光源駆動装置,画像処理装置,画像読取装置,および画像形成装置
【課題】 定数に依存した駆動部側からの供給電力の過剰又は不足を回避し、安定した動作を行えるようにする。
【解決手段】 光源駆動装置は、光源41を構成する複数のLED光源列のうちの駆動するLED光源列の数を切り替え、その駆動するLED光源列の個数(負荷の大きさ)に応じて電源昇圧回路を1つ又は複数選択する。例えば、光源ドライバ42が1列のLED光源列のみを駆動する場合、駆動制御信号Saが昇圧回路部50に入力され、スイッチ53のみがオンとなるため、電源昇圧回路51が電源1からの給電電圧によって小電力を生成するための昇圧動作を行う。光源ドライバ42が2列のLED光源列を駆動する場合、駆動制御信号Sbが昇圧回路部50に入力され、スイッチ54のみがオンとなるため、電源昇圧回路52が電源1からの給電電圧によって大電力を生成するための昇圧動作を行う。
【解決手段】 光源駆動装置は、光源41を構成する複数のLED光源列のうちの駆動するLED光源列の数を切り替え、その駆動するLED光源列の個数(負荷の大きさ)に応じて電源昇圧回路を1つ又は複数選択する。例えば、光源ドライバ42が1列のLED光源列のみを駆動する場合、駆動制御信号Saが昇圧回路部50に入力され、スイッチ53のみがオンとなるため、電源昇圧回路51が電源1からの給電電圧によって小電力を生成するための昇圧動作を行う。光源ドライバ42が2列のLED光源列を駆動する場合、駆動制御信号Sbが昇圧回路部50に入力され、スイッチ54のみがオンとなるため、電源昇圧回路52が電源1からの給電電圧によって大電力を生成するための昇圧動作を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の光源を駆動する光源駆動装置、それを備えた画像処理装置、上記光源駆動装置又は画像処理装置を備えた画像読取装置(デジタル複写機,デジタル複合機,ファクシミリ装置等の画像形成装置に搭載されるスキャナ装置等の画像読取装置あるいは単体のスキャナ装置等の画像読取装置)、および上記光源駆動装置,画像処理装置,又は上記画像読取装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スキャナ装置の光源として、複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を使用したLED光源がある。LEDは、半導体部品であることから、発光効率や応答性に優れている。また、低消費電力で大きな光量が得られる。更に、点灯直後の光量安定ウェイト時間がほぼ不要であるなどのメリットを持つ。
このようなLEDを複数使用したLED光源は、スキャナ装置が幅の短い被写体である原稿の画像(以下単に「原稿」ともいう)を読み取る際や、その原稿のサイズを検知する際に、LEDの駆動電流や点灯個数の変化を伴うケースが存在する。
【0003】
しかし、上述のようなケースの場合、幅の長い原稿の画像を読み取るために駆動部がLED光源の全LEDをフル点灯する場合に比べ、駆動部側からLED光源への供給電力に差異が生じるため、駆動部側の定数によっては、以下の(a)(b)に示すような問題が発生し、結果として読み取り画像が光量変動による画質低下となって現れるという懸念がある。
(a)電力の過剰生成(電圧の過昇圧)
駆動部が電力生成動作(主に昇圧動作)の停止・駆動を繰り返すことにより、電力供給が不安定になる。
(b)電力の供給不足
負荷である複数のLEDを並列に分散し、駆動部が昇圧動作を伴わない構成であれば、上記のような問題は発生しないが、予め大きなマージンを持たせた電力供給が必要なため、消費電力が大きくなってしまうという問題がある。
【0004】
そこで、その問題を解消するため、特許文献1に開示されている技術を利用することが考えられる。
特許文献1には、消費電力低減および動作安定性向上を目的として、電池電圧が所定電圧よりも高い場合には、負荷にダミー負荷を直列に接続し、電池電圧が所定電圧以下である場合には、ダミー負荷をショートする切替部を設ける構成について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、負荷を切り替える構成であるため、上述したように、電力供給が不安定となり、動作が不安定になるという問題は解消できていない。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、光源駆動装置において、定数に依存した駆動部側からの供給電力の過剰又は不足を回避し、安定した動作を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の目的を達成するため、以下に示す光源駆動装置、画像処理装置、画像読取装置、および画像形成装置を提供する。
この発明による光源駆動装置は、複数の光源を駆動する光源駆動装置であって、上記複数の光源のうちの駆動する光源の数を切り替える駆動光源切替手段と、電源からの給電電圧を昇圧して上記駆動する光源へ供給する昇圧手段と、それによって昇圧された電圧が印加される光源の駆動電流を定常的に一定にする定電流駆動手段と、上記駆動する光源の数に応じて上記昇圧手段を切り替える昇圧切替手段とを設けたものである。
【0007】
この発明による画像処理装置は、上記の光源駆動装置を備え、それによる上記複数の光源からの照射光によって被写体を照明し、その被写体からの反射光を受光し、画像信号に変換して画像処理を行うものである。
この発明による画像読取装置は、上記の画像処理装置に相当し、上記画像処理によって上記被写体の画像データを読み取るものである。
【0008】
この発明による画像形成装置は、上記の画像読取装置と、それによって読み取った画像データに基づいて記録媒体上に画像形成を行う画像形成手段とを備えるか、上記の光源駆動装置と、それによる上記複数の光源からの照射光によって被写体を照明し、その上記被写体からの反射光により予め帯電された像担持体上を露光して作像する作像手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の光源駆動装置によれば、複数の光源のうちの駆動する光源の数を切り替え、その駆動する光源の数(負荷の大きさ)に応じて昇圧手段(電源からの給電電圧を昇圧して上記駆動する光源へ供給する手段)を切り替える。つまり、負荷の大きさに応じた駆動部(実際には昇圧手段)の最適定数を選択する。よって、定数に依存した駆動部側からの供給電力の過剰又は不足を回避し、安定した動作を行うことができるため、光源の光量変動を防止することができる。
この発明の画像処理装置によれば、処理画像の高画質化を実現することができる。
この発明の画像読取装置によれば、読み取り画像の高画質化を実現することができる。
この発明の画像形成装置によれば、形成画像の高画質化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の第1実施形態である光源駆動装置の基本構成の第1例を示す回路図である。
【図2】この発明の第2実施形態である光源駆動装置の基本構成の第2例を示す回路図である。
【図3】この発明の第3実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第1例を示す回路図である。
【図4】この発明の第4実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第2例を示す回路図である。
【図5】この発明の第5実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第3例を示す回路図である。
【0011】
【図6】この発明の第6実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第4例を示す回路図である。
【図7】この発明の第7実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第5例を示す回路図である。
【図8】この発明の第8実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第6例を示す回路図である。
【図9】この発明の第9実施形態である画像読取装置の機構部の構成例を示す全体構成図である。
【図10】図9に示した画像読取装置200の画像信号処理部の一部の構成例を示すブロック図である。
【0012】
【図11】この発明の第10実施形態である画像形成装置の機構部の構成例を示す全体構成図である。
【図12】従来の光源駆動装置の構成例を示す回路図である。
【図13】図12の昇圧用FET11のスイッチング動作の波形例を示す図である。
【図14】図12の昇圧回路部10の昇圧出力電圧とLED光源列2に流れる電流Ieの波形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。なお、この実施形態では、光源としてLED(LED光源)を用いるが、他の光源を用いることもできる。
以下の実施形態では、光源駆動装置が、LEDの駆動電流や点灯個数の変化を伴うLED光源の駆動に際して、以下の特徴を有する。
【0014】
すなわち、駆動部の最適定数の選択機能を備えることで、負荷が大きく変化した場合でも常に最適な動作が可能となる機構を備えた。これにより、定数に依存した駆動部側からの供給電力の過剰あるいは不足がなくなり、安定した動作が可能となるため、読み取り画像への影響(ライン毎の光量変動等)をなくすことが可能となる。
そこで、その特徴について図1〜図11を参照して具体的に説明するが、その説明に入る前に、理解の便宜のため、従来の光源駆動装置の問題点について、図12〜図14を参照して説明する。
【0015】
図12は、従来の光源駆動装置の構成例を示す回路図である。
この光源駆動装置は、一般的な昇圧型定電流LED駆動回路によって構成されている。この例では、光源(LED光源)として、2列のLED光源列を用いている。
この光源駆動装置では、電源1からの給電電圧(入力電圧)を昇圧回路部10によって昇圧(入力電圧<昇圧出力電圧)し、各LED光源列(負荷)2,3へ供給することにより、そのLED光源列2,3を点灯させることができる。
【0016】
昇圧回路部10は、上記の昇圧を行う昇圧手段であり、昇圧用の電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)11、コンパレータ12、最低電圧検知部(Lowest Voltage Detector)13、インダクタ(昇圧コイル)14、ダイオード15、およびコンデンサ16を備えている。
定電流回路部20は、昇圧回路部10によって昇圧された電圧が印加されるLED光源列2の駆動電流を定常的に一定にする定電流駆動手段であり、電流検出抵抗21、オペアンプ22、FET23、および電源24を備えている。
定電流回路部30は、昇圧回路部10によって昇圧された電圧が印加されるLED光源列3の駆動電流を定常的に一定にする定電流駆動手段であり、電流検出抵抗31、オペアンプ32、FET33,および電源34を備えている。
【0017】
この各定電流回路部20,30では、LED光源列2,3毎に電流がシンクされ(吸い込まれ)、各LED光源列2,3に一定の電流を流すことで光量の安定性を保つ。
定電流回路部20では、LED光源列2を流れる電流を電流検出抵抗21が検出して電圧に変換し、オペアンプ22が電源24の基準電圧との比較に応じてFET23のゲート端子Gの電圧を制御する。これにより、LED光源列2には、基準電圧により予め決められた一定の電流が流れることとなる。
定電流回路部30では、LED光源列3を流れる電流を電流検出抵抗31が検出して電圧に変換し、オペアンプ32が電源34の基準電圧との比較に応じてFET33のゲート端子Gの電圧を制御する。これにより、LED光源列3には、基準電圧により予め決められた一定の電流が流れることとなる。
【0018】
一方、LED光源列2,3に規定の電流をシンクし続けるためには、各LED光源列2,3に一定以上の電圧を供給し続ける必要があり、これはカソード端子側の電圧をモニタし、フィードバックすることで達成される。
昇圧電圧は、一般的なパルス幅変調(Pulse-Width Modulation:PWM)信号発生器によって昇圧用FET11を駆動(オン/オフ)することで得られる。そのPWM信号発生器は、図12の例では、コンパレータ12および最低電圧検知部(Lowest Voltage Detector)13によって構成している。
【0019】
よって、各LED光源列2,3のカソード端子電圧のうち、最も低い電圧(=列のLED順方向電圧が最も大きい列の電圧)を最低電圧検知部13により検知してピックアップし、アナログ電圧としてフィードバックする。
コンパレータ12では、一方の入力端子である反転入力端子(−)に入力される最低電圧検知部13からのアナログ電圧と、他方の入力端子である非反転入力端子(+)に入力される基準となる周期信号である基準信号(例えば「のこぎり波」又は「三角波」を示す信号)の電圧(基準電圧)とを比較して、その比較結果を示す信号をFETドライブ信号として出力し、昇圧用FET11のゲート端子Gへ入力する。
【0020】
コンパレータ12から出力されるFETドライブ信号は、アナログ電圧が基準電圧より低い場合にはハイレベル“H”に、高い場合にはローレベル“L”にそれぞれなる。よって、アナログ電圧が下がってくるとハイレベル“H”が広く、上がってくると狭い信号となり、そのデューティ比によって昇圧用FET11のオン/オフのタイミングが制御される。
