説明

光硬化型接着剤組成物及びそれを用いた偏光板

【課題】偏光板製造に際しての、生産性の向上、設備コストの低減、材料コストの低減、接着性の向上、及び保護フィルム等の組合せ構成の自由度向上を目的として、厚み3μm未満の薄層の接着剤層であっても、偏光フィルムと熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムのみならず、偏光フィルムと酢酸セルロース系保護フィルム、アクリル系樹脂フィルム等各種保護フィルムとの接合においても強固に接合する接着剤であって、無溶剤型で、粘度が低く3μm未満の薄膜均一塗工を生産性良く塗布することが可能な光硬化型接着剤の提供及びそれを用いた偏光板を提供することを目的とする。
【解決手段】光硬化型接着剤組成物が少なくとも
(a)ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート50〜99重量%
(b)光重合開始剤0.5〜10重量%
(c)アクリロキシ基又はメタクリロキシ基含有シランカップリング剤から選ばれた一種0.2〜5重量%
である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板の製造に適した接着剤に関する。特に、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムとを接合する無溶剤型の光硬化型接着剤組成物及びそれを用いた偏光板に関する。
【背景技術】
【0002】
偏光板は通常、ヨウ素や色素が吸着配向したポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面又は両面に、水溶性のポリビニルアルコール系接着剤を介して、透明樹脂フィルム、例えば、酢酸セルロース系樹脂フィルムに代表される保護フィルムを積層した構成となっている。これを、必要により他の光学フィルムを介して、液晶セルに粘着剤で貼り合わせ、液晶表示装置の構成部品となる。
【0003】
従来から、酢酸セルロース系樹脂を保護フィルムとすることを主に意図し、それとポリビニルアルコール系偏光フィルムとの接着について、各種提案がなされている。有機溶剤を含まない水系接着剤として、例えば、特許文献1には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムを接着するポリビニルアルコール系接着剤に、グリオキザールを所定量配合することが記載され、また、特許文献2には、同じくポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムを接合するポリビニルアルコール系接着剤に、水溶性エポキシ化合物を所定量配合することが記載されており、密着性の向上が図られている。
【0004】
一方、接着方法としては、従来の技術において、例えば、ダイコータ等を使用して、水溶性ポリビニルアルコール系接着剤を、保護フィルムと偏光フィルムとの間に塗布し、ローラにより接着剤が塗られた保護フィルムと偏光フィルムとを圧着して、偏光板を得る。最後に、焼成炉により偏光板を焼成して、保護フィルムと偏光フィルムとを更に密着させる方法がある。
【0005】
上記従来技術によるインライン方式は、焼成時間が長く(約20分間)、偏光板は輸送ベルトの方式により生産されるため、輸送工程において、焼成炉を利用して焼成工程を行う。焼成時間が長いということは焼成炉が長くなることを意味し、設備コストおよび設備空間の浪費という問題があった。また、長すぎる焼成時間により、上述のフィルムは熱により容易に収縮し、偏光板の品質および生産歩留りが下がるという問題もあった。
【0006】
一方、偏光板の使用環境という観点からは、液晶表示装置は、その用途が拡大するにつれて、様々な環境で使用されるようになり、それを構成する部品には高い耐環境性が要求されている。例えば、携帯電話に代表されるモバイル用途の液晶表示装置では、高温高湿下での使用も可能であることが要望され、そこに使用される偏光板についても、高い耐高温高湿耐久性が要求されている。しかしながら、従来の構成の偏光板では、ポリビニルアルコール系接着剤を使用しているため、特に高温高湿環境下に長時間晒されると、偏光フィルムと酢酸セルロース系フィルムの界面が剥離しやすくなるという密着性低下の問題があった。
【0007】
一方、偏光板の保護フィルムとして、酢酸セルロース系フィルムの耐熱性及び吸水性を改善する目的で、熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムを用いることが提案されている。例えば、特許文献3には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる保護フィルムを積層して偏光板とすることが記載されており、そのために用いる接着剤として、ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアネート樹脂溶液とを混合したドライラミネート用接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤などが例示されている。また、特許文献4には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコール系接着剤と2液タイプ接着剤の混合物である接着剤層を介して、環状オレフィン系樹脂からなる保護膜を積層し、偏光板とすることが記載されている。さらに、特許文献5には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなる保護フィルムとを、ポリウレタン系接着剤により接着して、偏光板とすることが記載されている。
【0008】
しかしながら、ポリビニルアルコール系接着剤を用いてポリビニルアルコール系偏光フィルムとノルボルネン系樹脂フィルムを接着した場合、さらにまた、一般に知られるウレタン系、アクリル系、酢酸ビニル系などの接着剤を用いた場合においても、両フィルムの組合せにより、接着性が必ずしも十分とはいえなかった。
さらに、偏光板としての光学特性の観点からは、接着剤層の厚みは例えば3μm未満のできるだけ薄層であることが好ましいが、アクリル系などの感圧系粘着剤では、それ自体の厚みが10〜50μmあり、ある程度厚くならざるを得ず、偏光板としての光学特性に悪影響を与えていた。また、スチレンブタジエンゴム系接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤等は、有機溶剤を含有しており、環境上や作業者の健康上の問題があった。さらに、このような有機溶剤を含有する接着剤を、従来の有機溶剤を用いない偏光板製造設備に適用しようとすると、防爆設備の新設など、設備改造の煩雑さを伴った。
【0009】
一方、上記問題点を解決する方法として、特許文献6、特許文献7には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムとノルボルネン系樹脂フィルムとを接合する無溶剤型の紫外線硬化接着剤として、ウレタン(メタ)アクリレートを必須成分とし、更に所定比率の親水性の重合モノマーと疎水性の重合モノマーの混合系を前記ウレタン(メタ)アクリレートに所定量添加した重合性モノマーよりなる紫外線硬化型接着剤の例が記載されている。これによれば、接着剤層の厚みが3μmで良好な接着力が得られるとされている。
