説明

光硬化性組成物

【課題】耐熱性試験や耐オイル性試験においても物理特性が安定し、泡抜け性が良いと共に作業性に優れた光硬化性組成物を可能にする。
【解決手段】(A)成分〜(C)成分を含む光硬化する組成物。(A)成分:主骨格が(メタ)アクリルモノマーの重合体からなり、分子内に少なくとも2の(メタ)アクリル基を有する化合物(B)成分:(b−1)成分および/または(b−2)成分からなる(メタ)アクリルモノマー(b−1)成分:(A)成分100質量部に対して0.1〜45質量部を含み、分子内に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー(b−2)成分:(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部を含み、分子内に飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマー(C)成分:光開始剤

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー線を照射することにより硬化する弾性を有する耐熱性および耐オイル性に優れた組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1の様に主骨格に(メタ)アクリル重合体であり、反応性の(メタ)アクリル基を代表するアルケニル基を有する高分子化合物が知られている。本化合物は耐久性に優れることが知られている。しかしながら、本化合物を実務的に使用するには、粘性が高く低分子化合物により希釈しなければ、塗布後の泡抜け性及び塗出時に糸引きなどが発生しない様に作業性の向上を達成することができない。
【0003】
また、特許文献2の様に、前記高分子化合物はアルケニル基を有するため、ラジカル種を発生する開始剤を添加することで加熱または光硬化性を有する。特に、光硬化性を付与させると紫外線照射により短時間で硬化することができる。しかしながら、高分子量体に反応基が有する場合、一般的に架橋密度が低くなる。その結果、仮に硬化したとしても硬化物の弾性が低下する、表面のベタつきが発生するなどの硬化物に関する問題点も発生する。
【0004】
(メタ)アクリルモノマーを添加すると架橋点が増えるため、硬化物が強固になると共に、表面のベタつきも低下する。しかしながら、特許文献3の様に(メタ)アクリルモノマーの添加量を増やしすぎると、硬化物が粘着剤となってしまい弾性を有する硬化物ができない。また、(メタ)アクリルモノマーを添加すれば、耐熱性などが低下や硬化物が脆くなる傾向が見られる。前記高分子化合物をシール剤やポッティング剤に応用するためには、(メタ)アクリルモノマーの選択および添加量は重要な要素である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−038404号公報
【特許文献2】特開2006−274084号公報
【特許文献3】特開2005−105065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来は、耐久試験である耐熱性試験や耐オイル性試験において物理特性が安定し、泡抜け性が良いと共に塗布時の作業性に優れた光硬化性組成物が見いだされていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、次に説明する実施形態により本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の要旨を次に説明する。本発明の第一の実施態様(3Bでは形態と表記)は、(A)成分〜(C)成分を含む光硬化する組成物である。
(A)成分:主骨格が(メタ)アクリルモノマーの重合体からなり、分子内に少なくとも2の(メタ)アクリル基を有する化合物
(B)成分:(b−1)成分および/または(b−2)成分からなる(メタ)アクリルモノマー
(b−1)成分:(A)成分100質量部に対して0.1〜45質量部を含み、分子内に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー
(b−2)成分:(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部を含み、分子内に飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマー
(C)成分:光開始剤
【0009】
本発明の第二の実施態様は(D)成分として、表面をアルキル基で処理したヒュームドシリカを含む 第一の実施形態に記載の組成物である。
【0010】
本発明の第三の実施形態は(b−1)成分における水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーが式1の構造を有する第一又は第二の実施形態のいずれかに記載の組成物である。
【0011】
本発明の第四の実施形態は(b−2)成分における飽和脂環骨格が、イソボルニル骨格および/またはジシクロペンタニル骨格を有する第一乃至第三の実施形態のいずれかに記載の組成物である。
【0012】
本発明の第五の実施形態は、自動車関連の電子部品に用いられる第一乃至第四の実施形態に記載の組成物である。
【0013】
