説明

光走査装置、光走査装置の制御方法及び画像表示装置

【課題】複数の光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示するための光走査装置等を提供すること。
【解決手段】ビーム状の光を供給する複数の光源部401と、光源部401からのビーム状の光を、被照射領域であるスクリーン110において第1の方向であるX方向と、第1の方向に略直交する第2の方向であるY方向へ走査させる走査部200と、を有し、走査部200は、X方向へビーム状の光を走査させる周波数が、Y方向へビーム状の光を走査させる周波数に比べて高くなるように駆動され、光源部401は、スクリーン110におけるビーム状の光のスポットが、X方向及びY方向にアレイ状に配列するように配置され、かつ、スクリーン110においてスポットがX方向へ並列する複数のビーム状の光を用いて階調を表現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置、光走査装置の制御方法及び画像表示装置、特に、画像信号に応じて変調されたレーザ光を走査することで画像を表示するための光走査装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光を走査させることで画像を表示する画像表示装置には、レーザ光を走査させる光走査装置が用いられる。光走査装置は、画像信号に応じて変調されたレーザ光を二次元方向へ走査させる。画像表示装置は、光走査装置からのレーザ光をスクリーン等に入射させることにより画像を表示する。レーザ光の変調には、一般に、レーザ光を点灯させるパルス幅を画像信号に応じて変化させるパルス幅変調(Pulse Width Modulation、以下、「PWM」という。)が用いられる。画像の1フレームにおいて、全画素について画像信号に応じた階調を表現するためには、最小単位のパルス幅を非常に小さくする必要がある。画像の画素数を多くするほど、また、画像の階調数を多くするほど、パルス幅の最小単位はさらに小さくなる。高出力のレーザ光源は、小さいパルス幅に応じて正確かつ高速にスイッチングを行うことが非常に困難である。そこで、変調周波数を高めることが困難である場合に、複数のレーザ光を用いることで、画像信号に応じて変調された光の走査を分担させることが考えられる。例えば、光走査装置が被照射領域の水平方向及び垂直方向へレーザ光を走査させる場合、レーザ光を走査させる周波数が垂直方向よりも水平方向のほうが高いとすると、複数のレーザ光を垂直方向へ並列させることにより、走査を分担させることができると考えられる。複数のレーザ光を垂直方向へ並列させる場合、単独のレーザ光を走査させる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することが可能である一方、照射領域においてスポット群の軌跡同士の間に大きな隙間が生じてしまう。かかる隙間は、並列させるレーザ光の数が多くなるほど大きくなる。また、水平方向へのスキャンも、画面の水平方向からずれて斜めになってしまう。レーザ光の走査軌跡の隙間が目立ち易くなると、高品質な画像を得ることが困難となる。目立ち易い隙間を生じさせないようにレーザ光を走査させる手段としては、水平方向及び垂直方向のいずれか一方向についての走査線と同数の光源を配置し、一方向のみへ各レーザ光を走査させることが考えられる。走査線と同数の光源を用いる技術としては、例えば、特許文献1に提案されるものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2003−21804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、走査線と同数の光源を配置する場合、非常に多くの光源が必要であることから、光走査装置が非常に高価なものとなってしまう。このように、従来、複数の光を用いて走査を分担する場合に、高品質な画像を表示することが困難であるという問題を生じている。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、複数の光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示するための光走査装置、光走査装置の制御方法、及びその光走査装置を用いる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、ビーム状の光を供給する複数の光源部と、光源部からのビーム状の光を、被照射領域において第1の方向と、第1の方向に略直交する第2の方向へ走査させる走査部と、を有し、走査部は、第1の方向へビーム状の光を走査させる周波数が、第2の方向へビーム状の光を走査させる周波数に比べて高くなるように駆動され、光源部は、被照射領域におけるビーム状の光のスポットが、第1の方向及び第2の方向にアレイ状に配列するように配置され、かつ、被照射領域においてスポットを第1の方向へ並列させる複数のビーム状の光を用いて階調を表現することを特徴とする光走査装置を提供することができる。
【0006】
ビーム状の光を走査させる周波数が、第2の方向である垂直方向よりも第1の方向である水平方向のほうが高いとする。ビーム状の光によるスポットは、被照射領域において、水平方向及び垂直方向へ配列している。複数のビーム状の光を用いることで、画像信号に応じて変調された光の走査を分担させ、単独の光を走査させる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することが可能である。また、垂直方向のみならず水平方向へもスポットを並列させることにより、垂直方向のみへスポットを並列させる場合よりもスポット群の軌跡同士の間の隙間を低減でき、高品質な画像を得ることが可能となる。さらに、被照射領域においてスポットを水平方向へ並列させる複数のビーム状の光を用いて階調を表現する構成とすることにより、水平方向へスポットを並列させる複数の光源部を用いて画像を表示することが可能となる。複数のビーム状の光を用いての階調の表現は、各レーザ光に階調を分担させ、ある画素の位置をレーザ光が走査するタイミングでそれぞれに分担された階調を表示するように各レーザ光を変調することにより行う。
【0007】
本発明の構成によると、複数の光源部からの光を利用して階調を表現することから、階調を表現するのに必要なパワーを複数の光源部に分散させることが可能である。このため、単独の光源部からの光によりすべての階調を表現する場合に比較して、小さい出力の光源部を用いることが可能となる。複数のビーム状の光を用いて階調を表現する場合、例えば、4つの光源部を用いて8ビットの階調表現を行う場合、各光源部に64階調ずつの表示を分担させる。この場合、1階調から63階調を担当する光源部以外の光源部は、64階調のON/OFFのみを表示すれば良い。また、1階調から64階調を担当する光源部については、パルス信号の振幅を従来の振幅の1/4に変換することにより、パルス幅の最小単位を従来の4倍とすることが可能となる。このため、単独の光を走査させる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することが可能となる。低い変調周波数で画像を表示することが可能であると、画像信号に応じて確実に光を変調し、高品質な画像を表示することが可能となる。これにより、複数の光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示するための光走査装置を得られる。
【0008】
また、本発明の好ましい態様によれば、走査部は、被照射領域において第2の方向へ並列させるスポットの個数と同じ数の行ごとに、第1の方向へのビーム状の光の走査を行うことが望ましい。これにより、被照射領域においてスポットが第1の方向及び第2の方向にアレイ状に配列する複数の光源部を用いて画像を表示することができる。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、走査部は、被照射領域において第2の方向へ並列させるスポットの個数より少ない数の行ごとに、第1の方向へのビーム状の光の走査を行うことが望ましい。これにより、被照射領域においてスポットが第1の方向及び第2の方向にアレイ状に配列する複数の光源部を用いて画像を表示することができる。
