説明

光硬化型インクジェットインキ

【課題】印刷物における光重合開始剤や光重合開始剤分解物や増感剤、その他組成物のブリード抑制、低臭気性、硬化皮膜硬度、硬化性の劣化を防止することのできる光硬化性インキの提供。
【解決手段】少なくともモノマーと、顔料と、下記一般式(1)で表される光重合開始剤とからなる光硬化型インクジェットインキ。 一般式(1)


(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基などを表す。Xは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射により硬化する光重合開始剤を含む光硬化型インクジェットインキに関し、更に詳細には、インキ硬化後の皮膜表面から光重合開始剤や光重合開始剤分解物や増感剤、その他組成物の揮発、溶出等の染み出しや臭気を抑えることが出来る光硬化型インクジェットインキに関する。
【背景技術】
【0002】
光硬化性被覆組成物、特に紫外線による硬化性被覆組成物は印刷インキ、インクジェットインキ、塗料、印刷版用感光性樹脂、接着剤、粘着剤、カラーフィルター用レジスト、プリント基板用レジスト、半導体用フォトレジスト、ホログラム材料、成型樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、各種デバイス等の分野で盛んに研究が行われている。これらは光重合開始剤、ラジカル重合性を有するモノマー、顔料、添加剤等からなる。一般的に使用される光重合開始剤については、o-ベンゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノン系、ダロキュア1173、ダロキュア2959、イルガキュア184、イルガキュア907(イルガキュアとダロキュアはチバスペシャリティーケミカル社の商標)等のアセトフェノン系、イルガキュア651等のベンゾイン系、チオキサントン系、EAB(保土谷化学社製)、セイコールPAA(精工化学社製)、カヤキュアEPA(日本化薬社製)等の水素供与体系が使われており、フォトポリマー懇話会編、「感光材料リストブック」、55〜72頁、1996年(ぶんしん出版)などにまとめられている。
【0003】
近年、これら市販の光重合開始剤を上回る高い感度を持った光重合開始剤の研究が活発に行われており、その例として、α−アミノアセトフェノン誘導体がある(特許文献1)。上記誘導体が、フェニル基の4位にイオウ原子もしくは酸素原子を含有する置換基を有する時、該誘導体は、高感度な光重合開始剤として知られている(特許文献2、3)。フェニル基の4位にアミノ基を有するα−アミノアセトフェノン誘導体は芳香族カルボニル化合物類の光増感剤と合わせて使用されることも知られている(特許文献4)。上記α−アミノアセトフェノン誘導体のフェニル基がN−置換カルバゾール基であるα−アミノケトン誘導体も知られている(特許文献5)。上記α−アミノアセトフェノン誘導体を含む重合性組成物は、少ない光照射量で硬化し得る高感度な重合性組成物であることが知られている。また、高感度な光重合開始剤として、α位に少なくとも1種のアリル基もしくはアルアルキル基(アリールアルキル基)を含有するα−アミノアセトフェノンを含む重合性組成物が提案された(特許文献6)。また、高感度な光重合開始剤として、同一分子内に2つの官能基を含有するα−アミノアセトフェノン誘導体も提案された。同一分子内に2つの官能基を含有するα−アミノアセトフェノン誘導体は、高い活性度を示すことが知られている(特許文献7)。これらの光重合開始剤を含む光硬化性被覆組成物は高い硬化性を示すことが知られているが、硬化後の光硬化性被覆組成物から光重合開始剤や光重合開始剤分解物や光増感剤、その他組成物の滲み出し(ブリード)や揮発を防ぐことは困難であった。
【特許文献1】特開昭54−99185号公報
【特許文献2】特開昭58−157805号公報
【特許文献3】特開昭59−167546号公報
【特許文献4】特開昭60−84248号公報
【特許文献5】特開昭61−21104号公報
【特許文献6】特開昭63−264560号公報
【特許文献7】特表2002−530372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な光重合開始剤は低分子量化合物なこともあるため、これらを使用した場合には種々の不都合を生じている。例えば、硬化後の光硬化性被覆組成物から光重合開始剤や光重合開始剤分解物や光増感剤、その他組成物がブリードしたり、揮発してくることがあり、安全性や衛生性の面で好ましくない。また、光重合開始剤や光重合開始剤分解物や光増感剤、その他組成物のブリードや揮発により、印刷、塗工現場あるいは印刷物、塗工物の臭気の原因となり、さらに印刷物等の皮膜硬度の劣化をきたすといった問題が起こっている。本発明の目的は、印刷物における光重合開始剤や光重合開始剤分解物や増感剤、その他組成物のブリード抑制、揮発防止、低臭気性、硬化皮膜硬度、硬化性の劣化を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、以上の諸問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明は、少なくともモノマーと、顔料と、下記一般式(1)で表される光重合開始剤とからなる光硬化型インクジェットインキに関する。
【0006】
一般式(1)
【化1】




