説明

光源点灯装置及びこの光源点灯装置を用いた映像表示装置

【課題】放電灯は、正常品であっても気温や電圧の変化により、始動用高電圧パルスを印加しても正常始動せず、始動動作を繰り返さねばならない場合がある。従来はあらかじめ定めた一定の回数の始動によっても点灯しない場合には、放電灯が不良であるとして交換してしまう。そのため、放電灯は正常なのに交換するなどの無駄が生じていた。
【解決手段】最近のK回の毎点灯操作ごとに、正常に点灯するまでの再始動動作回数を記憶する最近K回の点灯時の再始動動作回数記憶装置41を設ける。光源の総点灯累積時間を記憶する総点灯時間記憶装置42を設ける。最近K回の点灯時の再始動動作回数記憶装置41の記憶データと、総点灯時間記憶装置42の記憶データとに基づいて、点灯操作における再始動動作回数を演算する再始動動作演算手段31を設ける。これにより毎点灯操作ごとに適切な再始動動作回数を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、いわゆるプロジェクションテレビやプロジェクタなどの光源となる灯を点灯させる光源点灯装置と、この光源点灯装置を用いて映像を表示する映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像の表示装置のうち、一般にはプロジェクションテレビやプロジェクタと呼ばれる、映像を表示するための光源装置を有するものがある。この光源装置(以下、光源という)には、各種のものが用いられるが、最近では高圧放電灯たとえばメタルハライドランプなどが用いられる場合が多い。
【0003】
ところで、高圧放電灯の光源は、この光源が正常な品であっても、周囲温度変化や、印加電圧の降下、更には長期間の使用による性能の低下などの要因により、必ずしも1回の始動動作で確実に点灯するとは限らないという性質を持っている。そこで、例えば、特許文献1に開示されたものでは、光源のランプ電圧、電流、累積使用時間、前回の停止時の異常の有無、などを観測して記憶している。そして、いわゆるバージンランプの状態における上記データを記憶し、その後の点灯時の点灯開始後のランプ電圧、電流の変化の観察値を前記記憶値と比較して、ランプの異常の程度を判断し、異常であればユーザに知らせる仕組みが構成されている。これによって、ランプの寿命を早期に把握して、使用中のランプの破損などのトラブルを未然に防ごうとするものである。
【0004】
また、1回の始動動作で点灯しなかった場合は、予め設定された一定回数の始動動作を点灯するまで繰り返すように(この動作を再始動動作という)仕組まれているものもある。そしてこの再始動動作の所定回数の繰り返しによっても点灯しなかった場合には、ランプ不良として警報が表示され、ユーザはランプを交換しなければならない。しかしながら、再始動に要する回数は前記のような各種の条件の変化により、相当程度変動するので、あらかじめ定めた所定回数の再始動動作で確実に点灯させるには、再始動動作回数を相当程度の多回数に設定しておく必要があるが、この場合、寿命がつきた光源に繰り返し始動動作に伴う高電圧パルスを印加することが起こりえるため、それによってランプの破損などの危険を招きかねないという問題があった。
【特許文献1】特開平10-302976号公報(第1図、第2図、第7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の光源の点灯装置では、以上のように構成されているので、再始動動作を設定されていない光源点灯装置の場合、光源が故障ではなく正常動作している範囲でも不点灯が発生することがあるという課題があった。また、その結果、光源の寿命前に光源が交換されてしまうという課題があった。
また、再始動動作が多回数に設定されている場合には、寿命がつきた光源に繰り返し再始動点灯動作をさせることが起こりえるため、それによってランプの破損などの危険を招きかねないという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解消し、ランプの使用条件に応じた適切な再始動動作回数を、毎点灯操作ごとに自動的に設定することにより、ランプの使用開始から、寿命直前にいたるどの時点においても、常に最適の再始動動作回数を設定することが出来、その結果、光源が正常動作している範囲で不点灯が発生することがなく、光源の寿命前に光源が交換されてしまうという恐れもなく、寿命がつきた光源に繰り返し再始動点灯動作をさせることがなく、それによってランプの破損などの危険を招くことがない光源点灯装置を得ることを目的とする。
