光源装置および照明装置
【課題】 複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止する。
【解決手段】 蛍光回転体1は、円錐形状の反射型のものであって、基板上に、紫外光を照射すると赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発光する蛍光体層2a,2b,2cが3等分された領域として配置されており、3つの固体光源5a,5b,5cは、これらから出射された紫外光が、同時に、3つの全ての蛍光体層2a,2b,2cを照射するように配置されている。
【解決手段】 蛍光回転体1は、円錐形状の反射型のものであって、基板上に、紫外光を照射すると赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発光する蛍光体層2a,2b,2cが3等分された領域として配置されており、3つの固体光源5a,5b,5cは、これらから出射された紫外光が、同時に、3つの全ての蛍光体層2a,2b,2cを照射するように配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED等の固体光源を用いた照明装置が用いられており、その1つとして、青色光を出射する固体光源と蛍光体とを組み合わせて(固体光源からの青色光を蛍光体に照射して)、白色光を実現した照明光源が開発されている(特許文献1)。しかし、蛍光体の熱劣化が問題となる大光量光源においては、冷却について考慮する必要がある。
【0003】
これに対し、主にプロジェクターの光源として、例えば特許文献2に示すような蛍光体を所定の領域に配置した円盤状回転体(以下、蛍光回転体と称す)を利用した光源装置が開発されている。図1には、この種の蛍光回転体91が示されている。図1を参照すると、蛍光回転体91は、透明な基板(例えば石英ガラス基板)上に紫外光を照射すると赤色または緑色または青色の蛍光を発光するそれぞれの蛍光体層92a,92b,92cが3つの分割された領域として配置されており、蛍光回転体91の回転軸(回転中心)を通って半径方向に延びる直線93a,93b,93cにより3色の蛍光体層92a,92b,92cの面積がほぼ等しくなるように分割配置されている。
【0004】
図2は図1の蛍光回転体91を用いた光源装置を示す図である。図2を参照すると、この光源装置は、図1の蛍光回転体91をモーター94で回転させ、固体光源(例えばレーザーダイオード光源)95の前に配置することにより、光源95の光軸上で励起された各蛍光体層92a,92b,92cが各々の色で順次発光することになる。すなわち、赤緑青の光が順次発光することになるが、発光周期が早くなると、つまり蛍光回転体の回転数を上げると(例えば3600rpmにすると)、それぞれの発光色を認識できなくなり白色光として視認できるようになる。
【0005】
特許文献2の光源装置では、蛍光回転体を用いていることで(蛍光回転体が回転することで)、蛍光体の熱劣化が問題となる大光量光源においても、冷却効果に優れた光源装置を提供できる。さらに、蛍光回転体を用いたこの種の光源装置において、大光量の光源を実現するために、複数の光源を用いることが考えられる。
【0006】
複数の光源を用いる場合に、具体的には、複数の光源の光軸を揃えて蛍光回転体の1点を照射する仕方や、特許文献3に示されているように2つの光源で蛍光回転体の2つの場所を照射する仕方が考えられる。
【0007】
図3は特許文献3に開示された仕方を説明するための図である。図3を参照すると、特許文献3に開示の光源装置は、蛍光回転体として、赤緑青の一組の蛍光体層102a,102b,102cを光源の数(2つ)だけ繰り返し配置した蛍光回転体101を用い、蛍光回転体101の直径上の回転軸X(回転中心)を挟んで両サイドに光源103a,103bをそれぞれ配置したものとなっている。
【0008】
大光量を得るために複数の光源の光軸を揃えて蛍光回転体の1点を照射する場合には、冷却効果に優れた蛍光回転体とはいえ、限界があることは否めない。これに対し、図3の光源装置では、2つの光源103a,103bで蛍光回転体101の異なる場所(2つの場所)を照射するので、冷却効果にとっては有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−148512号公報
【特許文献2】特開2004−341105号公報
【特許文献3】特開2004−317528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図3の構成では、2つ(複数)の光源103a,103bを用いているものの、2つの光源103a,103bからの光が、同時に、同じ色の蛍光を発光する蛍光体層しか照射しないので、蛍光回転体の回転に伴って、発光色が時間的に変化し、いわゆるカラーブレイク現象が生じてしまう。
【0011】
カラーブレイク現象は本来白色として観察されるはずの赤緑青の順次発光の個々の色が瞬間的に視認されてしまう現象をいう。例えば図3に示す蛍光回転体101を回転数1800rpmで駆動すれば、赤緑青の順次発光を一周期とした場合に60Hzでこの順次発光を繰り返すことになり、明るい室内で普通に観察する限りはカラーブレイク現象は生じることはないが、暗い部屋で観察する場合や光源もしくは照明場所から急に目をそむけた時などにカラーブレイク現象が生じてしまう。
【0012】
蛍光回転体の回転速度を早くして順次発光の繰返し周期を短くすれば、ある程度はカラーブレイク現象が起き難くなるが、回転数上昇によるモーター音の増大など別の要因で人を不愉快にさせてしまう。
【0013】
本発明は、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することの可能な光源装置および照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、紫外光を発光する複数の固体光源と、紫外光を照射すると、互いに異なった色の蛍光を発光する複数の蛍光体領域を有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の蛍光体領域を照射することを特徴とする光源装置である。
【0015】
また、請求項2記載の発明は、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の全ての蛍光体領域を照射することを特徴とする請求項1に記載の光源装置である。
【0016】
また、請求項3記載の発明は、可視光を発光する複数の固体光源と、該固体光源により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1つの蛍光体領域と、蛍光体が配置されていない非蛍光体領域とを、互いに分割された領域として有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの光が前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域のうちの2つ以上の領域を同時に照射することを特徴とする光源装置である。
【0017】
また、請求項4記載の発明は、前記複数の固体光源からの可視光が、前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域の全ての領域を同時に照射することを特徴とする請求項3に記載の光源装置である。
【0018】
また、請求項5記載の発明は、前記反射型蛍光回転体は、蛍光体を配置する基板が反射面を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光源装置である。
【0019】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光源装置が用いられていることを特徴とする照明装置である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1、請求項2、請求項5、請求項6記載の発明によれば、紫外光を発光する複数の固体光源と、紫外光を照射すると、互いに異なった色の蛍光を発光する複数の蛍光体領域を有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の蛍光体領域を照射するので、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することの可能な光源装置および照明装置を提供することができる。
【0021】
さらに、請求項1、請求項2、請求項5、請求項6記載の発明によれば、円錐形状の反射型蛍光回転体を使用しているので、例えば円錐の頂角を90度(回転軸に対する傾き角は45度)とし、固体光源の光軸と回転軸とのなす角度を90度とする等、所定の関係にすれば、反射型蛍光回転体の回転軸方向に主照射方向を有する(主照射方向A2を回転軸X方向に一致させる)光源装置および照明装置を実現することができる。
【0022】
また、請求項3乃至請求項6記載の発明によれば、可視光を発光する複数の固体光源と、該固体光源により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1つの蛍光体領域と、蛍光体が配置されていない非蛍光体領域とを、互いに分割された領域として有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの光が前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域のうちの2つ以上の領域を同時に照射するので、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することの可能な光源装置および照明装置を提供することができる。
【0023】