【0007】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または置換もしくは未置換のアルケニル基を表す。また、R1とR2とが一体となって環を形成してもよい。
3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、またはCOR5を表す。また、R3とR4とが一体となって環を形成してもよい。
5は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。
Xは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基を表し、
Ar1は下記一般式(2)を表す。)
【0008】
一般式(2)
【化2】

【0009】
(式中、R6〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の複素環チオ基、置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のジアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基、またはハロゲン原子を表す。また、R6〜R10は、一体となって芳香環を形成してもよい。)
【0010】
更に本発明は、Xが、下記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)である、上記光硬化型インクジェットインキに関する。
【0011】
一般式(3)
【化3】

【0012】
一般式(4)
【化4】

【0013】
一般式(5)
【化5】

【0014】
一般式(6)
【化6】

【0015】
(式中、YおよびZは、それぞれ独立に、−O−、−S−、>S=O、>SO2、−N(R11)−、−CO−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、炭素原子数2〜6のアルキリデン基もしくは直接結合を表し、
Uは、−O−、−S−、または−N(R11)−を表し、
VおよびWは、窒素原子を表し、
11は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。)
【0016】
更に本発明は、Xが、一般式(3)である、上記光硬化型インクジェットインキに関する。
【0017】
更に本発明は、上記光硬化型インクジェットインキを印刷し、光照射により硬化させて得られる印刷物に関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の光硬化型インクジェットインキは、従来の汎用光重合開始剤組成物を含む光硬化型インクジェットインキと比べ、インキ硬化後の皮膜表面から光重合開始剤や光重合開始剤分解物や光増感剤、その他組成物の揮発、溶出等の染み出しの量を抑えることが出来る。さらに、その結果、光重合開始剤や光重合開始剤分解物や増感剤、その他組成物に由来する臭気の低減も出来る。当該インキを使用した印刷物は、食品包装材用、医療用などの特に安全性や衛生性が重要となるインキとして特に優れているばかりでなく、さらには印刷工程における環境改善にもつながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の光硬化型インクジェットインキは、少なくともモノマー、顔料、前記一般式(1)の光重合開始剤とからなる。また、各種添加剤(例えば、他の重合開始剤や光増感剤等)を組み合わせて用いることも出来る。
【0020】
まず、光重合開始剤について説明する。本発明の光重合開始剤は一般式(1)で表記される構造を有しており、α−アミノアセトフェノン誘導体のベンゼン環部位を、芳香族アシル基を有するヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる芳香族環縮合基に置き替えた特徴的な構造を有する。この芳香族環縮合基を導入することにより、本発明の化合物は250nmから450nmの波長領域に好適な光の吸収特性を持つことができ、光照射に対する大幅な高感度化を実現している。また、この構造を有することにより、本発明の化合物は該波長領域の光照射に対して、非常に効率的に分解するため、その結果、多量のラジカルを効率的に発生する高感度な材料として機能することが可能となっている。
【0021】
一般式(1)
【化7】

【0022】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または置換もしくは未置換のアルケニル基を表す。また、R1とR2とが一体となって環を形成してもよい。
3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、またはCOR5を表す。また、R3とR4とが一体となって環を形成してもよい。
5は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。
Xは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基を表し、
Ar1は下記一般式(2)を表す。)
【0023】
一般式(2)
【化8】

