光通信受信機
【課題】複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができ、また、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用することができ、さらに、多数の多ビット乗算器の代わりに、加算器を使用することにより、回路規模が小さくすることができる光通信受信機を得る。
【解決手段】光遅延検波器1の出力の振幅を求めて除算する正規化処理器を含む判定帰還型多重位相遅延検波回路を備える光通信受信機において、受信信号の受信強度を検出する光強度検出器101と、光強度検出器101の出力からスカラー値を設定するスカラー値設定器103と、前記正規化処理器の代わりに、光遅延検波器1の出力の合成時の利得を調整するように、光遅延検波出力にスカラー値を乗算するスカラー値乗算器104−106とを設ける。
【解決手段】光遅延検波器1の出力の振幅を求めて除算する正規化処理器を含む判定帰還型多重位相遅延検波回路を備える光通信受信機において、受信信号の受信強度を検出する光強度検出器101と、光強度検出器101の出力からスカラー値を設定するスカラー値設定器103と、前記正規化処理器の代わりに、光遅延検波器1の出力の合成時の利得を調整するように、光遅延検波出力にスカラー値を乗算するスカラー値乗算器104−106とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回路規模を縮小でき、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用できる判定帰還型多重位相遅延検波方式の光通信受信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
次世代光通信では、更なる高速伝送に向けて多値変復調技術が注目されている。多値変復調技術は無線通信システムでは既に実用化されているが、無線通信と比較して発振器である半導体レーザ光源の位相雑音が大きいことや、周波数・位相同期確立の容易さから、「遅延検波方式」が有効である。
【0003】
「同期検波方式」も考えられるが、遅延検波はパイロット信号等の既知系列の送信を必要とせず、ブラインド環境で動作する回路が同期検波と比較して容易に構成できるため、現在の光通信システムへの適用に向いている。遅延検波は検波時の参照位相に前シンボルを使用するため、同期検波に対して約3dB程度の性能劣化を生じる。上記の劣化を改善するためには「判定帰還型多重位相遅延検波(MDD−DF:Multiple Delay Detection − Decision Feedback)」を適用できる(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
このMDD−DFは、検波するシンボルより前の複数シンボルとの遅延検波結果を合成して検波することで、参照位相のS/Nを改善することにより同期検波の性能に漸近できる。MDD−DFの構成例を図7に示す。
【0005】
従来のMDD−DFについて図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、従来のMDD−DFの構成を示す図である。また、図8は、従来のMDD−DFの光遅延検波器の構成を示す図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0006】
図7において、従来のMDD−DFは、光遅延検波器[T]1と、光遅延検波器[2T]2と、光遅延検波器[3T]3と、AD(Analog to Digital)変換器4と、AD変換器5と、AD変換器6と、複素信号の複素共役演算を実施する複素共役演算器7と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、複素乗算器10と、複素乗算器11と、複素乗算器12と、複素信号を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施する判定器14とが設けられている。
【0007】
図8において、光遅延検波器1は、1シンボル時間の遅延器21と、1シンボル時間の遅延器22と、位相−π/2の遅延器23と、ダイオード回路24と、ダイオード回路25とが設けられている。
【0008】
複素信号rk、Ikは、それぞれ、時刻kにおけるシンボル単位の受信信号系列と、M相PSK変調マッピング後の情報系列を示している。送信信号系列(ビット列)に対してBPSK変調では1ビットを1シンボル、QPSK変調では2ビットを1シンボル、M相PSK変調ではlog2Mビットを1シンボルにマッピングする。また、送信側で差動符号化の実施を想定しており、差動符号化後のM値変調の送信変調系列を複素信号Jkとする。この時、複素信号JkとIkには次の式(1)の関係がある。Jk、Ikは振幅1である。
【0009】
【数1】
【0010】
また、図7の構成は、検波するシンボルから3シンボル前までのシンボルとの遅延検波結果を合成するものである。
【0011】
図7に示す受信信号系列rkは、シンボル単位の受信データを示す複素信号である。受信信号rkは、光デバイスの光遅延検波器1、2、3にそれぞれ入力される。
【0012】
光遅延検波器1−3内の遅延器21−23、ダイオード回路24、25を経由した信号は1シンボル遅延検波出力のRe{rkr*k−1}、Im{rkr*k−1}である。その複素信号をrkr*k−1と表記し、これは図7の光遅延検波器1の出力に相当する。
【0013】
図7の光遅延検波器2は、図8の遅延器21、22の遅延量が2シンボルに設定されたものであり、出力は2シンボル遅延検波出力rkr*k−2に相当する。また、図7の光遅延検波器3は、図8の遅延器21、22の遅延量が3シンボルに設定されたものであり、出力は3シンボル遅延検波出力rkr*k−3に相当する。
【0014】
例として、8相PSKを判定する場合の概念を図9に示す。破線が閾値を示しており、破線に挟まれた8つの位相範囲(1)〜(8)がある。受信シンボルがどの位相範囲にあるかを判定することで送信シンボルを推定する(推定値は図9の◆)。
【0015】
図7に示すAD変換器4−6から判定器14までの信号の流れを、数式を用いて説明する。伝送路特性をckとする時、受信信号系列rkは次の式(2)で示される。
【0016】
【数2】
【0017】
従って、各光遅延検波器1−3の出力は、以下の通りに示すことができる。
【0018】
【数3】
【0019】
式(4)の2シンボル光遅延検波器2の出力に対しては、判定結果をフィードバックして下記の乗算を実施する。
【0020】
【数4】
【0021】
式(5)の3シンボル光遅延検波器3の出力に対しても、判定結果をフィードバックして下記の乗算を実施する。
【0022】
【数5】
【0023】
式(3)、式(6)、式(7)を、次の式(8)に示すように、複素加算器13で合成し、その結果を判定器14で判定してIkを得る。
【0024】
【数6】
【0025】
遅延検波の前提として、シンボル間の位相変動はシンボル判定が可能な程度にコヒーレント性を持つことを仮定している(ck=ck−1=ck−2=ck−3)。
【0026】
図7では光遅延検波器を複数持つ構成を説明したが、光遅延検波器が1つで上記のMDD−DFを構成することも可能であり、その構成を図10に示す(例えば、非特許文献1参照)。図10は、図7と同様に3シンボルのMDD−DFの構成図である。
【0027】
図10において、他の従来のMDD−DFは、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、複素信号の複素共役演算を実施する複素共役演算器7と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、複素乗算器10と、複素乗算器11と、複素乗算器12と、複素信号を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施する判定器14に加えて、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、複素乗算器17と、複素乗算器18と、振幅を1に正規化する正規化処理器19A、19B、19Cとが設けられている。