さらに、請求項3乃至請求項6記載の発明によれば、円錐形状の反射型蛍光回転体を使用しているので、例えば円錐の頂角を90度(回転軸に対する傾き角は45度)とし、固体光源の光軸と回転軸とのなす角度を90度とする等、所定の関係にすれば、反射型蛍光回転体の回転軸方向に主照射方向を有する(主照射方向A2を回転軸X方向に一致させる)光源装置および照明装置を実現することができる。
【0024】
また、請求項5、請求項6記載の発明では、前記反射型蛍光回転体は、蛍光体を配置する基板が反射面を有していることにより、効率の高い光源装置および照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来の蛍光回転体を示す図である。
【図2】図1の蛍光回転体を用いた光源装置を示す図である。
【図3】特許文献3に開示された仕方を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の光源装置の一構成例を示す図である。
【図5】図4の光源装置に用いられる蛍光回転体の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の光源装置の一構成例を示す図である。
【図9】図8の光源装置に用いられる蛍光回転体の一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図13】図12の光源装置に用いられる蛍光回転体の一例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図15】図12の光源装置に用いられる蛍光回転体の一例を示す図である。
【図16】第1、第2の実施態様で示した光源装置を用いた照明装置の一構成例を示す図である。
【図17】第1、第2の実施態様で示した光源装置を用いた照明装置の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
本発明の第1の実施形態は、紫外光を発光する複数の固体光源と、紫外光を照射すると、互いに異なった色の蛍光を発光する複数の蛍光体領域を有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の蛍光体領域を照射することを特徴としている。
【0028】
より好適には、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の全ての蛍光体領域を照射することを特徴としている。
【0029】
なお、上記蛍光体領域とは、蛍光体層を有する領域であって、後述のように、蛍光体層に対応させて、調整層などが設けられる場合には、蛍光体層とともに、これらをも含めたものを指すものとする。以下では、便宜上、蛍光体層とこれに対応する蛍光体領域には、同じ符号を付している。
【0030】
図4は、本発明の第1の実施形態の光源装置の一構成例を示す図(概略正面図)である。図4を参照すると、この光源装置10は、紫外光を出射する3つの固体光源5a,5b,5cと、回転軸Xの周りに回転可能な(モーター4によって回転する)円錐形状の蛍光回転体1とを備えている。図5は、図4の光源装置10に用いられる蛍光回転体1の一例を示す図(平面図)である(なお、図5には、固体光源5a,5b,5cの位置も図示されている)。図5の例では、蛍光回転体1は、基板上に、紫外光を照射すると赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発光する蛍光体層2a,2b,2cが3つの分割された領域(3等分された領域)として配置されている。そして、図5に示されているように、図4の光源装置10では、3つの固体光源5a,5b,5cは、3つの固体光源5a,5b,5cから矢印A1の方向に出射された紫外光が、同時に、3つの全ての蛍光体層2a,2b,2cを照射するように配置されている。
【0031】
また、図4の光源装置10では、円錐形状の蛍光回転体1が反射型のものとして構成され、固体光源5a,5b,5cから矢印A1の方向に出射された紫外光(励起光)によって励起された各蛍光体層2a,2b,2cからの発光のうち、円錐形状の蛍光回転体1で反射されて矢印A2の方向に出射する光を照明光として利用できるようになっている。以下、この形式の蛍光回転体を、反射型蛍光回転体という。ここで、蛍光体層2a,2b,2cからの出射光を考えると、入射励起光に対して反射する光とともに、蛍光体層2a,2b,2cで多重反射され蛍光回転体1を透過する発光や、蛍光体層2a,2b,2cを励起せず励起光のまま蛍光回転体1を透過する光も存在している。もし、蛍光回転体1の蛍光体層2a,2b,2cを配置する基板が透明であるとすると、これらの光は蛍光回転体1の裏側に抜ける透過光となり、照明光として利用できない光となってしまう。
【0032】
反射型蛍光回転体1を用いる場合に、蛍光体層2a,2b,2cからの上記透過光を照明光として利用するため、蛍光回転体1の蛍光体層2a,2b,2cを配置する基板自体を金属製とすることができる。あるいは、蛍光回転体1の蛍光体層2a,2b,2cを配置する基板上に反射面を設けることができる。具体的には、透明な基板上に金属膜を配置することができる。これにより、効率の高い光源装置を実現できる。
【0033】
なお、蛍光体領域の蛍光体層での励起光から蛍光への変換効率は、蛍光体層を形成する蛍光体材料により異なるが、50%から99%程度である。従って、本発明では、この変換効率を考慮に入れた蛍光回転体1を設計する必要がある。具体的には、変換効率が高い蛍光体層が配置された蛍光体領域の透過率もしくは反射率を調整する設計手法が考えられる。蛍光体領域2a,2b,2cの透過率もしくは反射率を調整する方法としては、蛍光体層2a,2b,2cに重ねて所定の透過率を有する調整層をさらに設ける方法などが考えられる。ここで、調整層としては、それぞれの蛍光体の蛍光波長付近に吸収波長を有する顔料を薄膜として配置するなどの方法が利用できる。
【0034】
図4、図5の構成では、モーター4によって蛍光回転体1を回転させることで、赤緑青の3色の混色により白色光を得るとき、紫外光を出射する3つの固体光源5a,5b,5cが、同時に、それぞれ異なる蛍光体層2a,2b,2cを照射するように配置されているので、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することができる。
【0035】
例えば図5に示した赤緑青の3つの蛍光体領域を有する蛍光回転体を3つの固体光源で照射する場合、ある1つの光源だけに注目した場合は、時間順次で赤緑青の発光を繰り返しカラーブレイクを生じることになるが、別の光源では同時に必ず別の色を励起するようにすれば、複数の光源によって励起された異なった発光色の混色を観察することになり、カラーブレイクは生じ難い。特に図5に示した光源位置のように、3等分された蛍光回転体を同じく3等分された同じ個数の光源で励起する場合は、ある瞬間では必ず赤緑青の3色の蛍光色が発光していることになり、常にこの関係が保持されることになるので、全くカラーブレイクを感じさせない光源装置を実現できる。
【0036】
さらに、図4、図5の構成では、円錐形状の反射型蛍光回転体を使用しているので、例えば円錐の頂角を90度(回転軸Xに対する傾き角は45度)とし、固体光源の光軸と回転軸Xとのなす角度を90度とする等、所定の関係にすれば、反射型蛍光回転体の回転軸X方向に主照射方向を有する(主照射方向A2を回転軸X方向に一致させる)光源装置を実現することができる。これにより、余計な光学系を設ける必要なく、複数(いまの場合、3つ)の光(白色光)の出射方向を統一できる。
【0037】
以下、本発明の第1の実施形態の光源装置10をより詳細に説明する。
【0038】
本発明の第1の実施形態の光源装置10において、固体光源5a,5b,5cとしては、いずれも同じ構成のものを用いることができる。すなわち、固体光源5a,5b,5cには、例えば、InGaN系の材料を用いた発光波長が約380nmの近紫外光を発光する発光ダイオードを用いることができる。なお、固体光源5a,5b,5cとしては、発光ダイオードに限らず、紫外光を放出する光源であれば良く、半導体レーザー等を用いることもできる。
【0039】
また、蛍光回転体1には、赤、緑、青の発光色に対応する蛍光体層2a,2b,2cが、図5に示すように、各色が同じ形(面積)となるように(各色が3等分されるように)塗り分けられたものを使用できる。なお、変換効率が各色の蛍光体間で異なる場合は、前述した設計手法に従い蛍光回転体を作製することになる。塗り分けは、円錐形状のままで電着法を利用したり、円錐を展開した平板にそれぞれの蛍光体層パターンに対応する開口部(メタルメッシュ開口)を有するスクリーンを用いて印刷した後に組み立てて円錐形状にする方法などが利用できる。反射型蛍光回転体の基板としてはアルミなどの金属基板が使用可能であり、電着や印刷後の組み立て時にも有利である。基板に石英ガラス基板のような透明体を使用することも可能であるが、その場合は反射面としてアルミなどの金属膜を蒸着などの方法で形成する必要がある。アルミなどの金属基板を使用する場合は反射面は不要である。
【0040】
ここで、各色が同じ形(面積)になる(各色が3等分されている)上記蛍光回転体1に対して固体光源5a,5b,5cも円錐形状の反射型蛍光回転体1の回転軸Xを中心とする所定の円弧上で同じピッチ(等間隔)に配置されている。このような配置を採用することにより、常に円錐形状の反射型蛍光回転体1の全ての色が同時に発光している状態を作り出すことができる。
【0041】