本発明の第六の実施形態は、第一乃至第五の実施形態に記載のシール剤である。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、耐熱性試験や耐オイル性試験においても物理特性が安定し、泡抜け性が良いと共に作業性に優れた光硬化性組成物を可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の詳細を次に説明する。本発明で使用することができる(A)成分としては、主骨格が(メタ)アクリルモノマーの重合体からなり、分子内に少なくとも2の(メタ)アクリル基を有する化合物である。ここで(メタ)アクリル基とはアクリル基とメタクリル基の総称である。(A)成分には反応性を有する(メタ)アクリル基が残っており、分子の側鎖及び/又は末端のいずれに存在していても構わないが、ゴム弾性および柔軟性の点からは、主鎖の両末端に存在することが好ましい。
【0016】
(A)成分の主鎖を構成する(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。(メタ)アクリルモノマーとは、アクリル基たまはメタクリル基を有するモノマーの総称である。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、前記(メタ)アクリルモノマーより選択して重合させることができるが、好ましくは炭化水素基を有する(メタ)アクリルモノマーを選択することが好まし。
【0017】
(A)成分の数平均分子量(Mn)の下限は500好ましくは3000であり、上限は10万好ましくは5万ある。数平均分子量が500未満であると組成物の硬化物が有する弾性が発現されにくくなる傾向があり、10万を超えると粘性が高くなりすぎて組成物を塗出する際に糸引きが発生する。
【0018】
(A)成分は種々の重合法により得ることができ、その方法は特に限定されないが、モノマーの汎用性及び反応制御の容易性の点からラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合の中でも制御ラジカル重合が好ましく、リビングラジカル重合がより好ましく、原子移動ラジカル重合が特に好ましい。また、主鎖である(メタ)アクリルモノマーの重合体に対して、(メタ)アクリル基の導入法は、(1)末端に水酸基を有するビニル系重合体と、塩素、臭素、または水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、との反応による方法、(2)末端にハロゲン基を有するビニル系重合体とアルカリ金属イオンまたは4級アンモニウムイオン含有(メタ)アクリレート化合物との反応による方法、(3)末端に水酸基を有するビニル系重合体にジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる方法などが挙げられる。これらの方法は既に公知な方法であり、特開昭61−133201号公報、特開平11−80250号公報、特開2000−38404号公報、特開2001−271055号公報、特開2002−69121号公報などに記載されている。
【0019】
本発明の(B)成分である(メタ)アクリルモノマーが指すものは、前記と(メタ)アクリルモノマーと同一であるが、本発明の(B)成分として使用することができるのは、(b−1)成分として分子内に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーおよび/または(b−2)成分として飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマーである。好ましい添加量は、(A)成分100質量部に対して(b−1)成分が0.1〜45質量部を含む場合および/または(A)成分100質量部に対して(b−2)成分が0.1〜10質量部である。(B)成分の総添加量が多いと、硬化物が脆くなり耐久試験において耐久性を保持することができない。一方、(B)成分の総添加量が少ないと、粘度が高くなり塗布性が低下すると共に、組成物の粘性が高くなり糸引きの問題が発生する。
【0020】
(b−1)成分の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。好ましい(b−1)成分は一般式1であり、最も好ましくは、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートおよび/または2−ヒドロキシエチルメタクリレート
【化1】

(Rは水素またはメチル基、Rはメチル基またはエチル基を示す。)
【0021】
(b−2)成分の具体例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンタニル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。最も好ましくは、イソボルニル骨格および/またはジシクロペンタニル骨格を有する(メタ)アクリルモノマーである。
【0022】
