説明

光検出半導体装置およびその製造方法

【課題】 簡単な作業でかつ光検出部に傷をつけることなく光検出半導体素子の光検出部が露出した光検出半導体装置を作製することができる光検出半導体素子の製造方法及びその製造方法で作製した光検出半導体装置を提供する。
【解決手段】 金属板31に外部電極用金属層33を形成した後に、金属板21に額縁形状のアンダーフィル34を塗布する。次にバンプ5が形成された光検出半導体素子2を外部電極用金属層33に超音波接合する。ここで、金属板31と額縁形状のアンダーフィル34と光検出半導体素子2とにより光検出半導体素子2の光検出部2Aは密閉される。次に、光検出半導体素子2およびアンダーフィル34を樹脂6によって封止する。光検出半導体素子2の光検出部2Aはアンダーフィル34などによって密閉されているので、樹脂6に覆われない。次に、金属板31を剥離する。そして、1点差線61に沿って分割され、光検出半導体装置1が完成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を検出する半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ディスクの記録密度が向上し、光ディスクの情報を読み込むために使用されるレーザ光の波長が短くなっている。レーザ光を検出する光ピックアップ半導体装置は、その光検出部が樹脂で覆われており、レーザ光の波長が短くなるほど、樹脂が劣化しやすい。そこで、従来から、光検出部を樹脂で覆うことなく露出させた光検出半導体装置が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−273371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の光検出半導体装置では、光検出部を樹脂によりパッケージングする際、樹脂が光検出部を覆う前に樹脂を硬化させたり、光検出部を覆っている樹脂を硬化前に吸引したり、面倒な作業が不可避であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の光検出半導体装置の製造方法は、電鋳による外部電極が設けられた可撓性基板上に、光検出部の受光面が可撓性基板に対向するように光検出半導体素子を搭載し、可撓性基板と光検出部の受光面との間の空間を樹脂流入防止部材で密閉し、その後、光検出半導体素子を可撓性基板上で樹脂封止することにより、可撓性基板上に複数の光検出半導体素子がマトリクス状に配設された樹脂封止体を作製し、可撓性基板を樹脂封止体から剥離し、個片化することを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の光検出半導体装置の製造方法において、樹脂流入防止部材はアンダーフィル、異方性導電フィルムおよび異方性導電ペーストのいずれかであることを特徴とする。
(3)請求項3の発明の光検出半導体装置の製造方法は、電鋳による外部電極が設けられた可撓性基板上に、光検出部の受光面が可撓性基板に対向するように光検出半導体素子を搭載し、可撓性基板と光検出部の受光面との間の空間を樹脂流入防止材料で充填し、その後、光検出半導体素子を可撓性基板上で樹脂封止することにより、可撓性基板上に複数の光検出半導体素子がマトリクス状に配設された樹脂封止体を作製し、可撓性基板を樹脂封止体から剥離した後、樹脂流入防止材料を溶出し、そして個片化すること、または、個片化し、そして樹脂流入防止材料を溶出することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の光検出半導体装置の製造方法において、樹脂流入防止材料はレジストであることを特徴とする。