また、この光源点灯装置を用いた映像表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光源点灯装置は、点灯操作ごとに、パルス電圧が印加される始動動作により点灯を開始する放電灯、
前記パルス電圧の発生回路を有し、前記放電灯が前記始動動作にもかかわらず点灯を開始しないとき、前記始動動作を、最大M回、点灯するまで繰り返す再始動回路、
過去の所定回数(K回)の前記放電灯の前記点灯操作に際し、それぞれの点灯操作ごとに、前記放電灯が点灯するまでに前記再始動回路が要した前記始動動作の回数nを記憶する、最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置、
前記放電灯の過去の累積点灯時間を記憶する総点灯時間記憶装置、
点灯操作ごとに、前記最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置の記憶データと、前記総点灯時間記憶装置の記憶データとにもとづいて、前記再始動回路が繰り返すべき前記最大回数Mを演算する再始動動作回数演算手段を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光源点灯装置は、光源の点灯時の再始動動作回数を、記憶した光源の総点灯時間と最近の過去の再始動動作回数の記憶、さらに、季節(最近の温度傾向)などを加味して、動的に変更することが出来る。このため、常に最適な再始動動作回数を設定することが出来る。これにより、製品寿命による不点灯や、装置故障による不点灯以外の、光源には問題が無いと考えられる状態で発生した不点灯を極力回避でき、適切な時期に光源の交換を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
本発明の光源点灯装置は例えばメタルハライドランプなどの高圧放電灯を対象としたものである。この種の高圧放電灯は点灯の際には、電極に定常電圧を単純に印加するだけでは点灯しない。例えば点灯操作のまず最初には高電圧パルスを印加することで放電が始まる。安定して放電すると定常電圧に低下し点灯となる。以下の説明上、誤解を防ぐため、前記の単純な定常電圧印加を点灯とよび、前記の高電圧パルスの印加を始動動作、あるいは1回で点灯しないときは複数回繰り返されるため再始動動作と呼んで区別する。
理解を助けるため、本発明の光源点灯装置の動作の概要を述べる。本発明の光源点灯装置では、点灯開始操作の最初に、光源の過去の再始動動作回数記憶データと光源の総点灯時間記憶データとを読み込み、両者を合わせて計算することで、適切な再始動動作回数を毎点灯開始操作ごとに演算して設定する。
光源が正常に(再始動動作の有無に関係なく)点灯した後は、その時の再始動動作回数を記憶して、次回の光源の点灯開始時の再始動動作回数を演算するために用いる。また光源点灯中の延べ時間は光源の総点灯時間として積算し、光源の消灯時に光源の総点灯時間として記憶する。
【0010】
本発明の具体的な実施の形態を説明するために、例として光源がプロジェクタに用いられている場合を例として説明する。
図1は実施の形態1の光源点灯装置のブロック図であり、ランプ1は前述のとおり放電灯である。ランプ1を点灯させるためのエンジン2にはランプ1を始動し点灯させるための高電圧パルスを発生する回路機能を有し、指令された回数繰り返してパルス電圧を印加する再始動回路が備えられている。エンジン2を制御するためのマイコン3、マイコン3からの情報などを記憶するための不揮発性メモリ4を備えている。マイコン3はランプ1を点灯/消灯するようにエンジン2を制御するとともに、以下に述べる再始動動作回数の演算および設定を行って、再始動動作回数を制御する。マイコン3はエンジン2からランプ1が点灯したかどうかの情報を入手して、点灯時間とともに点灯に要した再始動動作回数などを不揮発性メモリ4に記憶する。
【0011】
マイコン3は他の装置との間で、一般的なデータの授受を行うため図示しない所定のプログラムを有するほか、以下に説明する再始動動作回数の演算機能31(再始動動作回数演算手段)を備えている。
不揮発性メモリ4には最近の過去K回の再始動動作回数の実績(n)を記憶する、最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置41と、現在使用している光源の総点灯時間を記憶する総点灯時間記憶装置42とが設けられている。
【0012】
次に、図1の光源点灯装置の動作について、特に再始動動作回数演算手段31の演算方法に重点を置いて説明する。