【0024】
(式中、R6〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の複素環チオ基、置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のジアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基、またはハロゲン原子を表す。また、R6〜R10は、一体となって芳香環を形成してもよい。)
【0025】
次に、本発明の光重合開始剤の構造について詳細に説明する。
【0026】
本発明の光重合開始剤はその特性を阻害しない範囲において、一般式(1)に示したように、各種の置換基を導入することが可能である。置換基の導入により、本発明の光重合開始剤は吸収極大波長や透過率などのエネルギー線の吸収特性、併用する樹脂や溶剤に対する溶解度を適当に調整して用いることができる。
【0027】
一般式(1)における置換基R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または置換もしくは未置換のアルケニル基である。
【0028】
置換もしくは未置換のアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
置換もしくは未置換のアリール基としては、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
置換もしくは未置換の複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4〜24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が挙げられ、具体例としては、2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
置換もしくは未置換のアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられ、それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
また、R1およびR2は、上記以外の置換位置で一般式(1)の炭素原子と結合していてもよく、それらも本発明のR1およびR2で表記される置換基の範疇に含まれる。
【0033】
また、R1とR2は一体となって環を形成してもよい。
【0034】
1とR2が一体となって環を形成する場合、形成される部位としては、置換もしくは未置換の、炭素原子数2〜8からなるアルキレン基、炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基、もしくは炭素原子数3〜9のアザアルキレン基が挙げられる。
【0035】
ここで、炭素原子数2〜8からなるアルキレン基である場合に形成される環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基、もしくは炭素原子数3〜9のアザアルキレン基である場合に形成される環としては、テトラヒドロフラン環、ピロリジン環、ピペリジン環等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
上記置換基のうち、R1としては合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、ベンジル基、p−メチルベンジル基、または2−プロペニル基が特に好ましい。
【0038】
一般式(1)中の置換基R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、またはCOR5である。
【0039】
3およびR4における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
3およびR4における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
3およびR4における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
3およびR4における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
5は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基である。
【0044】
5における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
5における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
5における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
5における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
5における置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルコキシル基があげられ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
5における置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基と酸素原子が上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR5で表記される置換基の範疇に含まれる。
【0050】
一般式(1)中の置換基R5における置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、複素環基と酸素原子が上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR5で表記される置換基の範疇に含まれる。
【0051】
また、R3とR4は一体となって環を形成してもよい。
【0052】
3およびR4が一体となって環を形成する場合、形成される部位としては、炭素原子数2〜6のアルキレン基、炭素原子数2〜6のオキサアルキレン基、炭素原子数2〜6のチアアルキレン基、もしくは炭素原子数2〜6のアザアルキレン基が挙げられる。
【0053】
ここで、炭素原子数2〜6のアルキレン基である場合に形成される環としては、プロピレンイミン環、ピロリジン環、ピペリジン環、またはピペコリン環等を形成することを例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
炭素原子数2〜6のオキサアルキレン基、炭素原子数2〜6のチアアルキレン基、もしくは炭素原子数2〜6のアザアルキレン基である場合に形成される環としては、モルホリン環、チオモルホリン環、チアゾリジン環、ピペラジン環、またはホモピペラジン環等を形成することを例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
上記置換基のうち、R3およびR4としては合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、アルキル基、アルケニル基、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のアルキレン基、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のオキサアルキレン基、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のチアアルキレン基もしくは、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のアザアルキレン基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、またはピペラジノ基が特に好ましい。
【0056】
一般式(1)中のAr1は、上記一般式(2)で表される。
【0057】
一般式(2)中の置換基R6〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の複素環チオ基、置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のジアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基、置換もしくは未置換のベンジルアミノ基、置換もしくは未置換のジベンジルアミノ基、またはハロゲン原子である。
【0058】
6〜R10における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
6〜R10における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
6〜R10における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
6〜R10における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
6〜R10における置換もしくは未置換のアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基とカルボニル基、複素環基とカルボニル基は、それぞれ上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
【0063】
6〜R10における置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、R5におけるアルコキシル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
6〜R10における置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、R5におけるアリールオキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
6〜R10における置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、R5における複素環オキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
6〜R10における置換もしくは未置換のアシルオキシ基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族基が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、炭素数6から18の単環状あるいは縮合アリール基が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、オレオイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基、シンナモイルオキシ基、3−フロイルオキシ基、2−テノイルオキシ基、ニコチノイルオキシ基、イソニコチノイルオキシ基、9−アンスロイルオキシ基、5−ナフタセノイルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基とカルボニルオキシ基、複素環基とカルボニルオキシ基は、それぞれ上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
【0067】
6〜R10における置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数1〜12の炭酸エステル基が挙げられ、具体例としてはtert−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ペンチルオキシカルボニルオキシ基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルオキシ基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルオキシ基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
6〜R10における置換もしくは未置換のアルキルチオ基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
6〜R10における置換もしくは未置換のアリールチオ基としては、炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基と硫黄原子は上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
【0070】
6〜R10における置換もしくは未置換の複素環チオ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環複素環チオ基が挙げられ、具体例としては、2−フリルチオ基、2−チエニルチオ基、2−ピロリルチオ基、6−インドリルチオ基、2−ベンゾフリルチオ基、2−ベンゾチエニルチオ基、2−カルバゾリルチオ基、3−カルバゾリルチオ基、4−カルバゾリルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、複素環基と硫黄原子は、上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
【0071】
6〜R10における置換もしくは未置換のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
6〜R10における置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