昇圧用FET11は、オンの間、電源1−インダクタ14−グランド(GND)間のショート経路が成立するため、流れる電流が上昇し続け、インダクタ14へ電流をエネルギーとして溜め続ける。一方、昇圧用FET11がオフになった際に発生する電圧は、その電流エネルギーに比例する。
【0021】
よって、アナログ電圧が低下してくると、コンパレータ12から出力されるFETドライブ信号のデューティ比が増加し、インダクタ14のエネルギーが増加するため、昇圧電圧のレベルが大きくなり、昇圧電圧の一定化が実現される。
以上により、各LED光源列2,3を駆動するための定電圧化、定電流化が実現される。しかし、画像読取装置や画像形成装置を構成するLED光源の場合、読み取る原稿サイズや駆動する電流の変化などにより、負荷が大きく変動し、必要な昇圧電圧レベルが変動するケースが存在する。このとき、駆動条件が最適値から外れ、電圧および電流の不均一性が生じる可能性がある。
【0022】
図13は図12の昇圧用FET11のスイッチング動作の波形例を示す図である。
この昇圧用FET11のスイッチング動作の波形Vmは、昇圧用FET11のドレインDへの入力電圧の波形を示している。昇圧動作時は、上記スイッチング動作により、電源1の電圧レベルとGNDレベルをスイングしている。
図14は、図12の昇圧回路部10の昇圧出力電圧とLED光源列2に流れる電流(LED駆動電流)Ieの波形例を示す図である。この例では、そのLED駆動電流IeをLED光源列2に流れる電流としているが、LED光源列3に流れる電流としても良い。
【0023】
この図14を見て分かるように、昇圧回路部10は、昇圧出力電圧Vsが高くなりすぎると、昇圧動作を停止する。その停止後は、電圧不足(=電流低下)に至ると、昇圧動作を再開する。この昇圧再開時には不足電圧を短い時間で補おうと動作するため、電流の多くを昇圧動作に引き込んでしまう。その結果、LED駆動電流Ieには繰り返し変動が生じる。
【0024】
その問題について、もう少し詳細に説明する。
例えば、LED光源列2のみを駆動することにより、駆動するLEDの個数減で負荷が軽くなり、必要な電圧レベルが低下すると、一度の昇圧動作(昇圧用FET11のオンからオフまでの一周期の動作)で生成される電圧が相対的に大きくなる。そのため、昇圧動作を繰り返すうちに、LED光源列2のカソード端子電圧Vkが必要以上に上昇してしまう。
【0025】
これにより、昇圧用FET11へのFETドライブ信号はローレベル“L”を保ち続け、一定時間昇圧動作が停止される。この状態が続くと、次第にカソード端子電圧Vkが低下し、昇圧動作が復帰され、このとき昇圧用FET11が動作し出す。しかし、必要な生成電圧は急激には生成できず、結果として昇圧出力電圧VsおよびLED駆動電流Ieに瞬間的な変動が生じる。これが、LED光源列2の光量変動を発生させ、画像のライン毎の変動となり、画像の横スジとなって現れてしまう。
【0026】
そこで、これらの変動をなくすか、あるいは低減するための各実施形態について、以下で説明する。なお、その各実施形態では、2列のLED光源列のうち、1列のLED光源列の駆動あるいは2列のLED光源列の駆動に選択的に切り替える場合を例に挙げて説明する。しかし、3列以上のLED光源列のうち、N(「1」以上)列のLED光源列の駆動あるいはM(「N+1」以上)列のLED光源列の駆動に選択的に切り替えるようにすることもできる。
【0027】
〔第1実施形態〕
まず、この発明の第1実施形態について、図1を参照して具体的に説明する。
図1は、この発明の第1実施形態である光源駆動装置の基本構成の第1例を示す回路図である。
この光源駆動装置は、負荷の大きさに応じて電源昇圧回路を切り替える構成を示しており、負荷である光源41と、光源ドライバ42と、昇圧回路部50とを備えている。
光源41は、複数のLED等の光源からなる。この例では、図12に示した各LED光源列2,3からなるLED光源とする。
【0028】
光源ドライバ42は、光源41を構成する各LED光源列2,3を駆動するものであり、図12の各定電流回路部20,30に相当する機能を備えている。
昇圧回路部50は、電源昇圧回路51,52とスイッチ53,54とを備え、電源昇圧回路51およびスイッチ53の直列回路と、電源昇圧回路52およびスイッチ54の直列回路とを、電源1と光源41との間に並列に接続している。
【0029】
電源昇圧回路51は、電源1からの給電電圧を昇圧して駆動するLED光源列へ供給する昇圧動作を行う昇圧手段であり、電源昇圧回路52より小さな電力(以下「小電力」という)を生成することができる。
電源昇圧回路52は、電源1からの給電電圧を昇圧して駆動するLED光源列へ供給する昇圧動作を行う昇圧手段であり、電源昇圧回路51より大きな電力(以下「大電力」という)を生成することができる。なお、「大電力」は、例えば「小電力」の2倍とする。
【0030】
スイッチ53は、電源昇圧回路51の昇圧動作のオン/オフを行うFET等の電気的なスイッチである。電源昇圧回路51の昇圧動作をオンにする場合、昇圧動作を行う電源昇圧回路として、電源昇圧回路51が選択されることになる。
スイッチ54は、電源昇圧回路52の昇圧動作のオン/オフを行うFET等の電気的なスイッチである。電源昇圧回路52の昇圧動作をオンにする場合、昇圧動作を行う電源昇圧回路として、電源昇圧回路52が選択されることになる。
【0031】
駆動制御信号Sa,Sbは、それぞれ光源41を構成する各LED光源列2,3を駆動させるための信号であり、LED光源列2(1列)のみ駆動させたり、あるいは各LED光源列2,3(2列)の駆動に切り替え、各LED光源列2,3を駆動させることができる。これに応じて、電源昇圧回路51は小電力生成用の回路を、電源昇圧回路52は大電力生成用の回路をそれぞれ構成している。
【0032】
光源ドライバ42がLED光源列2(1列)のみを駆動する場合、後述する外部のタイミングクロック生成部254(図10参照)によって駆動制御信号Sa(例えばハイレベル信号)が昇圧回路部50に入力されるため、スイッチ53のみがオン(スイッチ54はオフ)となる。それによって、電源昇圧回路51が選択され、電源1からの給電電圧によって小さな電力を生成するための昇圧動作を行う。つまり、小電力を生成するために電源昇圧回路が切り替えられることになる。
【0033】
一方、光源ドライバ42がLED光源列2,3(2列)を駆動する場合、外部のタイミングクロック生成部254によって駆動制御信号Sb(例えばハイレベル信号)が昇圧回路部50に入力されるため、スイッチ54のみがオン(スイッチ53はオフ)となる。それによって、電源昇圧回路52が選択され、電源1からの給電電圧によって大きな電力を生成するための昇圧動作を行う。つまり、大電力を生成するために電源昇圧回路が切り替えられることになる。
【0034】
したがって、光源ドライバ42およびスイッチ53,54が、駆動光源切替手段および昇圧切替手段としての機能を果す。
なお、光源が3列以上のLED光源列からなる場合、3組以上の電源昇圧回路およびスイッチを電源と光源との間に並列に接続するとよい。この場合、その各電源昇圧回路は互いに異なる大きさの電力を生成するものとする。
【0035】
この第1実施形態の光源駆動装置によれば、複数のLED光源列のうちの駆動するLED光源列の数を切り替え、その駆動するLED光源列の個数(負荷の大きさ)に応じて電源昇圧回路を1つ又は複数選択する(電源昇圧回路を切り替える)。よって、負荷の大きさに応じた駆動部(実際には昇圧回路部50)の駆動条件(定数)を最適化することになる。したがって、定数に依存した駆動部側からの供給電力の過剰又は不足を回避し、安定した動作を行うことができるため、LED光源の光量変動を防止することができる。
【0036】
〔第2実施形態〕
次に、この発明の第2実施形態について、図2を参照して具体的に説明する。
図2はこの発明の第2実施形態である光源駆動装置の基本構成の第2例を示す回路図であり、図1と対応する部分には同一符号を付している。
【0037】
この光源駆動装置では、電源昇圧回路51,52を電源1と光源41との間に直列に接続することで、スイッチの数を減らした。この場合、電源昇圧回路51,52の同時駆動でLED光源列2,3(2列)駆動時の必要電力が生成できる回路としておく。
LED光源列2(1列)のみ駆動する際には駆動制御信号Saが昇圧回路部50に入力されるため、スイッチ55がオンになり、電源昇圧回路52は動作せず、電源昇圧回路51のみが動作する。
【0038】
一方、光源ドライバ42がLED光源列2,3(2列)を駆動する際には駆動制御信号Saが昇圧回路部50に入力されないため、スイッチ55がオフとなり、電源昇圧回路51,52が同時に動作する。なお、この実施形態では、電源昇圧回路52は、単独で昇圧動作を行うことはないので、電源昇圧回路51と同様の小電力を生成するための昇圧動作を行うようにする。
【0039】
したがって、光源ドライバ42およびスイッチ55が、駆動光源切替手段および昇圧切替手段としての機能を果す。
なお、光源が3列以上のLED光源列からなる場合、3つ以上の電源昇圧回路を電源と光源との間に直列に接続すると共に、昇圧動作のオン/オフの切り替えが必要な電源昇圧回路に並列にスイッチを接続するとよい。この場合、その各電源昇圧回路を全て同じ小電力を生成するものにできる。
【0040】
この第2実施形態の光源駆動装置によれば、実質的に図1に示した第1実施形態の光源駆動装置と同等の機能が得られ、同様の効果を得ることができる。また、各電源昇圧回路のいずれも小電力生成用の回路構成で済み、電源昇圧回路の切り替えに使用するスイッチを電源昇圧回路の個数より少なくて済むので、省スペース化および低コスト化にもつながる。
【0041】
〔第3実施形態〕
次に、この発明の第3実施形態について、図3を参照して具体的に説明する。
図3はこの発明の第3実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第1例を示す回路図であり、図1,図12と対応する部分には同一符号を付している。
この第3実施形態の光源駆動装置は、図1によって説明した第1実施形態の光源駆動装置の応用例であり、昇圧素子切り替え型LED駆動回路を構成している。
【0042】
駆動制御信号Saは、ハイレベル“H”への変化により、OR回路91および電圧レギュレータ(REG)92を介して定電流回路部70のみを駆動させ、LED光源列2のみを駆動させるための信号となる。
駆動制御信号Sbは、ハイレベル“H”への変化により、駆動制御信号Saと同様に定電流回路部70を駆動させると共に、スイッチ93(FET等の電気的なスイッチ)をオンにさせて定電流回路部80へも電圧を供給させ、定電流回路部80も駆動させることにより、LED光源列2,3を駆動させるための信号となる。
【0043】
定電流回路部70では、LED光源列2を流れる電流を電流検出抵抗21が検出して電圧に変換し、オペアンプ22が電圧レギュレータ92の出力電圧(基準電圧)との比較に応じてFET23のゲート端子Gの電圧を制御する。
定電流回路部80では、LED光源列3を流れる電流を電流検出抵抗31が検出して電圧に変換し、オペアンプ32が電圧レギュレータ92の出力電圧との比較に応じてFET33のゲート端子Gの電圧を制御する。
【0044】
電源供給部60内の昇圧素子であるインダクタ(昇圧コイル)61は、図1の電源昇圧回路51内の小電力生成用の回路の一部に、昇圧素子であるインダクタ62は電源昇圧回路52内の大電力生成用の回路の一部にそれぞれ相当する。インダクタ61,62の値(インダクタンス)の関係は、インダクタ61の値<インダクタ62の値となる。
電源供給部60内のトランジスタ63およびFET64を含む駆動回路(インダクタ61を除く)は図1のスイッチ53に、トランジスタ65およびFET66を含む駆動回路(インダクタ62を除く)は図1のスイッチ54にそれぞれ相当し、駆動制御信号Sa,Sbのオン(ハイレベル)/オフ(ローレベル)と連動した動作を行う。
【0045】
この実施形態では、インダクタ61,62のみを切り替え対象とし、その他の昇圧回路を構成する昇圧用FET11,コンパレータ12,最低電圧検知部13,および発振器(OSC)94等は共通使用とする。それによって、省スペース化および低コスト化を図ることができる。
発振器(OSC)94は、コンパレータ12の非反転入力端子(+)に入力される基準信号を生成して出力するものである。
この第3実施形態の光源駆動装置によれば、第1実施形態の光源駆動装置と同様の効果に加え、電源昇圧回路を構成するインダクタの切り替えに使用するスイッチとして汎用の半導体を使用すると共に、複数のインダクタのみを切り替え対象とし、その他の昇圧回路を共通使用することにより、省スペース化および低コスト化を図れるという効果を得ることができる。
【0046】
〔第4実施形態〕
次に、この発明の第4実施形態について、図4を参照して具体的に説明する。
図4はこの発明の第4実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第2例を示す回路図であり、図3と対応する部分には同一符号を付している。
【0047】
この第4実施形態の光源駆動装置は、図2によって説明した第2実施形態の光源駆動装置の応用例であり、昇圧素子切り替え型LED駆動回路を構成している。
電源供給部60内の昇圧素子であるインダクタ61,62は、それぞれ図2の電源昇圧回路51,52内の小電力生成用の回路の一部に相当する。
【0048】
駆動制御信号Saは、LED光源列2(1列)のみを駆動させる際にはハイレベル“H”になるため、図2のスイッチ55に相当する駆動回路を構成するトランジスタ67およびFET68を動作させる。つまり、トランジスタ67をオン状態にさせることにより、FET68もオン状態にさせる。よって、インダクタ62は使用されないため、昇圧レベルが小さくなる。
