説明

光検出状態において有機ダイオードを駆動させる電気的デバイス及び電気的方法

本発明は、少なくとも1つの有機ダイオードを備える電気的デバイスに関し、電気的デバイスは、少なくとも光検出状態において有機ダイオードを駆動させる駆動手段と、光検出状態において有機ダイオードを駆動させる前に有機ダイオードに1つ又は複数の電気パルスを印加させるプレパルス手段とを備える。正の電気プレパルスは有機ダイオードの感光性を向上させるとみられているが、負のプレパルスは、入射光の正確な測定又は検出を行ううえでの、有機ダイオードが光検出状態にある時間を減少させることが分かった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの有機ダイオードを備える電気的デバイスに関し、電気的デバイスは、少なくとも光検出状態において有機ダイオードを駆動させる駆動手段を備える。
【背景技術】
【0002】
有機EL(電界発光)ディスプレイ及び有機EL素子は、特定の高分子などの特定の有機材料を発光ダイオードにおける半導体として用い得るという認識に基づいた比較的最近明らかになった技術である。この素子は、有機材料を用いることによって、軽量かつ柔軟であり、生産費用がかからないものになっているという点で非常に有望である。
【0003】
最近、発光素子に施されるそうした有機材料は入射光を測定又は検出するのに用い得るということも明らかになった。米国特許第5,504,323号は、デュアル機能型発光ダイオードを開示している。ダイオードの有機高分子層に正のバイアスがかけられると、ダイオードは発光器として機能し、この層は、負のバイアスがかけられると、フォトダイオードとして機能する。フォトダイオード・モードにおけるダイオードに比較的高い逆バイアスをかけることが好ましいが、それはこの層の感光性が逆バイアス電圧とともに増加するからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術に関連した課題は、有機ダイオードのフォトダイオード・モードすなわち光検出状態が最適でないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、光検出状態における性能を向上させた有機ダイオードを備えている電気的デバイスを備えるというものである。
【0006】
この目的は、光検出状態において有機ダイオードを駆動させる前に有機ダイオードに1つ又は複数の電気パルスを印加させるプレパルス手段を備える電気的デバイスを備えることによって達成される。
【0007】
光検出状態において有機ダイオードを駆動させる前に、プレパルスとしても以下に表す電気パルスを印加させることによって、光検出状態における有機ダイオードの性能がかなり向上するという点がみられている。電気パルスが電荷キャリアのトラップ状態の占有に影響を及ぼし、その結果、その性能が影響を受け得ると考えられる。正の電気プレパルスは有機ダイオードの感光性すなわち光応答を向上させるとみられている一方、負のプレパルスは、入射光を正確に測定又は検出するうえで有機素子が光検出状態にある時間を減少させることが明らかになった。好ましくは、正のプレパルスは、有機ダイオードの内部電位近くの値かそれをわずかに超える値を有する電圧パルスである。内部電位は、印加電圧による有機層における電界がちょうど0V/mである電圧である。内部電位を超える値では、順電流がダイオードの有機材料を流れる一方、より小さい、負の値の場合、逆電流はわずかしか存在しない。
【0008】
本発明の実施例では、プレパルス手段は、有機ダイオードに、正のプレパルスを印加し、後に負のプレパルスを印加するよう形成される。そうした実施例では、感光状態に達するのに必要な感光性も時間も増大させることができる。
【0009】
本発明の実施例では、電気的デバイスはデュアル機能型素子であり、電気的デバイスは、発光状態と光検出状態との交互で少なくとも1つの有機ダイオードを駆動させるよう形成される。プレパルスを受ける1つ又は複数の有機ダイオードはディスプレイの一部であることが好ましい。交互の状態は、約0-20msの持続時間を各々有し、それによって、人間の目によって状態間の差が認識可能であることなくディスプレイを有する電気的デバイスにおいて方法を一体化させることが可能になり得る。デュアル機能型素子は、例えば、本願の出願人名による、公表済みでない欧州特許出願第01205043号に記載されているものなどの種々の方法で施し得る。
【0010】