(5)請求項5の発明の光検出半導体装置は、光検出半導体素子と、一方の面で光検出半導体素子を光検出部が回路基板側に面するように搭載し、他方の面で回路基板と接続する電鋳製外部電極と、光検出部の周囲を取り囲む取り囲み部材とが樹脂封止され、樹脂封止により前記取り囲み部材の内側に設けられた受光開口を介して光検出部に検出光が入射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、可撓性を有する可撓性基板上に形成された電鋳製外部電極に光検出半導体素子を固着し、その後、その光検出部の周囲に樹脂流入防止部材を配設して樹脂が流れ込まないようにした上で検出半導体素子を樹脂で封止し、あるいは、可撓性を有する可撓性基板上に形成された電鋳製外部電極に光検出半導体素子を固着し、その光検出部を樹脂流入防止材料で覆った状態で樹脂封止し、その後、樹脂流入防止材料を溶出して除去するようにした。したがって、従来の工法に比べて、簡単で廉価な工程で光検出部と対向する領域に樹脂が介在しない受光開口を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
−第1の実施の形態−
本発明の第1の実施形態の光検出半導体装置について図1を参照して説明する。図1(a)は光検出半導体装置1の裏面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’線断面図である。
【0007】
図1において、符号1は光検出半導体装置、2は光検出半導体素子である。光検出半導体装置1には受光開口1Aが開口しており、光検出半導体素子2には光検出部2Aが設けられている。受光開口1Aを介してレーザ光などの光を光検出部2Aで受光して検出する。光検出半導体素子2の光検出部2A側には外部電極3が配設されており、光検出半導体素子2と外部電極3とはAuからなるバンプ5によって接続している。また、光検出部2Aの外周にはエポキシ樹脂からなるアンダーフィル4が設けられている。すなわち、このアンダーフィル4は、光検出半導体素子2とバンプ5との接続部、バンプ5、および外部電極3を覆うように形成されている。光検出半導体素子2とアンダーフィル4とはエポキシ樹脂からなる樹脂6によって封止されている。
【0008】
光検出半導体装置1の裏面では、光検出半導体素子2の光検出部2Aが露出しており、受光開口1Aに入射した光は、光検出半導体素子2の光検出部2Aで直接受光される。また、外部電極3も露出しており、外部電極3と回路基板とが半田により接合されて、光検出半導体装置1が回路基板に実装される。
【0009】
外部電極3の構造について図2を参照して説明する。図2は外部電極3の構造を説明するための図である。外部電極3は主に電鋳により形成されたNi層21からなる。Ni層21の厚さは30〜60μmである。Ni層21の上下には、外部電極3とバンプ5とを接続するため、および外部電極3の半田濡れ性を改善するためにAu層23,25が設けられる。また、Ni層21とAu層23,25との間には中間層として、Pd層22,24が設けられる。
【0010】
次に、上述した光検出半導体装置1の製造方法について、図3〜図7を参照して説明する。この製造方法は、外部電極用金属層形成工程と、アンダーフィル塗布工程と、半導体素子実装工程と、樹脂封止工程と、金属板剥離工程と、分割工程とを含み、1つの金属板上に複数の光検出半導体装置1を同時に作製するものである。以下、各工程を工程順に説明する。
【0011】
(イ)外部電極用金属層形成工程
外部電極用金属層形成工程について、図3(a)〜(c)を参照して説明する。
図3(a)に示すように、可撓性を有する金属板31の両面にレジスト32を塗布またはラミネートする。金属板31は、厚さ約0.1mmの平板状のJIS規格のSUSステンレス鋼板またはCu板などの金属薄板からなる。次に、アクリルフィルムベースのパターンマスクフィルムを密着させ、紫外線により露光する。そして、現像し、図3(b)に示すように、外部電極用金属層を形成する部分のレジスト32を除去する。金属板31の一方の面には外部電極用金属層を形成しないので、レジスト32によって全面が覆われたままである。次に、HSO−HやNaなどの酸化性溶液により、レジスト32を除去した部分の金属板31面のソフトエッチングを行う。そして、硫酸などの酸で酸洗いし、酸活性処理を行う。
【0012】
酸活性処理を行った金属板31に外部電極用金属層33を形成する。外部電極用金属層33は次のようにして形成する。金属板31をAuめっき溶液に浸漬し、めっきにより金属基板31にAu層25を形成する。次にPdめっき溶液に浸漬し、めっきによりAu層25上にPd層24を形成する。次にNiめっき溶液に浸漬して金属板31に電力を供給して電鋳を行い、Pd層24上にNi層21を形成する。次に、Pdめっき溶液に金属板31を浸漬し、めっきによりNi層21上にPd層22を形成する。最後にAuめっき溶液に金属板31を浸漬し、めっきによりPd層上22にAu層23を形成する。このようにして、図3(c)に示すように、金属板31に外部電極用金属層33を形成する。そして、レジスト32を金属板31から剥離する。