また、蛍光体層2a,2b,2cには、波長が約380nmないし約400nmの紫外光により励起されるものとして、例えば、赤色蛍光体層2aには、CaAlSiN3:Eu2+、Ca2Si5N8:Eu2+、La2O2S:Eu3+、KSiF6:Mn4+、 KTiF6:Mn4+等を用いることができ、緑色蛍光体層2bには、(Si,Al)6(O,N):Eu2+、BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+、(Ba,Sr)2SiO4:Eu2+等を用いることができ、青色蛍光体層2cには、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+、BaMgAl10O17:Eu2+、LaAl(Si,Al)6(N,O)10:Ce3+等を用いることができる。
【0042】
なお、上述した例では、3つの固体光源5a,5b,5cが、同時に、3つの蛍光体層(すなわち、全ての蛍光体層)2a,2b,2cを照射するようにしており、これにより、より完全にカラーブレイク現象を防止できるが、本発明は、この構成に限定されず、種々の変形が可能である。例えば図6に示すように、蛍光回転体1上の3つの蛍光体層2a,2b,2cに対し、固体光源の個数が2であり、2つの固体光源5a,5bが、同時に、3つの蛍光体層2a,2b,2cのうちの2つの蛍光体層を照射するような場合も、本発明の範囲に含まれる。なお、この場合は、図5に示す場合に比べれば劣るが、カラーブレイク現象を防止できる。また、上述の例では、蛍光回転体には、赤緑青の3つの蛍光体領域2a,2b,2cが設けられている場合を示したが、例えば図3に示したように赤緑青の蛍光体領域がそれぞれ2つずつ赤緑青の順に繰り返し設けられている場合(6つの蛍光体領域が設けられている場合)において、固体光源5a,5b,5cを図7(a)や図7(b)のように配置する場合なども、本発明の範囲に含まれる。
【0043】
本発明の第2の実施形態の光源装置は、可視光を発光する複数の固体光源と、該固体光源により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1つの蛍光体領域と、蛍光体が配置されていない非蛍光体領域とを、互いに分割された領域として有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの光が前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域のうちの2つ以上の領域を同時に照射することを特徴としている。
【0044】
より好適には、前記複数の固体光源からの可視光が、前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域の全ての領域を同時に照射することを特徴としている。
【0045】
なお、上記蛍光体領域とは、蛍光体層を有する領域であって、後述のように、蛍光体層に対応させて、調整層などが設けられる場合には、蛍光体層とともに、これらをも含めたものを指すものとする。以下では、便宜上、蛍光体層とこれに対応する蛍光体領域には、同じ符号を付している。また、非蛍光体領域とは、蛍光体層を有しない領域を指すものとする。
【0046】
図8は、本発明の第2の実施形態の光源装置の一構成例を示す図(概略正面図)である。なお、図8において、図4と同様の箇所には同じ符号を付している。図8を参照すると、この光源装置40は、可視光(例えば、青色光)を出射する3つの固体光源45a,45b,45cと、回転軸Xの周りに回転可能な(モーター4によって回転する)円錐形状の蛍光回転体41とを備えている。図9は、図8の光源装置40に用いられる蛍光回転体41の一例を示す図(平面図)である(なお、図9には、固体光源45a,45b,45cの位置も図示されている)。図8の例では、蛍光回転体41は、基板上に、可視光(例えば、青色光)を照射すると赤色、緑色の蛍光をそれぞれ発光する蛍光体層42a,42bが2つの分割された蛍光体領域として配置され、蛍光体層が設けられていない領域42cが非蛍光体領域として配置されている。ここで、領域42a,42b,42cは、3等分された領域として構成されている。そして、図9に示されているように、図8の光源装置40では、3つの固体光源45a,45b,45cは、3つの固体光源45a,45b,45cから矢印A1の方向に出射された可視光(例えば、青色光)が、同時に、3つの全ての領域42a,42b,42cを照射するように配置されている。
【0047】
図8の光源装置40では、円錐形状の蛍光回転体41が反射型のものとして構成され、固体光源45a,45b,45cから矢印A1の方向に出射された可視光(例えば青色光)によって励起された各蛍光体領域(各蛍光体層)42a,42bからの発光のうち、円錐形状の蛍光回転体41で反射されて矢印A2の方向に出射する光(赤色光、緑色光)、および、非蛍光体領域42cで矢印A2の方向に反射される光(青色光)を照明光として利用できるようになっている。以下、この形式の蛍光回転体を、反射型蛍光回転体と称す。ここで、蛍光体層42a,42bからの出射光を考えると、入射励起光に対して反射する光とともに蛍光体層42a,42bで多重反射され蛍光回転体41を透過する発光や、蛍光体層42a,42bを励起せず励起光のまま蛍光回転体41を透過する光も存在している。もし、蛍光回転体41の蛍光体層42a,42bを配置する基板が透明であるとすると、これらの光は蛍光回転体41の裏側に抜ける透過光となり、照明光として利用できない光となってしまう。
【0048】
反射型蛍光回転体41を用いる場合に、蛍光体層42a,42bからの上記透過光を照明光として利用するため、蛍光回転体41の蛍光体層42a,42bを配置する基板自体を金属製とすることができる。あるいは、蛍光回転体41の蛍光体層42a,42bを配置する基板上に反射面を設けることができる。具体的には、透明な基板上に金属膜を配置することができる。これにより、効率の高い光源装置を実現できる。
【0049】
なお、蛍光体領域の蛍光体層での励起光から蛍光への変換効率は、蛍光体層を形成する蛍光体材料により異なるが、50%から99%程度である。従って、本発明では、この変換効率を考慮に入れた蛍光回転体41を設計する必要がある。具体的には、非蛍光体領域42c(変換効率が100%)や変換効率が高い蛍光体層が配置された蛍光体領域の透過率もしくは反射率を調整したり、あるいは、非蛍光体領域42cに散乱性を持たせて透過率もしくは反射率を調整する設計手法が考えられる。透過率もしくは反射率を調整する方法としては、非蛍光体領域42cでは、非蛍光体領域42c上に所定の透過率を有する調整層を設け、また、蛍光体領域42a,42bでは、蛍光体層42a,42bに重ねて所定の透過率を有する調整層をさらに設ける方法などが考えられる。ここで、非蛍光体領域42c上に設けられる調整層としては、青色光を一部吸収する顔料を薄膜として配置するなどの方法が利用できる。また、蛍光体層42a,42bに重ねて設けられる調整層としては、それぞれの蛍光体の蛍光波長付近に吸収波長を有する顔料を薄膜として配置するなどの方法が利用できる。また、非蛍光体領域42cに散乱性を持たせるためには、蛍光回転体41の基板表面に微細な凹凸を付けたり、散乱材を混入した散乱層を蛍光回転体41の基板上に配置する方法などが考えられる。
【0050】
図8、図9の構成では、可視光(例えば青色光)を発光する固体光源45a,45b,45cの色(いまの例では、青色)と、固体光源45a,45b,45cにより励起され固体光源45a,45b,45cの発光波長よりも長波長の蛍光色(赤色と緑色)との混色により、白色光を得るとき、青色光を出射する3つの固体光源45a,45b,45cが、同時に、それぞれ異なる領域42a,42b,42cを照射するように配置されているので、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することができる。
【0051】
さらに、図8、図9の構成では、円錐形状の反射型蛍光回転体を使用しているので、例えば円錐の頂角を90度(回転軸Xに対する傾き角は45度)とし、固体光源の光軸と回転軸Xとのなす角度を90度とする等、所定の関係にすれば、反射型蛍光回転体の回転軸X方向に主照射方向を有する(主照射方向A2を回転軸X方向に一致させる)光源装置を実現することができる。これにより、余計な光学系を設ける必要なく、複数(いまの場合、3つ)の光(白色光)の出射方向を統一できる。
【0052】
以下、本発明の第2の実施形態の光源装置40をより詳細に説明する。
【0053】
本発明の第2の実施形態の光源装置40において、固体光源45a,45b,45cとしては、いずれも同じ構成のものを用いることができる。すなわち、固体光源45a,45b,45cには、例えば、GaN系の材料を用いた発光波長が約460nmの青色光を発光する発光ダイオードを用いることができる。なお、固体光源45a,45b,45cとしては、発光ダイオードに限らず、青色光を放出する光源であれば良く、半導体レーザー等を用いることもできる。
【0054】
また、蛍光回転体41には、図9に示すように、青色の励起光により赤色および緑色に発光する2つの蛍光体領域(蛍光体層42a,42b)と非蛍光体領域42cとが、各領域42a,42b,42cが同じ形(面積)となるように(各領域42a,42b,42cが3等分されるように)配置されたものを使用できる。なお、変換効率が各色の蛍光体間で異なる場合は、前述した設計手法に従い蛍光体領域を設計することになる。また、非蛍光体領域には、前述した調整層が、青色光を一部吸収して青色光の透過率を調整する顔料により設けられている。非蛍光体領域に配置される調整層や蛍光体領域の塗り分けは、円錐形状のままで電着法を利用したり、円錐を展開した平板にそれぞれの蛍光体層パターンに対応する開口部(メタルメッシュ開口)を有するスクリーンを用いて印刷した後に組み立てて円錐形状にする方法などが利用できる。反射型蛍光回転体の基板としてはアルミなどの金属基板が使用可能であり、電着や印刷後の組み立て時にも有利である。なお、基板には石英ガラス基板のような透明体を使用することも可能であるが、その場合は反射面としてアルミなどの金属膜を蒸着などの方法で形成する必要がある。基板にアルミなどの金属基板を使用する場合は反射面は不要である。