駆動制御信号Saは、LED光源列2,3(2列)を駆動させる際にはローレベル“L”になり、トランジスタ67およびFET68がオフ状態になるため、インダクタ61,62が同時に使用される。なお、この実施形態では、インダクタ62が単独で使用されることはないので、小電力を生成するための昇圧動作が行われる。この場合、インダクタ61,62の値の関係は、インダクタ61の値=インダクタ62の値となる。
【0049】
この第4実施形態の光源駆動装置によれば、第1実施形態の光源駆動装置と同様の効果を得られる。また、電源供給部内の複数のインダクタのいずれも小電力生成用のもので済み、インダクタの切り替えに使用する駆動回路の部品点数が図3に示した第3実施形態の光源駆動装置よりも少ないため、一層の省スペース化および低コスト化にもつながる。
【0050】
〔第5実施形態〕
次に、この発明の第5実施形態について、図5を参照して具体的に説明する。
図5はこの発明の第5実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第3例を示す回路図であり、図3と同じ部分には同一符号を付している。
この第5実施形態の光源駆動装置は、図3によって説明した第3実施形態の光源駆動装置を構成する各回路の一部へ汎用的なLEDドライバICを適用した例である。
【0051】
LEDドライバIC100は、図3の昇圧用FET11,コンパレータ12,最低電圧検知部13,発振器(OSC)94,OR回路91,電圧レギュレータ(REG)92,スイッチ93,および定電流回路部70,80としての機能を有しているため、その各部と同様の動作を内部で行うことになる。
この第5実施形態の光源駆動装置によれば、汎用の集積回路(汎用IC)を使用することで、第3実施形態の光源駆動装置と同様の効果に加え、更なる省スペース化およぴ高精度化につながるという効果を得ることができる。
【0052】
〔第6実施形態〕
次に、この発明の第6実施形態について、図6を参照して具体的に説明する。
図6はこの発明の第6実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第4例を示す回路図であり、図4と同じ部分には同一符号を付している。
この第6実施形態の光源駆動装置は、図4によって説明した第4実施形態の光源駆動装置を構成する各回路の一部へ汎用的なLEDドライバICを適用した例である。
【0053】
LEDドライバIC100は、図4の昇圧用FET11,コンパレータ12,最低電圧検知部13,発振器(OSC)94,OR回路91,電圧レギュレータ(REG)92,スイッチ93,および定電流回路部70,80としての機能を有しているため、その各部と同様の動作を内部で行うことになる。
この第6実施形態の光源駆動装置によれば、汎用ICを使用することで、第4実施形態の光源駆動装置と同様の効果に加え、更なる省スペース化およぴ高精度化につながるという効果を得ることができる。
【0054】
〔第7実施形態〕
次に、この発明の第7実施形態について、図7を参照して具体的に説明する。
図7はこの発明の第7実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第5例を示す回路図であり、図5,図12と同じ部分には同一符号を付している。
【0055】
この第7実施形態の光源駆動装置は、図6によって説明した第6実施形態の光源駆動装置から、昇圧システムの切り替えを昇圧素子(インダクタ)の切り替えではなくスイッチング周波数の切り替えによって行う場合の構成例を示す昇圧周波数切り替え型LED駆動回路を構成している。
LEDドライバIC110は、図6のLEDドライバIC100と同様の機能に加え、電圧生成部120を構成する外付けのトランジスタ121および抵抗122,123によって生成される電圧を昇圧動作用のスイッチング周波数に変換するV−F変換(電圧−周波数変換)機能を備えている。
【0056】
このLEDドライバIC110は、LED光源列2(1列)のみを駆動する際には駆動制御信号Saのみがハイレベル“H”になるため、トランジスタ121がオンになり、抵抗122,123の並列合成抵抗値に対応する電圧を小電力生成用の昇圧動作に対応するスイッチング周波数(大電力を生成するためのスイッチング周波数より低いスイッチング周波数)に変換する。LED光源列2,3(2列)を駆動する際には駆動制御信号Sbのみがハイレベル“H”になるため、トランジスタ121がオフになり、抵抗123の抵抗値値に対応する電圧を大電力を生成するための昇圧動作に対応するスイッチング周波数に変換する。よって、変換されたスイッチング周波数に対応する昇圧動作が行われることになる。
【0057】
具体的には、以下に示す通りである。
LEDドライバIC110により仕様が異なるが、多くの端子FSWの内部構成および動作は以下の(a)(b)のいずれかに示すようになっている。
(a)FSW端子の内部に定電流源があり、外付け抵抗の値により端子FSWに発生する電圧のレベルが変化する。この電圧レベルは、内部にて更に周波数へ変換(V−F変換)される。つまり、昇圧スイッチング周波数が切り替えられる。
(b)端子FSWの内部に定電圧源があり、外付け抵抗の値により端子FSWから流れ出す電流が変化する。この電流は内部にて更に電圧変換→周波数へ変換される。つまり、昇圧スイッチング周波数が切り替えられる。
【0058】
このように、いずれの場合も、外付け抵抗の値を変化させることで昇圧スイッチング周波数を切り替えることができる。
よって、図7において、駆動制御信号Saのみが“H”になると、端子EN1へのイネーブル信号が“H”になり、LED光源列2(1列)のみが駆動される。また、トランジスタ121がオンになるため、端子FSW端子に接続される抵抗の値は抵抗122,123の並列合成抵抗値となる。
【0059】
一方、駆動制御信号Sbのみが“H”になると、端子EN2へのイネーブル信号が“H”になり、LED光源列2,3(2列)が駆動される。また、トランジスタ121がオフなるため、端子FSWに接続される抵抗の値は抵抗123の抵抗値となる。
以上より、駆動信号Sa,Sbに応じて(駆動する負荷の大きさに応じて)昇圧スイッチング周波数を切り替えることが可能となり、そのスイッチング周波数に対応する昇圧動作が行われることになる。
【0060】
ここで、昇圧動作に対応するスイッチング周波数を下げることで瞬間的な電圧上昇幅を抑えることができ、常時安定した昇圧動作を継続することができる。なお、電圧上昇幅が大きいと、LEDドライバIC110内の定電流回路部に印加される電圧が瞬間的に上昇し、スイッチのオン抵抗変化、電流の変化が生じ、光量不安定性へとつながる。
【0061】
この第7実施形態の光源駆動装置によれば、複数のLED光源列のうちの駆動するLED光源例の数を切り替え、その駆動するLED光源列の個数(負荷の大きさ)に応じてスイッチング周波数を変化させる。よって、インダクタが1つで済み、FETを使用せずに済むので、第6実施形態の光源駆動装置と同様の効果に加え、更なる省スペース化につながるという効果を得ることができる。
【0062】
〔第8実施形態〕
次に、この発明の第8実施形態について、図8を参照して具体的に説明する。
図8はこの発明の第8実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第6例を示す回路図であり、図7と対応する部分には同一符号を付している。
この第8実施形態の光源駆動装置は、図7によって説明した第7実施形態の光源駆動装置と電圧生成部120の内部構成が異なるだけである。
【0063】
LEDドライバIC110は、LED光源列2(1列)のみを駆動する際には駆動制御信号Saのみがハイレベル“H”になるため、トランジスタ121がオフになり、抵抗124,125の直列合成抵抗値に対応する電圧を小電力を生成するための昇圧動作に対応するスイッチング周波数(大電力を生成するためのスイッチング周波数より低いスイッチング周波数)に変換する。LED光源列2,3(2列)を駆動する際には駆動制御信号Sbのみがハイレベル“H”になるため、トランジスタ121がオンになり、抵抗124の抵抗値値に対応する電圧を大電力を生成するための昇圧動作に対応するスイッチング周波数に変換する。よって、変換されたスイッチング周波数に対応する昇圧動作が行われることになる。
この第8実施形態の光源駆動装置によれば、第7実施形態の光源駆動装置と同様の効果を得ることができる。
【0064】
以上の第1〜第8実施形態では、LED光源列(負荷)の使用電力(負荷の大きさ)に応じて駆動条件を切り替えるシステムを構築することで、負荷の大きさに応じた最適動作を実現する機構を備えた。これにより、大きな負荷変動に対しても電圧あるいは電流変化を最小限に抑えられる特徴を持つ。以下の第9,第10実施形態では、その特徴を画像処理装置である画像読取装置および画像形成装置に適用した例について述べる。なお、画像処理装置とは、光源駆動装置によるLED光源列からの照射光によって被写体である原稿の画像面を照明し、その画像面からの反射光をCCD(他のイメージセンサでもよい)で受光して画像信号に変換し、画像処理を行うものである。
【0065】
〔第9実施形態〕
次に、この発明の第9実施形態について、図9,図10を参照して具体的に説明する。
図9はこの発明の第9実施形態である画像読取装置の機構部の構成例を示す全体構成図であり、図1,図2に対応する部分(光源41)に同一符号を付している。
【0066】
この画像読取装置は、デジタル複写機,デジタル複合機,ファクシミリ装置等の画像形成装置に搭載されるスキャナ装置あるいは単体のスキャナ装置であり、光源駆動部(図1〜図8のいずれかに示した光源駆動装置に相当する)および画像信号処理部を備えている。そして、光源駆動部による光源(LED光源)からの照射光によって被写体である原稿を照明し、その原稿からの反射光をCCDで受光し、A/D変換部で画像信号に変換して画像処理を行い、原稿の画像データを読み取ることができる。A/D変換部で変換された画像信号はアナログ信号なので、デジタル信号に変換される。
【0067】
この画像読取装置200は、図9に示すように、原稿を載置するコンタクトガラス201と、原稿露光用の光源41(図1〜図8のいずれかに示したLED光源列2,3からなるLED光源に相当する)および第1反射ミラー203からなる第1キャリッジ206と、第2反射ミラー204および第3反射ミラー205からなる第2キャリッジ207とを備えている。また、CCDリニアイメージセンサ(以下単に「CCD」という)209と、CCD209に結像するためのレンズユニット208と、読み取り光学系等による各種の歪みを補正するための白基準板210と、シートスルー読み取り用スリット211も備えている。
【0068】
この画像読取装置200の上部には、自動原稿給送手段である自動原稿給送装置(以下「ADF」と略称する)220が搭載されており、このADF220をコンタクトガラス201に対して開閉できるように、図示しないヒンジ等を介して連結している。
ADF220は、複数枚の原稿からなる原稿束を載置可能な原稿載置台としての原稿トレイ221を備えている。また、原稿トレイ221に載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離してシートスルー読み取り用スリット211へ向けて自動給送する給送ローラ222を含む分離・給送手段も備えている。
【0069】
このように構成された画像読取装置200において、原稿の画像面をスキャン(走査)して原稿の画像を読み取るスキャンモード時には、次のような読み取り動作が行われる。
すなわち、第1キャリッジ206および第2キャリッジ207が、図示しないステッピングモータによって光路長が変わらないように異なる速度で矢示A方向(副走査方向)に移動する。
【0070】
同時に、コンタクトガラス201上にセットされた原稿の下面である画像面が第1キャリッジ206の光源41(LED光源列2,3からなるLED光源)によって照明(露光)される。すると、その画像面からの反射光像が第1キャリッジ206の第1反射ミラー203,第2キャリッジ207の第2反射ミラー204および第3反射ミラー205,およびレンズユニット208を介してCCD209へ順次送られ、原稿の画像読み取りが行われる。
【0071】
一方、原稿を自動給送して原稿の画像を読み取るシートスルーモード時には、次のような読み取り動作が行われる。
すなわち、第1キャリッジ206および第2キャリッジ207が、シートスルー読み取り用スリット211の下側へ移動した後、原稿トレイ221に載置された原稿が給送ローラ222によって矢示B方向(副走査方向)へ自動給送される。
【0072】
そして、シートスルー読み取り用スリット211の位置において、自動給送される原稿の下面(画像面)が第1キャリッジ206の光源41によって照明されるため、その画像面からの反射光像が第1キャリッジ206の第1反射ミラー203,第2キャリッジ207の第2反射ミラー204および第3反射ミラー205,およびレンズユニット208を介してCCD209へ順次送られ、原稿の画像読み取りが行われる。その読み取りが完了した原稿は、図示しない排出口に排出される。
【0073】
なお、スキャンモード時又はシートスルーモード時の画像読み取り前に開始された光源41による照明により、白基準板210の画像が読み取られ、その読み取り結果に基づいて画像読み取り時のシェーディング補正が行われる。このシェーディング補正は公知技術なので、その内容の詳細な説明は省略する。
また、ADF220に搬送ベルトを備えている場合には、スキャンモードであっても、ADF220によって原稿をコンタクトガラス201上の読み取り位置に自動給送して、その原稿の画像を読み取ることができる。