本発明の(C)成分として用いることができる光開始剤は、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより活性ラジカル種が発生し(A)成分及び(B)成分をラジカル重合させるものである。(C)成分の具体例としては、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、オリゴ(2−ヒドロキシー2−メチルー1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4−アリルアセトフェノン、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルー1−フェニルー1−プロパノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイル、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、o−メチルベンゾエート、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルホーメートなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
(A)成分100質量部に対して、(C)成分は0.1〜10質量部添加されることが好ましい。(C)成分が0.1質量部より少ないと光硬化性が低下し、10質量部より多いと、ラジカル種の発生量が多くなり硬化物が硬くなる傾向が見られる。
【0024】
本発明で使用することができる(D)成分は、表面をアルキル基で処理したヒュームドシリカである。ヒュームドシリカの表面にはシラノールが残留しているため未処理の状態では親水性であるが、前記シラノールにジメチルジクロロシランなどを付加させることで表面を疎水化する手法が知られている。本発明では、炭素数が2以上で直鎖状のアルキル基を付加させたヒュームドシリカが好ましい。具体的な商品名とては、日本アエロジル株式会社製のNKC130、R805などが挙げられる。ヒュームドシリカの表面処理の種類は多数存在するが、アルキル基以外の処理は組成物中に分散させた後、長期保存中に沈降する傾向があり本発明の(D)成分が適している。さらに、(D)成分を使用した場合、明確な理由は判明していないが泡抜け性が良好である。硬化物に泡が残留した場合、その部分からクラックが入り耐久試験にて物理特性を維持することができない。
【0025】
(A)成分100質量部に対して、(D)成分は0.1〜10質量部添加されることが好ましい。(D)成分が0.1〜5.0質量部添加されることが特に好ましい。(D)成分が0.1質量部より少ないと、(B)成分の添加量との兼ね合いもあるが粘度が低すぎて流れてしまう。一方、5.0質量部より多いと、やはり(B)成分の添加量との兼ね合いもあるが泡抜け性が低下する傾向が見られる。
【0026】
光が照射されない陰部を硬化させるため、本発明の硬化性組成物には有機過酸化物を添加して加熱硬化性を付与することもできる。有機過酸化物の具体例を挙げると、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジn−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカルボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジt−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等のパーオキシエステル類;及びアセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートがあるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
本発明の硬化性組成物には、物性を調整するために各種の添加剤、例えば、老化防止剤、可塑剤、物性調整剤、溶剤等を配合してもよい。(メタ)アクリル系重合体は本来、耐熱性、耐候性、耐久性に優れた重合体であるので、老化防止剤は必ずしも必要ではないが、従来公知の酸化防止剤、光安定剤を適宜用いることができる。また、老化防止剤は、重合時の重合制御にも用いることができ、物性制御を行うこともできる。
【0028】
酸化防止剤は各種のものが知られており、チオエーテル系、リン系、ヒンダードフェノール系、モノアクリレートフェノール系、ニトロキシド系が挙げられる。なかでも、以下に示したようなヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
【0029】
チオエーテル系酸化防止剤の具体例として、MARK PEP−36、MARK AO−23(以上いずれもアデカアーガス化学製)などが挙げられる。
【0030】
リン系酸化防止剤の具体例として、Irgafos38、Irgafos168、IrgafosP−EPQ(以上いずれも日本チバガイギー製)などが挙げられる。
【0031】