本発明の実施例では、電気的デバイスは電圧によって光検出状態において有機ダイオードを駆動させるよう形成され、電圧は実質的に0ボルトの値を有する。そのような、光検出状態の駆動信号は、有機ダイオードを流れる漏れ電流の発生をなくすか、かなり低減させ、それによって、入射光によって誘起される光電流の測定の信頼度を向上させることが可能になるという点が効果的である。
【0011】
本発明は、光検出状態において有機ダイオードを駆動させる方法にも関し、この方法は、光検出状態に対してダイオードを準備させるよう1つ又は複数の電気パルスを有機ダイオードに印加させる工程と、有機ダイオードを光検出状態において駆動させる工程とを備える。
【0012】
電気パルスは、光検出状態における有機ダイオードの性能を向上させるとみられている。
【0013】
好ましくは、電気パルスは正の電圧であり、この電圧は、有機ダイオードの内部電位のものに近い値を有する一方、有機ダイオードは好ましくは、上記理由で、実質的に0ボルトの値を有する電圧によって駆動される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、本発明の好ましい実施例を示す添付図面を参照しながら更に示すこととする。本発明による装置及び方法は、この特定でかつ好ましい実施例に何ら制限されないこととする。
【実施例】
【0015】
図1は、1つ又は複数の有機ダイオードを有するディスプレイ2を備える電気的デバイス1である。そうした電気的デバイスは、例えば、モニタや、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)などのハンドヘルド型デバイスである。電気的デバイス1は、1つ又は複数の有機ダイオードが、発光状態Eで発光し、光検出状態Sで入射光を測定又は検出することができるデュアル機能型電気的デバイス1であり得る。有機ダイオードは、ディスプレイ2上の表示画素のパッシブ・マトリクス配置又はアクティブ・マトリクス配置において実施し得る。
【0016】
図2は、発光状態Eにおけるデュアル機能型有機ダイオード3、例えば、高分子発光ダイオード(PLED)、を示す。そうした有機ダイオード3は、第1の電極5と第2の電極6との間に挟まれている、例えばEL高分子材料の、アクティブ有機EL層4を備える。有機層4の最適な厚さは、高効率発光状態を達成するために、60nm以上90nm以下であり、好ましくは約70nmであることが明らかになった。第1の電極5は、いわゆる正孔注入層であってよく、第2の電極6はいわゆる電子注入層であってよい。更に、ダイオード3は、ダイオード3を安定化させる役目と、アクティブなフォトダイオード部分を潜在的なユーザから分離する役目を有する前面基板7を備えていても備えていなくてもよい。
【0017】
発光状態Eでは、第1の電圧V1などの第1の駆動信号が、電源などの駆動手段8によって有機EL層4両端に印加され、有機EL層4から発光される。
【0018】
第1の電極5及び第2の電極6は、別々の仕事関数Φを有し得る。高分子層4への最適な電荷注入は、それによって発光状態E中に達成し得るが、それは、仕事関数が、第1の電極5と第2の電極6との各々の表面から電子を取り除くのに必要なエネルギの尺度であるからである。第1の電極5は高い仕事関数(Φ1~5.2eV)を有し、この電極5は、高い結合エネルギを備えている価電子状態から電子を、この状態に正孔を残して、取り除くよう形成される。第2の電極6は、低い仕事関数(Φ2~2.0eV)を有し、電子は材料内で緩く結合されている。仕事関数差は、最適な注入を得るためにバンドギャップ(すなわち、放出エネルギにストークスシフトを加えたもの)よりも大きくなるように形成される。仕事関数差はよって、バンドギャップによって変わってくるものであり、赤色の場合は約2eVであり、青色の場合は約3.2eVである。この場合、この組み合わせは、約3.2eVの仕事関数差を有し、これは、全ての色について注入が最適になるようにするのに十分である。更に、仕事関数差は、青色の材料の場合に注入が最適になるようにするために本発明の実施例において3.0eVを超え得る。第2の電極6は、電子も低結合エネルギを有する、材料の導通状態において負電荷の電子を注入するよう形成される。(第1の電極5が正であり、第2の電極6が負である、)ダイオード3を順方向に駆動させる場合では、正孔及び電子はお互いに向かって移動し、電子は正孔子を埋め、結合エネルギの増加によって、光子が放出される、すなわち、発光する。
【0019】
ダイオード3を発光状態Eにおいて駆動させる場合、ダイオード3の内部電位Vbiとして表す特定の電圧を、層4を電流が流れる前に印加させる必要がある。この内部電圧Vbiに達した後、層4を流れる電流のレベルは急速に増加することになる。内部電位の値は、第1の電極の仕事関数と第2の電極の仕事関数との差に比例する。