【0055】
ここで、各領域42a,42b,42cが同じ形(面積)になる(各領域42a,42b,42cが3等分されている)上記蛍光回転体41に対して、固体光源45a,45b,45cも円錐形状の反射型蛍光回転体41の回転軸Xを中心とする所定の円弧上で同じピッチ(等間隔)に配置されている。このような配置を採用することにより、常に円錐形状の反射型蛍光回転体41の全ての領域42a,42b,42cが同時に発光している状態を作り出すことができる。
【0056】
なお、本発明の第2の実施形態の上述した例では、3つの固体光源45a,45b,45cが、同時に、3つの領域(すなわち、全ての領域)42a,42b,42cを照射するようにしており、これにより、より完全にカラーブレイク現象を防止できるが、本発明は、この構成に限定されず、種々の変形が可能である。例えば図10に示すように、蛍光回転体上の3つの領域42a,42b,42cに対し、固体光源の個数が2であり、2つの固体光源45a,45bが、同時に、3つの領域42a,42b,42cのうちの2つの領域を照射するような場合も、本発明の範囲に含まれる。なお、この場合は、図9に示す場合に比べれば劣るものの、カラーブレイク現象を防止できる。また、上述の例では、蛍光回転体には、3つの領域42a,42b,42cが設けられている場合を示したが、3つの領域42a,42b,42cがそれぞれ2つずつ順に繰り返し設けられている場合(6つの蛍光体領域が設けられている場合)において、固体光源45a,45b,45cを図11(a)や図11(b)のように配置する場合なども、本発明の範囲に含まれる。
【0057】
また、上述の例では、蛍光回転体として、図9や図11に示すものを用いたが、第2の実施形態における円錐形状の反射型蛍光回転体としては、例えば1つの蛍光体領域と1つの非蛍光体領域との2つの領域で形成された反射型蛍光回転体を用い、固体光源として可視光(例えば、青色光)を出射する2つの固体光源を用いる構成も可能である。図12は、このような光源装置の構成例を示す図である。図12を参照すると、この光源装置88は、可視光(例えば、青色光)を出射する2つの固体光源45a,45bと、回転軸Xの周りに回転可能な(モーター4によって回転する)蛍光回転体72とを備えている。図13は、図12の光源装置88に用いられる円錐形状の反射型蛍光回転体72の一例を示す図(平面図)である(なお、図13には、固体光源45a,45bの位置も図示されている)。図13の例では、蛍光回転体72は、基板上に、可視光(例えば、青色光)を照射すると黄色の蛍光をそれぞれ発光する蛍光体層74が1つの蛍光体領域として配置され、蛍光体層が設けられていない領域75が1つの非蛍光体領域として配置されている(すなわち、青色の励起光により黄色に発光する蛍光体層を有する黄色蛍光体領域74と非蛍光体領域75とが配置されている)。ここで、各領域74、75は、同じ形(面積)の領域(2等分された領域)として構成されている。そして、図13に示されているように、図12の光源装置88では、2つの固体光源45a,45bは、2つの固体光源45a,45bからの可視光(例えば、青色光)が、同時に、2つの領域74、75を照射するように配置されている。すなわち、各領域74、75が同じ形になっている上記蛍光回転体72に対して、固体光源45a,45bも円錐形状の反射型蛍光回転体72の回転軸Xを中心とする所定の円弧上で同じピッチ(等間隔)に配置されている。このような配置を採用することにより、常に蛍光回転体72の全ての領域74、75が同時に発光している状態を作り出すことができる。また、このような構成において、各領域74、75における変換効率が同じになるように設定される必要があり、このため、例えば非蛍光体領域75には、前述した調整層が、青色光を一部吸収する顔料により設けられている。
【0058】
図12、図13の構成では、可視光(例えば青色光)を発光する固体光源45a,45bの色(いまの例では、青色)と、固体光源45a,45bにより励起され固体光源45a,45bの発光波長よりも長波長の蛍光色(黄色)との混色により、白色光を得るとき、青色光を出射する2つの固体光源45a,45bが、同時に、それぞれ異なる領域74、75を照射するように配置されているので、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することができる。
【0059】
より詳細に、図12、図13の光源装置88において、固体光源45a,45bには、例えば、GaN系の材料を用いた発光波長が約460nmの青色光を発光する発光ダイオードを用いることができる。なお、固体光源45a,45bとしては、発光ダイオードに限らず、青色光を放出する光源であれば良く、半導体レーザー等を用いることもできる。
【0060】
また、黄色蛍光体層74としては、波長が約440nmないし約470nmの青色光により励起されるものとして、例えば、Y3Al5O12:Ce3+ (YAG)、(Sr,Ba)2SiO4:Eu2+、Cax(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+等の黄色蛍光体を用いることができる。
【0061】
また、円錐形状の反射型蛍光回転体72において、非蛍光体領域に配置される調整層や蛍光体領域の形成には、円錐形状のままで電着法を利用したり、円錐を展開した平板にそれぞれの蛍光体層パターンに対応する開口部(メタルメッシュ開口)を有するスクリーンを用いて印刷した後に組み立てて円錐形状にする方法などが利用できる。反射型蛍光回転体の基板としては、アルミなどの金属基板が使用可能であり、電着や印刷後の組み立て時にも有利である。なお、反射型蛍光回転体の基板に石英ガラス基板のような透明体を使用することも可能であるが、その場合は、基板の反射面としてアルミなどの金属膜を蒸着などの方法で形成する必要がある。反射型蛍光回転体の基板にアルミなどの金属基板を使用する場合は反射面は不要である。
【0062】
また、上述した本発明の第1、第2の実施形態の各例では、1つの領域に対する光源の個数を1としたが、1つの領域について複数の光源を用いることも可能である。図14、図15は、図12、図13の構成例において、各領域に2つの光源を用いる場合を示す図である。すなわち、図14、図15の例では、1つの蛍光体領域74および非蛍光体領域75のそれぞれに2つの光源45a,46a、45b,46bを用いている。このように、各領域のそれぞれに、複数の光源を設けることも可能である。すなわち、分割領域数と光源数とは、等しくなくてもよい。
【0063】
図16は第1、第2の実施形態で示した光源装置(10、40等)を用いた照明装置の一構成例を示す図である。図16の照明装置は、照明装置外郭を形作るケース82と、ケース82内に格納された光源装置(10、40等)と、光源装置(10、40等)からの光を前方に所定の配光特性を持って照射するレンズ系83とにより構成されている。
【0064】
また、図17は第1、第2の実施形態で示した光源装置(10、40等)を用いた照明装置の他の構成例を示す図である。図17の照明装置は、照明装置外郭を形作るケース84と、ケース84内に格納された光源装置(10、40等)と、光源装置(10、40等)からの光を前方に所定の配光特性を持って照射するズームレンズ系85とにより構成されている。図17の照明装置では、ズームレンズ系85にすることによって配光を可変することができる。特に電動式のズームレンズ系を用いた時には遠隔操作によって配光を可変することができる。
【0065】
図16や図17のようにレンズ系を用いた時でも、本発明の光源装置を用いれば、大光量でカラーブレイクが生じない照明装置を実現できる。
【0066】
さらに、本発明の反射型蛍光回転体においては、蛍光回転体の蛍光体層を配置する基板上に反射面を形成したりすることにより、効率の高い光源装置および照明装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、照明一般などに利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1、41、72 蛍光回転体
2a,2b,2c、42a,42b、74 蛍光体領域(蛍光体層)
42c、75 非蛍光体領域
4 モーター
5a,5b,5c、45a,45b,45c 固体光源
10、40、88 光源装置
82、84 ケース
83 レンズ系
85 ズームレンズ系
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED等の固体光源を用いた照明装置が用いられており、その1つとして、青色光を出射する固体光源と蛍光体とを組み合わせて(固体光源からの青色光を蛍光体に照射して)、白色光を実現した照明光源が開発されている(特許文献1)。しかし、蛍光体の熱劣化が問題となる大光量光源においては、冷却について考慮する必要がある。
【0003】
これに対し、主にプロジェクターの光源として、例えば特許文献2に示すような蛍光体を所定の領域に配置した円盤状回転体(以下、蛍光回転体と称す)を利用した光源装置が開発されている。図1には、この種の蛍光回転体91が示されている。図1を参照すると、蛍光回転体91は、透明な基板(例えば石英ガラス基板)上に紫外光を照射すると赤色または緑色または青色の蛍光を発光するそれぞれの蛍光体層92a,92b,92cが3つの分割された領域として配置されており、蛍光回転体91の回転軸(回転中心)を通って半径方向に延びる直線93a,93b,93cにより3色の蛍光体層92a,92b,92cの面積がほぼ等しくなるように分割配置されている。
【0004】
図2は図1の蛍光回転体91を用いた光源装置を示す図である。図2を参照すると、この光源装置は、図1の蛍光回転体91をモーター94で回転させ、固体光源(例えばレーザーダイオード光源)95の前に配置することにより、光源95の光軸上で励起された各蛍光体層92a,92b,92cが各々の色で順次発光することになる。すなわち、赤緑青の光が順次発光することになるが、発光周期が早くなると、つまり蛍光回転体の回転数を上げると(例えば3600rpmにすると)、それぞれの発光色を認識できなくなり白色光として視認できるようになる。
