に幅の狭い光パルスを光散乱媒質に入射し、物質内部を伝播してきた光パルス波形の時間的な広がりを計測し、その時間プロファイルから伝播距離を得る。すなわち、隣接断層面からの蛍光成分が推定できるが、時間分解計測法は高い時間分解能が必要であり、極短光のため感度やS/Nの点で不利となる。簡便さや低コスト化の解決策にはならない。
【0152】
これに対して、光断層計測システム10では、演算負荷の少なくかつ低コストで、再構成するときの画像精度の低下を低減することができる。
【符号の説明】
【0153】
10 光断層計測システム
12 マウス(生体、計測対象)
14、14A 光計測装置
16 データ処理装置(補正手段、再構成手段)
22 計測ヘッド部
22A 計測面
30 検体ホルダ(計測対象)
60 制御部(取得手段)
40 光源ユニット(照射手段、光源)
40A〜40C 光源ユニット(照射手段、第1の光源〜第3の光源)
42 受光ユニット(受光手段)
56 スライダ(計測位置移動手段)
110 アクチュエータ(変更手段、移動手段)
110A アクチュエータ(変更手段、揺動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象とする生体の体長方向に光軸が交差するように配置された光源から前記計測対象へ励起光を照射する照射手段と、
前記計測対象の体長方向に交差する計測面に光軸が沿うように配置され、前記励起光に応じて前記計測対象内の蛍光標識剤から発せられて計測対象の表面から放出される蛍光を受光する受光手段と、
前記照射手段による前記計測対象への前記励起光の照射位置を、前記計測面上の基準位置、並びに前記体長方向に沿って前記基準位置を挟んだ第1及び第2の位置に変更する変更手段と、
前記基準位置に前記励起光が照射されたときに前記受光手段により受光された前記蛍光の光量に応じた基準データ、前記第1の照射位置に前記励起光が照射されたときに前記受光手段により受光された前記蛍光の光量に応じた第1データ、及び、前記第2の照射位置に前記励起光が照射されたときに前記受光手段により受光された前記蛍光の光量に応じた第2データを取得する取得手段と、
前記第1データ及び前記第2データに基づいて、前記計測面上から外れた前記蛍光標識剤から発せられる蛍光成分を除去するように前記基準データを補正する補正手段と、
を含む光断層計測装置。
【請求項2】
前記変更手段は、前記第1及び第2の照射位置が、前記計測面を挟んで対称となるように前記励起光の照射位置を変更する請求項1に記載の光断層計測装置。
【請求項3】
前記照射手段が、前記基準位置へ前記励起光を照射する基準光源、前記第1の照射位置へ前記励起光を照射する第1の光源、及び、前記第2の照射位置へ前記励起光を照射する第2の光源を含み、
前記変更手段が、前記基準光源、前記第1及び第2の光源を選択的に作動させる、
請求項1又は請求項2に記載の光断層計測装置。
【請求項4】
前記光源を前記計測対象の体長方向に移動する移動手段を含み、
前記変更手段が、前記移動手段により前記光源を移動して、前記基準位置、前記第1の照射位置及び前記第2の照射位置へ前記励起光を照射する、
請求項1又は請求項2に記載の光断層計測装置。
【請求項5】
前記前記光源から発せられる前記励起光の光軸を揺動する揺動手段を含み、
前記変更手段が、前記揺動手段により前記励起光の光軸を、前記基準位置、前記第1の照射位置及び前記第2の照射位置へ向ける、
請求項1又は請求項2に記載の光断層計測装置。
【請求項6】
前記補正手段により補正された前記基準データを前記受光手段による計測データとして、該計測データに基づいて前記計測対象内の蛍光の濃度分布を再構成する再構成手段を、さらに含む請求項1から請求項5の何れか1項記載の光断層計測装置。
【請求項7】
前記照射手段と前記受光手段とを一体で前記計測対象の体長方向に沿って移動することにより前記計測面を移動する計測位置移動手段を、さらに含む請求項1から請求項6の何れか1項記載の光断層計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−179903(P2011−179903A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42994(P2010−42994)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】