【0010】
また、本発明の好ましい態様としては、走査部は、被照射領域においてn行(nは正の整数)ごとに第1の方向へのビーム状の光の走査を行い、光源部は、被照射領域において第2の方向へm×n(mは正の整数)個のスポットを並列させ、かつ、第2の方向についてhn−k(k=0、1、…n−1、h=1、2、…m)行目にスポットを形成する、kの値ごとに選択されるm個の光源部群を用いて階調を表現することが望ましい。例えば4つ×4つのアレイ状に配列された光源部を用いて、被照射領域において2行ごとに第1の方向への走査を行うとする。これにより、被照射領域においてスポットが第1の方向及び第2の方向にアレイ状に配列する複数の光源部を用いて画像を表示することができる。また、本態様では、第1の方向へスポットを並列させる複数行の光源部群を用いて階調を表現することから、一行の光源部群を用いる場合よりもさらに多くの光源部を用いて階調を表現することとなる。これにより、さらに低い変調周波数で画像を表示可能な構成とすることができる。
【0011】
また、本発明の好ましい態様としては、第1の方向へスポットを並列させる複数の光源部のうちのいずれかに代替してビーム状の光を供給する予備用光源部を有することが望ましい。予備用光源部以外の光源部が所定の強度以上の光を正常に供給している間、予備用光源部は駆動を停止している。そして、予備用光源部以外の光源部のいずれかの光量が小さくなるか、あるいは点灯しなくなった場合、その光源部に代替して予備用光源部がビーム状の光を供給する。このようにして、光源部のいずれかが所定の強度以上の光を供給していない異常状態となっても画像を表示し続けることが可能である。また、第1の方向へスポットを並列させる複数の光源部に並列させて予備用光源部を設けることにより、異常が発生した光源部に予備用光源部を容易に代替させることができる。予備用光源部は、事後的に光源部が所定の強度以上の光を正常に供給できなくなった場合のみならず、製造時に欠陥がある光源部に代えて駆動させることとしても良い。製造時に欠陥がある光源部に代えて予備用光源部を駆動させることで、歩留まりを向上させることもできる。これにより、高い信頼性の光走査装置を得られる。
【0012】
また、本発明の好ましい態様としては、光源部からのビーム状の光を検出する光検出部を有し、予備用光源部は、光検出部からの検出結果により、複数の光源部のうち、供給されるビーム状の光が所定の強度以下であると特定された光源部に代替してビーム状の光を供給することが望ましい。所定の強度の光を供給できなくなった光源部を特定することで、異常を生じている光源部に代えて予備用光源部を即座に駆動させることが可能である。これにより、光源部の故障に対して即座に復旧可能な構成とすることができる。
【0013】
さらに、本発明によれば、複数の光源部によりビーム状の光を供給する光供給工程と、光供給工程において供給されたビーム状の光を、被照射領域において第1の方向と、第1の方向に略直交する第2の方向へ走査させる走査工程と、を含み、走査工程において、ビーム状の光は、第1の方向へ走査させる周波数が、第2の方向へ走査させる周波数に比べて高くなるように走査され、光供給工程において、ビーム状の光は、被照射領域におけるスポットが、第1の方向及び第2の方向にアレイ状に配列するように供給され、かつ被照射領域においてスポットを第1の方向へ並列させる複数のビーム状の光を用いて階調を表現することを特徴とする光走査装置の制御方法を提供することができる。
【0014】
走査工程においてビーム状の光を走査させる周波数は、第2の方向である垂直方向よりも第1の方向である水平方向のほうが高いとする。光供給工程において被照射領域へ供給される光のスポットは、水平方向及び垂直方向へ配列している。複数のビーム状の光を用いることで、画像信号に応じて変調された光の走査を分担させ、単独の光を走査させる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することが可能である。また、垂直方向のみならず水平方向へもスポットを並列させることにより、垂直方向のみへスポットを並列させる場合よりもスポット群の軌跡同士の間の隙間を低減でき、高品質な画像を得ることが可能となる。さらに、被照射領域において水平方向へ並列している複数のビーム状の光を用いて階調を表現する構成とすることにより、水平方向へスポットを並列させる複数の光源部を用いて画像を表示することが可能となる。
【0015】
複数の光源部からの光を利用して階調を表現することから、光供給工程では、階調を表現するのに必要なパワーを複数の光源部に分散させることが可能である。このため、単独の光源部からの光によりすべての階調を表現する場合に比較して、小さい出力の光源部を用いることが可能となる。また、複数の光源部からの光によって階調を表現する場合、階調ごとに光源部を分担させ、単独の光を走査させる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することが可能となる。低い変調周波数で画像を表示することが可能であると、画像信号に応じて確実に光を変調し、高品質な画像を表示することが可能となる。これにより、複数の光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示することができる。
【0016】
また、本発明の好ましい態様としては、光源部からのビーム状の光を検出する検出工程と、検出工程における検出結果により、複数の光源部のうち、供給されるビーム状の光が所定の強度以下である光源部を特定する特定工程と、第1の方向へスポットを並列させる複数の光源部のうち特定工程により特定された光源部に代替して予備用光源部にビーム状の光を供給させる代替工程と、を含むことが望ましい。予備用光源部以外の光源部が所定の強度以上の光を正常に供給している間、予備用光源部は駆動を停止している。そして、予備用光源部以外の光源部のいずれかが光量が小さくなるか、あるいは点灯しなくなった場合、代替工程において、その光源部に代替して予備用光源部がビーム状の光を供給する。このようにして、光源部のいずれかが所定の強度以上の光を供給していない異常状態となっても画像を表示し続けることが可能である。
【0017】
特定工程において、所定の強度以上の光を正常に供給できなくなった光源部を特定することで、異常を生じている光源部に代えて予備用光源部を即座に駆動させることが可能である。予備用光源部は、事後的に光源部が所定の強度以上の光を正常に供給できなくなった場合のみならず、製造時から欠陥がある光源部に代えて駆動させることとしても良い。製造時から欠陥がある光源部に代えて予備用光源部を駆動させることで、歩留まりを向上させることもできる。これにより、高い信頼性を得られ、かつ光源部の故障に対して即座に復旧させることができる。
【0018】
さらに、本発明によれば、光走査装置からの光により画像を表示する画像表示装置であって、光走査装置は、上記の光走査装置であることを特徴とする画像表示装置を提供することができる。上記の光走査装置を用いることにより、複数の光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示することが可能である。これにより、高品質な画像を表示可能な画像表示装置を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の実施例1に係る画像表示装置100の概略構成を示す。画像表示装置100は、スクリーン110の一方の面にレーザ光を供給し、スクリーン110の他方の面から出射される光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるリアプロジェクタである。画像表示装置100に設けられた光走査装置120は、走査部200を用いてレーザ光を走査させる。光走査装置120は、光源部アレイ101、投写光学系102、及び走査部200を有する。画像表示装置100は、光走査装置120からの光をスクリーン110に透過させることで画像を表示する。
【0021】