【0028】
図10の構成では光遅延検波器は1つであり、AD変換以降のディジタル信号処理により2シンボル遅延検波出力、3シンボル遅延検波出力をそれぞれ生成する。例えば、1シンボル遅延器15の出力信号rk−1r*k−2と、AD変換器4の出力信号rkr*k−1を複素乗算器17で乗算することで、rkr*k−2|rk−1|2を生成する。スカラー値|rk−1|2倍されているが、後段の正規化処理器19Bにより振幅を1に正規化するため、上記のスカラー倍の影響は除去することが可能であり、2シンボル遅延検波出力に相当する結果を得ることができる。また、図10に示すように、1シンボル遅延器16の出力信号rk−2r*k−3と、複素乗算器17の出力信号rkr*k−2|rk−1|2の乗算処理により3シンボル遅延検波出力を生成することが可能である。後段の判定帰還する方法は、図7に示した方法と同じである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】M. Nazarathy et al., “Self-Coherent Multisymbol Detection of Optical Differential Phase-Shift Keying”, IEEE JLT. vol. 26, no. 13, July 1, 2008 pp. 1921-1934
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。図10に示した遅延検波方式は、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理が必要であり、回路規模が増大するという課題がある。また、PSK変調であれば、振幅成分を除去する上記の方式で問題は無いが、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式には適用できないという課題がある。さらに、図7、図10に示す構成では複数の多ビット乗算器を使用するため回路規模が大きくなるという課題がある。
【0031】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができ、また、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用することができ、さらに、多数の多ビット乗算器の代わりに、加算器を使用することにより、回路規模が小さくすることができる光通信受信機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明に係る光通信受信機は、光遅延検波器の出力の振幅を求めて除算する正規化処理器を含む判定帰還型多重位相遅延検波回路を備える光通信受信機において、受信信号の受信強度を検出する光強度検出器と、前記光強度検出器の出力からスカラー値を設定するスカラー値設定器と、前記正規化処理器の代わりに、光遅延検波器の出力の合成時の利得を調整するように、光遅延検波出力にスカラー値を乗算するスカラー値乗算器とを備えるものである。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る光通信受信機によれば、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができる。また、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用することができる。さらに、多数の多ビット乗算器の代わりに、加算器を使用することにより、回路規模が小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の実施の形態1に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係る光通信受信機に適用した16APSKのマッピングを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態4に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態5に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【図7】従来のMDD−DFの構成を示す図である。
【図8】従来のMDD−DFの光遅延検波器の構成を示す図である。
【図9】8相PSKを判定する場合の概念を示す図である。
【図10】他の従来のMDD−DFの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の光通信受信機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0036】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る光通信受信機について図1を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る光通信受信機の構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0037】
図1において、この発明の実施の形態1に係る光通信受信機は、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、複素乗算器17と、複素乗算器18と、複素信号の複素共役演算を実施する複素共役演算器7と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、複素乗算器10と、複素乗算器11と、複素乗算器12と、複素信号を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施する判定器14に加えて、光強度検出器101と、光強度検出結果用のAD変換器102と、複素信号に対して乗算するスカラー値を設定するスカラー値設定器103と、スカラー値B0を乗算するスカラー値乗算器104と、スカラー値B1を乗算するスカラー値乗算器105と、スカラー値B2を乗算するスカラー値乗算器106とが設けられている。
【0038】
この図1も、図7、図10と同様に、3シンボルのMDD−DFの構成図である。図1の構成は、図10の構成に、光強度検出器101、光強度検出結果用のAD変換器102、複素信号に対して乗算するスカラー値B0、B1、B2を設定するスカラー値設定器103を追加したものである。また、正規化処理器19A、19B、19Cの位置に、光遅延検波出力にスカラー値を乗算するスカラー値乗算器104、105、106をそれぞれ差し替えた構成である。
【0039】
つぎに、この実施の形態1に係る光通信受信機の動作について図面を参照しながら説明する。
【0040】
図1の構成では、光強度検出器101のAD変換後の出力|rk|2から、スカラー値設定器103によりスカラー値B0、B1、B2を設定する。このスカラー値設定器103の内部には遅延器を持ち、|rk−1|2、|rk−2|2を生成する。図1の例では、スカラー値設定器103は、B0=1、B1=|rk−1|2、B2=|rk−1|2×|rk−2|2を生成して、スカラー値乗算器104、105、106にそれぞれ出力する。
【0041】
スカラー値乗算器104、105、106は、光遅延検波出力に対してスカラー値B0、B1、B2をそれぞれ乗算し、複素加算器13は、各光遅延検波出力を等利得で合成する。
【0042】
図1は3シンボルのMDD−DFであるが、NシンボルのMDD−DFにおいても、スカラー値設定器103が、|rk−N+1|2…|rk−1|2を生成すればよい。スカラー値Bp(p=0、1…N−1)は、次の式(9)により求められる。
【0043】
【数7】
【0044】
この式(9)により、複素加算器13において各光遅延検波出力を等利得で合成できる。
【0045】
以上のように、実施の形態1によれば、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができる。