ヒンダードフェノール系化合物としては、具体的には以下のものが例示できる。2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(又はジ又はトリ)(α−メチルベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]o−クレゾール、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。商品名で言えば、ノクラック200、ノクラックM−17、ノクラックSP、ノクラックSP−N、ノクラックNS−5、ノクラックNS−6、ノクラックNS−30、ノクラック300、ノクラックNS−7、ノクラックDAH(以上いずれも大内新興化学工業製)、MARK AO−30、MARK AO−40、MARK AO−50、MARK AO−60、MARK AO−616、MARK AO−635、MARK AO−658、MARK AO−80、MARKAO−15、MARK AO−18、MARK 328、MARK AO−37(以上いずれもアデカアーガス化学製)、IRGANOX−245、IRGANOX−259、IRGANOX−565、IRGANOX−1010、IRGANOX−1024、IRGANOX−1035、IRGANOX−1076、IRGANOX−1081、IRGANOX−1098、IRGANOX−1222、IRGANOX−1330、IRGANOX−1425WL(以上いずれも日本チバガイギー製)、SumilizerGA−80(住友化学製)等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
モノアクリレートフェノール系酸化防止剤の具体例として、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(商品名スミライザーGM)、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート(商品名スミライザーGS)等が例示される。
【0033】
ニトロキシド系酸化防止剤の具体例として、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが例示される。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
【0034】
また、酸化防止剤は光安定剤と併用してもよい。光安定剤の具体例としてはビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名サノール)などが挙げられる。併用することによりその効果をさらに発揮し、特に耐熱性が向上することがあるため特に好ましい。なお、予め酸化防止剤と光安定剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー製)等を使用しても良い。
【0035】
本発明の光硬化性組成物は、シール部、ポッティング部などに塗布した後、紫外線や可視光などの活性エネルギー線の照射により硬化することができるため、取扱性が良好である。また、本発明は耐熱性及び耐オイル性を有するため、車載用電子部品の中でも常に高温とオイル飛散に曝される部品にも用いることができる。過酷な耐久性が必要とさる車載用電子部品の具体例としては、オイルプレッシャースイッチ、エアフロメータ、カムポジションセンサ、水温センサ、クランクポジションセンサ、吸気温センサ、車速センサ等が挙げられる。または、ポッティングが必要な車載用電子基板や車載用電気電子部品の組立てに使用することができる。電子基板の具体例としては、エンジン制御装置、スロットル制御装置、排気ガス再循環制御装置等の電子基板が挙げられる。
【実施例】
【0036】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。(以下、光硬化性組成物を単に組成物と呼ぶ。)
【0037】
[製造例1]
主骨格が(メタ)アクリルモノマーの重合体からなり、分子内に少なくとも2の(メタ)アクリル基を有する化合物を以下の通り製造した。臭化第一銅を触媒、ペンタメチルジエチレントリアミンを配位子、ジエチル−2,5−ジブロモアジペートを開始剤として、アクリル酸n−ブチルを重合し、数平均分子量25200、分子量分布1.20の末端臭素基ポリ(アクリル酸n−ブチル)を得た。この重合体300gをN,N−ジメチルアセトアミド(300mL)に溶解させ、アクリル酸カリウム5.3gを加え、窒素雰囲気下、70℃で3時間加熱攪拌し、アクリロイル基両末端ポリ(アクリル酸n−ブチル)(以下、重合体1という)の混合物を得た。この混合液中のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧留去した後、残さにトルエンを加えて、不溶分をろ過により除去した。濾液のトルエンを減圧留去して、重合体1を精製した。精製後の重合体1の数平均分子量は27100、分子量分布は1.31、平均末端アクリロイル基数は2.0(即ち、末端へのアクリロイル基の導入率は100%)であった。
【0038】
前記の「数平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したものを2本(shodex GPC K−802.5;昭和電工(株)製)(shodex GPCK−804;昭和電工(株)製)直列につないで用い、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
【0039】
組成物を調製するために下記成分を準備した。
(A)成分:主骨格が(メタ)アクリルモノマーの重合体からなり、分子内に少なくとも2の(メタ)アクリル基を有する化合物
・製造例1
