光源の輝度を増大させるために光をリサイクルする照明システムと方法
光源の輝度を増大させる照明システムであって、発光ダイオード(LED)を好適な光源とし、光を空間的におよび/または角度的にリサイクルするために光源に連結された光リサイクル装置を有する。この光リサイクル装置は、リフレクタまたはミラーを利用してLEDによって発光された光線の一部を光源に向けてリサイクルし、および/または、光の高角度光線を角度的にリサイクルし、光の小角度光線を伝達させ、それによって光源の出力輝度を増大させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムの輝度を増大させるためのシステムと方法、詳しくは、その光源の輝度を増大させるために光源から放出される光をリサイクルする照明システムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光源は、あらゆるタイプの照明用途に使用される。典型的な光源としては、非限定的に、ランプ、ハロゲン、蛍光装置、マイクロ波ランプ、そして発光ダイオード(LED)がある。多くの用途では、小さな有効放出面積で高レベルの輝度の照明システムを必要とする。この高レベルの輝度は、従来的には、光源を追加することによって達成可能である。しかしながら、これは複数の光源を一体化するための空間が限られている場合には技術的に不可能であるとともに、複数の光源を一体化し使用することに高コストがかかる場合には経済的に実行不可能である。従って、本発明は、光源の数を増やすことなく、非限定的に光源の輝度を増大させるという要望に基づくものである。
【0003】
例えば、超小型表示式テレビジョン(MDTV)は、大きなスクリーンサイズで低コストである潜在能力がある。従来のMDTVは、通常、アークランプによって照明される。この光源は最も低いコストで最も輝度が高いが、白色光を三色に分割する必要性と寿命が短いという点において望ましくない。LED技術における進歩にともない、LEDの寿命の長さと、瞬時ON等のその他の利点を得るためにMDTVにおける光源としてLEDを利用することを考慮する必要がある。しかしながら、現時点においては、LEDは、複数の小型のイメージングパネルまたは複数のより大きなスクリーンを含む低コスト用途用としてその輝度が不十分である。
【0004】
光源の輝度を増大させるためにLEDリサイクルスキームが利用されている、たとえば、Zimmerman et alに対して発行された特許文献1を参照。しかし、Zimmerman et alは、単一の光出口を備える光反射キャビティ内に複数のLEDを取り囲むことを記載している。
【0005】
また、Zimmerman et al.の特許文献2は、ガスが充填された中空内部を取り囲む蛍光被覆材を備えるガラスエンベロープを有する蛍光管を記載している。前記蛍光被覆材によって作り出された光の一部が当該蛍光被覆材へとリサイクルされる。本発明は、複数の小型パネルまたは複数の大型スクリーンを、十分な輝度で照明することが可能なように、効率的にリサイクルすることによって、LEDの利用可能な輝度を増大させるべく単数または複数のLEDに連結可能なリサイクル装置を提供するという要望に基づくものである。
【0006】
例えば、LEDは、一般照明、建築照明、等の多くの照明用途、更に、より最近のプロジェクションテレビに使用可能な1つのタイプの光源である。例えばプロジェクションテレビに使用される場合、テレビジョンスクリーン上に必要な高光出力を提供するために、LEDは、高輝度レベルで小さな有効発光面積で光を放出しなければならない。具体的には、プロジェクションテレビにおいて有用であるためには、LEDは、小さな発光面積で小さな立体角でのルーメン測定において強力で明るい光を提供しなければならない。残念ながら、現在入手可能なLEDは、今日消費者に益々人気が高まっている大型のプロジェクション・テレビスクリーンを照明するには輝度が不十分である。
【0007】
従って、リーズナブルなコストで現在および将来の用途の需要に応える、照明システムを提供するべく、LEDの輝度を増大させるための方法とシステムが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許6,869,206号
【特許文献2】米国特許6,144,536号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の1つの課題は、上述した従来技術の問題を解決する照明システムを提供することにある。
【0010】
本発明の別の課題は、光出力の輝度を増大させるために光源によって放出された光の一部をリサイクルするためのリサイクル装置を含む照明システムを提供することにある。
【0011】
本発明の更に別の課題は、光出力の輝度を増大させるために光源によって放出された光の一部をその光源に対して反射することによって光をリサイクルするための空間的リサイクル装置を含む照明システムを提供することにある。
【0012】
本発明の更に別の課題は、小さな角度の光を伝達するとともに、光源の輝度を増大させるために高角の光をリサイクルする角度的リサイクル装置を含む照明システムを提供することにある。
【0013】
本発明の更に別の課題は、光出力の輝度を増大させるために光源によって放出された光の一部をリサイクルするための空間的/角度的リサイクル装置を含む照明システムを提供することにある。
【0014】
本発明の更に別の課題は、上述したような照明システムであって、更に、不要な偏光を有する光を反射しリサイクルし、それによってリサイクル装置のリサイクル作用を強化する、偏光子(polarizer)を含む、照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、光源の輝度を増大させるために光をリサイクルし、それによってその照明システムがリーズナブルなコストでより高い光出力を提供することを可能にする照明システムに関する。
【0016】
本発明の一実施例によれば、輝度を増大させるために光をリサイクルする前記照明システムは、空間的リサイクル装置を含む。該空間的リサイクル装置は、光源、好ましくは、基材上に取り付けられたLEDチップ、に連結されたライトパイプを含む。前記空間的リサイクル装置は、前記ライトパイプの出力端の一部を反射媒体または被覆材によってカバーし、光源からの光がその反射媒体によってライトパイプを介して光源へと再帰反射されることによって光をリサイクルする。前記光源は反射された光を前記ライトパイプへと再放出し、それによって前記照明システムからの光出力の輝度を増大させる。
【0017】
本発明の実施例によれば、輝度を増大させるために光をリサイクルする前記照明システムは、角度的リサイクル装置を含む。該角度的リサイクル装置は、光源、好ましくは、基材上に取り付けられたLEDチップ、に連結されたテーパ型ライトパイプを含む。好ましくは、前記テーパ型ライトパイプは、ライトパイプが入力端の大きな断面から出力端の小さな断面へとテーパする漸減テーパ型ライトパイプである。前記角度的リサイクル装置は、小さな角度の光を伝達し、大きな角度の光を光源へと再帰反射する。前記光源は、その反射光を別の角度分布で再放出し、それによって光出力の輝度を増大させる。
【0018】
本発明の実施例によれば、該角度的リサイクル装置は、光源、好ましくは、基材上に取り付けられたLEDチップ、に連結された漸減テーパ型ライトパイプと該漸減テーパ型ライトパイプの出力端に連結された漸増テーパ型ライトパイプとを含む。前記漸減テーパ型ライトパイプは、入力端での小さな断面積から出力端の大きな断面積へとテーパしている。前記角度的リサイクル装置は、小さな角度の光を伝達し、大きな角度の光を光源へと再帰反射し、それによって光出力の輝度を増大させる。
【0019】
本発明の実施例によれば、前記角度的リサイクル装置は、光源、好ましくは、基材上に取り付けられたLEDチップ、に連結されたレンズシステムを含む。該レンズシステムは、凹状リフレクタまたは反射表面によって包囲された中心にレンズ表面またはレンズを有する。或いは、前記リフレクタは、高角光線が前記LEDチップ上に再帰フォーカスされる前に、2回反射されるデュアル放物面リフレクタとすることができる。前記リフレクタおよび反射面は、リサイクルのために、高角光線をLEDチップへと再帰反射し、前記レンズまたはレンズ面は小角光線を光出力として結合し、それによって前記光出力の輝度を増大させる。
【0020】
本発明の実施例によれば、光源の輝度を増大させる光リサイクル装置は、光源からの複数の光線を伝達するための伝達媒体を含む。前記伝達媒体は、出力端と前記光源に連結された入力端とを有する。前記複数の光線の一部を前記伝達媒体の入力端を介して前記光源へと再帰反射し、それによって光源の出力の輝度を増大させることによって複数の光線の一部をリサイクルするために、前記伝達媒体の出力端にはミラーまたはリフレクタが連結されている。
【0021】
本発明の実施例によれば、照明システムの輝度を増大させる方法は、光源と、入力端と出力端とを備えるとともに、更に、前記出力端上に配設された反射媒体とを有するライトパイプとを提供する工程と、前記光源によって光線を作り出す工程と、前記ライトパイプを、前記入力端が前記光源に対して実質的に近接するように位置決めする工程と、前記入力端において光線を集める工程と、前記反射媒体によって前記光線の一部を前記ライトパイプに再帰反射する工程と、前記反射光線を前記光源から放出された光と結合する工程と、前記ライトパイプの前記出力端から前記反射光線を出力し、それによって前記照明システムの輝度を増大させるべく光をリサイクルする工程と、を含む。
【0022】
本発明の実施例によれば、照明システムの輝度を増大させる方法は、光源と、入力端と出力端とを備えるとともに、その入力端での大きな断面寸法からその出力端での小さな断面寸法へとテーパしているテーパ型ライトパイプとを提供する工程と、前記光源によって光線を作り出す工程と、前記テーパ型ライトパイプを、前記入力端が前記光源に対して実質的に近接するように位置決めする工程と、前記入力端において光線を集める工程と、前記光線のうちの大きな角度を有する一部を前記テーパ型ライトパイプに再帰反射し、それによって角度寸法を減少させる工程と、前記出力端から小角度光を出力する工程、とを含む。
【0023】
本発明の実施例によれば、照明システムの輝度を増大させる方法は、光再生装置を光源に結合してその光源から複数の光線を受け取る工程と、前記複数の光線の一部を前記光源にリサイクルする工程と、そして、前記光源によって前記複数の光線の前記一部を前記リサイクル装置に再放出し、それによって前記光源の出力の輝度を増大させる工程と、を含む。
【0024】
本発明の種々のその他の課題、利点および特徴構成は以下の詳細説明から容易に明らかになるであろう、そしてその新規な特徴構成は添付の請求項において具体的に指摘されるであろう。
【0025】
具体例として提供されるものであって本発明をそれらにのみ限定することを意図するものではない以下の詳細説明は、その種々の図面における類似のコンポーネントまたは特徴構成が類似の参照番号によって表されている添付の図面を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】基材上に取り付けられたLEDチップの断面側方図である。
【図2】ライトパイプに連結された図1のLEDを示す図である。
【図3】本発明の実施例による照明システムの断面図であって、前記ライトパイプの出力端の一部をカバーしているリフレクタまたはミラーを示す図である。
【図4】本発明の実施例による、前記リフレクタによってカバーされない前記ライトパイプの出力端の一部をカバーする偏光子を更に含む、図3の照明システムを示す図である。
【図5】本発明の実施例による、照明システムの断面側方図であって、テーパ型ライトパイプの出力端の周部周りのリフレクタを示す図である。
【図6】本発明の実施例による、光を角度的にリサイクルする漸減テーパ型ライトパイプの断面側方図である。
【図7】本発明の実施例による、図7の漸減テーパ型ライトパイプを含む照明システムの断面側方図である。
【図8】本発明の実施例による、互いに結合された二つのテーパ型ライトパイプを含む照明システムの断面側方図である。
【図9a】本発明の実施例による、それらLEDの間に反射性被覆材を備える基材に取り付けられるとともに、それぞれ、ストレートまたはテーパ型のライトパイプに結合された二つのLEDを含む、照明システムの断面側方図である。
【図9b】本発明の実施例による、それらLEDの間に反射性被覆材を備える基材に取り付けられるとともに、それぞれ、ストレートまたはテーパ型のライトパイプに結合された二つのLEDを含む、照明システムの断面側方図である。
【図10a】本発明の実施例による、基材に取り付けられるとともにそれぞれストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された二つのLEDを含み、これらLEDの間において前記ライトパイプの入力端に反射被覆材が配設されている、照明システムの断面側方図である。
【図10b】本発明の実施例による、基材に取り付けられるとともにそれぞれストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された二つのLEDを含み、これらLEDの間において前記ライトパイプの入力端に反射被覆材が配設されている、照明システムの断面側方図である。
【図11a】本発明の実施例による、各テーパ型ライトパイプが、入力端においてLEDに結合され、出力端において、その出力端の一部をカバーし、光を空間的にリサイクルするリフレクタを備える同じストレート型ライトパイプに結合されている、二つのテーパ型ライトパイプを含む照明システムの断面側方図である。
【図11b】本発明の実施例による、前記各テーパ型ライトパイプが、入力端においてLEDに結合され、出力端において、光を角度的にリサイクルするべく同じ漸減テーパ型ライトパイプに結合されている、二つのテーパ型ライトパイプを含む照明システムの断面側方図である。
【図12】本発明の実施例による、図11aの照明システムであって、更に、前記ストレート状ライトパイプの出力端をカバーする反射偏光子を含む、照明システムの断面側方図である。
【図13a】本発明の実施例による、三つのLEDチップの出力を組み合わせるために、ストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された、カラービームコンバイナを含む照明システムの断面側方図である。
【図13b】本発明の実施例による、三つのLEDチップの出力を組み合わせるために、ストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された、カラービームコンバイナを含む照明システムの断面側方図である。
【図13c】本発明の実施例による、三つのLEDチップの出力を組み合わせるために、ストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された、カラービームコンバイナを含む照明システムの断面側方図である。
【図13d】本発明の実施例による、三つのLEDチップの出力を組み合わせるために、ストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された、カラービームコンバイナを含む照明システムの断面側方図である。
【図14a】本発明に実施例による、ガラス板を取り付けるための取り付けフレームと、基材上のLEDに結合されたストレート型またはテーパ型ライトパイプとを含む照明システムの断面図である。
【図14b】本発明に実施例による、ガラス板を取り付けるための取り付けフレームと、基材上のLEDに結合されたストレート型またはテーパ型ライトパイプとを含む照明システムの断面図である。
【図14c】本発明に実施例による、ガラス板を取り付けるための取り付けフレームと、基材上のLEDに結合されたストレート型またはテーパ型ライトパイプとを含む照明システムの断面図である。
【図14d】本発明に実施例による、ガラス板を取り付けるための取り付けフレームと、基材上のLEDに結合されたストレート型またはテーパ型ライトパイプとを含む照明システムの断面図である。
【図15a】二つのLEDチップを含む図14a−bの照明システムの図である。
【図15b】二つのLEDチップを含む図14a−bの照明システムの図である。
【図16】本発明に実施例による、小角度の光線を結合するためのレンズ表面と、光を角度的にリサイクルするべく大角度の光線を再帰反射するための二つの凹状反射性表面とを備える中実な光学コンポーネントを含む照明システムの断面側方図である。
【図17】本発明の実施例による、小角度の光線を結合するためのレンズと、光を角度的にリサイクルするために大角度の光線を再帰反射するための凹状リフレクタとを含む照明システムの断面側方図である。