6〜R10における置換もしくは未置換のアリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基、インドリノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0074】
6〜R10における置換もしくは未置換のジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
6〜R10における置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
6〜R10におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0077】
上記置換基のうち、置換基R6〜R10としては、合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、置換基R6〜R10全てが同時に水素原子、置換基R6がメチル基で置換基R7〜R10が同時に水素原子、置換基R10がメチル基で置換基R6〜R9が同時に水素原子、置換基R8がメチル基で置換基R6、R7、R9、およびR10が同時に水素原子、である場合が特に好ましい。
【0078】
Ar1がアルキル基である場合は、本発明のラジカル重合開始剤に比べて、感度の面で劣る。つまり、高感度化のためには、本発明のように、Ar1が芳香族基であることが必要である。
【0079】
一般式(1)中のXは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基である。
【0080】
本発明において、芳香族環縮合基とは、2つ以上の環が縮合したものであって、少なくとも1つの環が芳香族環であるものを示す。特に、前記芳香族環は、一般式(1)の2つのカルボニル基のうちの少なくとも一方と共役するように結合していることが好ましい。
【0081】
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基としては、特に限定はなく、ヘテロ原子の種類、ヘテロ原子の数、ヘテロ原子の置換位置についても特に限定はない。
【0082】
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基におけるヘテロ原子の種類は、特に限定はないが、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましい。
【0083】
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基におけるヘテロ原子の数は、特に限定はないが、0〜4個が好ましい。
【0084】
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基におけるヘテロ原子の置換位置は、特に限定はないが、Xの含む芳香族環と一般式(1)の2つのカルボニル基のうちの少なくとも一方との共役を遮らないように結合していることが好ましい。
【0085】
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ナフタセニル基、ピレニル基、フェニルナフチル基、インデニル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、アセナフテニル基、フラニル基、ピロリル基、チエニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インデニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、フルオレニル基ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジオキシニル基、フェノキサチイニル基、フェノチアジニル基、チアントレニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、フェノキサジニル基、フェナジニル基、アクリジニル基、キサントニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、1,2−ベンズイソキサゾリル基、フェナナントリジニル基、フェナントロリニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミノスチルベニル基、アクリドニル基、トリフェニルアミン基、N−フェニルピロリル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0086】
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基の好ましい例としては、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)である。
【0087】
一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)中の置換基R11は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基である。
【0088】
11における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0089】
11における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0090】
11における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0091】
11における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
11における置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、前述のアルコキシル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0093】
11における置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、前述のアリールオキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0094】
11における置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、前述の複素環オキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0095】
一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)としては、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インデニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、フルオレニル基ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジオキシニル基、フェノキサチイニル基、フェノチアジニル基、チアントレニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、フェノキサジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、1,2−ベンズイソキサゾリル基、イミノスチルベニル基、キサントニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)のうち、合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、フルオレニル基ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジオキシニル基、フェノキサチイニル基、フェノチアジニル基、チアントレニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、フェノキサジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基である場合が特に好ましい。
【0097】
上述したR1〜R11が有しても良い置換基としては、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
【0098】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0099】
アルキル基としては炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0100】
アリール基としては、炭素数6〜18の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1ーナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、9−フルオレニル基等が挙げられる。
【0101】
複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環複素環基が挙げられ、具体例としては、2−フラニル基、2−チエニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−アクリジニル基等が挙げられる。
【0102】
アシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、あるいは、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状あるいは縮合多環状複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、それらは構造中に不飽和結合を有していてもよく、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、シンナモイル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、9−アンスロイル基、5−ナフタセノイル基等が挙げられる。
【0103】
アルコキシル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状あるいは縮合多環状アルコキシル基があげられ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基等が挙げられる。
【0104】
アリールオキシ基としては、炭素数6〜18の単環状または縮合多環状アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等が挙げられる。
【0105】
複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状または縮合多環状複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げられる。
【0106】
アシルオキシ基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、炭素数6から18の単環状または縮合多環状アリール基が結合したカルボニルオキシ基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状または縮合多環状複素環基が結合したカルボニルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、オレオイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基、シンナモイルオキシ基、3−フロイルオキシ基、2−テノイルオキシ基、ニコチノイルオキシ基、イソニコチノイルオキシ基、9−アンスロイルオキシ基、5−ナフタセノイルオキシ基等が挙げられる。
【0107】
アルキルチオ基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられる。
【0108】
アリールチオ基としては、炭素数6〜18の単環状または縮合多環状アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基等が挙げられる。
【0109】
複素環チオ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状または縮合多環状複素環チオ基が挙げられ、具体例としては、2−フリルチオ基、2−チエニルチオ基、2−ピロリルチオ基、6−インドリルチオ基、2−ベンゾフリルチオ基、2−ベンゾチエニルチオ基、2−カルバゾリルチオ基、3−カルバゾリルチオ基、4−カルバゾリルチオ基等が挙げられる。
【0110】
アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられる。
【0111】
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
【0112】
アリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられる。
【0113】
ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられる。
【0114】
アルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等が挙げられる。
【0115】
以上述べた光重合開始剤として、特に好ましい具体例を以下に示すが、本発明の光重合開始剤の構造はそれらに限定されるものではない。