【0005】
特許文献2の光源装置では、蛍光回転体を用いていることで(蛍光回転体が回転することで)、蛍光体の熱劣化が問題となる大光量光源においても、冷却効果に優れた光源装置を提供できる。さらに、蛍光回転体を用いたこの種の光源装置において、大光量の光源を実現するために、複数の光源を用いることが考えられる。
【0006】
複数の光源を用いる場合に、具体的には、複数の光源の光軸を揃えて蛍光回転体の1点を照射する仕方や、特許文献3に示されているように2つの光源で蛍光回転体の2つの場所を照射する仕方が考えられる。
【0007】
図3は特許文献3に開示された仕方を説明するための図である。図3を参照すると、特許文献3に開示の光源装置は、蛍光回転体として、赤緑青の一組の蛍光体層102a,102b,102cを光源の数(2つ)だけ繰り返し配置した蛍光回転体101を用い、蛍光回転体101の直径上の回転軸X(回転中心)を挟んで両サイドに光源103a,103bをそれぞれ配置したものとなっている。
【0008】
大光量を得るために複数の光源の光軸を揃えて蛍光回転体の1点を照射する場合には、冷却効果に優れた蛍光回転体とはいえ、限界があることは否めない。これに対し、図3の光源装置では、2つの光源103a,103bで蛍光回転体101の異なる場所(2つの場所)を照射するので、冷却効果にとっては有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−148512号公報
【特許文献2】特開2004−341105号公報
【特許文献3】特開2004−317528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図3の構成では、2つ(複数)の光源103a,103bを用いているものの、2つの光源103a,103bからの光が、同時に、同じ色の蛍光を発光する蛍光体層しか照射しないので、蛍光回転体の回転に伴って、発光色が時間的に変化し、いわゆるカラーブレイク現象が生じてしまう。
【0011】
カラーブレイク現象は本来白色として観察されるはずの赤緑青の順次発光の個々の色が瞬間的に視認されてしまう現象をいう。例えば図3に示す蛍光回転体101を回転数1800rpmで駆動すれば、赤緑青の順次発光を一周期とした場合に60Hzでこの順次発光を繰り返すことになり、明るい室内で普通に観察する限りはカラーブレイク現象は生じることはないが、暗い部屋で観察する場合や光源もしくは照明場所から急に目をそむけた時などにカラーブレイク現象が生じてしまう。
【0012】
蛍光回転体の回転速度を早くして順次発光の繰返し周期を短くすれば、ある程度はカラーブレイク現象が起き難くなるが、回転数上昇によるモーター音の増大など別の要因で人を不愉快にさせてしまう。
【0013】
本発明は、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することの可能な光源装置および照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、紫外光を発光する複数の固体光源と、紫外光を照射すると、互いに異なった色の蛍光を発光する複数の蛍光体領域を有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の蛍光体領域を照射することを特徴とする光源装置である。
【0015】
また、請求項2記載の発明は、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の全ての蛍光体領域を照射することを特徴とする請求項1に記載の光源装置である。
【0016】
また、請求項3記載の発明は、可視光を発光する複数の固体光源と、該固体光源により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1つの蛍光体領域と、蛍光体が配置されていない非蛍光体領域とを、互いに分割された領域として有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの光が前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域のうちの2つ以上の領域を同時に照射することを特徴とする光源装置である。
【0017】
また、請求項4記載の発明は、前記複数の固体光源からの可視光が、前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域の全ての領域を同時に照射することを特徴とする請求項3に記載の光源装置である。
【0018】
また、請求項5記載の発明は、前記反射型蛍光回転体は、蛍光体を配置する基板が反射面を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光源装置である。
【0019】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光源装置が用いられていることを特徴とする照明装置である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1、請求項2、請求項5、請求項6記載の発明によれば、紫外光を発光する複数の固体光源と、紫外光を照射すると、互いに異なった色の蛍光を発光する複数の蛍光体領域を有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の蛍光体領域を照射するので、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することの可能な光源装置および照明装置を提供することができる。
【0021】
さらに、請求項1、請求項2、請求項5、請求項6記載の発明によれば、円錐形状の反射型蛍光回転体を使用しているので、例えば円錐の頂角を90度(回転軸に対する傾き角は45度)とし、固体光源の光軸と回転軸とのなす角度を90度とする等、所定の関係にすれば、反射型蛍光回転体の回転軸方向に主照射方向を有する(主照射方向A2を回転軸X方向に一致させる)光源装置および照明装置を実現することができる。
【0022】
また、請求項3乃至請求項6記載の発明によれば、可視光を発光する複数の固体光源と、該固体光源により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1つの蛍光体領域と、蛍光体が配置されていない非蛍光体領域とを、互いに分割された領域として有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの光が前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域のうちの2つ以上の領域を同時に照射するので、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することの可能な光源装置および照明装置を提供することができる。
【0023】
さらに、請求項3乃至請求項6記載の発明によれば、円錐形状の反射型蛍光回転体を使用しているので、例えば円錐の頂角を90度(回転軸に対する傾き角は45度)とし、固体光源の光軸と回転軸とのなす角度を90度とする等、所定の関係にすれば、反射型蛍光回転体の回転軸方向に主照射方向を有する(主照射方向A2を回転軸X方向に一致させる)光源装置および照明装置を実現することができる。
【0024】
また、請求項5、請求項6記載の発明では、前記反射型蛍光回転体は、蛍光体を配置する基板が反射面を有していることにより、効率の高い光源装置および照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来の蛍光回転体を示す図である。
【図2】図1の蛍光回転体を用いた光源装置を示す図である。
【図3】特許文献3に開示された仕方を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の光源装置の一構成例を示す図である。
【図5】図4の光源装置に用いられる蛍光回転体の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の光源装置の一構成例を示す図である。
【図9】図8の光源装置に用いられる蛍光回転体の一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図13】図12の光源装置に用いられる蛍光回転体の一例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図15】図12の光源装置に用いられる蛍光回転体の一例を示す図である。
【図16】第1、第2の実施態様で示した光源装置を用いた照明装置の一構成例を示す図である。
【図17】第1、第2の実施態様で示した光源装置を用いた照明装置の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
本発明の第1の実施形態は、紫外光を発光する複数の固体光源と、紫外光を照射すると、互いに異なった色の蛍光を発光する複数の蛍光体領域を有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の蛍光体領域を照射することを特徴としている。
【0028】
より好適には、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の全ての蛍光体領域を照射することを特徴としている。
【0029】