【図18】本発明の実施例による、デュアル放物面リフレクタまたは反射性表面を使用して光を角度的にリサイクルするための、図16または17の照明システムの断面側方図である。
【図19】本発明の実施例による、前記光リサイクル装置を内蔵するLED照明システムの断面側方図である。
【図20】本発明の実施例による、前記光リサイクル装置を内蔵する一体型光学系を備えるLEDチップを有するLED照明システムの断面側方図である。
【図21】本発明の実施例による、光リサイクル装置を内蔵するLEDプロジェクションシステムの断面側方図である。
【図22】本発明の実施例による、光リサイクル装置を内蔵する光ファイバシステムの断面側方図である。
【図23】内蔵光学系を備えるLEDチップを有する図21のLEDプロジェクションシステムまたは図22の光ファイバシステムの断面側方図である。
【図24】本発明の実施例による、計算による種々のLED反射率の輝度増加率曲線を示す図である。
【図25】本発明の実施例による、実験による種々のLED反射率の輝度増加率曲線を示す図である。
【図26】本発明の実施例による、前記ライトパイプの近傍のLEDの計算による輝度増加率曲線の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。これらの実施例は、本発明の諸原理を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0028】
本発明の実施例によれば、図3−5,7−18に示されるように、光源の輝度を増大させるために光をリサイクルするための照明システム1000は、光源100と光リサイクル装置200とを有する。図1に示されるように、光源100は、基材140に取り付けられている。この基材140は、好ましくは、光源100から放出される熱を吸収し消散させるためのヒートシンク140であるが、これに限定されるものではない。
【0029】
光源100は発光ダイオード(“LED”)である。このLEDまたは光源100は、むき出しのチップとして、または、保護被覆材を備えるチップとして、或いはレンズまたはコリメータレンズが取り付けられたチップ、として基材140に取り付けることができる。チップのサイズは、1mmx1mmのような小さなもの、或いは、5〜5mmのような大きなもの、更には技術的に可能な限り大きなものとすることができる。これらのチップのサイズは技術の成熟とともに増大しつつある。
【0030】
LEDチップ100に取り付けられたレンズの形状は球状としてもよいし、或いは、非球状などの最大結合を達成するための任意のチップ形状に調節したり、更には、伝達と反射のための形状の表面との形状の組み合わせのレンズとしたりすることもできる。この照明システムは、光源100としてLEDを使用するものとして説明されるが、光源100は、非限定的に、ランプ、ハロゲンランプ、面発光デバイス(SED)、蛍光デバイス、マイクロ波ランプ、および当業者によって理解されるその他の光源を含む任意の光源とすることができる。
【0031】
本発明の実施例によれば、図9a−13dおよび図15a−bに示されるように、本システムは単一の基材140上に取り付けられた複数の光源100を含むものとすることができる。本発明の一態様によれば、各光源100は、図11a−12に示されるように別々の基材140に取り付けることも可能である。
【0032】
本発明の実施例によれば、光学装置200は、光源100と光学的に連通した空間的および/または角度的なリサイクル装置とすることができる。ここに記載されているように、空間的または角度的なリサイクル装置200は、一般に、ストレート型またはテーパ型とすることが可能なライトパイプ300を含む。
【0033】
図2に示されるように、光源またはLED100の出力は、ライトパイプ300に結合されてこのライトパイプ300の出力端320において均一な強度プロファイルの光を提供する。ライトパイプ300内の光は、内部全反射によって出力端320へと導かれる。LED100の出力は、ライトパイプ300によって捕らえられ、このライトパイプ300の出力端320へと伝送される。
【0034】
ライトパイプ300の形状は、矩形、六角形、または三角形とすることができる。好ましくは、ライトパイプ300の形状は、高結合効率のために、光源またはLED100の形状にマッチングされる。理想的なケースでは、LED100の出力はライトパイプ300によって完全に捕捉される。ライトパイプ300の断面寸法がLED100に一致すると、ライトパイプ300の出力端320における出力輝度はLED100の出力輝度とほぼ等しくなる。但し、商業用途において、LED100とライトパイプ300との間でのいくらかの結合損失と、ライトパイプ300内での伝送損失を予想することができる。
【0035】
本発明の実施例によれば、図3−5,9a,10a,11a,12,13a,14aおよび15aに示されるように、空間的光リサイクル装置200は、ライトパイプ300と、このライトパイプ300の出力端320に結合されたリフレクタ、ミラー、反射媒体またはリフレクタシステム400とを含む。ライトパイプ300の入力端310は、光源100と光学的に連通または結合され、出力端320は反射媒体400に結合されている。
【0036】
前記光学的連通は、ライトパイプ300の入力端310が光源100からの放出された光を収集するようにライトパイプ300を光源100の近傍に配置することによって達成可能である。或いは、ライトパイプ300の入力端310を、エポキシその他の耐熱性、透明接続材料を使用して光源100に固定または接着することができる。尚、ライトパイプ300は中空または中実にすることができ、矩形、六角形、三角形、などを非限定的に含む任意の断面形状のものとすることができる。好ましくは、ライトパイプ300の形状は、高い結合効率を得るために光源またはLED100の形状に一致させてある。
【0037】
ライトパイプ300は、均一の断面寸法、或いは、入力端310から出力端320におけて漸増または漸減するテーパード状の断面寸法とすることができる。漸増する断面寸法を有するライトパイプ300を含む光リサイクル装置200は、出力開口数を減少させることができる。それに対して、漸減する断面寸法を有するライトパイプ300を含む光リサイクル装置200は、大きな角度を有する光のリサイクルを増進してそれによって光の角度的リサイクルを提供する。
【0038】
ライトパイプ300は、ガラス、水晶、プラスチック、溶融石英、アクリル等から形成することができる。ライトパイプ300は、むき出しの表面を備えたものとしてもよく、或いは、標準的な光ファイバに類似した、光案内のための低屈折率の材料によって被覆された表面を備えるものとすることも可能であり、或いは、ライトパイプ300は、その任意の表面または表面の全部がアルミニウムなどの反射性被覆材によって被覆されたものとすることも可能である。
【0039】
ここに記載し図示したリサイクルライトパイプ300は、中実ライトパイプであるが、実際に商業的用途において、ライトパイプ300をその入出力端310,320に開口部を備え、反射性表面を形成するミラーを設けて、中空構造とすることも可能である。光をリサイクルするに当たって、ライトパイプ300の効率を増大するために、入出力端310,320の開口部は反射防止材料で被覆することができる。
【0040】
反射媒体400がライトパイプ300の出力端に設けられ、ライトパイプ300のこの出力端320の一部をカバーしている。反射媒体400は、外部リフレクタ、ミラー、または反射被覆材とすることができる。或いは、例えば、ライトパイプ300の出力端320に反射性被覆材を沈積(deposit)させるなどによって、反射媒体400をライトパイプ300と一体化することができる。
【0041】
反射媒体400はライトパイプ300の出力端320の一部をカバーするので、光源100からの光の一部はライトパイプ300内へと再帰反射される。この反射光110は、ライトパイプ300によって光源100へと伝達され、図3に示されるように、光源100からの出力としてライトパイプ300内に再放射または再帰反射される。
【0042】
ライトパイプ300の出力端320の面積はリフレクタ400によって減少されているので、リフレクタ400によってライトパイプ300内へと再帰反射されるすべての光が光源100から出力されてライトパイプ300から出る光の輝度を増強または増大させ、それによって、本発明の実施例による照明システムの輝度を増大させる。全体の出力パワーはライトパイプ300からは小さくなるが、その光出力の輝度は、光源1000からの光の一部を本発明の光リサイクル装置200によってリサイクルすることによって増大される。
【0043】
典型的には、LEDチップまたはダイ(die)100は、表面に入射する光の量に対する、表面で反射される光の比率によって定義される或る反射率を有する。LEDチップ100の表面は、同時に、散乱関数によって定義される非反射性でもある。図24は、種々のLED反射率における光線のトレースによって計算された空間的リサイクル装置200の理論的なリサイクル効率を示す。
【0044】
本発明の空間的リサイクル装置200による輝度増加率が、ライトパイプ300の出力端320での開口の百分率(%)の逆数であるLED100の数に対してプロットされている。例えば、反射率が60%のLEDを用い、ライトパイプ300の出力端320での開口率が20%(5個のLEDに対応する)の場合、本発明の空間的リサイクル装置200の出力は1.9倍の輝度である。
【0045】
図25は、開示されない供給業者によって製造されたLEDを使用した空間的リサイクル装置200の実験結果を、図24の理論曲線に対してプロットしたものである。一個のミラー400が、種々の開口率を提供すべく調節可能な形態でライトパイプ300の出力端320に配置されている。LEDチップ100は、透明なウインドウを備えるヒートシンク140上に取り付けられているので、その結果、LED100とライトパイプ300との間の結合効率は100%ではなかった。
【0046】
更に、ライトパイプ300の出力端320のミラー400の反射率は100%ではなかった。LED100の反射損失、および、損失に寄与する他の実験上の不完全性によって、観察された反射率はLEDの反射率よりも低かった。実験用の空間的リサイクル装置200の物理モデルが、LEDのR(反射率)とS(拡散率)とを曲線適合パラメータとするASAP光線トレーシング・プログラムで得られた。最上の適合では、反射率Rが52%、拡散率Rが18度と判明した。更に、ライトパイプ300がLEDダイ100の近傍に位置するように、ウインドウを除去した状態でASAP光線トレーシングを行った。
【0047】
図26は、ライトパイプ300の出力端320の開口百分率(%)の逆数であるLED100の数に対する、ライトパイプ300と直接接触した状態のLEDダイ100における計算された輝度増加率を示している。例えば、ライトパイプ300の出力端320における開口率が20%(5個のLEDに対応する)の場合、このLEDダイ100を使用した本発明の空間的リサイクル装置200で、1.6倍の輝度増大率を得ることができる。
【0048】
本発明の実施例によれば、図4に示されるように、空間的リサイクル装置200は、偏光ビームスプリッタ(PBS)220または偏光子210、より好適には反射偏光子210を備えることで偏光照明システム1000を提供する。反射偏光子210またはPBS220は、ライトパイプ300の出力端320全体をカバーしても良く、リフレクタ400によってカバーされていない出力端320の部分のみをカバーすることもできる。
【0049】
更に、反射偏光子210またはPBS220は、ライトパイプ300の出力端320に対して、リフレクタ400よりも先に載置または取り付けしても良いが、リフレクタ400より後で載置または取り付けしても良い。反射偏光子210またはPBS220は、不都合または不要な偏光を有する光をライトパイプ300に再帰反射することで、本発明の光リサイクル装置200のリサイクル効果を増強し、出力光の輝度を増大する。
【0050】
本発明の実施例によれば、図4に示されるように、光リサイクル装置200は、光リサイクル装置200の効率を増大するために光偏光状態のスクランブル化を促進する波長板(wave plate)230を有する。波長板230は、ライトパイプ300の出力端320と反射偏光子210との間に配置することができる。
【0051】
次に図5を参照すると、本発明の実施例によれば、空間的/角度的リサイクル装置200は、LEDチップ100、入力端310が出力端320よりも狭いテーパ型ライトパイプ300、そして、テーパ型ライトパイプ300の出力端320の周部に沿って設けたミラー400を含む。LEDチップ100はヒートシンク140上に取り付けられている。テーパ型ライトパイプ300の狭幅の入力端310は、LEDチップ100と光学的連通状態にある。LEDチップ100とテーパ型ライトパイプ300の入力端310との間の空隙(エアギャップ)は低屈折率(low index)のエポキシによって充填することができることが理解される。
【0052】
本発明のこの実施例におけるテーパ型ライトパイプ300の利用は、或る円錐角内において効率と輝度との両方を増大させる。LED100が光源として使用される場合、通常は小さな角度内における光出力のみを集めることが可能なので、典型的には輝度が最も重要なパラメータである。例えば、市販のリアプロジェクションテレビ(RPTV)の収束角は約38度と推定され、そのようなRPTVにおいてLED100によって38から90度の範囲に放出される光は利用されず無駄になる。
【0053】
本発明のリサイクル用テーパ型ライトパイプ300は、LED100からの光を集め、出力として伝達されるべき適当な角度の光を選択し、残りの光をLED100に再帰反射し、それによって、選択された角度以外の利用されない光をリサイクルすることによってLED100の輝度を効果的に増大させる。ライトパイプ200の出力端320の周部に沿って配置されたミラー400は、前記選択された角度以外の光をLED100に反射し、それによって未使用の光をリサイクルする。本発明の空間的リサイクル装置200を使用してLED100が選択された角度内に出力する光の量は、LED100自身が選択された角度内に発する光の量よりも大きくなり、それによって、利用可能範囲でのLED100の輝度を増大させる。
【0054】
本発明の実施例によれば、図14a−bに示されるように、本発明のリサイクルまたはリカバリ用ライトパイプ300(ストレート型またはテーパ型)は、LED100のパッケージと一体化することができる。LED100と取り付けフレーム600とがヒートシンクまたは基材140上に取り付けられる。取り付けフレーム600にはガラス板またはカバー650が取り付けられ、これをライトパイプ300と一体化、またはそれに取り付けることができる。ガラスカバー650は、LEDチップ100を保護する役割も果たす。
【0055】
取り付けフレーム600のサイズは、ライトパイプ300とLEDチップ100の間の空隙610を制御するべく調節できる。好ましくは、LED100からライトパイプ300内への光の連結を最大にするためと、ミラー400によってライトパイプ300を介してLED100へ再帰反射される光とのために、ライトパイプ300はLEDチップ100の近傍に配置される。
【0056】
図14a−bに示されるように、ライトパイプ300の出力端420において、表面の一部が反射表面(例えば、反射性媒体、被覆材またはミラー400)によってカバーされることでライトパイプ300内の光のリサイクリングが促進される。好ましくは、反射性媒体400はライトパイプ300の出力端320の表面の外周に沿って配置される。図示していないが、前記出力表面の一部を一方または他方にバイアスされた反射媒体400によってカバーするなどの他の構成も使用可能である。ここに記載されているように、ライトパイプ300をガラスカバー650に取り付けて光リサイクル装置200の種々の光学コンポーネントの取り付けを容易にすることができる。
【0057】
本発明の一体型ライトパイプの組み立ては、ガラスカバー650がライトパイプ300と一体に形成されることを除けば、一般的なLEDアセンブリに類似している。尚、ライトパイプ300は、用途に応じて、テーパ型(漸減状または漸増状)、ストレート型、中実型または中空型にすることができる。中空型ライトパイプは、エポキシ、ハンダまたはその他の取り付け手段によってカバー・ガラス650に4つのミラーを取り付けることによって組み立てることができる。
【0058】
