説明

光造形装置

【課題】造形品質と造形成功率が高い光造形装置の提供。
【解決手段】光造形装置20は、透光性を有する板7と、透光性を有する板の上に載置したフィルム8と、フィルムに所定のたるみを発生させるフィルム送出部と、フィルムの上に所定の範囲を囲うシール枠6と、シール枠内に貯留された光硬化性樹脂9に対して下方より光を照射する光照射手段1と、光照射手段により硬化した光硬化樹脂を保持する造形物保持ユニット13と、造形物保持ユニットを係止する昇降ベース15と、昇降ベースを制御する駆動部14を有し、造形物保持ユニットは、昇降ベースが上昇して造形物保持ユニットとフィルムとの間で硬化した樹脂をフィルムから引き剥がす際に、造形物保持ユニットにはフィルムが張り付いた状態でフィルム側に引っ張られる力により、透光性を有する板の底面に対して傾斜し、フィルム送出手段によって作られた弛みを引出してフィルムを移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光造形装置に関し、特に、光硬化性樹脂を用いる規制液面方式の光造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、可視光または紫外光による照射で硬化する光硬化性樹脂を用いた光造形装置が知られており、これら光造形装置の中で規制液面方式は、装置をコンパクトに出来ること、樹脂量の貯留が少なくて済むこと、造形物の表面が滑らかであること、装置構成が簡単なこと等の利点を持っているため、3次元造形装置として広く用いられている。
【0003】
こうした規制液面方式の光造形装置は、底面が透明な容器に入れられた光硬化性樹脂に対して下方から光を照射し、容器底面と造形ベースとのギャップ間(積層ピッチ)の樹脂層を硬化させたのち、造形ベースを引き上げ、硬化した樹脂を造形ベースに接着させると同時に底面から剥離するという工程を繰り返すプロセスにて造形をおこなっている。
【0004】
上記したような従来の光造形装置では、樹脂容器底面にFEP系樹脂等の剥離層をコーティングし、さらには剥離時に底面または造形ベースを傾けて硬化した樹脂を片側から徐々に剥離する等の工夫がなされている。しかしながら、剥離に関する問題として、造形形状の履歴の影響、例えば同一形状を繰り返し剥離するような場合に剥離層は部分的に劣化が進行すること、硬化した樹脂の周囲の半硬化の樹脂屑の発生により造形物にバリが発生すること、剥離性能を決定するコーティング層の寿命は有限であり高価な寿命部品であること、等があげられる。以上のような理由から、剥離性能を継続的に維持することは難しく剥離層の寿命の特定が出来ないという欠点があった。このため造形の途中で剥離抵抗が大きくなり、造形物の一部が欠損する、造形物が造形ベースから落下する等のトラブルが発生していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
上記した欠点を改善することのできる規制液面方式の光造形装置として、例えば、特許文献1として提示する特開2002−370286号公報に開示された材料層を分離するための装置が提案されている。
【0006】
特許文献1よれば、剥離膜は、ガラス面と光硬化性樹脂の間にゲルのような弾性材料を分離膜として配置され、またこの分離膜は側面が同一材料の一体構造のフレームになっており、深皿状の交換可能な材料貯留槽として使用できるようになっている。分離膜と透明な面との付着は分離膜と硬化材料層との付着よりも数倍大きいように構成されている。
【0007】
また、分離膜が弾性変形する、すなわち分離膜が伸縮自在でガラス面に密着しないことが必須であり、この効果を発揮するためにガラスと分離膜が接触するどちらか一方の表面に所定の表面粗さを与える処理を行い、両者の間に空気が介在出来るようにし、剥離のときには、分離膜とガラス面との間にガスや液体の媒体を流入させるという構成になっている。
【特許文献1】特開2002−370286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の装置は上記のように構成されており、剥離膜を弾性変形させることで、剥離性能の向上を図っている。しかしこれは二次的なもので、最終的には剥離性能は剥離層の離型性に依存する。剥離層は造形形状により部分的に多く使用される箇所とそうでない個所の不均一が発生する。このような造形形状の履歴により剥離層は部分的な消耗が発生し剥離性能に不均一を生ずることになり、これが造形の品質と成功率を落とす原因になる。また底面を剥離部とする規制液面方式としては、剥離時に発生した屑が底面に残ることも造形品質に影響し、問題となっていた。