【0046】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る光通信受信機について図2及び図3を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施の形態2に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【0047】
図2において、この発明の実施の形態2に係る光通信受信機は、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、複素乗算器17と、複素乗算器18と、複素信号の複素共役演算を実施する複素共役演算器7と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、複素乗算器10と、複素乗算器11と、複素乗算器12と、複素信号を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施する判定器14と、光強度検出器101と、光強度検出結果用のAD変換器102と、複素信号に対して乗算するスカラー値を設定するスカラー値設定器103と、スカラー値B0を乗算するスカラー値乗算器104と、スカラー値B1を乗算するスカラー値乗算器105と、スカラー値B2を乗算するスカラー値乗算器106に加えて、閾値算出器201と、判定器(第1の判定器)202と、判定器(第2の判定器)203とが設けられている。
【0048】
図2の構成は、APSK等の振幅成分にも情報データがマッピングされた場合にMDD−DFを適用することができる。前提条件として、位相成分は差動符号化しており、振幅成分は差動符号化していない変調方式とする。図2も、図7、図10、図1と同様に、3シンボルのMDD−DFの構成図である。
【0049】
図2の構成は、図1の構成に、閾値算出器201、判定器202、判定器203を追加したものであり、追加した構成は振幅成分にマッピングされた情報データを検波するためのものである。図2の判定器14は、他の判定器と区別するために異なる符号を付しており、差動符号化された位相成分の判定を実施する。
【0050】
つぎに、この実施の形態2に係る光通信受信機の動作について図面を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施の形態2に係る光通信受信機に適用した16APSKのマッピングを示す図である。
【0051】
閾値算出器201は、判定器202の判定に用いる閾値を算出する。例えば、図3に示すような信号点を持つ16APSKの場合(内8点、外8点にマッピングして振幅比が1:2)であれば、|rk|2の平均値を求め、それに0.9を乗算した値を閾値として出力する。
【0052】
判定器202は、閾値算出器201で求めた閾値により判定を実施する。上記の16APSKの場合であれば、閾値は1種類であるため、大小比較のみで判定が可能である。後段に誤り訂正のデコーダがあり、軟判定値が必要な場合には、|rk|2から閾値を減算したものをデコーダに出力する。
【0053】
判定器203は、判定器14の位相成分の判定結果と、判定器202の振幅成分の判定結果を合わせて送信シンボル点を推定する。図3に示す16APSKのマッピングであれば、MSBが振幅成分、それより以下の3ビットは位相成分を示している。マッピングの条件から送信シンボル点を推定する。
【0054】
以上のように、実施の形態2によれば、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができる。また、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用することができる。
【0055】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る光通信受信機について図4を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態3に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【0056】
図4において、この発明の実施の形態3に係る光通信受信機は、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、複素信号(複数の遅延検波出力)を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施して判定後のシンボル系列Ik(複素信号)を出力する判定器14に加えて、複素信号の位相成分を抽出するArctan演算器301と、加算器302、303、304、305、306と、シンボルマッピング器(M)307、308、309と、位相マッピング器(M2)310とが設けられている。
【0057】
上記の実施の形態1及び2は全て複素信号で演算しており、乗算器が多く、回路規模の増加が懸念される。本実施の形態3では、AD変換後の光遅延検波出力に対してarctan演算を実施することで位相成分を取り出す。この演算により上記の複素乗算器は加算器に置き換えることが可能であり、回路規模を低減できる。また、図4も、3シンボルのMDD−DFの構成図である。
【0058】
この実施の形態3は、受信信号系列rkの入力から光遅延検波器1を経て、AD変換器4に至るまでの構成が図10と同様であり、これ以降の処理が異なる。
【0059】
Arctan演算器301は、複素信号の位相成分を抽出するもので、テーブル引きによる回路化や、CORDICといったアルゴリズムを使用することで構成できる。このArctan演算器301の出力は位相値のみのスカラーである。
【0060】
シンボルマッピング器307、308、309は、入力される位相情報から固定振幅のシンボル(複素信号)にマッピングする。シンボルマッピング器307、308、309は、全て同じ振幅のシンボルに変換する。また、位相マッピング器310は、判定後のシンボル(複素信号)から位相情報に変換するものであり、テーブル引きで構成できる。
【0061】
つぎに、この実施の形態3に係る光通信受信機の動作について図面を参照しながら説明する。
【0062】
Arctan演算以降の処理を数式で説明する。伝搬路特性と、M相PSKの送信変調系列(差動符号化を実施)をそれぞれ、ck、Jk(複素信号)とする。この時、受信信号系列rkに関する式(2)において次の式(10)、式(11)が成り立つとする。
【0063】
【数8】
【0064】
伝送路特性ck、送信変調系列Jkの位相成分をそれぞれφk、dkとしている。光遅延検波器1の出力は、次の式(12)のようになる。
【0065】
【数9】
【0066】
Aは受信信号の振幅を示す。JkとIkには式(1)の関係があり、Ikの位相成分をskとすると次の式(13)を満たす。
【0067】
【数10】
【0068】
この時、Arctan演算器301、加算器302、303の各出力は、次の式(14)、式(15)、式(16)の通りである。
【0069】
【数11】
【0070】
式(14)の変換は、式(13)より導ける。シンボル判定値の位相マッピング後の系列はskに相当し、フィードバックして加算器302、303の各出力に反映される。加算器305、306の各出力は、次の式(17)、次の式(18)の通りである。
【0071】
【数12】
【0072】
式(17)、式(18)の変換は、式(13)より導ける。シンボルマッピング器307、308、309の出力は、図10の正規化処理器19A、19B、19Cの出力と同一であり、複素加算器13において複数の遅延検波出力の合成が可能になる。図10の場合と同様に、遅延検波の前提としてシンボル間の位相変動はシンボル判定が可能な程度にコヒーレント性を持つことを仮定している(φk=φk−1=φk−2=φk−3)。
【0073】
以上のように、実施の形態3によれば、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができる。さらに、多数の多ビット乗算器の代わりに、加算器を使用することにより、回路規模が小さくすることができる。