本発明の実施例によれば、ストレート型またはテーパ型ライトパイプ300は、図15a−bの二つのLEDチップ100等のように、複数のLEDチップ100のパッケージと一体化することができる。複数のLEDまたはLEDチップ100は、1つの取り付けフレーム600によってヒートシンクまたは基材140に取り付けられる。図15a−bに示されるように、ライトパイプ300の入力端310において、両LEDチップ100間の空間に対応する表面は、ライトパイプ300内の光のリサイクルを促進する反射性被覆材によって被覆されている。
【0059】
大半のLEDはランベルト(Lambertian)型の発光パターンを有することが知られている。また、フォトニック格子を備えた特殊なLEDは、輝度が高くなるように、小角度において増強される発光パターンを有する。いずれの場合においても、小角度における輝度は大角度における輝度よりも高い。その結果、より高い輝度が望まれる場合は小さな角度の発光のみが利用可能となるため、高い角度の発光が無駄になる。その結果として得られるシステムは効率の悪いものとなる。この欠点を克服するために、高角度発光がLEDに再帰反射され低角度の発光のみが伝達されるように、角度的リサイクルシステムが使用される。図5は角度的リサイクルシステムの略図を示している。
【0060】
図6−8,9b,10b,11b,13c−d,14bおよび15bを参照すると、本発明の実施例によれば、光リサイクル装置200は、中空または中実テーパ型ライトパイプ300を含む。図6は、大面積から小面積へとテーパする(入力端310が出力端320よりも大きい)漸減テーパ型ライトパイプ300を含む角度的リサイクル装置200を示している。漸減テーパ型ライトパイプ300は大きな入射角の入力光をフィルタ除去することに使用できる。
【0061】
すなわち、大きな入射角の光は反射され、小さな入射角の光のみが漸減テーパ型ライトパイプ300によって伝達される。入射角θaで漸減テーパ型ライトパイプ300の入力端310に入る入力光線a0は、漸減テーパ型ライトパイプ300内で複数回反射され、出力光線a1として漸減テーパ型ライトパイプ300から出る。上記の入力光線はより大きな入射角で漸減テーパ型ライトパイプ300から出ることができることが判る。より大きな入射角θbで漸減テーパ型ライトパイプ300の入力端310に入る光線b0も、漸減テーパ型ライトパイプ300内で複数回反射されるが、漸減テーパ型ライトパイプ300の出力端320に到達する前に、この光線b0の角度は90度以上の入射角に達する。
【0062】
光線b0は、漸減テーパ型ライトパイプ300の入力端310に向けて再帰反射を開始し、図6に示されるように、漸減テーパ型ライトパイプ300の出力端320ではなく入力端310から光線b1として出る。漸減テーパ型ライトパイプ300は、実際のところ、入射する入力光のための角度フィルタとして作用し、そこでは、小さな入射角の光が伝達され、大きな入射角の光は漸減テーパ型ライトパイプ300によって排除または反射される。
【0063】
本発明の実施例によれば、図7−8,9b,10b,11b,13c−d,14bおよび15bに示されるように、角度的リサイクル装置200は、漸減テーパ型ライトパイプ300と複数のLED100とを有する。1つのLED100が漸減テーパ型ライトパイプ300の入力端310の前方に置かれ、このLED100の面積は漸減テーパ型ライトパイプ300の入力端310の面積と実質的に等しい。高入射角を有する光または高角光は、本発明の漸減テーパ型ライトパイプ300によってLED100内へと再帰反射される。
【0064】
この反射された光はLED100においてリサイクルされて、元の入力光と異なる角度分布で漸減テーパ型ライトパイプ300に再帰反射される。すなわち、このリサイクルされた反射光の一部は今や漸減テーパ型ライトパイプ300によって伝達され漸減テーパ型ライトパイプ300の出力に結合される小さな入射角(または小角光)を有している。該小角光が出力として漸減テーパ型ライトパイプ300の出力端320から出る。
【0065】
前記LEDの表面は散乱性を有するので、高角度の反射光の一部はより低い角度へと散乱され、角度的リサイクル装置200から結合され、それによって照明システム1000の輝度を増大させる。本発明の実施例によれば、図8に示されるように、漸減テーパ型ライトパイプ300の出力端320は別のテーパ型ライトパイプ300(好ましくは、漸増テーパ型ライトパイプ)の入力端310に結合させ、それによってLEDからの高角光を減少させるが光出力面積は増大させることができる。
【0066】
本発明の実施例によれば、照明システム1000は、単一の出力ライトパイプ300に結合された複数のLED100を有する。次に、図11a−bおよび12を参照すると、本発明の実施例により、二つのテーパ型入力ライトパイプ350、好ましくは漸増テーパ型ライトパイプ350を使用して、二つのLED100が1つの出力ライトパイプ300(図11aのようなストレート型ライトパイプか若しくは図11bのようなテーパ型ライトパイプ)に結合される。
【0067】
両テーパ型入力ライトパイプ350の入力端はそれぞれ二つのLED100に接続され、これらテーパ型入力ライトパイプ350の出力端は出力ライトパイプ300に接続されている。尚、出力ライトパイプ300の出力端320は、反射性の被覆材または媒体によって部分的に被覆されて、光学リサイクル装置200内でのリサイクリングを促進し、それによって照明システム1000の輝度を増大させている。両テーパ型入力ライトパイプ300の出力端の寸法は、好ましくは、出力ライトパイプ300の入力端の寸法に一致し、それによって、光の高結合を達成するべく両入力ライトパイプ350の出力端間の空隙を最小限にしている。
【0068】
本発明の実施例によれば、図9a−b,10a−b,11a−bおよび図12に示されるように、一次元的(すなわち、一列のLED)または二次元状の列で、好ましくは互いに近接して密集された、複数のLEDチップまたはLED100を有する。好ましくは、図11a−bおよび12に示されるように、LED/LEDチップ100と入力ライトパイプ350とは互いに緻密に配置されている。
【0069】
これらLED100および入力ライトパイプ350の形状は、円形、三角形、六角形、八角形、などとすることができる。LED100および入力ライトパイプ350の寸法は、互いに同じものとすることも可能であるが、照明システムの用途に応じて異なってもよい。すなわち、光リサイクル装置200は互いに形状と寸法が異なる複数のLED100と、互いに形状と寸法が異なる複数の入力ライトパイプ350とを備えたものとすることができる。
【0070】
本発明の実施例によれば、LED100とこのLED100が結合された入力ライトパイプ350(すなわち、LEDとライトパイプとの対)は、実質的に類似の形状を有する。例えば、三角形の入力ライトパイプ350が三角形のLED100に結合される。これにより、出力パワーとサイズの異なる既存の容易に入手可能なLED100を組み合わせることによって、本発明の照明システム1000を特定の出力パワーを提供可能な形に設計可能となる。更に、複数のLED100を利用することによって、出力パワーと波長が平均化されるという別の利点も提供される。
【0071】
通常、LEDの製造においては、LED/LEDチップの出力パワーと波長は十分に制御されていない。今日のLEDの製造では、互いに波長と複数のパワーレンジの異なる複数のLEDチップをストックしておく(binning)ことが必要とされる。本発明の複数の実施例では、複数のLEDが1つの出力源に組み合わされる場合、出力パワーと波長との両方において、照明システム1000(または光源)全体の平均値の変動はより小さなものとなる。尚、本発明の種々の実施例により十分なLEDが1つの光源として使用され場合、ストックしておくこと(binning)は不要となり、それによってLED/LEDチップの歩留まり(yield)が改善され、製造コストが節約される。
【0072】
通常は二つ以上の色がカラープロジェクションシステムに使用される。本発明の実施例によれば、照明システム1000は、複数のカラーLEDまたはLEDチップ100を含み、これらは、例えば、ここにその全体を参考文献として合体させる本出願と共通の被譲渡人所有の”Etendue Efficient Combinaton of Multiple Light Sources”(複数の光源の面積効率の良好な組み合わせ)という名称の同時係属出願No.11/351,013に開示されている技術を使用して、組み合わせ、ミックスすることができる。すなわち、例えば、本発明は、3色(赤、緑、青)プロジェクションシステム、または、今日いくらか一般的になり始めている4色および5色プロジェクションシステム、を提供するために利用することができる。
【0073】
本発明の実施例によれば、図9a−bおよび10a−bに示されるように、光リサイクル装置200は、ライトパイプ300の入力端310に結合された複数のLEDチップ100を含む。ここに開示されているように、LEDチップ100は、これらLEDチップ100間の間隔を最小化することによって緻密状態に配置されている。LEDチップ100間の空間は反射性、部分反射性または非反射性にすることができるが、これらの空間は、光のリサイクリングを促進し、光リサイクル装置200の効率を増大させるために反射性とすることが好ましい。
【0074】
本発明の実施例によれば、図9a−bに示されるように、LEDチップ100間の(すなわち空間130)の基材140の表面は、リフレクタ、ミラー、反射性被覆材などを使用して反射性にされている。或いは、図10a−bに示されるように、LED100チップ100間の空間130に対応するライトパイプ300の入力端310を、リフレクタ、ミラー、反射被覆材などを使用して反射性とすることができる。
【0075】
漸増テーパ型ライトパイプ300のみが図9bおよび10bには示されるが、漸増状(大出力端に対して小出力端)と漸減状(小出力端に対して大出力端)のいずれも使用可能である。漸増テーパ型ライトパイプ300は出力開口数を減少させるために使用可能であり、漸減テーパ型ライトパイプ300は大入射角の光のリサイクルを促進するために使用可能である。
【0076】
本発明の実施例によれば、図13aおよび13bに示されるように、照明システム1000は、ライトパイプ300(ストレート型かテーパ型のライトパイプのいずれであってもよい)と、種々の色のLED100(例えば、異なる波長を有する光を放出する各LED100)からの出力を1つの出力250にまとめるカラービームコンバイナ700を有する。
【0077】
図13aに示されるように、カラービームコンバイナ700は、キューブプリズムP1,P2,P3(好ましくは、偏光ビームスプリッタ)と、赤、青および緑LED等の種々の色のLED100からの出力を組み合わせるためのキューブG1,G2とを有する。キューブプリズムP3は、ライトパイプ300の入力端310に結合されている。赤色LED(R−LED)100は、赤色の光を放出し、これはキューブプリズムP1によってキューブG1へと反射される。
【0078】
キューブプリズムP2は、キューブG1からの赤色光を伝達し緑色LED(G−LED)100によって放出された緑色光を反射する。キューブプリズムP2は、前記反射された緑色光と伝達された赤色光との両方をキューブG2へと伝達する。キューブプリズムP3は、キューブG2から受け取った緑色の光と赤色の光の両方を伝達し、記青色LED(B−LED)100によって放出された青色光をライトパイプ300へと反射する。
【0079】
好ましくは、キューブプリズム710、キューブ720およびライトパイプ300の全ての面が照明システム1000の種々の光学コンポーネントを通して効率的にガイドするように研磨される。ここに記載されているように、ライトパイプ300の出力端320は、リサイクリングを促進し、それによって照明システム1000の輝度を増大するべく、出力端320の一部をカバーする反射性被覆材、リフレクタまたはミラー400を有する。
【0080】
或いは、三角形プリズム730のようなカラービームコンバイナ700とライトパイプ300とを1つの部材に一体化することができる。図13bに示されるように、照明システム1000は、R−LED100,G−LED100,B−LED100と、導波部W1−W5と、出力部300(これはストレート型またはテーパ型のいずれであってもよい)を含む。
【0081】
好ましくは、導波部W1,W3とW5は、三角プリズムである。赤色LED(R−LED)100は、赤色光を放出し、これは導波部W1によって導波部W2へと反射される。導波部W3は導波部W2から受け取った赤色光を伝達し緑色LED(G−LED)100によって放出された緑色光を反射する。導波部W3は、前記反射された緑色光と伝達された赤色光との両方を導波部W4へと伝達する。導波部W5は、導波部W4から受け取った緑色光と赤色光の両方を伝達し、青色LED(B−LED)100によって放出された青色光を出力部300へと反射する。カラービームコンバイナの一例が、ここにその全体を参考に合体させる同時係属出願No.11/351,013に開示されている。
【0082】
好ましくは、これら導波部W1−W5,および出力部300の全ての面が照明システム1000の種々の光学コンポーネントを通して効率的にガイドするように研磨される。ここに記載されているように、出力部300の出力端320は、リサイクリングを促進し、それによって照明システム1000の輝度を増大するべく、出力端320の一部をカバーする反射性被覆材、リフレクタまたはミラー400を有する。
【0083】
本発明の実施例によれば、照明システム1000は角度的リサイクル装置200を含む。図16に示されるように、角度的リサイクル装置200は、ヒートシンク140に取り付けられたLED100と、反射性凹状表面820,830とレンズ表面810とを有するプラスチックまたはガラス製の中実な(solid)光学コンポーネント800を有する。
【0084】
好ましくは、反射性凹状表面820,830はレンズ表面810を取り囲んでいる。凹状表面820,830の形状は、球形、放物状、または楕円状にすることができ、反射性被覆材によって反射性にすることができる。反射性表面820,830は、高角度光線をリサイクルのためにLED100に再帰反射するための再帰リフレクタとして作用する。LED100からの小角度光線は、レンズ表面810によって結合され、出力250として角度的リサイクル装置200から出力される。
【0085】
或いは、図17に示されるように、角度的リサイクル装置200は、ヒートシンク140に取り付けられたLED100と、リフレクタ840,850とレンズ860とを備える。LED100からの高角度の光線はリフレクタ840,850によってリサイクルのためにLED100へと再帰反射され、LED100からの小角度の光線はレンズ860によって結合されて出力250として角度的リサイクル装置200から出力される。
【0086】
本発明の実施例によれば、図18に示されるように、図16,17の角度装置200は、高角度光線をそれらがLED100にフォーカス復帰される前に2回反射するデュアル放射面リフレクタとして作用するデュアル放物面リフレクタ840,850、或いは、反射表面820,830を含む。すなわち、反射表面820またはリフレクタ840から反射された光はそれぞれコリメートされ反射表面830またはリフレクタ850によって受け取られる。
【0087】
このコリメートされた光は次に、反射性表面830によって再フォーカスされるか、もしくは、リサイクルのためにLED100上にフォーカスされる。更に、反射性表面820,830およびリフレクタ840,850の曲率半径は、レンズ表面810またはレンズ860の曲率半径よりも小さくすることで、これら反射性表面820,830およびリフレクタ840,850をレンズ表面810またはレンズ860よりもLEDに近づけることが可能である。
【0088】
本発明の実施例によれば、本発明の光リサイクル装置200を従来型のLED照明システムに組み込むことで、光の空間的および/または角度的リサイクルを使用してLED源の輝度を増大させることが可能である。通常、従来型のLED照明システムでは、LEDチップ100からの光は外部光システム800を介してアプリケーション900(例えばプロジェクション用のディスプレイスクリーン)に結合される。図19に示されるように、本発明の空間的および/または角度的光リサイクル装置200が、LEDチップ100と外部光システム800との間に挿入されてそのアプリケーション900の光の輝度を増大させる。
【0089】
次に図20を参照すると、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、そのLEDチップ100から光を抽出するためのLEDパッケージ上に形成されたレンズなどの一体型(integrated)光学系850を備えたLEDチップ100を有する従来型LED照明システムに組み込むことができる。ここでは、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200が、内蔵光学系850と外部光システム800との間に挿入されてアプリケーション900の光の輝度を増大させる。