【0013】
(ロ)アンダーフィル塗布工程
アンダーフィル塗布工程について、図3(d)および図4を参照して説明する。図4は金属板31の部分領域を示すものである。
次に金属板21にアンダーフィル34を塗布する。アンダーフィル34は、図3(c)に示すように外部電極用金属層33を覆うように塗布される。アンダーフィル34は、図4に示すようにノズル41から吐出される。ノズル41は、アンダーフィルを塗布しながら光検出半導体装置1の外部電極3を形成する1組の外部電極用金属層33上を略正方形を描くように移動する。そして、金属板31上に平面視略正方形額縁形状のアンダーフィル34が形成される。一つまたは複数のノズル41を使用して、金属板31上に複数並列配置された複数組の外部電極用金属層33について同様な方法で次々とアンダーフィル34を形成する。
【0014】
(ハ)半導体素子実装工程
半導体素子実装工程について、図3(e)および図5を参照して説明する。
光検出半導体素子2の光検出部2A側には不図示の端子部が設けられており、この端子部には予めバンプ5を形成しておく。そして、バンプ5が外部電極用金属層33上に位置するように光検出半導体素子2を、図3(e)に示すように金属板31に搭載する。金属板31には、パターニングされた外部電極用金属層33が複数並列配置されており、それぞれのパターンニングされた外部電極用金属層33上に光検出半導体素子2が隣接して搭載される。そして、搭載された光検出半導体素子2には、図5に示すようにボンディングツール51が光検出半導体素子2に当てられる。ボンディングツール51で押圧しながら超音波振動を光検出半導体素子2に加えると、バンプ5と外部電極用金属層33とが接続する。この工程で、金属板31と額縁形状のアンダーフィル34と光検出半導体素子2とにより囲まれた受光開口1Aが、すなわち、光検出半導体素子2の光検出部2Aが密閉される。この後、金属板31を加熱してアンダーフィル34を硬化する。
【0015】
(ニ)樹脂封止工程
樹脂封止工程について、図6(a)および図7を参照して説明する。
樹脂封止工程では、図6(a)に示すように光検出半導体素子2およびアンダーフィル34を樹脂6によって封止する。樹脂封止は次のようにして行う。図7に示すように、金属板31の光検出半導体素子2が実装などされている面に金型71を被せる。そして、樹脂6を金型71内に注入し、金属板31に実装された複数の光検出半導体素子2などを一括に封止する。この樹脂封止工程では、金型71は上型の役割を果たし、金属板31は下型の役割を果たす。このとき、光検出半導体素子2の光検出部2Aは額縁形状のアンダーフィル34などによって密閉されているので、光検出部2Aは注入された樹脂6によって覆われない。
【0016】
(ホ)金属板剥離工程
金属板剥離工程について、図6(b)を参照して説明する。
樹脂6による封止が完了した後は、図6(b)に示すように、光検出半導体素子2などが封止された樹脂6から金属板31を剥離する。金属板31は可撓性を有するので、容易に剥離することができる。金属板31を剥離すると、光検出半導体素子2の光検出部2Aが露出する。この金属板31を剥離したものを以下、樹脂封止体60と呼ぶ。
【0017】
(ヘ)分割工程
分割工程について、図6(b),(c)を参照して説明する。
図6(b)の1点鎖線61に沿って、ダイヤモンドブレード・ダイシング法で樹脂封止体60をダイシングする。そして、図6(c)に示すように、一つの樹脂封止体60が分割され、光検出半導体装置1が完成する。
【0018】
以上のようにして作製された光検出半導体装置1は、図8に示すような穴81Aが設けられた回路基板81に実装される。光検出半導体装置1は、回路基板81と半田82によって接続される。この場合、光ディスクの情報を読み込むために照射されたレーザ光LBは、光ディスク面を反射して、回路基板81の穴81Aを通過し、光検出半導体装置1の受光開口1Aに入射する。受光開口1Aに入射したレーザ光LBは樹脂6内を通過せず、直接、光検出半導体素子2の光検出部2Aに入射する。このため、レーザ光LBによって光検出部2Aを覆っている樹脂が劣化し、光検出半導体装置が使用不可能となることはない。