【0116】
【化9】

【0117】
【化10】

【0118】
【化11】

【0119】
【化12】

【0120】
【化13】

【0121】
【化14】

【0122】
【化15】

【0123】
【化16】

【0124】
【化17】

【0125】
【化18】

【0126】
【化19】

【0127】
【化20】

【0128】
【化21】

【0129】
【化22】

【0130】
【化23】

【0131】
【化24】

【0132】
【化25】

【0133】
【化26】

【0134】
【化27】

【0135】
【化28】

【0136】
【化29】

【0137】
【化30】

【0138】
【化31】

【0139】
【化32】

【0140】
【化33】

【0141】
【化34】

【0142】
本発明の光重合開始剤は、インクジェットインキ中に0.1〜20重量%,好ましくは,1〜12重量%の範囲で用いられる。
【0143】
本発明の光硬化型インクジェットインキにおけるモノマーとは、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーであり、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーとは、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ以上を有するモノマーであればどのようなものでも良い。これらはただ一種のみ用いても、目的とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合した系でもかまわない。
【0144】
本発明に使用するモノマーとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、β-カルボキシルエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、エチルジグリコールアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、イミドアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート等が挙げられる。さらには、山下晋三ら編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年、大成社)や加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」、(1985年、高分子刊行会)、ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79項、(1989年、シーエムシー)、赤松清編、「新・感光性樹脂の実際技術」、(1987年、シーエムシー)、滝山榮一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性モノマーが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0145】
モノマーは、インクジェットインキ中に30.0〜90.0重量%の範囲で用いられる。
【0146】
本発明の光硬化型インクジェットインキには、上記モノマー以外にオリゴマー、プレポリマーと呼ばれるものを使用できる。具体的には、ダイセルUCB社製「Ebecryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「Laromer EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320,R190、R130、R−300,C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201,UX−2301,UX3204、UX−3301、UX−4101,UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101」等が挙げられる。
【0147】
本発明で使用される光硬化型インクジェットインキの顔料としては、従来インクジェットインキに使用されている顔料、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料または有彩色の有機顔料が挙げられる。これらはただ一種のみ用いても、または色相および濃度の調整等を目的とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合した系でもかまわない。
【0148】
具体的な有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等の公知公用の各種顔料が挙げられる。
【0149】
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86 93、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
【0150】
カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」等が挙げられる。
【0151】
酸化チタンの具体例としては、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820,830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW−10」「タイペークPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」等が挙げられる。
【0152】
上記顔料の中で、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。 有機顔料は、レーザー散乱による測定値で平均粒径10〜150nmの微細顔料であることが好ましい。顔料の平均粒径が10nm未満の場合は、粒径が小さくなることによる耐光性の低下が生じ、150nmを越える場合は、分散の安定維持が困難になり、顔料の沈澱が生じやすくなる。
【0153】
有機顔料の微細化は下記の方法で行うことができる。すなわち、有機顔料、有機顔料の3重量倍以上の水溶性の無機塩および水溶性の溶剤の少なくとも3つの成分からなる混合物を粘土状の混合物とし、ニーダー等で強く練りこんで微細化したのち水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌してスラリー状とする。次いで、スラリーの濾過と水洗を繰り返して、水溶性の無機塩および水溶性の溶剤を除去する。微細化工程において、樹脂、顔料分散剤等を添加してもよい。