【0090】
本発明の実施例によれば、本発明の光リサイクル装置200は、従来型のLEDプロジェクションシステムに組み込んで、光の空間的および/または角度的リサイクルを使用してLED源の輝度、および/または、プロジェクションシステム950へと結合される光の量を増大させることができる。通常、従来型LEDプロジェクションシステムでは、LEDチップ100からの光は、レンズまたはレンズ系810を使用してそのプロジェクションシステム950に結合される。図21に示されるように、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、LEDチップ100とレンズ810との間に挿入されて、光の輝度および/またはプロジェクションシステム950へと結合される光の量を増大させる。
【0091】
本発明の実施例によれば、図22に示されるように、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、光ファイバシステムに組み込んで、LED源の輝度と光ファイバ920に結合される全体の光を増大させることができる。ここで、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、LEDチップ100とレンズ810との間に挿入されて光の輝度および/または光ファイバ920に結合される光の量、を増大させることができる。
【0092】
次に図23を参照すると、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、LEDチップ100がこのLEDチップ100から光を抽出するための内蔵光学系850を含む、図21のLEDプロジェクションシステムまたは図22の光ファイバシステムに組み込むことができる。ここで、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、内蔵光学系850とレンズ810との間に挿入されて、光の輝度および/またはプロジェクションシステム950または光ファイバ920に結合される光の量を増大させることができる。
【0093】
以上本発明について説明したが、当業者は本発明の要旨および範囲から逸脱すること無くこれを改変することが可能であると理解するであろう。そのような任意の全ての改変も以下の請求項の範囲内に含まれるものと意図されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムの輝度を増大させるためのシステムと方法、詳しくは、その光源の輝度を増大させるために光源から放出される光をリサイクルする照明システムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光源は、あらゆるタイプの照明用途に使用される。典型的な光源としては、非限定的に、ランプ、ハロゲン、蛍光装置、マイクロ波ランプ、そして発光ダイオード(LED)がある。多くの用途では、小さな有効放出面積で高レベルの輝度の照明システムを必要とする。この高レベルの輝度は、従来的には、光源を追加することによって達成可能である。しかしながら、これは複数の光源を一体化するための空間が限られている場合には技術的に不可能であるとともに、複数の光源を一体化し使用することに高コストがかかる場合には経済的に実行不可能である。従って、本発明は、光源の数を増やすことなく、非限定的に光源の輝度を増大させるという要望に基づくものである。
【0003】
例えば、超小型表示式テレビジョン(MDTV)は、大きなスクリーンサイズで低コストである潜在能力がある。従来のMDTVは、通常、アークランプによって照明される。この光源は最も低いコストで最も輝度が高いが、白色光を三色に分割する必要性と寿命が短いという点において望ましくない。LED技術における進歩にともない、LEDの寿命の長さと、瞬時ON等のその他の利点を得るためにMDTVにおける光源としてLEDを利用することを考慮する必要がある。しかしながら、現時点においては、LEDは、複数の小型のイメージングパネルまたは複数のより大きなスクリーンを含む低コスト用途用としてその輝度が不十分である。
【0004】
光源の輝度を増大させるためにLEDリサイクルスキームが利用されている、たとえば、Zimmerman et alに対して発行された特許文献1を参照。しかし、Zimmerman et alは、単一の光出口を備える光反射キャビティ内に複数のLEDを取り囲むことを記載している。
【0005】
また、Zimmerman et al.の特許文献2は、ガスが充填された中空内部を取り囲む蛍光被覆材を備えるガラスエンベロープを有する蛍光管を記載している。前記蛍光被覆材によって作り出された光の一部が当該蛍光被覆材へとリサイクルされる。本発明は、複数の小型パネルまたは複数の大型スクリーンを、十分な輝度で照明することが可能なように、効率的にリサイクルすることによって、LEDの利用可能な輝度を増大させるべく単数または複数のLEDに連結可能なリサイクル装置を提供するという要望に基づくものである。
【0006】
例えば、LEDは、一般照明、建築照明、等の多くの照明用途、更に、より最近のプロジェクションテレビに使用可能な1つのタイプの光源である。例えばプロジェクションテレビに使用される場合、テレビジョンスクリーン上に必要な高光出力を提供するために、LEDは、高輝度レベルで小さな有効発光面積で光を放出しなければならない。具体的には、プロジェクションテレビにおいて有用であるためには、LEDは、小さな発光面積で小さな立体角でのルーメン測定において強力で明るい光を提供しなければならない。残念ながら、現在入手可能なLEDは、今日消費者に益々人気が高まっている大型のプロジェクション・テレビスクリーンを照明するには輝度が不十分である。
【0007】
従って、リーズナブルなコストで現在および将来の用途の需要に応える、照明システムを提供するべく、LEDの輝度を増大させるための方法とシステムが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許6,869,206号
【特許文献2】米国特許6,144,536号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の1つの課題は、上述した従来技術の問題を解決する照明システムを提供することにある。
【0010】
本発明の別の課題は、光出力の輝度を増大させるために光源によって放出された光の一部をリサイクルするためのリサイクル装置を含む照明システムを提供することにある。
【0011】
本発明の更に別の課題は、光出力の輝度を増大させるために光源によって放出された光の一部をその光源に対して反射することによって光をリサイクルするための空間的リサイクル装置を含む照明システムを提供することにある。
【0012】
本発明の更に別の課題は、小さな角度の光を伝達するとともに、光源の輝度を増大させるために高角の光をリサイクルする角度的リサイクル装置を含む照明システムを提供することにある。
【0013】
本発明の更に別の課題は、光出力の輝度を増大させるために光源によって放出された光の一部をリサイクルするための空間的/角度的リサイクル装置を含む照明システムを提供することにある。
【0014】
本発明の更に別の課題は、上述したような照明システムであって、更に、不要な偏光を有する光を反射しリサイクルし、それによってリサイクル装置のリサイクル作用を強化する、偏光子(polarizer)を含む、照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、光源の輝度を増大させるために光をリサイクルし、それによってその照明システムがリーズナブルなコストでより高い光出力を提供することを可能にする照明システムに関する。
【0016】
本発明の一実施例によれば、輝度を増大させるために光をリサイクルする前記照明システムは、空間的リサイクル装置を含む。該空間的リサイクル装置は、光源、好ましくは、基材上に取り付けられたLEDチップ、に連結されたライトパイプを含む。前記空間的リサイクル装置は、前記ライトパイプの出力端の一部を反射媒体または被覆材によってカバーし、光源からの光がその反射媒体によってライトパイプを介して光源へと再帰反射されることによって光をリサイクルする。前記光源は反射された光を前記ライトパイプへと再放出し、それによって前記照明システムからの光出力の輝度を増大させる。
【0017】
本発明の実施例によれば、輝度を増大させるために光をリサイクルする前記照明システムは、角度的リサイクル装置を含む。該角度的リサイクル装置は、光源、好ましくは、基材上に取り付けられたLEDチップ、に連結されたテーパ型ライトパイプを含む。好ましくは、前記テーパ型ライトパイプは、ライトパイプが入力端の大きな断面から出力端の小さな断面へとテーパする漸減テーパ型ライトパイプである。前記角度的リサイクル装置は、小さな角度の光を伝達し、大きな角度の光を光源へと再帰反射する。前記光源は、その反射光を別の角度分布で再放出し、それによって光出力の輝度を増大させる。
【0018】
本発明の実施例によれば、該角度的リサイクル装置は、光源、好ましくは、基材上に取り付けられたLEDチップ、に連結された漸減テーパ型ライトパイプと該漸減テーパ型ライトパイプの出力端に連結された漸増テーパ型ライトパイプとを含む。前記漸減テーパ型ライトパイプは、入力端での小さな断面積から出力端の大きな断面積へとテーパしている。前記角度的リサイクル装置は、小さな角度の光を伝達し、大きな角度の光を光源へと再帰反射し、それによって光出力の輝度を増大させる。
【0019】
本発明の実施例によれば、前記角度的リサイクル装置は、光源、好ましくは、基材上に取り付けられたLEDチップ、に連結されたレンズシステムを含む。該レンズシステムは、凹状リフレクタまたは反射表面によって包囲された中心にレンズ表面またはレンズを有する。或いは、前記リフレクタは、高角光線が前記LEDチップ上に再帰フォーカスされる前に、2回反射されるデュアル放物面リフレクタとすることができる。前記リフレクタおよび反射面は、リサイクルのために、高角光線をLEDチップへと再帰反射し、前記レンズまたはレンズ面は小角光線を光出力として結合し、それによって前記光出力の輝度を増大させる。
【0020】
本発明の実施例によれば、光源の輝度を増大させる光リサイクル装置は、光源からの複数の光線を伝達するための伝達媒体を含む。前記伝達媒体は、出力端と前記光源に連結された入力端とを有する。前記複数の光線の一部を前記伝達媒体の入力端を介して前記光源へと再帰反射し、それによって光源の出力の輝度を増大させることによって複数の光線の一部をリサイクルするために、前記伝達媒体の出力端にはミラーまたはリフレクタが連結されている。
【0021】
本発明の実施例によれば、照明システムの輝度を増大させる方法は、光源と、入力端と出力端とを備えるとともに、更に、前記出力端上に配設された反射媒体とを有するライトパイプとを提供する工程と、前記光源によって光線を作り出す工程と、前記ライトパイプを、前記入力端が前記光源に対して実質的に近接するように位置決めする工程と、前記入力端において光線を集める工程と、前記反射媒体によって前記光線の一部を前記ライトパイプに再帰反射する工程と、前記反射光線を前記光源から放出された光と結合する工程と、前記ライトパイプの前記出力端から前記反射光線を出力し、それによって前記照明システムの輝度を増大させるべく光をリサイクルする工程と、を含む。
【0022】
本発明の実施例によれば、照明システムの輝度を増大させる方法は、光源と、入力端と出力端とを備えるとともに、その入力端での大きな断面寸法からその出力端での小さな断面寸法へとテーパしているテーパ型ライトパイプとを提供する工程と、前記光源によって光線を作り出す工程と、前記テーパ型ライトパイプを、前記入力端が前記光源に対して実質的に近接するように位置決めする工程と、前記入力端において光線を集める工程と、前記光線のうちの大きな角度を有する一部を前記テーパ型ライトパイプに再帰反射し、それによって角度寸法を減少させる工程と、前記出力端から小角度光を出力する工程、とを含む。
【0023】
本発明の実施例によれば、照明システムの輝度を増大させる方法は、光再生装置を光源に結合してその光源から複数の光線を受け取る工程と、前記複数の光線の一部を前記光源にリサイクルする工程と、そして、前記光源によって前記複数の光線の前記一部を前記リサイクル装置に再放出し、それによって前記光源の出力の輝度を増大させる工程と、を含む。
【0024】
本発明の種々のその他の課題、利点および特徴構成は以下の詳細説明から容易に明らかになるであろう、そしてその新規な特徴構成は添付の請求項において具体的に指摘されるであろう。
【0025】
具体例として提供されるものであって本発明をそれらにのみ限定することを意図するものではない以下の詳細説明は、その種々の図面における類似のコンポーネントまたは特徴構成が類似の参照番号によって表されている添付の図面を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】基材上に取り付けられたLEDチップの断面側方図である。
【図2】ライトパイプに連結された図1のLEDを示す図である。
【図3】本発明の実施例による照明システムの断面図であって、前記ライトパイプの出力端の一部をカバーしているリフレクタまたはミラーを示す図である。
【図4】本発明の実施例による、前記リフレクタによってカバーされない前記ライトパイプの出力端の一部をカバーする偏光子を更に含む、図3の照明システムを示す図である。
【図5】本発明の実施例による、照明システムの断面側方図であって、テーパ型ライトパイプの出力端の周部周りのリフレクタを示す図である。
【図6】本発明の実施例による、光を角度的にリサイクルする漸減テーパ型ライトパイプの断面側方図である。
【図7】本発明の実施例による、図7の漸減テーパ型ライトパイプを含む照明システムの断面側方図である。
【図8】本発明の実施例による、互いに結合された二つのテーパ型ライトパイプを含む照明システムの断面側方図である。
【図9a】本発明の実施例による、それらLEDの間に反射性被覆材を備える基材に取り付けられるとともに、それぞれ、ストレートまたはテーパ型のライトパイプに結合された二つのLEDを含む、照明システムの断面側方図である。
【図9b】本発明の実施例による、それらLEDの間に反射性被覆材を備える基材に取り付けられるとともに、それぞれ、ストレートまたはテーパ型のライトパイプに結合された二つのLEDを含む、照明システムの断面側方図である。
【図10a】本発明の実施例による、基材に取り付けられるとともにそれぞれストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された二つのLEDを含み、これらLEDの間において前記ライトパイプの入力端に反射被覆材が配設されている、照明システムの断面側方図である。
【図10b】本発明の実施例による、基材に取り付けられるとともにそれぞれストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された二つのLEDを含み、これらLEDの間において前記ライトパイプの入力端に反射被覆材が配設されている、照明システムの断面側方図である。
【図11a】本発明の実施例による、各テーパ型ライトパイプが、入力端においてLEDに結合され、出力端において、その出力端の一部をカバーし、光を空間的にリサイクルするリフレクタを備える同じストレート型ライトパイプに結合されている、二つのテーパ型ライトパイプを含む照明システムの断面側方図である。
【図11b】本発明の実施例による、前記各テーパ型ライトパイプが、入力端においてLEDに結合され、出力端において、光を角度的にリサイクルするべく同じ漸減テーパ型ライトパイプに結合されている、二つのテーパ型ライトパイプを含む照明システムの断面側方図である。
【図12】本発明の実施例による、図11aの照明システムであって、更に、前記ストレート状ライトパイプの出力端をカバーする反射偏光子を含む、照明システムの断面側方図である。
【図13a】本発明の実施例による、三つのLEDチップの出力を組み合わせるために、ストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された、カラービームコンバイナを含む照明システムの断面側方図である。
【図13b】本発明の実施例による、三つのLEDチップの出力を組み合わせるために、ストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された、カラービームコンバイナを含む照明システムの断面側方図である。