【0074】
図10は、図9に示した画像読取装置200の画像信号処理部の一部の構成例を示すブロック図である。
この画像信号処理部250において、図10に示すように、CCD209で光電変換されたアナログ画像信号は、アナログ処理回路部251へ出力される。
アナログ処理回路部251は、CCD209から入力されるアナログ画像信号に対して、サンプルホールド処理、黒レベル補正などの各種画像処理を施した後、A/D変換回路部252へ出力する。
【0075】
A/D変換回路部252は、アナログ処理回路部251から入力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号(画像データ)へ変換し、更にLVDSインタフェース253を介して後段の画像信号処理部へ出力する。
画像読取装置200内のCCD209,アナログ処理回路部251,A/D変換回路部252,LVDSインタフェース253,および図示しないステッピングモータや光源駆動装置へ入力する各種タイミングクロック信号は、タイミングクロック生成部254が発振器255からの基準クロックに基づいて生成し、供給するようにしている。
【0076】
第9実施形態の画像読取装置によれば、第1〜第8実施形態のいずれかの光源駆動装置を備え、その光源駆動装置による複数のLED光源からの照射光によって原稿を照明し、その原稿からの反射光を受光し、画像信号に変換して画像処理を行うことで、原稿の画像データを読み取ることにより、次のような効果を得ることができる。つまり、光源41(LED光源)の光量変動を防止できるため、読み取り画像(処理画像)の光量変動による画質低下を回避することができる。つまり、読み取り画像の高画質化を実現することができる。
【0077】
〔第10実施形態〕
次に、この発明の第10実施形態について、図11を参照して具体的に説明する。
図11は、この発明の第10実施形態である画像形成装置の機構部の構成例を示す全体構成図であり、図9と同じ部分には同一符号を付している。
この画像形成装置300は、図9に示した画像読取装置200(図1〜図8のいずれかに示した光源駆動装置に相当する光源駆動部を含む)を搭載したデジタル複写機である。
【0078】
この画像形成装置300は、図11に示すように、原稿を載置するコンタクトガラス201の上部にADF400が設けられており、このADF400をコンタクトガラス201に対して開閉できるように、図示しないヒンジ等を介して連結している。
ADF400は、複数の原稿からなる原稿束を載置可能な原稿載置台としての原稿トレイ401を備えている。また、図示しない操作部上のプリントキーの押下により、原稿トレイ401に画像面を上にして載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して自動給送し、シートスルー読み取り用スリット211又はコンタクトガラス201へ向けて搬送する給送ローラ402および搬送ベルト403を含む分離・給送手段も備えている。
【0079】
給送ローラ402又は搬送ベルト403によって給送された原稿は、図9によって説明したように画像読み取りが行われた後、搬送ベルト403および排送ローラ404によってADF400の上面に排出される。
ここで、ADF400によって原稿をコンタクトガラス201の読み取り位置に搬送する場合の図示しないコントローラおよびADF400の動作について説明する。
【0080】
ADF400の給送モータはコントローラからの出力信号によって駆動されるようになっており、コントローラは、操作部上のプリントキーの押下によって発生した給送スタート信号が入力されると、給送モータを正・逆転駆動するようになっている。給送モータが正転駆動されると、給送ローラ402が時計方向に回転して原稿束から最上位に位置する原稿が自動給送され、シートスルー読み取り用スリット211又はコンタクトガラス201へ向けて搬送される。この原稿の先端が原稿セット検知センサ405によって検知されると、コントローラは原稿セット検知センサ405からの出力信号に基づいて給送モータを逆転駆動させる。これにより、後続する原稿が進入するのを防止して分離されないようになっている。
【0081】
コントローラはまた、原稿セット検知センサ405が原稿の後端を検知したとき、この検知時点からの図示しない搬送ベルトモータの回転パルスを計数し、回転パルスが所定値に達したときに、搬送ベルト403の駆動を停止して搬送ベルト403を停止することにより、原稿をコンタクトガラス201上の読み取り位置に停止させる。更に、原稿セット検知センサ405によって原稿の後端が検知された時点で、給送モータを再び駆動して、後続する原稿を上述したように分離して自動給送させる。そして、コンタクトガラス201に向けて搬送させ、この原稿が原稿セット検知センサ405によって検知された時点からの給送モータのパルスが所定パルスに到達したときに、給送モータを停止させて次の原稿を先出し待機させる。
【0082】
そして、原稿がコンタクトガラス201上の読み取り位置に停止したとき、原稿の画像読み取りが行なわれる。この画像読み取りが終了すると、その旨を示す信号がコントローラに入力されるため、コントローラは、この信号により、搬送ベルトモータを正転駆動して、搬送ベルト403によって原稿をコンタクトガラス201から排送ローラ404へ向けて搬出させる。
【0083】
このように、ADF400にある原稿トレイ401に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、プリントキーの押下によって一番上の原稿から自動給送され、例えばコンタクトガラス201上の読み取り位置に搬送される。
その読み取り位置に搬送されて停止した原稿は、画像の読み取り後、搬送ベルト403等によって排出口から排出される。更に、原稿トレイ401に次の原稿が有ることが検知された場合、前の原稿と同様に次の原稿が自動給送され、コンタクトガラス201上に搬送される。
【0084】
給紙トレイである第1トレイ301,第2トレイ302,第3トレイ303に積載された転写紙(用紙)は、各々第1給紙ユニット311,第2給紙ユニット312,第3給紙ユニット313によって給紙され、縦搬送ユニット314によって像担持体であるドラム状の感光体(感光体ドラム)315に当接する位置まで搬送される。なお、実際には各トレイ301〜303のうちのいずれか1つが選択され、そこから転写紙が給紙される。また、転写紙以外の記録媒体を使用することもできる。
【0085】
一方、画像読取装置200によって読み取った画像データは、画像形成手段であるプリンタ内の書き込みユニット350からのレーザ光により、図示しない帯電ユニットにより予め帯電された感光体315の表面に書き込まれて(その表面が露光されて)、その部分が現像ユニット327を通過することにより、そこにトナー画像が形成される。その作像を行う現像ユニット327および帯電ユニット等が作像手段を構成する。
選択された給紙トレイから給紙された転写紙は、感光体315の回転と等速で搬送ベルト316によって搬送されながら、感光体315上のトナー画像が転写される。更に、定着ユニット317にてトナー画像を定着され、排紙ユニット318によって機外の排紙トレイ319に排紙される。
【0086】
このとき、例えばフェースダウン(転写紙をページ順に揃えるため画像面を下向きにする)排紙のために、一方の面にトナー画像が形成された転写紙を反転したい場合、その転写紙は排紙ユニット318により両面入紙搬送路320に搬送され、反転ユニット321でスイッチバック反転された後、反転排紙搬送路322を通って排紙トレイ319に排出される。
【0087】
また、転写紙の両面に画像を形成する場合には、一方の面に画像が形成された転写紙は排紙ユニット318により両面入紙搬送路320に搬送され、反転ユニット321でスイッチバック反転された後、両面搬送ユニット323に送られる。
両面搬送ユニット323に送られた転写紙は、再び感光体315に作像されたトナー画像を転写するために、両面搬送ユニット323から再給紙され、再度縦搬送ユニット314によって感光体315に当接する位置まで搬送されて、他方の面にトナー画像が転写された後、定着ユニット317によってトナー画像が定着され、排紙ユニット318によって排紙トレイ319に排出される。
【0088】
感光体315、搬送ベルト316、定着ユニット317、排紙ユニット318、現像ユニット327は図示しないメインモータによって駆動され、各給紙ユニット311〜313はメインモータの駆動力が各々給紙クラッチによって伝達されて駆動される。縦搬送ユニット314は、そのメインモータの駆動力が中間クラッチを介して伝達されて駆動される。
【0089】
書き込みユニット350は、レーザ出力ユニット351,結像レンズ352,ミラー353で構成され、レーザ出力ユニット351の内部には、レーザ光源であるレーザダイオードと、レーザ光を走査する回転多面鏡(ポリゴンミラー)又は振動ミラーを備えている。レーザ出力ユニット351より照射されるレーザ光は、ポリゴンミラー又は振動ミラーで偏向され、結像レンズ352を通り、ミラー353で折り返されて感光体315の表面上に集光結像する。
【0090】
第10実施形態の画像形成装置(デジタル複写機)によれば、第9実施形態の画像読取装置を備え、その画像読取装置によって読み取った画像データに基づいて記録媒体上に画像形成を行うことにより、形成画像の画質低下を回避することができる。つまり、形成画像の高画質化を実現することができる。
【0091】
第10実施形態は、この発明をデジタル複写機に適用したものであるが、この発明はこれに限らず、アナログ複写機には勿論、デジタル複合機やファクシミリ装置等の他の画像形成装置にも適用し得るものである。なお、デジタル複写機のようなデジタル式画像形成装置の場合には、光源駆動装置を含む画像読取装置と、それによって読み取った画像データに基づいて記録媒体上に画像形成を行う画像形成手段とを備えている。しかし、アナログ複写機のようなアナログ式画像形成装置の場合には、画像読取装置を備えておらず、光源駆動装置によるLED光源からの照射光によって原稿(被写体)を照明し、その原稿からの反射光により予め帯電された像担持体上を露光して作像する作像手段を備えている。
また、この発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0092】
1:電源 2,3:LED光源列 11:昇圧用FET 12:コンパレータ
13:最低電圧検知部 14,61,62:インダクタ 15:ダイオード
16:コンデンサ 21,31:電流検出抵抗 22,32:オペアンプ
23,33,64,66,68:FET(電界効果型トランジスタ)
41:光源(LED光源) 42:光源ドライバ 50:昇圧回路部
51,52:電源昇圧回路 53〜55,93:スイッチ 60:電源供給部
63,65,67,121:トランジスタ 70,80:定電流回路部
91:OR回路 92:電圧レギュレータ(REG) 94:発振器(OSC)
100,110:LEDドライバIC 120:電圧生成部 122〜125:抵抗
200:画像読取装置 209:CCD 220,400:ADF
251:アナログ処理回路部 252:A/D変換回路部
253:LVDSインタフェース 300:画像形成装置 315:感光体
317:定着ユニット 327:現像ユニット 350:書き込みユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2008−187816号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の光源を駆動する光源駆動装置、それを備えた画像処理装置、上記光源駆動装置又は画像処理装置を備えた画像読取装置(デジタル複写機,デジタル複合機,ファクシミリ装置等の画像形成装置に搭載されるスキャナ装置等の画像読取装置あるいは単体のスキャナ装置等の画像読取装置)、および上記光源駆動装置,画像処理装置,又は上記画像読取装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スキャナ装置の光源として、複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を使用したLED光源がある。LEDは、半導体部品であることから、発光効率や応答性に優れている。また、低消費電力で大きな光量が得られる。更に、点灯直後の光量安定ウェイト時間がほぼ不要であるなどのメリットを持つ。
このようなLEDを複数使用したLED光源は、スキャナ装置が幅の短い被写体である原稿の画像(以下単に「原稿」ともいう)を読み取る際や、その原稿のサイズを検知する際に、LEDの駆動電流や点灯個数の変化を伴うケースが存在する。
【0003】
しかし、上述のようなケースの場合、幅の長い原稿の画像を読み取るために駆動部がLED光源の全LEDをフル点灯する場合に比べ、駆動部側からLED光源への供給電力に差異が生じるため、駆動部側の定数によっては、以下の(a)(b)に示すような問題が発生し、結果として読み取り画像が光量変動による画質低下となって現れるという懸念がある。
(a)電力の過剰生成(電圧の過昇圧)
駆動部が電力生成動作(主に昇圧動作)の停止・駆動を繰り返すことにより、電力供給が不安定になる。
(b)電力の供給不足
負荷である複数のLEDを並列に分散し、駆動部が昇圧動作を伴わない構成であれば、上記のような問題は発生しないが、予め大きなマージンを持たせた電力供給が必要なため、消費電力が大きくなってしまうという問題がある。
【0004】
そこで、その問題を解消するため、特許文献1に開示されている技術を利用することが考えられる。