【0154】
水溶性の無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。これらの無機塩は、有機顔料の3重量倍以上、好ましくは20重量倍以下の範囲で用いる。無機塩の量が3重量倍よりも少ないと、所望の大きさの処理顔料が得られない。また、20重量倍よりも多いと、後の工程における洗浄処理が多大であり、有機顔料の実質的な処理量が少なくなる。
【0155】
水溶性の溶剤は、有機顔料と破砕助剤として用いられる水溶性の無機塩との適度な粘土状態をつくり、充分な破砕を効率よく行うために用いられ、水に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇して溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から沸点120〜250℃の高沸点の溶剤が好ましい。水溶性溶剤としては、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0156】
本発明において顔料は、十分な濃度および十分な耐光性を得るため、インクジェットインキ中に1〜30重量%の範囲で用いられる。
【0157】
本発明では、顔料の分散性およびインキの保存安定性を向上させるために顔料分散剤を添加するのが好ましい。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
【0158】
分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
【0159】
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
【0160】
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、アビシア社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000GR、32000、33000、39000、41000、53000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、822、824」等が挙げられる。
【0161】
分散剤の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくはインクジェットインキ中に0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
【0162】
本発明のインクジェットインキには、顔料の分散性およびインキの保存安定性をより向上させるために、有機顔料の酸性誘導体を顔料の分散時に配合することが好ましい。
【0163】
また、本発明の光硬化型インクジェットインキはさらに感度向上の目的で他の重合開始剤と併用することが可能である。
【0164】
本発明の光硬化型インクジェットインキと混合して併用可能な他の重合開始剤としては、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、CGI242(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717(旭電化社)、Esacure1001M(Lamberti社)、ルシリンTPO(BASF社)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−213861号公報、特開平5−255347号公報、特開平5−255421号公報、特開平6−157623号公報、特開2000−344812号公報、特開2002−265512号公報、特願2004−053009号公報、ならびに特願2004−263413号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)、特開昭61−24558号公報、特表2004−534797号公報、ならびに特開2004−359639号公報記載のオキシムエステル化合物、特表2002−530372号公報記載の二官能性光開始剤などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0165】
また紫外から近赤外の光に対して吸収を持つ増感剤と組み合わせて組成物とすることによっても紫外から近赤外領域にかけての光に対する活性を高め、極めて高感度な光重合性組成物とすることが可能である。
【0166】
本発明の光硬化型インクジェットインキと混合して併用可能な増感剤としては、ベンゾフェノン類、カルコン誘導体やジベンザルアセトンなどに代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体などが挙げられ、その他さらに具体例には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどを挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどを挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102などを挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0167】
本発明で使用される併用してもよい光重合開始剤および増感剤は、インクジェットインキ中に0〜20重量%,好ましくは,0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
【0168】
また、本発明の光硬化型インクジェットインキは保存時の重合を防止する目的で重合禁止剤を添加することが可能である。
【0169】
本発明の光硬化型インクジェットインキに添加可能な重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、アルキル置換ハイドロキノン、カテコール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることが出来る。重合禁止剤の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくはインクジェットインキ中に0.01〜5重量%の範囲で用いられる。
【0170】
また、本発明の重合性組成物はさらに重合を促進する目的で、アミンやチオール、ジスルフィドなどに代表される重合促進剤や連鎖移動触媒を添加することが可能である。
【0171】