【図13c】本発明の実施例による、三つのLEDチップの出力を組み合わせるために、ストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された、カラービームコンバイナを含む照明システムの断面側方図である。
【図13d】本発明の実施例による、三つのLEDチップの出力を組み合わせるために、ストレート型またはテーパ型ライトパイプに結合された、カラービームコンバイナを含む照明システムの断面側方図である。
【図14a】本発明に実施例による、ガラス板を取り付けるための取り付けフレームと、基材上のLEDに結合されたストレート型またはテーパ型ライトパイプとを含む照明システムの断面図である。
【図14b】本発明に実施例による、ガラス板を取り付けるための取り付けフレームと、基材上のLEDに結合されたストレート型またはテーパ型ライトパイプとを含む照明システムの断面図である。
【図14c】本発明に実施例による、ガラス板を取り付けるための取り付けフレームと、基材上のLEDに結合されたストレート型またはテーパ型ライトパイプとを含む照明システムの断面図である。
【図14d】本発明に実施例による、ガラス板を取り付けるための取り付けフレームと、基材上のLEDに結合されたストレート型またはテーパ型ライトパイプとを含む照明システムの断面図である。
【図15a】二つのLEDチップを含む図14a−bの照明システムの図である。
【図15b】二つのLEDチップを含む図14a−bの照明システムの図である。
【図16】本発明に実施例による、小角度の光線を結合するためのレンズ表面と、光を角度的にリサイクルするべく大角度の光線を再帰反射するための二つの凹状反射性表面とを備える中実な光学コンポーネントを含む照明システムの断面側方図である。
【図17】本発明の実施例による、小角度の光線を結合するためのレンズと、光を角度的にリサイクルするために大角度の光線を再帰反射するための凹状リフレクタとを含む照明システムの断面側方図である。
【図18】本発明の実施例による、デュアル放物面リフレクタまたは反射性表面を使用して光を角度的にリサイクルするための、図16または17の照明システムの断面側方図である。
【図19】本発明の実施例による、前記光リサイクル装置を内蔵するLED照明システムの断面側方図である。
【図20】本発明の実施例による、前記光リサイクル装置を内蔵する一体型光学系を備えるLEDチップを有するLED照明システムの断面側方図である。
【図21】本発明の実施例による、光リサイクル装置を内蔵するLEDプロジェクションシステムの断面側方図である。
【図22】本発明の実施例による、光リサイクル装置を内蔵する光ファイバシステムの断面側方図である。
【図23】内蔵光学系を備えるLEDチップを有する図21のLEDプロジェクションシステムまたは図22の光ファイバシステムの断面側方図である。
【図24】本発明の実施例による、計算による種々のLED反射率の輝度増加率曲線を示す図である。
【図25】本発明の実施例による、実験による種々のLED反射率の輝度増加率曲線を示す図である。
【図26】本発明の実施例による、前記ライトパイプの近傍のLEDの計算による輝度増加率曲線の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。これらの実施例は、本発明の諸原理を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0028】
本発明の実施例によれば、図3−5,7−18に示されるように、光源の輝度を増大させるために光をリサイクルするための照明システム1000は、光源100と光リサイクル装置200とを有する。図1に示されるように、光源100は、基材140に取り付けられている。この基材140は、好ましくは、光源100から放出される熱を吸収し消散させるためのヒートシンク140であるが、これに限定されるものではない。
【0029】
光源100は発光ダイオード(“LED”)である。このLEDまたは光源100は、むき出しのチップとして、または、保護被覆材を備えるチップとして、或いはレンズまたはコリメータレンズが取り付けられたチップ、として基材140に取り付けることができる。チップのサイズは、1mmx1mmのような小さなもの、或いは、5〜5mmのような大きなもの、更には技術的に可能な限り大きなものとすることができる。これらのチップのサイズは技術の成熟とともに増大しつつある。
【0030】
LEDチップ100に取り付けられたレンズの形状は球状としてもよいし、或いは、非球状などの最大結合を達成するための任意のチップ形状に調節したり、更には、伝達と反射のための形状の表面との形状の組み合わせのレンズとしたりすることもできる。この照明システムは、光源100としてLEDを使用するものとして説明されるが、光源100は、非限定的に、ランプ、ハロゲンランプ、面発光デバイス(SED)、蛍光デバイス、マイクロ波ランプ、および当業者によって理解されるその他の光源を含む任意の光源とすることができる。
【0031】
本発明の実施例によれば、図9a−13dおよび図15a−bに示されるように、本システムは単一の基材140上に取り付けられた複数の光源100を含むものとすることができる。本発明の一態様によれば、各光源100は、図11a−12に示されるように別々の基材140に取り付けることも可能である。
【0032】
本発明の実施例によれば、光学装置200は、光源100と光学的に連通した空間的および/または角度的なリサイクル装置とすることができる。ここに記載されているように、空間的または角度的なリサイクル装置200は、一般に、ストレート型またはテーパ型とすることが可能なライトパイプ300を含む。
【0033】
図2に示されるように、光源またはLED100の出力は、ライトパイプ300に結合されてこのライトパイプ300の出力端320において均一な強度プロファイルの光を提供する。ライトパイプ300内の光は、内部全反射によって出力端320へと導かれる。LED100の出力は、ライトパイプ300によって捕らえられ、このライトパイプ300の出力端320へと伝送される。
【0034】
ライトパイプ300の形状は、矩形、六角形、または三角形とすることができる。好ましくは、ライトパイプ300の形状は、高結合効率のために、光源またはLED100の形状にマッチングされる。理想的なケースでは、LED100の出力はライトパイプ300によって完全に捕捉される。ライトパイプ300の断面寸法がLED100に一致すると、ライトパイプ300の出力端320における出力輝度はLED100の出力輝度とほぼ等しくなる。但し、商業用途において、LED100とライトパイプ300との間でのいくらかの結合損失と、ライトパイプ300内での伝送損失を予想することができる。
【0035】
本発明の実施例によれば、図3−5,9a,10a,11a,12,13a,14aおよび15aに示されるように、空間的光リサイクル装置200は、ライトパイプ300と、このライトパイプ300の出力端320に結合されたリフレクタ、ミラー、反射媒体またはリフレクタシステム400とを含む。ライトパイプ300の入力端310は、光源100と光学的に連通または結合され、出力端320は反射媒体400に結合されている。
【0036】
前記光学的連通は、ライトパイプ300の入力端310が光源100からの放出された光を収集するようにライトパイプ300を光源100の近傍に配置することによって達成可能である。或いは、ライトパイプ300の入力端310を、エポキシその他の耐熱性、透明接続材料を使用して光源100に固定または接着することができる。尚、ライトパイプ300は中空または中実にすることができ、矩形、六角形、三角形、などを非限定的に含む任意の断面形状のものとすることができる。好ましくは、ライトパイプ300の形状は、高い結合効率を得るために光源またはLED100の形状に一致させてある。
【0037】
ライトパイプ300は、均一の断面寸法、或いは、入力端310から出力端320におけて漸増または漸減するテーパード状の断面寸法とすることができる。漸増する断面寸法を有するライトパイプ300を含む光リサイクル装置200は、出力開口数を減少させることができる。それに対して、漸減する断面寸法を有するライトパイプ300を含む光リサイクル装置200は、大きな角度を有する光のリサイクルを増進してそれによって光の角度的リサイクルを提供する。
【0038】
ライトパイプ300は、ガラス、水晶、プラスチック、溶融石英、アクリル等から形成することができる。ライトパイプ300は、むき出しの表面を備えたものとしてもよく、或いは、標準的な光ファイバに類似した、光案内のための低屈折率の材料によって被覆された表面を備えるものとすることも可能であり、或いは、ライトパイプ300は、その任意の表面または表面の全部がアルミニウムなどの反射性被覆材によって被覆されたものとすることも可能である。
【0039】
ここに記載し図示したリサイクルライトパイプ300は、中実ライトパイプであるが、実際に商業的用途において、ライトパイプ300をその入出力端310,320に開口部を備え、反射性表面を形成するミラーを設けて、中空構造とすることも可能である。光をリサイクルするに当たって、ライトパイプ300の効率を増大するために、入出力端310,320の開口部は反射防止材料で被覆することができる。
【0040】
反射媒体400がライトパイプ300の出力端に設けられ、ライトパイプ300のこの出力端320の一部をカバーしている。反射媒体400は、外部リフレクタ、ミラー、または反射被覆材とすることができる。或いは、例えば、ライトパイプ300の出力端320に反射性被覆材を沈積(deposit)させるなどによって、反射媒体400をライトパイプ300と一体化することができる。
【0041】
反射媒体400はライトパイプ300の出力端320の一部をカバーするので、光源100からの光の一部はライトパイプ300内へと再帰反射される。この反射光110は、ライトパイプ300によって光源100へと伝達され、図3に示されるように、光源100からの出力としてライトパイプ300内に再放射または再帰反射される。
【0042】
ライトパイプ300の出力端320の面積はリフレクタ400によって減少されているので、リフレクタ400によってライトパイプ300内へと再帰反射されるすべての光が光源100から出力されてライトパイプ300から出る光の輝度を増強または増大させ、それによって、本発明の実施例による照明システムの輝度を増大させる。全体の出力パワーはライトパイプ300からは小さくなるが、その光出力の輝度は、光源1000からの光の一部を本発明の光リサイクル装置200によってリサイクルすることによって増大される。
【0043】
典型的には、LEDチップまたはダイ(die)100は、表面に入射する光の量に対する、表面で反射される光の比率によって定義される或る反射率を有する。LEDチップ100の表面は、同時に、散乱関数によって定義される非反射性でもある。図24は、種々のLED反射率における光線のトレースによって計算された空間的リサイクル装置200の理論的なリサイクル効率を示す。
【0044】
本発明の空間的リサイクル装置200による輝度増加率が、ライトパイプ300の出力端320での開口の百分率(%)の逆数であるLED100の数に対してプロットされている。例えば、反射率が60%のLEDを用い、ライトパイプ300の出力端320での開口率が20%(5個のLEDに対応する)の場合、本発明の空間的リサイクル装置200の出力は1.9倍の輝度である。
【0045】
図25は、開示されない供給業者によって製造されたLEDを使用した空間的リサイクル装置200の実験結果を、図24の理論曲線に対してプロットしたものである。一個のミラー400が、種々の開口率を提供すべく調節可能な形態でライトパイプ300の出力端320に配置されている。LEDチップ100は、透明なウインドウを備えるヒートシンク140上に取り付けられているので、その結果、LED100とライトパイプ300との間の結合効率は100%ではなかった。
【0046】
更に、ライトパイプ300の出力端320のミラー400の反射率は100%ではなかった。LED100の反射損失、および、損失に寄与する他の実験上の不完全性によって、観察された反射率はLEDの反射率よりも低かった。実験用の空間的リサイクル装置200の物理モデルが、LEDのR(反射率)とS(拡散率)とを曲線適合パラメータとするASAP光線トレーシング・プログラムで得られた。最上の適合では、反射率Rが52%、拡散率Rが18度と判明した。更に、ライトパイプ300がLEDダイ100の近傍に位置するように、ウインドウを除去した状態でASAP光線トレーシングを行った。
【0047】
図26は、ライトパイプ300の出力端320の開口百分率(%)の逆数であるLED100の数に対する、ライトパイプ300と直接接触した状態のLEDダイ100における計算された輝度増加率を示している。例えば、ライトパイプ300の出力端320における開口率が20%(5個のLEDに対応する)の場合、このLEDダイ100を使用した本発明の空間的リサイクル装置200で、1.6倍の輝度増大率を得ることができる。
【0048】
本発明の実施例によれば、図4に示されるように、空間的リサイクル装置200は、偏光ビームスプリッタ(PBS)220または偏光子210、より好適には反射偏光子210を備えることで偏光照明システム1000を提供する。反射偏光子210またはPBS220は、ライトパイプ300の出力端320全体をカバーしても良く、リフレクタ400によってカバーされていない出力端320の部分のみをカバーすることもできる。
【0049】
更に、反射偏光子210またはPBS220は、ライトパイプ300の出力端320に対して、リフレクタ400よりも先に載置または取り付けしても良いが、リフレクタ400より後で載置または取り付けしても良い。反射偏光子210またはPBS220は、不都合または不要な偏光を有する光をライトパイプ300に再帰反射することで、本発明の光リサイクル装置200のリサイクル効果を増強し、出力光の輝度を増大する。
【0050】
本発明の実施例によれば、図4に示されるように、光リサイクル装置200は、光リサイクル装置200の効率を増大するために光偏光状態のスクランブル化を促進する波長板(wave plate)230を有する。波長板230は、ライトパイプ300の出力端320と反射偏光子210との間に配置することができる。
【0051】
次に図5を参照すると、本発明の実施例によれば、空間的/角度的リサイクル装置200は、LEDチップ100、入力端310が出力端320よりも狭いテーパ型ライトパイプ300、そして、テーパ型ライトパイプ300の出力端320の周部に沿って設けたミラー400を含む。LEDチップ100はヒートシンク140上に取り付けられている。テーパ型ライトパイプ300の狭幅の入力端310は、LEDチップ100と光学的連通状態にある。LEDチップ100とテーパ型ライトパイプ300の入力端310との間の空隙(エアギャップ)は低屈折率(low index)のエポキシによって充填することができることが理解される。
【0052】
本発明のこの実施例におけるテーパ型ライトパイプ300の利用は、或る円錐角内において効率と輝度との両方を増大させる。LED100が光源として使用される場合、通常は小さな角度内における光出力のみを集めることが可能なので、典型的には輝度が最も重要なパラメータである。例えば、市販のリアプロジェクションテレビ(RPTV)の収束角は約38度と推定され、そのようなRPTVにおいてLED100によって38から90度の範囲に放出される光は利用されず無駄になる。
【0053】
本発明のリサイクル用テーパ型ライトパイプ300は、LED100からの光を集め、出力として伝達されるべき適当な角度の光を選択し、残りの光をLED100に再帰反射し、それによって、選択された角度以外の利用されない光をリサイクルすることによってLED100の輝度を効果的に増大させる。ライトパイプ200の出力端320の周部に沿って配置されたミラー400は、前記選択された角度以外の光をLED100に反射し、それによって未使用の光をリサイクルする。本発明の空間的リサイクル装置200を使用してLED100が選択された角度内に出力する光の量は、LED100自身が選択された角度内に発する光の量よりも大きくなり、それによって、利用可能範囲でのLED100の輝度を増大させる。
【0054】
本発明の実施例によれば、図14a−bに示されるように、本発明のリサイクルまたはリカバリ用ライトパイプ300(ストレート型またはテーパ型)は、LED100のパッケージと一体化することができる。LED100と取り付けフレーム600とがヒートシンクまたは基材140上に取り付けられる。取り付けフレーム600にはガラス板またはカバー650が取り付けられ、これをライトパイプ300と一体化、またはそれに取り付けることができる。ガラスカバー650は、LEDチップ100を保護する役割も果たす。