【0074】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る光通信受信機について図5を参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態4に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【0075】
図5において、この発明の実施の形態4に係る光通信受信機は、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、複素信号の位相成分を抽出するArctan演算器301と、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、加算器302と、加算器303と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、加算器304と、加算器305と、加算器306と、シンボルマッピング器(M)307、308、309と、複素信号(複数の遅延検波出力)を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施して判定後のシンボル系列Ik(複素信号)を出力する判定器14と、位相マッピング器(M2)310に加えて、光強度検出器401と、光強度検出結果用のAD変換器402と、閾値算出器403と、判定器404と、判定器405とが設けられている。
【0076】
なお、光強度検出器401、及びAD変換器402は、上記の実施の形態1(図1)の光強度検出器101、及びAD変換器102とそれぞれ同一機能を有しているが、この実施の形態4で追加されていることを強調するために符号を変えている。同様に、閾値算出器403、判定器404、及び判定器405は、上記の実施の形態2(図2)の閾値算出器201、判定器202、及び判定器203とそれぞれ同一機能を有しているが、この実施の形態4で追加されていることを強調するために符号を変えている。
【0077】
図5の構成は、APSK等の振幅成分にも情報データがマッピングされた場合にMDD−DFを適用する構成を示す。上記の実施の形態2と同様に、前提条件として、位相成分は差動符号化しており、振幅成分は差動符号化していない変調方式とする。図5も、3シンボルのMDD−DFの構成図である。
【0078】
図5は、図4の構成に、光強度検出器401、AD変換器402、閾値算出器403、判定器404、判定器405を追加した構成である。これらの追加構成は、振幅成分にマッピングされた情報データを検波するためのものである。図5の判定器14は、他の判定器404、405と区別するために符号を変えており、差動符号化された位相成分の判定を実施する。追加した機能ブロックの動作は、上記の実施の形態2と同様である。
【0079】
以上のように、実施の形態4によれば、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができる。また、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用することができる。さらに、多数の多ビット乗算器の代わりに、加算器を使用することにより、回路規模が小さくすることができる。
【0080】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る光通信受信機について図6を参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態5に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【0081】
図6において、この発明の実施の形態5に係る光通信受信機は、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、複素信号の位相成分を抽出するArctan演算器301と、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、加算器302と、加算器303と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、加算器304と、加算器305と、加算器306と、シンボルマッピング器(M)307、308、309と、複素信号(複数の遅延検波出力)を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施して判定後のシンボル系列Ik(複素信号)を出力する判定器14と、位相マッピング器(M2)310に加えて、シンボル拡張ユニット500が設けられている。
【0082】
シンボル拡張ユニット500は、1シンボル遅延器501と、加算器502と、1シンボル遅延器503と、加算器504と、加算器505と、シンボルマッピング器(M)506と設けられている。
【0083】
上記の実施の形態1〜4は、3シンボルのMDD−DFの構成について説明したが、この実施の形態5では、3シンボル以上の複数シンボルに対応するMDD−DFの構成を説明する。
【0084】
例として、実施の形態3の構成を3シンボル以上に拡張する。実施の形態3の構成に、シンボル拡張ユニット500を遅延検波するシンボル数に合わせて追加すれば3シンボル以上の複数シンボルに対応するMDD−DFを構成できる。
【0085】
上記の実施の形態1及び2の複素信号で演算する場合にも、同等の機能に相当する箇所を追加することで複数シンボルに対応することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 光遅延検波器、4 AD変換器、7 複素共役演算器、8 1シンボル遅延器、9 1シンボル遅延器、10 複素乗算器、11 複素乗算器、12 複素乗算器、13 複素加算器、14 判定器、15 1シンボル遅延器、16 1シンボル遅延器、17 複素乗算器、18 複素乗算器、101 光強度検出器、102 AD変換器、103 スカラー値設定器、104 スカラー値乗算器、105 スカラー値乗算器、106 スカラー値乗算器、201 閾値算出器、202 判定器、203 判定器、301 Arctan演算器、302 加算器、303 加算器、304 加算器、305 加算器、306 加算器、307 シンボルマッピング器、310 位相マッピング器、401 光強度検出器、402 AD変換器、403 閾値算出器、404 判定器、405 判定器、500 シンボル拡張ユニット。
【技術分野】
【0001】
この発明は、回路規模を縮小でき、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用できる判定帰還型多重位相遅延検波方式の光通信受信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
次世代光通信では、更なる高速伝送に向けて多値変復調技術が注目されている。多値変復調技術は無線通信システムでは既に実用化されているが、無線通信と比較して発振器である半導体レーザ光源の位相雑音が大きいことや、周波数・位相同期確立の容易さから、「遅延検波方式」が有効である。
【0003】
「同期検波方式」も考えられるが、遅延検波はパイロット信号等の既知系列の送信を必要とせず、ブラインド環境で動作する回路が同期検波と比較して容易に構成できるため、現在の光通信システムへの適用に向いている。遅延検波は検波時の参照位相に前シンボルを使用するため、同期検波に対して約3dB程度の性能劣化を生じる。上記の劣化を改善するためには「判定帰還型多重位相遅延検波(MDD−DF:Multiple Delay Detection − Decision Feedback)」を適用できる(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
このMDD−DFは、検波するシンボルより前の複数シンボルとの遅延検波結果を合成して検波することで、参照位相のS/Nを改善することにより同期検波の性能に漸近できる。MDD−DFの構成例を図7に示す。
【0005】