光源部アレイ101は、ビーム状の光であるレーザ光を画像信号に応じて変調して供給する複数の光源部を有する。光源部アレイ101の構成については、後述する。光源部アレイ101からのレーザ光は、投写光学系102を透過した後、走査部200に入射する。走査部200は、光源部アレイ101からのレーザ光を走査させる。
【0022】
図2は、走査部200の概略構成を示す。走査部200は、反射ミラー202と、反射ミラー202の周囲に設けられた外枠部204とを有する、いわゆる二重ジンバル構造をなしている。外枠部204は、回転軸であるトーションばね206によって、不図示の固定部に連結されている。外枠部204は、トーションばね206の捩れと、元の状態への復元とを利用して、トーションばね206を中心として回動する。反射ミラー202は、トーションばね206に略直交する回転軸であるトーションばね207によって、外枠部204に連結されている。反射ミラー202は、光源部アレイ101からのレーザ光を反射する。反射ミラー202は、高反射性の部材、例えばアルミニウムや銀等の金属薄膜を形成することにより構成できる。
【0023】
反射ミラー202は、外枠部204がトーションばね206を中心として回動することにより、スクリーン110においてレーザ光をY方向(図1参照)へ走査するように変位する。また、反射ミラー202は、トーションばね207の捩れと、元の状態への復元とを利用して、トーションばね207を中心として回動する。反射ミラー202は、トーションばね207を中心として回動することにより、反射ミラー202で反射したレーザ光をX方向へ走査するように変位する。このように、走査部200は、光源部アレイ101からのレーザ光を、被照射領域であるスクリーン110において第1の方向であるX方向と、第1の方向に略直交する第2の方向であるY方向へ走査させる。
【0024】
図3は、走査部200を駆動するための構成を説明するものである。反射ミラー202がレーザ光を反射する側を表側とすると、第1の電極301、302は、外枠部204の裏側の空間であって、トーションばね206に関して略対称な位置にそれぞれが設けられている。第1の電極301、302に電圧を印加すると、第1の電極301、302と、外枠部204との間には、電位差に応じた所定の力、例えば静電力が発生する。外枠部204は、第1の電極301、302に交互に電圧を印加することにより、トーションばね206を中心として回動する。
【0025】
トーションばね207は、詳細には、第1のトーションばね307と第2のトーションばね308とで構成されている。第1のトーションばね307と第2のトーションばね308との間には、ミラー側電極305が設けられている。ミラー側電極305の裏側の空間には、第2の電極306が設けられている。第2の電極306に電圧を印加すると、第2の電極306とミラー側電極305との間には、電位差に応じた所定の力、例えば静電力が発生する。第2の電極306のいずれにも同位相の電圧を印加すると、反射ミラー202は、トーションばね207を中心として回動する。走査部200は、このようにして反射ミラー202を回動させることで、レーザ光を二次元方向へ走査させる。走査部200は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により作成することができる。
【0026】
走査部200は、例えば画像の1フレーム期間において、垂直方向であるY方向へ1回レーザ光を走査する間に、水平方向であるX方向について複数回レーザ光を往復させるように反射ミラー202を変位させる。このように、走査部200は、第1の方向であるX方向へレーザ光を走査する周波数が、第2の方向であるY方向へレーザ光を走査する周波数に比べて高くなるように駆動される。なお、X方向へのレーザ光の走査を高速に行うために、走査部200は、トーションばね207を中心として反射ミラー202を共振させる構成とすることが望ましい。反射ミラー202を共振させることにより、反射ミラー202の変位量を増大させることができる。反射ミラー202の変位量を増大させることにより、走査部200は、少ないエネルギーで効率良くレーザ光を走査することができる。なお、反射ミラー202は、共振を用いず駆動することとしても良い。
【0027】
なお、走査部200は、電位差に応じた静電力によって駆動する構成に限られない。例えば、電磁力を用いて駆動する構成や、圧電素子の伸縮力を用いて駆動する構成であっても良い。電磁力を用いる場合、電流に応じて反射ミラー202と永久磁石との間に電磁力を発生させることにより、走査部200を駆動できる。また、走査部200は、X方向にレーザ光を走査する反射ミラーと、Y方向にレーザ光を走査する反射ミラーとを設ける構成としても良い。
【0028】
図1に戻って、走査部200からのレーザ光は、投写光学系103を透過した後、反射部105に入射する。反射部105は、筐体107の内面であって、スクリーン110と対向する位置に設けられている。反射部105は、光走査装置120からのレーザ光をスクリーン110の方向へ反射する。筐体107は、筐体107内部の空間を密閉する。スクリーン110は、筐体107の所定の一面に設けられている。スクリーン110は、画像信号に応じて変調された光走査装置120からのレーザ光を透過させる透過型スクリーンである。反射部105からの光は、スクリーン110の、筐体107の内部側の面から入射した後、観察者側の面から出射する。観察者は、スクリーン110から出射する光を観察することで、画像を鑑賞する。
【0029】
図4は、光源部アレイ101の構成、及び光源部アレイ101からのレーザ光の光路を説明するものである。光源部アレイ101は、8つの光源部401をアレイ状に配置して構成されている。各光源部401には、レーザ光を変調するための変調部を設けた半導体レーザや、固体レーザを用いることができる。各光源部401は、PWMによりレーザ光を変調する。光源部アレイ101と走査部200との間に設けられた投写光学系102は、凸レンズ402と凹レンズ403とを組み合わせて構成することができる。投写光学系102は、凸レンズ402の収束作用、及び凹レンズ403の拡散作用により、各光源部401からのレーザ光を画素ピッチと略同一の間隔で出射させる。
【0030】
さらに、走査部200とスクリーン110との間の投写光学系103は、光源部401からのレーザ光をスクリーン110上に結像させる。投写光学系102、103を用いることにより、スクリーン110に高精細な画像を表示することができる。なお、図4に示す光源部アレイ101は、いずれも同じ波長領域の光を供給する光源部401で構成されている。例えば、R光、G光、B光の各光源部を用いる場合、色ごとに光源部アレイ101が構成される。本実施例では、単独の色光を供給するための構成について図示及び説明を行うこととする。
【0031】
図5は、光源部アレイ101における光源部401の配置について説明するものである。光源部アレイ101上のa方向、及びa方向に略直交するb方向が、それぞれスクリーン110上のX方向及びY方向に対応しているとすると、a方向に4つ、b方向に2つの光源部401がアレイ状に配列している。各光源部401からのレーザ光により、スクリーン110上には、X方向に4つ、Y方向に2つのスポットSPがアレイ状に配列する。このように、光源部は、被照射領域であるスクリーン110におけるレーザ光のスポットSPが、X方向及びY方向にアレイ状に配列するように配置されている。
【0032】
図6は、スクリーン110におけるレーザ光の走査軌跡を説明するものである。ここでは、スクリーン110上に現れる8つのスポットSPにそれぞれ1〜8の数字を付して説明を行うものとする。光源部アレイ101からの8つのレーザ光は、スクリーン110の入射側から見てスクリーン110の左上部から走査を開始する。走査部200が各レーザ光をプラスX向きへ走査させると、4つのスポットSP1、2、3、4は、プラスY側から数えて1行目の画素P上を移動する。また、4つのスポットSP5、6、7、8は、2行目の画素P上を移動する。4つのスポットSP1、2、3、4による1行目の走査と、4つのスポットSP5、6、7、8による2行目の走査とが終わると、走査部200は、各レーザ光の進行方向をプラスX向きからマイナスX向きへと変換する。
【0033】