【0055】
取り付けフレーム600のサイズは、ライトパイプ300とLEDチップ100の間の空隙610を制御するべく調節できる。好ましくは、LED100からライトパイプ300内への光の連結を最大にするためと、ミラー400によってライトパイプ300を介してLED100へ再帰反射される光とのために、ライトパイプ300はLEDチップ100の近傍に配置される。
【0056】
図14a−bに示されるように、ライトパイプ300の出力端420において、表面の一部が反射表面(例えば、反射性媒体、被覆材またはミラー400)によってカバーされることでライトパイプ300内の光のリサイクリングが促進される。好ましくは、反射性媒体400はライトパイプ300の出力端320の表面の外周に沿って配置される。図示していないが、前記出力表面の一部を一方または他方にバイアスされた反射媒体400によってカバーするなどの他の構成も使用可能である。ここに記載されているように、ライトパイプ300をガラスカバー650に取り付けて光リサイクル装置200の種々の光学コンポーネントの取り付けを容易にすることができる。
【0057】
本発明の一体型ライトパイプの組み立ては、ガラスカバー650がライトパイプ300と一体に形成されることを除けば、一般的なLEDアセンブリに類似している。尚、ライトパイプ300は、用途に応じて、テーパ型(漸減状または漸増状)、ストレート型、中実型または中空型にすることができる。中空型ライトパイプは、エポキシ、ハンダまたはその他の取り付け手段によってカバー・ガラス650に4つのミラーを取り付けることによって組み立てることができる。
【0058】
本発明の実施例によれば、ストレート型またはテーパ型ライトパイプ300は、図15a−bの二つのLEDチップ100等のように、複数のLEDチップ100のパッケージと一体化することができる。複数のLEDまたはLEDチップ100は、1つの取り付けフレーム600によってヒートシンクまたは基材140に取り付けられる。図15a−bに示されるように、ライトパイプ300の入力端310において、両LEDチップ100間の空間に対応する表面は、ライトパイプ300内の光のリサイクルを促進する反射性被覆材によって被覆されている。
【0059】
大半のLEDはランベルト(Lambertian)型の発光パターンを有することが知られている。また、フォトニック格子を備えた特殊なLEDは、輝度が高くなるように、小角度において増強される発光パターンを有する。いずれの場合においても、小角度における輝度は大角度における輝度よりも高い。その結果、より高い輝度が望まれる場合は小さな角度の発光のみが利用可能となるため、高い角度の発光が無駄になる。その結果として得られるシステムは効率の悪いものとなる。この欠点を克服するために、高角度発光がLEDに再帰反射され低角度の発光のみが伝達されるように、角度的リサイクルシステムが使用される。図5は角度的リサイクルシステムの略図を示している。
【0060】
図6−8,9b,10b,11b,13c−d,14bおよび15bを参照すると、本発明の実施例によれば、光リサイクル装置200は、中空または中実テーパ型ライトパイプ300を含む。図6は、大面積から小面積へとテーパする(入力端310が出力端320よりも大きい)漸減テーパ型ライトパイプ300を含む角度的リサイクル装置200を示している。漸減テーパ型ライトパイプ300は大きな入射角の入力光をフィルタ除去することに使用できる。
【0061】
すなわち、大きな入射角の光は反射され、小さな入射角の光のみが漸減テーパ型ライトパイプ300によって伝達される。入射角θaで漸減テーパ型ライトパイプ300の入力端310に入る入力光線a0は、漸減テーパ型ライトパイプ300内で複数回反射され、出力光線a1として漸減テーパ型ライトパイプ300から出る。上記の入力光線はより大きな入射角で漸減テーパ型ライトパイプ300から出ることができることが判る。より大きな入射角θbで漸減テーパ型ライトパイプ300の入力端310に入る光線b0も、漸減テーパ型ライトパイプ300内で複数回反射されるが、漸減テーパ型ライトパイプ300の出力端320に到達する前に、この光線b0の角度は90度以上の入射角に達する。
【0062】
光線b0は、漸減テーパ型ライトパイプ300の入力端310に向けて再帰反射を開始し、図6に示されるように、漸減テーパ型ライトパイプ300の出力端320ではなく入力端310から光線b1として出る。漸減テーパ型ライトパイプ300は、実際のところ、入射する入力光のための角度フィルタとして作用し、そこでは、小さな入射角の光が伝達され、大きな入射角の光は漸減テーパ型ライトパイプ300によって排除または反射される。
【0063】
本発明の実施例によれば、図7−8,9b,10b,11b,13c−d,14bおよび15bに示されるように、角度的リサイクル装置200は、漸減テーパ型ライトパイプ300と複数のLED100とを有する。1つのLED100が漸減テーパ型ライトパイプ300の入力端310の前方に置かれ、このLED100の面積は漸減テーパ型ライトパイプ300の入力端310の面積と実質的に等しい。高入射角を有する光または高角光は、本発明の漸減テーパ型ライトパイプ300によってLED100内へと再帰反射される。
【0064】
この反射された光はLED100においてリサイクルされて、元の入力光と異なる角度分布で漸減テーパ型ライトパイプ300に再帰反射される。すなわち、このリサイクルされた反射光の一部は今や漸減テーパ型ライトパイプ300によって伝達され漸減テーパ型ライトパイプ300の出力に結合される小さな入射角(または小角光)を有している。該小角光が出力として漸減テーパ型ライトパイプ300の出力端320から出る。
【0065】
前記LEDの表面は散乱性を有するので、高角度の反射光の一部はより低い角度へと散乱され、角度的リサイクル装置200から結合され、それによって照明システム1000の輝度を増大させる。本発明の実施例によれば、図8に示されるように、漸減テーパ型ライトパイプ300の出力端320は別のテーパ型ライトパイプ300(好ましくは、漸増テーパ型ライトパイプ)の入力端310に結合させ、それによってLEDからの高角光を減少させるが光出力面積は増大させることができる。
【0066】
本発明の実施例によれば、照明システム1000は、単一の出力ライトパイプ300に結合された複数のLED100を有する。次に、図11a−bおよび12を参照すると、本発明の実施例により、二つのテーパ型入力ライトパイプ350、好ましくは漸増テーパ型ライトパイプ350を使用して、二つのLED100が1つの出力ライトパイプ300(図11aのようなストレート型ライトパイプか若しくは図11bのようなテーパ型ライトパイプ)に結合される。
【0067】
両テーパ型入力ライトパイプ350の入力端はそれぞれ二つのLED100に接続され、これらテーパ型入力ライトパイプ350の出力端は出力ライトパイプ300に接続されている。尚、出力ライトパイプ300の出力端320は、反射性の被覆材または媒体によって部分的に被覆されて、光学リサイクル装置200内でのリサイクリングを促進し、それによって照明システム1000の輝度を増大させている。両テーパ型入力ライトパイプ300の出力端の寸法は、好ましくは、出力ライトパイプ300の入力端の寸法に一致し、それによって、光の高結合を達成するべく両入力ライトパイプ350の出力端間の空隙を最小限にしている。
【0068】
本発明の実施例によれば、図9a−b,10a−b,11a−bおよび図12に示されるように、一次元的(すなわち、一列のLED)または二次元状の列で、好ましくは互いに近接して密集された、複数のLEDチップまたはLED100を有する。好ましくは、図11a−bおよび12に示されるように、LED/LEDチップ100と入力ライトパイプ350とは互いに緻密に配置されている。
【0069】
これらLED100および入力ライトパイプ350の形状は、円形、三角形、六角形、八角形、などとすることができる。LED100および入力ライトパイプ350の寸法は、互いに同じものとすることも可能であるが、照明システムの用途に応じて異なってもよい。すなわち、光リサイクル装置200は互いに形状と寸法が異なる複数のLED100と、互いに形状と寸法が異なる複数の入力ライトパイプ350とを備えたものとすることができる。
【0070】
本発明の実施例によれば、LED100とこのLED100が結合された入力ライトパイプ350(すなわち、LEDとライトパイプとの対)は、実質的に類似の形状を有する。例えば、三角形の入力ライトパイプ350が三角形のLED100に結合される。これにより、出力パワーとサイズの異なる既存の容易に入手可能なLED100を組み合わせることによって、本発明の照明システム1000を特定の出力パワーを提供可能な形に設計可能となる。更に、複数のLED100を利用することによって、出力パワーと波長が平均化されるという別の利点も提供される。
【0071】
通常、LEDの製造においては、LED/LEDチップの出力パワーと波長は十分に制御されていない。今日のLEDの製造では、互いに波長と複数のパワーレンジの異なる複数のLEDチップをストックしておく(binning)ことが必要とされる。本発明の複数の実施例では、複数のLEDが1つの出力源に組み合わされる場合、出力パワーと波長との両方において、照明システム1000(または光源)全体の平均値の変動はより小さなものとなる。尚、本発明の種々の実施例により十分なLEDが1つの光源として使用され場合、ストックしておくこと(binning)は不要となり、それによってLED/LEDチップの歩留まり(yield)が改善され、製造コストが節約される。
【0072】
通常は二つ以上の色がカラープロジェクションシステムに使用される。本発明の実施例によれば、照明システム1000は、複数のカラーLEDまたはLEDチップ100を含み、これらは、例えば、ここにその全体を参考文献として合体させる本出願と共通の被譲渡人所有の”Etendue Efficient Combinaton of Multiple Light Sources”(複数の光源の面積効率の良好な組み合わせ)という名称の同時係属出願No.11/351,013に開示されている技術を使用して、組み合わせ、ミックスすることができる。すなわち、例えば、本発明は、3色(赤、緑、青)プロジェクションシステム、または、今日いくらか一般的になり始めている4色および5色プロジェクションシステム、を提供するために利用することができる。
【0073】
本発明の実施例によれば、図9a−bおよび10a−bに示されるように、光リサイクル装置200は、ライトパイプ300の入力端310に結合された複数のLEDチップ100を含む。ここに開示されているように、LEDチップ100は、これらLEDチップ100間の間隔を最小化することによって緻密状態に配置されている。LEDチップ100間の空間は反射性、部分反射性または非反射性にすることができるが、これらの空間は、光のリサイクリングを促進し、光リサイクル装置200の効率を増大させるために反射性とすることが好ましい。
【0074】
本発明の実施例によれば、図9a−bに示されるように、LEDチップ100間の(すなわち空間130)の基材140の表面は、リフレクタ、ミラー、反射性被覆材などを使用して反射性にされている。或いは、図10a−bに示されるように、LED100チップ100間の空間130に対応するライトパイプ300の入力端310を、リフレクタ、ミラー、反射被覆材などを使用して反射性とすることができる。
【0075】
漸増テーパ型ライトパイプ300のみが図9bおよび10bには示されるが、漸増状(大出力端に対して小出力端)と漸減状(小出力端に対して大出力端)のいずれも使用可能である。漸増テーパ型ライトパイプ300は出力開口数を減少させるために使用可能であり、漸減テーパ型ライトパイプ300は大入射角の光のリサイクルを促進するために使用可能である。
【0076】
本発明の実施例によれば、図13aおよび13bに示されるように、照明システム1000は、ライトパイプ300(ストレート型かテーパ型のライトパイプのいずれであってもよい)と、種々の色のLED100(例えば、異なる波長を有する光を放出する各LED100)からの出力を1つの出力250にまとめるカラービームコンバイナ700を有する。
【0077】
図13aに示されるように、カラービームコンバイナ700は、キューブプリズムP1,P2,P3(好ましくは、偏光ビームスプリッタ)と、赤、青および緑LED等の種々の色のLED100からの出力を組み合わせるためのキューブG1,G2とを有する。キューブプリズムP3は、ライトパイプ300の入力端310に結合されている。赤色LED(R−LED)100は、赤色の光を放出し、これはキューブプリズムP1によってキューブG1へと反射される。
【0078】
キューブプリズムP2は、キューブG1からの赤色光を伝達し緑色LED(G−LED)100によって放出された緑色光を反射する。キューブプリズムP2は、前記反射された緑色光と伝達された赤色光との両方をキューブG2へと伝達する。キューブプリズムP3は、キューブG2から受け取った緑色の光と赤色の光の両方を伝達し、記青色LED(B−LED)100によって放出された青色光をライトパイプ300へと反射する。
【0079】
好ましくは、キューブプリズム710、キューブ720およびライトパイプ300の全ての面が照明システム1000の種々の光学コンポーネントを通して効率的にガイドするように研磨される。ここに記載されているように、ライトパイプ300の出力端320は、リサイクリングを促進し、それによって照明システム1000の輝度を増大するべく、出力端320の一部をカバーする反射性被覆材、リフレクタまたはミラー400を有する。
【0080】
或いは、三角形プリズム730のようなカラービームコンバイナ700とライトパイプ300とを1つの部材に一体化することができる。図13bに示されるように、照明システム1000は、R−LED100,G−LED100,B−LED100と、導波部W1−W5と、出力部300(これはストレート型またはテーパ型のいずれであってもよい)を含む。
【0081】
好ましくは、導波部W1,W3とW5は、三角プリズムである。赤色LED(R−LED)100は、赤色光を放出し、これは導波部W1によって導波部W2へと反射される。導波部W3は導波部W2から受け取った赤色光を伝達し緑色LED(G−LED)100によって放出された緑色光を反射する。導波部W3は、前記反射された緑色光と伝達された赤色光との両方を導波部W4へと伝達する。導波部W5は、導波部W4から受け取った緑色光と赤色光の両方を伝達し、青色LED(B−LED)100によって放出された青色光を出力部300へと反射する。カラービームコンバイナの一例が、ここにその全体を参考に合体させる同時係属出願No.11/351,013に開示されている。
【0082】
好ましくは、これら導波部W1−W5,および出力部300の全ての面が照明システム1000の種々の光学コンポーネントを通して効率的にガイドするように研磨される。ここに記載されているように、出力部300の出力端320は、リサイクリングを促進し、それによって照明システム1000の輝度を増大するべく、出力端320の一部をカバーする反射性被覆材、リフレクタまたはミラー400を有する。
【0083】
本発明の実施例によれば、照明システム1000は角度的リサイクル装置200を含む。図16に示されるように、角度的リサイクル装置200は、ヒートシンク140に取り付けられたLED100と、反射性凹状表面820,830とレンズ表面810とを有するプラスチックまたはガラス製の中実な(solid)光学コンポーネント800を有する。
【0084】
好ましくは、反射性凹状表面820,830はレンズ表面810を取り囲んでいる。凹状表面820,830の形状は、球形、放物状、または楕円状にすることができ、反射性被覆材によって反射性にすることができる。反射性表面820,830は、高角度光線をリサイクルのためにLED100に再帰反射するための再帰リフレクタとして作用する。LED100からの小角度光線は、レンズ表面810によって結合され、出力250として角度的リサイクル装置200から出力される。
【0085】
或いは、図17に示されるように、角度的リサイクル装置200は、ヒートシンク140に取り付けられたLED100と、リフレクタ840,850とレンズ860とを備える。LED100からの高角度の光線はリフレクタ840,850によってリサイクルのためにLED100へと再帰反射され、LED100からの小角度の光線はレンズ860によって結合されて出力250として角度的リサイクル装置200から出力される。
【0086】