特許文献1には、消費電力低減および動作安定性向上を目的として、電池電圧が所定電圧よりも高い場合には、負荷にダミー負荷を直列に接続し、電池電圧が所定電圧以下である場合には、ダミー負荷をショートする切替部を設ける構成について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、負荷を切り替える構成であるため、上述したように、電力供給が不安定となり、動作が不安定になるという問題は解消できていない。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、光源駆動装置において、定数に依存した駆動部側からの供給電力の過剰又は不足を回避し、安定した動作を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の目的を達成するため、以下に示す光源駆動装置、画像処理装置、画像読取装置、および画像形成装置を提供する。
この発明による光源駆動装置は、複数の光源を駆動する光源駆動装置であって、上記複数の光源のうちの駆動する光源の数を切り替える駆動光源切替手段と、電源からの給電電圧を昇圧して上記駆動する光源へ供給する昇圧手段と、それによって昇圧された電圧が印加される光源の駆動電流を定常的に一定にする定電流駆動手段と、上記駆動する光源の数に応じて上記昇圧手段を切り替える昇圧切替手段とを設けたものである。
【0007】
この発明による画像処理装置は、上記の光源駆動装置を備え、それによる上記複数の光源からの照射光によって被写体を照明し、その被写体からの反射光を受光し、画像信号に変換して画像処理を行うものである。
この発明による画像読取装置は、上記の画像処理装置に相当し、上記画像処理によって上記被写体の画像データを読み取るものである。
【0008】
この発明による画像形成装置は、上記の画像読取装置と、それによって読み取った画像データに基づいて記録媒体上に画像形成を行う画像形成手段とを備えるか、上記の光源駆動装置と、それによる上記複数の光源からの照射光によって被写体を照明し、その上記被写体からの反射光により予め帯電された像担持体上を露光して作像する作像手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の光源駆動装置によれば、複数の光源のうちの駆動する光源の数を切り替え、その駆動する光源の数(負荷の大きさ)に応じて昇圧手段(電源からの給電電圧を昇圧して上記駆動する光源へ供給する手段)を切り替える。つまり、負荷の大きさに応じた駆動部(実際には昇圧手段)の最適定数を選択する。よって、定数に依存した駆動部側からの供給電力の過剰又は不足を回避し、安定した動作を行うことができるため、光源の光量変動を防止することができる。
この発明の画像処理装置によれば、処理画像の高画質化を実現することができる。
この発明の画像読取装置によれば、読み取り画像の高画質化を実現することができる。
この発明の画像形成装置によれば、形成画像の高画質化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の第1実施形態である光源駆動装置の基本構成の第1例を示す回路図である。
【図2】この発明の第2実施形態である光源駆動装置の基本構成の第2例を示す回路図である。
【図3】この発明の第3実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第1例を示す回路図である。
【図4】この発明の第4実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第2例を示す回路図である。
【図5】この発明の第5実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第3例を示す回路図である。
【0011】
【図6】この発明の第6実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第4例を示す回路図である。
【図7】この発明の第7実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第5例を示す回路図である。
【図8】この発明の第8実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第6例を示す回路図である。
【図9】この発明の第9実施形態である画像読取装置の機構部の構成例を示す全体構成図である。
【図10】図9に示した画像読取装置200の画像信号処理部の一部の構成例を示すブロック図である。
【0012】
【図11】この発明の第10実施形態である画像形成装置の機構部の構成例を示す全体構成図である。
【図12】従来の光源駆動装置の構成例を示す回路図である。
【図13】図12の昇圧用FET11のスイッチング動作の波形例を示す図である。
【図14】図12の昇圧回路部10の昇圧出力電圧とLED光源列2に流れる電流Ieの波形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。なお、この実施形態では、光源としてLED(LED光源)を用いるが、他の光源を用いることもできる。
以下の実施形態では、光源駆動装置が、LEDの駆動電流や点灯個数の変化を伴うLED光源の駆動に際して、以下の特徴を有する。
【0014】
すなわち、駆動部の最適定数の選択機能を備えることで、負荷が大きく変化した場合でも常に最適な動作が可能となる機構を備えた。これにより、定数に依存した駆動部側からの供給電力の過剰あるいは不足がなくなり、安定した動作が可能となるため、読み取り画像への影響(ライン毎の光量変動等)をなくすことが可能となる。
そこで、その特徴について図1〜図11を参照して具体的に説明するが、その説明に入る前に、理解の便宜のため、従来の光源駆動装置の問題点について、図12〜図14を参照して説明する。
【0015】
図12は、従来の光源駆動装置の構成例を示す回路図である。
この光源駆動装置は、一般的な昇圧型定電流LED駆動回路によって構成されている。この例では、光源(LED光源)として、2列のLED光源列を用いている。
この光源駆動装置では、電源1からの給電電圧(入力電圧)を昇圧回路部10によって昇圧(入力電圧<昇圧出力電圧)し、各LED光源列(負荷)2,3へ供給することにより、そのLED光源列2,3を点灯させることができる。
【0016】
昇圧回路部10は、上記の昇圧を行う昇圧手段であり、昇圧用の電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)11、コンパレータ12、最低電圧検知部(Lowest Voltage Detector)13、インダクタ(昇圧コイル)14、ダイオード15、およびコンデンサ16を備えている。
定電流回路部20は、昇圧回路部10によって昇圧された電圧が印加されるLED光源列2の駆動電流を定常的に一定にする定電流駆動手段であり、電流検出抵抗21、オペアンプ22、FET23、および電源24を備えている。
定電流回路部30は、昇圧回路部10によって昇圧された電圧が印加されるLED光源列3の駆動電流を定常的に一定にする定電流駆動手段であり、電流検出抵抗31、オペアンプ32、FET33,および電源34を備えている。
【0017】
この各定電流回路部20,30では、LED光源列2,3毎に電流がシンクされ(吸い込まれ)、各LED光源列2,3に一定の電流を流すことで光量の安定性を保つ。
定電流回路部20では、LED光源列2を流れる電流を電流検出抵抗21が検出して電圧に変換し、オペアンプ22が電源24の基準電圧との比較に応じてFET23のゲート端子Gの電圧を制御する。これにより、LED光源列2には、基準電圧により予め決められた一定の電流が流れることとなる。
定電流回路部30では、LED光源列3を流れる電流を電流検出抵抗31が検出して電圧に変換し、オペアンプ32が電源34の基準電圧との比較に応じてFET33のゲート端子Gの電圧を制御する。これにより、LED光源列3には、基準電圧により予め決められた一定の電流が流れることとなる。
【0018】
一方、LED光源列2,3に規定の電流をシンクし続けるためには、各LED光源列2,3に一定以上の電圧を供給し続ける必要があり、これはカソード端子側の電圧をモニタし、フィードバックすることで達成される。
昇圧電圧は、一般的なパルス幅変調(Pulse-Width Modulation:PWM)信号発生器によって昇圧用FET11を駆動(オン/オフ)することで得られる。そのPWM信号発生器は、図12の例では、コンパレータ12および最低電圧検知部(Lowest Voltage Detector)13によって構成している。
【0019】
よって、各LED光源列2,3のカソード端子電圧のうち、最も低い電圧(=列のLED順方向電圧が最も大きい列の電圧)を最低電圧検知部13により検知してピックアップし、アナログ電圧としてフィードバックする。
コンパレータ12では、一方の入力端子である反転入力端子(−)に入力される最低電圧検知部13からのアナログ電圧と、他方の入力端子である非反転入力端子(+)に入力される基準となる周期信号である基準信号(例えば「のこぎり波」又は「三角波」を示す信号)の電圧(基準電圧)とを比較して、その比較結果を示す信号をFETドライブ信号として出力し、昇圧用FET11のゲート端子Gへ入力する。
【0020】
コンパレータ12から出力されるFETドライブ信号は、アナログ電圧が基準電圧より低い場合にはハイレベル“H”に、高い場合にはローレベル“L”にそれぞれなる。よって、アナログ電圧が下がってくるとハイレベル“H”が広く、上がってくると狭い信号となり、そのデューティ比によって昇圧用FET11のオン/オフのタイミングが制御される。
昇圧用FET11は、オンの間、電源1−インダクタ14−グランド(GND)間のショート経路が成立するため、流れる電流が上昇し続け、インダクタ14へ電流をエネルギーとして溜め続ける。一方、昇圧用FET11がオフになった際に発生する電圧は、その電流エネルギーに比例する。
【0021】
よって、アナログ電圧が低下してくると、コンパレータ12から出力されるFETドライブ信号のデューティ比が増加し、インダクタ14のエネルギーが増加するため、昇圧電圧のレベルが大きくなり、昇圧電圧の一定化が実現される。
以上により、各LED光源列2,3を駆動するための定電圧化、定電流化が実現される。しかし、画像読取装置や画像形成装置を構成するLED光源の場合、読み取る原稿サイズや駆動する電流の変化などにより、負荷が大きく変動し、必要な昇圧電圧レベルが変動するケースが存在する。このとき、駆動条件が最適値から外れ、電圧および電流の不均一性が生じる可能性がある。
【0022】
図13は図12の昇圧用FET11のスイッチング動作の波形例を示す図である。
この昇圧用FET11のスイッチング動作の波形Vmは、昇圧用FET11のドレインDへの入力電圧の波形を示している。昇圧動作時は、上記スイッチング動作により、電源1の電圧レベルとGNDレベルをスイングしている。
図14は、図12の昇圧回路部10の昇圧出力電圧とLED光源列2に流れる電流(LED駆動電流)Ieの波形例を示す図である。この例では、そのLED駆動電流IeをLED光源列2に流れる電流としているが、LED光源列3に流れる電流としても良い。
【0023】
この図14を見て分かるように、昇圧回路部10は、昇圧出力電圧Vsが高くなりすぎると、昇圧動作を停止する。その停止後は、電圧不足(=電流低下)に至ると、昇圧動作を再開する。この昇圧再開時には不足電圧を短い時間で補おうと動作するため、電流の多くを昇圧動作に引き込んでしまう。その結果、LED駆動電流Ieには繰り返し変動が生じる。
【0024】
その問題について、もう少し詳細に説明する。
例えば、LED光源列2のみを駆動することにより、駆動するLEDの個数減で負荷が軽くなり、必要な電圧レベルが低下すると、一度の昇圧動作(昇圧用FET11のオンからオフまでの一周期の動作)で生成される電圧が相対的に大きくなる。そのため、昇圧動作を繰り返すうちに、LED光源列2のカソード端子電圧Vkが必要以上に上昇してしまう。
【0025】
これにより、昇圧用FET11へのFETドライブ信号はローレベル“L”を保ち続け、一定時間昇圧動作が停止される。この状態が続くと、次第にカソード端子電圧Vkが低下し、昇圧動作が復帰され、このとき昇圧用FET11が動作し出す。しかし、必要な生成電圧は急激には生成できず、結果として昇圧出力電圧VsおよびLED駆動電流Ieに瞬間的な変動が生じる。これが、LED光源列2の光量変動を発生させ、画像のライン毎の変動となり、画像の横スジとなって現れてしまう。
【0026】
そこで、これらの変動をなくすか、あるいは低減するための各実施形態について、以下で説明する。なお、その各実施形態では、2列のLED光源列のうち、1列のLED光源列の駆動あるいは2列のLED光源列の駆動に選択的に切り替える場合を例に挙げて説明する。しかし、3列以上のLED光源列のうち、N(「1」以上)列のLED光源列の駆動あるいはM(「N+1」以上)列のLED光源列の駆動に選択的に切り替えるようにすることもできる。
【0027】
〔第1実施形態〕
まず、この発明の第1実施形態について、図1を参照して具体的に説明する。
図1は、この発明の第1実施形態である光源駆動装置の基本構成の第1例を示す回路図である。
この光源駆動装置は、負荷の大きさに応じて電源昇圧回路を切り替える構成を示しており、負荷である光源41と、光源ドライバ42と、昇圧回路部50とを備えている。
光源41は、複数のLED等の光源からなる。この例では、図12に示した各LED光源列2,3からなるLED光源とする。