従来のMDD−DFについて図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、従来のMDD−DFの構成を示す図である。また、図8は、従来のMDD−DFの光遅延検波器の構成を示す図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0006】
図7において、従来のMDD−DFは、光遅延検波器[T]1と、光遅延検波器[2T]2と、光遅延検波器[3T]3と、AD(Analog to Digital)変換器4と、AD変換器5と、AD変換器6と、複素信号の複素共役演算を実施する複素共役演算器7と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、複素乗算器10と、複素乗算器11と、複素乗算器12と、複素信号を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施する判定器14とが設けられている。
【0007】
図8において、光遅延検波器1は、1シンボル時間の遅延器21と、1シンボル時間の遅延器22と、位相−π/2の遅延器23と、ダイオード回路24と、ダイオード回路25とが設けられている。
【0008】
複素信号rk、Ikは、それぞれ、時刻kにおけるシンボル単位の受信信号系列と、M相PSK変調マッピング後の情報系列を示している。送信信号系列(ビット列)に対してBPSK変調では1ビットを1シンボル、QPSK変調では2ビットを1シンボル、M相PSK変調ではlog2Mビットを1シンボルにマッピングする。また、送信側で差動符号化の実施を想定しており、差動符号化後のM値変調の送信変調系列を複素信号Jkとする。この時、複素信号JkとIkには次の式(1)の関係がある。Jk、Ikは振幅1である。
【0009】
【数1】
【0010】
また、図7の構成は、検波するシンボルから3シンボル前までのシンボルとの遅延検波結果を合成するものである。
【0011】
図7に示す受信信号系列rkは、シンボル単位の受信データを示す複素信号である。受信信号rkは、光デバイスの光遅延検波器1、2、3にそれぞれ入力される。
【0012】
光遅延検波器1−3内の遅延器21−23、ダイオード回路24、25を経由した信号は1シンボル遅延検波出力のRe{rkr*k−1}、Im{rkr*k−1}である。その複素信号をrkr*k−1と表記し、これは図7の光遅延検波器1の出力に相当する。
【0013】
図7の光遅延検波器2は、図8の遅延器21、22の遅延量が2シンボルに設定されたものであり、出力は2シンボル遅延検波出力rkr*k−2に相当する。また、図7の光遅延検波器3は、図8の遅延器21、22の遅延量が3シンボルに設定されたものであり、出力は3シンボル遅延検波出力rkr*k−3に相当する。
【0014】
例として、8相PSKを判定する場合の概念を図9に示す。破線が閾値を示しており、破線に挟まれた8つの位相範囲(1)〜(8)がある。受信シンボルがどの位相範囲にあるかを判定することで送信シンボルを推定する(推定値は図9の◆)。
【0015】
図7に示すAD変換器4−6から判定器14までの信号の流れを、数式を用いて説明する。伝送路特性をckとする時、受信信号系列rkは次の式(2)で示される。
【0016】
【数2】
【0017】
従って、各光遅延検波器1−3の出力は、以下の通りに示すことができる。
【0018】
【数3】
【0019】
式(4)の2シンボル光遅延検波器2の出力に対しては、判定結果をフィードバックして下記の乗算を実施する。
【0020】
【数4】
【0021】
式(5)の3シンボル光遅延検波器3の出力に対しても、判定結果をフィードバックして下記の乗算を実施する。
【0022】
【数5】
【0023】
式(3)、式(6)、式(7)を、次の式(8)に示すように、複素加算器13で合成し、その結果を判定器14で判定してIkを得る。
【0024】
【数6】
【0025】
遅延検波の前提として、シンボル間の位相変動はシンボル判定が可能な程度にコヒーレント性を持つことを仮定している(ck=ck−1=ck−2=ck−3)。
【0026】
図7では光遅延検波器を複数持つ構成を説明したが、光遅延検波器が1つで上記のMDD−DFを構成することも可能であり、その構成を図10に示す(例えば、非特許文献1参照)。図10は、図7と同様に3シンボルのMDD−DFの構成図である。
【0027】
図10において、他の従来のMDD−DFは、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、複素信号の複素共役演算を実施する複素共役演算器7と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、複素乗算器10と、複素乗算器11と、複素乗算器12と、複素信号を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施する判定器14に加えて、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、複素乗算器17と、複素乗算器18と、振幅を1に正規化する正規化処理器19A、19B、19Cとが設けられている。
【0028】
図10の構成では光遅延検波器は1つであり、AD変換以降のディジタル信号処理により2シンボル遅延検波出力、3シンボル遅延検波出力をそれぞれ生成する。例えば、1シンボル遅延器15の出力信号rk−1r*k−2と、AD変換器4の出力信号rkr*k−1を複素乗算器17で乗算することで、rkr*k−2|rk−1|2を生成する。スカラー値|rk−1|2倍されているが、後段の正規化処理器19Bにより振幅を1に正規化するため、上記のスカラー倍の影響は除去することが可能であり、2シンボル遅延検波出力に相当する結果を得ることができる。また、図10に示すように、1シンボル遅延器16の出力信号rk−2r*k−3と、複素乗算器17の出力信号rkr*k−2|rk−1|2の乗算処理により3シンボル遅延検波出力を生成することが可能である。後段の判定帰還する方法は、図7に示した方法と同じである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】M. Nazarathy et al., “Self-Coherent Multisymbol Detection of Optical Differential Phase-Shift Keying”, IEEE JLT. vol. 26, no. 13, July 1, 2008 pp. 1921-1934
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。図10に示した遅延検波方式は、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理が必要であり、回路規模が増大するという課題がある。また、PSK変調であれば、振幅成分を除去する上記の方式で問題は無いが、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式には適用できないという課題がある。さらに、図7、図10に示す構成では複数の多ビット乗算器を使用するため回路規模が大きくなるという課題がある。