再始動動作回数の演算では、まず、光源の再始動動作回数の記憶データを、最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置41から読み出す。この記憶データは例えば図2に示すようなものである。図2のNo.1〜No.10は、最近の過去10回の点灯操作を示しており、前回(No.10)の点灯時は2回の再始動動作を要したことを示している。又、10回前(No.1)の点灯操作時には1回の再始動動作で点灯したことを示している。
当然であるが、光源を交換したときは図2のデータは全てリセットされて、データがない状態になる(数値としてはゼロとなる)。
図2のデータについて、次のように定義する。
RetryCounterMAX=最近の過去K回の再始動動作回数記憶データから抽出した、光源を1回点灯させるに要した最大の再始動動作回数。即ち、nの最大値である。また、Kは10として説明する。
さらに、以下に説明する演算方法では次のように定義する。
RETRYMIN = システムで決めている最小再始動動作回数。
RETRYMAX = システムで決めている最大再始動動作回数。
M=算出して設定する再始動動作回数。
【0013】
上記のように定義したときMは、
a) 光源交換直後でRetryCounterMAXのデータがまだないとき
M=RETRYMIN ・・・(1)
b) RetryCounterMAXの履歴データ(1回以上)があるとき
M=(RetryCounterMAX)+α・・・(2)
ここでαは、使用している光源の過去の総点灯時間データ(総点灯時間記憶装置42に記憶している)に、光源の種類やメーカなどに応じてあらかじめ定めた比例定数Aを乗じ(例えばA=0.001)、結果の少数以下を切り捨てて整数としたものである。(例えば0〜999時間は0、1000〜1999時間は1である。)
ただし α≦RETRYMIN ・・・・(3)とする。
また(2)式で、Mの値が RETRYMAX を超えておれば、M=RETRYMAXとする。
光源が交換された後の最初の点灯時には、光源の再始動動作回数記憶データ、及び光源の総点灯時間記憶データは0で初期化する。αは999時間までは0であるから、交換後に、最初に点灯を行うときの再始動動作回数は(1)式にもとづいてM=RETRYMIN となる。
【0014】
上記の演算を行って、ランプ1を点灯/消灯させる時の動作は、図3に示すフローで動作する。
光源装置の点灯開始操作を行った後、ステップS1で、最近の過去K回の点灯時の再始動動作回数記憶装置41と総点灯時間記憶装置42から再始動動作回数記憶データと総点灯時間記憶データとを読み出す。
ステップS2で(1)又は(2)式により、再始動動作回数を演算し、(3)の条件に適合するか否かを判定し必要な修正をおこなってMを決定する。
ステップS3でMを設定する。
ステップS4で光源装置の電源をオンし、所定時間(ステップS5)の待機の後、ステップS6で光源が点灯したか否かを判定する。
点灯すればステップS12でパワーオン(継続的に電力を供給)した後、ステップS11で点灯までに要した再始動動作回数を記憶する。
ステップS6で不点灯の場合には、ステップS7で、ステップS3で設定した再始動動作回数から1を減じた後、所定時間の待機(ステップS9)の後、ステップS4以下を点灯するまで繰り返す。
【0015】
なお、システムとして決定する最小再始動動作回数(RETRYMIN)、最大再始動動作回数(RETRYMAX)は、光源の製造メーカや、光源のランプの型式などに応じて、一例として
RETRYMIN = 3
RETRYMAX = 10 とする。
理解を助けるため、上記条件での式(2)の中のαをグラフ化して図4に示す。設定される再始動動作回数Mは図4のαに最近の過去10回の再始動動作回数の記憶データの最大値を加算したものである。
【0016】
図4のαは、新規の光源を使用し始めたとき(使用時間がゼロ)には、M=RETRYMINであるから、M=3である。
図4の説明として何点かの時間を取って説明すれば、例えば、数10回の点灯により、総点灯時間が2100時間になった時点で、図2の最近の過去10回のランプ再始動動作回数が記憶されていたとする。まず、光源が点灯するに要した再始動動作回数の過去10回の記憶を読み出し、その中で最大の回数を探す。その結果、図2からはRetryCounterMAX =3 が判明する。次にランプ総点灯時間を読み出し、それに比例定数を掛け合わせた整数部 2100×0.001=2.100の整数部をとって、α=2 が判明する。この時点での設定する再始動動作回数Mを(2)式から計算すると、