なお、上記蛍光体領域とは、蛍光体層を有する領域であって、後述のように、蛍光体層に対応させて、調整層などが設けられる場合には、蛍光体層とともに、これらをも含めたものを指すものとする。以下では、便宜上、蛍光体層とこれに対応する蛍光体領域には、同じ符号を付している。
【0030】
図4は、本発明の第1の実施形態の光源装置の一構成例を示す図(概略正面図)である。図4を参照すると、この光源装置10は、紫外光を出射する3つの固体光源5a,5b,5cと、回転軸Xの周りに回転可能な(モーター4によって回転する)円錐形状の蛍光回転体1とを備えている。図5は、図4の光源装置10に用いられる蛍光回転体1の一例を示す図(平面図)である(なお、図5には、固体光源5a,5b,5cの位置も図示されている)。図5の例では、蛍光回転体1は、基板上に、紫外光を照射すると赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発光する蛍光体層2a,2b,2cが3つの分割された領域(3等分された領域)として配置されている。そして、図5に示されているように、図4の光源装置10では、3つの固体光源5a,5b,5cは、3つの固体光源5a,5b,5cから矢印A1の方向に出射された紫外光が、同時に、3つの全ての蛍光体層2a,2b,2cを照射するように配置されている。
【0031】
また、図4の光源装置10では、円錐形状の蛍光回転体1が反射型のものとして構成され、固体光源5a,5b,5cから矢印A1の方向に出射された紫外光(励起光)によって励起された各蛍光体層2a,2b,2cからの発光のうち、円錐形状の蛍光回転体1で反射されて矢印A2の方向に出射する光を照明光として利用できるようになっている。以下、この形式の蛍光回転体を、反射型蛍光回転体という。ここで、蛍光体層2a,2b,2cからの出射光を考えると、入射励起光に対して反射する光とともに、蛍光体層2a,2b,2cで多重反射され蛍光回転体1を透過する発光や、蛍光体層2a,2b,2cを励起せず励起光のまま蛍光回転体1を透過する光も存在している。もし、蛍光回転体1の蛍光体層2a,2b,2cを配置する基板が透明であるとすると、これらの光は蛍光回転体1の裏側に抜ける透過光となり、照明光として利用できない光となってしまう。
【0032】
反射型蛍光回転体1を用いる場合に、蛍光体層2a,2b,2cからの上記透過光を照明光として利用するため、蛍光回転体1の蛍光体層2a,2b,2cを配置する基板自体を金属製とすることができる。あるいは、蛍光回転体1の蛍光体層2a,2b,2cを配置する基板上に反射面を設けることができる。具体的には、透明な基板上に金属膜を配置することができる。これにより、効率の高い光源装置を実現できる。
【0033】
なお、蛍光体領域の蛍光体層での励起光から蛍光への変換効率は、蛍光体層を形成する蛍光体材料により異なるが、50%から99%程度である。従って、本発明では、この変換効率を考慮に入れた蛍光回転体1を設計する必要がある。具体的には、変換効率が高い蛍光体層が配置された蛍光体領域の透過率もしくは反射率を調整する設計手法が考えられる。蛍光体領域2a,2b,2cの透過率もしくは反射率を調整する方法としては、蛍光体層2a,2b,2cに重ねて所定の透過率を有する調整層をさらに設ける方法などが考えられる。ここで、調整層としては、それぞれの蛍光体の蛍光波長付近に吸収波長を有する顔料を薄膜として配置するなどの方法が利用できる。
【0034】
図4、図5の構成では、モーター4によって蛍光回転体1を回転させることで、赤緑青の3色の混色により白色光を得るとき、紫外光を出射する3つの固体光源5a,5b,5cが、同時に、それぞれ異なる蛍光体層2a,2b,2cを照射するように配置されているので、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することができる。
【0035】
例えば図5に示した赤緑青の3つの蛍光体領域を有する蛍光回転体を3つの固体光源で照射する場合、ある1つの光源だけに注目した場合は、時間順次で赤緑青の発光を繰り返しカラーブレイクを生じることになるが、別の光源では同時に必ず別の色を励起するようにすれば、複数の光源によって励起された異なった発光色の混色を観察することになり、カラーブレイクは生じ難い。特に図5に示した光源位置のように、3等分された蛍光回転体を同じく3等分された同じ個数の光源で励起する場合は、ある瞬間では必ず赤緑青の3色の蛍光色が発光していることになり、常にこの関係が保持されることになるので、全くカラーブレイクを感じさせない光源装置を実現できる。
【0036】
さらに、図4、図5の構成では、円錐形状の反射型蛍光回転体を使用しているので、例えば円錐の頂角を90度(回転軸Xに対する傾き角は45度)とし、固体光源の光軸と回転軸Xとのなす角度を90度とする等、所定の関係にすれば、反射型蛍光回転体の回転軸X方向に主照射方向を有する(主照射方向A2を回転軸X方向に一致させる)光源装置を実現することができる。これにより、余計な光学系を設ける必要なく、複数(いまの場合、3つ)の光(白色光)の出射方向を統一できる。
【0037】
以下、本発明の第1の実施形態の光源装置10をより詳細に説明する。
【0038】
本発明の第1の実施形態の光源装置10において、固体光源5a,5b,5cとしては、いずれも同じ構成のものを用いることができる。すなわち、固体光源5a,5b,5cには、例えば、InGaN系の材料を用いた発光波長が約380nmの近紫外光を発光する発光ダイオードを用いることができる。なお、固体光源5a,5b,5cとしては、発光ダイオードに限らず、紫外光を放出する光源であれば良く、半導体レーザー等を用いることもできる。
【0039】
また、蛍光回転体1には、赤、緑、青の発光色に対応する蛍光体層2a,2b,2cが、図5に示すように、各色が同じ形(面積)となるように(各色が3等分されるように)塗り分けられたものを使用できる。なお、変換効率が各色の蛍光体間で異なる場合は、前述した設計手法に従い蛍光回転体を作製することになる。塗り分けは、円錐形状のままで電着法を利用したり、円錐を展開した平板にそれぞれの蛍光体層パターンに対応する開口部(メタルメッシュ開口)を有するスクリーンを用いて印刷した後に組み立てて円錐形状にする方法などが利用できる。反射型蛍光回転体の基板としてはアルミなどの金属基板が使用可能であり、電着や印刷後の組み立て時にも有利である。基板に石英ガラス基板のような透明体を使用することも可能であるが、その場合は反射面としてアルミなどの金属膜を蒸着などの方法で形成する必要がある。アルミなどの金属基板を使用する場合は反射面は不要である。
【0040】
ここで、各色が同じ形(面積)になる(各色が3等分されている)上記蛍光回転体1に対して固体光源5a,5b,5cも円錐形状の反射型蛍光回転体1の回転軸Xを中心とする所定の円弧上で同じピッチ(等間隔)に配置されている。このような配置を採用することにより、常に円錐形状の反射型蛍光回転体1の全ての色が同時に発光している状態を作り出すことができる。
【0041】
また、蛍光体層2a,2b,2cには、波長が約380nmないし約400nmの紫外光により励起されるものとして、例えば、赤色蛍光体層2aには、CaAlSiN3:Eu2+、Ca2Si5N8:Eu2+、La2O2S:Eu3+、KSiF6:Mn4+、 KTiF6:Mn4+等を用いることができ、緑色蛍光体層2bには、(Si,Al)6(O,N):Eu2+、BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+、(Ba,Sr)2SiO4:Eu2+等を用いることができ、青色蛍光体層2cには、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+、BaMgAl10O17:Eu2+、LaAl(Si,Al)6(N,O)10:Ce3+等を用いることができる。
【0042】
なお、上述した例では、3つの固体光源5a,5b,5cが、同時に、3つの蛍光体層(すなわち、全ての蛍光体層)2a,2b,2cを照射するようにしており、これにより、より完全にカラーブレイク現象を防止できるが、本発明は、この構成に限定されず、種々の変形が可能である。例えば図6に示すように、蛍光回転体1上の3つの蛍光体層2a,2b,2cに対し、固体光源の個数が2であり、2つの固体光源5a,5bが、同時に、3つの蛍光体層2a,2b,2cのうちの2つの蛍光体層を照射するような場合も、本発明の範囲に含まれる。なお、この場合は、図5に示す場合に比べれば劣るが、カラーブレイク現象を防止できる。また、上述の例では、蛍光回転体には、赤緑青の3つの蛍光体領域2a,2b,2cが設けられている場合を示したが、例えば図3に示したように赤緑青の蛍光体領域がそれぞれ2つずつ赤緑青の順に繰り返し設けられている場合(6つの蛍光体領域が設けられている場合)において、固体光源5a,5b,5cを図7(a)や図7(b)のように配置する場合なども、本発明の範囲に含まれる。
【0043】
本発明の第2の実施形態の光源装置は、可視光を発光する複数の固体光源と、該固体光源により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1つの蛍光体領域と、蛍光体が配置されていない非蛍光体領域とを、互いに分割された領域として有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの光が前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域のうちの2つ以上の領域を同時に照射することを特徴としている。
【0044】
より好適には、前記複数の固体光源からの可視光が、前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域の全ての領域を同時に照射することを特徴としている。
【0045】