【0020】
図3は、光検出状態Sにおける有機ダイオード3を示す。この状態Sでは、第2の電圧V2などの第2の駆動信号が有機EL層1両端に印加され、電圧は図2の電源8によって印加されるか、別個の駆動手段(図示せず)によって印加され、層4上の入射光は、有機EL層4における光電流Isの発生につながることになる。好ましくは、第2の駆動信号は、V2=0V(短絡回路構成)である、すなわち、ゼロ電圧が有機層4の両端に印加される。この発光状態Sでは、この場合同じ電位を有する2つの電極5及び6は、絶縁高分子EL層4によって隔てられている。しかし、小量の漏れの経路が上記層内に常に存在し、駆動力があれば、小量の電荷がその経路を流れることが可能である。第1の電極の仕事関数と第2の電極の仕事関数との間の前述の差によって、層4における電子が、第1の電極5の高い結合エネルギと第2の電極8の低い結合エネルギとを受けることになる。電子はよって、第2の電極6から第1の電極5に移動することになり、(短時間間隔Δt中にのみ存在する)小量の弛緩電流Irが、平衡状態に達するまで流れることになる。いずれの電極5,6も当初は中性であったが、弛緩電流Irによって、第1の電極5は負の電荷を帯びるようになり、第2の電極は正の電荷を帯びるようになり、その結果、有機層4の両端に負の電界が生じる。前述のように、ゼロ印加電圧V2は、検出状態Sに必要な漏れ電流及び低電力消費に関する利点を有する。V2=0Vでは、電極5、6は同じ電圧に設定され、有機層4両端には外部電界が何ら印加されないため、漏れ電流はよって、0になってしまう。しかし、弛緩電流Irは負の内部電界につながり、これは、外部光が検出状態における当該デバイスに当たると発生する光電流を駆動させるのに用いられる。上記の場合には、内部電界の大きさは、
Eint=Vbi/tlayer
によって表され、そのとき、Eintは内部電界であり、Vbiは上記内部電位であり、tlayerは有機層4の厚さである。ダイオード3上に入射する光の場合、価電子状態にある電子は導通状態に励起され、負の内部電界が電子・正孔対を離し、電子を第2の電極6に引き寄せ、正孔を第1の電極5に引き寄せる。よって、小量の、測定可能な光電流Isが発生する。更に、内部電位Vbiは第1の電極5と第2の電極6との2つの仕事関数Φ1、Φ2間の差に比例するので、内部電界も仕事関数差に比例する、すなわち、2つの仕事関数間の差が大きいほど、V2=0V印加電圧での内部電界が大きくなる。
【0021】
光電流Isは、例えば、第1の電極5と第2の電極6との間に電源8と直列に接続される測定回路9の両端の電圧降下を測定することによって測定し得る。そうした測定回路9の例は、増幅器と並列に接続される高抵抗の抵抗器を備え、抵抗器も増幅器も有機EL層4と直列に接続される(図8参照。)。更に、(CMOSなどの)高入力インピーダンス素子が、測定する対象の光電流が小量であるため必要である。測定光電流Isは、入射光に基づいて第1の駆動信号に適切な値を判定する判定デバイス(図示せず)に後に伝送し得る。よって、電気的デバイス1は、例えば、光検出状態S中に入射光の電力に関する情報に基づいて発光状態Eにおけるディスプレイ2による発光を調節するのに用い得る。
【0022】
図4では、上の略特性は、図2及び図3に示すダイオード3に印加される駆動信号Vを示す。駆動信号Vは発光状態Eの場合のV1と光検出状態Sの場合のV2とが交互になり、好ましくはV2=0Vである。下の略特性は、層4を流れる観測電流Iの略イメージを示す。明らかに、弛緩電流Irは、駆動電流V1を取り除いた直後に目に見えるものとなっている。時間Δtが、光電流Isの十分な判定を行うことができるまでに必要である。
【0023】
光検出状態S前に電気パルスを印加することによって光検出状態Sにおける有機ダイオード3の性能をかなり向上させることができるということが実験によって明らかになった。なお、図7に示すように、デュアル機能型デバイスの場合に、光検出状態Sの始点は発光状態Eの終点と必ずしも一致しない。例えば、発光状態Eの終点の後まで検出回路(図8参照。)を接続しないことによって、これらの状態間の時間ギャップが存在し得る。
【0024】
図5Aは、一定の照射下での700μsの、時間間隔Δtprepos、高分子ダイオード3に印加された正の電気プレパルスVpreposを示す。PLED素子の場合に通常みられる速い応答時間によって、時間間隔Δtpreposが重要でなくなると考えられる。すなわち、数マイクロ秒の値が十分であると考えられる。駆動電圧V2は上記理由で0Vであった。