本発明の重合性組成物に添加可能な重合促進剤や連鎖移動触媒の具体例としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、N−フェニルグリシン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルアニリン等のアミン類、USP第4414312号明細書や特開昭64−13144号公報記載のチオール類、特開平2−291561号公報記載のジスルフィド類、USP第3558322号明細書や特開昭64−17048号公報記載のチオン類、特開平2−291560号公報記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類があげられる。重合促進剤や連鎖移動触媒の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくはインクジェットインキ中に0.001〜5重量%の範囲で用いられる。
【0172】
本発明のインクジェットインキには、基材への濡れ性を向上させるために表面調整剤を加えることが好ましい。表面調整剤の具体例としては、ビックケミー社製「BYK−300、302、306、307、310、315、320、322、323、325、330、331、333、337、340、344、370、375、377、350、352、354、355、356、358N、361N、357、390、392、UV3500、UV3510、UV3570」テゴケミー社製「Tegorad−2100,2200、2250、2500、2700」等が挙げられる。これら表面調整剤は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
【0173】
表面調整剤の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくはインクジェットインキ中に0.001〜1重量%の範囲で用いられる。
【0174】
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは可塑剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤等の種々の添加剤を使用することができる。
【0175】
本発明のインクジェットインキは、モノマー、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。予め顔料高濃度の濃縮液を作成しておいてモノマーで希釈することが好ましい。通常の分散機による分散においても充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としないため、インキ成分の分散時の変質を招きにくく、安定性に優れたインキが調製される。インキは、孔径3μm以下さらには、1μ以下のフィルターにて濾過することが好ましい。
【0176】
本発明のインクジェットインキは、25℃での粘度が5〜50mPa・sと高めに調整することが好ましい。25℃での粘度が5〜50mPa・sのインキは、特に通常の4〜10KHzの周波数を有するヘッドから、10〜50KHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。
【0177】
粘度が5mPa・s未満の場合は、高周波数のヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められ、50mPa・sを越える場合は、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出そのものの低下を生じ、吐出の安定性が不良となり、全く吐出できなくなる。
【0178】
また、本発明のインクジェットインキは、ピエゾヘッドにおいては、10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインキとすることが好ましい。また、コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には、0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
【0179】
本発明のインクジェットインキを使用するには、まずこのインクジェットインキをインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、このプリンタヘッドから基材上に吐出し、その後紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射する。これにより印刷媒体上の組成物は速やかに硬化する。
【0180】
本発明の光硬化型インクジェットインキは重合反応に際して、紫外線や可視光線、近赤外線、電子線等によるエネルギーの付与により重合し、目的とする重合物を得ることが可能である。尚、本明細書でいう紫外線、可視光線、近赤外線等の定義は久保亮五ら編「岩波理化学辞典第4版」(1987年、岩波)によった。
【0181】
したがって、本発明の光硬化型インクジェットインキは、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、ヘリウムネオンレーザ、クリプトンイオンレーザ、各種半導体レーザ、YAGレーザ、発光ダイオード、CRT光源、プラズマ光源、電子線、γ線、ArFエキシマーレーザ、KrFエキシマーレーザ、F2レーザ等の各種光源によるエネルギーの付与により目的とする重合物や硬化物を得ることが出来る。
【0182】
本発明で用いることのできる基材としては、非コート紙、コート紙、非吸収性支持体等が挙げられる。
【0183】
具体的な非吸収性支持体としては、各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムが挙げられ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることが出来る。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、金属類やガラス類も使用することが出来る。
【0184】
本発明で得られた光硬化型インクジェットインキは、従来同様の手法を用いて、印刷や硬化をすることが出来る。本発明の該インキは、インキ硬化後の皮膜表面から光重合開始剤およびその分解物やその他組成物の揮発、溶出等の染み出しの量を抑えることが出来る。さらに、その結果光重合開始剤やその分解物やその他組成物に由来する臭気の低減も出来る。
【実施例】
【0185】
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに、なんら限定されるものではない。尚、以下の実施例における表中の数字は重量%を表す。
【0186】
実施例に先だって、実施例に用いた本発明の化合物を表1に示す。