(B)成分:(b−1)成分および/または(b−2)成分からなる(メタ)アクリルモノマー
(b−1)成分:分子内に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー
・モノマー1:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
・モノマー2:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
(b−2)成分:分子内に飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマー
・モノマー3:イソボニルアクリレート
・モノマー4:ジシクロペンタニルアクリレート
(B’)成分:(B)成分以外の(メタ)アクリルモノマー
・モノマー1’:ラウリルアクリレート
・モノマー2’トリメチロールプロパントリメタクリレート
(C)成分:光開始剤
・光開始剤1:ベンゾフェノンと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンの1:2の混合物。
(D)成分:表面をアルキル基で処理したヒュームドシリカ
・シリカ1:オクチルシラン基を付加したヒュームドシリカ(平均粒径12nm、比表面積200m/g)(アエロジルR805 日本アエロジル株式会社製)
(D’)成分:(D)成分以外のヒュームドシリカ
・シリカ1’ポリジメチルシロキサン基を付加したヒュームドシリカ(平均粒径12nm、比表面積200m/g)(アエロジルRY200 日本アエロジル株式会社製)
・シリカ2’:ジメチルシロキサン基で処理したヒュームドシリカ(平均粒径12nm、比表面積200m/g)(アエロジルR974 日本アエロジル株式会社製)
【0040】
組成物は、次の通り調整する。(A)成分と(D)成分を添加して撹拌機により30〜60分間撹拌した後、(B)成分を添加し更に30分程度撹拌を行う。(C)を添加して15分撹拌した後、脱泡を行いメッシュより濾過して容器に充填する。詳細な調製量は表1に従い、数値は全て質量部で表記する。
【表1】

【0041】
未硬化の実施例1〜10および比較例1〜13については、性状として粘度と泡抜け性を確認し、硬化物の実施例および比較例に関しては、物理特性として硬度、引張剪断強さ、伸び率、ガラス転移点(DMA)を測定した。また、耐久試験として、耐熱性確認試験および耐オイル性確認試験を実施した。初期の測定結果および耐久試験後の物理特性変化率を表2にまとめた。
【0042】
[粘度測定]
循環高温槽を用いて25℃に調整したコーンプレート型回転粘度計を用いる。組成物を0.5cc採取して、サンプルカップの中心部に吐出する。サンプルカップを本体に取り付け、3分間測定を行う。測定結果を「粘度(Pa・s)」とする。粘度は10〜40Pa・sが好ましく、10Pa・sより低いと流れ性が多すぎる傾向があり、40Pa・sより高いと塗布性が低下して糸引きの問題が発生する。
【0043】
[泡抜け性確認]
組成物へ意図的に気泡を混入させた後、当該組成物を12ccのガラス容器に10ccを充填する。その後、40℃雰囲気の恒温槽に12時間程度放置し、泡抜け性を三段階で判定する。判定基準は以下の通りとして、その結果を「泡抜け性」とする。泡抜け性は、○または△であることが好ましい。
○:気泡が残っていない
△:気泡が若干残っている
×:気泡が抜けていない
【0044】
[硬度(ショアーA)]
組成物の厚さを6mmに設定した状態で、紫外線照射機で45kJ/mを照射してシート状の硬化物を作成する。A型デュロメータ(硬度計)の加圧面をシート状硬化物に対して平行に保ちながら、衝撃を伴うことなく速やかに10Nの力で押しつけ、加圧面と試料とを密着させる。測定時に最大値を読み取り、最大値を「硬度(単位無し)」とする。詳細はJIS K 6253に従う。高温雰囲気に於いて硬度の低い方が体積の膨張収縮に追従することができるため、硬度は50未満であることが好ましい。
【0045】
[引張剪断接着強さ測定]
鉄(JIS,G,3141 SPCC,SD)に組成物を塗り、ガラス(JIS,R,3202)と25mm×10mmの面積で貼り合わせる。紫外線照射機で45kJ/mを照射してテストピースを作成する。テストピースの長軸とチャックの中心が一直線になる様に、テストピースの両端をチャックに固定する。引張速度50mm/minでテストピースを引張り、最大荷重を測定する。当該最大荷重時の強度を「剪断接着強さ(MPa)」とする。詳細はJIS K 6850に従う。剪断接着強さとしては、1.0MPa以上有することが好ましい。
【0046】
[伸び率測定]
組成物の厚さを2mmに設定し、45kJ/mを照射してシート状の硬化物を作成する。3号ダンベルで打ち抜いてテストピースを作製し、10mm間隔の標線をテストピースに記入する。引張剪断強さの測定と同じ容量でチャックに固定して、引張速度500mm/minでによって試験片の切断に至るまで引っ張る。測定時にテストピースが伸びて標線の間隔の広がるため、テストピースが切断されるまでノギスにより標線の間隔を計測する。初期の標線間隔を基準として、伸びた割合を「伸び率(%)」とする。膨張収縮に追従するためには伸び率が100%以上有することが好ましい。
【0047】
[ガラス転移点測定]