各レーザ光がプラスX向き、さらにプラスX向きからマイナスX向きへと走査する間に、走査部200は、4つのスポットSP1、2、3、4を3行目、4つのスポットSP5、6、7、8を4行目に走査させるように、マイナスY向きにレーザ光を変位させる。そして、4つのスポットSP1、2、3、4は、3行目の画素P上、4つのスポットSP5、6、7、8は、4行目の画素P上をそれぞれマイナスX向きへ移動する。走査部200は、スクリーン110においてY方向へ並列するスポットSPの数と同じ2行ごとに、X方向へのレーザ光の走査を行う。これを繰り返すことにより、光走査装置120は、スクリーン110の略全面にレーザ光を走査させる。
【0034】
図7は、本実施例との比較として、スクリーン110において8つのスポットSPをY方向のみに並列させる場合の不具合を説明するものである。この場合、8つのレーザ光をX方向へ1回走査させる時間は、単独のレーザ光であればX方向について4往復させる時間に相当する。このため8つのスポットSPをY方向へ並列させる場合、単独のレーザ光を用いる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することが可能である。その一方で、X方向へのレーザ光の走査が遅くなることにより、X方向へ1回レーザ光が走査する間における、Y方向へのレーザ光の移動量が大きくなる。従って、図7においてハッチングを付して示すように、スポットSP群の軌跡同士の間に大きな隙間が生じてしまう。また、各レーザ光の水平方向へのスキャンも、画面の水平方向からずれて斜めになってしまう。
【0035】
図6に戻って、本実施例は、Y方向のみならずX方向へもスポットSPを並列させるように光源部401を配置している。Y方向へ2つ、X方向へ4つが配列されたスポットSP群を2行ごとに移動させる場合、X方向へ1回レーザ光を走査させる時間は、図7で説明した8つのスポットSPをX方向へ1回移動させる時間のおよそ4分の1に相当する。このようにX方向へ1回レーザ光を走査させる時間が短縮されると、X方向へ1回レーザ光が走査する間におけるY方向へのレーザ光の移動量を小さくすることができる。従って、X方向及びY方向にスポットSPを並列させるように光源部401を配置することで、Y方向にのみスポットSPを並列させる場合よりもスポットSP群の軌跡同士の隙間を低減することができる。スポットSP群の軌跡同士の隙間を低減することで、画像表示装置100は、高品質な画像を表示することができる。
【0036】
単独のレーザ光によって8ビットでPWMを行う場合、図8に示すように、1階調を表すパルスP1から、256階調を表すパルスP256までは、最小パルス幅tを単位として設定される。パルスP1のパルス幅tは、最大パルスP256のパルス幅の256分の1である。画像の画素数を多くするほど、また、画像の階調数を多くするほど、パルスの最小単位tは小さくなる。Y方向にのみ8つのスポットSPを並列させる場合、1回の走査によって、各画素Pに対して1つのレーザ光のみが走査する。このため、単独のレーザ光を走査させる場合と同様に、8つのレーザ光がそれぞれ単独で階調表現を担っている。Y方向にのみ8つのスポットSPを並列させる場合、8つのレーザ光で走査を分担することや変調周波数を小さくすること以外は、単独のレーザ光を走査させる場合と同様の変調がなされる。
【0037】
アレイ状に光源部401を配置する場合、Y方向にのみスポットSPを並列させるように光源部を配置する場合と同じように光源部401を駆動したとしても、画像の表示に不具合を生じることとなる。本実施例は、スポットSPをX方向へ並列させる4つのレーザ光を用いて各画素Pの階調を表現する点も、Y方向にのみスポットSPを並列させる場合と異なる。X方向に4つ、Y方向に2つのスポットSPを並列させる本実施例の場合、1回の走査によって、各画素Pに対して4つのレーザ光が連続して走査する。図6に戻って、例えば、1行目の1つの画素Pに着目すると、画素Pの階調は、画素Pの位置を連続して照射する4つのスポットSP4、3、2、1により表現される。
【0038】
スポットSP1、2、3、4に対応する4つの光源部401は、スポットSP1、2、3、4が画素Pの位置を通るタイミングで、その画素Pの階調を表現するための変調を行う。2行目の画素Pは、画素Pの位置を連続して照射する4つのスポットSP8、7、6、5により表現される。スポットSP5、6、7、8に対応する4つの光源部401は、スポットSP5、6、7、8が画素Pの位置を通るタイミングで、その画素Pの階調を表現するための変調を行う。
【0039】
3行目の画素Pは、画素Pの位置を連続して照射する4つのスポットSP1、2、3、4により表現される。スポットSP1、2、3、4に対応する4つの光源部401は、スポットSP1、2、3、4が画素Pの位置を通るタイミングで、その画素Pの階調を表現するための変調を行う。4行目の画素Pは、画素Pの位置を連続して照射する4つのスポットSP5、6、7、8により表現される。スポットSP5、6、7、8に対応する4つの光源部401は、スポットSP5、6、7、8が画素Pの位置を通るタイミングで、その画素Pの階調を表現するための変調を行う。
【0040】
図9は、本発明において8ビットで画像を表示する場合に用いられるパルスを説明するものである。図9のグラフは、縦軸に振幅、横軸に時間を取って、1、2、3、4のスポットSPを形成する4つのレーザ光により階調を表現する態様を表している。本発明の画像表示装置100は、パルスの振幅I’が、図8に示す従来のパルスの振幅Iの略4分の1に設定されている。
【0041】
観察者の目に感じる光の強さが光の強度と光の点灯時間との積であると考えると、振幅I’を本来の振幅Iの4分の1とすることで、最小単位であるパルスP1のパルス幅Tは、図8に示す最小単位のパルス幅tの略4倍とすることができる。パルス幅を本来の略4倍とすること、及び振幅I’を本来の略4分の1とすることで、観察者は本来と同じ光量の光を観察することとなる。1階調から63階調までは、1のスポットSPを形成する光源部401についての単独のパルスによって表現される。例えば、63階調は、パルス幅が63Tである単独のパルスによって表現される。
【0042】
64階調を表示する場合、スポットSP1のレーザ光に代えて、スポットSP2のレーザ光を、パルス幅64Tに相当する時間点灯させる。パルス幅64Tは、従来の256階調を表すパルスP256のパルス幅256tに相当する。65階調から127階調までは、スポットSP1、2の2つのレーザ光を用いて表現される。このとき、スポットSP2のレーザ光をパルス幅64Tに相当する時間点灯させ、スポットSP1のレーザ光を点灯させる時間によって階調が調節される。
【0043】
128階調を表示する場合は、スポットSP2、3の2つのレーザ光を、それぞれパルス幅64Tに相当する時間点灯させる。129階調から191階調までは、スポットSP2、3の2つのレーザ光をパルス幅64Tに相当する時間点灯させ、スポットSP1のレーザ光を点灯させる時間によって調節される。192階調を表現する場合は、スポットSP2、3、4の3つのレーザ光を、それぞれパルス幅64Tに相当する時間点灯させる。193階調から256階調までは、スポットSP2、3、4の3つのレーザ光をいずれもパルス幅64Tに相当する時間点灯させ、スポットSP1のレーザ光を点灯させる時間によって調節される。
【0044】
本実施例では、各光源部401に64階調ずつを分担させて階調表現を行う。4つの光源部401からのレーザ光を利用して階調を表現することから、階調を表現するのに必要なパワーを4つの光源部401に分散させることが可能である。このため、単独の光源部からのレーザ光によりすべての階調を表現する場合に比較して、小さい出力の光源部401を用いることが可能となる。また、4つのレーザ光のうち3つについてはON/OFFのみを制御すれば良く、1つについては最小単位のパルス幅を本来の4倍としてPWMを行うことが可能である。本実施例では、Y方向のみにスポットSPを並列させる場合よりもX方向へのレーザ光の走査を高速にする必要はあっても、低い変調周波数で画像を表示することが可能となる。従って、パルスに応じて確実にスイッチングを行うことを可能とし、画像信号に応じて正確な画像を表示することが可能となる。レーザ光の走査軌跡同士の間に隙間を生じさせないこと、及び画像信号に応じて正確に画像を表示することにより、複数のレーザ光を用いて高品質な画像を表示することが可能となる。これにより、複数のレーザ光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示することができるという効果を奏する。