【0019】
以上の第1の実施形態による光検出半導体装置1の製造方法は次のような作用効果を奏する。
(1)金属板31上に電鋳による外部電極3を設け、その上に光検出半導体素子2をバンプ5により搭載し、金属板31と光検出部2Aの受光面との間の空間1Aをアンダーフィル4で密閉し、その後、光検出半導体素子2を金属板31上で樹脂封止することにより、金属板31上に複数の光検出半導体素子2がマトリクス状に配設された樹脂封止体60を作製し、その金属板31を樹脂封止体60から剥離し、個片化して光検出半導体装置1を作製するようにした。したがって、光検出部2Aへの光路に樹脂が存在しない光検出半導体装置1を簡単に作製することができる。
(2)全工程を通じて光検出半導体素子2の光検出部2Aに対して何も接触しないので、光検出部2Aを傷つけることはない。すなわち、従来例とは異なり、光検出半導体素子2の光検出部2Aの受光面上に樹脂を硬化前に吸引するためなどに使用するピンなどを近づける工程がないので、光検出部2Aを傷つけるおそれもない。
【0020】
−第2の実施の形態−
本発明の第2の実施形態の光検出半導体装置9の構造について、図9を参照して説明する。第1の実施形態の半導体装置1と共通する部分は同じ符号を使用し、第1の実施形態の半導体装置1との相違点を主に説明する。図9(a)は光検出半導体装置9の裏面図であり、図9(b)は図9(a)のB−B’線断面図である。
【0021】
図9において、光検出半導体素子2の光検出部2Aの外周には、樹脂6の光検出部2Aへの流入を防ぐために、額縁形状のレジスト部10と金属部11とが設けられている。光検出半導体装置1の裏面には、光検出半導体素子2の光検出部2Aとともに、額縁形状の金属部11が露出している。この金属部11は塗布したレジストが広がるのを防止するためのものであり、回路基板との電気的接触には使用されない。金属部11の層構造は図2の外部電極3と同じである。
【0022】
次に本発明の第2の実施形態の光検出半導体装置9の製造方法について、図10および図11を参照して説明する。第2の実施形態の光検出半導体装置9の製造方法は、外部電極用金属層形成工程と、レジスト塗布工程と、半導体素子実装工程と、樹脂封止工程と、金属板剥離工程と、レジスト除去工程と、分割工程とからなる。第1の実施形態の半導体装置1の製造方法と共通する部分は同じ符号を使用し、第1の実施形態の半導体装置1の製造方法との相違点を主に説明する。
【0023】
(イ)外部電極用金属層形成工程
第1の実施形態と同様な方法で、金属板31上に外部電極用金属層33と額縁状の金属層101とが形成される。外部電極用金属層33は光検出半導体装置9の外部電極3を形成し、金属層101は平面視略正方形の額縁形状である金属部11を形成するものである。外部電極用金属層33と金属層101とはパターンが異なるだけで、電極の層構造など、その他の点は同一の構造を有する。
【0024】
(ロ)レジスト塗布工程
レジスト塗布工程について、図10(d),(e)を参照して説明する。
図10(d)に示すように、金属層101の額縁内にアクリルベースのレジスト102を塗布する。金属層101は額縁形状しているため、塗布したレジスト102が広がるのを防止する。このレジスト102は、図10(e)に示すように光検出半導体素子2を搭載したとき、光検出半導体素子2の光検出部2Aおよびその周辺を覆い、光検出部2Aを保護する。
【0025】
(ハ)半導体素子実装工程
図10(e)に示すように、第1の実施形態と同様にして光検出半導体素子2をバンプ5により外部電極3である外部電極用金属層33上に固着する。
【0026】
(ニ)樹脂封止工程
樹脂封止工程について、図11(a)を参照して説明する。
樹脂封止工程において、光検出半導体素子2の光検出部2Aはレジスト102で覆われているため、図11(a)に示すように光検出部2Aは樹脂6に覆われない。
【0027】
(ホ)金属板剥離工程
図11(b)に示すように、第1の実施形態と同様にして光検出半導体素子2などが封止された樹脂6から金属板31を剥離する。この金属板31を剥離したものを以下、樹脂封止体110と呼ぶ。