【0025】
図5Bは、ダイオード3の光応答PRの振幅を示す。プレパルスVpreposが内部電位Vbiをわずかに下回る値に達した場合、感光性PRのわずかな増加が生じた。Vpreposの印加値がダイオード3の内部電圧に等しい場合、感光性すなわち光応答PRの急速な増加がみられた。しかし、高分子LED素子の内部電位の厳密な値は、上記のように、他の作用の中でもとりわけ周りの電極5、6の仕事関数によって変わってくる。したがって、発光性PRの急激な増加は、内部電圧と同様に電極5、6及び高分子の構成によって変わってくる。プルパルスVpreposの高電圧値では、感光性は再び減少した。
【0026】
特定のタイプの深い電荷トラップの占有のみがこの、励起子解離確率の増加の原因であると考えられる。このトラップは高分子層4に入る第1の電荷によって埋められる。プレパルスの振幅を増大させることによって電荷キャリア密度がさらに増加しても、検出信号はもう全く増大しない。光検出段階S前に、負のプレパルスも印加された。このプレパルスは、正のプレパルスの印加後数ms以内に測定される感光性の増加に対して目立つ影響は何らもたらさなかった。このことは、正のプレパルスによる光電流の増加に、深いトラップが関係していることがあり得るということも示す。
【0027】
図4では、発光状態Eにおける4V駆動信号V1の除去後に、弛緩電流Irが光電流Isをもう覆い隠さないようになるまで20msの時間Δtをダイオード3が必要としたということが示された。しかし、図6に示すように、発光状態Eと光検出状態Sとの間の0.5msのΔtpreneg(破線曲線参照。)の間、−8ボルトの負のプレパルスVprenegを印加させると、この時間の1ms未満の値(実線曲線参照。)への減少がみられた。図6の測定の場合、光検出状態S中にはダイオード3上に入射光は全く照らされなかった。実施例を図8に示す検出回路を、発光状態Eの終点から約1ms後に駆動又は結合させた。この時点で、弛緩電流Irは、すでにかなり削減されたことが分かった(実線曲線)。よって、負のプレパルスを印加させることによって、発光状態E後の光電流Isの正確な検出に必要な時間Δtが20分の1に削減される。100Hzがパッシブ・マトリクス・ディスプレイ2にとって適度な駆動周波数(フレーム毎10ms)であることを前提とすれば、デュアル機能型ディスプレイの性能が低下しないことは、状態Eと状態Sとの間の待ち時間が20msの場合、可能にならないが、待ち時間が1msの場合、可能になる。光電流Isを正確にかつすばやく測定することは、感光性照明アプリケーション、例えば、動的フィードバックを備えている照明、などの一部のアプリケーションについて必要であり得る。
【0028】
図7Aは、プレパルス手段が、正のプレパルスVpreposと後の負のプレパルスVprenegとの組み合わせを発生させる特性を示す。この、プレパルスの組み合わせは、図2及び図3に示す高分子ダイオード3に印加された。
【0029】
図7Bは、そのような、電気パルスの組み合わせの印加による、感光性PRにおける4倍の増加が図5Bと比較して維持されたことがわかったということを示す。
【0030】
正のプレパルスと後の負のプレパルスとの印加はよって、光応答PRの4倍の増大と、光電流Isの正確な測定を行ううえでの発光状態Eと光検出状態Sとの間の待ち時間Δtの激しい減少との組み合わせをもたらした。この組み合わせを印加させることによって、ダイオード3の先行履歴(発光の有無)は、正のプレパルスと負のプレパルスとのこの組み合わせの印加後約1msの検出動作の結果について関係なくなる。
【0031】
光応答PRの増大の原因であるトラップ電荷の特性は、少なくとも、振幅が十分小さい状態にある限りは、負のパルスの印加によって除去されないというようなものであると考えられる。負のプレパルスは、発光状態E後の弛緩電流Irの原因である、浅いトラップ内の(多くの)電荷キャリアを除去するが、光応答の増大の原因であると考えられる多少の深くトラップされた電荷をそのままの状態にしておく。
【0032】