【0045】
図10は、光源部401を制御するための構成を説明するものである。画像信号入力部111は、入力端子から入力された画像信号の特性補正や増幅等を行う。同期/画像分離部112は、画像信号入力部111からの信号を、R光、G光、B光のそれぞれについての画像情報信号、垂直同期信号、水平同期信号に分離し、制御部113へ出力する。制御部113のうち、走査制御部123は、垂直同期信号、水平同期信号に基づいて、走査部200を駆動する駆動信号を生成する。走査駆動部115は、制御部113からの駆動信号に応答して走査部200を駆動する。
【0046】
水平角度センサ125は、スクリーン110にてレーザ光をX方向へ走査させる反射ミラー202(図2参照)の振り角を検出する。垂直角度センサ126は、スクリーン110にてレーザ光をY方向へ走査させる反射ミラー202の振り角を検出する。信号処理部127は、垂直角度センサ126の変位からフレーム開始信号F_Sync、水平角度センサ125の変位からライン開始信号L_Syncをそれぞれ生成し、制御部113へ出力する。
【0047】
画像処理部121は、制御部113に入力された画像情報を走査線ごとの情報に分けてフレームメモリ114に出力する。フレームメモリ114は、画像処理部121からの画像信号をフレーム単位で格納する。光源制御部122は、フレームメモリ114から読み出される行ごとの画像情報信号を出力する。また、制御部113は、フレーム開始信号F_Sync、ライン開始信号L_Syncから演算された線速、及び垂直同期信号、水平同期信号に基づいて、画素タイミングクロックを生成する。画素タイミングクロックは、レーザ光が各画素上を通るタイミングを知るための信号であって、画像信号に応じて変調されたレーザ光を正確な位置に入射させるためのものである。
【0048】
光源分担制御部116は、制御部113から入力された画像情報信号に基づいて、駆動させる光源部401を決定する。例えば、光源分担制御部116は、画素の奇数行にスポットSP1、2、3、4、偶数行にスポットSP5、6、7、8を割り当てることや、4つのレーザ光により階調を分担すること等を行う。光源駆動タイミング部117は、画素タイミングクロックに同期して光源部401が点灯するように、光源部401の駆動タイミングを決定する。光源駆動部118は、光源分担制御部116により割り当てられた光源部401を、光源駆動タイミング部117で決定された駆動タイミングで駆動する。かかる構成により、画像表示装置100は、複数のレーザ光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示することができる。
【0049】
なお、本実施例において、光源部401は、X方向及びY方向にスポットSPを配列するように配置されていれば良く、X方向に4つ、Y方向に2つのスポットSPを形成するように配置される構成に限られない。また、レーザ光のスキャンは、X方向にスポットSPを形成するように配置された光源部401の個数と同じ数の行ごとに行う構成であれば良く、2行ごとに行う構成に限られない。さらに、走査部200は、水平方向であるX方向へレーザ光を走査させる周波数が、垂直方向であるY方向へレーザ光を走査させる周波数に比べて高くなるように駆動する構成に限られない。走査部200は、Y方向へレーザ光を走査させる周波数が、X方向へレーザ光を走査させる周波数に比べて高くなるように駆動する構成であっても良い。この場合、Y方向が第1の方向、X方向が第2の方向となる。
【実施例2】
【0050】
図11は、本発明の実施例2に係る光走査装置について説明するものであって、光走査装置からのレーザ光の走査軌跡を示している。本実施例の光走査装置は、上記の画像表示装置100に適用することができる。本実施例は、走査部が、被照射領域であるスクリーン110において第2の方向であるY方向へ並列させるスポットの個数より少ない数の行ごとに、第1の方向であるX方向へのレーザ光の走査を行うことを特徴とする。本実施例の光走査装置は、走査部によるレーザ光の走査の態様が異なる以外は、上記実施例1の光走査装置120と同様の構成を有する。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
本実施例においても、実施例1と同様に、Y方向へ2つ、X方向へ4つのスポットSPが配列するように光源部が配置されている。走査開始時において走査部が各レーザ光をプラスX向きへ走査させると、4つのスポットSP5、6、7、8が、1行目の画素P上をプラスX向きへ移動する。4つのスポットSP5、6、7、8による1行目の走査が終わると、走査部は、各レーザ光の進行方向をプラスX向きからマイナスX向きへと変換する。次に、4つのスポットSP1、2、3、4は、1行目の画素P上、4つのスポットSP5、6、7、8は、2行目の画素P上をそれぞれマイナスX向きへ移動する。実施例1ではスポットSP群を2行ごとに移動させてX方向の走査を行うのに対して、本実施例ではスポットSP群を1行ごとに移動させてX方向の走査を行う。本実施例の場合も、スポットSP群の軌跡同士の隙間を低減し、高品質な画像を表示することができる。
【0052】
また、1行目の1つの画素Pに着目すると、画素Pの位置は、プラスX方向へのレーザ光の走査によって8、7、6、5の順に4つのスポットSPが通過し、さらにマイナスX方向へのレーザ光の走査によって1、2、3、4の順に4つのスポットSPが通過する。本実施例は、8つのレーザ光を用いて各画素Pの階調を表現する点も、上記実施例1とは異なる。スポットSP1〜8に対応する8つの光源部は、各スポットSPが画素Pの位置を通るタイミングで、その画素Pの階調を表現するための変調を行う。
【0053】
本実施例において8ビットで画像を表示する場合、8つの光源部に32階調ずつを分担させて階調表現を行うことが可能である。本実施例では、単独のレーザ光を用いて階調を表現する場合と比較して振幅が略8分の1、最小単位のパルス幅が略8倍であるパルスを用いて光源部を制御することができる。8つの光源部からのレーザ光を利用して階調を表現することから、階調を表現するのに必要なパワーを8つの光源部に分散させることが可能である。このため、単独の光源部からのレーザ光によりすべての階調を表現する場合に比較して、小さい出力の光源部を用いることが可能となる。
【0054】
本実施例の場合、上記実施例1の場合よりもX方向の走査を高速にする必要がある。X方向へのレーザ光の走査を高速にする必要はあっても、最小単位のパルス幅が本来の略8倍であるパルスを用いて光源部を制御することから、本実施例においても、低い変調周波数で画像を表示することが可能となる。従って、パルスに応じて確実にスイッチングを行うことを可能とし、画像信号に応じて正確な画像を表示することが可能となる。レーザ光の走査軌跡同士の間に隙間を生じさせないこと、及び画像信号に応じて正確に画像を表示することにより、複数のレーザ光を用いて高品質な画像を表示することが可能となる。これにより、上記実施例1の場合と同様に、複数のレーザ光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示することができる。
【0055】
図12及び図13は、本実施例の変形例に係る光走査装置を説明するものであって、光走査装置からのレーザ光の走査軌跡を示している。本変形例も、Y方向へ並列させるスポットの個数より少ない数の行ごとに、X方向へのレーザ光の走査を行っている。本変形例では、さらに、第2の方向であるY方向に並列するスポットSPから特定の行のスポットSPを抽出し、抽出された行のスポットSPを形成する光源部群を用いて階調を表現することを特徴とする。
【0056】