なお、上記蛍光体領域とは、蛍光体層を有する領域であって、後述のように、蛍光体層に対応させて、調整層などが設けられる場合には、蛍光体層とともに、これらをも含めたものを指すものとする。以下では、便宜上、蛍光体層とこれに対応する蛍光体領域には、同じ符号を付している。また、非蛍光体領域とは、蛍光体層を有しない領域を指すものとする。
【0046】
図8は、本発明の第2の実施形態の光源装置の一構成例を示す図(概略正面図)である。なお、図8において、図4と同様の箇所には同じ符号を付している。図8を参照すると、この光源装置40は、可視光(例えば、青色光)を出射する3つの固体光源45a,45b,45cと、回転軸Xの周りに回転可能な(モーター4によって回転する)円錐形状の蛍光回転体41とを備えている。図9は、図8の光源装置40に用いられる蛍光回転体41の一例を示す図(平面図)である(なお、図9には、固体光源45a,45b,45cの位置も図示されている)。図8の例では、蛍光回転体41は、基板上に、可視光(例えば、青色光)を照射すると赤色、緑色の蛍光をそれぞれ発光する蛍光体層42a,42bが2つの分割された蛍光体領域として配置され、蛍光体層が設けられていない領域42cが非蛍光体領域として配置されている。ここで、領域42a,42b,42cは、3等分された領域として構成されている。そして、図9に示されているように、図8の光源装置40では、3つの固体光源45a,45b,45cは、3つの固体光源45a,45b,45cから矢印A1の方向に出射された可視光(例えば、青色光)が、同時に、3つの全ての領域42a,42b,42cを照射するように配置されている。
【0047】
図8の光源装置40では、円錐形状の蛍光回転体41が反射型のものとして構成され、固体光源45a,45b,45cから矢印A1の方向に出射された可視光(例えば青色光)によって励起された各蛍光体領域(各蛍光体層)42a,42bからの発光のうち、円錐形状の蛍光回転体41で反射されて矢印A2の方向に出射する光(赤色光、緑色光)、および、非蛍光体領域42cで矢印A2の方向に反射される光(青色光)を照明光として利用できるようになっている。以下、この形式の蛍光回転体を、反射型蛍光回転体と称す。ここで、蛍光体層42a,42bからの出射光を考えると、入射励起光に対して反射する光とともに蛍光体層42a,42bで多重反射され蛍光回転体41を透過する発光や、蛍光体層42a,42bを励起せず励起光のまま蛍光回転体41を透過する光も存在している。もし、蛍光回転体41の蛍光体層42a,42bを配置する基板が透明であるとすると、これらの光は蛍光回転体41の裏側に抜ける透過光となり、照明光として利用できない光となってしまう。
【0048】
反射型蛍光回転体41を用いる場合に、蛍光体層42a,42bからの上記透過光を照明光として利用するため、蛍光回転体41の蛍光体層42a,42bを配置する基板自体を金属製とすることができる。あるいは、蛍光回転体41の蛍光体層42a,42bを配置する基板上に反射面を設けることができる。具体的には、透明な基板上に金属膜を配置することができる。これにより、効率の高い光源装置を実現できる。
【0049】
なお、蛍光体領域の蛍光体層での励起光から蛍光への変換効率は、蛍光体層を形成する蛍光体材料により異なるが、50%から99%程度である。従って、本発明では、この変換効率を考慮に入れた蛍光回転体41を設計する必要がある。具体的には、非蛍光体領域42c(変換効率が100%)や変換効率が高い蛍光体層が配置された蛍光体領域の透過率もしくは反射率を調整したり、あるいは、非蛍光体領域42cに散乱性を持たせて透過率もしくは反射率を調整する設計手法が考えられる。透過率もしくは反射率を調整する方法としては、非蛍光体領域42cでは、非蛍光体領域42c上に所定の透過率を有する調整層を設け、また、蛍光体領域42a,42bでは、蛍光体層42a,42bに重ねて所定の透過率を有する調整層をさらに設ける方法などが考えられる。ここで、非蛍光体領域42c上に設けられる調整層としては、青色光を一部吸収する顔料を薄膜として配置するなどの方法が利用できる。また、蛍光体層42a,42bに重ねて設けられる調整層としては、それぞれの蛍光体の蛍光波長付近に吸収波長を有する顔料を薄膜として配置するなどの方法が利用できる。また、非蛍光体領域42cに散乱性を持たせるためには、蛍光回転体41の基板表面に微細な凹凸を付けたり、散乱材を混入した散乱層を蛍光回転体41の基板上に配置する方法などが考えられる。
【0050】
図8、図9の構成では、可視光(例えば青色光)を発光する固体光源45a,45b,45cの色(いまの例では、青色)と、固体光源45a,45b,45cにより励起され固体光源45a,45b,45cの発光波長よりも長波長の蛍光色(赤色と緑色)との混色により、白色光を得るとき、青色光を出射する3つの固体光源45a,45b,45cが、同時に、それぞれ異なる領域42a,42b,42cを照射するように配置されているので、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することができる。
【0051】
さらに、図8、図9の構成では、円錐形状の反射型蛍光回転体を使用しているので、例えば円錐の頂角を90度(回転軸Xに対する傾き角は45度)とし、固体光源の光軸と回転軸Xとのなす角度を90度とする等、所定の関係にすれば、反射型蛍光回転体の回転軸X方向に主照射方向を有する(主照射方向A2を回転軸X方向に一致させる)光源装置を実現することができる。これにより、余計な光学系を設ける必要なく、複数(いまの場合、3つ)の光(白色光)の出射方向を統一できる。
【0052】
以下、本発明の第2の実施形態の光源装置40をより詳細に説明する。
【0053】
本発明の第2の実施形態の光源装置40において、固体光源45a,45b,45cとしては、いずれも同じ構成のものを用いることができる。すなわち、固体光源45a,45b,45cには、例えば、GaN系の材料を用いた発光波長が約460nmの青色光を発光する発光ダイオードを用いることができる。なお、固体光源45a,45b,45cとしては、発光ダイオードに限らず、青色光を放出する光源であれば良く、半導体レーザー等を用いることもできる。
【0054】
また、蛍光回転体41には、図9に示すように、青色の励起光により赤色および緑色に発光する2つの蛍光体領域(蛍光体層42a,42b)と非蛍光体領域42cとが、各領域42a,42b,42cが同じ形(面積)となるように(各領域42a,42b,42cが3等分されるように)配置されたものを使用できる。なお、変換効率が各色の蛍光体間で異なる場合は、前述した設計手法に従い蛍光体領域を設計することになる。また、非蛍光体領域には、前述した調整層が、青色光を一部吸収して青色光の透過率を調整する顔料により設けられている。非蛍光体領域に配置される調整層や蛍光体領域の塗り分けは、円錐形状のままで電着法を利用したり、円錐を展開した平板にそれぞれの蛍光体層パターンに対応する開口部(メタルメッシュ開口)を有するスクリーンを用いて印刷した後に組み立てて円錐形状にする方法などが利用できる。反射型蛍光回転体の基板としてはアルミなどの金属基板が使用可能であり、電着や印刷後の組み立て時にも有利である。なお、基板には石英ガラス基板のような透明体を使用することも可能であるが、その場合は反射面としてアルミなどの金属膜を蒸着などの方法で形成する必要がある。基板にアルミなどの金属基板を使用する場合は反射面は不要である。
【0055】
ここで、各領域42a,42b,42cが同じ形(面積)になる(各領域42a,42b,42cが3等分されている)上記蛍光回転体41に対して、固体光源45a,45b,45cも円錐形状の反射型蛍光回転体41の回転軸Xを中心とする所定の円弧上で同じピッチ(等間隔)に配置されている。このような配置を採用することにより、常に円錐形状の反射型蛍光回転体41の全ての領域42a,42b,42cが同時に発光している状態を作り出すことができる。
【0056】
なお、本発明の第2の実施形態の上述した例では、3つの固体光源45a,45b,45cが、同時に、3つの領域(すなわち、全ての領域)42a,42b,42cを照射するようにしており、これにより、より完全にカラーブレイク現象を防止できるが、本発明は、この構成に限定されず、種々の変形が可能である。例えば図10に示すように、蛍光回転体上の3つの領域42a,42b,42cに対し、固体光源の個数が2であり、2つの固体光源45a,45bが、同時に、3つの領域42a,42b,42cのうちの2つの領域を照射するような場合も、本発明の範囲に含まれる。なお、この場合は、図9に示す場合に比べれば劣るものの、カラーブレイク現象を防止できる。また、上述の例では、蛍光回転体には、3つの領域42a,42b,42cが設けられている場合を示したが、3つの領域42a,42b,42cがそれぞれ2つずつ順に繰り返し設けられている場合(6つの蛍光体領域が設けられている場合)において、固体光源45a,45b,45cを図11(a)や図11(b)のように配置する場合なども、本発明の範囲に含まれる。
【0057】