最後に、図8では、測定回路9と、ダイオード3に対して電気プレパルスを印加させるプレパルス手段10とを組み合わせた回路実施例を示す。発光状態Eでは、スイッチS1を閉めて、駆動信号V1を、電源8を介して印加させることによってダイオード3を発光させる。スイッチS1を開き、スイッチS2を閉じることによって、ダイオード3が光検出状態Sに準備するよう負のプレパルスVprenegを印加させることが可能になる。光検出状態Sは、スイッチS4を閉めることによって測定回路9を結合することによって開始され、光電流Isは、Vs(=IsR1)によって示す電圧としての増幅器及び抵抗器R1によって測定することができる。光電流Isの最適な測定のために、リセット手段11を介して回路をリセットするよう測定回路9を接続する前にもう一度閉じ、開き得る。なお、種々の実施例が、駆動手段8とプレパルス手段10との組み合わせなどの回路配置について考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例による電気的デバイスを示す図である。
【図2】発光状態における有機ダイオードを示す図である。
【図3】光検出状態における有機ダイオードを示す図である。
【図4】発光状態と光検出状態との交互での、有機ダイオードの特性を示す略図である。
【図5A】正のプレパルスを印加させた有機ダイオードの感光性の実験的特性を示す図である。
【図5B】正のプレパルスを印加させた有機ダイオードの感光性の実験的特性を示す別の図である。
【図6】負のプレパルスを印加させた有機ダイオードの時間応答の実験的特性を示す図である。
【図7A】正のプレパルスを印加させ、後に負のプレパルスを印加させた有機ダイオードの感光性の実験的特性を示す図である。
【図7B】正のプレパルスを印加させ、後に負のプレパルスを印加させた有機ダイオードの感光性の実験的特性を示す別の図である。
【図8】図1に示す電気的デバイスにおける本発明を施す駆動及び検出の回路の実施例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの有機ダイオードを備える電気的デバイスであって、
少なくとも光検出状態において前記有機ダイオードを駆動させる駆動手段と、
1つ又は複数の電気パルスを前記有機ダイオードに、前記光検出状態において前記有機ダイオードを駆動させる前に印加させるプレパルス手段とを備えることを特徴とする電気的デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の電気的デバイスであって、
前記少なくとも1つの有機ダイオードを発光状態と前記光検出状態との交互で駆動させるよう形成されることを特徴とする電気的デバイス。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電気的デバイスであって、
前記電気パルスが正の電気パルスであることを特徴とする電気的デバイス。
【請求項4】
請求項1又は2記載の電気的デバイスであって、
前記電気パルスが負の電気パルスであることを特徴とする電気的デバイス。
【請求項5】
請求項1又は2記載の電気的デバイスであって、
前記プレパルス手段が、前記光検出状態において前記有機ダイオードを駆動させる前に正の電気パルスと、後の負の電気パルスとを印加させるよう形成されることを特徴とする電気的デバイス。
【請求項6】
請求項1記載の電気的デバイスであって、
前記有機ダイオードのうちの1つ又は複数を備えているディスプレイを備えることを特徴とする電気的デバイス。
【請求項7】
請求項1記載の電気的デバイスであって、
電圧によって前記光検出状態において前記有機ダイオードを駆動させるよう形成され、
前記電圧は、実質的に0ボルトの値を有することを特徴とする電気的デバイス。
【請求項8】
光検出状態において有機ダイオードを駆動させる方法であって、
1つ又は複数の電気パルスを前記有機ダイオードに印加させて該ダイオードに光検出状態に準備させる工程と、
前記光検出状態において前記有機ダイオードを駆動させる工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、
前記電気パルスが正の電圧であり、
該電圧は、前記有機ダイオードの内部電位の値に近い値を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8記載の方法であって、
前記有機ダイオードを電圧によって駆動させ、
前記電圧が実質的に0ボルトの値を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−528119(P2007−528119A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518457(P2006−518457)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051090
【国際公開番号】WO2005/006459
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】