組成物の厚さを1mmに設定し、45kJ/mを照射してシート状の硬化物を作成する。幅10mmに打ち抜き、テストピースを作製する。DMA(動的粘弾性測定)装置に取り付け、貯蔵弾性率、損失弾性率、tanδを測定する。損失弾性率の極大値における温度を「ガラス転移点(℃)」とする。
【0048】
[耐熱性確認試験]
初期の測定に際して作成した硬度、剪断接着強さ、伸び率およびガラス転移点測定用テストピースの一部を、150℃雰囲気に設定した熱風乾燥炉に100時間放置する。テストピースを取り出して、室温になるまで放置した後に測定を行い、初期と150℃放置後の各特性の「変化率(%)」を数式1に従い計算する。ガラス転移点の変化率(%)は±10%以内、その他の試験項目の変化率(%)は±50%以内に入ることが好ましい。
【数1】

【0049】
[耐オイル性確認試験]
初期の測定に際して作成した硬度、剪断接着強さおよび伸び率測定用テストピースの一部を耐圧容器にオイルと共に投入する。耐圧容器を150℃雰囲気に設定した熱風乾燥炉に100時間放置する。耐圧容器を取り出して室温になるまで放置した後、テストピースを取り出してオイルを拭き取る。その後に測定を行い、初期と150℃放置後の各特性の数式1に従い「変化率(%)」を計算する。各試験項目の変化率(%)は±50%以内に入ることが好ましい。
【表2】

【0050】
耐熱性と耐オイル性を両立することができない。(b−1)成分の添加量が45質量部を超えてる比較例2、(b−2)成分の添加量が10質量部を超えている比較例3〜5では耐オイル試験後の変化率が大きい。一方、(b−1)成分と(b−2)成分を混合している比較例6〜9では、(b−1)成分は45質量部未満であるが、(b−2)成分は10質量部を超えており、耐熱性試験後の変化率が大きい。これと比較して、実施例では耐熱性および耐オイル性で変化率が50%未満に抑えられている。また、実施例と比較例10および11を比較すると、実施例においては泡抜け性が良好であるため、硬化物に気泡が残りにくく、耐久試験においてクラックの原因になりにくい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の光硬化性組成物は、他の硬化形態である加熱硬化、湿気硬化と比較しても短時間で硬化するため、ラインタクトの短縮に繋がるため部品や基板等の製造効率を向上させる。また、一般的に軟質な硬化物は耐久試験後は物理特性の劣化が激しいが、本発明は特に150℃雰囲気の耐熱性および150℃雰囲気の耐オイル性でも物理特性に変化が少なく安定して物理特性を維持することができる。特に、弾性を維持できるため温度変化による膨張収縮に追従することができ、被着体からの剥離などを起こしにくい。これらの特性を有する本発明は、電気分野はもちろんのこと自動車分野において車載用電気・電子部品に使用することができる。特に車載用電子部品は、エンジンオイル等のオイルに触れる部分に電子部品を使用することがあり、耐オイル性を合わせ持つ本発明は当該分野において有用な組成物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分〜(C)成分を含む光硬化する組成物。
(A)成分:主骨格が(メタ)アクリルモノマーの重合体からなり、分子内に少なくとも2の(メタ)アクリル基を有する化合物
(B)成分:(b−1)成分および/または(b−2)成分からなる(メタ)アクリルモノマー
(b−1)成分:(A)成分100質量部に対して0.1〜45質量部を含み、分子内に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー
(b−2)成分:(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部を含み、分子内に飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマー
(C)成分:光開始剤
【請求項2】
(D)成分として、表面をアルキル基で処理したヒュームドシリカを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(b−1)成分における水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーが式1の構造を有する請求項1また2のいずれかに記載の組成物。

(Rは水素またはメチル基、Rはメチル基またはエチル基を示す。)
【請求項4】
(b−2)成分における飽和脂環骨格が、イソボルニル骨格および/またはジシクロペンタニル骨格を有する請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
自動車関連の電子部品に用いられる請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のシール剤。

【公開番号】特開2012−116931(P2012−116931A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267189(P2010−267189)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000132404)株式会社スリーボンド (140)
【Fターム(参考)】