【0010】
しかしながら、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと酢酸セルロース系フィルムとの接合に関しては何ら記載されていない。また、これらの発明は重合性モノマーとして親水性モノマーと疎水性モノマーの適切に混合することにより偏光フィルムとノルボルネン系樹脂フィルムとの接着力のバランスをとっており、両物の材質の変更などによってはそのバランスをとることが難しいという欠点がある。
【0011】
また、接着剤層の膜厚は偏光板の光学特性の観点からのみならず偏光板材料費のコストダウンの面からも更なる薄膜化で上記接着特性を改良することが望まれている。即ち接着剤層の膜厚が3μm未満で耐環境特性を含めてポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムの接着特性を改善することが強く望まれている。また、膜厚が3μm未満の接着剤層を塗工面の均一性を維持しながら、インライン製造工程下生産性良く塗工するためには、光硬化型接着剤液の粘度はE型粘度計(25℃)で、49mPa・s以下の低粘度であることが望ましい。
【0012】
一方、特許文献6、特許文献7に記載のウレタン(メタ)アクリレートは一般的に高粘度であるため、実質的に接着剤液粘度は50mPa・sよりも高粘度となり、インライン製造工程下における更なる薄膜塗工の際における塗工面の均一性や生産性に欠ける場合がある。
【0013】
特許文献8には、偏光板の製造方法の発明が記載されている。[0023]の実施例1には、偏光板の製造で使用される紫外線硬化型接着剤が、主成分が2−ヒドロキシエチルアクリレート、光硬化開始剤(2,2−ジメトキシ−2−ジフェニルエタンー1−オン)5重量%と記載されている。この接着剤は、仮に2−ヒドロキシエチルアクリレートが95重量%の配合であった場合、本明細書の比較例1で評価した結果、耐高温高湿性を全く有しないもので実使用できるものではないことが明らかであった。
【0014】
また、偏光板には、その表面に、耐擦傷性や帯電防止性、防眩性、反射防止性などの機能を求められることも多い。ポリビニルアルコール系偏光フィルムとノルボルネン系樹脂フィルムを接合させる場合に、ノルボルネン系樹脂フィルムは、従来からのトリアセチルセルロースなどの酢酸セルロース系樹脂からなる保護フィルムと比較して、その表面に機能を付与させることが容易ではないために、機能が不十分であったり、機能が付与できたとしても高価なものとなったりしていた。そこで、偏光板の少なくとも片面の保護フィルムには、酢酸セルロース系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルムのいずれかのフィルムが望まれることが多い。
【0015】
従って、偏光フィルムと酢酸セルロース系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム等各種保護フィルムとも強固に接合する接着剤であって、無溶剤型で、粘度が低く生産性良く3μm未満の薄膜均一塗工が可能で、且つ、偏光板が高温高湿環境下に長時間晒された場合であっても、接着性が良好なインライン製造に適した光硬化型接着剤が強く望まれている。
【0016】
【特許文献1】特開平7−134212号公報
【特許文献2】特開平9−258023号公報
【特許文献3】特開平6−51117号公報
【特許文献4】特開2000−321430号公報
【特許文献5】特開2000−321432号公報
【特許文献6】特開2007−171887号公報
【特許文献7】特開2007−177169号公報
【特許文献8】特開2008−65160号公報、段落[0023]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
液晶表示装置の一つに液晶テレビがある。液晶テレビの普及率は、ここ数年間に急激に伸びてきている。売れ筋の画面は大型になるとともに、販売数量が伸びてきていることから液晶の生産面積量は爆発的に多くなってきている。また、液晶テレビの販売価格は、画面が30インチ以上の中型、大型であっても年々低下してきている。そこで、液晶表示装置で使われる偏光板についても、製造コストの低減が急務になり、製造設備の小型化、製造速度の向上、製造で使用される熱、電気エネルギーの低下、材料コストの低下等さまざまな見直しが図られている。
【0018】
本発明の目的は、偏光板製造に際しての、生産性の向上、製造設備コストの低減、使用エネルギーの低下、材料コストの低減、接着性の向上、及び保護フィルム等の組合せ構成の自由度向上を目的として、厚み3μm未満の薄層の接着剤層であっても、偏光フィルムと熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムのみならず、偏光フィルムと酢酸セルロース系保護フィルム、アクリル系樹脂フィルム等各種保護フィルムとの接合においても強固に接合する接着剤であって、無溶剤型で、粘度が低く3μm未満の薄膜均一塗工を生産性良く塗布することが可能で、且つ偏光板が高温高湿環境下に長時間晒された場合であっても接着性が良好なインライン製造に適した光硬化型接着剤の提供及びそれを用いた偏光板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者らは、かかる目的のもとで鋭意研究を行った結果、本発明の課題は以下の手段により達成されることを見出した。
<1>ポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムとを接着するための光硬化型接着剤組成物であって、該光硬化型接着剤組成物が
(a)ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート50〜99重量%
(b)光重合開始剤0.5〜10重量%
(c)アクリロキシ基又はメタクリロキシ基含有シランカップリング剤から選ばれた少なくとも一種0.2〜5重量%
を少なくとも有していることを特徴とする光硬化性接着剤組成物。
<2>上記<1>の光硬化型接着剤組成物であって、さらに光酸発生剤を0.1重量%〜3重量%有することを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
<3>上記<2>の光硬化型接着剤組成物であって、光酸発生剤がトリハロメチルトリアジン類であることを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
<4>上記<1>乃至<3>の光硬化型接着剤組成物であって、光重合開始剤が330nm〜450nmの光で感光することを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
<5>上記<1>乃至<4>の光硬化型接着剤組成物であって、メルカプト基含有連鎖移動剤を0.1重量%〜5重量%有することを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