M=RetryCounterMAX+α=3+2=5となり、かつこの値は3(RETRYMiN)以上で、10(RETRYMAX)以下であるから、不点灯動作が続けば、最大5回の再始動動作が実行されることになる。そして5回の再始動動作の結果、何回目かで点灯すれば、図2のデータのNo.1を削除し、No.2からNo.10までのデータを順番に一つ小さいNo.に移していく。即ち、No.2→No.1,No.3→No.2,…No.n→No.(n−1),…No.10→No.9。 そして今回の点灯時における再始動動作回数をNo.10の再始動動作回数データとして記憶する。このようにして、常に最近の過去10回分のデータが最近K回の再始動動作回数記憶装置41に記憶される。なお、最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置41と総点灯時間記憶装置42はプロジェクタに実装された記憶装置、例えば機器の初期値などが保存されている不揮発性メモリでもよい。
【0017】
理解を助けるため、もう1例について説明する。最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置41に、図5に示す10回の再始動動作回数データが記憶され、総点灯時間記憶装置42には3300時間が記憶されていたとする。
図5から、最近10回の点灯について、それぞれの場合に要した再始動動作回数の過去の履歴を読み出し、その中で最大の回数を探す。その結果、RetryCounterMAX=9 が判明する。次に総点灯時間データを読み出し、それに比例定数を掛け合わせた整数部、即ち、
α=3300×0.001の整数部=3.300の整数部=3 が判明する。
これらの結果を基にして設定する再始動動作回数Mを計算すると、
式(2)からM=RetryCounterMAX+α=9+3=12となる。
これはRETRYMAX=10より大きく、システムで決めている最大再始動動作回数を超えるため、設定する再始動動作回数Mは 10回となる。以降は同様に再始動動作回数データが更新される。
【0018】
この後、ランプが交換されたとすると、最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置41と総点灯時間記憶装置42とが0に初期化されるため、RetryCounterMAXは 3−0=3が設定されて、次回の点灯操作時には最大3回が設定される。
【0019】
光源を消灯するときには図6のフローに従って消灯するが、その際、総点灯時間データを更新し記憶する。
本実施の形態では、再始動動作回数を一定の値とせず、最近の過去10回の点灯操作における再始動動作回数の記憶データと、光源の総点灯時間記憶データとにもとづいて動的に決定しているので、常に最適な再始動動作回数の設定を行うことができる。
【0020】
実施の形態2.
実施の形態1では、再始動動作回数Mを、最近の過去10回の点灯操作における再始動動作回数の記憶データと、光源の総点灯時間記憶データとにもとづいて動的に決定している。ところで、ユーザによってはプロジェクターを毎日のように使用する例もあれば、まれにしか、例えば月に1〜2回しか使用しない例もある。毎日のように使用する場合には過去10回の再始動動作回数の記憶データをもとに求められる再始動動作回数Mは適切なものとなるが、まれにしか使わない場合には過去10回の記憶が得られた季節と、現在の季節との間に気温の変化が大きいかも知れず、特に光源の点灯動作に影響の大きい温度に関しては正確に反映され難いという課題がある。
【0021】
そこで、光源の周囲の温度を計測する温度センサを備えておき、図2や図5の最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置41に記憶する際に、図示しない環境温度センサから得たデータを付加して、図7に示すようなデータとして記憶する。そして、再始動動作回数Mを求めるため、最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置41からRetryCounterMAXデータを抽出する際、現在の温度に近い(例えば±10度以内)環境で得られたRetryCounterMAXデータの中から抽出する。この抽出はマイコン3内に構成されたプログラム「類似温度データ抽出手段」によって実行する。
【0022】
本実施の形態では有効な最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置41の記憶データ数が減る可能性があるので、上記K回の数値としては、実施の形態1で説明した10回に限らず5回以上20回でもよい。
【0023】
実施の形態3.