【0009】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡単な構成でしかも製造コストを上昇することなく、剥離性能を飛躍的に向上させ、造形品質と造形成功率が高い光造形装置を提供しようとするものである。
【0010】
また、本発明の目的とするところは、安価で、かつ、剥離の構成部材の交換を容易に行うことが出来る光造形装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明による光造形装置は、透光性を有する板と、透光性を有する板の上に載置したフィルムと、フィルムに所定のたるみを発生させるフィルム送出部と、フィルムの上に所定の範囲を囲うシール枠と、シール枠内に貯留された光硬化性樹脂に対して下方より光を照射する光照射手段と、光照射手段により硬化した光硬化樹脂を保持する造形物保持ユニットと、造形物保持ユニットを係止する昇降ベースと、昇降ベースを制御する駆動部を有し、造形物保持ユニットは、昇降ベースが上昇して造形物保持ユニットとフィルムとの間で硬化した樹脂をフィルムから引き剥がす際に造形物保持ユニットにフィルムが張り付いた状態でフィルム側に引っ張られる力により、透光性を有する板の底面に対して傾斜し、フィルム送出手段によって作られた弛みを引出してフィルムを移動するようにしたものである。
【0012】
したがって、フィルムは剥離を繰り返す度に、少しずつ剥離に使用した部分と未使用の部分を入れ替えることが可能であり、またフィルムに残った剥離の屑もフィルムの移動に伴って搬送するので、造形エリア内は屑がない状態が保たれ剥離性能を安定して維持することが可能になる。
【0013】
また、フィルムはフィルム送出手段により任意の長さの弛みに設定できるため、造形形状による剥離抵抗の違いに簡単に対応が可能になる。
【0014】

フィルムは、表面に光硬化性樹脂が容易に剥離可能なコーティングを施されていることが好ましい。
【0015】
さらには、フィルムは、厚さ50μm〜120μmのポリエチレンテレフタレート(PET)表面にフルオロシリコン系離型材を塗布したものであることが好ましい。
【0016】
また、シール枠はVリングで構成されるのが好ましい。
【0017】
この発明においては、造形物保持ユニットは昇降ベースに係止するための固定部と造形物を保持する保持部で構成され、保持部は固定部に回動自在に固定されるとともに、常時は平行状態になる方向に付勢する付勢手段を有しており、位置決め手段で底面との平行状態を維持されている。
【0018】
上記の構成により、造形物保持ユニットを昇降ベースに係止するだけで、昇降ベースの上昇と連動して、保持部とフィルムとの間で硬化した樹脂をフィルムから引き剥がす際に、保持部は、フィルムが張り付いた状態で固定部の回動軸を中心にして透光性を有する板の底面に対して傾斜するので、フィルム送出手段によって作られた弛みを引出してフィルムを移動することが可能であり、フィルムを移動するための複雑な機構を必要としない。
【0019】
なお、保持部に積層する造形物は、フィルムとの接着力の大きさに応じて底面との角度を作るため、傾斜による片側から順次剥離するという効果とあいまって、造形物に無理な力を掛けることなく容易に剥離を行える。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、簡単な構成で剥離フィルムを剥離動作毎に微小距離移動させるので、剥離フィルムの離型効果を高い水準で保つことが可能であり、光造形時の剥離を容易にし、造形品質と造形成功率が高い光造形装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光造形装置の構成説明図
【図2】本発明の一実施の形態に係る光造形装置の昇降ベースおよび造形物保持ユニットの概念構成斜視説明図
【図3】図3(a)(b)(c)(d)本発明の一実施の形態に係る光造形装置を用いて三次元造形物を作成する際の手順を示した概念説明図
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態ついて、図面を参照しながら説明する。図1には本発明の一実施の形態の光造形装置を説明する概略構成断面図が、図2には本発明の一実施の形態に係る光造形装置の昇降ベースおよび造形物保持ユニットの概念構成斜視説明図が示されている。