<6>上記<1>乃至<5>の光硬化型接着剤組成物であって、該ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基炭素数が2〜6であることを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
<7>上記<6>の光硬化型接着剤組成物であって、該ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートの50〜100重量%がヒドロキシ含有アルキルアクリレートであることを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
<8>上記<7>の光硬化型接着剤組成物であって、該ヒドロキシ基含有アルキルアクリレートがヒドロキシブチルアクリレートであることを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
<9>上記<1>乃至<8>のいずれかに記載の光硬化型接着剤を用いてポリビニルアルコール系偏光フィルムの片面または両面に保護フィルムを接着してなる偏光板。
<10>上記<9>の偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1つが酢酸セルロース系樹脂フィルムである偏光板。
<11>上記<9>の偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1つがノルボルネン系樹脂フィルムである偏光板。
<12>上記<9>の偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1つがアクリル系樹脂フィルムである偏光板。
【発明の効果】
【0020】
本発明の光硬化型接着剤組成物により、偏光板製造に際しての、生産性の向上、設備コストの低減、接着性の向上、及び保護フィルム等の組合せ構成の自由度向上が可能となる。具体的には、下記の効果が得られる。
1、無溶剤型で接着剤組成物の粘度が低いので薄膜均一塗工を高速塗工することができ、塗工工程でフィルム同士を貼り合わせるインライン製造が可能となる。
2、塗工時に乾燥設備、その後の焼成設備を必要としなので、製造設備の費用が安くて済む。使用エネルギーは、焼成のための熱エネルギーが不要となり少なくて済む。
3、接着剤層の厚みが3μm未満の薄層であっても、偏光フィルムと保護フィルムの接着力は強固なものとなる。
4、保護フィルムが熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムのみならず、酢酸セルロース系保護フィルム、アクリル系樹脂フィルム等であっても偏光フィルムとの接着力は強固なものとなる。
5、製造された偏光板は、長時間、高温高湿の環境下にさらされても接着力の低下が見られない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る光硬化型接着剤及びそれを用いた偏光板について詳細に説明する。
なお、本実施形態の説明では、「偏光フィルム」と「偏光板」とを区別して用いるが、「偏光板」は「偏光フィルム」の少なくとも片面に該偏光フィルムを保護する酢酸セルロース系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム等から選ばれる保護フィルムを有する積層体のことを意味するものとする。
【0022】
<光硬化型接着剤組成物>
本発明において、偏光フィルムと保護フィルムとの接合に用いる光硬化型接着剤組成物は
(a)ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート50〜99重量%
(b)光重合開始剤0.5〜10重量%
(c)アクリロキシ基又はメタクリロキシ基含有シランカップリング剤から選ばれた少なくとも一種0.2〜5重量%
を少なくとも有していることを特徴とする光硬化性接着剤組成物である。
【0023】
<ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート> 本発明に使用されるヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートとは具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたは1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートまたは3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートまたは1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートまたは5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート又は6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等からなる群より少なくとも1つ選ばれる。前記ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートは、接合用接着剤組成物として、光重合により重合物に可撓性を付与し、更に光重合開始剤の溶媒として有効に作用し、接着剤としての接着力を高めるばかりでなく、接着剤組成物の粘度を低下させ、練和作業性や接着作業性を改善するために必須の成分である。さらに、これらヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートの中でも、アルキル基の炭素数が2〜6のヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートを適宜組み合わせることが、偏光フィルムや保護フィルムとの塗液の濡れ性や光硬化後の硬化物の可塑性を調整する上で好適である。これにより特許文献7や特許文献6に記載の発明のようにヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートのような親水性モノマーと例えばイソボルニル(メタ)アクリレートのような疎水性モノマーを組み合わせる必要がなく、より単純な系で偏光フィルムと両保護フィルムの接合を可能にする。
【0024】
また、本発明に必須成分であるヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートの中でも、ヒドロキシ基含有アルキルアクリレートが、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムの接合における光硬化時における接着力の向上にはより好ましい。勿論、必要に応じて、ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート中、ヒドロキシアルキルアクリレートを主成分として、前記ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートやヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を濡れ性や硬化物の可塑性調整剤として添加することは可能であるが、この場合はヒドロキシ基含有アルキルアクリレートの量が、ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート中50重量%以上であることが好ましい。