【0031】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができ、また、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用することができ、さらに、多数の多ビット乗算器の代わりに、加算器を使用することにより、回路規模が小さくすることができる光通信受信機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明に係る光通信受信機は、光遅延検波器の出力の振幅を求めて除算する正規化処理器を含む判定帰還型多重位相遅延検波回路を備える光通信受信機において、受信信号の受信強度を検出する光強度検出器と、前記光強度検出器の出力からスカラー値を設定するスカラー値設定器と、前記正規化処理器の代わりに、光遅延検波器の出力の合成時の利得を調整するように、光遅延検波出力にスカラー値を乗算するスカラー値乗算器とを備えるものである。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る光通信受信機によれば、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができる。また、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用することができる。さらに、多数の多ビット乗算器の代わりに、加算器を使用することにより、回路規模が小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の実施の形態1に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係る光通信受信機に適用した16APSKのマッピングを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態4に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態5に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【図7】従来のMDD−DFの構成を示す図である。
【図8】従来のMDD−DFの光遅延検波器の構成を示す図である。
【図9】8相PSKを判定する場合の概念を示す図である。
【図10】他の従来のMDD−DFの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の光通信受信機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0036】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る光通信受信機について図1を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る光通信受信機の構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0037】
図1において、この発明の実施の形態1に係る光通信受信機は、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、複素乗算器17と、複素乗算器18と、複素信号の複素共役演算を実施する複素共役演算器7と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、複素乗算器10と、複素乗算器11と、複素乗算器12と、複素信号を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施する判定器14に加えて、光強度検出器101と、光強度検出結果用のAD変換器102と、複素信号に対して乗算するスカラー値を設定するスカラー値設定器103と、スカラー値B0を乗算するスカラー値乗算器104と、スカラー値B1を乗算するスカラー値乗算器105と、スカラー値B2を乗算するスカラー値乗算器106とが設けられている。
【0038】
この図1も、図7、図10と同様に、3シンボルのMDD−DFの構成図である。図1の構成は、図10の構成に、光強度検出器101、光強度検出結果用のAD変換器102、複素信号に対して乗算するスカラー値B0、B1、B2を設定するスカラー値設定器103を追加したものである。また、正規化処理器19A、19B、19Cの位置に、光遅延検波出力にスカラー値を乗算するスカラー値乗算器104、105、106をそれぞれ差し替えた構成である。
【0039】
つぎに、この実施の形態1に係る光通信受信機の動作について図面を参照しながら説明する。
【0040】
図1の構成では、光強度検出器101のAD変換後の出力|rk|2から、スカラー値設定器103によりスカラー値B0、B1、B2を設定する。このスカラー値設定器103の内部には遅延器を持ち、|rk−1|2、|rk−2|2を生成する。図1の例では、スカラー値設定器103は、B0=1、B1=|rk−1|2、B2=|rk−1|2×|rk−2|2を生成して、スカラー値乗算器104、105、106にそれぞれ出力する。
【0041】
スカラー値乗算器104、105、106は、光遅延検波出力に対してスカラー値B0、B1、B2をそれぞれ乗算し、複素加算器13は、各光遅延検波出力を等利得で合成する。
【0042】
図1は3シンボルのMDD−DFであるが、NシンボルのMDD−DFにおいても、スカラー値設定器103が、|rk−N+1|2…|rk−1|2を生成すればよい。スカラー値Bp(p=0、1…N−1)は、次の式(9)により求められる。
【0043】
【数7】
【0044】
この式(9)により、複素加算器13において各光遅延検波出力を等利得で合成できる。
【0045】
以上のように、実施の形態1によれば、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができる。
【0046】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る光通信受信機について図2及び図3を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施の形態2に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【0047】
図2において、この発明の実施の形態2に係る光通信受信機は、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、複素乗算器17と、複素乗算器18と、複素信号の複素共役演算を実施する複素共役演算器7と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、複素乗算器10と、複素乗算器11と、複素乗算器12と、複素信号を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施する判定器14と、光強度検出器101と、光強度検出結果用のAD変換器102と、複素信号に対して乗算するスカラー値を設定するスカラー値設定器103と、スカラー値B0を乗算するスカラー値乗算器104と、スカラー値B1を乗算するスカラー値乗算器105と、スカラー値B2を乗算するスカラー値乗算器106に加えて、閾値算出器201と、判定器(第1の判定器)202と、判定器(第2の判定器)203とが設けられている。
【0048】
図2の構成は、APSK等の振幅成分にも情報データがマッピングされた場合にMDD−DFを適用することができる。前提条件として、位相成分は差動符号化しており、振幅成分は差動符号化していない変調方式とする。図2も、図7、図10、図1と同様に、3シンボルのMDD−DFの構成図である。
【0049】
図2の構成は、図1の構成に、閾値算出器201、判定器202、判定器203を追加したものであり、追加した構成は振幅成分にマッピングされた情報データを検波するためのものである。図2の判定器14は、他の判定器と区別するために異なる符号を付しており、差動符号化された位相成分の判定を実施する。
【0050】
つぎに、この実施の形態2に係る光通信受信機の動作について図面を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施の形態2に係る光通信受信機に適用した16APSKのマッピングを示す図である。
【0051】
閾値算出器201は、判定器202の判定に用いる閾値を算出する。例えば、図3に示すような信号点を持つ16APSKの場合(内8点、外8点にマッピングして振幅比が1:2)であれば、|rk|2の平均値を求め、それに0.9を乗算した値を閾値として出力する。
【0052】
判定器202は、閾値算出器201で求めた閾値により判定を実施する。上記の16APSKの場合であれば、閾値は1種類であるため、大小比較のみで判定が可能である。後段に誤り訂正のデコーダがあり、軟判定値が必要な場合には、|rk|2から閾値を減算したものをデコーダに出力する。