本変形例では、Y方向へ4つ、X方向へ4つのスポットSPが配列するように光源部が配置されている。図12に示すように、走査開始時において走査部が各レーザ光をプラスX向きへ走査させると、4つのスポットSP9、10、11、12が1行目の画素P上を移動する。また、4つのスポットSP13、14、15、16は、2行目の画素P上を移動する。4つのスポットSP9、10、11、12による1行目の走査、4つのスポットSP13、14、15、16による2行目の走査が終わると、走査部は、各レーザ光の進行方向をプラスX向きからマイナスX向きへと変換する。
【0057】
次に、図13に示すように、走査部が各レーザ光をマイナスX向きへ走査させると、1行目の画素P上は4つのスポットSP1、2、3、4、2行目の画素P上は4つのスポットSP5、6、7、8がそれぞれ移動する。それと同時に、3行目の画素P上は4つのスポットSP9、10、11、12、4行目の画素P上は4つのスポットSP13、14、15、16が移動する。1行目の1つの画素Pに着目すると、画素Pの位置は、プラスX方向へのレーザ光の走査によって12、11、10、9の順に4つのスポットSPが通過し、さらにマイナスX方向へのレーザ光の走査によって1、2、3、4の順に4つのスポットSPが通過する。スポットSP1〜4、9〜12に対応する8つの光源部は、各スポットSPが画素Pの位置を通るタイミングで、その画素Pの階調を表現するための変調を行う。
【0058】
2行目の1つの画素Pに着目すると、画素Pの位置は、プラスX方向へのレーザ光の走査によって16、15、14、13の順に4つのスポットSPが通過し、さらにマイナスX方向へのレーザ光の走査によって5、6、7、8の順に4つのスポットSPが通過する。スポットSP5〜8、13〜16に対応する8つの光源部は、各スポットSPが画素Pの位置を通るタイミングで、その画素Pの階調を表現するための変調を行う。
【0059】
本変形例の場合、3行目等の奇数行目の画素Pについて、1行目の画素Pと同様に、スポットSP1〜4、9〜12に対応する8つの光源部を用いて階調を表現する。また、4行目等の偶数行目の画素Pについては、2行目の画素Pと同様に、スポットSP5〜8、13〜16に対応する8つの光源部を用いて階調を表現する。このように、本変形例の光走査装置は、奇数行目の画素Pについて、Y方向に並列するスポットSPから1行目のスポットSP1〜4、及び3行目のスポットSP9〜12を抽出し、抽出された1行目、3行目のスポットSPを形成する光源部群を用いて階調を表現する。また、偶数行目の画素Pについては、Y方向に並列するスポットSPから2行目のスポットSP5〜8、及び4行目のスポットSP13〜16を抽出し、抽出された2行目、4行目のスポットSPを形成する光源部群を用いて階調を表現する。
【0060】
本変形例の光走査装置は、以下の(1)、(2)、(3)の条件を満たす構成であれば良い。
(1)走査部により、被照射領域であるスクリーンにおいてn行(nは正の整数)ごとに第1の方向であるX方向へのレーザ光の走査を行う。
(2)光源部は、スクリーンにおいて第2の方向であるY方向についてm×n(mは正の整数)個のスポットSPを並列させる。
(3)光源部は、第2の方向であるY方向についてhn−k(k=0、1、…n−1、h=1、2、…m)行目のスポットSPを形成する、kの値ごとに選択されるm個の光源部群を用いて階調を表現する。
【0061】
図12及び図13を用いて説明した本変形例の光走査装置は、(1)、(2)の条件においてn=2、m=2とした場合である。奇数行目の画素Pについては、Y方向について、k=1(=n−1)で選択される2h−1行目の2個の光源部群を用いて階調表現を行う。奇数行目の画素Pの階調を表現するための光源部群は、h=1である1行目のスポットSP1〜4を形成する光源部群と、h=2(=m)である3行目のスポットSP9〜12を形成する光源部群である。偶数行目の画素Pについては、Y方向について、k=0で選択される2h行目の2個の光源部群を用いて階調表現を行う。偶数行目の画素Pの階調を表現するための光源部群は、h=1である2行目のスポットSP5〜8を形成する光源部群と、h=2(=m)である4行目のスポットSP13〜16を形成する光源部群である。このようにして、本変形例の光走査装置は、kの値ごとに選択されるm個の光源部群を用いて階調を表現する。本変形例の場合も、複数のレーザ光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示することができる。
【0062】
例えば、n=3、m=2とした場合は、3行ごとのスキャンにより、k=2(=n−1)である1、4行目のスポットSPを形成する光源部群と、k=1である2、5行目のスポットSPを形成する光源部群と、k=0である3、6行目のスポットSPを形成する光源部群とに分担して階調表現がなされる。上記(1)、(2)、(3)の条件でレーザ光を走査させる光走査装置を用いることにより、複数のレーザ光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示することができる。
【実施例3】
【0063】
図14は、本発明の実施例3に係る光走査装置160の構成、及び光走査装置160からのレーザ光の光路を説明するものである。本実施例の光走査装置160は、上記の画像表示装置100に適用することができる。光走査装置160は、予備用光源部163、164を有することを特徴とする。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0064】
光源部アレイ161は、4つの光源部401と2つの予備用光源部163、164とを有する。予備用光源部163、164は、光源部401と同様の構成を有する。走査部200は、被照射領域であるスクリーン110と、走査部200から見てスクリーン110のプラスX側に位置する光検出部140とにレーザ光を走査させる。光検出部140は、光源部401からのレーザ光を検出する。光検出部140としては、例えばフォトトランジスタやフォトセルを用いることができる。
【0065】
図15は、スクリーン110におけるレーザ光の走査軌跡を説明するものである。ここでは、4つの光源部401によりスクリーン110上に現れる4つのスポットSPにそれぞれ1〜4の数字を付している。予備用光源部163、164からのレーザ光をスクリーン110に入射させる場合、予備用光源部163、164からのレーザ光によりそれぞれA及びBで示すスポットSPが現れる。予備用光源部163は、スポットSP2のプラスX側にスポットSPAを並列させるように配置されている。予備用光源部164は、スポットSP4のプラスX側にスポットSPBを並列させるように配置されている。
【0066】
4つの光源部401によるレーザ光の供給が正常である場合、光走査装置160は、4つの光源部401からのレーザ光を用いて、画像信号に応じた光を供給する。4つのレーザ光は、スクリーン110上をプラスX向きへ走査し、そのまま光検出部140上を通過した後、マイナスX向きに走査の方向が変換される。マイナスX向きに走査の方向が変換された4つのレーザ光は、光検出部140上を通過した後、スクリーン110上をマイナスX向きへ走査する。本実施例における各レーザ光の走査の態様は、光検出部140上を通過する点以外において、上記実施例1の場合と同様である。また、予備用光源部163は、スポットSP1、2を形成する2つの光源部401によるレーザ光の供給が正常に行われる限り、レーザ光の供給を停止している。予備用光源部164は、スポットSP1、2を形成する2つの光源部401によるレーザ光の供給が正常に行われる限り、レーザ光の供給を停止している。
【0067】
予備用光源部163は、第1の方向であるX方向へ並列するスポットSP1、2を形成する2つの光源部401のうちのいずれかに代替してレーザ光を供給する。例えば、スポットSP1を形成する光源部401が故障によりレーザ光の供給を停止したとする。この場合、予備用光源部163は、スポットSP1を形成する光源部401に代替してレーザ光を供給する。そして、予備用光源部163と、スポットSP2を形成する光源部401とを用いて、画像信号に応じて変調された光を供給する。予備用光源部164も、予備用光源部163の場合と同様にして、X方向へ並列するスポットSP3、4を形成する2つの光源部401のうちのいずれかに代替してレーザ光を供給する。
【0068】