【0028】
光源ドライバ42は、光源41を構成する各LED光源列2,3を駆動するものであり、図12の各定電流回路部20,30に相当する機能を備えている。
昇圧回路部50は、電源昇圧回路51,52とスイッチ53,54とを備え、電源昇圧回路51およびスイッチ53の直列回路と、電源昇圧回路52およびスイッチ54の直列回路とを、電源1と光源41との間に並列に接続している。
【0029】
電源昇圧回路51は、電源1からの給電電圧を昇圧して駆動するLED光源列へ供給する昇圧動作を行う昇圧手段であり、電源昇圧回路52より小さな電力(以下「小電力」という)を生成することができる。
電源昇圧回路52は、電源1からの給電電圧を昇圧して駆動するLED光源列へ供給する昇圧動作を行う昇圧手段であり、電源昇圧回路51より大きな電力(以下「大電力」という)を生成することができる。なお、「大電力」は、例えば「小電力」の2倍とする。
【0030】
スイッチ53は、電源昇圧回路51の昇圧動作のオン/オフを行うFET等の電気的なスイッチである。電源昇圧回路51の昇圧動作をオンにする場合、昇圧動作を行う電源昇圧回路として、電源昇圧回路51が選択されることになる。
スイッチ54は、電源昇圧回路52の昇圧動作のオン/オフを行うFET等の電気的なスイッチである。電源昇圧回路52の昇圧動作をオンにする場合、昇圧動作を行う電源昇圧回路として、電源昇圧回路52が選択されることになる。
【0031】
駆動制御信号Sa,Sbは、それぞれ光源41を構成する各LED光源列2,3を駆動させるための信号であり、LED光源列2(1列)のみ駆動させたり、あるいは各LED光源列2,3(2列)の駆動に切り替え、各LED光源列2,3を駆動させることができる。これに応じて、電源昇圧回路51は小電力生成用の回路を、電源昇圧回路52は大電力生成用の回路をそれぞれ構成している。
【0032】
光源ドライバ42がLED光源列2(1列)のみを駆動する場合、後述する外部のタイミングクロック生成部254(図10参照)によって駆動制御信号Sa(例えばハイレベル信号)が昇圧回路部50に入力されるため、スイッチ53のみがオン(スイッチ54はオフ)となる。それによって、電源昇圧回路51が選択され、電源1からの給電電圧によって小さな電力を生成するための昇圧動作を行う。つまり、小電力を生成するために電源昇圧回路が切り替えられることになる。
【0033】
一方、光源ドライバ42がLED光源列2,3(2列)を駆動する場合、外部のタイミングクロック生成部254によって駆動制御信号Sb(例えばハイレベル信号)が昇圧回路部50に入力されるため、スイッチ54のみがオン(スイッチ53はオフ)となる。それによって、電源昇圧回路52が選択され、電源1からの給電電圧によって大きな電力を生成するための昇圧動作を行う。つまり、大電力を生成するために電源昇圧回路が切り替えられることになる。
【0034】
したがって、光源ドライバ42およびスイッチ53,54が、駆動光源切替手段および昇圧切替手段としての機能を果す。
なお、光源が3列以上のLED光源列からなる場合、3組以上の電源昇圧回路およびスイッチを電源と光源との間に並列に接続するとよい。この場合、その各電源昇圧回路は互いに異なる大きさの電力を生成するものとする。
【0035】
この第1実施形態の光源駆動装置によれば、複数のLED光源列のうちの駆動するLED光源列の数を切り替え、その駆動するLED光源列の個数(負荷の大きさ)に応じて電源昇圧回路を1つ又は複数選択する(電源昇圧回路を切り替える)。よって、負荷の大きさに応じた駆動部(実際には昇圧回路部50)の駆動条件(定数)を最適化することになる。したがって、定数に依存した駆動部側からの供給電力の過剰又は不足を回避し、安定した動作を行うことができるため、LED光源の光量変動を防止することができる。
【0036】
〔第2実施形態〕
次に、この発明の第2実施形態について、図2を参照して具体的に説明する。
図2はこの発明の第2実施形態である光源駆動装置の基本構成の第2例を示す回路図であり、図1と対応する部分には同一符号を付している。
【0037】
この光源駆動装置では、電源昇圧回路51,52を電源1と光源41との間に直列に接続することで、スイッチの数を減らした。この場合、電源昇圧回路51,52の同時駆動でLED光源列2,3(2列)駆動時の必要電力が生成できる回路としておく。
LED光源列2(1列)のみ駆動する際には駆動制御信号Saが昇圧回路部50に入力されるため、スイッチ55がオンになり、電源昇圧回路52は動作せず、電源昇圧回路51のみが動作する。
【0038】
一方、光源ドライバ42がLED光源列2,3(2列)を駆動する際には駆動制御信号Saが昇圧回路部50に入力されないため、スイッチ55がオフとなり、電源昇圧回路51,52が同時に動作する。なお、この実施形態では、電源昇圧回路52は、単独で昇圧動作を行うことはないので、電源昇圧回路51と同様の小電力を生成するための昇圧動作を行うようにする。
【0039】
したがって、光源ドライバ42およびスイッチ55が、駆動光源切替手段および昇圧切替手段としての機能を果す。
なお、光源が3列以上のLED光源列からなる場合、3つ以上の電源昇圧回路を電源と光源との間に直列に接続すると共に、昇圧動作のオン/オフの切り替えが必要な電源昇圧回路に並列にスイッチを接続するとよい。この場合、その各電源昇圧回路を全て同じ小電力を生成するものにできる。
【0040】
この第2実施形態の光源駆動装置によれば、実質的に図1に示した第1実施形態の光源駆動装置と同等の機能が得られ、同様の効果を得ることができる。また、各電源昇圧回路のいずれも小電力生成用の回路構成で済み、電源昇圧回路の切り替えに使用するスイッチを電源昇圧回路の個数より少なくて済むので、省スペース化および低コスト化にもつながる。
【0041】
〔第3実施形態〕
次に、この発明の第3実施形態について、図3を参照して具体的に説明する。
図3はこの発明の第3実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第1例を示す回路図であり、図1,図12と対応する部分には同一符号を付している。
この第3実施形態の光源駆動装置は、図1によって説明した第1実施形態の光源駆動装置の応用例であり、昇圧素子切り替え型LED駆動回路を構成している。
【0042】
駆動制御信号Saは、ハイレベル“H”への変化により、OR回路91および電圧レギュレータ(REG)92を介して定電流回路部70のみを駆動させ、LED光源列2のみを駆動させるための信号となる。
駆動制御信号Sbは、ハイレベル“H”への変化により、駆動制御信号Saと同様に定電流回路部70を駆動させると共に、スイッチ93(FET等の電気的なスイッチ)をオンにさせて定電流回路部80へも電圧を供給させ、定電流回路部80も駆動させることにより、LED光源列2,3を駆動させるための信号となる。
【0043】
定電流回路部70では、LED光源列2を流れる電流を電流検出抵抗21が検出して電圧に変換し、オペアンプ22が電圧レギュレータ92の出力電圧(基準電圧)との比較に応じてFET23のゲート端子Gの電圧を制御する。
定電流回路部80では、LED光源列3を流れる電流を電流検出抵抗31が検出して電圧に変換し、オペアンプ32が電圧レギュレータ92の出力電圧との比較に応じてFET33のゲート端子Gの電圧を制御する。
【0044】
電源供給部60内の昇圧素子であるインダクタ(昇圧コイル)61は、図1の電源昇圧回路51内の小電力生成用の回路の一部に、昇圧素子であるインダクタ62は電源昇圧回路52内の大電力生成用の回路の一部にそれぞれ相当する。インダクタ61,62の値(インダクタンス)の関係は、インダクタ61の値<インダクタ62の値となる。
電源供給部60内のトランジスタ63およびFET64を含む駆動回路(インダクタ61を除く)は図1のスイッチ53に、トランジスタ65およびFET66を含む駆動回路(インダクタ62を除く)は図1のスイッチ54にそれぞれ相当し、駆動制御信号Sa,Sbのオン(ハイレベル)/オフ(ローレベル)と連動した動作を行う。
【0045】
この実施形態では、インダクタ61,62のみを切り替え対象とし、その他の昇圧回路を構成する昇圧用FET11,コンパレータ12,最低電圧検知部13,および発振器(OSC)94等は共通使用とする。それによって、省スペース化および低コスト化を図ることができる。
発振器(OSC)94は、コンパレータ12の非反転入力端子(+)に入力される基準信号を生成して出力するものである。
この第3実施形態の光源駆動装置によれば、第1実施形態の光源駆動装置と同様の効果に加え、電源昇圧回路を構成するインダクタの切り替えに使用するスイッチとして汎用の半導体を使用すると共に、複数のインダクタのみを切り替え対象とし、その他の昇圧回路を共通使用することにより、省スペース化および低コスト化を図れるという効果を得ることができる。
【0046】
〔第4実施形態〕
次に、この発明の第4実施形態について、図4を参照して具体的に説明する。
図4はこの発明の第4実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第2例を示す回路図であり、図3と対応する部分には同一符号を付している。
【0047】
この第4実施形態の光源駆動装置は、図2によって説明した第2実施形態の光源駆動装置の応用例であり、昇圧素子切り替え型LED駆動回路を構成している。
電源供給部60内の昇圧素子であるインダクタ61,62は、それぞれ図2の電源昇圧回路51,52内の小電力生成用の回路の一部に相当する。
【0048】
駆動制御信号Saは、LED光源列2(1列)のみを駆動させる際にはハイレベル“H”になるため、図2のスイッチ55に相当する駆動回路を構成するトランジスタ67およびFET68を動作させる。つまり、トランジスタ67をオン状態にさせることにより、FET68もオン状態にさせる。よって、インダクタ62は使用されないため、昇圧レベルが小さくなる。
駆動制御信号Saは、LED光源列2,3(2列)を駆動させる際にはローレベル“L”になり、トランジスタ67およびFET68がオフ状態になるため、インダクタ61,62が同時に使用される。なお、この実施形態では、インダクタ62が単独で使用されることはないので、小電力を生成するための昇圧動作が行われる。この場合、インダクタ61,62の値の関係は、インダクタ61の値=インダクタ62の値となる。
【0049】
この第4実施形態の光源駆動装置によれば、第1実施形態の光源駆動装置と同様の効果を得られる。また、電源供給部内の複数のインダクタのいずれも小電力生成用のもので済み、インダクタの切り替えに使用する駆動回路の部品点数が図3に示した第3実施形態の光源駆動装置よりも少ないため、一層の省スペース化および低コスト化にもつながる。
【0050】
〔第5実施形態〕
次に、この発明の第5実施形態について、図5を参照して具体的に説明する。
図5はこの発明の第5実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第3例を示す回路図であり、図3と同じ部分には同一符号を付している。
この第5実施形態の光源駆動装置は、図3によって説明した第3実施形態の光源駆動装置を構成する各回路の一部へ汎用的なLEDドライバICを適用した例である。
【0051】
LEDドライバIC100は、図3の昇圧用FET11,コンパレータ12,最低電圧検知部13,発振器(OSC)94,OR回路91,電圧レギュレータ(REG)92,スイッチ93,および定電流回路部70,80としての機能を有しているため、その各部と同様の動作を内部で行うことになる。
この第5実施形態の光源駆動装置によれば、汎用の集積回路(汎用IC)を使用することで、第3実施形態の光源駆動装置と同様の効果に加え、更なる省スペース化およぴ高精度化につながるという効果を得ることができる。
【0052】
〔第6実施形態〕
次に、この発明の第6実施形態について、図6を参照して具体的に説明する。
図6はこの発明の第6実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第4例を示す回路図であり、図4と同じ部分には同一符号を付している。
この第6実施形態の光源駆動装置は、図4によって説明した第4実施形態の光源駆動装置を構成する各回路の一部へ汎用的なLEDドライバICを適用した例である。
【0053】
LEDドライバIC100は、図4の昇圧用FET11,コンパレータ12,最低電圧検知部13,発振器(OSC)94,OR回路91,電圧レギュレータ(REG)92,スイッチ93,および定電流回路部70,80としての機能を有しているため、その各部と同様の動作を内部で行うことになる。
この第6実施形態の光源駆動装置によれば、汎用ICを使用することで、第4実施形態の光源駆動装置と同様の効果に加え、更なる省スペース化およぴ高精度化につながるという効果を得ることができる。
【0054】
〔第7実施形態〕
次に、この発明の第7実施形態について、図7を参照して具体的に説明する。
図7はこの発明の第7実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第5例を示す回路図であり、図5,図12と同じ部分には同一符号を付している。
【0055】
この第7実施形態の光源駆動装置は、図6によって説明した第6実施形態の光源駆動装置から、昇圧システムの切り替えを昇圧素子(インダクタ)の切り替えではなくスイッチング周波数の切り替えによって行う場合の構成例を示す昇圧周波数切り替え型LED駆動回路を構成している。