【0053】
判定器203は、判定器14の位相成分の判定結果と、判定器202の振幅成分の判定結果を合わせて送信シンボル点を推定する。図3に示す16APSKのマッピングであれば、MSBが振幅成分、それより以下の3ビットは位相成分を示している。マッピングの条件から送信シンボル点を推定する。
【0054】
以上のように、実施の形態2によれば、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができる。また、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用することができる。
【0055】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る光通信受信機について図4を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態3に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【0056】
図4において、この発明の実施の形態3に係る光通信受信機は、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、複素信号(複数の遅延検波出力)を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施して判定後のシンボル系列Ik(複素信号)を出力する判定器14に加えて、複素信号の位相成分を抽出するArctan演算器301と、加算器302、303、304、305、306と、シンボルマッピング器(M)307、308、309と、位相マッピング器(M2)310とが設けられている。
【0057】
上記の実施の形態1及び2は全て複素信号で演算しており、乗算器が多く、回路規模の増加が懸念される。本実施の形態3では、AD変換後の光遅延検波出力に対してarctan演算を実施することで位相成分を取り出す。この演算により上記の複素乗算器は加算器に置き換えることが可能であり、回路規模を低減できる。また、図4も、3シンボルのMDD−DFの構成図である。
【0058】
この実施の形態3は、受信信号系列rkの入力から光遅延検波器1を経て、AD変換器4に至るまでの構成が図10と同様であり、これ以降の処理が異なる。
【0059】
Arctan演算器301は、複素信号の位相成分を抽出するもので、テーブル引きによる回路化や、CORDICといったアルゴリズムを使用することで構成できる。このArctan演算器301の出力は位相値のみのスカラーである。
【0060】
シンボルマッピング器307、308、309は、入力される位相情報から固定振幅のシンボル(複素信号)にマッピングする。シンボルマッピング器307、308、309は、全て同じ振幅のシンボルに変換する。また、位相マッピング器310は、判定後のシンボル(複素信号)から位相情報に変換するものであり、テーブル引きで構成できる。
【0061】
つぎに、この実施の形態3に係る光通信受信機の動作について図面を参照しながら説明する。
【0062】
Arctan演算以降の処理を数式で説明する。伝搬路特性と、M相PSKの送信変調系列(差動符号化を実施)をそれぞれ、ck、Jk(複素信号)とする。この時、受信信号系列rkに関する式(2)において次の式(10)、式(11)が成り立つとする。
【0063】
【数8】
【0064】
伝送路特性ck、送信変調系列Jkの位相成分をそれぞれφk、dkとしている。光遅延検波器1の出力は、次の式(12)のようになる。
【0065】
【数9】
【0066】
Aは受信信号の振幅を示す。JkとIkには式(1)の関係があり、Ikの位相成分をskとすると次の式(13)を満たす。
【0067】
【数10】
【0068】
この時、Arctan演算器301、加算器302、303の各出力は、次の式(14)、式(15)、式(16)の通りである。
【0069】
【数11】
【0070】
式(14)の変換は、式(13)より導ける。シンボル判定値の位相マッピング後の系列はskに相当し、フィードバックして加算器302、303の各出力に反映される。加算器305、306の各出力は、次の式(17)、次の式(18)の通りである。
【0071】
【数12】
【0072】
式(17)、式(18)の変換は、式(13)より導ける。シンボルマッピング器307、308、309の出力は、図10の正規化処理器19A、19B、19Cの出力と同一であり、複素加算器13において複数の遅延検波出力の合成が可能になる。図10の場合と同様に、遅延検波の前提としてシンボル間の位相変動はシンボル判定が可能な程度にコヒーレント性を持つことを仮定している(φk=φk−1=φk−2=φk−3)。
【0073】
以上のように、実施の形態3によれば、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができる。さらに、多数の多ビット乗算器の代わりに、加算器を使用することにより、回路規模が小さくすることができる。
【0074】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る光通信受信機について図5を参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態4に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【0075】
図5において、この発明の実施の形態4に係る光通信受信機は、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、複素信号の位相成分を抽出するArctan演算器301と、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、加算器302と、加算器303と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、加算器304と、加算器305と、加算器306と、シンボルマッピング器(M)307、308、309と、複素信号(複数の遅延検波出力)を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施して判定後のシンボル系列Ik(複素信号)を出力する判定器14と、位相マッピング器(M2)310に加えて、光強度検出器401と、光強度検出結果用のAD変換器402と、閾値算出器403と、判定器404と、判定器405とが設けられている。
【0076】
なお、光強度検出器401、及びAD変換器402は、上記の実施の形態1(図1)の光強度検出器101、及びAD変換器102とそれぞれ同一機能を有しているが、この実施の形態4で追加されていることを強調するために符号を変えている。同様に、閾値算出器403、判定器404、及び判定器405は、上記の実施の形態2(図2)の閾値算出器201、判定器202、及び判定器203とそれぞれ同一機能を有しているが、この実施の形態4で追加されていることを強調するために符号を変えている。
【0077】
図5の構成は、APSK等の振幅成分にも情報データがマッピングされた場合にMDD−DFを適用する構成を示す。上記の実施の形態2と同様に、前提条件として、位相成分は差動符号化しており、振幅成分は差動符号化していない変調方式とする。図5も、3シンボルのMDD−DFの構成図である。
【0078】
図5は、図4の構成に、光強度検出器401、AD変換器402、閾値算出器403、判定器404、判定器405を追加した構成である。これらの追加構成は、振幅成分にマッピングされた情報データを検波するためのものである。図5の判定器14は、他の判定器404、405と区別するために符号を変えており、差動符号化された位相成分の判定を実施する。追加した機能ブロックの動作は、上記の実施の形態2と同様である。
【0079】
以上のように、実施の形態4によれば、複数の遅延検波出力を合成する際に、複素信号の振幅を求めて除算する正規化の処理を不要とすることにより、回路規模を縮小することができる。また、振幅成分にも情報データをマッピングするAPSK等の方式にも適用することができる。さらに、多数の多ビット乗算器の代わりに、加算器を使用することにより、回路規模が小さくすることができる。