【0025】
更にヒドロキシ基含有アルキルアクリレートのなかでも、ヒドロキシブチルアクリレートが特に好ましい。これにより同一の処方の光硬化型接着剤組成物を用いて、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと各種の保護フィルムとの接合を可能にする。
【0026】
光硬化型接着剤組成物全重量中、ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートは、接着強度、柔軟性、光硬化型や粘度等のバランスから、50〜99.5重量%含有する必要がある。
【0027】
<光重合開始剤>
ここで、光重合開始剤としては、感光波長域が330nm〜450nmにあり、前記ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数は2〜6)に良好な溶解性を有しるものであれば良く、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ヘキサアリールビイミダゾール、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシド;イルガキュアー184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61(以上、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製);ルシリンLR8728(BASF製);Darocure1116、1173(以上、メルク製);ユベクリルP36(UCB製)や例えばケトン化合物とアミン化合物を組み合わせた複合光開始剤等従来公知の光重合開始剤を使用することができる。また、必要に応じて増感剤等も組み合わせることができる。
【0028】
光重合開始剤の配合量は、本発明の光硬化型接着剤組成物全量に対して0.49〜10重量%含有する必要がある。さらに好ましい範囲は、0.49〜5重量%とする。0.49重量%未満であると光硬化型が悪く十分な接着性能が得られない。10重量%超えるとと無駄であり、場合により光重合開始剤が結晶として析出する場合があるばかりでなく、接着性能に悪影響を生じることとなる。
【0029】
<シランカップリング剤>
本発明におけるシランカップリング剤の効果は、特に高温多湿環境下に長時間晒される場合に、偏光フィルムと保護フィルムの界面が剥離しやすくなるという密着性低下の問題を解決するものである。そして本発明の組成物中のシランカップリング剤としてはアクリロキシ基又はメタクリロキシ基含有シランカップリング剤を組み合わせた場合が特異的に高温多湿環境下に長時間晒される場合の前記密着性低下の問題を解決する。
具体的には、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランや3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等があげられる。
【0030】
この中でも、ヒドロキシ基含有アルキルアクリレートとアクリロキシ基含有シランカップリング剤の組合せが特に良好である。
【0031】
シランカップリング剤の配合量は、本発明の接着剤組成物全量に対して、0.2〜5重量%とすることが好ましい。これ以下であると高温多湿環境下に長時間晒される場合の前記密着性低下の問題を解決する接着力改善効果が小さく、これ以上であると剥離強度に対して悪影響を生じる場合がある。
【0032】
<光酸発生剤>
本発明における光酸発生剤は、i−線(365nm),h−線(405nm),g−線(436nm)等を含む活性光線または放射線等公知の光を照射することで分解して酸を発生する化合物を適宜に選定して使用することが出来るものであり、高温多湿環境下に長時間晒される場合に偏光フィルムと保護フィルムの界面が剥離しやすくなるという密着性低下の問題を解決するために使用されるシランカップリング剤をより効果的に機能させる効果がある。
【0033】
本発明の光酸発生剤としては、例えば、S.I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387(1974)、T.S. Bal et al, Polymer, 21, 423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号、同 Re 27,992号、特願平3-140140号等に記載のアンモニウム塩、D.C. Necker et al, Macromolecules, 17, 2468(1984) 、C.S. Wen etal, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988) 、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号等に記載のホスホニウム塩、J.V. Crivello etal, Macromorecules, 10(6), 1307 (1977) 、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31 (1988)、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049 号、同第410,201 号、特開平2-150848号、特開平2-296514号等に記載のヨードニウム塩、J.V. Crivelloet al, Polymer J. 17, 73(1985)、J.V. Crivello et al. J. Org. Chem., 43,3055 (1978) 、W.R. Watt et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984) 、J.V. Crivello et al, Polymer Bull., 14, 279(1985) 、J.V. Crivello et al, Macromorecules, 14(5), 1141 (1981) 、J.V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 2877(1979) 、欧州特許第370,693 号、同3,902,114 号、同233,567 号、同297,443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377 号、同161,811 号、同410,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,444 号、同2,833,827 号、独国特許第2,904,626 号、同3,604,580 号、同3,604,581 号等に記載のスルホニウム塩、J.V. Crivello et al, Macromorecules, 10(6),1307(1977) 、J.V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 1047(1979) 等に記載のセレノニウム塩、C.S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815 号、特公昭46-4605 号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736 号、特開昭61-169835 号、特開昭61-169837 号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401 号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339 号等に記載の有機ハロゲン化合物、K. Meier et al, J. Rad. Curing, 13(4), 26(1986) 、T.P. Gill et al, Inorg. Chem., 19, 3007(1980) 、D.Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377 (1896)、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S. Hayase et al, J. Polymer Sci., 25, 753(1987) 、E. Reichmanis et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 23, 1(1985)、Q.Q. Zhu et al, J. Photochem., 36, 85, 39, 317 (1987) 、B. Amit et al, Tetrahedron Lett., (24)2205 (1973) 、D.H.R. Barton et al, J. Chem Soc., 3571(1965) 、P.M. Collins et al, J. Chem. Soc., Perkin I, 1695(1975)、M. Rudinstein et al, Tetrahedron Lett., (17), 1445 (1975) 、J.W. Walker et al, J. Am. Chem. Soc., 110, 7170 (1988)、S.C. Busman et al, J. Imaging Technol., 11(4), 191 (1985) 、H.M. Houlihan et al, Macoromolecules,21, 2001 (1988)、P.M. Collins et al, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 532(1972) 、S. Hayase et al, Macromolecules, 18, 1799(1985) 、E. Reichmaniset al, J. Electrochem. Soc., Solid State Sci. Technol., 130(6)、F.M. Houlihan et al, Macromolecules, 21, 2001 (1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083 号、同156,535 号、同271,851 号、同0,388,343 号、米国特許第3,901,710 号、同4,181,531 号、特開昭60-198538 号、特開昭53-133022 号等に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M. TUNOOKA et al, Polymer Preprints Japan, 35(8)、G. Berner et al, J. Rad. Curing, 13(4)、W. J. Mijset al, Coating Technol., 55(697), 45(1983) 、Akzo, H. Adachi et al, Polymer Preprints, Japan, 37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515 号、同 199,672号、同044,115 号、同0101,122号、米国特許第4,618,564 号、同4,371,605 号、同4,431,774 号、特開昭64-18143号、特開平2-245756号、特願平3-140109号等に記載のイミノスルフォネート等に代表される、光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号に記載のジスルホン化合物などが挙げられるが、中でも、トリハロメチルトリアジン類が好適である。トリハロメチルトリアジン類としては、例えば、トリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(メチルフラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0034】
光酸発生剤の配合量は、本発明の接着剤組成物全量に対して、0.1〜3重量%とすることが好ましい。これ以下であると高温多湿環境下に長時間晒される場合の前記密着性低下の問題を解決する効果が小さく、これ以上であると無駄であり、場合により結晶として析出する場合があるばかりでなく、剥離強度に悪影響を生じることとなる。
【0035】
本発明の光硬化型接着剤組成物の他の組成物としては、重量モノマーを用いる。重合性モノマーとして、ウレタン(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートの如き脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートの如き芳香族構造含有(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートの如き脂肪族構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムの如きビニル基含有ラクタム等が挙げられる。これらの重合モノマーより1種以上選択して用いる。
【0036】
ここで例えば、更なる接着力向上のためウレタン(メタ)アクリレート等を添加する場合には、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものではない。例えばポリイソシアネートと多価アルコール類とを反応させた後、更に水酸基含有(メタ)アクリル化合物および必要に応じて水酸基含有アリルエーテル化合物を反応させることによって得ることが出来るラジカル重合性不飽和基含有オリゴマーが挙げられる。また、これとは別に水酸基含有(メタ)アクリル化合物と多価アルコール類とを反応させた後、更にポリイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。これらの中でも一分子当たり2〜3個の二重結合を有していて二重結合1個当たりの数平均分子量が500〜3000であるウレタン(メタ)アクリレートを使用するのが好ましいが、その量は、接着剤組成物全量中4.5重量%以下が好ましい。特に3重量%以下が好ましい。これを超える量であると硬化膜が脆くなったり、或は粘度が49mPa・sよりも高粘度となり本発明の課題である厚み3μm未満の薄層均一塗布を生産性良く塗工することに問題が生じる場合がある。