【0187】
【表1】

【0188】
これらの表1に記載の化合物は、特願2005−022871に記載されている合成方法を用いることで得ることができた。
【0189】
まず、顔料と顔料分散剤とモノマーからなるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック顔料分散体を作製した。このうちシアン顔料分散体の配合を表2に示す。この分散体は有機溶剤中に顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作製した。
【0190】
実施例1(インキ1)
顔料分散体、モノマー、樹脂、光開始剤を混合してイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックインキを得た。このうちシアンインクジェットインキの配合を表3に示す。
【0191】
実施例2〜5(インキ2〜5)
実施例1の化合物(1)を化合物(2)〜(5)に置き替えた以外は、実施例1と同様にしてインクジェットインキを作製した。このうちシアンインクジェットインキの配合を表3に示す。
【0192】
比較例1、2(インキ6、7)
実施例1の化合物(1)をイルガキュア184(Irg184)、イルガキュア907(Irg907)に置き替えた以外は、実施例1と同様にしてインキを作製した。このうちシアンインクジェットインキの配合を表4に示す。
【0193】
印刷インキの性能評価は以下のようにして行った。実施例1〜5および比較例1、2のインキ性能評価(1)〜(3)について結果を表5に記す。
(1)硬化性:インクジェットインキをUV−IJプリンターにてPETに印字したものを、紫外線照射(メタルハライドランプ120W/cm1灯)後、インキ表面を指触して粘着性のないコンベアスピードで判定した。紫外線照射装置のコンベアスピード(m/分)で数字が大きい程硬化性が良い。
(2)臭気性:硬化性と同条件で硬化した印刷物を細かくカットしてガラス瓶に詰め、5人のパネラーが臭気性を相対的に判定したものであり、1(不良)〜5(良好)の五段階で評価した。
(3)ブリード量:硬化性と同条件で硬化した印刷物の上に印刷されていない基材を置き、温度60℃、圧力15g/cm2で1日放置し、印刷されていない基材に移行した未反応の開始剤量やその他の組成物を定量した。


【0194】
【表2】

【0195】
【表3】

【0196】
【表4】

【0197】
【表5】

【0198】
本発明の光重合開始剤を用いた光硬化型インクジェットインキの場合、一般的に使用されている光重合開始剤を用いた場合と同等以上の硬化性を有していることが分かった。また、本発明の光硬化型インクジェットインキは、インキ硬化後の表面からの光重合開始剤やその分解物、その他組成物のブリード量を抑えることが出来た。この結果に関して、まだ詳細は明らかになっていないが、以下のように推測している。本発明の光重合開始剤は比較的分子量が大きいこともあり、それ自身の昇華性は低い。そのことを裏付けるように、本発明の光硬化型インクジェットインキでは、インキ硬化後の光重合開始剤やその分解物の揮発などから起こると考えられる臭気はほとんどない。インキの硬化性が高い方が、光重合開始剤やその分解物やその他組成物が染み出しにくいことは想像できるが、実施例および比較例のインキの硬化性試験とブリード試験の結果から考えると、インキの硬化性がブリード量にそれほど大きな影響を及ぼしているとは考えにくい。それ以上に、光重合開始剤の昇華性が何らか関与して、インキ中から光重合開始剤やその分解物が染み出しにくかったのではないかと考えられる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともモノマーと、顔料と、下記一般式(1)で表される光重合開始剤とからなる光硬化型インクジェットインキ。
一般式(1)
【化1】





(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または置換もしくは未置換のアルケニル基を表す。また、R1とR2とが一体となって環を形成してもよい。
3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、またはCOR5を表す。また、R3とR4とが一体となって環を形成してもよい。
5は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。
Xは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基を表し、
Ar1は下記一般式(2)を表す。)
一般式(2)
【化2】






(式中、R6〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の複素環チオ基、置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のジアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基、またはハロゲン原子を表す。また、R6〜R10は、一体となって芳香環を形成してもよい。)
【請求項2】
Xが、下記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)である請求項1記載の光硬化型インクジェットインキ。
一般式(3)
【化3】




一般式(4)
【化4】




一般式(5)
【化5】




一般式(6)
【化6】




(式中、YおよびZは、それぞれ独立に、−O−、−S−、>S=O、>SO2、−N(R11)−、−CO−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、炭素原子数2〜6のアルキリデン基もしくは直接結合を表し、
Uは、−O−、−S−、または−N(R11)−を表し、
VおよびWは、窒素原子を表し、
11は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。)
【請求項3】
Xが、一般式(3)である請求項2記載の光硬化型インクジェットインキ。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか記載の光硬化型インクジェットインキを印刷し、光照射により硬化させて得られる印刷物。



【公開番号】特開2008−19389(P2008−19389A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−194242(P2006−194242)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】