【0028】
(ヘ)レジスト除去工程
レジスト除去工程について、図11(b),(c)を参照して説明する。
図11(b)に示す樹脂封止体110の金属板剥離面111に紫外線を照射する。紫外線を照射すると、金属層101の覆われていないレジスト102は可溶性になり、溶出して除去することができる。一方、金属層101に覆われているレジスト102には紫外線は当たらないため、溶出しない。そして、現像すると図11(c)に示すように光検出部2Aを覆っていたレジスト102は溶出され、光検出部2Aは何も覆われていない状態になる。
【0029】
(ト)分割工程
図11(c)に示すように、第1の実施形態と同様にして1点鎖線112に沿って、ダイヤモンドブレード・ダイシング法で樹脂封止体110をダイシングする。そして、図10(d)に示すように、一つの樹脂封止体110が分割され、光検出半導体装置9が完成する。
【0030】
以上の第2の実施形態による半導体装置9の製造方法によれば、第1の実施形態の光検出半導体装置1の製造方法と同様に、簡単にしかも一度に大量に光検出部2Aを樹脂で覆うことのない光検出半導体装置9を作製することができる。また、光検出半導体素子2の光検出部2Aは製造中、レジスト102によって保護されているので光検出部2Aを傷つけることはない。さらに、レジスト102を溶出して取り除くので、光検出部2Aからレジスト102を除去する際、光検出部2Aを傷つけることはない。
【0031】
以上の実施形態の光検出半導体装置1,9を次のように変形することができる。
(1)樹脂封止工程で、樹脂6の光検出部2Aへの流入を防ぐ樹脂流入防止部材であればアンダーフィル34に限定されない。たとえば、アンダーフィル34の代わりにACP(異方性導電ペースト)またはACF(異方性導電フィルム)を使用してもよい。この場合も、額縁形状にACPを塗布したり、額縁形状のACFを貼り付けたりすることによって、樹脂6の光検出部2Aへの浸入を防止することができる。この場合の光検出半導体素子2の外部電極3への接合は、超音波振動の代りに加熱しながら半導体素子2を押圧することにより行う。
【0032】
(2)額縁形状の電極101内にレジスト102を塗布する代わりに、フィルム状のレジストを貼り付けてもよい。フィルム状のレジストの場合は、流動して広がることがないので、額縁形状の電極101が不要になる。
【0033】
(3)樹脂封止工程で、樹脂6の光検出部2Aへの流入を防ぎ、そして、溶出して除去することが可能な樹脂流入防止部材であれば、レジスト32に限定されない。
【0034】
(4)光を検出するデバイスであれば、レーザ光を検出する光検出半導体装置1,9に限定されない。たとえば、CCD(電化結合素子)にも適用できる。この場合、CCD受光部が光検出部2Aに相当する。また、CMOS(相補型金属酸化物半導体)イメージセンサにも適用してもよい。
【0035】
(5)外部電極3は、主に電鋳によるNi層21によって構成されたが、導電性を有する金属であればNiに限定されない。たとえば、電鋳によるCu層で構成してもよい。
【0036】
(6)外部電極3と半田を接続するためにAu層25を設けたが、半田と接続するための金属層であれば、Au層25に限定されない。たとえば、Sn層、Sn−Pb層、Sn−Ag層、Sn−Cu層、Sn−Bi層などを形成してもよい。
【0037】
(7)金属層33などを形成する基板は、可撓性を有する平板状の可撓性基板であれば、金属板31に限定されない。たとえば、導電性樹脂基板を使用してもよい。また、無電解めっきを使用して外部電極3を形成する場合は、金属板31のように導電性基板である必要はなく、非導電性基板でもよい。
【0038】
(8)樹脂封止体6を分割する前に光検出部2Aを覆っているレジスト102を溶出したが、分割後にレジスト102を溶出するようにしてもよい。
【0039】
本発明は、その特徴的構成を有していれば、以上説明した実施の形態になんら限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1(a)は第1の実施形態の光検出半導体装置の裏面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’線断面図である。