LEDドライバIC110は、図6のLEDドライバIC100と同様の機能に加え、電圧生成部120を構成する外付けのトランジスタ121および抵抗122,123によって生成される電圧を昇圧動作用のスイッチング周波数に変換するV−F変換(電圧−周波数変換)機能を備えている。
【0056】
このLEDドライバIC110は、LED光源列2(1列)のみを駆動する際には駆動制御信号Saのみがハイレベル“H”になるため、トランジスタ121がオンになり、抵抗122,123の並列合成抵抗値に対応する電圧を小電力生成用の昇圧動作に対応するスイッチング周波数(大電力を生成するためのスイッチング周波数より低いスイッチング周波数)に変換する。LED光源列2,3(2列)を駆動する際には駆動制御信号Sbのみがハイレベル“H”になるため、トランジスタ121がオフになり、抵抗123の抵抗値値に対応する電圧を大電力を生成するための昇圧動作に対応するスイッチング周波数に変換する。よって、変換されたスイッチング周波数に対応する昇圧動作が行われることになる。
【0057】
具体的には、以下に示す通りである。
LEDドライバIC110により仕様が異なるが、多くの端子FSWの内部構成および動作は以下の(a)(b)のいずれかに示すようになっている。
(a)FSW端子の内部に定電流源があり、外付け抵抗の値により端子FSWに発生する電圧のレベルが変化する。この電圧レベルは、内部にて更に周波数へ変換(V−F変換)される。つまり、昇圧スイッチング周波数が切り替えられる。
(b)端子FSWの内部に定電圧源があり、外付け抵抗の値により端子FSWから流れ出す電流が変化する。この電流は内部にて更に電圧変換→周波数へ変換される。つまり、昇圧スイッチング周波数が切り替えられる。
【0058】
このように、いずれの場合も、外付け抵抗の値を変化させることで昇圧スイッチング周波数を切り替えることができる。
よって、図7において、駆動制御信号Saのみが“H”になると、端子EN1へのイネーブル信号が“H”になり、LED光源列2(1列)のみが駆動される。また、トランジスタ121がオンになるため、端子FSW端子に接続される抵抗の値は抵抗122,123の並列合成抵抗値となる。
【0059】
一方、駆動制御信号Sbのみが“H”になると、端子EN2へのイネーブル信号が“H”になり、LED光源列2,3(2列)が駆動される。また、トランジスタ121がオフなるため、端子FSWに接続される抵抗の値は抵抗123の抵抗値となる。
以上より、駆動信号Sa,Sbに応じて(駆動する負荷の大きさに応じて)昇圧スイッチング周波数を切り替えることが可能となり、そのスイッチング周波数に対応する昇圧動作が行われることになる。
【0060】
ここで、昇圧動作に対応するスイッチング周波数を下げることで瞬間的な電圧上昇幅を抑えることができ、常時安定した昇圧動作を継続することができる。なお、電圧上昇幅が大きいと、LEDドライバIC110内の定電流回路部に印加される電圧が瞬間的に上昇し、スイッチのオン抵抗変化、電流の変化が生じ、光量不安定性へとつながる。
【0061】
この第7実施形態の光源駆動装置によれば、複数のLED光源列のうちの駆動するLED光源例の数を切り替え、その駆動するLED光源列の個数(負荷の大きさ)に応じてスイッチング周波数を変化させる。よって、インダクタが1つで済み、FETを使用せずに済むので、第6実施形態の光源駆動装置と同様の効果に加え、更なる省スペース化につながるという効果を得ることができる。
【0062】
〔第8実施形態〕
次に、この発明の第8実施形態について、図8を参照して具体的に説明する。
図8はこの発明の第8実施形態である光源駆動装置の具体的構成の第6例を示す回路図であり、図7と対応する部分には同一符号を付している。
この第8実施形態の光源駆動装置は、図7によって説明した第7実施形態の光源駆動装置と電圧生成部120の内部構成が異なるだけである。
【0063】
LEDドライバIC110は、LED光源列2(1列)のみを駆動する際には駆動制御信号Saのみがハイレベル“H”になるため、トランジスタ121がオフになり、抵抗124,125の直列合成抵抗値に対応する電圧を小電力を生成するための昇圧動作に対応するスイッチング周波数(大電力を生成するためのスイッチング周波数より低いスイッチング周波数)に変換する。LED光源列2,3(2列)を駆動する際には駆動制御信号Sbのみがハイレベル“H”になるため、トランジスタ121がオンになり、抵抗124の抵抗値値に対応する電圧を大電力を生成するための昇圧動作に対応するスイッチング周波数に変換する。よって、変換されたスイッチング周波数に対応する昇圧動作が行われることになる。
この第8実施形態の光源駆動装置によれば、第7実施形態の光源駆動装置と同様の効果を得ることができる。
【0064】
以上の第1〜第8実施形態では、LED光源列(負荷)の使用電力(負荷の大きさ)に応じて駆動条件を切り替えるシステムを構築することで、負荷の大きさに応じた最適動作を実現する機構を備えた。これにより、大きな負荷変動に対しても電圧あるいは電流変化を最小限に抑えられる特徴を持つ。以下の第9,第10実施形態では、その特徴を画像処理装置である画像読取装置および画像形成装置に適用した例について述べる。なお、画像処理装置とは、光源駆動装置によるLED光源列からの照射光によって被写体である原稿の画像面を照明し、その画像面からの反射光をCCD(他のイメージセンサでもよい)で受光して画像信号に変換し、画像処理を行うものである。
【0065】
〔第9実施形態〕
次に、この発明の第9実施形態について、図9,図10を参照して具体的に説明する。
図9はこの発明の第9実施形態である画像読取装置の機構部の構成例を示す全体構成図であり、図1,図2に対応する部分(光源41)に同一符号を付している。
【0066】
この画像読取装置は、デジタル複写機,デジタル複合機,ファクシミリ装置等の画像形成装置に搭載されるスキャナ装置あるいは単体のスキャナ装置であり、光源駆動部(図1〜図8のいずれかに示した光源駆動装置に相当する)および画像信号処理部を備えている。そして、光源駆動部による光源(LED光源)からの照射光によって被写体である原稿を照明し、その原稿からの反射光をCCDで受光し、A/D変換部で画像信号に変換して画像処理を行い、原稿の画像データを読み取ることができる。A/D変換部で変換された画像信号はアナログ信号なので、デジタル信号に変換される。
【0067】
この画像読取装置200は、図9に示すように、原稿を載置するコンタクトガラス201と、原稿露光用の光源41(図1〜図8のいずれかに示したLED光源列2,3からなるLED光源に相当する)および第1反射ミラー203からなる第1キャリッジ206と、第2反射ミラー204および第3反射ミラー205からなる第2キャリッジ207とを備えている。また、CCDリニアイメージセンサ(以下単に「CCD」という)209と、CCD209に結像するためのレンズユニット208と、読み取り光学系等による各種の歪みを補正するための白基準板210と、シートスルー読み取り用スリット211も備えている。
【0068】
この画像読取装置200の上部には、自動原稿給送手段である自動原稿給送装置(以下「ADF」と略称する)220が搭載されており、このADF220をコンタクトガラス201に対して開閉できるように、図示しないヒンジ等を介して連結している。
ADF220は、複数枚の原稿からなる原稿束を載置可能な原稿載置台としての原稿トレイ221を備えている。また、原稿トレイ221に載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離してシートスルー読み取り用スリット211へ向けて自動給送する給送ローラ222を含む分離・給送手段も備えている。
【0069】
このように構成された画像読取装置200において、原稿の画像面をスキャン(走査)して原稿の画像を読み取るスキャンモード時には、次のような読み取り動作が行われる。
すなわち、第1キャリッジ206および第2キャリッジ207が、図示しないステッピングモータによって光路長が変わらないように異なる速度で矢示A方向(副走査方向)に移動する。
【0070】
同時に、コンタクトガラス201上にセットされた原稿の下面である画像面が第1キャリッジ206の光源41(LED光源列2,3からなるLED光源)によって照明(露光)される。すると、その画像面からの反射光像が第1キャリッジ206の第1反射ミラー203,第2キャリッジ207の第2反射ミラー204および第3反射ミラー205,およびレンズユニット208を介してCCD209へ順次送られ、原稿の画像読み取りが行われる。
【0071】
一方、原稿を自動給送して原稿の画像を読み取るシートスルーモード時には、次のような読み取り動作が行われる。
すなわち、第1キャリッジ206および第2キャリッジ207が、シートスルー読み取り用スリット211の下側へ移動した後、原稿トレイ221に載置された原稿が給送ローラ222によって矢示B方向(副走査方向)へ自動給送される。
【0072】
そして、シートスルー読み取り用スリット211の位置において、自動給送される原稿の下面(画像面)が第1キャリッジ206の光源41によって照明されるため、その画像面からの反射光像が第1キャリッジ206の第1反射ミラー203,第2キャリッジ207の第2反射ミラー204および第3反射ミラー205,およびレンズユニット208を介してCCD209へ順次送られ、原稿の画像読み取りが行われる。その読み取りが完了した原稿は、図示しない排出口に排出される。
【0073】
なお、スキャンモード時又はシートスルーモード時の画像読み取り前に開始された光源41による照明により、白基準板210の画像が読み取られ、その読み取り結果に基づいて画像読み取り時のシェーディング補正が行われる。このシェーディング補正は公知技術なので、その内容の詳細な説明は省略する。
また、ADF220に搬送ベルトを備えている場合には、スキャンモードであっても、ADF220によって原稿をコンタクトガラス201上の読み取り位置に自動給送して、その原稿の画像を読み取ることができる。
【0074】
図10は、図9に示した画像読取装置200の画像信号処理部の一部の構成例を示すブロック図である。
この画像信号処理部250において、図10に示すように、CCD209で光電変換されたアナログ画像信号は、アナログ処理回路部251へ出力される。
アナログ処理回路部251は、CCD209から入力されるアナログ画像信号に対して、サンプルホールド処理、黒レベル補正などの各種画像処理を施した後、A/D変換回路部252へ出力する。
【0075】
A/D変換回路部252は、アナログ処理回路部251から入力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号(画像データ)へ変換し、更にLVDSインタフェース253を介して後段の画像信号処理部へ出力する。
画像読取装置200内のCCD209,アナログ処理回路部251,A/D変換回路部252,LVDSインタフェース253,および図示しないステッピングモータや光源駆動装置へ入力する各種タイミングクロック信号は、タイミングクロック生成部254が発振器255からの基準クロックに基づいて生成し、供給するようにしている。
【0076】
第9実施形態の画像読取装置によれば、第1〜第8実施形態のいずれかの光源駆動装置を備え、その光源駆動装置による複数のLED光源からの照射光によって原稿を照明し、その原稿からの反射光を受光し、画像信号に変換して画像処理を行うことで、原稿の画像データを読み取ることにより、次のような効果を得ることができる。つまり、光源41(LED光源)の光量変動を防止できるため、読み取り画像(処理画像)の光量変動による画質低下を回避することができる。つまり、読み取り画像の高画質化を実現することができる。
【0077】
〔第10実施形態〕
次に、この発明の第10実施形態について、図11を参照して具体的に説明する。
図11は、この発明の第10実施形態である画像形成装置の機構部の構成例を示す全体構成図であり、図9と同じ部分には同一符号を付している。
この画像形成装置300は、図9に示した画像読取装置200(図1〜図8のいずれかに示した光源駆動装置に相当する光源駆動部を含む)を搭載したデジタル複写機である。
【0078】
この画像形成装置300は、図11に示すように、原稿を載置するコンタクトガラス201の上部にADF400が設けられており、このADF400をコンタクトガラス201に対して開閉できるように、図示しないヒンジ等を介して連結している。
ADF400は、複数の原稿からなる原稿束を載置可能な原稿載置台としての原稿トレイ401を備えている。また、図示しない操作部上のプリントキーの押下により、原稿トレイ401に画像面を上にして載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して自動給送し、シートスルー読み取り用スリット211又はコンタクトガラス201へ向けて搬送する給送ローラ402および搬送ベルト403を含む分離・給送手段も備えている。
【0079】
給送ローラ402又は搬送ベルト403によって給送された原稿は、図9によって説明したように画像読み取りが行われた後、搬送ベルト403および排送ローラ404によってADF400の上面に排出される。
ここで、ADF400によって原稿をコンタクトガラス201の読み取り位置に搬送する場合の図示しないコントローラおよびADF400の動作について説明する。
【0080】
ADF400の給送モータはコントローラからの出力信号によって駆動されるようになっており、コントローラは、操作部上のプリントキーの押下によって発生した給送スタート信号が入力されると、給送モータを正・逆転駆動するようになっている。給送モータが正転駆動されると、給送ローラ402が時計方向に回転して原稿束から最上位に位置する原稿が自動給送され、シートスルー読み取り用スリット211又はコンタクトガラス201へ向けて搬送される。この原稿の先端が原稿セット検知センサ405によって検知されると、コントローラは原稿セット検知センサ405からの出力信号に基づいて給送モータを逆転駆動させる。これにより、後続する原稿が進入するのを防止して分離されないようになっている。