図16は、光源部401及び予備用光源部163、164を制御するための構成を説明するものである。光源駆動部118は、各光源部401からのレーザ光が光検出部140に入射するタイミングで、所定の強度、例えば最高階調を表示する場合の強度でレーザ光を供給するように各光源部401を制御する。光検出部140による検出結果は、光検出信号処理部151へ出力される。また、光検出信号処理部151で処理が施された信号は、特定部152に入力される。特定部152は、供給されるレーザ光が所定の強度以下である光源部401を特定する。特定部152は、検出ウィンドウ生成部153、監視部154、光源切換部155を有する。なお、光検出部140を設けず、水平角度センサ125、又は垂直角度センサ126に光検出部の機能を兼用させることとしても良い。この場合、水平角度センサ125又は垂直角度センサ126が光検出部として機能する。
【0069】
図17は、光検出信号処理部151による信号処理、及び特定部152による光源部401の特定について説明するものである。曲線S1は、光検出部140から出力される信号であって、縦軸に強度、横軸に時間をとって示している。X方向にスポットSPを並列させる2つの光源部401が正常にレーザ光を供給している場合、略同一の強度のレーザ光が連続して光検出部140上を通過する。この場合、連続する2つのピークが検出されることとなる。光検出信号処理部151は、光検出部140からの信号S1から、レーザ光の強度が所定値C以上であることを検出したタイミングにHとなる矩形の信号S2を生成する。
【0070】
検出ウィンドウ生成部153(図16参照)は、レーザ光が光検出部140の上を通過するタイミングに検出ウィンドウW1、W2、W3、W4を生成する。例えば、検出ウィンドウW1に信号S2のHが存在する場合、監視部154(図16参照)は、検出ウィンドウW1のタイミングで光検出部140上にレーザ光を通過させる光源部401が所定の強度以上のレーザ光を供給する正常状態であると判断する。このように、検出ウィンドウは、光検出部140における検出結果を各光源部401に関連付ける役割を果たしている。なお、Y方向にスポットSPを並列させる光源部401同士は、光検出部140上を同時に通過する。Y方向にスポットSPを並列させる光源部401同士は、例えば、光検出部140おけるY方向についての入射位置から識別することが可能である。監視部154がいずれの光源部401も所定の強度以上でレーザ光を供給すると判断している限り、4つの光源部401を駆動させる。
【0071】
光検出部140からの信号S1においてレーザ光の強度が所定値C以下となった場合、光検出信号処理部151は、所定値C以下となったタイミングにおいてLのままである信号S2を出力する。例えば、検出ウィンドウW4において信号S2がHに変化せずLのままである場合、監視部154は、検出ウィンドウW4のタイミングで光検出部140上にレーザ光を通過させる光源部401が所定の強度以上のレーザ光を供給していない異常状態であると判断する。このようにして、光検出部140からの検出結果により、複数の光源部401のうちレーザ光が所定の強度以下である光源部401を特定する。
【0072】
光源切換部155は、監視部154により所定の強度以上のレーザ光を供給していないと判断された光源部401の駆動を、予備用光源部163、164に切り換える。X方向に並列するスポットSP1、2を形成する2つの光源部401のうちの一方に異常が認められた場合、異常が認められた光源部401の駆動が、予備用光源部163に切り換えられる。また、X方向に並列するスポットSP3、4を形成する2つの光源部401のうちの一方に異常が認められた場合、異常が認められた光源部401の駆動が、予備用光源部164に切り換えられる。
【0073】
光源分担制御部116は、駆動する光源部401を、特定部152からの出力を加味して決定する。光源部401から予備用光源部163、164へ駆動が切り換えられた場合、光源分担制御部116は、異常が認められた光源部401に割り当てられるべき画像情報を予備用光源部163、164に割り当てる。予備用光源部163、164は、このようにして、複数の光源部401のうち、供給されるレーザ光が所定の強度以下であると特定された光源部401に代替してレーザ光を供給する。
【0074】
供給されるレーザ光が所定の強度以下であると特定された光源部401に代替して予備用光源部163、164によりレーザ光を供給することから、いずれかの光源部401に異常が発生した場合であっても画像を表示し続けることが可能である。また、第1の方向であるX方向へスポットを並列させる複数の光源部401に並列させて予備用光源部163、164を設けることにより、正常に光を供給できない状態となった光源部401に予備用光源部163、164を容易に代替させることができる。
【0075】
予備用光源部163、164は、事後的に光源部401が正常な光量の光を供給できなくなった場合のみならず、製造時に欠陥がある光源部401に代えて駆動させることとしても良い。製造時に欠陥がある光源部401に代えて予備用光源部163、164を駆動させることで、歩留まりを向上させ、製造コストを低減させることもできる。これにより、高い信頼性を得られるという効果を奏する。なお、予備用光源部は、X方向へスポットを並列させる複数の光源部401に対して1つ設ける構成に限らず、複数設けることとしても良い。この場合、光源部401のみならず予備用光源部からのレーザ光の強度もモニタすることとし、予備用光源部を駆動させたにもかかわらず正常にレーザ光を供給しない場合に、他の予備用光源部に代替させることも可能である。
【0076】
図18は、本実施例の変形例に係る光走査装置のうち、光源部アレイ180及び光検出部アレイ182が設けられた部分の概略構成を示す。本変形例の光走査装置は、光検出部183をアレイ状に配列させた光検出部アレイ182を有する点が、上記の光走査装置160とは異なる。光源部アレイ180は、3つ×5つのアレイ状に設けられた光源部401と、光源部401に並列させて設けられた3つの予備用光源部181とを有する。光源部アレイ180の出射側には、半透過板185が設けられている。半透過板185は、入射するレーザ光のうちの一部を反射し、他の一部を透過させる。半透過板185を透過したレーザ光は、走査部により走査される。
【0077】
光検出部アレイ182は、半透過板185で反射したレーザ光が進行する位置に設けられている。光検出部アレイ182に設けられた光検出部183は、各光源部401及び各予備用光源部181に対応して設けられている。各光検出部183には、半透過板185の反射率に応じた強度のレーザ光が入射する。各光検出部183は、半透過板185で反射したレーザ光を検出する。本変形例では、半透過板185で反射したレーザ光の強度をモニタすることにより、各光源部401がレーザ光の供給を正常に行っているか否かを判断する。
【0078】
図19は、光源部401及び予備用光源部181を制御するための構成を説明するものである。各光検出部183による検出結果は、光検出信号処理部151へ出力される。各光検出部183からの検出結果は各光源部401に関連付けられて出力されることから、本変形例では、検出ウィンドウ生成部が不要である。特定部192は、各光検出部183からの検出結果に基づいて、所定の光量以下である光源部401を特定する。これにより、上記の光走査装置160と同様に、高い信頼性を得られる。
【実施例4】
【0079】
図20は、本発明の実施例4に係る画像表示装置1700の概略構成を示す。画像表示装置1700は、観察者側に設けられたスクリーン1705にレーザ光を供給し、スクリーン1705で反射する光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるフロント投写型のプロジェクタである。画像表示装置1700は、上記実施例1と同様に、光走査装置120を有する。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。光走査装置120からのレーザ光は、投写光学系103を透過した後、スクリーン1705に入射する。本実施例の場合も、複数のレーザ光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示することができる。