【図2】外部電極の構造を説明するための図である。
【図3】第1の実施形態の光検出半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図4】アンダーフィル塗布工程を説明するための図である。
【図5】光検出半導体素子の接合を説明するための図である。
【図6】第1の実施形態の光検出半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図7】樹脂封止工程を説明するための図である。
【図8】回路基板に実装した第1の実施形態の光検出半導体装置を説明するための図である。
【図9】図9(a)は第2の実施形態の半導体装置の裏面図であり、図9(b)は図9(a)のB−B’線断面図である。
【図10】第2の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図11】第2の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0041】
1,9 光検出半導体装置
1A 受光開口
2 光検出半導体素子
2A 光検出部
3 外部電極
4,34 アンダーフィル
5 バンプ
6 樹脂
10,32,102 レジスト
11 金属部
21 Ni層
22,24 Pd層
23,25 Au層
31 金属板
33 外部電極用金属層
41 ノズル
51 ボンディングツール
60,110 樹脂封止体
71 金型
81 回路基板
82 半田
101 金属層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電鋳による外部電極が設けられた可撓性基板上に、光検出部の受光面が前記可撓性基板に対向するように光検出半導体素子を搭載し、
前記可撓性基板と前記光検出部の受光面との間の空間を樹脂流入防止部材で密閉し、
その後、前記光検出半導体素子を前記可撓性基板上で樹脂封止することにより、前記可撓性基板上に複数の前記光検出半導体素子がマトリクス状に配設された樹脂封止体を作製し、
前記可撓性基板を前記樹脂封止体から剥離し、個片化することを特徴とする光検出半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光検出半導体装置の製造方法において、
前記樹脂流入防止部材はアンダーフィル、異方性導電フィルムおよび異方性導電ペーストのいずれかであることを特徴とする光検出半導体装置の製造方法。
【請求項3】
電鋳による外部電極が設けられた可撓性基板上に、光検出部の受光面が前記可撓性基板に対向するように光検出半導体素子を搭載し、
前記可撓性基板と前記光検出部の受光面との間の空間を樹脂流入防止材料で充填し、
その後、前記光検出半導体素子を前記可撓性基板上で樹脂封止することにより、前記可撓性基板上に複数の前記光検出半導体素子がマトリクス状に配設された樹脂封止体を作製し、
前記可撓性基板を前記樹脂封止体から剥離した後、前記樹脂流入防止材料を溶出し、そして個片化すること、または、個片化し、そして前記樹脂流入防止材料を溶出することを特徴とする光検出半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の光検出半導体装置の製造方法において、
前記樹脂流入防止材料はレジストであることを特徴とする光検出半導体装置の製造方法。
【請求項5】
光検出半導体素子と、
一方の面で前記光検出半導体素子を光検出部が回路基板側に面するように搭載し、他方の面で回路基板と接続する電鋳製外部電極と、
前記光検出部の周囲を取り囲む取り囲み部材とが樹脂封止され、
樹脂封止により前記取り囲み部材の内側に設けられた受光開口を介して前記光検出部に検出光が入射することを特徴とする光検出半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−351630(P2006−351630A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172707(P2005−172707)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(390022471)アオイ電子株式会社 (85)
【Fターム(参考)】