【0023】
図1を参照して、本発明による光造形装置20の構成を説明する。光硬化性樹脂9は、ガラス板7と、ガラス板7の上に載置されたフィルム8と、円筒形状のシール枠6と、シール枠6を固定する枠材5から構成される容器に貯留される。
【0024】
フィルム8は、ロール状として提供されることが好ましく、ロール固定部(図示せず)にセットした後、一端を引き出しガラス板7の上に載置される。このフィルム8を上から抑えるようにシール枠6を被せる。シール枠6はゴム状の弾性を持つ材料で出来ており、枠材5にはめ込まれている。シール枠6の固定は枠材5を匡体4にネジ固定することで行われる。なお、シール枠6は、一般的に回転軸のシールに用いられているVリングを使用することが好ましい。
【0025】
また、フィルム8はPET(ポリエチレンテレフタレート)の表面にフルオロシリコン系の離型材をコーティングしてあることが好ましく、厚さが50μm〜120μmであることが好ましい。
【0026】
光硬化性樹脂8の供給は、シール枠6の上方開口部から所定量注ぐことにより行われる。また光硬化性樹脂8の粘度は100cps〜300cps程度が好ましい。
【0027】
枠材5は、匡体4に着脱自在に保持される。駆動部14は、昇降ベース15を上下に移動させるものである。
【0028】
ガラス板7の下方には、ミラー3が設けられ、光源1から投影された光を反射してガラス板7に導く。レンズ2は、光源1の画像を、ガラス板表面、正確にはフィルム4の表面に結像させる。より詳細に説明すると光源1としては、DLP方式のプロジェクタまたは液晶プロジェクタを用い、レンズ2は、プロジェクタの投影画像を縮小して近距離に焦点を結ばせる役割を果たす非球面凸レンズである。
【0029】
次に、図2を参照して、他の部分の構成を説明する。造形物保持ユニット13は、昇降ベース15に係止するための固定部10と造形物を保持する保持部12が支軸11を中心に回動し、互いに引き合う方向にスプリング16にて付勢されている。造形物保持ユニット13と昇降ベース15とは固定ネジ17で結合される。保持ユニット13が昇降ベース15に結合されたあと、保持部は位置決め手段(図示せず)にて底面のガラス7に対して概略平行状態になるよう調整される。
【0030】
以上の構成による光造形装置の特徴は、簡単な構成で造形物の剥離を容易に出来ることにある。以下、三次元造形物を造形する際の剥離動作について図3(a、b、c、d)を参照して説明する。ただし、プロジェクタ1の制御およびプロジェクタ1への各層毎のデータへの転送については、従来からの公知の技術を用いればよいので、その詳細な説明については省略するものとする。ここでは積層ピッチ30μmの造形を例として説明を行うことにする。
【0031】
図3(a、b、c、d)は本発明の一実施の形態に係る光造形装置を用いて三次元造形物を作成する際の手順を示した概念説明図である。最初に図3(a)を参照して説明する。図3(a)は一層目の光硬化性樹脂を硬化させる工程を示す図である。昇降ベース15が光硬化性樹脂の上方から降りて保持部12とフィルム8との間隔が30μmの位置にて保持位置決め保持され、この状態でプロジェクタ1より一層目の画像を光硬化性樹脂9に所定の時間照射する。所定の時間とは光源の強さ、光硬化性樹脂の感度、積層ピッチで定まる値であるが、ここでは説明のため一層当たりの照射時間を5秒として説明する。
【0032】
プロジェクタ1の照射開始と時を同じくして、フィルム8とシール枠5の外側との間に弛みを作るため、フィルム送出手段(図示せず)によってフィルム8は微小長さが送り出される。この微小長は、剥離回数毎に0.1mm程度である。例えば高さ30mmの造形を積層ピッチ30μmで行えば、剥離回数は1000回であり、一回の造形でフィルムを10cm使用することになる。このフィルム送り制御は剥離回数毎でなく、複数回の剥離毎であってもよい。フィルム送出手段の駆動はステップモータ等のモータで行えばよい。
【0033】
次に図3(b)の図を参照する。図3(b)は剥離工程を説明する図である。5秒間光照射した後、昇降ベース15が持ち上がり硬化した樹脂をフィルム8から剥離する動作が始まる。昇降ベース15の上昇に伴い剥離動作をするときに、保持部12は