【0037】
<連鎖移動剤>
又、必要に応じて本発明の光硬化型接着剤組成物には従来から公知の連鎖移動剤を添加することも可能である。連鎖移動剤とは、重合反応における分子量制御に用いられる物質であり、例えばトリエチレングリコールジメルカプタン、トリメチロールプロパン−トリス−(β−チオプロピネート)、トリス−2−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート・トリス−β−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン等のポリチオール類、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール等のメルカプト化合物、N−フェニルグリシンフェニルエステルなどのアミン類、5−フェニルテトラゾールなどのテトラゾール類、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどのチアジアゾール類、ジフェニルチオウレアなどのチオウレア類等が使用でき、硬化物の脆さを制御し接着力の改善を図ることができる。
【0038】
連鎖移動剤の配合量は、本発明の接着剤組成物全量に対して、0.1〜5重量%とすることが好ましい。これ未満であると接着力改善効果は殆どなく、これ以上であると場合により、接着力に対して悪影響を生じる場合がある。
【0039】
本発明における光硬化型接着剤組成物の粘度は、塗布厚み3μm未満の薄膜均一塗布を生産性良く塗工するにあたり、1〜49mPa・sの範囲であることが好ましい。好ましくは、1〜40mPa・sの範囲とする。さらにこの好ましくは、1〜20mPa・sの範囲とする。特に好ましくは、1〜15mPa・sの範囲とする。49mPa・sよりも高粘度な場合、塗布面の均一性が劣るだけでなく、生産性に欠けるため好ましくない。通常の塗工速度10m/minに対して、塗工速度が20m/min以上の高速塗布の場合の粘度は、1〜20mPa・sの範囲とする。
【0040】
偏光板の製造において、光硬化型接着剤層の厚みは、0.05〜5μmの範囲が好ましい。さらに好ましくは、0.1〜2.5μmの範囲とする。0.05μm未満であると接着力が弱くなる。5μmを超えると光学特性が低下したり材料コストが上がり無駄になる。また、厚みを薄くすることによって、耐高温高湿性の性能が向上するため、接着力の低下が許容できる範囲で、できる限り薄くするのが好ましい。本発明の接着剤は、粘度が低いので薄い厚みとすることができ、しかも耐高温高湿性の向上を図ることができるものである。
【0041】
本発明の光硬化型接着剤組成物の粘度は、従来の光硬化型接着剤に比べて粘度が低いので、3μm未満の厚みであっても平滑な塗工が可能であり接着されたものは接着性能等が優れたものとなる。
【0042】
<偏光板の製造>
偏光フィルムと保護フィルムとを接合して偏光板を製造するための接着方法としては、例えば、従来公知のダイコータによりポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムとの間に接着剤を塗布しローラーにより接着剤が塗られた保護フィルムと偏光フィルムとを圧着した後、i−線やg−線等を含む光を50〜3000mj/cm照射して光硬化型接着剤組成物を硬化させることで本発明の偏光板を得ることができる。また、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの片面又は両面にロールコータ、バーコータ、グラビアロール等により接着剤を塗工し保護フィルムを貼着した後、i−線(365nm),h−線(405nm),g−線(436nm)等を含む光を50〜3000mj/cm照射して光硬化型接着剤組成物を硬化させることで本発明の偏光板を得ることもできる。
【0043】
図2は、本発明の光硬化型接着剤組成物を用いて偏光板を製造する好適な装置の概略図である。この装置は、高精度を必要とするコーターヘッドが無いので、装置のコストを下げることができる。ヘッド偏光フィルムと保護フィルムの間に、接着剤供給ノズルより接着剤を供給して塗布した後、ピンチロールにて加圧して貼合し、保護フィルム/接着剤層/偏光フィルム/接着剤層/保護フィルムの構成の積層体とする。次に、積層体は、光照射装置より光が照射されて光硬化型接着剤組成物を硬化させ巻取ロールにより巻き取ることで偏光板が出来上がる。
【0044】
この装置において、接着剤の粘度が50mPa・s以上のような高いものであると接着剤層の厚みは、5μm以下と薄くすることが困難となる。薄くならないと前記接着剤層の厚みの説明で記載したように、耐高温高湿性が低下する問題がでてくる。本発明の光硬化型接着剤組成物であれば、光硬化型接着剤組成物の粘度を50mPa・s未満にすること及び1〜20mPa・sにすることは容易であり、接着剤層の厚みは容易に5μm以下にすることができる。さらに、0.1〜2.5μmの範囲の厚みにすることも容易であり、光学特性を上げ、コストを下げ、且つ耐高温高湿性を上げることが容易にできる特徴をもつものである。
【0045】
<偏光フィルム> 偏光フィルムは、通常ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素や有機染料などの二色性の材料を染色・吸着させ、これを一軸延伸して製造することができる。偏光フィルムに用いるポリビニルアルコール系樹脂は、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して得られるのであるが、本発明では必ずしもこれに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有させた変性ポリビニルアルコール系樹脂であっても良い。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量はとくに限定されないが、好ましくは60000〜300000、より好ましくは120000〜260000であり、ケン化度は80モル%以上であることが好ましく、特には85〜100モル%、更には98〜100モル%が好ましい。これら偏光フィルムの厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
【0046】
<保護フィルム>
<ノルボルネン系樹脂フィルム> ノルボルネン系樹脂フィルムは、例えば、(イ)ノルボルネン系モノマーの開環重合体もしくは開環共重合体を、必要に応じて、マレイン酸付加、シクロペンタジエン付加等の変性を行った後水素添加した樹脂、(ロ)ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹脂、(ハ)ノルボルネン系モノマーとエチレン、α−オレフィン等のオレフィン系モノマーとを付加重合させた樹脂、(ニ)ノルボルネン系モノマーとシクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエン等の環状オレフィン系モノマーとを付加重合させた樹脂、及び、これらの変性物などのノルボルネン系樹脂を成形したフィルムを意味している。