【0080】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る光通信受信機について図6を参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態5に係る光通信受信機の構成を示す図である。
【0081】
図6において、この発明の実施の形態5に係る光通信受信機は、光遅延検波器[T]1と、AD変換器4と、複素信号の位相成分を抽出するArctan演算器301と、1シンボル遅延器15と、1シンボル遅延器16と、加算器302と、加算器303と、1シンボル遅延器8と、1シンボル遅延器9と、加算器304と、加算器305と、加算器306と、シンボルマッピング器(M)307、308、309と、複素信号(複数の遅延検波出力)を合成する複素加算器13と、シンボルの判定を実施して判定後のシンボル系列Ik(複素信号)を出力する判定器14と、位相マッピング器(M2)310に加えて、シンボル拡張ユニット500が設けられている。
【0082】
シンボル拡張ユニット500は、1シンボル遅延器501と、加算器502と、1シンボル遅延器503と、加算器504と、加算器505と、シンボルマッピング器(M)506と設けられている。
【0083】
上記の実施の形態1〜4は、3シンボルのMDD−DFの構成について説明したが、この実施の形態5では、3シンボル以上の複数シンボルに対応するMDD−DFの構成を説明する。
【0084】
例として、実施の形態3の構成を3シンボル以上に拡張する。実施の形態3の構成に、シンボル拡張ユニット500を遅延検波するシンボル数に合わせて追加すれば3シンボル以上の複数シンボルに対応するMDD−DFを構成できる。
【0085】
上記の実施の形態1及び2の複素信号で演算する場合にも、同等の機能に相当する箇所を追加することで複数シンボルに対応することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 光遅延検波器、4 AD変換器、7 複素共役演算器、8 1シンボル遅延器、9 1シンボル遅延器、10 複素乗算器、11 複素乗算器、12 複素乗算器、13 複素加算器、14 判定器、15 1シンボル遅延器、16 1シンボル遅延器、17 複素乗算器、18 複素乗算器、101 光強度検出器、102 AD変換器、103 スカラー値設定器、104 スカラー値乗算器、105 スカラー値乗算器、106 スカラー値乗算器、201 閾値算出器、202 判定器、203 判定器、301 Arctan演算器、302 加算器、303 加算器、304 加算器、305 加算器、306 加算器、307 シンボルマッピング器、310 位相マッピング器、401 光強度検出器、402 AD変換器、403 閾値算出器、404 判定器、405 判定器、500 シンボル拡張ユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光遅延検波器の出力の振幅を求めて除算する正規化処理器を含む判定帰還型多重位相遅延検波回路を備える光通信受信機において、
受信信号の受信強度を検出する光強度検出器と、
前記光強度検出器の出力からスカラー値を設定するスカラー値設定器と、
前記正規化処理器の代わりに、光遅延検波器の出力の合成時の利得を調整するように、光遅延検波出力にスカラー値を乗算するスカラー値乗算器と
を備えたことを特徴とする光通信受信機。
【請求項2】
位相成分は差動符号化しており、振幅成分は差動符号化していない変調方式を前提条件として、
前記光強度検出器の出力から所定の閾値を算出する閾値算出器と、
前記光強度検出器の出力に対して、前記閾値算出器で求めた所定の閾値により判定を実施する第1の判定器と、
前記判定帰還型多重位相遅延検波回路の位相成分の判定結果と、前記第1の判定器の振幅成分の判定結果を合わせて送信シンボル点を推定する第2の判定器とをさらに備えた
ことを特徴とする請求項1記載の光通信受信機。
【請求項3】
位相成分で多重位相遅延検波の演算を実施する判定帰還型多重位相遅延検波回路を備え、
前記判定帰還型多重位相遅延検波回路は、
光遅延検波器の出力を極座標変換することにより位相成分を抽出するArctan演算器と、
位相成分から固定振幅のシンボルにマッピングするシンボルマッピング器と、
判定後のシンボルから位相成分に変換する位相マッピング器とを少なくとも含む
ことを特徴とする光通信受信機。
【請求項4】
位相成分は差動符号化しており、振幅成分は差動符号化していない変調方式を前提条件として、
受信信号の受信強度を検出する光強度検出器と、
前記光強度検出器の出力から所定の閾値を算出する閾値算出器と、
前記光強度検出器の出力に対して、前記閾値算出器で求めた所定の閾値により判定を実施する第1の判定器と、
前記判定帰還型多重位相遅延検波回路の位相成分の判定結果と、前記第1の判定器の振幅成分の判定結果を合わせて送信シンボル点を推定する第2の判定器とをさらに備えた
ことを特徴とする請求項3記載の光通信受信機。
【請求項1】
光遅延検波器の出力の振幅を求めて除算する正規化処理器を含む判定帰還型多重位相遅延検波回路を備える光通信受信機において、
受信信号の受信強度を検出する光強度検出器と、
前記光強度検出器の出力からスカラー値を設定するスカラー値設定器と、
前記正規化処理器の代わりに、光遅延検波器の出力の合成時の利得を調整するように、光遅延検波出力にスカラー値を乗算するスカラー値乗算器と
を備えたことを特徴とする光通信受信機。
【請求項2】
位相成分は差動符号化しており、振幅成分は差動符号化していない変調方式を前提条件として、
前記光強度検出器の出力から所定の閾値を算出する閾値算出器と、
前記光強度検出器の出力に対して、前記閾値算出器で求めた所定の閾値により判定を実施する第1の判定器と、
前記判定帰還型多重位相遅延検波回路の位相成分の判定結果と、前記第1の判定器の振幅成分の判定結果を合わせて送信シンボル点を推定する第2の判定器とをさらに備えた
ことを特徴とする請求項1記載の光通信受信機。
【請求項3】
位相成分で多重位相遅延検波の演算を実施する判定帰還型多重位相遅延検波回路を備え、
前記判定帰還型多重位相遅延検波回路は、
光遅延検波器の出力を極座標変換することにより位相成分を抽出するArctan演算器と、
位相成分から固定振幅のシンボルにマッピングするシンボルマッピング器と、
判定後のシンボルから位相成分に変換する位相マッピング器とを少なくとも含む
ことを特徴とする光通信受信機。
【請求項4】
位相成分は差動符号化しており、振幅成分は差動符号化していない変調方式を前提条件として、
受信信号の受信強度を検出する光強度検出器と、
前記光強度検出器の出力から所定の閾値を算出する閾値算出器と、
前記光強度検出器の出力に対して、前記閾値算出器で求めた所定の閾値により判定を実施する第1の判定器と、
前記判定帰還型多重位相遅延検波回路の位相成分の判定結果と、前記第1の判定器の振幅成分の判定結果を合わせて送信シンボル点を推定する第2の判定器とをさらに備えた
ことを特徴とする請求項3記載の光通信受信機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−183517(P2010−183517A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27594(P2009−27594)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人情報通信研究機構、「ユニバーサルリンク技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人情報通信研究機構、「ユニバーサルリンク技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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