【0080】
なお、上記各実施例において、光走査装置はレーザ光を供給する光源部401を用いる構成としているが、ビーム状の光を供給可能な構成であれば、これに限られない。例えば、光源部401は、発光ダイオード素子(LED)等の固体発光素子を用いる構成としても良い。また、本発明の光走査装置は、画像表示装置に用いる以外に、例えば、レーザプリンタ等の、レーザ光を走査させる電子機器に用いることとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のように、本発明に係る光走査装置は、画像信号に応じて光を走査させる画像表示装置に用いる場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施例1に係る画像表示装置の概略構成を示す図。
【図2】走査部の概略構成を示す図。
【図3】走査部を駆動するための構成を説明する図。
【図4】光源部アレイの構成、及びレーザ光の光路を説明する図。
【図5】光源部アレイにおける光源部の配置について説明する図。
【図6】スクリーンにおけるレーザ光の走査軌跡を説明する図。
【図7】スポットをY方向のみに並列させる場合の走査軌跡を説明する図。
【図8】単独のレーザ光を走査させる場合に用いられるパルスを説明する図。
【図9】本発明において用いられるパルスを説明する図。
【図10】光源部を制御するための構成を説明する図。
【図11】本発明の実施例2に係る光走査装置を説明する図。
【図12】実施例2の変形例に係る光走査装置を説明する図。
【図13】実施例2の変形例に係る光走査装置を説明する図。
【図14】本発明の実施例3に係る光走査装置の構成等を説明する図。
【図15】スクリーンにおけるレーザ光の走査軌跡を説明する図。
【図16】光源部及び予備用光源部を制御するための構成を説明する図。
【図17】光検出信号処理部による信号処理等について説明する図。
【図18】実施例3の変形例に係る光走査装置を説明する図。
【図19】光源部及び予備用光源部を制御するための構成を説明する図。
【図20】本発明の実施例4に係る画像表示装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0083】
100 画像表示装置、101 光源部アレイ、102、103 投写光学系、105 反射部、107 筐体、110 スクリーン、120 光走査装置、200 走査部、202 反射ミラー、204 外枠部、206 トーションばね、207 トーションばね、301、302 第1の電極、305 ミラー側電極、306 第2の電極、307 第1のトーションばね、308 第2のトーションばね、401 光源部、402 凸レンズ、403 凹レンズ、SP スポット、P 画素、111 画像信号入力部、112 同期/画像分離部、113 制御部、114 フレームメモリ、115 走査駆動部、116 光源分担制御部、117 光源駆動タイミング部、118 光源駆動部、121 画像処理部、122 光源制御部、123 走査制御部、125 水平角度センサ、126 垂直角度センサ、127 信号処理部、140 光検出部、160 光走査装置、161 光源部アレイ、163、164 予備用光源部、151 光検出信号処理部、152 特定部、153 検出ウィンドウ生成部、154 監視部、155 光源切換部、180 光源部アレイ、181 予備用光源部、182 光検出部アレイ、183 光検出部、185 半透過板、192 特定部、1700 画像表示装置、1705 スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム状の光を供給する複数の光源部と、
前記光源部からの前記ビーム状の光を、被照射領域において第1の方向と、前記第1の方向に略直交する第2の方向へ走査させる走査部と、を有し、
前記走査部は、前記第1の方向へ前記ビーム状の光を走査させる周波数が、前記第2の方向へ前記ビーム状の光を走査させる周波数に比べて高くなるように駆動され、
前記光源部は、前記被照射領域における前記ビーム状の光のスポットが、前記第1の方向及び前記第2の方向にアレイ状に配列するように配置され、かつ、前記被照射領域において前記スポットが前記第1の方向へ並列する複数の前記ビーム状の光を用いて階調を表現することを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記走査部は、前記被照射領域において前記第2の方向へ並列する前記スポットの個数と同じ数の行ごとに、前記第1の方向への前記ビーム状の光の走査を行うことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記走査部は、前記被照射領域において前記第2の方向へ並列させる前記スポットの個数より少ない数の行ごとに、前記第1の方向への前記ビーム状の光の走査を行うことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記走査部は、前記被照射領域においてn行(nは正の整数)ごとに前記第1の方向への前記ビーム状の光の走査を行い、
前記光源部は、前記被照射領域において前記第2の方向へm×n(mは正の整数)個の前記スポットを並列させ、かつ、前記第2の方向についてhn−k(k=0、1、…n−1、h=1、2、…m)行目に前記スポットを形成する、kの値ごとに選択されるm個の前記光源部群を用いて階調を表現することを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記第1の方向へ前記スポットを並列させる複数の前記光源部のうちのいずれかに代替して前記ビーム状の光を供給する予備用光源部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記光源部からの前記ビーム状の光を検出する光検出部を有し、
前記予備用光源部は、前記光検出部からの検出結果により、複数の前記光源部のうち、供給される前記ビーム状の光が所定の強度以下であると特定された前記光源部に代替して前記ビーム状の光を供給することを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
【請求項7】
複数の光源部によりビーム状の光を供給する光供給工程と、
前記光供給工程において供給された前記ビーム状の光を、被照射領域において第1の方向と、前記第1の方向に略直交する第2の方向へ走査させる走査工程と、を含み、
前記走査工程において、前記ビーム状の光は、前記第1の方向へ走査させる周波数が、前記第2の方向へ走査させる周波数に比べて高くなるように走査され、
前記光供給工程において、前記ビーム状の光は、前記被照射領域におけるスポットが、前記第1の方向及び前記第2の方向にアレイ状に配列するように供給され、かつ前記被照射領域において前記スポットを前記第1の方向へ並列させる複数の前記ビーム状の光を用いて階調を表現することを特徴とする光走査装置の制御方法。
【請求項8】
前記光源部からの前記ビーム状の光を検出する検出工程と、
前記検出工程における検出結果により、複数の前記光源部のうち、供給される前記ビーム状の光が所定の強度以下である前記光源部を特定する特定工程と、
前記第1の方向へ前記スポットを並列させる複数の前記光源部のうち前記特定工程により特定された前記光源部に代替して予備用光源部に前記ビーム状の光を供給させる代替工程と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の光走査装置の制御方法。
【請求項9】
光走査装置からの光により画像を表示する画像表示装置であって、
前記光走査装置は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光走査装置であることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−300981(P2006−300981A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117876(P2005−117876)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】