【0047】
市販のノルボルネン系樹脂フィルムはJSR社の商品名「アートン」、日本ゼオン社の商品名「ゼオノア」が知られている。また、これらのフィルムにはコロナ放電表面処理をおこなっても良い。コロナ放電処理は例えば大気圧下100W/m/min程度の処理条件で行える。
【0048】
フィルムの厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣るものとなり、一方で厚すぎると、透明性が低下したり、偏光板の重量が大きくなったりするなどの問題が生じる。適当な厚みは、例えば、3〜200μm程度であり、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜100μmである。
【0049】
<酢酸セルロース系フィルム> 酢酸セルロース系フィルムは、セルロースの部分又は完全酢酸エステル化物であって、例えば、トリアセチルセルロースフィルムやジアセチルセルロースフィルムなどが挙げられる。市販のトリアセチルセルロースフィルムとしては、富士フィルム(株)から販売されている「フジタック TD80」、「フジタック TD80UF」及び「フジタック TD80UZ」等がある。また酢酸セルロース系フィルムは、接着剤との接着力を上げるため、その表面にケン化処理を施してもよい。ケン化処理は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法により行うことができる。また、これらのフィルムにはコロナ放電表面処理をおこなっても良い。コロナ放電処理は例えば大気圧下100W/m/min程度の処理条件で行える。フィルムの厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣るものとなり、一方で厚すぎると、透明性が低下したり、偏光板の重量が大きくなったりするなどの問題が生じる。適当な厚みは、例えば、20〜200μm程度、好ましくは20〜100μmである。
【0050】
<アクリル系樹脂フィルム>アクリル系樹脂フィルムは、例えば、ポリメチルメタアクリル樹脂を主成分とした成形フィルムなどが挙げられる。市販のアクリル系樹脂フィルムとしては住友化学工業(株)から販売されている「テクノロイS001」、「テクノロイS003」等がある。フィルムの厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣るものとなり、一方で厚すぎると、透明性が低下したり、偏光板の重量が大きくなったりするなどの問題が生じる。適当な厚みは、例えば、3〜200μm程度であり、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜100μmである。
【0051】
上記の保護フィルムの他にポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系のフィルムが保護フィルムとして使用できる。
【実施例】
【0052】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、以下において「%」は特に断りのない限り「重量%」を意味する。
<偏光板の作製>
<ポリビニルアルコール系偏光フィルム>
ポリビニルアルコールフィルムからなるヨウ素系偏光フィルム(厚み:25μm)を使用した。
<保護フィルム>
実施例1〜21、比較例1〜6については富士フィルム(株)から販売されているトリアセチルセルロース(TAC)フィルム「フジタック TD80」を保護フィルムとして使用した。
実施例22についてはノルボルネン系樹脂フィルムである日本ゼオン(株)製「ゼオノア、厚み100μm」を保護フィルムとして使用した。
実施例23についてはアクリル系樹脂フィルムである住友化学(株)製PMMA樹脂フィルム「テクノロイS001、厚み100μm」を保護フィルムとして使用した。
<偏光板の作成>
保護フィルムの表面にアプリケーターバーを用いて表1,表2の厚みで光硬化型接着剤組成物を塗布しポリビニルアルコール系偏光フィルムの両面に光硬化型接着剤組成物を介して貼り合わせた。これに200mJ/cmの紫外線を照射して光硬化型接着剤組成物を硬化させて偏光板を得た。ついで、これを25mm幅に裁断して剥離強度測定用試験片とした。
【0053】
<剥離強度の測定>
23℃、50%RH環境下で、JIS K6854−4記載の接着剤−剥離接着強さ試験方法第4部、浮動ローラー法に準拠して、引張速度100mm/分で剥離強度を測定した。
<耐高温高湿性の評価>
50mm×50mmの大きさに裁断した偏光板をスライドガラスにアクリル系粘着剤を用いて貼り付け、60℃、90%RHの恒温恒湿機に投入して100時間処理し、偏光板端面の密着状態を下記の基準で評価した。
◎:偏光板端面の剥離が100μm未満であり密着性は特に良好
○:偏光板端面の剥離が500μm未満であり密着性は良好
△:偏光板端面の剥離が500〜1000μm発生し、密着性が劣る
×:偏光板端面の剥離が1000μmを超えて発生し、密着性が激しく劣る
<粘度の測定>
E型粘度計で25℃における光硬化型接着剤組成物の粘度を測定した。光硬化型接着剤組成物は製造して1時間後、25℃中の密閉容器で保存した物を用いた。
【0054】
<光硬化型接着剤組成物>
<A ヒドロキシル基含有(メタ)アクリルアクリレート>
A‐1 2−ヒドロキシブチルアクリレート
A‐2 4−ヒドロキシブチルアクリレート
A‐3 2−ヒドロキシエチルアクリレート
A‐4 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート
A‐5 2−ヒドロキシエチルメタクリレート
<B 光重合開始剤>
B‐1 ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド
B‐2 2‐ベンジル1[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノプロパン‐1‐オン
<C シランカップリング剤>
C‐1 3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
C‐2 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
C‐3 3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
C‐4 3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
C‐5 N−2−(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
C‐6 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
<D 光酸発生剤>
D‐1 2−(2−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン
D−2 2−[2−(メチルフラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン
<E 重合性モノマー>
E‐1 N,N−ジメチルアクリルアミド
E−2 ウレタンアクリレート日本合成化学工業(株)製、商品名「UV−3000B」
<F 連鎖移動剤>
F‐1 ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)
F−2 1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン
【0055】
実施例1〜20、比較例1〜5
表1および表2に記す組成比率で光硬化型接着剤組成物を調整した。
次いで、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム「フジタック TD80」の表面にアプリケーターバーを用いて光硬化型接着剤組成物を塗布しポリビニルアルコール系偏光フィルムの両面に光硬化型接着剤組成物を介して貼り合わせた。これに200mJ/cmの紫外線を照射して光硬化型接着剤組成物を硬化させて偏光板を得た。得られた偏光板の評価結果を表1および表2に記す。














【0056】
【表1】












【0057】
【表2】

【0058】
表1〜2からも明らかなように本発明の係る実施例1〜20の光硬化型接着剤組成物を使用して作製した偏光板においては何れも2N/25mmを超える剥離強度を示すのみならず耐高温多湿性にも優れたものであったのに対して、比較例1は、シランカップリング剤が規定量未満の光硬化型接着剤組成物である。このものは、剥離強度こそ高い値を示したものの、耐高温多湿性が低く長期使用において信頼性に劣るものであった。比較例2、3は、アクリロキシ基又はメタクリロキシ基含有しないシランカップリング剤を用いた光硬化型接着剤組成物のため、耐高温多湿性が低く長期使用において信頼性に劣るものであった。また、比較例4は、アクリロキシ基またはメタクリロキシ基含有シランカップリング剤が規定量以上である接着剤組成物である。このものは、耐湿熱性に優れたものであったが、剥離強度が低く実使用上問題のあるものであった。
【0059】
さらに、光硬化型接着剤組成物の粘度が5〜49mPa・sである実施例1〜20は生産性良く3μm未満の薄膜均一塗工が可能であったのに対して、比較例5のウレタンアクリレートを10重量%含有した光硬化型接着剤組成物は粘度が52mPa・sと高く、塗布厚み3μm未満の薄層均一塗布を生産性良く塗工するにあたり塗布ムラ等問題が生じるものであった。
【0060】
また、実施例1〜20の光硬化型接着剤組成物の粘度を測定した結果、いずれも1〜40mPa・sであり、3μm未満の薄膜均一塗工に適したものであることが確認された。
【0061】
実施例21
保護フィルムとしてノルボルネン系樹脂フィルムである日本ゼオン(株)製“ゼオノア、厚み100μm”を使用した以外は実施例2の場合と同様に偏光板を作製し、剥離強度と耐高温多湿性を評価した。
実施例22
保護フィルムとしてアクリル系樹脂フィルムである住友化学(株)製PMMA樹脂フィルム「テクノロイS001、厚み100μm」を使用した以外は実施例2の場合と同様に偏光板を作製し、剥離強度と耐高温多湿性を評価した。
実施例21〜22の結果は表3に示す。
【0062】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の光硬化型接着剤組成物で製造される偏光板の模式的断面図である。
【図2】偏光板の製造方法の1例を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0064】
1 偏光板
2 偏光子
3 光硬化型接着剤
4 保護フィルム
5 ピンチロール
6 光照射装置
7 巻き取りロール
8 接着剤供給ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムとを接着するための光硬化型接着剤組成物であって、該光硬化型接着剤組成物が
(a)ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート50〜99重量%
(b)光重合開始剤0.5〜10重量%
(c)アクリロキシ基又はメタクリロキシ基含有シランカップリング剤から選ばれた一種0.2〜5重量%
を少なくとも有していることを特徴とする光硬化性接着剤組成物。
【請求項2】
請求項1記載の光硬化型接着剤組成物であって、さらに光酸発生剤を0.1重量%〜3重量%有することを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
【請求項3】
請求項2記載の光硬化型接着剤組成物であって、該光酸発生剤がトリハロメチルトリアジン類であることを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
【請求項4】
請求項1乃至3記載の光硬化型接着剤組成物であって、光重合開始剤が330nm〜450nmの光で感光することを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4記載の光硬化型接着剤組成物であって、メルカプト基含有連鎖移動剤を0.1重量%〜5重量%有することを特徴とする光硬化型接着剤組成物。
【請求項6】
前記ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基炭素数が2〜6であることを特徴とする請求項1乃至5記載の光硬化型接着剤組成物。
【請求項7】
前記ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートの50〜100重量%がヒドロキシ含有アルキルアクリレートであることを特徴とする請求項6記載の光硬化型接着剤組成物。
【請求項8】
前記ヒドロキシ基含有アルキルアクリレートがヒドロキシブチルアクリレートであることを特徴とする請求項7記載の光硬化型接着剤組成物。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の光硬化型接着剤を用いてポリビニルアルコール系偏光フィルムの片面または両面に保護フィルムを接着してなる偏光板。
【請求項10】
請求項9記載の偏光板であって保護フィルムの少なくとも1つが酢酸セルロース系樹脂フィルムであることを特徴とする偏光板。
【請求項11】
請求項9記載の偏光板であって保護フィルムの少なくとも1つがノルボルネン系樹脂フィルムであることを特徴とする偏光板。
【請求項12】
請求項9記載の偏光板であって保護フィルムの少なくとも1つがアクリル系樹脂フィルムであることを特徴とする偏光板。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−18721(P2010−18721A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181035(P2008−181035)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000237237)フジコピアン株式会社 (130)
【Fターム(参考)】