本発明の実施例によれば、図18に示されるように、図16,17の角度装置200は、高角度光線をそれらがLED100にフォーカス復帰される前に2回反射するデュアル放射面リフレクタとして作用するデュアル放物面リフレクタ840,850、或いは、反射表面820,830を含む。すなわち、反射表面820またはリフレクタ840から反射された光はそれぞれコリメートされ反射表面830またはリフレクタ850によって受け取られる。
【0087】
このコリメートされた光は次に、反射性表面830によって再フォーカスされるか、もしくは、リサイクルのためにLED100上にフォーカスされる。更に、反射性表面820,830およびリフレクタ840,850の曲率半径は、レンズ表面810またはレンズ860の曲率半径よりも小さくすることで、これら反射性表面820,830およびリフレクタ840,850をレンズ表面810またはレンズ860よりもLEDに近づけることが可能である。
【0088】
本発明の実施例によれば、本発明の光リサイクル装置200を従来型のLED照明システムに組み込むことで、光の空間的および/または角度的リサイクルを使用してLED源の輝度を増大させることが可能である。通常、従来型のLED照明システムでは、LEDチップ100からの光は外部光システム800を介してアプリケーション900(例えばプロジェクション用のディスプレイスクリーン)に結合される。図19に示されるように、本発明の空間的および/または角度的光リサイクル装置200が、LEDチップ100と外部光システム800との間に挿入されてそのアプリケーション900の光の輝度を増大させる。
【0089】
次に図20を参照すると、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、そのLEDチップ100から光を抽出するためのLEDパッケージ上に形成されたレンズなどの一体型(integrated)光学系850を備えたLEDチップ100を有する従来型LED照明システムに組み込むことができる。ここでは、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200が、内蔵光学系850と外部光システム800との間に挿入されてアプリケーション900の光の輝度を増大させる。
【0090】
本発明の実施例によれば、本発明の光リサイクル装置200は、従来型のLEDプロジェクションシステムに組み込んで、光の空間的および/または角度的リサイクルを使用してLED源の輝度、および/または、プロジェクションシステム950へと結合される光の量を増大させることができる。通常、従来型LEDプロジェクションシステムでは、LEDチップ100からの光は、レンズまたはレンズ系810を使用してそのプロジェクションシステム950に結合される。図21に示されるように、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、LEDチップ100とレンズ810との間に挿入されて、光の輝度および/またはプロジェクションシステム950へと結合される光の量を増大させる。
【0091】
本発明の実施例によれば、図22に示されるように、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、光ファイバシステムに組み込んで、LED源の輝度と光ファイバ920に結合される全体の光を増大させることができる。ここで、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、LEDチップ100とレンズ810との間に挿入されて光の輝度および/または光ファイバ920に結合される光の量、を増大させることができる。
【0092】
次に図23を参照すると、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、LEDチップ100がこのLEDチップ100から光を抽出するための内蔵光学系850を含む、図21のLEDプロジェクションシステムまたは図22の光ファイバシステムに組み込むことができる。ここで、本発明の空間的および/または角度的リサイクル装置200は、内蔵光学系850とレンズ810との間に挿入されて、光の輝度および/またはプロジェクションシステム950または光ファイバ920に結合される光の量を増大させることができる。
【0093】
以上本発明について説明したが、当業者は本発明の要旨および範囲から逸脱すること無くこれを改変することが可能であると理解するであろう。そのような任意の全ての改変も以下の請求項の範囲内に含まれるものと意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源の輝度を増大させる照明システムであって、以下を有する照明システム、
複数の光線を放出する光源、および
前記光源からの前記複数の光線を伝達するため、および、これら複数の光線の一部を前記光源へとリサイクルするために前記光源に結合された光リサイクル装置、前記光源は前記複数の光線の前記一部を前記光リサイクル装置に対して再放出し、これによって前記光源の出力の輝度が増大される。
【請求項2】
前記光リサイクル装置は、前記光源から前記複数の光線を受ける入力端と出力端とを備えたライトパイプを含む請求項1の照明システム。
【請求項3】
前記光リサイクル装置は、前記複数の光線の前記一部を前記光源に対して再帰反射することによって、前記複数の光線の前記一部を空間的にリサイクルするべく、前記ライトパイプの前記出力端の一部をカバーする、リフレクタ、ミラーまたは反射性被覆材を有する空間的リサイクル装置である請求項2の照明システム。
【請求項4】
前記ライトパイプは光ファイバである請求項2の照明システム。
【請求項5】
前記ライトパイプは、中空ストレート型ライトパイプ、中空テーパ型ライトパイプ、中実ストレート型ライトパイプ、または中実テーパ型ライトパイプを含み、前記ライトパイプの前記断面形状は、円形、三角形、六角形、または八角形のうちのいずれか1つである請求項2の照明システム。
【請求項6】
前記ライトパイプは、ガラス、石英またはプラスチックのいずれか1つから形成されている請求項2の照明システム。
【請求項7】
前記ライトパイプの表面は、反射性被覆材または低屈折率材料によって被覆され、前記ライトパイプの前記入力端は反射防止被覆材によって被覆されている請求項2の照明システム。
【請求項8】
前記ライトパイプは、中空ストレート型ライトパイプまたは中空テーパ型ライトパイプであり、前記ライトパイプの内壁は反射性被覆材によって被覆されている請求項5の照明システム。
【請求項9】
前記複数の光線の前記一部は、不要な光の偏光を含み、前記光リサイクル装置は、前記不要な光の偏光を前記光源に再帰反射することによって、前記複数の光線の前記一部をリサイクルするべく前記ライトパイプの前記出力端をカバーする反射偏光子または偏光ビームスプリッタを含む請求項2の照明システム。
【請求項10】
前記光リサイクル装置は、前記複数の光線の偏光状態のスクランブル化を促進する波長板を含む請求項9の照明システム。
【請求項11】
前記複数の光線の前記一部は、光の不要な偏光を含み、前記光リサイクル装置は、前記不要な光の偏光を前記光源に再帰反射することによって、前記複数の光線の前記一部をリサイクルするべく前記ライトパイプの前記出力端をカバーする反射偏光子または偏光ビームスプリッタを含む請求項3の照明システム。
【請求項12】
前記光装置は、前記複数の光線の偏光状態のスクランブル化を促進する波長板を含む請求項11の照明システム。
【請求項13】
前記ミラーは、選択された角度以外の前記複数の光線の前記一部を前記光源に再帰反射し、それによって光の空間的リサイクルと角度的リサイクルとの両方を提供するために前記ライトパイプの前記出力端の周部をカバーしている請求項3の照明システム。
【請求項14】
前記光源は発光ダイオード(LED)またはLEDチップを含み、前記ライトパイプの前記入力端の寸法は、該ライトパイプと前記LEDとの間での高結合効率を達成するために前記LEDの寸法に近似している請求項3の照明システム。
【請求項15】
前記光リサイクル装置は、前記LEDチップと前記ライトパイプの前記入力端との間の空隙を含む請求項14の照明システム。
【請求項16】
前記空隙は低屈折率のエポキシによって充填されている請求項15の照明システム。
【請求項17】
前記LEDチップは反射性被覆材を有する基材に取り付けられている請求項14の照明システム。
【請求項18】
前記空間的リサイクル装置は、前記基材に取り付けられた取り付けフレームと、前記ライトパイプに取り付けられるとともに前記取り付けフレームに取り付けられたガラス板とを含み、前記取り付けフレームのサイズは、前記ライトパイプと前記LEDチップとの間の空隙を制御するために調節可能である請求項17の照明システム。
【請求項19】
前記空間的リサイクル装置は、前記ライトパイプに結合された複数のLEDチップを含み、前記基材上の前記複数のLEDチップの間に空間は、前記ライトパイプ内の光のリサイクルを促進するための反射性被覆材を有する請求項18の照明システム。
【請求項20】
前記空間的リサイクル装置は、前記ライトパイプに結合された複数のLEDチップを含み、前記ライトパイプの前記入力端上の前記複数のLEDチップの間の空間は前記ライトパイプ内の光のリサイクルを促進するための反射性被覆材を有する請求項18の照明システム。
【請求項21】
前記空間的リサイクル装置は、複数のLEDチップを含み、これらLEDチップのそれぞれは、漸増テーパ型ライトパイプの入力端に結合されてLEDとライトパイプの対を提供し、各漸増テーパ型ライトパイプの出力端は前記ライトパイプの前記入力端に結合されている請求項3の照明システム。
【請求項22】
前記複数のLEDチップは一次元または二次元の列状に密集配置され、前記LEDとライトパイプの対の前記断面寸法は互いに近似している請求項21の照明システム。
【請求項23】
前記空間的リサイクル装置は、そのそれぞれが異なる波長を有する光を放出する複数のカラーLEDチップと、これら複数のカラーLEDチップからの前記複数の光線を組み合わせるためのカラービームコンバイナとを含む請求項3の照明システム。
【請求項24】
前記光リサイクル装置は、その入力端の断面積がその出力端の断面積よりも大きい漸減テーパ型ライトパイプを含み、前記角度的リサイクル装置は、高角の光線を前記光源に再帰反射し、小角の光線を前記ライトパイプの前記出力端へと伝達することによって前記複数の光線の前記一部を角度的にリサイクルする請求項2の照明システム。
【請求項25】
前記角度的リサイクル装置は、前記複数の光線の前記一部を前記光源に対して再帰反射することによって、前記複数の光線の前記一部を空間的にリサイクルするべく前記漸減テーパ型ライトパイプの前記出力端の一部をカバーする、リフレクタ、ミラーまたは反射性被覆材を含む請求項24の照明システム。
【請求項26】
前記角度的リサイクル装置は、前記漸減テーパ型ライトパイプの前記出力端に結合されて、それによって前記光源からの前記高角光を減少させながら、前記光源の光出力面積を増大させる漸増テーパ型ライトパイプを含む請求項24の照明システム。
【請求項27】
前記光リサイクル装置は、反射性表面とレンズ表面とを備える中実な光学コンポーネントを含む角度的リサイクル装置であり、前記中実な光学コンポーネントの前記反射性表面は、前記複数の光線の高角光線を反射することによって前記複数の光線の前記一部を角度的にリサイクルし、前記光学コンポーネントの前記レンズ表面は小角の光線を前記ライトパイプの前記出力端へと伝達する請求項1の照明システム。
【請求項28】
前記反射性表面は、前記高角光線をそれらが前記光源上に再帰フォーカスされる前に2回反射するデュアル放物反射性表面を形成する請求項27の照明システム。
【請求項29】
前記光リサイクル装置は、高角光線を前記光源に再帰反射することによって前記複数の光線の前記一部を角度的にリサイクルするリフレクタと、小角度光線を前記ライトパイプの前記出力端に伝達するレンズとを含む角度的リサイクル装置である請求項1の照明システム。
【請求項30】
前記リフレクタは、前記高角光線をそれらが前記光源上に再帰フォーカスされる前に2回反射するデュアル放物リフレクタを形成する請求項29の照明システム。
【請求項31】
LEDプロジェクションシステムに使用される請求項1の照明システムであって、前記光源はLEDチップであり、前記光リサイクル装置は、前記LEDチップとレンズシステムとの間に配置されて、それによって前記LEDプロジェクションシステムへと結合される光の量を増大させる照明システム。
【請求項32】
前記LEDチップは該LEDチップから光を抽出するための一体型光学系を含む請求項31の照明システム。
【請求項33】
光ファイバシステムに使用される請求項1の照明システムであって、前記光源はLEDチップであり、前記光リサイクル装置は、前記LEDチップとレンズシステムとの間に配置されて、それによって前記光ファイバシステムへと結合される光の量を増大させる照明システム。
【請求項34】
前記LEDチップは該LEDチップから光を抽出するための一体型光学系を含む請求項33の照明システム。
【請求項35】
光源の輝度を増大させる方法であって、
前記光源から複数の光線を受け取るべく光源に光リサイクル装置を結合する工程、
前記複数の光線の一部を前記光源にリサイクルする工程、そして
前記光源によって前記光リサイクル装置に対して前記複数の光線の前記一部を再放出し、それによって前記光源の輝度を増大させる工程を含む方法。
【請求項36】
前記光リサイクル装置は空間的リサイクル装置であり、前記リサイクル工程は、前記複数の光線の前記一部を前記光源に再帰反射することによって前記複数の光線の前記一部を空間的にリサイクルする工程を含む請求項35の方法。
【請求項37】
前記複数の光線の前記一部は不要な光の偏光を含み、前記リサイクル工程は、前記不要な光の偏光を前記光源に再帰反射することによって前記複数の光線の前記一部をリサイクルする工程を含む請求項35の方法。
【請求項38】
更に、前記複数の光線の変更状態をスクランブル化する工程を含む請求項37の方法。
【請求項39】
前記複数の光線の前記一部は不要な光の偏光を含み、前記リサイクル工程は、前記不要な光の偏光を前記光源に再帰反射することによって前記複数の光線の前記一部をリサイクルする工程を含む請求項36の方法。
【請求項40】
前記空間的にリサイクルする工程は、選択された角度以外の前記複数の光線の前記一部を前記光源に再帰反射し、それによって光の空間的リサイクルと角度的リサイクルとの両方を提供する工程を含む請求項36の方法。
【請求項41】
前記光源は、前記空間的リサイクル装置とそのLEDとの間の高結合効率を達成するために、前記空間的リサイクル装置の入力端と近似した断面寸法を有する発光ダイオード(LED)またはLEDチップを含む請求項36の方法。
【請求項42】
更に、前記LEDチップと前記空間的リサイクル装置の前記入力端との間の空隙を低屈折率のエポキシによって充填する工程を含む請求項41の方法。
【請求項43】
更に、前記LEDチップを、反射性被覆材を備えた基材に取り付ける工程を含む請求項41の方法。
【請求項44】
更に、取り付けフレームとガラス板とを前記基材に取り付ける工程を含み、前記ガラス板は前記ライトパイプに取り付けられ、更に、
前記取り付けフレームのサイズを調節することによって、前記空間的リサイクル装置の前記入力端と前記LEDチップとの間の空隙を制御する工程を含む請求項43の方法。
【請求項45】
前記空間光リサイクル装置の前記入力端に個々に結合された複数のLEDチップを前記基材に取り付ける工程、および
前記空間的リサイクル装置内の光のリサイクルを促進するために、前記基材上の前記複数のLEDチップ間の空間に反射性被覆材を設ける工程を更に含む請求項44の方法。
【請求項46】
前記空間光リサイクル装置の前記入力端に個々に結合された複数のLEDチップを前記基材に取り付ける工程、および
前記空間的リサイクル装置内の光のリサイクルを促進するために、前記空間的リサイクル装置の前記入力端上の前記複数のLEDチップ間の空間に反射性被覆材を設ける工程を更に含む請求項44の方法。
【請求項47】
更に、複数のLEDチップを基材上に一次元または二次元の列状に密集状態に取り付ける工程を含む請求項41の方法。
【請求項48】
前記光源は複数のカラーLEDチップであり、前記方法は、更に、前記複数のカラーLEDチップから異なる周波数の前記複数の光線を受けとり、前記複数のカラーLEDチップからの前記複数の光線を組み合わせる工程を含む請求項36の方法。
【請求項49】
前記結合する工程は、入力端の断面寸法が出力端よりも大きな漸減テーパ型ライトパイプを含む角度的リサイクル装置を結合する工程を含み、