【0081】
コントローラはまた、原稿セット検知センサ405が原稿の後端を検知したとき、この検知時点からの図示しない搬送ベルトモータの回転パルスを計数し、回転パルスが所定値に達したときに、搬送ベルト403の駆動を停止して搬送ベルト403を停止することにより、原稿をコンタクトガラス201上の読み取り位置に停止させる。更に、原稿セット検知センサ405によって原稿の後端が検知された時点で、給送モータを再び駆動して、後続する原稿を上述したように分離して自動給送させる。そして、コンタクトガラス201に向けて搬送させ、この原稿が原稿セット検知センサ405によって検知された時点からの給送モータのパルスが所定パルスに到達したときに、給送モータを停止させて次の原稿を先出し待機させる。
【0082】
そして、原稿がコンタクトガラス201上の読み取り位置に停止したとき、原稿の画像読み取りが行なわれる。この画像読み取りが終了すると、その旨を示す信号がコントローラに入力されるため、コントローラは、この信号により、搬送ベルトモータを正転駆動して、搬送ベルト403によって原稿をコンタクトガラス201から排送ローラ404へ向けて搬出させる。
【0083】
このように、ADF400にある原稿トレイ401に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、プリントキーの押下によって一番上の原稿から自動給送され、例えばコンタクトガラス201上の読み取り位置に搬送される。
その読み取り位置に搬送されて停止した原稿は、画像の読み取り後、搬送ベルト403等によって排出口から排出される。更に、原稿トレイ401に次の原稿が有ることが検知された場合、前の原稿と同様に次の原稿が自動給送され、コンタクトガラス201上に搬送される。
【0084】
給紙トレイである第1トレイ301,第2トレイ302,第3トレイ303に積載された転写紙(用紙)は、各々第1給紙ユニット311,第2給紙ユニット312,第3給紙ユニット313によって給紙され、縦搬送ユニット314によって像担持体であるドラム状の感光体(感光体ドラム)315に当接する位置まで搬送される。なお、実際には各トレイ301〜303のうちのいずれか1つが選択され、そこから転写紙が給紙される。また、転写紙以外の記録媒体を使用することもできる。
【0085】
一方、画像読取装置200によって読み取った画像データは、画像形成手段であるプリンタ内の書き込みユニット350からのレーザ光により、図示しない帯電ユニットにより予め帯電された感光体315の表面に書き込まれて(その表面が露光されて)、その部分が現像ユニット327を通過することにより、そこにトナー画像が形成される。その作像を行う現像ユニット327および帯電ユニット等が作像手段を構成する。
選択された給紙トレイから給紙された転写紙は、感光体315の回転と等速で搬送ベルト316によって搬送されながら、感光体315上のトナー画像が転写される。更に、定着ユニット317にてトナー画像を定着され、排紙ユニット318によって機外の排紙トレイ319に排紙される。
【0086】
このとき、例えばフェースダウン(転写紙をページ順に揃えるため画像面を下向きにする)排紙のために、一方の面にトナー画像が形成された転写紙を反転したい場合、その転写紙は排紙ユニット318により両面入紙搬送路320に搬送され、反転ユニット321でスイッチバック反転された後、反転排紙搬送路322を通って排紙トレイ319に排出される。
【0087】
また、転写紙の両面に画像を形成する場合には、一方の面に画像が形成された転写紙は排紙ユニット318により両面入紙搬送路320に搬送され、反転ユニット321でスイッチバック反転された後、両面搬送ユニット323に送られる。
両面搬送ユニット323に送られた転写紙は、再び感光体315に作像されたトナー画像を転写するために、両面搬送ユニット323から再給紙され、再度縦搬送ユニット314によって感光体315に当接する位置まで搬送されて、他方の面にトナー画像が転写された後、定着ユニット317によってトナー画像が定着され、排紙ユニット318によって排紙トレイ319に排出される。
【0088】
感光体315、搬送ベルト316、定着ユニット317、排紙ユニット318、現像ユニット327は図示しないメインモータによって駆動され、各給紙ユニット311〜313はメインモータの駆動力が各々給紙クラッチによって伝達されて駆動される。縦搬送ユニット314は、そのメインモータの駆動力が中間クラッチを介して伝達されて駆動される。
【0089】
書き込みユニット350は、レーザ出力ユニット351,結像レンズ352,ミラー353で構成され、レーザ出力ユニット351の内部には、レーザ光源であるレーザダイオードと、レーザ光を走査する回転多面鏡(ポリゴンミラー)又は振動ミラーを備えている。レーザ出力ユニット351より照射されるレーザ光は、ポリゴンミラー又は振動ミラーで偏向され、結像レンズ352を通り、ミラー353で折り返されて感光体315の表面上に集光結像する。
【0090】
第10実施形態の画像形成装置(デジタル複写機)によれば、第9実施形態の画像読取装置を備え、その画像読取装置によって読み取った画像データに基づいて記録媒体上に画像形成を行うことにより、形成画像の画質低下を回避することができる。つまり、形成画像の高画質化を実現することができる。
【0091】
第10実施形態は、この発明をデジタル複写機に適用したものであるが、この発明はこれに限らず、アナログ複写機には勿論、デジタル複合機やファクシミリ装置等の他の画像形成装置にも適用し得るものである。なお、デジタル複写機のようなデジタル式画像形成装置の場合には、光源駆動装置を含む画像読取装置と、それによって読み取った画像データに基づいて記録媒体上に画像形成を行う画像形成手段とを備えている。しかし、アナログ複写機のようなアナログ式画像形成装置の場合には、画像読取装置を備えておらず、光源駆動装置によるLED光源からの照射光によって原稿(被写体)を照明し、その原稿からの反射光により予め帯電された像担持体上を露光して作像する作像手段を備えている。
また、この発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0092】
1:電源 2,3:LED光源列 11:昇圧用FET 12:コンパレータ
13:最低電圧検知部 14,61,62:インダクタ 15:ダイオード
16:コンデンサ 21,31:電流検出抵抗 22,32:オペアンプ
23,33,64,66,68:FET(電界効果型トランジスタ)
41:光源(LED光源) 42:光源ドライバ 50:昇圧回路部
51,52:電源昇圧回路 53〜55,93:スイッチ 60:電源供給部
63,65,67,121:トランジスタ 70,80:定電流回路部
91:OR回路 92:電圧レギュレータ(REG) 94:発振器(OSC)
100,110:LEDドライバIC 120:電圧生成部 122〜125:抵抗
200:画像読取装置 209:CCD 220,400:ADF
251:アナログ処理回路部 252:A/D変換回路部
253:LVDSインタフェース 300:画像形成装置 315:感光体
317:定着ユニット 327:現像ユニット 350:書き込みユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2008−187816号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源を駆動する光源駆動装置であって、
前記複数の光源のうちの駆動する光源の数を切り替える駆動光源切替手段と、
電源からの給電電圧を昇圧して前記駆動する光源へ供給する昇圧手段と、
該昇圧手段によって昇圧された電圧が印加される光源の駆動電流を定常的に一定にする定電流駆動手段と、
前記駆動する光源の数に応じて前記昇圧手段を切り替える昇圧切替手段とを設けたことを特徴とする光源駆動装置。
【請求項2】
前記昇圧手段は、複数の昇圧回路を並列又は直列に接続しており、
前記昇圧切替手段は、前記駆動する光源の数に応じて前記複数の昇圧回路のうちの一つ又は複数を選択することを特徴とする請求項1に記載の光源駆動装置。
【請求項3】
前記昇圧切替手段は、電界効果トランジスタを制御して前記複数の昇圧回路のうちの一つ又は複数を選択することを特徴とする請求項2に記載の光源駆動装置。
【請求項4】
前記複数の昇圧回路は、それぞれインダクタを有し、
前記昇圧切替手段は、前記複数の昇圧回路のインダクタのうちの一つ又は複数を選択することを特徴とする請求項2又は3に記載の光源駆動装置。
【請求項5】
前記昇圧手段は、前記電源からの給電電圧をスイッチング周波数に応じて昇圧する手段であり、
前記昇圧切替手段は、前記駆動する光源の数に応じて前記スイッチング周波数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光源駆動装置。
【請求項6】
前記駆動光源切替手段,前記定電流駆動手段,および前記昇圧切替手段を1つの集積回路によって構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光源駆動装置を備え、該光源駆動装置による前記複数の光源からの照射光によって被写体を照明し、該被写体からの反射光を受光し、画像信号に変換して画像処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理装置は画像読取装置であり、
前記画像処理によって前記被写体の画像データを読み取ることを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像読取装置と、該画像読取装置によって読み取った画像データに基づいて記録媒体上に画像形成を行う画像形成手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光源駆動装置と、該光源駆動装置による前記複数の光源からの照射光によって被写体を照明し、該被写体からの反射光により予め帯電された像担持体上を露光して作像する作像手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
複数の光源を駆動する光源駆動装置であって、
前記複数の光源のうちの駆動する光源の数を切り替える駆動光源切替手段と、
電源からの給電電圧を昇圧して前記駆動する光源へ供給する昇圧手段と、
該昇圧手段によって昇圧された電圧が印加される光源の駆動電流を定常的に一定にする定電流駆動手段と、
前記駆動する光源の数に応じて前記昇圧手段を切り替える昇圧切替手段とを設けたことを特徴とする光源駆動装置。
【請求項2】
前記昇圧手段は、複数の昇圧回路を並列又は直列に接続しており、
前記昇圧切替手段は、前記駆動する光源の数に応じて前記複数の昇圧回路のうちの一つ又は複数を選択することを特徴とする請求項1に記載の光源駆動装置。
【請求項3】
前記昇圧切替手段は、電界効果トランジスタを制御して前記複数の昇圧回路のうちの一つ又は複数を選択することを特徴とする請求項2に記載の光源駆動装置。
【請求項4】
前記複数の昇圧回路は、それぞれインダクタを有し、
前記昇圧切替手段は、前記複数の昇圧回路のインダクタのうちの一つ又は複数を選択することを特徴とする請求項2又は3に記載の光源駆動装置。
【請求項5】
前記昇圧手段は、前記電源からの給電電圧をスイッチング周波数に応じて昇圧する手段であり、
前記昇圧切替手段は、前記駆動する光源の数に応じて前記スイッチング周波数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光源駆動装置。
【請求項6】
前記駆動光源切替手段,前記定電流駆動手段,および前記昇圧切替手段を1つの集積回路によって構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光源駆動装置を備え、該光源駆動装置による前記複数の光源からの照射光によって被写体を照明し、該被写体からの反射光を受光し、画像信号に変換して画像処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理装置は画像読取装置であり、
前記画像処理によって前記被写体の画像データを読み取ることを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像読取装置と、該画像読取装置によって読み取った画像データに基づいて記録媒体上に画像形成を行う画像形成手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光源駆動装置と、該光源駆動装置による前記複数の光源からの照射光によって被写体を照明し、該被写体からの反射光により予め帯電された像担持体上を露光して作像する作像手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−65929(P2013−65929A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201886(P2011−201886)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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