1層目硬化層18によるフィルム8との接着力の働きによってフィルムに張り付く力の反力として下向きの力を受ける。この下向きの力は剥離抵抗の大きさ、すなわち造形面積やフィルム8の離型性能に応じた力である。その力によって保持部12は支軸11を中心に回転し底面に対して角度をもって傾斜する状態になる。図3(b)は説明のため極端に傾斜した図を示している。この傾斜により発生するδの距離に相当する長さ分の張力をフィルム8は受けて、前記の0.1mm程度の弛み分が引き出されることになる。
【0034】
傾斜によるフィルムの移動量よりもフィルム8の送り出し量のほうが少ない設定になっているのでフィルム8は、太鼓の皮を引っ張ったような感じで上方に引っ張られその反力により、フィルム8と接着している1層目硬化層18は、その周囲からフィルムとの剥離が始まる。以上のようなことから、フィルム送出手段は、フィルム8を送り出す機能と同時にフィルム8が設定移動量以上に引きずりだされないようにするブレーキ機能を併せ持っていることが必要である。このブレーキ機能はフィルム送出手段を駆動するステップモータのホールディングトルクによって達成できる。
【0035】
次に図3(c)の図を参照して説明する。図3(c)は、段落番号[0033]で説明した1層目硬化層18がフィルム8との剥離をまさに終了した状態を示している。保持部12はスプリング16によりガラス面と平行の位置に戻され、フィルム8は張力が解放されガラス面に再び密着する位置に戻る。昇降ベース15は1層目硬化層18底面とフィルム8との距離が5mmの位置になるまで上昇する。この間にフィルム8の表面から硬化して取り去られた部分に光硬化性樹脂9が流れ込み、二層目の造形の準備が終了する。
【0036】
次に図3(d)の図を参照して説明する。図3(d)は二層目の光硬化性樹脂を硬化させる工程を示す図である。昇降ベース15が光硬化性樹脂の上方から降りて1層目硬化層18とフィルム8との間隔を30μmにする。この状態でプロジェクタ1より二層目の画像を光硬化性樹脂9に5秒間照射する。
【0037】
以下、図3(a)(b)c)(d)の工程を繰り返すことで造形が終了する。造形終了時に剥離に使用したフィルムは切断すれば良い。
【0038】
上記実施の形態においては、光源1にDLP方式と液晶方式のプロジェクタを用いて説明したが、これに限られるものではなく、光を照射できれば他の任意の方法であってもよい。
【0039】
なお、上記実施の形態においては、レンズ2および反射ミラー3を用いた光学構成としているが、これに限られるものではなく、レンズ2および反射ミラー3はなくてもよい。
【0040】
また、上記実施の形態においては、フィルム表面へのコーティングは、フルオロシリコン系の離型材を例にあげたが、これに限られるものではなく、離型性を有するものであれは任意のものであってもよい。
【0041】
また、上記実施の形態においては、固定部10と保持部12の付勢手段としてスプリング16はコイルスプリングを用いたが、これに限られるものではなく、他の形状のスプリングを用いるようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施の形態においては、シール枠6はVリングを用いたが、これに限られるものではなく、他のシール材を用いてもよく、形状も円筒形に限るものではない。
【0043】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態について説明したが、図示した実施例に限定されるものではなく、其の要旨を逸脱しない範囲にかぎり、種々の変更や改良を加え得るものである。

【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る光造形装置によれば、簡単な構成で剥離毎にフィルムを自動的に移送し、新しい剥離層と入れ替わるので、フィルムの剥離性能を高い水準に保つことが可能である。特に積層ピッチが10μm〜30μm程度の形状が複雑で精密な造形を行う光造形装置として有用である。
【符号の説明】
【0045】
1 プロジェクタ
2 レンズ
3 反射ミラー
4 匡体
5 枠材
6 シール枠
7 ガラス板
8 フィルム
9 光硬化性樹脂
10 固定部
11 支軸
12 保持部
13 造形物保持ユニット
14 駆動部
15 昇降ベース
16 スプリング
17 固定ネジ
18 1層目硬化層
19 2層目硬化層
20 光造形装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射して硬化する光硬化性樹脂を積層し三次元形状の造形を行う規制液面方式による光造形装置において、