実施の形態1、実施の形態2で説明した光源点灯装置を映像表示装置に組み込むことで、季節や、光源寿命に悪影響を受けない適切な再始動動作回数が設定されることにより、無駄なランプ交換が生じない映像表示装置を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1の光源点灯装置のブロック図である。
【図2】図1のブロック図中の最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置が記憶しているデータの例である。
【図3】図1の光源点灯装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】再始動動作回数の演算におけるαの総点灯時間に対する変化を説明するグラフである。
【図5】最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置が記憶しているデータの他の例である。
【図6】消灯時のフローを説明するフローチャートである。
【図7】実施の形態2の最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置が記憶しているデータの例である。
【符号の説明】
【0025】
1 ランプ、 2 エンジン、 3 マイコン、
4 不揮発性メモリ、 31 再始動動作回数演算手段、
41 最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置、
42 総点灯時間記憶装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯操作ごとに、パルス電圧が印加される始動動作により点灯を開始する放電灯、
前記パルス電圧の発生回路を有し、前記放電灯が前記始動動作にもかかわらず点灯を開始しないとき、前記始動動作を、最大M回、点灯するまで繰り返す再始動回路、
過去の所定回数(K回)の前記放電灯の前記点灯操作に際し、それぞれの点灯操作ごとに、前記放電灯が点灯するまでに前記再始動回路が要した前記始動動作の回数nを記憶する、最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置、
前記放電灯の過去の累積点灯時間を記憶する総点灯時間記憶装置、
点灯操作ごとに、前記最近の過去K回の点灯操作のそれぞれの再始動動作回数記憶装置の記憶データと、前記総点灯時間記憶装置の記憶データとにもとづいて、前記再始動回路が繰り返すべき前記最大回数Mを演算する再始動動作回数演算手段を備えたことを特徴とする光源点灯装置。
【請求項2】
点灯操作ごとに、パルス電圧が印加される始動動作により点灯を開始する放電灯、
前記放電灯の周囲温度を測定する温度センサ、
前記パルス電圧の発生回路を有し、前記放電灯が前記始動動作にもかかわらず点灯を開始しないとき、前記始動動作を最大M回、点灯するまで繰り返す再始動回路、
過去の所定回数(K回)の前記放電灯の前記点灯操作に際し、そのときの前記温度センサが測定した環境温度と、前記放電灯が点灯するまでに前記再始動回路が要した前記始動動作の回数nとを、それぞれの点灯操作ごとに記憶する最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置、
前記放電灯の過去の累積点灯時間を記憶する総点灯時間記憶装置、
前記温度センサが測定した現在の温度にもとづいて、前記最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置の記憶データの中からあらかじめ定めた所定の温度範囲のデータを抽出し、この抽出データと前記総点灯時間記憶装置の記憶データとにもとづいて、前記再点灯始動回路が繰り返すべき前記最大回数Mを演算する再始動動作回数演算手段とを備えたことを特徴とする光源点灯装置。
【請求項3】
前記放電灯が新しいものと交換されたとき、前記最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置の記憶データと、前記総点灯時間記憶装置の記憶データはともに0に初期化されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光源点灯装置。
【請求項4】
前記放電灯が交換され、前記最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置の記憶データと、前記総点灯時間記憶装置の記憶データがともに0に初期化された後の、最初の点灯時には前記Mはあらかじめ定めた所定の回数に設定されることを特徴とする請求項3に記載の光源点灯装置。
【請求項5】
前記最近の過去K回の再始動動作回数記憶装置が記憶する前記過去の所定回数は5回以上20回であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光源点灯装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の光源点灯装置を備えた映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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