また、上述の例では、蛍光回転体として、図9や図11に示すものを用いたが、第2の実施形態における円錐形状の反射型蛍光回転体としては、例えば1つの蛍光体領域と1つの非蛍光体領域との2つの領域で形成された反射型蛍光回転体を用い、固体光源として可視光(例えば、青色光)を出射する2つの固体光源を用いる構成も可能である。図12は、このような光源装置の構成例を示す図である。図12を参照すると、この光源装置88は、可視光(例えば、青色光)を出射する2つの固体光源45a,45bと、回転軸Xの周りに回転可能な(モーター4によって回転する)蛍光回転体72とを備えている。図13は、図12の光源装置88に用いられる円錐形状の反射型蛍光回転体72の一例を示す図(平面図)である(なお、図13には、固体光源45a,45bの位置も図示されている)。図13の例では、蛍光回転体72は、基板上に、可視光(例えば、青色光)を照射すると黄色の蛍光をそれぞれ発光する蛍光体層74が1つの蛍光体領域として配置され、蛍光体層が設けられていない領域75が1つの非蛍光体領域として配置されている(すなわち、青色の励起光により黄色に発光する蛍光体層を有する黄色蛍光体領域74と非蛍光体領域75とが配置されている)。ここで、各領域74、75は、同じ形(面積)の領域(2等分された領域)として構成されている。そして、図13に示されているように、図12の光源装置88では、2つの固体光源45a,45bは、2つの固体光源45a,45bからの可視光(例えば、青色光)が、同時に、2つの領域74、75を照射するように配置されている。すなわち、各領域74、75が同じ形になっている上記蛍光回転体72に対して、固体光源45a,45bも円錐形状の反射型蛍光回転体72の回転軸Xを中心とする所定の円弧上で同じピッチ(等間隔)に配置されている。このような配置を採用することにより、常に蛍光回転体72の全ての領域74、75が同時に発光している状態を作り出すことができる。また、このような構成において、各領域74、75における変換効率が同じになるように設定される必要があり、このため、例えば非蛍光体領域75には、前述した調整層が、青色光を一部吸収する顔料により設けられている。
【0058】
図12、図13の構成では、可視光(例えば青色光)を発光する固体光源45a,45bの色(いまの例では、青色)と、固体光源45a,45bにより励起され固体光源45a,45bの発光波長よりも長波長の蛍光色(黄色)との混色により、白色光を得るとき、青色光を出射する2つの固体光源45a,45bが、同時に、それぞれ異なる領域74、75を照射するように配置されているので、複数の光源で蛍光回転体の複数の場所を照射して大光量を得るときに、モーター音の増大などを生じさせるほど蛍光回転体の回転速度を早くすることなく、カラーブレイク現象を防止することができる。
【0059】
より詳細に、図12、図13の光源装置88において、固体光源45a,45bには、例えば、GaN系の材料を用いた発光波長が約460nmの青色光を発光する発光ダイオードを用いることができる。なお、固体光源45a,45bとしては、発光ダイオードに限らず、青色光を放出する光源であれば良く、半導体レーザー等を用いることもできる。
【0060】
また、黄色蛍光体層74としては、波長が約440nmないし約470nmの青色光により励起されるものとして、例えば、Y3Al5O12:Ce3+ (YAG)、(Sr,Ba)2SiO4:Eu2+、Cax(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+等の黄色蛍光体を用いることができる。
【0061】
また、円錐形状の反射型蛍光回転体72において、非蛍光体領域に配置される調整層や蛍光体領域の形成には、円錐形状のままで電着法を利用したり、円錐を展開した平板にそれぞれの蛍光体層パターンに対応する開口部(メタルメッシュ開口)を有するスクリーンを用いて印刷した後に組み立てて円錐形状にする方法などが利用できる。反射型蛍光回転体の基板としては、アルミなどの金属基板が使用可能であり、電着や印刷後の組み立て時にも有利である。なお、反射型蛍光回転体の基板に石英ガラス基板のような透明体を使用することも可能であるが、その場合は、基板の反射面としてアルミなどの金属膜を蒸着などの方法で形成する必要がある。反射型蛍光回転体の基板にアルミなどの金属基板を使用する場合は反射面は不要である。
【0062】
また、上述した本発明の第1、第2の実施形態の各例では、1つの領域に対する光源の個数を1としたが、1つの領域について複数の光源を用いることも可能である。図14、図15は、図12、図13の構成例において、各領域に2つの光源を用いる場合を示す図である。すなわち、図14、図15の例では、1つの蛍光体領域74および非蛍光体領域75のそれぞれに2つの光源45a,46a、45b,46bを用いている。このように、各領域のそれぞれに、複数の光源を設けることも可能である。すなわち、分割領域数と光源数とは、等しくなくてもよい。
【0063】
図16は第1、第2の実施形態で示した光源装置(10、40等)を用いた照明装置の一構成例を示す図である。図16の照明装置は、照明装置外郭を形作るケース82と、ケース82内に格納された光源装置(10、40等)と、光源装置(10、40等)からの光を前方に所定の配光特性を持って照射するレンズ系83とにより構成されている。
【0064】
また、図17は第1、第2の実施形態で示した光源装置(10、40等)を用いた照明装置の他の構成例を示す図である。図17の照明装置は、照明装置外郭を形作るケース84と、ケース84内に格納された光源装置(10、40等)と、光源装置(10、40等)からの光を前方に所定の配光特性を持って照射するズームレンズ系85とにより構成されている。図17の照明装置では、ズームレンズ系85にすることによって配光を可変することができる。特に電動式のズームレンズ系を用いた時には遠隔操作によって配光を可変することができる。
【0065】
図16や図17のようにレンズ系を用いた時でも、本発明の光源装置を用いれば、大光量でカラーブレイクが生じない照明装置を実現できる。
【0066】
さらに、本発明の反射型蛍光回転体においては、蛍光回転体の蛍光体層を配置する基板上に反射面を形成したりすることにより、効率の高い光源装置および照明装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、照明一般などに利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1、41、72 蛍光回転体
2a,2b,2c、42a,42b、74 蛍光体領域(蛍光体層)
42c、75 非蛍光体領域
4 モーター
5a,5b,5c、45a,45b,45c 固体光源
10、40、88 光源装置
82、84 ケース
83 レンズ系
85 ズームレンズ系
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外光を発光する複数の固体光源と、紫外光を照射すると、互いに異なった色の蛍光を発光する複数の蛍光体領域を有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の蛍光体領域を照射することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の全ての蛍光体領域を照射することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
可視光を発光する複数の固体光源と、該固体光源により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1つの蛍光体領域と、蛍光体が配置されていない非蛍光体領域とを、互いに分割された領域として有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの光が前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域のうちの2つ以上の領域を同時に照射することを特徴とする光源装置。
【請求項4】
前記複数の固体光源からの可視光が、前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域の全ての領域を同時に照射することを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記反射型蛍光回転体は、蛍光体を配置する基板が反射面を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光源装置が用いられていることを特徴とする照明装置。
【請求項1】
紫外光を発光する複数の固体光源と、紫外光を照射すると、互いに異なった色の蛍光を発光する複数の蛍光体領域を有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の蛍光体領域を照射することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記複数の固体光源からの紫外光が、同時に、互いに異なった蛍光色を発する複数の全ての蛍光体領域を照射することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
可視光を発光する複数の固体光源と、該固体光源により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1つの蛍光体領域と、蛍光体が配置されていない非蛍光体領域とを、互いに分割された領域として有する反射型蛍光回転体とを備え、該反射型蛍光回転体が円錐形状のものであり、かつ、前記複数の固体光源からの光が前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域のうちの2つ以上の領域を同時に照射することを特徴とする光源装置。
【請求項4】
前記複数の固体光源からの可視光が、前記蛍光体領域および前記非蛍光体領域の全ての領域を同時に照射することを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記反射型蛍光回転体は、蛍光体を配置する基板が反射面を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光源装置が用いられていることを特徴とする照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−124011(P2011−124011A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278340(P2009−278340)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]