前記リサイクル工程は、高角度の光線を前記漸減テーパ型ライトパイプの前記入力端を介して前記光源へ再帰反射し、小角度の光線を前記漸減テーパードライトパイプの前記出力端へと伝達することによって、前記複数の光線の前記一部を角度的にリサイクルする工程を含む請求項35の方法。
【請求項50】
前記角度的リサイクル装置は、前記漸減テーパ型ライトパイプの前記出力端の一部をカバーする、リフレクタ、ミラーまたは反射性被覆材を含み、前記リサイクル工程は、更に、前記リフレクタを使用して前記複数の光線の前記一部を前記光源へと空間的に再帰反射する工程を含み、これによって、前記光源からの前記複数の光線を空間的かつ角度的にリサイクルする請求項49の方法。
【請求項51】
更に、漸増テーパ型ライトパイプを前記漸減テーパ型ライトパイプの前記出力端に結合する工程を含み、これによって前記光源からの前記高角光を減少させながら前記光源の光出力面積を増大させる請求項49の方法。
【請求項52】
光源の輝度を増大させる光リサイクル装置であって、
前記光源からの前記複数の光線を伝達するための、出力端と前記光源に結合された入力端とを有する伝達媒体、および
前記複数の光線の一部を、前記光源によって再放出されるべく前記伝達媒体の前記入力端を介して前記光源に再帰反射することによって、前記複数の光線の前記一部をリサイクルするための、前記伝達媒体の前記出力端に結合されたミラーまたはリフレクタを備え、これによって前記光源の出力の輝度を増大させる光リサイクル装置。
【請求項53】
前記伝達媒体は、ストレートまたはテーパ型ライトパイプである請求項52の光リサイクル装置。
【請求項1】
光源の輝度を増大させる照明システムであって、以下を有する照明システム、
複数の光線を放出する光源、および
前記光源からの前記複数の光線を伝達するため、および、これら複数の光線の一部を前記光源へとリサイクルするために前記光源に結合された光リサイクル装置、前記光源は前記複数の光線の前記一部を前記光リサイクル装置に対して再放出し、これによって前記光源の出力の輝度が増大される。
【請求項2】
前記光リサイクル装置は、前記光源から前記複数の光線を受ける入力端と出力端とを備えたライトパイプを含む請求項1の照明システム。
【請求項3】
前記光リサイクル装置は、前記複数の光線の前記一部を前記光源に対して再帰反射することによって、前記複数の光線の前記一部を空間的にリサイクルするべく、前記ライトパイプの前記出力端の一部をカバーする、リフレクタ、ミラーまたは反射性被覆材を有する空間的リサイクル装置である請求項2の照明システム。
【請求項4】
前記ライトパイプは光ファイバである請求項2の照明システム。
【請求項5】
前記ライトパイプは、中空ストレート型ライトパイプ、中空テーパ型ライトパイプ、中実ストレート型ライトパイプ、または中実テーパ型ライトパイプを含み、前記ライトパイプの前記断面形状は、円形、三角形、六角形、または八角形のうちのいずれか1つである請求項2の照明システム。
【請求項6】
前記ライトパイプは、ガラス、石英またはプラスチックのいずれか1つから形成されている請求項2の照明システム。
【請求項7】
前記ライトパイプの表面は、反射性被覆材または低屈折率材料によって被覆され、前記ライトパイプの前記入力端は反射防止被覆材によって被覆されている請求項2の照明システム。
【請求項8】
前記ライトパイプは、中空ストレート型ライトパイプまたは中空テーパ型ライトパイプであり、前記ライトパイプの内壁は反射性被覆材によって被覆されている請求項5の照明システム。
【請求項9】
前記複数の光線の前記一部は、不要な光の偏光を含み、前記光リサイクル装置は、前記不要な光の偏光を前記光源に再帰反射することによって、前記複数の光線の前記一部をリサイクルするべく前記ライトパイプの前記出力端をカバーする反射偏光子または偏光ビームスプリッタを含む請求項2の照明システム。
【請求項10】
前記光リサイクル装置は、前記複数の光線の偏光状態のスクランブル化を促進する波長板を含む請求項9の照明システム。
【請求項11】
前記複数の光線の前記一部は、光の不要な偏光を含み、前記光リサイクル装置は、前記不要な光の偏光を前記光源に再帰反射することによって、前記複数の光線の前記一部をリサイクルするべく前記ライトパイプの前記出力端をカバーする反射偏光子または偏光ビームスプリッタを含む請求項3の照明システム。
【請求項12】
前記光装置は、前記複数の光線の偏光状態のスクランブル化を促進する波長板を含む請求項11の照明システム。
【請求項13】
前記ミラーは、選択された角度以外の前記複数の光線の前記一部を前記光源に再帰反射し、それによって光の空間的リサイクルと角度的リサイクルとの両方を提供するために前記ライトパイプの前記出力端の周部をカバーしている請求項3の照明システム。
【請求項14】
前記光源は発光ダイオード(LED)またはLEDチップを含み、前記ライトパイプの前記入力端の寸法は、該ライトパイプと前記LEDとの間での高結合効率を達成するために前記LEDの寸法に近似している請求項3の照明システム。
【請求項15】
前記光リサイクル装置は、前記LEDチップと前記ライトパイプの前記入力端との間の空隙を含む請求項14の照明システム。
【請求項16】
前記空隙は低屈折率のエポキシによって充填されている請求項15の照明システム。
【請求項17】
前記LEDチップは反射性被覆材を有する基材に取り付けられている請求項14の照明システム。
【請求項18】
前記空間的リサイクル装置は、前記基材に取り付けられた取り付けフレームと、前記ライトパイプに取り付けられるとともに前記取り付けフレームに取り付けられたガラス板とを含み、前記取り付けフレームのサイズは、前記ライトパイプと前記LEDチップとの間の空隙を制御するために調節可能である請求項17の照明システム。
【請求項19】
前記空間的リサイクル装置は、前記ライトパイプに結合された複数のLEDチップを含み、前記基材上の前記複数のLEDチップの間に空間は、前記ライトパイプ内の光のリサイクルを促進するための反射性被覆材を有する請求項18の照明システム。
【請求項20】
前記空間的リサイクル装置は、前記ライトパイプに結合された複数のLEDチップを含み、前記ライトパイプの前記入力端上の前記複数のLEDチップの間の空間は前記ライトパイプ内の光のリサイクルを促進するための反射性被覆材を有する請求項18の照明システム。
【請求項21】
前記空間的リサイクル装置は、複数のLEDチップを含み、これらLEDチップのそれぞれは、漸増テーパ型ライトパイプの入力端に結合されてLEDとライトパイプの対を提供し、各漸増テーパ型ライトパイプの出力端は前記ライトパイプの前記入力端に結合されている請求項3の照明システム。
【請求項22】
前記複数のLEDチップは一次元または二次元の列状に密集配置され、前記LEDとライトパイプの対の前記断面寸法は互いに近似している請求項21の照明システム。
【請求項23】
前記空間的リサイクル装置は、そのそれぞれが異なる波長を有する光を放出する複数のカラーLEDチップと、これら複数のカラーLEDチップからの前記複数の光線を組み合わせるためのカラービームコンバイナとを含む請求項3の照明システム。
【請求項24】
前記光リサイクル装置は、その入力端の断面積がその出力端の断面積よりも大きい漸減テーパ型ライトパイプを含み、前記角度的リサイクル装置は、高角の光線を前記光源に再帰反射し、小角の光線を前記ライトパイプの前記出力端へと伝達することによって前記複数の光線の前記一部を角度的にリサイクルする請求項2の照明システム。
【請求項25】
前記角度的リサイクル装置は、前記複数の光線の前記一部を前記光源に対して再帰反射することによって、前記複数の光線の前記一部を空間的にリサイクルするべく前記漸減テーパ型ライトパイプの前記出力端の一部をカバーする、リフレクタ、ミラーまたは反射性被覆材を含む請求項24の照明システム。
【請求項26】
前記角度的リサイクル装置は、前記漸減テーパ型ライトパイプの前記出力端に結合されて、それによって前記光源からの前記高角光を減少させながら、前記光源の光出力面積を増大させる漸増テーパ型ライトパイプを含む請求項24の照明システム。
【請求項27】
前記光リサイクル装置は、反射性表面とレンズ表面とを備える中実な光学コンポーネントを含む角度的リサイクル装置であり、前記中実な光学コンポーネントの前記反射性表面は、前記複数の光線の高角光線を反射することによって前記複数の光線の前記一部を角度的にリサイクルし、前記光学コンポーネントの前記レンズ表面は小角の光線を前記ライトパイプの前記出力端へと伝達する請求項1の照明システム。
【請求項28】
前記反射性表面は、前記高角光線をそれらが前記光源上に再帰フォーカスされる前に2回反射するデュアル放物反射性表面を形成する請求項27の照明システム。
【請求項29】
前記光リサイクル装置は、高角光線を前記光源に再帰反射することによって前記複数の光線の前記一部を角度的にリサイクルするリフレクタと、小角度光線を前記ライトパイプの前記出力端に伝達するレンズとを含む角度的リサイクル装置である請求項1の照明システム。
【請求項30】
前記リフレクタは、前記高角光線をそれらが前記光源上に再帰フォーカスされる前に2回反射するデュアル放物リフレクタを形成する請求項29の照明システム。
【請求項31】
LEDプロジェクションシステムに使用される請求項1の照明システムであって、前記光源はLEDチップであり、前記光リサイクル装置は、前記LEDチップとレンズシステムとの間に配置されて、それによって前記LEDプロジェクションシステムへと結合される光の量を増大させる照明システム。
【請求項32】
前記LEDチップは該LEDチップから光を抽出するための一体型光学系を含む請求項31の照明システム。
【請求項33】
光ファイバシステムに使用される請求項1の照明システムであって、前記光源はLEDチップであり、前記光リサイクル装置は、前記LEDチップとレンズシステムとの間に配置されて、それによって前記光ファイバシステムへと結合される光の量を増大させる照明システム。
【請求項34】
前記LEDチップは該LEDチップから光を抽出するための一体型光学系を含む請求項33の照明システム。
【請求項35】
光源の輝度を増大させる方法であって、
前記光源から複数の光線を受け取るべく光源に光リサイクル装置を結合する工程、
前記複数の光線の一部を前記光源にリサイクルする工程、そして
前記光源によって前記光リサイクル装置に対して前記複数の光線の前記一部を再放出し、それによって前記光源の輝度を増大させる工程を含む方法。
【請求項36】
前記光リサイクル装置は空間的リサイクル装置であり、前記リサイクル工程は、前記複数の光線の前記一部を前記光源に再帰反射することによって前記複数の光線の前記一部を空間的にリサイクルする工程を含む請求項35の方法。
【請求項37】
前記複数の光線の前記一部は不要な光の偏光を含み、前記リサイクル工程は、前記不要な光の偏光を前記光源に再帰反射することによって前記複数の光線の前記一部をリサイクルする工程を含む請求項35の方法。
【請求項38】
更に、前記複数の光線の変更状態をスクランブル化する工程を含む請求項37の方法。
【請求項39】
前記複数の光線の前記一部は不要な光の偏光を含み、前記リサイクル工程は、前記不要な光の偏光を前記光源に再帰反射することによって前記複数の光線の前記一部をリサイクルする工程を含む請求項36の方法。
【請求項40】
前記空間的にリサイクルする工程は、選択された角度以外の前記複数の光線の前記一部を前記光源に再帰反射し、それによって光の空間的リサイクルと角度的リサイクルとの両方を提供する工程を含む請求項36の方法。
【請求項41】
前記光源は、前記空間的リサイクル装置とそのLEDとの間の高結合効率を達成するために、前記空間的リサイクル装置の入力端と近似した断面寸法を有する発光ダイオード(LED)またはLEDチップを含む請求項36の方法。
【請求項42】
更に、前記LEDチップと前記空間的リサイクル装置の前記入力端との間の空隙を低屈折率のエポキシによって充填する工程を含む請求項41の方法。
【請求項43】
更に、前記LEDチップを、反射性被覆材を備えた基材に取り付ける工程を含む請求項41の方法。
【請求項44】
更に、取り付けフレームとガラス板とを前記基材に取り付ける工程を含み、前記ガラス板は前記ライトパイプに取り付けられ、更に、
前記取り付けフレームのサイズを調節することによって、前記空間的リサイクル装置の前記入力端と前記LEDチップとの間の空隙を制御する工程を含む請求項43の方法。
【請求項45】
前記空間光リサイクル装置の前記入力端に個々に結合された複数のLEDチップを前記基材に取り付ける工程、および
前記空間的リサイクル装置内の光のリサイクルを促進するために、前記基材上の前記複数のLEDチップ間の空間に反射性被覆材を設ける工程を更に含む請求項44の方法。
【請求項46】
前記空間光リサイクル装置の前記入力端に個々に結合された複数のLEDチップを前記基材に取り付ける工程、および
前記空間的リサイクル装置内の光のリサイクルを促進するために、前記空間的リサイクル装置の前記入力端上の前記複数のLEDチップ間の空間に反射性被覆材を設ける工程を更に含む請求項44の方法。
【請求項47】
更に、複数のLEDチップを基材上に一次元または二次元の列状に密集状態に取り付ける工程を含む請求項41の方法。
【請求項48】
前記光源は複数のカラーLEDチップであり、前記方法は、更に、前記複数のカラーLEDチップから異なる周波数の前記複数の光線を受けとり、前記複数のカラーLEDチップからの前記複数の光線を組み合わせる工程を含む請求項36の方法。
【請求項49】
前記結合する工程は、入力端の断面寸法が出力端よりも大きな漸減テーパ型ライトパイプを含む角度的リサイクル装置を結合する工程を含み、
前記リサイクル工程は、高角度の光線を前記漸減テーパ型ライトパイプの前記入力端を介して前記光源へ再帰反射し、小角度の光線を前記漸減テーパードライトパイプの前記出力端へと伝達することによって、前記複数の光線の前記一部を角度的にリサイクルする工程を含む請求項35の方法。
【請求項50】
前記角度的リサイクル装置は、前記漸減テーパ型ライトパイプの前記出力端の一部をカバーする、リフレクタ、ミラーまたは反射性被覆材を含み、前記リサイクル工程は、更に、前記リフレクタを使用して前記複数の光線の前記一部を前記光源へと空間的に再帰反射する工程を含み、これによって、前記光源からの前記複数の光線を空間的かつ角度的にリサイクルする請求項49の方法。
【請求項51】
更に、漸増テーパ型ライトパイプを前記漸減テーパ型ライトパイプの前記出力端に結合する工程を含み、これによって前記光源からの前記高角光を減少させながら前記光源の光出力面積を増大させる請求項49の方法。
【請求項52】
光源の輝度を増大させる光リサイクル装置であって、
前記光源からの前記複数の光線を伝達するための、出力端と前記光源に結合された入力端とを有する伝達媒体、および
前記複数の光線の一部を、前記光源によって再放出されるべく前記伝達媒体の前記入力端を介して前記光源に再帰反射することによって、前記複数の光線の前記一部をリサイクルするための、前記伝達媒体の前記出力端に結合されたミラーまたはリフレクタを備え、これによって前記光源の出力の輝度を増大させる光リサイクル装置。
【請求項53】
前記伝達媒体は、ストレートまたはテーパ型ライトパイプである請求項52の光リサイクル装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2010−503004(P2010−503004A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515485(P2009−515485)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/013950
【国際公開番号】WO2007/146373
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(505315395)ウェイヴィーン・インコーポレイテッド (12)
【住所又は居所原語表記】29023 THE OLD ROAD,VALENCIA, CALIFORNIA 91355, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/013950
【国際公開番号】WO2007/146373
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(505315395)ウェイヴィーン・インコーポレイテッド (12)
【住所又は居所原語表記】29023 THE OLD ROAD,VALENCIA, CALIFORNIA 91355, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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