透光性を有する板と、
前記透光性を有する板の上を所定の方向に移動可能なフィルムと、
前記フィルムに所定のたるみを発生させるフィルム送出部と、
前記フィルムの上に所定の範囲を囲うシール枠と、
前記シール枠内に貯留された光硬化性樹脂に対して下方より光を照射する光照射手段と、
前記光照射手段により硬化した光硬化樹脂を保持する造形物保持ユニットと、
前記造形物保持ユニットを係止する昇降ベースと、
前記昇降ベースを制御する駆動部を有し、
前記造形物保持ユニットは、
前記昇降ベースが上昇して前記造形物保持ユニットと前記フィルムとの間で硬化した樹脂を前記フィルムから引き剥がす際に、前記造形物保持ユニットには前記フィルムが張り付いた状態で前記フィルム側に引っ張られる力により、前記透光性を有する板の底面に対して傾斜し、前記フィルム送出手段によって作られた弛みを引出して前記フィルムを移動させることを特徴とする光造形装置
【請求項2】
請求項1に記載の光造形装置において、
造形物保持ユニットは昇降ベースに係止するための固定部と造形物を保持する保持部で構成され、前記保持部は前記固定部に回動自在に固定されるとともに、常時は互いに引き合う方向に付勢する付勢手段を有し、位置決め部材で平行状態を維持されていることを特徴とする光造形装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか1項に記載の光造形装置において、
前記フィルムは前記フィルム送出手段により任意の長さのたるみに設定できることを特徴とする光造形装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の光造形装置において、
前記フィルムは、表面に光硬化性樹脂が容易に剥離可能なコーティングを施されていることを特徴とする光造形装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の光造形装置において、
前記コーティングはフルオロシリコン系離型材をポリエチレンテレフタレート(PET)表面に塗布したものであることを特徴とする光造形装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の光造形装置において、
前記剥離フィルムは、厚さが50μm〜120μmであることを特徴とする光造形装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の光造形装置において、
前記シール枠は、Vリングであることを特徴とする光造形装置。
【請求項8】
光を照射して硬化する光硬化性樹脂を積層し三次元形状の造形を行う規制液面方式による光造形装置において、
底面が透光性を有する光硬化性樹脂を貯留する容器と、
前記容器に貯留された光硬化性樹脂に対して下方より光を照射する光照射手段と、
前記光照射手段により硬化した光硬化樹脂を保持する造形物保持ユニットと、
前記造形物保持ユニットを係止する昇降ベースと、
前記昇降ベースを制御する駆動部を有し、
前記造形物保持ユニットは、
前記昇降ベースが上昇して前記造形物保持ユニットと前記フィルムとの間で硬化した樹脂を前記フィルムから引き剥がす際に、前記造形物保持ユニットには前記フィルムが張り付いた状態で前記フィルム側に引っ張られる力により、前記透光性を有する板の底面に対して傾斜することを特徴とする光造形装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光造形装置において
前記造形物保持ユニットは前記昇降ベースに係止するための固定部と造形物を保持する保持部で構成され、前記保持部は前記固定部に回動自在に固定されるとともに、常時は平行状態になる方向に付勢する付勢手段を有し、位置決め部材で平行状態を維持されていることを特徴とする光造形装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−240865(P2010−240865A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88838(P2009−88838)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(304045642)株式会社リアルビジョンシステムズ (3)
【Fターム(参考)】